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特許7578137情報処理装置、映像配信端末及び映像配信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、映像配信端末及び映像配信方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20241029BHJP
   H04N 21/658 20110101ALI20241029BHJP
【FI】
H04N7/18 U
H04N21/658
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022514936
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(86)【国際出願番号】 JP2020016641
(87)【国際公開番号】W WO2021210113
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 紀之
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-032229(JP,A)
【文献】特開2016-010145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上に設定されたエリアに対応する実空間に存在する1以上の撮影者がそれぞれ所持する1以上の映像配信端末によってそれぞれ撮像中の視点の異なる1以上の映像データのうち、視聴者によって任意に選択された前記映像配信端末の視点の映像データが前記視聴者が所持する映像視聴端末に配信されるように制御を行う制御部
を具備し、
前記エリアは複数の小エリアに区分され、前記映像配信端末毎に撮影データ配信が可能な1以上の小エリアが割り当てられ、
前記制御部は、前記映像配信端末毎に割り当てられた1以上の小エリア内でのみ撮影データの配信を可能とするように構成された
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、地図上に設定されたエリアを含む地図に1以上の撮影者がそれぞれ所持する1以上の映像配信端末の位置情報に基づいて前記1以上の映像配信端末にそれぞれ対応する1以上のカメラマークを配置したマップを生成して前記映像視聴端末に配信し、前記マップ上で視聴者によって任意に選択されたカメラマークに対応する映像配信端末の視点の映像データが前記映像視聴端末に配信されるように制御を行うように構成された
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記マップに配置されるカメラマークが、前記エリアに存在する前記映像配信端末に対応するものに限定される
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記映像配信端末毎の映像データの視聴状況に基づいて、前記カメラマークの表示形態を可変するように構成された
情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記カメラマークの可変される表示形態が、サイズ、カラーまたは透明度の少なくともいずれか一つである
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記映像配信端末毎の映像データの視聴状況に基づいて、ネットワークリソースの割当量をリアルタイムに可変するように構成された
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記小エリア毎に映像データ配信に参加可能な映像配信端末数の上限または下限の少なくとも一方を設定可能なように構成された
情報処理装置。
【請求項8】
地図上に設定されたエリアに対応する実空間に存在する1以上の撮影者がそれぞれ所持する1以上の映像配信端末よりそれぞれ撮像中の視点の異なる1以上の映像データのうち、視聴者によって任意に選択された前記映像配信端末の視点の映像データが前記視聴者の視聴端末に配信されるように制御を行うサーバーからの配信指示にしたがって、撮像部により撮像された映像データを前記視聴者の映像視聴端末に配信するように制御を行う制御部を具備し、
前記エリアは複数の小エリアに区分され、前記映像配信端末毎に撮影データ配信が可能な1以上の小エリアが割り当てられ、
前記制御部は、前記映像配信端末毎に割り当てられた1以上の小エリア内でのみ撮影データの配信を可能とするように構成された
映像配信端末。
【請求項9】
請求項8に記載の映像配信端末であって、
前記制御部は、映像視聴端末自身の位置情報を前記サーバーに送信するように構成され、
前記サーバーにおいて前記エリアを含む地図に、前記位置情報に基づいて前記1以上の映像配信端末にそれぞれ対応する1以上のカメラマークを配置することによって作成されたマップ上で、視聴者により選択されたカメラマークに対応する前記映像配信端末の視点の映像データの配信指示にたがって、前記視聴者の映像視聴端末に前記映像データを配信するように構成された
映像配信端末。
【請求項10】
地図上に設定されたエリアに対応する実空間に存在する1以上の撮影者がそれぞれ所持する1以上の映像配信端末よりそれぞれ撮像中の視点の異なる1以上の映像データのうち、視聴者によって任意に選択された前記映像配信端末の視点の映像データを前記視聴者の1以上の映像視聴端末に配信する方法であって、
前記エリアは複数の小エリアに区分され、前記映像配信端末毎に撮影データ配信が可能な1以上の小エリアが割り当てられ、
前記映像配信端末毎に割り当てられた1以上の小エリア内でのみ撮影データを配信する
映像配信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、リアルタイム映像共有サービスを提供する情報処理装置、映像配信端末及び映像配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、各種のスポーツ大会、展示会のようなイベントの様々な場面のリアルタイム映像を配信するサービスが知られている。この種のサービスは、カメラスタッフが自分に割り当てられた場所において撮影が行われ、各カメラの映像の中からディレクタなどによって選択された映像が視聴者に配信される、という形式を採るものが主流である。
例えば、特許文献1には、複数の撮影者が同一施設内でそれぞれ撮影した映像を共有化する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-61193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、ユーザーがデータのアップロードに利用可能な帯域の拡大によって、一般ユーザーがスマートフォンなどを使って高解像度映像を撮像し、リアルタイム映像を配信することが可能な状況となってきている。このように一般ユーザーの撮影映像を使ってイベントの各所のリアルタイム映像を視聴者に供給するには、撮影者としてのユーザーの招集、撮影場所の割り当て、各ユーザーの撮影映像の中からの選択といった複雑な壁がある。
【0005】
本技術の目的は、リアルタイム映像共有サービスの運用上の様々な課題の解決および同サービスの質的向上を図ることのできる情報処理装置、映像配信端末及び映像配信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本技術にかかる情報処理装置は、地図上に設定されたエリアに対応する実空間に存在する1以上の撮影者がそれぞれ所持する1以上の映像配信端末によってそれぞれ撮像中の視点の異なる1以上の映像データのうち、視聴者によって任意に選択された前記映像配信端末の視点の映像データが前記視聴者が所持する映像視聴端末に配信されるように制御を行う制御部を具備する。
【0007】
前記制御部は、地図上に設定されたエリアを含む地図に1以上の撮影者がそれぞれ所持する1以上の映像配信端末の位置情報に基づいて前記1以上の映像配信端末にそれぞれ対応する1以上のカメラマークを配置したマップを生成して前記映像視聴端末に配信し、前記マップ上で視聴者によって任意に選択されたカメラマークに対応する映像配信端末の視点の映像データが前記映像視聴端末に配信されるように制御を行うように構成されたものであってよい。
【0008】
前記マップに配置されるカメラマークは、前記エリアに存在する前記映像配信端末に対応するものに限定されてよい。
【0009】
また、前記制御部は、前記映像配信端末毎の映像データの視聴状況に基づいて、前記カメラマークの表示形態を可変するように構成されてもよい。
【0010】
前記カメラマークの可変される表示形態は、サイズ、カラーまたは透明度の少なくともいずれか一つであってよい。
【0011】
前記制御部は、前記映像配信端末毎の映像データの視聴状況に基づいて、ネットワークリソースの割当量をリアルタイムに可変するように構成されたものであってよい。
【0012】
前記エリアは複数の小エリアに区分され、前記映像配信端末毎に撮影データ配信が可能な1以上の小エリアが割り当てられ、前記制御部は、前記映像配信端末毎に割り当てられた1以上の小エリア内でのみ撮影データの配信を可能とするように構成されてもよい。
【0013】
あるいは、前記エリアは複数の小エリアに区分され、前記制御部は、前記小エリア毎に映像データ配信に参加可能な映像配信端末数の上限または下限の少なくとも一方を設定可能なように構成されてもよい。
【0014】
本技術の別の観点に係る映像配信端末は、地図上に設定されたエリアに対応する実空間に存在する1以上の撮影者がそれぞれ所持する1以上の映像配信端末よりそれぞれ撮像中の視点の異なる1以上の映像データのうち、視聴者によって任意に選択された前記映像配信端末の視点の映像データが前記視聴者の視聴端末に配信されるように制御を行うサーバーからの配信指示にしたがって、撮像部により撮像された映像データを前記視聴者の映像視聴端末に配信するように制御を行う制御部を具備する。
【0015】
また、この映像配信端末の前記制御部は、映像視聴端末自身の位置情報を前記サーバーに送信するように構成され、前記サーバーにおいて前記エリアを含む地図に、前記位置情報に基づいて前記1以上の映像配信端末にそれぞれ対応する1以上のカメラマークを配置することによって作成されたマップ上で、視聴者により選択されたカメラマークに対応する前記映像配信端末の視点の映像データの配信指示にたがって、前記視聴者の映像視聴端末に前記映像データを配信するように構成されたものであってよい。
【0016】
本技術の別の観点に係る映像配信方法は、地図上に設定されたエリアに対応する実空間に存在する1以上の撮影者がそれぞれ所持する前記1以上の映像配信端末よりそれぞれ撮像中の視点の異なる1以上の映像データのうち、視聴者によって任意に選択された前記映像配信端末の視点の映像データを前記視聴者の1以上の映像視聴端末に配信することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本技術に係る第1の実施形態の情報処理システムの全体的構成を示すブロック図である。
図2図1の情報処理システムにおける撮影者端末、視聴者端末及びサーバーの機能的構成を示すブロック図である。
図3】カメラマップの例を示す図である。
図4】カメラマークの表示のオン/オフ制御のフローチャートである。
図5】カメラ有効エリア内から外に移動した撮影者端末に対応するカメラマークのカメラマップからの消去について説明するための図である。
図6】カメラマップでのカメラマークの選択方法を説明するための図である。
図7】映像データ配信中の撮影者端末に対応するカメラマークの表示方法を説明するための図である。
図8】カメラマップ上のカメラマークの視聴状況に応じた表示形態の変化を示す図である。
図9】カメラ有効エリアを複数の小エリアに区分したカメラマップの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<本実施形態の概要>
近年、ユーザーが映像データなどのデータ配信に利用可能な帯域の増大によって、あるユーザーがスマートフォンなどのユーザー端末で撮像して得た高解像度の動画などの映像を他のユーザー端末に配信してリアルタイムな映像共有を実現することが可能な状況となってきている。本技術は、このようなユーザー端末間でのリアルタイム映像共有のサービスの質的向上を実現することを課題の一つとするものである。
【0019】
このようなリアルタイム映像共有サービスの質的向上を実現するために、本技術に係る一側面の情報処理装置であるサーバーは、地図上に設定された有効エリアに対応する実空間内に存在する1以上のユーザー(撮影者)が所持するスマートフォンなどの撮影者端末によってそれぞれ撮影された1以上の映像のうち、他のユーザー(視聴者)によって任意に選択された撮影者端末の視点の映像データが、当該視聴者がもつ例えばスマートフォンなどの視聴者端末に配信されるように制御を行う制御部を備える。
より具体的には、サーバーの制御部は、1以上の撮影者端末から送信される撮影者端末自身の位置情報と有効エリアに関する情報に基づいて、当該有効エリアを空間的に可視化した可視情報に個々の撮影者端末の位置を示す1以上のカメラマークを配置したカメラマップを生成して視聴者端末に配信し、カメラマップ上で視聴者によって任意に選択された撮影者端末の選択情報を受信し、この選択情報に基づいて該当する撮影者端末の視点の映像データが視聴者端末に配信されるように制御を行う。
以下、本技術に係る実施形態を詳細に説明する。
【0020】
<第1の実施形態>
図1は、本技術に係る第1の実施形態の情報処理システムの全体的構成を示すブロック図である。
同図に示すように、本情報処理システム100は、1以上の撮影者端末1と、1以上の視聴者端末2と、サーバー3と、ネットワークなどの伝送路4とを含む。
【0021】
撮影者端末1(映像配信端末)は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどの撮像素子を有する撮像デバイス、GPS(Global Positioning System)受信機、通信デバイス、ユーザーの入力デバイス、マイク、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)などのメモリなどを備えた機器である。撮影者端末1は、より具体的には、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、通信機能付きのカメラ機器などである。
【0022】
視聴者端末2(映像視聴端末)は、ディスプレイ、ユーザーの入力デバイス、スピーカ、通信デバイス、CPU、メモリなどを備えた機器である。視聴者端末2は、より具体的には、撮影者端末1と同様に、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどである。
サーバー3は、CPU、メモリ、ストレージデバイス、通信デバイス、入力デバイス、ディスプレイなどで構成される。
【0023】
図2は、撮影者端末1、視聴者端末2及びサーバー3の機能的構成を示すブロック図である。
サーバー3は、制御部31を有する。制御部31は、例えばCPUなどの演算処理回路およびメモリなどで構成され、メモリに格納されたプログラムに基づいてリアルタイム映像共有サービスのための情報処理および制御を行う。制御部31は、リアルタイム映像共有サービスのための機能部として、イベント管理部311、配信アプリ管理部312、映像配信管理部313、地図管理部314、Web表示部315、視聴状況管理部316及びSNS(Social Networking Service)管理部317を含む。
【0024】
撮影者端末1は、リアルタイム映像共有サービスの利用に関する制御を行う制御部10を備える。制御部10は、撮像部11と、GPS(Global Positioning System)受信機を使って撮影者端末1の位置情報を生成する位置情報生成部12と、撮像部11により撮像された映像データをサーバー3より指示された視聴者端末2に伝送路4を通じて配信する映像配信部13とを有する。
視聴者端末2は、リアルタイム映像共有サービスを利用するための機能部として、撮影者端末1より配信された映像データおよびサーバー3より送信されたカメラマップを受信する映像受信部21と、受信した映像データおよびカメラマップを表示する表示部22と、カメラ選択部23を有する。
【0025】
(カメラマップについて)
イベント管理部311には、運営者や協賛者15などによって企画されたイベントに関する情報(イベント開催場所、開催期間、協賛者、協賛金など)、そのイベントの様子を撮像することが許可された撮影者や撮影者端末1に関する情報、視聴者や視聴者端末2に関する情報などが管理される。撮影者や撮影者端末1に関する情報は、映像配信の制限などの条件を含む。視聴者や視聴者端末2に関する情報は、映像の受信制限や視聴制限などの情報を含む。また、イベント管理部311は、イベントに関する情報として、例えばイベント開催場所の情報、イベント開催場所を包含する地図上に設定されたカメラ有効エリアに関する情報などを管理する。さらに、イベント管理部311は、視聴者や視聴者端末2への広告配信を管理する。
【0026】
Web表示部315は、イベント管理部311に管理されたイベント開催場所の情報及びカメラ有効エリアの情報と、地図管理部314によって取得されたイベント開催場所を包含する地図情報と、撮影者端末1の位置情報に基づいて上記カメラマップを作成する。Web表示部315は、作成したカメラマップをサーバー3に接続された視聴者端末2に配信し、視聴者端末2の表示部22に通して視聴者に提示する。
なお、地図管理部314は、イベント管理部311に管理されたイベントに関する情報に基づいて、イベント開催場所を包含する地図情報を例えばウッブ上の地図閲覧サイトにアクセスするなどして取得する。
【0027】
図3はカメラマップの例を示す図である。
同図に示すように、カメラマップ5は、イベント開催場所を包含する地図画像Mと、この地図画像M上に重畳されたカメラ有効エリア6の境界ラインを示すジオフェンス7と、撮影者端末1の位置を示すカメラマーク8などで構成される。また、視聴者端末2の表示部22には、カメラマップ5のほか、SNSのコミュニケーション内容を表示するSNSエリア51および広告を表示する広告エリア52なども存在する。
【0028】
カメラ有効エリア6は、撮影者端末1からサーバー3への映像データの配信を有効とするエリアである。このカメラ有効エリア6は、イベント管理部311に管理されたカメラ有効エリア6の情報に基づいて設定され、カメラマップ5においてカメラ有効エリア6は、このカメラ有効エリア6の境界を示すジオフェンス7として表示される。実空間上のカメラ有効エリア6内に存在する撮影者端末1はカメラマップ5において所定のカメラマーク8として表示され、カメラ有効エリア6の外に存在する撮影者端末1のカメラマークはカメラマップ5に表示されない。
【0029】
(カメラマークの表示オン/オフ制御)
図4は、カメラマークの表示のオン/オフ制御のフローチャートである。
サーバー3内の配信アプリ管理部312は、撮影者端末1から送信された撮影者端末1の位置情報とカメラ有効エリア6の情報に基づいて、実空間上のカメラ有効エリア6内に撮影者端末1が存在するかどうかを判断する(ステップS101)。カメラ有効エリア6内に撮影者端末1が存在する場合(ステップS101のYes)、配信アプリ管理部312は、その撮影者端末1の位置情報に基づいて、カメラマップ5上に当該撮影者端末1のカメラマーク8を配置する(ステップS102)。また、配信アプリ管理部312は、図5に示すように、カメラ有効エリア6内から外に移動した撮影者端末1を検出すると(ステップS103のYes)、当該撮影者端末1に対応するカメラマーク8bをカメラマップ5から消去する(ステップS104)。
【0030】
(撮影者端末1の映像配信制御)
サーバー3内の配信アプリ管理部312は、撮影者端末1の位置情報とカメラ有効エリア6の情報に基づいて、撮影者端末1から視聴者端末2への映像配信の可否を判定し、その結果を映像配信部13に通知する。撮影者端末1の映像配信部13は、この通知に従って、撮像部11で撮像された映像テータ配信の可否を決定する。具体的には、配信アプリ管理部312は、カメラ有効エリア6内に存在する撮影者端末1に対して映像テータの配信を許可する通知を出し、カメラ有効エリア6の外に存在する撮影者端末1に対しては映像テータの配信を禁止する通知を出すか、あるいは、映像テータの配信を許可する通知を出さない。
撮影者端末1の映像配信部13は、映像テータ配信の許可通知を受ける間はサーバー3に映像データを配信し続ける。
【0031】
これにより、カメラマップ5において映像データの配信が許可された撮影者端末1とその位置がカメラマーク8によって視聴者に提示されるので、イベントにおいて視聴者が希望する場所の映像を、カメラマーク8を選択するだけで視聴することができる。
【0032】
(カメラマークによる映像(撮影者視点)の選択)
視聴者端末2内のカメラ選択部23は、表示部22に表示されたカメラマップ5上に配置された1以上のカメラマーク8のなかからの視聴者による任意のカメラマーク8の選択を受け付け、その結果をサーバー3に通知する。
【0033】
例えば図6及び図7に示すように、視聴者は、視聴者端末2の表示部22に表示されたカメラマップ5上で任意のカメラマーク(例えば8e)にタッチするなどによって選択することで、そのカメラマーク8eに対応する撮影者端末1から視聴者端末2に映像データ9が配信され、視聴者端末2の表示部22に表示される。この映像データの視聴者端末2への配信および表示中は、カメラマップ5上の該当するカメラマーク8eに視聴中であることを示すマーク14が付加される。
【0034】
SNS管理部317は、視聴者端末2の視聴者と撮影者端末1の撮影者とのSNS(Social Networking Service)を使ったコミュニケーションを管理する。SNSのコミュニケーション内容は、例えば図3に示したように、視聴者端末2および撮影者端末1の双方のSNSエリア51に表示される。
【0035】
(カメラマーク表示形態の可変制御)
サーバー3内の視聴状況管理部316は、撮影者端末1毎の映像データの視聴回数、同時視聴数、視聴頻度などの視聴状況を管理している。視聴状況管理部316によって得られた視聴状況は、カメラマップ5上のカメラマーク8のサイズ、カラー、透明度などの表示形態にリアルタイムに反映される。これにより撮影者端末1毎の映像データの注目度を視聴者が認識することができ、盛り上がっている場面を視聴者が見逃すことを低減できる。
【0036】
例えば、図3は8a、8b、8eの3個のカメラマークとその他のカメラマーク8c、8d、8fとでサイズが異なる場合を示している。視聴状況管理部316は、撮影者端末1毎の映像データの例えば視聴回数、同時視聴数などの視聴状況を管理し、これら視聴状況の値が大きい程、例えば、大きいサイズ、明るいカラー、低い透明度など、カメラマークをより目立つ表示形態で表示することをWeb表示部315に指示する。Web表示部315は、この視聴状況管理部316からの指示に従って、カメラマークの表示形態を制御する。例えば、図3のカメラマップにおいて、8aのカメラマークに対応する撮影者端末1の映像データの同時視聴数がさらに増大した場合、図8に示すように、8aのカメラマークのサイズがさらに拡大される。
このように、視聴状況に基づいてカメラマークの表示形態が変更されることによって、視聴者は現在注目度の撮影者の視点映像を一目で知ることができる。
【0037】
(その他の処理)
視聴状況管理部316は、撮影者端末1毎の映像データの視聴状況の情報を映像配信管理部313やイベント管理311にも与える。映像配信管理部313は、撮影者端末1毎の映像データの視聴状況の情報に基づいて、例えば、帯域などのネットワークリソースの割当幅をリアルタイムに可変する。より具体的には、視聴者数が多い撮影者端末1ほど、映像データの配信に利用できるネットワークリソースの割当幅を大きくして、例えばより高解像度の映像データの配信、低遅延配信を実現する。
イベント管理部311では、撮影者端末1毎の映像データに対する視聴状況の情報は、例えば、撮影者報酬の算出などに利用することが可能である。
【0038】
(その他)
図9に示すように、ジオフェンス7によって囲われたカメラ有効エリア6は、複数の小エリア6a、6b、6c、6dに区分されてもよい。ここで、制御部31は、撮影者端末1毎に撮影データ配信が可能な1以上の小エリアの割り当てを可能とし、各撮影者端末1は、それぞれ自身に割り当てられた1以上の小エリア6a、6b、6c、6d内のみで撮像データの配信が可能となるように制御してもよい。また、制御部31は、小エリア6a、6b、6c、6d毎に、映像データ配信に参加可能な撮影者端末1の台数の上限または下限の少なくとも一方を設定可能なように構成されてもよい。これにより、イベント開催会場が広範囲にわたる場合であっても、特定の領域に多くの撮影者端末1が集ったり撮影者端末1が存在しなくなったりすることが回避され、イベント開催会場全体の映像データ配信を網羅的に確保することができる。さらに、イベント管理部311は、撮影者端末1や視聴者端末2が存在する小エリア6a、6b、6c、6dに応じて配信する広告を選択するようにしてもよい。
【0039】
サーバー3は1台または複数台の情報処理装置で構成されてもよい。サーバーを構成する複数の情報処理装置はネットワークを通じて互いに分散して配置されたものであってよい。
【0040】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)地図上に設定されたエリアに対応する実空間に存在する1以上の撮影者がそれぞれ所持する1以上の映像配信端末によってそれぞれ撮像中の視点の異なる1以上の映像データのうち、視聴者によって任意に選択された前記映像配信端末の視点の映像データが前記視聴者が所持する映像視聴端末に配信されるように制御を行う制御部
を具備する情報処理装置。
(2)上記(1)の情報処理装置であって、
前記制御部は、地図上に設定されたエリアを含む地図に1以上の撮影者がそれぞれ所持する1以上の映像配信端末の位置情報に基づいて前記1以上の映像配信端末にそれぞれ対応する1以上のカメラマークを配置したマップを生成して前記映像視聴端末に配信し、前記マップ上で視聴者によって任意に選択されたカメラマークに対応する映像配信端末の視点の映像データが前記映像視聴端末に配信されるように制御を行うように構成された
情報処理装置。
(3)上記(2)の情報処理装置であって、
前記マップに配置されるカメラマークが、前記エリアに存在する前記映像配信端末に対応するものに限定される
情報処理装置。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの情報処理装置であって、
前記制御部は、前記映像配信端末毎の映像データの視聴状況に基づいて、前記カメラマークの表示形態を可変するように構成された
情報処理装置。
(5)上記(4)の情報処理装置であって、
前記カメラマークの可変される表示形態が、サイズ、カラーまたは透明度の少なくともいずれか一つである
情報処理装置。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの情報処理装置であって、
前記制御部は、前記映像配信端末毎の映像データの視聴状況に基づいて、ネットワークリソースの割当量をリアルタイムに可変するように構成された
情報処理装置。
(7)上記(1)から(6)のいずれかの情報処理装置であって、
前記エリアは複数の小エリアに区分され、前記映像配信端末毎に撮影データ配信が可能な1以上の小エリアが割り当てられ、
前記制御部は、前記映像配信端末毎に割り当てられた1以上の小エリア内でのみ撮影データの配信を可能とするように構成された
情報処理装置。
(8)上記(1)から(7)のいずれかの情報処理装置であって、
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記エリアは複数の小エリアに区分され、
前記制御部は、前記小エリア毎に映像データ配信に参加可能な映像配信端末数の上限または下限の少なくとも一方を設定可能なように構成された
情報処理装置。
(9)地図上に設定されたエリアに対応する実空間に存在する1以上の撮影者がそれぞれ所持する1以上の映像配信端末よりそれぞれ撮像中の視点の異なる1以上の映像データのうち、視聴者によって任意に選択された前記映像配信端末の視点の映像データが前記視聴者の視聴端末に配信されるように制御を行うサーバーからの配信指示にしたがって、撮像部により撮像された映像データを前記視聴者の映像視聴端末に配信するように制御を行う制御部を具備する
映像配信端末。
(10)上記(9)の映像配信端末であって、
前記制御部は、映像視聴端末自身の位置情報を前記サーバーに送信するように構成され、
前記サーバーにおいて前記エリアを含む地図に、前記位置情報に基づいて前記1以上の映像配信端末にそれぞれ対応する1以上のカメラマークを配置することによって作成されたマップ上で、視聴者により選択されたカメラマークに対応する前記映像配信端末の視点の映像データの配信指示にたがって、前記視聴者の映像視聴端末に前記映像データを配信するように構成された
映像配信端末。
(11)地図上に設定されたエリアに対応する実空間に存在する1以上の撮影者がそれぞれ所持する1以上の映像配信端末よりそれぞれ撮像中の視点の異なる1以上の映像データのうち、視聴者によって任意に選択された前記映像配信端末の視点の映像データを前記視聴者の1以上の映像視聴端末に配信することを含む
映像配信方法。
(12)上記(11)の映像配信方法であって、
地図上に設定されたエリアを含む地図に、前記1以上の撮影者がそれぞれ所持する1以上の映像配信端末の位置を示す1以上のカメラマークを配置したマップを生成して前記映像視聴端末に配信することと、
前記マップ上で視聴者による任意の映像配信端末に対応するカメラマークの選択を受け付けることをさらに含む
映像配信方法。
(13)上記(12)の映像配信方法であって、
前記マップに配置されるカメラマークが、前記エリアに存在する前記映像配信端末に対応するものに限定される
映像配信方法。
(14)上記(11)から(13)のいずれかの映像配信方法であって、
前記映像配信端末毎の映像データの視聴状況に基づいて、前記カメラマークの表示形態を可変することを
さらに含む 映像配信方法。
(15)上記(14)の映像配信方法であって、
前記カメラマークの可変される表示形態が、サイズ、カラーまたは透明度の少なくともいずれか一つである
映像配信方法。
(16)上記(11)から(15)のいずれかの映像配信方法であって、
前記映像配信端末毎の映像データの視聴状況に基づいて、ネットワークリソースの割当量をリアルタイムに可変することを
さらに含む映像配信方法。
(17)上記(11)から(16)のいずれかの映像配信方法であって、
前記エリアは複数の小エリアに区分され、前記映像配信端末毎に撮影データ配信が可能な1以上の小エリアが割り当てられ、
前記映像配信端末毎に割り当てられた1以上の小エリア内でのみ撮影データの配信を可能とする
映像配信方法。
(18)上記(11)から(17)のいずれかの映像配信方法であって、
前記エリアは複数の小エリアに区分され、
前記小エリア毎に映像データ配信に参加可能な映像配信端末数の上限または下限の少なくとも一方を設定する
映像配信方法。
【符号の説明】
【0041】
1…撮影者端末
2…視聴者端末
3…サーバー
5…カメラマップ
6…カメラ有効エリア
8…カメラマーク
10…制御部
11…撮像部
12…位置情報生成部
13…映像配信部
21…映像受信部
22…表示部
23…カメラ選択部
31…制御部
100…情報処理システム
311…イベント管理部
312…配信アプリ管理部
313…映像配信管理部
314…地図管理部
315…Web表示部
316…視聴状況管理部
317…SNS管理部
図1
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図9