(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】無線通信装置、無線通信システムおよび無線通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 24/04 20090101AFI20241029BHJP
H04W 76/15 20180101ALI20241029BHJP
H04W 76/19 20180101ALI20241029BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20241029BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20241029BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20241029BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W76/15
H04W76/19
H04W84/10 110
H04W84/12
H04W88/06
(21)【出願番号】P 2023509589
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 JP2021048403
(87)【国際公開番号】W WO2023119667
(87)【国際公開日】2023-06-29
【審査請求日】2023-02-09
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、国立研究開発法人情報通信研究機構、「革新的情報通信技術研究開発委託研究/Beyond 5G研究開発促進事業/Beyond 5Gで実現する同期型CPSコンピューティング基盤の研究開発」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】加藤 凜太郎
(72)【発明者】
【氏名】井上 高道
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0318507(US,A1)
【文献】国際公開第2019/159893(WO,A1)
【文献】特開2017-175317(JP,A)
【文献】特開2005-027144(JP,A)
【文献】特開2019-087828(JP,A)
【文献】特開平11-308232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04L 12/28
H04L 12/44-12/66
H04L 45/00-49/9057
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線リンクの少なくとも一つを用いて通信を行う通信手段と、
前記複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する第1選択手段と、
前記第1候補の無線リンクを介して、前記第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信するように前記通信手段を制御する制御手段と、
前記通信手段による前記制御信号の送信成否及び前記制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する第2選択手段と、
を備え、
前記第2選択手段は、
前記通信手段による前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合には、無線リンクの前記通信品質が良い順に、前記制御信号を送信する無線リンクを、前記第2候補として選択する
、無線通信装置。
【請求項2】
複数の無線リンクの少なくとも一つを用いて通信を行う通信手段と、
前記複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する第1選択手段と、
前記第1候補の無線リンクを介して、前記第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信するように前記通信手段を制御する制御手段と、
前記通信手段による前記制御信号の送信成否及び前記制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する第2選択手段と、
を備え、
前記第2選択手段は、
前記通信手段による前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合には、過去の接続の頻度情報が高い順に、前記制御信号を送信する無線リンクを、前記第2候補として選択する
、無線通信装置。
【請求項3】
前記通信手段は、前記送信した制御信号への応答を受信し、
前記第2選択手段は、
前記通信手段による前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合であって、前記第2候補の無線リンクから応答がある場合、前記第2候補の無線リンクに、データ信号を送信させるように前記通信手段を制御する、
請求項1
または2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
当該無線通信装置は、
前記通信手段が前記制御信号を送信してから経過した時間に応じて、前記送信した制御信号への応答の状態を判断する判断手段を備える、
請求項1
または2に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記第1選択手段は、
前記通信に用いられる無線リンクの通信品質が無線リンクの障害を示す場合、前記第1候補の無線リンクを選択し、
前記制御手段は、
当該第1候補の無線リンクを経由して制御信号を送信させるように前記通信手段を制御する、
請求項1~
4のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
複数の無線リンクの少なくとも一つを用いて通信を行う通信手段と、
前記複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する第1選択手段と、
前記第1候補の無線リンクを介して、前記第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信するように前記通信手段を制御する制御手段と、
前記通信手段による前記制御信号の送信成否及び前記制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する第2選択手段と、
を備え
、
前記第2選択手段は、
前記通信手段による前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合には、無線リンクの前記通信品質が良い順に、前記制御信号を送信する無線リンクを、前記第2候補として選択する、無線通信システム。
【請求項7】
複数の無線リンクの少なくとも一つを用いて通信を行う通信手段と、
前記複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する第1選択手段と、
前記第1候補の無線リンクを介して、前記第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信するように前記通信手段を制御する制御手段と、
前記通信手段による前記制御信号の送信成否及び前記制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する第2選択手段と、
を備え、
前記第2選択手段は、
前記通信手段による前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合には、過去の接続の頻度情報が高い順に、前記制御信号を送信する無線リンクを、前記第2候補として選択する、無線通信システム。
【請求項8】
前記通信手段は、前記送信した制御信号への応答を受信し、
前記第2選択手段は、
前記通信手段による前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合であって、前記第2候補の無線リンクから応答がある場合、前記第2候補の無線リンクに、データ信号を送信させるように前記通信手段を制御する、
請求項
6または7に記載の無線通信システム。
【請求項9】
複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択し、
前記第1候補の無線リンクを介して、前記第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信し、
前記制御信号の送信成否及び前記制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択
し、
前記第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する工程において、
前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合には、無線リンクの前記通信品質が良い順に、前記制御信号を送信する無線リンクを、前記第2候補として選択する、無線通信方法。
【請求項10】
複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択し、
前記第1候補の無線リンクを介して、前記第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信し、
前記制御信号の送信成否及び前記制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択し、
前記第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する工程において、
前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合には、過去の接続の頻度情報が高い順に、前記制御信号を送信する無線リンクを、前記第2候補として選択する、無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、無線通信システムおよび無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の無線リンクを利用し、通信を安定化させる研究が進められている。例えば、特許文献1には、制御装置が、第1のデータユニット群のうちの一部のデータユニットを除く他のデータユニットを第1リンクに振り分けさせ、一部のデータユニットを第2リンクに振り分けさせることが開示されている。そして、制御装置が、フィードバック情報に基づく、他のデータユニットの第1通信品質及び一部のデータユニットの第2通信品質に基づいて、第1のデータユニット群の後に続く第2のデータユニット群に対する使用リンクを、第1リンクから第2リンクへ切り替えるか否かを判定する。
【0003】
また、特許文献2には、マルチリンクを構成する各リンクについて、監視したリンクの通信品質をもとにパケットの受信側振分装置への予想受信時刻を計算し、マルチリンクを構成する各リンクについて、予想受信時刻が最も早いリンクを送信先リンクに決定し、送信先リンクにパケットを送信することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国特開2020-096276号
【文献】日本国特開2007-060494号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ラインの稼働状況やロボット(金属体)等の移動によって、無線通信の品質が急激に変わる工場等の環境において、無線通信の品質を測定した直後でも、通信品質が良好であった無線リンクでの無線通信が不可能となる可能性がある。
【0006】
特許文献1では、パケットの送信により無線リンクの通信品質を測定している。しかし、無線環境は時間的、空間的に品質変動が大きいため、特許文献1のような技術では、通信品質の測定後に生じた障害を検出できず、無線リンクを使用できない可能性がある。
【0007】
また、特許文献2では、送信装置からの送信時刻と、受信装置の受信時刻とを測定し、各リンクの通信品質を算出している。しかし、特許文献2においても、通信品質の測定後に生じた障害を検出できず、パケットを送信するリンクを選択した後に、当該選択したリンクを使用できない可能性がある。
【0008】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、無線通信の品質が急激に変わる場合でも、通信可能な無線リンクを高速に検出することが可能な技術を提供することを一目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る無線通信装置は、複数の無線リンクの少なくとも一つを用いて通信を行う通信手段と、前記複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する第1選択手段と、前記第1候補の無線リンクを介して、前記第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信するように前記通信手段を制御する制御手段と、前記通信手段による前記制御信号の送信成否及び前記制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する第2選択手段と、を備える。
【0010】
本発明の一態様に係る無線通信システムは、複数の無線リンクの少なくとも一つを用いて通信を行う通信手段と、前記複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する第1選択手段と、前記第1候補の無線リンクを介して、前記第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信するように前記通信手段を制御する制御手段と、前記通信手段による前記制御信号の送信成否及び前記制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する第2選択手段と、を備える。
【0011】
本発明の一態様に係る無線通信方法は、複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択し、前記第1候補の無線リンクを介して、前記第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信し、前記制御信号の送信成否及び前記制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、無線通信の品質が急激に変わる場合でも、通信可能な無線リンクを高速に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の例示的実施形態に係る無線通信装置の構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の例示的実施形態に係る無線通信装置の無線通信方法の流れを示すフロー図である。
【
図3】本発明の第1の例示的実施形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1の例示的実施形態に係る無線通信システムの無線通信方法の流れを示すフロー図である。
【
図5】本発明の第2の例示的実施形態に係る無線通信装置の構成を示す図である。
【
図6】本発明の第2の例示的実施形態に係る無線通信装置を含んだ無線通信システムのシーケンス図である。
【
図7】本発明の第2の例示的実施形態に係る無線通信装置を含んだ無線通信システムの動作を説明するための図である。
【
図8】各例示的実施形態に係る無線通信装置および無線通信システムとして機能するコンピュータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔例示的実施形態1〕
本発明の第1の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポート乃至インタフェースを備える構成としてもよいが、これらの構成については図示を省略する。
【0015】
<本発明の背景>
無線通信の特徴として、有線通信と比べて、無線環境の時間的、空間的な変動によって、通信品質の変動や通信障害の発生頻度が高くなる。両エンドポイントで無線環境が異なることも要因の一つである。
【0016】
また、障害検出が有線と比べて遅いことや、リンクダウンが通知されない、又は検出できていないことによる、リンク状態認識時と情報送信時とでギャップが生じる場合があり、相手ノードに情報が届かない可能性がある。つまり、リンク状態を送信できる確実な手段が不確定である。なお、リンク状態(リンク情報)は、各リンクが通信可能な状態なのかを示す情報である。例えば、第1の無線通信部で通信する場合は、相手側も同じ第1の無線通信部で無線リンクを形成する必要がある。しかしながら、無線リンクの状態を通知/整合するための制御がないと、一方が第2の無線通信部に切り替えているのに、他方に通知が行かずに他方が第1の無線通信部のままであり、無線通信ができない状態となる。
【0017】
さらに、有線通信と比べて無線通信で使用できるリソースは限られており、複数の無線リンクを経由して制御信号を送信すると帯域を無駄に消費してしまう。そのため、無線リンクを複数使用している状況でも、両エンドポイントでのリンク状態の認識不整合に迅速に対応でき、かつ、不必要な制御信号を送信しない手法が必要となる。例えば、障害が検出されたことを示す情報の受信を待たず、データを送信できる可能性のより大きい無線リンクを高速に探す手法等である。なお、制御信号は、無線リンクの状態を相手ノードに通知する信号であり、かつ、どの無線リンクを用いて通信するかを示す信号である。
【0018】
本例示的実施形態に係る無線通信装置と通信を行う対向機器が、当該制御信号を受信することで、本例示的実施形態に係る無線通信装置と対向機器とが通信に用いる無線リンクを切り替える。例えば、対向機器が制御信号を受信すると、対向機器の制御機能が、本例示的実施形態に係る無線通信装置と対向機器との通信に用いる無線リンクを切り替える。
【0019】
<例示的実施形態1に係る無線通信装置1>
図1は、本発明の第1の例示的実施形態に係る無線通信装置1の構成を示す図である。本例示的実施形態に係る無線通信装置1は、
図1に示すように、第1選択手段11と、制御手段12と、第2選択手段13と、通信手段14と、を備えている。無線通信装置1は、主に、ロボット(金属体)等の移動によって、無線通信の品質が急激に変わる工場等の環境において使用される。
【0020】
通信手段14は、複数の無線リンクの少なくとも一つを用いて通信を行う。例えば、通信手段14は、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等の、互いに異なる複数の通信デバイスによって構成される。これらの通信デバイスは、各々独立して動作可能である。なお、複数の通信デバイスは、複数のRATを含む概念であり、機器/NIC等を含む。また、無線LAN(2.4GHz)、無線LAN(5GHz)、5G、LTE/5G等のように、規格が異なるRATは、異なる通信デバイスと見なす。
【0021】
第1選択手段11は、複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、複数の無線リンクから選択する。通信品質は、例えば、受信電力強度、パケットロス率、上下方向のスループット(最高通信速度)、往復遅延時間、高負荷時遅延時間等によって評価される。例えば、通信品質の品質情報がパケットロス率であれば、パケットロス率が低い程、通信品質が良い(高い)となる。
【0022】
制御手段12は、第1候補の無線リンクを介して、第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信するように通信手段を制御する。上述のように通信手段14が複数の通信デバイスによって構成されており、制御手段12は、どの通信デバイスに制御信号を入力するかを切り替え、当該通信デバイスに制御信号を送信させることができる。同様に、制御手段12は、どの通信デバイスにデータ信号を入力するかを切り替え、当該通信デバイスにデータ信号を送信させることができる。したがって、制御手段12は、制御信号を入力した通信デバイスとは異なる通信デバイスにデータ信号を入力することもできる。なお、データ信号は、通信に用いる無線リンクを確立する、または通信に用いる無線リンクを切り替える目的で送信される信号以外の信号である。通信に用いる無線リンクを確立する、または通信に用いる無線リンクを切り替える目的で送信される信号とは、例えば、現在使用している無線リンクを維持するために送信される信号や、無線リンクの状態を対向機器に通知する制御信号を含む。
【0023】
例えば、制御手段12によって、使用中の無線リンクとして、WiFi(登録商標)の無線デバイスにデータ信号および制御信号が入力されているとすると、制御信号のみを切り替えて無線LANの無線デバイスに入力することができる。この場合、WiFi(登録商標)の無線デバイスを用いてデータ信号を送信しつつ、無線LANの無線デバイスを用いて制御信号を送信することができる。
【0024】
例えば、第1選択手段11は、複数の無線リンクの中から通信品質が最適な(最も良い)無線リンクを、新たな無線リンク(第1候補の無線リンク)として選択する。そして、制御手段12は、新たな無線リンク(第1候補の無線リンク)が使用中の無線リンクと異なる場合、新たな無線リンクを経由して制御信号を送信させるように通信手段14に要求する。なお、使用中の無線リンクへのデータ信号の入力は維持されており、使用中の無線リンクを用いたデータの送受信は継続している。
【0025】
第2選択手段13は、通信手段14による制御信号の送信成否及び制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、複数の無線リンクから選択する。
【0026】
新たな無線リンクを経由して送信した制御信号の応答(ACK)の状態、例えば、応答(ACK)がない場合とは、例えば、所定の時間内に制御信号に対する応答を前記通信部が受信しなかった場合等である。新たな無線リンクへの制御信号の送信失敗とは、何らかの理由によって通信相手に制御信号が送信されなかった場合であり、例えば、ネットワークテスタ等によって計測可能である。
【0027】
そして、新たな無線リンク以外の無線リンク(第2候補の無線リンク)から応答(ACK)がある場合、制御手段12は、新たな無線リンク以外の無線リンクに、データ信号を送信させるように通信手段14に要求する。したがって、データ信号の入力が、制御手段12によって、使用中の無線リンクから新たな無線リンク以外の無線リンク(第2候補の無線リンク)に切り替えられる。
【0028】
<例示的実施形態1に係る無線通信装置1の効果>
以上説明したように、本例示的実施形態に係る無線通信装置1によれば、新たな無線リンクを経由して送信した制御信号の応答(ACK)がない等の場合に、制御手段12が、新たな無線リンク以外の無線リンクを経由して制御信号を送信させるように通信手段14に要求する。したがって、無線通信の品質が急激に変わる場合でも、制御手段12は、通信可能な無線リンクを高速に検出することができる。
【0029】
<無線通信装置1による無線通信方法の流れ>
以上のように構成された無線通信装置1が実行する無線通信方法の流れについて、
図2を参照して説明する。
図2は、本発明の例示的実施形態1に係る無線通信装置1の無線通信方法の流れを示すフロー図である。
図2に示すように、無線通信方法は、ステップS1~S4を含む。
【0030】
まず、第1選択手段11は、複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、複数の無線リンクから選択する(S1)。
【0031】
そして、制御手段12は、第1候補の無線リンクを介して、前記第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信する(S2)。
【0032】
次に、制御手段12は、新たな無線リンクから応答があったか否かを判定する(S3)。第2選択手段13は、制御信号の送信成否及び制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、例えば、制御信号への応答がない場合(S3,No)、通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、複数の無線リンクから選択する(S4)。制御信号への応答がある場合(S3,Yes)、処理を終了する。
【0033】
<例示的実施形態1に係る無線通信方法の効果>
以上説明したように、本例示的実施形態に係る無線通信方法によれば、新たな無線リンクから応答(ACK)がない等の場合に、新たな無線リンク以外の無線リンクを経由して制御信号を送信する。したがって、無線通信の品質が急激に変わる場合でも、通信可能な無線リンクを高速に検出することができる。
【0034】
<例示的実施形態1に係る無線通信システム100の構成>
本例示的実施形態に係る無線通信システム100の構成について、
図3を参照して説明する。
図3は、本発明の例示的実施形態1に係る無線通信システム100の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、無線通信システム100は、第1選択手段11と、制御手段12と、第2選択手段13と、通信手段14と、を備えている。
【0035】
第1選択手段11と、制御手段12と、第2選択手段13と、通信手段14とは、一例として、ネットワークNを介して通信可能に構成されている。ここで、当該ネットワークNの具体的構成は本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、無線LAN、有線LAN、WAN(Wide Area Network)、公衆回線網、モバイルデータ通信網、又は、これらのネットワークの組み合わせを用いることができる。
【0036】
なお、無線通信システム100の各機能がクラウド上で実装されてもよい。例えば、第1選択手段11と制御手段12と第2選択手段13とが1つの装置であり、通信手段14が1つの装置であってもよい。これらは、1つの装置内に実装されてもよいし、別々の装置に実装されてもよい。例えば、別々の装置に実装される場合、ネットワークNを介して各部の情報が送受信されて処理が進められる。
【0037】
通信手段14は、複数の無線リンクの少なくとも一つを用いて通信を行う。例えば、通信手段14は、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、無線LAN等の、互いに異なる複数の通信デバイスによって構成される。これらの通信デバイスは、各々独立して動作可能である。
【0038】
第1選択手段11は、複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、複数の無線リンクから選択する。通信品質は、例えば、受信電力強度、パケットロス率、上下方向のスループット(最高通信速度)、往復遅延時間、高負荷時遅延時間等によって評価される。
【0039】
制御手段12は、第1候補の無線リンクを介して、第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信するように通信手段14を制御する。上述のように通信手段14が複数の通信デバイスによって構成されており、制御手段12は、どの通信デバイスに制御信号およびデータ信号を入力するかを別々に切り替えることができる。
【0040】
第2選択手段13は、通信手段14による制御信号の送信成否及び制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、複数の無線リンクから選択する。
【0041】
<無線通信システム100による無線通信方法の流れ>
以上のように構成された無線通信システム100が実行する無線通信方法の流れについて、
図4を参照して説明する。
図4は、本発明の例示的実施形態1に係る無線通信システム100の無線通信方法の流れを示すフロー図である。
図4に示すように、無線通信方法は、ステップS11~S14を含む。
【0042】
まず、第1選択手段11は、複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、複数の無線リンクから選択する(S11)。
【0043】
そして、制御手段12は、第1候補の無線リンクを介して、前記第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信する(S12)。
【0044】
次に、制御手段12は、新たな無線リンクから応答があったか否かを判定する(S3)。第2選択手段13は、制御信号の送信成否及び制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、例えば、制御信号への応答がない場合(S13,No)、通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、複数の無線リンクから選択する(S14)。制御信号への応答がある場合(S13,Yes)、処理を終了する。
【0045】
<例示的実施形態1に係る無線通信システム100の効果>
以上説明したように、本例示的実施形態に係る無線通信システム100によれば、新たな無線リンクから応答(ACK)がない等の場合に、制御手段12が、新たな無線リンク以外の無線リンクを経由して制御信号を送信させるように通信手段14に要求する。したがって、制御手段12は、無線通信の品質が急激に変わる場合でも、通信可能な無線リンクを高速に検出することができる。
【0046】
〔例示的実施形態2〕
本発明の第2の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1において説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0047】
<例示的実施形態2に係る無線通信装置1Aの構成>
図5は、本発明の第2の例示的実施形態に係る無線通信装置1Aの構成を示す図である。本例示的実施形態に係る無線通信装置1Aは、
図5に示すように、取得部21と、制御部22と、信号切替部23と、無線通信部24と、アンテナ151~153とを備える。
【0048】
制御部22は、本例示的実施形態において制御手段を実現する構成である。制御部22および信号切替部23は、本例示的実施形態において第1選択手段および第2選択手段を実現する構成である。無線通信部24は、本例示的実施形態において通信手段を実現する構成である。
【0049】
無線通信部24は、第1の無線通信部141と、第2の無線通信部142と、第3の無線通信部143とを含む。第1の無線通信部141、第2の無線通信部142および第3の無線通信部143は、各々が無線リンクを形成する通信デバイスによって構成される。例えば、第1の無線通信部141、第2の無線通信部142および第3の無線通信部143は、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、無線LAN等の、互いに異なる複数の通信デバイスによって構成される。第1の無線通信部141、第2の無線通信部142および第3の無線通信部143の各々には、アンテナ151~153が接続されている。
【0050】
取得部21は、複数の無線リンクの各々の通信品質である品質情報を取得する。通信品質は、例えば、受信電力強度、パケットロス率、上下方向のスループット(最高通信速度)、往復遅延時間、高負荷時遅延時間等によって評価される。
【0051】
制御部22は、制御信号切替判定部121と、データ信号切替判定部122と、制御信号障害検知部123と、切替信号生成部124とを含む。また、信号切替部23は、データ信号切替部131と、制御信号切替部132とを含む。
【0052】
制御信号切替判定部121は、取得部21によって取得された各無線リンクの品質情報を参照して、第1の無線通信部141、第2の無線通信部142および第3の無線通信部143の何れに制御信号を入力するかを判定する。
【0053】
データ信号切替判定部122は、取得部21によって取得された各無線リンクの品質情報を参照して、第1の無線通信部141、第2の無線通信部142および第3の無線通信部143の何れにデータ信号を入力するかを判定する。
【0054】
制御信号障害検知部123は、第1の無線通信部141、第2の無線通信部142および第3の無線通信部143の何れかから制御信号を送信したときに、当該無線リンクから応答(ACK)があるか否か、および当該無線リンクへの制御信号の送信失敗を検知する。
【0055】
切替信号生成部124は、データ信号を切り替えるための切替信号を生成してデータ信号切替部131に出力する。また、切替信号生成部124は、制御信号を切り替えるための切替信号を生成して制御信号切替部132に出力する。
【0056】
データ信号切替部131は、切替信号生成部124からの切替信号に応じて、例えばサーバからのデータ信号を第1の無線通信部141、第2の無線通信部142および第3の無線通信部143の何れかに入力する。なお、無線通信装置1Aを、例えば、クライアント側の装置を無線化するコンバータとして使用する場合、後述の通信装置20がサーバ側となる。
【0057】
制御信号切替部132は、切替信号生成部124からの切替信号に応じて、制御信号を第1の無線通信部141、第2の無線通信部142および第3の無線通信部143の何れかに入力する。
【0058】
<例示的実施形態2に係る無線通信装置1Aの全体的な処理の流れ>
図6は、本発明の第2の例示的実施形態に係る無線通信装置1Aを含んだ無線通信システムのシーケンス図である。このシーケンス図は、本例示的実施形態に係る無線通信装置1Aと、後述の通信装置20との間で無線通信を行う場合を示している。
【0059】
まず、使用中の無線リンクとして、第1の無線通信部141に、サーバからのデータ信号が入力されており、第1の無線通信部141がデータ通信を行っている(S21)。取得部21は、定期的に各無線リンクの品質を取得し、制御信号切替判定部121およびデータ信号切替判定部122へ通知する。
【0060】
次に、データ信号切替判定部122は、データ信号をどの無線通信部に入力するかを判定する。データ信号切替判定部122は、各無線リンクの品質情報から最適な無線リンクを1つ判定する。そして、最適な無線リンクが使用中の無線リンクと異なる場合、データ信号切替判定部122は、判定された新たな無線リンクを介して第2の無線通信部142でデータ信号を送信する通知をデータ信号切替部131へ送る。この時点では、使用中の無線リンクを介して第1の無線通信部141を用いたデータ信号の送信を継続する(S22)。
【0061】
通信品質は、例えば、受信電力強度、パケットロス率、上下方向のスループット(最高通信速度)、往復遅延時間、高負荷時遅延時間等によって評価される。例えば、品質情報がパケットロス率であれば、パケットロス率が最も低い無線リンクが最適な無線リンクとなる。
【0062】
一方、制御信号切替判定部121は、無線リンク状態を更新する制御信号をどの無線リンクで送信するかを判定する。ここで、制御信号切替判定部121は、データ信号切替判定部122による、使用中の無線リンクから新たな無線リンクへの切替判定時に、制御信号を新たな無線リンクを介して第2の無線通信部142から送信するように制御信号切替部132へ要求する。第2の無線通信部142は、無線リンクを経由して制御信号を送信する(S23)。
【0063】
無線通信装置1Aは、複数の無線リンク(例えば、2リンク)に対して、周期的に通信品質を取得、算出しており、通信品質の良い方を通信中リンク(Active)、他方を切替候補リンク(Standby)としている。使用リンク切替要求時やリンク障害時では、切替候補リンク(Standby)の方が通信中リンク(Active)よりも通信品質が良い可能性が高い。
【0064】
制御信号障害検知部123によって、通信相手からの応答(ACK)が得られた場合(S24)、切替信号生成部124は、新たな無線リンクを介した第2の無線通信部142での送受信許可をデータ信号切替部131へ通知し、新たな無線リンクを介して第2の無線通信部142でデータ信号の送信を行う(S25)。
【0065】
使用中の無線リンクとして、第2の無線通信部142に、サーバからのデータ信号が入力されており、第2の無線通信部142がデータ通信を行っている(S26)。取得部21は、定期的に、各無線リンクの品質を取得し、制御信号切替判定部121およびデータ信号切替判定部122へ通知する。
【0066】
次に、データ信号切替判定部122は、データ信号をどの無線通信部に入力するかを判定する。データ信号切替判定部122は、各無線リンクの品質情報から最適な無線リンクを1つ判定する。そして、最適な無線リンクが使用中の無線リンクと異なる場合、データ信号切替判定部122は、判定された新たな無線リンクを介して第3の無線通信部143でデータ信号を送信する通知をデータ信号切替部131へ送る。この時点では、使用中の無線リンクを介して第2の無線通信部142を用いたデータ信号の送信を継続する(S27)。
【0067】
一方、制御信号切替判定部121は、無線リンク状態を更新する制御信号をどの無線リンクで送信するかを判定する。ここで、制御信号切替判定部121は、データ信号切替判定部122による、使用中の無線リンクから新たな無線リンクへの切替判定時に、制御信号を新たな無線リンクを介して、第1の無線通信部141から送信するように制御信号切替部132へ要求する。第1の無線通信部141は、無線リンクを経由して制御信号を通信相手の機器へと送信する(S28)。
【0068】
新たな無線リンクを介して第1の無線通信部141へ、前記制御信号への応答(ACK)がない、または新たな無線リンクへの制御信号の送信失敗を検出した場合、切替信号生成部124は、新たな無線リンク以外の無線リンクを介して第3の無線通信部143に制御信号を送信させるように制御信号切替部132に要求する。新たな無線リンクへの制御信号の送信失敗とは、何らかの理由によって通信相手に制御信号が送信されなかった場合であり、例えば、ネットワークテスタ等によって計測可能である。
【0069】
無線通信部24は、送信した制御信号への応答を受信する。制御部22は、無線通信部24による第1候補の無線リンクを介した制御信号の送信失敗または制御信号への応答がない場合であって、第2候補の無線リンクから応答がある場合、第2候補の無線リンクに、データ信号を送信させるように無線通信部24を制御する。
【0070】
具体的には、制御信号障害検知部123が、制御信号を送信した通信相手からの応答(ACK)がない、または新たな無線リンクを介した制御信号の送信失敗を検出した場合(S28)、制御信号切替判定部121へ制御信号の再送を要求する。ここで、制御信号切替判定部121は、第1の無線通信部141を除いた他の無線通信部の1つである第3の無線通信部143で制御信号を送信するように制御信号切替部132へ要求する(S29)。制御信号の送信は、複数無線リンクを順次回って、応答(ACK)が得られた無線リンクをデータ信号の送信で使用する無線リンクとする。
【0071】
また、無線通信装置1Aは、無線通信部24が制御信号を送信してから経過した時間に応じて、送信した制御信号への応答の状態を判断する制御信号障害検知部123を備える。
【0072】
また、制御部22は、無線通信部24による第1候補の無線リンクを介した制御信号の送信失敗または制御信号への応答がない場合には、無線リンクの通信品質が良い順に、制御信号を送信する無線リンクを、第2候補として選択する。例えば、複数の無線リンクに対して、当該無線リンクに関する品質情報が良い順に優先度を付し、より高い優先度が付された無線リンクを優先的に選択する。
【0073】
また、制御部22は、無線通信部24による第1候補の無線リンクを介した制御信号の送信失敗または制御信号への応答がない場合には、過去の接続の頻度情報が高い順に、制御信号を送信する無線リンクを、第2候補として選択する。例えば、複数の無線リンクに対して、当該無線リンクの過去の接続の頻度情報が高い順に優先度を付し、より高い優先度が付された無線リンクを優先的に選択する。
【0074】
制御信号障害検知部123によって、通信相手からの応答(ACK)が得られた場合(S30)、切替信号生成部124は、新たな無線リンクを介した第3の無線通信部143での送受信許可をデータ信号切替部131へ通知し、新たな無線リンクを介して第3の無線通信部143でデータ信号の送信を行う(S31)。
【0075】
また、制御部22は、通信に用いられる無線リンクの通信品質が無線リンクの障害を示す場合、第1候補の無線リンクを選択し、当該第1候補の無線リンクを経由して制御信号を送信させるように無線通信部24を制御する。
【0076】
具値的には、制御信号障害検知部123は、取得部21で取得した障害(使用中の無線リンクにおけるパケットロス率が悪化した場合や、プローブ応答なしが連続して発生する場合)をトリガーとして、他の無線リンクの1つで制御信号を通知し、応答(ACK)が得られた無線リンクをデータ信号の送信で使用する無線リンクとしてもよい。
【0077】
図7は、本発明の第2の例示的実施形態に係る無線通信装置1Aを含んだ無線通信システムの動作を説明するための図である。この無線通信システムは、無線通信装置1Aと、アプリケーション/ゲートウェイ(AP/GW)31~33と、GW(仮想化機能)40と、通信装置20とを含む。なお、GW(仮想化機能)40は、AP/GW31~33の何れかに含まれていてもよい。
【0078】
AP/GW31~33は、LAN側のコンピュータが利用するアプリケーションの動作を代行して、インターネット側のサーバに通信を中継する仕組みである。なお、上述の通り、無線通信装置1Aは、サーバ側及びクライアント側の何れにも配置できるため、このような仕組みに限定されるものではない。
【0079】
AP/GW31~33によって、複数の無線リンクが形成されており、複数の無線リンクがGW(仮想化機能)40によって集約される構成となっている。
図7においては、無線通信装置1Aは、移動に応じて無線通信を行うAP/GWを切り替えながら通信を行う。
【0080】
図7の左上に示すように、無線通信装置1Aの1つの無線通信部がAP/GW31を介して通信装置20と無線通信を行っている。無線通信装置1Aの移動に伴って、
図7の左中に示すように、無線通信装置1Aがパスの切替を行い、他の無線通信部がAP/GW32を介して通信装置20と無線通信を行う。さらに、無線通信装置1Aの移動に伴って、
図7の左下に示すように、無線通信装置1AがAP(アクセスポイント)の切替を行い、他の無線通信部がAP/GW32を介して通信装置20と無線通信を行う。
【0081】
<例示的実施形態2に係る無線通信装置1Aの効果>
以上説明したように、本例示的実施形態に係る無線通信装置1Aによれば、制御部22が、新たな無線リンクを介して応答がない、または新たな無線リンクを介した制御信号の送信失敗を検出した場合であって、新たな無線リンク以外の無線リンクを介して応答がある場合、新たな無線リンク以外の無線リンクを介して、データ信号を送信させるように信号切替部23に要求する。したがって、無線通信の品質が急激に変わる場合でも、制御部22は、通信可能な無線リンクを高速に検出することができる。
【0082】
また、制御部22が、新たな無線リンクを介して応答がない、または新たな無線リンクを介した制御信号の送信失敗を検出した場合には、使用中の無線リンクによるデータ信号の送信を維持し、新たな無線リンク以外の無線リンクを介して応答がある場合、新たな無線リンク以外の無線リンクを介して、データ信号を送信させるように信号切替部23に要求する。したがって、制御部22は、使用中の無線リンクによるデータ信号の送信を継続しつつ、通信可能な無線リンクを検出することができる。
【0083】
また、制御部22が、新たな無線リンクを介して応答がない、または新たな無線リンクを介した制御信号の送信失敗を検出した場合には、無線リンクの品質情報が良い順に、制御信号を送信する無線リンクを選択する。したがって、制御部22は、通信できる可能性が高い無線リンクを優先して、通信可能な無線リンクを検出することができる。
【0084】
また、制御部22が、新たな無線リンクを介して応答がない、または新たな無線リンクを介した制御信号の送信失敗を検出した場合には、過去の接続の頻度情報が高い順に、制御信号を送信する無線リンクを選択する。したがって、制御部22は、過去の接続の頻度情報が高い無線リンクを優先して、通信可能な無線リンクを検出することができる。
【0085】
また、制御部22が、使用中の無線リンクの品質情報が無線リンクの障害を示す場合、新たな無線リンクを選択し、当該新たな無線リンクを経由して制御信号を送信させるように信号切替部23に要求する。したがって、制御部22は、使用中の無線リンクの障害を契機に、新たな無線リンクを選択することができる。
【0086】
〔ソフトウェアによる実現例〕
無線通信装置1、1A、無線通信システム100の一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0087】
後者の場合、無線通信装置1、1A、無線通信システム100は、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を
図8に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCを無線通信装置1、1A、無線通信システム100として動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、無線通信装置1、1A、無線通信システム100の各機能が実現される。
【0088】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0089】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAMを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0090】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0091】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0092】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0093】
(付記1)
複数の無線リンクの少なくとも一つを用いて通信を行う通信手段と、
前記複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する第1選択手段と、
前記第1候補の無線リンクを介して、前記第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信するように前記通信手段を制御する制御手段と、
前記通信手段による前記制御信号の送信成否及び前記制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する第2選択手段と、
を備える、無線通信装置。
【0094】
上記の構成によれば、無線通信の品質が急激に変わる場合でも、制御手段は、通信可能な無線リンクを高速に検出することができる。
【0095】
(付記2)
前記通信手段は、前記送信した制御信号への応答を受信し、
前記第2選択手段は、
前記通信手段による前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合であって、前記第2候補の無線リンクから応答がある場合、前記第2候補の無線リンクに、データ信号を送信させるように前記通信手段を制御する、
付記1に記載の無線通信装置。
【0096】
上記の構成によれば、無線通信の品質が急激に変わる場合でも、制御手段は、通信可能な無線リンクを高速に検出することができる。
【0097】
(付記3)
当該無線通信装置は、
前記通信手段が前記制御信号を送信してから経過した時間に応じて、前記送信した制御信号への応答の状態を判断する判断手段を備える、
付記1に記載の無線通信装置。
【0098】
上記の構成によれば、判断手段は、送信した制御信号への応答の状態を容易に判断することができる。
【0099】
(付記4)
前記第2選択手段は、
前記通信手段による前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合には、無線リンクの前記通信品質が良い順に、前記制御信号を送信する無線リンクを、前記第2候補として選択する、
付記1~3のいずれかに記載の無線通信装置。
【0100】
上記の構成によれば、第2選択手段は、通信できる可能性が高い無線リンクを優先して、通信可能な無線リンクを選択することができる。
【0101】
(付記5)
前記第2選択手段は、
前記通信手段による前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合には、過去の接続の頻度情報が高い順に、前記制御信号を送信する無線リンクを、前記第2候補として選択する、
付記1~3のいずれかに記載の無線通信装置。
【0102】
上記の構成によれば、第2選択手段は、過去の接続の頻度情報が高い無線リンクを優先して、通信可能な無線リンクを選択することができる。
【0103】
(付記6)
前記第1選択手段は、
前記通信に用いられる無線リンクの通信品質が無線リンクの障害を示す場合、前記第1候補の無線リンクを選択し、
前記制御手段は、
当該第1候補の無線リンクを経由して制御信号を送信させるように前記通信手段を制御する、
付記1~5のいずれかに記載の無線通信装置。
【0104】
上記の構成によれば、第1選択手段は、使用中の無線リンクの障害を契機に、新たな無線リンクを選択することができる。
【0105】
(付記7)
複数の無線リンクの少なくとも一つを用いて通信を行う通信手段と、
前記複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する第1選択手段と、
前記第1候補の無線リンクを介して、前記第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信するように前記通信手段を制御する制御手段と、
前記通信手段による前記制御信号の送信成否及び前記制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する第2選択手段と、
を備える、無線通信システム。
【0106】
上記の構成によれば、無線通信の品質が急激に変わる場合でも、制御手段は、通信可能な無線リンクを高速に検出することができる。
【0107】
(付記8)
前記通信手段は、前記送信した制御信号への応答を受信し、
前記第2選択手段は、
前記通信手段による前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合であって、前記第2候補の無線リンクから応答がある場合、前記第2候補の無線リンクに、データ信号を送信させるように前記通信手段を制御する、
付記7に記載の無線通信システム。
【0108】
上記の構成によれば、無線通信の品質が急激に変わる場合でも、制御手段は、通信可能な無線リンクを高速に検出することができる。
【0109】
(付記9)
当該無線通信システムは、
前記通信手段が前記制御信号を送信してから経過した時間に応じて、前記送信した制御信号への応答の状態を判断する判断手段を備える、
付記7に記載の無線通信システム。
【0110】
上記の構成によれば、判断手段は、送信した制御信号への応答の状態を容易に判断することができる。
【0111】
(付記10)
前記第2選択手段は、
前記通信手段による前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合には、無線リンクの前記通信品質が良い順に、前記制御信号を送信する無線リンクを、前記第2候補として選択する、
付記7~9のいずれかに記載の無線通信システム。
【0112】
上記の構成によれば、第2選択手段は、通信できる可能性が高い無線リンクを優先して、通信可能な無線リンクを選択することができる。
【0113】
(付記11)
前記第2選択手段は、
前記通信手段による前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合には、過去の接続の頻度情報が高い順に、前記制御信号を送信する無線リンクを、前記第2候補として選択する、
付記7~9のいずれかに記載の無線通信システム。
【0114】
上記の構成によれば、第2選択手段は、過去の接続の頻度情報が高い無線リンクを優先して、通信可能な無線リンクを選択することができる。
【0115】
(付記12)
前記第1選択手段は、
前記通信に用いられる無線リンクの通信品質が無線リンクの障害を示す場合、前記第1候補の無線リンクを選択し、
前記制御手段は、
当該第1候補の無線リンクを経由して制御信号を送信させるように前記通信手段を制御する、
付記7~11のいずれかに記載の無線通信システム。
【0116】
上記の構成によれば、第1選択手段は、使用中の無線リンクの障害を契機に、新たな無線リンクを選択することができる。
【0117】
(付記13)
複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択し、
前記第1候補の無線リンクを介して、前記第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信し、
前記制御信号の送信成否及び前記制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する、
無線通信方法。
【0118】
上記の構成によれば、無線通信の品質が急激に変わる場合でも、通信可能な無線リンクを高速に検出することができる。
【0119】
(付記14)
前記送信した制御信号への応答を受信し、
第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する処理において、
前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合であって、前記第2候補の無線リンクから応答がある場合、前記第2候補の無線リンクに、データ信号を送信する、
付記13に記載の無線通信方法。
【0120】
上記の構成によれば、無線通信の品質が急激に変わる場合でも、通信可能な無線リンクを高速に検出することができる。
【0121】
(付記15)
前記制御信号を送信してから経過した時間に応じて、前記送信した制御信号への応答の状態を判断する、
付記13に記載の無線通信方法。
【0122】
上記の構成によれば、送信した制御信号への応答の状態を容易に判断することができる。
【0123】
(付記16)
第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する処理において、
前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合には、無線リンクの前記通信品質が良い順に、前記制御信号を送信する無線リンクを、前記第2候補として選択する、
付記13~15のいずれかに記載の無線通信方法。
【0124】
上記の構成によれば、通信できる可能性が高い無線リンクを優先して、通信可能な無線リンクを検出することができる。
【0125】
(付記17)
第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する処理において、
前記第1候補の無線リンクを介した前記制御信号の送信失敗または前記制御信号への応答がない場合には、過去の接続の頻度情報が高い順に、前記制御信号を送信する無線リンクを、前記第2候補として選択する、
付記13~15のいずれかに記載の無線通信方法。
【0126】
上記の構成によれば、過去の接続の頻度情報が高い無線リンクを優先して、通信可能な無線リンクを検出することができる。
【0127】
(付記18)
前記第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する処理において、
前記通信に用いられる無線リンクの通信品質が無線リンクの障害を示す場合、前記第1候補の無線リンクを選択し、
前記制御信号を送信する処理において、
当該第1候補の無線リンクを経由して制御信号を送信する、
付記13~17のいずれかに記載の無線通信方法。
【0128】
上記の構成によれば、使用中の無線リンクの障害を契機に、新たな無線リンクを選択することができる。
【0129】
(付記19)
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、複数の無線リンクの少なくとも一つを用いて通信を行う処理と、
前記複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する処理と、
前記第1候補の無線リンクを介して、前記第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信するように前記通信手段を制御する処理と、
前記通信手段による前記制御信号の送信成否及び前記制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する処理と、
を実行する無線通信装置。
【0130】
なお、この無線通信装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記通信を行う処理と、前記第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する処理と、前記制御する処理と、前記第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【0131】
(付記20)
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、複数の無線リンクの少なくとも一つを用いて通信を行う処理と、
前記複数の無線リンクそれぞれの通信品質に応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する処理と、
前記第1候補の無線リンクを介して、前記第1候補の無線リンクの状態を示す制御信号を送信するように前記通信手段を制御する処理と、
前記通信手段による前記制御信号の送信成否及び前記制御信号への応答の状態の少なくも一つに応じて、前記通信に用いられる無線リンクからの切り替え先の候補である第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する処理と、
を実行する無線通信システム。
【0132】
なお、この無線通信システムは、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記通信を行う処理と、前記第1候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する処理と、前記制御する処理と、前記第2候補の無線リンクを、前記複数の無線リンクから選択する処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0133】
1,1A 無線通信装置
11 第1選択手段
12 制御手段
13 第2選択手段
14 通信手段
20 通信装置
21 取得部
22 制御部
23 信号切替部
24 無線通信部
31~33 AP/GW
40 GW(仮想化機能)
100 無線通信システム
121 制御信号切替判定部
122 データ信号切替判定部
123 制御信号障害検知部
124 切替信号生成部
131 データ信号切替部
132 制御信号切替部
141 第1の無線通信部
142 第2の無線通信部
143 第3の無線通信部
151~153 アンテナ