(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】仮想通貨取引自動化方法、コンピュータシステム、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/04 20120101AFI20241029BHJP
G06Q 20/06 20120101ALI20241029BHJP
G16Y 10/50 20200101ALI20241029BHJP
G16Y 30/00 20200101ALI20241029BHJP
【FI】
G06Q40/04
G06Q20/06 300
G16Y10/50
G16Y30/00
(21)【出願番号】P 2020135749
(22)【出願日】2020-08-11
【審査請求日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】10-2019-0102014
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ミヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジェマン
(72)【発明者】
【氏名】イ ヒョンドン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ビョンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ナラ
(72)【発明者】
【氏名】ホ ドンヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム ビョングク
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-045540(JP,A)
【文献】特開2018-113017(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108961065(CN,A)
【文献】藤谷 知季,国内外の仮想通貨取引所の実態調査,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.118 No.30,第118巻 第30号,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2018年05月09日,P.43~49
【文献】飯田 良,動的な解析を用いたマイニングスクリプト検知手法の提案,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.118 No.480,第118巻 第480号,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2019年02月28日,P.245~251
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16Y 10/50
G16Y 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムが実行する仮想通貨取引自動化方法であって、
前記コンピュータシステムは、メモリに含まれるコンピュータ読み取り可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み、
前記仮想通貨取引自動化方法は、
前記少なくとも1つのプロセッサにより、マーケット仮想通貨に該当する少なくとも1つのマーケットに対し、ユーザが保有する仮想通貨に該当するベースコインによって取引しようとする仮想通貨であるターゲットコインの取引量を計算する段階、および
前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記計算されたターゲットコインの取引量に基づいて前記ターゲットコインの取引と関連する推薦情報を前記ユーザの電子機器に提供する段階
を含
み、
前記計算する段階は、
前記ターゲットコインの取引が可能なマーケット別に前記ベースコインを該当のマーケットコインに交換した後、交換されたマーケットコインによって、又は前記交換されたマーケットコインからコイン交換手数料を除いた残りのマーケットコインによって、取引可能な前記ターゲットコインの数量を計算する段階
を含み、
前記提供する段階は、
前記ターゲットコインの取引が可能なマーケットのうちで前記計算されたターゲットコインの取引量が最も多いマーケットを、他のマーケットと区別して表示すること、又は、
前記ターゲットコインの取引が可能なマーケットを前記計算されたターゲットコインの取引量の順に整列した順位情報を提供すること、
を含む、仮想通貨取引自動化方法。
【請求項2】
前記計算する段階は、
前記マーケット仮想通貨と前記マーケット仮想通貨によって取引可能な取引仮想通貨とのペア別の相場を利用して前記ターゲットコインの取引量を計算すること
を特徴とする、請求項1に記載の仮想通貨取引自動化方法。
【請求項3】
前記計算する段階は、
前記ターゲットコインの取引が可能なマーケットのうちで前記ベースコインを前記マーケット仮想通貨として使用するベースマーケットの場合、前記ベースコインの数量と前記ベースマーケットでの前記ターゲットコインの相場を利用して前記ベースコインによって取引可能な前記ターゲットコインの数量を計算する段階
を含む、請求項1に記載の仮想通貨取引自動化方法。
【請求項4】
前記計算する段階は、
前記ターゲットコインの取引が可能なマーケットのうちで前記ベースマーケットではない他のマーケットに対し、前記ベースコインの数量と前記他のマーケットでの前記ベースコインの相場を利用して該当のマーケットコインの数量を計算した後、前記マーケットコインの数量と前記他のマーケットでの前記ターゲットコインの相場を利用して前記ベースコインによって取引可能な前記ターゲットコインの数量を計算する段階
をさらに含む、請求項
3に記載の仮想通貨取引自動化方法。
【請求項5】
前記計算する段階は、
前記ターゲットコインの取引が可能なマーケットのうちで前記ベースマーケットではない他のマーケットに対し、前記ベースコインの数量と前記ベースマーケットでの該当のマーケットコインの相場を利用して該当のマーケットコインの数量を計算した後、前記マーケットコインの数量と前記他のマーケットでの前記ターゲットコインの相場を利用して前記ベースコインによって取引可能な前記ターゲットコインの数量を計算する段階
をさらに含む、請求項
3に記載の仮想通貨取引自動化方法。
【請求項6】
前記提供する段階は、
前記推薦情報に含まれたマーケットに前記ターゲットコインの取引を処理する自動取引機能を提供する段階
を含む、請求項1に記載の仮想通貨取引自動化方法。
【請求項7】
請求項1~
6のうちのいずれか一項に記載の仮想通貨取引自動化方法を前記コンピュータシステムに実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項8】
コンピュータシステムであって、
メモリに含まれるコンピュータ読み取り可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサ
を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
マーケット仮想通貨に該当する少なくとも1つのマーケットに対し、ユーザが保有する仮想通貨に該当するベースコインによって取引しようとする仮想通貨であるターゲットコインの取引量を計算する取引量計算部、および
前記計算されたターゲットコインの取引量に基づいて前記ターゲットコインの取引と関連する推薦情報を前記ユーザの電子機器に提供する推薦部
を含
み、
前記取引量計算部は、
前記ターゲットコインの取引が可能なマーケット別に前記ベースコインを該当のマーケットコインに交換した後、交換されたマーケットコインによって、又は前記交換されたマーケットコインからコイン交換手数料を除いた残りのマーケットコインによって、取引可能な前記ターゲットコインの数量を計算し、
前記推薦部は、
前記ターゲットコインの取引が可能なマーケットのうちで前記計算されたターゲットコインの取引量が最も多いマーケットを他のマーケットと区別して表示するか、あるいは前記ターゲットコインの取引が可能なマーケットを前記計算されたターゲットコインの取引量の順に整列した順位情報を提供する、コンピュータシステム。
【請求項9】
前記取引量計算部は、
前記マーケット仮想通貨と前記マーケット仮想通貨によって取引可能な取引仮想通貨とのペア別の相場を利用して前記ターゲットコインの取引量を計算すること
を特徴とする、請求項
8に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記取引量計算部は、
前記ターゲットコインの取引が可能なマーケットのうちで前記ベースコインを前記マーケット仮想通貨として使用するベースマーケットの場合、前記ベースコインの数量と前記ベースマーケットでの前記ターゲットコインの相場を利用して前記ベースコインによって取引可能な前記ターゲットコインの数量を計算すること
を特徴とする、請求項
8に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記取引量計算部は、
前記ターゲットコインの取引が可能なマーケットのうちで前記ベースマーケットではない他のマーケットに対し、前記ベースコインの数量と前記他のマーケットでの前記ベースコインの相場を利用して該当のマーケットコインの数量を計算した後、前記マーケットコインの数量と前記他のマーケットでの前記ターゲットコインの相場を利用して前記ベースコインによって取引可能な前記ターゲットコインの数量を計算すること
を特徴とする、請求項
10に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記取引量計算部は、
前記ターゲットコインの取引が可能なマーケットのうちで前記ベースマーケットではない他のマーケットに対し、前記ベースコインの数量と前記ベースマーケットでの該当のマーケットコインの相場を利用して該当のマーケットコインの数量を計算した後、前記マーケットコインの数量と前記他のマーケットでの前記ターゲットコインの相場を利用して前記ベースコインによって取引可能な前記ターゲットコインの数量を計算すること
を特徴とする、請求項
10に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記推薦部は、
前記推薦情報に含まれたマーケットに前記ターゲットコインの取引を処理する自動取引機能を提供すること
を特徴とする、請求項
8に記載のコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は、仮想通貨の最適化取引(買収/売却)のための自動化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の暗号化技術の登場に伴い、暗号化技術を基盤とする仮想通貨(cryptocurrency)に高い関心が寄せられている。
【0003】
代表的な仮想通貨であるビットコイン(bitcoin:BTC)をはじめ、イーサリアム(ethereum:ETH)、テザー(Tethercoin:USDT)、ライトコイン(litecoin:LTC)、ダッシュ(dash)などが仮想通貨マーケットを主導している。
【0004】
このような仮想通貨は、政府や中央銀行が発行する一般の貨幣とは異なり、最初の考案者が定めた規則にしたがって取引がなされ、ブロックチェーン技術に基づいて流通がなされる。
【0005】
一例として、特許文献1(公開日2019年3月8日)には、ブロックチェーンを有する仮想通貨の取引用トランザクション情報を検証するサーバによって取引を認証し、検証サーバの認証可否にしたがって取引を確定する方式により、URLに提供される個人キーを利用して仮想通貨を取引する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0024601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
仮想通貨の最適化取引(買収/売却)のための自動化技術を提供することを目的とする。
【0008】
ユーザが最も有利な価格で仮想通貨を買収/売却することができる最適化取引情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
コンピュータシステムが実行する仮想通貨取引自動化方法であって、前記コンピュータシステムは、メモリに含まれるコンピュータ読み取り可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み、前記仮想通貨取引自動化方法は、前記少なくとも1つのプロセッサにより、マーケット仮想通貨に該当する少なくとも1つのマーケットに対し、ユーザが保有する仮想通貨に該当するベースコイン(基礎となるコイン)によって取引しようとする仮想通貨であるターゲットコインの取引量を計算する段階、および前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記計算されたターゲットコインの取引量に基づいて前記ターゲットコインの取引と関連する推薦情報を前記ユーザの電子機器に提供する段階を含む、仮想通貨取引自動化方法を提供する。
【0010】
前記仮想通貨取引自動化方法を前記コンピュータシステムに実行させるために非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される、コンピュータプログラムを提供する。
【0011】
コンピュータシステムであって、メモリに含まれるコンピュータ読み取り可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、マーケット仮想通貨に該当する少なくとも1つのマーケットに対し、ユーザが保有する仮想通貨に該当するベースコインによって取引しようとする仮想通貨であるターゲットコインの取引量を計算する取引量計算部、および前記計算されたターゲットコインの取引量に基づいて前記ターゲットコインの取引と関連する推薦情報を前記ユーザの電子機器に提供する推薦部を含む、コンピュータシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る、ネットワーク環境の例を示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態における、電子機器およびサーバの内部構成を説明するためのブロック図である。
【
図3】仮想通貨取引所が提供するサービス画面のうちのコイン現況画面の例を示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態における、サーバのプロセッサが含むことのできる構成要素の例を示したブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態における、サーバが実行することのできる方法の例を示したフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態における、ターゲットコインの取引量を計算する過程の一例を示したフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態における、ターゲットコインの取引量の例を示した図である。
【
図8】本発明の一実施形態における、最適化取引情報を提供するサービス画面の例を示した図である。
【
図9】本発明の一実施形態における、最適化取引情報を提供するサービス画面の他の例を示した図である。
【
図10】本発明の一実施形態における、最適化取引情報を提供するサービス画面の他の例を示した図である。
【
図11】本発明の一実施形態における、ユーザ取引内訳を提供するサービス画面の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<発明の概要>
コンピュータシステムが実行する仮想通貨取引自動化方法であって、前記コンピュータシステムは、メモリに含まれるコンピュータ読み取り可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み、前記仮想通貨取引自動化方法は、前記少なくとも1つのプロセッサにより、マーケット仮想通貨に該当する少なくとも1つのマーケットに対し、ユーザが保有する仮想通貨に該当するベースコイン(基礎となるコイン)によって取引しようとする仮想通貨であるターゲットコインの取引量を計算する段階、および前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記計算されたターゲットコインの取引量に基づいて前記ターゲットコインの取引と関連する推薦情報を前記ユーザの電子機器に提供する段階を含む、仮想通貨取引自動化方法を提供する。
【0014】
一側面によると、前記計算する段階は、前記マーケット仮想通貨と前記マーケット仮想通貨によって取引可能な取引仮想通貨とのペア別の相場を利用して前記ターゲットコインの取引量を計算してよい。
【0015】
他の側面によると、前記計算する段階は、前記ターゲットコインの取引が可能なマーケット別に前記ベースコインを該当のマーケットコインに交換した後、交換されたマーケットコインによって取引可能な前記ターゲットコインの数量を計算する段階を含んでよい。
【0016】
また他の側面によると、前記計算する段階は、前記ターゲットコインの取引が可能なマーケット別に前記ベースコインを該当のマーケットコインに交換した後、交換されたマーケットコインからコイン交換手数料を除いた残りのマーケットコインによって取引可能な前記ターゲットコインの数量を計算する段階を含んでよい。
【0017】
また他の側面によると、前記計算する段階は、前記ターゲットコインの取引が可能なマーケットのうちで前記ベースコインを前記マーケット仮想通貨として使用するベースマーケットの場合、前記ベースコインの数量と前記ベースマーケットでの前記ターゲットコインの相場を利用して前記ベースコインによって取引可能な前記ターゲットコインの数量を計算する段階を含んでよい。
【0018】
また他の側面によると、前記計算する段階は、前記ターゲットコインの取引が可能なマーケットのうちで前記ベースマーケットではない他のマーケットに対し、前記ベースコインの数量と前記他のマーケットでの前記ベースコインの相場を利用して該当のマーケットコインの数量を計算した後、前記マーケットコインの数量と前記他のマーケットでの前記ターゲットコインの相場を利用して前記ベースコインによって取引可能な前記ターゲットコインの数量を計算する段階をさらに含んでよい。
【0019】
また他の側面によると、前記計算する段階は、前記ターゲットコインの取引が可能なマーケットのうちで前記ベースマーケットではない他のマーケットに対し、前記ベースコインの数量と前記ベースマーケットでの該当のマーケットコインの相場を利用して該当のマーケットコインの数量を計算した後、前記マーケットコインの数量と前記他のマーケットでの前記ターゲットコインの相場を利用して前記ベースコインによって取引可能な前記ターゲットコインの数量を計算する段階をさらに含んでよい。
【0020】
また他の側面によると、前記提供する段階は、前記ターゲットコインの取引が可能なマーケットのうちで前記計算されたターゲットコインの取引量が最も多いマーケットを、他のマーケットと区別して表示してよい。
【0021】
また他の側面によると、前記提供する段階は、前記ターゲットコインの取引が可能なマーケットを前記計算されたターゲットコインの取引量の順に整列した順位情報を提供してよい。
【0022】
さらに他の側面によると、前記提供する段階は、前記推薦情報に含まれたマーケットに前記ターゲットコインの取引を処理する自動取引機能を提供する段階を含んでよい。
【0023】
前記仮想通貨取引自動化方法を前記コンピュータシステムに実行させるために非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される、コンピュータプログラムを提供する。
【0024】
コンピュータシステムであって、メモリに含まれるコンピュータ読み取り可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、マーケット仮想通貨に該当する少なくとも1つのマーケットに対し、ユーザが保有する仮想通貨に該当するベースコインによって取引しようとする仮想通貨であるターゲットコインの取引量を計算する取引量計算部、および前記計算されたターゲットコインの取引量に基づいて前記ターゲットコインの取引と関連する推薦情報を前記ユーザの電子機器に提供する推薦部を含む、コンピュータシステムを提供する。
【0025】
<発明の詳細>
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
本発明の実施形態は、仮想通貨(以下、「コイン」と称する)の最適化取引(買収/売却)のための自動化技術に関する。
【0027】
本明細書で具体的に開示される事項を含む実施形態は、ユーザが最適な価格でコインを買収/売却するための最適化取引情報を提供することができ、これによってコイン取引に対する利便性とユーザの利益を最大化させることができる。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態における、ネットワーク環境の例を示した図である。
図1のネットワーク環境は、複数の電子機器110、120、130、140、複数のサーバ150、160、およびネットワーク170を含む例を示している。このような
図1は、発明の説明のための一例に過ぎず、電子機器の数やサーバの数が
図1のように限定されることはない。
【0029】
複数の電子機器110、120、130、140は、コンピュータシステムによって実現される固定端末や移動端末であってよい。複数の電子機器110、120、130、140の例としては、スマートフォン、携帯電話、ナビゲーション、PC(personal computer)、ノート型PC、デジタル放送用端末、PDA(Personal Digital Assistant)、PMP(Portable Multimedia Player)、タブレット、ゲームコンソール、ウェアラブルデバイス、IoT(internet of things)デバイス、VR(virtual reality)デバイス、AR(augmented reality)デバイスなどがある。一例として、
図1では、電子機器110の例としてスマートフォンを示しているが、本発明の実施形態において、電子機器110は、実質的に無線または有線通信方式を利用し、ネットワーク170を介して他の電子機器120、130、140および/またはサーバ150、160と通信することのできる多様な物理的なコンピュータシステムのうちの1つを意味してよい。
【0030】
通信方式が限定されることはなく、ネットワーク170が含むことのできる通信網(一例として、移動通信網、有線インターネット、無線インターネット、放送網、衛星網など)を利用する通信方式だけではなく、機器間の近距離無線通信が含まれてよい。例えば、ネットワーク170は、PAN(personal area network)、LAN(local area network)、CAN(campus area network)、MAN(metropolitan area network)、WAN(wide area network)、BBN(broadband network)、インターネットなどのネットワークのうちの1つ以上の任意のネットワークを含んでよい。さらに、ネットワーク170は、バスネットワーク、スターネットワーク、リングネットワーク、メッシュネットワーク、スター-バスネットワーク、ツリーまたは階層的ネットワークなどを含むネットワークトポロジのうちの任意の1つ以上を含んでもよいが、これらに限定されることはない。
【0031】
サーバ150、160それぞれは、複数の電子機器110、120、130、140とネットワーク170を介して通信して命令、コード、ファイル、コンテンツ、サービスなどを提供する1つ以上のコンピュータ装置によって実現されてよい。例えば、サーバ150は、ネットワーク170を介して接続した複数の電子機器110、120、130、140に第1サービスを提供するシステムであってよく、サーバ160も、ネットワーク170を介して接続した複数の電子機器110、120、130、140に第2サービスを提供するシステムであってよい。より具体的な例として、サーバ150は、複数の電子機器110、120、130、140においてインストールされて実行されるコンピュータプログラムであるアプリケーションを通じ、該当のアプリケーションが目的とするサービス(一例として、仮想通貨取引サービスなど)を第1サービスとして複数の電子機器110、120、130、140に提供してよい。他の例として、サーバ160は、上述したアプリケーションのインストールおよび実行のためのファイルを複数の電子機器110、120、130、140に配布するサービスを第2サービスとして提供してよい。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態における、電子機器およびサーバの内部構成を説明するためのブロック図である。
図2では、電子機器に対する例として電子機器110の内部構成およびサーバ150の内部構成について説明する。また、他の電子機器120、130、140やサーバ160も、上述した電子機器110またはサーバ150と同一または類似の内部構成を有してよい。
【0033】
電子機器110およびサーバ150は、メモリ211、221、プロセッサ212、222、通信モジュール213、223、および入力/出力インタフェース214、224を含んでよい。メモリ211、221は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)、ディスクドライブ、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリなどのような永続的大容量記録装置を含んでよい。ここで、ROM、SSD、フラッシュメモリ、ディスクドライブのような永続的大容量記録装置は、メモリ211、221とは区分される別の永続的記録装置として電子機器110やサーバ150に含まれてもよい。また、メモリ211、221には、オペレーティングシステムと、少なくとも1つのプログラムコード(一例として、電子機器110においてインストールされて実行されるブラウザや、特定のサービスの提供のために電子機器110にインストールされるアプリケーションなどのためのコード)が記録されてよい。このようなソフトウェア構成要素は、メモリ211、221とは別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体からロードされてよい。このような別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、フロッピー(登録商標)ドライブ、ディスク、テープ、DVD/CD-ROMドライブ、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含んでよい。他の実施形態において、ソフトウェア構成要素は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体ではない通信モジュール213、223を通じてメモリ211、221にロードされてもよい。例えば、少なくとも1つのプログラムは、開発者またはアプリケーションのインストールファイルを配布するファイル配布システム(一例として、上述したサーバ160)がネットワーク170を介して提供するファイルによってインストールされるコンピュータプログラム(一例として、上述したアプリケーション)に基づいてメモリ211、221にロードされてよい。
【0034】
プロセッサ212、222は、基本的な算術、ロジック、および入出力演算を実行することにより、コンピュータプログラムの命令を処理するように構成されてよい。命令は、メモリ211、221または通信モジュール213、223によって、プロセッサ212、222に提供されてよい。例えば、プロセッサ212、222は、メモリ211、221のような記録装置に記録されたプログラムコードにしたがって受信される命令を実行するように構成されてよい。
【0035】
通信モジュール213、223は、ネットワーク170を介して電子機器110とサーバ150とが互いに通信するための機能を提供してもよいし、電子機器110および/またはサーバ150が他の電子機器(一例として、電子機器120)または他のサーバ(一例として、サーバ160)と通信するための機能を提供してもよい。一例として、電子機器110のプロセッサ212がメモリ211のような記録装置に記録されたプログラムコードにしたがって生成した要求が、通信モジュール213の制御にしたがってネットワーク170を介してサーバ150に伝達されてよい。これとは逆に、サーバ150のプロセッサ222の制御にしたがって提供される制御信号や命令、コンテンツ、ファイルなどが、通信モジュール223とネットワーク170を経て電子機器110の通信モジュール213を通じて電子機器110に受信されてよい。例えば、通信モジュール213を通じて受信されたサーバ150の制御信号や命令、コンテンツ、ファイルなどは、プロセッサ212やメモリ211に伝達されてよく、コンテンツやファイルなどは、電子機器110がさらに含むことのできる記録媒体(上述した永続的記録装置)に記録されてよい。
【0036】
入力/出力インタフェース214は、入力/出力装置215とのインタフェースのための手段であってよい。例えば、入力装置は、キーボード、マウス、マイクロフォン、カメラなどの装置を、出力装置は、ディスプレイ、スピーカ、触覚フィードバックデバイスなどのような装置を含んでよい。他の例として、入力/出力インタフェース214は、タッチスクリーンのように入力と出力のための機能が1つに統合された装置とのインタフェースのための手段であってもよい。入力/出力装置215は、電子機器110と1つの装置で構成されてもよい。また、サーバ150の入力/出力インタフェース224は、サーバ150に接続するかサーバ150が含むことのできる入力または出力のための装置(図示せず)とのインタフェースのための手段であってよい。より具体的な例として、電子機器110のプロセッサ212がメモリ211にロードされたコンピュータプログラムの命令を処理するにあたり、サーバ150や電子機器120が提供するデータを利用して構成されるサービス画面やコンテンツが、入力/出力インタフェース214を通じてディスプレイに表示されてよい。
【0037】
また、他の実施形態において、電子機器110およびサーバ150は、
図2の構成要素よりも多くの構成要素を含んでもよい。しかし、大部分の従来技術的構成要素を明確に図に示す必要はない。例えば、電子機器110は、上述した入力/出力装置215のうちの少なくとも一部を含むように実現されてもよいし、トランシーバ、GPS(Global Positioning System)モジュール、カメラ、各種センサ、データベースなどのような他の構成要素をさらに含んでもよい。より具体的な例として、電子機器110がスマートフォンである場合、一般的にAIスピーカが含んでいる加速度センサやジャイロセンサ、カメラモジュール、物理的な各種ボタン、タッチパネルを利用したボタン、入力/出力ポート、振動のための振動器などのような多様な構成要素が、電子機器110にさらに含まれるように実現されてよい。
【0038】
以下では、仮想通貨の最適化取引のための方法およびシステムの具体的な実施形態について説明する。
【0039】
一般的に、仮想通貨取引所は、特定の仮想通貨をマーケット仮想通貨(Market crypto-currency:Market coin)(以下、「マーケット」と称する)として使用し、取引仮想通貨(Trading crypto-currency:Trading coin)(以下、「コイン」と称する)によって他の仮想通貨を取引する方式を採用している。言い換えれば、仮想通貨取引所では「コイン/マーケット」のペアで買収/売却が行われるが、例えば、BTCコインによって取引可能なBTCマーケットにETHコインとLNコインが上場された場合、各ペア(例えば、[ETH/BTC]、[LN/BTC])によって取引が可能となる。
【0040】
仮想通貨取引所は、マーケット仮想通貨(マーケット)と取引仮想通貨(コイン)とのペア別に取引が可能となるため、マーケットを選択せずにコインだけを選択してコインを取引する方法はない。特に、ユーザが最適な価格でコインを売買することのできる自動化ロジックは未だ存在していない。
【0041】
同じコインであったとしてもマーケットごとにコインの相場が異なるため、最適な価格でコインを購入するためには、ユーザが各マーケットの取引可能なコイン数量を計算して取引を決める必要がある。
【0042】
図3は、仮想通貨取引所が提供するサービス画面のうちのコイン現況画面300の例を示した図である。
【0043】
図3を参照すると、ユーザが仮想通貨取引所でLNコインを買収したい場合、コイン現況画面300でマーケットを選択し、各マーケット別に、例えば、BTC、ETH、USDTマーケットで形成されたLNコインの相場を確認する。コイン現況画面300を見ると、LNコインの現在値はUSDTマーケットで最も低く形成されているため、同額の投資金で最も多くのLNコインを買収するためには、USDTマーケットを通じて買収するのが最も有利であると判断することができる。
【0044】
しかし、LNコインの買収に最適なマーケットをコイン現況画面300で確認することができたとしても、ユーザが資産として所有しているコインが他の種類であって交換が必要な場合には、コイン交換手数料が適用された後でも有利であるかをユーザが直接計算しなければならないという不便がある。
【0045】
例えば、現時点でUSDTマーケットを通じてLNコインを購入するのが有利であると判断されたとしても、ユーザがBTCコインだけを保有している場合には、LNコインを買収するためにBTCコインをUSDTコインに交換する必要があり、このような過程においてコイン交換手数料が発生するようになる。
【0046】
言い換えれば、ユーザは、買収しようとするLNコインの現在値の相場をベースとし、各マーケットでのコイン交換過程による手数料を除いた金額でLNコインをどれだけ購入できるかをいちいち計算しなければならないのである。
【0047】
このような問題を解決するために、本発明の実施形態は、自動化ロジックを利用してユーザが最も有利な価格で最も多くのコインを買収/売却することのできる最適化取引情報を提供することを目的とする。
【0048】
図4は、本発明の一実施形態における、サーバのプロセッサが含むことのできる構成要素の例を示したブロック図であり、
図5は、本発明の一実施形態における、サーバが実行することのできる方法の例を示したフローチャートである。
【0049】
本実施形態に係るサーバ150は、仮想通貨取引サービスを提供するプラットフォームの役割を担うものであって、特に、各マーケットで取引可能なコイン数量を計算する自動化ロジックを利用して最適化取引情報を提供するものである。
【0050】
サーバ150のプロセッサ222は、
図5に係る仮想通貨取引自動化方法を実行するための構成要素として、
図3に示すように、マーケット検索部410、相場収集部420、取引量計算部430、および推薦部440を含んでよい。実施形態によって、プロセッサ222の構成要素は、選択的にプロセッサ222に含まれても除外されてもよい。また、実施形態によって、プロセッサ222の構成要素は、プロセッサ222の機能の表現のために分離されても併合されてもよい。
【0051】
このようなプロセッサ222およびプロセッサ222の構成要素は、
図5の仮想通貨取引自動化方法が含む段階510~540を実行するようにサーバ150を制御してよい。例えば、プロセッサ222およびプロセッサ222の構成要素は、メモリ221が含むオペレーティングシステムのコードと少なくとも1つのプログラムのコードとによる命令を実行するように実現されてよい。
【0052】
ここで、プロセッサ222の構成要素は、サーバ150に記録されたプログラムコードが提供する命令にしたがってプロセッサ222によって実行される互いに異なる機能の表現であってよい。例えば、サーバ150が特定のコインの取引可能なマーケットを検索するように上述した命令にしたがってサーバ150を制御するプロセッサ222の機能的表現としてマーケット検索部410が利用されてよい。
【0053】
プロセッサ222は、サーバ150の制御と関連する命令がロードされたメモリ221から必要な命令を読み取ってよい。この場合、前記読み取られた命令は、以下で説明される段階510~540をプロセッサ222が実行するように制御するための命令を含んでよい。以下で説明される段階510~540は、
図5に示した順序とは異なるように実行されてもよく、段階510~540のうちの一部が省略されても、追加の過程がさらに含まれてもよい。
【0054】
段階510で、マーケット検索部410は、電子機器110のユーザが買収しようとするターゲットコインが特定される場合、ターゲットコインの取引が可能なマーケットを検索してよい。一例として、マーケット検索部410は、電子機器110のユーザによって特定のコインが選択される場合、選択されたコインをターゲットコインとして特定してよい。他の例として、マーケット検索部410は、電子機器110のユーザによって登録された関心コインをターゲットコインとして特定してもよい。このように、マーケット検索部410は、ターゲットコインが特定される場合、サーバ150のサービスプラットフォーム上に登録されたマーケットのうち、ターゲットコインが取引可能なコインとして上場されたマーケットを検索してよい。
【0055】
段階520で、相場収集部420は、段階510で検索されたマーケット別に、該当のマーケットで取引されるターゲットコインの相場を収集してよい。また、相場収集部420は、取引可能なマーケット別に、各マーケットで電子機器110のユーザの資産に含まれたベースコインが取引される相場をともに収集してよい。一実施形態では、電子機器110のユーザにより、ユーザの資産のうちでターゲットコインを買収する特定のベースコインと数量が選択されてよく、このとき、自動化ロジックは、ユーザが選択したベースコインの数量によってターゲットコインを最も多く購入することができるマーケットを推薦することを目的とする。実施形態によっては、ターゲットコインを買収するベースコインが選択されない場合、ユーザが資産として保有しているすべてのベースコインを対象に自動化ロジックを実行してもよく、このとき、自動化ロジックは、ベースコインそれぞれに対して同じ単位数量でターゲットコインを最も多く購入することのできるマーケットを推薦することを目的とする。このために、相場収集部420は、マーケット別に、各マーケットで取引されるターゲットコインの相場とベースコインの相場を収集してよい。プロセッサ222は、仮想通貨取引サービスを提供するために必要な関連情報をデータベースに記録および維持してよい。このようなデータベースは、マーケットとコインのペア別の相場情報などを含んでよく、メモリ221とは区分される別の記録装置としてサーバ150に含まれてもよいし、あるいはサーバ150と連動可能な個別のシステムで構成されてもよい。相場収集部420は、ターゲットコインとベースコインを対象にデータベースを照会することでマーケットとコインのペア別の相場を収集してよい。
【0056】
段階530で、取引量計算部430は、マーケット別に、各マーケットで取引されるターゲットコインの相場とベースコインの相場を利用して該当のマーケットで取引可能な、すなわち、交換可能なターゲットコインの取引量を計算してよい。言い換えれば、取引量計算部430は、マーケット別に、マーケットとコインのペア別の相場を利用してベースコインによって取引可能なターゲットコインの数量を計算してよい。このとき、取引量計算部430は、マーケットとコインのペア別の相場に基づき、マーケットそれぞれに対してユーザが資産から選択したベースコインの数量、あるいはユーザの資産に該当するすべてのベースコイン別の単位数量で買収が可能なターゲットコインの数量を計算してよい。マーケット別にターゲットコインの取引量を計算する具体的な過程については、以下でさらに詳しく説明する。
【0057】
段階540で、推薦部440は、マーケット別のターゲットコインの取引量に基づいてターゲットコインの取引と関連する推薦情報を電子機器110のユーザに提供してよい。一例として、推薦部440は、マーケット別のターゲットコインの取引量を利用して少なくとも1つのマーケットを推薦してよい。例えば、推薦部440は、ターゲットコインの取引が可能なマーケットのうち、ユーザが選択したベースコインによってターゲットコインを最も多く購入することができるマーケットを推薦してよい。他の例として、推薦部440は、ユーザの資産に含まれるベースコイン別に、各ベースコインの単位数量でターゲットコインを最も多く購入することができるマーケットを推薦してよい。このとき、推薦部440は、単位数量でターゲットコインを最も多く購入することができるベースコインとともに、マーケットを推薦してよい。上述した推薦情報は、マーケット(およびベースコイン)に対する順位情報として提供されてよく、あるいは推薦対象を特定する方式によっても提供可能である。さらに、推薦部440は、ターゲットコインの取引のための推薦情報の提供はもちろん、電子機器110のユーザの要求にしたがい、推薦情報に含まれたマーケットにターゲットコインの取引(買収/売却)を処理する自動取引機能を提供してよい。
【0058】
上述ではターゲットコインの買収取引について説明したが、売却取引もこれと同じであり、ユーザが最終コインによって最も多くの数量を取得することができる方向のロジックを適用する。
【0059】
図6は、本発明の一実施形態における、ターゲットコインの取引量を計算する過程の一例を示したフローチャートである。
図6のターゲットコイン取引量計算方法は、
図5を参照しながら説明した段階530に含まれてよい。
【0060】
段階601で、取引量計算部430は、ターゲットコインの取引が可能な候補マーケット(すなわち、ターゲットコインが上場されたマーケット)として検索されたマーケットが、ユーザの資産に該当するベースコインをマーケット仮想通貨とするマーケット、すなわち、ベースマーケットに該当するかを判断する。ターゲットコインの取引が可能な候補マーケットとして複数のマーケットが検索された場合、それぞれの候補マーケットに対し、
図6のターゲットコイン取引量計算方法によってターゲットコインの取引量を計算してよい。
【0061】
段階602で、取引量計算部430は、ベースコインをマーケット仮想通貨とするベースマーケットの場合には、該当のマーケットでのターゲットコインの相場を利用してベースコインによって取引可能なターゲットコインの数量を計算してよい。例えば、取引量計算部430は、ベースマーケットでベースコインによって取引可能なターゲットコインの数量を数式(1)によって算出してよい。
【0062】
ターゲットコインの数量=ベースコインの数量/ターゲットコインの相場・・・(1)
【0063】
段階603で、取引量計算部430は、ベースコインをマーケット仮想通貨とするベースマーケット以外の他のマーケットの場合には、該当のマーケットに上場されたコインにベースコインが含まれているかを確認する。
【0064】
段階604で、取引量計算部430は、ターゲットコインの取引が可能な候補マーケットにベースコインが上場されていない場合、該当のマーケットでのベースコインの相場を利用してベースコインによって取引可能なマーケットコインの数量を計算してよい。一例として、取引量計算部430は、ベースコインが上場されたマーケットでベースコインによって取引可能なマーケットコインの数量を数式(2)によって算出してよい。
【0065】
マーケットコインの数量=(ベースコインの数量×ベースコインの相場)-コイン交換手数料・・・(2)
【0066】
ここで、コイン交換手数料は、(ベースコインの数量×ベースコインの相場)×コイン交換率(例えば、0.001)として定義されてもよく、一定量のマーケットコインであってもよい。
【0067】
例えば、USDTマーケットでベースコインBTCをターゲットコインLNに交換しようとするとき、ベースコインBTCがUSDTマーケットに上場されていれば、先ずはベースコインBTCをマーケットコインUSDTに交換してよい。このとき、ベースコインBTCから交換可能なマーケットコインUSDTの数量は、「(ベースコインBTCの数量)×(USDTマーケットでのベースコインBTCの相場)-コイン交換手数料に相応するUSDT数量」として計算されてよい。
【0068】
段階605で、取引量計算部430は、ターゲットコインの取引が可能な候補マーケットにベースコインが上場されていない場合、ベースマーケットでの該当のマーケットコインの相場を利用してベースコインによって取引可能なマーケットコインの数量を計算してよい。一例として、取引量計算部430は、マーケットにベースコインが上場されていない場合、該当のマーケットコインの相場を利用してベースコインによって取引可能なマーケットコインの数量を数式(3)によって算出してよい。
【0069】
マーケットコインの数量=(ベースコインの数量/マーケットコインの相場)-コイン交換手数料・・・(3)
【0070】
ここで、コイン交換手数料は、(ベースコインの数量/マーケットコインの相場)×コイン交換率(例えば、0.001)として定義されてよい。
【0071】
例えば、ETHマーケットでベースコインBTCをターゲットコインLNに交換しようとするとき、ETHマーケットにベースコインBTCが上場されない場合には、先ずはBTCマーケットでベースコインBTCをマーケットコインETHに交換してよい。このとき、ベースコインBTCから交換可能なマーケットコインETHの数量は、「(ベースコインBTCの数量)/(BTCマーケットでのマーケットコインETHの相場)-コイン交換手数料に相応するETH数量」として計算されてよい。
【0072】
段階606で、取引量計算部430は、ターゲットコインの取引が可能な候補マーケットがベースマーケット以外の他のマーケットの場合、段階604または段階605で算出されたマーケットコインの数量と該当のマーケットでのターゲットコインの相場を利用してベースコインによって取引可能なターゲットコインの数量を計算してよい。例えば、取引量計算部430は、ベースマーケット以外の他のマーケットでベースコインによって取引可能なターゲットコインの数量を数式(4)によって算出してよい。
【0073】
ターゲットコインの数量=マーケットコインの数量/ターゲットコインの相場・・・(4)
【0074】
図7は、本発明の一実施形態における、ターゲットコインの取引量の例を示した図である。
図7は、0.5数量のBTCコインによって各マーケットで買収可能なLNコインの数量を計算する過程を示している。
【0075】
図7を参照すると、ターゲットコインLNが上場されたすべてのマーケットを対象に0.5数量のBTCコインによって取引可能なLNコインの数量を計算することにより、1)ベースコインBTCをマーケット仮想通貨とするBTCマーケットの場合、0.5数量のBTCコインをBTCマーケットでのLNコインの相場(例えば、1LN=0.00104795BTC)で割ることにより、BTCマーケットで取引可能なLNコインの数量を算出してよい。
【0076】
2)ターゲットコインLNが上場されたマーケットのうちの1つであるUSDTマーケットの場合、i)先ずはベースコインBTCをマーケットコインUSDTに交換した後(例えば、ベースコインBTCがUSDTマーケットに上場されている場合、BTC0.5BTC×10805.19USDT/1BTC)、ii)コイン交換手数料を計算し、iii)計算されたコイン交換手数料を除いたUSDTコイン(例えば、5397.192405USDT)を計算し、iv)USDTマーケットでのLN相場で割ることにより{例えば、5397.192405USDT/(10.87USDT/1LN)}、USDTマーケットで取引可能なLNコインの数量を算出してよい。
【0077】
3)ターゲットコインLNが上場されたマーケットのうちの他の1つであるETHマーケットの場合、i)先ずはベースコインBTCをマーケットコインETHに交換した後(例えば、ベースコインBTCがETHマーケットに上場されていない場合、BTCマーケットでのマーケットコインETHの相場を利用して0.5BTC/(0.028632BTC/1ETH))、ii)コイン交換手数料を計算し、iii)計算されたコイン交換手数料を除いたETHコイン(例えば、17.44551551ETH)を計算し、iv)ETHマーケットでのLN相場で割ることにより(例えば、17.44551551ETH/(0.03599997ETH/1LN))、ETHマーケットで取引可能なLNコインの数量を算出してよい。
【0078】
特定のマーケットでベースコインをマーケットコインに交換するときに、ベースコインが上場されている場合には、ベースコインの数量に該当のマーケットでのベースコインの相場を掛ける方式を適用し、ベースコインが上場されていない場合には、ベースコインの数量をベースマーケットでの該当のマーケットコインの相場で割る方式を適用する。例えば、コイン交換時に、USDTマーケットにBTCコインが上場されている場合には、BTCコインの数量にUSDTマーケットでのBTCコインの相場を掛ける方式によってBTCコインをUSDTコインに交換する。ETHマーケットにBTCコインが上場されていない場合には、BTCコイン数量をBTCマーケットでのETHコインの相場で割る方式によってBTCコインをETHコインに交換する。
【0079】
また、マーケット別のコインの相場を照会するときに、現相場では両替および締結が行われない可能性があることを考慮した上で、単位時間(例えば、24時間)のオーダーブックで買い注文の最高値と売り注文の最低値を相場として計算に使用してよい。
【0080】
ターゲットコインLNが上場されたマーケットがBTCマーケット、USDTマーケット、ETHマーケットであるとするとき、0.5数量のBTCコインによって各マーケットで買収することができるLNコインの数量はすべて異なるはずであり、
図7の例では、同じBTCコインの数量で最も多くのLNコインを買収することができるマーケットはUSDTマーケットとなる。
【0081】
推薦部440は、ターゲットコインLNが上場されたマーケットのうちからベースコインによって最も多くの数量のターゲットコインLNを購入することができるマーケットを選択し、推薦情報としてユーザに提供してよい。
【0082】
従来は「コイン/マーケット」のペアとして「ベース/ターゲット」または「ターゲット/ベース」のペアだけを基準とした取引が可能であったが、本発明の実施形態では、コインの交換を繰り返して「ベース/other_1」->・・・->「other_m/other_n」->・・・->「other1/target」のようなロジックによる有利な取引情報をユーザに推薦することができる。
【0083】
図8は、本発明の一実施形態における、最適化取引情報を提供するサービス画面の例を示した図である。
【0084】
図8を参照すると、推薦部440は、電子機器110のユーザがターゲットコインとなる関心コインとしてLNコインを登録した場合、関心コインと関連するサービス画面800を通じてLNコインに対するマーケット(BTC、USDT、ETH)のペア別の相場を含んだ取引情報を提供してよい。このとき、推薦部440は、電子機器110のユーザが保有している資産コインによって最も多くの数量のLNコインを購入することができるマーケット801を他のマーケットと区別し、最適化取引情報として表示してよい。推薦部440は、最も多くのLNコインを購入することができるマーケット801を特定して表示することの他に、コインとマーケットのペアを取引可能なLNコインの数量が多い順に整列し、最適化取引情報を順位情報によって提供することも可能である。また、推薦部440は、買収の意思がある関心コインとして複数が登録された場合、関心コインそれぞれに対し、ユーザの資産コインによって最も多くの数量を購入することができるマーケットを推薦してよい。さらに、推薦部440は、ユーザが数種類の資産コインを保有している場合には、ユーザのそれぞれの資産コインの同じ単位数量でLNコインを最も多く購入することができる資産コインを、マーケットとともに推薦してよい。
【0085】
図9および
図10は、本発明の一実施形態における、最適化取引情報を提供するサービス画面の他の例を示した図である。
【0086】
図9は、最適化取引画面900の例を示している。
図9を参照すると、最適化取引画面900は、ユーザが保有するコインを確認するための「保有コインを見る」UI901、ベースコインと取引数量を選択または入力するための「売却希望コイン」UI902、ターゲットコインを選択または入力するための「買収希望コイン」UI903、および最適化取引情報を要求するための「取引推薦を見る」UI904などを含んでよい。
【0087】
ユーザは、最適化取引画面900を通じて自身が保有している資産を確認し、資産から売却しようとするベースコインと数量を選択すると同時に、買収しようとするターゲットコインをともに選択してよい。
【0088】
例えば、電子機器110のユーザが、最適化取引画面900において、ベースコインとして0.5数量のBTCコインを、ターゲットコインとしてLNコインを選択して「取引推薦を見る」UI904を選択する場合、推薦部440は、
図10に示すように、LNコインを買収することができる取引経路に対する推薦リスト1010を提供してよい。推薦リスト1010は、LNコインに対するマーケットペアが、LNコインの買収可能な予想数量が多い順に整列された最適化取引情報で構成されてよい。ユーザが直接計算しなくても、推薦リスト1010を参照することにより、マーケットペア別に0.5数量のBTCコインで買収可能なLNコインの予想数量を確認することができ、そのうちでも最も多くのLNコインを買収することができるマーケットペアを確認することができる。
【0089】
ユーザが最適化取引画面900の推薦リスト1010から特定のマーケットペアを選択する場合、選択したマーケットペアに対してLNコインの取引を処理するための「取引実行」UI1011がアクティブ化されてよく、推薦部440は、ユーザによって推薦リスト1010から特定のマーケットペアが選択されて「取引実行」UI1011が入力される場合、該当のマーケットを通じて0.5数量のBTCコインによるLNコインの買収取引を直ぐに処理してよい。
【0090】
上述したベースコインとターゲットコインのユーザ選択による最適化取引のためのインタフェースはもちろん、ユーザの取引内訳を確認することができるインタフェースを提供することも可能である。
【0091】
図11は、ユーザ取引内訳画面1100を示している。推薦部440は、電子機器110のユーザから取引内訳の要求が受信される場合、
図11に示すように、ユーザ取引内訳画面1100を通じて、ユーザが取引のために選択したベースコインとターゲットコインに対するコイン選択内訳1110、ユーザが選択したベースコインとターゲットコインに対して最適化取引情報として提供された推薦内訳1120、およびユーザが選択したベースコインとターゲットコインに対して実際に取引された取引内訳1130などを提供してよい。このようにベースコインは、マーケットコインの1つでなくてもよく、ベースコインからターゲットコインに交換する取引経路にマーケットコインでないコインが含まれてもよい。
【0092】
最適化取引推薦画面が上述したようなサービス画面に限定されことはなく、多様なアクセス経路とインタフェースを通じてターゲットコインの取引と関連する最適化取引情報を提供することも可能である。
【0093】
このように、本発明の実施形態によると、ユーザがマーケットを特定しなくても、マーケット別にユーザの資産コインによって買収/売却可能なコインの数量を自動で計算し、これに基づいてユーザに最も利益となる最適化取引情報を推薦することができ、コインの最適化取引を自動化することができる。
【0094】
上述した装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、および/またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせによって実現されてよい。例えば、実施形態で説明された装置および構成要素は、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、FPGA(field programmable gate array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、または命令を実行して応答することができる様々な装置のように、1つ以上の汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータを利用して実現されてよい。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)およびOS上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行してよい。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答し、データにアクセスし、データを記録、操作、処理、および生成してもよい。理解の便宜のために、1つの処理装置が使用されるとして説明される場合もあるが、当業者は、処理装置が複数個の処理要素および/または複数種類の処理要素を含んでもよいことが理解できるであろう。例えば、処理装置は、複数個のプロセッサまたは1つのプロセッサおよび1つのコントローラを含んでよい。また、並列プロセッサのような、他の処理構成も可能である。
【0095】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせを含んでもよく、思うままに動作するように処理装置を構成したり、独立的または集合的に処理装置に命令したりしてよい。ソフトウェアおよび/またはデータは、処理装置に基づいて解釈されたり、処理装置に命令またはデータを提供したりするために、いかなる種類の機械、コンポーネント、物理装置、コンピュータ記録媒体または装置に具現化されてよい。ソフトウェアは、ネットワークによって接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された状態で記録されても実行されてもよい。ソフトウェアおよびデータは、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。
【0096】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段によって実行可能なプログラム命令の形態で実現されてコンピュータ読み取り可能な媒体に記録されてよい。このとき、媒体は、コンピュータ実行可能なプログラムを継続して記録するものであっても、実行またはダウンロードのために一時記録するものであってもよい。また、媒体は、単一または複数のハードウェアが結合した形態の多様な記録手段または格納手段であってよく、あるコンピュータシステムに直接接続する媒体に限定されることはなく、ネットワーク上に分散して存在するものであってもよい。媒体の例としては、ハードディスク、フロッピディスク、磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどを含み、プログラム命令が記録されるように構成されたものであってよい。また、媒体の他の例として、アプリケーションを配布するアプリケーションストアやその他の多様なソフトウェアを供給または配布するサイト、サーバなどで管理する記録媒体または格納媒体も挙げられる。
【0097】
以上のように、実施形態を、限定された実施形態と図面に基づいて説明したが、当業者であれば、上述した記載から多様な修正および変形が可能である。例えば、説明された技術が、説明された方法とは異なる順序で実行されたり、かつ/あるいは、説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が、説明された方法とは異なる形態で結合されたりまたは組み合わされたり、他の構成要素または均等物によって対置されたり置換されたとしても、適切な結果を達成することができる。
【0098】
したがって、異なる実施形態であっても、特許請求の範囲と均等なものであれば、添付される特許請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0099】
222:プロセッサ
410:マーケット検索部
420:相場収集部
430:取引量計算部
440:推薦部