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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】ヒートインシュレータ
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/04 20060101AFI20241029BHJP
   H01M 10/613 20140101ALN20241029BHJP
   H01M 10/625 20140101ALN20241029BHJP
   H01M 10/658 20140101ALN20241029BHJP
【FI】
B60R16/04 J
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/658
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021208131
(22)【出願日】2021-12-22
(65)【公開番号】P2023092867
(43)【公開日】2023-07-04
【審査請求日】2024-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中島 慎介
(72)【発明者】
【氏名】下川原 もとみ
(72)【発明者】
【氏名】大南 智士
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-186059(JP,U)
【文献】実開平03-013246(JP,U)
【文献】米国特許第05536595(US,A)
【文献】中国特許出願公開第102923077(CN,A)
【文献】特開2015-183848(JP,A)
【文献】特開2005-218171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/00-16/08
H01M 10/52-10/667
F16L 59/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される対象物を周囲の熱から保護するヒートインシュレータであって、
前記対象物の側面を囲うように装着されるとともに、上端及び下端に開口部を形成する4つの側壁を有した四角筒状をなす本体部を備え、
4つの前記側壁のうち少なくとも1つの前記側壁と当該側壁に隣接する2つの前記側壁とのそれぞれの境界には、下端から上端に向かって延びる切り目が形成され、
2つの前記切り目同士の間に位置する前記側壁である特定側壁は、当該2つの前記切り目の上端同士で挟まれた部分をヒンジ部として回動する可動部を有していることを特徴とするヒートインシュレータ。
【請求項2】
4つの前記側壁のうち少なくとも前記特定側壁には、断熱性を有したエラストマが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のヒートインシュレータ。
【請求項3】
前記特定側壁に設けられる前記エラストマは、前記ヒンジ部を跨いで延びていることを特徴とする請求項2に記載のヒートインシュレータ。
【請求項4】
前記本体部が装着された状態の前記対象物を固定位置に固定する固定部材を備え、
前記固定部材は、前記本体部が装着された状態の前記対象物を前記固定位置に固定した際に、前記可動部を外側から押さえる押さえ部を有していることを特徴とする請求項1~請求項3のうちいずれか一項に記載のヒートインシュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両のバッテリなどの対象物を囲うことによって周囲の熱から保護するヒートインシュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のヒートインシュレータとして、例えば特許文献1に示す断熱カバーが知られている。こうした断熱カバーは、直方体状のバッテリの外形に合わせた矩形筒状をなしている。そして、断熱カバーは、設置されたバッテリの上方から当該バッテリに被せることにより、当該バッテリの側面を囲うようにして当該バッテリに装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-183848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の断熱カバーは、バッテリの外形に合わせた矩形筒状をなしているため、当該バッテリに装着するには当該バッテリに対して真上から被せる必要がある。しかしながら、例えばバッテリが狭いエンジンルーム内に設置されていると、当該バッテリの上方に十分なスペースを確保できない場合がある。
【0005】
このような場合には、上述の断熱カバーがバッテリの上方に位置する他部品と干渉するため、当該断熱カバーをバッテリに装着することが困難になってしまう。このため、断熱カバーのバッテリに対する装着作業の自由度を向上する上では、改善の余地を残すものとなっている。
【0006】
なお、こうした問題は、バッテリを囲う断熱カバーに限らず、バッテリ以外の車両に搭載される対象物を囲う断熱カバーにおいても概ね共通したものとなっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するヒートインシュレータは、車両に搭載される対象物を周囲の熱から保護するヒートインシュレータであって、前記対象物の側面を囲うように装着されるとともに、上端及び下端に開口部を形成する4つの側壁を有した四角筒状をなす本体部を備え、4つの前記側壁のうち少なくとも1つの前記側壁と当該側壁に隣接する2つの前記側壁とのそれぞれの境界には、下端から上端に向かって延びる切り目が形成され、2つの前記切り目同士の間に位置する前記側壁である特定側壁は、当該2つの前記切り目の上端同士で挟まれた部分をヒンジ部として回動する可動部を有していることを要旨とする。
【0008】
この構成によれば、可動部を外側に回動させることで、本体部の下端の開口幅を広げることができる。このため、本体部を対象物に対して真上からだけでなく斜め上方からでも装着することができる。したがって、本体部の対象物に対する装着作業の自由度を向上できる。
【0009】
上記ヒートインシュレータにおいて、4つの前記側壁のうち少なくとも前記特定側壁には、断熱性を有したエラストマが設けられていることが好ましい。
この構成によれば、本体部が装着された状態の対象物に対する断熱性をより一層向上できる。
【0010】
上記ヒートインシュレータにおいて、前記特定側壁に設けられる前記エラストマは、前記ヒンジ部を跨いで延びていることが好ましい。
この構成によれば、可動部を回動させた際には、エラストマが弾性変形する。このため、可動部を回動させた後の位置から回動させる前の元の位置に回動させる際には、エラストマの弾性復元力を利用できる。したがって、可動部を回動させた後の位置から回動させる前の元の位置に容易に回動させることができる。
【0011】
上記ヒートインシュレータにおいて、前記本体部が装着された状態の前記対象物を固定位置に固定する固定部材を備え、前記固定部材は、前記本体部が装着された状態の前記対象物を前記固定位置に固定した際に、前記可動部を外側から押さえる押さえ部を有していることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、固定部材によって本体部が装着された状態の対象物を固定位置に固定した状態では、押さえ部によって可動部の外側への回動が抑制される。このため、固定部材によって、本体部が装着された状態の対象物を固定位置に固定できるとともに、可動部の外側への回動を抑制できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、本体部の対象物に対する装着作業の自由度を向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態におけるバッテリインシュレータが装着された状態のバッテリを示す側面模式図である。
図2】前壁の可動部が閉じた状態の本体部の模式斜視図である。
図3】前壁の可動部が外側に開いた状態の本体部の模式斜視図である。
図4】本体部を前斜め上方からバッテリに装着するときの状態を示す模式斜視図である。
図5】本体部でバッテリの側面を覆ったときの状態を示す模式斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、ヒートインシュレータを車両のバッテリに装着されるバッテリインシュレータに具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
<バッテリインシュレータ11の構成>
図1に示すように、ヒートインシュレータの一例としてのバッテリインシュレータ11は、車両に搭載される対象物の一例としてのバッテリ12を例えばエンジンなどから発生する周囲の熱から保護するものである。バッテリインシュレータ11は、バッテリ12の側面を囲うように装着される本体部13と、本体部13が装着された状態のバッテリ12を車両のエンジンルーム内の所定の固定位置にある水平な固定板14上に固定する固定部材15とを備えている。
【0016】
<バッテリ12の構成>
図1に示すように、バッテリ12は、直方体状をなすとともに、長辺方向が車両の前後方向と一致する姿勢で固定板14上に配置されている。バッテリ12の前面の下端部には、前方に突出する前側突出部12aが短辺方向となる左右方向(車幅方向)の全体にわたって形成されている。バッテリ12の後面の下端部には、後方に突出する後側突出部12bが左右方向の全体にわたって形成されている。
【0017】
前側突出部12aの上面は、前方に向かうほど高さが徐々に低くなるように傾斜している。後側突出部12bの上面は、後方に向かうほど高さが徐々に低くなるように傾斜している。バッテリ12の後側突出部12bは、固定板14の後端部に形成された係止部14aに係止されている。
【0018】
バッテリ12の上面には、前後一対の端子16が突出している。一対の端子16のうちの前側の端子16には、例えばバッテリ12の電圧や電流を検出するためのバッテリセンサ17が取り付けられている。バッテリセンサ17の前端部は、バッテリ12の前面よりも若干前側に突出している。バッテリ12の上面からのバッテリセンサ17の高さは、バッテリ12の上面からの端子16の突出高さよりも若干高くなっている。
【0019】
<本体部13の構成>
図1及び図2に示すように、本体部13は、バッテリ12と対応する矩形(四角)筒状をなしている。すなわち、本体部13は、上端及び下端に矩形状の開口部18を形成する4つの側壁19を有した矩形筒状をなしている。本体部13は、一例として不織布によって構成されている。本体部13の開口部18の大きさは、直方体状のバッテリ12の側面を囲うことができる程度に設定されている。
【0020】
本体部13の上下方向の長さは、バッテリ12の上下方向の長さよりも短くなるように設定されている。したがって、本体部13をバッテリ12に装着した状態では、バッテリ12の上端部及び下端部が本体部13から露出する。本体部13の4つの側壁19は、全て矩形板状をなしている。本体部13の4つの側壁19は、それぞれ前壁20、後壁21、右壁22、及び左壁23とされている。
【0021】
前壁20及び後壁21は、前後方向において互いに対向している。右壁22及び左壁23は、左右方向において互いに対向している。本体部13において、前壁20と、前壁20に隣接する右壁22及び左壁23とのそれぞれの境界には、下端から上端に向かって延びる切り目24が形成されている。すなわち、本体部13における前側に位置するとともに前壁20を挟む2つのコーナー部には、それぞれ切り目24が形成されている。
【0022】
図2及び図3に示すように、2つの切り目24の上下方向の長さは、例えば本体部13の上下方向の長さの7割程度に設定されている。したがって、前壁20は、2つの切り目24の上端同士で挟まれた部分をヒンジ部25として外側(本例では前側)に開くように回動可能に構成されている。前壁20におけるヒンジ部25から下側の部分は、ヒンジ部25を回動中心として外側に開くように回動可能に構成された可動部26とされている。可動部26は、前壁20の扉として機能する。本例では、2つの切り目24同士の間に位置する前壁20が特定側壁を構成している。
【0023】
本体部13の4つの側壁19の外面には、断熱性を有した矩形板状のエラストマ27が当該外面の大半を覆うようにそれぞれ設けられている。エラストマ27は、各側壁19の外面に対して、例えば接着剤や両面粘着テープなどによって貼り付けられている。エラストマ27は、例えば軟質のウレタンフォームなどによって構成される。前壁20の外面に設けられたエラストマ27は、前壁20のヒンジ部25を跨いで延びている。
【0024】
<固定部材15の構成>
図1に示すように、固定部材15は、例えば帯状の金属板を略L字状に曲げ加工することによって形成される。固定部材15は、固定部15aと、第1押さえ部15bと、押さえ部の一例としての第2押さえ部15cとを有している。固定部材15において、第1押さえ部15bは、固定部15aと第2押さえ部15cとの間に位置している。
【0025】
固定部15aには、ボルト28が挿通可能な第1挿通孔15dが形成されている。固定部材15によって本体部13が装着された状態のバッテリ12を固定板14上に固定する際に、固定板14における固定部材15の固定部15aの第1挿通孔15dと対応する位置には、ボルト28が挿通可能な第2挿通孔14bが形成されている。
【0026】
固定部15aは、固定板14上に位置する固定部15aの上側から第1挿通孔15d及び第2挿通孔14bにボルト28を挿通した状態で、ボルト28を固定板14の下側に配置したナット29に螺入して締め付けることによって固定板14に固定される。固定部15aを固定板14に固定した状態では、第1押さえ部15bがバッテリ12の前側突出部12aの上面を上側から押さえるとともに、第2押さえ部15cが前壁20における可動部26の下端部を外側(前側)からエラストマ27を介して押さえる。
【0027】
すなわち、本体部13が装着された状態のバッテリ12を固定部材15によって固定板14上に固定した際に、第2押さえ部15cは、前壁20における可動部26の下端部を外側(前側)からエラストマ27を介して押さえる。
【0028】
<バッテリインシュレータ11の作用>
次に、バッテリインシュレータ11によってバッテリ12を固定板14上に固定するときの作用について説明する。
【0029】
バッテリインシュレータ11によってバッテリ12を固定板14上に固定する場合には、まず、固定板14上にバッテリ12を載置する。続いて、バッテリ12を固定板14上で後方にスライドさせることにより、バッテリ12の後側突出部12bを固定板14の係止部14aに係止させる。続いて、バッテリ12に対して上側から本体部13を被せる。このとき、図4に示すように、バッテリ12の後部の真上の位置に例えばカウルルーバなどの他部品30が配置されている場合がある。
【0030】
こうした場合、バッテリ12に対して真上から本体部13を被せようとすると、本体部13の後部が他部品30にぶつかる。そこで、本実施形態では、本体部13の前壁20の可動部26を外側に開くようにヒンジ部25を回動中心として回動させる。すると、本体部13の下端の開口部18が前方側に広がるとともに、前壁20の外面に設けられたエラストマ27がヒンジ部25と対応する部分において折れ曲がるように弾性変形する。これにより、本体部13が他部品30にぶつからないように本体部13をバッテリ12に対して前斜め上方から被せることができるようになる。
【0031】
図4に示すように、本体部13をバッテリ12に対して前斜め上方から被せる場合には、本体部13を前側に傾けた状態で外側に開いている可動部26の内面をバッテリ12の前面に接触させながら、本体部13をバッテリ12に対して前斜め上方から被せる。このとき、バッテリセンサ17の前端部がバッテリ12の前面よりも若干前側に突出している。しかしながら、可動部26を外側に開くとともに本体部13を前側に傾けることで、前壁20がバッテリセンサ17に当たらないように、可動部26の内面をバッテリ12の前面に接触させることができる。
【0032】
続いて、ヒンジ部25を回動中心として可動部26を閉じるように本体部13を回動させて本体部13を水平な姿勢にする。このときの本体部13の回動動作にはヒンジ部25を覆う弾性変形していたエラストマ27の弾性復元力を利用できるので、本体部13を容易に水平な姿勢にすることができる。すると、図5に示すように、本体部13がバッテリ12に対して側面を覆うように装着される。このとき、本体部13の前壁20の下端及び後壁21の下端は、バッテリ12の前側突出部12aの上面の上端及び後側突出部12bの上面の上端にそれぞれ接触する。
【0033】
続いて、図1に示すように、固定板14の第2挿通孔14bに固定部材15の第1挿通孔15dが重なるように、固定部材15を固定板14上に配置する。続いて、固定部材15の上側から第1挿通孔15d及び第2挿通孔14bにボルト28を挿通した状態で、ボルト28を固定板14の下側に配置したナット29に螺入して締め付ける。これにより、固定部材15の固定部15aがボルト28及びナット29によって固定板14に固定された状態になる。
【0034】
この状態では、固定部材15における第1押さえ部15bがバッテリ12の前側突出部12aの上面を上側から押さえるとともに、固定部材15における第2押さえ部15cが前壁20における可動部26の下端部を外側(前側)からエラストマ27を介して押さえる。したがって、固定部材15は、第1押さえ部15bによりバッテリ12を前側突出部12aにおいて固定板14上に固定するとともに、第2押さえ部15cにより可動部26が外側に開くように回動することを抑制する。
【0035】
このようにして、バッテリ12は、バッテリインシュレータ11によって固定板14上に固定される。この場合、固定部材15は、第2押さえ部15cが可動部26の外面のエラストマ27と干渉する寸法設計になっている。このため、可動部26の外面のエラストマ27における第2押さえ部15cによって押さえられた部分は、窪むように弾性変形する。つまり、第2押さえ部15cは、エラストマ27にめり込んだ状態になる。
【0036】
以上詳述した実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)バッテリインシュレータ11は、バッテリ12の側面を囲うように装着されるとともに、上端及び下端に開口部18を形成する4つの側壁19を有した四角筒状をなす本体部13を備えている。4つの側壁19のうち前壁20と当該前壁20に隣接する左壁23及び右壁22とのそれぞれの境界には、下端から上端に向かって延びる切り目24が形成されている。2つの切り目24同士の間に位置する前壁20は、当該2つの切り目24の上端同士で挟まれた部分をヒンジ部25として回動する可動部26を有している。
【0037】
この構成によれば、可動部26を外側に回動させることで、本体部13の下端の開口部18の前後方向の幅を広げることができる。このため、本体部13をバッテリ12に対して真上からだけでなく前斜め上方からでも被せるようにして装着することができる。したがって、本体部13のバッテリ12に対する装着作業の自由度を向上できる。
【0038】
この結果、車両の組み立て工程において、バッテリセンサ17及び他部品30の組み付け前であっても組み付け後であってもバッテリ12に対するバッテリインシュレータ11の組み付けを行うことができる。因みに、バッテリインシュレータ11の代わりに特許文献1に記載の従来の断熱カバーを用いる場合、断熱カバーが組み付け後のバッテリセンサ17及び他部品30と干渉する。このため、必ずバッテリセンサ17及び他部品30の組み付け前に断熱カバーのバッテリ12に対する組み付けを行う必要がある。よって、本実施形態のバッテリインシュレータ11を用いると、特許文献1に記載の従来の断熱カバーを用いる場合に比べて、工順の制約を緩和できる。
【0039】
(2)バッテリインシュレータ11において、本体部13の前壁20の外面には、断熱性を有したエラストマ27が設けられている。
この構成によれば、本体部13が装着された状態のバッテリ12に対する断熱性をより一層向上できる。
【0040】
(3)バッテリインシュレータ11において、前壁20の外面に設けられるエラストマ27は、ヒンジ部25を跨いで延びている。
この構成によれば、可動部26を外側に開くように回動させた際には、エラストマ27が弾性変形する。このため、可動部26を開くように回動させた後の位置から回動させる前の元の位置に回動させる際には、エラストマ27の弾性復元力を利用できる。したがって、可動部26を回動させた後の位置から回動させる前の元の位置に容易に回動させることができる。
【0041】
(4)バッテリインシュレータ11は、本体部13が装着された状態のバッテリ12を固定板14上に固定する固定部材15を備える。固定部材15は、本体部13が装着された状態のバッテリ12を固定板14上に固定した際に、可動部26を外側から押さえる第2押さえ部15cを有している。
【0042】
この構成によれば、固定部材15によって本体部13が装着された状態のバッテリ12を固定板14上に固定した状態では、第2押さえ部15cによって可動部26の外側への回動が抑制される。このため、固定部材15によって、本体部13が装着された状態のバッテリ12を固定板14上に固定できるとともに、可動部26の外側への回動を抑制できる。
【0043】
(変更例)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0044】
・固定部材15は、省略してもよい。
・固定部材15における第2押さえ部15cは、省略してもよい。
・前壁20の外面に設けられたエラストマ27は、必ずしもヒンジ部25を跨いで延びている必要はない。
【0045】
・4つの側壁19の外面にそれぞれ設けられたエラストマ27のうち少なくとも1つを省略してもよい。
・エラストマ27は、必ずしも断熱性を有する必要はない。
【0046】
・特定側壁は、後壁21、右壁22、及び左壁23のうちのいずれか1つによって構成されていてもよい。
・特定側壁は、4つの側壁19のうちのいずれか2つによって構成されていてもよいし、4つの側壁19のうちのいずれか3つによって構成されていてもよいし、4つの側壁19の全てによって構成されていてもよい。
【0047】
・切り目24の長さは、適宜変更してもよい。
・エラストマ27は、側壁19の内面に設けるようにしてもよい。
・本体部13は、例えばプラスチックダンボールなどの不織布以外の材料によって構成してもよい。
【0048】
・対象物は、バッテリ12以外の車両に搭載される断熱が必要な部品であってもよい。
【符号の説明】
【0049】
11…ヒートインシュレータの一例としてのバッテリインシュレータ
12…対象物の一例としてのバッテリ
12a…前側突出部
12b…後側突出部
13…本体部
14…固定板
14a…係止部
14b…第2挿通孔
15…固定部材
15a…固定部
15b…第1押さえ部
15c…押さえ部の一例としての第2押さえ部
15d…第1挿通孔
16…端子
17…バッテリセンサ
18…開口部
19…側壁
20…特定側壁の一例としての前壁
21…後壁
22…右壁
23…左壁
24…切り目
25…ヒンジ部
26…可動部
27…エラストマ
28…ボルト
29…ナット
30…他部品
図1
図2
図3
図4
図5