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特許7578109管理装置、管理システム、管理方法及び管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】管理装置、管理システム、管理方法及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20241029BHJP
   G06Q 10/08 20240101ALI20241029BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q10/08
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022021556
(22)【出願日】2022-02-15
(65)【公開番号】P2023118550
(43)【公開日】2023-08-25
【審査請求日】2023-11-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】松下 真人
(72)【発明者】
【氏名】福井 宏依
(72)【発明者】
【氏名】上野山 直貴
(72)【発明者】
【氏名】後藤 陽
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
(72)【発明者】
【氏名】笹野 孝則
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-009060(JP,A)
【文献】特開2020-166760(JP,A)
【文献】特表2021-532480(JP,A)
【文献】特開2018-185662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を配送する移動体を管理する制御部を備え、
前記制御部は、
前記移動体が配送中に保守を必要とする状態になる可能性を考慮して配送に割り当てる前記移動体を決定し、
前記移動体が保守を必要とする状態になった場合に運搬装置又は他移動体によって運搬されることなく保守を受ける場所まで自力で走行できる前記移動体を配送に割り当てる、管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記移動体が配送中に保守を必要とする状態になる確率の推定結果が所定値未満である前記移動体を配送に割り当てる、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、配送ルートから保守を受ける場所まで遠いほど、前記配送ルートを通る配送に前記移動体を割り当てるときの前記所定値を低く設定する、請求項に記載の管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、所定エリアにおける配送頻度が高いほど、前記所定エリアにおける配送に前記移動体を割り当てるときの前記所定値を低く設定する、請求項又はに記載の管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、配送遅延の許容時間が短いほど、配送に前記移動体を割り当てるときの前記所定値を低く設定する、請求項からまでのいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記移動体の運行開始からの走行距離が短いほど、前記移動体が配送中に保守を必要とする状態になる確率を低い値で推定する、請求項からまでのいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記移動体の少なくとも1つの部品の交換後の走行距離が短いほど、前記移動体が配送中に保守を必要とする状態になる確率を低い値で推定する、請求項2から6までのいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記移動体のバッテリの充電率又は健全度の値が高いほど、前記移動体が配送中に保守を必要とする状態になる確率を低い値で推定する、請求項2から7までのいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記移動体の少なくとも1つの部品の交換後の経過日数又は経過時間が短いほど、前記移動体が配送中に保守を必要とする状態になる確率を低い値で推定する、請求項2から8までのいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか一項に記載の管理装置と、物品を配送する移動体とを備える、管理システム。
【請求項11】
物品を配送する移動体を管理する管理装置が、前記移動体が保守を必要とする状態になる可能性を考慮して配送に割り当てる前記移動体を決定することと、
前記管理装置が、前記移動体が保守を必要とする状態になった場合に運搬装置又は他移動体によって運搬されることなく保守を受ける場所まで自力で走行できる前記移動体を配送に割り当てることと
を含む、管理方法。
【請求項12】
前記管理装置が、前記移動体が配送中に保守を必要とする状態になる確率の推定結果が所定値未満である前記移動体を配送に割り当てることを更に含む、請求項11に記載の管理方法。
【請求項13】
前記管理装置が、配送ルートから保守を受ける場所まで遠いほど、前記配送ルートを通る配送に前記移動体を割り当てるときの前記所定値を低く設定することを更に含む、請求項12に記載の管理方法。
【請求項14】
前記管理装置が、所定エリアにおける配送頻度が高いほど、前記所定エリアにおける配送に前記移動体を割り当てるときの前記所定値を低く設定することを更に含む、請求項12又は13に記載の管理方法。
【請求項15】
前記管理装置が、配送遅延の許容時間が短いほど、配送に前記移動体を割り当てるときの前記所定値を低く設定することを更に含む、請求項12から14までのいずれか一項に記載の管理方法。
【請求項16】
前記管理装置が、前記移動体の運行開始からの走行距離が短いほど、前記移動体が配送中に保守を必要とする状態になる確率を低い値で推定することを更に含む、請求項13から15までのいずれか一項に記載の管理方法。
【請求項17】
前記管理装置が、前記移動体の少なくとも1つの部品の交換後の走行距離が短いほど、前記移動体が配送中に保守を必要とする状態になる確率を低い値で推定することを更に含む、請求項12から16までのいずれか一項に記載の管理方法。
【請求項18】
前記管理装置が、前記移動体のバッテリの充電率又は健全度の値が高いほど、前記移動体が配送中に保守を必要とする状態になる確率を低い値で推定することを更に含む、請求項12から17までのいずれか一項に記載の管理方法。
【請求項19】
前記管理装置が、前記移動体の少なくとも1つの部品の交換後の経過日数又は経過時間が短いほど、前記移動体が配送中に保守を必要とする状態になる確率を低い値で推定することを更に含む、請求項12から18までのいずれか一項に記載の管理方法。
【請求項20】
物品を配送する移動体を管理する管理装置に、前記移動体が保守を必要とする状態になる可能性を考慮して配送に割り当てる前記移動体を決定させることと、
前記管理装置に、前記移動体が保守を必要とする状態になった場合に運搬装置又は他移動体によって運搬されることなく保守を受ける場所まで自力で走行できる前記移動体を配送に割り当てさせることと
を含む、管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体の管理装置、管理システム、管理方法及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無人配送車両による商品配送方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-7148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配送に用いる移動体が途中で止まることによって配送効率が低下する。配送に用いる移動体の保守頻度をふやすと移動体の運行効率が低下する。配送に用いる移動体の保守頻度と配送効率とのバランスをとることが求められる。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、配送に用いる移動体の保守頻度と配送効率とのバランスを向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る管理装置は、物品を配送する移動体を管理する制御部を備える。前記制御部は、前記移動体が配送中に保守を必要とする状態になる可能性を考慮して配送に割り当てる前記移動体を決定する。
【0007】
本開示の一実施形態に係る管理システムは、前記管理装置と、物品を配送する移動体とを備える。
【0008】
本開示の一実施形態に係る管理方法は、物品を配送する移動体を管理する管理装置によって実行される。前記管理方法は、前記管理装置が、前記移動体が保守を必要とする状態になる可能性を考慮して配送に割り当てる前記移動体を決定することを含む。
【0009】
本開示の一実施形態に係る管理プログラムは、物品を配送する移動体を管理する管理装置によって実行される。前記管理プログラムは、前記管理装置に、前記移動体が保守を必要とする状態になる可能性を考慮して配送に割り当てる前記移動体を決定させることを含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施形態に係る移動体の管理装置、管理システム、管理方法及び管理プログラムによれば、配送に用いる移動体の保守頻度と配送効率とのバランスが向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る管理システムの構成例を示すブロック図である。
図2】移動体の構成例を示す模式図である。
図3】一実施形態に係る管理方法の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(管理システム1の構成例)
図1に示されるように、一実施形態に係る管理システム1は、管理装置10と、移動体40とを備える。移動体40は、配送物品50(図2参照)を収容して配送物品50の配送元から配送先まで走行する。管理装置10は、移動体40の運行を管理し、配送物品50を配送する作業に移動体40を割り当てる。以下、管理システム1の具体的な構成例が説明される。
【0013】
<管理装置10>
管理装置10は、制御部12と、インタフェース14とを備える。インタフェース14は、I/F14とも称される。
【0014】
制御部12は、管理装置10の少なくとも1つの構成部を制御する。制御部12は、1つ以上のプロセッサを含んで構成されてよい。本実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であるが、これらに限られない。制御部12は、1つ以上の専用回路を含んで構成されてもよい。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。制御部12は、プロセッサの代わりに専用回路を含んで構成されてもよいし、プロセッサとともに専用回路を含んで構成されてもよい。
【0015】
管理装置10は、記憶部を更に備えてよい。記憶部は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んでよい。記憶部は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含んでよい。記憶部は、管理装置10の動作に用いられる任意の情報を格納する。例えば、記憶部は、システムプログラム、又はアプリケーションプログラム等を格納してもよい。記憶部は、制御部12に含まれてもよい。
【0016】
I/F14は、制御部12から情報又はデータ等を出力したり、制御部12に情報又はデータ等を入力したりする。I/F14は、ネットワーク30を介して移動体40又は端末装置20等の他の機器と通信可能に構成される通信モジュールを含んでよい。通信モジュールは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応してよい。通信モジュールは、LAN(Local Area Network)等の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、有線又は無線の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、これらに限られず、種々の通信規格に対応してよい。I/F14は、通信モジュールに接続可能に構成されてもよい。
【0017】
I/F14は、ユーザから情報又はデータ等の入力を受け付ける入力デバイスを含んで構成されてよい。入力デバイスは、例えば、タッチパネル若しくはタッチセンサ、又はマウス等のポインティングデバイスを含んで構成されてよい。入力デバイスは、物理キーを含んで構成されてもよい。入力デバイスは、マイク等の音声入力デバイスを含んで構成されてもよい。
【0018】
I/F14は、ユーザに対して情報又はデータ等を出力する出力デバイスを含んで構成されてよい。出力デバイスは、例えば、画像又は文字若しくは図形等の視覚情報を出力する表示デバイスを含んでよい。表示デバイスは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ若しくは無機ELディスプレイ、又は、PDP(Plasma Display Panel)等を含んで構成されてよい。表示デバイスは、これらのディスプレイに限られず、他の種々の方式のディスプレイを含んで構成されてよい。表示デバイスは、LED(Light Emitting Diode)又はLD(Laser Diode)等の発光デバイスを含んで構成されてよい。表示デバイスは、他の種々のデバイスを含んで構成されてよい。出力デバイスは、例えば、音声等の聴覚情報を出力するスピーカ等の音声出力デバイスを含んでよい。出力デバイスは、これらの例に限られず、他の種々のデバイスを含んでよい。
【0019】
管理装置10は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置を含んでよい。
【0020】
<移動体40>
図2に示されるように、移動体40は、配送される物品である配送物品50を収容する収容空間を有する本体部42と、移動体40を移動させるための駆動部44とを備える。本体部42の収容空間は、配達箱等に梱包された配送物品50を収容可能に構成されてよいし、配送箱等に梱包されていない状態の配送物品50を収容可能に構成されてもよい。本体部42は、収容空間に収容した配送物品50をロックするロック機構を備えてもよい。
【0021】
駆動部44は、路面を走行する機構として例えば車輪又はキャタピラ等を備えてよい。駆動部44は、車輪又はキャタピラ等を駆動するモータ又はエンジン等の駆動機構を更に備えてよい。駆動部44は、駆動機構から車輪又はキャタピラ等に動力を伝達するギア等を更に備えてよい。駆動部44は、駆動機構に電力を供給するバッテリ48(図1参照)又は燃料を供給するタンク等を更に備えてよい。本実施形態において、移動体40は、バッテリ48を備えるとする。駆動部44は、バッテリ48の電力で動作するモータを含んで構成されるとする。
【0022】
図1に示されるように、移動体40は、必須ではないが移動体制御部46を更に備える。移動体制御部46は、移動体40の本体部42又は駆動部44等の移動体40の少なくとも1つの構成部を制御する。移動体制御部46は、管理装置10から移動先を指定する移動先情報を取得し、移動先情報に基づいて自律走行するように駆動部44を制御してよい。移動体40は、走行開始若しくは停止のタイミング、又は、走行速度等を指示する制御情報を管理装置10から取得し、制御情報に基づいて駆動部44を制御して走行してもよい。移動体制御部46は、本体部42に配送物品50が収容された場合、収容した配送物品50を特定する情報を管理装置10に出力してよい。移動体制御部46は、本体部42から配送物品50が取り出された場合、取り出された配送物品50を特定する情報を管理装置10に出力してよい。
【0023】
移動体制御部46は、1つ以上のプロセッサを含んで構成されてよい。移動体制御部46は、プロセッサの代わりに1つ以上の専用回路を含んで構成されてもよいし、プロセッサとともに専用回路を含んで構成されてもよい。移動体40は、記憶部を含んで構成されてよい。移動体40の記憶部は、管理装置10の記憶部と同一又は類似に構成されてよい。移動体40は、I/F又は通信モジュールを含んで構成されてもよい。移動体40のI/F又は通信モジュールは、管理装置10のI/F又は通信モジュールと同一又は類似に構成されてよい。
【0024】
移動体40は、移動体40自身の位置情報を取得する位置情報検出部を含んで構成されてよい。移動体40は、移動体40自身の位置情報を管理装置10に出力してよい。位置情報検出部は、衛星測位システムに対応する受信機を含んで構成されてよい。衛星測位システムに対応する受信機は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機等を含んでもよい。
【0025】
管理システム1によって管理される移動体40の数は、2台以上であってよい。移動体40は、図2に例示される態様に限られず、配送物品50を収容して移動可能な他の種々の態様で構成されてよい。
【0026】
移動体制御部46は、移動体40に設置されている種々のセンサから、移動体40の状態に関する検出結果を取得してよい。移動体制御部46は、センサの検出結果に基づいて移動体40の状態を取得してよい。移動体40の状態は、例えば、バッテリ48の充電率(SOC:State of Charge)又は健全度(SOH:State of Health)を含んでよい。移動体40の状態は、移動体40の運行開始からの走行距離を含んでよい。移動体40の状態は、保守後の走行距離を含んでもよい。移動体40の状態は、保守後の経過日数又は経過時間を含んでもよい。移動体40の状態は、部品を交換した後の走行距離を部品毎に記録した情報を含んでもよい。移動体40の状態は、部品を交換した後の経過日数又は経過時間を部品毎に記録した情報を含んでもよい。移動体制御部46は、移動体40の状態を表す情報を管理装置10に出力してよい。
【0027】
<端末装置20>
管理システム1は、必須ではないが端末装置20を更に備える。端末装置20は、配送物品50を発送するユーザから、配送物品50を発送する場所又は時刻を指定する情報の入力を受け付け、入力された情報を管理装置10に出力してよい。端末装置20は、配送物品50を受け取るユーザから、配送物品50を受け取る場所又は時刻を指定する情報の入力を受け付け、入力された情報を管理装置10に出力してよい。端末装置20は、管理装置10から配送物品50の配送状況に関する情報を取得し、配送物品50を発送したユーザ又は配送物品50を受け取るユーザに配送物品50の配送状況を通知してよい。
【0028】
端末装置20は、1つ以上のプロセッサ又は1つ以上の専用回路を含んで構成されてよい。端末装置20は、記憶部を含んで構成されてよい。端末装置20の記憶部は、管理装置10の記憶部と同一又は類似に構成されてよい。端末装置20は、I/F又は通信モジュールを含んで構成されてもよい。端末装置20のI/F又は通信モジュールは、管理装置10のI/F又は通信モジュールと同一又は類似に構成されてよい。
【0029】
端末装置20は、ユーザから情報又はデータ等の入力を受け付ける入力デバイスを含んで構成されてよい。入力デバイスは、I/F14として説明された種々のデバイスを含んで構成されてよい。また、端末装置20は、ユーザに対して情報又はデータ等を出力する出力デバイスを含んで構成されてよい。出力デバイスは、I/F14として説明された種々のデバイスを含んで構成されてよい。
【0030】
管理システム1が備える端末装置20の数は、1つに限られず、2つ以上であってよい。端末装置20は、スマートフォン若しくはタブレット等の携帯端末、又は、ノートPC(Personal Computer)若しくはタブレットPC等のPCを含んで構成されてよい。端末装置20は、これらの例に限られず、種々の機器を含んで構成されてよい。
【0031】
(管理システム1の動作例)
本実施形態に係る管理システム1において、管理装置10の制御部12は、複数の移動体40のそれぞれの運行を管理する。制御部12は、移動体40に、配送物品50を配送元で収容させたり配送物品50を配送先に配送させたりする作業に移動体40を割り当てる。制御部12は、配送情報に基づいて配送に移動体40を割り当てる。配送情報は、配送物品50に関する情報、又は、配送元若しくは配送先を含んでよい。
【0032】
制御部12は、移動体40が配送物品50を収容していない場合又は配送物品50を収容する容量を有する場合、移動体40に配送物品50を収容させるように移動体40の移動先として配送物品50の配送元を指定する。制御部12は、移動体40が配送物品50を収容した場合、収容した配送物品50を配送させるように移動体40の移動先として配送物品50の配送先を指定する。
【0033】
配送元は、配送物品50が発送される場所を含む。配送物品50は、法人又は個人等のユーザから発送されてもよいし、配送物品50を集荷した物流センター等から発送されてもよい。配送先は、配送物品50が受け取られる場所を含む。配送物品50は、法人又は個人等のユーザによって受け取られてもよいし、配送物品50を集荷する物流センター等で受け取られてもよい。配送元又は配送先は、これらの例に限られず種々の場所を含んでよい。
【0034】
移動体40が配送の途中で保守を必要とする状態になることによって配送が遅延する。配送の遅延によって配送効率が低下する。制御部12は、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる可能性を考慮して配送に割り当てる移動体40を決定する。このようにすることで、移動体40による配送効率が維持されたり高められたりする。
【0035】
制御部12は、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる可能性を考慮して移動体40をあらかじめ保守するように移動体40の運行を計画してよい。このようにすることで、移動体40を保守する時期の間隔が長くされ得る。つまり、保守頻度が低減され得る。その結果、配送効率と保守頻度とのバランスがとられ得る。
【0036】
移動体40は、保守を必要とする状態になった場合に、保守作業を実施する施設で保守を受けてよい。移動体40は、保守を必要とする状態になった場合に、保守作業を実施する施設に移動体40自身で走行してもよいし、移動体40を運搬する装置、又は、他の移動体40によって保守作業を実施する施設まで運搬されてもよい。
【0037】
制御部12は、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になった場合でも保守を受ける場所まで移動体40自身で走行できる移動体40を配送に割り当ててよい。このようにすることで、配送の遅延が低減され得る。その結果、配送効率の低下が抑えられ得る。
【0038】
制御部12は、移動体40の状態に関する情報を取得してよい。制御部12は、移動体40の状態に関する情報に基づいて、移動体40を配送に割り当てた場合に移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率を推定してよい。制御部12は、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率の推定結果に基づいて、移動体40を配送に割り当てるか決定してよい。制御部12は、複数の移動体40について配送中に保守を必要とする状態になる確率を推定してよい。制御部12は、各移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率の推定結果に基づいて、複数の移動体40の中から配送に割り当てる移動体40を選択してよい。制御部12は、配送中に保守を必要とする状態になる確率が低い移動体40を配送に割り当ててよい。
【0039】
制御部12は、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率を考慮して移動体40をあらかじめ保守するように移動体40の運行を計画してよい。制御部12は、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率が所定値以上になる場合に移動体40の保守を計画してよい。このようにすることで、移動体40の状態を考慮せずに単に定期的に保守を計画する場合よりも、移動体40を保守する時期の間隔が長くされ得る。つまり、保守頻度が低減され得る。その結果、配送効率と保守頻度とのバランスがとられ得る。
【0040】
制御部12は、移動体40のバッテリ48の状態に基づいて、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率を推定してよい。制御部12は、移動体40のバッテリ48のSOC又はSOHの値が高いほど、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率を低い値で推定し得る。
【0041】
制御部12は、移動体40の運行開始からの走行距離に基づいて、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率を推定してよい。制御部12は、移動体40の運行開始からの走行距離が短いほど、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率を低い値で推定し得る。つまり、移動体40が新しいほど、その移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率が低くなり得る。
【0042】
制御部12は、移動体40の保守後の走行距離に基づいて、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率を推定してよい。制御部12は、移動体40の保守後の走行距離が短いほど、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率を低い値で推定し得る。また、制御部12は、移動体40の部品を交換した後の走行距離に基づいて、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率を推定してよい。制御部12は、移動体40の部品を交換した後の走行距離が短いほど、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率を低い値で推定し得る。
【0043】
制御部12は、移動体40の保守後の経過日数又は経過時間に基づいて、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率を推定してよい。制御部12は、移動体40の保守後の経過日数又は経過時間が短いほど、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率を低い値で推定し得る。また、制御部12は、移動体40の部品を交換した後の経過日数又は経過時間に基づいて、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率を推定してよい。制御部12は、移動体40の部品を交換した後の経過日数又は経過時間が短いほど、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率を低い値で推定し得る。
【0044】
移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率は、配送元から配送先までの配送ルートによって定まり得る。制御部12は、移動体40を配送に割り当てる場合にその配送ルートに基づいて配送中に保守を必要とする状態になる確率を推定し、推定結果に基づいて移動体40を割り当ててよい。例えば、配送ルートが長いほど、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率が高くなり得る。また、配送ルートに含まれる高低差が大きいほど、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率が高くなり得る。また、配送ルートにおいて移動体40が停止する回数が多いほど、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率が高くなり得る。
【0045】
保守を受ける場所から遠い場所で移動体40が保守を必要とする状態になることによって、移動体40が保守を受けるまでにかかる時間が長くなり得る。移動体40が保守を必要とする状態になった場所から保守を受ける場所までの距離が遠いほど、配送効率が低下しやすい。制御部12は、配送ルートから保守を受ける場所まで遠くなる配送に、配送中に保守を必要とする状態になる確率が低い移動体40を割り当ててよい。つまり、配送ルートから保守を受ける場所まで遠いほど、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率が低くなるように移動体40が割り当てられてよい。このようにすることで、配送効率の低下が抑えられ得る。
【0046】
配送頻度が高いエリアにおいて配送中の移動体40が保守を必要とする状態になることによって、配送効率が低下し得る。制御部12は、配送頻度が高いエリアにおける配送に、配送中に保守を必要とする状態になる確率が低い移動体40を割り当ててよい。つまり、移動体40が配送に割り当てられるエリアにおける配送頻度が高いほど、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる確率が低くなるように移動体40が割り当てられてよい。このようにすることで、配送効率の低下が抑えられ得る。
【0047】
配送遅延の許容時間が短い配送に割り当てられた移動体40が配送中に保守を必要とする状態になることによって、配送遅延の時間が許容時間を超えやすくなる。配送遅延はユーザの利便性を低下させる。制御部12は、配送遅延の許容時間が短い配送に、配送中に保守を必要とする状態になる確率が低い移動体40を割り当ててよい。このようにすることで、配送遅延が許容時間を超えにくくなる。その結果、ユーザの利便性が向上し得る。
【0048】
逆に、制御部12は、配送頻度が低いエリアにおける配送又は配送遅延の許容時間が長い配送に、保守を予定している移動体40を割り当ててもよい。このようにすることで、移動体40が保守を必要とする状態になってから移動体40の保守が実行され得る。その結果、配送効率を低下させずに移動体40の保守頻度が低減される。つまり、保守頻度と配送効率とのバランスがとられ得る。
【0049】
<管理方法の手順例>
以上述べてきたように、本実施形態に係る管理装置10の制御部12は、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる可能性を考慮して移動体40を配送に割り当てる。制御部12は、例えば図3に例示されるフローチャートの手順を含む管理方法を実行してよい。管理方法は、制御部12に実行させる管理プログラムとして実現されてもよい。
【0050】
制御部12は、配送情報を取得する(ステップS1)。制御部12は、移動体40の情報を取得する(ステップS2)。制御部12は、移動体40を配送に割り当てた場合に配送中に保守を必要とする状態になる確率を推定する(ステップS3)。
【0051】
制御部12は、ステップS3で推定した確率が閾値未満であるか判定する(ステップS4)。制御部12は、確率が閾値未満である場合(ステップS4:YES)、その移動体40を配送に割り当てる(ステップS5)。制御部12は、ステップS5の手順の実行後、図3のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0052】
制御部12は、確率が閾値未満でない場合(ステップS4:NO)、つまり確率が閾値以上である場合、移動体40が保守の場所まで自力で移動可能か判定する(ステップS6)。制御部12は、移動体40が保守の場所まで自力で移動できる場合(ステップS6:YES)、ステップS5の手順に進み、移動体40を配送に割り当てる。制御部12は、移動体40が保守の場所まで自力で移動できない場合(ステップS6:NO)、ステップS2の手順に戻って他の移動体40の情報を取得する。
【0053】
制御部12は、ステップS2の手順で複数の移動体40の情報を取得してよい。制御部12は、ステップS3の手順で各移動体40について、配送に割り当てた場合に配送中に保守を必要とする状態になる確率を推定してよい。制御部12は、ステップS4の手順で各移動体40について推定した確率に基づいて配送に割り当てる移動体40を選択してよい。
【0054】
以上述べてきたように本実施形態に係る管理システム1及び管理装置10並びに管理方法によれば、移動体40が配送中に保守を必要とする状態になる可能性を考慮して配送に割り当てる移動体40が決定される。このようにすることで、移動体40による配送効率が維持されたり高められたりする。また、移動体40を保守する時期の間隔が長くされ得る。つまり、保守頻度が低減され得る。その結果、配送効率と保守頻度とのバランスがとられ得る。
【0055】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 管理システム
10 管理装置(12:制御部、14:I/F)
20 端末装置
30 ネットワーク
40 移動体(42:本体部、44:駆動部、46:移動体制御部、48:バッテリ)
50 配送物品
図1
図2
図3