(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/30 20230101AFI20241029BHJP
【FI】
G06Q10/30
(21)【出願番号】P 2022145190
(22)【出願日】2022-09-13
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅志
(72)【発明者】
【氏名】中 将之
(72)【発明者】
【氏名】関 康伸
(72)【発明者】
【氏名】粟野 宏基
(72)【発明者】
【氏名】金子 剛
(72)【発明者】
【氏名】米川 紘輔
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-299546(JP,A)
【文献】特開2007-122753(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0097507(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともリユース品のリユース回数
と、前記リユース品の使用時間と、前記リユース品の修理回数と、を含む、該リユース品の環境貢献に関連する該リユース品の部品データを取得するデータ取得手段と、
ユーザが部品を交換する際に、該交換の部品候補である前記リユース品の候補を選択する選択手段と、
前記データ取得手段により取得されたリユース品の部品データに基づいて、前記選択手段により選択されたリユース品の候補の環境貢献度を算出する算出手段と、
前記選択手段により選択されたリユース品の候補と共に、前記算出手段により算出された該リユース品の候補の環境貢献度を、前記ユーザに対して提示する提示手段と、
を備え
、
前記選択手段は、前記リユース品の仕様情報に基づいて、前記交換する部品と同一種の部品であり、かつ、前記交換する部品の仕様値よりも低い前記リユース品の候補を複数選択する、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項
1に記載の情報処理システムであって、
前記部品データは、更に、リユース品の資源使用量を含み、
前記算出手段は、前記リユース回数と、前記使用時間と、前記修理回数と、前記資源使用量と、に基づいて、前記環境貢献度を算出する、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1
又は2記載の情報処理システムであって、
前記選択手段により選択されたリユース品の候補に対応する環境貢献度に基づいて、該リユース品の候補を選択した端末に対してインセンティブを付与するインセンティブ付与手段を更に備える、
情報処理システム。
【請求項4】
データ取得手段が、少なくともリユース品のリユース回数
と、前記リユース品の使用時間と、前記リユース品の修理回数と、を含む、該リユース品の環境貢献に関連する該リユース品の部品データを取得するステップと、
選択手段が、ユーザが部品を交換する際に、該交換の部品候補である前記リユース品の候補を選択するステップと、
算出手段が、前記取得されたリユース品の部品データに基づいて、前記選択されたリユース品の候補の環境貢献度を算出するステップと、
提示手段が、前記選択されたリユース品の候補と共に、算出された該リユース品の候補の環境貢献度を、前記ユーザに対して提示するステップと、
を含
み、
選択手段が、前記リユース品の仕様情報に基づいて、前記交換する部品と同一種の部品であり、かつ、前記交換する部品の仕様値よりも低い前記リユース品の候補を複数選択する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リユース品に関連する情報処理システム及び情報処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カーボンニュートラルが注目され、限られた資源の有効活用が求められている。例えば、材料リサイクルなど、細かく材料レベルまで分解すると大量のエネルギーが必要となるため、リユース品を有効活用することが望ましいことがある。特に、一つのリユース品を、用途を変えるなどして何度もリユースして長い期間使用する、所謂カスケードリユースが求められている。
【0003】
これに対し、例えば、バッテリのリユース品から取得した情報を、所望のユーザの端末に送信するシステムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記システムにおいては、例えば、ユーザは送信された情報に基づいて、バッテリのリユース品を選択し、用途を変えるなどして、そのバッテリをリユースすることは可能である。しかし、一方でバッテリは劣化しやすいものでもあるため、ユーザはあまり使用されていないものを優先的に選択しがちであり、カスケードリユースを促進できるものではない。
【0006】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、ユーザのカスケードリユースを促進して、ユーザの環境意識を向上させることができる情報処理システム、及び情報処理方法を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本開示の一態様は、
少なくともリユース品のリユース回数を含む、該リユース品の環境貢献に関連する該リユース品の部品データを取得するデータ取得手段と、
ユーザが部品を交換する際に、該交換の部品候補である前記リユース品の候補を選択する選択手段と、
前記データ取得手段により取得されたリユース品の部品データに基づいて、前記選択手段により選択されたリユース品の候補の環境貢献度を算出する算出手段と、
前記選択手段により選択されたリユース品の候補と共に、前記算出手段により算出された該リユース品の候補の環境貢献度を、前記ユーザに対して提示する提示手段と、
を備える、
情報処理システム
である。
この一態様において、前記部品データは、更に、前記リユース品の使用時間と、前記リユース品の修理回数と、を含み、前記算出手段は、前記リユース回数と、前記使用時間と、前記修理回数と、に基づいて、前記環境貢献度を算出してもよい。
この一態様において、 前記部品データは、更に、リユース品の資源使用量を含み、 前記算出手段は、前記リユース回数と、前記使用時間と、前記修理回数と、前記資源使用量と、に基づいて、前記環境貢献度を算出してもよい。
この一態様において、前記選択手段により選択されたリユース品の候補に対応する環境貢献度に基づいて、該リユース品の候補を選択した端末に対してインセンティブを付与するインセンティブ付与手段を更に備えていてもよい。
上記目的を達成するための本開示の一態様は、
少なくともリユース品のリユース回数を含む、該リユース品の環境貢献に関連する該リユース品の部品データを取得するステップと、
ユーザが部品を交換する際に、該交換の部品候補である前記リユース品の候補を選択するステップと、
前記取得されたリユース品の部品データに基づいて、前記選択されたリユース品の候補の環境貢献度を算出するステップと、
前記選択されたリユース品の候補と共に、算出された該リユース品の候補の環境貢献度を、前記ユーザに対して提示するステップと、
を含む、
情報処理方法
である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ユーザのカスケードリユースを促進して、ユーザの環境意識を向上させることができる情報処理システム、及び情報処理方法を提供することを主たる目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略的なシステム構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係るサーバの概略的なシステム構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理方法のフローを示すフローチャートである。
【
図4】本実施形態に係るサーバの概略的なシステム構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
近年、カーボンニュートラル、サステナビリティ、資源保護などの観点から製品のリユース(再利用)が求められており、そのリユースを促進するためのシステムが要望されている。
【0011】
これに対し、本実施形態に係る情報処理システムは、リユース品の使用状況、修理回数、リユース回数などを考慮して環境貢献度を算出し、算出した環境貢献度を用いて、ユーザのカスケードリユースを促進して、ユーザの環境意識を向上させることができるものである。
【0012】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施形態に係る情報処理システム1は、各リユース品の情報を検出する複数のセンサ2と、各種の情報処理を行うサーバ3と、複数の端末4と、を備えている。なお、センサ2の数及び端末4の数は、単数であってもよく、任意でよい。
【0013】
センサ2、サーバ3、及び端末4は、例えば、インターネットなどの通信ネットワーク5を介して、相互に情報の送受信を行ってもよい。センサ2、サーバ3、及び端末4は、夫々、無線LAN(Local Area Network)やWiFi(Wireless Fidelity)などの無線通信などを行って通信ネットワーク5に通信接続してもよい。
【0014】
センサ2は、例えば、リユース品の環境貢献に関連する部品データを検出する。リユース品とは、ユーザにより再利用される部品であり、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車などの車両に組み込まれるモータ、パワーコントロールユニット、電池(2次電池、燃料電池、キャパシタなど)、コンバータ、インバータ、電子部品、冷却ポンプ、内燃機関などを含む。
【0015】
センサ2は、例えば、リユース品などに取り付けられており、そのリユース品の部品データを検出する。センサ2は、例えば、予め製品に組み込まれた、回転センサ、温度センサ、電圧センサ、GPS(Global Positioning System)センサなどを含む。なお、センサ2は、製品のリユース時に製品に特別に取り付けられてもよい。センサ2は、リユース品が組み込まれる部品などに予め組み込まれたセンサであってもよい。
【0016】
センサ2は、部品データとして、例えば、リユース品の使用時間などを検出する。ここで、リユース品の使用時間とは、例えば、リユース品(モータなど)がオン状態あるいは動作状態になっている時間を指す。また、使用時間を使用回数やサイクル数としてもよい。
【0017】
センサ2は、製品のリユース時(リユース品の販売時など)において、リユース品の仕様情報、リユース回数、修理回数、などが部品データとして入力される入力装置を含んでいてもよい。リユース品の仕様情報は、例えば、モータの定格値などの仕様値、モータに使用されている銅や鉄などの資源の使用量(以下、資源使用量)などの情報を含む。
【0018】
各リユース品の種別などを認識するための部品ID情報を含む識別情報が、予めセンサ2に設定される、あるいは、入力されてもよい。センサ2は、上記検出あるいは入力された部品データと、そのリユース品の識別情報と、をサーバ3に対し、例えば、所定周期で送信する。
【0019】
サーバ3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサ3aと、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの内部メモリ3bと、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージデバイス3cと、ディスプレイなどの周辺機器を接続するための入出力I/F3dと、装置外部の機器と通信を行う通信I/F3eと、を備えた通常のコンピュータのハードウェア構成を有する。
【0020】
図2は、本実施形態に係るサーバの概略的なシステム構成を示すブロック図である。サーバ3は、リユース品の部品データを取得するデータ取得部31と、リユース品の部品データを記憶する記憶部32と、リユース品の候補を選択する候補選択部33と、リユース品の環境貢献度を算出する貢献度算出部34と、複数のリユース品の候補と共にリユース品の候補の環境貢献度をユーザの端末4に送信する送信処理部35と、を有している。
【0021】
データ取得部31及び上述のセンサ2は、データ取得手段の一具体例である。データ取得部31は、リユース品のセンサ2から送信される部品データ及び識別情報を取得する。
【0022】
記憶部32は、例えば、上記ストレージデバイスなどで構成されている。記憶部32は、データ取得部31により取得されたリユース品の部品データを、リユース品の識別情報と対応付けて記憶する。記憶部32は、例えば、リユース品の使用時間、リユース回数、修理回数などの部品データを、リユース品の識別情報と対応付けて記憶する。
【0023】
端末4は、ユーザが部品を交換する際に、その交換の部品候補であるリユース品の候補(以下、リユース品候補)の情報を、上記リユース品の要求情報として、サーバ3の候補選択部33に対して送信する。
【0024】
端末4は、スマートフォンなど携帯端末、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどの情報端末を含む。端末4は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示部と、タッチパネルや入力キーなどで構成されデータを入力する入力部と、を有している。
【0025】
候補選択部33は、選択手段の一具体例である。候補選択部33は、端末4から送信されるリユース品の要求情報に基づいて、リユース品候補を選択する。
【0026】
候補選択部33は、記憶部32に記憶されたリユース品の部品データ及び識別情報に基づいて、記憶部32に記憶された複数のリユース品候補の中から、複数のリユース品候補を選択する。
【0027】
候補選択部33は、例えば、リユース品の仕様情報に基づいて、端末4の要求情報によって要求される交換部品と同一種の部品であり、かつ、交換部品の仕様値(モータ定格値など)よりも低いリユース品候補を複数選択する。候補選択部33は、上述の如く選択した複数のリユース品候補を貢献度算出部34に出力する。
【0028】
貢献度算出部34は、算出手段の一具体例である。貢献度算出部34は、データ取得部31により取得され、記憶部32に記憶されたリユース品の部品データに基づいて、候補選択部33により選択されたリユース品候補の環境貢献度を算出する。ここで、環境貢献度とは、環境保全に貢献する度合いを示す指標値であり、例えば、そのリユース品の使用によって新たな製造、組立、運搬などが不要となることで、CO2排出量をどれだけ削減できたかを表す指標値である。
【0029】
部品データは、少なくともリユース品候補のリユース回数と、リユース品候補の使用時間と、リユース品候補の修理回数と、を含むのが好ましい。これらのパラメータが上述の環境貢献度により大きく影響するからである。
【0030】
貢献度算出部34は、データ取得部31により取得されたリユース品候補のリユース回数と、リユース品候補の使用時間と、リユース品候補の修理回数と、に基づいて、リユース品候補の環境貢献度を算出する。環境貢献度は、リユース品のリユース回数、使用時間、及び修理回数を考慮して、そのリユース品を使えば使うほどより大きくなるように算出される。これにより、リユース品のリユース回数、使用時間、及び修理回数、を考慮して環境貢献度を算出でき、この環境貢献度を用いてユーザのリユース意識を向上させることができる。
【0031】
例えば、貢献度算出部34は、以下の式を用いて、リユース品候補の環境貢献度を算出する。
【0032】
リユース品候補の環境貢献度
={(リユース品候補のリユース回数)×A1+(リユース品候補の使用時間)×A2}×(リユース品候補の修理回数)×A3
【0033】
なお、A1、A2、A3は、夫々、リユース回数、使用時間、修理回数の重み付け係数である。各係数は予め設定されているが、適宜変更することができる。例えば、より環境貢献度に影響するパラメータに対する重み付けをより大きくするように上記各係数を設定してもよい。
【0034】
また、貢献度算出部34は、以下の式を用いて、リユース品候補の環境貢献度を算出してもよい。
【0035】
リユース品候補の環境貢献度
=(リユース品候補のリユース回数)×A1+(リユース品候補の使用時間)×A2+(リユース品候補の修理回数)×A3
【0036】
貢献度算出部34は、上述したリユース回数、使用時間、修理回数に加えて、リユース品候補の資源使用量(例えば、銅などの使用量(重量など))を用いて、リユース品候補の環境貢献度を算出してもよい。
【0037】
例えば、リユース品の資源使用量が大きくなるほど、その製造、組立、運搬などに大きなエネルギーが必要になるため、それを削減することでリユースによる環境貢献度が大きくなる。このように、リユース品の資源使用量をも考慮して環境貢献度を算出でき、この環境貢献度を用いてユーザのリユース意識を向上させることができる。
【0038】
貢献度算出部34は、以下の式を用いて、リユース品候補の環境貢献度を算出してもよい。
【0039】
リユース品候補の環境貢献度
=(リユース品候補のリユース回数)×A1+(リユース品候補の使用時間)×A2+(リユース品候補の修理回数)×A3+(リユース品候補の資源使用量)×A4
【0040】
なお、A4は、資源使用量の重み付け係数であり、予め設定されているが、適宜変更することができる。
【0041】
貢献度算出部34は、上述したリユース回数、使用時間、修理回数に加えて、リユース品候補の仕様値(例えば、モータの定格値)を用いて、リユース品候補の環境貢献度を算出してもよい。
【0042】
例えば、リユース品であるモータ定格値が小さくなるほど、そのモータの消費する消費電力も小さくなり省エネ化されるため、リユースによる環境貢献度が大きくなる。このように、リユース品の仕様値をも考慮して環境貢献度を算出でき、この環境貢献度を用いてユーザのリユース意識を向上させることができる。
【0043】
リユース品候補の環境貢献度
=(リユース品候補のリユース回数)×A1+(リユース品候補の使用時間)×A2+(リユース品候補の修理回数)×A3+(リユースによる仕様値の低下量)×A5
【0044】
なお、A5は、資源使用量の重み付け係数であり、予め設定されているが、適宜変更することができる。
【0045】
なお、環境貢献度の算出方法は、上述した例に限定されない。リユース品を使えば使うほどより大きく増加するように環境貢献度が算出されれば、任意の算出方法を用いて、環境貢献度を算出してもよい。貢献度算出部34は、算出したリユース品候補の環境貢献度を送信処理部35に出力する。
【0046】
送信処理部35は、提示手段の一具体例である。送信処理部35は、候補選択部33により選択されたリユース品候補と共に、貢献度算出部34により算出されたリユース品候補の環境貢献度を、ユーザの端末4に送信する。送信処理部35は、端末4から送信されるリユース品の要求情報に応じて、対応する複数組のリユース品候補及び環境貢献度を、ユーザの端末4に送信する。
【0047】
端末4は、サーバ3の送信処理部35から送信された複数組のリユース品候補及び環境貢献度を表示部に表示する。表示部は、例えば、リユース品候補と環境貢献度とを対応付けて並べて表示する。
【0048】
表示部は、タッチパネルなどで構成されていてもよい。例えば、ユーザは表示部上において、所望のリユース品候補の領域をタッチすることで、そのリユース品候補を選択できる。このとき、ユーザは、リユース品候補に対応する環境貢献度を自ずと意識して、リユース品候補を選択することとなる。これにより、ユーザのリユース意識を刺激して、ユーザのカスケードリユースを促進し環境意識を向上させることができる。
【0049】
端末4は、ユーザにより選択されたリユース品候補の識別情報をサーバ3に送信する。例えば、販売店などは、サーバ3に送信されたリユース品の識別情報に基づいて、リユース品を取得し、ユーザに提供する。
【0050】
続いて、本実施形態に係る情報処理方法について説明する。
図3は、本実施形態に係る情報処理方法のフローを示すフローチャートである。
【0051】
サーバ3のデータ取得部31は、リユース品の部品データを取得する(ステップS101)。記憶部32は、データ取得部31により取得されたリユース品の部品データを、リユース品の識別情報と対応付けて記憶する(ステップS102)。
【0052】
候補選択部33は、端末4から送信されるリユース品の要求情報に応じて、記憶部32に記憶されたリユース品の部品データ及び識別情報に基づいて、記憶部32に記憶された複数のリユース品候補の中から、複数のリユース品候補を選択する(ステップS103)。
【0053】
貢献度算出部34は、データ取得部31により取得され、記憶部32に記憶されたリユース品の部品データに基づいて、候補選択部33により選択されたリユース品候補の環境貢献度を算出する(ステップS104)。
【0054】
送信処理部35は、候補選択部33により選択されたリユース品候補と共に、貢献度算出部34により算出されたリユース品候補の環境貢献度を、要求情報に対応するユーザの端末4に送信する(ステップS105)。
【0055】
端末4は、サーバ3の送信処理部35から送信された複数組のリユース品候補及び環境貢献度を表示部に表示する(ステップS106)。
【0056】
以上、本実施形態に係る情報処理システムは、少なくともリユース品のリユース回数を含む、該リユース品の環境貢献に関連する該リユース品の部品データを取得するデータ取得部31と、ユーザが部品を交換する際に、該交換の部品候補であるリユース品の候補を選択する候補選択部33と、データ取得部31により取得されたリユース品の部品データに基づいて、候補選択部33により選択されたリユース品の候補の環境貢献度を算出する貢献度算出部34と、候補選択部33により選択されたリユース品の候補と共に、貢献度算出部34により算出された該リユース品候補の環境貢献度を、ユーザの端末4に対して送信する送信処理部35と、を備えている。これにより、ユーザは、リユース品候補に対応する環境貢献度を自ずと意識して、リユース品候補を選択することとなり、ユーザのリユース意識を刺激して、ユーザのカスケードリユースを促進し環境意識を向上させることができる。
【0057】
実施形態2
図4は、本実施形態に係るサーバの概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施形態に係るサーバ30は、環境貢献度に応じて端末4に対してインセンティブを付与するインセンティブ付与部36を更に備えている。
【0058】
インセンティブ付与部36は、インセンティブ付与手段の一具体例である。インセンティブ付与部36は、候補選択部33により選択されたリユース品候補に対応する環境貢献度に基づいて、リユース品候補を選択した端末4に対してインセンティブを付与する。
【0059】
インセンティブは、例えば、インターネット上のショッピングサイトやサービスサイトなどで使用可能なポイント、割引券(クーポン券)などである。例えば、インセンティブ付与部36は、リユース品候補の環境貢献度が増加するに従って、そのリユース品候補を選択した端末4に対してより、多くのポイントあるいは、割引券を付与してもよい。
【0060】
例えば、貢献度算出部34は、データ取得部31により取得されたリユース品候補の部品データに基づいて、リユース品候補の環境貢献度を算出する。インセンティブ付与部36は、候補選択部33により選択されたリユース品候補に対応する環境貢献度に基づいて、そのリユース品候補にインセンティブを設定する。
【0061】
送信処理部35は、候補選択部33により選択されたリユース品候補、及び、貢献度算出部34により算出されたリユース品候補の環境貢献度と共に、インセンティブ付与部36により設定されたインセンティブの情報を、ユーザの端末4に送信する。
【0062】
端末4は、サーバ30の送信処理部35から送信された複数組のリユース品候補、環境貢献度及びインセンティブを表示部に表示する。このとき、環境貢献度が大きいほど、より多くのインセンティブが付与されるため、ユーザはより積極的にインセンティブが大きく環境貢献度の大きい、リユース品候補を選択することとなる。このようにインセンティブを利用して、ユーザのリユース意識をより刺激して、ユーザのカスケードリユースを促進し環境意識を向上させることができる。
【0063】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0064】
本開示は、例えば、
図3に示す処理を、プロセッサにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0065】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
【0066】
プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0067】
上述した各実施形態に係るサーバ3を構成する各部は、プログラムにより実現するだけでなく、その一部または全部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアにより実現することもできる。
【符号の説明】
【0068】
1 情報処理システム、2 センサ、3 サーバ、3a プロセッサ、3b 内部メモリ、3c ストレージデバイス、4 端末、5 通信ネットワーク、30 サーバ、31 データ取得部、32 記憶部、33 候補選択部、34 貢献度算出部、35 送信処理部、36 インセンティブ付与部