(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】印刷工程管理装置及び印刷工程管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20241029BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06F3/12 303
G06F3/12 375
(21)【出願番号】P 2023033575
(22)【出願日】2023-03-06
(62)【分割の表示】P 2018104306の分割
【原出願日】2018-05-31
【審査請求日】2023-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115129
【氏名又は名称】清水 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】山崎 尚人
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特許第7243044(JP,B2)
【文献】特開2002-041115(JP,A)
【文献】特開2006-163880(JP,A)
【文献】特開2002-120432(JP,A)
【文献】特開2007-335428(JP,A)
【文献】特開2013-145585(JP,A)
【文献】特開2016-212698(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0080616(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0231798(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷情報の複数の処理工程にそれぞれ対応する複数の工程図形を各処理工程の処理順に並べた第1の図形を、当該印刷情報に対応付けて、表示手段に表示するための制御を行う第1の表示制御手段と、
各処理工程における前記印刷情報の処理状況を示す状況情報を取得し、現在処理中であることを示す状況情報を取得した処理工程に対応する工程図形を、他の工程図形と異なる態様に変えて、前記表示手段に表示するための制御を行う第2の表示制御手
段
を有し、
複数の注文毎に、前記第1の表示制御手段によって表示される第1の図形に含まれる複数の工程図形を、前記第2の表示制御手段によって表示される工程図形として表示
し、
一つの注文に対応する工程図形に含まれる一つの工程図形と、他の注文に対応する工程図形に含まれる前記一つの工程図形と同じ工程図形の位置とをそろえて表示する、
印刷工程管理装置。
【請求項2】
前記一つの工程図形は複数の工程図形の内、最も右に配置された工程図形である、
請求項1に記載の印刷工程管理装置。
【請求項3】
前記最も右に配置された工程図形は製品の配送に係る処理についての工程図形である、
請求項2に記載の印刷工程管理装置。
【請求項4】
前記第1の表示制御手段は、複数の印刷情報を注文に区分して表示した表示画面において第1の図形を表示するための制御を行う、
請求項1に記載の印刷工程管理装置。
【請求項5】
前記第1の表示制御手段は、一の処理工程に区分される複数の印刷情報が表示された表示画面において第1の図形を表示するための制御を行う、
請求項1に記載の印刷工程管理装置。
【請求項6】
前記第2の表示制御手段は、処理が完了したことを示す状況情報を取得した処理工程に対応する工程図形の色と、未処理であることを示す状況情報を取得した処理工程に対応する工程図形の色と、をそれぞれ区別して表示するための制御を行う、
請求項1に記載の印刷工程管理装置。
【請求項7】
現在処理中である処理工程の状況情報に応じて態様が異なる第2の図形を、当該処理工程に対応する工程図形に重畳して、前記表示手段に表示するための制御を行う第4の表示制御手段
をさらに備える請求項1に記載の印刷工程管理装置。
【請求項8】
前記第2の図形は、少なくとも正常処理中、エラー発生、警告発生の処理状況に対応した異なる態様の図形である、
請求項
7に記載の印刷工程管理装置。
【請求項9】
省略される処理工程がある場合は、該処理工程に対応する第1の図形上に、省略されていることを示すマークを付し、注文毎の各第1の図形の位置を揃えて表示する、
請求項1に記載の印刷工程管理装置。
【請求項10】
コンピュータを、
印刷情報の複数の処理工程にそれぞれ対応する複数の工程図形を各処理工程の処理順に並べた第1の図形を、当該印刷情報に対応付けて、表示手段に表示するための制御を行う第1の表示制御手段と、
各処理工程における前記印刷情報の処理状況を示す状況情報を取得し、現在処理中であることを示す状況情報を取得した処理工程に対応する工程図形を、他の工程図形と異なる態様に変えて、前記表示手段に表示するための制御を行う第2の表示制御手
段
として機能させ、
複数の注文毎に、前記第1の表示制御手段によって表示される第1の図形に含まれる複数の工程図形を、前記第2の表示制御手段によって表示される工程図形として表示
し、
一つの注文に対応する工程図形に含まれる一つの工程図形と、他の注文に対応する工程図形に含まれる前記一つの工程図形と同じ工程図形の位置とをそろえて表示する、
印刷工程管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷工程管理装置及び印刷工程管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の工程を経て製作される成果物の、成果物単位での進捗管理と工程単位での進捗管理とを容易に行う情報処理装置及びその制御方法を提供することを課題とし、複数の工程を経て生成される成果物の単位を表示列として、表示画面を生成する第1の生成手段と、前記工程の単位を表示列として、表示画面を生成する第2の生成手段と、前記第1の生成手段で生成された表示画面と、前記第2の生成手段で生成された表示画面のいずれか1つの表示画面を表示する表示制御手段と、前記第1の生成手段で生成された表示画面を前記第2の生成手段で生成された表示画面に切り替える、あるいは、前記第2の生成手段で生成された表示画面を前記第1の生成手段で生成された表示画面に切り替える切り替え手段と、を有することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、(1)入稿、(2)前処理(プリプレス)、(3)印刷(プレス)、(4)後処理(ポストプレス)、(5)検品、(6)配送、といった一連の印刷工程(ワークフロー)を管理するシステムがある。近年では少部数の印刷ジョブを複数まとめて大部数の印刷ジョブとして処理する等して印刷システム全体の稼働率を上げて印刷コストを削減することが行われるようになってきた。印刷システム全体の稼働率を上げると、複数の注文に係るそれぞれ異なる印刷ジョブを同時期に処理することになるが、このような状況下である印刷ジョブの進捗が遅れると他の印刷ジョブの進捗に対しても影響が及ぶ場合がある。そのため、同時進行している複数の印刷ジョブそれぞれの進捗状況が俯瞰できるような印刷工程管理システムが望まれている。
本発明は、複数の印刷ジョブの進捗状況を確認することができる印刷工程管理装置及び印刷工程管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。なお、以下の「請求項」とあるのは、出願当初の請求項である。
請求項1の発明は、印刷情報の複数の処理工程にそれぞれ対応する複数の工程図形を各処理工程の処理順に並べた第1の図形を、当該印刷情報に対応付けて、表示手段に表示するための制御を行う第1の表示制御手段と、各処理工程における前記印刷情報の処理状況を示す状況情報を取得し、現在処理中であることを示す状況情報を取得した処理工程に対応する工程図形を、他の工程図形と異なる態様に変えて、前記表示手段に表示するための制御を行う第2の表示制御手段と、現在処理中である処理工程で行われている処理の内容を示す情報を、第1の図形と並べて、前記表示手段に表示するための制御を行う第3の表示制御手段を有し、複数の注文毎に、前記第1の表示制御手段によって表示される第1の図形に含まれる複数の工程図形を、前記第2の表示制御手段によって表示される工程図形として表示し、前記第1の図形と前記第3の表示制御手段によって表示される処理の内容を示す情報を表示し、一つの注文に対応する工程図形に含まれる一つの工程図形と、他の注文に対応する工程図形に含まれる前記一つの工程図形と同じ工程図形の位置とをそろえて表示する、印刷工程管理装置である。
【0006】
請求項2の発明は、前記一つの工程図形は複数の工程図形の内、最も右に配置された工程図形である、請求項1に記載の印刷工程管理装置である。
【0007】
請求項3の発明は、前記最も右に配置された工程図形は製品の配送に係る処理についての工程図形である、請求項2に記載の印刷工程管理装置である。
【0008】
請求項4の発明は、前記第1の表示制御手段は、複数の印刷情報を注文に区分して表示した表示画面において第1の図形を表示するための制御を行う、請求項1に記載の印刷工程管理装置である。
【0009】
請求項5の発明は、前記第1の表示制御手段は、一の処理工程に区分される複数の印刷情報が表示された表示画面において第1の図形を表示するための制御を行う、請求項1に記載の印刷工程管理装置である。
【0010】
請求項6の発明は、前記第2の表示制御手段は、処理が完了したことを示す状況情報を取得した処理工程に対応する工程図形の色と、未処理であることを示す状況情報を取得した処理工程に対応する工程図形の色と、をそれぞれ区別して表示するための制御を行う、請求項1に記載の印刷工程管理装置である。
【0011】
請求項7の発明は、前記第3の表示制御手段は、処理の内容を示す情報がエラーに関連する場合の表示態様を変える、請求項1に記載の印刷工程管理装置である。
【0012】
請求項8の発明は、前記第3の表示制御手段は、処理の内容を示す情報が警告に関連する場合の表示態様を変える、請求項1に記載の印刷工程管理装置である。
【0013】
請求項9の発明は、前記第3の表示制御手段は、第1の図形に対応付けられた印刷情報に関連する情報をさらに表示するための制御を行う、請求項1に記載の印刷工程管理装置である。
【0014】
請求項10の発明は、現在処理中である処理工程の状況情報に応じて態様が異なる第2の図形を、当該処理工程に対応する工程図形に重畳して、前記表示手段に表示するための制御を行う第4の表示制御手段をさらに備える請求項1に記載の印刷工程管理装置である。
【0015】
請求項11の発明は、前記第2の図形は、少なくとも正常処理中、エラー発生、警告発生の処理状況に対応した異なる態様の図形である、請求項10に記載の印刷工程管理装置である。
【0016】
請求項12の発明は、省略される処理工程がある場合は、該処理工程に対応する第1の図形上に、省略されていることを示すマークを付し、注文毎の各第1の図形の位置を揃えて表示する、請求項1に記載の印刷工程管理装置である。
【0017】
請求項13の発明は、コンピュータを、印刷情報の複数の処理工程にそれぞれ対応する複数の工程図形を各処理工程の処理順に並べた第1の図形を、当該印刷情報に対応付けて、表示手段に表示するための制御を行う第1の表示制御手段と、各処理工程における前記印刷情報の処理状況を示す状況情報を取得し、現在処理中であることを示す状況情報を取得した処理工程に対応する工程図形を、他の工程図形と異なる態様に変えて、前記表示手段に表示するための制御を行う第2の表示制御手段と、現在処理中である処理工程で行われている処理の内容を示す情報を、第1の図形と並べて、前記表示手段に表示するための制御を行う第3の表示制御手段として機能させ、複数の注文毎に、前記第1の表示制御手段によって表示される第1の図形に含まれる複数の工程図形を、前記第2の表示制御手段によって表示される工程図形として表示し、前記第1の図形と前記第3の表示制御手段によって表示される処理の内容を示す情報を表示し、一つの注文に対応する工程図形に含まれる一つの工程図形と、他の注文に対応する工程図形に含まれる前記一つの工程図形と同じ工程図形の位置とをそろえて表示する、印刷工程管理プログラムである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の印刷工程管理装置によれば、複数の印刷ジョブの進捗状況を確認することができる。
【0019】
請求項2の印刷工程管理装置によれば、一つの工程図形として、複数の工程図形の内、最も右に配置された工程図形を用いることができる。
【0020】
請求項3の印刷工程管理装置によれば、最も右に配置された工程図形として、製品の配送に係る処理についての工程図形を用いることができる。
【0021】
請求項4の印刷工程管理装置によれば、第1の図形を表示するのに、複数の印刷情報を注文に区分して表示した表示画面を用いることができる。
【0022】
請求項5の印刷工程管理装置によれば、第1の図形を表示するのに、一の処理工程に区分される複数の印刷情報が表示された表示画面を用いることができる。
【0023】
請求項6の印刷工程管理装置によれば、ユーザーは、処理が完了した処理工程と未処理である処理工程を区別して認識することができる。
【0024】
請求項7の印刷工程管理装置によれば、ユーザーは、エラーであることがわかるようになる。
【0025】
請求項8の印刷工程管理装置によれば、ユーザーは、警告であることがわかるようになる。
【0026】
請求項9の印刷工程管理装置によれば、ユーザーは、印刷情報に関連する情報をさらに得ることができる。
【0027】
請求項10の印刷工程管理装置によれば、ユーザーは、現在処理中である処理工程の状況を知ることができる。
【0028】
請求項11の印刷工程管理装置によれば、第2の図形として、少なくとも正常処理中、エラー発生、警告発生の状況を知ることができる。
【0029】
請求項12の印刷工程管理装置によれば、省略される処理工程がある場合は、その処理工程に対応する第1の図形上にある、省略されていることを示すマークによって、省略される処理工程があることを知ることができる。
【0030】
請求項13の印刷工程管理プログラムによれば、複数の印刷ジョブの進捗状況を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【
図2】表示制御モジュール内の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【
図3】本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
【
図5】印刷ワークフロー内の各処理工程を示すフェーズアイコンの例を示す説明図である。
【
図6】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図7】注文・印刷ワークフロー対応テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図8】処理工程・処理機器対応テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図9】処理状況テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図10】印刷ワークフロー内の各処理工程の処理状況、ステータスを表示する例を示す説明図である。
【
図11】注文ID毎に、各処理工程の処理状況、ステータスの表示例を示す説明図である。
【
図12】フェーズアイコンにサブアイコンを重畳した表示例を示す説明図である。
【
図13】印刷ワークフロー内の各処理工程の処理状況、ステータスの表示例を示す説明図である。
【
図15】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係、ログイン等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0033】
本実施の形態である工程管理装置100は、印刷機150、製本機160等を用いた印刷工程を管理するものであって、
図1の例に示すように、コントローラ制御モジュール105、受注情報管理モジュール115を有している。ここでの印刷工程の管理は、ユーザー(操作者、管理者等)が、印刷工程の進捗状況を確認することができるように、少なくとも印刷工程の進捗状況を表示するように制御するものである。
印刷製品は本文や表表紙/裏表紙等の複数の印刷部品から構成されるため、印刷システム全体の稼働率を上げていくと、一つの注文に係る印刷ジョブは複数の工程にまたがって処理されている場合が生じる。このような場合、一つの印刷ジョブであっても複数の工程からそれぞれ進捗を確認することとなるが、例えば各工程がそれぞれ独立した進捗管理システムによって管理されている場合は、必要な進捗管理システムを全てアクセスする必要があり、効率的ではない。本実施の形態では、複数の処理工程を有する複数のワークフローであっても、一元的に管理(例えば、進捗状況を表示)することができるようになる。
【0034】
コントローラ制御モジュール105は、表示制御モジュール110を有しており、受注情報管理モジュール115、印刷機150、製本機160と接続されており、また、通信回線190を介してクライアント装置120と接続されている。コントローラ制御モジュール105は、印刷機150、製本機160等を制御し、印刷工程の進捗状況をクライアント装置120に表示するように制御する。
表示制御モジュール110は、印刷機150、製本機160等の処理状況を取得して、印刷工程の進捗状況をクライアント装置120に表示するように制御する。表示制御モジュール110内の詳細な機能(働き等)は、
図2の例を用いて後述する。
受注情報管理モジュール115は、コントローラ制御モジュール105と接続されている。受注情報管理モジュール115は、印刷用のワークフローにしたがって、印刷ジョブ等を受け付け、ワークフローにしたがって、印刷機150、製本機160等を制御するようにコントローラ制御モジュール105に指示を行う。
【0035】
クライアント装置120は、表示モジュール125を有しており、通信回線190を介して、工程管理装置100のコントローラ制御モジュール105と接続されている。クライアント装置120は、工程管理装置100、印刷機150、製本機160等の操作者、印刷用のワークフローの管理者等によって操作される端末であって、例えば、パーソナルコンピュータ、モバイル端末等が該当する。
表示モジュール125は、Webブラウザ130を有している。表示モジュール125は、液晶、有機EL等を用いたディスプレイに印刷工程の進捗状況(工程管理装置100の表示制御モジュール110から送信されてきた情報)を表示する。
Webブラウザ130は、通信回線190を介して、工程管理装置100の表示制御モジュール110と通信を行い、印刷工程の進捗状況をディスプレイに表示する。
【0036】
印刷機150は、工程管理装置100のコントローラ制御モジュール105と接続されている。印刷機150は、プリンタともいわれ、コントローラ制御モジュール105による制御にしたがって記録媒体(用紙等)に印刷を行う。主に、ワークフローにおける「(3)印刷(プレス)」の処理を行う。
製本機160は、工程管理装置100のコントローラ制御モジュール105と接続されている。製本機160は、印刷機150によって印刷された記録媒体を製本する。主に、印刷のワークフローにおける「(4)後処理(ポストプレス)」の処理を行う。
また、受注情報管理モジュール115が、印刷のワークフローにおける「(1)入稿」の処理を行い、コントローラ制御モジュール105が、ワークフローにおける「(2)前処理(プリプレス)」の処理を行う。そして、ワークフローにおける「(5)検品、(6)配送」の処理状況等は、検品管理システム、搬送管理システム(具体例として、荷物問い合わせシステム等)等と通信を行うことによって、取得することができる。したがって、コントローラ制御モジュール105(表示制御モジュール110)は、ワークフローにおける「(1)入稿、(2)前処理(プリプレス)、(3)印刷(プレス)、(4)後処理(ポストプレス)、(5)検品、(6)配送等」の処理状況等を取得することができる。
【0037】
図2は、表示制御モジュール110内の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
表示制御モジュール110は、情報取得モジュール210、表示制御(A)モジュール230、表示制御(B)モジュール235、表示制御(C)モジュール240、表示制御(D)モジュール245、表示用データ送信モジュール250を有している。
情報取得モジュール210は、印刷情報取得モジュール215、処理状況情報取得モジュール220を有しており、表示制御(A)モジュール230、表示制御(B)モジュール235、表示制御(C)モジュール240、表示制御(D)モジュール245と接続されている。情報取得モジュール210は、印刷情報、印刷のワークフローにしたがった各印刷工程における処理状況に関する情報を取得する。
印刷情報取得モジュール215は、印刷のワークフローで対象となる印刷情報を受注情報管理モジュール115から取得する。ここで印刷情報とは、印刷ジョブともいわれ、印刷データ、その属性(カラー印刷か白黒印刷かを示す情報、記録媒体の大きさ、記録媒体の種類等)を含んでいる。
処理状況情報取得モジュール220は、各処理工程に対応する工程処理装置から取得する。例えば、前述したように、コントローラ制御モジュール105、受注情報管理モジュール115、印刷機150、製本機160等からワークフローにおける「(1)入稿、(2)前処理(プリプレス)、(3)印刷(プレス)、(4)後処理(ポストプレス)、(5)検品、(6)配送等」の処理状況等を取得する。
【0038】
表示制御(A)モジュール230は、情報取得モジュール210、表示用データ送信モジュール250と接続されている。表示制御(A)モジュール230は、印刷情報の複数の処理工程にそれぞれ対応する複数の工程図形(以下、フェーズアイコンともいう)を各処理工程の処理順に並べた第1の図形を、その印刷情報に対応付けて、クライアント装置120(表示モジュール125)に表示するためのデータを生成する。「複数の処理工程」として、例えば、「(1)入稿、(2)前処理(プリプレス)、(3)印刷(プレス)、(4)後処理(ポストプレス)、(5)検品、(6)配送等」がある。「工程図形」の具体例については、
図5の例を用いて後述する。「第1の図形」は、工程図形群を含んでおり、例えば、
図10の例を用いて後述するフェーズアイコン表示領域1012等が該当する。
また、表示制御(A)モジュール230は、複数の印刷情報を注文に区分して表示した表示画面において第1の図形を表示するための制御を行うようにしてもよい。例えば、
図11の例を用いて後述する受注リスト対応ステータステーブル1110等の形態が該当する。なお、一の注文情報には、一以上の印刷情報が関連付けられている。
また、表示制御(A)モジュール230は、一の処理工程に区分される複数の印刷情報が表示された表示画面において第1の図形を表示するための制御を行うようにしてもよい。例えば、処理工程を選択し、その処理工程だけの複数の印刷情報の処理状況を表示するようにしてもよい。
【0039】
表示制御(B)モジュール235は、情報取得モジュール210、表示用データ送信モジュール250と接続されている。表示制御(B)モジュール235は、各処理工程における印刷情報の処理状況を示す状況情報を取得し、現在処理中であることを示す状況情報を取得した処理工程に対応する工程図形を、他の工程図形と異なる態様に変えて、クライアント装置120(表示モジュール125)に表示するためのデータを生成する。ここで「状況情報」は、各印刷工程のステータスに対応し、処理待ち、処理中、エラー発生、停止中、処理終了等がある。なお、処理状況情報取得モジュール220が、各工程の処理装置からステータスを取得する。また、「他の工程図形」とは、現在処理中ではない処理工程(具体的には、処理が完了した処理工程又は未処理である処理工程)に対応する工程図形を指す。「異なる態様」として、例えば、「他の工程図形」の色とは異なる色で「処理工程に対応する工程図形」を表示することである。
また、表示制御(B)モジュール235は、処理が完了したことを示す状況情報を取得した処理工程に対応する工程図形の色と、未処理であることを示す状況情報を取得した処理工程に対応する工程図形の色と、をそれぞれ区別して表示するための制御を行うようにしてもよい。
図10の例を用いて後述する。
さらに、表示制御(B)モジュール235は、完了した工程を示す色、未処理の工程を示す色の他に、処理中であることを示す状況情報を取得した処理工程に対応する工程図形の色も、変えて表示するための制御を行うようにしてもよい。
【0040】
表示制御(C)モジュール240は、情報取得モジュール210、表示用データ送信モジュール250と接続されている。表示制御(C)モジュール240は、現在処理中である処理工程で行われている処理の内容を示す情報を、第1の図形と並べて、クライアント装置120(表示モジュール125)に表示するためのデータを生成する。ここで「第1の図形と並べて」として、第1の図形の近辺(上下左右等)に、処理の内容を示す情報を表示すればよい。例えば、
図10の例を用いて後述するステータスメッセージ表示領域1014等が該当する。また、処理の内容を示す情報の表示形態として、文字情報(テキスト)であってもよいし、図形等であってもよい。
また、表示制御(C)モジュール240は、処理の内容を示す情報がエラーに関連する場合の表示態様を変えるように制御してもよい。「表示態様を変える」として、例えば、色を変更すること、エラーを示すアイコン(マーク、図形等)を付加すること、としてもよい。これによって、エラーが発生していることがユーザーにわかりやすくなる。
また、表示制御(C)モジュール240は、処理の内容を示す情報が警告に関連する場合の表示態様を変えるように制御してもよい。「表示態様を変える」として、例えば、色を変更すること、警告を示すアイコン(マーク等)を付加すること、としてもよい。これによって、警告が発生していることがユーザーにわかりやすくなる。
また、表示制御(C)モジュール240は、第1の図形に対応付けられた印刷情報に関連する情報をさらに表示するための制御を行うようにしてもよい。
【0041】
表示制御(D)モジュール245は、情報取得モジュール210、表示用データ送信モジュール250と接続されている。表示制御(D)モジュール245は、現在処理中である処理工程の状況情報に応じて態様が異なる第2の図形を、その処理工程に対応する工程図形に重畳して、クライアント装置120(表示モジュール125)に表示するためのデータを生成する。
図12の例を用いて後述する。
その「第2の図形」は、少なくとも正常処理中、エラー発生、警告発生の処理状況に対応した異なる態様の図形としてもよい。
【0042】
表示用データ送信モジュール250は、表示制御(A)モジュール230、表示制御(B)モジュール235、表示制御(C)モジュール240、表示制御(D)モジュール245と接続されている。表示用データ送信モジュール250は、クライアント装置120(表示モジュール125)に表示するための制御を行う。例えば、表示制御(A)モジュール230、表示制御(B)モジュール235、表示制御(C)モジュール240、表示制御(D)モジュール245が作成した、Webブラウザ130が表示可能なHTML(HyperText Markup Language)などのコンテンツを、HTTP(HyperText Transfer Protocol)でクライアント装置120に送信する。
【0043】
図3は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。工程管理装置100は、複数のクライアント装置120に対して、印刷のワークフローにおける処理状況の報告を行うようにしてもよい。
工程管理装置100、クライアント装置120A、クライアント装置120B、クライアント装置120C等は、通信回線390を介してそれぞれ接続されている。通信回線390は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。また、工程管理装置100による機能は、クラウドサービスとして実現してもよい。
工程管理装置100と、印刷機150A、製本機160A、印刷機150B、製本機160B等は、接続されている。工程管理装置100は、複数の印刷機150、複数の製本機160を用いて、印刷のワークフローを実行してもよい。
【0044】
図4は、印刷のワークフローの例を示す説明図である。
処理工程として、入稿410、プリプレス420、印刷430、後処理440、検品450、配送460がある例を示している。この順番で処理を行うことを示している。また、この印刷のワークフローに、他の処理工程を付加してもよいし、逆に、この中の処理工程(例えば、検品450)がスキップ(省略)されてもよい。
【0045】
図5は、印刷ワークフロー内の各処理工程を示すフェーズアイコンの例(工程図形の例)を示す説明図である。
フェーズアイコン(入稿)510は、入稿410に対応する。フェーズアイコン(プリプレス)520は、プリプレス420に対応する。フェーズアイコン(印刷)530は、印刷430に対応する。フェーズアイコン(後処理)540は、後処理440に対応する。フェーズアイコン(検品)550は、検品450に対応する。フェーズアイコン(配送)560は、配送460に対応する。
各フェーズアイコンとして、例えば、3種類の色のフェーズアイコンを用意しておいてもよい。例えば、青色(処理中であることを示す色)、薄い灰色(処理済みであることを示す色)、濃い灰色(未処理であることを示す色)等がある。
【0046】
図6は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS602では、表示対象とする複数の印刷ワークフローを取得する。例えば、注文・印刷ワークフロー対応テーブル700を用いて、注文を受けている印刷ワークフローを取得する。
ステップS604では、各印刷ワークフローにおける処理状況を取得する。例えば、処理工程・処理機器対応テーブル800を用いて、各印刷ワークフローの処理工程IDとその処理工程の処理を行う処理機器IDを取得し、処理状況テーブル900を用いて、その処理工程における処理状況とステータスを取得する。
ステップS606では、各処理工程の処理状況を判断し、「処理完了」の場合はステップS608へ進み、「処理中」の場合はステップS610へ進み、「未処理」の場合はステップS622へ進む。
【0047】
ステップS608では、その処理工程を示すフェーズアイコンの色を、処理完了を示す色(例えば、薄いグレー)に変更する。
ステップS610では、その処理工程を示すフェーズアイコンの色を、処理中を示す色(例えば、青色)に変更する。
ステップS612では、その処理工程における補足情報を取得する。
【0048】
ステップS614では、ステータスを判断し、「通常」の場合はステップS616へ進み、「警告」の場合はステップS618へ進み、「エラー」の場合はステップS620へ進む。
ステップS616では、補足情報を表示する。
【0049】
ステップS618では、警告マークを付して、補足情報を表示する。例えば、
図10に示すステータスメッセージ表示領域1034で示している警告マークが該当する。
ステップS620では、エラーマークを付して、補足情報を表示する。例えば、
図10に示すステータスメッセージ表示領域1024で示しているエラーマークが該当する。
ステップS622では、その処理工程を示すフェーズアイコンの色を、未処理を示す色(例えば、濃いグレー)に変更する。
【0050】
図7は、注文・印刷ワークフロー対応テーブル700のデータ構造例を示す説明図である。
注文・印刷ワークフロー対応テーブル700は、注文ID欄705、印刷ワークフローID欄710を有している。注文ID欄705は、本実施の形態において、注文を一意に識別するための情報(注文ID:IDentification)を記憶している。印刷ワークフローID欄710は、本実施の形態において、印刷ワークフローを一意に識別するための情報(印刷ワークフローID)を記憶している。注文・印刷ワークフロー対応テーブル700によって、注文IDと印刷ワークフローとの対応を管理している。
【0051】
図8は、処理工程・処理機器対応テーブル800のデータ構造例を示す説明図である。
処理工程・処理機器対応テーブル800は、印刷ワークフローID欄805、処理工程数欄810、処理工程ID欄815、処理機器ID欄820を有している。印刷ワークフローID欄805は、印刷ワークフローIDを記憶している。処理工程数欄810は、処理工程数を記憶している。処理工程ID欄815は、本実施の形態において、処理工程を一意に識別するための情報(処理工程ID)を記憶している。処理機器ID欄820は、本実施の形態において、処理機器を一意に識別するための情報(処理機器ID)を記憶している。処理工程数欄810内の数だけ、処理機器ID欄820の後に、処理工程ID欄815と処理機器ID欄820の組が続く。処理工程・処理機器対応テーブル800によって、印刷ワークフローにおける処理工程とその処理工程の処理を行う処理機器との対応を管理している。
【0052】
図9は、処理状況テーブル900のデータ構造例を示す説明図である。
処理状況テーブル900は、処理機器ID欄905、処理工程ID欄910、処理状況欄915、ステータス欄920を有している。処理機器ID欄905は、処理機器IDを記憶している。処理工程ID欄910は、処理工程IDを記憶している。処理状況欄915は、その処理工程での処理状況を記憶している。ステータス欄920は、その処理工程でのステータスを記憶している。処理状況テーブル900によって、印刷ワークフロー内の処理工程における処理状況とステータスを管理している。
【0053】
図10は、印刷ワークフロー内の各処理工程の処理状況、ステータスの表示例を示す説明図である。
受注リストにステータスを表示する例を示す。つまり、フェーズアイコンを上に並べて表示し、下にステータスメッセージを表示する。上部のフェーズアイコンでフェーズの進捗を表現し、下部のステータスメッセージで上部のフェーズアイコンの補足を表示するとともに、必要に応じて、エラー、警告メッセージを表示する。これによって、複数の受注の進捗、エラー情報を一覧で確認することができるようになる。
画面1000には、ステータス表示領域1010、ステータス表示領域1020、ステータス表示領域1030を表示する。
ステータス表示領域1010には、フェーズアイコン表示領域1012、ステータスメッセージ表示領域1014を表示する。ステータス表示領域1020には、フェーズアイコン表示領域1022、ステータスメッセージ表示領域1024を表示する。ステータス表示領域1030には、フェーズアイコン表示領域1032、ステータスメッセージ表示領域1034を表示する。フェーズアイコン表示領域1012、フェーズアイコン表示領域1022、フェーズアイコン表示領域1032には、それぞれフェーズアイコン(入稿)510、フェーズアイコン(プリプレス)520、フェーズアイコン(印刷)530、フェーズアイコン(後処理)540、フェーズアイコン(検品)550、フェーズアイコン(配送)560を表示する。フェーズアイコン表示領域1012、フェーズアイコン表示領域1022では、例えば、フェーズアイコン(入稿)510を薄いグレーで表示し(処理完了していることを示している)、フェーズアイコン(プリプレス)520を青色で表示し(処理中であることを示している)、フェーズアイコン(印刷)530、フェーズアイコン(後処理)540、フェーズアイコン(検品)550、フェーズアイコン(配送)560を濃いグレーで表示している(未処理であることを示している)。フェーズアイコン表示領域1032では、例えば、フェーズアイコン(入稿)510、フェーズアイコン(プリプレス)520、フェーズアイコン(印刷)530を薄いグレーで表示し(処理完了していることを示している)、フェーズアイコン(後処理)540を青色で表示し(処理中であることを示している)、フェーズアイコン(検品)550、フェーズアイコン(配送)560を濃いグレーで表示している(未処理であることを示している)。そして、ステータスメッセージ表示領域1014には、例えば、フェーズアイコン(プリプレス)520の処理について「プリプレス-グルーピング中」と表示する。ステータスメッセージ表示領域1024には、例えば、フェーズアイコン(プリプレス)520について「プリプレス-グルーピングエラー」と表示する。ステータスメッセージ表示領域1034には、例えば、フェーズアイコン(後処理)540について「製本-警告」と表示する。
【0054】
なお、スキップされるフェーズ(例えば、検品フェーズ)がある場合は、そのフェーズアイコンを表示しないようにしてもよいし、そのフェーズアイコンに「=」(スキップすることを示すマーク)を重ねて表示してもよい。つまり、スキップされるフェーズがある場合は、
(1)印刷ワークフロー内の処理工程数に合わせて、ステータス表示領域1010内のフェーズアイコンの数が異なる。このような表示にすることによって、各印刷ワークフロー内の処理工程数が把握しやすくなる。
(2)印刷ワークフロー内の処理工程数に関係なく、ステータス表示領域1010内に6つのフェーズアイコンを表示し、スキップされるフェーズのフェーズアイコンに「=」を重ねて表示する。このような表示にすることによって、画面1000内の各行のフェーズアイコンの位置が揃い、位置でどのフェーズであるかが把握できるようになる。
【0055】
図11は、注文ID毎に、各処理工程の処理状況、ステータスを表示する例を示す説明図である。この表示例は、注文IDに区分して表示された表示画面においてフェーズアイコン表示領域1012等を表示しているものである。つまり、受注リストにステータスを表示する例であって、複数の受注の進捗、エラー情報を一覧で確認することができるようになる。
画面1100には、受注リスト対応ステータステーブル1110を表示する。
受注リスト対応ステータステーブル1110は、注文ID欄1120、受注ステータス欄1130を有している。注文ID欄1120は、注文IDを表示している。受注ステータス欄1130は、受注ステータスを表示している。受注ステータス欄1130の各行には、
図10の例に示したステータス表示領域1010と同等の表示を行う。
【0056】
図12は、フェーズアイコンにサブアイコンを重畳した表示例を示す説明図である。つまり、サブアイコンにより進捗と状態を表示する例を示している。
図12(a)は、フェーズアイコン1200(工程図形の一例)にサブアイコン1210(第2の図形の一例)を重畳して表示した例を示すものである。このサブアイコン1210は、フェーズアイコン1200に対応するフェーズの状況を示している。
図12(b1)は、フェーズアイコン(プリプレス)520にサブアイコン(プリプレス正常)1215を重畳して表示することによって、プリプレス(面付け)が正常に進行していることを示している。
図12(b2)は、フェーズアイコン(プリプレス)520にサブアイコン(プリプレスエラー)1220を重畳して表示することによって、プリプレス(面付け)でエラーが発生していることを示している。
図12(b3)は、フェーズアイコン(印刷)530にサブアイコン(スケジュール割当なし)1225を重畳して表示することによって、印刷ジョブのスケジュールが印刷機に割りあたっていないことを警告として表示している。
サブアイコンでは各フェーズ内の進捗を形態(主に、形状)で表現している。また、正常(緑)、エラー(赤)、警告(黄色)とサブアイコンの色を変えることで状態もあわせて表現するようにしてもよい。なお、エラーと警告は、ステータスによって予め定められている。例えば、エラーはすぐに対処が必要であり、警告は後に対処してもよいことを示している。これは、緊急度の違いがある。
なお、サブアイコンは、現在処理中であるフェーズアイコンに重畳して表示する。フェーズアイコンをサブアイコンに重畳して表示するのは、2つのアイコン(フェーズアイコン、サブアイコン)の表示領域を広げないためである。表示領域が広がらないのであれば、必ずしも重畳する必要はなく、サブアイコンをフェーズアイコンの近傍に配置するようにしてもよい。例えば、フェーズアイコンの空白部分にサブアイコンを挿入するようにしてもよい。
【0057】
図13は、印刷ワークフロー内の各処理工程の処理状況、ステータスの表示例を示す説明図である。つまり、ステータスメッセージでは上部のフェーズアイコンが示すフェーズの補足を表示するとともに、必要に応じて、エラー又は警告に関するメッセージを表示する。
図13(a)の例に示す画面1300には、ステータス表示領域1310、ステータス表示領域1320、ステータス表示領域1330を表示する。ステータス表示領域1310には、フェーズアイコン表示領域1312、ステータスメッセージ表示領域1314を表示する。ステータス表示領域1320には、フェーズアイコン表示領域1322、ステータスメッセージ表示領域1324を表示する。ステータス表示領域1330には、フェーズアイコン表示領域1332、ステータスメッセージ表示領域1334を表示する。
ステータスメッセージ表示領域1314には、例えば、フェーズアイコン(プリプレス)520の処理について「プリプレス-グルーピング中」と表示する。ステータスメッセージ表示領域1324には、例えば、フェーズアイコン(プリプレス)520の処理について「プリプレス-グルーピングエラー」と表示する。ステータスメッセージ表示領域1334には、例えば、フェーズアイコン(後処理)540の処理について「製本-警告」と表示する。
また、エラー、警告の際は、背景色(例えば、エラーの場合は赤色、警告の場合は黄色)を付けることにより、よりユーザーが認識しやすいようにする。
【0058】
図13(b)の例に示すステータス表示領域1350には、フェーズアイコン表示領域1352、ステータスメッセージ表示領域1354を表示する。優先的に表示が必要な情報がある場合は、その情報をメッセージとして表示する例を示している。つまり、現在処理中のフェーズに関係ないメッセージであっても表示するようにしてもよい。
ステータスメッセージ表示領域1354には、例えば「発送完了予定日時を過ぎています。」と表示する。つまり、発送の予定日が過ぎており、すぐに対処が必要なことを示している。ステータスメッセージ表示領域1354を見れば、その印刷ワークフローに関するメッセージがわかるような表示としている。
【0059】
図14は、メッセージの表示例を示す説明図である。つまり、ツールチップ表示の例を示している。
画面1400には、受注リスト対応ステータステーブル1410を表示する。受注リスト対応ステータステーブル1410は、注文ID欄1420、受注ステータス欄1430を有している。注文ID欄1420は、注文IDを記憶している。受注ステータス欄1430は、受注ステータスを記憶している。カーソル1440を、印刷ワークフローのフェーズアイコン上に重ねた場合に、ツールチップ1450を表示する。ここでは、フェーズアイコン(後処理)540上にカーソル1440があるので、ツールチップ1450には、フェーズアイコン(後処理)540に関する詳細情報を表示する。例えば、ツールチップ1450内に、ステータスメッセージ表示領域に収まらない詳細情報等を表示する。
【0060】
図15を参照して、本実施の形態の工程管理装置100のハードウェア構成例について説明する。
図15に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等によって構成されるものであり、スキャナ等のデータ読み取り部1517と、プリンタ等のデータ出力部1518を備えたハードウェア構成例を示している。
【0061】
CPU(Central Processing Unit)1501は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、コントローラ制御モジュール105、表示制御モジュール110、受注情報管理モジュール115、情報取得モジュール210、印刷情報取得モジュール215、処理状況情報取得モジュール220、表示制御(A)モジュール230、表示制御(B)モジュール235、表示制御(C)モジュール240、表示制御(D)モジュール245、表示用データ送信モジュール250等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0062】
ROM(Read Only Memory)1502は、CPU1501が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)1503は、CPU1501の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス1504により相互に接続されている。
【0063】
ホストバス1504は、ブリッジ1505を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス1506に接続されている。
【0064】
キーボード1508、マウス等のポインティングデバイス1509は、操作者により操作されるデバイスである。ディスプレイ1510は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)等があり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。また、ポインティングデバイス1509とディスプレイ1510の両方の機能を備えているタッチスクリーン等であってもよい。その場合、キーボードの機能の実現について、キーボード1508のように物理的に接続しなくても、画面(タッチスクリーン)上にソフトウエアでキーボード(いわゆるソフトウェアキーボード、スクリーンキーボード等ともいわれる)を描画して、キーボードの機能を実現するようにしてもよい。
【0065】
HDD(Hard Disk Drive)1511は、ハードディスク(フラッシュ・メモリ等であってもよい)を内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU1501によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。ハードディスクには、印刷情報、注文・印刷ワークフロー対応テーブル700、処理工程・処理機器対応テーブル800、処理状況テーブル900等が格納される。さらに、その他の各種データ、各種コンピュータ・プログラム等が格納される。
【0066】
ドライブ1512は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体1513に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース1507、外部バス1506、ブリッジ1505、及びホストバス1504を介して接続されているRAM1503に供給する。なお、リムーバブル記録媒体1513も、データ記録領域として利用可能である。
【0067】
接続ポート1514は、外部接続機器1515を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート1514は、インタフェース1507、及び外部バス1506、ブリッジ1505、ホストバス1504等を介してCPU1501等に接続されている。通信部1516は、通信回線に接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部1517は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部1518は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0068】
なお、
図15に示す工程管理装置100のハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、
図15に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに
図15に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
【0069】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu-ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0070】
100…工程管理装置
105…コントローラ制御モジュール
110…表示制御モジュール
115…受注情報管理モジュール
120…クライアント装置
125…表示モジュール
130…Webブラウザ
150…印刷機
160…製本機
190…通信回線
210…情報取得モジュール
215…印刷情報取得モジュール
220…処理状況情報取得モジュール
230…表示制御(A)モジュール
235…表示制御(B)モジュール
240…表示制御(C)モジュール
245…表示制御(D)モジュール
250…表示用データ送信モジュール
390…通信回線