(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】航空機
(51)【国際特許分類】
B64C 13/20 20060101AFI20241029BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20241029BHJP
B64U 10/13 20230101ALI20241029BHJP
【FI】
B64C13/20 Z
B64C39/02
B64U10/13
(21)【出願番号】P 2024512783
(86)(22)【出願日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 JP2023013137
(87)【国際公開番号】W WO2023190847
(87)【国際公開日】2023-10-05
【審査請求日】2024-08-28
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2022/016519
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517421611
【氏名又は名称】三共木工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103687
【氏名又は名称】百瀬 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】塩川武彦
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-179976(JP,A)
【文献】特開2020-196440(JP,A)
【文献】国際公開第2018/105576(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0253907(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0230150(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 13/20
B64C 39/02
B64U 10/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線通信をする第1の通信部と、
前記第1の無線通信と異なる第2の無線通信をする第2の通信部と、
同じデータが前記第1の通信部及び前記第2の通信部の各々により監視装置に送信されるように前記第1の通信部及び前記第2の通信部を制御する制御部と、
を備える航空機であって、
前記監視装置は、前記第1の通信部により送信されたデータと、前記第2の通信部により送信されたデータと、を対応して記憶する記憶装置を備える、
航空機。
【請求項2】
前記第1の通信部は、第1の間接無線通信方式で前記第1の無線通信をし、
前記第2の通信部は、前記第1の間接無線通信方式と異なる第2の間接無線通信方式で前記第2の無線通信をする、
請求項1に記載の航空機。
【請求項3】
前記第1の通信部及び前記第2の通信部は、前記監視装置が接続されるインターネットを介して間接無線通信する、請求項2に記載の航空機。
【請求項4】
前記第1の間接無線通信方式と前記第2の間接無線通信方式では、通信のプロトコルが異なる、請求項2又は請求項3に記載の航空機。
【請求項5】
前記第1の通信部は、第1の直接無線通信方式で前記第1の無線通信をし、
前記第2の通信部は、前記第1の直接無線通信方式と異なる第2の直接無線通信方式で前記第2の無線通信をする、
請求項1に記載の航空機。
【請求項6】
前記第1の直接無線通信方式と前記第2の直接無線通信方式では、通信の周波数が異なる、請求項5に記載の航空機。
【請求項7】
前記第1の通信部は、間接無線通信方式又は直接無線通信方式で前記第1の無線通信をし、
前記第2の通信部は、直接無線通信方式又は間接無線通信方式で前記第2の無線通信をする、
請求項1に記載の航空機。
【請求項8】
第1の無線通信をする第1の通信部と、
前記第1の無線通信と異なる第2の無線通信をする第2の通信部と、
データが監視装置に送信されるように前記第1の通信部及び前記第2の通信部を制御する制御部と、
を備える航空機であって、
前記監視装置は、前記航空機が離陸する予定の第1の地点を含む第1の領域に配置された第1の監視装置及び前記航空機が着陸する予定の第2の地点を含む第2の領域に配置された第2の監視装置であり、
前記制御部は、同じ前記データが前記第1の通信部及び前記第2の通信部の各々により前記第1の監視装置及び前記第2の監視装置の各々に送信されるように、前記第1の通信部及び前記第2の通信部を制御し、
前記第1の監視装置は、前記第1の通信部及び前記第2の通信部の各々により送信されたデータを対応して表示する第1のディスプレイを備え、
前記第2の監視装置は、前記第1の通信部及び前記第2の通信部の各々により送信されたデータを対応して表示する第2のディスプレイを備える、
航空機。
【請求項9】
前記制御部は、前記データが、前記監視装置以外のサーバ装置に更に送信されるように前記第1の通信部及び前記第2の通信部を制御する、請求項1~請求項8の何れか1項に記載の航空機。
【請求項10】
前記サーバ装置は、クラウドサーバ装置及びライブ配信サーバ装置の少なくとも一方である、請求項9に記載の航空機。
【請求項11】
前記航空機の進行方向の領域を撮影する第1の撮影部と前記航空機を撮影する第2の撮影部とを更に備え、
前記データは、前記第1の撮影部により撮影された前記航空機の進行方向の領域の画像及び前記第2の撮影部により撮影された前記航空機の画像の少なくとも一方の画像データを含む、請求項1~請求項10の何れか1項に記載の航空機。
【請求項12】
前記航空機の状態を検出するセンサを更に備え、
前記データは、前記センサにより検出された前記航空機の状態を示すセンサデータを含む、請求項1~請求項11の何れか1項に記載の航空機。
【請求項13】
前記制御部は、前記データが前記第1の通信部及び前記第2の通信部の各々から同時又は交互に前記監視装置に送信されるように、前記第1の通信部及び前記第2の通信部を制御する、請求項1~請求項12の何れか1項に記載の航空機。
【請求項14】
前記制御部は、前記第1の通信部及び前記第2の通信部の一方の通信に支障がある場合には、前記データが前記第1の通信部及び前記第2の通信部の他方から前記監視装置に送信されるように、前記第1の通信部及び前記第2の通信部を制御する、請求項1~請求項13の何れか1項に記載の航空機。
【請求項15】
本体と、
前記本体に接続される複数のアームと、
前記複数のアームの各々の先端に設けられたモータと前記モータにより回転するプロペラと、
前記制御部は、前記モータを更に制御する、
請求項1~請求項14の何れか1項に記載の航空機。
【請求項16】
前記制御部は、1個のフライトコントローラに設けられている、
請求項1~請求項15の何れか1項に記載の航空機。
【請求項17】
前記制御部は、
第1のフライトコントローラに設けられている第1の制御部と、
前記第1のフライトコントローラと異なる第2のフライトコントローラに設けられている第2の制御部と、
である、請求項1~請求項15の何れか1項に記載の航空機。
【請求項18】
前記第1の通信部は、第1の通信制御装置に設けられ、
前記第2の通信部は、第2の通信制御装置に設けられている、
請求項1~請求項15の何れか1項に記載の航空機。
【請求項19】
前記第1の通信部及び前記第2の通信部は、1個の通信制御装置に設けられている、
請求項1~請求項15の何れか1項に記載の航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、航空機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許第6785019号公報は、移動体と操縦装置とは、その通信経路の少なくとも一部を衛星通信回線および他の通信回線で冗長化することを開示している。具体的には、複数の通信方法を併用することでマルチコプターと操縦装置との間の通信経路を冗長化する。また、マルチコプターに接続する手段を衛星通信回線と他の通信回線との間で切り替え可能とすることにより、マルチコプターとの通信経路を冗長化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記技術では、マルチコプターを地上に設置された監視装置が監視する場合については考慮されていない。
【0004】
本開示の技術は、航空機と監視装置との間を少なくとも2つの通信方式で通信することができる航空機及び監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本開示の技術の第1の態様の航空機は、第1の無線通信をする第1の通信部と、前記第1の無線通信と異なる第2の無線通信をする第2の通信部と、データが監視装置に送信されるように前記第1の通信部及び前記第2の通信部を制御する制御部と、を備える。
【0006】
第2の態様の監視装置は、表示部と、第1の態様の航空機の前記第1の通信部及び前記第2の通信部のそれぞれと前記第1の無線通信及び第2の無線親のそれぞれをする第1の無線通信部及び第2の無線通信部と、前記第1の無線通信部及び前記無線通信部により受信されたデータが表示されるように前記表示部を制御する制御部と、を備える。
【0007】
第3の態様の航空機は、各々異なる無線通信をする複数の通信部と、データが監視装置に送信されるように前記複数の通信部を制御する制御部と、を備える。
【0008】
第4の態様の監視装置は、表示部と、第3の態様の航空機と各々異なる無線通信をする複数の無線通信部と、前記無線通信部により受信されたデータが表示されるように前記表示部を制御する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の技術の第1の態様及び第2の態様は、航空機と監視装置との間を少なくとも2つの通信方式で通信することができる
本開示の技術の第3の態様及び第4の態様は、航空機と監視装置との間を複数の通信方式で通信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施の形態のドローン10A、監視装置50S、50G、クラウドサーバ200、及びライブ配信サーバを含むシステムのブロック図である。
【
図2】ドローン10AのFC12のCPU14の機能ブロック図である。
【
図3】FC12のCPU14が実行する通信プログラム40Pのフローチャートである。
【
図4】ドローン10Aの第1の通信制御装置36の第1のモデム35Aとドローン10Aの第2の通信制御装置38の第2のモデム35Bとのそれぞれのデータの送信のタイミングチャートである。
【
図5】監視装置50Sの記憶装置68Sの記憶領域68Mに設けられた、第1のデータ記憶領域68M1における第1のモデム35Aからのデータを記憶する様子を示し、第2のデータ記憶領域68M2における第2のモデム35Bからのデータを記憶する様子を示す図である。
【
図6】第1の実施の形態の第1の変形例の監視装置50SのCPU52Sの機能ブロック図である。
【
図7】第1の実施の形態の第1の変形例の監視装置50Sのデータ記憶プログラムのフローチャートである。
【
図8】第1の実施の形態の第1の変形例の監視装置50Sの記憶装置68Sの第1のデータ記憶領域68M1における第1のモデム35Aからのデータを記憶する様子を示し、第2のデータ記憶領域68M2における第2のモデム35Bからのデータを記憶する様子を示す図である。
【
図9】第1の実施の形態の第2の変形例のドローン10AのFC12のCPU14が実行する通信プログラムのフローチャートでる。
【
図10】第1の実施の形態の第2の変形例の第1のモデム35Aと第2のモデム35Bとのそれぞれのデータの送信のタイミングチャートである。
【
図11】第1の実施の形態の第3の変形例のドローン10AのFC12のCPU14が実行する通信プログラムのフローチャートでる。
【
図12】第1の実施の形態の第3の変形例の監視装置50Sのデータ記憶プログラムのフローチャートである。
【
図13A】第1の実施の形態の第3の変形例の第1のモデム35Aと第2のモデム35Bとのそれぞれのデータの送信のタイミングチャートである。
【
図13B】第1の実施の形態の第4の変形例の監視装置50SのCPU52Sが実行する制御データ送信プログラムのフローチャートである。
【
図13C】第1の実施の形態の第5の変形例のドローン10AのFC12のCPU14が実行する通信プログラムのフローチャートでる。
【
図13D】第1の実施の形態の第6の変形例のドローン10AのFC12のCPU14が実行する通信プログラムのフローチャートでる。
【
図14】第1の実施の形態の第7の変形例の第2の通信制御装置38のCPU14Bの機能ブロック図である。
【
図15】第1の実施の形態の第7の変形例の第2の通信制御装置38が実行する、第1の通信制御装置36の第1のモデム35Aによる通信に障害が発生しているか否かを判断する障害発生判断プログラムのフローチャートである。
【
図16】第1の実施の形態の第7の変形例の第2の通信制御装置38から、第1の通信制御装置36の第1のモデム35Aによる通信に障害が発生していることが通知されたFC12のCPU14が実行するプログラムのフローチャートである。
【
図17】第1の実施の形態の第8の変形例の第1のモデム35Aと第2のモデム35Bとのそれぞれのデータの送信のタイミングチャートである。
【
図18】第1の実施の形態の第9の変形例の第1のモデム35Aと第2のモデム35Bとのそれぞれのデータの送信のタイミングチャートである。
【
図19】第2の実施の形態のドローン10B、監視装置50S、50G、クラウドサーバ200、及びライブ配信サーバを含むシステムのブロック図である。
【
図20】第3の実施の形態のドローン10C、監視装置50S、50G、クラウドサーバ200、及びライブ配信サーバを含むシステムのブロック図である。
【
図21】第4の実施の形態のドローン10D、監視装置50S、50G、クラウドサーバ200、及びライブ配信サーバを含むシステムのブロック図である。
【
図22】第5の実施の形態のドローン10E、監視装置50S、50G、クラウドサーバ200、及びライブ配信サーバを含むシステムのブロック図である。
【
図23】第6の実施の形態のドローン10F、監視装置50S、50G、クラウドサーバ200、及びライブ配信サーバを含むシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本開示の技術の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図1には、第1の実施の形態のドローン10A、監視装置50S、50G、クラウドサーバ装置(以下、「クラウドサーバ」という)200、及びライブ配信サーバ装置(以下、「ライブ配信サーバ」という)300を含むシステムのブロック図が示されている。
図1に示すように、本実施の形態のシステムは、ドローン10A、監視装置50S、50G、クラウドサーバ200、及びライブ配信サーバ300がインターネット100を介して相互に接続されている。
【0012】
ドローン10Aは、フライトコントローラ(Flight Controller(FC))12、第1の通信制御装置36、及び第2の通信制御装置38を備えている。ドローン10Aは、センサ42、第1のカメラ32、及び第2のカメラ34を備えている。ドローン10Aは、バッテリ25、及び4個の電源モジュール(
図1には、「電源M」と記載されている。)12M1、12M2、36M、38Mを備えている。
【0013】
FC12は、コンピュータ及び当該コンピュータに接続されている2次記憶装置40を備えている。当該コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)14、ROM(Read Only Memory)16、RAM(Random Access Memory)18、及び入出力(I/O)ポート218を備えている。CPU14、ROM16、RAM18、及びI/Oポート20は、バス22を介して、相互に接続されている。
【0014】
I/Oポート20には、センサ42、2次記憶装置40、第1の通信制御装置36、及び第2の通信制御装置38が接続されている。
【0015】
2次記憶装置40には、後述する通信プログラム40P(
図3参照)が記憶されている。2次記憶装置40から通信プログラム40PがRAM18に読み出され、CPU14により実行され、後述する通信処理が実行される。なお、通信プログラム40Pは、ROM16に記憶されてもよい。2次記憶装置40は、一時的でない有形のコンピュータが可読可能な記録媒体(non-transitory tangible Computer Readable media)であり、例えば、HDD(Hard disk drive)やSSD(Solid state drive)等の不揮発性の記憶装置である。
【0016】
2次記憶装置40は、本開示の技術の「記憶部」及び「記録媒体」の一例である。
【0017】
第1の通信制御装置36は、コンピュータ及び当該コンピュータに接続されている第1のモデム35Aを備えている。第1の通信制御装置36のコンピュータは、CPU14A、ROM16A、RAM18A、及びI/Oポート20Aを備え、これらはバス22Aを介して相互に接続されている。第1の通信制御装置36のI/Oポート20Aには、FC12のI/Oポート20、第1のカメラ32及び第2のカメラ34が接続されている。
【0018】
第2の通信制御装置38は、コンピュータ及び当該コンピュータに接続されている第2のモデム35Bを備えている。第2の通信制御装置38のコンピュータは、CPU14B、ROM16B、RAM18B、及びI/Oポート20Bを備え、これらはバス22Bを介して相互に接続されている。第2の通信制御装置38のI/Oポート20Bには、FC12のI/Oポート20、第1のカメラ32及び第2のカメラ34が接続されている。
【0019】
センサ42は、GPS(Global Positioning System)センサ、ジャイロセンサ、高度センサ、加速度センサ、気圧センサ等である。なお、
図1では、これらをセンサ42として示されている。
【0020】
第1のカメラ32は、先端に設けられ、ドローンの進行方向の領域を撮影する
第2のカメラ34は、ドローンの後端の上部に設けられ、ドローンの全体の様子を撮影する
電源モジュール12M1、12M2、36M、38Mは、変圧器である。電源モジュール12M1、12M2は、バッテリ25からの電圧を、FC12が要求する電圧に変える。電源モジュール36Mは、バッテリ25からの電圧を、第1の通信制御装置36が要求する電圧に変える。電源モジュール38Mは、バッテリ25からの電圧を、第2の通信制御装置38が要求する電圧に変える。なお、図示していないが、バッテリからの電圧は、電源モジュールを介して、第1のカメラ32及び第2のカメラ34にも供給されている。
【0021】
第1の監視装置50Sは、ドローン10Aが離陸する予定の第1の地点を含む第1の領域に配置されている。第2の監視装置50Gは、ドローン10Aが着陸する予定の第2の地点を含む第2の領域に配置されている。
【0022】
第1の監視装置50Sは、コンピュータ50CS、入力装置62S、第1の通信装置64S1、第2の通信装置64S2、ディスプレイ66S、及び記憶装置68Sを備えている。コンピュータ50CSは、CPU52S、ROM54S、RAM56S、及びI/Oポート58Sを備え、これらはバス60Sを介して相互に接続されている。I/Oポート58Sには、入力装置62S、第1の通信装置64S1、第2の通信装置64S2、ディスプレイ66S、及び記憶装置68Sが接続されている。
【0023】
第2の監視装置50Gは、コンピュータ50CG、入力装置62G、第1の通信装置64G1、第2の通信装置64G2、ディスプレイ66G、及び記憶装置68Gを備えている。コンピュータ50CGは、CPU52G、ROM54G、RAM56G、及びI/Oポート58Gを備え、これらはバス60Gを介して相互に接続されている。I/Oポート58Gには、入力装置62G、第1の通信装置64G1、第2の通信装置64G2、ディスプレイ66G、及び記憶装置68Gが接続されている。
【0024】
第1の通信制御装置36の第1のモデム35Aと、第1の監視装置50Sの第1の通信装置64S1及び第2の監視装置50Gの第1の通信装置64G1の各々とは、インターネット100を介して、通信する。第1のモデム35Aは、第1の監視装置50Sの第1の通信装置64S1及び第2の監視装置50Gの第1の通信装置64G1の各々と、第1の間接無線通信方式で第1の無線通信をする。
【0025】
第2の通信制御装置38の第2のモデム35Bと、第1の監視装置50Sの第2の通信装置64S2及び第2の監視装置50Gの第2の通信装置64G2の各々とは、インターネット100を介して、通信する。第2のモデム35Bは、第1の監視装置50Sの第2の通信装置64S2及び第2の監視装置50Gの第2の通信装置64G2の各々と、第1の無線通信と異なる第2の無線通信、即ち、第1の間接無線通信方式と異なる第2の間接無線通信方式で、第2の無線通信をする。
【0026】
第1のモデム35Aと、第1の通信装置64S1及び第1の通信装置64G1の各々との間の第1の間接無線通信方式と、第2のモデム35Bと、第2の通信装置64S2及び第2の通信装置64G2の各々との間の第2の間接無線通信方式とは、通信のプロトコルが異なる。具体的には、第1の間接無線通信方式及び第2の間接無線通信方式の一方の方式は、CDMA(Code Division Multiple Access(「符号分割多元接続」)であり、他方の方式は、W-CDMA (Wideband Code Division Multiple Access(「広帯域符号分割多重接続」)である。
第1の間接無線通信方式及び第2の間接無線通信方式は、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、またはLTE(Long Term Evolution)等の通信方式でもよく、一方の方式と他方の方式とは異なるため、例えば、一方の方式は、4G通信方式であり、他方の方式は、LET通信方式でもよい。また、一方の方式は、5G通信方式であり、他方の方式は、LET通信方式でもよい。
【0027】
ドローン10Aは、本開示の技術の「航空機」の一例である。第1のモデム35A及び第2のモデム35Bは、本開示の技術の「第1の通信部」及び「第2の通信部」の一例である。第1の通信装置64S1及び第1の通信装置64G1は、本開示の技術の「第1の無線通信部」の一例である。第2の通信装置64S2及び第2の通信装置64G2は、本開示の技術の「第2の無線通信部」の一例である。CPU14は、本開示の技術の「制御部」の一例である。CPU52S、52Gは、本開示の技術の「表示制御部」の一例である。
【0028】
図2には、ドローン10AのFC12のCPU14の機能ブロック図が示されている。CPU14の機能には、取り込み機能、作成機能、送信処理機能、判断機能、及び処理機能がある。
図2に示すように、CPU14は、通信プログラム40Pを実行すると、取り込み部11、作成部13、送信処理部15、判断部17、及び処理部19として機能する。
【0029】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0030】
図3には、FC12のCPU14が実行する通信プログラム40Pのフローチャートが示されている。CPU14が通信プログラム40Pを実行することにより、通信処理及び通信方法が実行される。通信プログラム40Pは、図示しないスタートボタンがオンされた場合にスタートする。
【0031】
ステップ102で、取り込み部11は、第1のカメラ32からの画像を取り込むように、第1の通信制御装置36及び第2の通信制御装置38を制御する。ステップ104で、取り込み部11は、第2のカメラ34からの画像を取り込むように、第1の通信制御装置36及び第2の通信制御装置38を制御する。
【0032】
ステップ106で、取り込み部11は、センサからのデータを取り込む。
【0033】
ステップ108で、作成部13は、送信データを作成するように、第1の通信制御装置36及び第2の通信制御装置38を制御する。送信データは、第1のカメラ32により撮影されたドローンの進行方向の領域の画像及び第2のカメラ34により撮影されたドローンの全体の様子の画像の画像データと、センサにより検出されたドローンの状態のセンサデータと、を有する。
【0034】
ステップ110で、送信処理部15は、各監視装置50S、50Gに送信データを第1のモデム35Aと第2のモデム35Bとが送信するように、第1の通信制御装置36及び第2の通信制御装置38を制御する。
【0035】
ステップ112で、判断部17は、図示しない飛行終了指示ボタンがオンされたか否かを判断することにより、飛行終了か否かを判断する。なお、判断部17は、監視装置50Gの第1の通信装置64G1又は第2の通信装置64G2から、飛行停止指示信号を受信したか否かを判断することにより、飛行終了か否かを判断してもよい。飛行終了と判断されなかった場合、ステップ114で、判断部17は、ステップ110で送信データを送信したときから所定時間経過したか否かを判断する。送信データを送信したときから所定時間経過したと判断されなかった場合には、通信処理はステップ112に戻る。送信データを送信したときから所定時間経過したと判断された場合、通信処理はステップ102に戻る。
【0036】
ステップ112で飛行終了と判断された場合には、ステップ116で、処理部19は、飛行終了処理を実行して、通信処理が終了する。なお、飛行終了処理は、各プロペラの回転のためのモータへの電源供給を停止する等である。
【0037】
図4には、ドローン10Aの第1の通信制御装置36の第1のモデム35Aの送信のタイミングチャート(上側)とドローン10Aの第2の通信制御装置38の第2のモデム35Bの送信データの送信のタイミングチャート(下側)が示されている。
図4に示すように、第1の通信制御装置36の第1のモデム35Aの送信のタイミングとドローン10Aの第2の通信制御装置38の第2のモデム35Bの送信データの送信のタイミングとは同じであり、各々の送信する送信データD1、D2の内容も同じである。
【0038】
送信データD1は、第1のモデム35Aと第2のモデム35Bとから最初に送信されたデータであり、送信データD2は、第1のモデム35Aと第2のモデム35Bとから2番目に送信されたデータである。
【0039】
図5には、監視装置50Sの記憶装置68Sの記憶領域68Mに設けられた、第1のデータ記憶領域68M1における第1のモデム35Aからのデータを記憶する様子を示し、第2のデータ記憶領域68M2における第2のモデム35Bからのデータを記憶する様子を示す図が示されている。
図5に示すように、第1のモデム35Aから最初に送信された送信データD1が第1のデータ記憶領域68M1の第1番目の記憶部68M11に記憶され、第2のモデム35Bから最初に送信された送信データD1が第2のデータ記憶領域68M2の第1番目の記憶部68M21に記憶される。第1のモデム35Aから2番目に送信された送信データD2が第1のデータ記憶領域68M1の第2番目の記憶部68M12に記憶され、第2のモデム35Bから2番目に送信された送信データD2が第2のデータ記憶領域68M2の第2番目の記憶部68M22に記憶される。
【0040】
ところで、例えば、
図4に示すように、3番目の送信データD3が送信されるタイミングで、第1のモデム35Aにおいてデータ送信に障害が発生した場合、第2のモデム35Bからは、3番目の送信データD3が送信されるが、第1のモデム35Aからは、3番目の送信データD3は送信されない。更に、第1のモデム35Aに継続してデータ送信に障害が発生した場合、第2のモデム35Bのみから送信データD4、・・・が送信されるが、第1のモデム35Aからは送信データD4、・・・が送信されない。この場合、
図5に示すように、第1のデータ記憶領域68M1には、送信データD3、D4、・・・は記憶されないが、第2のデータ記憶領域68M2の第3番目の記憶部68M23に送信データD3が記憶され、第2のデータ記憶領域68M2の第4番目の記憶部68M24に送信データD4が記憶され、以後、同様に第2のデータ記憶領域68M2の各記憶部にデータが記憶される。
【0041】
ところで、監視装置50S、50Gでは、第1のモデム35A及び第2のモデム35Bからの送信データを受信すると、直ちに、ディスプレイ66S、66Gの第1のモデム35A及び第2のモデム35Bの各々に対応する表示エリアに、各データをリアルタイムで表示する。
【0042】
よって、送信データD1、送信データD2は、ディスプレイ66S、66Gの第1のモデム35A及び第2のモデム35Bの各々に対応する表示エリアにリアルタイムで表示される。しかし、送信データD3、D4、・・・は、第1のモデム35Aからは受信しないので、第1のモデム35Aに対応する表示エリアにデータが表示されなくなる。なお、送信データD3、D4、・・・は、第2のモデム35Bから受信し続けるので、第2のモデム35Bに対応する表示エリアにデータが表示され続く。
【0043】
よって、監視装置50S、50Gでの監視者は、第1のモデム35Aにおいてデータ送信に障害が発生していることをリアルタイムで認識することができる。
【0044】
また、第2のモデム35Bから送信されたデータが表示され続くので、監視装置50S、50Gでの監視者は、ドローン10Aの監視を継続することができる。
【0045】
以上説明したように第1の実施の形態では、ドローン10Aと監視装置50S、50Gの各々との間の通信経路を冗長化することができる。
【0046】
図3のステップ110では、送信処理部15は、各監視装置50S、50Gと共に、クラウドサーバ200及びライブ配信サーバ300に、送信データを第1のモデム35Aと第2のモデム35Bとが送信するように、第1の通信制御装置36及び第2の通信制御装置38を制御するようにしてもよい。
【0047】
これにより、クラウドサーバ200に、送信データが保存される。また、ライブ配信サーバ300は、送信データをライブ配信する。よって、監視装置50S、50Gの設置場所付近におらずディスプレイ66S、66Gを直接確認できない監視者も、自分の端末からライブ配信サーバ300にアクセスすれば、自分の端末において、ドローン10Aを、リアルタイムに監視することができる。
[変形例]
次に、第1の実施の形態の変形例を説明する。なお、以下に説明する第1の実施の形態の変形例の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。第1の実施の形態の変形例の作用も、第1の実施の形態と同様の作用があるので、異なる部分を説明する。
(第1の実施の形態の第1の変形例)
第1の実施の形態の第1の変形例は、監視装置50Sと監視装置50Gとに適用されるが、いずれの作用も同じであるので、以下、監視装置50Sを例にとり説明する。
【0048】
図6には、第1の実施の形態の第1の変形例の監視装置50SのCPU52Sの機能ブロック図が示されている。監視装置50SのCPU52Sの機能には、セット機能、判断機能、記憶処理機能、及び処理機能がある。
図6に示すように、CPU52Sは、データ記憶プログラム(
図7参照)を実行すると、セット部121、判断部123、記憶処理部125、及び処理部127として機能する。
【0049】
図7には、第1の実施の形態の第1の変形例の監視装置50Sのデータ記憶プログラムのフローチャートが示されている。データ記憶プログラムは、図示しないスタートボタンがオンされた場合にスタートする。データ記憶プログラムが実行されると、データ記憶処理及びデータ記憶方法が実行される。
【0050】
ステップ101で、セット部121は、変数Mを1にセットする。なお、変数Mは、第1のモデム35Aと第2のモデム35Bとを識別し、よって、
図5に示す第1のデータ記憶領域68M1と第2のデータ記憶領域68M2とを識別する変数である。例えば、M=1では、第1のモデム35A、よって、第1のデータ記憶領域68M1を識別し、M=2では第2のモデム35B、よって、第2のデータ記憶領域68M2を識別する。
【0051】
ステップ103で、判断部123は、第1のモデム35Aからデータを前回受信したときから所定時間が経過したか否かを判断する。第1のモデム35Aからデータを前回受信したときから所定時間が経過したと判断されなかった場合には、データ記憶処理は、ステップ105に進み、前回受信したときから所定時間が経過したと判断された場合には、データ記憶処理は、ステップ107に進む。
【0052】
図3及び
図4に示すように、ドローン10Aからは、第1のモデム35A及び第2のモデム35Bの各々から上記送信データが送信される。
【0053】
ステップ105で、記憶処理部125は、ステップ103の判断が肯定判定となるまでに、第1のモデム35A及び第2のモデム35Bの各々から上記送信データが送信されていれば、第1の通信装置64S1及び第2の通信装置64S2が上記送信データを受信し、この場合、データを保持記憶装置68Sに保持する。データ記憶処理は、ステップ103に戻る。
【0054】
ステップ107で、判断部123は、データを受信したか否かを判断する。データを受信したと判断されなかった場合には、データ記憶処理は、ステップ111に進み、データを受信したと判断された場合には、データ記憶処理は、ステップ109に進む。
【0055】
ステップ107でデータを受信したと判断されなかった場合は、第1のモデム35Aからデータを前回受信したときから所定時間が経過するまでの間にデータを受信しなかった場合である。ステップ107でデータを受信したと判断された場合は、第1のモデム35Aからデータを前回受信したときから所定時間が経過するまでの間にデータを受信した場合である。
【0056】
ところで、第1のモデム35Aからはデータが所定時間毎に送信されるので、第1のモデム35Aにおいてデータ送信に支障が発生していなければ、第1のモデム35Aから送信データを前回受信したときから所定時間が経過するまでの間に送信データを受信することになる。しかし、第1のモデム35Aにおいてデータ送信に支障が発生していれば、第1のモデム35Aから送信データを前回受信したときから所定時間が経過するまでの間にデータを受信しないことになる。
【0057】
よって、第1のモデム35Aから送信データを前回受信したときから所定時間が経過するまでの間に送信データを受信したと判断された場合(即ち、ステップ107が肯定判定された場合)、第1のモデム35Aにおいてデータ送信に支障が発生してしないと判断することができる。一方、第1のモデム35Aからデータを前回受信したときから所定時間が経過するまでの間にデータを受信したと判断されなかった場合(即ち、ステップ107が否定判定の場合)、第1のモデム35Aにおいてデータ送信に支障が発生していると判断することができる。
【0058】
ステップ107が肯定判定された場合、第1のモデム35Aにおいてデータ送信に支障が発生してしないと判断することができるので、ステップ109で、記憶処理部125は、Mで定まる記憶領域にデータを記憶する。具体的には、変数M=1の場合、Mにより第1のモデム35Aが識別され、第1のデータ記憶領域68M1(
図5も参照)が識別され、第1のデータ記憶領域68M1に、ステップ105で保持されたデータを記憶する。
【0059】
ステップ117で、判断部123は、図示しない終了ボタンがオンされたか否かを判断することにより、データ記憶処理が終了か否かを判断する。データ記憶処理が終了でない場合には、データ記憶処理は、ステップ103に戻る。データ記憶処理が終了の場合には、本データ記憶処理は、終了する。
【0060】
ステップ107が否定判定の場合、第1のモデム35Aにおいてデータ送信に支障が発生していると判断することができるので、ステップ111で、判断部123は、変数Mが1であるか否かを判断する。変数M=1の場合には、ステップ113で、セット部121は、変数Mに、2をセットする。M=2では第2のモデム35B、よって、第2のデータ記憶領域68M2が識別される。ステップ113の処理後、データ記憶処理は、ステップ109に進む。
【0061】
ステップ111が否定判定の場合には、第1のモデム35Aばかりではなく、第2のモデム35Bにおいてもデータ送信に支障が発生しているので、ステップ115で、処理部127は、エラー処理を実行し、データ記憶処理は終了する。なお、エラー処理は、ディスプレイ66Sに、第1のモデム35Aと第2のモデム35Bにおいてデータ送信に支障が発生していることを警告表示することである。
【0062】
なお、ステップ111の判断が肯定判定となった場合、ステップ111の判断が肯定判定となった時からステップ109の前までの間、例えば、ステップ113の前に、処理部127は、ディスプレイ66Sに、第1のモデム35Aにおいてデータ送信に支障が発生していることを警告表示してもよい。
【0063】
前述したように、第1の通信制御装置36の第1のモデム35Aの送信データの送信のタイミングとドローン10Aの第2の通信制御装置38の第2のモデム35Bの送信データの送信のタイミングとは同じであり、各々の送信する送信データの内容も同じである。
【0064】
以上のデータ記憶処理により、最初は、第1のモデム35A用のデータ記憶領域68M1に送信データが記憶され、第1のモデム35Aにおいて、データ送信に障害が発生したと判断した場合(
図6のステップ107:N)、第2のモデム35B用のデータ記憶領域68M2に送信データを記憶する。
【0065】
図8には、第1の実施の形態の第1の変形例の監視装置50Sの記憶装置68Sの第1のデータ記憶領域68M1における第1のモデム35Aからの送信データを記憶する様子を示し、第2のデータ記憶領域68M2における第2のモデム35Bからの送信データを記憶する様子を示す図が示されている。
【0066】
図4に示すように、第1のモデム35A及び第2のモデム35Bの各々から送信データD1、D2が送信されたが、送信データD3を送信するタイミングで、第1のモデム35Aにおいて、データ送信に障害が発生した場合、
図8に示すように、第1のモデム35Aから送信された送信データD1、D2が第1のデータ記憶領域68M1の第1番目の記憶部68M11、第2番目の記憶部68M12に記憶され、送信データD3からは、第2のデータ記憶領域68M2の第3番目の記憶部68M23以降に記憶される。
【0067】
このように第1のモデム35Aにおいてデータ送信に障害が発生したと判断されるまで、第2のモデム35B用のデータ記憶領域68M2には送信データを記憶しないので、記憶装置68Sの記憶可能残量が減少することを、第2のモデム35B用のデータ記憶領域68M2にも送信データを記憶する場合より、遅くすることができる。
(第1の実施の形態の第2の変形例)
図9には、第1の実施の形態の第2の変形例のドローン10AのFC12のCPU14が実行する通信プログラムのフローチャートが示されている。
【0068】
ステップ122で、処理部19は、ソフトウェアタイマーをリセットスタート(リセットし、リスタート)する。ステップ124で、判断部17は、ソフトウェアタイマーの値に基づいて、第1の期間T1(
図10参照)が経過したか否かを判断する。第1の期間T1が経過したと判断されなかった場合には、第1の期間T1が経過したと判断されるまで、当該判断が繰り返される。
【0069】
第1の期間T1が経過したと判断された場合には、ステップ126で、取り込み部11は、センサ42からセンサデータを取り込む。ステップ128で、作成部13は、センサデータを含む第1の送信データSd(
図10参照)を作成する。ステップ130で、送信処理部15は、各監視装置50S、50Gに第1の送信データSdを第1のモデム35Aと第2のモデム35Bとが送信するように、第1の通信制御装置36及び第2の通信制御装置38を制御する。
【0070】
ステップ132で、判断部17は、ソフトウェアタイマーの値に基づいて、第2の期間T2(
図10参照)が経過したか否かを判断する。第2の期間T2が経過したと判断されなかった場合には、通信処理はステップ124に戻る。
【0071】
第2の期間T2が経過したと判断された場合には、ステップ134で、取り込み部11は、第1のカメラ32から画像を取り込むように、第1の通信制御装置36及び第2の通信制御装置38を制御する。ステップ136で、取り込み部11は、第2のカメラ34から画像を取り込むように、第1の通信制御装置36及び第2の通信制御装置38を制御する。ステップ138で、作成部13は、第1のカメラ32から取り込んだ画像及び第2のカメラ34から取り込んだ画像の画像データを含む第2の送信データSg(
図10参照)を作成する。ステップ140で、送信処理部15は、各監視装置50S、50Gに第2の送信データSgを第1のモデム35Aと第2のモデム35Bとが送信するように、第1の通信制御装置36及び第2の通信制御装置38を制御する。
【0072】
ステップ112で、判断部17は、飛行終了か否かを判断する。飛行終了と判断されなかった場合、通信処理はステップ122に戻る。飛行終了と判断された場合、ステップ116の飛行終了処理が実行され、通信処理が終了する。
【0073】
図10には、第1の実施の形態の第2の変形例の第1のモデム35Aと第2のモデム35Bとのそれぞれのデータの送信のタイミングチャートが示されている。
図9に示す通信プログラムがFC12のCPU14が実行すると、センサデータを含む第1の送信データSdと、第1のカメラ32及び第2のカメラ34から取り込んだ各画像の画像データを含む第2の送信データSgとが別々に、各監視装置50S、50Gに送信される。第1のモデム35A及び第2のモデム35Bの各々は、第1の送信データSdを第1の時間T1間隔で、第2の送信データSgを第2の時間T2(>T1)間隔でそれぞれ送信される。
【0074】
図5に示すように、第1のモデム35A及び第2のモデム35Bからの、第1の送信データSd及び第2の送信データSgは、第1のデータ記憶領域68M1と第2のデータ記憶領域68M2とに記憶される。例えば、第1のモデム35Aにおける送信に支障が発生しても、第2のモデム35Bから、第1の送信データSd及び第2の送信データSgが送信されるので、これらのデータを記憶することができ、ディスプレイ66S、66Gに表示でき、ドローン10Aの監視を継続することができる。
【0075】
なお、
図8に示すように、例えば、第1のモデム35Aにおける送信に支障が発生するまでは、第1の送信データSd及び第2の送信データSgは、第1のデータ記憶領域68M1のみに記憶され、第1のモデム35Aにおける送信に支障が発生した場合には、第1の送信データSd及び第2の送信データSgは、第2のデータ記憶領域68M2のみに記憶されるようにしてもよい。
(第1の実施の形態の第3の変形例)
図11には、第1の実施の形態の第3の変形例のドローン10AのFC12のCPU14が実行する通信プログラムのフローチャートが示されている。
図13Aには、第1の実施の形態の第3の変形例の第1のモデム35Aと第2のモデム35Bとのそれぞれのデータの送信のタイミングチャートが示されている。
【0076】
ステップ150で、処理部19は、本通信プログラムで使用する変数Fを0にセットする。
【0077】
詳細には後述するが、監視装置50S、50Gは、第1のモデム35Aにおける送信に障害が発生していないか否かを判断する。監視装置50S、50Gは、第1のモデム35Aにおける送信に障害が発生していると判断した場合には、第1のモデム35Aにおける送信に障害が発生していことを通知する。
【0078】
FC12のCPU14の処理部19は、監視装置50S、50Gの少なくとも何れかから、第1のモデム35Aにおける送信に障害が発生していないことが通知された場合、変数Fに1をセットする。よって、変数F=0は、第1のモデム35Aにおける送信に障害が発生していないことを示し、変数F=1は、第1のモデム35Aにおける送信に障害が発生していることを示す。
【0079】
ステップ102で、取り込み部11は、第1のカメラ32からの画像を取り込むように、第1の通信制御装置36及び第2の通信制御装置38を制御する。ステップ104で、取り込み部11は、第2のカメラ34からの画像を取り込むように、第1の通信制御装置36及び第2の通信制御装置38を制御する。ステップ106で、取り込み部11は、センサ42からのセンサデータを取り込む。ステップ108で、作成部13は、第1のカメラ32及び第2のカメラ34からの各画像の画像データと、センサ42からのセンサデータとを含む送信データを作成するように、第1の通信制御装置36及び第2の通信制御装置38を制御する。
【0080】
ステップ152で、判断部17は、F=0であるか否か、即ち、第1のモデム35Aにおける送信に障害が発生していないか否かを判断する。F=0であると判断した場合には、ステップ154で、送信処理部15は、各監視装置50S、50Gに送信データを第1のモデム35Aが送信するように、第1の通信制御装置36を制御する。
【0081】
ステップ112で、判断部17は、飛行終了であるか否かを判断する。飛行終了であると判断されなかった場合には、ステップ114で、判断部17は、飛行終了であると判断されなかったときから所定時間経過したか否かを判断する。飛行終了であると判断されなかったときから所定時間経過したと判断されなかった場合には、飛行終了であると判断されなかったときから所定時間経過したと判断されるまで、当該判断を繰り返す。
【0082】
飛行終了であると判断されなかったときから所定時間経過したと判断された場合には、本通信処理はステップ102に戻る。
【0083】
よって、第1のモデム35Aにおける送信に障害が発生していない場合には、
図13Aに示すように、第1のモデム35Aが送信データを各監視装置50S、50Gに所定時間毎に送信する。
【0084】
ステップ152で、F=0であると判断されなかった場合には、ステップ156で、送信処理部15は、各監視装置50S、50Gに送信データを第2のモデム35Bが送信するように、第2の通信制御装置38を制御する。ステップ158の処理後は、本通信処理は、ステップ112に進む。
【0085】
よって、第1のモデム35Aにおける送信に障害が発生したが、第2のモデム35Bにおける送信に障害が発生していない場合には、
図13Aに示すように、第2のモデム35Bが送信データを各監視装置50S、50Gに所定時間毎に送信する。
【0086】
なお、ステップ112で、飛行終了であると判断された場合には、ステップ116で、処理部19は、飛行終了処理を実行する。
【0087】
図12には、第1の実施の形態の第3の変形例の視装置50Sのデータ記憶プログラムのフローチャートが示されている。監視装置50Gも、このデータ記憶プログラムを実行するが、それぞれ同じ処理であるので、以下、視装置50Sのデータ記憶プログラムのみ説明する。データ記憶プログラムは、図示しないスタートボタンがオンされた場合にスタートする。
【0088】
ステップ170で、セット部121は、本データ記憶プログラムで使用する変数Fに0をセットする。なお、変数F=0は、第1のモデム35Aにおける送信に障害が発生していないことを示し、変数F=1は、第1のモデム35Aにおける送信に障害が発生していることを示す。
【0089】
ステップ172で、判断部123は、所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間が経過したと判断されなかった場合には、所定時間が経過したと判断されるまで、当該判断を繰り返す。所定時間が経過したと判断された場合には、ステップ174で、判断部123は、F=0か否かを判断する。F=0と判断された場合には、データ記憶処理は、ステップ176に進む。F=0と判断されなかった場合には、データ記憶処理は、ステップ184に進む。
【0090】
ステップ176で、判断部123は、第1のモデム35Aから送信データが送信されたか判断する。
【0091】
上記のように第1のモデム35Aから送信データが所定時間毎に送信されるので、第1のモデム35Aとの間の通信に障害が発生していなければ、第1のモデム35Aから送信データが送信され、ステップ176で判断は肯定判定となる。第1のモデム35Aから送信データが送信されたと判断された場合には、ステップ178で、記憶処理部125は、送信データを記憶する。
【0092】
ステップ190で、判断部123は、図示しない終了ボタンがオンされたか否かを判断することにより、データ記憶処理が終了か否かを判断する。終了と判断された場合には、データ記憶処理は終了する。終了と判断されなかった場合には、データ記憶処理は、ステップ172に戻る。
【0093】
ところで、第1のモデム35Aとの間の通信に障害が発生していると、第1のモデムから送信データが送信されず、ステップ176の判断は否定判定となる。よって、ステップ176の判断が否定判定となった場合は、第1のモデム35Aとの間の通信に障害が発生していると判断できる。そこで、ステップ180で、処理部127は、第1のモデム35Aとの間の通信に障害が発生したことを、第2のモデム35Bに通知する。第2の通信制御装置38は、第2のモデム35Bを介して、第1のモデム35Aとの間の通信に障害が発生したことが通知された場合、第1のモデム35Aとの間の通信に障害が発生したこと、FC12に通知する。これにより、上記のように、FC12は、変数Fに1をセットする。
【0094】
ステップ182で、セット部121は、変数Fに1をセットする。
【0095】
ステップ174でF=0と判断されなかった場合には、第2のモデム35Bから送信データが送信されることになる(
図11のステップ156参照)。そこで、ステップ184で、判断部123は、第2のモデムから送信データが送信されたか否かを判断する。第2のモデム35Bから送信データが送信された判断された場合には、ステップ186で、記憶処理部125は、送信データを記憶する。
【0096】
しかし、ステップ184で第2のモデムから送信データが送信されたと判断されなかった場合には、第2のモデム35Bからも送信データが送信されていなので、テップ188で、処理部127は、上記エラー処理を実行し、本データ通信処理は終了する。なお、ステップ176の判断が否定判定となった場合に、ステップ180の前、ステップ180の後且つステップ182の前、又は、ステップ182の後かつステップ190の前に、第1のモデム35Aにおいてデータ送信に支障が発生していることを警告表示してもよい。
【0097】
このように(
図13Aも参照)、第1のモデム35Aとの間の通信に障害が発生していないと、第1のモデム35Aから送信データが送信され、当該送信データは記憶訴装置68S、68Gに記憶され、第1のモデム35Aとの間の通信に障害が発生した場合には、第2のモデム35Bから送信データが送信され、当該送信データは、記憶装置68S、68Gに記憶される。
(第1の実施の形態の第4の変形例)
上記のように第1の実施の形態の第3の変形例(
図13A参照)では、第1のモデム35Aとの間の通信に障害が発生していないと、第1のモデム35Aのみから送信データが送信される、即ち、第2のモデム35Bと監視装置50S、50Gとの間では通信されていない。本第4の変形例では、例えば、第1のモデム35Aから送信データが送信され、第2のモデム35Bと監視装置50S、50Gとの間で通信されていない場合に、第2のモデム35Bと監視装置50S、50Gとの間で通信するものである。
【0098】
図13Bには、第1の実施の形態の第4の変形例の監視装置50SのCPU52Sが実行する制御データ送信プログラムのフローチャートが示されている。制御データ送信プログラムは、入力装置62Sにより、制御データが入力された場合にステートする。
【0099】
監視装置50Sでのオペレータは、ディスプレイ66Sで、ドローン10Aの飛行を監視して場合、ドローン10Aの現在の稼働状態を変更したいと考える場合がある。そこで、第4の変形例では、オペレータは、監視装置50Sからドローン10に制御データを送信し、ドローン10Aの現在の稼働状態を変更できるようにしている。
【0100】
ここで、制御データは、例えば、次のデータである。
【0101】
第1に、第1のカメラ32又は第2のカメラ34の、オン又はオフ、撮影方向の変更、及び解像度の変更の少なくとも1つを指示する制御データがある。
【0102】
第2に、少なくとも1つのセンサのオン又はオフを指示する制御データがある。
【0103】
第3に、ドローン10Aを着陸させることを指示する制御データがある(ドローン10Aに異常事態(緊急事態)が発生したため)。具体的には、パラシュートを備える場合には、当該パラシュートを開かせたり、ホバリングさせ徐々に下げたり、する。
【0104】
図13Bのステップ157で、処理部127は、現在使用されていない通信装置を検出する。具体的には、第2のモデム35Bと通信をする第2の通信装置64S2を検出する。
【0105】
ステップ159で、処理部127は、検出された通信装置により、制御データを送信する。制御データは、第2のモデム35Bにより受信され、通信制御装置38によりFC12に送信される。FC12のCPU14は、制御データに従って、ドローン10Aの現在の稼働状態を変更する。
【0106】
第4の変形例では、使用していないモデムを用いて制御データを送信して、ドローン10Aの現在の稼働状態を変更するので、モデムを有効活用することができる。
(第1の実施の形態の第5の変形例)
図13Cには、第1の実施の形態の第5の変形例のドローン10AのFC12のCPU14が実行する通信プログラムのフローチャートが示されている。
【0107】
第1の実施の形態の第5の変形例の通信プログラムは、第1の実施の形態の第3の変形例の
図11に示す通信プログラムと略同様であるので、異なる部分について説明する。
【0108】
図11に示す通信プログラムでは、送信データを、予め定められた第1のモデム35Aが送信し、第1のモデム35Aにおいて送信に障害が発生した場合、送信データを第2のモデム35Bが送信している。
【0109】
これに対し、第5の変形例では、選択条件に基づいて選択されたモデムにより送信データを送信する。
【0110】
ステップ152の判断が肯定判定の場合、ステップ154Aで、処理部19は、送信データを送信するモデムを、以下の選択条件に基づいて、選択する。
【0111】
選択条件は、通信速度が速いモデムであること、通信料金が安いモデムであること、通信料金がデータ量に応じて変動しないモデムであること、通信状況がよい(具体的には、監視装置50S、50Gの第1の通信装置64S1、64G1、第2の通信装置64S2、64G2からの電波の強さが大きい)モデムであること、及び通信障害の発生頻度が小さいモデムであること等である。
【0112】
ステップ154Bで、送信処理部15は、各監視装置50S、50Gに送信データを、選択したモデムが送信するように、選択したモデムに対応する通信制御装置36又は通信制御装置38を制御する。
【0113】
ステップ154Bの処理の後、通信処理はステップ112に進む。
【0114】
第5の変形例では、選択条件に沿ったモデムを選択して送信データを送信することができる。
(第1の実施の形態の第6の変形例)
図13Dには、第1の実施の形態の第6の変形例のドローン10AのFC12のCPU14が実行する通信プログラムのフローチャートが示されている。
【0115】
第1の実施の形態の第6の変形例の通信プログラムでは、第1の実施の形態の第3の変形例の
図11に示す通信プログラムのステップ102、104,106の処理を実行される。
【0116】
ステップ171で、処理部19は、第1のカメラ32及び第2のカメラの撮影方向及び解像度、及び、各センサデータの内容から、各データのデータ量を推定する。
【0117】
ステップ173で、作成部13は、各データのデータ量と上記選択条件とから、第1のモデム35Aが送信する第1の送信データ、及び第2のモデム35Bが送信する第2の送信データを作成する。
【0118】
ステップ173の作成態様を具体的に説明する。
【0119】
まず、第1の作成態様を説明する。
【0120】
例えば、データ量の大きい順が、第1に、第2のカメラ34のドローン10全体の画像データ、第2に、センサデータ、第3に、第1のカメラ32のドローン10の進行方向前方の画像データであったとする。
【0121】
選択条件として、1回に送信する全体の送信時間を短くすることであるとする。また、第1のモデム35Aでの通信速度が、第2のモデム35Bの通信速度より、速いとする。
【0122】
この場合、通信速度が遅い第2のモデム35Bがデータ量の大きいデータを送信し、通信速度が速い第1のモデム35Aがデータ量の小さいデータを送信したのでは、第1のモデム35Aによる送信が終わっても、第2のモデム35Bによるデータの送信が終わらず、全体の送信時間が長くなる。
【0123】
そこで、処理部19は、第2のカメラ34のドローン10全体の画像データを含むように、第1のモデム35Aが送信する第1の送信データを作成し、センサデータと第1のカメラ32のドローン10の進行方向前方の画像データとを含むように、第2のモデム35Bが送信第2の送信データを作成する。
【0124】
次に、第2の作成態様を説明する。
【0125】
データ量の順は上記の順であるが、選択条件として、全体の通信料金を安くすることであるとする。本変形例では、第2のモデム35Bの通信料金がデータ量に応じて変動するが、第1のモデム35Aでの送信では、送信する送信データのデータ量が所定値までは一定の料金であるが、送信データのデータ量が所定値を超えると、第2のモデム3Bの通話料金よりも高いとする。
【0126】
そして、第2のカメラ34のドローン10全体の画像データが上記所定値を超えるが、
センサデータと第1のカメラ32のドローン10の進行方向前方の画像データとの合計のデータ量が所定値を超えないとする。
【0127】
処理部19は、センサデータと第1のカメラ32のドローン10の進行方向前方の画像データとを含むように、第1のモデム35Aが送信する第1の送信データを作成し、第2のカメラ34のドローン10全体の画像データを含むように、第2のモデム35Bが送信第2の送信データを作成する。
【0128】
ステップ154Aで、送信処理部15は、各監視装置50S,50Gに第1の送信データを第1のモデム35Aが送信するように、通信制御装置36を制御する。
【0129】
ステップ154Bで、送信処理部15は、各監視装置50S,50Gに第2の送信データを第2のモデ35Bが送信するように、通信制御装置38を制御する。
【0130】
第6の変形例では、送信データ量及び選択条件に沿ったモデムを選択して送信データを送信することができる。
(第1の実施の形態の第7の変形例)
第1の実施の形態の第7の変形例では、ドローン10AのFC12は、
図11に示す通信プログラムを実行する。監視装置50S、50Gは、
図12のデータ記憶プログラムを実行しない。監視装置50S、50Gは、
図11のステップ154又はステップ156で送信された送信データを記憶装置68S、68Gに記憶する。
【0131】
図14には、第1の実施の形態の第7の変形例の第2の通信制御装置38のCPU14Bの機能ブロック図が示されている。
図15には、第1の実施の形態の第7の変形例の第2の通信制御装置38が実行する、第1の通信制御装置36の第1のモデム35Aによる通信に障害が発生しているか否かを判断する障害発生判断プログラムのフローチャートが示されている。
【0132】
CPU14Bの機能には、指示機能、判断機能、及び出力処理機能がある。
図14に示すように、CPU14Bは、障害発生判断プログラムを実行すると、指示部201、判断部203、出力処理部205として機能する。
【0133】
ステップ212で、指示部201は、第1の通信制御装置36のCPU14Aに、所定の計算の実行とその計算の結果を第2の通信制御装置38に送信することを指示する。なお、所定の計算は、第1の通信制御装置36が故障していないか否かを判断するためのもので、後述する(ステップ216)所定期間内に計算が終了し返信できる計算でよく、例えば、足し算又は引き算等でよい。
【0134】
ステップ214で、判断部203は、計算結果(具体的には、正解)を受信したか否かを判断する。計算結果(具体的には、正解)を受信したと判断されなかった場合には、ステップ216で、判断部203は、ステップ212の処理実行時から所定時間が経過したか否かを判断する。ステップ212の処理実行時から所定時間が経過した判断されなければ、障害発生判断処理は、ステップ214に戻る。
【0135】
第1の通信制御装置36が故障していない場合には、第1の通信制御装置36から計算結果(具体的には、正解)がステップ212の処理実行時から所定時間が経過するまでに送信される。よって、第1の通信制御装置36から計算結果(具体的には、正解)がステップ212の処理実行時から所定時間が経過するまでに送信された場合には、第1の通信制御装置36が故障していないと判断でき、ステップ214の判断が肯定判定となり、障害発生判断処理は終了する。
【0136】
しかし、第1の通信制御装置36から計算結果(具体的には、正解)がステップ212の処理実行時から所定時間が経過するまでに送信されなかった場合には、第1の通信制御装置36が故障していると判断でき、ステップ216の判断が肯定判定となり、ステップ218で、出力処理部205は、第1の通信制御装置36が故障であることを、FC12に通知する。
【0137】
図16には、第1の実施の形態の第7の変形例の第2の通信制御装置38から、第1の通信制御装置36の第1のモデム35Aによる通信に障害が発生していることが通知されたFC12のCPU14が実行するプログラムのフローチャートが示されている。
図16に示すように、CPU14は、ステップ220で、変数Fに1をセットする。
【0138】
第7の変形例は、第1の通信制御装置36にも適用される。よって、第1の通信制御装置36と第2の通信制御装置38とは互いに相手が故障していないかを確かめることができる。
【0139】
なお、FC12が、第1の通信制御装置36と第2の通信制御装置38とに対し、
図15に示す障害発生判断プログラムを実行してもよい。
(第1の実施の形態の第8の変形例)
図17には、第1の実施の形態の第8の変形例の第1のモデム35Aと第2のモデム35Bとのそれぞれのデータの送信のタイミングチャートが示されている。
【0140】
図17に示すように、第1の通信制御装置36の第1のモデム35Aと第2の通信制御装置38の第2のモデム35Bとは、送信データを、所定時間間隔で交互に、監視装置50S、50Gに送信する。
【0141】
そして、例えば、第1のモデム35Aにおける送信に障害が発生した場合には、第2のモデム35Bが、送信データを、所定時間毎に、記憶装置68S、68Gに送信する。
【0142】
なお、送信データは、第1のカメラ32により撮影されたドローンの進行方向の領域の画像及び第2のカメラ34により撮影されたドローンの全体の様子の画像の画像データと、センサにより検出されたドローンの状態のセンサデータと、を有する。
(第1の実施の形態の第9の変形例)
図18には、第1の実施の形態の第9の変形例の第1のモデム35Aと第2のモデム35Bとのそれぞれのデータの送信のタイミングチャートが示されている。
【0143】
図18に示すように、第1の通信制御装置36の第1のモデム35Aは、ドローンの状態のセンサデータを含む第1の送信データを、一定時間間隔で複数(例えば、3個)送信することを、所定時間間隔で監視装置50S、50Gに送信する。より詳細には、第1のモデム35Aは、第1の送信データを複数送信すると、一定時間待機した後、送信データを複数送信する。
【0144】
第2の通信制御装置38の第2のモデム35Bは、第1のカメラ32により撮影されたドローンの進行方向の領域の画像及び第2のカメラ34により撮影されたドローンの全体の様子の画像の画像データを含む第2の送信データを、所定時間間隔で監視装置50S、50Gに送信する。第2のモデム35Bが第2の送信データを送信するタイミングは、第1のモデム35Aが待機している間である。
【0145】
そして、例えば、第1のモデム35Aにおける送信に障害が発生した場合には、第2のモデム35Bが、第1の信データと第2の送信データとを監視装置50S、50Gに送信する。第1の送信データの送信タイミングは、第1のモデム35Aが第1の送信データを送信するタイミングと同じである。
[その他の実施の形態]
以下、その他の実施の形態を説明する。以下に説明するその他の実施の形態の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、同一部分には同一の符号を付して、同一部分の説明を省略し、主として異なる部分を説明する。
【0146】
また、以下に説明するその他の実施の形態では、ドローンからの送信データの内容及び送信データの送信タイミング、及び、第1の監視装置50S及び第2の監視装置50Gの送信データの記憶方法は、第1の実施の形態及び第1の実施の形態の各変形例と同様であるので、その説明を省略する。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態を説明する。
図19には、第2の実施の形態のドローン10B、監視装置50S、50G、クラウドサーバ200、及びライブ配信サーバを含むシステムのブロック図が示されている。
【0147】
第2の実施の形態のドローン10Bは、第1の実施の形態のドローン10Aでの、第1の通信制御装置36の第1のモデム35A、第2の通信制御装置38の第2のモデム35B、第1の監視装置50Sの第1の通信装置64S1及び第2の通信装置64S2、第2の監視装置50Gの第1の通信装置64G1及び第2の通信装置64G2に代えて、以下の通信器を備える。
【0148】
即ち、ドローン10Bでは、第1の通信制御装置36は、第1の通信器37A1及び第2の通信器37A2を備え、第2の通信制御装置38は、第1の通信器37B1及び第2の通信器37B2を備える。また、第1の監視装置50Sは、第1の通信器64ST1及び第2の通信器64ST2を備え、第2の監視装置50Gは、第1の通信器64GT1及び第2の通信器64GT2を備える。
【0149】
第1の通信制御装置36の第1の通信器37A1と、第1の監視装置50Sの第1の通信器64ST1及び第2の監視装置50Gの第1の通信器64GT1とは、第1の直接無線通信方式で第1の無線通信をする。
【0150】
第2の通信制御装置38の第1の通信器37B1と、第1の監視装置50Sの第1の通信器64ST1及び第2の監視装置50Gの第1の通信器64GT1とは、第1の直接無線通信方式で第1の無線通信をする。
【0151】
第1の通信制御装置36の第2の通信器37A2と、第1の監視装置50Sの第2の通信器64ST2及び第2の監視装置50Gの第2の通信器64GT2とは、第1の直接無線通信方式と異なる第2の直接無線通信方式で第2の無線通信をする。
【0152】
第2の通信制御装置38の第2の通信器37B2と、第1の監視装置50Sの第2の通信器64ST2及び第2の監視装置50Gの第2の通信器64GT2とは、第2の直接無線通信方式で第2の無線通信をする。
【0153】
第1の直接無線通信方式と第2の直接無線通信方式とは、通信の周波数が異なる。
【0154】
なお、以下の装置を省略してもよい。即ち、第1の通信制御装置36の第2の通信器37A2及び第2の通信制御装置38の第1の通信器37B1である。又は、第1の通信制御装置36の第1の通信器37A1及び第2の通信制御装置38の第2の通信器37B2である。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態を説明する。
図20には、第3の実施の形態のドローン10C、監視装置50S、50G、クラウドサーバ200、及びライブ配信サーバを含むシステムのブロック図が示されている。
【0155】
第3の実施の形態のドローン10Cは、第1の実施の形態のドローン10Aでの第2の通信制御装置38の第2のモデム35B、第1の監視装置50Sの第2の通信装置64S2、第2の監視装置50Gのび第2の通信装置64G2に代えて、以下の通信器を備える。
【0156】
即ち、ドローン10Cでは、第2の通信制御装置38は、第2の実施の形態の第2の通信器37B1を備える。また、第1の監視装置50Sは、第2の実施の形態の第1の通信器64ST1を備え、第2の監視装置50Gは、第2の実施の形態の第1の通信器64GT1を備える。
【0157】
モデム35Aと第1の通信装置64S1、64G1との間の通信方式は、第1の実施の形態と同様の通信方式である。通信器37B1と第1の通信器64ST1、64GT1との間の通信方式は、第2の実施の形態と同様の通信方式である。
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態を説明する。
図21には、第4の実施の形態のドローン10D、監視装置50S、50G、クラウドサーバ200、及びライブ配信サーバを含むシステムのブロック図が示されている。
【0158】
第4の実施の形態のドローン10Dでは、第1の実施の形態の第2の通信制御装置38が省略されている。ドローン10Dの第1の通信制御装置36は、モデム35Bを備えている。
【0159】
モデム35Aと、第1の監視装置50Sの第1の通信装置64S1及び第2の監視装置50Gの第1の通信装置64G1との通信方式は、第1の実施の形態の通信方式と同様である。モデム35Bと、第1の監視装置50Sの第2の通信装置64S2及び第2の監視装置50Gの第2の通信装置64G2との通信方式は、第1の実施の形態の通信方式と同様である。
(第4の実施の形態の第1の変形例)
ドローン10Dの第1の通信制御装置36は、モデム35A及びモデム35Bに代えて、第2の実施の形態の第1の通信器35A1及び第2の通信器37B1(
図19参照)を備えてもよい。この場合、監視装置50S、50Gは、第2の実施の形態の監視装置50S、50と同様である。
(第4の実施の形態の第2の変形例)
ドローン10Dの第1の通信制御装置36は、モデム35Bに代えて、第2の実施の形態の第2の通信器37B1(
図20参照)を備えてもよい。この場合、監視装置50S、50Gは、第3の実施の形態の監視装置50S、50Gと同様である。
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態を説明する。
図22には、第5の実施の形態のドローン10E、監視装置50S、50G、クラウドサーバ200、及びライブ配信サーバを含むシステムのブロック図が示されている。
【0160】
第5の実施の形態のドローン10Eでは、第1の実施の形態の第1の通信制御装置36及び第2の通信制御装置38が省略されている。モデム35A及びモデム35Bは、FC12に接続されている。
(第5の実施の形態の第1の変形例)
ドローン10Eでは、モデム35A及びモデム35Bに代えて、第2の実施の形態の第1の通信器35A及び第2の通信器37Bを備えてもよい。この場合、監視装置50S、50Gは、第2の実施の形態の監視装置50S、50Gと同様である。
(第5の実施の形態の第2の変形例)
ドローン10Eでは、モデム35Bに代えて、第2の実施の形態の第2の通信器37Bを備えてもよい。この場合、監視装置50S、50Gは、第3の実施の形態の監視装置50S、50と同様である。
[第6の実施の形態]
次に、第6の実施の形態を説明する。
図23には、第6の実施の形態のドローン10F、監視装置50S、50G、クラウドサーバ200、及びライブ配信サーバを含むシステムのブロック図が示されている。
【0161】
第1の実施の形態(
図1参照)では、FC12に、第1の通信制御装置36と第2の通信制御装置38とが接続されている。
【0162】
これに対し、第6の実施の形態(
図23参照)では、第1の実施の形態のFC12と同様の構成の第1のFC12Aと第2のFC12Bとを備える。第1のFC12Aに第1の通信制御装置36が接続される。第2のFC12Bに第2の通信制御装置38が接続される。
(第6の実施の形態の第1の変形例)
ドローン10Fでは、モデム35A及びモデム35Bに代えて、第2の実施の形態の第1の通信器35A及び第2の通信器37Bを備えてもよい。この場合、監視装置50S、50Gは、第2の実施の形態の監視装置50S、50と同様である。
(第6の実施の形態の第2の変形例)
ドローン10Fでは、モデム35Bに代えて、第2の実施の形態の第2の通信器37Bを備えてもよい。この場合、監視装置50S、50Gは、第3の実施の形態の監視装置50S、50と同様である。
[第7の実施の形態]
次に、第7の実施の形態を説明する。第7の実施の形態では、第6の実施の形態の第1のFC12A及び第2のFC12Bと、第4の実施の形態の第1の通信制御装置36とを備える。
(第7の実施の形態の第1の変形例)
この場合、モデム35A及びモデム35Bに代えて、第2の実施の形態の第1の通信器35A及び第2の通信器37Bを備えてもよい。この場合、監視装置50S、50Gは、第2の実施の形態の監視装置50S、50Gと同様である。
(第7の実施の形態の第1の変形例)
また、モデム35Bに代えて、第2の実施の形態の第2の通信器37Bを備えてもよい。この場合、監視装置50S、50Gは、第3の実施の形態の監視装置50S、50と同様である。
[更にその他の実施の形態]
ドローン10Aと第1の監視装置50Sとの間の第1の無線通信は、人工衛星を介した第1の衛星通信であり、ドローン10Aと第1の監視装置50Sとの第2の無線通信は、人工衛星を介した、第1の衛星通信とは異なる第2の衛星通信でもよい。第1の衛星通信と第2の衛星通信とは電波の周波数が異なる。
第1の衛星通信は、本開示の技術の「第1の間接無線通信」の一例である。第2の衛星通信は、本開示の技術の「第2の間接無線通信」の一例である。
また、ドローン10Aと第1の監視装置50Sとの間の第1の無線通信は、人工衛星を介した衛星通信であり、ドローン10Aと第1の監視装置50Sとの第2の無線通信は、衛星通信でなく、インターネットを介したCDMA又はW-CDMAの方式の通信(
図1参照)、又は、直接無線通信(
図19参照)でもよい。逆に、ドローン10Aと第1の監視装置50Sとの間の第1の無線通信は、衛星通信でなく、インターネットを介したCDMA又はW-CDMAの方式の通信(
図1参照)、又は、直接無線通信(
図19参照)であり、ドローン10Aと第1の監視装置50Sとの第2の無線通信は、人工衛星を介した衛星通信ででもよい。
なお、ドローン10Aと第2の監視装置50Gとの間の第1の無線通信は、ドローン10Aと第1の監視装置50Sとの間の上記第1の無線通信と等しく、ドローン10Aと第2の監視装置50Gとの間の第2の無線通信は、ドローン10Aと第1の監視装置50Sとの間の上記第2の無線通信と等しい。
なお、衛星通信するドローン10A、第1の監視装置50S、及び第2の監視装置50Gは、例えばイリジウム(登録商標)やインマルサット(登録商標)などの衛星通信モジュールを備える。
ドローン10Aと、第1の監視装置50S及び第2の監視装置50Gとが衛星通信すると、ドローン10Aが沖合又は山間部であってもドローン10Aと、第1の監視装置50S及び第2の監視装置50Gとの間で通信が可能である。
第1の実施の形態~第7の実施の形態の第2の変形例では、センサ42は、FC12に接続されているが、本開示の技術はこれに限定されない。センサ42は、通信制御装置に接続されてもよい。
【0163】
第1のカメラ32及び第2のカメラ34は、通信制御装置に接続されているが、FC12に接続されてもよい。
【0164】
以上説明した例では、ドローンは2個のモデムを備え且つ監視装置50S、50Gの各々は2個の通信装置を備えるが(
図1、
図21~
図23等)、本開示の技術はこれに限定されない。ドローンは、3個以上の複数のモデムを備え且つ監視装置50S、50Gの各々は3個以上の複数の通信装置を備えてもよい。この場合のモデムと通信装置との3組以上の組み合わせの各々では、異なる通信方式で通信される。
【0165】
また、上記例では、ドローンは2個の通信器を備え且つ監視装置50S、50Gの各々は2個の通信機を備えるが(
図19等)、本開示の技術はこれに限定されない。ドローンは、3個以上の複数の通信器を備え且つ監視装置50S、50Gの各々は3個の以上の複数の通信機を備えてもよい。この場合の通信器と通信機との3組以上の組み合わせの各々では、異なる通信方式で通信される。
【0166】
更に、上記例では、ドローンにおけるモデム対通信器の組み合わせも、1対1であるが(
図20等)、2個以上対1個でも、1個対2個以上、複数個対複数個の組み合わせでもよい。
【0167】
以上説明した実施の形態及び各変形例では、ドローンを用いて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、ドローンに代えて、その他の無人飛行機、例えば、無線操縦可能な飛行機及び無線操縦可能な無人ヘリコプタ、更には、有人航空機、例えば、無線操縦可能な人が乗ることができるヘリコプタを用いてもよい。無線操縦されない航空機一般でもよい。具体的には、人が乗って航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機及び飛行船、その他の航空の用に供することができる機器でもよい。
【0168】
本開示において、各構成要素(装置等)は、矛盾が生じない限りは、1つのみ存在しても2つ以上存在してもよい。
【0169】
以上説明した各例では、コンピュータを利用したソフトウェア構成により上記各処理が実現される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、コンピュータを利用したソフトウェア構成に代えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア構成のみによって、上記各処理が実行されるようにしてもよい。上記各処理のうちの一部の処理がソフトウェア構成により実行され、残りの処理がハードウェア構成によって実行されるようにしてもよい。
【0170】
なお、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0171】
以上説明した上記各処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0172】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的にかつ個々に記載された場合と同様に、本明細書中に参照により取り込まれる。