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特許7578400アルコール飲料ベース、アルコール飲料、アルコール飲料ベースの製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】アルコール飲料ベース、アルコール飲料、アルコール飲料ベースの製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法
(51)【国際特許分類】
   C12G 3/04 20190101AFI20241029BHJP
   C12G 3/06 20060101ALI20241029BHJP
   C12H 6/02 20190101ALI20241029BHJP
【FI】
C12G3/04
C12G3/06
C12H6/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020011181
(22)【出願日】2020-01-27
(65)【公開番号】P2021114945
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】303040183
【氏名又は名称】サッポロビール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 隆一
【審査官】手島 理
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/165323(WO,A1)
【文献】特開平11-146780(JP,A)
【文献】Flavour Fragr J.,2019年,Vol.34, Issue 6,p.426-435
【文献】クラフトジンレビュー第3弾!メイドイン岡山のクラフトジンを飲んでみた。,イエノミスタイル[online],[2023年12月26日検索]、インターネット<URL:https://www.ienomistyle.com/trend/20170911-538>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12G
C12H
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸留酒を含有するアルコール飲料ベースであって、
酢酸リナリルの含有量をXmg/Lとし、希釈倍率をM倍とした場合に、
X/Mが0.06以上2.00以下であり、
前記蒸留酒がジンであるアルコール飲料ベース。
【請求項2】
シネオールを含有する請求項1に記載のアルコール飲料ベース。
【請求項3】
前記シネオールの含有量をYmg/Lとした場合に、
Y/Mが0.001以上である請求項2に記載のアルコール飲料ベース。
【請求項4】
蒸留酒を含有するアルコール飲料であって、
酢酸リナリルの含有量が0.06mg/L以上2.00mg/L以下であり、
前記蒸留酒がジンであるアルコール飲料。
【請求項5】
蒸留酒を含有するアルコール飲料ベースの製造方法であって、
酢酸リナリルの含有量をXmg/Lとし、希釈倍率をM倍とした場合に、X/Mが0.06以上2.00以下を満たすように調製する工程を含むとともに、
蒸留酒にラベンダーとホップと草根木皮とを浸漬させる浸漬工程と、前記浸漬工程で得られた浸漬液に対して蒸留処理を施す蒸留工程と、を含むことによって、前記X/Mを調整するアルコール飲料ベースの製造方法。
【請求項6】
ジンを含有するアルコール飲料の薬草的な苦味を低減し、味の軽快さと味の滑らかさとを増強させる香味向上方法であって、
前記アルコール飲料の酢酸リナリルの含有量を0.06mg/L以上2.00mg/L以下とするアルコール飲料の香味向上方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール飲料ベース、アルコール飲料、アルコール飲料ベースの製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸留酒は、蒸留処理を施して製造されることから、アルコール度数が高く雑味が少なくなるため、アルコール感が強くクリアな香味のものが多い。ただ、このような蒸留酒の香味について、刺激的な香味としてネガティブに感じてしまう消費者も存在する。
【0003】
そこで、蒸留酒のアルコールの刺激的な香味をマスキングする技術として、以下のような技術が提案されている。
具体的には、特許文献1において、2,6-ノナジエナール及び2,4-デカジエナールからなる群より選択される少なくとも1種のアルコール刺激感マスキング物質を含有するアルコール飲料であって、前記アルコール飲料における前記マスキング物質の含有量が、アルコール度数1%に対して6ppt以上80ppt以下であるアルコール飲料が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-119841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、蒸留酒の香味を詳細に検討した結果、特許文献1で取り上げられているアルコールの刺激感とは異なる問題点として、薬草的な苦味が感じられるという新たな課題を見出した。
【0006】
また、蒸留酒は、アルコール感が強いために味が重々しくハードに感じやすいとともに、アルコールの刺々しさも感じやすい。
したがって、本発明者は、蒸留酒の味について少しでも味の軽快さを増強させ、さらには、味の滑らかを増強させることができれば、商品価値を向上させることができると考えた。
【0007】
そこで、本発明は、薬草的な苦味が低減され、味の軽快さと味の滑らかさとが増強されたアルコール飲料ベース、アルコール飲料、アルコール飲料ベースの製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)蒸留酒を含有するアルコール飲料ベースであって、酢酸リナリルの含有量をXmg/Lとし、希釈倍率をM倍とした場合に、X/Mが0.06以上2.00以下であり、前記蒸留酒がジンであるアルコール飲料ベース。
(2)シネオールを含有する前記1に記載のアルコール飲料ベース。
(3)前記シネオールの含有量をYmg/Lとした場合に、Y/Mが0.001以上である前記2に記載のアルコール飲料ベース。
)蒸留酒を含有するアルコール飲料であって、酢酸リナリルの含有量が0.06mg/L以上2.00mg/L以下であり、前記蒸留酒がジンであるアルコール飲料。
)蒸留酒を含有するアルコール飲料ベースの製造方法であって、酢酸リナリルの含有量をXmg/Lとし、希釈倍率をM倍とした場合に、X/Mが0.06以上2.00以下を満たすように調製する工程を含むとともに、蒸留酒にラベンダーとホップと草根木皮とを浸漬させる浸漬工程と、前記浸漬工程で得られた浸漬液に対して蒸留処理を施す蒸留工程と、を含むことによって、前記X/Mを調整するアルコール飲料ベースの製造方法。
ジンを含有するアルコール飲料の薬草的な苦味を低減し、味の軽快さと味の滑らかさとを増強させる香味向上方法であって、前記アルコール飲料の酢酸リナリルの含有量を0.06mg/L以上2.00mg/L以下とするアルコール飲料の香味向上方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るアルコール飲料ベース、及び、アルコール飲料は、薬草的な苦味が低減され、味の軽快さと味の滑らかさとが増強されている。
本発明に係るアルコール飲料ベースの製造方法は、薬草的な苦味が低減され、味の軽快さと味の滑らかさとが増強されたアルコール飲料ベースを製造することができる。
本発明に係るアルコール飲料の香味向上方法は、蒸留酒を含有するアルコール飲料の薬草的な苦味を低減し、味の軽快さと味の滑らかさとを増強させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るアルコール飲料ベース、アルコール飲料、アルコール飲料ベースの製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法を実施するための形態(実施形態)について説明する。
【0011】
[アルコール飲料]
本実施形態に係るアルコール飲料は、蒸留酒を含有するとともに、酢酸リナリルを含有している。また、本実施形態に係るアルコール飲料は、シネオールを含有してもよい。
ここで、アルコール飲料とは、アルコールを含有する飲料であり、特定の種類の飲料に限定されないものの、例えば、チューハイテイスト飲料が挙げられる。そして、このチューハイテイスト飲料とは、チューハイのような味わいを呈する飲料、つまり、チューハイの香味が感じられるように香味設計された飲料である。なお、チューハイの香味には、サワーやカクテルといった香味も含まれる。
ただし、本実施形態に係るアルコール飲料は、後記するアルコール飲料ベースを割り材で割ったものであり、スッキリとした香味にしたい場合は、アルコール飲料ベースと割り材(特に、水、炭酸水、トニックウォーターのいずれか1種)のみで構成される態様とするのが好ましい。
以下、本実施形態に係るアルコール飲料を構成する各要素について説明する。
【0012】
(蒸留酒)
蒸留酒とは、アルコール含有物を蒸留して製造された酒である。そして、蒸留酒としては、例えば、ジン、焼酎、ブランデー、ウォッカ、ウイスキー等の各種スピリッツ、原料用アルコール等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ただ、この中でも、蒸留酒としては、ジンを用いるのが、課題(特に、薬草的な苦味)の明確化の観点から好ましい。
なお、ジンとは、大麦、ライ麦、ジャガイモなどの穀物を原料として糖化、発酵、蒸留をした蒸留酒に、草根木皮の香味成分(ボタニカル成分)を加えてさらに蒸留した無色透明の酒である。
【0013】
(酢酸リナリル)
酢酸リナリル(linalyl acetate)とは、リナロールの酢酸エステルである。
本発明者は、アルコール飲料が蒸留酒を含むことによる問題点(薬草的な苦味、重々しさ、刺々しさ)を解消できる成分として、酢酸リナリルに着目し、さらに、この酢酸リナリルの含有量を特定することによって、薬草的な苦味の低減、味の軽快さと味の滑らかさとの増強という効果を発揮できることを見出した。
なお、酢酸リナリルの由来は、特に限定されないものの、蒸留酒(特に、ジン)に由来するのが好ましい。
【0014】
酢酸リナリルの含有量は、0.06mg/L以上が好ましく、0.07mg/L以上、0.08mg/L以上、0.10mg/L以上、0.13mg/L以上、0.15mg/L以上、0.18mg/L以上、0.20mg/L以上、0.23mg/L以上、0.25mg/L以上がより好ましい。酢酸リナリルの含有量が所定値以上であることによって、薬草的な苦味を低減させ、味の軽快さと味の滑らかさとを増強させることができる。
酢酸リナリルの含有量は、2.00mg/L以下が好ましく、1.70mg/L以下、1.50mg/L以下、1.30mg/L以下、1.00mg/L以下、0.80mg/L以下、0.50mg/L以下がより好ましい。酢酸リナリルの含有量が所定値以下であることによって、酢酸リナリルに基づく各効果を十分に発揮させつつ、総合評価も好ましい状態とすることができる。
【0015】
(シネオール)
シネオール(cineol)とは、環状エーテル構造を持つモノテルペノイドの一種であり、ユーカリプトールとも呼ばれる。
本発明者は、シネオールの含有量を特定することによって、前記した酢酸リナリルが発揮する効果(薬草的な苦味の低減、味の軽快さと味の滑らかさの増強)をさらに強化できることを見出した。
なお、シネオールの由来は、特に限定されないものの、蒸留酒(特に、ジン)に由来するのが好ましい。
【0016】
シネオールの含有量は、0.001mg/L以上が好ましく、0.003mg/L以上、0.030mg/L以上、0.040mg/L以上、0.050mg/L以上、0.080mg/L以上、0.100mg/L以上、0.150mg/L以上、0.300mg/L以上、0.400mg/L以上がより好ましい。シネオールの含有量が所定値以上であることによって、薬草的な苦味をさらに低減させ、味の軽快さと味の滑らかさとをさらに増強させることができる。
シネオールの含有量は、4.000mg/L以下が好ましく、3.800mg/L以下、3.000mg/L以下、2.500mg/L以下、2.000mg/L以下、1.800mg/L以下、1.500mg/L以下、1.000mg/L以下、0.800mg/L以下がより好ましい。シネオールの含有量が所定値以下であることによって、各効果をさらに十分に発揮させつつ、総合評価もより好ましい状態とすることができる。
【0017】
なお、アルコール飲料(及びアルコール飲料ベース)の酢酸リナリルの含有量とシネオールの含有量とは、例えば、質量分析計付きガスクロマトグラフィー(GC-MS)法によって測定することができる。
【0018】
(アルコール度数)
本実施形態に係るアルコール飲料は、前記した蒸留酒を含有することから所定のアルコール度数となる。
詳細には、アルコール飲料のアルコール度数は、3v/v%以上であるのが好ましく、5v/v%以上、7v/v%以上、8v/v%以上、9v/v%以上、10v/v%以上であるのがより好ましい。また、アルコール飲料のアルコール度数は、20v/v%以下であるのが好ましく、18v/v%以下、15v/v%以下、13v/v%以下、12v/v%以下であるのがより好ましい。
なお、アルコール飲料(及びアルコール飲料ベース)のアルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計法)に基づいて測定することができる。
【0019】
(アルコール度数に対する酢酸リナリルの含有量の比率:x/a)
本実施形態に係るアルコール飲料は、酢酸リナリルの含有量を特定する代わりに(又は、加えて)、アルコール度数に対する酢酸リナリルの含有量の比率を特定する構成となっていてもよい。
具体的には、本実施形態に係るアルコール飲料の酢酸リナリルの含有量をxmg/Lとし、アルコール度数をav/v%とした場合に、x/aの値は以下のとおりである。
x/aの値は、0.0050以上が好ましく、0.0060以上、0.0070以上、0.0100以上、0.0200以上、0.0250以上がより好ましい。x/aの値が所定値以上であることによって、薬草的な苦味を低減させ、味の軽快さと味の滑らかさとを増強させることができる。
x/aの値は、0.2000以下が好ましく、0.1800以下、0.1500以下、0.0800以下、0.0600以下、0.0500以下がより好ましい。x/aの値が所定値以下であることによって、酢酸リナリルに基づく各効果を十分に発揮させつつ、総合評価も好ましい状態とすることができる。
【0020】
(アルコール度数に対するシネオールの含有量の比率:y/a)
本実施形態に係るアルコール飲料は、シネオールの含有量を特定する代わりに(又は、加えて)、アルコール度数に対するシネオールの含有量の比率を特定する構成となっていてもよい。
具体的には、本実施形態に係るアルコール飲料のシネオールの含有量をymg/Lとし、アルコール度数をav/v%とした場合に、y/aの値は以下のとおりである。
y/aの値は、0.0001以上が好ましく、0.0003以上、0.0030以上、0.0050以上、0.0100以上、0.0150以上、0.0300以上がより好ましい。y/aの値が所定値以上であることによって、薬草的な苦味をさらに低減させ、味の軽快さと味の滑らかさとをさらに増強させることができる。
y/aの値は、0.4000以下が好ましく、0.3800以下、0.2000以下、0.1800以下、0.1500以下、0.1000以下、0.0800以下がより好ましい。y/aの値が所定値以下であることによって、各効果をさらに十分に発揮させつつ、総合評価もより好ましい状態とすることができる。
【0021】
(発泡性)
本実施形態に係るアルコール飲料は、アルコール飲料ベースを発泡性のある割り材で希釈して製造する場合は、発泡性の飲料、つまり、炭酸飲料となる。そして、アルコール飲料の20℃におけるガス圧(全圧)は、0.5kg/cm以上が好ましく、1.0kg/cm以上、1.5kg/cm以上、2.0kg/cm以上がより好ましい。
【0022】
(その他)
本実施形態に係るアルコール飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を含有していてもよい。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトースなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、クエン酸、乳酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
【0023】
本実施形態に係るアルコール飲料は、チューハイテイスト飲料とする場合、フルーツフレーバー(フルーツ様の香りを付与するフレーバー)、果汁(果実を搾った汁)、果実エキス(果実又は果汁から水やアルコールなどを用いて有効成分を抽出した抽出物)を含有させることもできる。そして、果汁としては、例えば、濃縮果汁、還元果汁、ストレート果汁といった各種果汁、果実ピューレ(火を通した果実あるいは生の果実をすりつぶしたり裏ごししたりした半液体状のもの)、これらの希釈液、濃縮液、混合液などを用いることができる。
果汁の由来となる果実(および、果実フレーバーや果実エキスの果実種)は、柑橘類果実である、レモン、ライム、ミカン、オレンジ、グレープフルーツ、ユズ、シークワーサー等や、バラ科果実である、梅、リンゴ、イチゴ、桃等、これら以外にも、ぶどう、プラム、ざくろ、ブルーベリー、カシス、クランベリー、マキベリー、いちご、アップル、ピーチ、マンゴー、パイナップル、キウイ、梨等といった従来公知の果実も挙げることができる。
なお、本発明の効果(薬草的な苦味の低減、味の軽快さと味の滑らかさとの増強)は、フレーバー・果汁・果実エキスの香味タイプや香味の強弱から大きな影響は受けないとともに、当該効果が消失してしまうといったことはないと考えることから、フレーバーなどによる香味タイプは前記のとおり多様であってもよく、含有量についても特に限定されない。
【0024】
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料は、薬草的な苦味が低減され、味の軽快さと味の滑らかさとが増強されている。
また、本実施形態に係るアルコール飲料は、飲料としての総合評価も好ましい状態となっている。
【0025】
[アルコール飲料ベース]
本実施形態に係るアルコール飲料ベースは、蒸留酒を含有するとともに、酢酸リナリルの含有量の希釈倍率に対する比率が所定値以上(又は所定範囲内)となる飲料ベースである。そして、本実施形態に係るアルコール飲料ベースは、割り材で希釈されることにより前記したアルコール飲料とすることができる。
なお、本実施形態に係るアルコール飲料ベースは、消費者や飲食店などに提供されるに際して、飲料ベースの状態(RTS:Ready To Serve)で提供された後に割り材で希釈されてもよいし、飲料ベースを割り材で希釈した後に飲料の状態(RTD:Ready To Drink)で提供されてもよい。
【0026】
以下、本実施形態に係るアルコール飲料ベースを説明するに際して、前記のアルコール飲料と共通する構成については説明を省略し、相違する構成(特に含有量等)を中心に説明する。
【0027】
(酢酸リナリル)
本実施形態に係るアルコール飲料ベースの酢酸リナリルの含有量をXmg/Lとし、希釈倍率をM倍とした場合に、X/Mの値は以下のとおりである。
X/Mの値は、0.06以上が好ましく、0.07以上、0.08以上、0.10以上、0.13以上、0.15以上、0.18以上、0.20以上、0.23以上、0.25以上がより好ましい。X/Mの値が所定値以上であることによって、希釈後の飲料について、薬草的な苦味を低減させ、味の軽快さと味の滑らかさとを増強させることができる。
X/Mの値は、2.00以下が好ましく、1.70以下、1.50以下、1.30以下、1.00以下、0.80以下、0.50以下がより好ましい。X/Mの値が所定値以下であることによって、希釈後の飲料について、酢酸リナリルに基づく各効果を十分に発揮させつつ、総合評価も好ましい状態とすることができる。
【0028】
(シネオール)
本実施形態に係るアルコール飲料ベースのシネオールの含有量をYmg/Lとし、希釈倍率をM倍とした場合に、Y/Mの値は以下のとおりである。
Y/Mの値は、0.001以上が好ましく、0.003以上、0.030以上、0.040以上、0.050以上、0.080以上、0.100以上、0.150以上、0.300以上、0.400以上がより好ましい。Y/Mの値が所定値以上であることによって、希釈後の飲料について、薬草的な苦味をさらに低減させ、味の軽快さと味の滑らかさとをさらに増強させることができる。
Y/Mの値は、4.000以下が好ましく、3.800以下、3.000以下、2.500以下、2.000以下、1.800以下、1.500以下、1.000以下、0.800以下がより好ましい。Y/Mの値が所定値以下であることによって、希釈後の飲料について、各効果をさらに十分に発揮させつつ、総合評価もより好ましい状態とすることができる。
【0029】
(アルコール度数)
本実施形態に係るアルコール飲料ベースは、前記した「アルコール飲料」で示した蒸留酒を含有することから所定のアルコール度数となる。
詳細には、アルコール飲料のアルコール度数は、12v/v%以上であるのが好ましく、20v/v%以上、28v/v%以上、32v/v%以上、36v/v%以上、40v/v%以上であるのがより好ましい。また、アルコール飲料のアルコール度数は、80v/v%以下であるのが好ましく、72v/v%以下、60v/v%以下、50v/v%以下、45v/v%以下であるのがより好ましい。
【0030】
(アルコール度数に対する酢酸リナリルの含有量の比率:X/A)
本実施形態に係るアルコール飲料ベースは、X/Mを特定する代わりに(又は、加えて)、アルコール度数に対する酢酸リナリルの含有量の比率を特定する構成となっていてもよい。
具体的には、本実施形態に係るアルコール飲料ベースの酢酸リナリルの含有量をXmg/Lとし、アルコール度数をAv/v%とした場合に、X/Aの値は以下のとおりである。
X/Aの値は、0.0050以上が好ましく、0.0060以上、0.0070以上、0.0100以上、0.0200以上、0.0250以上がより好ましい。X/Aの値が所定値以上であることによって、希釈後の飲料について、薬草的な苦味を低減させ、味の軽快さと味の滑らかさを増強させることができる。
X/Aの値は、0.2000以下が好ましく、0.1800以下、0.1500以下、0.0800以下、0.0600以下、0.0500以下がより好ましい。X/Aの値が所定値以下であることによって、希釈後の飲料について、酢酸リナリルに基づく各効果を十分に発揮させつつ、総合評価も好ましい状態とすることができる。
【0031】
(アルコール度数に対するシネオールの含有量の比率:Y/A)
本実施形態に係るアルコール飲料ベースは、Y/Mを特定する代わりに(又は、加えて)、アルコール度数に対するシネオールの含有量の比率を特定する構成となっていてもよい。
具体的には、本実施形態に係るアルコール飲料ベースのシネオールの含有量をYmg/Lとし、アルコール度数をAv/v%とした場合に、Y/Aの値は以下のとおりである。
Y/Aの値は、0.0001以上が好ましく、0.0003以上、0.0030以上、0.0050以上、0.0100以上、0.0150以上、0.0300以上がより好ましい。Y/Aの値が所定値以上であることによって、希釈後の飲料について、薬草的な苦味をさらに低減させ、味の軽快さと味の滑らかさをさらに増強させることができる。
Y/Aの値は、0.4000以下が好ましく、0.3800以下、0.2000以下、0.1800以下、0.1500以下、0.1000以下、0.0800以下がより好ましい。Y/Aの値が所定値以下であることによって、希釈後の飲料について、各効果をさらに十分に発揮させつつ、総合評価もより好ましい状態とすることができる。
【0032】
(割り材)
割り材とは、本実施形態に係るアルコール飲料ベースの希釈に用いるものである。
割り材としては、例えば、水、炭酸水、トニックウォーター、お湯、氷、果汁、果汁入り飲料、牛乳、茶等を挙げることができ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、割り材を用いた希釈倍率(=(割り材の容量+アルコール飲料ベースの容量)/アルコール飲料ベースの容量)は、例えば、1.2倍以上、1.5倍以上、2倍以上、3倍以上であり、10倍以下、8倍以下、7倍以下、6倍以下、5倍以下である。
【0033】
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料ベースは、希釈後のアルコール飲料について、薬草的な苦味が低減され、味の軽快さと味の滑らかさが増強されている。
また、本実施形態に係るアルコール飲料ベースは、希釈後のアルコール飲料について、飲料としての総合評価も好ましい状態となっている。
【0034】
[容器詰めアルコール飲料、及び、容器詰めアルコール飲料ベース]
本実施形態に係るアルコール飲料、及び、アルコール飲料ベースは、各種容器に入れて提供することができる。各種容器にアルコール飲料やアルコール飲料ベースを詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
なお、容器詰めアルコール飲料ベースの場合、容器に希釈倍率(M倍)を表記しておいてもよい。
【0035】
なお、本実施形態に係るアルコール飲料、及び、アルコール飲料ベースについて、明示していない特性や条件については、従来公知のものであればよく、前記特性や条件によって得られる効果を奏する限りにおいて、限定されないことは言うまでもない。
【0036】
[アルコール飲料、及び、アルコール飲料ベースの製造方法]
次に、本実施形態に係るアルコール飲料、及び、アルコール飲料ベースの製造方法を説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料、及び、アルコール飲料ベースの製造方法は、混合工程と、後処理工程を含む。
【0037】
混合工程では、混合タンクに、水、酢酸リナリル、シネオール、蒸留酒、添加剤、割り材に相当する材料(アルコール飲料の場合)などを適宜投入して混合後液を製造する。
この混合工程において、酢酸リナリル、シネオールの含有量や、X/M、Y/Mの値などが所定範囲内となるように各原料を混合し、調製すればよい。
【0038】
そして、後処理工程では、例えば、ろ過、殺菌、炭酸ガスの付加、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う。
なお、後処理工程のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程の殺菌処理は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにおいて充填するのが好ましい。そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
【0039】
なお、混合工程と後処理工程において行われる各処理は、RTS・RTD飲料などを製造するために一般的に用いられている設備によって行うことができる。
【0040】
ここまで、本実施形態に係るアルコール飲料ベースの製造方法として、混合工程と後処理工程とを含む態様を説明したが、この態様には限定されない。
例えば、本実施形態に係るアルコール飲料ベースの製造方法は、蒸留酒(例えば、原料用アルコール)に対してラベンダーとホップと草根木皮とを常温(例えば、10~30℃、好ましくは15~25℃)で所定期間(例えば、1~10日、好ましくは2~5日)浸漬させる浸漬工程と、浸漬液から浸漬成分を除外した後、浸漬液を蒸留する蒸留工程と、を含むという態様であってもよい。この態様において、浸漬成分のホップ量やラベンダー量、浸漬期間などによって、酢酸リナリル、シネオールの含有量や、X/M、Y/Mの値などを調製することができる。この場合において、蒸留工程を経て得られた蒸留酒(ジン)がアルコール飲料ベースとなる。
なお、この蒸留工程での蒸留処理を施す前であって浸漬成分を除外した浸漬液に対し、濾過処理を施してもよく、さらに、所定のアルコール度数(例えば、20~40v/v%)となるように割水処理を施してもよい。また、蒸留工程後の蒸留酒に対し、所望のアルコール度数(例えば、30~50v/v%)とするために割水処理を施してもよく、さらに、濾過処理を施してもよい。
また、この蒸留工程を経て得られた蒸留酒(ジン)を使用して、さらに、前記した混合工程および後処理工程の少なくとも一方を経ることによって、酢酸リナリル、シネオールの含有量や、X/M、Y/Mの値などが所定範囲内となるように調製し、アルコール飲料、及び、アルコール飲料ベースを製造してもよい。
【0041】
なお、浸漬工程で使用するラベンダーとは、シソ科ラヴァンドラ属の植物であり、例えば、乾燥処理を施した乾燥品、滅菌処理を施した滅菌品であってもよい。また、ホップとしては、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスが挙げられるとともに、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品であってもよい。また、草根木皮とは、各種ハーブや果皮やスパイスなどのボタニカル物質であり、一般的なジンの製造に使用されるものであればよく、例えば、ボタニカル粉末、ジュニパーベリー、コリアンダーなどが挙げられる。
【0042】
[アルコール飲料の香味向上方法]
次に、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法は、蒸留酒を含有するアルコール飲料の薬草的な苦味を低減し、味の軽快さと味の滑らかさとを増強させる香味向上方法であって、アルコール飲料の酢酸リナリルの含有量を所定値以上(又は所定範囲内)とする方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「アルコール飲料」において説明した値と同じである。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法は、蒸留酒を含有するアルコール飲料の薬草的な苦味を低減し、味の軽快さと味の滑らかさとを増強させることができる。
【実施例
【0044】
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明について説明する。
【0045】
[サンプルの準備]
サンプル3-4以外の各サンプルは、以下の方法で準備した。
表に示す量となるように、蒸留酒(市販品のジンA、市販品のジンB)、酢酸リナリル、シネオールを適宜配合してアルコール飲料ベースのサンプルを準備した。
なお、アルコール飲料のサンプルは、同番号のアルコール飲料ベースのサンプルを炭酸水で4倍希釈することによって準備した。
そして、表のアルコール飲料の各サンプルの20℃におけるガス圧(全圧)は、約3.5kg/cmであった。
【0046】
[サンプル3-4の準備]
サンプル3-4のみ、以下の方法で準備した。
原料用アルコールに対して、ホップ、ラベンダー(減菌乾燥品)、草根木皮粉末、を常温(約25℃)で約3日間浸漬させた。その後、浸漬液から、ホップ、ラベンダー、草根木皮粉末を除外し、濾過処理を施した後、アルコール度数が30v/v%程度となるように割水処理を施した。そして、アルコール度数が60v/v%程度となるように蒸留処理を施した。その後、アルコール度数が40v/v%となるように割水処理を施し、さらに、濾過処理を施して、蒸留酒(ジンC:アルコール飲料ベースのサンプル3-4)を得た。
そして、このアルコール飲料ベースのサンプル3-4を炭酸水で4倍希釈することによって、アルコール飲料のサンプル3-4を準備した。なお、サンプル3-4の20℃におけるガス圧(全圧)は、約3.5kg/cmであった。
【0047】
[試験内容]
前記の方法により製造した各サンプル(アルコール飲料)について、訓練された識別能力のあるパネル8名が下記評価基準に則って「薬草的な苦味」、「味の軽快さ」、「味の滑らかさ」、「総合評価」について、1~5点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
なお、全ての評価は、サンプルを飲んで評価した。
【0048】
(薬草的な苦味:評価基準)
薬草的な苦味の評価は、サンプル1-1の5点を基準とし、「薬草的な苦味が弱い」場合を1点、「薬草的な苦味が強い」場合を5点と評価した。そして、薬草的な苦味については、点数が低いほど低減されており好ましいと判断できる。
ここで、「薬草的な苦味」が強いとは、蒸留酒に由来する薬草が呈する苦味を強く感じる状態を示しており、「薬草的な苦味」が弱いとは、前記した苦味が低減されている状態を示している。
【0049】
(味の軽快さ:評価基準)
味の軽快さの評価は、サンプル1-1の1点を基準とし、「味の軽快さが弱い」場合を1点、「味の軽快さが強い」場合を5点と評価した。そして、味の軽快さについては、点数が高いほど増強されており好ましいと判断できる。
ここで、「味の軽快さ」が弱いとは、蒸留酒に由来する重々しい味わいの状態を示しており、「味の軽快さ」が強いとは、前記した重々しさが無くなり、ソフトな軽い味わいの状態を示している。
【0050】
(味の滑らかさ:評価基準)
味の滑らかさの評価は、サンプル1-1の1点を基準とし、「味の滑らかさが弱い」場合を1点、「味の滑らかさが強い」場合を5点と評価した。そして、味の滑らかさについては、点数が高いほど増強されており好ましいと判断できる。
ここで、「味の滑らかさ」が弱いとは、蒸留酒に由来するアルコール特有の刺々しさが感じられ滑らかでない状態を示しており、「味の軽快さ」が強いとは、前記した刺々しさが無くなり、滑らかな味わいの状態を示している。
【0051】
(総合評価:評価基準)
総合評価は、「アルコール飲料の香味として劣っている」場合を1点、「アルコール飲料の香味として優れている」場合を5点と評価した。
【0052】
[測定方法]
各サンプル(アルコール飲料ベース)の酢酸リナロールの含有量とシネオールの含有量の測定は、アルコール度数が30%になるように水で希釈し、その希釈液12mLにヘキサン12mLを加え溶媒抽出した。その後、へキサン層8mLを採取して0.5mLまで濃縮した後に質量分析計付きガスクロマトグラフィー(GC-MS)法により分析した。
【0053】
表1~3には、サンプルの各成分の含有量等を示すとともに、各評価の結果を示す。そして、表に示す各成分の含有量は、最終製品における含有量であり、X/M、Y/M、x/a、X/A、y/a、Y/Aなども、最終製品における数値である。
また、表中の小数点を含む数値は、四捨五入を行って表記しており、例えば、小数第2位までを表記している数値は、小数第3位を四捨五入している。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
(結果の検討)
表1のサンプル1-1~1-7の結果から、酢酸リナリルの含有量が所定値以上となると、薬草的な苦味が低減し(例えば、3.5点未満)、味の軽快さが増強し(例えば、2点以上)、味の滑らかさが増強する(例えば、2点以上)ことが確認できた。また、酢酸リナリルの含有量が所定値以上となると、総合評価も好ましい結果となる(例えば、2.5点以上)ことが確認できた。
そして、これらの評価を総合的に考慮すると、サンプル1-1~1-7のうち、サンプル1-4~1-7(特に、サンプル1-4~1-6)が非常に好ましい結果となった。
【0058】
表2のサンプル2-1~2-7の結果から、酢酸リナリルの含有量が所定値以上となるとともにシネオールの含有量が所定値以上となると、薬草的な苦味がさらに低減し、味の軽快さと味の滑らかさとがさらに増強することが確認できた。また、シネオールの含有量が所定値以上となると、総合評価もより好ましい結果となることが確認できた。
そして、これらの評価を総合的に考慮すると、サンプル2-1~2-7のうち、サンプル2-2~2-6(特に、サンプル2-3~2-5)が非常に好ましい結果となった。
【0059】
表3のサンプル3-1~3-4の結果から明らかなように、使用する蒸留酒(ジン)によって、各評価に点数のばらつきは若干あったものの、サンプル3-1の結果と比較すると、サンプル3-2~3-4のいずれもが、薬草的な苦味の低減効果、味の軽快さと味の滑らかさとの増強効果の全てを発揮できていることが確認できた。
この結果から、蒸留酒(ジン)の種類に大きく左右されることなく、一応、所望の各効果が発揮されることがわかり、本発明は様々な蒸留酒を使用する場合に適用可能であることが確認できた。