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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】航空機
(51)【国際特許分類】
   B64C 13/20 20060101AFI20241029BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20241029BHJP
   B64U 10/13 20230101ALI20241029BHJP
【FI】
B64C13/20 Z
B64C39/02
B64U10/13
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2024511029
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 JP2022016520
(87)【国際公開番号】W WO2023188271
(87)【国際公開日】2023-10-05
【審査請求日】2024-08-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517421611
【氏名又は名称】三共木工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103687
【弁理士】
【氏名又は名称】百瀬 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】塩川武彦
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-503194(JP,A)
【文献】特開平10-135935(JP,A)
【文献】特開2018-165931(JP,A)
【文献】特表2017-526280(JP,A)
【文献】特開2015-207149(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0045884(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 13/20
B64C 39/02
B64U 10/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットに接続するための通信部と、
データが前記インターネットを介して監視装置に送信されるように、前記通信部を制御する制御部と、
を備える航空機であって、
前記制御部は、データが前記インターネットを介して前記監視装置に送信されるように前記通信部を制御するデータ通信処理を、データが第1の期間送信されない場合、停止し、
前記制御部は、前記航空機が全飛行中に前記データ通信処理が停止されないように、前記第1の期間より短い第2の期間経過する毎にデータが送信されるように、前記通信部を制御する、
ことを特徴とする航空機。
【請求項2】
前記通信部は、前記インターネットに接続した場合に、第1のIPアドレスを受信すると共に、前記航空機が飛行中に、前記第1のIPアドレスに代わる第2のIPアドレスを受信し、
前記制御部は、前記通信部により前記第1のIPアドレス又は前記第2のIPアドレスが受信されると、受信された前記第1のIPアドレス又は前記第2のIPアドレスが、管理装置に送信されるように、前記通信部を制御し、
前記管理装置は、前記監視装置及び前記航空機に共通する識別データと前記通信部から受信した前記第1のIPアドレス又は前記第2のIPアドレスとを対応して記憶部に記憶すると共に、前記監視装置に前記第1のIPアドレス又は前記第2のIPアドレスを送信し、
前記監視装置は、前記管理装置から受信した前記第1のIPアドレス又は前記第2のIPアドレスを用いて、前記インターネットを介して前記通信部と通信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、航空機に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2021-192495号公報には、地上通信装置と、ドローンに搭載され、地上通信装置と直接無線通信する移動体通信装置とを備えるシステムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように、地上通信装置とドローンに搭載された移動体通信装置との間で、互いに他方に向けて直接無線通信をするので、通信可能距離が短い。
【0004】
本開示の技術は、航空機と監視装置との間の通信距離を従来の技術より長くすることができる航空機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本開示の技術の第1の態様の航空機は、インターネットに接続するための通信部と、データが前記インターネットを介して監視装置に送信されるように、前記通信部を制御する制御部と、を備える。
【0006】
第2の態様の航空機は、第1の態様において、前記通信部は、前記インターネットに接続した場合に、第1のIPアドレスを受信すると共に、前記航空機が飛行中に、前記第1のIPアドレスに代わる第2のIPアドレスを受信し、前記制御部は、前記通信部により前記第1のIPアドレス又は前記第2のIPアドレスが受信されると、受信された前記第1のIPアドレス又は前記第2のIPアドレスが、管理装置に送信されるように、前記通信部を制御し、前記管理装置は、前記監視装置及び前記航空機に共通する識別データと前記通信部から受信した前記第1のIPアドレス又は前記第2のIPアドレスとを対応して記憶部に記憶すると共に、前記監視装置に前記第1のIPアドレス又は前記第2のIPアドレスを送信し、前記監視装置は、前記管理装置から受信した前記第1のIPアドレス又は前記第2のIPアドレスを用いて、前記インターネットを介して前記通信部と通信する。
【0007】
第3の態様の航空機は、第1の態様又は第2の態様において、前記制御部は、データが前記インターネットを介して前記監視装置に送信されるように前記通信部を制御するデータ通信処理を、データが第1の期間送信されない場合、停止し、前記制御部は、前記第1の期間より短い第2の期間経過する毎にデータが送信されるように、前記通信部を制御する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の技術の第1の態様は、航空機と監視装置との間の通信距離を従来の技術より長くすることができる。
【0009】
本開示の技術の第2の態様は、航空機が飛行中に第1のIPアドレスに代わる第2のIPアドレスを受信しても監視装置がインターネットを介して航空機と通信することができるようにすることができる。
【0010】
本開示の技術の第3の態様は、航空機が飛行中にデータ通信処理が停止することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態のドローン10、ISPサーバ12、DDNSサーバ14、クラウドサーバ15、及び監視装置16を備えたシステムのブロック図である。
図2】ドローン10の制御系のブロック図である。
図3】DDNSサーバ14の記憶装置の記憶領域を示す図である。
図4】ドローン10のCPU32の機能ブロック図である。
図5】送信処理プログラム42P1のフローチャートである。
図6図5のステップ52のデータ送信準備処理のフローチャートである。
図7】送信処理の停止プログラム42P3のフローチャートである。
図8】動的IPアドレス受信プログラム42P2のフローチャートである。
図9】送信処理維持及びIPアドレス変更チェックプログラム42P4のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本開示の技術の実施の形態を説明する。
【0013】
図1には、実施の形態のドローン10、ISPサーバ装置(以下、「ISPサーバ」という)12、DDNSサーバ装置(以下、「DDNSサーバ」という)14、クラウドサーバ装置(以下、「クラウドサーバ」という)15、及び監視装置16を備えたシステムのブロック図が示されている。ドローン10、ISPサーバ12、DDNSサーバ14、クラウドサーバ15、及び監視装置16は、インターネット18により相互に接続されている。
【0014】
ドローン10は、インターネット18に接続するためのモデム22と、データがインターネット18を介して監視装置16に送信されるように、モデム22を制御する通信制御装置20と、を備える。モデム22は、ISPサーバ12と通信した後、インターネット18に接続される。通信制御装置20は、例えば、シングルボードコンピュータ、即ち、所謂ラズベリーパイである。
【0015】
ドローン10は、図示しない本体と、複数のアームと、複数のアームの各々の先端に設けられたモータ及びモータにより回転するプロペラと、を備える。
【0016】
ドローン10は、第1のカメラ28Aと、第2のカメラ28Bと、センサ26と、フライトコントローラ(Flight Controller(FC))24を備える。第1のカメラ28Aは、本体の前側に設けられ、ドローン10の進行方向の領域を撮影する。第2のカメラ28Bは、本体の後上部に設けられ、ドローン10の上部全体を撮影する。センサ26は、GPS(Global Positioning System)センサ、ジャイロセンサ、高度センサ、加速度センサ、気圧センサ等である。なお、図1では、これらをセンサ26として示されている。
【0017】
例えば、第1のカメラ28A及び第2のカメラ28Bは、通信制御装置20に接続されている。センサ26は、FC24に接続されている。
【0018】
FC24は、コンピュータ、及び、自動操縦のための飛行ルートのデータ及び飛行プログラム等を記憶した記憶装置等を備える。
【0019】
FC24は、センサ26により検出された各種のセンサデータを、通信制御装置20に送信する。
【0020】
FC24のコンピュータは、送信データがモデム22により、インターネット18を介して、監視装置16に送信するように、通信制御装置20を制御する。送信データは、第1のカメラ28Aによりドローン10の進行方向が撮影されて得られた前方画像及び第2のカメラ28Bによりドローン10の上部全体が撮影されて得られたドローン画像の画像データと、上記センサ26により検出された各種のセンサデータとを含む。
【0021】
FC24のコンピュータは、飛行プログラムによりモータを制御することにより、プロペラを回転させて、上記飛行経路に沿って飛行(自動操縦飛行)する。
【0022】
図2には、通信制御装置20の制御系のブロック図が示されている。図2に示すように、通信制御装置20は、コンピュータ30と、2次記憶装置42と、を備える。コンピュータ30は、CPU(Central Processing Unit)32、ROM(Read Only Memory)34、RAM(Random Access Memory)36、及び入出力(I/O)ポート40を備えている。CPU32、ROM34、RAM36、及びI/Oポート40は、バス38を介して、相互に接続されている。I/Oポート40には、第1のカメラ28A、第2のカメラ28B、FC24、モデム22、及び記憶装置42が接続されている。
【0023】
記憶装置42には、プログラム記憶領域42Pと、IPアドレス記憶領域42Eとがある。プログラム記憶領域42Pには、送信処理プログラム42P1、動的IPアドレス受信プログラム42P2、送信処理の停止プログラム42P3、及び送信処理維持及びIPアドレス変更チェックプログラム42P4が記憶されている。IPアドレス記憶領域42Eは、初期IPアドレス記憶領域42E1と、動的IPアドレス記憶領域42E2とがある。なお、上記各プログラムは、ROM34に記憶されてもよい。記憶装置42は、一時的でない有形のコンピュータが可読可能な記録媒体(non-transitory tangible Computer Readable media)であり、例えば、HDD(Hard disk drive)やSSD(Solid state drive)等の不揮発性の記憶装置である。
【0024】
監視装置16(図1参照)は、ドローン10を監視する装置であり、図示しないコンピュータ、通信装置、表示装置、及び記憶装置等を備える。監視装置16は、通信装置がドローン10のモデム22からインターネット18を介して受信した前方画像データ、ドローン画像データ、及びセンサデータを、表示装置に表示したり、記憶装置に記憶したり、する。
【0025】
クラウドサーバ15は、ドローン10からデータ(前方画像データ、ドローン画像データ、及びセンサデータ)を受信し、受信したデータを保存するサーバである。
【0026】
ISP(Internet Service Provider)サーバ12は、ドローン10のモデム22とインターネット18とを接続するサービスを提供するサーバである。
【0027】
ISPサーバ12は、電源が投入されたドローン10のモデム22からアクセスがあると、モデム22にIPアドレスを送信する。
【0028】
ドローン10のモデム22が、電源が投入されて初めてIPアドレスを受信した場合、当該IPアドレスが、初期IPアドレスとしてドローン10の記憶装置42(図2参照)の初期IPアドレス記憶領域42E1に記憶される。その後、ISPサーバ12は、当該ドローン10のモデム22のIPアドレスを変更する場合があり、変更したIPアドレスを、モデム22に送信する。変更されたIPアドレスは、動的IPアドレスとして、動的IPアドレス記憶領域42E2に記憶される。
【0029】
DDNSサーバ14は、DDNS(Dynamic Domain Name System)サービスを提供するサーバである。DDNSサービスは、動的に変更するIPアドレスと固定のドメイン(識別データ)とを対応付けるサービスである。
【0030】
DDNSサーバ14は、図示しないコンピュータ、通信装置、及び記憶装置等を備えている。
【0031】
図3には、DDNSサーバ14の記憶装置の記憶領域が示されている。DDNSサーバ14の記憶装置は、記憶領域14Eを有する。記憶領域14Eには、ドローン10及び監視装置16に共通する予め定められた識別データ、例えば、ドメインを記憶するドメイン記憶領域14E1と、ドローン10から受信したIPアドレスを記憶するIPアドレス記憶領域14E2と、がある。ドメイン記憶領域14E1とIPアドレス記憶領域14E2とは対応付けられている。
【0032】
ドローン10のIPアドレスが変更される毎に、ドローン10は、変更後のIPアドレスを、ドメインと共に、DDNSサーバ14に送信する。DDNSサーバ14は、受信したIPアドレスを、受信したドメインに対応するIPアドレス記憶領域14E2に記憶(上書き)する。よって、IPアドレス記憶領域14E2には、ドローン10の最新のIPアドレスが記憶される。
【0033】
ところで、監視装置16は、インターネット18を介してドローン10と通信するためには、ドローン10のIPアドレスを知っている必要がある。しかし、ドローン10のIPアドレスはドローン10の飛行中、変更される場合ある。この場合、ドローン10のIPアドレスが変更された場合、監視装置16は、変更前のIPアドレスでは、ドローン10と通信することができない。
【0034】
そこで、監視装置16は、インターネット18を介してドローン10と通信する場合、まず、ドローン10の最新のIPアドレスを送信するようにDDNSサーバ14に指示するために、ドローン10及び監視装置16に共通するドメインを、DDNSサーバ14に送信する。
【0035】
DDNSサーバ14は、受信したドメインを用いて、当該ドメインに対応するIPアドレスを、IPアドレス記憶領域14E2から検索する。DDNSサーバ14は、検索して得たIPアドレス(即ち、ローン10の最新のIPアドレス)を、監視装置16に送信する。監視装置16は、受信したIPアドレスで、インターネット18を介してドローン10と通信する。
【0036】
図4には、ドローン10のCPU32の機能ブロック図が示されている。CPU32の機能は、接続処理機能、受信処理機能、記憶処理機能、送信処理機能、判断機能、及び終了機能を有する。図4に示すように、CPU32は、上記各プログラムの何れかを実行することにより、接続処理部31、受信処理部33、記憶処理部35、送信処理部37、判断部39、及び終了部41として機能する。
【0037】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0038】
図5には、送信処理プログラム42P1のフローチャートが示されている。ドローン10の通信制御装置20のCPU32が送信処理プログラム42P1を実行することにより、送信処理及び送信処理方法が実行される。送信処理プログラム42P1は、通信制御装置20に電源が投入された場合にスタートする。
【0039】
ステップ52で、後述する各部(31、35、37)は、データ送信準備処理を実行する。
【0040】
ステップ54で、受信処理部33は、第1のカメラ28Aから前方画像を取り込み、第2のカメラ28Bからドローン画像を取り込み、センサデータをFC24から受信し、送信処理部37は、前方画像データ、ドローン画像データ、及びセンサデータを含む送信データを、モデム22により、インターネット18を介して、監視装置16とクラウドサーバ15とに送信する(データ送信処理)。
【0041】
上記のように、監視装置16は、通信装置がドローン10のモデム22からインターネット18を介して送信データを受信した場合、受信した送信データを記憶装置に記憶したり、受信した送信データに基づいて、前方画像、ドローン画像、及びセンサデータを、表示装置に表示したり、する。
【0042】
ところで、送信処理部37が、上記送信データを、監視装置16以外に、クラウドサーバ15にも送信するのは、当該送信データが、通信障害等により、監視装置16に受信されなかった場合に備えるためである。送信データが監視装置16に受信されなかった場合、監視装置16は、クラウドサーバ14から送信データを受信し、クラウドサーバ14から受信した送信データを記憶装置に記憶したり、クラウドサーバ14から受信した送信データに基づいて、前方画像、ドローン画像、及びセンサデータを、表示装置に表示したり、する。
【0043】
ステップ56で、ステップ54で送信データを送信した時から所定時間が経過したか否かを判断する。送信データを送信した時から所定時間が経過したと判断されなかった場合には、ステップ58で、判断部39は、飛行の終了を指示する飛行終了指示信号をFC24から受信したか否かを判断することにより、飛行終了か否かを判断する。飛行終了であると判断され場合には、送信処理は終了する。飛行終了であると判断されなかった場合には、送信処理は、ステップ56に戻る。
【0044】
ステップ56で、ステップ54で送信データを送信した時から所定時間が経過したと判断された場合、送信処理は、ステップ54に戻る。よって、飛行終了まで所定時間毎に、送信データが監視装置16とクラウドサーバ15とに送信される。
【0045】
図6には、図5のステップ52のデータ送信準備処理のフローチャートが示されている。図6に示すように、図5のステップ52のデータ送信準備処理では、ステップ62で、接続処理部31は、ISPサーバ12を介して、インターネット18への接続を開始する。即ち、接続処理部31は、インターネット18への接続をISPサーバ12に要求するように、モデム22を制御する。当該要求があるとISPサーバ12は、モデム22にIPアドレス(初期IPアドレ)を送信する。ステップ64で、受信処理部33は、ISPサーバ12から、初期IPアドレを受信する。
【0046】
ステップ66で、記憶処理部35は、初期IPアドレスを、記憶装置42(図2も参照)のアドレス記憶領域42Eの初期IPアドレス記憶領域42E1に記憶する。
【0047】
ステップ68で、接続処理部31は、FC24と接続する。
【0048】
ステップ70で、送信処理部37は、初期IPアドレスを監視装置16に送信する。
【0049】
ステップ72で、送信処理部37は、初期IPアドレスをDDNSサーバ14に送信する。
【0050】
DDNSサーバ14は、DDNSサーバ14の図示しない記憶装置の記憶領域14E(図3も参照)のIPアドレス記憶領域14E2に記憶する。
【0051】
上記のように、監視装置16は、インターネット18を介してドローン10と通信する場合、ドローン10のIPアドレスを送信するようにDDNSサーバ14に指示するために、ドローン10及び監視装置16に共通するドメインを、DDNSサーバ14に送信する。
【0052】
DDNSサーバ14は、受信したドメインを用いて、当該ドメインに対応するIPアドレスを、IPアドレス記憶領域14E2から検索する。DDNSサーバ14は、検索して得たIPアドレスを、監視装置16に送信する。
【0053】
監視装置16は、受信したIPアドレスを用いて、インターネット18を介してドローン10と通信する。
【0054】
ところで、従来技術のように、ドローンと監視装置とが、直接無線通信する場合には、ドローンと監視装置とが、直接無線通信可能な領域内に位置する必要がある。よって、ドローンと監視装置とが通信できる領域は狭い。監視装置の位置は固定されているので、監視装置と通信するドローンが飛行できる範囲は狭い。
【0055】
これに対し、本実施の形態では、ドローン10は、前方画像データ、ドローン画像データ、及びセンサデータを含む送信データを、モデム22により、インターネット18を介して、監視装置16とクラウドサーバ15とに送信する。従って、ドローン10と、監視装置16及びクラウドサーバ15とは、インターネット18を介して、直接無線通信可能な領域を超えて、通信することができる。
【0056】
よって、本実施の形態では、ドローン10と監視装置16との間の通信距離を従来の技術より長くすることができる。
【0057】
図7には、送信処理の停止プログラム42P3のフローチャートが示されている。送信処理の停止プログラム42P3は、通信制御装置20に電源が投入された時から第1の時間毎に繰り返し実行される。
【0058】
ステップ82で、判断部39は、本送信処理の停止処理が前回実行さてから今回実行されるまでの間に送信処理(図5のステップ54のデータ送信処理)があったか否かを判断する。なお、本実施の形態では、図5のステップ54のデータ送信処理が実行される毎に、当該データ送信処理の実行日時のデータが、記憶装置42に記憶される。よって、この実行日時のデータから、本送信処理の停止処理が前回実行さてから今回実行されるまでの間に送信処理があったか否かを判断することができる。送信処理があったと判断された場合には、送信処理の停止処理を終了する。送信処理があったと判断されなかった場合には、送信処理の停止処理は、ステップ84に進む。ステップ84で、終了部41は、送信処理プログラムの実行を終了する。
【0059】
ところで、上記のように、送信処理プログラム42P1は、通信制御装置20に電源が投入された場合にスタートし、飛行終了まで実行される。しかし、何らかの理由で、送信データを送信しない場合があり、この場合に、送信処理プログラム42P1を実行したのでは、電力が無駄に消費される。そこで、第1の時間、送信処理がされなければ、送信処理プログラム42P1の実行を終了することにより、電力消費を少なくすることができる。
【0060】
図8には、動的IPアドレス受信処理プログラム42E2のフローチャートが示されている。動的IPアドレス受信処理プログラム42E2は、ISPサーバ12から、初期IPアドレスの受信後、動的IPアドレスを受信した場合に、スタートする。動的IPアドレスは、初期IPアドレスとは異なるIPアドレスである。
【0061】
ステップ92で、記憶処理部35は、動的IPアドレスを、記憶装置42(図2も参照)のアドレス記憶領域42Eの動的IPアドレス記憶領域42E2に記憶する。
【0062】
ステップ94で、送信処理部37は、動的IPアドレスを監視装置16に送信する。
【0063】
ステップ96で、送信処理部37は、動的IPアドレスをDDNSサーバ14に送信する。
【0064】
DDNSサーバ14は、DDNSサーバ14の図示しない記憶装置の記憶領域14E(図3も参照)のIPアドレス記憶領域14E2に動的IPアドレスを記憶(上書き)する。
【0065】
上記のように、監視装置16は、ドローン10及び監視装置16に共通するドメインを、DDNSサーバ14に送信する。DDNSサーバ14は、受信したドメインを用いて、当該ドメインに対応するIPアドレス(IPアドレス記憶領域14E2に上書きされた動的IPアドレス、即ち、最新のIPアドレス)を、IPアドレス記憶領域14E2から検索する。DDNSサーバ14は、検索して得た最新のIPアドレスを、監視装置16に送信する。監視装置16は、受信した最新のIPアドレスを用いて、インターネット18を介してドローン10と通信する。
【0066】
このようにモデム22が動的IPアドレスを受信する、即ち、IPアドレスが初期IPアドレスから動的IPアドレスが変更しても、DDNSサーバ16が監視装置16に最新の動的IPアドレスを送信するので、監視装置16はモデム22とインターネット18を介して通信することができる。
【0067】
図9には、送信処理維持及びIPアドレス変更チェックプログラム42P4のフローチャートが示されている。送信処理維持及びIPアドレス変更チェックプログラム42P4は、通信制御装置20に電源が投入された時から第1の時間より短い第2の時間毎に繰り返し実行される。
【0068】
ステップ102で、送信処理部37は、信号、例えば、pingを、ISPサーバ1212に送信する。これにより、図7のステップ82が肯定判定となる。よって、送信処理プログラム42P1が、ドローン10の飛行中に停止することを防止することができる。
【0069】
ステップ104で、判断部39は、IPアドレス記憶領域42Eにおける動的IPアドレス記憶領域42E2に動的IPアドレスが記憶されているか否かを判断することにより、IPアドレスが変更されたか否かを判断する。
【0070】
IPアドレスが変更されたと判断されなかった場合には、送信処理維持及びIPアドレス変更チェック処理は終了する。IPアドレスが変更されたと判断された場合には、送信処理維持及びIPアドレス変更チェック処理はステップ106に進む。
【0071】
ステップ106で、送信処理部37は、動的IPアドレスを監視装置16に送信する。
【0072】
ステップ108で、送信処理部37は、動的IPアドレスをDDNSサーバ14に送信する。
【0073】
なお、ステップ104を実行する場合、今回、ステップ106で送信しようとする動的IPアドレスが、前回、ステップ106で送信した動的IPアドレスと同じ場合には、IPアドレスが変更されたと判断しないようにしてもよい。
【0074】
以上説明したように本実施の形態では、ドローン10は、データを、インターネットを介して、監視装置16に送信するので、ドローン10と監視装置16との間の通信距離を、直接通信する従来の技術より、長くすることができる。
【0075】
また、本実施の形態では、ドローン10が飛行中に、モデム22のIPアドレスが変更されても、監視装置は、DDNSサーバ14を介して、ドローン10の最新のIPアドレスを受信することができるので、ドローン10との間の通信を継続することができる。
【0076】
更に、本実施の形態では、送信処理維持及びIPアドレス変更チェックプログラム42P4で信号(ping)を送信することを、ドローン10が通信していないとして送信処理プログラムを停止する第1の時間より短い第2の時間毎に繰り返し実行する。よって、本実施の形態は、ドローンの飛行中に、送信処理プログラムが停止し、監視装置16がドローン10の監視ができなくなることを防止することができる。
【0077】
以上説明した実施の形態では、第1のカメラ28A及び第2のカメラ28Bを通信制御装置20に接続し、センサ26をFC24に接続しているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、第1のカメラ28A及び第2のカメラ28BをFC24に接続し且つセンサ26を通信制御装置20に接続したり、センサ26、第1のカメラ28A及び第2のカメラ28Bの全てをFC24に接続したり、センサ26、第1のカメラ28A及び第2のカメラ28Bの全てを通信制御装置20に接続したり、してもよい。
【0078】
以上説明した実施の形態では、FC24及び通信制御装置20を備えているが、通信制御装置20を省略し、センサ26、第1のカメラ28A及び第2のカメラ28Bの全てをFC24に接続し、上記各プログラム42P1~42PをFC24が実行してもよい。
【0079】
以上説明した実施の形態では、ドローンを用いて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、ドローンに代えて、その他の無人飛行機、例えば、無線操縦可能な飛行機及び無線操縦可能な無人ヘリコプタ、更には、有人航空機、例えば、無線操縦可能な人が乗ることができるヘリコプタを用いてもよい。
【0080】
本開示において、各構成要素(装置等)は、矛盾が生じない限りは、1つのみ存在しても2つ以上存在してもよい。
【0081】
以上説明した各例では、コンピュータを利用したソフトウェア構成により各処理が実現される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、コンピュータを利用したソフトウェア構成に代えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア構成のみによって、各処理が実行されるようにしてもよい。各処理のうちの一部の処理がソフトウェア構成により実行され、残りの処理がハードウェア構成によって実行されるようにしてもよい。
【0082】
なお、上述した各プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0083】
以上説明した各処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0084】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的にかつ個々に記載された場合と同様に、本明細書中に参照により取り込まれる。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8
図9