IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ポーラ化成工業株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】含気油性組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/92 20060101AFI20241029BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20241029BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20241029BHJP
   A23D 9/00 20060101ALI20241029BHJP
   A23D 7/00 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
A61K8/92
A61K8/37
A61K8/36
A61Q19/00
A23D9/00 518
A23D7/00 508
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020060297
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021155389
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松尾 一貴
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第00/057715(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/006870(WO,A1)
【文献】国際公開第2003/063602(WO,A1)
【文献】特表2018-531043(JP,A)
【文献】特表2006-504684(JP,A)
【文献】特開平09-132511(JP,A)
【文献】特開2006-008693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A23D 7/00
A23D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)油脂と、(b)液状油(シリコーンを除く)とを含有する含気油性組成物であって、
(a)油脂は(b)液状油との共存下で30~55℃においてβ型結晶に多形転移するものであり、
(a)油脂の含有量が組成物全体に対して4~30質量%であり、
(b)液状油は水との間の界面張力が35.0mN/m以下となるものである、含気油性組成物。
【請求項2】
(a)油脂がトリベヘニンを含む、請求項1に記載の含気油性組成物。
【請求項3】
(b)液状油がオレイン酸を30質量%以上含有する、請求項1又は2に記載の含気油性組成物。
【請求項4】
(a)油脂と(b)液状油との質量比が4:90~30:70である、請求項1~3のいずれか一項に記載の含気油性組成物。
【請求項5】
オーバーランが140%以上である、請求項1~のいずれか一項に記載の含気油性組成物。
【請求項6】
水の含有量が組成物全体の0.1質量%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の含気油性組成物。
【請求項7】
界面活性剤の含有量が組成物全体の0.1質量%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の含気油性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料や食品に適用しうる含気油性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
油相や水相に気相が分散している状態の含気剤型は、軽くなめらかで独特な感触を演出する。化粧料分野では、洗浄料など使用時に泡立てて含気させるものや、使用時に液相にガスを注入して含気させるエアゾール製剤などがある。食品分野では、ソフトクリームやホイップクリーム、ホイップドバター等がある。
これらの含気組成物においては安定な気泡の形成が重要であり、特に含気した状態で流通させる製品では経時的な気泡の安定性が重要となる。さらに、実質的に水を含まないような油性組成物に含気させる場合は、温度変化でオイルオフ(油のしみ出し)を生じさせない安定性も求められる。そのため、これまでに様々な検討がなされている。
特許文献1には、ホイップクリームの保形成を維持するために、微結晶セルロース増粘剤を含有させて外相の粘度を上げる技術が開示されている。
特許文献2には、炭素数20以上の脂肪酸のエステルとHLB3以下のポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルを併用する油脂固化剤が記載されている。
特許文献3には、撥油性を有するフッ素処理粉体を用いることで、油相に気泡を安定に内包させる技術が開示されている。
特許文献4には、特定の脂肪酸トリグリセリドを含有する粉末油脂組成物を用いて含気泡油脂組成物を調性することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平07-236443号公報
【文献】特開2000-116322号公報
【文献】特開2015-020974号公報
【文献】特開2018-143190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の含気油性組成物では気泡の安定性、特に温度変化に対する安定性が必ずしも満足のいくものではなく、改良の余地があった。
かかる状況を鑑みて、本発明は高温でも安定な含気油性組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、β型結晶を形成する油脂と、特定の液状油とを組み合わせることにより、高温でも安定な気-油界面を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1](a)油脂と、(b)液状油(シリコーンを除く)とを含有する含気油性組成物であって、(a)油脂は(b)液状油との共存下で30~55℃においてβ型結晶に多形転移するものであり、(b)液状油は水との間の界面張力が35.0mN/m以下となるものである、含気油性組成物。
[2](a)油脂がトリベヘニンを含む、[1]に記載の含気油性組成物。
[3](b)液状油がオレイン酸を30質量%以上含有する、[1]又は[2]に記載の含気油性組成物。
[4](a)油脂と(b)液状油との質量比が4:90~30:70である、[1]~[3]のいずれかに記載の含気油性組成物。
[5](a)油脂の含有量が組成物全体に対して4~30質量%である、[1]~[4]のいずれかに記載の含気油性組成物。
[6]オーバーランが140%以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の含気油性組成物。
[7]実質的に水を含有しない、[1]~[6]のいずれかに記載の含気油性組成物。
[8]実質的に界面活性剤を含有しない、[1]~[7]のいずれかに記載の含気油性組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、高温でも安定な含気性油性組成物が提供される。本発明の含気性油性組成物は、ツノが立つくらい硬くしっかりした、弾力のあるホイップクリーム状であり、経時的にも温度変化に対しても気泡が維持される。本発明の含気組成物は、化粧料等の皮膚外用剤や、食品組成物に好ましく適用できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の含気油性組成物は、必須の成分として(a)と(b)とを含有する。
【0009】
(a)は、(b)との共存下で30~55℃においてβ型結晶に多形転移する油脂である。
油脂の結晶多型にはα型、β’型、β型があり、この順に融点が高くなることが知られている。本発明においては堅固な結晶性油脂を用いることで、気-油界面の安定性を図る。
油脂がβ型結晶に多形転移することは、一般的にX線回折法や示差走査熱量測定法(DSC法)により確認することができる。
30~55℃においてβ型結晶に多形転移する、とは前記温度範囲の少なくとも一点の温度において多形転移を生じてβ型結晶を形成することをいう。なお、β型以外の結晶多型、例えばα型やβ’型の結晶多形がX線回折法やDSC法によって検出されることは妨げられないが、好ましくはβ型結晶多形のみを形成する油脂を用いる。
【0010】
このような油脂としては、例えばグリセリンの1~3位に炭素数10~22の飽和又は不飽和の脂肪酸基がエステル結合している脂肪酸トリグリセリドが挙げられる。好ましくは、1~3位に結合する前記脂肪酸は同一のものである。より具体的には、前記脂肪酸としてカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が好ましく挙げられる。また、(a)油脂としては、トリカプリン酸、トリラウリン酸、トリミリスチン酸、トリパルミチン酸、トリステアリン酸、トリアラキジン酸、トリベヘン酸(トリベヘニン)等が好ましく挙げられ、これらのうちトリベヘニンが特に好ましい。
(a)油脂は任意の一種又は二種以上の組み合わせを用いることができるが、トリベヘニンを含むことが好ましく、トリベヘニンのみを用いることがより好ましい。
【0011】
本発明の組成物において、(a)油脂の含有量は、組成物全体に対して4質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。また、組成物全体に対して30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。含有量が30質量%を超えると、油脂の結晶が大きくなりすぎて、うまく含気されない(ホイップ状態にならない)場合がある。また、含有量が4質量%未満だと、均一な気泡が形成されない場合がある。
【0012】
(b)液状油は、シリコーンを除き、かつ水との間の界面張力が35.0mN/m以下となるものである。ここで、液状とは25℃において、流動性を有する状態をいう。このような抱水性がある油剤を用いることで、(a)油脂とともに安定な気-液(油)界面を維持することができ、また均一な気泡を形成することができる。
ここで、界面張力は、ペンダントドロップ法(接触角・ペンダントドロップ型表面張力計により測定し、Young-Laplace法で解析する)で測定される値である。
【0013】
好ましい(b)液状油としては、オレイン酸を液状油全体の30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上含有するものである。複数種類の液状油を(b)として用いる場合は、複数種類の合計においてオレイン酸の割合が前記範囲となればよい。
【0014】
(b)液状油としては、オリーブ油、ハイオレイックひまわり油、サラダ油、椿油、マカデミアナッツ油、ココナッツ油、大豆油などの植物油、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、コメ胚芽油、メドウフォーム油等のエステル油が挙げられ、これらのうち特にオリーブ油、ハイオレイックひまわり油が好ましい。
【0015】
一方、(b)液状油としては、シリコーン油は除かれる。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、シクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、カプリリルメチコン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられる。
【0016】
一方、(b)液状油としては、炭化水素油は安定な気泡が形成されにくいため、好ましくない。
炭化水素油としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、スクワラン、水添ポリ(C6-12)オレフィン、水添ポリイソブテン等が挙げられる。
また、フッ素処理された油剤も、安定な気泡が形成されにくいため、好ましくない。
【0017】
本発明の組成物において、(b)液状油の含有量は、組成物全体に対して70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、85質量%以上がさらに好ましい。また、組成物全体に対して92質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、88質量%以下がさらに好ましい。含有量が92質量%を超えると、気泡が形成されなかったり、安定性が損なわれたりする場合がある。また、含有量が70質量%未満だと、気泡が形成されずに固形状になる場合があり、なめらかさや軽い感触とならず、軟膏のような感触になる場合がある。
【0018】
本発明の組成物において、(a)油脂と(b)液状油との質量比は、4:90~30:70であることが好ましく、10:90~25:70であることがより好ましく、10:90~20:70であることがさらに好ましい。このような比率で含有させることにより、気相が経時や経温で安定に、また気泡が均一になりやすくなる。
【0019】
本発明の含気油性組成物は、(b)液状油中に気泡が分散されており、その気液界面に(a)油脂の結晶が並んでいる状態である。通常、偏光顕微鏡で観察される気泡の大きさは直径10μm程度である。比較的融点の高い(a)油脂の結晶により、気泡が経時および経温でも安定に維持される。
そのような含気油性組成物は、なめらかな、軽い感触のホイップ状態で独特の感触を演出する。
【0020】
本発明の組成物のオーバーランは、140%以上であることが好ましく、より好ましくは160%以上、さらに好ましくは180%以上である。本発明の組成物は気相を多く抱き込んでも安定である。
オーバーランとは、含気組成物における気相の含有(抱き込み)による体積の増加率を指し、下記式により算出される。本明細書においては、通常室温(25℃)における値とする。
オーバーラン(%)=(所定の体積当たりの含気前の組成物の質量-同体積当たりの含気後の組成物の質量)/同体積の含気後の組成物の質量×100
高いオーバーランであることで、ふわっと軽い独特な性状の組成物が提供される。
【0021】
本発明の組成物は、実質的に水を含有しない。
ここで、実質的に含有しないとは、組成物全体の好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下であることをいう。
【0022】
本発明の組成物は、(a)油脂のβ型結晶が油相に分散した状態を経て、含気させることにより製造することができる。具体的な手順としては、(a)油脂及び(b)液状油の混合物を(a)の混合系におけるβ型結晶の融点以上に加温して溶融させる工程、前記溶融した混合物を(a)の混合系におけるα型結晶の融点より10℃以上低い温度まで急冷して種結晶を生成する工程、前記急冷後の混合物を(a)の混合系におけるα型結晶の融点以上かつβ型結晶の融点未満の温度まで加温するテンパリング工程、及びテンパリング工程後の混合物をテンパリング工程の温度下で攪拌して含気させる工程により製造することができるが、これに限定されない。(b)液状油は、その一部又は全部を含気工程における攪拌前に添加してもよい。また、(a)油脂及び(b)液状油の他の含有成分を添加するタイミングは、特に限定されず、溶融工程でともに混合させてもよいし、含気工程における攪拌前に添加してもよい。
【0023】
本発明の含気油性組成物は、化粧料などの皮膚外用剤や、食品に好ましく適用できる。
ホイップ剤型を皮膚外用剤に適用すると、指に取りやすく、軽くよく伸び、肌へのフィット感に優れ、特に化粧料にしたときは化粧もちに優れる。
ホイップ剤型を食品に適用すると、なめらかで独特な口どけを有し、また保形成も良好である。
【0024】
本発明の含気油性組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、他の成分を任意に配合することができる。
かかる任意成分としては、組成物を化粧料等の皮膚外用剤や食品等に通常用いられるものであればよく、皮膚外用剤に用いる任意成分としては例えば、アルコール、エーテル、粉体、油剤、保湿剤、界面活性剤、金属イオン封鎖剤、パール剤、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、ビタミン類、酸化防止剤、防腐剤、水溶性高分子、香料、各種有効成分等が挙げられる。
ただし、実質的に界面活性剤は含有しないことが好ましい。実質的に含有しないとは、通常組成物全体の0.1質量%以下であることをいう。
【0025】
アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の2価のアルコール;トリメチロールプロパン等の3価のアルコール;ペンタエリスリトール等の4価のアルコール;キシリトール等の5価のアルコール;トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール重合体;デンプン分解糖還
元アルコール等の糖アルコール;ポリグリセリン;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル等のアルコールアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等のアルコールアルキルエーテル類;
キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等のグリセリンモノアルキルエーテル類;
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルコール重合体;
グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、等が挙げられる。
【0026】
エーテルとしては、上記アルコールに該当するものの他、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等が挙げられる。
【0027】
粉体としては、球状、針状、板状等その形状は特に限定されず、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、アルミナ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリ(メタ)アクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末、セルロース粉末等);金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ-酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫
色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッド雲母、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッド雲母、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β-カロチン等)等が挙げられる。
【0028】
油剤としては、シリコーン油、極性油、天然油、炭化水素油等が挙げられる。ただし、(b)液状油の条件に該当しない油剤、特にシリコーン油や炭化水素油は、前述したように安定な気-液界面を損なう場合があるため、併用に注意が必要である。
【0029】
極性油としては、合成エステル油として、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、オクチルメトキシシンナメート等が挙げられる。
【0030】
天然油としては、アボカド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、ヒマワリ油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等が挙げられる。
【0031】
保湿剤としては、例えば、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0032】
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0033】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等);N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N-アシルグルタミン酸塩(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POEアルキルエーテルカルボン酸;POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0034】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POEアルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0035】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0036】
非イオン性界面活性剤としては、ポリエーテル変性シリコーン類(例えば、ポリエチレングリコール-10ジメチコン、ポリエチレングリコール-12ジメチコン等);ポリグリセリン変性シリコーン類(例えば、ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等);ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグ
リセロールソルビタン等);グリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等);グリセリンアルキルエーテル等の非親水性非イオン性界面活性剤が挙げられる。また、ポリグリセリン脂肪酸エステル(例えば、モノオレイン酸ポリグリセリル、モノステアリン酸ポリグリセリル等);POEソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレエート、POEソルビットモノステアレート等);POEグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等のPOEモノオレエート等);POE脂肪酸エステル類(例えば、POEジステアレート、POEモノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POEアルキルエーテル類(例えば、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等);POEアルキルフェニルエーテル類(例えば、POEノニルフェニルエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POPアルキルエーテル類(例えば、POE・POPセチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等);テトラ POE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等);POEミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POEソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POEプロピレングリコール脂肪酸エステル;POEアルキルアミン;POE脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルグルコシド;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等の親水性非イオン性界面活性剤も挙げられる。
【0037】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0038】
パール剤としては、例えば、ジステアリン酸グリコール、チタンマイカ等が挙げられる。
【0039】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム) 、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0040】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
【0041】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0042】
pH調整剤としては、例えば、乳酸-乳酸ナトリウム、クエン酸-クエン酸ナトリウム、コハク酸-コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0043】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0044】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール、ピロ亜硫酸塩、没食子酸エステル、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0045】
防腐剤としては、例えば、パラベン類、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0046】
水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等の天然の水溶性高分子、
デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等の半合成の水溶性高分子、
ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等の合成の水溶性高分子が挙げられる。
【0047】
各種有効成分としては、例えば、消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキ
サニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0048】
食品に用いる任意成分としては例えば、食品素材、界面活性剤(乳化剤)、増粘剤(安定剤)、着色料、酸化防止剤、タンパク質、乳製品、その他食品添加物等が挙げられる。
ただし、実質的に界面活性剤(乳化剤)は含有しないことが好ましい。実質的に含有しないとは、通常組成物全体の0.1質量%以下であることをいう。
食品素材としては、穀類、豆類、野菜類、肉類、および魚介類などが挙げられる。
界面活性剤(乳化剤)としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、ポリグリセリン縮合リシノレイン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、および乳脂肪球皮膜などが挙げられる。
増粘剤(安定剤)としては、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ジェランガム、アラビアガム、コーンスターチ、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、CMC、微細セルロース、ゼラチン、寒天、およびペクチンなどが挙げられる。
着色料としては、β-カロテン、カラメル、および紅麹色素などが挙げられる。
酸化防止剤としては、トコフェロール、アスコルビン酸、およびルチンなどが挙げられる。
タンパク質としては、小麦蛋白や大豆蛋白などの植物タンパク質や、ホエイ(乳清)蛋白やカゼインなどの乳タンパク質、その他動物タンパク質が挙げられる。
乳製品としては、卵および各種卵加工品、脱脂粉乳、全脂粉乳などが挙げられる。
その他の食品添加物としては、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、およびココアパウダーなどの呈味剤・風味剤、調味料、香料、pH調整剤、食品保存料などが挙げられる。
【実施例
【0049】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0050】
表1に記載の処方で含気油性組成物を調製した。具体的にはaをbに添加し、加温して80℃で完全に融解した後、約10℃まで急冷した後、約50℃に加温して、ホバードミキサーで攪拌して含気油性組成物を得た。
【0051】
【表1】
【0052】
得られた各含気油性組成物について、以下の項目を4段階でそれぞれ評価した。また、オーバーランを測定した。
結果を表1に合わせて示す。
【0053】
感触・外観>
25℃下で、調製直後の組成物をスプーンですくった時の感触と外観を評価した。
◎:硬く、弾力があり、ツノが立っており、非常に良好
〇:弾力があり、ツノが立っており、良好
△:柔らかく、弾力は弱く、ツノが立ちにくく、やや不良
×:べちゃっとつぶれ、弾力はなく、不良
【0054】
<高温安定性>
50℃下で2週間保存した組成物をスプーンですくったときの感触と外観(特にオイルオフの有無)を評価した。
◎:内容物の表面にツヤがでるが、硬く、弾力のあるホイップ状を維持できている。
〇:わずかなオイルオフがみられるが、品質に影響を与えるレベルではなく、弾力のあるホイップ状を維持できている。
△:目視で認識できるレベルのオイルオフがあり、弾力が弱いホイップである。
×:含気系になっていいため、評価不可。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明により、高温でも安定な含気性油性組成物が提供される。本発明の含気性油性組成物は、ツノが立つくらい硬くしっかりした、弾力のあるホイップクリーム状であり、経時的にも温度変化に対しても気泡が維持される。本発明の含気組成物は、化粧料等の皮膚外用剤や、食品組成物に好ましく適用できるため、産業上非常に有用である。