(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】無線信号を受信するための電子デバイスおよび方法、そのようなデバイスを実装する集積回路
(51)【国際特許分類】
H03G 3/30 20060101AFI20241029BHJP
H04B 1/16 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
H03G3/30 B
H04B1/16 R
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019200978
(22)【出願日】2019-11-05
【審査請求日】2022-09-02
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】519395396
【氏名又は名称】パロット・フォルシア・オートモーティヴ・エスアエス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シリル・ローリ
【審査官】工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】特表平10-510965(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0064695(US,A1)
【文献】特表2001-526486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B1/06-1/18
H03G1/00-3/34
H03F1/00-3/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号を受信するための電子デバイス(10)において、前記電子デバイス(10)は、
- 受信した無線信号を増幅するように構成される前段増幅器(14)と、
- 前記前段増幅器(14)の利得(G)を制御するように構成される制御モジュール(16)と、
- 前記前段増幅器(14)の出力に接続されるミキサ(18)であって、前記前段増幅器(14)からの信号を基準信号と混合するように構成されるミキサ(18)とを備え、
前記制御モジュール(16)がさらに、利得増加(ΔG)の前記前段増幅器(14)による生成を命令しかつ第1のパワー(P1)を第2のパワー(P2)と比較することによって、相互変調検出を行うように構成され、前記第1および前記第2のパワー(P1、P2)が、前記ミキサ(18)の出力における信号のそれぞれのパワーであり、前記第1のパワー(P1)が、前記利得増加のない場合に測定され、前記第2のパワー(P2)が、前記利得増加(ΔG)の存在する場合に測定されることを特徴とし、
前記制御モジュール(16)は、前記利得増加(ΔG)の前記生成を繰り返し命令するように構成され、
新しい利得増加と最後の利得増加(ΔG
n)との間の時間ギャップは、前記最後の利得増加(ΔG
n)の後の相互変調の検出の場合に増やされる、
する、無線信号を受信するための電子デバイス(10)。
【請求項2】
相互変調は、もし前記第2のパワー(P2)と前記第1のパワー(P1)との間の差が、前記利得増加(ΔG)の1.5倍の-10%よりも大きいならば、検出される、請求項1に記載の電子デバイス(10)。
【請求項3】
2つの連続する利得増加の間の時間ギャップは、もし相互変調が、前記最後の利得増加(ΔG
n)の後に検出されなかったならば、かつもし前記前段増幅器(14)の前記利得(G)が、定義済みの前段最大利得(G
max)よりも小さいならば、1msの±10%以内である、請求項1または2に記載の電子デバイス(10)。
【請求項4】
前記電子デバイス(10)はさらに、前記ミキサ(18)の出力に接続される後段増幅器(22)および前記後段増幅器(22)の出力に接続されるアナログ/デジタル変換器(24)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の電子デバイス(10)。
【請求項5】
前記アナログ/デジタル変換器(24)は、前記第1および第2のパワー(P1、P2)を測定するように構成される、請求項4に記載の電子デバイス(10)。
【請求項6】
前記制御モジュール(16)はさらに、相互変調検出より前に、少なくとも1つの隣接ストレイ信号の存在テストを行い、次いで前記存在テストが、正である場合に限り、前記相互変調検出を行うように構成され、前記存在テストは、前記ミキサ(18)の出力における信号のパワーおよび前記前段増幅器(14)の前記利得(G)に依存する、請求項1から5のいずれか一項に記載の電子デバイス(10)。
【請求項7】
前記存在テストは、もし前記前段増幅器(14)の前記利得(G)が、定義済みの前段最大利得(G
max)を下回るならば、かつもし前記ミキサ(18)の出力における信号のパワーが、定義済みの目標パワー(P
c)より
も低いならば、正である、請求項6に記載の電子デバイス(10)。
【請求項8】
前記存在テストはさらに、前記後段増幅器(22)の利得(Γ)に依存
し、
前記存在テストは、もし前記前段増幅器(14)の前記利得(G)が、定義済みの前段最大利得(G
max)を下回るならば、もし前記後段増幅器(22)の前記利得(Γ)が、定義済みの後段最大利得(Γ
max)の±10%以内であるならば、かつもし前記ミキサ(18)の出力における信号のパワーが、定義済みの目標パワー(P
c)を下回るならば、正である、
請求項4に少なくとも従属する請求項6に記載の電子デバイス(10)。
【請求項9】
前記電子デバイス(10)はさらに、前記前段増幅器(14)の出力と前記制御モジュール(16)との間に接続される第1の広帯域検出器(26)を備える、請求項1から
8のいずれか一項に記載の電子デバイス(10)。
【請求項10】
前記電子デバイス(10)はさらに、無線信号を受信することができる無線アンテナ(12)、および前記無線アンテナ(12)と前記制御モジュール(16)との間に接続される第2の広帯域検出器(28)を備える、請求項1から
9のいずれか一項に記載の電子デバイス(10)。
【請求項11】
無線信号を受信するための電子デバイス(10)を実装する集積回路であって、前記電子デバイス(10)が、請求項1から
10のいずれか一項によることを特徴とする、集積回路。
【請求項12】
無線信号を受信するための方法において、前記方法は、電子デバイス(10)によって実装され、かつ
- 前段増幅器(14)の利得を制御するステップと、
- 前記前段増幅器(14)を介して、受信した無線信号を増幅するステップと、
- 前記前段増幅器(14)からの信号を基準信号と混合するステップとから成るステップを含み、
前記方法がさらに、次のステップ、
- 利得増加(ΔG)の前記前段増幅器(14)による生成を命令しかつ第1のパワー(P1)を第2のパワー(P2)と比較することによって、相互変調検出を行うステップであって、前記第1および第2のパワー(P1、P2)が、ミキサ(18)の出力における信号のそれぞれのパワーであり、前記第1のパワー(P1)が、前記利得増加のない場合に測定され、前記第2のパワー(P2)が、前記利得増加(ΔG)の存在する場合に測定される、ステップと、
前記利得増加(ΔG)の前記生成を繰り返し命令するステップと
を含み、
新しい利得増加と最後の利得増加(ΔG
n)との間の時間ギャップは、前記最後の利得増加(ΔG
n)の後の相互変調の検出の場合に増やされることを特徴とする、無線信号を受信するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線信号を受信するための電子デバイスに関し、デバイスは、受信した無線信号を増幅するように構成される前段増幅器と、前段増幅器の利得を制御するように構成される制御モジュールと、前段増幅器の出力に接続されるミキサとを備え、ミキサは、前段増幅器からの信号を基準信号と混合するように構成される。
【0002】
本発明はまた、無線信号を受信するためのそのような電子デバイスを実装する集積回路にも関する。
【0003】
本発明はまた、無線信号を受信するための方法にも関し、本方法は、そのような電子受信デバイスによって実装される。
【背景技術】
【0004】
本発明は、チューナ、すなわち、ある周波数帯域内で放射される電磁信号を受信し、また有効周波数とも呼ばれる、特定の周波数帯域上で放射される信号の部分を保持し、その他の周波数上で放射される信号の部分を拒絶することを可能にする電子装置の分野に関する。本発明はより詳しくは、無線波の関連範囲に関係なく、アナログチューナに関する。本発明は例えば、FM(周波数変調)、AM(振幅変調)、DAB(デジタルオーディオ放送)またはHDラジオのチューナなどの、無線チューナに関する。本発明はまた、DVB-T(地上デジタルビデオ放送(Digital Video Broadcasting - Terrestrial))、DVB-T 2、ISDB-T/Tsb(地上デジタルテレビジョン放送/地上デジタル音声放送(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial / Terrestrial Sound Broadcast))またはCTTB(中国地上テレビジョン方法(China Terrestrial Television Broadcasting))のチューナなどの、TVチューナにも関する。
【0005】
前述のタイプの電子受信デバイスは、文書米国特許出願公開第2004/0043733(A1)号から知られている。受信デバイスは、アンテナを介して受信される無線信号を増幅する前段増幅器、前段増幅器の利得を制御するためのWBAGC(広帯域自動利得制御)モジュール、および前段増幅器の出力に接続されかつ前段増幅器からの信号を別の信号と混合するミキサを備える。この受信デバイスはさらに、ミキサの出力に接続される後段増幅器および後段増幅器によって配送される信号から相互変調を検出し、もし適用可能ならば、WBAGC制御モジュールを対象とする相互変調インジケータを生成する能力がある相互変調検出器を備え、その結果後者は次に、任意の検出された相互変調の関数として前段増幅器の利得を適合させる。受信デバイスは、FM無線信号のための受信デバイスであり、相互変調検出器は、標準FM偏差を越える主要周波数変化および広い周波数スペクトルから生じる関連ノイズから相互変調を検出する。
【0006】
文書米国特許出願公開第2008/0102773(A1)号もまた、前述のタイプの電子受信デバイスに関する。それは、アンテナから受信される無線信号を増幅する前段増幅器、前段増幅器の利得を制御する利得コントローラ、前段増幅器の出力に接続されかつ前段増幅器からの信号を別の信号と混合するミキサ、ミキサの出力に接続される後段増幅器および後段増幅器の出力に接続されるアナログ/デジタル変換器を備える。受信デバイスはさらに、アナログ/デジタル変換器から来る信号からの相互変調積の検出器を備え、利得コントローラはその結果、そのような相互変調積の検出または非検出の関数として前段増幅器の利得を変更するのに適している。相互変調積は例えば、無線信号を伝えるチャンネルに隣接した1つまたはいくつかのチャンネルにおけるノイズの増加の変化率を介して、または無線信号を運ぶチャンネルの部分を含む保護帯域上のこれらの相互変調積を直接検出することによって検出される。
【0007】
文書米国特許出願公開第2008/0153447(A1)号もまた、前述のタイプの電子受信デバイスを記述する。この受信デバイスは、受信した無線信号を増幅する可変利得増幅器、増幅器の利得のコントローラおよび増幅器の出力に接続されかつ増幅器からの信号を別の信号と混合するミキサを備える。受信デバイスはさらに、ミキサの出力に接続される後段検出器およびミキサの入力に接続される前段検出器を備え、前段および後段検出器は、干渉および特に相互変調現象を検出するのに適しており、接続された後段検出器は、干渉信号が、N+1のオフセットに対応する、有効周波数から6MHzにある隣接周波数上に存在するかどうかを検出し、前段検出器は、干渉信号が、有効周波数から6MHzを超える、典型的にはオフセットN+3に対応する有効信号の周波数から18MHzにある隣接周波数上に存在するかどうかを検出する。コントローラは次いで、相互変調が検出されるかどうかの関数として増幅器の利得を適合させる。
【0008】
しかしながら、そのような受信デバイスを用いると、相互変調の検出は、比較的複雑であり、場合によってはいくつかの検出器を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許出願公開第2004/0043733(A1)号
【文献】米国特許出願公開第2008/0102773(A1)号
【文献】米国特許出願公開第2008/0153447(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的はその結果、相互変調をより容易に検出することを可能にする無線信号を受信するための電子デバイスを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのために、本発明は、無線信号を受信するための電子受信デバイスに関し、デバイスは、
- 受信した無線信号を増幅するように構成される前段増幅器と、
- 前段増幅器の利得を制御するように構成される制御モジュールと、
- 前段増幅器の出力に接続されるミキサであって、前段増幅器からの信号を基準信号と混合するように構成されるミキサとを備え、
制御モジュールはさらに、利得増加の前段増幅器による生成を命令しかつ第1のパワーを第2のパワーと比較することによって、相互変調検出を行うように構成され、第1および第2のパワーは、ミキサの出力における信号のそれぞれのパワーであり、第1のパワーは、利得増加のない場合に測定され、第2のパワーは、利得増加の存在する場合に測定される。
【0012】
本発明による電子受信デバイスを用いると、制御モジュールはその結果、前段増幅器における利得増加の生成を命令しかつ利得増加のない場合に測定される第1のパワーを利得増加の存在する場合に測定される第2のパワーと比較することによって、簡単な相互変調検出を行うことを可能にし、第1および第2のパワーは、ミキサからの信号のパワーである。
【0013】
言い換えれば、本発明による電子受信デバイスを用いると、相互変調は、制御モジュールによって制御されかつこの相互変調検出を行うことを目的として生成されるパワーの増加が、ミキサの出力における信号のパワーの異常変化、特にこのパワーの非線形変化を生み出すとき、検出される。
【0014】
本発明の他の有利な態様によると、電子受信デバイスは、単独でまたはすべての技術的に可能な組み合わせに従って考えられる、次の特徴の1つまたは複数を含み、すなわち、
- 相互変調は、もし第2のパワーと第1のパワーとの間の差が、利得増加の実質的に1.5倍よりも大きいならば、検出され、
- 制御モジュールは、利得増加の生成を繰り返し命令するように構成され、
- 新しい利得増加と最後の利得増加との間の時間ギャップは、最後の利得増加の後の相互変調の検出の場合に増やされ、
- 2つの連続する利得増加の間の時間ギャップは好ましくは、もし相互変調が、最後の利得増加の後に検出されなかったならば、かつもし前段増幅器の利得が、定義済みの前段最大利得よりも小さいならば、実質的に1msに等しく、
- デバイスはさらに、ミキサの出力に接続される後段増幅器および後段増幅器から下流に接続されるアナログ/デジタル変換器を備え、
- アナログ/デジタル変換器は好ましくは、第1および第2のパワーを測定するように構成され、
- 制御モジュールはさらに、相互変調検出より前に、少なくとも1つの隣接ストレイ信号の存在テストを行い、次いで存在テストが正である場合に限り相互変調検出を行うように構成され、前記存在テストは、ミキサの出力における信号のパワーおよび前段増幅器の利得に依存し、
- 存在テストは、もし前段増幅器の利得が、定義済みの前段最大利得を下回るならば、かつもしミキサの出力における信号のパワーが、定義済みの目標パワーよりも厳密に低いならば、正であり、
- 存在テストはさらに、後段増幅器の利得に依存し、
- 存在テストは好ましくは、もし前段増幅器の利得が、定義済みの前段最大利得を下回るならば、もし後段増幅器の利得が、定義済みの後段最大利得に実質的に等しいならば、かつもしミキサの出力における信号のパワーが、定義済みの目標パワーを下回るならば、正であり、
- デバイスはさらに、前段増幅器の出力と制御モジュールとの間に接続される第1の広帯域検出器を備え、かつ
- デバイスはさらに、無線信号を受信することができる無線アンテナ、および無線アンテナと制御モジュールとの間に接続される第2の広帯域検出器を備える。
【0015】
本発明はまた、無線信号を受信するための電子デバイスを実装する集積回路にも関し、その場合デバイスは、上で定義された通りである。
【0016】
本発明はまた、無線信号を受信するための方法にも関し、本方法は、電子受信デバイスによって実装され、かつ
- 前段増幅器の利得を制御するステップと、
- 前段増幅器を介して、受信した無線信号を増幅するステップと、
- 前段増幅器からの信号を基準信号と混合するステップと、
- 利得増加の前段増幅器による生成を命令しかつ第1のパワーを第2のパワーと比較することによって、相互変調検出を行うステップであって、第1および第2のパワーは、ミキサの出力における信号のそれぞれのパワーであり、第1のパワーは、利得増加のない場合に測定され、第2のパワーは、利得増加の存在する場合に測定される、ステップとから成るステップを含む。
【0017】
本発明のこれらの特徴および利点は、単に限定されない例として提供され、添付の図面を参照してなされる、次の記述を読むことでより明瞭に見えることになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明による電子受信デバイスの概略図である。
【
図2】本発明による無線信号を受信するための方法の流れ図であり、本方法は、
図1の受信デバイスによって実行される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本記述の残りでは、表現「実質的に等しい」は、プラスまたはマイナス10%内までの、すなわち、わずか10%の変化を有する等式関係を指し、また好ましくは、プラスまたはマイナス5%内までの、すなわち、わずか5%の変化を有する等式関係をも指す。
【0020】
図1では、電子受信デバイス10は、無線信号を受信するように構成される。電子受信デバイス10は典型的には、チューナ、すなわち、ある周波数帯域内で放射される電磁信号を受信し、有効周波数と呼ばれる特定の周波数帯域上で放射される信号の部分を保持し、有効周波数以外の周波数上で放射される信号の部分を拒絶することを可能にする電子装置である。
【0021】
電子受信デバイス10は例えば、無線波の関連範囲に関係なく、アナログ方式で放射される信号を同調するように構成されるアナログチューナである。チューナは例えば、87.5MHzから108MHzの間の周波数範囲内で放射される無線信号を受信することができるFMチューナ、または148.5kHzから283.5kHzの間および/もしくは526.5kHzから1606.5kHzの間の周波数範囲内の無線信号を受信することができるAMチューナ、またはDABチューナ、またはHDラジオチューナなどの、無線チューナである。変形では、チューナは、DVB-Tチューナ、またはDVB-T2チューナ、またはISDB-Tチューナ、またはCTTBチューナなどの、TVチューナである。TVチューナは例えば、40MHzから860MHzの間の周波数範囲内で放射される無線信号を受信することができる。
【0022】
電子受信デバイス10は、無線信号を受信することができる無線アンテナ12、無線アンテナ12に接続されかつアンテナ12によって受信される無線信号を増幅するように構成される前段増幅器14を備え、前段増幅器14は好ましくは、可変利得増幅器(VGA)であり、
図1では三角形の増幅シンボルによって表される通りである。
【0023】
電子受信デバイス10は、前段増幅器14の利得Gを制御するように構成される制御モジュール16および前段増幅器14の出力に接続されるミキサ18を備え、ミキサ18は、前段増幅器14からの信号を、ミキサ18が次いで接続される発振器20から来る信号などの、基準信号と混合するように構成される。
【0024】
加えて、電子受信デバイス10は、ミキサ18の出力に接続される後段増幅器22およびアナログ/デジタル変換器(ADC)24を備え、アナログ/デジタル変換器24は、後段増幅器22の出力に接続される。
【0025】
オプションの追加として、電子受信デバイス10は、前段増幅器14の出力と制御モジュール16との間に接続される第1の広帯域検出器(WBD)26を備え、第1の広帯域検出器26は、また有効信号とも呼ばれる、前段増幅器14とミキサ18との間の無線信号のパワーを測定することができる。
【0026】
別のオプションの追加として、電子受信デバイス10は、無線アンテナ12と制御モジュール16との間に接続される第2の広帯域検出器28を備え、第2の広帯域検出器28は、アンテナ12によって受信される信号のパワーを測定することができる。
【0027】
電子受信デバイス10は例えば、1つまたはいくつかのASIC(特定用途向け集積回路)などの、1つまたはいくつかの専用の集積回路の形で作られる。
【0028】
無線アンテナ12は、それ自体知られており、それが、前に述べられたラジオ範囲(AM、FM、DAB、HDラジオ、ISDB-Tsb)を伴おうと、TV範囲(DVB-T、DVB-T2、ISDB-T、CTTB)を伴おうと、電子受信デバイス10によって受信される能力がある無線波の範囲に適した形状を有する。
【0029】
前段増幅器14もまた、それ自体知られており、その値が制御モジュール16によって制御されることが可能である利得Gを有する。
【0030】
本発明によると、制御モジュール16はさらに、利得増加ΔGの前段増幅器14による生成を命令しかつ第1のパワーP1を第2のパワーP2と比較することによって、相互変調検出を行うように構成される。第1のパワーP1および第2のパワーP2は、ミキサ18の出力における信号、すなわち、ミキサ18から来る信号のそれぞれのパワーであり、第1のパワーP1は、前段増幅器14の利得増加のない場合に測定され、第2のパワーP2は、利得増加ΔGの存在する場合に測定される。
【0031】
利得増加のない場合の第1のパワーP1は、例えばGnomと表示される名目利得に対する利得増加ΔGがなく、前段増幅器14のデフォルト利得に対応する、例えばアナログ/デジタル変換器24を介して測定される、ミキサ18から来る信号のパワーを指す。この最後の例によると、第1のパワーP1はその時また、P(Gnom)、またはそれが、またADCとも呼ばれるアナログ/デジタル変換器24を介して測定されるとき、PADC(Gnom)とも表示される。
【0032】
利得増加ΔGの存在する場合の第2のパワーP2は、利得増加ΔGがさらにある、前段増幅器14のデフォルト利得に対応する、すなわち、前記デフォルト利得および利得増加ΔGの合計に対応する、例えばアナログ/デジタル変換器24を介して測定される、ミキサ18から来る信号のパワーを指す。前記デフォルト利得が名目利得Gnomである例では、第2のパワーP2はその時また、P(Gnom+ΔG)、またはそれが、またADCとも呼ばれるアナログ/デジタル変換器24を介して測定されるとき、PADC(Gnom+ΔG)とも表示される。
【0033】
第1および第2のパワーP1、P2は例えば、アナログ/デジタル変換器24によって測定され、制御モジュール16はその時、前記アナログ/デジタル変換器24に接続される。
【0034】
制御モジュール16は例えば、もし第2のパワーP2と第1のパワーP1との間の差が、利得増加ΔGの実質的に1.5倍よりも大きいならば、相互変調を検出する、すなわち、相互変調が存在すると考えるように構成される。言い換えれば、この例では、第1のパワーP1および第2のパワーP2、ならびに利得増加ΔGが、デシベル単位で表されるとき、相互変調は、もし第2のパワーP2と第1のパワーP1との間の差が、実質的にΔG+2dBよりも大きいならば、検出される。
【0035】
この例によると、相互変調はその結果、もし次の不等式が、検証されるならば、検出され、
P2 - P1 > ΔG + 2dB (1)
ただし、
P1 = P(Gnom)、例えばP1 = PADC(Gnom)、
P2 = P(Gnom+ΔG)、例えばP2 = PADC(Gnom+ΔG)、
P1およびP2は、dB単位で表される。
好ましくは、相互変調は、もし次の不等式が、検証されるならば、検出され、
P2 - P1 > ΔG + 3dB (2)
ただし、
P1 = P(Gnom)、例えばP1 = PADC(Gnom)、
P2 = P(Gnom+ΔG)、例えばP2 = PADC(Gnom+ΔG)、
P1およびP2は、dB単位で表される。
【0036】
利得増加ΔGは好ましくは、受信デバイス10の出力に配送される信号をできる限り少なくかく乱するように短期間である。利得増加ΔGは例えば、100μs未満の、好ましくは実質的に50μsに等しい期間などの、短期間を有する利得パルスである。
【0037】
利得増加ΔGは好ましくは、利得Gのデフォルト値よりも大きい。利得増加ΔGは、受信した無線信号の振幅および電子受信デバイス10の飽和より前の、特にアナログ/デジタル変換器24の飽和より前の信号の最大振幅に依存する。利得増加ΔGの振幅は例えば、飽和の前の前記最大振幅と受信した無線信号の振幅との間の差に等しい。
【0038】
制御モジュール16は、利得増加ΔGの生成を繰り返し命令するように構成される。
【0039】
当業者は、「繰り返して」が、連続する時間間隔における繰り返しを指し、利得増加ΔGの繰り返し生成が好ましくは、変調が、検出されない限り、かつ前段増幅器14の利得が、定義済みの最大前段利得Gmaxよりも小さい限り、例えば実質的に1msに等しい周期性を有する、実質的に周期的であるということを理解するであろう。
【0040】
加えて、制御モジュール16は、最後の利得増加ΔGnに続く相互変調の検出の場合に、時間tn+1における瞬間に生成される新しい利得増加ΔGn+1と時間tnにおける瞬間に生成される最後の利得増加ΔGnとの間の時間ギャップを増やすように構成される。言い換えれば、もし相互変調が、検出されるならば、制御モジュール16はその時、この相互変調の検出を引き起こした最後の利得増加ΔGnに対して次の利得増加ΔGn+1に時間間隔を空けるように構成される。これは、有効信号のどんな振動も制限し、相互変調検出が受信デバイス10の出力に配送される信号のかく乱を引き起こすことを防止することを可能にする。
【0041】
時間tnおよびtn+1における瞬間の間の2つの連続する利得増加ΔGn、ΔGn+1の間の時間ギャップは例えば、もし相互変調が、最後の利得増加ΔGnの後に検出されなかったならば、かつもし前段増幅器14の利得Gが、定義済みの前段最大利得Gmaxよりも小さいならば、実質的に1msに等しい。
【0042】
もし相互変調が、最後の利得増加ΔGnの後に検出されたならば、その時最後の利得増加ΔGnの生成の時間tnにおける瞬間と次の利得増加ΔGn+1の生成の時間tn+1における瞬間との間の時間ギャップは例えば、実質的に20msに等しい。
【0043】
もし前段増幅器14の利得Gが、実質的に定義済みの前段最大利得Gmaxに等しいならば、その時連続する利得増加ΔGn、ΔGn+1の時間tn、tn+1における2つの連続する瞬間の間の時間ギャップは、相互変調検出に続くそれよりも大きく、例えば実質的に50msに等しい。
【0044】
言い換えれば、相互変調検出を行うために、制御モジュール16は、短期間にわたって、かつ好ましくは繰り返して、前段増幅利得を増やし、次にミキサ18から来る信号についてパワー増加を測定するように構成される。もしパワー増加が、増幅変化と同じ程度であるならば、すなわち、もし利得の変化の関数としてのミキサ18から来る信号のパワーの変化が、実質的に線形であるならば、その時制御モジュール16は、受信デバイス10が相互変調状況にないと考える。反対に、もしパワー増加が、前段増幅の利得変化よりもはるかに高いならば、制御モジュール16は、相互変調が存在すると考える。
【0045】
制御モジュール16はさらに、相互変調が検出されるどうかの関数として、第1の広帯域検出器26から来る設定点、およびオプションの追加として、第2の広帯域検出器28から来る設定点を適用するまたは適用しないように構成される。より具体的には、もし制御モジュール16が、相互変調が存在しないと考えるならば、その時それは、広帯域検出器26、28から来る設定点を無視するように構成される。さもなければ、もし制御モジュール16が、相互変調が存在すると考えるならば、それはその時、広帯域検出器26、28から来る各利得変更設定点を適用するように構成される。
【0046】
オプションの追加として、制御モジュール16はさらに、相互変調検出より前に、少なくとも1つの隣接ストレイ信号の、例えば少なくとも1つの強い隣接信号の存在テストを行うように構成される。制御モジュール16は次いで、存在テストが正である場合に限り、すなわち、もし少なくとも1つのストレイ隣接信号が、存在すると考えるならば、相互変調検出を行うように構成され、前記存在テストは、ミキサ18の出力における信号のパワーおよび前段増幅器14の利得Gに依存する。
【0047】
存在テストは例えば、もし前段増幅器の利得Gが、定義済みの前段最大利得Gmaxよりも小さい、好ましくは前記定義済みの前段最大利得Gmaxよりもはるかに小さいならば、かつもし例えばアナログ/デジタル変換器24によって測定される、ミキサ18の出力における信号のパワーが、定義済みの目標パワーPcよりも厳密に小さいならば、正である。存在テストは、もし前述の条件が、満たされないならば、負である。
【0048】
前記定義済みの前段最大利得Gmaxよりもはるかに小さい利得は例えば、前記定義済みの前段最大利得Gmaxよりも少なくとも2dB小さい利得を指す。定義済みの目標パワーPcよりも低いパワーは例えば、前記目標パワーPcを2dB下回るパワーを指す。
【0049】
定義済みの目標パワーPcの決定は、それ自体知られており、定義済みの目標パワーPcは例えば、飽和を引き起こすことなくアナログ/デジタル変換器24において動的最大を有するために、復調されるべき波形およびまた波形のPAPR(ピーク対平均パワー比)もの関数として決定される。
【0050】
オプションの追加として、特にもし受信デバイスがさらに、ミキサ18の出力に接続される後段増幅器22を備えるならば、少なくとも1つのストレイ隣接信号の存在テストはさらに、後段増幅器22の利得Γに依存する。
【0051】
このオプションの追加によると、存在テストは例えば、もしミキサ18の出力における信号のパワーが、定義済みの目標パワーPcを下回るならば、かつもし前段増幅器14の利得Gが、定義済みの前段最大利得Gmaxを下回るならば、さらにもし後段増幅器22の利得Γが、実質的に定義済みの後段最大利得Γmaxに等しいならば、正である。
【0052】
定義済みの前段最大利得Gmax、および、該当する場合、定義済みの後段最大利得Γmaxの選択は、それ自体知られている。各定義済みの最大利得Gmax、Γmaxは、関連する増幅器に依存し、本発明が実装される受信デバイス10について資格がある。例えば、シリコンチューナについては、定義済みの前段最大利得Gmaxは、実質的に40dBに等しく、定義済みの後段最大利得Γmaxは、実質的に25dBに等しい。
【0053】
ミキサ18は、それ自体知られており、有効信号と呼ばれる、前段増幅器14から来る信号を基準信号と、例えばこれらの2つの信号を乗じることによって、混合するように構成され、ミキサの出力における信号の電圧はその時、有効信号の電圧および基準信号の電圧の積である。
【0054】
基準信号は典型的には、非変調信号、例えば局部発振器20から来る信号であり、ミキサ18はその時、局部発振器20に接続される。
【0055】
局部発振器20は、非変調信号などの、基準信号を供給することができ、この非変調信号は、ミキサ18を介して、有効信号を中間周波数に置き換えることを可能にする。
【0056】
後段増幅器22は、それ自体知られており、ミキサ18から来る信号を増幅するのに適している。
【0057】
アナログ/デジタル変換器24は、それが、存在するときは、後段増幅器22の出力に、または後段増幅器がない場合はミキサ18の出力に直接接続され、オプションとして後段増幅器22によって増幅される、ミキサ18から来るアナログ信号をデジタル信号に変換するように構成される。
【0058】
オプションの追加として、アナログ/デジタル変換器24はさらに、ミキサ18から来る信号のパワーを、特に利得増加のない場合は第1のパワーP1を、次いで利得増加ΔGの存在する場合は第2のパワーP2を測定するように構成される。
【0059】
各広帯域検出器26、28は、それ自体知られており、第1の広帯域検出器26について前段増幅器14から来る信号のパワーを測定することによって、またはそれが存在するときは、第2の広帯域検出器28について無線アンテナ12から来る信号のパワーを測定することによってさえ、かつもし測定されたパワーが、定義済みのパワーの範囲の外側であるならば、パワーを調節するために利得設定点を生成することによって、前段増幅器14によってなされる増幅を調節する能力がある。言い換えれば、各広帯域検出器26、28は、前段増幅器14による無線信号の過剰な増幅を防止し、より一般的には受信した信号への非線形性の前段増幅器14による導入を制限しようとする。
【0060】
電子受信デバイス10の動作は、無線信号を受信するための本発明による方法の流れ図を示す
図2を使用して今から説明されることになる。
【0061】
オプションの初期ステップ100の間に、受信デバイス10は、その制御モジュール16を介して、少なくとも1つのストレイ隣接信号についての存在テストをミキサ18の出力における信号のパワーおよび前段増幅器14の利得Gから、またはさらに後段増幅器22の利得Γから行う。
【0062】
存在テストは例えば、もし前段増幅器14の利得Gが、定義済みの前段最大利得Gmaxよりもはるかに低いならば、かつもしミキサ18の出力における信号のパワーが、定義済みの目標パワーPcよりも厳密に低いならば、正であり、存在テストは、さもなければ負である。
【0063】
変形では、存在テストは、もし前段増幅器14の利得Gが、定義済みの前段最大利得Gmaxよりも小さいならば、かつもし後段増幅器22の利得Γが、実質的に定義済みの後段最大利得Γmaxに等しいならば、さらにもしミキサ18の出力における信号のパワーが、定義済みの目標パワーPcよりも低いならば、正であり、存在テストは、さもなければ負である。
【0064】
もし初期ステップ100においてなされる存在テストが、正であるならば、受信デバイス10は、次のステップ110に進み、その間にそれは、その制御モジュール16を介して、どんな相互変調の検出も行う。この相互変調検出は、利得増加ΔGの前段増幅器14による生成、次いでミキサ18から来る信号の第1および第2のパワーP1、P2の比較を含み、第1のパワーP1は、利得増加のない場合に測定され、第2のパワーP2は、利得増加ΔGの存在する場合に測定される。
【0065】
このステップ110の間に、制御モジュール16は次いで、典型的にはもし第2のパワーP2と第1のパワーP1との間の差が、利得増加ΔGの実質的に1.5倍よりも大きいならば、第2のパワーと第1のパワーとの間の差に対応する、ミキサ18の出力における信号のパワーPの変化が、利得増加ΔGに対して非線形であるとき、相互変調が存在すると考える。一例として、もしパワー変化P2-P1が、不等式(1)または(2)を検証するならば、その時制御モジュール16は、相互変調が存在すると考える。さもなければ、すなわち、もしパワー変化P2-P1が、利得増加ΔGに対して実質的に線形であるならば、例えばもし不等式(1)または(2)が、検証されないならば、その時制御モジュール16は、相互変調が検出されないと考える。
【0066】
もしステップ110の間になされる相互変調検出が、正であるならば、すなわち、もし制御モジュール16が、相互変調が存在すると考えるならば、その時受信デバイス10は、ステップ120に進み、その間に制御モジュール16は、広帯域検出器26、28から来る利得Gのどんな変更設定点も考慮しながら、前段増幅器14の利得Gを制御する。
【0067】
さもなければ、もし相互変調検出が、負であるならば、すなわち、もし制御モジュール16が、相互変調が存在しないとステップ110の間に考えるならば、その時受信デバイス10は、ステップ130に進み、その間に制御モジュール16は、広帯域検出器26、28から来るどんな設定点も無視しながら、前段増幅器14の利得Gを制御する。
【0068】
もし、少なくとも1つのストレイ隣接信号の存在についてテストするための初期のオプションのステップ100の終わりに、テストが、負であるならば、すなわち、もしストレイ隣接信号が、検出されないならば、その時受信デバイス10は、広帯域検出器26、28から来る利得Gのどんな変更設定点も説明するために、ステップ100から利得を制御するためのステップ120に直接進む。
【0069】
当業者はもちろん、受信デバイス10が、オプションの初期ステップ100を行わないときは、それが次いで、ステップ110において直接受信方法を始めるということを理解するであろう。
【0070】
WBD設定点を考慮しながら利得を制御するためのステップ120の終わりに、またはWBD設定点を考慮することなく利得を制御するためのステップ130の終わりに、受信デバイス10は、ステップ140の間に、その前段増幅器14を介して受信される無線信号を増幅する。
【0071】
受信デバイス10は、ステップ150の間に、有効信号と呼ばれる、前段増幅器14から来る信号を好ましくは非変調の基準信号と、そのミキサ18を介して混合し、ミキサ18から来るアナログ信号は次に、アナログ/デジタル変換器24によってデジタル信号に変換される。
【0072】
アナログ/デジタル変換器24によって変換されたこのデジタル信号は、受信デバイス10の出力に供給される信号に対応する。アナログ/デジタル変換器24によってこのように変換された信号は次に典型的には、デジタル的にフィルタ処理され、必要ならば再サンプリングされ(デジタル信号の場合サンプリング周波数の適合)、受信デバイスの出力に置かれる受信機によって復調される。復調信号はその結果、第三者デバイス(車、ラジオ、TV、その他)によって再生されることを目的とするオーディオおよび/またはビデオ信号になる。
【0073】
受信方法は次に、新しい無線信号の受信を行うために、オプションの初期ステップ100がなされるかどうかに応じてステップ100またはステップ110に戻る。
【0074】
それ故に、本発明による電子受信デバイス10は、利得増加ΔGの前段増幅器14による生成を命令し、次いでこの利得増加ΔGから生じる、ミキサ18から来る信号のパワー変化が、生成される利得増加ΔGに対して実質的に線形変化であるか、または反対に非線形変化であるかを観察することによって、より簡単にかつ制御モジュール16を介して、潜在的相互変調の検出を行うことを可能にする。もしミキサ18の出力における信号のパワー変化P2-P1が、利得増加ΔGに対して非線形であるならば、相互変調はその時、存在すると考えられる。相関性のある方式では、もしパワーの変化P2-P1が、生成される利得増加ΔGに対して実質的に線形であるならば、相互変調は、存在しないと考えられる。
【0075】
利得増加ΔGの前段増幅器14による生成は好ましくは、この相互変調検出を連続する時間間隔において行うために、制御モジュール16によって繰り返し制御される。
【0076】
2つの連続する利得増加ΔGn、ΔGn+1の2つの連続する生成の瞬間tn、tn+1の間の時間ギャップはさらに好ましくは、相互変調が、定義済みの前段最大利得Gmaxに対して最後の利得増加ΔGnおよび前段増幅器14の利得Gの値に続いて検出されるかどうかに依存し、それは、この相互変調検出に起因するどんな振動の導入のリスクも制限することを可能にし、次いで潜在的に受信デバイス10の出力に配送される信号をかく乱するということになる。
【0077】
利得増加ΔGの生成は次いで例えば、相互変調が、最後の利得増加ΔGの後に検出されなかった場合に限り、かつもし前段増幅器14の利得Gが、定義済みの前段最大利得Gmaxよりも小さいならば、比較的低い一時的周期性で、典型的には実質的に1msに等しい時間周期で周期的に命令される。さもなければ、もし前段増幅器14の利得Gが、実質的に定義済みの前段最大利得Gmaxに等しいならば、その時次の利得増加ΔGn+1と前の利得増加ΔGnとの間の時間ギャップは、著しく増やされ、典型的には50msに等しい。同様に、もし相互変調が、最後の利得増加ΔGnの後に検出されたならば、その時次の利得増加ΔGn+1と最後の利得増加ΔGnとの間の時間ギャップもまた、増やされ、この増加は、しかしながら、前段増幅器14の利得Gが実質的に定義済みの前段最大利得Gmaxに等しい場合よりも小さく、時間ギャップはその時典型的には、実質的に20msに等しい。
【0078】
オプションの追加として、少なくとも1つの強い隣接信号などの、少なくとも1つのストレイ隣接信号の存在テストを行うことはさらに、相互変調検出を必要である場合に限り行うことを可能にする。実際、もしストレイ隣接信号が、検出されないならば、その時次に相互変調検出を行うことは、必要でなく、受信方法は次いでこの場合、ステップ100からステップ120に直接進む。
【0079】
人はそれ故に、本発明による電子受信デバイス10が、最先端の電子受信デバイスを用いるよりもより簡単にどんな相互変調の検出も行うことを可能にするということを見ることができる。
【符号の説明】
【0080】
10 電子受信デバイス
12 無線アンテナ
14 前段増幅器
16 制御モジュール
18 ミキサ
20 発振器
22 後段増幅器
24 アナログ/デジタル変換器(ADC)
26 第1の広帯域検出器(WBD)
28 第2の広帯域検出器