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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20241029BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241029BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20241029BHJP
   B60L 53/30 20190101ALI20241029BHJP
   B60L 58/27 20190101ALI20241029BHJP
【FI】
H02J7/10 K
H02J7/00 P
H02J7/04 C
B60L53/30
B60L58/27
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021192858
(22)【出願日】2021-11-29
(65)【公開番号】P2023079397
(43)【公開日】2023-06-08
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 優
(72)【発明者】
【氏名】栗原 史好
【審査官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-208639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/10
H02J 7/00
H02J 7/04
B60L 53/30
B60L 58/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外部から電力を受ける受電部と、
蓄電装置と、
タイマー充電のスケジュールの設定を受け付けるユーザ入力部と、
設定されたスケジュールに従って、車両の外部から供給された電力を用いて前記蓄電装置へ充電するタイマー充電の制御を行なう制御装置とを備え、
前記制御装置は、充電開始時刻と充電終了時刻とを定めた第1のスケジュールの充電時間帯と、充電開始時刻と充電終了時刻とを定めた第2のスケジュールの充電時間帯とが重なっている場合に、前記第1のスケジュールの充電開始時刻と前記第2のスケジュールの充電開始時刻とが相違するときに早い方の時刻において、前記充電を開始し、前記第1のスケジュールの充電終了時刻と前記第2のスケジュールの充電終了時刻とが相違するときに遅い方の時刻において、前記充電を終了する、車両。
【請求項2】
前記制御装置は、前記第1のスケジュールの充電開始時刻と前記第2のスケジュールの充電開始時刻とが同一の第1の時刻のときに、前記第1の時刻において、前記充電を開始し、前記第1のスケジュールの充電終了時刻と前記第2のスケジュールの充電終了時刻とが同一の第2の時刻のときに、前記第2の時刻において、前記充電を終了する、請求項1記載の車両。
【請求項3】
車両の外部から電力を受ける受電部と、
蓄電装置と、
タイマー充電のスケジュールの設定を受け付けるユーザ入力部と、
設定されたスケジュールに従って、車両の外部から供給された電力を用いて前記蓄電装置へ充電するタイマー充電の制御を行なう制御装置とを備え、
前記制御装置は、充電開始時刻のみを定めた第1のスケジュールの充電時間帯と、充電開始時刻と充電終了時刻とを定めた第2のスケジュールの充電時間帯とが重なっている場合に、前記第1のスケジュールの充電開始時刻が前記第2のスケジュールの充電開始時刻よりも早いときに、前記第1のスケジュールの充電開始時刻において、前記充電を開始し、前記蓄電装置が満充電まで前記充電を実行し、前記第2のスケジュールの充電開始時刻が前記第1のスケジュールの充電開始時刻よりも早いときに、前記第2のスケジュールの充電開始時刻において、前記充電を開始し、前記第2のスケジュールの充電終了時刻において、前記充電を終了する、車両。
【請求項4】
前記制御装置は、充電開始時刻のみを定めた第1のスケジュールの充電時間帯と、充電開始時刻と充電終了時刻とを定めた第2のスケジュールの充電時間帯とが重なっている場合に、前記第1のスケジュールの充電開始時刻と前記第2のスケジュールの充電開始時刻とが同一の第1の時刻のときに、前記第1の時刻において、前記充電を開始し、前記第2のスケジュールの充電終了時刻において、前記充電を終了する、請求項3記載の車両。
【請求項5】
車両の外部から電力を受ける受電部と、
蓄電装置と、
タイマー充電のスケジュールの設定を受け付けるユーザ入力部と、
設定されたスケジュールに従って、車両の外部から供給された電力を用いて前記蓄電装置へ充電するタイマー充電の制御を行なう制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記スケジュールによって定められた充電開始時刻よりも前に車両システム要求があったときに、前記スケジュールによって定められた充電開始時刻まで前記車両システム要求に基づく制御および充電を待機させる、車両。
【請求項6】
前記制御装置は、前記充電開始時刻に、前記車両システム要求に基づく制御および充電を開始し、前記スケジュールによって定められた充電終了時刻に、前記車両システム要求に基づく制御および充電を終了する、請求項記載の車両。
【請求項7】
前記車両は、
前記蓄電装置を昇温するためのヒータをさらに備え、
前記車両システム要求は、前記蓄電装置の昇温要求または冷却要求である、請求項または記載の車両。
【請求項8】
車両の外部から電力を受ける受電部と、
蓄電装置と、
タイマー充電のスケジュールの設定を受け付けるユーザ入力部と、
電気負荷装置と、
設定されたスケジュールに従って、車両の外部から供給された電力を用いて前記蓄電装置へ充電するタイマー充電の制御を行なう制御装置とを備え、
前記制御装置は、複数のタイマー充電のスケジュールを調整し、
タイマー待機中にマイルームモード要求があったときに、前記マイルームモード要求に応じて前記電気負荷装置の動作、および前記電気負荷装置を動作させるための充電を実行し、
タイマー待機中に車両システム要求があったときには、前記車両システム要求および充電を待機させ、充電中に車両システム要求があったときには、前記車両システム要求に応じて、前記車両を制御する、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、タイマー充電のスケジュールに与える影響を抑えつつ、車載の電気負荷の駆動が可能な車両が知られている。
【0003】
たとえば、特許文献1の車両は、電開始時刻の前に電気負荷装置が作動開始した場合には、電気負荷装置の作動開始時刻における蓄電装置の充電状態が、作動開始時刻から充電開始時刻に至るまでの間維持されるように、受電部からの受電の制御を実行する。制御装置は、電気負荷装置の駆動の時間とタイマー充電の時間が重なる場合には、重なり時間に応じて充電開始時刻を早めるように修正する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-208639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タイマー充電設定の多機能化が進むにつれて、充電開始時刻のみを設定と、充電開始時刻と充電終了時刻の両方とを設定される場合がある。充電予定時間とマイルームモード要求、または電池の昇温要求とが重なることもある。このような場合に、ユーザの充電をしたくない意図に反して、充電が実施されたり、あるいはユーザの充電を実施したい意思に反して、充電が実施されない場合がある。
【0006】
本開示の目的は、タイマー充電設定と、他のタイマー充電設定、ユーザによるマイルームモード要求、あるいは車両システムからの要求とが重なるときに、ユーザの意図に反して、充電が実施または実施されないことを回避することができる車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の車両は、車両の外部から電力を受ける受電部と、蓄電装置と、タイマー充電のスケジュールの設定を受け付けるユーザ入力部と、設定されたスケジュールに従って、車両の外部から供給された電力を用いて蓄電装置へ充電するタイマー充電の制御を行なう制御装置とを備える。制御装置は、充電開始時刻と充電終了時刻とを定めた第1のスケジュールの充電時間帯と、充電開始時刻と充電終了時刻とを定めた第2のスケジュールの充電時間帯とが重なっている場合に、第1のスケジュールの充電開始時刻と第2のスケジュールの充電開始時刻とが相違するときに早い方の時刻において、充電を開始し、第1のスケジュールの充電終了時刻と第2のスケジュールの充電終了時刻とが相違するときに遅い方の時刻において、充電を終了する。
【0008】
これにより、安い料金での長い充電時間を確保し、複数の充電スケジュールをシームレスにつなぐことができるので、ユーザの意図を実現することができる。
【0009】
好ましくは、制御装置は、第1のスケジュールの充電開始時刻と第2のスケジュールの充電開始時刻とが同一の第1の時刻のときに、第1の時刻において、充電を開始し、第1のスケジュールの充電終了時刻と第2のスケジュールの充電終了時刻とが同一の第2の時刻のときに、第2の時刻において、充電を終了する。
【0010】
これにより、2つの充電スケジュールの充電開始時刻が同一の場合にも、ユーザの意図に従って、2つの充電スケジュールを調整することができる。
【0011】
本開示の車両は、車両の外部から電力を受ける受電部と、蓄電装置と、タイマー充電のスケジュールの設定を受け付けるユーザ入力部と、設定されたスケジュールに従って、車両の外部から供給された電力を用いて蓄電装置へ充電するタイマー充電の制御を行なう制御装置とを備える。制御装置は、充電開始時刻のみを定めた第1のスケジュールの充電時間帯と、充電開始時刻と充電終了時刻とを定めた第2のスケジュールの充電時間帯とが重なっている場合に、第1のスケジュールの充電開始時刻が第2のスケジュールの充電開始時刻よりも早いときに、第1のスケジュールの充電開始時刻において、充電を開始し、蓄電装置が満充電まで充電を実行し、第2のスケジュールの充電開始時刻が第1のスケジュールの充電開始時刻よりも早いときに、第2のスケジュールの充電開始時刻において、充電を開始し、第2のスケジュールの充電終了時刻において、充電を終了する。
【0012】
これにより、時間的に先行する充電開始時刻において充電を開始し、かつその充電開始時刻を定めた方の充電スケジュールの充電終了時刻において充電を終了するので、ユーザの意図したスケジュールで充電を実行することができる。
【0013】
好ましくは、制御装置は、充電開始時刻のみを定めた第1のスケジュールの充電時間帯と、充電開始時刻と充電終了時刻とを定めた第2のスケジュールの充電時間帯とが重なっている場合に、第1のスケジュールの充電開始時刻と第2のスケジュールの充電開始時刻とが同一の第1の時刻のときに、第1の時刻において、充電を開始し、第2のスケジュールの充電終了時刻において、充電を終了する。
【0014】
これによって、充電開始時刻の点で、第1のスケジュールが選ばれたわけではないにも関わらず、第2のスケジュールの充電終了時刻を超えて充電をし続けると、高い料金で充電しなければならなくなる事態を回避することができる。
【0015】
本開示の車両は、車両の外部から電力を受ける受電部と、蓄電装置と、タイマー充電のスケジュールの設定を受け付けるユーザ入力部と、電気負荷装置と、設定されたスケジュールに従って、車両の外部から供給された電力を用いて蓄電装置へ充電するタイマー充電の制御を行なう制御装置とを備える。制御装置は、スケジュールによって定められた充電開始時刻よりも前に電気負荷装置の使用を求めるマイルームモード要求があったときに、マイルームモード要求に応じて、充電を開始するともに、電気負荷装置を動作させる。
【0016】
これにより、ユーザは、マイルームモードの要求後、直ちに電気負荷装置を使用できるので、ユーザの意図を実現することができる。
【0017】
好ましくは、制御装置は、マイルームモード要求が終了した後は、充電スケジュールに従って、充電および電気負荷装置の動作を制御する。
【0018】
これによって、マイルームモード要求を優先しつつ、充電スケジュールも考慮しているので、ユーザの意図を漏らすことなく実現することができる。
【0019】
本開示の車両は、車両の外部から電力を受ける受電部と、蓄電装置と、タイマー充電のスケジュールの設定を受け付けるユーザ入力部と、設定されたスケジュールに従って、車両の外部から供給された電力を用いて蓄電装置へ充電するタイマー充電の制御を行なう制御装置とを備える。制御装置は、スケジュールによって定められた充電開始時刻よりも前に車両システム要求があったときに、車両システム要求に基づく制御および充電を保留する。
【0020】
これにより、車両システム要求よりもユーザのタイマー充電待機を優先することができるので、ユーザの意図を実現することができる。
【0021】
好ましくは、制御装置は、充電開始時刻に、車両システム要求に基づく制御および充電を開始し、充電終了時刻に、車両システム要求に基づく制御および充電を終了する。
【0022】
これにより、ユーザの意図に基づくタイマー設定されたスケジュールに基づく充電期間において、車両システム要求に基づく制御を実行することができる。
【0023】
好ましくは、車両は、蓄電装置を昇温するためのヒータをさらに備える。車両システム要求は、蓄電装置の昇温要求または冷却要求である。
【0024】
これにより、電池昇温要求よりも、ユーザのタイマー充電待機を優先することができるので、ユーザの意図を実現することができる。
【0025】
本開示の車両は、車両の外部から電力を受ける受電部と、蓄電装置と、タイマー充電のスケジュールの設定を受け付けるユーザ入力部と、電気負荷装置と、設定されたスケジュールに従って、車両の外部から供給された電力を用いて蓄電装置へ充電するタイマー充電の制御を行なう制御装置とを備える。制御装置は、複数のタイマー充電のスケジュールを調整し、タイマー待機中にマイルームモード要求があったときに、マイルームモード要求に応じて電気負荷装置の動作、および電気負荷装置を動作させるための充電を実行し、タイマー待機中に車両システム要求があったときには、車両システム要求および受電を保留し、充電中に車両システム要求があったときには、車両システム要求に応じて、車両を制御する。
【0026】
これにより、ユーザによりリアルタイムの要求であるマイルームモードを最も優先し、次にユーザにより予め設定されたタイマー設定による充電を優先し、最後にユーザの意図と無関係に発生する車両システム要求に応じるようにすることができる。
【発明の効果】
【0027】
本開示によれば、ユーザの意図に反して、充電が実施または実施されないことを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施の形態の車両の一例として示されるハイブリッド車両の全体ブロック図である。
図2】(a)~(c)は、第1の実施形態における充電スケジュールの調整の例を説明するための図である。
図3】第1の実施形態における充電のタイミング制御を表わすフローチャートである。
図4】(a)~(c)は、第2の実施形態における充電スケジュールの調整の例を説明するための図である。
図5】第2の実施形態における充電のタイミング制御を表わすフローチャートである。
図6】第3の実施形態における充電スケジュールの調整の例を説明するための図である。
図7】第3の実施形態における充電のタイミング制御を表わすフローチャートである。
図8】第4の実施形態における充電スケジュールの調整の例を説明するための図である。
図9】第4の実施形態における充電のタイミング制御を表わすフローチャートである。
図10】第5の実施形態における充電のタイミング制御を表わすフローチャートである。
図11図10のS601の処理の詳細を表わすフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、実施の形態の車両の一例として示されるハイブリッド車両の全体ブロック図である。以下では「ハイブリッド車両」を単に「車両」と呼ぶこともある。本開示は、ハイブリッド車両に限らず、外部から充電が可能である電気自動車のような電動車両にも適用が可能である。
【0030】
図1を参照して、ハイブリッド車両100は、ユーザ入力部98と、電池パック2と、パワーコントロールユニット(PCU)12と、充電器42と、受電部54と、補機バッテリ84と、エアコン80と、DC/DCコンバータ86と、HV-ECU46と、SOCインジケータ48と、充電インジケータ50とを含む。
【0031】
電池パック2は、蓄電装置10と、システムメインリレー(System Main Relay)11と、電流センサ16と、充電リレーCHRと、電池ECU14と、ヒータ20と、温度センサ21と、ヒータスイッチ22とを含む。
【0032】
蓄電装置10は、再充電可能な直流電源である。蓄電装置10は、たとえば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、または大容量のキャパシタ等を含む。電池ECU14は、充電リレーCHRの開閉を制御するとともに、電流センサ16の出力から蓄電装置のSOCを算出する。
【0033】
PCU12は、車両100を駆動する図示しないモータを駆動するためのインバータなどを含んで構成される。
【0034】
エアコン80は、乗員が乗車前に予め車室内の空調を実施する駆動が可能である。たとえば、HV-ECU46に設定された時間スケジュール、あるいはリモートコントロール操作などによって、乗員が車室内にいなくてもエアコン80は稼動できる。
【0035】
受電部54は、充電ケーブル55のコネクタ56に接続可能に構成された充電インレットである。充電ケーブル55は、車外電源に接続されるプラグ210と、リレー332および制御回路334を含むCCID330と、コネクタ56とによって構成される。
【0036】
DC/DCコンバータ86は、システムメインリレー11とPCU12との間に配設される正極線と負極線との間に接続される。DC/DCコンバータ86は、図示しない補機(ヘッドライト、オーディオ機器等)補機バッテリ84、およびヒータ20に電力を供給する。
【0037】
充電器42は、受電部54に入力端が接続される。充電器42の出力端は、充電リレーCHRを介在させて、蓄電装置10に接続される。
【0038】
受電部54に充電用のコネクタ56が接続された場合には、動作モードが充電モードに設定される。動作モードが充電モードに設定された場合には、充電器42は、プラグ210、CCIDボックス330およびコネクタ56を介して車外電源から供給される電力を受ける。充電器42は、HV-ECU46から充電指令を含む制御信号を受ける。充電器42は、充電に適する電圧を蓄電装置10に出力する。
【0039】
具体的には、充電器42は、入力部センサ82と、PFC62と、絶縁部70と、放電部72と、出力部センサ79と、サブDC/DC変換部76と、充電ECU47とを含む。
【0040】
動作モードが充電モードに設定された場合には、PFC(Power Factor Correction)62は、車外電源からの交流電力を変換し、力率が改善された高周波の交流に変換する。絶縁部70は、絶縁トランスなどによって構成され、交流電圧を昇圧する。放電部72は、絶縁部70の出力を整流する整流回路として動作する。放電部72から出力される直流電圧は、蓄電装置10の充電に適する電圧に制御されている。出力部センサ79は、放電部72の出力電圧VHを計測する。
【0041】
図1に示すように、たとえば、充電ケーブル55のコネクタ56がハイブリッド車両100の受電部54に接続されると、充電ECU47は、充電ケーブル55のCCIDボックス330の制御回路334とコントロールパイロット信号CPLTを通信する。接続が検出されると、充電ECU47は、CCIDボックス330に対してCCIDボックス内部のリレー332を閉じて電力を供給するようにコントロールパイロット信号CPLTを用いて要求する。
【0042】
充電ECU47、HV-ECU46、および電池ECU14は、制御装置500を構成する。
【0043】
ユーザ入力部98は、タイマー充電のスケジュールの設定を受け付ける。
温度センサ21は、蓄電装置10の温度を検出する。DC/DCコンバータ86によって降圧された直流電力は、ヒータスイッチ22を介してヒータ20に供給される。
【0044】
電池ECU14は、蓄電装置10の温度が所定温度以下となったことを検出すると、電池昇温要求を充電ECU47に送る。充電ECU47から電池昇温許可があったときに、電池ECU14は、ヒータスイッチ22をオンにすることによって、蓄電装置10の電力を用いて、ヒータ20を作動させて、蓄電装置10を昇温させる。
【0045】
本実施の形態では、充電開始時刻および充電終了時刻を定めた複数の充電スケジュールの充電期間に重なりがある場合に、制御装置500は、ユーザの意図と一致するように、充電を制御する。
【0046】
制御装置500は、設定されたスケジュールに従って、車両の外部から供給された電力を用いて蓄電装置10へ充電するタイマー充電の制御を行なう。
【0047】
制御装置500は、充電開始時刻と充電終了時刻とを定めた第1のスケジュールの充電時間帯と、充電開始時刻と充電終了時刻とを定めた第2のスケジュールの充電時間帯とが重なっている場合に、第1のスケジュールの充電開始時刻と第2のスケジュールの充電開始時刻とが相違するときに早い方の時刻において、充電を開始し、第1のスケジュールの充電終了時刻と第2のスケジュールの充電終了時刻とが相違するときに遅い方の時刻において、充電を終了する。制御装置500は、第1のスケジュールの充電開始時刻と第2のスケジュールの充電開始時刻とが同一の第1の時刻のときに、第1の時刻において、充電を開始し、第1のスケジュールの充電終了時刻と第2のスケジュールの充電終了時刻とが同一の第2の時刻のときに、第2の時刻において、充電を終了する。
【0048】
図2(a)~(c)は、第1の実施形態における充電スケジュールの調整の例を説明するための図である。充電開始時刻および充電終了時刻を定めた充電スケジュールAは、蓄電装置10を満充電とすることを意図して設定されるものではなく、夜間などの電気料金が安い時間帯に充電することを意図して設定されるスケジュールである。
【0049】
図2(a)において、充電スケジュールAの充電開始時刻がt1、充電終了時刻がt3である。充電スケジュールBの充電開始時刻がt2、充電終了時刻がt4である。
【0050】
例1(不適切例)では、充電ECU47は、充電開始時刻t1とt2のうち、遅い方の充電開始時刻t2において、充電を開始する。充電ECU47は、充電終了時刻t3とt4のうち、遅い方の充電終了時刻t4において、充電を終了する。遅い方の充電開始時刻t2において、充電を開始するのは、ユーザの意図に反する。なぜなら、ユーザは、できるだけ安い料金で充電することを望んでいるので、充電開始時刻が遅くなると、安い料金での充電時間が短くなるからである。
【0051】
例2(不適切では、充電ECU47は、充電開始時刻t1とt2のうち、早い方の充電開始時刻t1において、充電を開始する。充電ECU47は、充電終了時刻t3とt4のうち、早い方の充電終了時刻t3において、充電を終了する。早い方の充電終了時刻t3において、充電を終了するのは、ユーザの意図に反する。なぜなら、ユーザは、できるだけ安い料金で充電することを望んでいるので、充電終了時刻が早くなると、安い料金での充電時間が短くなるからである。
【0052】
例3(第1の実施形態の例)では、充電ECU47は、充電開始時刻t1とt2のうち、早い方の充電開始時刻t1において、充電を開始する。充電ECU47は、充電終了時刻t3とt4のうち、遅い方の充電終了時刻t4において、充電を終了する。この例は、安い料金での長い充電時間を確保し、複数の充電スケジュールをシームレスにつなぐことができるので、ユーザの意図を実現することができる。
【0053】
図2(b)において、充電スケジュールAの充電開始時刻がt1、充電終了時刻がt3である。充電スケジュールBの充電開始時刻がt1、充電終了時刻がt2である。
【0054】
例1(不適切な例)では、充電ECU47は、同一の充電開始時刻t1において、充電を開始する。充電ECU47は、充電終了時刻t2とt3のうち、早い方の充電終了時刻t2において、充電を終了する。早い方の充電終了時刻t2において、充電を終了するのは、ユーザの意図に反する。なぜなら、ユーザは、できるだけ安い料金で充電することを望んでいるので、充電終了時刻が早くなると、安い料金での充電時間が短くなるからである。
【0055】
例2(第1の実施形態の例)では、充電ECU47は、同一の充電開始時刻t1において、充電を開始する。充電ECU47は、充電終了時刻t2とt3のうち、遅い方の充電終了時刻t3において、充電を終了する。この例は、この例は、ユーザの意図に反せずに、安い料金での長い充電時間を確保し、複数の充電スケジュールをシームレスにつなぐことができる。
【0056】
図2(c)において、充電スケジュールAの充電開始時刻がt1、充電終了時刻がt3である。充電スケジュールBの充電開始時刻がt2、充電終了時刻がt3である。
【0057】
例1(不適切な例)では、充電ECU47は、充電開始時刻t1とt2のうち、遅い方の充電開始時刻t2において、充電を開始する。充電ECU47は、同一の充電終了時刻t3において、充電を終了する。遅い方の充電開始時刻t2において、充電を開始するのは、ユーザの意図に反する。なぜなら、ユーザは、できるだけ安い料金で充電することを望んでいるので、充電開始時刻が遅くなると、安い料金での充電時間が短くなるからである。
【0058】
例2(第1の実施形態の例)では、充電ECU47は、充電開始時刻t1とt2のうち、早い方の充電開始時刻t1において、充電を開始する。充電ECU47は、同一の充電終了時刻t3において、充電を終了する。この例は、ユーザの意図に反せずに、安い料金での長い充電時間を確保し、複数の充電スケジュールをシームレスにつなぐことができる。
【0059】
図3は、第1の実施形態における充電のタイミング制御を表わすフローチャートである。
【0060】
S101において、充電開始時刻と充電終了時刻とが定められた複数の充電スケジュールの充電期間に重なりがある場合には、処理がS103に進み、重なりがない場合には、処理がS102に進む。
【0061】
S102において、充電ECU47は、現在時刻を含む充電スケジュールに従って、充電を実行する。
【0062】
S103において、複数の充電スケジュールの充電開始時刻が同一の場合には、処理がS104に進み、複数の充電スケジュールの充電開始時刻が相違する場合には、処理がS105に進む。
【0063】
S104において、充電ECU47は、同一である充電開始時刻において、充電を開始する。
【0064】
S105において、充電ECU47は、早い方の充電開始時刻において、充電を開始する。
【0065】
S106において、複数の充電スケジュールの充電終了時刻が同一の場合には、処理がS107に進み、複数の充電スケジュールの充電終了時刻が相違する場合には、処理がS108に進む。
【0066】
S107において、充電ECU47は、同一である充電終了時刻において、充電を終了する。
【0067】
S108において、充電ECU47は、遅い方の充電終了時刻において、充電を終了する。
【0068】
[第2の実施形態]
本実施の形態では、制御装置500は、充電開始時刻および充電終了時刻を定めた充電スケジュールと、充電開始時刻のみを定めた充電スケジュールとの間で充電期間に重なりがある場合に、ユーザの意図と一致するように、充電を制御する。
【0069】
制御装置500は、充電開始時刻のみを定めた第1のスケジュールの充電時間帯と、充電開始時刻と充電終了時刻とを定めた第2のスケジュールの充電時間帯とが重なっている場合に、第1のスケジュールの充電開始時刻が第2のスケジュールの充電開始時刻よりも早いときに、第1のスケジュールの充電開始時刻において、充電を開始し、蓄電装置が満充電まで充電を実行し、第2のスケジュールの充電開始時刻が第1のスケジュールの充電開始時刻よりも早いときに、第2のスケジュールの充電開始時刻において、充電を開始し、第2のスケジュールの充電終了時刻において、充電を終了する。
【0070】
制御装置500は、充電開始時刻のみを定めた第1のスケジュールの充電時間帯と、充電開始時刻と充電終了時刻とを定めた第2のスケジュールの充電時間帯とが重なっている場合に、第1のスケジュールの充電開始時刻と第2のスケジュールの充電開始時刻とが同一の第1の時刻のときに、第1の時刻において、充電を開始し、第2のスケジュールの充電終了時刻において、充電を終了する。
【0071】
図4(a)~(c)は、第2の実施形態における充電スケジュールの調整の例を説明するための図である。充電スケジュールAは、蓄電装置10を満充電とすることを目的とするものではなく、夜間などの電気料金が安い時間帯に充電することを目的とする。充電スケジュールαでは、蓄電装置10が満充電とすることを目的とする。
【0072】
図4(a)において、充電スケジュールαの充電開始時刻がt1である。充電スケジュールAの充電開始時刻がt1、充電終了時刻がt2である。
【0073】
例1(不適切な例)では、充電ECU47は、同一の充電開始時刻t1において、充電を開始する。充電ECU47は、充電スケジュールαに従って、蓄電装置10の満充電後に、充電を終了する。この例は、ユーザの意図に反する。なぜなら、時間的に劣後しないユーザによる安い料金で充電したいという目的が達成されないからである。
【0074】
例2(第2の実施形態の例)では、充電ECU47は、同一の充電開始時刻t1において、充電を開始する。充電ECU47は、充電スケジュールAに従って、充電終了時刻t2において、充電を終了する。この例は、ユーザの意図に合致する。なぜなら、時間的に劣後しないユーザによる安い料金で充電したいという目的が達成されるからである。つまり、充電終了時刻t2を超えて充電を続けると、高い料金で充電しなければならなくなる場合もあるので、これを回避することができる。
【0075】
図4(b)において、充電スケジュールαの充電開始時刻がt2である。充電スケジュールAの充電開始時刻がt1、充電終了時刻がt3である。
【0076】
例1(不適切な例)では、充電ECU47は、充電開始時刻t1とt2のうち、遅い方の充電開始時刻t2において、充電を開始する。充電ECU47は、充電スケジュールαの充電開始時刻t2を選択したので、充電終了時刻も充電スケジュールαに従って、蓄電装置10の満充電後に、充電を終了する。この例は、ユーザの意図に反する。なぜなら、時間的に先行するユーザによる安い料金で充電したいという目的が達成されないからである。
【0077】
例2(第2の実施形態の例)では、充電ECU47は、充電開始時刻t1とt2のうち、早い方の充電開始時刻t1において、充電を開始する。充電ECU47は、充電スケジュールAの充電開始時刻t1を選択したので、充電終了時刻も充電スケジュールAに従って、充電終了時刻t3において、充電を終了する。この例は、ユーザの意図に合致する。なぜなら、時間的に先行するユーザによる安い料金で充電したいという目的が達成されるからである。
【0078】
図4(c)において、充電スケジュールαの充電開始時刻がt1である。充電スケジュールAの充電開始時刻がt2、充電終了時刻がt3である。
【0079】
例1(不適切な例)では、充電ECU47は、充電開始時刻t1とt2のうち、遅い方の充電開始時刻t2において、充電を開始する。充電ECU47は、充電スケジュールAの充電開始時刻t2を選択したので、充電終了時刻も充電スケジュールAに従って、充電終了時刻t3において、充電を終了する。この例は、ユーザの意図に反する。なぜなら、時間的に先行するユーザによる満充電したいという目的が達成されないからである。
【0080】
例2(第2の実施形態の例)では、充電ECU47は、充電開始時刻t1とt2のうち、早い方の充電開始時刻t1において、充電を開始する。充電ECU47は、充電スケジュールαの充電開始時刻t1を選択したので、充電終了時刻も充電スケジュールαに従って、蓄電装置10の満充電後に、充電を終了する。この例は、ユーザの意図に合致する。なぜなら、時間的に先行するユーザによる満充電したいという目的が達成されるからである。
【0081】
図5は、第2の実施形態における充電のタイミング制御を表わすフローチャートである。
【0082】
S201において、充電開始時刻のみを定めた充電スケジュールαと、充電開始時刻と充電終了時刻とが定められた充電スケジュールAの充電期間に重なりがある場合には、処理がS203に進み、重なりがない場合には、処理がS202に進む。
【0083】
S202において、充電ECU47は、現在時刻を含む充電スケジュールに従って、充電を実行する。
【0084】
S203において、充電スケジュールαの充電開始時刻が充電スケジュールAの充電開始時刻と同一、または充電スケジュールAの充電開始時刻よりも遅い場合には、処理がS204に進み、充電スケジュールαの充電開始時刻が充電スケジュールAの充電開始時刻よりも早い場合には、処理がS206に進む。
【0085】
S204において、充電ECU47は、同一である充電開始時刻、または早い方の充電スケジュールAの充電開始時刻において、充電を開始する。
【0086】
S205において、充電ECU47は、充電スケジュールAの充電終了時刻において、充電を終了する。
【0087】
S206において、充電ECU47は、早い方の充電スケジュールαの充電開始時刻において、充電を開始する。
【0088】
S207において、充電ECU47は、蓄電装置10の満充電後に、充電を終了する。
[第3の実施形態]
本実施の形態では、制御装置500は、充電スケジュールで定められた充電期間と、ユーザによるマイルームモード要求の期間との間に重なりがある場合に、ユーザの意図と一致するように、充電を制御する。
【0089】
「マイルームモード」とは、プラグイン充電が可能な車両が有するモードであり、車両の走行を禁止しつつ、車載の電気負荷装置(エアコン80、図示しないオーディオ装置など)を作動することを許容することで、車室内を自分の部屋のように利用することができるモードである。マイルームモードでは、蓄電装置10からの電力によって、電気負荷装置が動作する。マイルームモード要求は、車内からの電気負荷装置の作動要求だけでなく、車外からの電気負荷装置の作動要求を含むものとしてもよい。
【0090】
制御装置500は、スケジュールによって定められた充電開始時刻よりも前に(すなわち、タイマー待機中に)電気負荷装置の使用を求めるマイルームモード要求があったときに、マイルームモード要求に応じて、充電を開始するともに、電気負荷装置を動作させる。制御装置500は、マイルームモード要求が終了した後は、スケジュールに従って、充電および電気負荷装置の動作を制御する。
【0091】
図6(a)~(c)は、第3の実施形態における充電スケジュールの調整の例を説明するための図である。
【0092】
図6(a)において、充電スケジュールαの充電開始時刻がt2である。マイルームモード要求の開始時刻がt1である。
【0093】
例1(不適切な例)では、充電ECU47は、充電スケジュールαの充電開始時刻t2において、充電を開始する。この例では、ユーザは、マイルームモード要求後、直ちに車載の電気負荷装置を使用できないので、ユーザの意図に反する。
【0094】
例2(第3の実施形態の例)では、充電ECU47は、マイルームモード要求の開始時刻t1において、マイルームモード要求に従って、電気負荷装置の使用を許可するとともに、充電を開始する。この例では、ユーザは、マイルームモードの要求後、直ちに電気負荷装置を使用できるので、ユーザの意図に合致する。
【0095】
図6(b)において、充電スケジュールAの充電開始時刻がt2、充電終了時刻がt3である。マイルームモード要求の開始時刻がt1、終了時刻がt4である。
【0096】
例1(不適切な例)では、充電ECU47は、マイルームモード要求の開始時刻t1において、マイルームモード要求に従って、電気負荷装置の使用を許可するとともに、充電を開始する。充電ECU47は、蓄電装置10の満充電後に、充電を終了する。この例では、マイルームモード要求が終了し、かつ充電スケジュールAの充電終了時刻t3を超えても、充電が継続するので、ユーザの意図に反する。
【0097】
例2(第2の実施形態の例)では、充電ECU47は、マイルームモード要求の開始時刻t1において、マイルームモード要求に従って、電気負荷装置の使用を許可するとともに、充電を開始する。充電ECU47は、マイルームモード要求の終了時刻t4において、充電スケジュールAのスケジュールに従って、充電を終了する。この例は、マイルームモード要求を優先し、かつ充電スケジュールAも考慮しているので、ユーザの意図に合致する。なぜなら、マイルームモード要求が終了したときに、充電スケジュールAの充電終了時刻t3を超えているので、充電が終了するからである。
【0098】
図6(c)において、充電スケジュールAの充電開始時刻がt2、充電終了時刻がt4である。マイルームモード要求の開始時刻がt1、終了時刻がt3である。
【0099】
例1(不適切な例)では、充電ECU47は、マイルームモード要求の開始時刻t1において、マイルームモード要求に従って、電気負荷装置の使用を許可するとともに、充電を開始する。充電ECU47は、蓄電装置10の満充電後に、充電を終了する。この例では、マイルームモード要求が終了し、かつ充電スケジュールAの充電終了時刻t4を超えても、充電が継続するので、ユーザの意図に反する。
【0100】
例2(第2の実施形態の例)では、充電ECU47は、マイルームモード要求の開始時刻t1において、マイルームモード要求に従って、電気負荷装置の使用を許可するとともに、充電を開始する。充電ECU47は、充電スケジュールAの充電終了時刻t4において、充電を終了する。この例は、マイルームモード要求を優先し、かつ充電スケジュールAも考慮しているので、ユーザの意図に合致する。なぜなら、マイルームモード要求が終了したときに、充電スケジュールAの充電期間中であるので、充電スケジュールAの充電終了時刻t4まで待ってから充電が終了しているからである。
【0101】
図7は、第3の実施形態における充電のタイミング制御を表わすフローチャートである。
【0102】
S301において、充電スケジュールの充電開始時刻よりも前にマイルームモードの要求の開始があると、処理がS303に進む。充電スケジュールの充電開始時刻よりも前にマイルームモードの要求の開始がないと、処理がS302に進む。
【0103】
S302において、充電ECU47は、現在時刻を含む充電スケジュールに従って、充電を実行する。
【0104】
S303において、充電ECU47は、直ちに、マイルームモード要求に従って、電気負荷装置の使用を許可するとともに、充電を開始する。
【0105】
S304において、マイルームモード要求の終了があると、処理がS305に進む。
S305において、マイルームモード要求の終了があった現在時刻が充電スケジュールによって定められた充電期間内にあるときには、処理S307に進み、充電スケジュールによって定められた充電期間内にないときには、処理がS306に進む。
【0106】
S306において、充電ECU47は、直ちに充電を終了する。
S307において、充電ECU47は、充電を継続する。
【0107】
S308において、現在時刻が充電スケジュールの充電終了時刻の場合に、処理がS309に進む。
【0108】
S309において、充電ECU47は、直ちに充電を終了する。
[第4の実施形態]
本実施の形態では、制御装置500は、充電スケジュールで定められた充電期間と、電池昇温などの車両システム要求の期間との間に重なりがある場合に、ユーザの意図と一致するように、充電を制御する。車両システム要求とは、電池昇温要求、電池冷却要求などのように蓄電装置10の電力を使用して実行される車両の制御の要求である。
【0109】
制御装置500は、スケジュールによって定められた充電開始時刻よりも前に車両システム要求があったときに、スケジュールによって定められた充電開始時刻まで車両システム要求に基づく制御および充電を待機させる。制御装置500は、スケジュールによって定められた充電開始時刻に、車両システム要求に基づく制御および充電を開始し、スケジュールによって定められた充電終了時刻に、車両システム要求に基づく制御および充電を終了する。
【0110】
図8は、第4の実施形態における充電スケジュールの調整の例を説明するための図である。
【0111】
図8において、充電スケジュールAの充電開始時刻がt2、充電終了時刻がt3である。電池昇温要求の開始時刻がt1、終了時刻がt4である。
【0112】
例1(不適切な例)では、充電ECU47は、電池昇温要求の開始時刻t1において、充電および電池昇温を開始する。充電ECU47は、電池昇温要求の終了時刻t4において、充電および電池昇温を終了する。この例では、ユーザのタイマー充電待機が無視されているので、ユーザの意図に反する。
【0113】
例2(第4の実施形態の例)では、充電ECU47は、充電スケジュールAの充電開始時刻t2において、充電および電池昇温を開始する。充電ECU47は、充電スケジュールAの充電終了時刻t4において、充電および電池昇温を終了する。この例では、ユーザのタイマー充電待機が反映されているので、ユーザの意図に合致する。
【0114】
図9は、第4の実施形態における充電のタイミング制御を表わすフローチャートである。
【0115】
S401において、充電スケジュールの充電開始時刻よりも前に車両システム要求(電池昇温要求など)の開始があると、処理がS403に進む。充電スケジュールの充電開始時刻よりも前に車両システム要求の開始がないと、処理がS402に進む。
【0116】
S402において、充電ECU47は、現在時刻を含む充電スケジュールに従って、充電を実行する。
【0117】
S403において、充電ECU47は、車両システム要求および充電を待機させる。
S404において、現在時刻が充電スケジュールの充電開始時刻の場合には、処理がS405に進む。
【0118】
S405において、充電ECU47は、直ちに、車両システム要求に従って車両の制御を開始し、かつ充電を開始する。
【0119】
S406において、現在時刻が充電スケジュールの充電終了時刻の場合に、処理がS407に進む。
【0120】
S407において、充電ECU47は、直ちに、車両システム要求に従って車両の制御を終了し、かつ充電を終了する。
【0121】
[第5の実施形態]
本実施の形態は、第1~第4の実施形態を組み合わせたものである。
【0122】
まず、制御装置500は、第1および第2の実施形態によって、複数のタイマー設定のスケジュールを調整する。
【0123】
制御装置500は、タイマー待機中にマイルームモード要求があったときに、マイルームモード要求に応じて電気負荷装置の動作、および電気負荷装置を動作させるための充電を実行する。制御装置500は、タイマー待機中に車両システム要求があったときには、車両システム要求および充電を待機させ、充電中に車両システム要求があったときには、車両システム要求に応じて車両を制御する。
【0124】
図10は、第5の実施形態における充電のタイミング制御を表わすフローチャートである。
【0125】
S601において、充電ECU47は、複数の充電スケジュールを調整する。
S602において、充電スケジュールの充電開始時刻よりも前にマイルームモードの要求の開始があると、処理がS603に進む。充電スケジュールの充電開始時刻よりも前にマイルームモードの要求の開始がないと、処理が6S12に進む。
【0126】
S603において、充電ECU47は、直ちに充電およびマイルームモード要求に応じて電気負荷装置の動作を開始する。
【0127】
S604において、車両システム要求の開始があると、処理がS605に進み、車両システム要求の開始がないと、処理がS606に進む。
【0128】
S605において、充電ECU47は、直ちに、車両システム要求に従って車両の制御を開始する。
【0129】
S606において、マイルームモード要求の終了があったときには、処理がS607に進む。
【0130】
S607において、現在時刻が充電スケジュールによって定められた充電期間内にあるときには、処理がS608に進み、充電スケジュールによって定められた充電期間内にないときには、処理がS611に進む。
【0131】
S611において、充電ECU47は、直ちに充電を終了する。
S608において、充電ECU47は、充電を継続する。
【0132】
S609において、現在時刻が充電スケジュールの充電終了時刻の場合に、処理がS610に進む。
【0133】
S610において、充電ECU47は、直ちに充電を終了する。
S612において、充電スケジュールの充電開始時刻よりも前に車両システム要求の開始があると、処理がS613に進む。充電スケジュールの充電開始時刻よりも前に車両システム要求の開始がないと、処理がS616に進む。
【0134】
S613において、充電ECU47は、車両システム要求および充電を待機させる。
S614において、現在時刻が充電スケジュールの充電開始時刻の場合には、処理がS615に進む。
【0135】
S615において、充電ECU47は、直ちに、車両システム要求に従って車両の制御を開始し、かつ充電を開始する。その後、処理がS609に進む。
【0136】
S616において、現在時刻が充電スケジュールの充電開始時刻の場合に、処理がS617に進む。
【0137】
S617において、充電ECU47は、直ちに充電を開始する。
S618において、車両システム要求の開始があると、処理がS619に進む。
【0138】
S619において、充電ECU47は、直ちに、車両システム要求に従って車両の制御を開始する。その後、処理がS609に進む。
【0139】
図11は、図10のS601の処理の詳細を表わすフローチャートである。
S501において、充電開始時刻と充電終了時刻とが定められた複数の充電スケジュールの充電期間に重なりがある場合には、処理がS502に進み、重なりがない場合には、処理がS508に進む。
【0140】
S502において、複数の充電スケジュールの充電開始時刻が同一の場合には、処理がS503に進み、複数の充電スケジュールの充電開始時刻が相違する場合には、処理がS504に進む。
【0141】
S503において、充電ECU47は、同一である充電開始時刻を調整後充電開始時刻に設定する。
【0142】
S504において、充電ECU47は、早い方の充電開始時刻を調整後充電開始時刻に設定する。
【0143】
S505において、複数の充電スケジュールの充電終了時刻が同一の場合には、処理がS506に進み、複数の充電スケジュールの充電終了時刻が相違する場合には、処理がS507に進む。
【0144】
S506において、充電ECU47は、同一である充電終了時刻を調整後充電終了時刻に設定する。
【0145】
S507において、充電ECU47は、遅い方の充電終了時刻を調整後充電終了時刻に設定する。
【0146】
S508において、充電開始時刻のみを定めた充電スケジュールαと、充電開始時刻と充電終了時刻とが定められた充電スケジュールAの充電期間に重なりがある場合には、処理がS509に進む。
【0147】
S509において、充電スケジュールαの充電開始時刻が充電スケジュールAの充電開始時刻と同一、または充電スケジュールAの充電開始時刻よりも遅い場合には、処理がS510に進み、充電スケジュールαの充電開始時刻が充電スケジュールAの充電開始時刻よりも早い場合には、処理がS512に進む。
【0148】
S510において、充電ECU47は、同一である充電開始時刻、または早い方の充電スケジュールAの充電開始時刻を調整後充電開始時刻に設定する。
【0149】
S511において、充電ECU47は、充電スケジュールAの充電終了時刻を調整後充電終了時刻に設定する。
【0150】
S512において、充電ECU47は、早い方の充電スケジュールαの充電開始時刻を調整後充電開始時刻に設定する。
【0151】
S513において、充電ECU47は、蓄電装置10の満充電時を調整後充電終了時刻に設定する。
【0152】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0153】
2 電池パック、10 蓄電装置、11 システムメインリレー、16 電流センサ、20 ヒータ、21 温度センサ、22 ヒータスイッチ、42 充電器、48 インジケータ、50 充電インジケータ、54 受電部、55 充電ケーブル、56 コネクタ、70 絶縁部、72 放電部、76 変換部、79 出力部センサ、80 エアコン、82 入力部センサ、84 補機バッテリ、86 コンバータ、98 ユーザ入力部、100 ハイブリッド車両、210 プラグ、330 CCIDボックス、332 リレー、334 制御回路、500 制御装置、CHR 充電リレー、14 電池ECU、46 HV-ECU、47 充電ECU。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11