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  • 特許-タイヤ脱落防止構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】タイヤ脱落防止構造
(51)【国際特許分類】
   B60B 3/16 20060101AFI20241029BHJP
   B60B 11/06 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
B60B3/16 B
B60B3/16 A
B60B11/06
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024021628
(22)【出願日】2024-02-16
【審査請求日】2024-02-16
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】300091784
【氏名又は名称】薄井 介
(72)【発明者】
【氏名】薄井 介
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-131035(JP,A)
【文献】実開平01-081301(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2003/0062761(US,A1)
【文献】特開平09-220903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 3/00 - 3/18
B60B 11/06
B60B 27/00 - 27/06
F16C 49/00 - 71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車軸部のハブ部に設けてあるドラムブレーキの外周部に締め付け用ネジ溝を設け、前記ドラムブレーキに設けたネジ溝に嵌合させる連結用キャップリングを内側タイヤホイールのブレーキ側に設けると共に、前記連結用キャップリングの内側部にブレーキ部締め付け用ネジ溝を設けたことを特徴とするタイヤ脱落防止構造。
【請求項2】
車軸部のハブに設けたディスクブレーキの内側突出部外周に、締め付け用ネジ溝を設け、前記ディスクブレーキに設けたネジ溝に嵌合させる連結用キャップリングを内側タイヤホイールのブレーキ側に設けると共に、前記連結用キャップリングの内側部にブレーキ部締め付け用ネジ溝を設けたことを特徴とするタイヤ脱落防止構造。
【請求項3】
内側タイヤホイールのホイール合わせ面に、ドラムブレーキと同径の外側ホイール受けネジ溝をリング状に設け、外側タイヤホールのホイール合わせ面に、外側ホイールキャップリングを設けると共に、前記外側ホイールキャップリングの内側部に、外側ホイール締め付け用ネジ溝を設けたことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ脱落防止構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車軸ハブに連結されたドラムブレーキ部の外周、また、ディスクブレーキ内側突出部外周にネジ用溝を設け、その溝に合わせて装着する側のタイヤホイール内側にキャップリング状を形成し、その内側に締め付け用ネジ溝を設けて装着をする、タイヤ脱落防止構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常タイヤの装着は、ハブに取り付けられているブレーキ部のボルト合わせ面にタイヤホイールを合わせ、次に突出しているボルト部にナットを締め付けて装着されている。また、運行に当たり日常安全点検も実施しているが、長年にわたりタイヤ脱落による事故が発生しているという問題が生じている。この改善策としては、会社、運転手による点検を行っているが、抜本的脱落防止には至ってないのが現状である。
【0003】
例えば、特開2010-167919号には、自動車等の車両における車輪の締結部分において、車軸の回転で締まり込む方向に螺刻した外筒を、ハブのインローに螺合し、車軸の回転で締まり込んだ時のその外筒の推力で、その外筒をデイスクに当接させる技術が開示されているが、本発明とは技術的に相違する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-167919号(段落0022,図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする課題は、自動車が走行中にタイヤを脱落しなくて済むための、ハブに取り付けされているドラムブレーキ部の突出部または、ディスクブレーキ内側突出部外周にネジ用溝を設け、その溝に合わせて形成したキャプリング付きタイヤホイールを締め付け装着する。また、ボルトナットを締め付けた後に、その全てのボルトナットの位置、形状に合わせたトレンチ型ソケット一体型固定カバーを形成し、タイヤホイールに取り付け、ボルトナットのゆるみと飛び出しを防止し、タイヤの脱落を防止する二重の連結装着方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、自動車の車軸ハブに取り付けられている、ディスクブレーキ内側の突出部、または、ドラムブレーキの外周にネジ溝を設け、その溝に勘合させる連結用キッャプリングを内側タイヤホイールの内側面に形成し、また、その連結用キャプリングの内側にドラムブレーキの外周ネジ溝に勘合する締め付け用のネジ溝を設けて、ブレーキ部にネジを締めるように締め付けて固定装着をすることを特徴とする。また、ホイールを従来通りボルトナットにより締め付けた後に、そのすべてのボルトのナットの位置、形状に合わせたトレンチ型ソケット部を有するボルトナット一体型固定カバーをホイールを取り付ければ、それぞれのボルトナットの緩みと飛び出しを防止することができることを特徴とするタイヤ脱落防止の装着方法である。
【0007】
タイヤ脱落防止の装着方法は、通常普通自動車の場合には、ブレーキディスクブレーキ内側突出部外周にねじ溝を設けてそれに合わせたホイール内側にキャップリングを形成し締め付け装着をする。また、大型車両の場合にはダブルタイヤが装着されている。この場合には、内側のタイヤの装着はハブに取り付けられているドラムブレーキの外周にネジ溝を設け、その形状に合わせて取り付ける内側タイヤホイール内側に、締め付け用キャップリングを設けて締め付け装着する。次に外側のタイヤを取り付けるが、この場合には内側に取り付けたホイール外側にブレーキ外周に設けた同径の締め付けるためのネジ溝を有する内キャップリングを形成し、前記内リングの形状に合わせて外側タイヤホイールの外側面に、締め付けるためのネジ溝を内側に設けてキャップ型の外キャップリングを形成し、内キャップリングと外キャップリングを溝に合わせて回転させて締め付ける装着方法である。
【0008】
ホイールを装着した後に、ハブ、ブレーキ、タイヤホイールをボルトで連結するが、ハブの中に設けたボルトを受けるネジ溝開口部にボルトナットを締め付け連結する。最後に全ナット部に合わせたトレンチ型ソケット一体的固定カバーを形成し、外側ホイール箇所に取り付け内側のタイヤホイールと共に連結すれば、ボルトナットのゆるみ、飛び出しを防止することができる。従来のボルトナット連結の一工程によるタイヤホイールの装着ではなく、ブレーキドラム、ディスクブレーキ外周部と内側タイヤホイールの締め付け連結、また、内側タイヤホイールと外側タイヤホイールの締め付け連結、さらに、単独でゆるみを生じる全ナットを一体的トレンチ型ソケットカバーで固定し、完全にナットのゆるみと飛び出しを防止できる、画期的なタイヤの脱落防止効果が期待できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のタイヤ脱落防止の装着方法は、車軸部ハブに取り付けられたブレーキ部の外周に締め付け用の溝を形成し、その溝形状に合わせて連結するタイヤホイール内側のボルト穴、外周任意の箇所にキャップリング状を形成し、その内側に締め付け用溝が設けられ連結し、次にボルトにより締め付け連結し、最後にすべてのナットにトレンチ型ソケット一体的固定カバーを取り付け完全にボルトナットのゆるみを防止しできるため、従来のようなタイヤの脱落による悲惨な事故を防止することに貢献ができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のダブルタイヤの装着図
図2】本発明のシングルタイヤの装着図
図3】本発明のボルトナット一体型固定カバーの正面図
図4】本発明のボルトナット一体型固定カバーの側面断面図
図5】ボルトナット固定一体型カバー取り付け図
【発明を実施するための形態】
【実施例
【0011】
本発明のタイヤ脱落防止の装着方法について、図面を引用して説明する。
【0012】
図1図5を参照して詳細に説明する。タイヤホイールの装着方法1は、車軸13に形成されているハブ部2に取り付けたドラムブレーキ3の外周に締め付け用ネジ溝4を設け、次に、内側ホイール5のドラムブレーキ3の外周に設けた締め付け用ネジ溝4に勘合させる連結用キッャプリング6を形成し、その内側にはブレーキ部締め付け用溝部7を設けて装着する。次に外側タイヤホイール11を連結するが、内側ホイール5のホイール合わせ面12にドラムブレーキ3の外周に形成した締め付け用ネジ溝4の形状と同じく外側ホイール受け部ネジ溝8を設け、その形状に合う外側タイヤホイール11に連結するための外側ホイールキャップリング10を形成し、その内側に外側ホイール締め付け用ネジ溝9を設けて締め付け装着する。次にボルト受け開口部15に合うように取り付けられたボルト穴14にボルトナット22を締め付ける。
【0013】
図5に示すように、外側ホイール正面部20と外側ホイール側面部21のボルトナット22には、ボルトナット一体型固定カバー23を設け、また、ボルトナット22の締め付け部ナットには、全てに合わせたトレンチ型ソケット部24が形成され、最後に外側ホイール正面部20にカバー止めボルト25でボルトナット一体型固定カバー23と内側ホイール5と外側ホイール11とを共に連結することで、ボルトのゆるみ飛び出しを完全に防止できる。
【0014】
また、図2に示すように、タイヤホイールの装着方法1は、ドラム式ブレーキ、ダブルタイヤの装着方法について説明したが、図2は、ディスクブレーキ16のシングルタイヤの装着について説明をする。ディスクブレーキ16は車軸部13に形成されているハブ部2のハブ外周部18内に取り付けられ、また、ディスクブレーキ16のディスクローター19の内側突出部17の外周には、締め付け用ネジ溝4が設けられ、その形状に合わせて形成された内側ホイール5には連結用キャップリング6が形成されその内側にはブレーキ部締め付け用溝7が設けられ連結される。次にボルト受け開口部15とボルト穴14にボルトナット22を締め付ける。最後にダブルタイヤに取り付けたものと同じくボルトナット一体的固定カバー23を取り付けて装着を完了する。
【0015】
また、ドラムブレーキ3の外周には締め付け用ネジ溝4が形成され、内側ホイール5に形成された締め付け用キャップリング6により連結され、次に外側タイヤホイール11と同じくネジ状に受け側、締め付け側によって連結されている。次にボルトナット22を締め付け連結している。最後にボルトナット22を全てボルトナット一体型固定カバー23で固定している。以上のように本発明は、二重三重の装着がされているため、タイヤの脱落による悲惨な事故を防止することに貢献ができる。ディスクローター19の内側突出部17の外周には締め付け用ネジ溝4が設けられていて、内側ホイール5に設けたキャプリング6で締め付け装着される。最後にホルトナット22の締め付け部全てをボルトナット一体的固定カバー23で内側ホイール5にカバー止めボルト25で締め付け装着をする。
【0016】
図3はボルトナット一体的固定カバー23の正面図であり、図4はボルトナット一体的固定カバー23の側面断面図である。全てのボルトナット22を覆うことで、ボルトナット22が緩むことを防止するものである。ボルトナット一体的固定カバー23に設けた、トレンチ型ソケット部24により、ボルトナット22の回転方向の角度がそれぞれ違っていても、トレンチ構造により、各々の角度に合わせることが可能となり、装着性が向上すると共に、緩み防止が可能となる。
【0017】
また、ドラムブレーキ3の外周とディスクローター内側突出部17の外周に任意の幅で締め付け用ネジ溝を設けるが、締め付ける方向は、車の前進方向に沿って左側右側各々のホイールが締まる方向に設けるのが望ましい。
【0018】
また、図5に示すように、ボルトナット22は一本として設けて締め付けをしているが、中間にインナーナットを使用して締め付けることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明のタイヤ脱落防止の構造は、工業生産が可能である。
【符号の説明】
【0020】
1 タイヤホイールの装着方法
2 ハブ部
3 ドラムブレーキ
4 締め付け用ネジ溝
5 内側ホイール
6 連結用キャップリング
7 ブレーキ部締め付け用溝部
8 外側ホイール受けネジ溝
9 外側ホイール締め付け用ネジ溝
10 外側ホイールキャップリング
11 外側タイヤホイール
12 ホイール合わせ面
13 車軸部
14 ボルト穴
15 ボルト受け開口部
16 ディスクブレーキ
17 内側突出部
18 ハブ外周部
19 ディスクローター
20 外側ホイール正面部
21 外側ホイール側面部
22 ボルトナット
23 ボルトナット一体型固定カバー
24 トレンチ型ソケット部
25 カバー止めボルト
26 カバー止めボルト用孔
【要約】
【課題】
従来自動車のタイヤ装着は、車軸ハブに取り付けたブレーキ部の合わせ面に突出しているボルトにタイヤホイールを合わせ、ナットを締め付けて装着していた。そのためボルトがゆるみ走行中にタイヤの脱落事故が起きるという課題があった。
【解決手段】
本発明は、自動車車軸部に設けたハブ部に取り付けたブレーキ部外周に、締め付け用ネジ溝を設け、その溝に合う連結部を、内側のタイヤホイールと外側のタイヤホイールのそれぞれの合わせ面に締め付け用キャプリングまたは、受け用ネジ溝を設けて、締め付け連結後に、ボルトナットを使用し共締めする。最後にボルトナットの締め付け部全てに合わせたトレンチ型ソケット部を有するボルトナット一体型固定カバーを装着して、内側タイヤホイールと外側タイヤホイールをカバー止めボルトで共締めをするため、二重三重の連結装着効果によりタイヤの脱落防止ができる構造となっている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5