(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】電池パックおよびこれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 50/211 20210101AFI20241029BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20241029BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20241029BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20241029BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20241029BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20241029BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20241029BHJP
H01M 10/6567 20140101ALI20241029BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20241029BHJP
H01M 50/502 20210101ALI20241029BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20241029BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20241029BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20241029BHJP
【FI】
H01M50/211
H01M50/204 401D
H01M50/569
H01M50/505
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/6556
H01M10/6567
H01M50/298
H01M50/502
H01M50/284
H01M50/296
H01M50/271 S
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024024595
(22)【出願日】2024-02-21
(62)【分割の表示】P 2022541862の分割
【原出願日】2021-04-08
【審査請求日】2024-02-26
(31)【優先権主張番号】10-2020-0052250
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ビュン・ド・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ドンヒョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヨンホ・チュン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンスク・イ
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/150012(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/033412(WO,A1)
【文献】特開2014-22092(JP,A)
【文献】特開2019-169281(JP,A)
【文献】特開2019-129042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/211
H01M 50/204
H01M 50/569
H01M 50/505
H01M 10/613
H01M 10/647
H01M 10/6556
H01M 10/6567
H01M 50/298
H01M 50/502
H01M 50/284
H01M 50/296
H01M 50/271
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層された電池セル積層体、前記電池セルと連結された端子バスバーおよび前記電池セルの温度と電圧を測定するセンシングアセンブリーを含む複数の電池モジュール、
前記電池モジュールを収納するパックフレーム、
前記電池モジュールの前記端子バスバーと連結されたHVライン、
前記電池モジュールの前記センシングアセンブリーと連結されたLVライン、および
前記電池モジュールに冷媒を供給するパック冷媒管を含み、
前記複数の電池モジュールは、前記電池セルが積層される方向に互いに対向する第1電池モジュールと第2電池モジュールを含み、
前記LVラインは前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールの間に位置しており、
前記HVラインと前記LVラインは前記パック冷媒管より上部に位置する、電池パック。
【請求項2】
前記HVラインのうちの少なくとも一つと連結されて、前記複数の電池モジュールの電気的連結を制御するBDU(Battery Disconnect Unit)モジュールをさらに含む、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記HVラインは前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールの間に位置する、請求項1または2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記LVラインのうちの少なくとも一つと連結されて、前記複数の電池モジュールの作動をモニタリングおよび制御するBMS(Battery Management System)モジュールをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項5】
前記電池モジュールは前記センシングアセンブリーと前記LVラインを連結するモジュールコネクタをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記電池モジュールは、モジュールフレームの開放された互いに対応する両側に位置したエンドプレートをさらに含み、
前記エンドプレートに開口が形成されて、前記端子バスバーと前記モジュールコネクタが露出され、
前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールはそれぞれ2個ずつ構成されて、2個の前記第1電池モジュールは前記エンドプレート同士が対向するように配置され、2個の前記第2電池モジュールは前記エンドプレート同士が対向するように配置される、請求項5に記載の電池パック。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項による電池パックを含むデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引用
本出願は2020年4月29日付韓国特許出願第10-2020-0052250号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は電池パックおよびこれを含むデバイスに関するものであって、より具体的には、安全性が向上した電池パックおよびこれを含むデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0003】
現代社会では携帯電話機、ノートパソコン、キャムコーダー、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常化するにつれて、前記のようなモバイル機器関連分野の技術に対する開発が活発になっている。また、充放電の可能な二次電池は化石燃料を使用する既存のガソリン車両などの大気汚染などを解決するための方案であって、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などの動力源として用いられているところ、二次電池に対する開発の必要性が高まっている。
【0004】
現在商用化された二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうちのリチウム二次電池はニッケル系列の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらなくて充放電が自由であり、自己放電率が非常に低くエネルギー密度が高いという長所で脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを挟んで配置された電極組立体、および電極組立体を電解液と共に密封収納する電池ケースを備える。
【0006】
一般に、リチウム二次電池は外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に内装されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内装されているパウチ型二次電池に分類できる。
【0007】
小型機器に用いられる二次電池の場合、2-3個の電池セルが配置されるが、自動車などのような中大型デバイスに用いられる二次電池の場合は、多数の電池セルを電気的に連結した電池モジュール(Battery module)が用いられる。このような電池モジュールは多数の電池セルが互いに直列または並列に連結されて電池セル積層体を形成することによって容量および出力が向上される。また、一つ以上の電池モジュールは、BDU(Battery Disconnect Unit)、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0008】
二次電池は、適正温度より高まる場合、二次電池の性能が低下することがあり、ひどい場合、爆発や発火の危険もある。特に、多数の二次電池、即ち、電池セルを備えた電池モジュールや電池パックは、狭い空間で多数の電池セルから出る熱が合算されて温度がさらに速くてひどく上昇することがある。言い換えれば、多数の電池セルが積層された電池モジュールとこのような電池モジュールが装着された電池パックの場合、高い出力を得ることができるが、充電および放電時、電池セルから発生する熱を除去することが容易でない。電池セルの放熱が正しく行われない場合、電池セルの劣化が速くなりながら寿命が短くなり、爆発や発火の可能性が大きくなる。
【0009】
さらに、車両用バッテリーパックに含まれるバッテリーモジュールの場合、直射光線に頻繁に露出され、夏や砂漠地域のような高温条件に置かれることがある。したがって、電池モジュールや電池パックを構成する場合、安定的でありながらも効果的な冷却性能を確保することは非常に重要であると言える。
【0010】
【0011】
図1を参照すれば、従来の電池パック10は、複数の電池セルを含む複数の電池モジュール1、電池モジュール1に冷媒を供給するための冷媒管2、電池モジュール1とBDU(Battery Disconnect Unit)を連結するためのHV(High Voltage)ライン3、および電池モジュール1とBMS(Battery Management System)と連結するためのLV(Low Voltage)ライン4を含むことができる。電池モジュール1内部の電池セルが電気エネルギーを作り出しながら熱を発散し、冷媒管2が電池モジュール1の周辺に冷媒を供給することによって、冷却が行われる。
【0012】
この時、従来の電池パック10は電池モジュール1が2層から構成され、上部に位置した電池モジュール1に冷媒を供給する冷媒管2から冷媒の漏洩が発生することがある。冷媒管2より下に位置したHVライン3やLVライン4に漏洩した冷媒が触れた場合、短絡が発生することがある。
【0013】
また、従来の電池パック10においてLVライン4はパックハウジング(図示せず)と近い縁に位置するため外部衝撃や振動が起こる場合、短絡が発生する可能性が高い。
【0014】
冷媒の漏洩や外部衝撃などによる前記短絡の場合、爆発や発火につながる可能性があるため、冷却性能を有しながら安全性が向上した電池パックに対する開発が重要であると言える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の解決しようとする課題は、向上した安全性を有する電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することである。
【0016】
但し、本発明の実施形態が解決しようとする課題は上述の課題に限定されず、本発明に含まれている技術的思想の範囲で多様に拡張できる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一実施形態による電池パックは、複数の電池セルが積層された電池セル積層体を含む複数の電池モジュール、前記電池モジュールを収納するパックフレーム、前記電池モジュールの端子バスバーと連結されたHVライン、前記電池モジュールのセンシングアセンブリーと連結されたLVライン、および前記電池モジュールに冷媒を供給するパック冷媒管を含む。前記端子バスバーは前記電池セルと連結され、前記センシングアセンブリーは電池セルの温度と電圧を測定し、前記HVラインと前記LVラインは前記パック冷媒管より上部に位置する。
【0018】
前記電池パックは、前記パック冷媒管を収納するパック冷媒管ハウジングをさらに含むことができる。
【0019】
前記パック冷媒管ハウジングの開放された上側を覆うハウジングカバーをさらに含むことができ、前記HVラインと前記LVラインは前記ハウジングカバーより上部に配置できる。
【0020】
前記複数の電池モジュールは、前記電池セルが積層される方向に互いに対向する第1電池モジュールと第2電池モジュールを含むことができる。
【0021】
前記電池パックは、前記HVラインのうちの少なくとも一つと連結されて、前記複数の電池モジュールの電気的連結を制御するBDU(Battery Disconnect Unit)モジュールをさらに含むことができる。
【0022】
前記BDUモジュールと連結された前記HVラインは、前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールの間に配置できる。
【0023】
前記電池パックは、前記LVラインのうちの少なくとも一つと連結されて、前記複数の電池モジュールの作動をモニタリングおよび制御するBMS(Battery Management System)モジュールをさらに含むことができる。
【0024】
前記BMSモジュールと連結された前記LVラインは、前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールの間に配置できる。
【0025】
前記電池モジュールは、前記センシングアセンブリーと前記LVラインを連結するモジュールコネクタをさらに含むことができる。
【0026】
前記電池モジュールは、前記モジュールフレームの開放された互いに対応する両側に位置したエンドプレートをさらに含み、前記エンドプレートに開口が形成されて、前記端子バスバーと前記モジュールコネクタが露出され、前記第1電池モジュールと第2電池モジュールはそれぞれ2個ずつ構成されて、2個の第1電池モジュールは前記エンドプレート同士が対向するように配置され、2個の第2電池モジュールは前記エンドプレート同士が対向するように配置できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施形態によれば、HVラインおよびLVラインの配置を単純化し、安定的な位置に配置することによって、電池パックの安全性を向上させることができる。
【0028】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図2】本発明の一実施形態による電池パックに対する斜視図である。
【
図3】
図2の電池パックに含まれている電池モジュールに対する斜視図である。
【
図4】
図3の電池モジュールに対する分解斜視図である。
【
図5】
図4の“A”部分を拡大して示した部分斜視図である。
【
図6】
図2の電池パックをxy平面上から見た平面図である。
【
図7】
図6の切断線Bに沿って切断した断面の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。本発明は様々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0031】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な参照符号を付けるようにする。
【0032】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示されたところに限定されるのではない。図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部層および領域の厚さを誇張されるように示した。
【0033】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分“の上に”または“上に”あるという時、これは他の部分“の直上に”ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分“の直上に”あるという時には中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分“の上に”または“上に”あるということは基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって“の上に”または“上に”位置することを意味するのではない。
【0034】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を“含む”という時、これは特に反対になる記載がない限り他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
【0035】
また、明細書全体で、“平面上”という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、“断面上”という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0036】
図2は、本発明の一実施形態による電池パックに対する斜視図である。
図3は、
図2の電池パックに含まれている電池モジュールに対する斜視図である。
図4は、
図3の電池モジュールに対する分解斜視図である。
【0037】
図2~
図4を参照すれば、本発明の一実施形態による電池パック1000は、複数の電池モジュール100、電池モジュール100を収納するパックフレーム1100、電池モジュール100と連結されたHVライン800、電池モジュール100と連結されたLVライン900、および電池モジュール100に冷媒を供給するパック冷媒管600を含む。電池モジュール100は、複数の電池セル110が積層された電池セル積層体120、電池セル110と連結された端子バスバーおよび電池セル110の温度と電圧を測定するセンシングアセンブリーを含む。
【0038】
まず、電池セル110はパウチ型電池セルであり得る。このようなパウチ型電池セルは、樹脂層と金属層を含むラミネートシートのパウチケースに電極組立体を収納した後、前記パウチケースの外周部を熱融着して形成できる。この時、電池セル110は長方形のシート型構造に形成できる。
【0039】
このような電池セル110は複数個で構成でき、複数の電池セル110は相互電気的に連結されるように積層されて電池セル積層体120を形成する。特に、
図5に示されているように、x軸方向に沿って複数の電池セル110が積層できる。
【0040】
電池セル積層体120を収納するモジュールフレーム200は、上部カバー220およびU字型フレーム210を含むことができる。
【0041】
U字型フレーム210は、底部210aおよび底部210aの両端部から上向延長された2個の側面部210bを含むことができる。底部210aは電池セル積層体120の下面(z軸反対方向)をカバーすることができ、側面部210bは電池セル積層体120の両側面(x軸方向とその反対方向)をカバーすることができる。
【0042】
上部カバー220は、U字型フレーム210によって囲まれる前記下面および前記両側面を除いた残り上面(z軸方向)を囲む一つの板状型構造に形成できる。上部カバー220とU字型フレーム210は互いに対応する角部位が接触した状態で、溶接などによって結合されることによって、電池セル積層体120を上下左右にカバーする構造を形成することができる。上部カバー220とU字型フレーム210を通じて電池セル積層体120を物理的に保護することができる。このために上部カバー220とU字型フレーム210は所定の強度を有する金属材質を含むことができる。
【0043】
一方、具体的に図示していないが、変形例によるモジュールフレーム200は上面、下面および両側面が一体化された金属板材形態のモノフレームであり得る。即ち、U字型フレーム210と上部カバー220が相互結合される構造でなく、押出成形で製造されて上面、下面および両側面が一体化された構造であり得る。
【0044】
エンドプレート400は、モジュールフレーム200の開放された互いに対応する両側(y軸方向とその反対方向)に位置して電池セル積層体120をカバーするように形成できる。このようなエンドプレート400は、外部の衝撃から電池セル積層体120およびその他電装品を物理的に保護することができる。
【0045】
電池モジュール100はモジュールフレーム200の底部210aに下に位置するヒートシンク300を含むことができ、冷却ポート500を通じてヒートシンク300に冷媒を供給し、ヒートシンク300から冷媒を排出することができる。具体的に、冷却ポート500は、互いに離隔して位置する冷媒注入ポート500aと冷媒排出ポート500bを含むことができる。パック冷媒管600はパック冷媒供給管とパック冷媒排出管を含むことができ、冷媒注入ポート500aと冷媒排出ポート500bがそれぞれ前記パック冷媒供給管と前記パック冷媒排出管に連結できる。
【0046】
本実施形態によるモジュールフレーム200は、モジュールフレーム200の底部210aが延長されてエンドプレート400を過ぎるように形成されたモジュールフレーム突出部211を含むことができる。この時、モジュールフレーム突出部211の上面部と連結される冷却ポート500によって流入および排出される冷媒が、モジュールフレーム突出部211を通じてヒートシンク300に供給およびヒートシンク300から排出できる。
【0047】
具体的に、本実施形態による冷却ポート500は、ヒートシンク300に冷媒を供給する冷媒注入ポート500aとヒートシンク300から冷媒を排出する冷媒排出ポート500bを含み、冷媒注入ポート500aと冷媒排出ポート500bはパック冷媒管600とそれぞれ連結できる。モジュールフレーム突出部211はモジュールフレーム200一側で互いに離隔して位置する第1モジュールフレーム突出部と第2モジュールフレーム突出部を含むことができ、冷媒注入ポート500aは前記第1モジュールフレーム突出部上に配置され、冷媒排出ポート500bは前記第2モジュールフレーム突出部上に配置できる。
【0048】
前記のような構成を通じてパック冷媒管600が電池モジュール100に冷媒を供給するか電池モジュール100から冷媒を排出することができる。
【0049】
以下、
図5などを参照して、端子バスバー710とセンシングアセンブリー730について具体的に説明する。
【0050】
図5は、
図4の“A”部分を拡大して示した部分斜視図である。
【0051】
図2、
図4および
図5を参照すれば、本実施形態による電池モジュール100は、電池セル110と連結された端子バスバーおよび電池セルの温度と電圧を測定するセンシングアセンブリーを含むことができる。
【0052】
具体的に、電池モジュール100は、電池セル110から突出して出る電極リード111の突出方向に位置したバスバーフレーム700を含むことができる。バスバーフレーム700には、端子バスバー710、バスバー720、センシングアセンブリー730、およびモジュールコネクタ740が装着できる。
【0053】
バスバー720は、電池セル積層体120に含まれている電池セル110を電気的に連結する機能を担当する。電池セル110の電極リード111がバスバーフレーム700に形成されたスリットを通過した後、曲がってバスバー720と連結できる。これにより、電池セル110が直列または並列に連結できる。
【0054】
端子バスバー710は電池セル110の電極リード111と連結され、一端部が電池モジュール100の外側に露出されて、バスバー720を通じて電気的に連結された電池セル110を外部と連結する機能を担当することができる。端子バスバー710は後述のHVライン800と連結されて、他の電池モジュール100と電気的に連結されるか、BDU(Battery Disconnect Unit)モジュールに連結できる。
【0055】
電極リード111とバスバー720の連結方法や電極リード111と端子バスバー710の連結方法には特別な制限がなく、溶接などの方法が適用できる。
【0056】
センシングアセンブリー730はセンサーを含んで、電池セル110の温度や電圧を測定することができる。
図5には、電池セル110の電圧を測定するためにバスバー720と接触されたセンサーを含むセンシングアセンブリー730が示されている。このようなセンシングアセンブリー730は、モジュールコネクタ740と連結できる。センシングアセンブリー730はモジュールコネクタ740を通じて後述のLVライン900と連結されて、BMS(Battery Management System)モジュールに連結できる。
【0057】
以下、
図6および
図7などを参照して、HVライン800とLVライン900について具体的に説明する。
【0058】
図6は
図2の電池パックをxy平面上から見た平面図であり、
図7は
図6の切断線Bに沿って切断した断面の断面図である。
【0059】
図2、
図5、
図6および
図7を参照すれば、電池パック1000は、電池モジュール100の端子バスバー710と連結されたHVライン800、および電池モジュール100のセンシングアセンブリー730と連結されたLVライン900を含む。また、電池パック1000は、HVライン800のうちの少なくとも一つと連結されて複数の電池モジュールの電気的連結を制御するBDU(Battery Disconnect Unit)モジュール1200およびLVライン900のうちの少なくとも一つと連結されて複数の電池モジュール100の作動をモニタリングおよび制御するBMS(Battery Management System)モジュール1300をさらに含むことができる。
【0060】
各電池モジュール100はHVライン800を通じて電気的に連結され、最終的にHVライン800を通じてBDUモジュール1200と連結できる。BDUモジュール1200は、電池モジュール100とインバータの間に位置し、リレー、抵抗などから構成されたモジュールである。このようなBDUモジュール1200は、自動車の電力系統に電源を安定的に供給または遮断し、事故電流が発生した時に自動車の電力系統を保護する役割を担当する。
【0061】
各電池モジュール100は、LVライン900を通じてBMSモジュール1300と連結されて、電池モジュール100内部の電池セル110に対する測定された温度や電圧のデータをBMSモジュール1300に伝達することができる。BMSモジュール1300は、測定された温度や電圧のデータに基づいて各電池モジュール100の温度や電圧などを管理する役割を担当する。一方、
図6では説明の便宜のために第1電池モジュール100aと第2電池モジュール100bの間に一つのLVライン900を示したが、
図7のように設計によって2個のLVライン900から構成されてもよい。即ち、本実施形態によるLVライン900の個数に特別な制限はなく、電池パックの設計によってその個数が変えられてもよい。
【0062】
この時、
図7に示されているように、本実施形態によるHVライン800とLVライン900はパック冷媒管600より上部に位置し、より詳しくは、後述のハウジングカバー620より上部に配置できる。電池パック1000は電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用でき、組み立て不良や運行中事故などの原因で冷却水などの冷媒が漏洩する状況が発生することがある。本実施形態によれば、パック冷媒管600で冷媒の漏洩が発生しても、漏洩した冷媒がHVライン800とLVライン900と接触して短絡が発生するのを防止することができる。即ち、HVライン800とLVライン900をパック冷媒管600より上部に位置させて、電池パック1000の絶縁性能を向上させることができる。
図1に示したように冷媒管2から漏洩した冷媒が下に位置したHVライン3やLVライン4と接触して短絡が発生する危険がある従来の電池パック10と比較される。
【0063】
また、本実施形態による電池パック1000は、パック冷媒管600を収納するパック冷媒管ハウジング610、およびパック冷媒管ハウジング610の開放された上側を覆うハウジングカバー620をさらに含むことができる。パック冷媒管ハウジング610とハウジングカバー620は、パック冷媒管600に沿ってつながり得る。パック冷媒管600から漏洩した冷媒は、電池パック1000を構成する複数の部品内部に浸透して火災や爆発の原因になることがある。本実施形態によるパック冷媒管ハウジング610とハウジングカバー620がパック冷媒管600に沿ってつながり、漏洩した冷媒がその他の部品内部に浸透するのを防止することができる。
【0064】
一方、前述の通りとおり、
図1に示された従来の電池パック10はHVライン3やLVライン4が複雑に構成され、LVライン4はパックハウジング(図示せず)と近い縁に位置するため、外部衝撃や振動が起こる場合、短絡が発生する可能性が高い。
【0065】
図2、
図4および
図6を再び参照すれば、本実施形態による電池モジュール100は、電池セル110が積層される方向(x軸と平行な方向)に互いに対向する第1電池モジュール100aと第2電池モジュール100bを含むことができる。このような第1電池モジュール100aと第2電池モジュール100bはそれぞれ2個ずつ構成されて、総4個の電池モジュール100が碁盤式に配列できる。また、2個の第1電池モジュール100aはエンドプレート400同士が対向するように配置でき、2個の第2電池モジュール100bもエンドプレート400同士が対向するように配置できる。エンドプレート400には開口が形成されて、HVライン800と連結される端子バスバー710とLVライン900と連結されるモジュールコネクタ740が露出できる。即ち、本実施形態による電池パック1000は2個の第1電池モジュール100aをエンドプレート400同士が対向するように配置し、2個の第2電池モジュール100bをエンドプレート400同士が対向するように配置することによって、4個の電池モジュール100と連結されるHVライン800およびLVライン900を単純化することができ、また効率的に配置させることができる。
【0066】
また、BDUモジュール1200と連結されたHVライン800は第1電池モジュール100aと前記第2電池モジュール100bの間に配置でき、BMSモジュール1300と連結されたLVライン900は第1電池モジュール100aと第2電池モジュール100bの間に配置できる。即ち、HVライン800とLVライン900を複数の電池モジュール100の中央部に位置させて、外部衝撃などに大きな影響を受けないようにした。したがって、HVライン800とLVライン900に対して短絡の発生可能性を減らし、電池パック1000の絶縁性能および安全性を向上させることができる。
【0067】
一方、
図4を再び参照すれば、モジュールフレーム200の底部210aはヒートシンク300の上部プレートを構成し、ヒートシンク300の陥没部340とモジュールフレーム200の底部210aが冷媒の流路を形成することができる。
【0068】
具体的に、ヒートシンク300はモジュールフレーム200の下部に形成され、ヒートシンク300は、ヒートシンク300の骨格を形成しモジュールフレーム200の底部210aと溶接などで直接結合する下部プレート310および冷媒が流動する経路である陥没部340を含むことができる。また、ヒートシンク300は、ヒートシンク300の一辺からモジュールフレーム突出部211が位置した部分に突出したヒートシンク突出部300Pを含むことができる。
【0069】
ヒートシンク突出部300Pとモジュールフレーム突出部211は互いに溶接などの方法で直接結合できる。
【0070】
ヒートシンク300の陥没部340は、下部プレート310が下側に陥没形成された部分に該当する。陥没部340は冷媒流路が伸びる方向を基準にして垂直にxz平面やyz平面に切断した断面がU字形管であってもよく、前記U字型管の開放された上側に底部210aが配置できる。ヒートシンク300が底部210aと接しながら、陥没部340と底部210aの間の空間が冷媒が流動する領域、即ち、冷媒の流路となる。これにより、モジュールフレーム200の底部210aが前記冷媒と直接接触できる。
【0071】
ヒートシンク300の陥没部340の製造方法に特別な制限はないが、板状型のヒートシンク300に対して陥没形成された構造を設けることによって、上側が開放されたU字型陥没部340を形成することができる。
【0072】
このような陥没部340は、ヒートシンク突出部300Pのうちの一つから他の一つにつながり得る。冷媒注入ポート500aを通じて供給された冷媒は、前記第1モジュールフレーム突出部とヒートシンク突出部300Pの間を経て陥没部340と底部210aの間の空間に最初流入する。その後、冷媒は陥没部340に沿って移動し、前記第2モジュールフレーム突出部とヒートシンク突出部300Pの間を経て冷媒排出ポート500bを通じて排出される。
【0073】
一方、図示してはいないが、
図4のモジュールフレーム200の底部210aと電池セル積層体120の間に熱伝導性樹脂(Thermal resin)を含む熱伝導性樹脂層が配置できる。前記熱伝導性樹脂層は、熱伝導性樹脂(Thermal resin)を底部210aに塗布し、塗布された熱伝導性樹脂が硬化されて形成できる。
【0074】
前記熱伝導性樹脂は熱伝導性接着物質を含むことができ、具体的に、シリコン(Silicone)素材、ウレタン(Urethan)素材、およびアクリル(Acrylic)素材のうちの少なくとも一つを含むことができる。前記熱伝導性樹脂は、塗布時には液状であるが、塗布後に硬化されて電池セル積層体120を構成する一つ以上の電池セル110を固定する役割を果たすことができる。また、熱伝導特性に優れて電池セル110から発生した熱を迅速に電池モジュールの下側に伝達することができる。
【0075】
本実施形態による電池モジュール100は、モジュールフレーム200とヒートシンク300の冷却一体型構造を実現して、冷却性能をより向上させることができる。モジュールフレーム200の底部210aがヒートシンク300の上部プレートに対応する役割を果たすことによって冷却一体型構造を実現することができる。直接冷却による冷却効率が上昇し、ヒートシンク300がモジュールフレーム200の底部210aと一体化された構造を通じて電池モジュール100および電池モジュール100が装着された電池パック1000上の空間活用率をより向上させることができる。
【0076】
具体的に、電池セル110から発生した熱が電池セル積層体120と底部210aの間に位置する熱伝導性樹脂層(図示せず)、モジュールフレーム200の底部210a、冷媒を経て電池モジュール100の外部に伝達できる。従来の不必要な冷却構造を除去することによって、熱伝達経路が単純化され、各層の間のエアーギャップを減らすことができるため、冷却効率や性能が増大できる。特に、底部210aがヒートシンク300の上部プレートとして構成されて、底部210aが直ちに冷媒と接するため冷媒を通じたより直接的な冷却が可能であるという長所がある。
【0077】
また、不必要な冷却構造の除去を通じて電池モジュール100の高さが減少して、原価節減が可能であり、空間活用度を高めることができる。さらに、電池モジュール100がコンパクトに配置できるので、電池モジュール100を複数含む電池パック1000の容量や出力を増大させることができる。
【0078】
一方、モジュールフレーム200の底部210aは、ヒートシンク300の中の陥没部340が形成されていない下部プレート310部分と溶接を通じて接合できる。本実施形態は、モジュールフレーム200の底部210aとヒートシンク300の冷却一体型構造を通じて、前述の冷却性能向上だけでなくモジュールフレーム200に収容された電池セル積層体120の荷重を支持し電池モジュール100の剛性を補強する効果を有することができる。だけでなく、下部プレート310とモジュールフレーム200の底部210aは溶接結合などを通じて密封されることにより、下部プレート310内側に形成された陥没部340で冷媒が漏洩なく流動できる。
【0079】
効果的な冷却のために、
図6に示されているように、モジュールフレーム200の底部210aに対応する全領域にわたって陥没部340が形成されるのが好ましい。このために、陥没部340は少なくとも1回曲がって一側から他側につながり得る。特に、モジュールフレーム200の底部210aに対応する全領域にわたって陥没部340が形成されるために、陥没部340は数回曲がるのが好ましい。モジュールフレーム200の底部210aに対応する全領域にわたって形成された冷媒流路の開始点から終了点まで冷媒が移動することによって、電池セル積層体120の全領域に対する効率的な冷却が可能である。
【0080】
本実施形態によるヒートシンク300の陥没部340には突出パターン340Dが形成できる。本実施形態による電池セル積層体120のように積層される電池セルの個数が従来に比べて多く増加する大面積電池モジュールの場合、冷媒流路の幅がさらに広く形成されて温度偏差がさらに深刻なこともある。大面積電池モジュールでは、従来一つの電池モジュール内に大略12個~24個の電池セルが積層された場合と比較して、大略32個~48個の電池セルが一つの電池モジュール内に積層されている場合を含むことがある。このような場合、本実施形態による突出パターン340Dは冷却流路の幅を実質的に縮小させる効果を発生させて圧力降下を最少化し、同時に冷媒流路幅間の温度偏差を減らすことができる。したがって、均一な冷却効果を実現することができる。
【0081】
一方、前記冷媒は冷却のための媒介物であって、特別な制限はないが、冷却水であり得る。
【0082】
本実施形態で前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は説明の便宜のためのものに過ぎず、対象になる事物の位置や観測者の位置などによって変わることがある。
【0083】
前記電池モジュールや電池パックは多様なデバイスに適用できる。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド車などの運送手段に適用できるが、これに制限されず二次電池を使用することができる多様なデバイスに適用可能である。
【0084】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属するのである。
【符号の説明】
【0085】
100:電池モジュール
600:パック冷媒管
710:端子バスバー
730:センシングアセンブリー
800:HVライン
900:LVライン
1200:BDUモジュール
1300:BMSモジュール