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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】充電制御システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/35 20060101AFI20241029BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
H02J7/35 K
H02J3/38 130
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024010424
(22)【出願日】2024-01-26
【審査請求日】2024-01-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】723017875
【氏名又は名称】仲間 千織
(72)【発明者】
【氏名】仲間 哲博
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-139473(JP,A)
【文献】特開2014-217177(JP,A)
【文献】特開2015-056983(JP,A)
【文献】特開2022-148881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02J 3/00 - 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池が接続されるパワーコンディショナと、
前記パワーコンディショナに接続される分電盤と、
前記パワーコンディショナから前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する太陽光側電流センサと、
電力系統と、
前記電力系統に接続される需要家構内の前記分電盤と、
前記電力系統から前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する系統側電流センサと、
前記分電盤と蓄電池の間に接続されるリレー装置と、
前記リレー装置から前記蓄電池に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する蓄電池側電流センサと、
前記各センサに接続され、前記各センサによって計測された電流値を取得し、取得した電流値をA/D変換機能によりデジタル値に変換して逆潮流量、充電量を計算し、前記蓄電池への充電判定を行い、前記リレー装置に充電指令を行う制御装置と、
からなり、
前記リレー装置が前記制御装置と前記蓄電池のそれぞれに接続され、前記制御装置からの充電指令を受けて、前記蓄電池への充電を行う構成の充電制御システムにおいて、
当該制御装置が、
前記蓄電池への充電判定に際して、
前記電力系統と前記分電盤の間の電力線の線間電圧の代替となる、前記太陽光側電流センサが計測した電流値と前記系統側電流センサが計測した電流値とから、所定周期のサンプリング数と、位相差が発生しているサンプリング数との割合から位相差を算出し、
当該位相差の余弦によって、前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の力率(Fpu、Fpw)を算出する手段と、
前記系統側電流センサが計測した電流値から、前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の電流実効値(Iru、Irw)を算出する手段と、
からなる算出手段を採ることによって、Iru × Fpu + Irw × Fpwによって逆潮流量を計算する、
ことを特徴とする充電制御システム。
【請求項2】
太陽電池が接続されるパワーコンディショナと、
前記パワーコンディショナに接続される分電盤と、
前記パワーコンディショナから前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する太陽光側電流センサと、
電力系統と、
前記電力系統に接続される需要家構内の前記分電盤と、
前記電力系統から前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する系統側電流センサと、
前記分電盤と蓄電池の間に接続されるリレー装置と、
前記リレー装置から前記蓄電池に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する蓄電池側電流センサと、
前記各センサに接続され、前記各センサによって計測された電流値を取得し、取得した電流値をA/D変換機能によりデジタル値に変換して逆潮流量、充電量を計算し、前記蓄電池への充電判定を行い、前記リレー装置に充電指令を行う制御装置と、
からなり、
前記リレー装置が前記制御装置と前記蓄電池のそれぞれに接続され、前記制御装置からの充電指令を受けて、前記蓄電池への充電を行う構成の充電制御方法において、
前記蓄電池への充電判定に際して、
前記電力系統と前記分電盤の間の電力線の線間電圧の代替となる、前記太陽光側電流センサが計測した電流値と前記系統側電流センサが計測した電流値とから、所定周期のサンプリング数と、位相差が発生しているサンプリング数との割合から位相差を算出し、
当該位相差の余弦によって、前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の力率(Fpu、Fpw)を算出する手段と、
前記系統側電流センサが計測した電流値から、前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の電流実効値(Iru、Irw)を算出する手段と、
からなる算出手段を採ることによって、Iru × Fpu + Irw × Fpwによって逆潮流量を計算する、
ことを特徴とする充電制御方法。
【請求項3】
太陽電池が接続されるパワーコンディショナと、
前記パワーコンディショナに接続される分電盤と、
前記パワーコンディショナから前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する太陽光側電流センサと、
電力系統と、
前記電力系統に接続される需要家構内の前記分電盤と、
前記電力系統から前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する系統側電流センサと、
前記分電盤と蓄電池の間に接続されるリレー装置と、
前記リレー装置から前記蓄電池に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する蓄電池側電流センサと、
前記各センサに接続され、前記各センサによって計測された電流値を取得し、取得した電流値をA/D変換機能によりデジタル値に変換して逆潮流量、充電量を計算し、前記蓄電池への充電判定を行い、前記リレー装置に充電指令を行う制御装置と、
からなり、
前記リレー装置が前記制御装置と前記蓄電池のそれぞれに接続され、前記制御装置からの充電指令を受けて、前記蓄電池への充電を行う構成の充電制御プログラムにおいて、
前記蓄電池への充電判定に際して逆潮流量を計算する当該制御装置に、
前記電力系統と前記分電盤の間の電力線の線間電圧の代替となる、前記太陽光側電流センサが計測した電流値と前記系統側電流センサが計測した電流値とから、所定周期のサンプリング数と、位相差が発生しているサンプリング数との割合から位相差を算出し、
当該位相差の余弦によって、前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の力率(Fpu、Fpw)を算出する手段と、
前記系統側電流センサが計測した電流値から、前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の電流実効値(Iru、Irw)を算出する手段と、
からなる算出手段を採ることによって、Iru × Fpu + Irw × Fpwによって逆潮流量を計算する、
ことを特徴とする充電制御プログラム。
【請求項4】
太陽電池が接続されるパワーコンディショナと、
前記パワーコンディショナに接続される分電盤と、
前記パワーコンディショナから前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する太陽光側電流センサと、
電力系統と、
前記電力系統に接続される需要家構内の前記分電盤と、
前記電力系統から前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する系統側電流センサと、
前記分電盤と蓄電池の間に接続されるリレー装置と、
前記リレー装置から前記蓄電池に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する蓄電池側電流センサと、
前記各センサに接続され、前記各センサによって計測された電流値を取得し、取得した電流値をA/D変換機能によりデジタル値に変換して逆潮流量、充電量を計算し、前記蓄電池への充電判定を行い、前記リレー装置に充電指令を行う制御装置と、
からなり、
前記リレー装置が前記制御装置と前記蓄電池のそれぞれに接続され、前記制御装置からの充電指令を受けて、前記蓄電池への充電を行う構成の充電制御システムにおいて、
当該制御装置が、
前記蓄電池への充電判定に際して、
前記電力系統と前記分電盤の間の電力線の線間電圧の代替となる、前記太陽光側電流センサが計測した電流値と前記系統側電流センサが計測した電流値とから、所定周期のサンプリング数と、位相差が発生しているサンプリング数との割合から位相差を算出し、
当該位相差の余弦によって、前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の力率(Fpu、Fpw)を算出する手段と、
前記系統側電流センサが計測した電流値の各瞬時値の2乗の2倍の平均の平方根により前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の電流実効値(Iru、Irw)を算出する手段と、
からなる算出手段を採ることによって、Iru × Fpu + Irw × Fpwによって逆潮流量を計算する、
ことを特徴とする充電制御システム。
【請求項5】
太陽電池が接続されるパワーコンディショナと、
前記パワーコンディショナに接続される分電盤と、
前記パワーコンディショナから前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する太陽光側電流センサと、
電力系統と、
前記電力系統に接続される需要家構内の前記分電盤と、
前記電力系統から前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する系統側電流センサと、
前記分電盤と蓄電池の間に接続されるリレー装置と、
前記リレー装置から前記蓄電池に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する蓄電池側電流センサと、
前記各センサに接続され、前記各センサによって計測された電流値を取得し、取得した電流値をA/D変換機能によりデジタル値に変換して逆潮流量、充電量を計算し、前記蓄電池への充電判定を行い、前記リレー装置に充電指令を行う制御装置と、
からなり、
前記リレー装置が前記制御装置と前記蓄電池のそれぞれに接続され、前記制御装置からの充電指令を受けて、前記蓄電池への充電を行う構成の充電制御方法において、
前記蓄電池への充電判定に際して、
前記電力系統と前記分電盤の間の電力線の線間電圧の代替となる、前記太陽光側電流センサが計測した電流値と前記系統側電流センサが計測した電流値とから、所定周期のサンプリング数と、位相差が発生しているサンプリング数との割合から位相差を算出し、
当該位相差の余弦によって、前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の力率(Fpu、Fpw)を算出する手段と、
前記系統側電流センサが計測した電流値の各瞬時値の2乗の2倍の平均の平方根により前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の電流実効値(Iru、Irw)を算出する手段と、
からなる算出手段を採ることによって、Iru × Fpu + Irw × Fpwによって逆潮流量を計算する、
ことを特徴とする充電制御方法。
【請求項6】
太陽電池が接続されるパワーコンディショナと、
前記パワーコンディショナに接続される分電盤と、
前記パワーコンディショナから前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する太陽光側電流センサと、
電力系統と、
前記電力系統に接続される需要家構内の前記分電盤と、
前記電力系統から前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する系統側電流センサと、
前記分電盤と蓄電池の間に接続されるリレー装置と、
前記リレー装置から前記蓄電池に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する蓄電池側電流センサと、
前記各センサに接続され、前記各センサによって計測された電流値を取得し、取得した電流値をA/D変換機能によりデジタル値に変換して逆潮流量、充電量を計算し、前記蓄電池への充電判定を行い、前記リレー装置に充電指令を行う制御装置と、
からなり、
前記リレー装置が前記制御装置と前記蓄電池のそれぞれに接続され、前記制御装置からの充電指令を受けて、前記蓄電池への充電を行う構成の充電制御プログラムにおいて、
前記蓄電池への充電判定に際して逆潮流量を計算する当該制御装置に、
前記電力系統と前記分電盤の間の電力線の線間電圧の代替となる、前記太陽光側電流センサが計測した電流値と前記系統側電流センサが計測した電流値とから、所定周期のサンプリング数と、位相差が発生しているサンプリング数との割合から位相差を算出し、
当該位相差の余弦によって、前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の力率(Fpu、Fpw)を算出する手段と、
前記系統側電流センサが計測した電流値の各瞬時値の2乗の2倍の平均の平方根により前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の電流実効値(Iru、Irw)を算出する手段と、
からなる算出手段を採ることによって、Iru × Fpu + Irw × Fpwによって逆潮流量を計算する、
ことを特徴とする充電制御プログラム。
【請求項7】
太陽電池が接続されるパワーコンディショナと、
前記パワーコンディショナに接続される分電盤と、
前記パワーコンディショナから前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の
電圧線Uの電流値を計測する太陽光側電流センサU及び電圧線Wの電流値を計測する太陽光側電流センサWと、
電力系統と、
前記電力系統に接続される需要家構内の前記分電盤と、
前記電力系統から前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の
電圧線Uの電流値を計測する系統側電流センサU及び電圧線Wの電流値を計測する系統側電流センサWと、
前記分電盤と蓄電池の間に接続されるリレー装置と、
前記リレー装置から前記蓄電池に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する蓄電池側電流センサと、
前記各センサに接続され、前記各センサによって計測された電流値を取得し、取得した電流値をA/D変換機能によりデジタル値に変換して逆潮流量、充電量を計算し、前記蓄電池への充電判定を行い、前記リレー装置に充電指令を行う制御装置と、
からなり、
前記リレー装置が前記制御装置と前記蓄電池のそれぞれに接続され、前記制御装置からの充電指令を受けて、前記蓄電池への充電を行う構成の充電制御システムにおいて、
当該制御装置が、
前記太陽光側電流センサU及び前記太陽光側電流センサWが計測した電流値を、アナログ値からデジタル値(Isu、Isw)に変換して取り込む処理1と、
前記系統側電流センサU及び前記系統側電流センサWが計測した電流値を、アナログ値からデジタル値(Ipu、Ipw)に変換して取り込む処理2と、
Isu、Isw、Ipu、Ipwの所定周期中の全サンプリングを保管する処理3と、
保管した全サンプリングから、電流値のみ(IsuとIpu、IswとIpw)で位相差が発生しているサンプリング数(Cpu、Cpw)をカウントする処理4と、
各電流値(Isu、Isw、Ipu、Ipw)の各所定周期のサンプリング数(Cnt)をカウントする処理5と、
電流値のサンプリングが所定周期を超えたか判断し、処理6か処理1に分岐させる判断1と、
所定周期のサンプリング数(Cnt)と位相差が発生しているサンプリング数(Cpu、Cpw)の割合から位相差を算出し、前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の力率(Fpu、Fpw)の計算を行う処理6と、
Ipu、Ipwの各瞬時値の2乗の2倍の平均の平方根により前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の電流実効値(Iru、Irw)を計算する処理7と、
前記電流実効値(Iru、Irw)と前記力率(Fpu、Fpw)により、
Iru × Fpu + Irw × Fpwによって逆潮流量を計算する処理8と、
前記蓄電池側電流センサが計測した電流値(アナログ値)を、デジタル値(Ic)に変換して取り込み、Icの瞬時値の2乗の2倍の平均の平方根により前記リレー装置から前記蓄電池への電力線の電流実効値(Irc)を求め、充電量を計算する処理9と、
前記逆潮流量と前記充電量を比較し、充電判定(ON/OFFの決定)する判断2と、
判断2の充電判定の条件が満たされた場合、前記リレー装置をONにして前記分電盤前記蓄電池を接続し、前記蓄電池を充電する処理10と、
を実行することを特徴とする充電制御システム。
【請求項8】
太陽電池が接続されるパワーコンディショナと、
前記パワーコンディショナに接続される分電盤と、
前記パワーコンディショナから前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の
電圧線Uの電流値を計測する太陽光側電流センサU及び電圧線Wの電流値を計測する太陽光側電流センサWと、
電力系統と、
前記電力系統に接続される需要家構内の前記分電盤と、
前記電力系統から前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の
電圧線Uの電流値を計測する系統側電流センサU及び電圧線Wの電流値を計測する系統側電流センサWと、
前記分電盤と蓄電池の間に接続されるリレー装置と、
前記リレー装置から前記蓄電池に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する蓄電池側電流センサと、
前記各センサに接続され、前記各センサによって計測された電流値を取得し、取得した電流値をA/D変換機能によりデジタル値に変換して逆潮流量、充電量を計算し、前記蓄電池への充電判定を行い、前記リレー装置に充電指令を行う制御装置と、
からなり、
前記リレー装置が前記制御装置と前記蓄電池のそれぞれに接続され、前記制御装置からの充電指令を受けて、前記蓄電池への充電を行う構成の充電制御方法において、
当該制御装置が、
前記太陽光側電流センサU及び前記太陽光側電流センサWが計測した電流値を、アナログ値からデジタル値(Isu、Isw)に変換して取り込む処理1と、
前記系統側電流センサU及び前記系統側電流センサWが計測した電流値を、アナログ値からデジタル値(Ipu、Ipw)に変換して取り込む処理2と、
Isu、Isw、Ipu、Ipwの所定周期中の全サンプリングを保管する処理3と、
保管した全サンプリングから、電流値のみ(IsuとIpu、IswとIpw)で位相差が発生しているサンプリング数(Cpu、Cpw)をカウントする処理4と、
各電流値(Isu、Isw、Ipu、Ipw)の各所定周期のサンプリング数(Cnt)をカウントする処理5と、
電流値のサンプリングが所定周期を超えたか判断し、処理6か処理1に分岐させる判断1と、
所定周期のサンプリング数(Cnt)と位相差が発生しているサンプリング数(Cpu、Cpw)の割合から位相差を算出し、前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の力率(Fpu、Fpw)の計算を行う処理6と、
Ipu、Ipwの各瞬時値の2乗の2倍の平均の平方根により前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の電流実効値(Iru、Irw)を計算する処理7と、
前記電流実効値(Iru、Irw)と前記力率(Fpu、Fpw)により、
Iru × Fpu + Irw × Fpwによって逆潮流量を計算する処理8と、
前記蓄電池側電流センサが計測した電流値(アナログ値)を、デジタル値(Ic)に変換して取り込み、Icの瞬時値の2乗の2倍の平均の平方根により前記リレー装置から前記蓄電池への電力線の電流実効値(Irc)を求め、充電量を計算する処理9と、
前記逆潮流量と前記充電量を比較し、充電判定(ON/OFFの決定)する判断2と、
判断2の充電判定の条件が満たされた場合、前記リレー装置をONにして前記分電盤前記蓄電池を接続し、前記蓄電池を充電する処理10と、
を実行することで蓄電池の充電を制御することを特徴とする充電制御方法。
【請求項9】
太陽電池が接続されるパワーコンディショナと、
前記パワーコンディショナに接続される分電盤と、
前記パワーコンディショナから前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の
電圧線Uの電流値を計測する太陽光側電流センサU及び電圧線Wの電流値を計測する太陽光側電流センサWと、
電力系統と、
前記電力系統に接続される需要家構内の前記分電盤と、
前記電力系統から前記分電盤に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の
電圧線Uの電流値を計測する系統側電流センサU及び電圧線Wの電流値を計測する系統側電流センサWと、
前記分電盤と蓄電池の間に接続されるリレー装置と、
前記リレー装置から前記蓄電池に接続される電力線に取り付けられ、当該電力線の電流値を計測する蓄電池側電流センサと、
前記各センサに接続され、前記各センサによって計測された電流値を取得し、取得した電流値をA/D変換機能によりデジタル値に変換して逆潮流量、充電量を計算し、前記蓄電池への充電判定を行い、前記リレー装置に充電指令を行う制御装置と、
からなり、
前記リレー装置が前記制御装置と前記蓄電池のそれぞれに接続され、前記制御装置からの充電指令を受けて、前記蓄電池への充電を行う構成の充電制御プログラムにおいて、
前記蓄電池への充電判定に際して逆潮流量を計算する当該制御装置に、
前記太陽光側電流センサU及び前記太陽光側電流センサWが計測した電流値を、アナログ値からデジタル値(Isu、Isw)に変換して取り込む処理1と、
前記系統側電流センサU及び前記系統側電流センサWが計測した電流値を、アナログ値からデジタル値(Ipu、Ipw)に変換して取り込む処理2と、
Isu、Isw、Ipu、Ipwの所定周期中の全サンプリングを保管する処理3と、
保管した全サンプリングから、電流値のみ(IsuとIpu、IswとIpw)で位相差が発生しているサンプリング数(Cpu、Cpw)をカウントする処理4と、
各電流値(Isu、Isw、Ipu、Ipw)の各所定周期のサンプリング数(Cnt)をカウントする処理5と、
電流値のサンプリングが所定周期を超えたか判断し、処理6か処理1に分岐させる判断1と、
所定周期のサンプリング数(Cnt)と位相差が発生しているサンプリング数(Cpu、Cpw)の割合から位相差を算出し、前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の力率(Fpu、Fpw)の計算を行う処理6と、
Ipu、Ipwの各瞬時値の2乗の2倍の平均の平方根により前記電力系統から前記分電盤への電力線の電圧線の電流実効値(Iru、Irw)を計算する処理7と、
前記電流実効値(Iru、Irw)と前記力率(Fpu、Fpw)により、
Iru × Fpu + Irw × Fpwによって逆潮流量を計算する処理8と、
前記蓄電池側電流センサが計測した電流値(アナログ値)を、デジタル値(Ic)に変換して取り込み、Icの瞬時値の2乗の2倍の平均の平方根により前記リレー装置から前記蓄電池への電力線の電流実効値(Irc)を求め、充電量を計算する処理9と、
前記逆潮流量と前記充電量を比較し、充電判定(ON/OFFの決定)する判断2と、
判断2の充電判定の条件が満たされた場合、前記リレー装置をONにして前記分電盤前記蓄電池を接続し、前記蓄電池を充電する処理10と、
を実行させることを特徴とする充電制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流計のみによる逆潮流検出、充電量検出の機能を備えた充電制御システム、充電制御方法及び充電制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、逆潮流を検出するために設けられる逆潮流センサが、単相三線式の電力系統に対して、2本の電圧線の交流電流をそれぞれ検出する2個の電流計(電流センサ)と、それぞれの電圧線と中性線との間の交流電圧を検出する2個の電圧計とを備える電力監視システムが開示されている。
逆潮流センサは演算部を備え、演算部は、電圧計が検出した交流電圧と電流計が検出した交流電流との位相差に基づいて有効電力を算出し、有効電力の値に基づいて逆潮流が生じているか否かを判断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-74637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで近年、太陽光発電システムに蓄電システムを連携させたシステムが実用化されている。
しかしながら、そのようなシステムは施工性、費用面など一般家庭にとっては手が出がたいのも事実である。
また、卒FIT問題(固定価格買取制度の終了)、電気料金の高騰、カーボンニュートラルへの関心の高まりなどにより、太陽光で発電した電力を汎用蓄電池に充電し自家消費するニーズが高まっている。
【0005】
本発明は、こうした状況に鑑みなされたものであり、電流計のみによる逆潮流検出、充電量検出機能を備えた充電制御システム、充電制御方法及び充電制御プログラムを安価に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる充電制御システムは、
パワーコンディショナから分電盤に接続される電力線の、
電圧線Uの電流値を計測する太陽光側電流センサU及び電圧線Wの電流値を計測する太陽光側電流センサWと、
電力系統から需要家構内の分電盤に接続される電力線の、
電圧線Uの電流値を計測する系統側電流センサU及び電圧線Wの電流値を計測する系統側電流センサWと、
リレー装置から蓄電池に接続される電力線の電流値を計測する蓄電池側電流センサと、
前記各センサによって計測された電流値を取得し、取得した電流値をA/D変換機能によりデジタル値に変換して逆潮流量、充電量を計算し、蓄電池への充電判定を行い、リレー装置に充電指令を行う制御装置と、
制御装置からの充電指令を受けて、蓄電池への充電のON/OFFを行うリレー装置と、
で構成され、
当該制御装置が、
太陽光側電流センサU及び太陽光側電流センサWが計測した電流値を、アナログ値からデジタル値(Isu、Isw)に変換して取り込む処理1と、
系統側電流センサU及び系統側電流センサWが計測した電流値を、アナログ値からデジタル値(Ipu、Ipw)に変換して取り込む処理2と、
Isu、Isw、Ipu、Ipwの所定周期中の全サンプリングを保管する処理3と、
保管した全サンプリングから、電流値のみ(IsuとIpu、IswとIpw)で位相差が発生しているサンプリング数(Cpu、Cpw)をカウントする処理4と、
各電流値(Isu、Isw、Ipu、Ipw)の各所定周期のサンプリング数(Cnt)をカウントする処理5と、
電流値のサンプリングが所定周期を超えたか判断し、処理6か処理1に分岐させる判断1と、
所定周期のサンプリング数(Cnt)と位相差が発生しているサンプリング数(Cpu、Cpw)の割合から位相差を算出し、電力系統から分電盤への電力線の電圧線の力率(Fpu、Fpw)の計算を行う処理6と、
Ipu、Ipwの各瞬時値の2乗の2倍の平均の平方根により電力線の電圧線の電流実効値(Iru、Irw)を計算する処理7と、
電流実効値(Iru、Irw)と力率(Fpu、Fpw)により、逆潮流量を計算する処理8と、
蓄電池側電流センサが計測した電流値(アナログ値)を、デジタル値(Ic)に変換して取り込み、Icの瞬時値の2乗の2倍の平均の平方根により電力線の電流実効値(Irc)を求め、充電量を計算する処理9と、
逆潮流量と充電量を比較し、充電判定(ON/OFFの決定)する判断2と、
判断2の充電判定の条件が満たされた場合、リレー装置をONにしてコンセントと蓄電池を接続し、蓄電池を充電する処理10と、
を実行することを特徴とする。
【0007】
本発明にかかる充電制御方法は、
パワーコンディショナから分電盤に接続される電力線の、
電圧線Uの電流値を計測する太陽光側電流センサU及び電圧線Wの電流値を計測する太陽光側電流センサWと、
電力系統から需要家構内の分電盤に接続される電力線の、
電圧線Uの電流値を計測する系統側電流センサU及び電圧線Wの電流値を計測する系統側電流センサWと、
リレー装置から蓄電池に接続される電力線の電流値を計測する蓄電池側電流センサと、
前記各センサによって計測された電流値を取得し、取得した電流値をA/D変換機能によりデジタル値に変換して逆潮流量、充電量を計算し、蓄電池への充電判定を行い、リレー装置に充電指令を行う制御装置と、
制御装置からの充電指令を受けて、蓄電池への充電のON/OFFを行うリレー装置と、
で構成される充電制御システムにおいて、
当該制御装置が、
太陽光側電流センサU及び太陽光側電流センサWが計測した電流値を、アナログ値からデジタル値(Isu、Isw)に変換して取り込む処理1と、
系統側電流センサU及び系統側電流センサWが計測した電流値を、アナログ値からデジタル値(Ipu、Ipw)に変換して取り込む処理2と、
Isu、Isw、Ipu、Ipwの所定周期中の全サンプリングを保管する処理3と、
保管した全サンプリングから、電流値のみ(IsuとIpu、IswとIpw)で位相差が発生しているサンプリング数(Cpu、Cpw)をカウントする処理4と、
各電流値(Isu、Isw、Ipu、Ipw)の各所定周期のサンプリング数(Cnt)をカウントする処理5と、
電流値のサンプリングが所定周期を超えたか判断し、処理6か処理1に分岐させる判断1と、
所定周期のサンプリング数(Cnt)と位相差が発生しているサンプリング数(Cpu、Cpw)の割合から位相差を算出し、電力系統から分電盤への電力線の電圧線の力率(Fpu、Fpw)の計算を行う処理6と、
Ipu、Ipwの各瞬時値の2乗の2倍の平均の平方根により電力線の電圧線の電流実効値(Iru、Irw)を計算する処理7と、
電流実効値(Iru、Irw)と力率(Fpu、Fpw)により、逆潮流量を計算する処理8と、
蓄電池側電流センサが計測した電流値(アナログ値)を、デジタル値(Ic)に変換して取り込み、Icの瞬時値の2乗の2倍の平均の平方根により電力線の電流実効値(Irc)を求め、充電量を計算する処理9と、
逆潮流量と充電量を比較し、充電判定(ON/OFFの決定)する判断2と、
判断2の充電判定の条件が満たされた場合、リレー装置をONにしてコンセントと蓄電池を接続し、蓄電池を充電する処理10と、
を実行することで蓄電池の充電を制御することを特徴とする。
【0008】
本発明にかかる充電制御プログラムは、
パワーコンディショナから分電盤に接続される電力線の、
電圧線Uの電流値を計測する太陽光側電流センサU及び電圧線Wの電流値を計測する太陽光側電流センサWと、
電力系統から需要家構内の分電盤に接続される電力線の、
電圧線Uの電流値を計測する系統側電流センサU及び電圧線Wの電流値を計測する系統側電流センサWと、
リレー装置から蓄電池に接続される電力線の電流値を計測する蓄電池側電流センサと、
前記各センサによって計測された電流値を取得し、取得した電流値をA/D変換機能によりデジタル値に変換して逆潮流量、充電量を計算し、蓄電池への充電判定を行い、リレー装置に充電指令を行う制御装置と、
制御装置からの充電指令を受けて、蓄電池への充電のON/OFFを行うリレー装置と、
で構成される充電制御システムにおいて、
当該制御装置に、
太陽光側電流センサU及び太陽光側電流センサWが計測した電流値を、アナログ値からデジタル値(Isu、Isw)に変換して取り込む処理1と、
系統側電流センサU及び系統側電流センサWが計測した電流値を、アナログ値からデジタル値(Ipu、Ipw)に変換して取り込む処理2と、
Isu、Isw、Ipu、Ipwの所定周期中の全サンプリングを保管する処理3と、
保管した全サンプリングから、電流値のみ(IsuとIpu、IswとIpw)で位相差が発生しているサンプリング数(Cpu、Cpw)をカウントする処理4と、
各電流値(Isu、Isw、Ipu、Ipw)の各所定周期のサンプリング数(Cnt)をカウントする処理5と、
電流値のサンプリングが所定周期を超えたか判断し、処理6か処理1に分岐させる判断1と、
所定周期のサンプリング数(Cnt)と位相差が発生しているサンプリング数(Cpu、Cpw)の割合から位相差を算出し、電力系統から分電盤への電力線の電圧線の力率(Fpu、Fpw)の計算を行う処理6と、
Ipu、Ipwの各瞬時値の2乗の2倍の平均の平方根により電力線の電圧線の電流実効値(Iru、Irw)を計算する処理7と、
電流実効値(Iru、Irw)と力率(Fpu、Fpw)により、逆潮流量を計算する処理8と、
蓄電池側電流センサが計測した電流値(アナログ値)を、デジタル値(Ic)に変換して取り込み、Icの瞬時値の2乗の2倍の平均の平方根により電力線の電流実効値(Irc)を求め、充電量を計算する処理9と、
逆潮流量と充電量を比較し、充電判定(ON/OFFの決定)する判断2と、
判断2の充電判定の条件が満たされた場合、リレー装置をONにしてコンセントと蓄電池を接続し、蓄電池を充電する処理10と、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明である充電制御システムは、例えばリーズナブルな汎用蓄電池(ポータブル電源等)を連携させることで、一般家庭に対し安価に逆潮流時の蓄電池充電を可能とし電気料金の低減に資する仕組みを提供できる。また既存の資源(家庭内の既設配電線、コンセントなど)の有効活用により、利便性と省資源化を図る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】充電制御システムの実施例を示す全体図
図2】充電制御システムの機能を説明する図
図3】プラス波形のみによる位相差を説明する図である。
図4】プログラム処理フローを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、充電制御システム10の実施例を示す構成図である。
電力系統30は、電力線81(単相3線式)を介して需要家構内の分電盤40に接続される。
太陽電池20は、電力線を介してパワーコンディショナ(図には「PCS」と示す。)21に接続され、パワーコンディショナ21は電力線80(単相3線式)を介して分電盤40に接続される。
実施例では、需要家として一般家庭を想定している。
分電盤40は、電力線82、リレー装置104(図には「SSL(ソリッドステートリレー)」と示す。ゼロクロス方式)、電力線83を介して蓄電池50から電気負荷60や、直接電気負荷70に接続される。
パワーコンディショナ21は、太陽電池20により発電された直流電力を交流電力に変換して分電盤40に供給する。
分電盤40に供給された当該交流電力は、電力線82、リレー装置104、電力線83を介して蓄電池50から電気負荷60や、直接電気負荷70に供給されるほか、電力系統30に逆潮流される。
【0012】
蓄電池50は、一般的な汎用蓄電池(ポータブル電源等)を想定し、様々な電気負荷60が接続され電力消費される事を想定する。
また、蓄電池50はパススルー充電機能(充電と放電を同時に行える)を備え、充電制御システム10による充電と電気負荷60による放電が同時に行われることを想定する。
【0013】
図2は、充電制御システム10の機能を説明するための図である。
充電制御システム10は太陽光側電流センサ101、系統側電流センサ102、制御装置103、リレー装置104、蓄電池側電流センサ105で構成される。
【0014】
太陽光側電流センサ101は太陽光側電流センサU1011、太陽光側電流センサW1012の2個で構成される。
系統側電流センサ102は系統側電流センサU1021、系統側電流センサW1022の2個で構成される。
太陽光側電流センサ101、系統側電流センサ102、蓄電池側電流センサ105は、汎用のクランプ式電流センサを想定する。
また、太陽光側電流センサ101、系統側電流センサ102は取得した電流値により位相計算を行うため、同じ位相特性を持つものとする。
蓄電池側電流センサ105も同じ位相特性を持つものが望ましい。
【0015】
電力線80、電力線81は、単相3線式を想定し、それぞれ電圧線U、Wと非電圧線(中性線)Vの3線で構成される。
また、電力線82は、分電盤40から分岐され(家庭内の既設コンセントからの接続など)、電圧線Uもしくは電圧線Wからのものである。
【0016】
太陽光側電流センサU1011は電力線80の電圧線Uの電流値を計測する。
太陽光側電流センサW1012は電力線80の電圧線Wの電流値を計測する。
系統側電流センサU1021は電力線81の電圧線Uの電流値を計測する。
系統側電流センサW1022は電力線81の電圧線Wの電流値を計測する。
蓄電池側電流センサ105は電力線83の電流値を計測する。
【0017】
制御装置103は、各電流値を取得し、逆潮流量、充電量を計算して、蓄電池50への充電判定を行い、リレー装置104に充電指令を行う。
制御装置103は、マイコン等を想定し、アナログ/デジタル変換(以下A/D変換)機能を有する。
太陽光側電流センサU1011、太陽光側電流センサW1012、系統側電流センサU1021、系統側電流センサW1022、蓄電池側電流センサ105で取得された電流値はA/D変換機能により制御装置103に取り込まれる。
電流センサで計測された各電流値はプラス値とマイナス値を交互に繰り返す波形を示すが、マイコン等の標準のA/D変換機能は、プラス値は取り込めるが、マイナス値が取り込めない場合がある。
この場合は、電流値の波形を持ち上げてプラス値のみにして、制御装置103に取り込み、電力計算、実効値計算、位相差計算をする方法もあるが、本発明では仕組みを単純化し低価格化を図るため、電流値のプラス値のみ(半波形のみ)で、実効値計算、位相差計算する方法を取る。電流値のマイナス値もプラス値と同じ傾向となるため、簡便法を取る。
なお、マイコン等のA/D変換機能がマイナス値を取り込める場合であっても、この方法は使用可能である。
本発明では、後述する充電判定が行えればよい為、厳密な電力計算は行わない。
【0018】
図3は充電制御システムが逆潮流量を計算して蓄電池50へ充電判定を行う際の処理フローである。
具体的には、逆潮流量の計算要素である位相差、力率、電流実効値を計算することで逆潮流量を算出する。
【0019】
<処理1>では、太陽光側電流センサU1011及び太陽光側電流センサW1012が計測した電流値を、制御装置103が、A/D変換機能によりアナログ値からデジタル値に変換して取り込む。
取り込んだデジタル値の電流値を、それぞれIsu、Iswとする。
【0020】
<処理2>では、系統側電流センサU1021及び系統側電流センサW1022が計測した電流値を、制御装置103が、A/D変換機能によりアナログ値からデジタル値に変換して取り込む。
取り込んだデジタル値の電流値を、それぞれIpu、Ipwとする。
【0021】
<処理3>では、Isu、Isw、Ipu、Ipwを所定周期(3~4周期程度)中の全サンプリング数(この場合は40~50回程度)分を保管する(後の<処理7>の実効値計算で使用する。)。
所定周期中のサンンプリング数は、使用するマイコン等によって調整する。
【0022】
<処理4>では、制御装置が、処理3で保管した全サンプリングから、電流値のみ(IsuとIpu、IswとIpw)で位相差が発生しているサンプリング数(Cpu、Cpw)をカウントする。
位相差のカウントは、Isu>0かつIpu≦0、Isw>0かつIpw≦0を満たすサンプリングに対して行う。
図4の(a)~(d)が位相差を示し、当該箇所のサンプリングをカウントする。
電力線81の電圧線U、Wの電流値Ipu、Ipwに関して、カウント数をそれぞれCpu、Cpwとする。
【0023】
線間電圧を用いて位相差を求めることもできるが、本発明では施工性を高め、設置コストの低減を図るため、線間電圧の代替として、Isu、Iswのデータを用いて電流値のみで位相差を求める。
Isu、Iswは、パワーコンディショナ21の動作により、電力線81のU-V、W-Vの線間電圧と同じ位相となる動作を利用する。
【0024】
<処理5>では、各電流値(Isu、Isw、Ipu、Ipw)の各所定周期のサンプリング数をカウントする(カウント数を「Cnt」と表記する。)。
【0025】
<判断1>では、各電流値(Isu、Isw、Ipu、Ipw)のサンプリングが各所定周期(本実施形態では、サンプリング数は47)を超えたか判断する。
超えた場合は<処理6>に続く。
超えない場合は<処理1>に続く。
【0026】
<処理6>では、力率の計算を行う。
具体的には、線間電圧の代替となる、太陽光側電流センサが計測した電流値(Isu、Isw)と系統側電流センサが計測した電流値(Ipu、Ipw)とから、所定周期のサンプリング数(Cnt)と位相差が発生しているサンプリング数(Cpu、Cpw)との割合から位相差を算出し、電力系統30から分電盤40への電力線81の電圧線の力率(Fpu、Fpw)の計算を、次式によって行う。
【0027】
電力系統30から分電盤40への電力線81の電圧線Uの力率Fpu:
所定周期のサンプリング数(Cnt)と位相差が発生しているサンプリング数(Cpu)の割合から求めた位相差(ラジアン)の余弦
【0028】
電力系統30から分電盤40への電力線81の電圧線Wの力率Fpw:
所定周期のサンプリング数(Cnt)と位相差が発生しているサンプリング数(Cpw)の割合から求めた位相差(ラジアン)の余弦
【0029】
<処理7>では、<処理3>で保管したIpu、Ipwにより電力線81の電圧線の電流実効値(Iru、Irw)を計算する。
具体的には次式によって行う。
【0030】
電力線81の電圧線Uの電流実効値Iru:
Ipuの各瞬時値の2乗の2倍(※1)の平均の平方根
(※1)プラス波形(半波形)のみのデータ取り込みのため。
全波形のデータ取り込みの場合、2倍は不要。
【0031】
電力線81の電圧線Wの電流実効値Irw:
Ipwの各瞬時値の2乗の2倍(※2)の平均の平方根
(※2)プラス波形(半波形)のみのデータ取り込みのため。
全波形のデータ取り込みの場合、2倍は不要。
【0032】
<処理8>では、電流実効値(Iru、Irw)と力率(Fpu、Fpw)から、逆潮流量の計算を行う。
具体的には、次式によって計算される。
逆潮流量:Iru × Fpu + Irw × Fpw
ここで、電力計算を行う場合、電力線81のU-V、W-Vの線間電圧を考慮するが、本発明では後述する充電判定が行えればよいため、電力線81のU-V、W-Vの線間電圧は、ほぼ同じと考えて考慮しない。
【0033】
<処理9>では、蓄電池側電流センサ105が計測した電流値を、所定周期(3~4周期程度)分、制御装置103が、A/D変換機能により、アナログ値からデジタル値(Ic)に変換して取り込み、電力線83の電流実効値(Irc)を求め、充電量の計算を行う。
充電量は、具体的には、次式によって計算される。
【0034】
電力線83の電流実効値Irc(=充電量):
Icの各瞬時値の2乗の2倍(※3)平均の平方根
(※3)プラス波形(半波形)のみのデータ取り込みのため。
全波形のデータ取り込みの場合、2倍は不要。
【0035】
ここで、電力計算を行う場合、電力線83の電圧を考慮するが、本発明では後述する充電判定が行えればよいため、電力線83の電圧は、電力線81のU-V、W-Vの線間電圧とほぼ同じと考え考慮しない。
また、力率は1とする(逆潮流時以外での充電の抑止が図れればよいため)。
【0036】
<判断2>では、逆潮流量と充電量を比較し、充電判定(ON/OFFの決定)をする。
充電判定の条件は、次式のとおりである。
-1×( Iru × Fpu + Irw × Fpw) > Irc
充電判定の条件が満たされない場合(「-1×逆潮流量」が充電量以下の場合)、リレー装置104がOFFとなる。
つまり、リレー装置104がOFFの場合は、コンセントと蓄電池50が接続されないことによって、蓄電池50への充電が行われない。
【0037】
ここで、「Iru × Fpu + Irw × Fpw」について、電力系統30から分電盤40に向かう場合を正とする。
これに対し、逆潮流が発生した場合は、負とする。
充電量Ircを条件式に入れることで、頻回に充電がON/OFFすることを抑止する。
なお、既に充電中の場合は、Ircを0として判断する。
【0038】
<処理10>では、<判断2>の充電判定の条件が満たされた場合(「-1×逆潮流量」が充電量より大きい場合)、制御装置103はリレー装置104をONにする。
つまり、リレー装置104がONの場合は、コンセントと蓄電池50が接続されることによって、蓄電池50に充電が行われる。
【0039】
なお、上記の方法はマイコン等のA/D変換機能がマイナス値を取り込める場合であっても、使用可能である。
また、汎用蓄電池を複数使用する場合でも、本発明は使用可能である。
SSL・蓄電池側電流センサを汎用蓄電池の台数分それぞれ設置する場合は、それぞれの充電量と逆潮流量に応じた充電の優先順位の判断、複数台同時充電の判断など、より細かな充電制御が可能となる。
【0040】
また、汎用蓄電池の機種によっては、充電時のコンセントからの電力量(充電量)を制御するサイクル制御方式(※4)を受け付ける機種がある。この場合、本発明で求めた逆潮流量と充電量の情報により、制御装置103で充電量を逆潮流量以内に制御する事で、より効率的な充電が可能となる。具体的には、制御装置103からリレー装置104(SSL、ゼロクロス方式)へのON/OFFの充電指令を、逆潮流量と充電量の情報を用いてON/OFFの割合を変える事により実現する事ができる。
(※4)負荷電源に対し、トリガ信号によるSSRの駆動により行われる。交流波形の半サイクル毎にSSRをON/OFFする事で、ノイズの発生を抑えながら供給電力の制御を行う事ができる。
【要約】      (修正有)
【課題】電流計のみによる逆潮流検出機能および充電量検出機能を備えた充電制御システムを安価に提供する。
【解決手段】充電制御システム10は、パワーコンディショナ21から分電盤40に接続される電力線80の電流値を計測する太陽光側電流センサ101と、電力系統30から需要家構内の分電盤40に接続される電力線81の電流値を計測する系統側電流センサ102と、リレー装置104から蓄電池50に接続される電力線83の電流値を計測する蓄電池側電流センサ105と、前記各センサによって計測された電流値を取得し、取得した電流値をA/D変換機能によりデジタル値に変換して逆潮流量および充電量を計算し、蓄電池50への充電判定を行い、リレー装置104に充電指令を出力する制御装置103と、制御装置103からの充電指令を受けて、蓄電池50への充電のON/OFF制御を行うリレー装置104とで構成される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4