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▶ 片岡 篤志の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】ハサミ
(51)【国際特許分類】
   B26B 13/00 20060101AFI20241029BHJP
   B26B 13/28 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
B26B13/00 A
B26B13/28 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023218692
(22)【出願日】2023-12-25
【審査請求日】2024-06-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522250264
【氏名又は名称】片岡 篤志
(74)【代理人】
【識別番号】100157428
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 聞平
(72)【発明者】
【氏名】片岡 篤志
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-075864(JP,U)
【文献】実開平04-041367(JP,U)
【文献】中国実用新案第204431293(CN,U)
【文献】特開2004-160108(JP,A)
【文献】特開2004-305690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B13/00-17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ブレード部及び第1ハンドル部を有する第1本体部と、
第2ブレード部及び第2ハンドル部を有する第2本体部とを備え、
前記第1ブレード部と前記第2ブレード部が開閉可能に構成されたハサミであって、
前記第1本体部は、前記第1ブレード部と前記第1ハンドル部の間に設けられた第1中間部を有し、
前記第1ブレード部は、第1刃先部と、前記第1刃先部から延びて一端が前記第1刃先部に支持され他端が前記第1中間部に支持された第1峰部と、該第1峰部から離間して前記第1刃先部から前記第1ハンドル部側に延びる第1刃線部とを有し、
前記第1刃線部は、両端のうち前記第1刃先部側のみが支持されている、ハサミ。
【請求項2】
前記第2本体部は、前記第2ブレード部と前記第2ハンドル部の間に設けられた第2中間部を有し、
前記第2ブレード部は、第2刃先部と、前記第2刃先部から延びて一端が前記第2刃先部に支持され他端が前記第2中間部に支持された第2峰部と、該第2峰部から離間して前記第2刃先部から前記第2ハンドル部側に延びる第2刃線部とを有し、
前記第2刃線部は、両端のうち前記第2刃先部側のみが支持されている、請求項1に記載のハサミ。
【請求項3】
前記第1刃線部の刃元側には、当該ハサミを閉じる際に、前記第1ブレード部と前記第2ブレード部とが引っ掛かることを防ぐために、前記第2ブレード部が当接すると前記第2ブレード部を前記第1ブレード部とは反対側に移動させる案内部が設けられている、請求項1又は2に記載のハサミ。
【請求項4】
前記第2本体部は、前記第2ブレード部と前記第2ハンドル部の間に設けられた第2中間部を有し、
前記第1中間部と前記第2中間部に挿通され、前記第1本体部と前記第2本体部とを回転可能に連結するピン部材と、
前記ピン部材によって前記第1中間部に取り付けられる部品であって、前記第1刃線部の刃元側と前記第1中間部との隙間を外側から覆うカバーをさらに備えている、請求項1に記載のハサミ。
【請求項5】
前記第1刃先部の外周は、全長に亘って曲線である、請求項1又は2に記載のハサミ。
【請求項6】
当該ハサミの閉状態において前記第1ブレード部と前記第2ブレード部を閉じる側に付勢する弾性変形部をさらに備えている、請求項1又は2に記載のハサミ。
【請求項7】
前記第1本体部及び第2本体部が樹脂製である、請求項1又は2に記載のハサミ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼児などに安心して使わせることができるハサミ等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々なハサミが考案されている。特許文献1には、略袋状の保護カバーが取り付けられた安全なハサミが記載されている。保護カバーは、ハサミ片の刃を覆う形で被せられている。保護カバーには、被切断物を挿入可能な隙間が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-154206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のハサミは、ハサミ本体に加え、保護カバーが必要となるため、その分だけ部品点数が増える。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、刃線を覆う保護カバーがなくても、幼児などに安心して使わせることができるハサミを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、第1ブレード部及び第1ハンドル部を有する第1本体部と、第2ブレード部及び第2ハンドル部を有する第2本体部とを備え、第1ブレード部と第2ブレード部が開閉可能に構成されたハサミであって、第1ブレード部は、第1刃先部と、第1刃先部から延びて両端が支持された第1峰部と、該第1峰部から離間して第1刃先部から第1ハンドル部側に延びる第1刃線部とを有し、第1刃線部は、両端のうち第1刃先部側のみが支持されている、ハサミである。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、第2ブレード部は、第2刃先部と、第2刃先部から延びて両端が支持された第2峰部と、該第2峰部から離間して第2刃先部から第2ハンドル部側に延びる第2刃線部とを有し、第2刃線部は、両端のうち第2刃先部側のみが支持されている。
【0008】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、第1刃線部の刃元側には、当該ハサミを閉じる際に、第1ブレード部と第2ブレード部とが引っ掛かることを防ぐために、第2ブレード部が当接すると第2ブレード部を第1ブレード部とは反対側に移動させる案内部が設けられている。
【0009】
第4の発明は、第1又は第2の発明において、第1本体部は、第1ブレード部と第1ハンドル部の間に設けられた第1中間部を有し、第2本体部は、第2ブレード部と第2ハンドル部の間に設けられた第2中間部を有し、第1中間部と第2中間部に挿通され、第1本体部と第2本体部とを回転可能に連結するピン部材と、ピン部材によって第1中間部に取り付けられる部品であって、第1刃線部の刃元側と第1中間部との隙間を外側から覆うカバーをさらに備えている。
【0010】
第5の発明は、第1又は第2の発明において、第1刃先部の外周は、全長に亘って曲線である。
【0011】
第6の発明は、第1又は第2の発明において、当該ハサミの閉状態において第1ブレード部と第2ブレード部を閉じる側に付勢する弾性変形部をさらに備えている。
【0012】
第7の発明は、第1又は第2の発明において、第1本体部及び第2本体部が樹脂製である。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、少なくとも第1ブレード部において、第1刃線部は、両端のうち第1刃先部側のみが支持された片持ち構造で、さらに第1峰部から離間して延びているため、第1刃線部は峰部側に撓みやすい。そのため、一対のブレード部によって紙のように柔らかい物を切断できるようにしつつ、一対のブレード部によって指を強い力で誤って挟んだ場合に、第1刃線部が峰部側に撓むように構成することで、指を怪我する虞が小さくなる。ここで、ハサミでは、指が当たる位置が刃元側に近づくほど、指が切れやすくなるが、第1刃線部は刃元側ほど撓みやすい。そのため、刃元側で指を怪我する虞も小さい。本発明によれば、刃線を覆う保護カバーがなくても、幼児などに安心して使わせることができるハサミを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1(a)は、実施形態に係るハサミを正面側から見た閉状態の斜視図であり、図1(b)は、ハサミを正面側から見た開状態の斜視図である。
図2図2(a)は、実施形態に係るハサミの第1本体部の正面図であり、図2(b)は、第2本体部の正面図であり、図2(c)は、カバーの正面図である。
図3図3(a)は、図1(a)のA-A断面図であり、図3(b)は、図1(a)のB-B断面図であり、図3(c)は、図1(b)のC-C断面図である。
図4図4(a)は、実施形態に係るハサミについてカバーを取り外した状態の正面図であり、図4(b)は、図4(a)に記載した破線内の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0016】
[ハサミの構成]
本実施形態は、幼児用のハサミ1である。ハサミ1は、図1(a)及び(b)に示すように、第1ブレード部11及び第1ハンドル部13を有する第1本体部10と、第2ブレード部21及び第2ハンドル部23を有する第2本体部20とを備え、第1ブレード部11と第2ブレード部21が開閉可能に構成されている。第1ハンドル部13の指穴は、第2ハンドル部23の指穴よりも小さく、親指用である。各ハンドル部13,23の指穴には、図1のハサミの裏側から指が挿入される。第1ブレード部11は動刃に相当し、第2ブレード部21は静刃に相当する。第1本体部10及び第2本体部20は硬質樹脂製である。但し、本体部10,20は硬質樹脂製に限定されない。
【0017】
第1本体部10は、第1ブレード部11と第1ハンドル部13の間に設けられた第1中間部12をさらに有する。第1本体部10では、第1ブレード部11、第1中間部12、及び、第1ハンドル部13が一体形成されている。第2本体部20は、第2ブレード部21と第2ハンドル部23の間に設けられた第2中間部22をさらに有する。第2本体部20では、第2ブレード部21、第2中間部22、及び、第2ハンドル部23が一体形成されている。ハサミ1は、第1中間部12と第2中間部22に挿通された中心ネジ5と、中心ネジ5によって中間部12,22に取り付けられた一対のカバー6とをさらに備えている。中心ネジ5は、ピン部材に相当し、第1本体部10と第2本体部20とを回転可能に連結する。
【0018】
ハサミ1が閉状態では、第1ブレード部11及び第1中間部12は、第2ブレード部21及び第2中間部22の正面側に重なる。第1ハンドル部13の外周面では、ハサミ1の厚さ方向における正面側(図1における上側)に第1中間部12が接続され、厚さ方向における背面側に第2中間部22が隙間を存して対面している。第2ハンドル部23の外周面では、ハサミ1の厚さ方向における背面側(図1における下側)に第2中間部22が接続され、厚さ方向における正面側に第1中間部12が隙間を存して対面している。
【0019】
第1ブレード部11は、図2(a)に示すように、第1刃先部31と、第1刃先部31から第1中間部12まで延びて両端が支持された第1峰部14と、第1峰部14から離間して第1刃先部31から第1中間部12側(第1ハンドル部13側)に延びる第1刃線部15とを備えている。第2ブレード部21は、図2(b)に示すように、第2刃先部32と、第2刃先部32から第2中間部22まで延びて両端が支持された第2峰部24と、第2峰部24から離間して第2刃先部32から第2中間部22側(第2ハンドル部23側)に延びる第2刃線部25とを備えている。
【0020】
第1峰部14及び第2峰部24の各々は、図2(a)及び(b)に示すように、正面視において真っすぐな棒状に形成されている。峰部14,24は、断面視において略矩形状に形成されている(図3参照)。峰部14,24は、刃先側が刃先部31,32に接続され、刃元側が中間部12,22に接続されている。
【0021】
第1刃線部15及び第2刃線部25の各々は、正面視において真っすぐな棒状に形成されている。刃線部15,25は、断面視において略矩形状に形成されている(図3参照)。刃線部15,25は、両端のうち刃先部31,32側のみが支持された片持ち構造である。刃線部15,25は、刃先側が刃先部31,32に接続され、刃元側が中間部12,22と隙間Xを存して対向している。刃線部15,25は、刃先部31,32から中間部12,22の近傍まで延びている。
【0022】
刃線部15,25は、峰部14,24に略平行に設けられている。刃線部15,25と峰部14,24との間には、刃線部15,25が峰部14,24側へ撓むことを許容するスペース16,26が形成されている。スペース16,26は、刃線部15,25の刃元側以外が、刃線部15,25、峰部14,24、刃先部31,32及び中間部12,22により囲われている。スペース16,26の幅は、例えば5mm以上にすることができる。
【0023】
第1刃先部31及び第2刃先部32の各々は、略U字状に曲がった曲線状を呈する。刃先部31,32の外周は、全長に亘って曲線である。刃先部31,32の外周では、峰部14,24側に比べて刃線部15,25側の方が、曲率が大きい。なお、先部31,32の外周形状は本実施形態に限定されない。
【0024】
図3(a)に示すように、第1刃線部15の外周面15d(第1峰部14とは反対側の側面)は、及び、第2刃線部25の外周面25d(第2峰部24とは反対側の側面)は、平坦面に形成されている。第1刃線部15の外周面15dは、第1刃線部15の正面及び背面に略垂直に延びている。第2刃線部25の外周面25dは、第2刃線部25の正面及び背面に略垂直に延びている。
【0025】
ここで、刃線部15,25は、片持ち構造であるため、第1刃線部15が第2刃線部25側に撓んだり、第2刃線部25が第1刃線部15側に撓んだりすると、ハサミ1を閉じる際に、第1刃線部15の外周面15dと第2刃線部25の外周面25dとが引っ掛かる虞がある。そのような状態になると、ハサミ1をスムーズに閉じることができなくなる。本実施形態では、そのような状態になることを防ぐために、図2(a)及び(b)に示すように、刃線部15,25の外周面15d,25dの刃元側には、峰部14,24とは反対側に突出する第1案内用突起17及び第2案内用突起27がそれぞれ設けられている。案内用突起17,27は案内部に相当する。
【0026】
第1案内用突起17は、図3(b)に示すように、先端に近づくに従って第1刃線部15の背面から正面側に近づくように傾斜した第1斜面17aを有する。第2案内用突起27は、先端に近づくに従って第2刃線部25の正面から背面側に近づくように傾斜した第2斜面27aを有する。案内用突起17,27は、断面視において略三角形状を呈する。本実施形態では、図3(c)に示すように、ハサミ1を閉じる際に、第1刃線部15が第2案内用突起27に当接すると、第2案内用突起27は、第1刃線部15を正面側に押して移動させ、第2刃線部25が第1案内用突起17に当接すると、第1案内用突起17は、第2刃線部25を背面側に押して移動させる。そのため、第1刃線部15と第2刃線部25とが引っ掛かることを回避することができる。
【0027】
中間部12,22は、正面視で略円形に形成されている(図2(a)及び(b)参照)。中間部12,22の中心部には、中心ネジ5が挿通されるネジ穴33,34が形成されている。第1中間部12には、図4(a)及び図4(b)に示すように、コイルバネ30が収容されるバネ収容室35が形成されている。コイルバネ30は、弾性変形部に相当する。弾性変形部としては他のバネ(板バネなど)を用いてもよいし、コイルバネ30を省略したハサミ1としてもよい。なお、図4(a)ではコイルバネ30の記載を省略している。
【0028】
バネ収容室35は、ネジ穴33を中心とする円弧状の貫通孔により構成されている。バネ収容室35の内周側は、外側からコイルバネ30を入れ込みやすくするために直線部35aを設けて拡幅されている。第2中間部22には、ハサミ1の閉状態においてバネ収容室35に重なる領域に、ネジ穴34を中心とする円弧状の貫通孔36が形成されている(図2(b)参照)。貫通孔36の周長はバネ収容室35よりも短く、貫通孔36の峰側の縁部にはバネ収容室35に挿入される突起37が形成されている。突起37は、コイルバネ30に引っ掛かるだけの突出長を有する。
【0029】
ハサミ1が閉じた状態では、突起37が、バネ収容室35内に挿入された状態となる。この状態から、ハサミ1を開こうとすると、突起37は、第1ブレード部11の刃側から峰側に向かってバネ収容室35を移動しようとし、その移動に伴ってコイルバネ30を縮める。コイルバネ30は、ハサミ1の閉状態において第1ブレード部11と第2ブレード部21を閉じる側に付勢する。そのため、ハサミ1が放置されている場合など誰にも使用されていない場合は、ハサミ1は閉状態となる。またコイルバネ30及び突起37があることで、ハサミ1が開く角度が規制されている。
【0030】
第1ハンドル部13及び第2ハンドル部23の各々は、指穴が形成されることで輪状を呈する。ハンドル部13,23は、正面視において、ハサミ1が閉状態で互いに近接する内側部13a,23aと、内側部13a,23aの一端側から他端側まで延びる外側部13b,23bとを備えている。内側部13a,23aの正面側には、内側部13a,23aの間に指が挟まれる指詰めを抑制するために、正面側に突出する板状突起19,29が設けられている(図2(b)参照)。また第1内側部13a及び第2内側部23aが互いに対面する各側面には、ヒットポイントがそれぞれ設けられている。
【0031】
一対のカバー6は、ピン部材5によって中間部12,22に取り付けられた部品である。一対のカバー6は、第1中間部12の正面側に取り付けられる第1カバー6と、第2中間部22の背面側に取り付けられる第2カバー6により構成されている。各カバー6には、中心ネジ5が挿通されるネジ穴33,34が形成されている。各カバー6は、正面視において、外周形状が略円弧状の円弧部6aと、円弧部6aから側方に延び出た延出部6bとを備えている(図2(c)参照)。延出部6bは、刃線部15,25の刃元側と中間部12,22との隙間Xを外側から覆う。また各カバー6の裏面には、各中間部12,22の穴38,39に嵌り込む突起6cが形成されている。突起6c及び穴38,39は、カバー6の回り止めとして機能する。
【0032】
[実施形態の効果等]
本実施形態では、第1ブレード部11及び第2ブレード部21の各々において、刃線部15,25は、両端のうち刃先部31,32側のみが支持された片持ち構造で、さらに峰部14,24から離間して延びているため、刃線部15,25は峰部14,24側に撓みやすい。そして、一対のブレード部11,21によって紙のように柔らかい物を切断できるようにしつつ、一対のブレード部11,21によって指を強い力で誤って挟んだ場合に、刃線部15,25がバネのように峰部14,24側に撓むため、刃線部15,25同士の角度が0度に近づくと共に、刃線部15,25の撓みにより指に力が伝わりにくく、指を怪我する虞が小さくなる。この効果は、刃線部15,25のうち、撓みやすい刃元側ほど得られる。本実施形態では、通常のハサミであるなら怪我をしやすい刃元側で指を怪我する虞も小さい。特に一対のブレード部11,21は硬質樹脂製であるため、怪我の虞は極めて小さい。本実施形態によれば、幼児などに安心して使わせることができるハサミ1を実現することができる。また、幼児が使用する際に、充電ケーブルやカーテンなどを切断されることも避けることができる。
【0033】
また、本実施形態では、刃線部15,25の刃元側と中間部12,22との隙間Xが、外側からカバー6により覆われているため、刃線部15,25の刃元側に、物が引っ掛かって刃線部15,25が曲がって壊れることを避けることができる。
【0034】
また、本実施形態では、コイルバネ30によって、ハサミ1の閉状態において第1ブレード部11と第2ブレード部21が、閉じる側に強く付勢されているため、幼児が正しい持ち方でハサミ1を操作しなければ、ブレード部11,21を開くことができないため、幼児がハサミの正しい持ち方を覚えやすい。また、ハサミ1が開状態で放置されることもない。
【0035】
[その他の実施形態]
上述の実施形態では、第1ブレード部11と第2ブレード部21の両方が片持ち構造であったが、片方だけを片持ち構造としてもよい。
【0036】
上述の実施形態では、第1ハンドル部13及び第2ハンドル部23に指穴が形成されているが、指穴が形成されていなくてもよい。
【0037】
上述の実施形態において、カバー6を省略してもよいし、カバー6が、上述の隙間Xを覆うものでなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、幼児などに安心して使わせることができるハサミに適用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 ハサミ
10 第1本体部
11 第1ブレード部
12 第1中間部
13 第1ハンドル部
14 第1峰部
15 第1刃線部
20 第2本体部
21 第2ブレード部
22 第2中間部
23 第2ハンドル部
24 第2峰部
25 第2刃線部
31 第1刃先部
32 第2刃先部
【要約】
【課題】刃線を覆う保護カバーがなくても、幼児などに安心して使わせることができるハサミを実現する。
【解決手段】ハサミ1は、第1ブレード部11及び第1ハンドル部13を有する第1本体部10と、第2ブレード部21及び第2ハンドル部23を有する第2本体部20とを備え、第1ブレード部11と第2ブレード部21が開閉可能に構成されている。第1ブレード部11は、第1刃先部31と、第1刃先部31から延びて両端が支持された第1峰部14と、第1峰部14から離間して第1刃先部31から第1ブレード部11側に延びる第1刃線部15とを有し、第1刃線部15は、両端のうち第1刃先部31側のみが支持されている。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4