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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】コンテナ
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/18 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
B65D6/18 C
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023522842
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 CN2021123835
(87)【国際公開番号】W WO2022078453
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】202011104576.4
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516190770
【氏名又は名称】上海箱箱智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HOREN CORTP Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】28th Floor, Building A, NO.1520 Gumei Road, Caohejing High-Tech Park, Xuhui District, Shanghai, 200233, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ユァンリ
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-141298(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105819064(CN,A)
【文献】特開2018-012516(JP,A)
【文献】特開2004-262540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、対向する2対の側板とを有し、各前記側板は、前記ベースに折畳み可能に連結されているコンテナであって、各側板の両側辺縁に設けられた連結体をさらに備え、隣接する2つの側板は、対応する前記連結体の間の嵌合により操作可能に相互に連結され、且つ各側板の幅と、この側板に設けられた連結体がこの側板の法線方向に投影する幅との和が、いずれも隣接する一対の側板の内壁面の間の距離よりも小さく、
前記ベースは、底板と、前記底板の外周から延出する2対の対向する延出板とを有し、前記2対の対向する延出板の高さは同一であることを特徴とするコンテナ。
【請求項2】
前記側板毎に設けられた前記連結体における隣接する側板に連結される側辺縁と、当該隣接する側板の内壁面との距離が0よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のコンテナ。
【請求項3】
前記側板毎に設けられた前記連結体は、当該側板に対して前記コンテナの内部に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ。
【請求項4】
前記連結体は、前記側板の両側辺縁に一体的に形成されているか又は連結されていることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ。
【請求項5】
一つの前記側板の一つの連結体と、隣接する一つの側板の対応する連結体とが、共に一組の角アッセンブリを構成し、前記コンテナが複数の組の角アッセンブリを備え、隣接する側板が、対応する前記角アッセンブリを介して互いに連結され、前記側板の幅と、当該側板に連結された前記連結体の展開後の幅との和が、隣接する一対の側板の内壁面の間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のコンテナ。
【請求項6】
前記連結体は、前記側板にヒンジ結合されていることを特徴とする請求項5に記載のコンテナ。
【請求項7】
前記側板毎に、補強アッセンブリが設置され、各前記側板の前記連結体の第1の側辺縁は、当該側板の前記補強アッセンブリに連結されていることを特徴とする請求項5に記載のコンテナ。
【請求項8】
各側板の前記補強アッセンブリは、互いにフレームに連結された複数本の補強部材を有することを特徴とする請求項7に記載のコンテナ。
【請求項9】
前記連結体にヒンジ孔が設けられ、対応する前記連結体の前記ヒンジ孔に前記補強アッセンブリのうちの1本の前記補強部材が回動可能に挿入されることを特徴とする請求項8に記載のコンテナ。
【請求項10】
前記側板は、内パネルと、外パネルと、前記内パネルと前記外パネルとの間に位置する前記補強アッセンブリとを有し、前記内パネルと前記外パネルとは、相互に連結されていることを特徴とする請求項7に記載のコンテナ。
【請求項11】
一つの前記側板に設けられた前記連結体のその第1の側辺縁と対向する第2の側辺縁には第1の噛み合い構造が設けられ、当該側板に隣接する前記側板に設置された前記連結体のその第1の側辺縁と対向する第2の側辺縁には第2の噛み合い構造が設けられ、前記第1の噛み合い構造と前記第2の噛み合い構造とは操作可能に互いに噛み合い、一方の前記側板に設けられた前記連結体の前記第2の側辺縁と当該側板に隣接する他方の側板に設けられた前記連結体の第2の側辺縁とに互いに嵌合するロック構造が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のコンテナ。
【請求項12】
前記ベースのいずれか対向する一対の前記延出板の内側間の距離が、対応する前記側板の全幅以上であることを特徴とする請求項に記載のコンテナ。
【請求項13】
前記ベースの前記延出板の高さは、対向する2対の側板の厚さの合計よりも大きいことを特徴とする請求項に記載のコンテナ。
【請求項14】
各前記側板の下面から、互いに離間した側板ヒンジ部が延出しており、前記側板ヒンジ部にヒンジピンが設けられ、前記ベースの前記延出板には開口部が設けられ、前記開口部にはヒンジ溝が設けられ、前記ヒンジピンは前記ヒンジ溝に回動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項に記載のコンテナ。
【請求項15】
対向する一対の前記延出板に設けられた開口部の高さが、対向する他の一対の前記延出板に設けられた開口部の高さよりも大きいことを特徴とする請求項14に記載のコンテナ。
【請求項16】
蓋板本体と、前記蓋板本体から下方に延びる外周ガードエッジとを有する蓋板をさらに備え、前記外周ガードエッジの内周面輪郭は、前記ベースの対向する2対の延出板の外周面輪郭に合わせることを特徴とする請求項12に記載のコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願は相互に参照される。
本出願は2020年10月15日に提出された、出願番号2020111045764、発明名称が「コンテナ」である中国特許出願の優先権を主張しており、上記出願の全文は引用により本文に含まれる。
【0002】
本発明は、物流器具に関し、具体的に折畳み可能なコンテナ、特に中型バルクコンテナに関する。
【背景技術】
【0003】
折畳み可能な中型バルクコンテナは折畳み可能なIBCとも呼ばれ、主にベース、2対の側板と箱蓋から構成され、その折畳み可能な特性により、従来の折畳み不可能なIBCと比べて空箱の貯蔵、ループバック輸送に明らかなコスト優勢を占めるため、液体包装分野で広く利用者に好まれている。従来の折畳み可能なIBC構造は、ほぼ図15に示すように、2対の側板がベースに接続され、隣接する側板がコンテナのほぼ角部で噛み合い構造により接続されている。一般的な幅の短い一対の側板を優先的に折畳み、その後、他の一対の側板を折畳む。このような構造の利点は:短側板は直立時に2枚の長側板の間に位置して、長側板が外部の推力/圧力に抵抗するのを助けることができるが、長側板の幅はベースとほぼ同じで、折畳む時に長側板はベースの短側ガードエッジの上に横たわる必要がある。これにより、ベースの短側ガードエッジと長側ガードエッジが同じ高さにならず、コンテナが満載されたときの液体の横方向圧力に対する長側ガードエッジの剛度が理想的ではなく、その強度不足を補うためにベースの内部に支持具を追加する必要があるほどである。
【0004】
屋外でのコンテナの積み重ねはIBCのよくある使用シーンで、側板を折畳んだ後、伝統的なIBCはベースのガードエッジの高さが一致していないため、蓋板をカバーした後も一部の短側ガードエッジの区域は蓋板でカバーすることができなくて、長い時間保存した後、雨水、ほこりなどが箱の中に蓄積することは避けられないため、カビや虫蟻を引き起こして、非常に大きな衛生問題をもたらし、洗浄の難度も増加した。
【0005】
そのため、本分野は屋外で長期間保管しても衛生的に保てるコンテナが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術の長期間の屋外保管によるコンテナ体内の汚染という問題を解決するようにコンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明はベースと、対向する2対の側板とを有し、各前記側板は、前記ベースに折畳み可能に連結されているコンテナであって、各側板の両側辺縁に設けられた連結体をさらに備え、隣接する2つの側板は、対応する前記連結体の間の嵌合により操作可能に相互に連結され、且つ各側板の幅と、この側板に設けられた連結体が当該側板の法線方向に投影する幅との和が、いずれも隣接する一対の側板の内壁面の間の距離よりも小さいコンテナを提供する。
【0008】
一実施例では、各側板に設けられた連結体における隣接する側板に連結される側辺縁と、当該隣接する側板の内壁面との間の距離は、ゼロよりも大きい。
【0009】
一実施例では、前記側板毎に設けられた前記連結体は、当該側板に対して前記コンテナの内部に傾斜している。
【0010】
一実施例では、前記連結体は、前記側板の両側辺縁に一体的に形成されているか又は連結されている。
【0011】
一実施例では、一つの前記側板の一つの連結体と、隣接する一つの側板の対応する連結体とが共に、一組の角アッセンブリを構成し、前記コンテナが複数の組の角アッセンブリを備え、前記コンテナは隣接する側板が、対応する前記角アッセンブリを介して互いに連結され、前記側板の幅と、当該側板に連結された前記連結体の展開後の幅との和が、隣接する一対の側板の内壁面の間の距離よりも小さい。
【0012】
一実施例では、前記連結体は、前記側板にヒンジ結合されている。
【0013】
一実施例では、前記側板毎に、補強アッセンブリが設置され、各前記側板の前記連結体の第1の側辺縁は、当該側板の前記補強アッセンブリに連結されている。
【0014】
一実施例では、各側板の前記補強アッセンブリは、互いにフレームに連結された複数の補強部材を有する。
【0015】
一実施例では、前記連結体にヒンジ孔が設けられ、対応する前記連結体の前記ヒンジ孔に前記補強アッセンブリのうちの1本の前記補強部材が回動可能に挿入される。
【0016】
一実施例では、前記側板は、内パネルと、外パネルと、前記内パネルと前記外パネルとの間に位置する前記補強アッセンブリとを有し、前記内パネルと前記外パネルとは、相互に連結されている。
【0017】
一実施例では、一つの前記側板に設けられた前記連結体のその第1の側辺縁と対向する第2の側辺縁には第1の噛み合い構造が設けられ、当該側板に隣接する前記側板に設置された前記連結体のその第1の側辺縁と対向する第2の側辺縁には第2の噛み合い構造が設けられ、前記第1の噛み合い構造と前記第2の噛み合い構造とは操作可能に互いに噛み合う。
【0018】
一実施例では、一方の前記側板に設けられた前記連結体の前記第2の側辺縁と当該側板に隣接する他方の側板に設けられた前記連結体の第2の側辺縁とに互いに嵌合するロック構造が設けられている。
【0019】
一実施例では、前記ベースは、底板と、前記底板の外周から延出する2対の対向する延出板とを有し、前記2対の対向する延出板の高さは同一である。
【0020】
一実施例では、前記ベースのいずれか対向する一対の前記延出板の内側間の距離が、対応する前記側板の全幅以上である。
【0021】
一実施例では、前記ベースの前記延出板の高さは、対向する2対の側板の厚さの合計よりも大きい。
【0022】
一実施例では、各前記側板の下面から、互いに離間した側板ヒンジ部が延出しており、前記側板ヒンジ部にヒンジピンが設けられ、前記ベースの前記延出板には開口部が設けられ、前記開口部にはヒンジ溝が設けられ、前記ヒンジピンは前記ヒンジ溝に回動可能に取り付けられている。
【0023】
一実施例では、対向する一対の前記延出板に設けられた開口部の高さが、対向する他の一対の前記延出板に設けられた開口部の高さよりも大きい。
【0024】
一実施例では、前記コンテナは、蓋板本体と前記蓋板本体から下方に延びる外周ガードエッジとを有する蓋板をさらに備え、前記外周ガードエッジの内周面輪郭は、前記ベースの対向する2対の延出板の外周面輪郭に合わせる。
【0025】
一実施例では、前記ベースはさらに、前記底板と前記延出板の一つとの間に位置し、前記底板の内側と外側とを連通する排出口と、前記底板の下方に位置するフォークリフト用孔とを備える。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、側板を互いに連結する位置に著しいサイズの面取りを追加した後、面取り部に側板連結構造を配置することにより、各側板の幅がいずれもコンテナのベースの内寸法よりも小さくなるようにし、折畳み時に底部の内部に側板を完全に位置させることができる折畳み可能なIBCの新規な構造を提供することにより、ベースのガードエッジの高さが一致した構造を実現する。この発明は、従来の折畳みコンテナの構造を打破し、その衛生保持条件を改善した。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は本発明の一実施例に係るコンテナの斜視図である。
図2図2は本発明の一実施例に係るコンテナのベースの斜視図である。
図3図3は本発明の一実施例に係るコンテナの各側板の斜視図である。
図4図4は本発明の一実施例に係るコンテナの一つの側板の斜視図である。
図5図5は本発明の一実施例に係るコンテナの角アッセンブリの斜視図であって、一対の連結体が噛み合った状態にある斜視図である。
図6図6は本発明の一実施例に係るコンテナの角アッセンブリの斜視図であって、一対の連結体が離脱した状態にある斜視図である。
図7図7は本発明の一実施例に係る使用状態におけるコンテナの平面図である。
図8図8図7における囲み部分Aを拡大した図である。
図9図9は本発明の一実施例に係る折畳み準備状態におけるコンテナの平面図である。
図10図10は本発明の一実施例に係るコンテナを折畳んでいること示す平面図である。
図11図11は本発明の一実施例に係る折畳み状態におけるコンテナの平面図である。
図12図12は本発明の一実施例に係る折畳み状態におけるコンテナの平面図である。
図13図13は本発明の別の実施例に係る使用状態におけるコンテナの平面図である。
図14図14図13における囲み部分Bを拡大した図である。
図15図15は従来技術のコンテナの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の目的、特徴および利点をよりよく理解するために、図面に結合して本発明の各実施例について詳細に説明する。図面に示される実施例は、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではなく、単に本発明の技術方案の本質的な精神を説明することを理解するべきである。
【0029】
以下の説明では、開示された各実施例を説明する目的から、開示された各実施例を完全に理解するために、何らかの具体的な詳細を記載する。但し、当業者は実施例がこれらの具体的な詳細のうちの一つまたは複数なしに実施されてもよいことを認識するべきである。他の場合では、実施例の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、本出願に関連する周知のデバイス、構造、および技術は詳細に示されないか、または記載されない可能性がある。
【0030】
文脈で特に必要とされない限り、明細書および請求の範囲を通して、「備える」という言葉とそのバリエーション、例えば「含む」や「有する」などの用語は、オープンで包括的な意味と理解するべきであり、すなわち、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。
【0031】
明細書全体にわたる「一つの実施例」または「一実施例」への言及は、実施例に説明される特定の特点、構造、または特徴が少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。そのため、明細書全体の各箇所での「一つの実施例では」または「一実施形態では」の表現は、必ずしもすべてが同じ実施例を指しているわけではない。また、特定の特点、構造、または特徴が1つまたは複数の実施例で任意の方法で組み合わせることができる。
【0032】
本明細書および添付の請求の範囲で使用されるように、単数形「一」および「前記」は、文脈がそうでないことを明確に記載しない限り、複数の指示対象も含む。「または」という用語は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、「および/或いは」を含む意味で一般的に使用されることである。
【0033】
以下の記載では、本発明の構成及び動作形態を明確に示すために、多くの方向性の語を用いて説明するが、「前」、「後」、「左」、「右」、「外」、「内」、「外を向く」、「内を向く」、「上」、「下」などの語は、限定的な語ではなく、便宜上の語として理解されるべきである。
【0034】
折畳み可能な複合型IBC(中型バルクコンテナ)は物流分野で広く応用されており、通常その外形寸法は約1.2mの長さ、1mの幅であり、一般的にベース、2対の側板、及び蓋板を有し、側板とベースは着脱可能に連結されている。
【0035】
図1を参照すると、本発明に係るコンテナ100は、ベース1と、ベース1から垂直に延びて互いに連結された2対の対向する側板2,3と、ベース1に対向して設置された蓋板4とを備えている。対向する2対の側板2,3が底部の辺縁でベース1に着脱可能に連結され、且つ対向する2対の側板2,3の両側辺縁に連結体を備え、隣接する2枚の側板2,3が、対応する連結体の間の嵌合により相互に操作可能に連結されている。互いに嵌合する2つの連結体は、角アッセンブリ5,6を構成する。各側板2,3は、ベース1にヒンジ結合可能に連結されているので、不使用の場合はベース1に対して各側板2,3を折畳むことができ、収納、ストレージを容易にすることができる。
【0036】
図2には、ベース1を示す斜視図が示される。ベース1は、略長方形状の底板19と、底板19の周囲から垂直方向に延出する2対の対向する延出板18とを備え、2対の対向する延出板の高さは同一である。各延出板の内側にはいずれも複数の開口部が設けられており、図には、一方の延出板18における3つの開口部11,12,13と、他方の延出板における3つの開口部14,15,16とが示されている。各開口部は、側板2,3の底部の辺縁に設けられた各延出部を受け入れるために上方及び内方に開口している。各開口部には、側板2,3の底部の辺縁における各延出部に選択的に設けられた吊り台241,331またはヒンジピン242,332と嵌合するように掛け溝131,141またはヒンジ溝132,142が選択的に設けられることで、延出板18に対する側板のヒンジ構造が形成されることによって、側板が箱体内に折畳み可能となっている。各側板の積み重ねを容易にするために、図示の実施例では、一対の延出板18における溝付き開口部14,15,16の高さは、他方の延出板18における開口部11,12,13の高さよりも大きい。これにより、一対の側板を他の一対の側板に対して異なる高さに折畳むことができ、側板間の重ね合わせを容易にすることができる。
【0037】
ベース1の底板19と延出板18との間には、ベース1の内側と外側とを連通する排出口9が設けられており、必要な際にコンテナ100の内容物を外部に排出しやすくなっている。また、図1図2に示すように、ベース1には、底板19の下方にフォークリフト用孔10が設けられることによって、フォークリフトのフォークを挿入してコンテナ100を運搬しやすくなっている。
【0038】
図3には、互いに連結された各側板2,3を示す斜視図が示される。側板2,3の底部の辺縁には、底部の辺縁から下方に延びる延出部が設けられており、図に、一つの側板2の底部の辺縁から下方に延びる延出部24,25,26と、一つの側板3の底部の辺縁から下方に延びる延出部31,32,33とが示される。各側板2,3とベース1との連結を実現するように、各延出部は、各開口部内に対応して受け入れ可能である。また、各開口部に選択的に設けられた掛け溝131,141またはヒンジ溝132,142とは互いに嵌合してヒンジ連結構造を形成するように、対応する延出部に、吊り台241,331またはヒンジピン242,332が設けられことによって、各側板をコンテナ内に折畳み可能とする。図に、各側板は、3組の開口部および延出部によってベース1に接続されていることが示されるが、開口部および延出部の数は、本発明の範囲を逸脱することなく、必要に応じて設定することもできることを理解されたい。
【0039】
図4には、側板2の片側の斜視図が示される。図に示すように、側板2の両側辺縁には、下から上に向かって順に並ぶ溝21,22,23がそれぞれ設けられている。各溝21,22,23は、側板2の厚み方向に貫通し、両側の辺縁に沿って互いに間隔をあけた。側板3の両側辺縁にも対応して同様の溝が設けられているので、ここでは説明しない。側板2,3は、互いに間隔を隔てた2層のパネルを互いに接合して構成されている。側板2は、2層パネルである内パネルと外パネルとの間に補強アッセンブリを備えている。補強アッセンブリの両側には、側板2を縦方向に貫通する2本の縦方向のピボット管7をそれぞれ備える。各溝21,22,23に、側板2からピボット管7が露出している。他の側板2、3も同様に溝と補強アッセンブリを備えている。補強アッセンブリは、側板2の二層パネルよりも強度の高い材料で構成することができる。例えば、補強アッセンブリは、複数の横方向の補強材と複数の縦方向の補強材とを相互に連結してフレーム構造を形成することができる。ただし、補強アッセンブリは、必要に応じて別の形態で設置されてもよいことを理解されたい。
【0040】
図5および図6には、角アッセンブリ6の斜視図が示される。角アッセンブリ6の高さは側板2、3の高さと同じである。角アッセンブリ6は、連結体6aと連結体6bとからなる。連結体6a,6bの外側を第1側辺縁とし、連結体6a,6bの第1側にそれぞれ延出部6a1,6a2,6a3,6b1,6b2,6b3が設けられる。各延出部には、ピボット管と相互に接続するための縦方向に延びる貫通孔6a4、6b4が設けられている。各延出部6b1,6b2,6b3は、側板における各溝21,22,23にそれぞれ対応しており、各溝21,22,23内に嵌入されることができる。一方、ピボット管7は、各延出部6b1、6b2、6b3を順に貫入して、側板2とのヒンジ結合を形成することができる。縦方向に延長する貫通孔6b4をヒンジ孔とし、縦方向に延長する6b4にピボット管7を回動自在に挿入する。これにより、角アッセンブリ6の一側が側板2とヒンジ結合を形成する。角アッセンブリ6の他側は、隣接する側板3と同様にヒンジ結合を形成する。これにより、角アッセンブリ6によって、隣り合う2つの側板2,3が互いに連結される。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者に知られている他の方式により、側板と連結体との間にヒンジ連結を形成することができることが理解されるべきである。
【0041】
本発明では、側板2と側板3にいずれも補強アッセンブリが設けられ、各側板2,3を補強アッセンブリのピボット管7に連結された角アッセンブリ5,6によって相互に連結することにより、従来の技術に側板同士を直接噛み合わせることの代わりに、より強度の高い連結を実現する。側板2,3は、既存の噛み合い構造を取り除いているので、その製造工程が熱板溶接や振動摩擦溶接などの溶接工程に限定されず、2層の真空成形(Twin sheet Forming)やブロー成形などを用いることができる。
【0042】
図5,6に示すように、連結体6a,6bの互いに対向する側が第2の側辺縁となっており、連結体6a,6bの第2の側辺縁には、それぞれ第1の噛み合い構造6a5と第2の噛み合い構造6b5とが設けられている。第1の噛み合い構造6a5と第2の噛み合い構造6b5とは相互に操作可能に噛み合う。連結体6aと連結体6bの間には、第1の噛み合い構造6a5と第2の噛み合い構造6b5とによって互いに連結されている。噛み合い構造は、連結体6a,6bの対向する辺縁から連結体が位置する延在平面に沿って延在する噛み合い歯、噛み合い溝、噛み合いフックであり、その形状はダブテール型、T字型、その他の形状であってもよく、噛み合い構造の延在方向は、連結体が軸孔を中心に回転した後に隣接する噛み合い体との噛み合いを解除することができるように設定されている(図9)。当該構造により、連結体6a,6bが側板のピボット管7を中心に角度回転することができることによって、連結状態にある二つの連結体の連結を解除することができ、折畳み操作を行うことができる。示された実施例では、連結体6a,6bは、互いに噛合った状態で同一平面内に位置している。
【0043】
図7には、本発明のコンテナ100の使用状態における平面図が示される。図8には図1の囲み部分の拡大図が示される。図7に示すように、隣り合う側板2,3の間は角アッセンブリ5,6によって連結されている。角アッセンブリ5及び角アッセンブリ6は、それぞれ一対の連結体で形成され、且つ隣接する側板に対して角度を有して設置されている。これにより、平面視で、各側板の連結体は、当該側板に対してコンテナ内に向けて傾斜し、且つ角アッセンブリの一対の連結体は同一平面上に位置するので、2対の側板2,3と2対の角アッセンブリ5,6とは、八角形状を構成する。示された好ましい実施例では、角アッセンブリ5,6は、側板が位置する平面に対して45°の角度を有するが、角アッセンブリ5,6は、側板が位置する平面に対して他の角度を有してもよいことを理解されたい。各側板の幅W0と、この側板に連結される連結体が当該側板の法線方向に投影する幅W1との和は、隣接する一対の側板の内壁面間の距離よりも小さい。また、この側板に連結された連結体がこの側板に対して展開可能である場合には、各側板の幅W0と、この側板に連結された連結体が展開された後の幅W2との和が、隣接する一対の側板の内壁面間の距離よりも小さい。
【0044】
図8に示すように、側板2とその連結体とを平坦化した状態で、連結体の第1の側辺縁と隣接する側板3の内壁面が位置する平面との間の距離をD1とし、側板3とその連結体とを平坦にした状態で、連結体の第1の側辺縁と隣接する側板2の内壁面が位置する平面との間の距離をD2とする。側板が折畳み中に隣接する側板と干渉せず、且つ隣接する一対の延出板18内で折畳み可能であることを確保するために、D1及びD2はゼロよりも大きくなければならない。D1≧3mm、D2≧3mmであることが好ましい。この寸法設定であるため、各側板及びそれが連結された連結体の平坦化後の全幅が、その隣接するベース1の一対の延出板18間の幅よりも小さくなることによって、各側板をベース1に対して折畳んだ後に、コンテナのベース内に完全に平らに置くことができ(図12)るため、ベース1の4つの延出板を同じ高さに設定することができる。
【0045】
図9には、本発明に係るコンテナ100の角アッセンブリ6の一つの連結体が、隣接する連結体との噛み込みを解除するように側板2に対して回転する模式図が示される。図中、側板2に連結された連結体6aは、ヒンジ孔を中心に内側に回転し、使用状態の連結体6aに対して角度αを有する。
【0046】
図10には、本発明に係るコンテナ100の側板2がベース1に対して下方に折畳まれる過程の模式図が示される。図に示すように、折畳み過程に、側板2とこれを連結する連結体6a,5aが平坦化状態になっており、折畳み過程に、側板2とその連結体6a,5aと隣接する二つの側板3の内壁の間の間隔がD2となっているので、側板2とその連結体6a,5aとがベース1の対応する一対の延出板18の間に完全に平らに置くことが確保される。
【0047】
図11には、本発明に係るコンテナ100の2対の側板がベース1に折畳まれた平面図が示され、側板3が側板2の上方に位置している。図に示すように、折畳み過程に、側板3とこれを連結する連結体6a,5aが平坦化状態になっており、折畳み過程に、側板3とその連結体6a,5aと隣接する二つの側板2の内壁の間の間隔がD1となっているので、側板3とその連結体6a,5aとがベース1の対応する一対の延出板18の間に完全に平らに置くことが確保される。図12には、本発明に係るコンテナ100が、2対の側板2,3をいずれもベース1上に折畳まれた斜視図が示されている。図に示すように、延出板18の高さは、2対の側板2,3の厚さの合計よりも大きいので、2対の側板2,3は、いずれも延出板18で囲まれた空間内に平らに置かれ、延出板18よりも高くない。これにより、折畳んだ後に蓋板4を折畳んだ箱体の上に載置することができる。図1に戻ると、蓋板4は、蓋板本体41と、蓋板本体41から下方に延設され、内周面の輪郭が延出板18の外周面の輪郭と一致する外周ガードエッジとを有しており、蓋板4を折畳んだ箱体に密着してカバーすることができる。この構造により、本発明のコンテナ100を折畳んで収納した状態で屋外に置いても雨水等で汚染されることがない。
【0048】
図13および図14は、本発明によるコンテナの別の実施例を示す。この実施例は、角アッセンブリの2つの連結体がそれぞれ側板2、3と一体に形成され、且つ隣接する連結体が同一平面上に位置している点だけで、前述の実施例と異なる。示されたより良い実施例において、角アッセンブリ5,6は、側板が位置する平面に対して45°の角度を有するが、角アッセンブリ5,6は、側板が位置する平面に対して他の角度を有してもよいことが理解されるべきである。角アッセンブリの2つの連結体の互いに対向する辺縁には、側板3の延在方向と平行な方向に嵌合する噛み合い構造が設けられている。図14は、図13の囲み部分の拡大図であり、側板2の辺縁に連結体2aが一体に設けられ、側板3の辺縁に連結体3aが一体に設けられ、連結体2aの辺縁にスナップフック2bが一体に設けられ、連結体3aの外端3bに対応する係止溝が形成され、連結体2aのスナップフック2bを側板3の延在方向と平行な方向に連結体3aの係止溝に嵌め込むことにより、連結体の間の噛み込みを実現する。側板2,3を折畳む必要がある場合には、まず側板2を下方に折畳むとともに、側板2と側板3との間、すなわち連結体2aと連結体3aとの間の噛み込みを解除する。その後、側板3を下方に折り返す。連結体2aの外側辺縁と側板3の内壁面が位置する平面との間の距離をD4とし、連結体3aの外側辺縁と側板2の内壁面が位置する平面との間の距離をD3とする。同様に、D4≧3cm、D3≧3cmとし、これにより、折畳み過程に、側板2,3と隣接する側板及び延出板18との間に一定の隙間が確保され、側板及びその連結体が、ベース1の対応する一対の延出板18の間に完全に平らに置かれることが確保される。同様に、各側板の幅W0と、この側板と連結する連結体が側板の法線方向に投影する幅W1との和は、隣接する一対の側板の内壁面間の距離よりも小さい。
【0049】
また、隣接する側板の間の噛み合いをロックする必要があり、当該ロックは本分野の先行技術において知られている、または開発されるべき任意のロック機構によって実現でき、本明細書ではこれについて再度説明しない。好ましくは、隣接する二つの側板の隣接する側辺縁に設けられた対向する連結体に、互いに嵌合するロック機構6cを設ける。
【0050】
発明者は、従来の側板を連結角部に面取りの処理を行った後、噛み合い構造を一定の寸法仕様に従って設計した後、側板をベースの延出板内に完全に折畳むことができ、この面取りは一定の角度の傾斜角(30°から45°)であってもよく、丸い角であってもよく、丸い角に近い角であってもよいことを発見した。側板がベース内に完全に折畳まれると、ベースの4つの延出板が均一な高さになるように設計されることができ、箱体をより衛生条件に維持することが容易になる。
【0051】
以上、本発明のより良い実施例について詳細に説明したが、必要に応じて、様々な特許、出願、および出版物の態様、特徴、および概念を使用して追加の実施形態を提供するために、実施例の態様を修正することができることが理解されるべきである。
【0052】
上記の詳細な説明を考慮して、これらおよび他の変更を実施例に加えることができる。一般的に、請求の範囲では、使用される用語は説明および請求の範囲に開示された特定の実施例に限定されると考えられるべきではなく、これらの請求の範囲が享受するすべての同等範囲とともにすべての可能な実施例を含むと理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15