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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/233 20240101AFI20241029BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20241029BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20241029BHJP
【FI】
B60K35/233
B60R11/02 C
B60W50/14
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023137998
(22)【出願日】2023-08-28
(62)【分割の表示】P 2018160050の分割
【原出願日】2018-08-29
(65)【公開番号】P2023162331
(43)【公開日】2023-11-08
【審査請求日】2023-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】山田 毅典
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 真輝
(72)【発明者】
【氏名】井上 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】六車 明泰
(72)【発明者】
【氏名】池田 道雄
【審査官】吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/134897(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/233
B60R 11/02
B60W 50/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の期間内に運転モードの切り替えが発生するか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記所定の期間内に手動運転から自動運転へ前記運転モードの切り替えが発生すると判定された場合に、情報の表示面積を拡大させる表示制御部と、
を有し、
前記表示制御部は、自動運転中に車両の現在地が所定の景観地又はその近傍の地点に該当した場合、前記情報の表示面積を縮小させる、車両用表示装置。
【請求項2】
所定の期間内に運転モードの切り替えが発生するか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記所定の期間内に手動運転から自動運転へ前記運転モードの切り替えが発生すると判定された場合に、情報の表示面積を拡大させる表示制御部と、
を有し、
前記表示制御部は、自動運転中に運転者から外の景色を見たい旨の指示を受信した場合、前記情報の表示面積を縮小させる、車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、表示システムに関する発明が開示されている。この表示システムでは、自動運転を行う車両において、運転者の前方視界を遮る位置に画面を表示する前方遮蔽状態と、運転者の前方視界を遮らない異なる位置に画面を表示する非前方遮蔽状態とを切り替えることができるフロントディスプレイが設けられている。このフロントディスプレイは、車両が自動運転中に前方遮蔽状態となり、車両が自動運転から手動運転へ切り替わる場合に非前方遮蔽状態となる。これにより、運転者は自動運転から手動運転へ運転モードが切り替わる場合にすみやかに周囲の交通情報を把握できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-196228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された構成の場合、自動運転から手動運転へ切り替わることを運転者が事前に認識できず、対応が遅れる可能性がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、運転モードが切り替わることを運転者が事前に認識できる車両用表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明に係る車両用表示装置は、所定の期間内に運転モードの切り替えが発生するか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記所定の期間内に自動運転から手動運転へ前記運転モードの切り替えが発生すると判定された場合に、情報の表示面積を徐々に変化させる表示制御部と、を有し、前記表示制御部は、自動運転中に車両の現在地が所定の景観地又はその近傍の地点に該当した場合、前記情報の表示面積を縮小させる
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、判定部は、所定の期間内に運転モードの切り替えが発生するか否かを判定する。また、表示制御部は、所定の期間内に自動運転から手動運転へ運転モードの切り替えが発生すると判定された場合に、運転モードの切り替えが発生する前に、情報の表示面積を徐々に変化させる。このように事前に情報の表示面積が変化することで、運転者が事前に運転モードの切り替えを認識できる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明に係る車両用表示装置は、運転モードが切り替わることを運転者が事前に認識できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る車両用表示装置の概略構成を示す図である。
図2】第1実施形態に係る車両用表示装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る車両用表示装置の機能構成の例を示すブロック図である。
図4】第1実施形態に係る車両用表示装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図5】第2実施形態に係る車両用表示装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図6】第3実施形態に係る車両用表示装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図7】第4実施形態に係る車両用表示装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、図1図4を用いて、本発明に係る車両用表示装置の第1実施形態について説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0011】
(全体構成)
図1は、第1実施形態に係る車両用表示装置の概略構成を示す図である。
【0012】
図1に示されるように、車両用表示装置10は、自動運転が可能な車両12に搭載された制御装置14と、表示装置16とを含んで構成されている。車両12には、車両12の自動運転を制御すると共に自動運転と手動運転との切り替えを行う運転制御部18が設けられている。運転制御部18には、一例として、周辺状況取得部、車両走行状態取得部、地図情報記憶部及び入力部(いずれも不図示)が接続されている。運転制御部18は、車両12を自動的に走行させるために、ナビゲーションシステムから得た情報を記憶する地図情報記憶部内のルート情報及び各種センサ(いずれも不図示)から得られる情報に基づいて車両12及びその周辺の状況を判断し、目的地までアクセル量、ブレーキ量及び操舵角等を制御する自動運転制御を行う。すなわち、運転制御部18は、周辺状況取得部によって検出された自車両の周辺の状況に基づいて自車両を制御することで、車両12の自動運転を行う。なお、運転制御部18による自動運転制御は、例えば、特開2008-123197号公報等で公知であるため、詳細な説明を省略する。
【0013】
運転制御部18は、自動運転中に周辺の道路状況や運転者の操作等により自動運転を中止する場合、運転者の運転による手動運転へ切り替えを行う。換言すると、運転の主体が車両12から運転者へと引継ぎ(ハンドオーバ)される。
【0014】
制御装置14は、判定部20と表示制御部22(図3参照)とを有しており、このうち判定部20は、運転制御部18の作動情報より現在の車両12の運転モード(自動運転又は手動運転)と、自動運転から手動運転への移行又は手動運転から自動運転への移行を行うか否かとを判定する。また、表示制御部22は、判定部20の判定結果に基づき、表示装置16による表示を行う。制御装置14の具体的な構成及び作用については、後述する。
【0015】
表示装置16は、表示部23(図3参照)を有しており、判定部20(図3参照)として制御装置14が決定した表示方法(表示の大きさ)で情報を車室内へ向けて表示する。表示装置16の具体的な構成及び作用については、後述する。
【0016】
また、車両用表示装置10は、外部のサーバ24などと携帯電話通信網等のネットワークNを介して通信する。この通信についての具体的な構成及び作用については、後述する。
【0017】
(ハードウェア構成)
図2は、車両用表示装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0018】
図2に示されるように、車両用表示装置10は、CPU(Central Processing Unit)30、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)34、ストレージ36、GPS受信機38、ユーザインタフェイス40、表示装置16及び通信インタフェイス42を有している。各構成は、バス44を介して相互に通信可能に接続されている。
【0019】
CPU30は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU30は、ROM32又はストレージ36からプログラムを読み出し、RAM34を作業領域としてプログラムを実行する。CPU30は、ROM32又はストレージ36に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM32又はストレージ36には、車両12の運転モード(自動運転又は手動運転)の切り替え時に表示装置16に表示する情報の表示範囲の大きさを切り替えるための情報表示プログラムが格納されている。
【0020】
ROM32は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM34は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ36は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0021】
GPS受信機38は、GPS方式に基づく信号を複数の衛星から受信し、信号の到着時間差から、車両12(車両用表示装置10)の位置を特定する。
【0022】
ユーザインタフェイス40は、車両12に搭乗する運転者や他の乗員が車両用表示装置10を使用する際のインタフェイスである。ユーザインタフェイス40は、一例として、運転者によるタッチ操作を可能とするタッチパネルを備えた液晶ディスプレイ、運転者による音声入力を受け付ける音声入力部、及び運転者が押下可能なボタン等の少なくとも一つを含む。
【0023】
表示装置16は、車両12に搭乗する運転を行う運転者に対し情報を表示する。表示装置16は、インストルメントパネルの内部に設けられたヘッドアップディスプレイ(以下、「HUD」という)とされており、インストルメントパネルの図示しない開口部を通してフロントガラス(いずれも不図示)に情報を投影することで、フロントガラスに情報を表示するようになっている。
【0024】
HUDによってフロントガラスに投影される表示内容は、車両前方の実空間の風景に重ねて表示が可能とされている。つまり、フロントガラスに投影される表示内容は、運転者が視認可能となっている。なお、HUDによって投影される情報の一例としては、車両の走行速度、目的地へのナビゲーション画面、天候情報等がある。HUDは、内部に設けられている図示しない反射鏡やレンズ等の角度やピント等を調整することで、フロントガラスの一部の範囲に情報を表示させたり、フロントガラスの略全面の範囲に情報を表示させたりすることが可能とされている。
【0025】
また、表示装置16には、運転者の顔を撮影するカメラ(不図示)が設けられており、このカメラの撮像画像を基にCPU30が運転者の視線方向を検出することができる。
【0026】
通信インタフェイス42は、外部のサーバ24(図1参照)と通信するためのインタフェイスであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0027】
(機能構成)
上記の情報表示プログラムを実行する際に、車両用表示装置10は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。車両用表示装置10が実現する機能構成について説明する。
【0028】
図3は、車両用表示装置10の機能構成の例を示すブロック図である。
【0029】
図3に示されるように、車両用表示装置10は、機能構成として、判定部20、表示制御部22及び表示部23を有している。各機能構成は、CPU30がROM32又はストレージ36(図2参照)に記憶された情報表示プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0030】
判定部20は、運転制御部18(図1参照)から運転状況に関する情報を受信する。この運転状況に関する情報のうち、現在が手動運転中であるか自動運転中であるかの運転モードを判定する。また、近いうちに運転モードの切り替え、すなわち自動運転から手動運転への切り替え又は手動運転から自動運転への切り替えが発生するかを判定する。
【0031】
また、判定部20には、車室内のハンドル及びアクセル又はブレーキ(いずれも不図示)等が図示しない車載ネットワークを介して接続されており、車両12のハンドル及びアクセル又はブレーキの操作が行われたか否かによって運転モードの切り替えが完了したか否かを判定する。
【0032】
表示制御部22は、判定部20により判定された運転モードに応じて表示装置16(図1参照)による情報表示の大きさを決定する。すなわち、表示制御部22は、車両12が手動運転時には情報をフロントガラスにおける運転者の車両前方側に対応する一部の部位に小さく表示させる。この際に、表示制御部22は、検出した運転者の視線方向に対応した位置に情報を表示させる。一方、表示制御部22は、車両12が自動運転時には情報をフロントガラスの略全面の範囲に大きく表示させる。なお、この情報の表示の大小について、本実施形態では、表示する情報量の大小を指しているが、これに限らず、情報の表示そのもののサイズを変更したり、それ以外の大小を指すものとしてもよい。
【0033】
表示部23は、表示制御部22により決定された情報表示の大きさに従って情報の表示を行う。表示部23は、情報の表示をフロントガラスにて車室内の運転者へ向けて行う。
【0034】
(処理フロー)
次に、車両用表示装置10の作用について説明する。図4は、車両用表示装置10による動作の流れを示すフローチャートである。CPU30がROM32又はストレージ36から情報表示プログラムを読み出して、RAM34に展開して実行することにより、運転モードに対応した情報表示の切り替えが行われる。
【0035】
CPU30は、運転制御部18から受信した運転状況に関する情報を解析し、現在、車両12が自動運転中であるか否かを判定する(ステップS100)。
【0036】
車両12が自動運転中である場合(ステップS100:YES)、CPU30は、情報をフロントガラスの略全面の範囲に大きく表示させていると共に、運転制御部18から受信した情報により、近いうちに自動運転から手動運転への切り替えが発生するか否かを判定する(ステップS102)。近いうちに自動運転から手動運転への切り替えが発生しない場合(ステップS102:NO)、CPU30は、ステップS102を繰り返す。近いうちに自動運転から手動運転への切り替えが発生する場合(ステップS102:YES)、CPU30は、手動運転への切り替えが完了したか否かを判定する(ステップS104)。手動運転への切り替えが完了しない場合(ステップS104:NO)、CPU30は、ステップS104を繰り返す。手動運転への切り替えが完了した場合(ステップS104:YES)、CPU30は、表示装置16による情報の表示を縮小させる(ステップS106)。その後、CPU30は、表示装置16により表示された情報を運転者の視線方向へ移動させ(ステップS108)、処理を終了する。
【0037】
一方、車両12が自動運転中ではない場合、すなわち手動運転中である場合(ステップS100:NO)、CPU30は、情報をフロントガラスの一部の範囲に小さく表示させていると共に、運転制御部18から受信した情報により、近いうちに手動運転から自動運転への切り替えが発生するか否かを判定する(ステップS110)。近いうちに手動運転から自動運転への切り替えが発生しない場合(ステップS110:NO)、CPU30は、ステップS110を繰り返す。近いうちに手動運転から自動運転への切り替えが発生する場合(ステップS110:YES)、CPU30は、自動運転への切り替えが完了したか否かを判定する(ステップS112)。自動運転への切り替えが完了しない場合(ステップS112:NO)、CPU30は、ステップS112を繰り返す。自動運転への切り替えが完了した場合(ステップS112:YES)、CPU30は、表示装置16による情報の表示を拡大させ(ステップS114)、その後処理を終了する。
【0038】
(第1実施形態の作用・効果)
次に、第1実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0039】
本実施形態では、図3に示されるように、車両用表示装置10は、判定部20と、表示部23と、表示制御部22とを有している。判定部20は、自動運転が可能な車両12の自動運転と手動運転とを切り替える運転制御部18の作動状態を判定する。したがって、車両12が自動運転中か、手動運転中かを判定することができる。表示部23は、車両12の車室内に設けられていると共に、車室内に向けてフロントガラスに情報の表示を行う。表示制御部22は、車両12が自動運転中であると判定部20が判定した場合に表示部23による情報の表示をフロントガラス上に拡大させる。また、表示制御部22は、車両12が自動運転から手動運転へ切り替わると判定部20が判定した場合に表示部23による表示をフロントガラス上にて縮小させる。したがって、自動運転時には、フロントガラス上に拡大して情報が表示されることから、運転者は広い範囲で車外への視界が遮られる。つまり、運転者は自動運転中に姿勢を変えても、車両前方側への視界が遮られるため、車両周囲の交通状況の監視から開放される。これにより、自動運転中の車両において、運転者がより運転からの開放感を得ることができる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、図5を用いて、本発明の第2実施形態に係る車両用表示装置について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0041】
この第2実施形態に係る車両用表示装置60(図1参照)は、基本的な構成は第1実施形態と同様とされ、表示装置16による情報の表示が徐々に切り替わる点に特徴がある。
【0042】
(機能構成)
すなわち、車両用表示装置60における表示制御部62(図3参照)は、判定部20により判定された運転モードに応じて表示装置16(図1参照)による情報表示の大きさを切り替える。具体的には、表示制御部62は、車両12が手動運転時には情報をフロントガラスにおける運転者の車両前方側に対応する一部の部位に小さく表示させる。一方、表示制御部62は、車両12が自動運転時には情報をフロントガラスの略全面の範囲に表示させる。また、表示制御部62は、近いうちに自動運転から手動運転へ切り替わる場合にフロントガラスの略全面の範囲に表示させた情報を徐々に縮小させた後、検出した運転者の視線方向に対応した位置に情報を表示させる。
【0043】
(処理フロー)
次に、車両用表示装置60(図1参照)の作用について説明する。図5は、車両用表示装置60による動作の流れを示すフローチャートである。CPU30がROM32又はストレージ36から情報表示プログラムを読み出して、RAM34に展開して実行することにより、運転モードに対応した情報表示の切り替えが行われる。
【0044】
ステップS102において手動運転への切り替えが完了した場合、CPU30は、表示装置16による情報の表示を徐々に縮小させる(ステップS130)。その後、CPU30は、表示装置16により表示された情報を運転者の視線方向へ移動させ(ステップS108)、処理を終了する。
【0045】
(第2実施形態の作用・効果)
次に、第2実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0046】
上記構成によっても、表示装置16による情報の表示が徐々に切り替わる点以外は第1実施形態の車両用表示装置10と同様に構成されているので、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、車両用表示装置60は、自動運転から手動運転へ切り替わる際に表示装置16による情報の表示が徐々に切り替わる(縮小される)ことで、自動運転から手動運転へ切り替わることを運転者が直感的に理解することができる。
【0047】
なお、上述した実施形態では、自動運転から手動運転へ切り替わる際に表示装置16による情報の表示が徐々に縮小される構成とされているが、これに限らず、手動運転から自動運転への切り替え時にも、表示装置16による情報の表示が徐々に拡大される構成としてもよい。これにより、運転者へ自動運転に移行したことをスムーズに理解させることができる。
【0048】
(第3実施形態)
次に、図6を用いて、本発明の第3実施形態に係る車両用表示装置について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0049】
この第3実施形態に係る車両用表示装置70(図1参照)は、基本的な構成は第1実施形態と同様とされ、現在地情報を基に情報の表示を制御する点に特徴がある。
【0050】
(機能構成)
すなわち、図3に示されるように、表示制御部72は、判定部20により判定された運転モードに応じて表示装置16(図1参照)による情報表示の大きさを切り替える。具体的には、表示制御部72は、車両12が手動運転時には情報をフロントガラスにおける運転者の車両前方側に対応する一部の部位に小さく表示させる。この際に、表示制御部72は、検出した運転者の視線方向に対応した位置に情報を表示させる。一方、表示制御部72は、車両12が自動運転時には情報をフロントガラスの略全面の範囲に表示させる。
【0051】
また、表示制御部72は、GPS受信機38(図2参照)から現在地情報を取得すると共に、現在地が予めストレージ36(図2参照)や外部のサーバ24(図1参照)に登録されている景観地又はその近傍の地点に該当すると、フロントガラスの略全面の範囲に表示させていた情報を縮小させて小さく表示させる。
【0052】
(処理フロー)
次に、車両用表示装置70の作用について説明する。図6は、車両用表示装置70による動作の流れを示すフローチャートである。CPU30がROM32又はストレージ36から情報表示プログラムを読み出して、RAM34に展開して実行することにより、運転モードに対応した情報表示の切り替えが行われる。
【0053】
CPU30は、運転制御部18(図1参照)から受信した運転状況に関する情報を解析し、現在車両12が自動運転中であるか否かを判定する(ステップS160)。
【0054】
車両12が自動運転中でない場合(ステップS160:NO)、CPU30は処理を終了する。車両12が自動運転中である場合(ステップS160:YES)、CPU30は、GPS受信機38(図2参照)により現在地情報を取得する(ステップS162)。
【0055】
CPU30は、取得した現在地情報に基づき、現在地が予め登録された景観地又は景観地の近くに該当するか判定する(ステップS164)。現在地が景観地又は景観地の近くに該当しない場合(ステップS164:NO)、CPU30は、ステップS160からの処理を繰り返す。現在地が景観地又は景観地の近くに該当する場合(ステップS164:YES)、CPU30は、表示装置16による情報の表示を徐々に縮小させる(ステップS166)。その後、CPU30は、表示装置16により表示された情報を運転者の視線方向へ移動させる(ステップS168)。
【0056】
CPU30は、再度GPS受信機38(図2参照)により現在地情報を取得する(ステップS170)。CPU30は、取得した現在地情報に基づき、現在地が予め登録された景観地又は景観地の近くを通過し離れたか否かを判定する(ステップS172)。現在地が予め登録された景観地又は景観地の近くから離れていない(現在地が景観地又は景観地の近くに該当する)場合(ステップS172:NO)、CPU30は、ステップS170からの処理を繰り返す。現在地が予め登録された景観地又は景観地の近くから離れた場合(ステップS172:YES)、CPU30は、表示装置16による情報の表示を拡大させ(ステップS174)、その後処理を終了する。
【0057】
(第3実施形態の作用・効果)
次に、第3実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0058】
上記構成によっても、現在地情報を基に情報の表示を制御する点以外は第1実施形態の車両用表示装置10と同様に構成されているので、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、車両用表示装置70は、現在地情報を基に情報の表示を制御する。具体的には、自動運転中にフロントガラスの略全面に情報が表示された状態において、車両12が景観地又は景観地の近くを走行すると、フロントガラスに表示された情報が縮小される。したがって、運転者は、自動運転中においても景観地等を走行中に眺めることができるので、車両用表示装置70は乗員に楽しい移動時間を提供することができる。
【0059】
(第4実施形態)
次に、図7を用いて、本発明の第4実施形態に係る車両用表示装置について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0060】
この第4実施形態に係る車両用表示装置80(図1参照)は、基本的な構成は第1実施形態と同様とされ、運転者の操作により情報の表示を制御可能とされている点に特徴がある。
【0061】
(機能構成)
すなわち、図3に示されるように、表示制御部82は、判定部20により判定された運転モードに応じて表示装置16(図1参照)による情報表示の大きさを切り替える。具体的には、表示制御部82は、車両12が手動運転時には情報をフロントガラスにおける運転者の車両前方側に対応する一部の部位に小さく表示させる。この際に、表示制御部82は、検出した運転者の視線方向に対応した位置に情報を表示させる。一方、表示制御部82は、車両12が自動運転時には情報をフロントガラスの略全面の範囲に表示させる。
【0062】
また、表示制御部82は、自動運転中にユーザインタフェイス40(図2参照)を介して運転者から外の景色を見たいという指示を受けると、フロントガラスの略全面の範囲に表示させていた情報を縮小させて小さく表示させる。
【0063】
(処理フロー)
次に、車両用表示装置80の作用について説明する。図7は、車両用表示装置80による動作の流れを示すフローチャートである。CPU30がROM32又はストレージ36から情報表示プログラムを読み出して、RAM34に展開して実行することにより、運転モードに対応した情報表示の切り替えが行われる。
【0064】
CPU30は、運転制御部18(図1参照)から受信した運転状況に関する情報を解析し、現在車両12が自動運転中であるか否かを判定する(ステップS200)。
【0065】
車両12が自動運転中でない場合(ステップS200:NO)、CPU30は処理を終了する。車両12が自動運転中である場合(ステップS200:YES)、CPU30は、ユーザインタフェイス40の図示しないボタン等より運転者から外の景色を見たい旨の指示を受信したか否かを判定する(ステップS202)。運転者から外の景色を見たい旨の指示を受信していない場合(ステップS202:NO)、CPU30は、ステップS202の処理を繰り返す。運転者から外の景色を見たい旨の指示を受信した場合(ステップS202:YES)、CPU30は、表示装置16による情報の表示を縮小させる(ステップS204)。その後、処理を終了する。
【0066】
(第4実施形態の作用・効果)
次に、第4実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0067】
上記構成によっても、運転者の操作により情報の表示を制御可能とされている点以外は第1実施形態の車両用表示装置10と同様に構成されているので、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、車両用表示装置80は、運転者の操作により情報の表示を制御可能とされていることから、自動運転中に渋滞の様子や事故等によって外の様子を知りたい場合に、ユーザインタフェイス40を操作することによりフロントガラスに表示された情報を縮小させて外を見やすくすることができる。これにより、自動運転中においても運転者が望む場合に車両の周囲の状況を運転者が見ることができる。
【0068】
なお、上述した実施形態では、CPU30は、表示装置16による情報の表示を縮小させた後、処理を終了させているが、これに限らず、一定時間経過後に再度情報の表示を拡大させてもよいし、運転者が再度ユーザインタフェイス40を操作することで情報の表示を拡大させてもよい。
【0069】
また、第1~第4実施形態において、車両用表示装置10、60、70、80は、情報をHUDによって表示させる構成とされているが、これに限らず、フロントガラス内に内蔵又は貼り付けられた液晶画面等の表示装置により情報を表示させる構成としてもよいし、それ以外の表示装置により情報を表示させてもよい。さらに、車両用表示装置10、60、70、80は、情報をフロントガラスに表示させているが、これに限らず、サイドウィンドウガラスやリヤウィンドウガラス等その他のガラスを含めて表示させる構成としてもよい。
【0070】
さらにまた、車両用表示装置10、60、70、80は、判定部20により判定された運転モードに応じて表示装置16(図1参照)による情報表示の大きさを決定しているが、これに限らず、外部のサーバ24やセンタ等からの指令を受信することにより、表示装置16(図1参照)による情報表示の大きさを決定(切り替え)する構成としてもよい。
【0071】
また、表示制御部22、62、72、82は、車両12が自動運転時には情報をフロントガラスの略全面の範囲に大きく表示させるが、これに限らず、運転者の車外への視線をある程度遮るものであれば、略全面の範囲に情報を表示させなくてもよい。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0073】
10 車両用表示装置
12 車両
18 運転制御部
20 判定部
22 表示制御部
23 表示部
60 車両用表示装置
62 表示制御部
70 車両用表示装置
72 表示制御部
80 車両用表示装置
82 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7