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特許7578184運転者照合システム、運転者照合方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】運転者照合システム、運転者照合方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20241029BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241029BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20241029BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20241029BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023508245
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(86)【国際出願番号】 JP2021012146
(87)【国際公開番号】W WO2022201345
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】徳永 昌也
(72)【発明者】
【氏名】菅原 千里
(72)【発明者】
【氏名】十文字 奈々
(72)【発明者】
【氏名】木村 洋介
(72)【発明者】
【氏名】高見 徹
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-178684(JP,A)
【文献】国際公開第2019/058460(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0158114(US,A1)
【文献】特開2013-095291(JP,A)
【文献】特開2020-135311(JP,A)
【文献】特開2018-136921(JP,A)
【文献】特開2015-071319(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0086397(US,A1)
【文献】米国特許第09760702(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両における運転者の顔情報を用いた顔認証で前記運転者を特定する識別処理手段と、
顔認証で運転者が特定されなかった場合、前記車両における前記運転者の運転に関する運転特徴を取得する運転者特徴取得手段と、
取得した前記運転特徴を、過去の運転者の前記運転特徴と照合して、前記過去の運転者から運転者候補を抽出する抽出処理手段と、
顔認証で運転者が特定された場合であって、特定された運転者が、前記車両の予約情報に含まれる予約者及び予約者に代わり運転する可能性がある人物のいずれとも異なる場合、前記車両における前記運転者が、前記予約者と異なる旨のアラートを通知する出力処理手段と
を備える運転者照合システム。
【請求項2】
前記出力処理手段は、特定された前記運転者又は抽出された運転者候補と、前記車両の予約情報に含まれる予約者と比較して、比較結果を通知する請求項1に記載の運転者照合システム。
【請求項3】
前記出力処理手段は、特定された前記運転者又は抽出された運転者候補と、前記車両の予約情報に含まれる予約者及び車両に同乗する人物とを比較して、比較結果を通知する請求項1に記載の運転者照合システム。
【請求項4】
前記出力処理手段は、前記顔認証において前記運転者が特定されなかった場合に、抽出された前記運転者候補を、前記予約者と比較する請求項2に記載の運転者照合システム。
【請求項5】
前記出力処理手段は、特定された前記運転者および抽出された前記運転者候補を、前記予約者と比較する際に、特定された前記運転者を優先する請求項2に記載の運転者照合システム。
【請求項6】
車両における運転者の顔情報を用いた顔認証で前記運転者を特定し、
顔認証で運転者が特定されなかった場合、前記車両における前記運転者の運転に関する運転特徴を取得し、
取得した前記運転特徴を、過去の運転者の前記運転特徴と照合して、前記過去の運転者から運転者候補を抽出し、
顔認証で運転者が特定された場合であって、特定された運転者が、前記車両の予約情報に含まれる予約者及び予約者に代わり運転する可能性がある人物のいずれとも異なる場合、前記車両における前記運転者が、前記予約者と異なる旨のアラートを通知する運転者照合方法。
【請求項7】
車両における運転者の顔情報を用いた顔認証で前記運転者を特定し、
顔認証で運転者が特定されなかった場合、前記車両における前記運転者の運転に関する運転特徴を取得し、
取得した前記運転特徴を、過去の運転者の前記運転特徴と照合して、前記過去の運転者から運転者候補を抽出し、
顔認証で運転者が特定された場合であって、特定された運転者が、前記車両の予約情報に含まれる予約者及び予約者に代わり運転する可能性がある人物のいずれとも異なる場合、前記車両における前記運転者が、前記予約者と異なる旨のアラートを通知することをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の運転者を照合する運転者照合システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
カーシェアリングやレンタカーなどの車両の貸出において、車両を予約した予約者が貸し出した車両を使用しているか確認することは、車両の転用、盗難及び犯罪利用の防止につながる。あるいは、社用車のように、事業者が管理する車両について、所定の運転者が使用しているか確認することで、これらの車両の適正な利用を図ることができる。
【0003】
特許文献1、2には、車内の運転者を撮影して得た顔画像を用いて顔認証により車両のドライバーを識別する技術が開示されている。特許文献4には、生体認証の結果と生体認証以外の認証情報を照合して個人認証する技術が開示されている。特許文献3には、GPSデータに基づいて運転者を認証する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-149708号公報
【文献】特開2020-095694号公報
【文献】特開2019-006368号公報
【文献】特開2005-202730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、顔認証は認証エラーが起こる可能性がある。特許文献1、2、4で開示された技術は、顔認証等が失敗すると、特許文献3では、GPSデータが取得できないと車両を使用している運転者を特定できなくなる。
【0006】
本開示の目的の1つは、車両の運転者の候補を適切に抽出できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の運転者照合システムの一態様は、運転者照合システムは、車両における運転者の運転に関する運転特徴を取得する運転者特徴取得部と、取得した前記運転特徴を、過去の運転者の前記運転特徴と照合して前記過去の運転者から運転者候補を抽出する抽出処理部を備える。
【0008】
本開示の情報管理方法の一態様は、車両における運転者の運転に関する運転特徴を取得し、取得した前記運転特徴を、過去の運転者の前記運転特徴と照合して前記過去の運転者から運転者候補を抽出する。
【0009】
本開示の記憶媒体が記憶するプログラムの一態様は、車両における運転者の運転に関する運転特徴を取得し、取得した前記運転特徴を、過去の運転者の前記運転特徴と照合して前記過去の運転者から運転者候補を抽出することをコンピュータに実行させる。
【0010】
プログラムは、コンピュータが読み書き可能な非一時的な記憶媒体に格納されていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、車両の運転者の候補を適切に抽出できる。
することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る管理システムの概要を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る車両システムの構成の例を示すブロック図である。
図3】顔情報と運転特徴を含む運転者特徴の例を示す図である。
図4】運転者特徴DBに記憶される情報の例を示す図である。
図5】運転者特徴DBに記憶される運転者特徴の例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る運転者照合システムの構成を示すブロック図である。
図7】照合DBに記憶される情報の例である。
図8】第1の実施形態に係る車両システムの動作の例を示すフローチャートである。
図9】第1の実施形態に係る運転者照合システムの動作の例を示すフローチャートである。
図10】車両の運転者と車両の予約者との比較結果である通知例を示す図である。
図11】運転者候補の表示画面の例を示す図である。
図12】第1の実施形態に係る運転者照合システムの動作の変形例を示すフローチャートである。
図13】車両の運転者および運転者候補と、車両の予約者との比較結果である通知例を示す図である。
図14】第2の実施形態に係る管理システムの例の概要を示す図である。
図15】第2の実施形態に係る車両システムの構成の例を示すブロック図である。
図16】第2の実施形態に係る車両システムの動作の例を示すフローチャートである。
図17】第2の実施形態に係る運転者特徴システムの構成の例を示すブロック図である。
図18】第2の実施形態に係る運転者特徴システムの動作の例を示すフローチャートである。
図19】第3の実施形態に係る運転者照合システムの構成を示すブロック図である。
図20】第3の実施形態に係る運転者照合システムの動作の例を示すフローチャートである。
図21】コンピュータのハードウエア構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の実施形態に係る運転者照合システムについて、車両の予約管理に適用した例を用いて説明する。具体的には、運転者照合システムは、車両における運転者の顔情報と、当該運転者による車両の運転特徴を用いて、車両の運転者が車両の予約者であるか照合する。以下の実施形態の説明は例示であり、これに限られるものではない。
【0014】
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る管理システムについて、図面を用いて説明する。図1は、第1の実施形態に係る管理システムの概要を示す図である。図1に示す管理システムは、車両システム10、運転者特徴DB20、運転者照合システム30、照合DB40を備える。
【0015】
運転者照合システム30は、ネットワーク50を介して車両システム10、運転者特徴DB20、照合DB40と通信可能に接続される。以下、車両システム10、運転者特徴DB20、運転者照合システム30、照合DB40を備える。
【0016】
(車両システム10)
車両システム10は、自動車などの車両に設けられ、車両に設置された各種センサのセンサデータに基づき、運転者の顔情報と運転特徴を生成する。生成された顔情報、運転特徴は、運転者照合システム30において車両の運転者が当該車両の予約者であるか確認するために利用される。なお、車両としては、自動車(自動四輪車)の他、自動二輪車(三輪含む)や自転車等を含んでもよい。
【0017】
顔情報は、例えば、車両における運転者の顔画像、又は、顔特徴である。運転特徴は、運転者の運転に関する特徴である。顔画像とは、顔の一部または全部を含む画像である。顔特徴は顔の特徴を示す任意のデータである。運転特徴は、車両における運転前(走行前)の特徴、車両における運転中(走行中)の特徴、又は車両における運転後(走行後)の特徴であってもよい。
【0018】
運転特徴には、例えば、車両の運転席における運転者の特徴を示す人特徴、運転者による車両設定の特徴を示す設定特徴、又は、運転者による車両走行の特徴を示す走行特徴が含まれる。人特徴は、車両における運転者の行動の習慣、習性であってもよい。例えば、運転者のハンドルを握る手の位置などである。なお、運転特徴は、車両における運転者を識別できる特徴であれば、人特徴、設定特徴、又は、走行特徴に限られない。
【0019】
車両システムの構成について図面を用いて説明する。図2は、車両システム10の構成の例を示すブロック図である。図2に示す車両システム10は、車両センサ110、運転者特徴生成部120、通信部(図示せず)を備える。
【0020】
車両センサ110は、車両における運転者の運転に関するセンサデータを生成する。車両センサ110は、例えば、人センサ111、設定センサ112、又は、走行センサ113である。なお、車両センサ110は、上記3種のセンサに限られない。人センサ111は、車両における運転者に関するセンサである。人センサは、例えば、運転者の容貌を撮影するカメラ、運転者の声を収音するマイク、運転者の重量を計測する圧力センサ、重量センサなどである。なお、人センサは、カメラ、マイク等に限られない。
【0021】
設定センサ112は、車両における各種設定を検出するセンサである。設定センサは、例えば、バックミラ、ドアミラーの位置設定、座席の位置設定、エアコンの温度設定、窓開閉の位置設定、カーオーディオの音量設定を検出する。しかし設定センサが検出する対象はこれらに限られない。
【0022】
走行センサ113は、例えば、加速度センサ、ステアリングの操舵角を測る舵角センサ、操舵力を検出するトルクセンサ、アクセルの開度を検知するアクセル位置センサなどがあるがこれらに限られない。車両センサ110は、各センサからのセンサデータを運転者特徴生成部120に送る。
【0023】
運転者特徴生成部120は、車両センサ110のセンサデータに基づき、運転者の顔情報、車両における運転者の運転に関する特徴(以下、運転特徴を称す)を生成する。顔情報、運転特徴は運転者特徴とも呼ばれる。
【0024】
次に、運転者特徴生成部120は、人特徴生成部121、設定特徴生成部122、走行特徴生成部123を備える。人特徴生成部121は、人センサ111のセンサデータに基づき、車両における運転者の顔情報と、車両における運転者の人特徴を生成する。
【0025】
例えば、顔情報の場合、人特徴生成部121は、車両における運転者を撮影した撮影データに対して画像処理を行うことで顔画像を生成する。人特徴生成部121は、生成した顔画像から顔の特徴量を抽出して顔特徴を生成してもよい。
【0026】
また、例えば、人特徴の場合、人特徴生成部121は、車両に設置された定点カメラで撮影した撮影画像内の運転者の顔の位置、又は、運転姿勢を取得する。人特徴は、センサから得られる車両における運転者の音声特徴、又は、体重などであってもよい。音声特徴は、例えば、音声の周波数、音圧などである。
【0027】
設定特徴生成部122は、設定センサ112のセンサデータに基づき、車両の設定特徴を生成する。設定特徴は、運転者による車両の設定に関する特徴である。例えば、設定特徴生成部122は、運転者が設定したバックミラ、又は、ドアミラーの位置、座席の位置の情報を生成する。位置の情報は、例えば、任意の基準位置からの移動量として生成される。なお、設定特徴は、これに限られない。
【0028】
走行特徴生成部123は、車両センサ110のセンサデータに基づき、走行特徴を生成する。走行特徴は、運転者による車両走行に関する特徴である。走行特徴生成部123は、例えば、アクセル位置センサのセンサデータに基づきアクセルペダルの緩急に関する走行特徴を生成する。走行特徴は、これに限られない。例えば、走行特徴生成部123は、ステアリングセンサのセンサデータに基づく曲がり方などの操作特徴を走行特徴として生成してもよい。また走行特徴生成部123は、加速度センサ、地図情報、位置情報に基づく走行ルート、時計による走行時間帯を走行特徴として生成してもよい。なお、走行ルートは、ナビゲーションシステムにおいて設定された走行ルートを用いてもよい。
【0029】
図3は、顔情報と運転特徴を含む運転者特徴の例を示す図である。図中、車両IDは車両の識別子である。運転者特徴生成部120で生成された顔情報、又は、運転特徴は車両IDと日時と関連付けされ、記憶部(図示せず)に記憶される。日時は、例えば、車両IDを、顔特徴、運転特徴と関連付けた日付と時間を示す。
【0030】
運転者特徴生成部120は、顔情報又は運転特徴と車両IDを関連付けた運転者特徴を、通信部(図示せず)を介して運転者特徴DB20に送る。例えば、運転特徴のうち人特徴、設定特徴、走行特徴の少なくとも1つが車両ID顔情報と関連付けされていてもよい。あるいは、運転特徴が含まれない例があってもよい。顔情報と運転特徴の関連付けの例は、これに限られない。
【0031】
(運転者特徴DB20)
図4は、運転者特徴DB20に記憶される情報の例を示す図である。運転者特徴DB20は、各車両の車両システム10から送信された運転者特徴201を記憶する。運転者特徴DB20には、過去に各車両が送信した、顔情報、運転特徴を含む運転者特徴201が記憶される。運転者特徴DB20は、例えば、通信機能を有する記憶装置である。運転者特徴DB20は、コンピュータで構成されてもよい。なお、運転者特徴DB20は、照合DB40と統合されてもよい。
【0032】
図5は、運転者特徴DBに記憶される運転者特徴の例を示す図である。図5に示す運転者特徴201では、車両ID、日時、車両を運転する運転者の顔情報、当該運転者の運転特徴が関連付けされている。運転者特徴DBには、個人を特定可能な情報が含まれてもよい。例えば、顔情報、運転特徴と関連付けされて送信された運転者の運転免許証、個人番号カード、ICカードの情報が含まれてもよい。図5に示す運転者特徴201の項目は例示であり、これらに限られない。
【0033】
(運転者照合システム30)
以下、運転者照合システム30について図面を用いて説明する。図6は、第1の実施形態に係る運転者照合システム30の構成の例を示すブロック図である。図6に示す運転者照合システム30は、識別処理部301、抽出処理部302、出力処理部303、通信部(図示せず)を備える。運転者照合システム30は、例えば、ソフトウエアによって各種機能を実行するコンピュータである。なお、運転者照合システム30は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0034】
(識別処理部301)
識別処理部301は、車両システム10から送信された、車両における運転者の顔情報を照合DB40に記憶された顔情報と照合する。図7は、照合DB40に記憶される情報の例である。照合DB40は、顔情報401、予約情報402を記憶する。顔情報401は、予め登録された運転者の顔情報である。顔情報は、顔画像又は顔特徴である。予約情報402は、車両を運転することが予定されている予約者に関する情報である。なお、レンタカー等の場合、予約者は、予約する際に登録された、車両の利用者である。また、社用車のように、事業者が管理する車両の場合、予約者は、事業者によって予め定められた運転者である。この場合、予約情報は、例えば事業者により設定されたスケジュール情報などに基づいて作成されてもよい(明示の予約操作を伴わなくてもよい)。予約情報402は、例えば、予約者氏名、予約車両の車両ID、車両の貸出日時などを含む。予約情報402には、予約者と車両に同乗し、予約者に代わり運転する可能性がある人物の情報を、運転者を照合する対象として含めてもよい。運転する可能性がある人物は、例えば、予約者の家族、友人、同僚などである。
【0035】
識別処理部301は、顔情報の照合結果を通信部(図示せず)を介して車両システム10に送る。あるいは、出力処理部303に送る。車両システム10に送信する照合結果は、例えば、顔認証が成功した場合、運転者の顔情報に紐づく個人IDでもよい。あるいは、顔認証が失敗した場合、送信する照合結果は、「顔認証失敗」でもよい。「失敗」とは、顔認証で運転者が特定されなかったことを示す。
【0036】
なお、運転者照合システム30は、車両システム10以外に、運転者特徴DB20を介して車両の運転者の顔情報を受付けてもよい。
【0037】
(抽出処理部302)
運転者照合システム30は、車両システム10から車両における運転者の運転に関する運転特徴を受付ける。抽出処理部302は、運転者の運転特徴を取得し、取得した運転者の運転特徴を、運転者特徴DB20の運転者特徴201に含まれる過去の運転特徴と照合する。過去の運転特徴は、人特徴、設定特徴、走行特徴の少なくとも1つを含む。抽出処理部302は、過去の運転者の運転特徴の中から、取得した運転特徴と同一又は類似した運転者である運転者候補を抽出する。
【0038】
抽出される運転者候補に関する情報は、例えば、運転特徴に紐づいた運転者の顔情報である。あるいは、運転者特徴DB20の過去の運転特徴に対して、個人を特定できる個人IDが紐づいている場合は、その個人IDを運転者候補の情報として抽出してもよい。個人IDは、例えば、運転免許証番号、個人番号、会員番号などである。抽出処理部302は、抽出した運転者候補に関する情報を抽出結果として出力処理部303に送る。抽出処理部302が運転者候補を抽出できなかった場合、抽出結果は、「運転者候補なし」となる。
【0039】
なお、運転者照合システム30は、車両システム10以外に、運転者特徴DB20を介して車両の運転者の運転特徴を受付けてもよい。
【0040】
(出力処理部303)
識別処理部301で運転者の顔認証が失敗すると、出力処理部303は、顔認証失敗のアラートを通知する。出力処理部303は、例えば、車両の管理者(レンタカー業者、社用車等の運用担当者)へ通知する。なお、通知先は、これらに限られず、車両の運転者本人、予約者に通知してもよい。一方、識別処理部301で運転者の顔認証が成功すると、出力処理部303は、顔認証によって特定された運転者の情報を照合DB40に記憶された予約情報と比較する。
【0041】
具体的には、顔認証で特定された運転者が、予約情報に含まれる予約者であるか比較する。予約者には、予約情報を登録する際に予約者から申請された車両を運転する可能性のある友人、家族、又は同僚等を含んでもよい。
【0042】
比較の結果、顔認証で特定された運転者が、予約情報に含まれる予約者と異なる場合、出力処理部303は、予約者と異なる旨のアラートを通知する。予約者と同じ場合、出力処理部303は通知をしない。
【0043】
なお、上記では、識別処理部301で顔認証を失敗した後に抽出処理部302で運転特徴に基づき運転者候補を抽出する例で説明したが、これに限られない。例えば、顔認証の成否によらず、運転特徴を使用して運転者候補を抽出しておき、出力処理部303は、顔認証で特定された運転者、および、運転特徴に基づく運転者候補を、予約情報の予約者と比較してもよい。
車両において、認証媒体を読み取って運転者の識別情報を取得してもよい。認証媒体は、ICカードの他、携帯端末であってもよい。なお、識別処理部301は、顔認証に代えて、又は、顔認証と組み合わせて、認証媒体から取得した識別情報に基づいて運転者を特定してもよい。
【0044】
次に、第1の実施形態に係る車両システム10の動作について図面を用いて説明する。図8は、第1の実施形態に係る車両システム10の動作の例を示すフローチャートである。以下、車両システム10が、車両を運転する運転者の顔情報、運転特徴を生成し、生成した顔特徴、運転特徴を運転者照合システム30に送信する例について説明する。
【0045】
運転者が乗車すると、車両センサ110はセンサデータの収集を開始する。例えば、運転者が座席に座ったことが検出された場合に、車両センサ110は、センサデータの収集を開始してもよい。車両センサ110は、人センサ111、設定センサ112、走行センサ113である。車両センサ110は、各種センサデータを取得し(ステップS101)、運転者特徴生成部120に取得したセンサデータを送る。各種センサデータの取得は、車両が走行する前でもよく、走行中であってもよい。例えば、車両内に設置されたカメラは運転者を撮影し、撮影データを運転者特徴生成部120に送る。
【0046】
運転者特徴生成部120は、センサデータに基づき、顔情報、運転特徴を生成する。例えば、運転者特徴生成部120の人特徴生成部121は、人センサ111のセンサデータに基づき、運転者の顔情報を生成する(ステップS102)。具体的には、人特徴生成部121は、カメラの撮影データに基づいて、運転者の顔画像を生成する。
【0047】
また、運転者特徴生成部120は、車両センサ110のセンサデータに基づき、運転者の運転に関する運転特徴を生成する(ステップS103)。例えば、運転者特徴生成部120の人特徴生成部121は人特徴を生成する。人特徴は、例えば、運転者の運転姿勢である。設定特徴生成部122は設定特徴を生成し、走行特徴生成部123は走行特徴を生成する。設定特徴は、例えば、運転者が設定した車両のミラー位置である。走行特徴は、運転者の運転操作特徴であり、例えば、運転者のアクセルペダルの踏み方である。
【0048】
次に、車両システム10は、運転者の顔情報を用いた顔認証のため運転者照合システム30に運転者の顔情報を送信する(ステップS104)。具体的には、運転者特徴生成部120は、運転者の顔情報と車両IDを関連付け、通信部(図示せず)に送る。通信部は、車両IDと関連付けられた運転者の顔情報を運転者照合システム30に送信する。
【0049】
次に、車両システム10は、運転者照合システム30から運転者の顔認証の認証結果を受付ける(ステップS105)。認証結果が顔認証OKの場合(ステップS106のYes)、車両システム10は、車両センサ110でセンサデータを取得する処理を終了する。
【0050】
一方、認証結果が顔認証OKではない(顔認証NG)の場合(ステップS106のYes)、車両システム10は、運転特徴を用いた運転者の識別のため運転者照合システム30に運転者の運転特徴を送信する(ステップS107)。具体的には、運転者特徴生成部120は、運転者の人特徴、設定特徴、走行特徴の少なくとも1つの運転特徴と車両ID「#101」と関連付け、通信部(図示せず)に送る。通信部は、車両IDと関連付けられた運転者の運転特徴を運転者照合システム30に送信する。
【0051】
<運転者照合システムの動作>
第1の実施形態に係る運転者照合システム30の動作について図面を用いて説明する。図9は、第1の実施形態に係る運転者照合システム30の動作の例を示すフローチャートである。以下の運転者照合システム30の動作は、車両における運転者の顔認証が失敗した後に運転者の運転特徴を用いる例である。
【0052】
運転者照合システム30は、車両システム10が送信した運転者の顔情報を受信する。運転者照合システム30の識別処理部301は、車両の運転者の顔情報を取得する(ステップS201)。識別処理部301は、取得した運転者の顔情報を照合DB40に記憶された予め登録された顔情報401と照合し(ステップS202)、車両の運転者を特定する。
【0053】
運転者の顔認証が成功すると(ステップS203のYes)、識別処理部301は、顔認証によって特定された運転者の情報を照合DB40に記憶された予約情報と照合する(ステップS207)。
【0054】
図10は、車両の運転者と車両の予約者との比較結果である通知例を示す図である。図10に示す顔認証の項目は、顔認証により特定された運転者を示す。図中、顔認証で特定された運転者は「A」である。顔認証の項目の「失敗」とは顔認証で運転者が特定されなかったことを示す。
【0055】
運転特徴の項目は、運転者の運転特徴を照合して抽出された運転者候補を示す。運転者候補がいない場合は「なし」と示される。図中は、運転特徴の照合で抽出された運転者候補は「A」、あるいは、「A」と「C」である。予約者の項目は、予約情報に含まれる車両を予約した予約者を示す。図中、予約者は、「A」あるいは、「B」である。
【0056】
図10に示すように、顔認証の結果、運転者が「A」で、車両の予約者が「A」の場合、運転者と予約者が一致するため出力処理部303は通知を出力しない。一方、車両の予約者が「B」の場合、運転者と予約者が一致しないため出力処理部303は、「予約者と異なる」旨の不正アラートを通知する。
【0057】
図9に戻り、運転者の顔認証が失敗すると(ステップS203のNo)、抽出処理部302は、運転者の運転に関する運転特徴を取得する(ステップS204)。
【0058】
抽出処理部302は、取得した運転者の運転特徴を照合DB40の過去の運転特徴と照合し(ステップS205)、車両の運転者の候補となる運転者候補を抽出する(ステップS206)。抽出処理部302は、抽出結果を出力処理部303に送る。
【0059】
図10に示すように、運転特徴の照合結果による運転者候補が「A」で、予約者が「A」である場合、出力処理部303は、顔認証失敗アラートを通知し、運転者候補の「A」を通知する。一方、運転特徴の照合結果による運転者候補が「A」と「C」で、予約者が「B」の場合、出力処理部303は、顔認証失敗アラートと運転者候補の「A」、「C」を通知するとともに、車両の運転者と予約者が一致しないため「不正」通知を出力する。なお、運転者候補がいない場合、出力処理部303は、顔認証失敗アラートを通知する。
【0060】
図11は、運転者候補の表示画面の例を示す図である。表示画面は出力処理部303によって出力される。表示3021は、運転特徴に基づく運転者候補を表示する。図中、表示3022には3名の運転者候補が表示されている。表示ボタン3023は、表示3022とは別の運転者候補を表示するボタンである。別の運転者候補がいる場合、表示ボタン3023が活性化される。
【0061】
図9に示す運転者照合システム30の動作では、車両の運転者の顔認証が失敗した後、車両の運転者の運転特徴に基づいて運転者候補が抽出される。運転者照合システム30は、顔認証に失敗しても運転者候補の情報と予約情報を比較することができ、車両を運転する運転者が、当該車両を予約した予約者であるか、あるいは、予約者と異なるかを確認することが可能となる。
【0062】
(第1の実施形態の変形例)
図12は、第1の実施形態に係る運転者照合システム30の動作の変形例を示すフローチャートである。運転者照合システム30の動作の変形例は、運転者の顔認証の成否によらず運転特徴を用いる点で、運転者の顔認証が成功した場合は、運転特徴を用いない図9に示す運転者照合システム30の動作と相違する。運転者照合システム30の動作の変形例は、車両の運転者の顔認証、及び、運転特徴に基づく運転者候補の抽出を実施する。そして顔認証結果と抽出結果が異なる運転者を示す場合は顔認証結果が優先される。
【0063】
まず、変形例の車両システム10の動作について説明する。車両システム10は、運転者が乗車すると、車両センサ110はセンサデータの収集を開始し、各種センサデータを取得する。運転者特徴生成部120は、センサデータに基づき、顔情報、運転特徴を生成する。車両システム10は、生成した顔認証と運転特徴を運転者照合システム30に送信する。変形例における車両システム10は、第1の実施形態の車両システム10と異なり、運転者照合システム30の顔情報の照合結果を待つことなく、運転特徴を運転者照合システム30に送信する。
次に、変形例の車両システム10の動作について説明する。運転者照合システム30は、車両システム10から送信された車両の運転者の顔情報を受信する。運転者照合システム30の識別処理部301は、車両の運転者の顔情報を取得し(ステップS301)、取得した運転者の顔情報で顔認証を実施する(ステップS302)。具体的には、識別処理部301は、取得した運転者の顔情報を照合DB40に記憶された予め登録された顔情報401と照合し、車両の運転者を特定する。識別処理部301は、認証結果を出力処理部303に送る。
【0064】
次に、運転者照合システム30は、車両システム10から送信された車両における運転者の運転特徴を受信する。運転者照合システム30の抽出処理部302は、運転者の運転特徴を取得し(ステップS303)、取得した運転者の運転特徴を照合DB40の過去の運転者の運転特徴と照合する(ステップS304)。抽出処理部302は、車両の運転者の候補となる運転者候補を抽出する(ステップS305)。抽出処理部302は、抽出結果を出力処理部303に送る。
【0065】
出力処理部303は、識別処理部301からの顔認証結果、抽出処理部302の抽出結果を受付ける。出力処理部303は、顔認証結果と運転特徴の照合結果を用いて、照合DB40の予約情報404と比較し(ステップS306)、車両の運転者と車両の予約者の比較結果を出力する(ステップS307)。
【0066】
図13は、車両の運転者および運転者候補と、車両の予約者との比較結果である通知例を示す図である。図13に示す通知例において、顔認証、運転特徴、予約者の項目は、図10に示す通知例と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0067】
図13において、顔認証および運転特徴の照合の結果、運転者と運転者候補が「A」となり、予約情報の予約者が「A」の場合、出力処理部303は、通知をしない。一方、予約情報の予約者が「B」の場合、出力処理部303は、車両の運転者が「予約者と異なる」旨の不正アラートを通知する。
【0068】
また、顔認証および運転特徴の照合の結果、運転者が「A」、運転者候補が「B」となり、予約情報の予約者が「A」の場合、出力処理部303は、「顔認証と運転特徴が異なる」旨のアラートを通知する。このとき、予約情報との比較で顔認証の結果を優先し、出力処理部303は、不正アラートを通知しない。一方、予約情報の予約者が「B」の場合、出力処理部303は、「顔認証と運転特徴が異なる」旨のアラートと、「予約者と異なる」旨の不正アラートを通知する。
【0069】
なお、図13において、顔認証が失敗した場合、および、運転特徴が「なし」の場合、出力処理部303から出力される通知パターンは、図10の例と同様となる。
【0070】
上述のとおり、運転者照合システムの動作の変形例では、顔認証の成否によらず運転特徴の照合結果を使うことで、出力処理部303からの通知パターンを増やすことができ、より詳細な通知が可能になる。
【0071】
(第1の実施形態の効果)
第1の実施形態に係る運転者照合システム30によれば、車両の運転者の候補を適切に抽出できる。その理由は、抽出処理部302が、車両システム10から車両を運転する運転者の運転特徴を取得し、取得した運転特徴を、過去の運転特徴と照合して運転者候補を抽出するからである。
【0072】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る管理システムについて、図面を用いて説明する。図14は、第2の実施形態に係る管理システムの概要を示す図である。第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の構成は、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0073】
第2の実施形態の管理システムは、第1の実施形態の管理システムにおける車両システム10、運転者特徴DB20が、それぞれ車両システム11、運転者特徴システム21になっている点で相違する。
【0074】
第2の実施形態の管理システムにおいて、車両システム11は、車両に設置された車両センサ110が各種センサデータを取得し、運転者特徴システム21に送られる。運転者特徴システム21は、車両システム11から送られたセンサデータに基づき、運転者の顔情報と運転特徴を生成する。以下、第2の実施形態に係る車両システム11、運転者特徴システム21の構成について説明する。
【0075】
(車両システム11)
図15は、第2の実施形態に係る車両システム11の構成の例を示すブロック図である。図15の車両システム11は、車両センサ110とセンサデータ管理部130、通信部(図示せず)を備える。車両システム11の車両センサ110の構成は、第1の実施形態に係る車両システム10の車両センサ110と同様である。車両センサ110で収集された各種センサデータは、センサデータ管理部130に送られる。
【0076】
センサデータ管理部130は、車両センサ110のからのセンサデータを車両IDと関連付けて運転者特徴システム21に送信する。例えば、センサデータ管理部130は、人センサ111、設定センサ112、又は、走行センサ113ごとに、取得したセンサデータを運転者特徴システム21に送ってもよい。
【0077】
図16は、第2の実施形態に係る車両システムの動作の例を示すフローチャートである。車両の車両センサ110は、各種センサデータを取得する(ステップS111)。車両センサ110は、人センサ111、設定センサ112、又は、走行センサ113である。車両センサ110は、センサデータ管理部130に取得した各種センサデータを送る。センサデータ管理部130は、車両IDと関連付けて取得したセンサデータを運転者特徴システム21に送信する(ステップS112)。
【0078】
(運転者特徴システム21)
図17は、第2の実施形態に係る運転者特徴システム21の構成の例を示すブロック図である。運転者特徴システム21は、例えば、ソフトウエアによって各種機能を実行するコンピュータである。なお、運転者特徴システム21は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。図17の運転者特徴システム21は、運転者特徴生成部120と運転者特徴DB20を備える。運転者特徴システム21の運転者特徴生成部120は、第1の実施形態の車両システム10の運転者特徴生成部120と同様の構成であるため詳細な説明を省略する。運転者特徴生成部120で生成された、車両ごとの運転者の顔情報、運転者の運動特徴は、運転者特徴DB20に送られ、記憶される。運転者特徴システム21は、運転者特徴生成部120で生成された、顔特徴、運転特徴を運転者照合システム30に送信する。
【0079】
運転者特徴DB20の構成は第1の実施形態と同様のため、詳細な説明を省略する。なお、運転者特徴DB20は、運転者特徴システム21の外部に設置されていてもよい。例えば、運転者特徴DB20は、第1の実施形態のようにネットワーク50を介して運転者特徴システム21と通信可能に接続されてもよい。
【0080】
<運転者特徴システム21の動作>
第2の実施形態に係る運転者特徴システム21の動作について図面を用いて説明する。図18は、第2の実施形態に係る運転者特徴システム21の動作の例を示すフローチャートである。以下、運転者特徴システム21が、車両を運転する運転者の顔情報、運転特徴を生成し、生成した顔特徴、運転特徴を運転者照合システム30に送信する例について説明する。
【0081】
運転者特徴システム21は、車両システム11からのセンサデータを受信する。センサデータは、例えば、車両の運転者を撮影した撮影データ、座席の設置位置、車両の加速度などである。運転者特徴生成部120は、センサデータを取得する(ステップS121)。運転者特徴生成部120は、取得したセンサデータに基づき、顔情報、運転特徴を生成する。例えば、運転者特徴生成部120の人特徴生成部121は、人センサ111のセンサデータに基づき、運転者の顔情報を生成する(ステップS122)。あるいは、運転者特徴生成部120は、車両センサ110のセンサデータに基づき、運転者の運転に関する運転特徴を生成する(ステップS123)。運転特徴は、例えば、運転者の運転姿勢を示す人特徴、運転者が設定した車両のミラー位置である設定特徴、運転者のアクセルペダルの踏み方の走行特徴である。
【0082】
次に、車両システム11は、運転者の顔情報を用いた顔認証のため運転者照合システム30に運転者の顔情報を送信する(ステップS124)。さらに、車両システム10は、運転特徴を用いた運転者の照合のため運転者照合システム30に運転者の運転特徴を送信する(ステップS125)。運転者照合システム30に送信される顔情報と運転特徴は、車両IDと関連付けされる。
【0083】
(第2の実施形態の効果)
第2の実施形態の車両システム11によれば、運転者特徴生成部120の構成を持たないことで、車両における車両システム11のシステム構成を簡略化できる、あるいは、システムの負荷を低くすることができる。
【0084】
また、第2の実施形態に係る運転者特徴システム21によれば、運転者特徴生成部120が、車両ごとの顔情報、運転特徴を生成することで生成処理を効率化できる。具体的には、人特徴生成部121は、複数の車両からの撮影データをまとめて画像処理して顔画像又は顔特徴である顔情報を生成することができる。運転特徴についても、運転者の人特徴、運転者の車両設定の設定特徴、運転者の走行特徴にそれぞれ生成処理を分けて複数の車両分をまとめて処理することで効率化できる。
【0085】
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る運転者照合システムについて、図面を用いて説明する。第3の実施形態に係る運転者照合システムは、第1の実施形態に係る運転者照合システム30と同様にネットワーク50を介して車両システム10又は運転者特徴DB20と通信可能に接続される。運転者照合システム31は、照合DB40と通信可能に接続されてもよい。
【0086】
図19は、第3の実施形態に係る運転者照合システム31の構成の例を示すブロック図である。運転者照合システム31は、第1の実施形態に係る運転者照合システム30の抽出処理部302に相当する。図19に示す運転者照合システム31は、運転者特徴取得部311、抽出処理部312、通信部(図示せず)を備える。運転者照合システム31は、例えば、ソフトウエアによって各種機能を実行するコンピュータである。なお、運転者照合システム31は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0087】
運転者照合システム31は、車両システム10から車両における運転者の運転に関する運転特徴を受付ける。運転者特徴取得部311は、運転者の運転特徴を取得する。運転者の運転特徴は、例えば、人特徴、設定特徴、走行特徴の少なくとも1つを含む。
【0088】
抽出処理部312は、取得した運転者の運転特徴を、過去の運転特徴と照合する。過去の運転特徴は、例えば、運転者特徴DB20の運転者特徴201に含まれる。運転者特徴201の過去の運転特徴は、人特徴、設定特徴、走行特徴の少なくとも1つを含む。抽出処理部312は、過去の運転者の運転特徴との中から、取得した運転特徴と同一又は類似した運転者である運転者候補を抽出する。
【0089】
抽出される運転者候補に関する情報は、例えば、運転特徴に紐づいた運転者の顔情報である。あるいは、運転者特徴DB20の過去の運転特徴に対して、個人を特定できる情報が紐づいている場合は、その情報を運転者候補の情報として抽出してもよい。個人を特定できる情報は、例えば、運転免許証番号、個人番号、会員番号などである。抽出処理部302が運転者候補を抽出できなかった場合、抽出結果は、「運転者候補なし」となる。
【0090】
なお、運転者照合システム31は、車両システム10以外に、運転者特徴DB20を介して車両の運転者の運転特徴を受付けてもよい。
【0091】
第3の実施形態に係る運転者照合システム31の動作について図面を用いて説明する。図20は、第3の実施形態に係る運転者照合システム31の動作の例を示すフローチャートである。
【0092】
運転者照合システム31は、車両システム10から送信された車両における運転者の運転特徴を受信し、抽出処理部312は、運転者の運転特徴を取得する(ステップS401)。抽出処理部312は、取得した運転者の運転特徴を運転者特徴DB20に記憶された過去の運転者の運転特徴と照合する(ステップS402)。抽出処理部312は、過去の運転者から車両の運転者の候補となる運転者候補を抽出する(ステップS403)。
【0093】
(第3の実施形態の効果)
第3の実施形態の運転者照合システム31によれば、車両の運転者の候補を適切に抽出できる。その理由は、運転者特徴取得部311が、車両システム10から車両を運転する運転者の運転特徴を取得し、抽出処理部312が取得した運転特徴を、過去の運転者の運転特徴と照合して過去の運転者から運転者候補を抽出するからである。
【0094】
(ハードウエア構成)
図21は、コンピュータのハードウエア構成の例を示す図である。運転者照合システム30、31は、プログラム(ソフトウエアプログラム,コンピュータプログラム)が図21に示すコンピュータ90のCPU91において実行されることにより実現される。車両システム10、11、運転者特徴システム21についても同様である。運転者照合システム30の機能は、プログラムを実行することにより実現される。また運転者照合システム30、31のいずれかの機能は、外部装置(図示せず)で構成され、ネットワークを介して外部装置から運転者照合システム30に提供されてもよい。運転者照合システム30、31の構成は、CPU(Central Processing Unit)91がROM(Read Only Memory)92、あるいは、記憶装置95からプログラム94を読み込み、読み込んだプログラム94を、CPU91、RAM(Random Access Memory)93を用いて実行することにより実現されてもよい。上述した実施形態を例に説明した本開示は、コンピュータプログラムを表すコードあるいはそのコンピュータプログラムを表すコードが格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体によって構成されると捉えることができる。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば記憶装置95、不図示の着脱可能な磁気ディスク媒体,光学ディスク媒体やメモリカードなどである。なお、各実施形態の構成は、集積回路による専用のハードウエアであってもよい。運転者照合システム30、31はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0095】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された構成、動作、処理を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0096】
本開示は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本開示のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0097】
(付記)
[付記1]
車両における運転者の運転に関する運転特徴を取得する運転者特徴取得手段と、
取得した前記運転特徴を、過去の運転者の前記運転特徴と照合して、前記過去の運転者から運転者候補を抽出する抽出処理手段と、を備える
運転者照合システム。
[付記2]
前記車両における前記運転者の顔情報を用いた顔認証で前記運転者を特定する識別処理手段を、更に備える
付記1に記載の運転者照合システム。
[付記3]
特定された前記運転者又は抽出された運転者候補と、前記車両の予約情報に含まれる予約者と比較して、比較結果を通知する出力処理手段を、更に備える
付記2に記載の運転者照合システム。
[付記4]
前記出力処理手段は、前記顔認証が失敗すると、抽出された前記運転者候補を、前記予約者と比較する
付記3に記載の運転者照合システム。
[付記5]
前記出力処理手段は、特定された前記運転者および抽出された前記運転者候補を、前記予約者と比較する際に、特定された前記運転者を優先する
付記3に記載の運転者照合システム。
[付記6]
前記運転特徴は、前記車両の運転席における前記運転者の特徴を示す人特徴である
付記1から5のいずれか1つに記載の運転者照合システム。
[付記7]
前記人特徴は、前記車両における前記運転者の顔の位置、又は、運転姿勢である
付記6に記載の運転者照合システム。
[付記8]
前記人特徴は、前記車両における前記運転者の行動の習慣、習性である
付記6に記載の運転者照合システム。
[付記9]
前記運転特徴は、前記運転者による前記車両の設定の特徴を示す設定特徴である
付記1から5のいずれか1つに記載の運転者照合システム。
[付記10]
前記設定特徴は、前記運転者が設定したバックミラ、又は、ドアミラーの位置、座席の位置である
付記9に記載の運転者照合システム。
[付記11]
前記運転特徴は、前記運転者による車両走行の特徴を示す走行特徴である
付記1から5のいずれか1つに記載の運転者照合システム。
[付記12]
前記走行特徴は、前記運転者によるアクセル、ブレーキ、又は、ステアリングの少なくとも1つの緩急の特徴を示す操作特徴である
付記11に記載の運転者照合システム。
[付記13]
前記識別処理手段は、前記車両において認証媒体から取得した識別情報に基づいて前記運転者を特定する
付記2に記載の運転者照合システム。
[付記14]
車両における運転者の運転に関する運転特徴を取得し、
取得した前記運転特徴を、過去の運転者の前記運転特徴と照合して、前記過去の運転者から運転者候補を抽出する、運転者照合方法。
[付記15]
車両における運転者の運転に関する運転特徴を取得し、
取得した前記運転特徴を、過去の運転者の前記運転特徴と照合して、前記過去の運転者から運転者候補を抽出する、
ことをコンピュータに実行させるプログラムを格納する記憶媒体。
[付記16]
車両における運転者の運転に関するセンサデータを生成する車両センサと、
生成した前記センサデータに基づき、前記運転者の運転特徴を生成する運転者特徴生成手段と、を備える
車両システム。
[付記17]
車両における運転者の運転に関するセンサデータを生成する車両センサと、
前記運転者の運転に関する運転特徴を生成する運転者特徴システムに、生成した前記センサデータを送信するセンサデータ管理手段と、を備える
車両システム。
[付記18]
車両における運転者の運転に関するセンサデータに基づき、前記運転者の運転に関する運転特徴を生成する運転者特徴生成手段と、
生成された前記運転特徴を記憶する運転者特徴データベースを備える
運転者特徴システム。
【符号の説明】
【0098】
10、11 車両システム
20 運転者特徴DB
21 運転者特徴システム
30、31 運転者照合システム
40 照合DB
110 車両センサ
111 人センサ
112 設定センサ
113 走行センサ
120 運転者特徴生成部
121 人特徴生成部
122 設定特徴生成部
123 走行特徴生成部
130 センサデータ管理部
301 識別処理部
302 抽出処理部
303 出力処理部
401 顔情報
402 予約情報
404 予約情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21