(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】共有ゲート縦型電界効果トランジスタと集積化された抵抗変化型メモリメモリ・セル
(51)【国際特許分類】
H10B 63/00 20230101AFI20241029BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20241029BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20241029BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20241029BHJP
H01L 29/49 20060101ALI20241029BHJP
H10N 70/00 20230101ALI20241029BHJP
H10N 99/00 20230101ALI20241029BHJP
【FI】
H10B63/00
H01L29/78 301X
H01L29/78 301Y
H01L29/78 301M
H01L29/58 G
H10N70/00
H10N99/00
(21)【出願番号】P 2022537230
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(86)【国際出願番号】 IB2020061517
(87)【国際公開番号】W WO2021124003
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-05-25
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】レズニチェク、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ヘクマットショアータバリ、バーマン
(72)【発明者】
【氏名】安藤 崇志
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0198572(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0157161(US,A1)
【文献】米国特許第09443982(US,B1)
【文献】米国特許第09640667(US,B1)
【文献】米国特許第9876015(US,B1)
【文献】米国特許第10892339(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 63/00
H01L 21/336
H01L 29/78
H01L 29/423
H10N 70/00
H10N 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスを形成する方法であって、
基板上に2つの縦型電界効果トランジスタを形成することであり、前記縦型電界効果トランジスタの各々が、チャネル領域の上であって、且つ誘電体キャップの下に位置するエピタキシャル領域を含み、前記エピタキシャル領域が、水平方向に前記チャネル領域を越えて延びる三角形の2つの対向する突き出た領域を含む、前記形成すること、
前記チャネル領域上および前記チャネル領域の周囲に配置され、前記2つの縦型電界効果トランジスタによって共有される金属ゲート材料を付着させることであり、前記2つの縦型電界効果トランジスタ間に前記金属ゲート材料の部分が位置する、前記付着させること、
前記金属ゲート材料の上にインターレベル誘電体層を付着させること、
前記インターレベル誘電体層を凹ませて2つの開口を形成することであり、それぞれの開口が、それぞれの縦型電界効果トランジスタの、前記2つの縦型電界効果トランジスタ間に位置する前記金属ゲート材料の前記部分とは反対側の側部と隣接しており、それぞれの開口が、それぞれの縦型電界効果トランジスタの前記エピタキシャル領域の
部分を露出させる、前記形成すること、ならびに
前記エピタキシャル領域の露出させた前記部分の直接上に位置する酸化物層と、前記酸化物層の直接上に位置する頂部電極層と、前記頂部電極層の上に位置する金属充填材とを含む抵抗変化型メモリ・スタックを、前記2つの開口の各々の中に付着させることであり、前記エピタキシャル領域の露出させた前記部分が、前記抵抗変化型メモリ・スタックの底部電極として機能する、前記付着させること
を含む方法。
【請求項2】
前記2つの縦型電界効果トランジスタを形成することがさらに、
前記基板上にドープト・ソースを形成すること、
前記ドープト・ソースから延びる前記チャネル領域を形成すること、
前記チャネル領域の上に前記誘電体キャップを形成すること、および
前記チャネル領域の部分から前記エピタキシャル領域を形成すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板と前記ドープト・ソースとの間にカウンタドープト層を形成することをさらに含み、前記ドープト・ソースが第1のドーパントを含み、前記カウンタドープト層が、前記第1のドーパントとは異なる第2のドーパントを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
コンタクト形成の準備として前記抵抗変化型メモリ・スタックをエッチングすること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記2つの縦型電界効果トランジスタの各々の中の前記金属充填材の頂部と接する抵抗変化型メモリ・コンタクトを形成すること
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ドープト・ソースと接するソース/ドレイン・コンタクトを形成すること
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記金属ゲート材料と接するゲート・コンタクトを形成すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
半導体デバイスであって、
2つの縦型電界効果トランジスタであり、それぞれの縦型電界効果トランジスタが、チャネル領域の上であって、且つ誘電体キャップの下に位置するエピタキシャル領域を含み、前記エピタキシャル領域が、水平方向に前記チャネル領域を越えて延びる三角形の2つの対向する突き出た領域を含む、前記2つの縦型電界効果トランジスタと、
前記チャネル領域上および前記チャネル領域の周囲に配置され
、前記2つの縦型電界効果トランジスタによって共有される金属ゲート材料であり、前記2つの縦型電界効果トランジスタ間に前記金属ゲート材料の部分が位置する、前記金属ゲート材料と、
前記金属ゲート材料の上のインターレベル誘電体層と、
2つの抵抗変化型メモリ構造体であり、それぞれの抵抗変化型メモリが、前記2つの縦型電界効果トランジスタの一方の縦型電界効果トランジスタの、前記2つの縦型電界効果トランジスタ間に位置する前記金属ゲート材料の前記部分とは反対側の側部に隣接しており、前記抵抗変化型メモリ構造体の各々が、前記エピタキシャル領域の直接上に位置する酸化物層と、前記酸化物層の直接上に位置する頂部電極層と、前記頂部電極層の上に位置する金属充填材とを含み、前記エピタキシャル領域が、前記抵抗変化型メモリ構造体の底部電極として機能する、前記2つの抵抗変化型メモリ構造体と
を含む半導体デバイス。
【請求項9】
前記2つの縦型電界効果トランジスタが基板上のドープト・ソースをさらに含み、前記ドープト・ソースから前記チャネル領域が延びる、
請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記基板と前記ドープト・ソースとの間のカウンタドープト層をさらに含み、前記ドープト・ソースが第1のドーパントを含み、前記カウンタドープト層が、前記第1のドーパントとは異なる第2のドーパントを含む、
請求項9に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記ドープト・ソースと接するソース/ドレイン・コンタクト
をさらに含む、請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記金属ゲート材料と接するゲート・コンタクト
をさらに含む、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
それぞれの縦型電界効果トランジスタの中の前記金属充填材の頂部と接する抵抗変化型メモリ・コンタクト
をさらに含む、請求項8に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に磁気ストレージ・デバイスの分野に関し、より詳細には、抵抗変化型メモリ(resistiverandom access memory)(ReRAM)デバイスを、共有ゲートを有する縦型電界効果トランジスタ(vertical field effect transistor)(VFET)と集積化することに関する。
【背景技術】
【0002】
ReRAMは、不揮発性メモリ・デバイスの最も有望な技術の1つである。低電力および高速度の動作、高密度CMOSとコンパチブルなインテグレーション、ならびに高いサイクリング耐久性のため、ReRAM技術は、高密度ストレージ・アレイおよび新規のインメモリ・コンピューティング・システムに対する主流の選択肢となりつつある。
【0003】
ReRAMの本質的機構は、通常は2つの電極間に形成されるナノスケール導電性フィラメントの形成および破断に基づき、この形成および破断の結果として、高抵抗状態と低抵抗状態の間の反復可能な抵抗性スイッチングが起こる。ReRAM機構の欠点は、この機構がランダム性に依存すること、および導電性フィラメントの位置を制御できないことである。したがって、ReRAMデバイスを形成するための改良された設計および技術が望ましいであろう。
【発明の概要】
【0004】
基板上に2つの縦型電界効果トランジスタを形成することを含む、半導体デバイスを形成する方法を提供することによって、先行技術の短所が解消され、追加の利点が提供される。縦型電界効果トランジスタの各々は、チャネル領域の上であって、且つ誘電体キャップの下に位置するエピタキシャル領域を含む。エピタキシャル領域は、水平方向にチャネル領域を越えて延びる三角形の2つの対向する突き出た領域を含む。チャネル領域上およびチャネル領域の周囲に金属ゲート材料を配置する。2つの縦型電界効果トランジスタ間には金属ゲート材料の部分が位置する。金属ゲート材料の上のインターレベル誘電体層(interlevel dielectric layer)を凹ませて2つの開口を形成する。それぞれの開口は、それぞれの縦型電界効果トランジスタの、2つの縦型電界効果トランジスタ間に位置する金属ゲート材料の部分とは反対側の側部と隣接している。それぞれの開口は、それぞれの縦型電界効果トランジスタのエピタキシャル領域の一部を露出させる。それぞれの開口の中に、抵抗変化型メモリ・スタックを付着させる。抵抗変化型メモリ・スタックは、エピタキシャル領域の露出させた部分の直接上に位置する酸化物層と、酸化物層の直接上に位置する頂部電極層と、頂部電極層の上に位置する金属充填材とを含む。エピタキシャル領域の露出させた部分は、抵抗変化型メモリ・スタックの底部電極として機能する。
【0005】
本発明の別の実施形態は、基板上にドープト・ソース(doped source)を形成すること、およびドープト・ソース上にダミー・ゲートを形成することを含む、半導体デバイスを形成する方法を提供する。ダミー・ゲートは、ドープト・ソース上に配置された第1のスペーサとダミー・ゲート上に配置された第2のスペーサとの間に配置される。ダミー・ゲート、第1のスペーサおよび第2のスペーサの中に2つのトレンチを形成してドープト・ソースを露出させ、それぞれのトレンチの中にドープト・ソースからエピタキシャル層を成長させて2つのフィンを形成する。それぞれのフィンは、ドープト・ソースからダミー・ゲートを貫いて延びるチャネル領域を含む。フィンの各々の頂部を凹ませて誘電体キャップを形成する。フィンの一部の上にエピタキシャル領域を成長させて、ダミー・ゲートよりも上であって、且つ誘電体キャップの下にソース/ドレイン領域を形成する。このエピタキシャル領域は、水平方向にフィンを越えて延びる三角形の2つの対向する突き出た領域を含む。ダミー・ゲートを、チャネル領域を取り囲む金属ゲート材料を含むゲート・スタックに置き換える。2つのフィン間にはゲート・スタックの部分が位置する。金属ゲート材料をエッチングしてエピタキシャル領域を露出させる。インターレベル誘電体層を形成して、エピタキシャル領域を金属ゲート材料から分離する。次いで、インターレベル誘電体層を凹ませて2つの開口を形成する。それぞれの開口は、エピタキシャル領域の、2つのフィン間に位置するゲート・スタックの部分とは反対側の部分を露出させる。それぞれの開口の中に酸化物層を共形に付着させ、酸化物層の直接上に頂部電極層を形成する。
【0006】
本発明の別の実施形態は、2つの縦型電界効果トランジスタを含む半導体デバイスを提供する。それぞれの縦型電界効果トランジスタは、チャネル領域の上であって、且つ誘電体キャップの下に位置するエピタキシャル領域を含む。エピタキシャル領域は、水平方向にチャネル領域を越えて延びる三角形の2つの対向する突き出た領域を含む。チャネル領域上およびチャネル領域の周囲に金属ゲート材料が配置されており、2つの縦型電界効果トランジスタ間には金属ゲート材料の部分が位置する。金属ゲート材料の上にインターレベル誘電体層が位置しており、2つの抵抗変化型メモリ構造体がある。それぞれの抵抗変化型メモリは、2つの縦型電界効果トランジスタの一方の縦型電界効果トランジスタの、2つの縦型電界効果トランジスタ間に位置する金属ゲート材料の部分とは反対側の側部に隣接している。抵抗変化型メモリ構造体の各々は、エピタキシャル領域の直接上に位置する酸化物層と、酸化物層の直接上に位置する頂部電極層と、頂部電極層の上に位置する金属充填材とを含む。エピタキシャル領域は、抵抗変化型メモリ構造体の底部電極として機能する。
【0007】
以下の詳細な説明は、例として与えられており、本発明をそれだけに限定することは意図されておらず、添付図面とともに検討したときに最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】2つの縦型電界効果トランジスタを製造する方法中の中間ステップにおける、本発明の一実施形態による半導体デバイスの断面図である。
【
図2】誘電体キャッピング層、第2のスペーサ、ダミー・ゲートおよび第1のスペーサを貫くトレンチを形成して、ドープト・ソースを露出させることを示している、本発明の一実施形態による半導体デバイスの断面図である。
【
図3】ドープト・ソースからエピタキシャル層を成長させて、トレンチの各々の中にエピタキシャル・チャネル領域を形成した後の、本発明の一実施形態による半導体デバイスの断面図である。
【
図4】誘電体キャッピング層を除去し、チャネル領域上にエピタキシャル領域を形成した後の、本発明の一実施形態による半導体デバイスの断面図である。
【
図5】薄い酸化物層を除去し、ゲート誘電体材料および仕事関数金属(workfunction metal)を共形に付着させた後の、本発明の一実施形態による半導体デバイスの断面図である。
【
図6】金属ゲート材料を充填し、平坦化プロセスを実行した後の、本発明の一実施形態による半導体デバイスの断面図である。
【
図7】金属ゲート材料を部分的に凹ませた後の、本発明の一実施形態による半導体デバイスの断面図である。
【
図8】金属ゲート材料上にインターレベル誘電体層を付着させ、平坦化プロセスを実行した後の、本発明の一実施形態による半導体デバイスの断面図である。
【
図9】インターレベル誘電体層上にマスクを形成した後の、本発明の一実施形態による半導体デバイスの断面図である。
【
図10】インターレベル誘電体層の一部を凹ませた後の、スペーサが示されている、本発明の一実施形態による半導体デバイスの断面図である。
【
図11】マスクを除去した後の、本発明の一実施形態による半導体デバイスの断面図である。
【
図12】酸化物層を付着させた後の、本発明の一実施形態による半導体デバイスの断面図である。
【
図13】電極を付着させた後の、本発明の一実施形態による半導体デバイスの断面図である。
【
図14】金属充填材を付着させた後の、本発明の一実施形態による半導体デバイスの断面図である。
【
図15】ReRAMコンタクトを形成した後の、本発明の一実施形態による半導体デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面の倍率は必ずしも一定ではない。図面は単に概略表現であり、図面が本発明の特定のパラメータを表現することは意図されていない。図面は、本発明の典型的な実施形態だけを示すことが意図されている。図面では同じ符号が同じ要素を表している。
【0010】
本明細書には、特許請求の範囲に記載された構造体および方法の詳細な実施形態が開示されているが、開示された実施形態は単に、さまざまな形態で実施することができる、特許請求の範囲に記載された構造体および方法の例を示しているだけであることを理解することができる。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実施することができるのであり、本発明が、本明細書に記載された例示的な実施形態に限定されると解釈すべきではない。この説明では、提示された実施形態を不必要に不明瞭にすることを防ぐため、よく知られた特徴および技術の詳細が省かれていることがある。
【0011】
以降の説明の目的上、「上部(upper)」、「下部(lower)」、「右(right)」、「左(left)」、「縦(vertical)」、「水平(horizontal)」、「頂部(top)」、「底部(bottom)」などの用語、およびそれらの用語の派生語は、図面に配置されているときの開示された構造体および方法に関する。「~の上に(above)」、「~の上にある(overlying)」、「~の頂部に(atop)」、「~の上に(on top)」、「~上に配置された(positioned on)」または「~の頂部に配置された(positioned atop)」などの用語は、第1の構造体などの第1の要素が第2の構造体などの第2の要素上にあることを意味し、第1の要素と第2の要素との間に界面構造体などの介在要素が存在してもよい。用語「じかに接する」は、第1の構造体などの第1の要素と第2の構造体などの第2の要素とが、それらの2つの要素の界面に中間導電層、絶縁層または半導体層が存在することなく接続されていることを意味する。
【0012】
本明細書では、さまざまな要素を記述するために第1、第2などの用語が使用されることがあるが、これらの用語によってそれらの要素が限定されるべきではないことが理解される。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するために使用されているだけである。したがって、本発明の発想の範囲を逸脱することなく、下で論じられている第1の要素が第2の要素と呼ばれることも起こりうる。
【0013】
本発明の実施形態の提示を不明瞭にすることがないように、以下の詳細な説明では、当技術分野で知られているいくつかの処理ステップまたは動作が、提示および例示の目的上、一緒に結合されていることがあり、また、いくつかの例では、当技術分野で知られているいくつかの処理ステップまたは動作が詳細には説明されていないことがある。他の例では、当技術分野で知られているいくつかの処理ステップまたは動作が全く説明されていないことがある。むしろ、以下の説明は、本発明のさまざまな実施形態の示差的な特徴または要素に焦点が当てられていることを理解すべきである。
【0014】
ReRAM構造体は通常、頂部電極、底部電極、およびこれらの2つの電極間に配置された酸化物層を含む。酸化物ReRAMでは、電流伝導性フィラメントの電鋳が必要である。このプロセスは、酸化物ReRAMの電流伝導性フィラメントの位置の制御を妨げるランダム性に依存する。その結果、ReRAMセルがスケーリングされたときの形成電圧、およびデバイス変動性がより高くなる。
【0015】
さらに、電鋳プロセスのランダム性のため、形成後の抵抗状態(すなわち低抵抗状態(LRS)および高抵抗状態(HRS))は、メモリ・ウィンドウを狭くする幅広い分布を示す。酸化物ReRAMは通常、1トランジスタ1抵抗器(1T1R)構造体を形成するために電流制御電界効果トランジスタ(FET)を必要とする。このプロセスは通常、デバイス面積の点で不利である。
【0016】
したがって、本発明の実施形態は、2つの電界効果トランジスタが金属ゲートを共有する2トランジスタ2抵抗器(2T2R)ReRAM構造体を製造する方法および関連構造体を提供する。提案された実施形態は、電流伝導性フィラメントの電鋳のランダム性を低減させることができ、同時に、デバイスを、ReRAM状態の変動性の影響を受けにくいものにすること、およびデバイス・スケーラビリティを向上させることができる。具体的には、提案された実施形態は、VFETの頂部ソース/ドレイン領域の部分をReRAM構造体の底部電極として使用して、2つの酸化物ReRAMが、金属ゲートを共有する2つの縦型電界効果トランジスタと共に集積化された(co-integrated)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)用の縦に積み重ねられた2T2R不揮発性メモリ・セルを提供する。
【0017】
2トランジスタ2抵抗器ReRAM構造体を形成する1つの手法は、共有金属ゲートを有する2つのVFETデバイスを形成することであって、それぞれのVFETデバイスが、突き出た外側部分を有する(ファセット形成(faceted))エピタキシャル領域を含む、形成すること、ならびにVFETデバイスのエピタキシャル領域の上にReRAMスタックをじかに形成することであって、ReRAMスタックが、電極層の上の酸化物層および電極層の上の金属充填材を含み、酸化物層が、ReRAM要素の各々の底部電極として機能する(ファセット形成)エピタキシャル領域の突き出た外側部分とじかに接する、形成することを含む。以下では、
図1~15の添付図面を参照することによって、この2トランジスタ2抵抗器ReRAM構造体を形成することができる実施形態を詳細に説明する。
【0018】
次に
図1を参照すると、縦型電界効果トランジスタ(VFET)を製造する方法中の中間ステップにおける、本発明の一実施形態による半導体デバイス100の断面図が示されている。
【0019】
製造プロセスのこの時点で、半導体デバイス100は、半導体基板(以後「基板」)102上に配置されたダミー・ゲート120および誘電体キャッピング層140を含んでいる。基板102は例えばバルク半導体基板を含む。基板102は1種または複数種の半導体材料を含む。基板102用の適当な半導体材料の非限定的な例には、シリコン(Si)、歪みSi、炭化シリコン(SiC)、ゲルマニウム(Ge)、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)、シリコン-ゲルマニウム-炭素(SiGeC)、Si合金、Ge合金、III-V族材料(例えばヒ化ガリウム(GaAs)、ヒ化インジウム(InAs)、リン化インジウム(InP)もしくはヒ化アルミニウム(AlAs))、II-VI族材料(例えばセレン化カドミウム(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)、テルル化カドミウム(CdTe)、酸化亜鉛(ZnO)、セレン化亜鉛(ZnSe)、硫化亜鉛(Zn)もしくはテルル化亜鉛(ZnTe))、またはこれらの任意の組合せを含めることができる。一実施形態では基板102がゲルマニウムを含むことができる。
【0020】
基板102上のカウンタドープト層(counter-doped layer)104の上にドープト・ソース108が配置されている。ドープト・ソース108およびカウンタドープト層104は、基板102にドーパントを組み込むことによって、またはエピタキシャル成長によって基板102上に形成されたものである。一実施形態によれば、ドープト・ソース108はドーパントで高濃度にドープされており、ドーパントはp型ドーパント(例えばホウ素もしくはガリウム)またはn型ドーパント(例えばリンもしくはヒ素)とすることができる。カウンタドープト層104は、ドープト・ソース108のドーパントとは異なる/反対極性のドーパントを含む。例えば、ドープト・ソース108がp型ドーパントを含むときにはカウンタドープト層104がn型ドーパントを含み、ドープト・ソース108がn型ドーパントを含むときにはカウンタドープト層104がp型ドーパントを含む。ドープト・ソース108は高濃度にドープされており、約1019atoms/cm3から約1022atoms/cm3までの間で変動するドーパント濃度を含む。カウンタドープト層の厚さは、約5から約50nmまでまたは約10から約20nmまで変動する範囲の厚さとすることができる。ドープト・ソース108の厚さは、約50から約250nmまでまたは約100から約200nmまで変動する範囲の厚さとすることができる。
【0021】
ダミー・ゲート120は、ドープト・ソース108上の第1のスペーサ116と第2のスペーサ118の間に配置されている。第1のスペーサ116はドープト・ソース108上に付着させたものであり、ダミー・ゲート120は第1のスペーサ116上に付着させたものであり、第2のスペーサ118はダミー・ゲート120上に付着させたものである。第1のスペーサ116および第2のスペーサ118は、絶縁材料、例えば二酸化シリコン、窒化シリコン、SiOCNまたはSiBCNを含むことができる。第1のスペーサ116および第2のスペーサ118用の材料の他の非限定的な例は、誘電性酸化物(例えば酸化シリコン)、誘電性窒化物(例えば窒化シリコン)、誘電性酸窒化物またはこれらの任意の組合せを含む。第1のスペーサ116および第2のスペーサ118を形成する材料は、例えば化学蒸着(CVD)または物理蒸着(PVD)を含む標準付着プロセスによって付着させたものである。第1のスペーサ116および第2のスペーサ118はそれぞれ、約3nmから約15nmまでの間または約5nmから約10nmまでの間で変動する厚さを有することができる。
【0022】
ダミー・ゲート120は犠牲ゲート材料、例えばアモルファス・シリコン(aSi)または多結晶シリコン(ポリシリコン)を含む。この犠牲ゲート材料は、限定はされないが、PVD、CVD、プラズマ加速化学蒸着(PECVD)、誘導結合プラズマ化学蒸着(ICP CVD)またはこれらの任意の組合せを含む付着プロセスによって付着させることができる。ダミー・ゲート120を形成する犠牲ゲート材料は、約8nmから約100nmまでの間または約10nmから約30nmまでの間で変動する厚さを有する。
【0023】
誘電体キャッピング層140は、ダミー・ゲート120の上の第2のスペーサ118上に付着させたものである。誘電体キャッピング層140用の材料の非限定的な例は、二酸化シリコン、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)酸化物、高アスペクト比プラズマ(HARP)酸化物、高温酸化物(HTO)、高密度プラズマ(HDP)酸化物、原子層堆積(ALD)プロセスによって形成された酸化物(例えば酸化シリコン)、またはこれらの任意の組合せを含む。誘電体キャッピング層140は、約30nmから約200nmまでまたは約50nmから約100nmまで変動する範囲の厚さを有する。
【0024】
次に
図2を参照すると、誘電体キャッピング層140、第2のスペーサ118およびダミー・ゲート120を貫くトレンチ204を形成して、第1のスペーサ116を露出させることを示している、本発明の一実施形態による半導体デバイス100の断面図が示されている。
【0025】
トレンチ204は、誘電体キャッピング層140の上面から第1のスペーサ116の上面まで延びて第1のスペーサ116を露出させる。トレンチ204は、第1のスペーサ116を形成している材料に対して選択的な(第1のスペーサ116を形成している材料を実質的に除去しない)エッチング・プロセスを実行することによって形成される。このエッチング・プロセスは例えば反応性イオン・エッチング(RIE)とすることができる。当業者には知られているとおり、トレンチ204を形成するために多数のエッチング・プロセスを実行することができる。例えば、第2のスペーサ118の材料に対して選択的な第1のエッチング・プロセスを実行して、誘電体キャッピング層140の一部を除去する。次いで、ダミー・ゲート120の材料に対して選択的な第2のエッチング・プロセスを実行して、第2のスペーサ118の、第1のエッチング・プロセスによって形成されたトレンチ204の部分の下にある部分を除去する。次いで、第1のスペーサ116の材料に対して選択的な第3のエッチング・プロセスを実行して、ダミー・ゲート120の、第2のエッチング・プロセスによって形成されたトレンチ204の部分の下にある部分を除去する。この図に示されているように、その結果得られるトレンチ204は、誘電体キャッピング層140の上面を貫いて第1のスペーサ116の露出部分の上面まで延びる。トレンチ204の幅は、約3nmから約20nmまでまたは約5nmから約10nmまで変動させることができる。トレンチ204の深さは、約50nmから約300nmまでまたは約100nmから約200nmまで変動させることができる。
【0026】
図2の参照を続ける。トレンチ204を形成した後、ドープト・ソース108の材料に対して選択的な(ドープト・ソース108の材料を実質的に除去しない)プロセスを使用して、第1のスペーサ116もエッチングすることができる。第1のスペーサ116は、例えば反応性イオン・エッチングによってエッチングすることができる。エッチング・プロセスによって第1のスペーサ116の露出部分を除去して、その下のソース・コンタクト層(すなわちドープト・ソース108)の部分を露出させる。これによって自己整合接合(self-aligned junction)(図示せず)が形成される。これは、後に詳細に説明するように、ドープト・ソース108から第1のスペーサ116の上面までソース延長部分をエピタキシャル成長させることができるためである。
【0027】
次いで、半導体デバイス100上で酸化プロセスを実行して、ダミー・ゲート120の側壁の内側部分を酸化し、薄い酸化物層210を形成することができる。この酸化は、プラズマ酸化プロセス、または薄い酸化物層210を形成する他の酸化プロセスによって実行することができる。いくつかの実施形態では、第1のスペーサ116またはドープト・ソース108の一部も酸化されてもよい。このような実施形態では、
図3において下で説明するエピタキシャル成長を実行する前に、これらの領域に形成された一切の酸化物を除去する。
【0028】
上記のステップは、スケーリング目的に関して有利であることがある、続いて形成されるフィン間のピッチのかなりの低減を可能にすることに留意すべきである。当業者には知られているとおり、続いてそれぞれのトレンチ204の中にフィンを成長させる。
【0029】
次に
図3を参照すると、ドープト・ソース108からエピタキシャル層を成長させて、トレンチ204(
図2)の各々の中にエピタキシャル・チャネル領域302(以後「チャネル領域」)を形成した後の、本発明の一実施形態による半導体デバイス100の断面図が示されている。当業者には知られているとおり、チャネル領域302のエピタキシャル成長はエピタキシャル半導体材料を含み、エピタキシャル成長または付着あるいはその両方のプロセスは、半導体表面での形成に対して選択的であり、薄い酸化物層210、第1のスペーサ116または第2のスペーサ118などの他の表面に材料を付着させない。チャネル領域302のエピタキシャル成長は、誘電体キャッピング層140の上に延びることができる(図示せず)。
【0030】
チャネル領域302は、例えば化学蒸着(CVD)(液相(LP)または減圧化学蒸着(RPCVD))、気相エピタキシ(VPE)、分子線エピタキシ(MBE)、液相エピタキシ(LPE)、金属有機化学蒸着(MOCVD)または他の適当なプロセスを含む、適当なエピタキシャル成長プロセスを使用して成長させることができる。
【0031】
エピタキシャル・チャネル材料の供給源は、例えばシリコン、ゲルマニウムまたはこれらの組合せとすることができる。このエピタキシャル半導体材料の付着用のガス源には、シリコンを含むガス源、ゲルマニウムを含むガス源またはこれらのその組合せを含めることができる。例えば、エピタキシャル・シリコン層は、シラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシランおよびこれらの組合せからなるグループから選択されたシリコン・ガス源から付着させることができる。エピタキシャル・ゲルマニウム層は、ゲルマン、ジゲルマン、ハロゲルマン、ジクロロゲルマン、トリクロロゲルマン、テトラクロロゲルマンおよびこれらの組合せからなるグループから選択されたゲルマニウム・ガス源から付着させることができる。エピタキシャル・シリコン・ゲルマニウム合金層は、このようなガス源の組合せを利用して形成することができる。水素、窒素、ヘリウムおよびアルゴンのようなキャリア・ガスを使用することができる。
【0032】
半導体デバイス100上で平坦化プロセスを実行して、誘電体キャッピング層140の上の過剰なエピタキシャル成長物(図示せず)を除去する。この平坦化プロセスは化学機械平坦化(CMP)プロセスとすることができる。当業者には知られているとおり、それぞれのチャネル領域302は、続いて形成される縦型電界効果トランジスタのチャネル領域を構成する。
【0033】
続いて、チャネル領域302を部分的に凹ませ、誘電体材料を充填して、誘電体キャップ308を形成することができる。具体的には、チャネル領域302を、依然として誘電体キャッピング層140内の第2のスペーサ118よりも上のレベルまで、部分的に凹ませる。チャネル領域302は、例えば反応性イオン・エッチングまたはウェット・エッチング・プロセスを使用することによって凹ませる。
【0034】
チャネル領域302の上に形成された凹部(図示せず)に誘電体材料を充填して、チャネル領域302の上に誘電体キャップ308を形成する。誘電体キャップ308を形成する誘電体材料は、誘電性酸化物(例えば酸化シリコン)、誘電性窒化物(例えば窒化シリコン)、誘電性酸窒化物またはこれらの任意の組合せとすることができる。誘電体キャップ308を形成する誘電体材料は、例えばCVDまたはPVDなどの標準付着プロセスによって付着させる。付着後、過剰な誘電体材料を例えばCMPによって平坦化する。
【0035】
次に
図4を参照すると、誘電体キャッピング層140を除去し、チャネル領域302上にエピタキシャル領域410を形成することにより、第1の縦型電界効果トランジスタ(VFET1)および第2の縦型電界効果トランジスタ(VFET2)のソース/ドレイン領域を形成した後の、本発明の一実施形態による半導体デバイス100の断面図が示されている。
【0036】
VFET1とVFET2の両方に関して、エピタキシャル領域410は、誘電体キャップ308とチャネル領域302の間に配置されている。当業者には知られているとおり、エピタキシャル領域410を形成する前に、チャネル領域302の第2のスペーサ118よりも上の部分を側壁に沿って凹ませることができる。エピタキシャル領域410は、VFET1のソース/ドレイン領域およびVFET2のソース/ドレイン領域を形成する。エピタキシャル領域410のエピタキシャル成長は、
図3において上で説明したように実行することができる。
【0037】
エピタキシャル領域410において観察される菱形ファセット形成効果(diamond-shapedfaceting effect)は、異なる結晶面に沿った半導体分化成長(differentialsemiconductor growth)の結果であることに留意すべきである。ファセット形成エピタキシャル成長は最終的に、非常に低い成長速度に減速し、最も遅い成長速度を示す結晶面のセット(すなわち<111>面)で「終わり」、したがって、結果として生じる半導体構造体は、かかる最も遅い半導体成長速度を示す結晶面内で配向した表面を有する。エピタキシャル領域410は、この図に示されているように、水平方向にVFET1およびVFET2の各々のチャネル領域302を越えて延びる(<111>面を境界とする)三角形の2つの(対向する)突き出た領域または部分を含む。後に説明するように、この幾何形状は、突き出た領域または先端領域の方への正孔/電子移動度を増強することができ、このことはReRAM性能に関して有利たり得る。結晶面の異なるセットに沿った相対的成長速度を調節し、それによって結果として生じる半導体構造体の表面配向を制御するために、成長温度、成長圧力、処理ガスの流量などを含むさまざまな処理パラメータを容易に調整することができる。
【0038】
図4の参照を続ける。後続の処理ステップの間、エピタキシャル領域410を保護するため、それぞれのエピタキシャル領域410の両側にスペーサ420を付着させる。スペーサ420は、誘電体キャップ308の側壁にも配置する。スペーサ420は、絶縁材料、例えば誘電性酸化物(例えば酸化シリコン)、誘電性窒化物(例えば窒化シリコン)、誘電性酸窒化物またはこれらの任意の組合せを含む。スペーサ420材料は、例えばCVDまたはPVDなどの標準付着プロセスによって付着させる。スペーサ材料がエピタキシャル領域410を覆い、誘電体キャップ308および第2のスペーサ118の表面からスペーサ材料が除去されるように、ドライ・エッチング・プロセス、例えばRIEプロセスによってスペーサ材料をエッチングすることができる。スペーサ420は、約5nmから約50nmまでまたは約15nmから約30nmまで変動する幅を有する。
【0039】
スペーサ420を形成した後、第2のスペーサ118およびダミー・ゲート120の一部を凹ませて、水平方向にスペーサ420を越えて延びる部分を除去する。第1のスペーサ116に対して選択的な(第1のスペーサ116を実質的に除去しない)エッチング・プロセスを実行する。このエッチング・プロセスはドライ・エッチング・プロセス、例えばRIEプロセスとすることができる。
【0040】
例えば高温アンモニア(hot ammonia)を含むプロセスなどのウェット・エッチング・プロセスによって、ダミー・ゲート120の残りの部分を除去することができる。
【0041】
次に
図5を参照すると、薄い酸化物層210を除去し、ゲート誘電体材料504および仕事関数金属508を共形に付着させた後の、本発明の一実施形態による半導体デバイス100の断面図が示されている。当業者には知られているとおり、ゲート誘電体材料504および仕事関数金属508は、VFET1およびVFET2の各々の中のダミー・ゲート120に代わるゲート・スタックの部分を形成する。ゲート誘電体材料504および仕事関数金属508は、第1のスペーサ116、チャネル領域302、および第2のスペーサ118の、エピタキシャル領域410の下の残存部分の上に配置される。
【0042】
ゲート誘電体材料504は、3.9、7.0または10.0よりも大きな誘電率を有する誘電体材料とすることができる。ゲート誘電体材料504用の適当な材料の非限定的な例は、酸化物、窒化物、酸窒化物、ケイ酸塩(例えば金属ケイ酸塩)、アルミン酸塩、チタン酸塩、窒化物またはこれらの任意の組合せを含む。(7.0よりも大きな誘電率を有する)高誘電率材料の例は、限定はされないが、酸化ハフニウム、酸化シリコンハフニウム、酸窒化シリコンハフニウム、酸化ランタン、酸化ランタンアルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウムシリコン、酸窒化ジルコニウムシリコン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化チタンストロンチウムバリウム、酸化チタンバリウム、酸化チタンストロンチウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、酸化タンタルスカンジウム鉛、ニオブ酸亜鉛鉛などの金属酸化物を含む。高誘電率材料にはさらに、例えばランタンおよびアルミニウムなどのドーパントを含めることができる。ゲート誘電体材料504は、例えばCVD、PVD、PECVD、ALD、蒸着、7付着または他の同様のプロセスを含む、適当な付着プロセスによって形成することができる。ゲート誘電体材料504の厚さは、使用する付着プロセスならびに高誘電率誘電体材料の組成および数によって変動させることができる。
【0043】
仕事関数金属508は、ゲート誘電体材料504の上に配置することができる。仕事関数金属508の型はトランジスタの型によって異なる。適当な仕事関数金属508の非限定的な例は、p型仕事関数金属材料およびn型仕事関数金属材料を含む。p型仕事関数材料は、ルテニウム、パラジウム、白金、コバルト、ニッケルおよび導電性金属酸化物、またはこれらの任意の組合せなどの組成物を含む。n型金属材料は、ハフニウム、ジルコニウム、チタン、タンタル、アルミニウム、金属炭化物(例えば炭化ハフニウム、炭化ジルコニウム、炭化チタンおよび炭化アルミニウム)、アルミナイド、またはこれらの組合せなどの組成物を含む。仕事関数金属508は、適当な付着プロセス、例えばCVD、PECVD、PVD、めっき、熱または電子ビーム蒸着、およびスパッタリングによって付着させることができる。
【0044】
次いで、この図に示されているように、ゲート誘電体材料504および仕事関数金属508を凹ませて、水平方向にスペーサ420を越えて延びる部分を除去する。第1のスペーサ116に対して選択的な(第1のスペーサ116を実質的に除去しない)エッチング・プロセスを実行する。このエッチング・プロセスは例えば異方性エッチング・プロセスとすることができる。
【0045】
次に
図6を参照すると、金属ゲート材料602を充填し、金属ゲート材料602上で平坦化プロセスを実行した後の、本発明の一実施形態による半導体デバイス100の断面図が示されている。金属ゲート材料602は、VFET1およびVFET2の各々のゲート・スタックを形成するためにゲート誘電体材料504および仕事関数金属508の上に付着させた導電性ゲート金属である。この実施形態では、この2つの電界効果トランジスタによって金属ゲート材料602の部分が共有されるように、VFET1とVFET2の間に金属ゲート材料602を付着させる。上述のとおり、この共有は、デバイス・スケーラビリティの向上に役立つことがある。
【0046】
適当な導電性金属の非限定的な例は、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、チタン(Ti)またはこれらの任意の組合せを含む。金属ゲート材料602を形成する導電性金属は、例えばCVD、PECVD、PVD、めっき、熱または電子ビーム蒸着、およびスパッタリングなどの適当な付着プロセスによって付着させることができる。平坦化プロセス、例えばCMPを実行して、金属ゲート材料602の表面を研磨する。
【0047】
次に
図7を参照すると、金属ゲート材料602を部分的に凹ませた後の、本発明の一実施形態による半導体デバイス100の断面図が示されている。金属ゲート材料602は、例えば反応性イオン・エッチング・プロセスなどのエッチング・プロセスによって部分的に凹ませる。
【0048】
次に
図8を参照すると、金属ゲート材料602上にインターレベル誘電体(ILD)層804を付着させ、平坦化プロセスを実行した後の、本発明の一実施形態による半導体デバイス100の断面図が示されている。ILD層804は、限定はされないが、酸化シリコン、スピンオンガラス、流動性酸化物(flowable oxide)、高密度プラズマ酸化物、ホウリンケイ酸塩ガラス(BPSG)またはこれらの任意の組合せを含む、例えば(k<4.0の)低誘電率誘電体材料から形成することができる。ILD層804は、限定はされないが、CVD、PVD、PECVD、ALD、蒸着、化学溶液付着または同様のプロセスを含む、付着プロセスによって付着させる。
【0049】
次に
図9を参照すると、マスク920を形成した後の、本発明の一実施形態による半導体デバイス100の断面図が示されている。マスク920は、半導体デバイス100の上面に付着される。この図に示されているように、マスク920は、金属ゲート材料602の上のILD層804の中心部分を含む、VFET1とVFET2の間の領域を覆う。マスク920は、第1のILD層804の外側領域も覆うことができる。それぞれの縦型トランジスタのスペーサ420の一部および第1のILD層804の一部は覆わないままにしておく。マスク920は、半導体デバイス100のマスク920によって覆われた部分を保護することができるような、エッチング・プロセスに対して耐性のある材料でできたものとすることができる。マスク920を付着させるのは、
図14に示されたReRAM構造体を形成するために半導体デバイス100をさらに処理するときに、覆われた表面を保護するためである。
【0050】
次に
図10を参照すると、ILD層804およびスペーサ420の一部を凹ませた後の、本発明の一実施形態による半導体デバイス100の断面図が示されている。ILD層804およびスペーサ420のマスク920によって覆われていない部分を凹ませることによって、半導体デバイス100に開口1010を形成する。この図に示されているように、開口1010は、VFET1およびVFET2の各々のエピタキシャル領域410の部分を露出させる。開口1010は、VFET1およびVFET2の各々の第2のスペーサ118および誘電体キャップ308の側壁も露出させることができる。
【0051】
スペーサ420および誘電体キャップ308に対して選択的な(スペーサ420および誘電体キャップ308を実質的に除去しない)エッチング・プロセスを実行することによって、マスク920によって覆われていない、ILD層804のVFET1およびVFET2に隣接した部分を除去することができる。このエッチング・プロセスは例えば反応性イオン・エッチングとすることができる。第1のILD層804を凹ませた後、この図に示されているように、スペーサ420のマスク920によって保護されていない部分(すなわち、スペーサ420の、金属ゲート材料602共有部分とは反対側のエリア)をそれぞれVFET1およびVFET2から除去することができる。一実施形態によれば、適当な任意のエッチング・プロセスを使用して、スペーサ420のマスク920によって覆われていない部分を除去することができる。続いて、下で詳細に説明するように、他の材料を用いて開口1010を埋め戻すことにより、ReRAM構造体をVFET1およびVFET2の各々と集積化することができる。
【0052】
スペーサ420の露出部分を除去した後、
図11に示されているように、当技術分野で知られている適当なエッチング技術を実行することによって、マスク920を除去することができる。
【0053】
次に
図12を参照すると、酸化物層1220を付着させた後の、本発明の一実施形態による半導体デバイス100の断面図が示されている。酸化物層1220は、ILD層804の露出した側壁、ならびにVFET1およびVFET2の各々の中のエピタキシャル領域410、第2のスペーサ118および誘電体キャップ308の露出した表面に沿って、開口1010(
図11)の中に共形に付着させる。酸化物層1220は、例えばALDなどの知られている付着技術を使用して共形に付着させることができる。酸化物層1220は、金属酸化物材料または高誘電率材料でできたものとすることができる。酸化物層1220用の適当な材料の非限定的な例には酸化チタン、酸化タンタルおよび酸化ハフニウムを含めることができる。酸化物層1220は、続いて形成される頂部電極からエピタキシャル領域410を分離する、
図15のReRAM構造体の誘電体層の役目を果たす。
【0054】
次に
図13を参照すると、電極層1310を付着させた後の、本発明の一実施形態による半導体デバイス100の断面図が示されている。電極層1310は、ReRAM構造体の頂部電極として知られている可能性もある。電極層1310は、酸化物層1220の上に共形に付着させる。電極層1310は、例えばALDなどの知られている付着技術を使用して付着させることができる。電極層1310は、窒化チタンおよびアルミニウムがドープされた窒化チタンなどの材料でできたものとすることができる。電極層1310は、続いて形成されるReRAM構造体の頂部電極の役目を果たし、一方、エピタキシャル領域410は2つの機能を提供する。エピタキシャル領域410は、VFET1とVFET2の両方で、それぞれのVFETの頂部ソース/ドレイン領域であり、ドープト・ソース108がVFET1およびVFET2のそれぞれの底部ソース/ドレインとして機能する。エピタキシャル領域410はまた、ReRAM構造体の底部電極でもある。
【0055】
次に
図14を参照すると、金属充填材1460を付着させた後の、本発明の一実施形態による半導体デバイス100の断面図が示されている。酸化物層1220の上に電極層1310をじかに共形に付着させた後、開口1010(
図11)に金属充填材1460を充填し、その後、半導体デバイス100にCMPプロセスを実行する。金属充填材1460は、例えばタングステンまたは銅などの適当な低抵抗率金属でできたものとすることができる。金属充填材1460は、電極層1310と、金属充填材1460の上面に形成されるコンタクトとの間の電気導体の役目を果たす。酸化物層1220、酸化物層1220の上の電極層1310および電極層1310の上の金属充填材1460は、それぞれVFET1およびVFET2と共に集積化された2つのReRAM構造体ReRAM1およびReRAM2のReRAMスタックを形成する。
【0056】
次に
図15を参照すると、ReRAMコンタクト1520を形成した後の、本発明の一実施形態による半導体デバイス100の断面図が示されている。この図には示されていないが、半導体デバイス100にはさらにソース/ドレイン・コンタクトおよびゲート・コンタクトを形成することができることに留意すべきである。ReRAMコンタクト、ソース/ドレイン・コンタクトおよびゲート・コンタクトを形成するプロセスは、標準の当技術分野でよく知られているプロセスである。このプロセスは通常、ターゲット領域(すなわち金属充填材1460、ドープト・ソース108および金属ゲート材料602)まで達するトレンチ(図示せず)を形成すること、ならびにそれらのトレンチに導電性材料または導電性材料の組合せを充填することを含む。
【0057】
ソース/ドレイン・コンタクト(図示せず)は、第1のILD層804および第1のスペーサ116を貫いてドープト・ソース108まで延びることができ、トレンチ(図示せず)の中に形成される。ソース/ドレイン・コンタクトに充填する導電性材料は、導電性金属、例えばアルミニウム(Al)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、チタン(Ti)またはこれらの任意の組合せを含む。この導電性材料は、適当な付着プロセス、例えばCVD、PECVD、PVD、めっき、熱もしくは電子ビーム蒸着、またはスパッタリングによって付着させることができる。平坦化プロセス、例えばCMPを実行して、ILD層804の表面から一切の導電性材料を除去する。
【0058】
ゲート・コンタクト(図示せず)は、ILD層804の表面から金属ゲート材料602にかけて延びる。ゲート・コンタクトを形成する導電性材料は、適当な付着プロセス、例えばCVD、PECVD、PVD、めっき、熱もしくは電子ビーム蒸着、またはスパッタリングによって付着させた導電性金属、例えばアルミニウム(Al)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、チタン(Ti)またはこれらの任意の組合せとすることができる。平坦化プロセス、例えばCMPを実行して、ILD層804の表面から一切の導電性材料を除去する。
【0059】
続いて、金属充填材1460の上に、金属充填材1460とじかに接触させて、ReRAMコンタクト1520を形成することができる。ReRAMコンタクト1520は、例えばアルミニウム(Al)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、チタン(Ti)またはこれらの任意の組合せを含む、導電性金属でできたものとすることができる。
【0060】
したがって、本発明の実施形態は、第1のVFETデバイス(VFET1)の外側頂部および第2のVFETデバイス(VFET2)の外側頂部に各々が縦に集積された2つのReRAM要素(ReRAM1およびReRAM2)を含む半導体デバイスおよび該半導体デバイスを製造する方法を提供する。第1のVFETデバイスと第2のVFETデバイスが金属ゲートを共有することにより、デバイス間のピッチをかなり低減(スケーリング)することができる。提案された実施形態では、最終的な半導体デバイスの中のそれぞれのメモリ・セルが2つの抵抗変化型メモリ要素および2つのセレクタ(2T2R)を含み、ファセット形成エピタキシ・ドレイン領域に酸化物ReRAMが形成されて(三角形の)ファセット形成エピタキシ領域の先端での電場を増強することにより、さらにデバイス・フットプリントを低減することができる。それぞれの抵抗変化型メモリ要素(ReRAM1およびReRAM2)の底部電極は、それぞれの縦型電界効果トランジスタの頂部ソース/ドレイン領域の三角形の突き出た部分である。より具体的には、エピタキシャル領域410は、異なる結晶面に沿った分化成長による菱形ファセット形成効果の結果を含むことにより、エピタキシャル領域410の2つの対向する突き出た領域は<111>面を境界としている。提案された半導体デバイスはさらに、デバイス性能をさらに高める単結晶半導体材料でできたチャネル領域を含む。
【0061】
本発明のさまざまな実施形態の以上の説明は例示のために示したものであり、以上の説明が網羅的であること、または、以上の説明が、開示された実施形態だけに限定されることは意図されていない。当業者には、記載された実施形態の範囲を逸脱しない多くの改善および変形が明らかとなろう。本明細書で使用した用語は、実施形態の原理、実用的用途、もしくは市販されている技術にはない技術的改善点を最もよく説明するように、または本明細書に開示された実施形態を当業者が理解できるように選択した。
【0062】
本発明の好ましい実施形態では、半導体デバイスを形成する方法であって、基板上にドープト・ソースを形成すること;ドープト・ソース上にダミー・ゲートを形成することであり、ダミー・ゲートが、ドープト・ソース上に配置された第1のスペーサとダミー・ゲート上に配置された第2のスペーサとの間に配置される、形成すること;ダミー・ゲート、第1のスペーサおよび第2のスペーサの中に2つのトレンチを形成することであり、それぞれのトレンチがドープト・ソースを露出させる、形成すること;それぞれのトレンチの中にドープト・ソースからエピタキシャル層をエピタキシャル成長させて2つのフィンを形成することであり、それぞれのフィンが、ドープト・ソースからダミー・ゲートを貫いて延びるチャネル領域を含む、形成すること;フィンの頂部を凹ませて誘電体キャップを形成すること;フィンの一部の上にエピタキシャル領域をエピタキシャル成長させて、ダミー・ゲートよりも上であって、且つ誘電体キャップの下にソース/ドレイン領域を形成することであり、エピタキシャル領域が、水平方向にフィンを越えて延びる三角形の2つの対向する突き出た領域を含む、形成すること;ダミー・ゲートを、チャネル領域を取り囲む金属ゲート材料を含むゲート・スタックに置き換えることであり、2つのフィン間にゲート・スタックの部分が位置する、置き換えること;金属ゲート材料をエッチングしてエピタキシャル領域を露出させること;エピタキシャル領域を金属ゲート材料から分離するインターレベル誘電体層を形成すること;インターレベル誘電体層を凹ませて2つの開口を形成することであり、それぞれの開口が、エピタキシャル領域の、2つのフィン間に位置するゲート・スタックの部分とは反対側の部分を露出させる、形成すること;それぞれの開口の中に酸化物層を共形に付着させること;ならびに酸化物層の直接上に頂部電極層を形成すること、を含む方法が提供される。好ましくは、この方法がさらに、頂部電極層の上に金属充填材を付着させることを含み、酸化物層、頂部電極層および金属充填材が、エピタキシャル領域の、2つのフィン間に位置するゲート・スタックの部分とは反対側の露出部分の上に配置された抵抗変化型メモリ構造体を構成する。好ましくは、エピタキシャル領域の露出部分が、抵抗変化型メモリ構造体の底部電極として機能する。好ましくは、この方法がさらに、基板とドープト・ソースとの間にカウンタドープト層を形成することを含み、ドープト・ソースが第1のドーパントを含み、カウンタドープト層が、第1のドーパントとは異なる第2のドーパントを含む。好ましくは、この方法がさらに、ドープト・ソースと接するソース/ドレイン・コンタクトを形成することを含む。好ましくは、この方法がさらに、ゲート・スタックと接するゲート・コンタクトを形成することを含む。好ましくは、この方法がさらに、金属充填材の頂部と接する抵抗変化型メモリ・コンタクトを形成することを含む。