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特許7578220エアロゾル生成方法及びその方法を行う電子装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】エアロゾル生成方法及びその方法を行う電子装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20241029BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20241029BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/20
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023519124
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 KR2022018523
(87)【国際公開番号】W WO2023128286
(87)【国際公開日】2023-07-06
【審査請求日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】10-2021-0191071
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バエ、ヒュン ジン
(72)【発明者】
【氏名】コ、ウォンヨウン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ギホ
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-521438(JP,A)
【文献】特表2021-528980(JP,A)
【文献】国際公開第2021/157850(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/145564(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置は、
前記電子装置の動作を制御する制御部と、
供給される電流を用いて前記電子装置に挿入されるエアロゾル生成基質を加熱する加熱部と、
前記エアロゾル生成基質が位置している空間の温度を測定するセンサ部と、
を含み、
前記制御部は、前記加熱部に供給される前記電流を初期電流プロファイルに基づいて制御し、
前記制御部は、新しいエアロゾル生成基質の挿入によって発生した前記空間の温度変化に基づいて前記初期電流プロファイルを調整し、
前記初期電流プロファイルの調整は、第1エアロゾル生成基質に対する喫煙が完了した後、続けて前記新しいエアロゾル生成基質が挿入された場合に行われ、
前記制御部は、
前記第1エアロゾル生成基質に対する喫煙が完了した場合、予め設定された時間の間に前記センサ部を用いて前記空間の温度変化をモニタリングし、
前記新しいエアロゾル生成基質に対する喫煙が開始された場合、前記温度変化に基づいて電流補償値を算出し、
前記電流補償値に基づいて前記初期電流プロファイルを調整することによって補償電流プロファイルを生成し、
前記補償電流プロファイルに基づいて前記加熱部に電流を供給する、
電子装置。
【請求項2】
前記電流補償値は、ターゲット電流値について算出されたターゲット時間を含む、請求項に記載の電子装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記初期電流プロファイルで前記ターゲット電流値が出力される時間を前記ターゲット時間だけ減少させるように前記補償電流プロファイルを生成する、請求項に記載の電子装置。
【請求項4】
電子装置を制御する方法は、
前記電子装置に挿入された第1エアロゾル生成基質に対する喫煙が完了した後、前記第1エアロゾル生成基質が位置している空間の温度をモニタリングする動作と、
前記空間に挿入された新しい第2エアロゾル生成基質に対する加熱が開始された場合、前記空間の温度変化に基づいて電流補償値を算出する動作と、
前記電流補償値に基づいて初期電流プロファイルを調整することによって補償電流プロファイルを生成する動作と、
前記補償電流プロファイルに基づいて加熱部に供給される電流を制御する動作と、
を含む、電子装置制御方法。
【請求項5】
前記空間の温度をモニタリングする動作は、前記モニタリングに基づいて前記第1エアロゾル生成基質が除去されたか否かを決定する動作を含む、請求項に記載の電子装置制御方法。
【請求項6】
前記空間の温度をモニタリングする動作は、前記モニタリングに基づいて前記第2エアロゾル生成基質が挿入された第1時点を決定する動作を含む、請求項に記載の電子装置制御方法。
【請求項7】
前記空間の温度変化に基づいて電流補償値を算出する動作は、前記第1時点及び前記第2エアロゾル生成基質に対する加熱が開始された第2時点に基づいて前記電流補償値を算出する動作を含む、請求項に記載の電子装置制御方法。
【請求項8】
請求項に係る方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の実施形態はエアロゾルを生成する技術に関し、具体的に電流に基づいて熱を生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近来、一般的な巻タバコの短所を克服する代替方法に関する需要が増加している。例えば、巻タバコを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、巻タバコ内のエアロゾル生成基質を加熱することによってエアロゾルを生成する方法に関する需要が増加している。そのため、加熱式巻タバコ又は加熱式エアロゾル生成装置に対する研究が盛んに行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一実施形態は、電子装置によって行われるエアロゾル生成方法を提供することにある。
【0004】
一実施形態は、エアロゾルを生成する電子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る、電子装置は、前記電子装置の動作を制御する制御部と、供給される電流を用いて前記電子装置に挿入されるエアロゾル生成基質を加熱する加熱部と、前記エアロゾル生成基質が位置している空間の温度を測定するセンサ部とを含み、前記制御部は、前記加熱部に供給される前記電流を初期電流プロファイルに基づいて制御し、前記制御部は、新しいエアロゾル生成基質の挿入によって発生した前記空間の温度変化に基づいて前記初期電流プロファイルを調整することができる。
【0006】
前記電流プロファイルの調整は、第1エアロゾル生成基質に対する喫煙が完了した後、続けて前記新しいエアロゾル生成基質が挿入された場合に行われることができる。
【0007】
前記制御部は、前記第1エアロゾル生成基質に対する喫煙が完了した場合、予め設定された時間の間に前記センサ部を用いて前記空間の温度変化をモニタリングすることができる。
【0008】
前記制御部は、前記新しいエアロゾル生成基質に対する喫煙が開始された場合、前記温度変化に基づいて電流補償値を算出し、前記電流補償値に基づいて前記初期電流プロファイルを調整することによって補償電流プロファイルを生成し、前記補償電流プロファイルに基づいて前記加熱部に電流を供給することができる。
【0009】
前記電流補償値は、ターゲット電流値について算出されたターゲット時間を含むことができる。
【0010】
前記制御部は、前記初期電流プロファイルで前記ターゲット電流値が出力される時間を前記ターゲット時間だけ減少させるように前記補償電流プロファイルを生成することができる。
【0011】
一実施形態に係る電子装置を制御する方法は、前記電子装置に挿入された第1エアロゾル生成基質に対する喫煙が完了した後、前記第1エアロゾル生成基質が位置している空間の温度をモニタリングする動作と、前記空間に挿入された新しい第2エアロゾル生成基質に対する加熱が開始された場合、前記空間の温度変化に基づいて電流補償値を算出する動作と、前記電流補償値に基づいて初期電流プロファイルを調整することによって補償電流プロファイルを生成する動作と、前記補償電流プロファイルに基づいて加熱部に供給される電流を制御する動作とを含む。
【0012】
前記空間の温度をモニタリングする動作は、前記モニタリングに基づいて前記第1エアロゾル生成基質が除去されたか否かを決定する動作を含むことができる。
【0013】
前記空間の温度をモニタリングする動作は、前記モニタリングに基づいて前記第2エアロゾル生成基質が挿入された第1時点を決定する動作を含むことができる。
【0014】
前記空間の温度変化に基づいて電流補償値を算出する動作は、前記第1時点及び前記第2エアロゾル生成基質に対する加熱が開始された第2時点に基づいて前記電流補償値を算出する動作を含むことができる。
【発明の効果】
【0015】
電子装置によって行われるエアロゾル生成方法が提供されることができる。
【0016】
エアロゾルを生成する電子装置が提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一例に係る電子装置を示す。
図2】一例に係る電子装置の構成図である。
図3】一実施形態に係る制御部の構成図である。
図4】一例に係る初期電流プロファイル及びボビン空間内の温度変化を示す。
図5】一実施形態に係る加熱部に供給される電流を制御する方法のフローチャートである。
図6】一例に係る補償電流プロファイル及びボビン空間内の温度変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施形態に対する特定な構造的又は機能的な説明は単なる例示のための目的として開示されたものであって、様々な形態に変更されることができる。したがって、実施形態は特定な開示形態に限定されるものではなく、本明細書の範囲は技術的な思想に含まれる変更、均等物または代替物を含む。
【0019】
第1又は第2などの用語を複数の構成要素を説明するために用いることがあるが、このような用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ解釈されなければならない。例えば、「第1構成要素」は「第2構成要素」に命名することができ、同様に、「第2構成要素」は「第1構成要素」にも命名することができる。
【0020】
いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」されているか「接続」されていると言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されているが、中間に他の構成要素が存在し得るものと理解されなければならない。
【0021】
単数の表現は文脈上、明白に異なる意味を有しない限り複数の表現を含む。本開示において、「含む」又は「有する」などの用語は、説明された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれを組み合わせたものが存在するものと指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0022】
異なるように定義さがれない限り、技術的又は科学的な用語を含み、ここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0023】
以下、添付する図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関わらず同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0024】
図1は、一例に係る電子装置を示す。
【0025】
一実施形態によれば、電子装置100は、電子装置100に挿入される巻タバコ2内のエアロゾル生成基質を加熱することによってエアロゾルを生成することができる。ユーザは、生成されたエアロゾルを吸入することによって喫煙できる。例えば、電子装置100は、電子装置100に挿入された巻タバコ2の周辺に位置するコイル(例えば、誘導コイル)を用いて熱を発生させ、発生された熱を用いてエアロゾル生成基質を加熱させる方式を採用することができる。電子装置100は、コイルが熱を発生させるようにコイルで電流を供給することができる。
【0026】
一実施形態によれば、コイルを用いた誘導加熱方式は瞬間的な昇温に有利であり、消耗電力が低い。例えば、電子装置100の加熱部はサセプターを含んでもよい。異なる例として、電子装置100の加熱部はサセプターを含むことなく、巻タバコ2のエアロゾル生成基質を包んだ巻紙(例えば、金属箔)を誘導加熱することができる。
【0027】
以下で、図2図6を参照してエアロゾルを生成するためにコイルに電流を供給する方法について詳細に説明する。
【0028】
図2は、一実施形態に係る電子装置の構成図である。
【0029】
一実施形態によれば、電子装置100は、制御部210、加熱部220、挿入部230、センサ部240及びバッテリ250を含む。図示していないが、電子装置100は、汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、電子装置100は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ(又は、インジケーター)及び/又は触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、電子装置100は、少なくとも1つのセンサ(パフ検出センサ、温度検出センサ、巻タバコ挿入検出センサなど)をさらに含んでもよい。また、電子装置100は、巻タバコ2が挿入された状態でも外気が流入されたり、内部気体が流出され得る構造で製造されてもよい。
【0030】
外気は、電子装置100に形成されている少なくとも1つの空気通路を介して流入される。例えば、電子装置100に形成された空気通路の開閉及び/又は空気通路の大きさはユーザによって調整され得る。そのため、煙霧量、喫煙感などがユーザによって調整されることができる。異なる例として、外気は、巻タバコ2の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介して巻タバコ2の内部に流入されてもよい。
【0031】
一実施形態によれば、図示していないが、電子装置100は、別途のクレドールと共にシステムを構成してもよい。例えば、クレドールは、電子装置100のバッテリの充電に用いられる。
【0032】
制御部210は、電子装置100の動作を制御することができる。以下、図3を参照して制御部210について詳細に説明する。
【0033】
制御部210は、加熱部220に供給される電流を制御することができる。例えば、制御部210は、加熱部220に供給される電流の大きさ及び時間を制御することができる。
【0034】
加熱部220は、挿入部230を介して挿入された巻タバコ2の少なくとも一部を加熱する。例えば、加熱部220のコイルは、供給される電流に基づいて熱を発生させることによって巻タバコ2のエアロゾル生成基質を加熱してもよい。加熱部220がエアロゾル生成基質を加熱する方法については、記載の実施形態に限定されない。
【0035】
一実施形態によれば、加熱部220が巻タバコ2のエアロゾル生成基質の内部に挿入されるサセプターを含まない場合、エアロゾル生成基質の温度を直接的に測定することができない。エアロゾル生成基質又は挿入部240の温度をモニタリングするために、センサ部240の温度センサが挿入部230の少なくとも一部に配置されることができる。例えば、温度センサは、巻タバコ2が挿入された空間(以下、ボビン空間のように命名)の温度を測定できる。制御部210は、温度センサによって測定された温度に基づいて加熱部220に供給される電流を制御することができる。
【0036】
一実施形態によれば、制御部210は、予め設定された初期電流プロファイルに基づいて加熱部220に電流を供給することができる。以下は、図4を参照して初期電流プロファイルについて詳細に説明する。
【0037】
一実施形態によれば、バッテリ250は、電子装置100が動作するのため使用される電力を供給することができる。バッテリ250は、加熱部220のコイルが加熱できるように制御部210を介して電力を供給することができる。また、バッテリ250は、電子装置100内に備えられた異なる構成(例えば、制御部210及びセンサ部240)の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ250は、充電可能なバッテリや使い捨てバッテリであってもよい。例えば、バッテリ250は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリであってもよいが、記載された実施形態に制限されない。
【0038】
図3は、一実施形態に係る制御部の構成図である。
【0039】
一側面に係る制御部210は、通信部310、プロセッサ320、及びメモリ330を含む。
【0040】
通信部310は、プロセッサ320、及びメモリ330に接続されてデータを送受信する。通信部310は、外部の他の装置に接続されてデータを送受信することができる。以下、「A」を送受信するという表現は「Aを示す情報(information)又はデータ」を送受信することを示す。
【0041】
通信部310は、制御部210内の回路網で実現することができる。例えば、通信部310は、内部バス及び外部バスを含んでもよい。異なる例として、通信部310は、制御部210と外部の装置を接続する要素であってもよい。通信部310はインターフェースであってもよい。通信部310は外部の装置からデータを受信し、プロセッサ320及びメモリ330にデータを送信する。
【0042】
プロセッサ320は、通信部310が受信したデータ及びメモリ330に格納されたデータを処理する。「プロセッサ」は、目的とする動作を実行させるための物理的な構造を有する回路を有するハードウェアで具現されたデータ処理装置であってもよい。例えば、目的とする動作は、プログラムに含まれたコード又は命令を含んでもよい。例えば、ハードウェアで具現されたデータ処理装置は、マイクロプロセッサー(microprocessor)、中央処理装置(central processing unit)、プロセッサコア(processor core)、マルチ-コアプロセッサ(multi-core processor)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)を含んでもよい。
【0043】
プロセッサ320は、メモリ(例えば、メモリ330)に格納されているコンピュータで読出し可能なコード(例えば、ソフトウェア)及びプロセッサ320によって誘発された命令を実行する。
【0044】
メモリ330は、通信部310が受信したデータ及びプロセッサ320が処理したデータを格納する。例えば、メモリ330は、プログラム(又はアプリケーション、ソフトウェア)を格納してもよい。格納されるプログラムは、電子装置100を制御できるようにコーディングされてプロセッサ320によって実行可能なシンタックス(syntax)の集合であってもよい。
【0045】
一態様によれば、メモリ330は1つ以上の揮発性メモリ、不揮発性メモリ、及びRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、及び光学ディスクドライブを含んでもよい。
【0046】
メモリ330は、制御部210を動作させる命令語セット(例えば、ソフトウェア)を格納する。制御部210を動作させる命令語セットは、プロセッサ320によって実行される。
【0047】
通信部310、プロセッサ320、及びメモリ330については、以下で図4図6を参照して詳細に説明される。
【0048】
図4は、一例に係る初期電流プロファイル及びボビン空間内の温度変化を示す。
【0049】
一実施形態によれば、電子装置100のユーザは、第1エアロゾル生成基質(例えば、第1巻タバコ)を用いて第1喫煙を行ってもよい。例えば、第1喫煙は、電子装置100の遊休状態で実行された最初の喫煙又は最後の喫煙から相当な時間が経過した後の喫煙であってもよい。
【0050】
制御部210は、初期電流プロファイル410に基づいて加熱部220に電流を供給することができる。例えば、初期電流プロファイル410は、瞬間的な昇温のための最大電流値Iを有し、一定の温度の保持のための一定電流値Iを有することができる。最大電流値Iは、ピーク時間tp1間に保持され得る。ユーザは、t時刻で第1喫煙を終了することができる。例えば、ユーザは、加熱部220に供給される電力又は電流が中断されるように電子装置100を制御することができる。
【0051】
一実施形態によれば、センサ部240の温度センサは、ボビン空間の温度をモニタリングする。第1温度曲線421は、第1喫煙の間のボビン空間の温度を示す。第1温度曲線421が原点で始まるものと示されているが、前記の原点は、温度のモニタリングが開始された時点における温度を示す。初期電流プロファイル410によってボビン空間の温度が急激に昇温された後、一定のレベル(例えば、温度T)を保持できる。第1喫煙は、第1時間(時刻0~時刻t)の間に実行される。
【0052】
一実施形態によれば、第1喫煙が終了した場合は加熱部220に電流が供給されないため、ボビン空間の温度が下降する。下降する温度が第2温度曲線422のように示される。例えば、第2時間(時刻t~時刻t)の間に第2曲線422が示される。
【0053】
一実施形態によれば、ユーザが第1エアロゾル生成基質を挿入部230から除去した場合、ボビン空間の温度が追加的に下降し得る。下降する温度が第3温度曲線424のように示される。例えば、第3時間(時刻t~時刻t)の間に第3曲線424が示される。
【0054】
一実施形態によれば、ユーザが連打のために第2エアロゾル生成基質を挿入部230に挿入した場合、第2エアロゾル生成基質がボビン空間内の熱を吸収することで、ボビン空間の温度が追加的に下降し得る。下降する温度が第4温度曲線426のように示される。例えば、第4時間(時刻t~時刻t)の間に第4曲線426が示される。
【0055】
一実施形態によれば、第2エアロゾル生成基質がボビン空間内の熱を一部吸収したのは、加熱部220が作動する前に第2エアロゾル生成基質が加熱したものと扱われる。そのため、制御部220は、第2喫煙のために加熱部220に供給される電流を第1喫煙の電流に比べて減少させることができる。一例によれば、制御部220は、第2エアロゾル生成基質が吸収した熱に対する電流補償値を算出し、算出された電流補償値が反映されるように電流プロファイルを生成することができる。以下で、図5図6を参照して連打のための加熱部に供給される電流を制御する方法について詳細に説明する。
【0056】
図5は、一実施形態に係る加熱部に供給される電流を制御する方法のフローチャートである。
【0057】
以下の動作510~550は、図1図4を参照して上述した電子装置100によって行われることができる。
【0058】
動作510において、制御部210は、予め設定された初期電流プロファイル(例えば、図4の初期電流プロファイル410)に基づいて加熱部220に電流を供給する。例えば、制御部210は、第1喫煙について電流を加熱部220に供給することができる。ユーザは、電子装置100に挿入された第1エアロゾル生成基質に対する喫煙を第1時間(例えば、図4の時刻0~時刻t)の間に行ってもよい。
【0059】
動作520において、制御部210は、第1喫煙が終了(又は、完了)されてから第1エアロゾル生成基質が位置している空間(例えば、ボビン空間)の温度をモニタリングする。ボビン空間に対する温度モニタリングの結果は、図4を参照して説明された第2温度曲線422、第3温度曲線424、及び第4温度曲線426に示されている。
【0060】
一実施形態によれば、制御部210は、モニタリングに基づいて第1エアロゾル生成基質が除去されたか否かを決定することができる。例えば、第2温度曲線422が示された場合、第1エアロゾル生成基質が除去されたものと決定される。
【0061】
一実施形態によれば、制御部210は、モニタリングに基づいて新しいエアロゾル生成が挿入されたか否かを決定することができる。例えば、第3温度曲線424が示された場合、新しいエアロゾル生成基質(例えば、第2エアロゾル生成基質)が挿入されたものである。ボビン空間の温度が第3温度曲線424を示していることは、新しいエアロゾル生成基質がボビン空間の熱を一部吸収したためである。モニタリングに基づいて新しいエアロゾル生成基質が挿入された第1時点が決定され得る。
【0062】
一実施形態によれば、ボビン空間の温度モニタリングは、予め設定された時間(例えば、60秒)の間に実行されることができる。予め設定された時間の後にはボビン空間の温度モニタリングが中断される。異なる一実施形態によれば、測定されるボビン空間の温度が予め設定された閾値温度(例えば、図4の温度Tth)以下に低下する場合、ボビン空間の温度モニタリングが中断されてもよい。温度モニタリングが中断された場合、以下の動作530が実行されなくてもよい。温度モニタリングが中断された後に発生する喫煙は連打として扱われない。
【0063】
動作530において、制御部210は、新しいエアロゾル生成基質に対する加熱が開始された場合(例えば、図4のtで開始)、ボビン空間の温度変化に基づいて電流補償値を算出する。例えば、新しいエアロゾル生成基質が挿入された第1時点及び新しいエアロゾル生成基質に対する加熱が開始された第2時点に基づいて、電流補償値が算出されることができる。
【0064】
一実施形態によれば、時刻tにおける温度Tと時刻tにおける温度Tとの間の差に基づいて補償熱量が算出されることができる。例えば、補償熱量は、物質の比熱、物質の質量、及び温度変化(例えば、T-T)に基づいて算出されてもよい。物質の比熱及び物質の質量は、挿入されるエアロゾル生成基質について予め設定されていてもよい。そのため、制御部210は、温度変化に基づいて補償熱量を算出することができる。
【0065】
一実施形態によれば、制御部210は、補償熱量に基づいて電流補償値を算出することができる。例えば、算出された補償熱量を加熱部220が発生させるために、加熱部220に供給される総電流量が電流補償値に算出される。
【0066】
動作540において、制御部210は、電流補償値に基づいて初期電流プロファイルを調整することによって補償電流プロファイルを生成する。例えば、初期電流プロファイルのピーク時間tp1を電流補償値に対応する時間だけ減少させることで補償電流プロファイルを生成することができる。例えば、制御部210は、最大電流値Iを用いて電流補償値に対応するターゲットの減少時間を決定することができる。ピーク時間tp1でターゲット減少時間だけ除いた時間が補償電流プロファイルの新しいピーク時間tp2である。以下、図6を参照して補償電流プロファイルについて詳細に説明する。
【0067】
動作550において、制御部210は、補償電流プロファイルに基づいて加熱部220に供給される電流を制御する。補償電流プロファイルに基づいてユーザは第2喫煙を行ってもよい。
【0068】
図6は、一例に係る補償電流プロファイル及びボビン空間内の温度変化を示す。
【0069】
一実施形態によれば、図4を参照して上述した第1喫煙に次にユーザは、時刻tから第2喫煙を行うことができる。例えば、時刻tは、ユーザが加熱部220を活性化した時刻であってもよい。例えば、時刻tにおけるボビン空間の温度はTに測定される。
【0070】
一実施形態によれば、制御部210は第2喫煙が開始された場合、第2喫煙に対する補償電流プロファイル610を生成することができる。例えば、制御部210は、第1喫煙について測定された第4時間(時刻t~時刻t)の間の第4曲線426に基づいて電流補償値を算出し、電流補償値が反映されるように初期電流プロファイルを修正することで、補償電流プロファイル610を生成することができる。例えば、制御部210は、初期電流プロファイルの最大電流値Iが出力されるピーク時間tp1を電流補償値に対応するように減少させてもよい。例えば、補償電流プロファイル610は、最大電流値Iが出力されるピーク時間tp2を有することができる。
【0071】
補償電流プロファイル610に基づいて供給される電流を介して、加熱部220は新しいエアロゾル生成基質を加熱することができる。第2喫煙の間のボビン空間の温度が温度曲線621のように示されている。ユーザは、時刻tで加熱部220を不活性化することによって第2喫煙を終了することができる。
【0072】
図示していないが、図4に類似に時刻tの以後にもボビン空間の温度がモニタリングされてもよい。第2喫煙以後に追加の第3喫煙が連打として発生する場合、第3喫煙に対する補償電流プロファイルが生成され得る。
【0073】
本実施形態による方法は、様々なコンピュータ手段を介して実施されるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独又は組み合せて含む。記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計して構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例として、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。上記で説明したハードウェア装置は、本発明に示す動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成してもよく、その逆も同様である。
【0074】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、又はそのうちの一つ以上の組合せを含み、希望の通りに動作するよう処理装置を構成したり、独立的又は結合的に処理装置を命令することができる。ソフトウェア及び/又はデータは、処理装置によって解釈されたり処理装置に命令又はデータを提供するために、いずれかの類型の機械、構成要素、物理的装置、仮想装置、コンピュータ格納媒体又は装置、又は送信される信号波に永久的又は一時的に具体化することができる。ソフトウェアはネットワークに連結されたコンピュータシステム上に分散され、分散した方法で格納されたり実行され得る。ソフトウェア及びデータは一つ以上のコンピュータで読出し可能な記録媒体に格納され得る。
【0075】
上述したように実施形態をたとえ限定された図面によって説明したが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記の説明に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順に実行され、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合わせられてもよく、他の構成要素又は均等物によって置き換え又は置換されたとしても適切な結果を達成することができる。
【0076】
したがって、他の具現、他の実施形態および特許請求の範囲と均等なものも後述する特許請求範囲の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6