(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、表示システム、表示制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20241029BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20241029BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20241029BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20241029BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G01C21/36
G08G1/0969
G09B29/00 A
G09B29/00 F
G09B29/10 A
(21)【出願番号】P 2020084398
(22)【出願日】2020-05-13
【審査請求日】2022-05-23
【審判番号】
【審判請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】加藤 尚大
(72)【発明者】
【氏名】坂本 徹
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】松田 直也
【審判官】安井 雅史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/005249(WO,A1)
【文献】特開2012-233833(JP,A)
【文献】特開2009-300179(JP,A)
【文献】特開2003-337041(JP,A)
【文献】特開2013-8157(JP,A)
【文献】特開2011-46335(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G08G 1/00 - 99/00
G09B 23/00 - 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが指定した目的地までの経路が示される地図画像を表示するための装置に、表示に関する情報を通知する情報処理装置であって、
所定の種別に属する施設に対する
目的地としてのユーザの指定履歴に基づいて、当該ユーザの前記施設の選択傾向を判定する選択傾向判定部と、
複数の前記施設の位置が
、所定のサイズの画像として表示される所定の縮尺の地図
画像であって前記装置において表示対象とされる地図画像である対象地図画像上で密集しているか否かを判定する密集判定部と、
前記複数の施設の位置が
前記対象地図
画像上で密集している場合、前記複数の施設のPOI(Point of Interest)アイコンのうち、代表として表示するPOIアイコンを前記選択傾向に従って選択する代表選択部と
、
前記代表選択部に選択された前記施設のPOIアイコンを、前記複数の施設のPOIアイコンの代表として前記対象地図画像上に表示するよう前記装置に通知する表示情報通知部と
を有し、
前記選択傾向判定部は、前記施設に対する前記ユーザの指定履歴であって、指定された前記施設についての複数種類の情報が関連付けられている指定履歴に基づいて、当該ユーザの、前記情報のいずれかに依存した選択傾向を判定し、
前記施設は駐車場であり、
前記複数種類の情報は、
前記施設の評判の指標値と、駐車場内における切り返し回数又は駐車場内におけるステアリングの回転量により定義される、車両の停めやすさの指標値
とを含み、
前記施設の評判の指標値は、様々なユーザによる当該施設の評価を数値で示したものである
情報処理装置。
【請求項2】
前記選択傾向に従って前記複数の施設をソートして、前記複数の施設の情報をリスト表示する際の順序を決定するソート部をさらに有する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数種類の情報は、現在地からの前記施設の距離又は他の目的地からの前記施設の距離を含む
請求項1
又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複数種類の情報は、駐車場料金を含む
請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数種類の情報は、駐車スペースの空き具合を含む
請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ユーザが指定した目的地までの経路が示される地図画像を表示するためのディスプレイを有する端末装置と、
前記端末装置に、表示に関する情報を通知する情報処理装置と
を備え、
前記情報処理装置は、
所定の種別に属する施設に対する
目的地としてのユーザの指定履歴に基づいて、当該ユーザの前記施設の選択傾向を判定する選択傾向判定部と、
複数の前記施設の位置が
、所定のサイズの画像として表示される所定の縮尺の地図
画像であって前記ディスプレイにおいて表示対象とされる地図画像である対象地図画像上で密集しているか否かを判定する密集判定部と、
前記複数の施設の位置が
前記対象地図
画像上で密集している場合、前記複数の施設のPOI(Point of Interest)アイコンのうち、代表として表示するPOIアイコンを前記選択傾向に従って選択する代表選択部と
、
前記代表選択部に選択された前記施設のPOIアイコンを、前記複数の施設のPOIアイコンの代表として前記対象地図画像上に表示するよう前記端末装置に通知する表示情報通知部と
を有し、
前記選択傾向判定部は、前記施設に対する前記ユーザの指定履歴であって、指定された前記施設についての複数種類の情報が関連付けられている指定履歴に基づいて、当該ユーザの、前記情報のいずれかに依存した選択傾向を判定し、
前記施設は駐車場であり、
前記複数種類の情報は、
前記施設の評判の指標値と、駐車場内における切り返し回数又は駐車場内におけるステアリングの回転量により定義される、車両の停めやすさの指標値
とを含み、
前記施設の評判の指標値は、様々なユーザによる当該施設の評価を数値で示したものであり、
前記端末装置は、前記ディスプレイにおいて、前記代表選択部に選択された前記施設のPOIアイコンを、前記複数の施設のPOIアイコンの代表として前記
対象地図
画像上に表示するよう制御する表示制御部を有する
表示システム。
【請求項7】
前記表示制御部は、密集していると判定された前記複数の施設の数を、前記選択傾向に従って選択された前記施設のPOIアイコンとともに表示するよう制御する
請求項
6に記載の表示システム。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記選択傾向に従って選択された前記施設のPOIアイコンを、当該施設の地図上の位置に表示するよう制御する
請求項
6又は
7に記載の表示システム。
【請求項9】
前記端末装置は、
目的地を指定する入力を前記ユーザから受付ける入力受付部と、
前記入力により指定された目的地を前記情報処理装置に通知する目的地通知部と、
をさらに有し、
前記情報処理装置の前記選択傾向判定部は、前記端末装置から通知された、前記所定の種別に属する施設についての目的地の履歴に基づいて、当該ユーザの前記施設の選択傾向を判定する
請求項
6乃至
8のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項10】
ユーザが指定した目的地までの経路が示される地図画像を表示するための装置に、表示に関する情報を通知する情報処理装置による表示制御方法であって、
所定の種別に属する施設に対する
目的地としてのユーザの指定履歴に基づいて、当該ユーザの前記施設の選択傾向を判定し、
複数の前記施設の位置が
、所定のサイズの画像として表示される所定の縮尺の地図
画像であって前記装置において表示対象とされる地図画像である対象地図画像上で密集しているか否かを判定し、
前記複数の施設の位置が
前記対象地図
画像上で密集している場合、前記複数の施設のPOI(Point of Interest)アイコンのうち、代表として表示するPOIアイコンを前記選択傾向に従って選択し、
選択された前記施設のPOIアイコンを、前記複数の施設のPOIアイコンの代表として前記対象地図画像上に表示するよう前記装置に通知し、
前記選択傾向の判定では、前記施設に対する前記ユーザの指定履歴であって、指定された前記施設についての複数種類の情報が関連付けられている指定履歴に基づいて、当該ユーザの、前記情報のいずれかに依存した選択傾向を判定し、
前記施設は駐車場であり、
前記複数種類の情報は、
前記施設の評判の指標値と、駐車場内における切り返し回数又は駐車場内におけるステアリングの回転量により定義される、車両の停めやすさの指標値
とを含み、
前記施設の評判の指標値は、様々なユーザによる当該施設の評価を数値で示したものである
表示制御方法。
【請求項11】
ユーザが指定した目的地までの経路が示される地図画像を表示するための装置に、表示に関する情報を通知する情報処理装置のコンピュータに、
所定の種別に属する施設に対する
目的地としてのユーザの指定履歴に基づいて、当該ユーザの前記施設の選択傾向を判定する選択傾向判定ステップと、
複数の前記施設の位置が
、所定のサイズの画像として表示される所定の縮尺の地図
画像であって前記装置において表示対象とされる地図画像である対象地図画像上で密集しているか否かを判定する密集判定ステップと、
前記複数の施設の位置が
前記対象地図
画像上で密集している場合、前記複数の施設のPOI(Point of Interest)アイコンのうち、代表として表示するPOIアイコンを前記選択傾向に従って選択する代表選択ステップと
、
選択された前記施設のPOIアイコンを、前記複数の施設のPOIアイコンの代表として前記対象地図画像上に表示するよう前記装置に通知する表示情報通知ステップと
を実行させ、
前記選択傾向判定ステップでは、前記施設に対する前記ユーザの指定履歴であって、指定された前記施設についての複数種類の情報が関連付けられている指定履歴に基づいて、当該ユーザの、前記情報のいずれかに依存した選択傾向を判定し、
前記施設は駐車場であり、
前記複数種類の情報は、
前記施設の評判の指標値と、駐車場内における切り返し回数又は駐車場内におけるステアリングの回転量により定義される、車両の停めやすさの指標値
とを含み、
前記施設の評判の指標値は、様々なユーザによる当該施設の評価を数値で示したものである
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、表示システム、表示制御方法、及びプログラムに関し、特に地図上のPOI(Point of Interest)アイコンの表示に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の走行案内を行うナビゲーション装置などのように、ディスプレイに地図を表示する技術が知られている。このような地図の表示では、POIアイコンが地図上に表示されることがある。POIアイコンは、駐車場などの施設を表すアイコンであり、当該施設の存在する地図上の位置に、表示される。
【0003】
施設が密集している場合、それらの施設の全てのPOIアイコンを表示すると、POIアイコンが密集して表示され、地図の視認性が低下する。これに対し、特許文献1は、地図画像上で、POIアイコンが密集する場合、これら全てのPOIアイコンの表示ではなく、1つの代表アイコンだけを表示することにより、地図の視認性を向上させる技術について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した文献の技術では、代表アイコンとして、所定のマークのアイコン(具体的には、「M」マークのアイコン)が表示されるにすぎない。このため、代表アイコンの表示に際し、ユーザの利便性が考慮されていない。
【0006】
本開示は、上記した事情を背景としてなされたものであり、POIアイコンを伴う地図の表示において、ユーザの利便性を向上させつつ視認性を向上させることができる情報処理装置、表示システム、表示制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本開示の一態様は、所定の種別に属する施設に対するユーザの指定履歴に基づいて、当該ユーザの前記施設の選択傾向を判定する選択傾向判定部と、複数の前記施設の位置が地図上で密集しているか否かを判定する密集判定部と、前記複数の施設の位置が地図上で密集している場合、前記複数の施設のPOI(Point of Interest)アイコンのうち、代表として表示するPOIアイコンを前記選択傾向に従って選択する代表選択部とを有する情報処理装置である。
このような構成によれば、複数の施設の位置が地図上で密集している場合、ユーザの選択傾向に応じた施設のPOIアイコンが代表のアイコンとして地図上に表示されるため、ユーザが好む施設のアイコンを代表のアイコンとして表示することができる。したがって、POIアイコンを伴う地図の表示において、ユーザの利便性を向上させつつ視認性を向上させることができる。
【0008】
上記の一態様において、前記情報処理装置は、前記選択傾向に従って前記複数の施設をソートして、前記複数の施設の情報をリスト表示する際の順序を決定するソート部をさらに有してもよい。
このようにすることにより、ユーザの選択傾向に従った順序でソートされたリストを表示することができる。このため、ユーザが好む施設の順序で、施設の情報を提供することができる。
【0009】
上記の一態様において、前記指定履歴は、目的地としての指定履歴であってもよい。
このようにすることにより、施設が目的地として指定されたか否かを基準として、ユーザの選択傾向が判定される。このため、目的地としてのユーザの好みを反映した表示を行うことができる。
【0010】
上記の一態様において、前記選択傾向判定部は、複数種類の情報が関連づけられている前記施設に対する前記ユーザの指定履歴に基づいて、当該ユーザの、前記情報のいずれかに依存した選択傾向を判定してもよい。
このようにすることで、ユーザが重視する情報に応じて、代表のアイコンが決定される。このため、ユーザが重視する情報の好みを反映した表示を行うことができる。
【0011】
上記の一態様において、前記複数種類の情報は、現在地からの前記施設の距離又は他の目的地からの前記施設の距離を含んでもよい。
このようにすることにより、距離についてのユーザの好みを反映した表示を行うことができる。
【0012】
上記の一態様において、前記複数種類の情報は、前記施設の評判の指標値を含んでもよい。
このようにすることにより、施設の評判についてのユーザの好みを反映した表示を行うことができる。
【0013】
上記の一態様において、前記施設は駐車場であり、前記複数種類の情報は、駐車場料金を含んでもよい。
このようにすることにより、駐車場料金についてのユーザの好みを反映した表示を行うことができる。
【0014】
上記の一態様において、前記施設は駐車場であり、前記複数種類の情報は、駐車スペースの空き具合を含んでもよい。
このようにすることにより、駐車スペースの空き具合についてのユーザの好みを反映した表示を行うことができる。
【0015】
上記の一態様において、前記施設は駐車場であり、前記複数種類の情報は、車両の停めやすさの指標値を含んでもよい。
このようにすることにより、車両の停めやすさについてのユーザの好みを反映した表示を行うことができる。
【0016】
上記目的を達成するための本開示の他の一態様は、ディスプレイを有する端末装置と、情報処理装置とを備え、前記情報処理装置は、所定の種別に属する施設に対するユーザの指定履歴に基づいて、当該ユーザの前記施設の選択傾向を判定する選択傾向判定部と、複数の前記施設の位置が地図上で密集しているか否かを判定する密集判定部と、前記複数の施設の位置が地図上で密集している場合、前記複数の施設のPOI(Point of Interest)アイコンのうち、代表として表示するPOIアイコンを前記選択傾向に従って選択する代表選択部とを有し、前記端末装置は、前記ディスプレイにおいて、前記代表選択部に選択された前記施設のPOIアイコンを、前記複数の施設のPOIアイコンの代表として前記地図上に表示するよう制御する表示制御部を有する表示システムである。
このような構成によれば、複数の施設の位置が地図上で密集している場合、ユーザの選択傾向に応じた施設のPOIアイコンが代表のアイコンとして地図上に表示されるため、ユーザが好む施設のアイコンを代表のアイコンとして表示することができる。したがって、POIアイコンを伴う地図の表示において、ユーザの利便性を向上させつつ視認性を向上させることができる。
【0017】
上記の一態様において、前記表示制御部は、密集していると判定された前記複数の施設の数を、前記選択傾向に従って選択された前記施設のPOIアイコンとともに表示するよう制御してもよい。
このようにすることにより、密集している施設の総数が表示される。このため、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。
【0018】
上記の一態様において、前記表示制御部は、前記選択傾向に従って選択された前記施設のPOIアイコンを、当該施設の地図上の位置に表示するよう制御してもよい。
このようにすることにより、ユーザが好む施設のPOIアイコンが、当該施設の位置に表示される。このため、ユーザが好む施設の位置を見やすく表示することができる。
【0019】
上記の一態様において、前記端末装置は、目的地を指定する入力を前記ユーザから受付ける入力受付部と、前記入力により指定された目的地を前記情報処理装置に通知する目的地通知部と、をさらに有し、前記情報処理装置の前記選択傾向判定部は、前記端末装置から通知された、前記所定の種別に属する施設についての目的地の履歴に基づいて、当該ユーザの前記施設の選択傾向を判定してもよい。
このようにすることにより、選択傾向を判定するための情報を容易に取得することができるとともに、目的地としてのユーザの好みを反映した表示を行うことができる。
【0020】
上記目的を達成するための本開示の他の一態様は、所定の種別に属する施設に対するユーザの指定履歴に基づいて、当該ユーザの前記施設の選択傾向を判定し、複数の前記施設の位置が地図上で密集しているか否かを判定し、前記複数の施設の位置が地図上で密集している場合、前記複数の施設のPOI(Point of Interest)アイコンのうち、代表として表示するPOIアイコンを前記選択傾向に従って選択する表示制御方法である。
このような方法によれば、複数の施設の位置が地図上で密集している場合、ユーザの選択傾向に応じた施設のPOIアイコンが代表のアイコンとして地図上に表示されるため、ユーザが好む施設のアイコンを代表のアイコンとして表示することができる。したがって、POIアイコンを伴う地図の表示において、ユーザの利便性を向上させつつ視認性を向上させることができる。
【0021】
上記目的を達成するための本開示の他の一態様は、所定の種別に属する施設に対するユーザの指定履歴に基づいて、当該ユーザの前記施設の選択傾向を判定する選択傾向判定ステップと、複数の前記施設の位置が地図上で密集しているか否かを判定する密集判定ステップと、前記複数の施設の位置が地図上で密集している場合、前記複数の施設のPOI(Point of Interest)アイコンのうち、代表として表示するPOIアイコンを前記選択傾向に従って選択する代表選択ステップとをコンピュータに実行させるプログラムである。
このようなプログラムによれば、複数の施設の位置が地図上で密集している場合、ユーザの選択傾向に応じた施設のPOIアイコンが代表のアイコンとして地図上に表示されるため、ユーザが好む施設のアイコンを代表のアイコンとして表示することができる。したがって、POIアイコンを伴う地図の表示において、ユーザの利便性を向上させつつ視認性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、POIアイコンを伴う地図の表示において、ユーザの利便性を向上させつつ視認性を向上させることができる情報処理装置、表示システム、表示制御方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施の形態にかかる表示システムのシステム構成の一例を示す模式図である。
【
図2】実施の形態にかかる情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態にかかる情報処理装置の機能構成の一例を示したブロック図である。
【
図4】実施の形態にかかる端末装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態にかかる端末装置の機能構成の一例を示したブロック図である。
【
図6】実施の形態にかかる表示システムにおけるPOIアイコンの表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態にかかる表示システムによる表示例を示す図である。
【
図8】実施の形態にかかる表示システムによる表示例を示す図である。
【
図9】実施の形態にかかる表示システムによる表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略、および簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0025】
図1は、実施の形態にかかる表示システム1のシステム構成の一例を示す模式図である。表示システム1は、情報処理装置10と端末装置20とを有する。
【0026】
本実施の形態では、端末装置20は、一例として、車両90に搭載されているが、端末装置20は必ずしも車載器でなくてもよい。例えば、端末装置20は、スマートフォン、タブレット端末などの携帯型の端末であってもよい。情報処理装置10は、サーバとして機能する装置である。情報処理装置10と端末装置20とは、携帯電話網などの通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0027】
まず、情報処理装置10について具体的に説明する。
図2は、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、ネットワークインタフェース150、メモリ151、及びプロセッサ152を含む。
【0028】
ネットワークインタフェース150は、他の任意の装置と通信するために使用される。本実施の形態では、ネットワークインタフェース150は、例えば、端末装置20と通信するために使用される。
【0029】
メモリ151は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ151は、プロセッサ152により実行される、1以上の命令を含むソフトウェア(コンピュータプログラム)、及び情報処理装置10の各種処理に用いるデータなどを格納するために使用される。後述する
図3に示す地図データ記憶部100、POI情報記憶部101、及び指定履歴記憶部103は、例えばメモリ151により実現されるが、他の記憶装置により実現されてもよい。
【0030】
プロセッサ152は、メモリ151からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、後述する
図3に示す各構成要素の処理を行う。具体的には、プロセッサ152は、POI情報更新部102、指定履歴更新部104、現在地取得部105、目的地取得部106、経路探索部107、選択傾向判定部108、密集判定部109、代表選択部110、ソート部111、及び、表示情報通知部112の処理を行う。
【0031】
プロセッサ152は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processor Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などであってもよい。プロセッサ152は、複数のプロセッサを含んでもよい。
このように、情報処理装置10は、コンピュータとして機能する装置である。
【0032】
図3は、情報処理装置10の機能構成の一例を示したブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置10は、地図データ記憶部100と、POI情報記憶部101と、POI情報更新部102と、指定履歴記憶部103と、指定履歴更新部104と、現在地取得部105と、目的地取得部106と、経路探索部107と、選択傾向判定部108と、密集判定部109と、代表選択部110と、ソート部111と、表示情報通知部112とを有する。
【0033】
地図データ記憶部100は、道路地図データ、駐車場などの施設の位置データなどを含む地図データを記憶する。
【0034】
POI情報記憶部101は、施設の詳細情報についてのデータベースを記憶する。本実施の形態では、POI情報記憶部101は、駐車場の情報として、例えば、名称、住所、駐車可能な最大台数、駐車スペースの現在の空き具合、駐車場料金、施設の評判の指標値、車両の停めやすさの指標値などを含む。なお、駐車スペースの現在の空き具合は、満車であるのか、空きがあるのかを示す情報であってもよいし、空き台数を示す情報であってもよい。施設の評判の指標値は、様々なユーザによる当該施設の評価を数値で示したものである。車両の停めやすさの指標値は、駐車位置に車両を移動させることが容易であるか否かを示す指標値である。この指標値は、例えば、当該駐車場内における、切り返し回数、ステアリングの回転量などといった、車両の向きの修正に関する値を様々な車両から集計した値であってもよいし、様々なユーザによる、停めやすさについての評価を数値で示したものであってもよい。
【0035】
POI情報記憶部101が記憶する一部又は全ての情報は、POI情報更新部102によって適宜更新される。POI情報更新部102は、POI情報記憶部101に記憶された情報を更新する。POI情報更新部102は、例えば、施設(駐車場)の運営会社が管理する情報を、ネットワークを介して取得し、取得した情報によりPOI情報記憶部101に記憶されている情報を更新する。例えば、駐車スペースの現在の空き具合は、POI情報更新部102による更新処理により、随時、最新の状態に更新される。
【0036】
指定履歴記憶部103は、所定の種別に属する施設に対するユーザの指定履歴を記憶する。本実施の形態では、指定履歴記憶部103は、目的地としての施設の指定履歴をユーザ毎に記憶する。指定履歴記憶部103は、指定された時点における、施設に関する情報も記憶する。すなわち、指定履歴記憶部103は、指定された時点において、POI情報記憶部101に記憶されている情報を記憶する。例えば、指定履歴記憶部103は、指定された時点の駐車スペースの現在の空き具合などを記憶する。なお、POI情報記憶部101に記憶されている情報のうち、経時的に変動する情報(空き具合など)が、指定された施設(目的地)を識別する情報とともに、指定履歴記憶部103に記憶されることが好ましいが、静的な情報(駐車可能な最大台数など)についても、指定履歴記憶部103に記憶されてもよい。また、指定履歴記憶部103は、指定された時点におけるユーザの現在地からの施設の距離を記憶する。
【0037】
指定履歴記憶部103が記憶する指定履歴は、指定履歴更新部104によって更新される。指定履歴更新部104は、目的地取得部106が、ユーザが指定した目的地を示す情報を取得すると、当該ユーザの指定履歴として、当該目的地を指定履歴記憶部103に記憶する。なお、上述した通り、その際、指定履歴更新部104は、指定された時点における、当該施設に関する情報も記憶してもよい。例えば、指定履歴更新部104は、POI情報記憶部101を参照し、又は、現在地取得部105が取得した現在地の情報を参照して、指定された時点における、当該施設に関する情報(例えば、空き具合や距離)を記憶してもよい。これにより、指定履歴記憶部103には、ユーザが目的地として、どのような条件の施設を好んで選択しているかを示すデータが蓄積されることとなる。
【0038】
現在地取得部105は、ユーザの現在地、即ち、端末装置20(車両90)の現在地を取得する。具体的には、現在地取得部105は、端末装置20が送信する現在地の情報をネットワークインタフェース150を介して取得する。現在地取得部105が取得した現在地情報は、ソート部111の処理、及び経路探索部107の処理などに用いられる。
【0039】
目的地取得部106は、ユーザが指定した目的地を取得する。具体的には、目的地取得部106は、端末装置20において目的地が指定される度に端末装置20から送信される目的地の情報をネットワークインタフェース150を介して取得する。目的地取得部106が取得した目的地情報は、指定履歴更新部104の処理、及び経路探索部107の処理などに用いられる。
【0040】
経路探索部107は、現在地取得部105が取得したユーザ(端末装置20)の現在地と、目的地取得部106が取得した目的地と、地図データ記憶部100に記憶された地図データとを用いて、現在地から目的地までの経路を探索する。なお、経路探索部107は、公知の任意の経路探索アルゴリズムを用いて、経路を探索する。経路探索部107は、探索した経路を表示情報通知部112に出力する。
【0041】
選択傾向判定部108は、所定の種別に属する施設に対するユーザの指定履歴に基づいて、当該ユーザの施設の選択傾向を判定する。具体的には、選択傾向判定部108は、複数種類の情報(例えば、上述した施設の様々な詳細情報)が関連づけられている施設に対するユーザの指定履歴に基づいて、当該ユーザの、これら情報のいずれかに依存した選択傾向を判定する。本実施の形態では、選択傾向判定部108は、具体的には駐車場に対するユーザの目的地として指定履歴に基づいて、ユーザの駐車場の選択傾向をユーザ毎に判定する。その際、選択傾向判定部108は、目的地として指定された駐車場に関する情報を参照し、ユーザが駐車場に関する情報のうちいずれの情報を重視しているかを分析する。ここで、分析に用いられる駐車場に関する情報には、指定履歴記憶部103において目的地と関連づけて記憶された情報(経時的に変動しうる情報についての、目的地として指定された時点における情報)に限らず、POI情報記憶部101に記憶された、経時的に変動しない情報が含まれてもよい。
【0042】
例えば、選択傾向判定部108は、ユーザが距離の近い駐車場ばかりを指定している場合、当該ユーザは、距離の近い駐車場を選択する傾向があると判定する。また、例えば、ユーザが駐車場料金の安い駐車場ばかりを指定している場合、安い駐車場を選択する傾向があると判定する。例えば、選択傾向判定部108は、施設についての特定の情報の値(例えば、駐車可能台数、空き台数、距離、料金、評判の指標値、または、車両の停めやすさの指標値など)が所定の条件(例えば、所定の閾値以下又は所定の閾値以上)を満たす駐車場を、所定の閾値以上の頻度でユーザが指定している場合、当該ユーザは、当該特定の情報に依存した選択を行なっていると判定する。なお、この判定方法は一例に過ぎず、選択傾向判定部108は、任意の統計解析を行なうことにより、ユーザの選択傾向を判定してもよい。
【0043】
密集判定部109は、所定の種別に属する複数の施設の位置が地図上で密集しているか否かを判定する。本実施の形態では、密集判定部109は、例えば、所定の縮尺の地図を、所定のサイズの画像として表示した場合に、駐車場の位置が当該画像上で密集しているか否かを判定する。具体的には、密集判定部109は、例えば、当該画像上で、各駐車場の所定のサイズのPOIアイコンを各駐車場の存在位置に配置した場合に、POIアイコンが重複するか否かを判定する。密集判定部109は、POIアイコンが重複する場合、重複するPOIアイコンに対応する各駐車場が密集して存在していると判定する。
【0044】
代表選択部110は、表示対象の地図画像において、所定の種別に属する複数の施設の位置が地図上で密集していると判定された場合に、これら複数の施設のPOIアイコンのうち、代表として表示するPOIアイコンを選択する。換言すると、代表選択部110は、密集して存在している施設の代表を選択し、当該施設に対応するPOIアイコンを、代表として表示するPOIアイコンと決定する。代表選択部110は、選択傾向判定部108により判定された選択傾向に従って代表を選択する。例えば、選択傾向判定部108が、あるユーザについて、安い駐車場を選択する傾向があると判定した場合、代表選択部110は、密集して存在している駐車場のうち料金が最安である駐車場のPOIアイコンを、当該ユーザに提示する地図上において、代表として表示するPOIアイコンとする。本実施の形態では、代表選択部110は、ソート部111によるソート結果を用いて、代表として表示するPOIアイコンを選択する。具体的には、ソート部111により、最上位にソートされた施設のPOIアイコンを代表として表示するPOIアイコンとして選択する。代表選択部110は、代表として表示するPOIアイコンを決定すると、いずれの施設についてのPOIアイコンを代表として表示するかを示す情報を表示情報通知部112に出力する。
【0045】
なお、POIアイコンは、所定の種別に属する施設に対して、複数種類のPOIアイコンが用意されている。すなわち、本実施の形態では、駐車場に対して、複数種類のPOIアイコンが用意されている。例えば、駐車場毎に異なるPOIアイコンが用いられてもよいし、駐車場を運営する会社毎に異なるPOIアイコンが用いられてもよい。したがって、いずれの施設が代表となるかによって、代表として表示されるPOIアイコンの画像が変わることとなる。
【0046】
ソート部111は、選択傾向判定部108が判定した選択傾向に従って、所定の種別に属する複数の施設をソートして、これら複数の施設の情報をリスト表示する際の順序を決定する。具体的には、ソート部111は、POI情報記憶部101に記憶されている、密集して存在していると判定された施設についての詳細情報を参照し、施設をソートする。なお、距離によるソートをするために、端末装置20の現在地が必要な場合、ソート部111は、現在地取得部105が取得した現在地を用いて、各施設の距離を算出し、ソートを実施する。
【0047】
例えば、選択傾向判定部108が、あるユーザについて、安い駐車場を選択する傾向があると判定した場合、密集して存在している駐車場を、駐車場料金が安い順にソートする。このソート結果は、上述した通り、代表選択部110による選択に用いられる。また、このソート結果は、ユーザに対し、密集している駐車場の詳細情報をリスト表示する際のリスト順序として用いられる。このようにすることにより、ユーザの選択傾向に従った順序でソートされたリストを表示することができる。このため、ユーザが好む施設の順序で、施設の情報を提供することができる。
【0048】
表示情報通知部112は、端末装置20の表示制御部204に対して、表示に関する情報を通知する。表示情報通知部112は、例えば、密集して存在する施設のPOIアイコンのうち代表として表示すべきPOIアイコンを表示制御部204に通知する。これにより、表示制御部204は、ユーザが好む施設のPOIアイコンを代表として地図上に表示することができる。なお、端末装置20が地図データを保持していない場合には、表示情報通知部112は、地図データを端末装置20に送信してもよい。また、表示情報通知部112は、ソート部111によるソート結果を通知する。これにより、表示制御部204は、ユーザが好む施設の順序で、施設の情報を表示することができる。なお、端末装置20が施設の詳細情報を保持していない場合には、表示情報通知部112は、施設の詳細情報を端末装置20に送信してもよい。また、経路探索部107が経路を探索した場合には、表示情報通知部112は、表示制御部204に経路を通知してもよい。これにより、表示制御部204は、目的地までの経路を地図上に表示することができる。
【0049】
次に、端末装置20について具体的に説明する。
図4は、端末装置20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、端末装置20は、ネットワークインタフェース250、メモリ251、プロセッサ252、ディスプレイ253、入力装置254、及び位置検出器255を含む。
【0050】
ネットワークインタフェース250は、他の任意の装置と通信するために使用される。例えば、ネットワークインタフェース250は、車両90のCAN(Controller Area Network)と接続するインタフェースであってもよい。本実施の形態では、ネットワークインタフェース250は、情報処理装置10と通信するために使用される。
【0051】
メモリ251は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ251は、プロセッサ252により実行される、1以上の命令を含むソフトウェア(コンピュータプログラム)、及び端末装置20の各種処理に用いるデータなどを格納するために使用される。例えば、メモリ251は、地図データを記憶していてもよいし、施設の詳細情報を記憶していてもよい。また、記憶された、これらの情報は、情報処理装置10から提供されたものであってもよい。
【0052】
プロセッサ252は、メモリ251からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、後述する
図5に示す各構成要素の処理を行う。具体的には、プロセッサ252は、入力受付部200、現在地取得部201、端末情報通知部202、表示情報取得部203、及び表示制御部204の処理を行う。
【0053】
プロセッサ252は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUなどであってもよい。プロセッサ152は、複数のプロセッサを含んでもよい。
このように、端末装置20は、コンピュータとして機能する装置である。
【0054】
なお、情報処理装置10又は端末装置20で実行される上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0055】
ディスプレイ253は、地図などを表示するために用いられる。ディスプレイ253は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどのプラットパネルディスプレイである。入力装置254は、ユーザからの入力を受付ける装置である。例えば、入力装置254は、ディスプレイ253と一体的にタッチパネルとして構成されていてもよい。
【0056】
位置検出器255は、端末装置20(車両90)の現在の位置を検出する。位置検出器255は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機であってもよいし、ジャイロスコープなどであってもよい。
【0057】
図5は、端末装置20の機能構成の一例を示したブロック図である。
図5に示すように、端末装置20は、入力受付部200と、現在地取得部201と、端末情報通知部202と、表示情報取得部203と、表示制御部204とを有する。
【0058】
入力受付部200は、入力装置254を介してユーザから入力を受付ける。例えば、入力受付部200は、目的地を指定する入力をユーザから受付ける。また、入力受付部200は、例えば、ディスプレイ253に表示されたPOIアイコン、項目などを選択する入力(例えば、タップにより選択する入力)を受付ける。
【0059】
現在地取得部201は、端末装置20(車両90)の現在地を示す情報を取得する。現在地取得部201は、具体的には、位置検出器255により検出された位置情報を取得する。
【0060】
端末情報通知部202は、端末装置20が取得した情報を情報処理装置10に通知する。例えば、端末情報通知部202は、ユーザからの入力により目的地が指定されると、入力により指定された目的地と現在地とを情報処理装置10に通知する。なお、選択傾向はユーザ毎に判定されるため、端末情報通知部202は、ユーザを識別する情報とともに、目的地などの情報を情報処理装置10に通知する。端末情報通知部202は、現在地を随時、情報処理装置10に通知してもよい。なお、端末情報通知部202は、目的地通知部とも称される。上述の通り、情報処理装置10の選択傾向判定部108は、端末装置20から通知された目的地の履歴のうち、所定の種別に属する施設(本実施の形態では、駐車場)についての履歴に基づいて、ユーザの施設の選択傾向を判定する。このようにすることにより、選択傾向を判定するための情報を容易に取得することができる。また、目的地の選択傾向が得られるため、この選択傾向に従って代表とするPOIアイコンを決定することで、目的地としてのユーザの好みを反映した表示を行うことができる。
【0061】
表示情報取得部203は、表示に関する情報を情報処理装置10から取得する。具体的には、表示情報取得部203は、情報処理装置10の表示情報通知部112が出力する情報を、ネットワークインタフェース250を介して取得する。表示情報取得部203は、表示に関する情報として、例えば、密集して存在する施設のPOIアイコンのうち代表として表示すべきPOIアイコンがいずれであるかを示す情報、密集して存在する施設に対するソート結果、目的地までの経路などを取得する。表示情報取得部203が取得した表示に関する情報は、表示制御部204の処理に用いられる。
【0062】
表示制御部204は、ディスプレイ253における地図の表示を制御する。特に、表示制御部204は、ディスプレイ253において、上述した代表選択部110に選択された施設のPOIアイコンを、密集する複数の施設のPOIアイコンの代表として地図上に表示するよう制御する。つまり、表示制御部204は、密集する複数の施設のPOIアイコンのうち、選択傾向に従って選択された施設のPOIアイコンだけを地図上に表示するよう制御する。表示制御部204は、表示情報取得部203が取得した情報に基づいて、表示対象とすべき代表のPOIアイコンを選択する。このように、表示制御部204は、POIアイコンの表示を制御する機能を有する。
【0063】
表示制御部204は、選択傾向に従って選択された施設のPOIアイコン、すなわち代表のPOIアイコンを、当該施設の地図上の位置に表示するよう制御する。このようにすることにより、ユーザが好む施設のPOIアイコンが、当該施設の位置に表示される。このため、ユーザが好む施設の位置を見やすく表示することができる。なお、表示制御部204は、代表のPOIアイコンを必ずしも当該POIアイコンに対応する施設の存在位置に表示しなくてもよい。例えば、表示制御部204は、密集して存在する全ての施設の存在位置の中心位置などに、代表のPOIアイコンを表示してもよい。
【0064】
表示制御部204は、目的地が指定されている場合には、取得された経路とともに、地図上に、代表のPOIアイコンを表示してもよい。また、表示制御部204は、地図上に表示されている代表のPOIアイコンがタップされた場合、すなわち、地図上に表示されている代表のPOIアイコンを選択する入力操作があった場合、密集して存在する施設の詳細情報をリスト表示してもよい。このとき、表示制御部204は、判定された選択傾向に従った順序でソートされたリストを表示する。
【0065】
次に、表示システム1におけるPOIアイコンの表示処理の流れについて説明する。
図6は、表示システム1におけるPOIアイコンの表示処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図6を参照して、処理の流れを説明する。
【0066】
ステップS100において、選択傾向判定部108は、所定の種別に属する施設に対するユーザの指定履歴に基づいて、当該ユーザの施設の選択傾向を判定する。これにより、端末装置20に表示された地図を見るユーザの選択傾向が判定される。
【0067】
次に、ステップS101において、密集判定部109は、所定の種別に属する複数の施設の位置が表示対象の地図上で密集しているか否かを判定する。密集して施設が存在している場合、処理はステップS102へ移行し、そうでない場合、処理はステップS103へ移行する。
【0068】
ステップS102において、代表選択部110は、密集して存在している施設のPOIアイコンのうち、代表として表示するPOIアイコンを、ステップS100で判定された選択傾向に従って選択する。本実施の形態では、代表選択部110による選択に先立って行なわれるソート部111のソート結果を用いて、代表選択部110による代表の選択が行なわれる。なお、代表として表示するPOIアイコンを選択するために、必ずしもソート処理を行なわなくてもよく、この場合、ソート処理は省略される。
【0069】
ステップS103において、表示制御部204は、POIアイコンの表示を制御する。密集して施設が存在していない場合、表示制御部204は、これら施設のPOIアイコンをそれぞれ地図上に表示するよう制御する。これに対し、密集して施設が存在している場合、表示制御部204は、ステップS102で選択されたPOIアイコンを、密集して存在している施設のPOIアイコンの代表として地図上に表示するよう制御する。これにより、地図を閲覧するユーザの選択傾向に従って選択された施設のPOIアイコンが、代表のPOIアイコンとして地図上に表示される。
【0070】
図7は、表示システム1により表示される地図画像300の一例を示す図である。
図7並びに後述する
図8及び
図9において、地図画像300内において道路は実線で示されている。また、車両90(端末装置20)の現在地が、現在地アイコン301で示されている。
【0071】
図7に示した例では、地図上の3箇所において、駐車場が密集している。これにより、それぞれの密集場所においては、密集して存在する各駐車場のそれぞれのPOIアイコンを表示する代わりに、代表する駐車場のPOIアイコン302A、302B、302Cが表示されている。ここで、POIアイコン302A、302B、302Cは、駐車場の複数種類のPOIアイコンのうち、ユーザが好む駐車場に対応するPOIアイコンである。
【0072】
なお、
図7に示すように、集約されたPOIアイコンの数を、代表して表示されるPOIアイコンとともに表示してもよい。
図7に示した例では、POIアイコン302A、302B、302Cの右上に、集約された施設の数が表示されている。すなわち、表示制御部204は、密集していると判定された複数の施設の数を、選択傾向に従って選択された施設のPOIアイコンとともに表示するよう制御してもよい。なお、集約された施設数は、例えば、表示情報通知部112から表示制御部204に通知される。このようにすることにより、密集している施設の総数が表示される。このため、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。また、POIアイコンとともに数字を表示するため、複数のPOIアイコンを集約して、1つのPOIアイコンを表示していることが容易に理解できる。なお、代表として表示されるPOIアイコンに所定の装飾を付加して表示することにより、当該POIアイコンが、複数のPOIアイコンを集約したものであることが容易に理解できるようにしてもよい。
【0073】
また、表示制御部204は、代表して表示されているPOIアイコンのいずれかが選択されると、集約されている施設、すなわち密集して存在している施設のそれぞれの詳細情報をリスト表示する。例えば、表示制御部204は、POIアイコン302Aがタップされた場合、
図8に示すように、リスト303を表示する。リスト303では、各駐車場の詳細情報が、判定された選択傾向に従った順序でソートされて、表示されている。なお、一例として示したリスト303では、駐車場毎に、POIアイコン、駐車スペースの現在の空き具合、駐車場料金、車両90の現在地からの距離、及び、車両の停めやすさの指標値が示されている。
【0074】
また、表示制御部204は、
図9に示すように、リスト303に挙げられている施設の更なる詳細情報304を表示してもよい。
【0075】
以上、実施の形態について説明した。上述した実施の形態では、ユーザの指定履歴に基づいて当該ユーザの施設の選択傾向が判定される。そして、複数の施設の位置が地図上で密集している場合、複数の施設のPOIアイコンのうち、代表として表示するPOIアイコンが選択傾向に従って選択される。このような処理により、複数の施設の位置が地図上で密集している場合、ユーザの選択傾向に応じた施設のPOIアイコンを代表のアイコンとして地図上に表示することができる。このため、ユーザが好む施設のアイコンを代表のアイコンとして表示することができる。したがって、POIアイコンを伴う地図の表示において、ユーザの利便性を向上させつつ視認性を向上させることができる。
【0076】
特に、上述した指定履歴として、目的地としての指定履歴を用いることができる。この場合、施設が目的地として指定されたか否かを基準として、ユーザの選択傾向が判定される。このため、目的地としてのユーザの好みを反映した表示を行うことができる。なお、選択傾向の判定に用いる指定履歴は、目的地の指定履歴に限らず、ユーザの任意の目的のための施設の指定の履歴であってもよい。
【0077】
また、上述した通り、選択傾向判定部108は、複数種類の情報が関連づけられている施設に対するユーザの指定履歴に基づいて、これら情報のいずれかに依存した選択傾向が判定される。このため、ユーザが重視する情報に応じて、代表のアイコンが決定される。よって、ユーザが重視する情報の好みを反映した表示を行うことができる。また、これら情報として、現在地からの施設の距離、施設の評判、駐車場料金、駐車スペースの空き具合、車両の停めやすさなどを用いることができる。このため、これら情報についてのユーザの好みを反映した表示を行うことができる。また、現在地からの施設の距離の代わりに、既に設定されている他の目的地からの施設の距離が用いられてもよい。この場合、例えば、指定履歴記憶部103は、既に目的地(例えば、駐車場以外の施設)が設定されている状態で追加の目的地(例えば、駐車場)が指定された場合に、追加で指定された目的地の指定履歴として、既に設定された目的地と追加で指定された目的地の距離を記憶してもよい。これにより、例えば、既に目的地として設定されている施設を訪れるために利用する駐車場についての選択傾向を両者の距離に基づいて判定することができる。
【0078】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述した実施の形態では、施設として、駐車場を例に説明したが、他の施設についてのPOIアイコンの表示に関して、上述した処理が行なわれてもよい。例えば、ガソリンスタンド又は充電スタンドなどの車両のエネルギー補給スタンドのPOIアイコンの表示に関して、上述した処理が行なわれてもよいし、コンビニエンスストアのPOIアイコンの表示に関して、上述した処理が行なわれてもよい。
【0079】
また、上述した表示システム1では、情報処理装置10と端末装置20において、表示のための処理が行われたが、情報処理装置10で行われるとして説明された処理の少なくとも一部が端末装置20で行われてもよいし、端末装置20で行われるとして説明された処理の少なくとも一部が情報処理装置10で行われてもよい。また、情報処理装置10又は端末装置20で行われるとして説明された処理の少なくとも一部が他の装置により行われてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 表示システム
10 情報処理装置
20 端末装置
100 地図データ記憶部
101 POI情報記憶部
102 POI情報更新部
103 指定履歴記憶部
104 指定履歴更新部
105 現在地取得部
106 目的地取得部
107 経路探索部
108 選択傾向判定部
109 密集判定部
110 代表選択部
111 ソート部
112 表示情報通知部
200 入力受付部
201 現在地取得部
202 端末情報通知部
203 表示情報取得部
204 表示制御部