(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】無線識別シールを備えるパッケージ
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20241029BHJP
B65D 25/04 20060101ALI20241029BHJP
B65D 25/20 20060101ALI20241029BHJP
B65D 43/22 20060101ALI20241029BHJP
G06K 17/00 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G06K19/077 304
B65D25/04 Z
B65D25/20 Z
B65D43/22 100
G06K17/00 022
(21)【出願番号】P 2022555813
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 EP2021056272
(87)【国際公開番号】W WO2021185677
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2023-09-12
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】519104318
【氏名又は名称】ピーエー コット エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピエール アラン コット
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-520621(JP,A)
【文献】特開2007-215957(JP,A)
【文献】特開2018-63603(JP,A)
【文献】特開2006-301778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
B65D 25/04
B65D 25/20
B65D 43/22
G06K 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ(1)であって、
キャビティ(20)を有する容器(2)と、
閉鎖手段(3)であって、前記容器(2)と共に、前記閉鎖手段(3)が前記キャビティ(20)へのアクセスを妨げる閉形態、又は前記閉鎖手段(3)が前記キャビティ(20)へのアクセスを許す開形態を取り得る閉鎖手段(3)と、
前記パッケージ(1)がその閉形態で維持されることを保証するシール(4)と、を備え、
前記シール(4)は、
前記パッケージ(1)が前記閉形態から前記開形態に切り替わるときに不可逆に破損可能な部分(400)と、
無線識別電子チップ(50)と、
アンテナ(510)を備え、前記電子チップ(50)に繋がれ、前記シール(4)の前記破損可能な部分(400)へ少なくとも部分的に延伸する第1通信手段(51)と、を備え、
前記パッケージ(1)は前記シール(4)とは別の電子ユニット(6)を含み、前記電子ユニット(6)は前記容器(2)の壁(201)に埋め込まれ、前記電子ユニット(6)は、
前記アンテナ(510)によって受け取られた後に前記電子チップ(50)に送られ得る無線要求(10)を定期的に送信し、前記無線要求(10)に応答して前記電子チップ(50)によって生成された後に前記アンテナ(510)によって送信される返送信号(11)を受信するように構成され、前記電子ユニット(6)が返送信号(11)なしを検出するように構成された送受信機(7)と、
返送信号(11)がない場合、遠隔受信機(90)に警告信号(12)を発するように構成された第2通信手段(8)と、を備え、
前記容器(2)及び前記閉鎖手段(3)のそれぞれは前記シール(4)を受けるための部材(21、31)を有し、前記2つの受け部材は前記パッケージ(1)の前記閉形態において互いに近接し、前記シール(4)は、前記パッケージの前記閉形態において、前記受け部材のそれぞれに繋がれることを意図されていることを特徴とする、パッケージ(1)。
【請求項2】
前記第1通信手段(51)は、前記アンテナ(510)を前記無線識別電子チップ(50)に繋ぐ少なくとも1つの破壊可能な電気導体(511)をさらに備え、前記破壊可能な電気導体(511)は前記シール(4)の前記破損可能な部分(400)を通ることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項3】
カラーは、
ケージ(42)を有するヘッド(40)と、
前記ヘッド(40)から延伸し、前記ケージ(42)の挿入を補完し、前記シールの前記破損可能な部分を形成し、可撓性材料で作られたストリップ(41)と、を備えることを特徴とする、請求項
1に記載のパッケージ(1)。
【請求項4】
前記ストリップ(41)は前記ヘッド(40)から自由端(410)まで延伸し、破壊可能な電気導体(511)は前記ヘッド(40)と前記自由端(410)の間で前記ストリップ(41)に沿って延伸することを特徴とする、請求
項3に記載のパッケージ(1)。
【請求項5】
前記無線識別電子チップ(50)は前記ストリップ(41)の前記自由端(410)内に収容され、前記第1通信手段(51)の前記アンテナ(510)は前記カラーの前記ヘッド(40)内に収容されることを特徴とする、請求項4に記載のパッケージ(1)。
【請求項6】
前記カラーはセルフロッククランプであり、前記ケージ(42)はノンリターンケージであることを特徴とする、請求項
3に記載のパッケージ(1)。
【請求項7】
前記電子ユニット(6)は、前記容器(2)の壁(201)、又は底部(202)、又はカバー(30)内に収容されることを特徴とする、請求項
1に記載のパッケージ(1)。
【請求項8】
前記電子ユニット(6)は前記警告信号(12)のタイムスタンプ処理を行う手段(61)を備えることを特徴とする、請求項
1に記載のパッケージ(1)。
【請求項9】
請求項1から8の何れかに記載の少なくとも1つのパッケージ(1)であって、前記パッケージ(1)の前記シール(4)が前記無線識別電子チップ(50)内に書き込まれた初期識別コードを備えるパッケージ(1)と、
前記遠隔受信機(90)を統合するコンピュータサーバ(9)であって、認証された識別コードをリストするデータベース(91)を備え、前記データベース(91)内で前記シール(4)の前記初期識別コードを識別するように構成されたコンピュータサーバ(9)と、を備えることを特徴とする、追跡システム。
【請求項10】
請求項9に記載の追跡システムのパッケージ(1)を追跡するための方法であって、
前記送受信機(7)によって前記シール(4)の方向に無線要求(10)を発するステップであって、前記無線要求(10)は前記アンテナ(510)によって受け取られた後に前記電子チップ(50)に送られ得るステップと、
前記無線要求(10)に応答して前記電子チップ(50)によって生成される返送信号(11)の受信を待つステップと、を備え、
返送信号(11)の受信がない場合、返送信号(11)の受信を待つステップの後に、遠隔受信機(90)に警告信号(12)を送信するステップが続くことを特徴とする、方法。
【請求項11】
無線要求(10)を発するステップの前に、前記シール(4)を前記パッケージ(1)とペアリングするシーケンスを備え、前記ペアリングシーケンスは、連続して、
前記送受信機(7)によって前記シール(4)の前記初期識別コードを読み取るステップと、
前記送受信機(7)によって前記初期識別コードを前記コンピュータサーバ(9)に送るステップと、
前記コンピュータサーバ(9)によって前記初期識別コードを識別するステップと、
前記コンピュータサーバ(9)によって新たな固有の識別コードを生成し、前記新たな固有の識別コードを前記送受信機(7)に送るステップと、
前記送受信機(7)によって前記新たな識別コードを前記シール(4)に送信して書き込むステップと、を備えることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ペアリングシーケンスは、前記送受信機(7)による前記パッケージ(1)に付いた前記シール(4)の存在の検査で終了することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記識別ステップは、前記初期識別コードを前記データベース(91)の前記認証された識別コードと比較して、前記シール(4)を認証し、新たな固有の識別コードを生成するステップを認可することにあることを特徴とする、請求項1
1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は物流の分野である。より具体的に、本発明の分野は、安全なパッケージの設計及び製造の分野、並びにパッケージの状態を検査することを可能にする追跡システムの分野である。
【0002】
本発明は、より具体的に、シールを設けられたパッケージに関する。
【背景技術】
【0003】
パッケージはサプライチェーン内で物体を運送するために使用される。概して、パッケージは、1つ以上の物体が運送中に置かれることを意図されたキャビティを定める容器である。
【0004】
また、パッケージは、キャビティへのアクセスを妨げるためにパッケージを閉鎖する手段を備える。
【0005】
例えば、パッケージは、キャビティを定めるケースによって、及び可動に又は取外し可能にケースに取り付けられたカバーによって、又はケース自体に属する1つ以上のフラップによって形成され得る。そのようなパッケージを形成するために、従来、ケース又は厚紙が使用されている。
【0006】
別の例によれば、パッケージは、例えばプラスチックで作られた可撓性バッグによって形成され得、それは、1つ又は複数の物体を収容することを意図されたキャビティを定める。この場合、閉鎖手段は、例えば、キャビティへのアクセスを可能にする開口部を閉じるために、予め折り畳まれたバッグに貼付された接着フィルムによって形成され得る。また、閉鎖手段は、バッグを形成する材料の余分な部分によって構成され、開口部の上に折り重ねられた後に可撓性バッグに接着されることを意図され得る。
【0007】
概して、パッケージの中身を管理及び/又は保証できることが重要である。
【0008】
この目的で、保証手段がパッケージに使用され得る。特に、それらが開けられていないことを確認するために、シールがパッケージに取り付けられ得る。
【0009】
シールは、従来、保護される品物(例えば、文書、小包、部屋等)に、シールを破壊及び損傷することなくこの品物を開けることができないように固定される装置である。
【0010】
シールは、真正の文書を保護する蝋封印、さもなければ水道又はエネルギー消費量計を保護する型の鉛封印のような、印章を用いて押されたただ1つの印影からなり得る。
【0011】
シールの別の例によれば、郵便袋、容器、又は金属ケースを閉形態に維持することを保証できるプラスチック製のシールが知られている。これらのシールは、概して、プラスチック材料で作られ、本体と本体から延伸するリンクとを備える。リンクは、比較的曲げやすく、バックルを形成し、そして本体の相補的な開口部に係合されることを意図されている。開口部とリンクは、リンクの開口部への挿入が不可逆であり、シールの同様に不可逆の破損のみがバックルの開放を可能にするように設計される。
【0012】
従って、シールは、従来の設計によれば、シールが取り付けられた品物が開かれたときに不可逆に破損可能な部分を備える。
【0013】
そのようなシールを製造及び実施することは特に容易である。しかし、それらは、物体がいつ開かれたかをリアルタイムで正確に知ること、又は、時々若しくはしばしば不可能な、現場で直接に行われる視覚による確認なしでシールの状態を知ることを可能にしない。
【0014】
本発明の分野では、英数字の参照番号、バーコード、又は無線周波数識別手段(RFID)のような固有の識別子を含むラベルをワインのボトルに使用することも知られている。
【0015】
これらの電子ラベルによって、消費者はデータベースに予め記録されたボトルに固有の情報を得ることができる。
【0016】
無線周波数識別手段は、特にアンテナに繋がれた無線識別電子チップからなる。
【0017】
電子チップに含まれた情報を得るために、アンテナ及び電子チップと相補的な送受信機を使用する必要がある。この送受信機は、アンテナによって受け取られて電子チップに送られることを意図された無線による要求を発し、その後に電子チップによって生成されてアンテナによって送信される応答を受信するように設計される。
【0018】
従って、そのようなラベルは、偉大なワインの追跡を保証し、ボトルを取り扱うことなく棚卸しを容易にするために、ボトルにタグを付けることを可能にする。また、消費者にとっては、自分のスマートフォンによって、ラベルに直接に表示されたコード(QRコード(登録商標))を使って、詳細な商品シートにアクセスすることができる。
【0019】
実際に、これらのRFIDタグは、ワイン産業の希望、即ちワイン偽造及び製品追跡に合うように実施される。
【0020】
しかし、これらの具体的な手段は、小包又は包装さもなければパッケージが開かれていないことを保証するように提供されていない。
【発明の概要】
【0021】
本発明の目的は、特に、従来技術の欠点を克服することにある。
【0022】
より具体的に、本発明の目的はシールを用いた安全なパッケージを提供することにあり、それはシールが破壊されたかどうかをリアルタイムで知ることを可能にする。
【0023】
この目的、及び以下に現れる他の目的は、パッケージに関する本発明のおかげで達成される。パッケージは、
-キャビティを有する容器と、
-閉鎖手段であって、容器と共に、閉鎖手段がキャビティへのアクセスを妨げる閉形態、又は閉鎖手段がキャビティへのアクセスを許す開形態をとり得る閉鎖手段と、
-パッケージがその閉形態で維持されることを保証するシールと、を備え、
シールは、
-パッケージが閉形態から開形態に切り替わるときに不可逆に破損可能な部分と、
-無線識別電子チップと、
-アンテナを備え、電子チップに繋がれ、シールの破損可能な部分へ少なくとも部分的に延伸する第1通信手段と、を備え、
パッケージはシールとは別の電子ユニットを含み、電子ユニットは、
-アンテナによって受け取られた後に電子チップに送られ得る無線要求を定期的に送信し、無線要求に応答して電子チップによって生成された後にアンテナによって送信される返送信号を受信するように構成され、電子ユニットが返送信号なしを検出するように構成された送受信機と、
-返送信号がない場合、遠隔受信機に向けられた警告信号を発するように構成された第2通信手段と、を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明によるパッケージのおかげで、パッケージを閉形態で保つことを保証するシールが破損したかどうかをリアルタイムで知ることができる。従って、この情報によって、シールの取付け又はその初期化の後に初めてパッケージが開かれたことを知ることができる。
【0025】
遠隔電子パッケージ追跡装置への確認はこの情報のリアルタイムの知識を提供する。
【0026】
実際、パッケージを開くこと、換言すればその閉形態から開形態に切り替えることは、シールの破損可能な部分の破損(破壊)に繋がる。
【0027】
第1通信手段は破損可能な部分に部分的に統合されるので、パッケージが開かれるとき、第1通信手段も破損する。
【0028】
そして、第1通信手段のこの破損は送受信機によって無線識別電子チップに発せられた要求の受信及び/又は伝達を妨げ、この電子チップは返送信号を生成しない。
【0029】
より一般に、第1通信手段の破損によって、この第1通信手段及び無線識別電子チップによって形成された無線識別アセンブリの動作が決定的に停止する。
【0030】
有利な特徴によれば、第1通信手段は、アンテナを無線識別電子チップに繋ぐ少なくとも1つの破壊可能な電気導体をさらに備え、1つ又は複数の破壊可能な電気導体はシールの破損可能な部分を通る。
【0031】
この場合、シールの破損の際に、1つ又は複数の破壊可能な電気導体が破壊される。従って、シールの破損は、1つ又は複数の破壊可能な電気導体の破損を通じて、無線識別電子チップをアンテナから分離することに繋がる。
【0032】
この解決策の実施は、1つ又は複数の破壊可能な電気導体だけがシールの破損可能な部分を通ればよいので、容易である。
【0033】
好ましい設計によれば、容器及び閉鎖手段のそれぞれはシールを受けるための部材を有し、2つの受け部材はパッケージの閉形態において互いに近接する。
【0034】
シールは、パッケージの閉形態において受け部材のそれぞれに繋がれることを意図されたカラーの形状を取る。
【0035】
この設計は、本発明によるパッケージ及びそのシールの実施を特に容易にする。
【0036】
実際、ユーザは、シールを取り付けるために、パッケージを閉じた後、シールを2つの受け部材に取り付けるだけでよい。
【0037】
例えば、2つの受け部材は、それぞれ、リングの形状を取り得る。カラーは、それを通って、犯してはならないバックルを形成する。
【0038】
また、2つの受け部材は、それぞれ、フックの形状を取り得る。この場合、フックの形状は、シールが破壊されることなく取り外されることを妨げる。そして、カラーは2つのフックにぴったりと締め付けられなければならない。
【0039】
特定の実施形態によれば、カラーは、
-ケージを有するヘッドと、
-ヘッドから延伸し、ケージの挿入を補完し、シールの破損可能な部分を形成し、可撓性材料で作られたストリップと、を備える。
【0040】
従って、カラーは、実施が容易で安価である形状を有する。
【0041】
この場合、有利に、ストリップはヘッドから自由端まで延伸し、1つ又は複数の破壊可能な電気導体はヘッドと自由端の間でストリップに沿って延伸する。
【0042】
この設計によって、カラーは、ストリップがどのくらい深くケージに挿入されるかに応じて、より大きい又は小さいバックルを形成することができる。
【0043】
実際、1つ又は複数の電気導体はヘッドと自由端との間でストリップに沿って延伸するので、無線識別電子チップとアンテナとの間に所望の分離効果を生じさせながら、ストリップをヘッドとストリップの自由端との間の任意の場所で切断し得る。
【0044】
より具体的に、有利な特徴によれば、無線識別電子チップはストリップの自由端内に収容され、第1通信手段のアンテナはカラーのヘッド内に収容される。
【0045】
本実施形態では、実施が特に容易であり、そのカラーが無線識別タグの実施に特有ではないと思えるようにすることができる。
【0046】
従って、より具体的に、本発明によるパッケージをよく知らない人は、無線識別電子チップを備えるシールが、そのような無線識別手段を備えない他の従来のシールと異なるシールであるといっそう識別しそうにない。
【0047】
特定の設計によれば、カラーはセルフロッククランプであり、ケージはノンリターンケージである。
【0048】
そのようなセルフロッククランプは特に有利に実施を簡単にする。
【0049】
実際、従来の方法では、ユーザがストリップをノンリターンケージに挿入するだけで、ケージにおけるストリップのロックが直接に有効になる。
【0050】
有利な解決策によれば、電子ユニットは、容器の壁、又は底部、又はカバー内に収容される。
【0051】
従って、電子ユニットは容器の内部から検出可能ではない。
【0052】
それ故、電子ユニットは、隠され、シールが破壊されたときに警告を送信するシールの能力の検出不可能な性質に寄与する。
【0053】
有利に、電子ユニットは警告信号のタイムスタンプ処理を行う手段を備える。
【0054】
このように、警告信号はシールの破壊及びパッケージの開放の時刻に関するデータを含む。
【0055】
これにより、ユーザは、正確にいつシールが破損されたかを記録することができる。
【0056】
また、本発明は追跡システムに関する。追跡システムは、
-前述の請求項の何れかに記載の少なくとも1つのパッケージであって、パッケージのシールが無線識別電子チップ内に書き込まれた初期識別コードを備えるパッケージと、
-遠隔受信機を統合するコンピュータサーバであって、認証された識別コードをリストするデータベースを備え、データベース内でシールの初期識別コードを識別するように構成されたコンピュータサーバと、を備える。
【0057】
この追跡システムによって、シールの状態の電子的な追跡の作成を保証することができる。
【0058】
この設計によれば、予めデータベースに知られたシールのみが機能する。
【0059】
また、本発明は、上述された追跡システムのパッケージを追跡するための方法に関する。その方法は、
-送受信機によってシールの方向に無線要求を発するステップであって、無線要求はアンテナによって受け取られた後に電子チップに送られ得るステップと、
-無線要求に応答して電子チップによって生成される返送信号の受信を待つステップと、を備え、
返送信号の受信がない場合、返送信号の受信を待つステップの後に、遠隔受信機に警告信号を送信するステップが続く。
【0060】
有利に、その方法は、無線要求を発するステップの前に、シールをパッケージとペアリングするシーケンスを備え、ペアリングシーケンスは、連続的して、
-送受信機によってシールの初期識別コードを読み取るステップと、
-送受信機によって初期識別コードをコンピュータサーバに送るステップと、
-コンピュータサーバによって初期識別コードを識別するステップと、
-コンピュータサーバによって新たな固有の識別コードを生成し、新たな固有の識別コードを送受信機に送るステップと、
-送受信機によって新たな識別コードをシールに送信して書き込むステップと、を備える。
【0061】
その方法によれば、コンピュータサーバによって生成及び認証された新たな識別コードがシールの無線識別電子チップに書き込まれる。
【0062】
このように、シールは、パッケージを安全にするために使用されるとすぐに、システムに正当にリストされた新たなアイデンティティから利益を得る。
【0063】
有利に、ペアリングシーケンスは、送受信機によるパッケージに付いたシールの存在の検査で終了する。
【0064】
好ましくは、識別ステップは、初期識別コードをデータベースの認証された識別コードと比較して、シールを認証し、新たな固有の識別コードを生成するステップを認可することにある。
【0065】
従って、シールはペアリングシーケンス中に許可されるか拒否される。
【0066】
本発明の他の特徴及び利点は、説明に役立つ非限定的な例として与えられた本発明の好ましい実施形態の以下の説明、及び添付図面を理解すると、より明瞭にわかってくるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】
図1は、本発明によるパッケージの概略図であり、少なくとも1つのシールを設けられた閉形態のパッケージを描く。
【
図2】
図2は、本発明によるパッケージに取り付けられたシールをより具体的に示す概略図であり、シールは、特に、2つのパッケージ受け部材に繋げられる。
【
図3】
図3は開形態にある本発明によるパッケージの概略斜視図である。
【
図4】
図4は本発明によるパッケージ追跡システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1及び
図4に関して、本発明によるパッケージ1が示されている。
【0069】
パッケージ1は容器2及び閉鎖手段3を備える。
【0070】
図3に示されるように、容器2はキャビティ20を有する。
【0071】
より具体的に、容器2は、底部200と、底部200から周辺に広がる4つの壁201とで構成されるケースである。
【0072】
壁201と底部200は一緒にキャビティ20を画定する。
【0073】
さらに
図3に関して、閉鎖手段3はカバー30の形状を取る。
【0074】
このカバー30は、キャビティ20へのアクセスを許し又は妨げるように、壁201の1つの上端部にヒンジで取り付けられる。
【0075】
より一般に、
図1及び
図3に関して、閉鎖手段3及び容器2は、一緒に、閉鎖手段3がキャビティ20へのアクセスを妨げる閉形態(
図1によって図示される形態)、さもなければ閉鎖手段3がキャビティ20へのアクセスを許す開形態(
図3によって示される形態)を取り得る。
【0076】
他の考えられる図示されていない実施形態によれば、容器2は可撓性バッグで形成され得、そして、閉鎖手段3は、可撓性バッグの開口部を覆うように広がることを意図されたフラップの形状を取る。
【0077】
図1、
図2、及び
図3に関して、以下でより詳述されるように、容器2及び閉鎖手段3のそれぞれは、シール4を受けるための少なくとも1つの部材21、31を有する。
【0078】
特に、本実施形態によれば、容器2は2つの受け部材21を有し、閉鎖手段3は2つの受け部材31を有する。
【0079】
本発明の原理によれば、パッケージ1は、パッケージ1をその閉形態に保つことを保証するシール4をさらに備える。
【0080】
このシール4は、パッケージ1がその閉形態からその開形態に切り替わるときに不可逆に破損できる破損可能な部分400を備える。
【0081】
換言すれば、パッケージ1をその閉形態からその開形態に切り替えることは、シール4によって妨げられるか、さもなければパッケージ1を開くことを可能にするために破損可能な部分400を破壊することを必要とする。
【0082】
この実施形態によれば、シール4は、パッケージ1の閉形態において受け部材21、31のそれぞれに繋がれることを意図されたカラーの形状を取る。
【0083】
実際、容器の2つの受け部材21、31と閉鎖手段3は、
図1及び
図2に示されるように、パッケージ1の閉形態において、互いに近接する。
【0084】
特に、容器2及び閉鎖手段3のそれぞれのシールの受け部材21、31は、
図1及び
図2に示されるように、容器及び閉鎖手段がパッケージ1の閉形態にあるときに互いに対向して位置する孔のあいたタブの形状を取る。
【0085】
これらの孔のあいたタブは、それぞれ、シール4の挿入、及びシールによるカラーの形成を可能する開口部210、310を有する。
【0086】
より具体的に、カラーは、
図2に示されるように、ヘッド40と、ヘッド40から延伸するストリップ41とを備える。
【0087】
ヘッド40は円盤形状を有する。
【0088】
このヘッド40はケージ42を有する。
【0089】
ストリップ41は、可撓性材料から形成され、ケージ42の挿入を補完する。換言すれば、ストリップ41は、ケージ42に挿入され得、そこを通り抜ける。
【0090】
カラー、より具体的にヘッド40及びストリップ41は、特に、プラスチックで作られる。
【0091】
以下で説明されるように、ストリップ41は、シール4の破損可能な部分400を形成する。
【0092】
特に、カラーはセルフロッククランプであり、ケージ42はノンリターンケージである。
【0093】
換言すれば、ストリップ41をケージ42に通すことは、一方向において認められるが、元に戻すことができないほど、このストリップ41がケージ42に捕らわれて保たれることに繋がる。
【0094】
従って、シール4を損傷することなくストリップ41をケージ42から取り外すことは不可能である。
【0095】
パッケージ1を開く場合、ヘッド40とケージ42の間のストリップ41によって形成されたバックルに損傷を与えなければならない。
【0096】
例えば、はさみ又はカッターのような鋭利な工具を用いて、ストリップ41によって形成されたバックルを切断しなければならない。
【0097】
有利に、ケージ42及びヘッド40は、バンド41の破損に対する機械的耐性よりも大きい破損に対する機械的耐性を有する。
【0098】
本発明の原理によれば、
図2によって示されるように、シール4は、無線識別電子チップ50と、電子チップ50に繋がれた第1通信手段51とを備える。
【0099】
シール4は初期識別コードを備える。換言すれば、この識別コードはシール4の電子チップ50に書き込まれる。
【0100】
この初期識別コードはそれぞれのシールに固有のものである。
【0101】
潜在的に、初期識別コードは、まだ使用されていない幾つかのシール4によって共有され得る。例えば、同じ初期識別コードを共有するこれらのシールは同じ1束の一部であり得る。
【0102】
以下で詳述されるように、電子チップ50は、新たな固有の識別コードを受け取ることができるように設計される。
【0103】
有利に、この新たな固有の識別コードは電子チップ50に書き込まれていた初期識別コードと入れ替わる。
【0104】
まだ
図2に関して、第1通信手段51はアンテナ510を備える。
【0105】
さらに、第1通信手段51はシール4の破損可能な部分400に延伸している。
【0106】
本実施形態によれば、第1通信手段51はアンテナ510を無線識別電子チップ50に繋ぐ破壊可能な電気導体511をさらに備える。
【0107】
図2に示されるように、この破壊可能な電気導体511はシール4の破損可能な部分400を通る。
【0108】
別の可能な実施形態によれば、アンテナ510はシール4の破損可能な部分400に位置し得る。
【0109】
図2に関して、アンテナ510はヘッド40内に収容され、破壊可能な電気導体511は、ストリップ41に沿って、無線識別電子チップ50が収容されたストリップの自由端410まで延伸している。
【0110】
この実施形態によれば、電子チップ50及び第1通信手段51はシール4に埋め込まれる。
【0111】
特に、アンテナ510はシール4のヘッド40を形成する材料に埋め込まれ、破壊可能な電気導体511及び電子チップ50はストリップ41を構成する材料に埋め込まれる。
【0112】
図1及び
図2に関して、本発明によれば、パッケージ1は電子ユニット6をさらに含む。
【0113】
この電子ユニット6は、シール4、より具体的に無線識別電子チップ50及び第1通信手段51と協働することを意図されている。
【0114】
実際、この電子ユニット6は、定期的に無線要求10を送信して返送信号11を受信するように構成された送受信機7を備える。
【0115】
シール4に位置するアンテナ510はこの無線要求10を受け取ることができる。
【0116】
無線要求10は、アンテナ510によって受け取られた後、電子チップ50に送られる。
【0117】
本実施形態によれば、無線要求10は破壊可能な電気導体511を介して電子チップ50に送られる。
【0118】
無線要求10に応答して、電子チップ50は返送信号11を生成するように構成される。
【0119】
返送信号11は電子チップ50の識別コードを統合することで作られる。その結果、この返送信号11はシール4によってのみ生成され得る。
【0120】
より具体的に、以下で詳述されるように、返送信号11は、電子チップ50に書き込まれた固有の識別コードを統合することで作られる。この識別コードは、特に、新たな固有のコードである。
【0121】
生成後、返送信号11は、可分の電気導体511を通って伝達され、アンテナ510によって発せられる。
【0122】
そして、送受信機7は、先に発せられた無線要求10に応答して電子チップ50及びそのアンテナ510によって発せられた返送信号11を受け取ることができる。
【0123】
また、電子ユニット6は返送信号11なしを検出するように構成される。
【0124】
実際、電子ユニット6は、無線要求10の発信に応答した返送信号11を記録し、無線要求10の発信に応答した返送信号11の受信なしを検出するように構成された処理手段60を備える。
【0125】
電子ユニット6は、本発明によれば、今度は、返送信号11がない場合に、遠隔受信機90に警告信号12を発するように構成された第2通信手段8をさらに備える。
【0126】
この第2通信手段8は処理手段60によって制御される。
【0127】
第2通信手段8は、特に、セルラーネットワーク用に実装されたもの又はBluetooth(登録商標)及びwifi(登録商標)型のもののような無線通信プロトコルによる警告信号12の発信を可能にするように設計される。
【0128】
図1に関して、電子ユニット6は警告信号12のタイムスタンプ処理を行う手段61をさらに備える。
【0129】
図1及び
図4によれば、電子ユニット6は、より具体的に、送受信機7、第2通信手段8、処理手段60、及びタイムスタンプ手段61を統合した電子カードの形を取り得る。
【0130】
本実施形態によれば、この電子ユニット6は容器2の壁201の1つの中に収容され又は埋込みさえされる。
【0131】
このようにして、パッケージ1が
図3に示されるように開位置にあるとき、電子ユニット6は、保護され、潜在的にアクセスできない。
【0132】
パッケージ1は有利に再充電可能な電池(図示せず)を備え、それにより電子ユニット6に電力を供給することができる。
【0133】
好ましい設計によれば、送受信機7及びアンテナ510は極超短波帯で作動するように構成される。
【0134】
図4に関して、本発明は、さらに、上述されたようなパッケージ1、及びコンピュータサーバ9を備える追跡システムに関する。
【0135】
このシステムでは、遠隔受信機90がコンピュータサーバ9に統合される。
【0136】
コンピュータサーバ9はデータベース91をさらに備える。
【0137】
このデータベース91は、それぞれシール4の初期識別コードと対応する「認証された」識別コードと呼ばれる識別コードをリストする。
【0138】
コンピュータサーバ9は、電子ユニットによって送られた初期識別コードを分析し、それをデータベース91の認証された識別コードと比較して、初期識別コードを識別するように構成される。
【0139】
システムは本発明の対象にもなるパッケージ1の追跡方法を実施する。
【0140】
その方法は、
-送受信機7によってシール4の方向に無線要求10を送るステップであって、無線要求10はアンテナ510によって受け取られた後に電子チップ50に送られることを意図されているステップと、
-無線要求10に応答して電子チップ50によって生成される返送信号11の受信を待つステップと、を備える。
【0141】
返送信号11の受信がない場合、返送信号11の受信を待つステップの後に、遠隔受信機90に警告信号12を送信するステップが続く。
【0142】
この方法は、上述されたステップの前に、シール4をパッケージ1の電子ユニット6と電子的に関連付けることを目的とするペアリングシーケンスをさらに備える。
【0143】
この目的で、ペアリングシーケンスは、連続して、
-シール4の初期識別コードを読み取るステップと、
-初期識別コードをコンピュータサーバ9に送るステップと、
-初期識別コードを識別するステップと、
-新たな固有の識別コードを生成し、新たな固有の識別コードを送受信機7に送るステップと、
-送受信機7によって新たな識別コードをシール4に送信して書き込むステップと、を備える。
【0144】
初期識別コードを読み取るステップ、及びコンピュータサーバ9に送るステップは、送受信機7によって実行される。
【0145】
これらの2つのステップに続いて、識別ステップ、及び新たな固有の識別コードを生成して送るステップがコンピュータサーバ9によって実行される。
【0146】
識別ステップは、初期識別コードをデータベース91の認証された識別コードと比較して、シール4を認証し、新たな固有の識別コードを生成するステップを認可することにある。
【0147】
送受信機7によって新たな識別コードをシール4に送信して書き込むステップ中に、新たな固有の識別コードが電子チップ50に書き込まれて初期識別コードと入れ替わり得る。
【0148】
初期識別コードがデータベース91内に見つかった場合、次に、シール4は認証される。換言すれば、シール4は、認証され、システム内で受け入れられる。
【0149】
初期識別コードがデータベース91内に見つからなかった場合、次に、シール4は拒否される。
【0150】
代替的に又は付加的に、シール4が拒否された場合、次に、コンピュータサーバ9は不正ペアリング信号を電子ユニット6に送信し得る。
【0151】
この場合、システムは、シール4を用いたパッケージ1の電子的な追跡を保証し得ない。