(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】実在構造体の供用能力及び残存寿命の三次元スキャンデータを用いた判定
(51)【国際特許分類】
G06F 30/20 20200101AFI20241029BHJP
G01M 99/00 20110101ALI20241029BHJP
G06F 30/10 20200101ALI20241029BHJP
G06F 30/15 20200101ALI20241029BHJP
G06F 30/23 20200101ALI20241029BHJP
【FI】
G06F30/20
G01M99/00 Z
G06F30/10 100
G06F30/15
G06F30/23
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020074804
(22)【出願日】2020-04-20
【審査請求日】2023-04-19
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】トーマス エー.ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ マーティン ファーニオク
(72)【発明者】
【氏名】トッド ロフォ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス イー.スミス
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ ポール ティルゲス
【審査官】合田 幸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-167808(JP,A)
【文献】特開2010-066169(JP,A)
【文献】特開2003-344042(JP,A)
【文献】特開2008-140139(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0002039(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 - 30/398
G01M 99/00
IEEE Xplore
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実在構造体の供用能力及び残存寿命を判定するためのシステムであって、
プロセッサ回路と、
前記プロセッサ回路に接続されたメモリと、を含み、前記メモリは機械可読命令を含み、前記機械可読命令は、前記プロセッサ回路によって実行された際に、
スキャン装置によって取得された、実在構造体を表す三次元(3D)スキャンデータにアクセスし、
前記3Dスキャンデータに基づいて、前記実在構造体に対応する実在表面を表す実在コンピュータ支援設計(CAD)データを生成し、
前記実在表面を表す前記実在CADデータに基づいて、前記実在構造体の供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つを判定するものであり、
前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、
公称表面を含む公称ボリュームを表す公称CADデータにアクセスさせ、前記公称ボリュームは、公称構造体に対応しており、前記公称表面の一部は、前記実在表面に対応しており、
前記公称表面の前記一部を前記実在表面で置換することによって、前記実在表面を含む修正公称ボリュームを表す修正公称CADデータを生成させ、
前記実在構造体の前記供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つを判定することは、さらに前記修正公称CADデータに基づいて行われる、システム。
【請求項2】
前記公称表面の前記一部を置換することは、
前記公称表面の前記一部と前記実在表面とによって画定されるトリムボリュームを、前記公称ボリュームから除去すること、及び、
前記公称表面の前記一部と前記実在表面とによって画定される追加ボリュームを、前記公称ボリュームに追加すること、のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記公称表面の前記一部を置換することは、
前記公称ボリュームに対して前記公称表面を上昇させて、拡張公称ボリュームを生成することと、
上昇された前記公称表面と前記実在表面とによって画定されるトリムボリュームを前記拡張公称ボリュームから除去することと、をさらに含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、
前記修正公称ボリュームの前記実在表面を前記3Dスキャンデータと比較させ、
前記比較に基づいて、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、所定の公差内で一致しているかどうかを判定させ、
前記比較に基づく前記判定に応答して、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、前記所定の公差内で一致しているかどうかを示す表示を生成させる、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、
前記スキャン装置によって取得された、前記実在構造体を表す第2の3Dスキャンデータにアクセスさせ、
前記修正公称CADデータの前記実在表面を前記第2の3Dスキャンデータと比較させ、
前記修正公称CADデータの前記実在表面と前記第2の3Dスキャンデータとの前記比較に基づいて、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、所定の公差内で一致しているかどうかを判定させ、
前記修正公称CADデータの前記実在表面と前記第2の3Dスキャンデータとの前記比較に基づく前記判定に応答して、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、前記所定の公差内で一致しているかどうかを示す表示を生成させる、請求項1~4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記3Dスキャンデータは、3Dメッシュデータ構造を含み、
前記実在CADデータを生成することは、前記3Dメッシュデータ構造を、前記実在表面を含む実在CADデータ構造に変換することをさらに含む、請求項1~5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記実在CADデータに基づいて、前記実在構造体の前記供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つを判定することは、
前記実在CADデータに対して強度分析を行うことにより、前記実在構造体の状態を判定することをさらに含み、強度分析を行うことは、前記実在構造体の前記状態を判定するために、有限要素解析を行うことを含む、請求項1~6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記実在構造体は、供用中のビークル構造体を含み、前記供用中のビークル構造体は、供用中の航空機構造体を含む、請求項1~7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
実在構造体の供用能力及び残存寿命を判定するための方法であって、
スキャン装置によって取得された、実在構造体を表す三次元(3D)スキャンデータに、プロセッサ回路によってアクセスし、
前記3Dスキャンデータに基づいて、前記プロセッサ回路によって、前記実在構造体に対応する実在表面を表す実在コンピュータ支援設計(CAD)データを生成し、
前記実在表面を表す前記実在CADデータに基づいて、前記実在構造体の供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つを判定するものであり、
さらに、公称表面を含む公称ボリュームを表す公称CADデータにアクセスし、前記公称ボリュームは、公称構造体に対応しており、前記公称表面の一部は、前記実在表面に対応しており、
前記公称表面の前記一部を前記実在表面で置換することによって、前記実在表面を含む修正公称ボリュームを表す修正公称CADデータを生成し、
前記実在構造体の前記供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つを判定することは、さらに前記修正公称CADデータに基づいて行われる、方法。
【請求項10】
前記公称表面の前記一部を置換することは、前記公称表面の前記一部と前記実在表面とによって画定されるトリムボリュームを、前記公称ボリュームから除去することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記公称表面の前記一部を置換することは、前記公称表面の前記一部と前記実在表面とによって画定される追加ボリュームを、前記公称ボリュームに追加することをさらに含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記公称表面の前記一部を置換することは、
前記公称ボリュームに対して前記公称表面を上昇させて、拡張公称ボリュームを生成することと、
上昇した前記公称表面と前記実在表面とによって画定されるトリムボリュームを前記拡張公称ボリュームから除去することと、
前記修正公称CADデータに対して強度分析を行うことと、をさらに含む、請求項9~
11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
さらに、前記プロセッサ回路によって、前記修正公称ボリュームの前記実在表面を前記3Dスキャンデータと比較し、
前記プロセッサ回路によって、前記比較に基づいて、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、所定の公差内で一致しているかどうかを判定し、
前記比較に基づく前記判定に応答して、前記プロセッサ回路によって、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、前記所定の公差内で一致しているかどうかを示す表示を生成する、請求項9~12のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施例は、実在構造体の分析に関し、より具体的には、実在構造体の供用能力及び残存寿命を、三次元スキャンデータを用いて判定することに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の構造検査及びメンテナンスの際には、航空機部品に対して、検査、測定、及び、例えば設計公差などの所定の(例えば当初の、あるいは設計時の)許容限界との比較が行われる。例えば、部品は、測定ツール(例えば、カリパス、マイクロメーター、スケール、船体ゲージなど)を用いて、メンテナンス技術者によって手作業で測定される。この測定値が、当該部品の設計公差(例えば、3Dモデル又は2D設計図によって示される設計公差)と比較される。測定値が設計公差内でない場合、分析のために、当該測定値が構造技術者(現場外にいる場合がある)に送られる。この分析によって、当該部品を、再使用すべきか、修理すべきか、廃棄すべきかが、指示される。また、分析が複雑であるため、構造技術者が、分析を完了するために、より多くの測定値を要求する場合があり、これによって検査及びメンテナンスのサイクルタイムが延びる。このような構造検査及びメンテナンスのプロセスは、時間がかかるとともに、当該部品または同じ種類の類似の部品に対して行われた複雑な分析を再利用することが、ほとんどあるいはまったくできない。
【発明の概要】
【0003】
一実施例によれば、実在構造体の供用能力及び残存寿命を判定するためのシステムが開示される。当該システムは、プロセッサ回路と、前記プロセッサ回路に接続されたメモリとを含む。前記メモリは、機械可読命令を含み、前記機械可読命令は、前記プロセッサ回路によって実行された際に、スキャン装置によって取得された、実在構造体を表す三次元(3D)スキャンデータにアクセスする。前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、前記3Dスキャンデータに基づいて、前記実在構造体に対応する実在表面を表す実在コンピュータ支援設計(CAD)データを生成させる。前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、前記実在表面を表す前記実在CADデータに基づいて、前記実在構造体の供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つを判定させる。
【0004】
一実施例及び先行する実施例によれば、前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、公称表面を含む公称ボリュームを表す公称CADデータにアクセスさせ、前記公称ボリュームは、公称構造体に対応しており、前記公称表面の一部は、前記実在表面に対応している。前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、前記公称表面の前記一部を前記実在表面で置換することによって、前記実在表面を含む修正公称ボリュームを表す修正公称CADデータを生成させる。前記実在構造体の前記供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つを判定することは、さらに前記修正公称CADデータに基づいて行われる。
【0005】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、前記公称表面の前記一部を置換することは、前記公称表面の前記一部と前記実在表面とによって画定されるトリムボリュームを、前記公称ボリュームから除去することをさらに含む。
【0006】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、前記公称表面の前記一部を置換することは、前記公称表面の前記一部と前記実在表面とによって画定される追加ボリュームを、前記公称ボリュームに追加することをさらに含む。
【0007】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、前記公称表面の前記一部を置換することは、前記公称ボリュームに対して前記公称表面を上昇させて、拡張公称ボリュームを生成することと、前記上昇公称表面と前記実在表面とによって画定されるトリムボリュームを前記拡張公称ボリュームから除去することと、をさらに含む。
【0008】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、前記修正公称ボリュームの前記実在表面を前記3Dスキャンデータと比較させる。前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、前記比較に基づいて、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、所定の公差内で一致しているかどうかを判定させる。前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、前記判定に応答して、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、前記所定の公差内で一致しているかどうかを示す表示を生成させる。
【0009】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、前記スキャン装置によって取得された、前記実在構造体を表す第2の3Dスキャンデータにアクセスさせる。前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、前記修正公称CADデータの前記実在表面を前記第2の3Dスキャンデータと比較させる。前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、前記比較に基づいて、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、所定の公差内で一致しているかどうかを判定させる。前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、前記判定に応答して、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、前記所定の公差内で一致しているかどうかを示す表示を生成させる。
【0010】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、前記3Dスキャンデータは、3Dメッシュデータ構造を含む。前記実在CADデータを生成することは、前記3Dメッシュデータ構造を、前記実在表面を含む実在CADデータ構造に変換することをさらに含む。
【0011】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、前記実在CADデータに基づいて、前記実在構造体の前記供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つを判定することは、前記実在CADデータに対して強度分析を行うことをさらに含む。
【0012】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、強度分析を行うことは、前記実在構造体の前記状態を判定するために、有限要素解析(FEA)を行うことを含む。
【0013】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、前記実在構造体は、実在ビークル構造体を含む。
【0014】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、前記実在ビークル構造体は、実在航空機構造体を含む。
【0015】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、実在構造体の供用能力及び残存寿命を判定するための方法が開示される。当該方法は、スキャン装置によって取得された、実在構造体を表す三次元(3D)スキャンデータに、プロセッサ回路によってアクセスすることを含む。当該方法は、さらに、前記3Dスキャンデータに基づいて、前記プロセッサ回路によって、前記実在構造体に対応する実在表面を表す実在CADデータを生成することを含む。当該方法は、さらに、前記実在表面を表す前記実在CADデータに基づいて、前記実在構造体の供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つを判定することを含む。
【0016】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、当該方法は、さらに、公称表面を含む公称ボリュームを表す公称CADデータにアクセスすることをさらに含み、前記公称ボリュームは、公称構造体に対応しており、前記公称表面の一部は、前記実在表面に対応している。当該方法は、さらに、前記公称表面の前記一部を前記実在表面で置換することによって、前記実在表面を含む修正公称ボリュームを表す修正公称CADデータを生成することをさらに含む。前記実在構造体の前記供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つを判定することは、さらに前記修正公称CADデータに基づいて行われる。
【0017】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、前記公称表面の前記一部を置換することは、前記公称表面の前記一部と前記実在表面とによって画定されるトリムボリュームを、前記公称ボリュームから除去することをさらに含む。
【0018】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、前記公称表面の前記一部を置換することは、前記公称表面の前記一部と前記実在表面とによって画定される追加ボリュームを、前記公称ボリュームに追加することをさらに含む。
【0019】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、前記公称表面の前記一部を置換することは、前記公称ボリュームに対して前記公称表面を上昇させて、拡張公称ボリュームを生成することと、前記上昇公称表面と前記実在表面とによって画定されるトリムボリュームを前記拡張公称ボリュームから除去することと、をさらに含む。
【0020】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、当該方法は、さらに、前記プロセッサ回路によって、前記修正公称ボリュームの前記実在表面を前記3Dスキャンデータと比較することを含む。当該方法は、さらに、前記プロセッサ回路によって、前記比較に基づいて、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、所定の公差内で一致しているかどうかを判定することを含む。当該方法は、さらに、前記判定に応答して、前記プロセッサ回路によって、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、前記所定の公差内で一致しているかどうかを示す表示を生成することを含む。
【0021】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、当該方法は、さらに、前記修正公称CADデータに対して強度分析を行うことにより、前記実在構造体の状態を判定することをさらに含む。
【0022】
一実施例及び先行する実施例のいずれかによれば、実在構造体の供用能力及び残存寿命を判定するためのシステムが開示される。当該システムは、プロセッサ回路と、前記プロセッサ回路に接続されたメモリとを含む。前記メモリは、機械可読命令を含み、前記機械可読命令は、前記プロセッサ回路によって実行された際に、公称表面を含む公称ボリュームを表す公称CADデータにアクセスし、前記公称ボリュームは、公称構造体に対応している。前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、スキャン装置によって取得された、前記公称構造体の一部に対応する実在構造体を表す三次元(3D)スキャンデータにアクセスさせる。前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、前記3Dスキャンデータに基づいて、前記公称表面の一部に対応する前記実在構造体の実在表面を表す実在CADデータを生成させる。前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、前記公称表面の前記一部を前記実在表面で置換させることによって、前記実在表面を含む修正公称ボリュームを表す修正公称CADデータを生成させる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】一実施例による、実在部品の強度分析のためのコンピュータ支援設計(CAD)データを生成するためのプロセスのフローチャートである。
【
図1B】一実施例による、公称表面の一部を実在表面で置換するプロセスであって、公称表面の一部と実在表面とで画定されるボリュームを公称ボリュームに対して追加または除去することを含むプロセスのフローチャートである。
【
図1C】一実施例による、公称表面の一部を実在表面で置換するプロセスであって、公称表面の上昇部分と実在表面とによって画定されるボリュームを、拡張公称ボリュームから除去することを含むプロセスのフローチャートである。
【
図1D】一実施例による、修正公称ボリュームの精度を検証するプロセス150のフローチャートである。
【
図2A】一実施例による、撮像装置によって実在構造体の3Dスキャンデータを取得する操作を示す図である。
【
図2B】一実施例による、
図2Aで取得された3Dスキャンデータから実在CADデータを生成する操作を示す図である。
【
図2C】一実施例による、公称表面の一部を
図2Bの実在表面で置換することにより公称CADデータを修正して修正公称ボリュームを生成する操作を示す図である。
【
図2D】
図2Cで修正された修正公称ボリュームを含む修正公称CADデータを示す図である。
【
図3A】代替の実施例による、
図2Cの公称ボリュームと同様の公称ボリュームに対して公称表面を上昇させて、拡張公称ボリュームを生成する操作を示す図である。
【
図3B】一実施例による、
図3Aの上昇公称表面と実在表面とによって画定されるトリムボリュームを拡張公称ボリュームから除去することによって修正公称ボリュームを生成する操作を示す図である。
【
図4A】一実施例による、3Dスキャンデータを、
図2Dの修正公称ボリュームと同様の修正公称ボリュームの実在表面と比較する操作を示す図である。
【
図4B】比較に基づいた、修正公称CADデータの実在表面が、実在構造体の実在表面に対してどの程度一致又は逸脱しているかのグラフ表示を示す図である。
【
図5】一実施例による、本明細書に開示のシステム、装置、または方法のいずれかの動作を実行するための演算システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書に記載の実施例または実施形態は、実在構造体の分析に関し、より具体的には、実在構造体(in-service structure)の供用能力及び残存寿命を、三次元スキャンデータを用いて判定することに関する。いくつかの実施例によれば、ビークル(例えば航空機)やその他の構造体などの実在構造体を表す三次元(3D)スキャンデータが、スキャン装置によって取得される。この3Dスキャンデータに基づいて、当該実在の構造体に対応する実在表面を表す実在コンピュータ支援設計(CAD)データが生成される。この実在CADデータに基づいて、実在構造体の供用能力レベル又は推定残存寿命のうちの少なくとも1つが判定される。いくつかの例において、公称CADデータにアクセスし、この公称CADデータは、公称表面(nominal surface)を有する公称ボリューム(nominal volume)を表すものである。公称ボリュームは、公称構造体に対応しており、公称表面の一部は、実在表面に対応している。本実施例では、公称表面の一部を実在表面で置換することによって、実在表面を有する修正公称ボリュームを表す修正公称CADデータを生成する。本実施例では、この修正公称CADデータに基づいて、実在構造体の供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つの判定を行う。
【0025】
このような構成及びその他の構成の1つの効果は、供用状態で強度分析を行うために用いられる有限要素解析(FEA)モデルなどのモデルを、例えば手作業による測定やグリッディング(gridding)などの既存の方法と比べて、より迅速且つ効率的に作成することができるという点である。手作業により測定を行ってCADモデル(例えばFEAメッシュなど)を作成及び修正することに代えて、高精細スキャンにより、実在状態をより正確に表す3D面を生成し、これを用いて、FEA解析用のCADモデルを作成することができる。これによれば、測定及び生成サイクルに要する時間を大幅に短縮することができ、また、FEA分析の精度を従来の手法よりも向上させることができる。
【0026】
これに関して、
図1Aは、一実施例による、実在部品の強度分析のためのCADデータを生成するためのプロセス100のフローチャートである。プロセス100は、公称表面を含む公称ボリュームを表す公称CADデータにアクセスすること(ブロック102)を含み、当該公称ボリュームは、公称構造体に対応するものである。一例において、公称構造体は、航空機又はその他のビークル構造体デザイン(vehicle structure design)である。プロセス100は、スキャン装置によって取得された3Dスキャンデータにアクセスすること(ブロック104)をさらに含む。この3Dスキャンデータは、公称構造体に対応する実在構造体を表すものである。航空機の場合、この実在構造体は、公称の航空機設計に対応する供用中の航空機である。プロセス100は、この3Dスキャンデータに基づいて、実在構造体に対応する、実在表面を表す実在CADデータを生成すること(ブロック106)をさらに含む。いくつかの例において、3Dスキャンデータは、3Dメッシュデータ構造を含み、実在CADデータを生成することは、3Dメッシュデータ構造を、実在表面を含む実在CADデータ構造に変換することをさらに含む。
【0027】
いくつかの例において、実在表面は、摩耗又は損傷を含んでおり、これらによって、実在表面は、公称構造体の対応する公称表面から逸脱している。プロセス100は、実在CADデータに基づいて公称CADデータを修正すること(ブロック108)をさらに含む。一実施例において、これは、公称CADデータの公称表面の一部を、実在CADデータの実在表面で置換することにより、修正公称CADデータを生成すること(ブロック110)を含む。当該公称CADデータの公称表面の一部は、上述した公称構造体の一部に対応する。プロセス100は、実在表面を表す実在CADデータに基づいて、実在構造体の供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つを判定すること(ブロック112)をさらに含む。いくつかの例において、この判定は、修正公称CADデータをメモリに保存すること(ブロック113)、及び、修正公称CADデータを用いて強度分析(例えばFEA強度分析など)を行うこと(ブロック114)を含む。例えば、修正公称CADデータを、FEA強度分析を用いて分析することにより、所定の公差内にある実在構造体の実態又は供用能力のうちの少なくとも1つに対応するFEA結果が得られうる。
【0028】
図1Bは、
図1のブロック110に代わる工程としての、公称表面の一部を実在表面で置換する一例のプロセス110’のフローチャートである。プロセス110’は、公称表面の上記一部及び実在表面に基づいて、トリムボリューム(trim volume)を画定すること(ブロック116)を含む。一実施例において、トリムボリュームを画定することは、公称表面及び実在表面を共通の座標系に配置し、当該座標系の1つ以上の次元における公称表面と実在表面との間のボリュームとして、トリムボリュームを画定することを含む。プロセス110’は、公称ボリュームに対してトリムボリュームを追加または除去すること(ブロック118)により、修正公称CADデータを生成することをさらに含む。トリムボリュームが公称ボリュームに追加される場合、当該トリムボリュームを、追加ボリュームと称することもできる。
【0029】
図1Cは、
図1のブロック110に代わる工程としての、公称表面の一部を実在表面で置換する別の例のプロセス110’’のフローチャートである。プロセス110’’は、公称表面の一部を上昇させることにより、公称ボリュームを拡張すること(ブロック120)を含む。プロセス110’’は、公称表面の上昇部分と実在表面とによって画定されるトリムボリュームを、公称ボリュームから除去すること(ブロック122)をさらに含む。
【0030】
図1Dは、一実施例による、修正公称ボリュームの精度を検証するプロセス150のフローチャートである。プロセス150は、前記3Dスキャンデータ、または、スキャン装置によって取得された実在構造体を表す第2の3Dスキャンデータにアクセスして、修正公称ボリュームの実在表面をそれと比較すること(ブロック152)を含む。プロセス150は、この比較に基づいて、修正公称CADデータにおける実在表面が、実在構造体の実在表面と、所定の公差内で一致しているかどうかを判定すること(ブロック154)をさらに含む。プロセス150は、この判定に応答して、修正公称CADデータにおける実在表面が、実在構造体の実在表面と、所定の公差内で一致しているかどうかを示す表示を生成すること(ブロック156)をさらに含む。
【0031】
次に、
図2A~2Dを参照すると、
図2Aは、一実施例による、撮像装置202によって実在構造体200の3Dスキャンデータを取得する操作を示している。本実施例では、実在構造体200は、供用中の航空機構造体であり、例えば、実世界次元(real-world dimensions)、すなわち、深さ(x)204、長さ(y)206、及び、高さ(z)208の次元を有する航空機の部品である。ただし、実在構造体200は、所望により、他の種類の実在ビークル構造体またはその他の構造体であってもよい。本実施例における実在構造体200は、例えば実在構造体200の摩耗または損傷に起因する、複数の物理的損傷部分210を有している。これらの損傷部分210により、実在構造体200の寸法は、当該実在構造体200の当初の設計又は当初の状態から逸脱している。上述したように、例えば手動測定ツールやグリッディングなどを用いる従来の手作業による測定手法では、時間がかかるとともに、許容できる精度の測定結果や、実在構造体200の供用能力または残存寿命のうちの少なくとも1つを判定するための強度分析やその他の種類の分析を行うのに十分な精度をもたらさない可能性がある。
【0032】
次に
図2Bを参照すると、
図2Aの実在構造体200の3Dスキャンデータを用いて、実在CADデータが生成される。
図2Bに示した3Dスキャンデータは、スキャナ座標系214内に配置及び配向された実在表面212を含む。本実施例では、スキャナ座標系214は、深さ(x)216、長さ(y)218、及び、高さ(z)220の次元を有するデカルト座標系であるが、円筒座標系、球面座標系などの他の種類の座標系も用いることができる。実在表面212は、
図2Aの実在構造体200の物理的損傷部分210に対応する損傷部分222を含んでいる。
【0033】
次に、
図2Cを参照すると、公称構造体225に対応するとともに、実在表面212に対応する公称表面226を有する、公称ボリューム224にアクセスがなされる。公称ボリューム224は、深さ(x)230、長さ(y)232、及び、高さ(z)234の次元を有するCAD座標系228内に配置及び配向される。実在表面212の座標は、公称ボリューム224の対応する公称表面226に対して実在表面212が位置合わせ及びアラインメントされるように、スキャナ座標系214からCAD座標系228に変換される。
【0034】
次に、
図2Dを参照すると、実在表面212により
図2Cの公称表面226を置換することにより、修正公称CADボリューム236が生成される。本実施例における置換機能は、
図1A及び
図1Bを参照して上述したプロセス110’と同様のプロセスによって行われる。
図2Dからわかるように、この修正公称CADボリューム236は、公称CADボリュームと、ほぼ一致する。(すなわち、
図2Aの実在構造体200の当初の設計または当初の状態を表している。)ただし、修正公称CADボリューム236は、実在表面212も含んでおり、
図2Aの実在構造体200におけるスキャンされた物理的損傷部分210に対応する損傷部分222を含んでいる。
【0035】
次に
図3A及び
図3Bを参照すると、
図3Aは、代替の実施例による、
図2Cの公称ボリューム224と同様の公称ボリューム324に対して公称表面326を上昇させて、拡張公称ボリューム340を生成する例を示している。公称ボリューム324は、深さ(x)330、長さ(y)332、及び、高さ(z)334の次元を有するCAD座標系328内に配置及び配向される。本実施例では、公称表面326を高さ(z)334の次元において移動させることにより、拡張公称ボリューム340の上昇面338を形成する。
【0036】
次に、
図3Bを参照すると、
図3Aの上昇面338と、
図2A~
図2Dの実在表面212に類する実在表面312とによって、トリムボリューム342が画定される。トリムボリューム342を拡張公称ボリューム340から除去することにより、修正公称ボリューム336が生成される。本実施例における除去機能は、
図1A及び
図1Cを参照して上述したプロセス110’’と同様のプロセスによって行われる。
【0037】
修正公称ボリュームを当初の3Dスキャンデータと比較して、修正公称ボリュームの精度を検証することにより、例えば、実在構造体の実態または供用能力のうちの少なくとも1つに対応する所定公差内の結果が、FEA強度分析によって得られることを確認することも、望ましい。この点に関し、
図4A及び
図4Bは、3Dスキャンデータを修正公称ボリュームの実在表面と比較して、修正公称CADデータの実在表面が、実在構造体の実在表面に対してどの程度一致又は逸脱しているかをグラフィカルに表示する操作を示している。
【0038】
図4Aにおいて、3Dスキャンデータが、深さ(x)430、長さ(y)432、及び、高さ(z)434の次元を有するCAD座標系428内の検証面444に変換される。検証面444を、測定された実在構造体に対応する損傷部分422を含んだ、修正公称ボリューム436の実在表面412と比較し、これにより、修正公称ボリューム436を3Dスキャンデータと比較する。別の例において、例えば
図2Aの撮像装置202によって、新たな3Dスキャンデータが取得されて検証面444に変換され、これにより、元の3Dスキャンデータに加えて、修正公称ボリューム436との比較及び精度検証を独立して行うことができる。この比較に基づいて、修正公称ボリューム436の実在表面412が、本例における
図2Aの実在構造体200のような実在構造体の実在表面と、所定の公差内で一致しているかどうかが判定される。
【0039】
次に
図4Bを参照すると、この判定に応答して、修正公称ボリューム436の実在表面412が、実在構造体の実在表面と所定の公差内で一致しているかどうかを示す表示446が生成される。本実施例では、表示446は、グラフィカル目盛り448に対応するグラフィカル表示である。グラフィカル目盛り448は、本実施例では、色分け又はパターン分けされており、異なる公差又は公差範囲452、453を、これに対応する色またはパターンで示している。実在表面412における、ある特定の公差又は公差範囲内で3Dスキャンデータに一致している部分は、グラフィカル目盛り448に基づいて、これに対応するパターン又は色で示される。例えば、許容不可範囲453内にある、すなわち、所定の許容可能公差又は公差範囲452から逸脱している、実在表面412の特定の部分450は、修正公称ボリューム426の基本のパターンまたは色とは異なる、あるいは、許容可能公差範囲452に関連付けられたパターン455または色とは異なる、高コントラストのパターン454や色などで示すことができ、これにより、許容範囲を超えて3Dスキャンデータから逸脱している部分450に、見る人の注意を視覚的に引き付けることができる。このようにして、例えばFEA分析の前または後に、修正公称ボリューム436の精度を検証することができる。
【0040】
図5は、一実施例による、本明細書に開示のシステム、装置、または方法のいずれかの動作を実行するための演算システム500のブロック概略図である。一実施例によれば、
図1A~
図1Cのプロセス100は、システム500によって実現及び実行され、また、本明細書に記載の実施例の態様は、システム500によって、実行、構成、及び、提供される。システム500は、プロセッサ装置502を含む。一実施例によれば、プロセッサ装置502は、サーバまたは同様のプロセッサ回路である。プロセッサ装置502は、プロセッサ装置502の動作を制御するため、及び、
図1A~
図1Cのプロセス100に関して本明細書に記載した機能などの機能を実行するための、プロセッサ回路504を含む。プロセッサ装置502は、例えばファイルシステムなどのメモリ506も含む。オペレーティングシステム508、アプリケーション、及びその他のプログラムが、プロセッサ回路504において実行または動作するように、メモリ506に格納されている。1つまたは複数のCADモジュール510またはシステムも、メモリ506に格納されており、これらがコンパイルされ、プロセッサ回路504で実行されて、本明細書に記載の機能または動作を実行する。CADモジュール510は、3Dデータ処理、変換、CAD操作、または本明細書に記載のその他の機能を実行するための任意の種類のソフトウェア、ハードウェア、あるいはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせである。
【0041】
撮像モジュール512も、メモリ506に格納されている。例えば3Dスキャンデータを取得するなどの
図1A~
図1Cのプロセス100は、撮像モジュール512において実現され、撮像モジュール512がコンパイルされてプロセッサ回路504で実行される際に、プロセッサ回路504によって行われる。撮像モジュール512は、CADモジュール510と協働して動作する。一実施例によれば、撮像モジュール512は、CADモジュール510とは別のコンポーネントである。別の実施例において、撮像モジュール512は、CADモジュール510のコンポーネントである。
【0042】
プロセッサ装置502は、1つまたは複数の入力装置、出力装置、または入力/出力装置の組み合わせも含み、これらをまとめてI/O(入出力)装置520とする。I/O装置520は、キーボード又はキーパッド、マウスなどのポインティングデバイス、ディスクドライブ、及び、ユーザがプロセッサ装置502と連係して当該装置の動作を制御することや、CADモジュール510またはシステム及び撮像モジュール512にアクセスすることを可能にする任意の他の装置を含むが、必ずしもこれらに限定されない。一実施例によれば、I/O装置520のうちの少なくとも1つは、コンピュータプログラム製品522などのコンピュータプログラム製品を読み取るための装置である。コンピュータプログラム製品522は、本明細書に詳細に述べたものと同様のものである。CADモジュール510及び撮像モジュール512は、コンピュータプログラム製品522などのコンピュータプログラム製品からメモリ506にロードされる。
【0043】
システム500のネットワークメンバーまたはユーザ523は、コンピュータシステム524または通信装置を用いて、プロセッサ装置502またはサーバ、CADモジュール510、及び撮像モジュール512にアクセスする。コンピュータシステム524または通信装置は、モバイルまたはハンドヘルドのコンピュータや通信装置を含む、任意の種類の通信装置である。コンピュータシステム524は、コンピュータシステム524の動作を制御するためのプロセッサ526、及び、例えばファイルシステムなどのメモリ528または同様のデータ記憶装置を含む。オペレーティングシステム530、アプリケーション532、及びその他のプログラムが、プロセッサ回路526において実行または動作するように、メモリ528に格納されている。ウェブまたはインターネットブラウザ534も、ネットワーク536を介してプロセッサ装置502またはサーバにアクセスするために、メモリ528に格納されている。ネットワーク536は、インターネット、イントラネット、または、他のプライベートネットワークまたは固有のネットワークであってもよい。
【0044】
メモリ528には、CADアプリケーション538も格納されている。一実施例によれば、
図1A~
図1Cのプロセス100は、このCADアプリケーション538によって、実現または実行される。CADアプリケーション538は、コンパイルされ、プロセッサ526で実行されて、例えばプロセス100について説明したものと同様の機能を実行する。
【0045】
1つまたは複数の撮像アプリケーション540も、例えばファイルシステムなどのメモリ528に格納されている。1つまたは複数の撮像アプリケーション540は、3Dデータ処理、変換、CAD操作、または本明細書に記載のその他の機能を実行するための任意の種類のソフトウェアアプリケーションである。一実施例によれば、
図5の例に示すように、CADアプリケーション538は、撮像アプリケーション540とは別のコンポーネントである。別の実施例において、撮像アプリケーション540は、CADアプリケーション538のコンポーネントである。
【0046】
コンピュータシステム524で動作するCADアプリケーション538及び撮像アプリケーション540は、プロセッサ装置502またはサーバのCADモジュール510及び撮像モジュール512と連係又は協働して動作することにより、本明細書に記載の機能または動作を実行する。従って、コンピュータシステム524で動作するCADアプリケーション538及び撮像アプリケーション540が、
図1A~
図1Cのプロセス100の機能及び動作のうちのいくつかを実行し、プロセッサ装置502またはサーバ上で動作するCADモジュール510または撮像モジュール512が、
図1A~
図1Cのプロセス100のその他の機能を実行する。プロセッサ装置502またはサーバ上のCADモジュール510及び撮像モジュール512のみを含む実施例もあれば、クライアントコンピュータシステム524または通信装置上で動作するCADモジュール510及び撮像モジュール512のみを含む実施例もある。
【0047】
一実施例によれば、クライアントコンピュータシステム524または通信装置は、ディスプレイ548、スピーカシステム550、及び、音声通信用のマイク552も含む。CADモジュール510及び撮像モジュール512、または、CADアプリケーション538及び撮像アプリケーション540の動作を制御するための命令、及び、本明細書に記載の動作又は機能を実行するための命令が、ディスプレイ548に表示される。一実施例によれば、上述した実施例の態様を表示するために、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)がディスプレイ548に表示される。
【0048】
一実施例によれば、コンピュータシステム524は、1つまたは複数の入力装置、出力装置、または入力/出力装置の組み合わせも含み、これらをまとめてI/O(入出力)装置554とする。I/O装置554の例には、キーボードまたはキーパッド、マウスなどのポインティングデバイス、ディスクドライブ、及び、ユーザ523などのユーザがコンピュータシステム524と連係して当該装置の動作を制御することや、システム500のコンポーネントにアクセスすることを可能にする任意の他の装置があるが、必ずしもこれらに限定されない。I/O装置554は、
図2Aの撮像装置202のような撮像装置、または、コンピュータプログラム製品522などのコンピュータプログラム製品からコンピュータコードを読み取るように構成された装置も含む。
【0049】
また、本開示は、以下の付記による実施例も含む。
【0050】
付記1. 実在の構造体の供用能力及び残存寿命を判定するためのシステムであって、プロセッサ回路と、前記プロセッサ回路に接続されたメモリと、を含み、前記メモリは機械可読命令を含み、前記機械可読命令は、前記プロセッサ回路によって実行された際に、スキャン装置によって取得された、実在構造体を表す三次元(3D)スキャンデータにアクセスし、前記3Dスキャンデータに基づいて、前記実在構造体に対応する実在表面を表す実在コンピュータ支援設計(CAD)データを生成し、前記実在表面を表す前記実在CADデータに基づいて、前記実在構造体の供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つを判定する、システム。
【0051】
付記2. 前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、公称表面を含む公称ボリュームを表す公称CADデータにアクセスさせ、前記公称ボリュームは、公称構造体に対応しており、前記公称表面の一部は、前記実在表面に対応しており、前記公称表面の前記一部を前記実在表面で置換することによって、前記実在表面を含む修正公称ボリュームを表す修正公称CADデータを生成させ、前記実在構造体の前記供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つを判定することは、さらに前記修正公称CADデータに基づいて行われる、付記1に記載のシステム。
【0052】
付記3. 前記公称表面の前記一部を置換することは、前記公称表面の前記一部と前記実在表面とによって画定されるトリムボリュームを、前記公称ボリュームから除去することをさらに含む、付記2に記載のシステム。
【0053】
付記4. 前記公称表面の前記一部を置換することは、前記公称表面の前記一部と前記実在表面とによって画定される追加ボリュームを、前記公称ボリュームに追加することをさらに含む、付記2に記載のシステム。
【0054】
付記5. 前記公称表面の前記一部を置換することは、前記公称ボリュームに対して前記公称表面を上昇させて、拡張公称ボリュームを生成することと、前記上昇公称表面と前記実在表面とによって画定されるトリムボリュームを前記拡張公称ボリュームから除去することと、をさらに含む、付記2に記載のシステム。
【0055】
付記6. 前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、前記修正公称ボリュームの前記実在表面を前記3Dスキャンデータと比較させ、前記比較に基づいて、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、所定の公差内で一致しているかどうかを判定させ、前記判定に応答して、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、前記所定の公差内で一致しているかどうかを示す表示を生成させる、付記2に記載のシステム。
【0056】
付記7. 前記機械可読命令は、さらに、前記プロセッサ回路に、前記スキャン装置によって取得された、前記実在構造体を表す第2の3Dスキャンデータにアクセスさせ、前記修正公称CADデータの前記実在表面を前記第2の3Dスキャンデータと比較させ、前記比較に基づいて、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、所定の公差内で一致しているかどうかを判定させ、前記判定に応答して、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、前記所定の公差内で一致しているかどうかを示す表示を生成させる、付記2に記載のシステム。
【0057】
付記8. 前記3Dスキャンデータは、3Dメッシュデータ構造を含み、前記実在CADデータを生成することは、前記3Dメッシュデータ構造を、前記実在表面を含む実在CADデータ構造に変換することをさらに含む、付記1に記載のシステム。
【0058】
付記9. 前記実在CADデータに基づいて、前記実在構造体の前記供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つを判定することは、前記実在CADデータに対して強度分析を行うことにより、前記実在構造体の状態を判定することをさらに含む、付記1に記載のシステム。
【0059】
付記10. 強度分析を行うことは、前記実在構造体の前記状態を判定するために、有限要素解析を行うことを含む、付記9に記載のシステム。
【0060】
付記11. 前記実在構造体は、供用中のビークル構造体を含む、付記1に記載のシステム。
【0061】
付記12. 前記供用中のビークル構造体は、供用中の航空機構造体を含む、付記11に記載のシステム。
【0062】
付記13. 実在構造体の供用能力及び残存寿命を判定するための方法であって、スキャン装置によって取得された、実在構造体を表す三次元(3D)スキャンデータに、プロセッサ回路によってアクセスし、前記3Dスキャンデータに基づいて、前記プロセッサ回路によって、前記実在構造体に対応する実在表面を表す実在コンピュータ支援設計(CAD)データを生成し、前記実在表面を表す前記実在CADデータに基づいて、前記実在構造体の供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つを判定する、方法。
【0063】
付記14. さらに、公称表面を含む公称ボリュームを表す公称CADデータにアクセスし、前記公称ボリュームは、公称構造体に対応しており、前記公称表面の一部は、前記実在表面に対応しており、前記公称表面の前記一部を前記実在表面で置換することによって、前記実在表面を含む修正公称ボリュームを表す修正公称CADデータを生成し、前記実在構造体の前記供用能力レベルまたは推定残存寿命のうちの少なくとも1つを判定することは、さらに前記修正公称CADデータに基づいて行われる、付記13に記載の方法。
【0064】
付記15. 前記公称表面の前記一部を置換することは、前記公称表面の前記一部と前記実在表面とによって画定されるトリムボリュームを、前記公称ボリュームから除去することをさらに含む、付記14に記載の方法。
【0065】
付記16. 前記公称表面の前記一部を置換することは、前記公称表面の前記一部と前記実在表面とによって画定される追加ボリュームを、前記公称ボリュームに追加することをさらに含む、付記14に記載の方法。
【0066】
付記17. 前記公称表面の前記一部を置換することは、前記公称ボリュームに対して前記公称表面を上昇させて、拡張公称ボリュームを生成することと、前記上昇公称表面と前記実在表面とによって画定されるトリムボリュームを前記拡張公称ボリュームから除去することと、をさらに含む、付記14に記載の方法。
【0067】
付記18.さらに、前記プロセッサ回路によって、前記修正公称ボリュームの前記実在表面を前記3Dスキャンデータと比較し、前記プロセッサ回路によって、前記比較に基づいて、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、所定の公差内で一致しているかどうかを判定し、前記判定に応答して、前記プロセッサ回路によって、前記修正公称CADデータにおける前記実在表面が、前記実在構造体の前記実在表面と、前記所定の公差内で一致しているかどうかを示す表示を生成する、付記14に記載の方法。
【0068】
付記19. さらに、前記修正公称CADデータに対して強度分析を行う、付記14に記載の方法。
【0069】
付記20. 実在構造体の供用能力及び残存寿命を判定するためのシステムであって、プロセッサ回路と、前記プロセッサ回路に接続されたメモリとを含み、前記メモリは機械可読命令を含み、前記機械可読命令は、前記プロセッサ回路によって実行された際に、公称表面を含む公称ボリュームを表す公称コンピュータ支援設計(CAD)データにアクセスし、前記公称ボリュームは、公称構造体に対応しており、スキャン装置によって取得された、前記公称構造体の一部に対応する実在構造体を表す三次元(3D)スキャンデータにアクセスし、前記3Dスキャンデータに基づいて、前記公称表面の一部に対応する前記実在構造体の実在表面を表す実在CADデータを生成し、前記公称表面の前記一部を前記実在表面で置換することによって、前記実在表面を含む修正公称ボリュームを表す修正公称CADデータを生成する、システム。
【0070】
当業者であればわかるように、本明細書では、本開示の態様を、何らかの新規かつ有用な方法、装置、生産物、組成物、またはこれらの何らかの新規且つ有用な改良を含む、複数の特許可能な分類又は概念のいずれかで、図示及び説明している。従って、本開示の態様は、全体をハードウェアで実施すること、全体をソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)で実施すること、または、ソフトウェアによる実施とハードウェアによる実施とを組み合わせて実施することができ、これらのすべてを本明細書では概括的に「回路」、「モジュール」、「コンポーネント」または「システム」と称する場合がある。また、本開示の態様は、コンピュータ可読プログラムコードが実装された1つまたは複数のコンピュータ可読媒体で実現されるコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。
【0071】
1つまたは複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを用いることができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定するものではないが、電子、磁気、光学、電磁気、または半導体のシステム、装置、またはデバイス、あるいはこれらの任意の適当な組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体のさらに具体的な例(網羅的ではないリスト)には、以下のものが含まれうる。すなわち、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、リピータ付きの適切な光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、またはこれらの適切な組み合わせである。本文書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはこれらに関連して使用するためのプログラムを含むか、または格納することができる任意の有形の媒体とすることができる。
【0072】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドにおいて又は搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードを包含する伝搬データ信号を含みうる。このような伝播信号は、限定するものではないが、電磁的形態、光学的形態、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含む様々な形態のうちの任意の形態をとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスにより用いられるプログラムコード、或いは、これらに関連して用いられるプログラムコードを伝達、伝搬、又は転送することができる、コンピュータ可読記憶媒体ではない任意のコンピュータ可読媒体であってよい。コンピュータ可読信号媒体に組み込まれたプログラムコードは、限定するものではないが、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、又はこれらの任意の適切な組合せを含む任意の適切な媒体を用いて送信することができる。
【0073】
本開示の態様の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Scala、Smalltalk、Eiffel、JADE、Emerald、C++、C#、VB.NET、Pythonなどのオブジェクト指向プログラミング言語、「C」プログラミング言語、Visual Basic、Fortran 2003、Perl、COBOL 2002、PHP、ABAPなどの従来の手続き型プログラミング言語、Python、Ruby、Groovyなどの動的プログラミング言語、又はその他のプログラミング言語を含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができる。プログラムコードは、全体をユーザのコンピュータで実行してもよいし、一部を、スタンドアローンソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータで実行してもよいし、一部をユーザのコンピュータで実行し一部をリモートコンピュータで実行してもよいし、全体をリモートコンピュータ又はサーバで実行してもよい。後者の場合、リモートコンピュータを、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続してもよいし、或いは、接続を(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いたインターネットを介して)外部コンピュータに、またはクラウドコンピューティング環境で、行ってもよいし、SaaS(Software as a Service)などのサービスとして提供してもよい。
【0074】
本開示の態様を、本明細書においては、本開示の実施例による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャートまたはブロック図を参照して説明している。これらのフローチャートまたはブロック図における各ブロック、ならびに、これらのフローチャートまたはブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令などの機械可読命令によって実現することができる。これらの機械可読命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されてマシーンを構成し、コンピュータ又はその他のプログラム可能な命令実行装置のプロセッサで実行される命令により、フローチャートまたはブロック図のブロックに記載された機能または動作を実施するための機構を形成する。
【0075】
これらの機械可読命令はまた、一時的または非一時的なコンピュータ可読媒体に格納されて、実行された際には、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又はその他のデバイスに、特定の態様で機能するよう指示することができ、コンピュータ可読媒体に格納された命令は、実行された際にフローチャートまたはブロック図のブロックに明記された機能または動作をコンピュータに実施させる命令を含む製品を、実現することができる。また、機械可読命令を、コンピュータ、その他のプログラム可能な命令実行装置、又はその他の装置にロードして、当該コンピュータ、その他のプログラム可能な装置、又はその他の装置で、一連の動作ステップを実行させることにより、コンピュータ実施によるプロセスを実現することもでき、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置で実行される命令が、フローチャートまたはブロック図のブロックに明記された機能または動作を実施するためのプロセスを実現する。図に示したフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な態様によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の実現可能な実施態様のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。この点において、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、又は、コードの一部を表すこともあり、これらは、特定の論理機能を実行するための1つ又は複数の実行可能な命令を含む。なお、いくつかの代替の実施態様において、ブロックで示している機能は、図に示した順序とは異なる順序で実行してもよい。例えば、関連する機能に応じて、連続して示されている2つのブロックを、実質的に同時に実行してもよいし、逆の順序で実行してもよい。なお、ブロック図又はフローチャートにおける各ブロック、及び、ブロック図又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、特定された機能又は動作、あるいは、特定用途向けハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行する、特定用途向けのハードウェアベースのシステムによって実現することができる。
【0076】
本明細書で使用されている用語は、特定の態様を説明する目的のためだけのものであり、本開示を限定することを意図したものではない。本明細書での使用において、不定あるいは特定の対象を示す単数形の文言は、文脈によって明示的に排除されない限り、複数形の文言も含むことを意図している。また、「含み」や「含む」という用語が本明細書で用いられている場合、これらは、記載した特徴、工程、動作、要素、又はコンポーネントが存在することを意味するが、他の特徴、工程、動作、要素、コンポーネント、又はそれらのグループが1つ又は複数存在することや、追加されることを排除するものではない。なお、同様の要素は、図の記載の全体にわたって、同様の数字で示している。
【0077】
本明細書では、多くの異なる実施例を、上記の記載及び図面に関連させて開示している。これらの実施例のすべての組み合わせ及び部分的組み合わせを実際に説明及び図示することは、過度に反復的であり混乱を招くであろう。従って、すべての実施例は、任意の方法または組で組み合わせることができ、また、図面を含む本明細書は、本明細書に記載されている実施例のすべての組み合わせ及び部分的組み合わせ、ならびに、それらを作成及び使用する方法及びプロセスの、書面による完全な説明を構成していると解釈されるべきであり、そのようなあらゆる組み合わせ又は部分的組み合わせに対する請求項をサポートしている。