(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】チャット機能提供サーバ
(51)【国際特許分類】
H04L 51/046 20220101AFI20241029BHJP
H04L 51/043 20220101ALI20241029BHJP
【FI】
H04L51/046
H04L51/043
(21)【出願番号】P 2020207220
(22)【出願日】2020-12-15
(62)【分割の表示】P 2020107845の分割
【原出願日】2020-06-23
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】515192391
【氏名又は名称】メディアリンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松本 淳志
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-021801(JP,A)
【文献】国際公開第2018/208411(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0097197(US,A1)
【文献】特開2005-115936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
41/00-101/695
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末とオペレータ端末間のチャット機能を提供するチャット機能提供サーバにおいて、
ログイン後のウェブページに組み込まれたスクリプトを実行した前記利用者端末から、
前記ログイン後に前記利用者端末に表示されたウェブページを構成するテキストハンドリングできるフロント言語に含まれる前記利用者端末の利用者を特定する情報を含む所定のデータを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部より取得された前記利用者端末の利用者を特定する情報を含む前記所定のデータを含む利用者情報を生成する利用者情報生成処理部と、
前記利用者情報生成処理部により生成された前記利用者情報を、前記オペレータ端末に送信する通信制御部と、
前記スクリプトを実行した前記利用者端末からの要求に基づいて、前記利用者情報を取得した前記オペレータ端末との前記チャット機能を提供するチャット機能制御部と
を有することを特徴とするチャット機能提供サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載のチャット機能提供サーバにおいて、
前記スクリプトを実行した前記利用者端末との間にセッションを構築するセッション管理処理部をさらに有し、
前記利用者情報生成処理部は、前記セッション管理処理部の処理による前記利用者端末とのセッションの管理によって得られた情報を、前記利用者情報に含ませる
ことを特徴とするチャット機能提供サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャット機能提供サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業等は、商品やサービスの宣伝や販売、提供等を目的として、ウェブサイト(ウェブページ)を設けている。一般の消費者等は、自身の利用者端末などに搭載されるブラウザ(ウェブブラウザ)等により、企業等が設けているウェブページを閲覧する。
【0003】
企業等は、自身のウェブページを消費者等に閲覧させるだけでなく、ウェブページから自身の商品やサービス等を購入または利用してもらうことを所望している。しかしながら、消費者等が、所望の情報を見つけられなかったり、操作が分からないために、企業等のウェブページから離れてしまうことがある。企業等のウェブページから消費者等が離脱すると、商品やサービス等の販売や提供につながらず、企業等にとって収益の機会の損失等につながる。そこで、企業等が、自身が設けているウェブページを閲覧する消費者等に対して、実際の店舗のような接客をすること、具体的には、直接コンタクトを取り、所望の情報の提供や操作の支援をすることにより、消費者等のウェブページからの離脱を抑制し、自身の商品やサービスの販売や提供を促進したいという希望がある。
【0004】
そこで、所定のウェブページを閲覧する端末と、端末オペレータが使用する端末とで、文字情報による情報の送受信、すなわちチャット機能を提供する技術がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に記載の技術は、所定のウェブページを閲覧している利用者端末とオペレータ端末とで文字情報を授受するチャット機能を提供するものである。ここで、利用者が閲覧しているウェブページが、所定の操作によりログイン状態である場合、利用者は、企業等が、利用者が何者であるかを把握している状態であると認識している。しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、ウェブページにおけるログイン機能と、チャット機能は、それぞれ、独立したシステムにより提供されるので、オペレータ端末を操作するオペレータは、チャットの相手となる利用者について、ログイン機能で提供される情報等を把握することができない。
【0007】
そのため、例えば、チャットの開始にあたり、オペレータは、相手の、すなわち、ログインしているはずのユーザの氏名等を認識していないため、これらの情報を改めて確認する(例えば、チャット画面において入力を促す)必要が発生する。これは、ウェブページを利用するユーザにとっては、不自然であり、二度手間と感じるため、サービスの質を低下させてしまう恐れがある。
【0008】
特許文献1に記載の技術は、自らが提供するウェブページに所定のスクリプトを記述し、そのスクリプトが利用者端末において実行されることにより、ウェブページを提供するためのウェブサーバとは異なるサーバの処理により、所定のウェブページを閲覧している利用者端末とオペレータ端末とで文字情報を授受することを可能とするものである。これにより、所定のウェブページを提供する企業等が、チャットシステムの構築のために必要な技術を要していない場合において、または、自ら提供しているウェブページを大幅に変更することなく、チャット機能を利用し、ウェブページを閲覧する消費者等に対して、実際の店舗のような接客を行うことができ、消費者等のウェブページからの離脱を抑制し、自身の商品やサービスの販売や提供を促進することができるものである。
【0009】
例えば、ログイン機能を提供するシステムと、チャット機能を提供するシステムとで、データベースを共有化することにより、オペレータ端末を操作するオペレータが、チャットの相手となる利用者について、ログイン機能で提供される情報等を把握することが可能となるが、そのためには、それぞれのシステムを大きく変更する必要が生じてしまう。それぞれのシステムを大掛かりに変更することは、特許文献1に記載の技術の利便性を大幅に損なうものである。
【0010】
そこで、本発明は、前記課題を解決すること、すなわち、ウェブページの提供システムとチャット機能の提供システムを大きく変更することなく、チャット機能のサービスを向上させることができる、チャット機能提供サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のチャット機能提供サーバの一側面は、ウェブページに組み込まれたスクリプトであって、ウェブページに含まれる利用者端末の利用者を特定する情報を含む所定のデータをオペレータ端末に提供させるためのスクリプトが、ウェブページを表示させた利用者端末において実行され、利用者端末から送信された利用者端末の利用者を特定する情報を含む所定のデータを含む利用者情報を生成する利用者情報生成処理部と、利用者情報生成処理部により生成された利用者情報を、オペレータ端末に送信する通信制御部と、スクリプトを実行した利用者端末からの要求に基づいて、利用者情報を取得したオペレータ端末とのチャット機能を提供するチャット機能制御部とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明のチャット機能提供サーバの他の側面は、スクリプトを実行した利用者端末との間にセッションを構築するセッション管理処理部をさらに有し、利用者情報生成処理部は、セッション管理処理部の処理による利用者端末とのセッションの管理によって得られた情報を、利用者情報に含ませることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ウェブページの提供システムとチャット機能の提供システムを大きく変更することなく、チャット機能のサービスを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】情報処理システム1の概要について説明するための図である。
【
図2】利用者端末11、オペレータ端末14、チャット機能提供サーバ13、および、ウェブサーバ12の機能を実現する情報処理装置21のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】利用者端末11が、チャット機能提供スクリプトを含むウェブページを表示し、チャット機能提供スクリプトが実行された場合の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図4】チャット機能提供サーバ13の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】オペレータ端末14の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図6】情報処理システム1において実行される処理について説明するためのシーケンス図である。
【
図7】ウェブページ81の例について説明するための図である。
【
図9】オペレータ管理画面101の一例を示す図である。
【
図10】チャット機能提供スクリプト群を実行した利用者端末11のウェブブラウザに表示されるウェブページ81の一例を示す図である。
【
図11】チャット機能提供スクリプト群を実行した利用者端末11のウェブブラウザに表示されるウェブページ81の一例を示す図である。
【
図12】チャット機能提供スクリプト群を実行した利用者端末11のウェブブラウザに表示されるウェブページ81の一例を示す図である。
【
図13】オペレータ端末14のオペレータ管理画面101の一例を示す図である。
【
図14】オペレータ端末14のチャット画面161の一例を示す図である。
【
図15】チャット機能提供スクリプト群を実行した利用者端末11のウェブブラウザに表示されるウェブページ81の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態の情報処理システム、および、情報処理方法について、
図1~
図15を参照しながら説明する。
【0016】
まず、
図1を参照し、情報処理システム1の概要について説明する。
【0017】
図1の情報処理システム1は、利用者端末11-1~11-n(n≧1)、ウェブサーバ12、チャット機能提供サーバ13、オペレータ端末14-1~14-m(m≧1)、および、ネットワーク15を含んで構成されている。利用者端末11-1~11-n、チャット機能提供サーバ13、ウェブサーバ12、オペレータ端末14-1~14-mは、それぞれ、ネットワーク15を介して接続されている。 利用者端末11-1~11-nはそれぞれ同様の構成であり、オペレータ端末14-1~14-mもそれぞれ同様の構成であるので、これ以降、特に区別が必要でない場合、それぞれ、利用者端末11、および、オペレータ端末14と総称する。
【0018】
図1の情報処理システム1は、例えば、特開2017-021801号公報において開示されている技術を用いて、所定の企業が提供しているウェブページ(ウェブコンテンツ)を表示させている利用者端末11と、対応する企業が管理するオペレータ端末14との間にチャット機能を提供することが可能である。また、さらに、
図1の情報処理システム1は、利用者端末11がアクセスし表示させるウェブページのデータに含まれる、例えば、氏名、ユーザ名、サービスの利用者ID、メールアドレス、または、住所などの所定のデータを取得し、チャット機能提供サーバ13を介して、オペレータ端末14に供給することにより、利用者端末11とオペレータ端末14との間に提供されるチャット機能のサービスを向上させる。
【0019】
利用者端末11は、利用者によって操作される端末である。利用者端末11は、ネットワーク15を介して、他の装置と情報を授受する。具体的には、利用者端末11は、ウェブサーバ12に格納されているウェブページのデータの閲覧を、ネットワーク15を介して要求し、このウェブページのデータを取得したり、オペレータ端末14との間でチャット機能を利用して文字情報を授受するための通信機能、取得したウェブページのデータを読み込んで実行する、すなわち、ウェブページを表示するなどの処理を行うブラウザの機能を有しているとともに、ブラウザ等の画面を表示する表示部、文字情報等を入力する入力部を含んで構成されている。
【0020】
ウェブサーバ12は、ネットワーク15を介して、他の装置と情報を授受するための通信処理部と、通信処理部により供給される他の装置からの要求に応じて、所定の装置に送信するための表示データ、すなわち、ウェブページのデータを格納する格納部を含んで構成されている。ウェブサーバ12は、ネットワーク15を介して、利用者端末11から所定のウェブページの閲覧を要求された場合、要求されたウェブページを表示させるためのデータを、ネットワーク15を介して、利用者端末11に送信する。
【0021】
ウェブサーバ12の格納部に格納されるウェブページのデータは、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)およびCSS(Cascading Style Sheets)で記述されたデータである。CSSは、テキストハンドリングできるフロント言語である。また、ウェブサーバ12の格納部に格納されるウェブページのデータは、各種スクリプトを含むことにより、ウェブページを表示している端末装置に、所定のスクリプトを実行させることができる。また、消費者に提供されるサービスのうち、ログインが必要なサービスにおいて、ログイン後に表示されるウェブページのデータには、そのHTMLに、例えば、氏名、ユーザ名、サービスの利用者ID、メールアドレス、または、住所などの情報が含まれており、CSSなどのテキストハンドリングできるフロント言語により、それぞれの情報の表示または非表示、表示位置、あるいは、表示される文字の大きさや色などが指定されている。
【0022】
ここで、チャット機能提供サーバ13の処理により、利用者端末11とオペレータ端末14とのチャット機能を実現させるサービスを受ける事業者等は、対応するウェブページのデータに、ウェブページを表示させた利用者端末11に対して、所定の処理の実行を要求するスクリプトを含ませる。これ以降、所定の処理の実行を要求するスクリプト群を、チャット機能提供スクリプト群と称するものとする。
【0023】
すなわち、利用者端末11から、ネットワーク15を介して、チャット機能提供スクリプト群を含むウェブページの閲覧が要求された場合、ウェブサーバ12は、要求されたウェブページのデータを格納部から読み出し、通信処理部の処理により、利用者端末11にネットワーク15を介して供給する。利用者端末11においては、対応するウェブページが表示されるとともに、チャット機能提供スクリプト群が実行される。
【0024】
チャット機能提供スクリプト群には、少なくとも、チャット機能提供サーバ13へのID発番要求などの、オペレータ端末14と文字情報を授受するためのチャット機能の提供を受けるために必要な処理、表示されているウェブページに含まれている所定の情報を選択して取得する処理、および、取得された情報をチャット機能提供サーバ13へ送信する処理を、それぞれ実行させるスクリプトが含まれている。チャット機能提供スクリプト群が実行されることにより、利用者端末11は、ネットワーク15を介して、チャット機能提供サーバ13へID発番要求を送信する。そして、利用者端末11とチャット機能提供サーバ13の間には、ネットワーク15を介した第1のセッションが構築され、相互に情報の授受が可能な状態となる。利用者端末11とチャット機能提供サーバ13との間に構築されるセッションは、非同期型双方向通信である。ウェブページから取得される情報、および、情報の取得処理の詳細については後述する。また、チャット機能提供スクリプト群には、これ以外にも、例えば、特開2017-021801号公報において開示されている、利用者端末11とオペレータ端末14との画面共有機能などを実行させるためのスクリプトが含まれていてもよい。
【0025】
チャット機能提供サーバ13は、ネットワーク15を介して、他の装置と情報を授受するための通信処理部を有するとともに、セッションの管理機能、ID発番機能、利用者端末11から供給されたウェブページに含まれる所定の情報の取得機能、取得された所定の情報を含む利用者情報を生成する機能、生成された情報をオペレータ端末14へ送信する機能、および、チャット機能提供スクリプト群を含むウェブページを表示させている利用者端末11と表示されているウェブページを管理する企業等の管理下にあるオペレータ端末14との間にチャット機能を提供する機能を有する。また、チャット機能提供サーバ13は、利用者情報などの必要な情報を格納する格納部を有する。また、チャット機能提供サーバ13とオペレータ端末14のそれぞれには、あらかじめ、ネットワーク15を介した第2のセッションが構築されており、相互に情報の授受が可能である。チャット機能提供サーバ13とオペレータ端末14との間に構築されるセッションは、非同期型双方向通信である。
【0026】
チャット機能提供サーバ13は、チャット機能提供スクリプトを含むウェブページが表示された利用者端末11から、ネットワーク15を介して、IDの発番要求を受けるとともに、利用者端末11において表示されているウェブページに含まれている所定のデータの供給を受ける。そして、チャット機能提供サーバ13は、対応する利用者端末11との間に第1のセッションを確立し、相互に情報の授受が可能な状態とする。
【0027】
チャット機能提供サーバ13は、IDを発番し、対応する利用者端末11に供給するとともに、対応する利用者端末11において表示されているウェブページを管理している企業等の管理下にあるオペレータ端末14に対して、利用者端末11において表示されているウェブページに含まれている所定のデータを含む利用者情報を生成して供給する。そして、チャット機能提供サーバ13は、利用者端末11との間で構築された第1のセッション、および、オペレータ端末14との間で構築されている第2のセッションを用いて、ネットワーク15を介した利用者端末11とオペレータ端末14との間の文字情報の授受、すなわち、チャット機能を提供する。
【0028】
オペレータ端末14は、ウェブページを開設している企業等の従業員等であるオペレータによって使用される端末である。 オペレータ端末14は、ウェブページを開設している企業等ごとに、1台、または、複数台設けられている。オペレータ端末14は、ネットワーク15を介して、他の装置と情報を授受するための通信処理部、チャット機能提供サーバ13から供給される利用者情報や、利用者端末11との間で文字情報の送受信を行うチャット画面などを表示する表示部、および、文字情報等を入力する入力部を有する。
【0029】
オペレータ端末14は、チャット機能提供サーバ13との間で構築されている第2のセッションに基づいて、ネットワーク15を介して、情報を授受することが可能になされており、チャット機能提供サーバ13から、利用者端末11において表示されている自社のウェブページに含まれている所定のデータを含む利用者情報の供給を受ける。また、オペレータ端末14は、自社が提供するウェブページが表示されている利用者端末11との間で、チャットによる通信を行うことができる。
【0030】
ネットワーク15は、例えば、インターネット接続業者の通信装置へのアクセス網とインターネットを含むネットワークである。ネットワーク15に接続される装置は、それぞれ、ネットワーク15上の位置を示すアドレス(IPアドレス等)を有している。
【0031】
図1の情報処理システム1は、上述した機能以外の機能を有していてもよく、例えば、特開2017-021801号公報において開示されている、利用者端末11とオペレータ端末14との画面共有機能を有していてもよい。
【0032】
利用者端末11、および、オペレータ端末14は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、携帯電話、タブレット型端末、カーナビゲーション装置、または、PDA(Personal Digital Assistant)のような専用または汎用のコンピュータ、もしくは、コンピュータを搭載した情報処理装置を使用して実現可能である。また、チャット機能提供サーバ13、および、ウェブサーバ12は、PC、または、ワークステーション(WS、Work Station)のような専用または汎用のコンピュータ、もしくは、コンピュータを搭載した情報処理装置を使用して実現可能である。
【0033】
図2は、利用者端末11、および、オペレータ端末14、並びに、チャット機能提供サーバ13、および、ウェブサーバ12の機能を実現する情報処理装置21のハードウェア構成例を示す図である。
図2に示す情報処理装置21は、一般的なコンピュータの構成を有している。すなわち、利用者端末11、ウェブサーバ12、チャット機能提供サーバ13、および、オペレータ端末14は、
図2に示すような情報処理装置21によって実現される。
図2の情報処理装置21は、プロセッサ31、メモリ32、記憶部33、入力部34、出力部35、通信制御部36を有する。これらは、互いにバス37によって接続される。情報処理装置21のハードウェア構成は、
図2に示される例に限らず、適宜構成要素の省略、置換、追加が行われてもよい。
【0034】
メモリ32および記憶部33は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。 情報処理装置21は、プロセッサ31が記録媒体に記憶されたプログラムをメモリ32の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、所定の目的に合致した機能を実現することができる。
【0035】
プロセッサ31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)である。
【0036】
メモリ32は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。メモリ32は、主記憶装置とも呼ばれる。
【0037】
記憶部33は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD、Solid State Drive)である。また、記憶部33は、リムーバブルメディア、すなわち、可搬記録媒体を含むことができる。リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、あるいは、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)のようなディスク記録媒体である。記憶部33は、二次記憶装置とも呼ばれる。ウェブサーバ12において、ウェブページのデータを格納する格納部は、記憶部33に対応する。
【0038】
記憶部33は、各種のプログラム、各種のデータおよび各種のテーブルを読み書き自在に記録媒体に格納する。記憶部33には、オペレーティングシステム(Operating System:OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。記憶部33に格納される情報は、メモリ32に格納されてもよい。また、メモリ32に格納される情報は、記憶部33に格納されてもよい。
【0039】
オペレーティングシステムは、ソフトウェアとハードウェアとの仲介、メモリ空間の管理、ファイル管理、プロセスやタスクの管理等を行うソフトウェアである。オペレーティングシステムは、通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、通信制御部36を介して接続される他の外部装置等とデータのやり取りを行うプログラムである。外部装置等には、例えば、他の情報処理装置、外部記憶装置等が含まれる。
【0040】
入力部34は、キーボード、ポインティングデバイス、ワイヤレスリモコン、タッチパネル等を含む。また、入力部34は、カメラのような映像や画像の入力装置や、マイクロフォンのような音声の入力装置を含むことができる。
【0041】
出力部35は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)パネル等の表示装置、プリンタ等の出力装置を含む。また、出力部35は、スピーカのような音声の出力装置を含むことができる。
【0042】
通信制御部36は、他の装置と接続し、情報処理装置21と他の装置との間の通信を制御する。通信制御部36は、例えば、LAN(Local Area Network)インタフェースボード、無線通信のための無線通信回路、電話通信のための通信回路である。LANインタフェースボードや無線通信回路は、インターネット等のネットワーク15に接続される。
【0043】
利用者端末11を実現するコンピュータは、プロセッサ31が二次記憶装置に記憶されているプログラムを主記憶装置にロードして実行することによって、各種機能を実現する。特に、利用者端末11を実現するコンピュータが、チャット機能提供スクリプトを含むウェブページを表示した場合、チャット機能提供スクリプトが実行されることにより、
図3を用いて後述する各種機能を実現する。
【0044】
チャット機能提供サーバ13を実現するコンピュータは、プロセッサ31が二次記憶装置に記憶されているプログラムを主記憶装置にロードして実行することによって、
図4を用いて後述する各種機能を実現する。格納部は、主記憶装置または二次記憶装置の記憶領域に設けられる。
【0045】
オペレータ端末14は、プロセッサ31が二次記憶装置に記憶されているプログラムを主記憶装置にロードして実行することによって、
図5を用いて後述する各種機能を実現する。
【0046】
図3は、利用者端末11が、チャット機能提供スクリプトを含むウェブページを表示し、チャット機能提供スクリプトが実行された場合の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。チャット機能提供スクリプトが実行された場合、利用者端末11は、第1の入力制御部41、第1の通信制御部42、第1の表示制御部43、ウェブページデータ選択取得部44、および、ID要求処理部45を含む機能を実現する。
【0047】
第1の入力制御部41は、入力部34によるユーザの操作入力を制御する。具体的には、例えば、第1の表示制御部43により表示されているブラウザに対する各種操作の入力を制御し、第1の表示制御部43に供給したり、チャット機能によってオペレータ端末14へ送信するために入力された文字情報を第1の通信制御部42に供給する。
【0048】
第1の通信制御部42は、通信制御部36による、ネットワーク15を介する他の装置との情報の授受を制御する。具体的には、例えば、第1の入力制御部41から供給された操作入力に基づいて、所定のウェブページのデータの要求の、ウェブサーバ12への送信を制御したり、ウェブサーバ12から送信されたウェブページデータの受信を制御して、第1の表示制御部43に供給する。また、第1の通信制御部42は、チャット機能提供サーバ13により構築される第1のセッションを利用して、ID要求処理部45によるID発番要求、ウェブページデータ選択取得部44から供給されるウェブページに含まれる所定の情報、および、第1の入力制御部41から供給された文字情報の、チャット機能提供サーバ13への送信を制御したり、チャット機能提供サーバ13から供給された、オペレータ端末14において入力された文字情報の受信を制御して、第1の表示制御部43に供給する。
【0049】
第1の表示制御部43は、出力部35による情報の表示を制御する。具体的には、第1の表示制御部43は、例えば、チャット機能提供スクリプトを含むウェブページの表示を制御したり、第1の入力制御部41から供給された文字情報の、ブラウザの所定位置への表示を制御したり、第1の通信制御部42から供給された、オペレータ端末14において入力された文字情報の、ブラウザの所定位置への表示を制御する。
【0050】
ウェブページデータ選択取得部44は、第1の表示制御部43により表示が制御されているウェブページから、所定の情報を取得し、第1の通信制御部42に供給して、チャット機能提供サーバ13へ送信させる。上述したように、ウェブページを表示させるためのデータは、例えば、HTMLおよびCSSなどのテキストハンドリングできるフロント言語で記述されたデータであり、また、消費者に提供されるサービスのうち、ログインが必要なサービスにおいて、ログイン後に表示されるウェブページのデータには、そのHTMLに、例えば、氏名、ユーザ名、サービスの利用者ID、メールアドレス、または、住所などの情報が含まれており、CSSなどのテキストハンドリングできるフロント言語により、それぞれの情報の表示または非表示、表示位置、あるいは、表示される文字の大きさや色などが指定されている。具体的には、ログイン後に表示されるウェブページには、例えば、その右上の所定個所などに、ログインしたユーザの氏名やログイン名などの所定の情報が表示されている。また、ログイン後に表示されるウェブページの情報には、例えば、メールアドレス、顧客ID、または、住所など、表示されない情報が含まれている場合がある。これら表示されていない情報は、例えば、過去の購買履歴の検索、または、所望の商品の送料や配送にかかる日数等の算出に利用することが可能である。そこで、ウェブページデータ選択取得部44は、第1の表示制御部43により表示が制御されているウェブページのテキストハンドリングできるフロント言語を参照することにより、所定の情報を選択して取得し、第1の通信制御部42に供給して、チャット機能提供サーバ13へ送信させる。
【0051】
ID要求処理部45は、チャット機能の提供を受けるためのIDの発番を要求するための情報を生成し、第1の通信制御部42に供給して、チャット機能提供サーバ13へ送信させる。
【0052】
利用者端末11が、チャット機能提供スクリプトを含むウェブページを表示し、チャット機能提供スクリプトが実行された場合、これらの機能が実現されることにより、チャット機能提供サーバ13へ、ID発番要求と、ウェブページから取得された所定の情報が供給され、チャット機能サーバと第1のセッションが構築されることにより、オペレータ端末14との間で文字情報をやり取りするチャット機能の提供を受けることが可能となる。
【0053】
図4は、チャット機能提供サーバ13の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。チャット機能提供サーバ13は、第2の通信制御部51、セッション管理処理部52、ID発番部53、ウェブページデータ取得部54、利用者情報生成処理部55、格納部56、および、チャット機能制御部57を含む。
【0054】
第2の通信制御部51は、通信制御部36による、ネットワーク15を介する他の装置との情報の授受を制御する。具体的には、例えば、利用者端末11から送信されたID発番要求の受信を制御し、ID発番部53に供給したり、利用者端末11から送信された、ウェブページから取得された所定の情報の受信を制御し、ウェブページデータ取得部54に供給したり、セッション管理処理部52の処理により管理される、利用者端末11との第1のセッション、および、オペレータ端末14との第2のセッションを利用した、各種情報の授受を制御する。
【0055】
セッション管理処理部52は、IDの発番を要求した利用者端末11との第1のセッションを構築するとともに、オペレータ端末14との間で第2のセッションを構築し、それぞれのセッションを管理する。具体的には、セッション管理処理部52は、利用者端末11による企業等のウェブページの滞在を監視する。チャット機能提供サーバ13と利用者端末11との間の第1のセッションは、利用者端末11において、利用者が対応するウェブページを閉じるまでの間、または、他のウェブページ(チャット機能提供スクリプトが含まれていないウェブページ)に遷移するまでの間、維持される。同一企業等の複数のウェブページの表示データにおいて同じチャット機能提供スクリプトが含まれている場合、この第1のセッションは、これらのウェブページ間の遷移では、維持される。
【0056】
セッション管理処理部52における第1のセッションおよび第2のセッションの管理は、例えば、HTML5のウェブソケット(Websocket)などによって実現される。利用者端末11とチャット機能提供サーバ13との間の第1のセッションは、ID発番部53により発番されるIDによって識別されてもよいし、IDとは異なる識別子によって識別されてもよい。ID発番部53により発番されるIDと、第1のセッションにおいて用いられる識別子とが異なる場合、IDと識別子とが対応付けられて、例えば、利用者端末11のIPアドレスなどの他の情報とともに、格納部56に格納される。
【0057】
また、セッション管理処理部52は、セッションの管理において取得した、利用者端末11が対応するウェブページにアクセスを開始した日時、利用者端末11のIPアドレス、過去30日間の来訪回数、本日の来訪回数、利用ブラウザ名、検索ワード、接続元URL、利用者端末11が接続しているウェブページのURL(閲覧中URL)などの情報を、利用者情報生成処理部55に供給する。
【0058】
ここで、過去30日間の来訪回数は、利用者端末11から過去30日以内に接続された回数である。過去30日間の来訪回数は、例えば、利用者端末11に格納されるクッキーなどに書き込まれている閲覧日時のうち、過去30日以内のものを計数することにより求められる。本日の来訪回数は、利用者端末11から本日、接続された回数である。本日の来訪回数は、利用者端末11に格納されるクッキーなどに書き込まれている閲覧日時のうち、本日のものを計数することにより求められる。利用ブラウザは、利用者端末11で使用されているブラウザの名称である。利用ブラウザには、ブラウザのバージョン情報等が含まれてもよい。検索ワードは、企業等のウェブページを検索する際に使用された文字列である。接続元URLは、企業等のウェブページに接続する前に接続していたウェブページのURLである。
【0059】
ID発番部53は、利用者端末11を識別する固有の識別情報(ID)を利用者端末11に割り当てる。ID発番部53は、割り当てた識別情報を、第2の通信制御部51に供給して、利用者端末11に送信させるとともに、利用者端末11のIPアドレス等と対応付けて利用者情報生成処理部55に供給する。
【0060】
ウェブページデータ取得部54は、第2の通信制御部51から、利用者端末11により送信された、ウェブページに含まれる、例えば、例えば、氏名、ユーザ名、サービスの利用者ID、メールアドレス、または、住所などの所定の情報を取得し、利用者情報生成処理部55に供給する。
【0061】
利用者情報生成処理部55は、セッション管理処理部52から供給された、例えば、利用者端末11が対応するウェブページにアクセスを開始した日時、利用者端末11のIPアドレス、過去30日間の来訪回数、本日の来訪回数、利用ブラウザ名、検索ワード、接続元URL、および、利用者端末11が接続しているウェブページのURL(閲覧中URL)などの情報、ウェブページデータ取得部54から供給された、例えば、氏名、ユーザ名、サービスの利用者ID、メールアドレス、および、住所などの情報、並びに、ID発番部53から供給されたIDの所定の情報に基づいて、利用者情報を生成し、第2の通信処理部に供給して、対応するオペレータ端末14に送信させるとともに、格納部56に供給して格納させる。
【0062】
格納部56は、利用者情報生成処理部55により生成された利用者情報を含む、チャット機能提供サーバ13で使用される各種データ、各種テーブル等を格納する。
【0063】
チャット機能制御部57は、例えば、特開2017-021801号公報において開示されているようにして、利用者端末11とオペレータ端末14との間での文字情報によるチャット機能を実現ための各種処理を制御する。
【0064】
図5は、オペレータ端末14の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。オペレータ端末14は、第3の通信制御部61、利用者情報取得部62、第2の表示制御部63、および、第2の入力制御部64を含む機能を実現する。
【0065】
第3の通信制御部61は、通信制御部36による、ネットワーク15を介する他の装置との情報の授受を制御する。具体的には、例えば、チャット機能提供サーバ13により構築される第2のセッションを利用して、チャット機能提供サーバ13から送信された利用者情報の受信を制御し、利用者情報取得部62に供給したり、チャット機能提供サーバ13から供給された、利用者端末11において入力された文字情報の受信を制御して、第2の表示制御部63に供給したり、第2の入力制御部64から供給された文字情報の、チャット機能提供サーバ13への送信を制御する。
【0066】
利用者情報取得部62は、第3の通信制御部61により受信が制御された利用者情報を取得して、第2の表示制御部63に供給する。
【0067】
第2の表示制御部63は、出力部35による情報の表示を制御する。具体的には、第2の表示制御部63は、例えば、利用者情報取得部62により供給された利用者情報に基づいて、オペレータ管理画面に対応するデータを生成し、その表示を制御したり、チャット機能が実行される場合のチャット画面に対応するデータを生成し、その表示を制御する。オペレータ管理画面については、
図9および
図13、チャット画面については、
図14を用いて後述する。
【0068】
第2の入力制御部64は、入力部34によるオペレータの操作入力を制御する。具体的には、例えば、第2の表示制御部63により表示されているチャット画面における文字情報、すなわち、チャット機能によって利用者端末11へ送信するための文字情報の入力を制御し、第1の表示制御部43に供給して表示させたり、第1の通信制御部42に供給して、チャット機能提供サーバ13に送信させる。
【0069】
このように、本発明の情報処理システム1においては、ウェブサーバ12は、ウェブページを利用者端末11に表示させるためのデータであって、ウェブページを表示させた利用者端末11に所定の処理を実行させるスクリプト群を含むデータを格納する記憶部33(格納部に対応する)を有し、スクリプト群には、利用者端末11に対して、ウェブページに含まれる所定のデータを選択させ、選択された所定のデータをチャット機能提供サーバ13へ送信させ、ウェブページの提供元が管理するオペレータ端末14とのチャット機能の提供を要求する処理を実行させるためのスクリプトが含まれ、チャット機能提供サーバ13は、スクリプト群を実行した利用者端末11からの要求に基づいて、ウェブページの提供元が管理するオペレータ端末14とのチャット機能を提供するチャット機能制御部57と、スクリプト群を実行した利用者端末11から送信された、ウェブページに含まれる所定のデータを含む利用者情報を生成する利用者情報生成処理部55と、利用者情報生成処理部55により生成された利用者情報のオペレータ端末14への送信を制御する第2の通信制御部51(通信制御部に対応する)とを有し、オペレータ端末14は、チャット機能提供サーバ13から送信された利用者情報、および、チャット機能制御部57の処理により提供されるチャット機能に関する情報の表示を制御する第2の表示制御部63(表示制御部に対応する)を有する。
【0070】
これにより、例えば、データベースを共有することなく、ウェブページのデータに含まれる所定の情報、すなわち、チャット機能の利用者に関する情報を、オペレータ端末14に表示させることができるので、ウェブページの提供システムとチャット機能の提供システムを大きく変更することなく、チャット機能により提供されるサービスを向上させることができる。
【0071】
次に、
図6のシーケンス図と、
図7~
図15の表示画面例を用いて、情報処理システム1によって実行される処理の例について説明する。
【0072】
ステップS1において、チャット機能提供サーバ13のセッション管理処理部52は、オペレータ端末14との第2のセッションを構築し、第2のセッションを管理する。セッション管理処理部52における第2のセッションの管理は、例えば、HTML5のウェブソケットなどによって実現される。
【0073】
ステップS2において、利用者端末11は、入力部34から供給された操作入力に基づいて、ウェブサーバ12に対して、上述したチャット機能提供スクリプト群が含まれたウェブページのデータを要求する。チャット機能提供スクリプト群には、少なくとも、チャット機能提供サーバ13へのID発番要求、オペレータ端末14と文字情報を授受するためのチャット機能、表示されているウェブページに含まれている所定の情報の取得、および、取得された情報のチャット機能提供サーバ13への送信をそれぞれ実行させるスクリプトが含まれている。
【0074】
ステップS3において、ウェブサーバ12は、利用者端末11に、要求されたウェブページのデータを送信する。
【0075】
ステップS4において、利用者端末11は、ウェブサーバ12から送信されたウェブページのデータを受信して、ウェブページを表示させるとともに、チャット機能提供スクリプト群を実行する。これにより、利用者端末11は、
図3の機能ブロック図を用いて説明した各種機能を有する。
【0076】
そして、利用者端末11のID要求処理部45は、チャット機能の提供を受けるためのIDの発番を要求するための情報を生成し、第1の通信制御部42に供給する。そして、ウェブページデータ選択取得部44は、第1の表示制御部43により表示が制御されているウェブページのCSSなどのテキストハンドリングできるフロント言語を参照することにより、所定の情報を選択して取得し、第1の通信制御部42に供給する。
【0077】
ウェブページから選択される情報としては、ウェブページに含まれている情報のうち、ウェブページを提供する企業等が、提供されるチャット機能においてオペレータに利用させたい情報が選択されるように設定することが可能である。チャット機能提供スクリプト群のうち、表示されているウェブページに含まれている所定の情報を取得させるためのスクリプトは、選択される情報を抽出するためのCSSなどのテキストハンドリングできるフロント言語の情報を含むものとなる。具体的には、例えば、
図7に示されるウェブページ81に含まれる情報のうち、右上のユーザ名表示欄91に表示される「××太郎」というテキスト情報を取得したい場合、ウェブページデータ選択取得部44は、CSSなどのテキストハンドリングできるフロント言語の情報を参照することにより、右上のユーザ名表示欄91に表示される「××太郎」というテキスト情報を取得することができる。
【0078】
ステップS5において、第1の通信制御部42は、IDの発番を要求するための情報、および、ウェブページデータ選択取得部44により選択的に取得された、ウェブページに含まれていた所定の情報を、チャット機能提供サーバ13へ送信する。チャット機能提供サーバ13の第2の通信制御部51は、利用者端末11から送信されたID発番要求の受信を制御し、ID発番部53に供給するとともに、利用者端末11から送信された、ウェブページから取得された所定の情報の受信を制御し、ウェブページデータ取得部54に供給する。ウェブページデータ取得部54は、第2の通信制御部51から、利用者端末11から送信された、ウェブページに含まれる、例えば、例えば、氏名、ユーザ名、サービスの利用者ID、メールアドレス、または、住所などの所定の情報を、利用者情報生成処理部55に供給する。
【0079】
ステップS6において、チャット機能提供サーバ13のセッション管理処理部52は、IDの発番を要求した利用者端末11との第1のセッションを構築する。セッション管理処理部52における第1のセッションの管理は、例えば、HTML5のウェブソケットなどによって実現される。また、セッション管理処理部52は、セッションの管理において取得した、利用者端末11が対応するウェブページにアクセスを開始した日時、利用者端末11のIPアドレス、過去30日間の来訪回数、本日の来訪回数、利用ブラウザ名、検索ワード、接続元URL、利用者端末11が接続しているウェブページのURL(閲覧中URL)などの情報を、利用者情報生成処理部55に供給する。
【0080】
ステップS7において、チャット機能提供サーバ13のID発番部53は、利用者端末11を識別する固有の識別情報(ID)を利用者端末11に割り当てる。ID発番部53は、割り当てた識別情報を、第2の通信制御部51に供給して、利用者端末11に送信させるとともに、利用者端末11のIPアドレス等と対応付けて利用者情報生成処理部55に供給する。
【0081】
ステップS8において、チャット機能提供サーバ13の利用者情報生成処理部55は、セッション管理処理部52から供給された、例えば、利用者端末11が対応するウェブページにアクセスを開始した日時、利用者端末11のIPアドレス、過去30日間の来訪回数、本日の来訪回数、利用ブラウザ名、検索ワード、接続元URL、および、利用者端末11が接続しているウェブページのURL(閲覧中URL)などの情報、ウェブページデータ取得部54から供給された、例えば、氏名、ユーザ名、サービスの利用者ID、メールアドレス、および、住所などの情報、並びに、ID発番部53から供給されたIDの所定の情報に基づいて、利用者情報を生成し、第2の通信処理部に供給して、対応するオペレータ端末14に送信させるとともに、格納部56に供給して格納させる。
【0082】
図8に、格納部56に格納されている利用者情報の一覧の例を示す。ウェブページから選択されて取得された情報が、例えば、利用者の氏名、顧客ID、および、メールアドレスであった場合、利用者情報一覧には、割り当てられたIDに対応付けられて、アクセス開始日時、利用者IPアドレス、30日間の来訪回数、本日の来訪回数、利用者の氏名、顧客ID、メールアドレス、接続元URL、利用者端末11が接続しているウェブページのURL(閲覧中URL)などの情報が、それぞれ、記録されて格納される。
【0083】
ステップS9において、オペレータ端末14の第3の通信制御部61は、チャット機能提供サーバ13により構築される第2のセッションを利用して、チャット機能提供サーバ13から送信された利用者情報の受信を制御し、利用者情報取得部62に供給する。利用者情報取得部62は、第3の通信制御部61により受信が制御された利用者情報を取得して、第2の表示制御部63に供給する。そして、チャット機能提供サーバ13の第2の表示制御部63は、利用者情報取得部62により供給された利用者情報に基づいて、オペレータ管理画面に対応するデータを生成し、その表示を制御する。
【0084】
【0085】
オペレータ管理画面101には、例えば、自社が提供するウェブページであって、チャット機能提供スクリプトを含むウェブページにアクセスしている利用者および利用者端末11の情報の一覧111が、利用者情報に基づいて表示される。チャット機能を利用したい場合、オペレータ端末14を使用するオペレータは、後述するチャット画面を開くための「開く」ボタン112を選択することにより、該当するユーザと文字情報を授受することが可能となる。
【0086】
ステップS10において、チャット機能提供サーバ13のチャット機能制御部57は、利用者端末11との間の第1のセッション、および、オペレータ端末14との間の第2のセッションを利用して、相互間にチャット機能の利用を可能とする。
【0087】
ステップS11において、利用者端末11とオペレータ端末14は、チャット機能を利用して、文字情報を授受する。
【0088】
図10~
図15を参照して、ステップS11において実行されるチャット機能の具体例について説明する。
【0089】
図10に、チャット機能提供スクリプト群を実行した利用者端末11のウェブブラウザに表示されるウェブページ81の一例を示す。
【0090】
ウェブページ81には、チャット機能提供スクリプト群が実行されることにより、オペレータ端末14に送信するためのテキストデータを入力したり、オペレータ端末14から送信されたテキストデータを表示させるためのチャットウィンドウ121が表示される。チャットウィンドウ121は、例えば、
図10に示されるように、利用者端末11を使用するユーザが特に操作をしない場合においては、できるだけ小さく表示されることにより、企業等が提供するウェブページの情報をできるだけ隠すことがないようにすることができる。
【0091】
利用者端末11を使用するユーザが、たとえば、
図11に示されるように、チャットウィンドウ121のテキスト入力ボックス141に所望のメッセージを書き込み、送信ボタン142を選択した場合、チャットウィンドウ121のテキスト入力ボックス141に書き込まれたテキストデータは、第1のセッションを介して、チャット機能提供サーバ13に送信され、チャット機能制御部57の処理により、第2のセッションを介して、オペレータ端末14に送信される。オペレータに送信された文字情報は、例えば、
図12に示されるように、チャットウィンドウ121に表示され、テキスト入力ボックス141は空白となり、新たな文字情報を入力することが可能となる。
【0092】
利用者端末11から文字情報が送信された場合、オペレータ端末14のオペレータ管理画面101には、例えば、
図13に示されるように、利用者端末11において自社のウェブページを閲覧しているユーザからの未読のメッセージがあることを示すアラート151が表示される。
図13では、アラート151は、未読メッセージ数を示して「開く」ボタン112の近辺に表示されている。オペレータ端末14を使用するオペレータは、未読メッセージがあることを示すアラート151に対応付けられた「開く」ボタン112を選択することにより、
図14に示されるようなチャット画面161を表示させることができる。チャット画面161には、利用者端末11のチャットウィンドウ121のテキスト入力ボックス141に書き込まれ、チャット機能提供サーバ13のチャット機能制御部57の処理により、オペレータ端末14に送信されたテキストデータが表示され、該当するユーザと文字情報を授受することが可能となる。
【0093】
図14に示されるチャット画面161の一例においては、オペレータ管理画面101に表示されていた利用者端末11の情報の一覧111のうちの対応するユーザに関する情報、および、対応するユーザによって送信された文字情報が表示されている。オペレータ端末14を使用するオペレータは、これらの情報を参照し、テキスト入力ボックス162に文字情報を入力することができる。オペレータ端末14のテキスト入力ボックス162に入力されたテキストデータは、第2のセッションを介して、チャット機能提供サーバ13に送信され、チャット機能制御部57の処理により、第1のセッションを介して、利用者端末11に送信される。利用者端末11の第1の表示制御部43は、
図15に示されるように、利用者端末11のチャットウィンドウ121に、オペレータ端末14において入力されたテキストデータを表示させる。
【0094】
このように、オペレータ管理画面101に表示されていた利用者端末11の情報の一覧111、および、チャット画面161には、チャット機能を用いて情報を授受する相手となる利用者に関する情報が表示されるので、利用者に対して、改めて問い合わせることなく、その氏名を用いて回答することが可能となるため、利用者に与える印象を向上させることが可能となる。
【0095】
また、例えば、ウェブページデータ選択取得部44により取得される情報にメールアドレスが含まれていた場合、オペレータが、利用者とのやり取りの中で、利用者に対して、テキスト情報以外の情報の提供が必要となったときに、利用者にメールアドレスを改めて問い合わせることなく、例えば、「ご登録のメールアドレスに○○○を送信させていただきます」という提案を行うことができ、サービスの質を向上させることが可能となる。
【0096】
また、例えば、ウェブページデータ選択取得部44により取得される情報に住所が含まれていた場合、できるだけ正確な商品配送可能日や送料などの問い合わせに対して、住所を利用者に改めて問い合わせることなく回答することが可能となり、サービスの質を向上させることが可能となる。
【0097】
このように、情報処理システム1は、利用者端末11が、ウェブページを利用者端末11に表示させるためのデータであって、利用者端末11に対して、ウェブページに含まれる所定のデータの選択、選択された所定のデータのチャット機能提供サーバ13への送信、および、ウェブページの提供元が管理するオペレータ端末14とのチャット機能の提供を要求するための処理を実行させるチャット機能提供スクリプト群(スクリプト群に対応する)を含むデータの送信を、ウェブサーバ12に要求するステップS2と、ウェブサーバ12が、スクリプト群を含むデータを利用者端末11に送信するステップS3と、利用者端末11が、ウェブサーバ12から送信されたデータに含まれるスクリプト群を実行することにより、ウェブページに含まれる所定のデータを選択し、選択された所定のデータのチャット機能提供サーバ13への送信を制御し、ウェブページの提供元が管理するオペレータ端末14とのチャット機能の提供を要求するための処理を実行するステップS4と、チャット機能提供サーバ13が、利用者端末11から送信された、ウェブページに含まれる所定のデータを含む利用者情報を生成し、利用者情報の、ウェブページの提供元が管理するオペレータ端末14への送信を制御するステップS8と、オペレータ端末14が、チャット機能提供サーバ13から送信された利用者情報の表示を制御するステップS9と、チャット機能提供サーバ13が、スクリプトを実行した利用者端末11からの要求に基づいて、ウェブページの提供元が管理するオペレータ端末14とのチャット機能を提供するステップS10と、利用者端末11、および、ウェブページの提供元が管理するオペレータ端末14が、チャット機能提供サーバ13の処理により提供されるチャット機能を用いて文字情報を授受するステップS11とを含む処理を実行する。
【0098】
すなわち、本発明の情報処理システム1においては、チャット機能要求スクリプトを含むウェブページの表示を制御した利用者端末11を構成するコンピュータに、ウェブページに含まれる所定のデータを選択する選択ステップと、選択ステップの処理により選択された所定のデータの、チャット機能提供サーバ13への送信を制御する送信ステップと、表示が制御されているウェブページの提供元が管理するオペレータ端末14とのチャット機能の提供を、チャット機能提供サーバ13に要求する処理を実行するチャット機能要求ステップとを実行させる。
【0099】
このような処理により、例えば、ウェブページの提供システムとチャット機能の提供システムでデータベースを共有することなく、オペレータ端末14が、利用者端末11の利用者に関する情報を取得することができるので、ウェブページの提供システムとチャット機能の提供システムを大きく変更することなく、チャット機能のサービスを向上させることができる。
【0100】
上述した一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0101】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0102】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0103】
1…情報処理システム、 11…利用者端末、 12…ウェブサーバ、 13…チャット機能提供サーバ、 14…オペレータ端末、 15…ネットワーク、 31…プロセッサ、 32…メモリ、 33…記憶部、 34…入力部、 35…出力部、 36…通信制御部、 41…第1の入力制御部、 42…第1の通信制御部、 43…第1の表示制御部、 44…ウェブページデータ選択取得部、 45…ID要求処理部、 51…第2の通信制御部、 52…セッション管理処理部、 53…ID発番部、 54…ウェブページデータ取得部、 55…利用者情報生成処理部、 56…格納部、 57…チャット機能制御部、 61…第3の通信制御部、 62…利用者情報取得部、 63…第2の表示制御部、 64…第2の入力制御部