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特許7578339車両測位方法、装置、電子機器および記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】車両測位方法、装置、電子機器および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/30 20060101AFI20241029BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G01C21/30
G08G1/0969
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023579429
(86)(22)【出願日】2022-06-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2022096647
(87)【国際公開番号】W WO2023273780
(87)【国際公開日】2023-01-05
【審査請求日】2023-12-22
(31)【優先権主張番号】202110720086.5
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522369865
【氏名又は名称】馭勢(上海)汽車科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】UISEE (SHANGHAI) AUTOMOTIVE TECHNOLOGIES LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】韓 佐悦
(72)【発明者】
【氏名】王 子涵
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-146820(JP,A)
【文献】特開2018-203103(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0361489(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0063251(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定すること、
リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定すること、
前記リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定することは、リアルタイムで車両感知道路情報を取得し、リアルタイムで取得された車両感知道路情報と前の時刻で決定された現在測位車線を比較し、比較結果に基づいて不一致積分値を決定することを含み、
前記リアルタイムで取得された車両感知道路情報と前の時刻で決定された現在測位車線を比較し、比較結果に基づいて不一致積分値を決定することは、異なる現在測位車線に異なる比較積分規則を指定し、現在測位車線に対応する比較積分規則および前記リアルタイムで取得された車両感知道路情報に基づいて、前記リアルタイムで取得された車両感知道路情報が比較積分規則に適合すると、不一致積分値を増加させることを含み、
前記不一致積分値がプリセット積分値以上であると判定した後に、前記の車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて測位車線を決定することに戻って実行すること、を含む、ことを特徴とする車両測位方法。
【請求項2】
不一致積分値がプリセット積分値よりも小さいと判定した後に、車両がステアリング状態にあるかどうかを判定すること、
車両がステアリング状態にあると判定した後に、車両感知道路情報に基づいて車両が車線変更したかどうかを判定し、車両が車線変更したと判定した後に車線変更標識を生成すること、
前記地図情報および前記車線変更標識に基づいて現在測位車線を更新すること、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の車両測位方法。
【請求項3】
前記車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定することは、
車両現在位置情報および地図情報に基づいて車線積分表を生成すること、
車両感知道路情報に基づいて前記車線積分表中の各車線の積分値を決定すること、
前記車線積分表中の積分値が第1プリセット値より大きい車線を測位車線として決定すること、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の車両測位方法。
【請求項4】
前記車両感知道路情報は感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を含み、前記車両感知道路情報に基づいて前記車線積分表中の各車線の積分値を決定することは、
車両現在位置情報に対応する地図情報中の車線数を決定し、車線数に対応する第1積分規則、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報に基づいて、前記車線積分表中の各車線の積分値を決定することを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の車両測位方法。
【請求項5】
車線数1に対応する第1積分規則は以下のとおりであり、前記車両感知道路情報を、片側車線ラインが実線で、左側にガードバーがあると認識している場合、所在する1車線を加点し、
車線数2に対応する第1積分規則は以下のとおりであり、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、左側の最も隣接する車線ラインが実線で右側の最も隣接する車線ラインが点線であると認識している場合、左側車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、左側にガードバーがあり、右側の最も隣接する車線ラインが点線であると認識している場合、左側車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、右側の最も隣接する車線ラインが実線で左側の最も隣接する車線ラインが点線であると認識している場合、右側車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、右側にガードバーがあり、左側の最も隣接する車線ラインが点線であると認識している場合、右側車線を加点し、
車線数3に対応する第1積分規則は以下のとおりであり、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、左右両側の最も隣接する車線ラインが点線でガードバーがないと認識している場合、中間車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、左側の最も隣接する車線ラインが実線で、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側ガードバーがないと認識している場合、左側車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、左側にガードバーがあり、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側ガードバーがないと認識している場合、左側車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、右側の最も隣接する車線ラインが実線で、左側の最も隣接する車線ラインが点線で左側にガードバーがないと認識している場合、右側車線を加点する、ことを特徴とする請求項4に記載の車両測位方法。
【請求項6】
車線数4以上に対応する第1積分規則は以下のとおりであり、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、左側の最も隣接する車線ラインが実線で、右側の最も隣接する車あ線ラインが点線で右側ガードバーがないと認識している場合、最も左側車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、左側にガードバーがあり、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側ガードバーがないと認識している場合、最も左側車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、右側の最も隣接する車線ラインが実線で、左側の最も隣接する車線ラインが点線で左側にガードバーがないと認識している場合、最も右側車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、左右両側の最も隣接する車線ラインが点線でガードバーがないと認識している場合、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報と中間各車線の車線ラインを比較し、比較的一致する中間車線を加点する、ことを特徴とする請求項4に記載の車両測位方法。
【請求項7】
前記車両感知道路情報は周辺車両情報をさらに含み、前記車両現在位置情報に対応する地図情報中の車線数を決定し、車線数に対応する第1積分規則、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報に基づいて、前記車線積分表中の各車線の積分値を決定した後に、
車線数に対応する第2積分規則および前記周辺車両情報に基づいて前記車線積分表中の各車線の積分値を更新することをさらに含む、ことを特徴とする請求項4に記載の車両測位方法。
【請求項8】
車線数2に対応する第2積分規則は以下のとおりであり、前記周辺車両情報を、左側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、右側車線を加点し、前記周辺車両情報を、右側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、左側車線を加点し、
車線数3以上に対応する第2積分規則は以下のとおりであり、前記周辺車両情報を、左側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、最も左側車線を減点し、前記周辺車両情報を、右側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、最も右側車線を減点し、車線数が3である場合、前記周辺車両情報を、左右両側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、中間車線を加点する、ことを特徴とする請求項7に記載の車両測位方法。
【請求項9】
前記周辺車両情報に基づいて移動車両と現在車両の横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと決定した継続時間が第1プリセット時間よりも大きいと判定した後に、車線数に対応する第2積分規則および前記周辺車両情報に基づいて前記車線積分表中の各車線の積分値を更新する操作を実行する、ことを特徴とする請求項7に記載の車両測位方法。
【請求項10】
前記車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定する過程中、
現在車線数が変更したと判定した後に、前記車線積分表をゼロクリアすることをさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載の車両測位方法。
【請求項11】
前記リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定することは、
現在測位車線に対応する第3積分規則およびリアルタイムで取得された車両感知道路情報に基づいて不一致積分値を決定すること、
現在の測位車線が最も左側車線である場合に対応する第3積分規則は以下のとおりであり、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、左側の最も隣接する車線ラインが点線で左側にガードバーがないと認識している場合、不一致積分値を増加させ、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、右側にガードバーがあり、車線総数が1よりも大きいと認識している場合、不一致積分値を増加させること、
現在の測位車線が最も右側車線である場合に対応する第3積分規則は以下のとおりであり、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側にガードバーがないと認識している場合、不一致積分値を増加させ、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、左側にガードバーがあり、車線総数が1よりも大きいと認識している場合、不一致積分値を増加させること、
現在の測位車線が中間車線である場合に対応する第3積分規則は以下のとおりであり、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、左側の第2車線ラインと現在車両間の距離が第1閾値よりも小さく、左側の第2車線ラインが実線であると認識している場合、不一致積分値を増加させ、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、右側の第2車線ラインと現在車両間の距離が第1閾値よりも小さく、右側の第2車線ラインが実線であると認識している場合、不一致積分値を増加させ、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、左側にガードバーがあり、ガードバーと現在車両間の距離が第2閾値よりも小さいと認識している場合、不一致積分値を増加させ、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、右側にガードバーがあり、ガードバーと現在車両間の距離が第2閾値よりも小さいと認識している場合、不一致積分値を増加させること、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の車両測位方法。
【請求項12】
リアルタイムで取得された車両感知道路情報が前記第3積分規則のいずれにも適合しないと判定した後に、不一致積分値をゼロクリアする、ことを特徴とする請求項11に記載の車両測位方法。
【請求項13】
前記車両がステアリング状態にあるかどうかを判定することは、
ステアリングホイール角度および/またはヨー角速度信号に基づいて車両がステアリング状態にあるかどうかを判定することを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の車両測位方法。
【請求項14】
車両感知道路情報に基づいて車両が車線変更したかどうかを判定し、車両が車線変更したと判定した後に車線変更標識を生成することは、
前記車両感知道路情報における少なくとも1つの車線ラインと現在車両間の距離がジャンプチェンジした場合、車線が変更したと判定すること、
前記車両感知道路情報中の車線ライン変更方向に基づいて車線変更フラッグを生成することを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の車両測位方法。
【請求項15】
隣接する2つ車線変更標識の生成時間は、少なくとも第2プリセット時間だけ離間される、ことを特徴とする請求項2に記載の車両測位方法。
【請求項16】
車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定するために使用される初期化モジュールと、
リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定するために使用される測位監視モジュールと、前記リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定することは、リアルタイムで車両感知道路情報を取得し、リアルタイムで取得された車両感知道路情報と前の時刻で決定された現在測位車線を比較し、比較結果に基づいて不一致積分値を決定し、異なる現在測位車線に異なる比較積分規則を指定し、比較積分規則に適合すると、不一致積分値を増加させ、
前記不一致積分値がプリセット積分値以上であるかどうかを判定し、そうである場合、前記初期化モジュールに、車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定する操作を再度実行するように指示する判断モジュールと、を備える、ことを特徴とする車両測位装置。
【請求項17】
プロセッサおよびメモリを備える電子機器であって、
前記プロセッサは前記メモリに記憶されたプログラムまたは命令を呼び出して、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法のステップを実行する、電子機器。
【請求項18】
プログラムまたは命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムまたは命令は、コンピュータに請求項1~15のいずれか1項に記載の方法のステップを実行させる、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、トレーラの技術分野に関し、具体的に、車両測位方法、装置、電子機器および記憶媒体に関する。
【0002】
<関連出願>
本開示は、2021年6月28日に中国特許庁に出願され、出願番号202110720086.5、発明名称「車両測位方法、装置、電子機器および記憶媒体」の中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は参照により本開示に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
自動運転車両は、交通渋滞を緩和して交通効率を向上させ、両手を解放して社会の生産性を向上させることができるため、その関連技術が広く注目されている。自動運転車両は、車両に搭載されたカメラ、ライダー、ミリ波レーダーなどのセンサにより、周囲の道路環境をセンシングし、自車位置や周囲の目標物の位置、大きさ、移動方向などの情報を迅速かつ正確に取得することで、道路上での安全かつ円滑な走行を保証することができる。
【0004】
自動運転システムは、運転中の車両の位置を正確に特定する必要があり、これは走行ルートの計画に使用される。従来の民生用GPSを使用して車両の位置を特定する場合、その精度は車両が位置する道路を特定することしかできず、車両が位置する車線を正確に取得することはできない。これは、走行ルートにおける自動運転車両の誤判断や車線変更の必要性に影響する。RTK(Real Time Kinematic、リアルタイムキネマティック)などの高精度測位装置を使用して正確な位置を取得する場合、高精度地図の精度に頼る必要があり、コストが高く、使用範囲が限定される。また、従来の車線測位方式は、道路端が曖昧な道路状況、目標物の隠蔽、光の変化などの複雑な環境に対応することが難しく、安定性や干渉防止能力が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の少なくとも1つの問題を解決するために、本開示の少なくとも1つの実施例は、車両測位方法、装置、電子機器および記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様によれば、本開示の実施例は車両測位方法を提供し、
車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定すること、
リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定すること、
前記不一致積分値がプリセット積分値以上であると判定した後に、前記の車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて測位車線を決定することに戻って実行すること、を含む。
【0007】
第2態様によれば、本開示の実施例は車両測位装置をさらに提供し、車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定するために使用される初期化モジュールと、
リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定するために使用される測位監視モジュールと、
前記不一致積分値がプリセット積分値以上であるかどうかを判定し、そうである場合、前記初期化モジュールに、車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定する操作を再度実行するように指示する判断モジュールと、を備える。
【0008】
第3態様によれば、本開示の実施例は、プロセッサおよびメモリを備える電子機器をさらに提供し、
前記プロセッサは前記メモリに記憶されたプログラムまたは命令を呼び出して、第1態様に記載の方法のステップを実行する。
【0009】
第4態様によれば、本開示の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、プログラムまたは命令を記憶するために使用され、前記プログラムまたは命令はコンピュータに第1態様に記載の方法のステップを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の実施例の少なくとも1つの実施例では、まず車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報線に基づいて現在測位車線を決定し、すなわち、まず車両の初期車線測位を実行する。次に、リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定する。該ステップは実際に車線測位の監視を行い、リアルタイムで取得された車両感知道路情報に基づいて現在測位車線との不適合を分析し、不一致積分値を決定する。不一致積分値がプリセット積分値以上である場合、このときの測位車線測位に失敗し、測位車線を再度決定する必要があることを意味し、車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて測位車線を再度決定することに戻して実行する。本開示の実施例は従来技術と比較すると、RTK高精度測位を使用する必要がなく、実現コストが低い。また、本開示の実施例は、車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定した後、リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定する方法により、測位車線が正しいかどうかを継続的に監視し、車線測位の安定性および干渉防止能力を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示の実施例の技術的解決策をより明確に説明するために、以下、実施例または従来技術の説明において使用される必要のある添付図面を簡単に説明するが、明らかに、以下で説明される添付図面は本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者はこれらの添付図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本開示の実施例が提供する車両測位方法の概略フローチャートである。
図2】2車線の概略図である。
図3】3車線の概略図である。
図4】4車線の概略図である。
図5】車線数が2で左側に移動車両がある場合の概略図である。
図6】車線数が2で右側に移動車両がある場合の概略図である。
図7】車線数が3で左側に移動車両がある場合の概略図である。
図8】車線数が3で右側に移動車両がある場合の概略図である。
図9】車線数が3で左右両側に移動車両がある場合の概略図である。
図10】本開示の実施例が提供する別の車両測位方法の概略フローチャートである。
図11】本開示の実施例が提供する車線変更の概略図である。
図12】本開示の実施例が提供する車両測位装置の構造ブロック図である。
図13】本開示の実施例が提供する電子機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の上記目的、特徴および利点をより明確に理解できるように、以下、添付図面および実施例に関連して本開示をより詳細に説明する。なお、説明される実施例は本開示の一部の実施例であり、全ての実施例ではないことを理解されたい。ここで説明される具体的な実施例は、本開示を解釈するために使用され、本開示を限定するものではない。当業者は、説明された本開示の実施例に基づいて得られた他の実施例は、すべて本開示の保護範囲に含まれる。
【0013】
なお、本明細書において、「第1」、「第2」などの関係用語は、1つの実体または操作をもう1つの実体または操作から区別するためにのみ使用され、これらの実体または操作間にそのような実際の関係または順序は必ずしも要求または暗示されない。
【0014】
図1は、本開示の実施例が提供する車両測位方法の概略フローチャートである。図1に示すように、本開示の実施例が提供する車両測位方法は以下のS110~S130を含む。
【0015】
S110、車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定する。
【0016】
車両に、測位装置、例えば全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)測位装置、慣性計測ユニット(Inertial Measurement Unit、IMU)などが備えられている。全地球測位システム測位装置は、衛星信号を取得し、リアルタイムで経緯度情報を算出し、経緯度情報に基づいて車両現在の位置情報を決定することができる。車両の現在位置情報は、例えば車両所在道路および走行方向などを含む。車両所在道路および走行方向などを決定した後に、地図情報に基づいて現在所在道路に対応する車線総数情報、緊急車線の有無などの情報(説明の便宜上、以降車線モデルと称する)を読み取ることができる。
【0017】
車両に収集装置が備えられてもよく、カメラ、レザーライダーなどを含むが、これらに限定されない。本実施例中の収集装置は、車両感知道路情報を収集することができる。車両感知道路情報は、感知車線ライン情報、感知ガードバー情報および周辺車両情報などを含むが、これらに限定されない。感知ガードバー情報は例えばガードバーの横方向位置、勾配、曲率、信頼度などを含む。感知車線ライン情報は例えば車線ラインの横方向距離、勾配、曲率、線種(実線、点線)、信頼度などを含む。周辺車両情報は例えば移動車両の縦方向位置、横方向位置、縦方向車速などを含む。車両感知道路情報は、収集装置がリアルタイムで取得した車両所在位置付近の実道路情報を指す。
【0018】
本開示の実施例では、まず車両現在位置情報を取得し、車両現在位置情報に基づいて地図情報に対応する車線モデルを検索し、次に、車両感知道路情報に基づいて車両が現在車線モデルのどの車線に位置するかを予備決定する。例えば、車両現在位置情報および地図情報に基づいて、車両現在所在道路に対応する車線モデルが3車線であると決定する。車両感知道路情報中の感知車線ライン情報は、順に、第2左車線ラインが実線であり、第1左車線ラインが点線であり、第1右車線ラインが点線であり、第2右車線ラインが実線である。上記感知車線ライン情報および車線モデルに基づいて、車両が現在車線モデルの中間車線に位置し、すなわち現在測位車線が中間車線であると予備決定する。
【0019】
いくつかの実施例では、車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定するステップS110は、
S111、車両現在位置情報および地図情報に基づいて車線積分表を生成すること、
S112、車両感知道路情報に基づいて車線積分表中の各車線の積分値を決定すること、
S113、車線積分表中の積分値が第1プリセット値よりも大きい車線を測位車線として決定すること、を含む。
【0020】
例えば、車両現在位置情報および地図情報に基づいて現在車線総数が3であると決定した時、生成された車線積分表は、各車線の積分値を格納するための3×1の配列となる。車両感知道路情報に基づいて積分規則に従って条件を満たす車線を積分し、積分結果を車線積分表に保存する。車線積分表中のある車線積分値が第1プリセット値を超えた場合、現在車両が該車線に位置すると判定し、車両測位を完了する。各車線積分値が第1プリセット値を超えない場合、積分を継続的に行う。
【0021】
いくつかの実施例では、車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定する過程中、現在車線数が変更した後に車線積分表をゼロクリアすると判定することをさらに含む。
【0022】
車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定する過程中、現在車線数が変更した場合、元の車線積分表中の積分値に基づいて現在測位車線を決定すると判定エラーが生じるため、本実施例では、現在車線数が変化した後に車線積分表をゼロクリアする。
【0023】
いくつかの実施例では、車両感知道路情報は感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を含む。車両感知道路情報に基づいて車線積分表中の各車線の積分値を決定するS112は、
車両現在位置情報に対応する地図情報中の車線数を決定し、車線数に対応する第1積分規則、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報に基づいて、前記車線積分表中の各車線の積分値を決定することを含む。
【0024】
例えば、GPSにより測位された車両現在位置情報に基づいて、地図情報から該位置に対応する車線情報、例えば車線数、感知車線ライン情報、ガードバー情報などを決定し、車線積分表を確立する。プリセットされた第1積分規則、および感知車線ライン情報および感知ガードバー情報に基づいて積分演算を行い、車線積分表中の各車線の積分値を決定する。
【0025】
第1積分規則は、車線数に応じて個別に設定され、例えば車線総数を1車線、2車線、3車線、4車線以上に分けて設定されてもよい。
【0026】
したがって、ガードバー検出の信頼性は車線ラインの信頼性ほど高くないため、ガードバーが常に検出されるとは限らない場合がある。そこで、本開示の実施例では、感知された車線ライン情報およびガードバー情報を統合して積分を行う。
【0027】
車線数1に対応する第1積分規則は以下のとおりであり、車両感知道路情報を、片側車線ラインが実線で、左側にガードバーがあると認識している場合、所在する1車線を加点する。車線数が1、すなわち1車線の場合、感知された車線ライン情報およびガードバー情報を統合して積分を行う。車両感知道路情報を、右側車線ラインが実線で、左側にガードバーがあると認識している場合、所在する1車線を加点する。
【0028】
車線数2に対応する第1積分規則は以下のとおりであり、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、左側の最も隣接する車線ラインが実線で右側の最も隣接する車線ラインが点線であると認識している場合、左側車線を加点し、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、左側にガードバーがあり、右側の最も隣接する車線ラインが点線であると認識している場合、左側車線を加点し、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、右側の最も隣接する車線ラインが実線で左側の最も隣接する車線ラインが点線であると認識している場合、右側車線を加点し、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、右側にガードバーがあり、左側の最も隣接する車線ラインが点線であると認識している場合、右側車線を加点する。
【0029】
図2は、2車線の概略図であり、例示的に、2車線の左側車線を車線2、右側車線を車線1とする。
【0030】
感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、左側の最も隣接する車線ラインが実線で右側の最も隣接する車線ラインが点線であると認識している場合、現在車両が所在する真実車線が左側車線、すなわち車線2に位置することに整合性が高いことを意味し、左側車線を加点する。
【0031】
感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、左側にガードバーがあり、右側の最も隣接する車線ラインが点線であると認識している場合、現在車両が所在する真実車線が左側車線、すなわち車線2に位置することに整合性が高いことを意味し、左側車線を加点する。
【0032】
感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、右側の最も隣接する車線ラインが実線で左側の最も隣接する車線ラインが点線であると認識している場合、現在車両が所在する真実車線が右側車線、すなわち車線1に位置することに整合性が高いことを意味し、右側車線を加点する。
【0033】
感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、右側にガードバーがあり、左側の最も隣接する車線ラインが点線であると認識している場合、現在車両が所在する真実車線が右側車線、すなわち車線1に位置することに整合性が高いことを意味し、右側車線を加点する。
【0034】
ここで、上記説明において、車両左側の最も隣接する車線ラインは第1左車線ラインを指し、車両右側の最も隣接する車線ラインは第1右車線ラインを指す。
【0035】
車線数3に対応する第1積分規則は以下のとおりであり、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、左右両側の最も隣接する車線ラインが点線でガードバーがないと認識している場合、中間車線を加点し、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、左側の最も隣接する車線ラインが実線で、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側ガードバーがないと認識している場合、左側車線を加点し、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、左側にガードバーがあり、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側ガードバーがないと認識している場合、左側車線を加点し、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、右側の最も隣接する車線ラインが実線で、左側の最も隣接する車線ラインが点線で左側にガードバーがないと認識している場合、右側車線を加点する。
【0036】
図3は3車線の概略図であり、例示的に、3車線の左側車線を車線3、右側車線を車線1、中間車線を車線2とする。
【0037】
感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、左右両側の最も隣接する車線ラインが点線でガードバーがないと認識している場合、現在車両が所在する真実車線が中間車線、すなわち車線2に位置することに整合性が高いことを意味し、中間車線を加点する。
【0038】
感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、左側の最も隣接する車線ラインが実線で、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側ガードバーがないと認識している場合、現在車両が所在する真実車線が左側車線、すなわち車線3に位置することに整合性が高いことを意味し、左側車線を加点する。
【0039】
感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、左側にガードバーがあり、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側ガードバーがないと認識している場合、現在車両が所在する真実車線が左側車線、すなわち車線3に位置することに整合性が高いことを意味し、左側車線を加点する。
【0040】
感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、右側の最も隣接する車線ラインが実線で、左側の最も隣接する車線ラインが点線で左側にガードバーがないと認識している場合、現在車両が所在する真実車線が右側車線、すなわち車線1に位置することに整合性が高いことを意味し、右側車線を加点する。
【0041】
車線数4以上に対応する第1積分規則は以下のとおりであり、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、左側の最も隣接する車線ラインが実線で、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側ガードバーがないと認識している場合、最も左側車線を加点し、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、左側にガードバーがあり、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側ガードバーがないと認識している場合、最も左側車線を加点し、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、右側の最も隣接する車線ラインが実線で、左側の最も隣接する車線ラインが点線で左側にガードバーがないと認識している場合、最も右側車線を加点し、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、左右両側の最も隣接する車線ラインが点線でガードバーがないと認識している場合、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報と中間各車線の車線ラインを比較し、比較的一致する中間車線を加点する。
【0042】
図4は、4車線の概略図であり、例示的に、4車線を右から左へ順次車線1、車線2、車線3、車線4とする。
【0043】
感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、左側の最も隣接する車線ラインが実線で、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側ガードバーがないと認識している場合、現在車両が所在する真実車線が最も左側車線、すなわち車線4に位置することに整合性が高いことを意味し、左側車線を加点する。
【0044】
感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、左側にガードバーがあり、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側ガードバーがないと認識している場合、現在車両が所在する真実車線が最も左側車線、すなわち車線4に位置することに整合性が高いことを意味し、左側車線を加点する。
【0045】
感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、右側の最も隣接する車線ラインが実線で、左側の最も隣接する車線ラインが点線で左側にガードバーがないと認識している場合、現在車両が所在する真実車線が最右側車線、すなわち車線1に位置することに整合性が高いことを意味し、右側車線を加点する。
【0046】
感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を、左右両側の最も隣接する車線ラインが点線でガードバーがないと認識している場合、現在車両が所在する真実車線が中間の車線、例えば車線2または車線3に位置することに整合性が高いことを意味する。車線ライン情報および感知ガードバー情報と中間各車線の車線ラインを比較し、比較的一致する中間車線を加点する。
【0047】
ここで、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報と中間各車線の車線ラインを比較し、各中間車線を横断することにより、図4を例にすると、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報と車線2の両側の車線ラインを比較し、比較が一致すれば、車線2を加点する。一致しない場合、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報と車線3の両側の車線ラインを比較し、比較が一致すれば、車線3を加点する。一致しない場合、加点しない。
【0048】
なお、以上の積分過程では、満たす条件が多いほど積分が多くなる。
【0049】
いくつかの実施例では、車両感知道路情報は周辺車両情報をさらに含み、車両現在位置情報に対応する地図情報中の車線数を決定し、車線数に対応する第1積分規則、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報に基づいて車線積分表中の各車線の積分値を決定し後に、
車線数に対応する第2積分規則および周辺車両情報に基づいて車線積分表中の各車線の積分値を更新することをさらに含む。
【0050】
本開示の実施例では、感知された周辺車両情報に基づいて車線積分表中の各車線の積分値を修正する。カメラ、レザーライダーなどの装置によって周辺車両情報を取得し、車線数に対応する第2積分規則に従って条件を満たす車線を対応して積分し、車線積分表中の各車線の積分値を更新する。
【0051】
例えば、車線数2に対応する第2積分規則は以下のとおりであり、周辺車両情報を、左側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、右側車線を加点し、周辺車両情報を、右側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、左側車線を加点する。
【0052】
図5に示すように、周辺車両情報を、左側に移動車両があると認識している場合、移動車両が自車の左側にあることを意味する。左側移動車両と現在車両の横方向距離hが第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、左側移動車両と現在車両とは同一車線ではないことを意味する。第2プリセット値は実際道路シーンに応じて設定されてもよい。このとき、現在車両が所在する真実車線が右側車線、すなわち車線1に位置することに整合性が高いことを意味し、右側車線を加点する。
【0053】
図6に示すように、周辺車両情報を、右側に移動車両があると認識している場合、移動車両が自車の右側にあることを意味する。右側移動車両と現在車両の横方向距離hが第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、右側移動車両と現在車両とは同一車線ではないことを意味する。このとき、現在車両が所在する真実車線が左側車線、すなわち車線2に位置することに整合性が高いことを意味し、左側車線を加点する。
【0054】
車線数3以上に対応する第2積分規則は以下のとおりであり、周辺車両情報を、左側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、最も左側車線を減点し、周辺車両情報を、右側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、最も右側車線を減点し、車線数が3である場合、周辺車両情報を、左右両側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、中間車線を加点する。
【0055】
図7に示すように、3車線を例にすると、周辺車両情報を、左側に移動車両があると認識している場合、移動車両が自車の左側に位置することを意味する。左側移動車両と現在車両の横方向距離hが第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、左側移動車両と現在車両とは同一車線ではないことを意味する。現在車両が最も左側車線に位置する可能性がないため、最も左側車線(図7中の車線3)を減点する。
【0056】
図8に示すように、周辺車両情報を、右側に移動車両があると認識している場合、移動車両が自車の右側に位置することを意味する。右側移動車両と現在車両の横方向距離hが第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、右側移動車両と現在車両とは同一車線ではないことを意味する。現在車両が最も右側車線に位置する可能性がないため、最も右側車線(図8中の車線1)を減点する。
【0057】
車線数が3を超えると、周辺車両情報を、左右両側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、現在車両が中間のある車線に位置するが、どの中間車線であるかは不明であるため、図9に示すように、車線数が3であり、中間車線が1つしかない場合、周辺車両情報を、左右両側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、現在車両が中間車線に位置することを意味し、中間車線を加点する。
【0058】
なお、減点過程中、車線積分表中の各車線の積分値の下限値をゼロに制御し、すなわち積分値がゼロになると減点操作を行わなくなる。
【0059】
いくつかの実施例では、周辺車両情報を決定する際に、センサ(例えばカメラ、レザーライダーなど)などの誤判定を防止するために、周辺車両情報は移動車両と現在車両の横方向距離が第2プリセット値よりも大きい継続時間が第1プリセット時間よりも長いと決定した後、車線数に対応する第2積分規則および周辺車両情報に基づいて車線積分表中の各車線の積分値を更新する操作を実行する。このようにすれば、センサがデータを検出する際の短時間変動に起因する誤判定を回避することができる。
【0060】
S120、リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定する。
【0061】
車両の予備車線測位を完了した後、現在測位車線を継続的に監視する。該ステップではリアルタイムで車両感知道路情報を取得し、リアルタイムで取得された車両感知道路情報と前の時刻で決定された現在測位車線を比較し、比較結果に応じて不一致積分値を決定する。該ステップでは、実際ニーズに応じて比較積分規則を設定する。例えば、異なる現在測位車線に異なる比較積分規則を指定し、比較積分規則に適合すると、不一致積分値を1だけ加算する。
【0062】
いくつかの実施例では、リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定することは、現在測位車線に対応する第3積分規則およびリアルタイムで取得された車両感知道路情報に基づいて不一致積分値を決定することを含む。
【0063】
現在測位車線の種類は異なる第3積分規則に対応し、例えば左車線、右車線、中間車線は異なる第3積分規則に対応する。
【0064】
現在の測位車線が最も左側車線である場合に対応する第3積分規則は以下のとおりであり、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、左側の最も隣接する車線ラインが点線で左側にガードバーがないと認識している場合、不一致積分値を増加させ、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、右側にガードバーがあり、車線総数が1よりも大きいと認識している場合、不一致積分値を増加させる。
【0065】
現在の測位車線が最も右側車線である場合に対応する第3積分規則は以下のとおりであり、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側にガードバーがないと認識している場合、不一致積分値を増加させ、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、左側にガードバーがあり、車線総数が1よりも大きいと認識している場合、不一致積分値を増加させる。
【0066】
現在の測位車線が中間車線である場合に対応する第3積分規則は以下のとおりであり、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、左側の第2車線ラインと現在車両間の距離が第1閾値よりも小さく、左側の第2車線ラインが実線であると認識している場合、不一致積分値を増加させ、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、右側の第2車線ラインと現在車両間の距離が第1閾値よりも小さく、右側の第2車線ラインが実線であると認識している場合、不一致積分値を増加させ、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、左側にガードバーがあり、ガードバーと現在車両間の距離が第2閾値よりも小さいと認識している場合、不一致積分値を増加させ、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、右側にガードバーがあり、ガードバーと現在車両間の距離が第2閾値よりも小さいと認識している場合、不一致積分値を増加させる。
【0067】
現在の測位車線が最も左側車線である場合、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、左側の最も隣接する車線ラインが点線で左側にガードバーがないと認識している場合、リアルタイムで取得された車両感知道路情報に基づいて、現在車両が実際に所在する車線が最も左側車線ではないと予測し、現在車両が実際に所在する車線が現在の測位車線に不適合していることを示すため、現在の測位車線の不一致積分値を増加させる。現在の測位車線が最も左側車線である場合、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、右側にガードバーがあり、車線総数が1よりも大きいと認識している場合、リアルタイムで取得された車両感知道路情報に基づいて現在車両が実際に所在する車線が最も左側車線ではないと予測し、現在車両が実際に所在する車線が現在の測位車線に不適合していることを示すため、現在の測位車線の不一致積分値を増加させる。
【0068】
現在の測位車線が最も右側車線であり、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側にガードバーがないと認識している場合、リアルタイムで取得された車両感知道路情報に基づいて、現在車両が実際に所在する車線が最も右側車線ではないと予測し、現在車両が実際に所在する車線が現在の測位車線に不適合していることを示すため、現在の測位車線の不一致積分値を増加させる。現在の測位車線が最も右側車線であり、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、左側にガードバーがあり、車線総数が1よりも大きいと認識している場合、リアルタイムで取得された車両感知道路情報に基づいて現在車両が実際に所在する車線が最も右側車線ではないと予測し、現在車両が実際に所在する車線が現在の測位車線に不適合していることを示すため、現在の測位車線の不一致積分値を増加させる。
【0069】
現在の測位車線が中間車線であり、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、左側第2車線ラインと現在車両間の距離が第1閾値未満であると認識し、左側第2車線ラインが実線であり、リアルタイムで取得された車両感知道路情報に基づいて現在車両が実際に所在する車線が中間車線ではないと予測し、現在車両が実際に所在する車線は現在の測位車線に不適合していることを示すため、現在の測位車線の不一致積分値を増加させる。現在の測位車線が中間車線であり、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、右側の第2車線ラインと現在車両間の距離が第1閾値よりも小さく、右側の第2車線ラインが実線であると認識している場合、リアルタイムで取得された車両感知道路情報に基づいて現在車両が実際に所在する車線が中間車線ではないと予測し、現在車両が実際に所在する車線は現在の測位車線に不適合していることを示すため、現在の測位車線の不一致積分値を増加させる。現在の測位車線が中間車線であり、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、左側にガードバーがあり、ガードバーと現在車両間の距離が第2閾値よりも小さいと認識している場合、リアルタイムで取得された車両感知道路情報に基づいて現在車両が実際に所在する車線が中間車線ではないと予測し、現在車両が実際に所在する車線は現在の測位車線に不適合していることを示すため、現在の測位車線の不一致積分値を増加させる。現在の測位車線が中間車線であり、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、右側にガードバーがあり、ガードバーと現在車両間の距離が第2閾値よりも小さいと認識している場合、リアルタイムで取得された車両感知道路情報に基づいて現在車両が実際に所在する車線が中間車線ではないと予測し、現在車両が実際に所在する車線は現在の測位車線に不適合していることを示すため、現在の測位車線の不一致積分値を増加させる。
【0070】
以上の加点過程では、同時に満たす条件が多いほど加点が多くなる。
【0071】
いくつかの実施例では、リアルタイムで取得された車両感知道路情報が第3積分規則のいずれに不適合であると判定した後、不一致積分値をゼロクリアする。リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較する前に、不一致積分値をゼロにする。センサ検出データの短時間変動による誤判定を防止するために、リアルタイムで取得された車両感知道路情報が第3積分規則のいずれに不適合であると判定した後、不一致積分値をゼロクリアする。
【0072】
S130、不一致積分値がプリセット積分値以上であると判定した後に、車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて測位車線を決定することに戻る。
【0073】
不一致積分値を決定する過程中、比較積分規則を満たす条件が多いほど、不一致積分値の加点が多くなり、不一致積分値がプリセット積分値以上である場合、現在測位車線と現在感知された車両感知道路情報の不一致が深刻であり、現在測位車線が誤っていることを意味し、測位車線の再決定が必要となる。したがって、本開示の実施例では、不一致積分値がプリセット積分値以上であると判定した後、車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて測位車線を決定する操作S110に戻る。
【0074】
本開示の実施例では、まず、車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて初期車線測位を行い、まず現在測位車線を決定し、次に車線測位を監視し、リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定する。不一致積分値がプリセット積分値以上である場合、このときの測位車線測位が失敗し、測位車線を再決定する必要があり、車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて測位車線を再決定する。本開示の実施例は従来技術と比較すると、RTK高精度を使用して測位する必要なくなり、実現コストが低い。また、本開示の実施例では、車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定した後、リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定し、測位車線が正しいかどうかを継続的に監視し、不一致積分値がプリセット積分値以上であると判定した後、再度車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定する。したがって、カメラで感知された車線ライン種類と地図情報を照合する従来技術と比較して、車線測位の安定性および干渉防止能力を向上させることができる。
【0075】
いくつかの実施例では、図10を参照すると、車両測位方法はS140~S160をさらに含んでもよい。
【0076】
S140、不一致積分値がプリセット積分値よりも小さいと判定した後に、車両がステアリング状態にあるかどうかを判定する。
【0077】
不一致積分値がプリセット積分値よりも小さい場合、現在測位車線は車両感知道路情報に適合していることを意味し、本開示の実施例では、車両がステアリング状態であるかどうかを判定するために、車両ステアリングを継続的に監視する。
【0078】
いくつかの実施例では、車両がステアリング状態にあるかどうかを判定することは、ステアリングホイール角度および/またはヨー角速度信号に基づいて車両がステアリング状態にあるかどうかを判定することを含む。例えば、シャーシシステムから車両のステアリングホイール角度および/またはヨー角速度信号を読み出し、ステアリングホイール角度およびヨー角速度信号の一方が閾値を超えると、車両がステアリング状態であると判定する。
【0079】
S150、車両がステアリング状態にあると判定した後に、車両感知道路情報に基づいて車両が車線変更したかどうかを判定し、車両が車線変更したと判定した後に車線変更標識を生成する。
【0080】
車両がステアリング状態である場合、車両感知道路情報に基づいて車両が車線変更したかどうかを判定し、車線変更を監視し、車両が車線変更したと判定した後に車線変更標識を生成する。車両がステアリング状態である場合、カメラなどの収集装置によって取得された車両感知道路情報に基づいて車両の車線が変更したと判明した場合、後続の測位車線更新を行うために車線変更標識を生成する。車線変更標識は例えば左への車線変更および右への車線変更を含む。
【0081】
いくつかの実施例では、S150において、車両感知道路情報に基づいて車両が車線変更したかどうかを判定し、車両が車線変更したと判定した後に車線変更標識を生成することは、
車両感知道路情報中の少なくとも1つの車線ラインと現在車両間の距離がジャンプチェンジした場合、車線が変更したと判定することを含む。
【0082】
車両感知道路情報中の車線ライン変更方向に基づいて車線変更標識を生成する。
【0083】
図11は、本開示の実施例が提供する車線変更の概略図であり、図11に示すように、3車線を例にすると、車線ラインが左から右へ順次n1、n2、n3、n4と表示される。前の時刻の車両が車線2に位置し、車両の第1左車線ラインがn2であり、第1右車線ラインがn3である。車両が車線2から車線1に徐々に車線を変更する。
【0084】
車線変更前に、車両の第1左車線ラインがn2であり、第2左車線ラインがn1であり、第1右車線ラインがn3であり、第2右車線ラインがn4である。以下、車線ラインと車両間の距離が車線ラインと車両中心軸線間の距離である場合を例にして詳細に説明する。車両が車線1に車線変更する過程中、車両が車線ラインn2に徐々に近接する。例えば、第1左車線ラインn2と車両中心軸線間の距離d1が1.7mから0に徐々に減少する。同時に、第1右車線ラインn3と車両中心軸線間の距離d2が-1.7mから-3.4mまで徐々に減少する。車両中心軸線が車線ラインn2を横切る瞬間、n1が第1左車線ラインに変更し、n2が第1右車線ライン(車線変更前の第1左車線ライン)に変更する。車線変更の瞬間、第1左車線ラインと車両中心軸線間の距離が元のd1=0mからd3=3.4mにジャンプチェンジし、第1右車線ラインと車両中心軸線間の距離が元のd2=-3.4mからd4=0mにジャンプチェンジする。車両感知道路情報中の少なくとも1つの車線ラインと現在車両間の距離がジャンプチェンジすると、車両が車線変更したことを意味する。図11では、第2左車線が第1左車線ラインに変更し、車両が左車線に変更したことを意味するので、左車線に変更するための車線変更標識を生成する。
【0085】
本実施例では、車両感知道路情報中の左右両側車線ラインと現在車両間の距離がジャンプチェンジした場合、車線変更したと判定する。他の実施形態では、信号収集過程中の信号伝達の不同期という問題を防止するために、車両感知道路情報中の少なくとも1つの車線ラインと現在車両間の距離がジャンプチェンジした場合、車線が変更したと判定することができる。
【0086】
S160、地図情報および車線変更標識に基づいて現在測位車線を更新する。
【0087】
車線変更監視を行う際に、リアルタイムで地図情報および車線変更標識に基づいて現在測位車線を更新する。地図情報は例えば車両所在位置の車線総数などの情報を含む。図11を例にすると、前の時刻で決定された現在測位車線が車線2であり、車線変更監視過程中、車両が左車線に変更したことを判明した場合、現在測位車線を車線1に更新する。
【0088】
車両が右車線に変更した場合、現在測位車線を車線2に更新する。車両が車線を変更しなかった場合、現在測位車線を変更しない。
【0089】
図11を例にすると、該過程中、地図情報に基づいて車両現在測位車線の左側にn車線増加したことを判明した場合、現在測位車線にnだけ増加させ、左側にn車線減少した場合、現在測位車線からnだけ減少する。地図情報に基づいて、車線総数が変更しなかったと判明した場合、現在測位車線を変更しない。車両現在測位車線の右側車線数の増減は現在測位車線の結果に影響を与えない。なお、車線番号が左から右に順次増加するという図11の例示的な設定は、本発明の実施例を限定するものではないことに留意されたい。他の実施形態では、図3に示すように、車線番号を右から左へ順次増加するように設定する。図3に示すように車線番号を命名する場合、地図情報に基づいて車両現在測位車線の右側にn車線が増加したことを判明した場合、現在測位車線にnを加算し、右側にn車線減少した場合、現在測位車線からn減算する。地図情報に基づいて、車線総数が変更しなかったと判明した場合、現在測位車線を変更しない。車両現在測位車線の左側車線数の増減は、現在測位車線の結果に影響を与えない。また、本実施例では、車線ラインの番号の命名順序も限定されない。
【0090】
いくつかの実施例では、隣接する2つ車線変更標識の生成時間は、少なくとも第2プリセット時間だけ離間される。
【0091】
車両が正常に車線変更するために一定の時間、例えば5sがかかるため、車線ラインと現在車両間の距離が5s以内で頻繁にジャンプチェンジすることが検出された場合、収集装置がエラーを感知しているか、処理プロセスが誤っている可能性がある。例えば、理想的な状態下で、車両が第1左車線ラインから前の時刻の第2左車線ラインにジャンプチェンジする同時に、第1右車線ラインから第1左車線ラインにジャンプチェンジする。カメラが感知車線ライン情報を収集する際に、一般に、2つのメッセージを通じて第1左車線ラインと第1右車線ライン情報をそれぞれ送信し、2つのメッセージの受信が順番に存在することになり、場合によって、一方のメッセージが受信されたとき他方のメッセージがまだ更新されていないため、左側車線ラインのジャンプチェンジと右側車線ラインのジャンプチェンジ間にわずかな時間間があるかもしれない。このような場合、2回の車線変更が発生したと認識することができる。そこで、本実施例では、誤判定を回避するために、隣接する2回の車線変更標識の生成時間は、少なくとも第2プリセット時間だけ離間される。
【0092】
なお、車両中の収集装置は以下のように車両感知道路情報を収集するが、これらに限定されない。
【0093】
1、前方カメラにより、自車左側の直近および右側の直近の車線ライン情報を識別し、前方ミリ波レーダーにより自車前方左右5m以内のガードバーの10点以上の反射点の位置情報を取得することができる。
【0094】
2、前方カメラにより、自車左側の直近および右側の直近の車線ライン情報を識別し、左右5m以内の道路境界情報を取得することができる。
【0095】
3、前方カメラにより、自車左側の直近および右側の直近の車線ライン情報および左側第2、右側第2車線ライン情報を識別し、左右7m以内の道路境界情報を取得することができる。
【0096】
4、前方カメラにより、自車左側の直近および右側の直近の車線ライン情報および左側第2、右側第2車線ライン情報を識別し、前方ミリ波レーダーにより自車の前方左右7m以内のガードバーの10点以上の反射点位置情報を取得することができる。
【0097】
スキーム1、スキーム2は、3車線道路の任意車線の初期測位、4以上車線道路の両側車線の初期測位、5以内車線の安定した測位追従をサポートすることができる。
【0098】
スキーム3、スキーム4は、5車線道路の任意車線の初期測位、6以上車線道路の両側車線の初期測位、7以内車線数の安定した測位追従をサポートすることができる。
【0099】
本開示の実施例では、走行測位ニーズに適応するために、実際の状況に応じて適切な前方カメラ、前方ミリ波レーダーなどの収集装置を選択することができる。
【0100】
同じ発明概念に基づいて、本開示の実施例は、車両測位装置も提供し、図12は本開示の実施例が提供する車両測位装置の構造ブロック図である。図12を参照すると、
車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定するための初期化モジュール10と、
リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定するための測位監視モジュール20と、
不一致積分値がプリセット積分値以上であるかどうかを判定し、そうである場合、初期化モジュールに、車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定する操作を再度実行させるための判定モジュール30とを備える。
【0101】
図13は、本開示の実施例が提供する電子機器の構造概略図であり、プロセッサ40およびメモリ50を備え、プロセッサ40はメモリ50に記憶されたプログラムまたは命令を呼び出して、上記任意の実施例に記載の車両測位方法のステップを実行する。さらに、電子機器は少なくとも1つの通信インタフェース60をさらに備える。電子機器中の各構成要素は、バスシステム70を介して互いに結合される。通信インタフェース60は、外部装置と情報を転送するために使用される。バスシステム70は、これらの構成要素間の接続通信を可能にするために使用されることを理解されたい。バスシステム70は、データバスに加えて、電源バス、制御バス、および状態信号バスを含む。
【0102】
本開示の実施例が提供する車両測位方法はプロセッサ40に適用されてもよく、またはプロセッサ40によって実施されてもよい。プロセッサ40は、信号処理能力を有する集積回路チップであってもよい。実施過程中、上記方法の各ステップは、プロセッサ40がメモリ50に記憶されたプログラムまたは命令におけるハードウェアの集積論理回路またはソフトウェアの形態の命令を呼び出すことによって達成されてもよい。上記のプロセッサ40は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital SignalProcessor、DSP)、特定用途集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理デバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントであってもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、該プロセッサはまた、任意の従来のプロセッサなどであってもよい。
【0103】
本開示の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータ可読記憶媒体はプログラムまたは命令を記憶し、前記プログラムまたは命令は、コンピュータに車両測位方法の各実施例のステップを実行させるために使用され、重複を避けるために繰り返しの説明を省略する。
【0104】
本出願は車両測位方法を開示し、
A1:車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定すること、
リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定すること、
前記不一致積分値がプリセット積分値以上であると判定した後に、前記の車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて測位車線を決定することに戻って実行すること、を含む。
【0105】
A2:A1に記載の車両測位方法によれば、
不一致積分値がプリセット積分値よりも小さいと判定した後に、車両がステアリング状態にあるかどうかを判定すること、
車両がステアリング状態にあると判定した後に、車両感知道路情報に基づいて車両が車線変更したかどうかを判定し、車両が車線変更したと判定した後に車線変更標識を生成すること、
前記地図情報および前記車線変更標識に基づいて現在測位車線を更新すること、をさらに含む。
【0106】
A3:A1に記載の車両測位方法によれば、前記車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定することは、
車両現在位置情報および地図情報に基づいて車線積分表を生成すること、
車両感知道路情報に基づいて前記車線積分表中の各車線の積分値を決定すること、
前記車線積分表中の積分値が第1プリセット値より大きい車線を測位車線として決定すること、を含む。
【0107】
A4:A3に記載の車両測位方法によれば、前記車両感知道路情報は感知車線ライン情報および感知ガードバー情報を含み、前記車両感知道路情報に基づいて前記車線積分表中の各車線の積分値を決定することは、
車両現在位置情報に対応する地図情報中の車線数を決定し、車線数に対応する第1積分規則、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報に基づいて、前記車線積分表中の各車線の積分値を決定することを含む。
【0108】
A5:A4に記載の車両測位方法によれば、車線数1に対応する第1積分規則は以下のとおりであり、前記車両感知道路情報は片側車線ラインが実線で、左側にガードバーがあると認識している場合、所在する1車線を加点し、
車線数2に対応する第1積分規則は以下のとおりであり、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、左側の最も隣接する車線ラインが実線で右側の最も隣接する車線ラインが点線であると認識している場合、左側車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、左側にガードバーがあり、右側の最も隣接する車線ラインが点線であると認識している場合、左側車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、右側の最も隣接する車線ラインが実線で左側の最も隣接する車線ラインが点線であると認識している場合、右側車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、右側にガードバーがあり、左側の最も隣接する車線ラインが点線であると認識している場合、右側車線を加点し、
車線数3に対応する第1積分規則は以下のとおりであり、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、左右両側の最も隣接する車線ラインが点線でガードバーがないと認識している場合、中間車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、左側の最も隣接する車線ラインが実線で、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側ガードバーがないと認識している場合、左側車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、左側にガードバーがあり、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側ガードバーがないと認識している場合、左側車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、右側の最も隣接する車線ラインが実線で、左側の最も隣接する車線ラインが点線で左側にガードバーがないと認識している場合、右側車線を加点する。
【0109】
A6:A4に記載の車両測位方法によれば、車線数4以上に対応する第1積分規則は以下のとおりであり、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、左側の最も隣接する車線ラインが実線で、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側ガードバーがないと認識している場合、最も左側車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、左側にガードバーがあり、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側ガードバーがないと認識している場合、最も左側車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、右側の最も隣接する車線ラインが実線で、左側の最も隣接する車線ラインが点線で左側にガードバーがないと認識している場合、最も右側車線を加点し、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報を、左右両側の最も隣接する車線ラインが点線でガードバーがないと認識している場合、前記感知車線ライン情報および前記感知ガードバー情報と中間各車線の車線ラインを比較し、比較的一致する中間車線を加点する。
【0110】
A7:A4に記載の車両測位方法によれば、前記車両感知道路情報は周辺車両情報をさらに含み、前記車両現在位置情報に対応する地図情報中の車線数を決定し、車線数に対応する第1積分規則、感知車線ライン情報および感知ガードバー情報に基づいて、前記車線積分表中の各車線の積分値を決定した後、
車線数に対応する第2積分規則および前記周辺車両情報に基づいて前記車線積分表中の各車線の積分値を更新することをさらに含む。
【0111】
A8:A7に記載の車両測位方法によれば、車線数2に対応する第2積分規則は以下のとおりであり、前記周辺車両情報を、左側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、右側車線を加点し、前記周辺車両情報を、右側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、左側車線を加点し、
車線数3以上に対応する第2積分規則は以下のとおりであり、前記周辺車両情報を、左側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、最も左側車線を減点し、前記周辺車両情報を、右側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、最も右側車線を減点し、車線数が3である場合、前記周辺車両情報を、左右両側に移動車両があり、現在車両からの横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと認識している場合、中間車線を加点する。
【0112】
A9:A7に記載の車両測位方法によれば、前記周辺車両情報に基づいて移動車両と現在車両の横方向距離が第2プリセット値よりも大きいと決定した継続時間が第1プリセット時間よりも大きいと判定した後に、車線数に対応する第2積分規則および前記周辺車両情報に基づいて前記車線積分表中の各車線の積分値を更新する操作を実行する。
【0113】
A10:A3に記載の車両測位方法によれば、前記車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定する過程中、
現在車線数が変更したと判定した後に、前記車線積分表をゼロクリアすることをさらに含む。
【0114】
A11:A1に記載の車両測位方法によれば、前記リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定することは、
現在測位車線に対応する第3積分規則およびリアルタイムで取得された車両感知道路情報に基づいて不一致積分値を決定することを含む。
【0115】
A12:A11に記載の車両測位方法によれば、
現在の測位車線が最も左側車線である場合に対応する第3積分規則は以下のとおりであり、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、左側の最も隣接する車線ラインが点線で左側にガードバーがないと認識している場合、不一致積分値を増加させ、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、右側にガードバーがあり、車線総数が1よりも大きいと認識している場合、不一致積分値を増加させ、
現在の測位車線が最も右側車線である場合に対応する第3積分規則は以下のとおりであり、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、右側の最も隣接する車線ラインが点線で右側にガードバーがないと認識している場合、不一致積分値を増加させ、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、左側にガードバーがあり、車線総数が1よりも大きいと認識している場合、不一致積分値を増加させ、
現在の測位車線が中間車線である場合に対応する第3積分規則は以下のとおりであり、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、左側の第2車線ラインと現在車両間の距離が第1閾値よりも小さく、左側の第2車線ラインが実線であると認識している場合、不一致積分値を増加させ、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、右側の第2車線ラインと現在車両間の距離が第1閾値よりも小さく、右側の第2車線ラインが実線であると認識している場合、不一致積分値を増加させ、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、左側にガードバーがあり、ガードバーと現在車両間の距離が第2閾値よりも小さいと認識している場合、不一致積分値を増加させ、リアルタイムで取得された車両感知道路情報を、右側にガードバーがあり、ガードバーと現在車両間の距離が第2閾値よりも小さいと認識している場合、不一致積分値を増加させる。
【0116】
A13:A12に記載の車両測位方法によれば、リアルタイムで取得された車両感知道路情報が前記第3積分規則のいずれにも適合しないと判定した後に、不一致積分値をゼロクリアする。
【0117】
A14:A2に記載の車両測位方法によれば、前記車両がステアリング状態にあるかどうかを判定することは、
ステアリングホイール角度および/またはヨー角速度信号に基づいて車両がステアリング状態にあるかどうかを判定することを含む。
【0118】
A15:A2に記載の車両測位方法によれば、車両感知道路情報に基づいて車両が車線変更したかどうかを判定し、車両が車線変更したと判定した後に車線変更標識を生成することは、
前記車両感知道路情報における少なくとも1つの車線ラインと現在車両間の距離がジャンプチェンジした場合、車線が変更したと判定すること、
前記車両感知道路情報中の車線ライン変更方向に基づいて車線変更フラッグを生成することを含む。
【0119】
A16:A2に記載の車両測位方法によれば、隣接する2つ車線変更標識の生成時間は、少なくとも第2プリセット時間だけ離間される。
【0120】
B1:車両測位装置は、
車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定するために使用される初期化モジュールと、
リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定するために使用される測位監視モジュールと、
前記不一致積分値がプリセット積分値以上であるかどうかを判定し、そうである場合、前記初期化モジュールに、車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定する操作を再度実行させるように指示する判定モジュールと、を備える。
【0121】
C1:電子機器は、プロセッサおよびメモリを備え、
前記プロセッサは前記メモリに記憶されたプログラムまたは命令を呼び出して、A1~A16のいずれか1項に記載の方法のステップを実行する。
【0122】
D1:コンピュータ可読記憶媒体は、プログラムまたは命令を記憶し、前記プログラムまたは命令は、コンピュータにA1~A16のいずれか1項に記載の方法のステップを実行させるために使用される。
【0123】
なお、前述の各方法実施例について、説明を簡単にするために、それらはすべて一連の動作の組み合わせとして表現されているが、当業者であれば、本開示の実施例は説明された動作順序によって制限されなく、本開示の実施例に従って、いくつかのステップは他の順序で実行されてもよいし、同時に実行されてもよい。加えて、当業者であれば、本明細書に記載された実施例はすべて任意の実施例であることを理解することができる。
【0124】
なお、本明細書では、用語「含む」、「含有」またはそれらの他の変形は、要素の集合からなるプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素だけでなく、明示的に列挙されていない他の要素も含むように、非排他的な包含をカバーすることが意図されていることに留意されたい。さらに限定することなく、ある要素が「......を含む」という表現で定義されるという事実は、その要素を含むプロセス、方法、物品、または装置における別の同一の要素の存在を排除するものではない。
【0125】
当業者であれば、本明細書に記載された実施例のいくつかは、他の実施例に含まれるいくつかの特徴を含むが、他の特徴は含まないが、異なる実施例の特徴の組み合わせは、それらが本開示の範囲内にあり、異なる実施例を形成することを意味することを理解されたい。
【0126】
当業者であれば、様々な実施例の説明にはそれぞれ重点があり、ある実施例では詳細に説明されていない部分が、他の実施例の関連する説明の中に見出される可能性があることを理解されたい。
【0127】
本開示の実施例は、添付の図面と併せて説明されるが、当業者は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変形を行うことができ、そのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲によって限定される範囲内に入る。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本開示は、車両現在位置情報、車両感知道路情報および地図情報に基づいて現在測位車線を決定した後、リアルタイムで取得された車両感知道路情報と現在測位車線を比較して不一致積分値を決定する方法によって、測位車線が正しいかどうかを継続的に監視し、車線測位の安定性および干渉防止能力を向上させることができ、産業上の利用可能性が高い。
図1
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図9
図10
図11
図12
図13