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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】端末装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20241029BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20241029BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G07G1/12 331A
G07G1/00 311D
G07G1/01 301E
G07G1/12 301E
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023211366
(22)【出願日】2023-12-14
(62)【分割の表示】P 2020217221の分割
【原出願日】2015-02-26
(65)【公開番号】P2024015415
(43)【公開日】2024-02-01
【審査請求日】2023-12-14
(31)【優先権主張番号】P 2014065932
(32)【優先日】2014-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】岩元 浩太
(72)【発明者】
【氏名】井下 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】白石 壮馬
(72)【発明者】
【氏名】山田 寛
(72)【発明者】
【氏名】小林 準
(72)【発明者】
【氏名】村松 英路
(72)【発明者】
【氏名】横井 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】高田 二徳
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-052810(JP,A)
【文献】特開2011-165140(JP,A)
【文献】特開2010-237886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を撮像して画像を生成する撮像手段と、
前記画像と商品画像データベースとを照合する照合手段と、
照合された結果、前記商品を特定できない場合、前記商品の位置に応じた、再照合のための表示を表示手段に出力させる制御手段と、
を備え、前記制御手段は、前記商品の前記画像における上下左右の位置、または、前記撮像手段に対する距離を認識し、前記認識の結果に基づいて、前記表示を出力させる端末装置。
【請求項2】
商品を撮像して画像を生成する撮像手段と、
前記画像と商品画像データベースとを照合する照合手段と、
照合された結果、前記商品を特定できない場合、特定できなかった前記商品の位置に関する情報を含む再照合のための表示を表示手段に出力させる制御手段と、
を備え、前記制御手段は、前記商品の前記画像における上下左右の位置、または、前記撮像手段に対する距離を認識し、前記認識の結果に基づいて、前記表示を出力させる端末装置。
【請求項3】
前記表示は、前記商品を移動させるよう誘導する表示である、請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記表示は、前記撮像手段の撮像可能領域に前記商品の全体が入るように誘導する表示である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記表示は、撮像可能領域における前記撮像手段の焦点範囲に含まれる奥行方向へ誘導する表示である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記表示は、撮像可能領域における上下方向、左右方向、又は、これらを組合せた方向へ誘導する表示である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項7】
前記表示は、前記商品の前記画像における上下左右の位置、または、前記撮像手段に対する距離に応じた色の変化である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の識別技術を用いる装置に関する。または、物体の識別技術を用いるPOS(Point Of Sales)端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、バーコードスキャナ技術を開示する。まず、バーコードスキャナの画像判定部が撮像画像のフレーム内にバーコードの候補となる画像があるか否かを判定する。続いて、デコード処理部がバーコード候補画像の部分的な欠落を検出した場合、撮像画像表示部がバーコード候補画像をバーコードとして撮像できるように案内するためのガイド画像を表示器に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-231436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように、バーコード候補画像の部分的な欠落が検出できない場合、案内するためのガイド画像を表示することができず、物体を迅速に識別できなくなるという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、上記の課題を解決するために、物体を迅速に認識することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様であるPOS端末装置は、物体を撮像して画像を生成する撮像手段と、前記画像を表示する表示手段と、前記画像内に前記物体の少なくとも一部があるか否かを判定する判定手段と、前記画像内に前記物体の少なくとも一部がある場合、前記画像と商品画像データベースとを照合する照合手段と、前記照合された結果、前記物体がどの商品であるかを特定できない場合、前記表示手段に表示されている前記画像が変わるように誘導する表示を表示するように制御する制御手段と、を備える。
【0007】
本発明の一態様である情報処理装置は、撮像された画像内に物体の少なくとも一部があるか否かを判定する判定手段と、前記画像内に前記物体の少なくとも一部がある場合、前記画像と商品画像データベースとを照合する照合手段と、前記照合された結果、前記物体がどの商品であるかを特定できない場合、表示手段に表示されている前記画像が変わるように誘導する表示を、前記表示手段で表示するように制御する制御手段とを備える。
【0008】
本発明の一形態である画像処理方法は、コンピュータが、撮像した画像内に物体の少なくとも一部があるか否かを判定し、前記画像内に前記物体の少なくとも一部がある場合、前記画像と商品画像データベースとを照合し、前記照合された結果、前記物体がどの商品であるかを特定できない場合、表示手段に表示されている前記画像が変わるように誘導する表示を、前記表示手段で表示するように制御する。
【0009】
本発明の一形態であるプログラムは、コンピュータを、撮影した画像内に物体の少なくとも一部があるか否かを判定する判定手段、前記画像内に前記物体の少なくとも一部がある場合、前記画像と商品画像データベースとを照合する照合手段、前記照合された結果、前記物体がどの商品であるかを特定できない場合、表示手段に表示されている前記画像が変わるように誘導する表示を、前記表示手段で表示するように制御する制御手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、物体を迅速に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態にかかるPOS端末装置の概要を示す図である。
図2】第1の実施形態にかかるPOS端末装置の外観を示す側面図である。
図3】第1の実施形態にかかるPOS端末装置の構成を示すブロック図である。
図4】第1の実施形態にかかるPOS端末装置および情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図5A】第1の実施形態にかかる物体と撮像可能領域との位置関係を示す図である。
図5B】表示部に表示される誘導表示を示す図である。
図5C】表示部に表示される誘導表示を示す図である。
図6A】第1の実施形態にかかる物体と撮像可能領域との位置関係を示す図である。
図6B】表示部に表示される誘導表示を示す図である。
図7】第2の実施形態にかかるPOS端末装置の構成を示すブロック図である。
図8】第2の実施形態にかかるPOS端末装置および情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図9】コンピュータによるハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
本発明にかかる第1の実施形態の概要を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の一例であるPOS端末装置1の概要を示す図である。図1に示すように、POS端末装置1は、撮像部10と、表示部20と、情報処理装置50とを備える。情報処理装置50は、判定部30と、制御部40とを備える。
【0013】
撮像部10は、物体を撮像して画像を生成する。表示部20は、撮像部10が生成した画像を表示する。情報処理装置50の判定部30は、撮像部10が生成した画像内に物体の少なくとも一部があるか否かを判定する。情報処理装置50の制御部40は、撮像部10が生成した画像内に物体の一部がある場合、画像内の物体を所定の方向に誘導するための誘導表示を表示部20に表示する。例えば、制御部40の誘導表示は、物体の画像が表示部20の表示画面にすべて表示されるように誘導する誘導表示であってもよく、物体の画像のピントが合う方向に物体を誘導する誘導表示であってもよい。なお、制御部40は、誘導表示を表示部20に表示しつつ、撮像部10が撮像している物体の画像を表示部20に表示するように制御してもよい。
【0014】
本発明の実施形態にかかるPOS端末装置1は、画像内に物体の少なくとも一部がある場合、画像内の物体を所定の方向に誘導するための誘導表示を表示部20に表示する。これにより、迅速に物体を認識することができる。
【0015】
以上は、POS端末装置1が撮像部10と、表示部20と、情報処理装置50とを備える構成の一例であるが、これに限られるものではない。例えば、POS端末装置1が撮像部10と、表示部20とを備え、POS端末装置1の外部に設置された情報処理装置50が判定部30と制御部40とを備え、POS端末装置1と情報処理装置50とが有線や無線で接続される構成でもよい。
【0016】
以下、第1の実施形態の具体例について、図面を用いてより詳細に説明する。図2は、第1の実施形態の1つの具体例であるPOS端末装置100の外観を示す側面図である。また、図3は、第1の実施形態にかかるPOS端末装置100の構成を示すブロック図である。POS端末装置100は、店員用表示部110と、顧客用表示部112と、情報処理装置120と、商品読取装置140と、を備える。図2の店員用表示部110は、店員のための情報を表示し、顧客用表示部112は、顧客のための情報を表示する。
【0017】
店員用表示部110および顧客用表示部112は、タッチパネルディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)を用いることができる。店員用表示部110および顧客用表示部112は、キーボード等の入力装置を備えていてもよい。店員用表示部110は、情報処理装置120の制御によって、店員に必要な情報を表示し、店員の操作を受け付ける。
【0018】
顧客用表示部112は、情報処理装置120の制御によって、顧客に必要な情報を表示する。必要に応じて顧客の操作を受け付けてもよい。
【0019】
情報処理装置120は、店員用表示部110、顧客用表示部112及び商品読取装置140の動作を制御する。また、情報処理装置120は、店員用表示部110によって受け付けられた操作に応じて必要な処理をする。また、情報処理装置120は、商品読取装置140によって読み取られた画像情報に応じて、画像処理等の必要な処理をする。
【0020】
商品読取装置140は、筐体142と、撮像部130とを有する。筐体142の一部には、光透過性がある商品読取面144が設けられている。商品読取面144は、店員の作業のために筐体142の店員側の面に設けられ、物体を撮像させるときに、その物体が向けられる。撮像部130は、筐体142の内部に設けられている。店員が顧客から受け取った物体を商品読取面144に向けると、撮像部130が物体の画像を読み取る。これにより、POS端末装置100は、物体の認識処理をする。
【0021】
撮像部130が物体を撮像できる範囲(以下、撮像可能範囲と示す)は、撮像部130のレンズの画角および焦点などの光学特性に依存する。撮像可能領域Aは、画角等によりレンズを通して撮像部130に写り込む画角範囲と、焦点を合わせたときに鮮明な像が得られる焦点範囲で構成される。このため、図2のPOS端末装置100における撮像可能領域は、一点鎖線で囲まれた撮像可能領域Aのように示される。図2において、画角範囲のうち上下方向は、撮像部130から商品読取面144を経て広がる鎖線で示される。図2上、画角範囲の左右方向は示されない。なお上下方向、左右方向は、撮像部130の位置を起点としている。焦点範囲は、撮像部130から商品読取面144への奥行方向の範囲となる。このとき図2に示されない画角範囲の左右方向は、当該上下方向と当該奥行方向に垂直な方向となる。
【0022】
撮像部130については、以下に詳述する。撮像部130は、少なくとも以下の3通りの形態をとることができる。第1の場合、撮像部130は、2次元の画像を撮像する2次元画像撮像部と、商品までの距離を計測する距離センサと、距離画像生成部と、を備える。2次元画像撮像部は、商品読取面144に向けられた物体を撮像して、その物体の画像を含む2次元のカラー画像又は2次元のモノクロ画像を生成する。
【0023】
距離センサは例えばTOF(Time Of Flight)方式で、距離センサから商品読取面144に向けられた物体の位置までの距離を計測する。つまり、距離センサは、赤外線等の光線を照射し、照射された光線が物体まで往復するのにかかる時間から距離を計測する。距離画像生成部は、物体の各位置で距離を計測し、2次元画像を重ね合わせて距離画像(3次元画像)を生成する。第1の場合、撮像部130は、商品までの距離が所定範囲(例えば15cm~30cm)内にある物体を撮像することができる。
【0024】
第2の場合、撮像部130は、2次元の画像を撮像する2次元画像撮像部を1個、備える。第2の場合、撮像部130があらかじめ撮像しておいた背景画像と、物体を含む画像との差分をとって物体の画像を取得することができる。
【0025】
第3の場合、撮像部130は、2次元の画像を撮像する2次元画像撮像部を複数個と、距離画像生成部と、を備える。距離画像生成部は、複数の撮像部間の視野の違いにより距離画像(3次元画像)を生成することができる。
【0026】
判定部122は、画像内に物体の少なくとも一部があるか否かを判定する。この処理は、例えば、制御部124の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。具体的には、記憶部(図示せず)に格納されたプログラムを実行して実現する。
【0027】
図4は、POS端末装置100、および、情報処理装置120の動作を示すフローチャートである。図4において、ステップS100~S300は、POS端末装置100の動作を示すフローチャーチであり、その一部であるステップS200~S300は、情報処理装置120の動作を示すフローチャートである。
【0028】
POS端末装置100の撮像部130は物体を撮像して画像を生成する(S100)。次に、情報処理装置120の判定部122は、画像内に物体の少なくとも一部があるか否かを判定する(S200)。具体的には、画像が距離情報を含む距離画像の場合、撮像可能領域Aである、所定の上下方向の範囲、左右方向の範囲および奥行方向内の範囲内に、物体の少なくとも一部があるか否かを判定する。また、画像が距離情報を含まない、通常の2次元画像の場合、撮像可能領域Aである所定の上下方向の範囲及び左右方向の範囲内に物体の少なくとも一部があるか否かを判定する。
【0029】
次に、画像内に物体の少なくとも一部がない場合(S200でNO)、ステップS100に戻り、撮像部130は再び物体を撮像する。
【0030】
次に、画像内に物体の少なくとも一部がある場合(S200でYES)、制御部124は、画像内の物体を所定の方向に誘導するための誘導表示を店員用表示部110に表示する(S300)。一例として、制御部124は、撮像可能領域Aに物体の全体が入るように誘導する誘導表示を表示するように制御する。物体の全体が入るように誘導する誘導表示を表示することにより、店員は誘導表示に従って物体を動かす。その結果、物体の全体が撮像部130により撮像されるため、商品画像のデータベースとの画像マッチングを迅速に行うことができる。
【0031】
図5Aは、物体131と、図2のPOS端末装置100の撮像部130における撮像可能領域Aとの位置関係の一例を示す図である。図5Aにおける撮像可能領域Aは、撮像部130から物体側の方向に設定された領域である。図5Aは、物体131の一部が撮像部130の撮像可能領域Aに含まれる状態を示している。図5Aで、物体を丸で示しているが、具体例としては、トマトやリンゴのような生鮮食品、又は、パッケージされたお菓子である。なお、物体は、丸形以外の形状でも適用可能である。図5Aでは、物体131は、撮像部130側から見て一部が撮像可能領域Aの右上側に存在する。
【0032】
図5Bは、図3又は図4の店員用表示部110に表示される誘導表示111の一例を示す図である。撮像部130(図4)が撮像した画像内に物体131の少なくとも一部がある場合、制御部124(図4)は、画像処理することにより、画像のどの部分に物体131の一部があるかを認識する。
【0033】
撮像部130で撮影される画像は、上下方向および左右方向に区切られた画素で構成される。そして、制御部124は、どの画素に物体があるかを認識する。さらに、制御部124は、撮像可能領域Aに物体131の全体が入るように誘導する方向を決定する。誘導する方向は、制御部124が、物体が撮像された画素位置から、全体画像の略中心の画素位置までの方向を計算して決定する。この際、撮像部130が撮像する物体の画像の位置と、店員が作業位置から見る物体の位置は、左右対称となる。制御部124はこの点を考慮して誘導する方向に対応した誘導表示111を店員用表示部110に表示する。
【0034】
また、図5Cに示すように、制御部124は、撮像した物体の画像114を、誘導表示111とともに、店員用表示部110に表示してもよい。撮像した物体の画像114を店員用表示部110に表示する場合も、撮像部130が撮像する物体の画像の位置と、店員が作業位置から見る物体の位置が左右対称となる。このため、制御部124は、画像の中心を境に左右を反転させた画像を店員用表示部110に表示する。店員は、物体がある位置と、誘導表示とを店員用表示部110で確認することができるため、物体全体を撮像できるように、物体を移動することができる。その結果、物体の全体が撮像部130により撮像されるため、商品画像のデータベースとの画像マッチングを迅速に行うことができる。
【0035】
図5A~Cに示すような矢印による誘導表示の他に、制御部124は、物体131の移動に伴い店員用表示部110に表示する色を変化させてもよい。例えば、撮像可能領域Aに物体の全てが入っている場合は緑色、物体の半分以上が入っている場合は黄色、物体の半分未満が入っている場合は赤色を表示させてもよい。
【0036】
図6Aは、第1の実施形態にかかる物体と撮像可能領域Aとの位置関係を示す図である。POS端末装置の一部である商品読取装置140内に設置された撮像部130は、商品読取面144を介して物体131を撮像する。図6Aに示すように、物体131は、撮像可能領域Aに一部が入っており、撮像可能領域Aより撮像部130に近い方に位置している。
【0037】
この場合、制御部124(図4)は、撮像可能領域Aより撮像部130に近い方に位置していることを、撮像部130が上述した第1の場合と第2の場合に物体までの距離を取得できることに基づいて判断する。制御部124は、取得した距離の情報から、画像の奥行方向のどの部分に物体131の一部があるかを認識する。続いて、制御部124は、画像内の物体を所定の方向に誘導するための誘導表示を店員用表示部110に表示する。望ましい例として、物体の全体が撮像可能領域Aに入るように、誘導表示を店員用表示部110に表示する。
【0038】
図6Bは、店員用表示部110に表示される誘導表示を示す図である。図6Aに示すように、物体を撮像部130に対して奥行方向に動かす必要がある場合、制御部124は、誘導表示113として、「商品を商品読取面から遠ざけてください。」との文字を表示する。別の誘導表示として、制御部124は、物体131と商品読取面144との距離が近づきすぎる場合、赤色を表示し、物体と商品読取面144との距離が遠すぎる場合、緑色を表示する。
【0039】
以上、POS端末装置100が、撮像部130と、店員用表示部110と、判定部122と、制御部124とを備える構成について説明したが本実施形態は上記の例に限られるものではない。例えば、POS端末装置100が撮像部130と、店員用表示部110とを備え、POS端末装置100の外部に設置された情報処理装置120が判定部122と制御部124とを備え、POS端末装置100と情報処理装置120とが有線や無線で接続される構成でもよい。
【0040】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態においては、情報処理装置120が、記憶部126と、照合部128とを備える点が第1の実施形態と異なる。なお、第1の実施形態と実質的に同様の構成部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0041】
図7は、第2の実施形態にかかるPOS端末装置100の構成を示すブロック図である。第2の実施形態のPOS端末装置100は、図3の場合に加えて、記憶部126と、照合部128とを備える。記憶部126は、商品画像のデータベースを記憶している。ここで、商品画像のデータベースは、各商品の商品画像の特徴である形状、色の情報である。照合部128は、撮像部130が撮像した画像と、商品画像のデータベースの商品画像の特徴を照合することにより、撮像した画像が、どの商品であるかを特定する。
【0042】
判定部122、照合部128は、例えば、制御部124の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。具体的には、記憶部126に格納されたプログラムを実行して実現する。なお、上記説明では、商品画像のデータベースは記憶部126で記憶されているが、これに限られるものではない。POS端末装置100の外部に設置された記憶装置(図示せず)に商品画像のデータベースが保存されてもよい。その場合、照合部128は、記憶装置から商品画像の特徴を取得して撮像部130が撮像した画像と照合することになる。
【0043】
図8は、POS端末装置100、又は、情報処理装置120の動作示すフローチャートである。図8において、図4において、ステップS100~S300は、POS端末装置100の動作を示すフローチャーチであり、その一部であるステップS200~S230は、情報処理装置120の動作を示すフローチャートである。
【0044】
POS端末装置100の撮像部130は物体を撮像して画像を生成する(S100)。次に、情報処理装置120の判定部122は、画像内に物体の少なくとも一部があるか否かを判定する(S200)。具体的には、画像が距離情報を含む距離画像の場合、撮像可能領域Aである、所定の上下方向の範囲、左右方向の範囲および奥行方向内の範囲内に、物体の少なくとも一部があるか否かを判定する。また、画像が距離情報を含まない、通常の2次元画像の場合、撮像可能領域Aである所定の上下方向の範囲及び左右方向の範囲内に物体の少なくとも一部があるか否かを判定する。
【0045】
次に、画像内に物体の少なくとも一部がない場合(S200でNO)、S100に戻り、撮像部130は再び物体を撮像する。
【0046】
なお、判定部122はS200でNOの処理を行わないこと、としてもよい。これは、次のステップの画像照合により商品が特定できる可能性があるためである。
【0047】
次に、画像内に物体の少なくとも一部がある場合(S200でYES)、照合部128は、撮像した画像と、記憶部126に記憶された商品画像データベースとを照合する。照合部128は、照合することにより撮像した画像がどの商品であるかを特定した場合、制御部124は、特定された商品として決済処理に進む(S300)。照合部128は、照合した結果、どの商品であるかを特定できない場合、制御部124は店員用表示部110に誘導表示を表示する(S230)。誘導表示は、図5B又はC、図6Bで示した表示と同様である。
【0048】
以上、POS端末装置1が撮像部130と、店員用表示部110と、判定部122と、照合部128と、制御部124とを備える場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、POS端末装置100が撮像部130と、店員用表示部110とを備え、POS端末装置100の外部に設置された情報処理装置120が判定部122と制御部124と照合部128を備え、POS端末装置100と情報処理装置120とが有線や無線で接続される構成でもよい。
【0049】
前述した情報処理装置50、120の少なくとも一部は、プログラム(ソフトウェアプログラム,コンピュータプログラム)が図9に示すコンピュータ900のCPU910において実行されることにより実現されてもよい。具体的には、図1の判定部30、制御部40、図3図7の判定部122、制御部124、図7の照合部128の構成要素とするプログラムを実行することにより実現できる。これらの構成要素は、CPU(Central Processing Unit)910がROM(Read Only Memory)930あるいはハードディスクドライブ940からプログラムを読み込み、読み込んだプログラムを、例えば図4図8に示したフローチャートの手順の如くCPU910、及び、RAM(Random Access Memory)920を用いて実行することにより実現されてもよい。そして、このような場合において、上述した実施形態を例に説明した本発明は、係るコンピュータプログラムを表すコードあるいはそのコンピュータプログラムを表すコードが格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体によって構成されると捉えることができる。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えばハードディスクドライブ940や、不図示の着脱可能な磁気ディスク媒体,光学ディスク媒体やメモリカードなどである。なお、図1の判定部30、制御部40、図3図7の判定部122、制御部124、図7の照合部128は、集積回路による専用のハードウェアであってもよい。
【0050】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0051】
この出願は、2014年3月27日に出願された日本出願特願2014-065932を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0052】
1 POS端末装置
10 撮像部
20 表示部
30 判定部
40 制御部
50 情報処理装置
100 POS端末装置
110 店員用表示部
111 誘導表示
112 顧客用表示部
113 誘導表示
114 物体の画像
120 情報処理装置
122 判定部
124 制御部
128 照合部
130 撮像部
131 物体
140 商品読取装置
142 筐体
144 商品読取面
900 コンピュータ
910 CPU
920 RAM
930 ROM
940 ハードディスクドライブ
950 通信インターフェース
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8
図9