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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】導電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20241029BHJP
   H05K 3/28 20060101ALI20241029BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
H05K1/02 D
H05K1/02 B
H05K3/28 G
H05K1/18 J
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022085746
(22)【出願日】2022-05-26
(65)【公開番号】P2023173467
(43)【公開日】2023-12-07
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 秀彦
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-013767(JP,A)
【文献】特開2019-197313(JP,A)
【文献】特開2014-086246(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0289853(US,A1)
【文献】国際公開第2020/184564(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/00 - 3/46
H01M 50/20 - 50/298
H01M 50/50 - 50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板に実装されて前記フレキシブルプリント配線板の回路パターンに接続されている電子部品と、
前記電子部品を囲む枠部を有し、かつ前記枠部が前記フレキシブルプリント配線板に固定されている金属プレートと、
前記枠部で囲まれた領域に充填されて前記電子部品を覆うポッティング剤と、
を備え
前記フレキシブルプリント配線板は、互いに離間して配置された複数のパッドを有し、
前記枠部は、複数の前記パッドの間において前記枠部と前記フレキシブルプリント配線板との間に隙間が形成されるように、はんだによって複数の前記パッドに接続され、
前記回路パターンは、複数の前記パッドの間に配置されて前記枠部よりも外側の領域から前記枠部で囲まれた内側領域まで延在する回路を有し、
前記ポッティング剤は、前記回路と前記枠部との隙間に入り込んで前記回路と前記枠部との間を絶縁する
ことを特徴とする導電モジュール。
【請求項2】
前記金属プレートは、電池セルに固定される接続部を有する導電性のバスバであり、
前記接続部は、前記枠部から前記フレキシブルプリント配線板の側方に向けて突出しており、
前記枠部は、前記回路パターンに接続されている
請求項1に記載の導電モジュール。
【請求項3】
前記フレキシブルプリント配線板は、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの第一面に形成されている第一導電層と、前記第一導電層を覆う第一カバーレイと、前記ベースフィルムの第二面に形成されている第二導電層と、前記第二導電層を覆う第二カバーレイと、を有し、
前記第一面は、前記枠部と対向する面であり、前記第二面は、前記第一面とは反対側の面であり、
前記回路パターンは、第一配線部と、第二配線部と、第三配線部と、を有し、
前記第一配線部は、前記第二導電層で構成されており、かつ前記枠部よりも外側の領域から前記枠部で囲まれた内側領域まで延在しており、
前記第二配線部は、前記第一導電層で構成されており、前記内側領域に配置され、かつ前記第一配線部と前記電子部品の第一端子部とを接続しており、
前記第三配線部は、前記第一導電層で構成されており、かつ前記電子部品の第二端子部と前記枠部を接続している
請求項1または2に記載の導電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレキシブルプリント配線板を有する導電モジュールがある。特許文献1には、金属基板の表面にフレキシブル基板を介して金属体からなる各バスバを配設すると共に、各バスバにIGBTを接続し、3相インバータ回路を実装した電力回路基板を構成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-093995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フレキシブルプリント配線板に電子部品が実装される場合に、電子部品を適切に保護できることが望ましい。
【0005】
本発明の目的は、フレキシブルプリント配線板に実装された電子部品を適切に保護することができる導電モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の導電モジュールは、フレキシブルプリント配線板と、前記フレキシブルプリント配線板に実装されて前記フレキシブルプリント配線板の回路パターンに接続されている電子部品と、前記電子部品を囲む枠部を有し、かつ前記枠部が前記フレキシブルプリント配線板に固定されている金属プレートと、前記枠部で囲まれた領域に充填されて前記電子部品を覆うポッティング剤と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る導電モジュールは、電子部品を囲む枠部を有し、かつ枠部がフレキシブルプリント配線板に固定されている金属プレートと、枠部で囲まれた領域に充填されて電子部品を覆うポッティング剤と、を有する。本発明に係る導電モジュールでは、枠部がフレキシブルプリント配線板を補強して電子部品を外的ストレスから保護する。また、ポッティング剤は電子部品を覆って電子部品を保護する。よって、本発明に係る導電モジュールは、フレキシブルプリント配線板に実装された電子部品を適切に保護することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る導電モジュールの平面図である。
図2図2は、実施形態に係る導電モジュールの断面図である。
図3図3は、実施形態に係る導電モジュールの平面図である。
図4図4は、実施形態に係る導電モジュールの断面図である。
図5図5は、実施形態に係る導電モジュールの平面図である。
図6図6は、実施形態に係る導電モジュールの平面図である。
図7図7は、実施形態に係る導電モジュールの断面図である。
図8図8は、実施形態に係る導電モジュールの平面図である。
図9図9は、実施形態に係る導電モジュールの平面図である。
図10図10は、実施形態に係る導電モジュールの平面図である。
図11図11は、実施形態に係る導電モジュールの平面図である。
図12図12は、実施形態に係る導電モジュールの断面図である。
図13図13は、実施形態に係る導電モジュールの平面図である。
図14図14は、実施形態の第1変形例に係る導電モジュールの平面図である。
図15図15は、実施形態の第1変形例に係る導電モジュールの平面図である。
図16図16は、実施形態の第2変形例に係る導電モジュールの平面図である。
図17図17は、実施形態の第2変形例に係る導電モジュールの断面図である。
図18図18は、実施形態の第2変形例に係る導電モジュールの断面図である。
図19図19は、実施形態の第2変形例に係る導電モジュールの平面図である。
図20図20は、実施形態の第2変形例に係る導電モジュールの断面図である。
図21図21は、実施形態の第2変形例に係る導電モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る導電モジュールにつき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
[実施形態]
図1から図13を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、導電モジュールに関する。図1図3図5図6図8から11は、および図13は、実施形態に係る導電モジュールの平面図、図2図4図7、および図12は、実施形態に係る導電モジュールの断面図である。
【0011】
図2には、図1のII-II断面が示されている。図4には、図3のIV-IV断面が示されている。図7には、図6のVII-VII断面が示されている。図12には、図11のXII-XII断面が示されている。
【0012】
図1および図2に示すように、本実施形態の導電モジュール1は、フレキシブルプリント配線板2と、電子部品3と、金属プレート4と、ポッティング剤5と、を有する。フレキシブルプリント配線板2は、可撓性を有するプリント基板である。以下の説明では、フレキシブルプリント配線板2の長手方向を「第一方向X」と称し、幅方向を「第二方向Y」と称する。
【0013】
図2に示すように、フレキシブルプリント配線板2は、樹脂層20と、第一導電層21と、を有する。樹脂層20は、絶縁性の合成樹脂で形成されている。第一導電層21は、樹脂層20の内部に配置されている導電性の金属層であり、例えば、金属箔である。第一導電層21は、回路パターン21aを構成している。樹脂層20は、例えば、第一導電層21を挟み込むベースフィルムおよびカバーレイを有する。
【0014】
電子部品3は、フレキシブルプリント配線板2に対して実装されて回路パターン21aに接続されている。電子部品3は、第一端子部31および第二端子部32を有する部品であり、チップ部品であってもよい。第一端子部31および第二端子部32は、対応する回路パターン21aに対してはんだ6により接続されている。
【0015】
金属プレート4は、金属で形成された板状の部材である。金属プレート4は、電子部品3を囲む平板状の枠部40を有する。例示された枠部40は、矩形の枠形状を有している。枠部40は、フレキシブルプリント配線板2に対して固定される。枠部40は、例えば、樹脂層20に対して接着される。
【0016】
金属プレート4は、フレキシブルプリント配線板2を補強して電子部品3を外的ストレスから保護する。金属プレート4は、例えば、フレキシブルプリント配線板2の曲げや伸縮を規制することができる。また、金属プレート4は、電子部品3を囲んでおり、電子部品3と周囲の他部品との干渉を抑制することができる。
【0017】
ポッティング剤5は、枠部40で囲まれた領域に充填されており、電子部品3を覆っている。ポッティング剤5は、例えば、絶縁性を有する樹脂である。ポッティング剤5は、電子部品3の耐湿性や耐絶縁性を向上させることができる。
【0018】
ポッティング剤5は、例えば、枠部40の上面40uまで充填される。言い換えると、充填されたポッティング剤5の厚さt1は、枠部40の厚さt2と同等である。枠部40の厚さt2は、電子部品3を覆うポッティング剤5の厚さt11が適切な大きさとなるように定められる。
【0019】
なお、電子部品3が実装される領域では、カバーレイが取り除かれてもよい。図3および図4には、露出領域2aに実装された電子部品3が示されている。図4に示すように、樹脂層20は、ベースフィルム20aと、カバーレイ20bと、を有する。第一導電層21は、ベースフィルム20aとカバーレイ20bとによって挟まれている。電子部品3が実装される領域では、カバーレイ20bが取り除かれている。言い換えると、フレキシブルプリント配線板2において、電子部品3が実装される部分には、回路パターン21aおよびベースフィルム20aが露出した露出領域2aが設けられる。
【0020】
図3に示すように、第一導電層21は、露出領域2aに配置された二つのパッド21pを有する。電子部品3は、はんだ6により、パッド21pに対して接続される。例示された枠部40は、露出領域2aの外側に、露出領域2aを囲むように配置されている。ポッティング剤5は、枠部40で囲まれた領域に充填されており、電子部品3を覆っている。図4に示すように、ポッティング剤5は、二つのパッド21pの間に発生する空間部にも充填される。これにより、二つのパッド21pの間の絶縁性が向上する。
【0021】
図5から図7に示す導電モジュール1では、露出領域2aは、枠部40の開口と同等か、または開口以上の大きさを有する。図5に示す露出領域2aの形状は、矩形である。図5に示す露出領域2aの長さL1は、枠部40の開口長さL2(図6参照)以上である。また、露出領域2aの幅W1は、枠部40の開口幅W2(図6参照)以上である。露出領域2aには、二つのパッド21pが配置されている。
【0022】
図6には、フレキシブルプリント配線板2に対して枠部40が固定され、かつポッティング剤5が充填された状態が示されている。枠部40は、露出領域2aを囲む縁部を覆っている。ポッティング剤5は、枠部40の開口部に充填されて電子部品3を覆っている。
【0023】
図7に示すように、フレキシブルプリント配線板2は、ベースフィルム20a、第一導電層21、第二導電層22、第一カバーレイ20c、および第二カバーレイ20dを有する。第一導電層21は、ベースフィルム20aの第一面23に配置されており、第二導電層22は、ベースフィルム20aの第二面24に配置されている。第一面23は、枠部40と対向する面である。第二面24は、ベースフィルム20aにおける第一面23とは反対側の面である。第一カバーレイ20cは、第一導電層21および第一面23を覆う。第二カバーレイ20dは、第二導電層22および第二面24を覆う。
【0024】
フレキシブルプリント配線板2の回路パターン21aは、第一配線部25a、第二配線部25b、および第三配線部25cを有する。第一配線部25aは、第二導電層22で構成されており、第一方向Xに延在している。第一配線部25aは、枠部40よりも外側の領域2bから枠部40で囲まれた内側領域2cまで延在している。
【0025】
第二配線部25bは、第一導電層21で構成されており、かつ内側領域2cに配置されている。第二配線部25bは、ビアホール25dを介して第一配線部25aと接続されている。第二配線部25bは、電子部品3の第一端子部31に対応するパッド21pを有する。第一端子部31は、対応するパッド21pに対してはんだ6により接続されている。つまり、第二配線部25bは、第一配線部25aと第一端子部31とを接続する。
【0026】
第三配線部25cは、第一導電層21で構成されており、第一方向Xに沿って内側領域2cから外側の領域2dまで延在している。第三配線部25cは、電子部品3の第二端子部32に対応するパッド21pを有する。第二端子部32は、対応するパッド21pに対してはんだ6により接続されている。ポッティング剤5は、枠部40の貫通孔に充填されており、第一導電層21の露出部、および電子部品3を覆っている。よって、金属プレート4と電子部品3との間の絶縁性が確保される。
【0027】
図8および図9には、金属プレート4がはんだによって固定される導電モジュール1が示されている。図8に示すように、露出領域2aでは、第二方向Yの一端から他端まで第一カバーレイ20cが取り除かれている。露出領域2aには、二つのパッド21qが設けられている。二つのパッド21qは、第二方向Yの両端部に配置されている。パッド21qは、第一導電層21の一部であって、かつ回路パターンから独立している。
【0028】
フレキシブルプリント配線板2は、第一配線部25a、第二配線部25b、および第三配線部25cを有する。配線部25a,25b,25cの構成は、図7等に示す構成と同様である。パッド21qは、第二配線部25bおよび第三配線部25cから離間している。
【0029】
図9には、フレキシブルプリント配線板2に対して枠部40が固定され、かつポッティング剤5が充填された状態が示されている。枠部40は、はんだ41によってパッド21qに対して接続される。ポッティング剤5は、枠部40の開口部に充填されて電子部品3を覆っている。ポッティング剤5により、金属プレート4と電子部品3との間の絶縁性が確保される。
【0030】
図10から図12には、金属プレート4が第三配線部25cと接続される導電モジュール1が示されている。図10に示すように、露出領域2aは、フレキシブルプリント配線板2の先端部に配置されている。露出領域2aでは、第二方向Yの一端から他端まで第一カバーレイ20cが取り除かれている。露出領域2aには、二つのパッド21qが設けられている。二つのパッド21qは、第三配線部25cと接続されている。例示されたパッド21qは、第三配線部25cと一体である。第三配線部25cは、枠部40と対向する対向部25eを有する。対向部25eは、第二方向Yに沿って延在しており、パッド21qにつながっている。
【0031】
図11および図12には、フレキシブルプリント配線板2に対して枠部40が固定され、かつポッティング剤5が充填された状態が示されている。枠部40は、はんだ41によってパッド21qに対して接続されている。ポッティング剤5は、枠部40の貫通孔に充填されて電子部品3を覆っている。枠部40は、回路パターン21aの第三配線部25cと接続されている。枠部40は、少なくともはんだ41およびパッド21qを介して第三配線部25cと接続される。図12に示すように、第三配線部25cの対向部25eは、枠部40の底面40bと対向している。対向部25eは、底面40bと接触していてもよい。第三配線部25cは、電子部品3の第二端子部32と枠部40とを接続している。
【0032】
図13に示す導電モジュール1は、バスバモジュールとして構成されている。導電モジュール1は、電池モジュール100に配置される。電池モジュール100は、複数の電池セル110を有する。導電モジュール1は、第一方向Xを電池セル110の並び方向に一致させて電池セル110に載置される。
【0033】
図13に示す金属プレート4は、導電性の金属で形成されたバスバである。金属プレート4は、枠部40および接続部42を有する。枠部40および接続部42は、例えば、同じ母材から一体に形成されてもよく、異なる部材が接合されて形成されてもよい。接続部42の形状は、例えば、平板形状である。接続部42は、枠部40から第二方向Yに沿ってフレキシブルプリント配線板2の外側に突出している。つまり、接続部42は、枠部40からフレキシブルプリント配線板2の側方に向けて突出している。
【0034】
接続部42は、二つの電極120に対して接続される。一つの電極120は、一つの電池セル110が有する電極であり、他の一つの電極120は、他の一つの電池セル110が有する電極である。二つの電極120は、陽極と陰極の組み合わせであってもよい。
【0035】
図13に示す枠部40は、図12に示す枠部40と同様に、第三配線部25cに対して接続されている。つまり、図13の金属プレート4は、電子部品3の第二端子部32と電極120とを接続する。この場合、電子部品3の第一端子部31は、電池モジュール100の状態を監視する制御部に接続されてもよい。電子部品3は、例えば、チップヒューズである。
【0036】
図13に示す導電モジュール1では、金属プレート4が複数の機能を有する。機能の一つは、バスバとしての機能である。機能の他の一つは、フレキシブルプリント配線板2の補強部品としての機能である。機能の更に他の一つは、ポッティング剤5を収容する機能である。よって、導電モジュール1に金属プレート4とは別の補強板が用いられる場合と比べて部品数の削減が可能である。なお、導電モジュール1は、フレキシブルプリント配線板2および金属プレート4を収容するケースを有していてもよい。
【0037】
フレキシブルプリント配線板2に実装される電子部品3は、ヒューズには限定されない。電子部品3は、電池セル110の温度を検出するサーミスタであってもよい。この場合、枠部40は、電子部品3に接続されていなくてもよく、金属プレート4はバスバでなくてもよい。電子部品3は、チップ抵抗であってもよく、その他の電子部品であってもよい。
【0038】
フレキシブルプリント配線板2には、複数の電子部品3が実装されていてもよい。この場合、それぞれの電子部品3に対して異なる金属プレート4が配置されていてもよい。複数の電子部品3は、異なる部品を含んでいてもよい。例えば、複数の電子部品3の一部はチップヒューズであってもよく、複数の電子部品3の他の一部はサーミスタであってもよい。
【0039】
一つの枠部40は、複数の電子部品3を囲んでいてもよい。例えば、一つの枠部40は、チップヒューズおよびサーミスタを囲んでいてもよい。この場合、枠部40に充填されるポッティング剤5は、チップヒューズおよびサーミスタの両方を覆うことが好ましい。
【0040】
以上説明したように、本実施形態の導電モジュール1は、フレキシブルプリント配線板2と、電子部品3と、金属プレート4と、ポッティング剤5と、を有する。電子部品3は、フレキシブルプリント配線板2に実装されてフレキシブルプリント配線板2の回路パターン21aに接続されている。金属プレート4は、電子部品3を囲む枠部40を有し、枠部40がフレキシブルプリント配線板2に固定されている。ポッティング剤5は、枠部40で囲まれた領域に充填されて電子部品3を覆っている。本実施形態の導電モジュール1では、枠部40がフレキシブルプリント配線板2を補強して電子部品3を外的ストレスから保護する。また、ポッティング剤5は電子部品3を覆って電子部品3を保護する。よって、電子部品3が適切に保護される。
【0041】
本実施形態の図13に開示された金属プレート4は、電池セル110に固定される接続部42を有する導電性のバスバである。接続部42は、枠部40からフレキシブルプリント配線板2の側方に向けて突出している。枠部40は、回路パターン21aに接続されている。この構成では、バスバの一部である枠部40によって電子部品3を保護することができる。
【0042】
本実施形態の図10から図13等に開示されたフレキシブルプリント配線板2は、ベースフィルム20aと、第一導電層21と、第一カバーレイ20cと、第二導電層22と、第二カバーレイ20dと、を有する。第一導電層21は、ベースフィルム20aの第一面23に形成されており、第一カバーレイ20cによって覆われる。第二導電層22は、ベースフィルム20aの第二面24に形成されており、第二カバーレイ20dによって覆われる。第一面23は、枠部40と対向する面であり、第二面24は、第一面23とは反対側の面である。
【0043】
回路パターン21aは、第一配線部25aと、第二配線部25bと、第三配線部25cと、を有する。第一配線部25aは、第二導電層22で構成されており、かつ枠部40よりも外側の領域2bから枠部40で囲まれた内側領域2cまで延在している。第二配線部25bは、第一導電層21で構成されており、内側領域2cに配置され、かつ第一配線部25aと電子部品3の第一端子部31とを接続している。第三配線部25cは、第一導電層21で構成されており、かつ電子部品3の第二端子部32と枠部40とを接続している。回路パターン21aを第二面24の側に迂回させることで、枠部40を露出領域2aに近づけて配置することが可能である。
【0044】
[実施形態の第1変形例]
実施形態の第1変形例について説明する。図14および図15は、実施形態の第1変形例に係る導電モジュールの平面図である。実施形態の第1変形例において、上記実施形態と異なる点は、例えば、回路パターン21aが枠部40と立体交差している点である。
【0045】
図14に示す枠部40は、一組の第一延在部43、および一組の第二延在部44を有する。第一延在部43は、第一方向Xに沿って直線状に延在している。第二延在部44は、第二方向Yに沿って直線状に延在している。第二延在部44の端部は、第一延在部43の端部とつながっている。以下に説明するように、第二延在部44は、回路パターン21aと離間しており、かつ回路パターン21aと交差している。
【0046】
第一導電層21は、回路パターン21a、および一組のパッド21qを有する。二つのパッド21qは、回路パターン21aに対して第二方向Yの両側に、かつ回路パターン21aから離間して配置されている。回路パターン21aとパッド21qとの間には、カバーレイ20bが残されている。
【0047】
枠部40は、一つの第一延在部43を一つのパッド21qと対向させ、かつ他の一つの第一延在部43を他の一つのパッド21qと対向させながらフレキシブルプリント配線板2に載置される。第一延在部43は、はんだ41によってパッド21qに対して接続される。第二延在部44は、カバーレイ20bの上に載置されて回路パターン21aと立体交差している。つまり、回路パターン21aは、第二延在部44とフレキシブルプリント配線板2との間に形成される開口を通って配索される。
【0048】
枠部40で囲まれた領域には、ポッティング剤5が充填される。ポッティング剤5は、第二延在部44とフレキシブルプリント配線板2との隙間に入り込んで回路パターン21aと第二延在部44との間を絶縁することができる。
【0049】
図15に示すフレキシブルプリント配線板2は、一つの第一延在部43に対して複数のパッド21qを有している。例示された第一導電層21は、一つの第一延在部43に対して二つのパッド21qを有する。二つのパッド21qは、第一方向Xに離間して配置されている。一つの第一延在部43は、はんだ41によって二つのパッド21qにそれぞれ接続される。二つのパッド21qの間では、第一延在部43と第一導電層21との間に隙間が形成される。
【0050】
例示された回路パターン21aは、第一端子部31に接続された第一回路21b、および第二端子部32に接続された第二回路21cを有する。第一回路21bは、第二延在部44とフレキシブルプリント配線板2との間の開口部を通っている。第二回路21cは、第一延在部43とフレキシブルプリント配線板2との間の開口部を通っている。
【0051】
実施形態の第1変形例に係る導電モジュール1は、金属プレート4によって電子部品3を保護しつつ、回路パターン21aの自由度を向上させることができる。
【0052】
[実施形態の第2変形例]
実施形態の第2変形例について説明する。図16および図19は、実施形態の第2変形例に係る導電モジュールの平面図、図17図18図20、および図21は、実施形態の第2変形例に係る導電モジュールの断面図である。実施形態の第2変形例において、上記実施形態と異なる点は、例えば、ポッティング剤に代えてテープまたはカップが用いられる点である。
【0053】
図16に示すように、フレキシブルプリント配線板2は、第一導電層21によって構成された回路パターン21aを有する。フレキシブルプリント配線板2には、矩形の露出領域2aが設けられている。露出領域2aは、回路パターン21aのパッド21pを露出させている。カバーレイ20bには、テープ7が貼付されている。テープ7は、カバーレイ20bに密着しており、電子部品3および露出領域2aを覆っている。
【0054】
図17に示すように、電子部品3の第一端子部31および第二端子部32は、はんだ6によって回路パターン21aに接続されている。テープ7における第一方向Xの両端部は、カバーレイ20bに接着されている。テープ7は、絶縁性を有する防水テープである。
【0055】
図18に示すように、テープ7における第二方向Yの両端部は、カバーレイ20bに接着されている。テープ7は、テープ7とフレキシブルプリント配線板2との間に電子部品3を密封して電子部品3の耐湿性や耐絶縁性を向上させることができる。テープ7によれば、電子部品3を覆う絶縁層の厚さを保証しやすい。
【0056】
図17および図18に示すように、フレキシブルプリント配線板2に対して金属プレート4の枠部40が固定されてもよい。枠部40は、例えば、テープ7を囲むように配置される。枠部40は、枠部40とカバーレイ20bとの間にテープ7の縁を挟み込むように配置されてもよい。
【0057】
図19から図21に示すように、カップ8によって電子部品3が覆われてもよい。カップ8は、絶縁性を有する樹脂で形成された防水カップである。図19に示すように、カップ8は、露出領域2aを囲むようにフレキシブルプリント配線板2に固定される。カップ8は、カバーレイ20bに対して接着されてもよい。
【0058】
図20に示すように、カップ8における第一方向Xの両端部は、カバーレイ20bに固定されている。カップ8は、電子部品3から離間した状態で電子部品3を覆ってもよい。図21に示すように、カップ8における第二方向Yの両端部は、カバーレイ20bに固定されている。カップ8によれば、電子部品3を覆う絶縁層の厚さを保証しやすい。
【0059】
図19から図21に示すフレキシブルプリント配線板2に対して金属プレート4の枠部40が固定されてもよい。枠部40は、例えば、カップ8を囲むように配置される。枠部40は、フレキシブルプリント配線板2の曲げや伸縮を抑制し、カバーレイ20bからのカップ8の脱落を抑制することができる。
【0060】
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 導電モジュール
2:フレキシブルプリント配線板、 2a:露出領域、 2b:外側の領域
2c:内側領域、 2d:外側の領域
3:電子部品、 4:金属プレート
5:ポッティング剤、 6:はんだ、 7:テープ、 8:カップ
20:樹脂層、 20a:ベースフィルム、 20b:カバーレイ
20c:第一カバーレイ、 20d:第二カバーレイ
21:第一導電層、 21a:回路パターン、 21p,21q:パッド
22:第二導電層、 23:第一面、 24:第二面
25a:第一配線部、 25b:第二配線部、 25c:第三配線部
25d:ビアホール、 25e:対向部
31:第一端子部、 32:第二端子部
40:枠部、 40b:底面、 40u:上面、 41:はんだ
42:接続部、 43:第一延在部、 44:第二延在部
X:第一方向、 Y:第二方向
図1
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