(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】電池パックおよびこれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20241029BHJP
H01M 50/522 20210101ALI20241029BHJP
H01M 50/526 20210101ALI20241029BHJP
H01M 50/572 20210101ALI20241029BHJP
【FI】
H01M50/204 401Z
H01M50/522
H01M50/526
H01M50/572
(21)【出願番号】P 2023504854
(86)(22)【出願日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 KR2022004762
(87)【国際公開番号】W WO2022231152
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2023-01-24
(31)【優先権主張番号】10-2021-0056634
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ドゥハン・ユン
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-506009(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0008742(KR,A)
【文献】特開平11-162449(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0007243(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0006571(KR,A)
【文献】特開2015-207552(JP,A)
【文献】特表2010-515406(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101626918(CN,A)
【文献】国際公開第2016/001418(WO,A1)
【文献】米国特許第04007315(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/204
H01M 50/522
H01M 50/526
H01M 50/572
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが装着されている電池モジュール、および
前記電池モジュールと電気的に連結されている放電部材を含み、
前記放電部材は、
上部が開放されており、冷却剤が収容されているフレーム部材、
前記フレーム部材の上部を覆う上部カバー、および
前記フレーム部材内に装着されている抵抗体を含み、
前記抵抗体の両端部が、前記放電部材の外部に露出して、前記電池モジュールと電気的に連結されて
おり、
前記抵抗体のうち、前記フレーム部材内に位置する中間部の外面は、絶縁層で形成されている、電池パック。
【請求項2】
複数の電池セルが装着されている電池モジュール、および
前記電池モジュールと電気的に連結されている放電部材を含み、
前記放電部材は、
上部が開放されており、冷却剤が収容されているフレーム部材、
前記フレーム部材の上部を覆う上部カバー、および
前記フレーム部材内に装着されている抵抗体を含み、
前記抵抗体の両端部が、前記放電部材の外部に露出して、前記電池モジュールと電気的に連結されており、
前記抵抗体は、前記フレーム部材内で少なくとも2回以上折り曲げられている
、電池パック。
【請求項3】
前記抵抗体は、バスバーおよび絶縁層を含み、
前記絶縁層は、前記バスバーの外面に形成されている、請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記抵抗体の中心部では、前記バスバーの外面に前記絶縁層が形成されており、
前記抵抗体の端部では、前記バスバーの外面が露出している電源連結部が形成されている、請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記バスバーは、3mΩ以上50mΩ以下の抵抗を有する銅(Cu)からなる、請求項3に記載の電池パック。
【請求項6】
複数の電池セルが装着されている電池モジュール、および
前記電池モジュールと電気的に連結されている放電部材を含み、
前記放電部材は、
上部が開放されており、冷却剤が収容されているフレーム部材、
前記フレーム部材の上部を覆う上部カバー、および
前記フレーム部材内に装着されている抵抗体を含み、
前記抵抗体の両端部が、前記放電部材の外部に露出して、前記電池モジュールと電気的に連結されており、
前記上部カバーは、それぞれ第1ホールおよび第2ホールが形成されており、
前記抵抗体の両端部は、それぞれ前記第1ホールおよび前記第2ホールを通過して外部に露出している
、電池パック。
【請求項7】
前記第1ホールおよび前記第2ホールは、前記上部カバーの両側にそれぞれ形成されている、請求項6に記載の電池パック。
【請求項8】
複数の電池セルが装着されている電池モジュール、および
前記電池モジュールと電気的に連結されている放電部材を含み、
前記放電部材は、
上部が開放されており、冷却剤が収容されているフレーム部材、
前記フレーム部材の上部を覆う上部カバー、および
前記フレーム部材内に装着されている抵抗体を含み、
前記抵抗体の両端部が、前記放電部材の外部に露出して、前記電池モジュールと電気的に連結されており、
前記上部カバーは、開閉可能な第3ホールが形成されている
、電池パック。
【請求項9】
前記放電部材は、前記第3ホールを通じて前記フレーム部材内に前記冷却剤が注入される、請求項8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記放電部材は、前記抵抗体が発熱して形成される水蒸気が前記第3ホールを通じて排出される、請求項9に記載の電池パック。
【請求項11】
前記冷却剤は、冷却水である、請求項9に記載の電池パック。
【請求項12】
複数の電池セルが装着されている電池モジュール、および
前記電池モジュールと電気的に連結されている放電部材を含み、
前記放電部材は、
上部が開放されており、冷却剤が収容されているフレーム部材、
前記フレーム部材の上部を覆う上部カバー、および
前記フレーム部材内に装着されている抵抗体を含み、
前記抵抗体の両端部が、前記放電部材の外部に露出して、前記電池モジュールと電気的に連結されており、
前記放電部材は、第1放電部材および第2放電部材を含み、
前記第1放電部材および前記第2放電部材は、互いに並列に連結されている
、電池パック。
【請求項13】
複数の電池セルが装着されている電池モジュール、および
前記電池モジュールと電気的に連結されている放電部材を含み、
前記放電部材は、
上部が開放されており、冷却剤が収容されているフレーム部材、
前記フレーム部材の上部を覆う上部カバー、および
前記フレーム部材内に装着されている抵抗体を含み、
前記抵抗体の両端部が、前記放電部材の外部に露出して、前記電池モジュールと電気的に連結されており、
前記放電部材は、第1放電部材および第2放電部材を含み、
前記第1放電部材および前記第2放電部材は、互いに直列に連結されている
、電池パック。
【請求項14】
請求項1
から13のいずれか一項に記載の電池パックを含むデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引用
本出願は、2021年4月30日付韓国特許出願第10-2021-0056634号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、電池パックおよびこれを含むデバイスに関し、より具体的には電池モジュールの自己発熱を防止する電池パックおよびこれを含むデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加に伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。特に、二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコン、ウェアラブルデバイスなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギー源としても大きな関心を受けている。
【0004】
小型モバイル機器にはデバイス1台当たり1個または2~4個の電池セルが使用されることに対し、自動車などのように中大型デバイスには高出力大容量が必要である。したがって、多数の電池セルを電気的に連結した中大型電池モジュールが使用される。
【0005】
中大型電池モジュールは、可能な限り小さい大きさと重量で製造されることが好ましいため、高い集積度に積層可能であり、容量に比べて重量が小さい角型電池、パウチ型電池などが中大型電池モジュールの電池セルとして主に使用されている。
【0006】
しかし、従来の技術の電池パックは、複数の電池モジュールを備え、それぞれの電池モジュールの電池セルのうちの一部で熱暴走が発生し、発火または爆発する場合、隣接した二次電池に熱または火炎が伝達されて2次爆発などが起こる場合があり、2次発火または爆発を防止するための努力が重なっている。
【0007】
そのために、電池パック内の一部の電池モジュールで発火または爆発時、隣接した電池モジュールに熱伝達される場合、熱伝達経路上にある電池モジュールの発熱を防止することができる電池パックおよびこれを含むデバイスを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は、電池モジュールの自己発熱を防止する電池パックおよびこれを含むデバイスに関する。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、前述した課題に制限されず、言及されていない課題は本明細書および添付の図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、前述した課題に制限されず、言及されていない課題は本明細書および添付の図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態による電池パックは、複数の電池セルが装着されている電池モジュール、および前記電池モジュールと電気的に連結されている放電部材を含み、前記放電部材は、上部が開放されており、冷却剤が収容されているフレーム部材、前記フレーム部材の上部を覆う上部カバー、および前記フレーム部材内に装着されている抵抗体を含み、前記抵抗体の両端部は、前記放電部材の外部に露出して、前記電池モジュールと電気的に連結されている。
【0012】
前記抵抗体は、前記フレーム部材内で少なくとも2回以上折り曲げられ得る。
【0013】
前記抵抗体は、バスバーおよび絶縁層を含み、前記絶縁層は、前記バスバーの外面に形成され得る。
【0014】
前記抵抗体の中心部では、前記バスバーの外面に絶縁層が形成されており、前記抵抗体の端部では、前記バスバーの外面が露出している電源連結部が形成され得る。
【0015】
前記バスバーは、3mΩ以上50mΩ以下の抵抗を有する銅(Cu)からなることができる。
【0016】
前記上部カバーは、それぞれ第1ホールおよび第2ホールが形成されており、前記抵抗体の両端部は、それぞれ前記第1ホールおよび前記第2ホールを通過して外部に露出しいてもよい。
【0017】
前記第1ホールおよび前記第2ホールは、前記上部カバーの両側にそれぞれ形成され得る。
【0018】
前記上部カバーは、開閉可能な第3ホールが形成され得る。
【0019】
前記放電部材は、前記第3ホールを通じて前記フレーム部材内に前記冷却剤が注入され得る。
【0020】
前記放電部材は、前記抵抗体が発熱して形成される水蒸気が前記第3ホールを通じて排出され得る。
【0021】
前記冷却剤は、冷却水であり得る。
【0022】
前記放電部材は、第1放電部材および第2放電部材を含み、前記第1放電部材および前記第2放電部材は、互いに並列に連結され得る。
【0023】
前記放電部材は、第1放電部材および第2放電部材を含み、前記第1放電部材および前記第2放電部材は、互いに直列に連結され得る。
【0024】
本発明の他の一実施形態によるデバイスは、前述した電池パックを含む。
【発明の効果】
【0025】
実施形態によれば、本発明の電池パックおよびこれを含むデバイスは、電池モジュールと電気的に連結されている放電部材を含んで、電池モジュールの自己発熱を防止することができる。
【0026】
本発明の効果は、前述した効果に制限されず、言及されていない効果は本明細書および添付した図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態による電池パックの回路を示す概略図である。
【
図2】
図1の電池パックに含まれている放電部材の分解斜視図である。
【
図4】
図2の放電部材に含まれている抵抗体を示す図面である。
【
図5】
図2の放電部材の連結方式を示す図面である。
【
図6】本発明の他の一実施形態による放電部材を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0029】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0030】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ずしも図示されたところに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0031】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0032】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0033】
図1は本発明の一実施形態による電池パックの回路を示す概略図である。
【0034】
図1を参照すれば、本実施形態による電池パックは、複数の電池セルが装着されている電池モジュール10、および電池モジュール10と電気的に連結されている放電部材100を含むことができる。
【0035】
ここで、電池モジュール10は、具体的に図示されていないが、複数の電池セル(図示せず)が予め設定された方向に沿って積層された後にモジュールフレーム(図示せず)に装着されて構成され得る。ここで、複数の電池セル(図示せず)はその種類に特別な制限がないため、パウチ型二次電池または角型二次電池であり得る。
【0036】
そのために、本実施形態において、一部の電池モジュールで発火または爆発時、隣接した電池モジュール10内の電池セル(図示せず)は、放電部材100を通じて放電されて、電池モジュール10の温度上昇を抑制することができる。
【0037】
以下、放電部材100についてより具体的に説明する。
【0038】
図2は
図1の電池パックに含まれている放電部材の分解斜視図である。
図3は
図2の放電部材の斜視図である。
【0039】
図2および
図3を参照すれば、本発明の一実施形態において、放電部材100は、上部が開放されており、冷却剤が収容されているフレーム部材150、フレーム部材150の上部を覆う上部カバー170、およびフレーム部材150内に装着されている抵抗体110を含み、抵抗体110の両端部は、放電部材100の外部に露出して、電池モジュール10と電気的に連結されている。
【0040】
ここで、フレーム部材150と上部カバー170は互いに結合され得る。一例として、フレーム部材150と上部カバー170は互いに接する面が溶接結合などの方式で互いに結合され得る。ただし、これに限定されず、フレーム部材150と上部カバー170が互いに安定的に結合して固定され得る方式であれば、本実施形態に含まれ得る。
【0041】
一例として、フレーム部材150および上部カバー170は、プラスチックまたは金属のような材質からなることができる。そのために、フレーム部材150および上部カバー170は、前述した材質からなり、電池パック内の一部の電池モジュール10で発生した発火または火炎から受ける影響を最小化することができる。
【0042】
また、上部カバー170は、それぞれ第1ホール171および第2ホール175が形成され得る。より具体的に、フレーム部材150内に装着されている抵抗体110の両端部は、それぞれ第1ホール171および第2ホール175を通過して外部に露出していてもよい。ここで、第1ホール171および第2ホール175は、抵抗体110の断面積と同一であるかまたはこれより大きい大きさを有することができる。
【0043】
一例として、第1ホール171および第2ホール175は、上部カバー170の両側にそれぞれ形成され得る。ただし、第1ホール171および第2ホール175の位置がこれに限定されるのではなく、多様な位置に第1ホール171および第2ホール175が形成され得る。
【0044】
そのために、放電部材100で、抵抗体110の両端部は第1ホール171および第2ホール175を通じてそれぞれ外部に露出しており、放電部材100は電池モジュール10と容易に電気的に連結され得る。
【0045】
また、上部カバー170は、開閉可能な第3ホール179が形成され得る。ここで、放電部材100は、第3ホール179を通じてフレーム部材150内に前記冷却剤が注入され得、放電部材100は、抵抗体110が発熱して形成される水蒸気が第3ホール179を通じて排出され得る。より具体的に、放電部材100は、第3ホール179を通じてフレーム部材150内に冷却剤を注入した後、第3ホール179が密閉され得る。一例として、前記冷却剤は、冷却水であり得る。また、放電部材100は、抵抗体110が発熱する場合、第3ホール179が開放され得る。
【0046】
言い換えると、上部カバー170の第3ホール179を通じて冷却剤が注入された後、平常時には第3ホール179が密閉され得る。しかし、フレーム部材150内の抵抗体110で抵抗発熱が発生する場合、第3ホール179が開放され得、抵抗体110の抵抗発熱により発生した水蒸気が放電部材100の外部に排出され得る。
【0047】
一例として、第3ホール179は、上部カバー170の中心部に形成され得る。言い換えると、第3ホール179は、第1ホール171と第2ホール175との間に位置することができる。ただし、第3ホール179の位置がこれに限定されるのではなく、多様な位置に第3ホール179が形成され得る。
【0048】
そのために、放電部材100で、第3ホール179は、場合により開閉され得、放電部材100の密封性を向上させると同時に安全性も向上することができるという利点がある。
【0049】
図4は
図2の放電部材に含まれている抵抗体を示す図面である。
【0050】
図4を参照すれば、抵抗体110は、バスバー111および絶縁層119を含むことができる。より具体的に、
図4(a)のように一方向に延長されているバスバー111の外面に、
図4(b)のように絶縁層119が形成され得る。
【0051】
ここで、抵抗体110の中心部はバスバー111の外面に絶縁層119が形成されており、抵抗体110の端部はバスバー111の外面が露出している電源連結部113、115が形成され得る。また、電源連結部113、115は、それぞれ電池モジュールと電気的に連結され得る。
【0052】
そのために、本実施形態において、抵抗体110の外面に形成された絶縁層119により、バスバー111とフレーム部材150内の冷却剤とが互いに直接接しないため、バスバー111と冷却剤との間の短絡現象が発生することを防止することができる。
【0053】
一例として、絶縁層119は、一般ゴム、シリコン、またはテープなどのような素材からなることができる。ただし、これに限定されるのではなく、フレーム部材150内の冷却剤と抵抗体110との間の短絡現象を防止することができる素材であれば本実施形態に含まれ得る。
【0054】
また、抵抗体110の中心部は、フレーム部材150内に位置するが、フレーム部材150内に収容されている冷却剤に沈下していてもよい。より具体的に、抵抗体110は、電源連結部113、115を除いた残りの部分がフレーム部材150内に収容されている冷却剤に沈下していてもよい。
【0055】
そのために、抵抗体110の中心部は、フレーム部材150内の冷却剤に沈下しており、抵抗体110で抵抗発熱により発生した熱が前記冷却剤により冷却され得る。つまり、抵抗体110で抵抗発熱が発生しても、前記冷却剤により抵抗体110が冷却されて、抵抗体110の通電性能および電池モジュール10の放電性能が向上することができる。
【0056】
図3および
図4を参照すれば、抵抗体110は、フレーム部材150内で少なくとも2回以上折り曲げられ得る。より具体的に、抵抗体110は、フレーム部材150の内部の大きさと対応する大きさに合うように、複数回で折り曲げられ得る。ここで、抵抗体110はS字形状に複数回で折り曲げられ得る。一例として、抵抗体110は、フレキシブルバスバー(flexible busbar)であり得る。
【0057】
そのために、本実施形態において、放電部材100は、断面積が小さい抵抗体110を含むが、相対的に長い長さの抵抗体110を含むことができるため、抵抗体110の抵抗を低めながらもコンパクトな(compact)サイズを有することができるという利点がある。
【0058】
また、抵抗体110に含まれるバスバー111は、3mΩ以上50mΩ以下の抵抗を有する銅(Cu)からなることができる。より具体的に、バスバー111は3.5mΩ以上47.5mΩ以下の抵抗を有する銅(Cu)からなることができる。一例として、バスバー111は4mΩ以上45mΩ以下の抵抗を有する銅(Cu)からなることができる。
【0059】
そのために、抵抗体110は前述した範囲の抵抗を有する銅からなるバスバー111を含んで、コンパクトな(compact)サイズを維持しながらも通電性能も十分に確保することができる。
【0060】
これとは異なり、抵抗体110が3mΩ未満の抵抗を有する銅からなるバスバー111を含む場合、抵抗値が非常に小さくて製造工程が容易でないという問題がある。また、抵抗体110が50mΩ超過の抵抗を有する銅からなるバスバー111を含む場合、放電速度が過度に遅くなることがあり、抵抗体110の大きさが相対的に大きくなることによって放電部材100の空間効率性が低下するという問題がある。
【0061】
【0062】
図5(a)を参照すれば、放電部材100は、第1放電部材および第2放電部材を含み、前記第1放電部材および前記第2放電部材は互いに並列に連結され得る。
【0063】
そのために、放電部材100は、少なくとも二つの放電部材を並列に連結することによって、それぞれの放電部材100に含まれている抵抗体110の抵抗より低い抵抗を実現することができる。
【0064】
また、
図5(b)を参照すれば、放電部材100は、第1放電部材および第2放電部材を含み、前記第1放電部材および前記第2放電部材は、互いに直列に連結され得る。
【0065】
そのために、放電部材100は少なくとも二つの放電部材を直列に連結することによって、それぞれの放電部材100に含まれている抵抗体110の抵抗より高い抵抗を実現することができる。
【0066】
以上の構成により、本実施形態において、放電部材100は、電池モジュール10の放電程度により並列または直列方式で拡張されていてもよく、放電部材100の抵抗値の構成が多様に調節可能であるという利点がある。
【0067】
図6は本発明の他の一実施形態による放電部材を示す図面である。
【0068】
図2および
図6を参照すれば、本実施形態による放電部材200は、
図2の放電部材100と同様に説明することができ、抵抗体210についてだけ追加的に説明する。ここで、
図2の抵抗体110は第1抵抗体110であり、
図6の抵抗体210は第2抵抗体210に区分して説明する。
【0069】
ここで、第2抵抗体210および第1抵抗体110にそれぞれ含まれているバスバーの断面積は同一であるが、第1抵抗体110および第2抵抗体210の長さが互いに異なり得る。一例として、第2抵抗体210と第1抵抗体110にそれぞれ含まれているバスバーの断面積は互いに同一であるが、第2抵抗体210の長さが第1抵抗体110の長さより長くてもよい。
【0070】
このように、
図2および
図6を参照すれば、抵抗体110、210は、目標抵抗値により抵抗体110、210の長さおよびこれに含まれているバスバーの断面積が調節され得る。この場合、抵抗体110、210は、フレーム部材150の内部の大きさに対応する大きさに合うように相対的に少ないかまたは多い回数で折り曲げられ得る。
【0071】
より具体的に、第1抵抗体110は同一の断面積のバスバーを含むが、抵抗体110の長さを相対的に減らして、第2抵抗体210に比べて相対的に小さい抵抗値を有することができる。この時、
図2と
図6を比較すると、第1抵抗体110は第2抵抗体210に比べて少ない回数で折り曲げられている。そのために、第1抵抗体110は相対的に低い抵抗値を有するため、放電速度が相対的に速くなり得る。
【0072】
また、第2抵抗体210は同一の断面積のバスバーを含むが、抵抗体210の長さを相対的に増やして、第1抵抗体110に比べて相対的に大きい抵抗値を有することができる。この時、
図2と
図6を比較すると、第2抵抗体210は第1抵抗体110に比べて多い回数で折り曲げられている。そのために、第2抵抗体210は相対的に高い抵抗値を有するため、放電速度が相対的に遅くなり得る。
【0073】
そのために、本実施形態において、放電部材100はバスバー111の長さを調節して、必要に応じて抵抗体110の抵抗の大きさを調節することができる。つまり、放電部材100は、抵抗体110の抵抗の大きさを比較的に容易に調節することができるため、電池の容量による放電時間および多様な環境で要求される放電部材100の放電性能を容易に調節することができるという利点がある。
【0074】
一方、本発明の他の一実施形態によるデバイスは、前述した電池パックを含むことができる。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用され得るが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールおよびこれを含む電池パックを使用することができる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0075】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0076】
10:電池モジュール
100:放電部材
110:抵抗体
150:フレーム部材
170:上部カバー