(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】荷物保管装置及び受付システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20241029BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
B65G1/04 503
B65G1/00 511B
(21)【出願番号】P 2020149230
(22)【出願日】2020-09-04
【審査請求日】2023-07-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.開催日 :2019年11月6日~8日 展示会名、開催場所 :オカムラグランドフェア2019 オカムラガーデンコートショールーム 2.開催日 :2019年12月5日~6日 展示会名、開催場所 :オカムラフェアin大阪2019 オカムラKIZUKI LABO 3.ウェブサイトの掲載日 :2019年12月27日 ウェブサイトのアドレス :SECURITY SHOW https://messe.nikkei.co.jp/exhibitor/info/SS/ja/13693/ 4.開催日 :2020年07月29日~31日 展示会名、開催場所 :第12回関西ホテル・レストラン・ショー インテックス大阪6号館A 5.ウェブサイトの掲載日 :2020年06月26日 ウェブサイトのアドレス :第12回関西ホテル・レストラン・ショー https://jmacv.herokuapp.com/khr2020/webguidenavi/product/search https://jmacv.herokuapp.com/khr2020/webguidenavi/product/details?product_id=6248 https://jmacv.herokuapp.com/khr2020/webguidenavi/exhibitor/details?exhibitor_id=129731 6.発送日 :2020年06月24日 発送物 :第12回関西ホテル・レストラン・ショー案内状 7.納品日 :2020年07月20日 納品場所 :H.I.S.ホテルホールディングス株式会社 変なホテル奈良 8.発行日 :2020年07月10日 刊行物 :季刊情報誌「観光施設」銀河 通刊332号 P2-3 9.ウェブサイトの掲載日 :2019年10月25日 ウェブサイトのアドレス :ニュースリリース https://www.okamura.co.jp/company/topics/product/2019/baggage_keeper.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 10.ウェブサイトの掲載日 :2020年07月21日 ウェブサイトのアドレス :製品情報 https://www.okamura.co.jp/ https://www.okamura.co.jp/product/?c1=security&c1-2=&c2=officesecurity&c3=luggagestorage https://www.okamura.co.jp/product/security/pdf/baggagekeeper_leaflet_202005.pdf 11.ウェブサイトの掲載日 :2020年08月11日 ウェブサイトのアドレス :オカムラグループSustainability Report 2020 P.43 https://www.okamura.co.jp/company/sustainability/report/pdf/2020/okamura_2020_all.pdf 12.ウェブサイトの掲載日 :2020年07月21日 ウェブサイトのアドレス :紹介動画 https://www.youtube.com/watch?v=hgdjMHJeeHO 13.ウェブサイトの掲載日 :2020年08月21日 ウェブサイトのアドレス :変なホテル奈良 https://www.hennnahotel.com/nara/concept/
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】上野 敬介
(72)【発明者】
【氏名】樟 和典
(72)【発明者】
【氏名】小野 友資
(72)【発明者】
【氏名】山下 淳平
(72)【発明者】
【氏名】北出 英明
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-344303(JP,A)
【文献】特開平01-104502(JP,A)
【文献】特開平07-002321(JP,A)
【文献】登録実用新案第3223174(JP,U)
【文献】特開2020-070567(JP,A)
【文献】特開2017-213059(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0128444(US,A1)
【文献】特開2004-054692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の内壁と離間して配置されると共にユーザによって荷物の搬入出するための開口が一部に設けられた化粧板と、前記化粧板と前記内壁との間に配置されると共に前記荷物が保管される保管部と、前記開口と前記保管部との間で前記荷物を自動にて移動させる移動装置とを備える
荷物保管装置を備えると共に、
前記ユーザがチェックイン対応をするために位置する受付対応スペースが前方に設けられた受付カウンタを備え、
前記受付カウンタが前記荷物保管装置から離間して設置されると共に、
前記受付対応スペースから前記化粧板の外壁面の情報表示が視認可能である
ことを特徴とする受付システム。
【請求項2】
前記化粧板に
前記情報を表示可能なディスプレイを備えることを特徴とする請求項
1に記載の受付システム。
【請求項3】
前記情報は、前記保管部に収容可能な荷物の最大サイズを示す外形図であることを特徴とする請求項1または2に記載の受付システム。
【請求項4】
前記情報は、空いている前記保管部の残数に応じた内容であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の受付システム。
【請求項5】
建物の内壁と離間して配置されると共にユーザによって荷物の搬入出するための開口が一部に設けられた化粧板と、前記化粧板と前記内壁との間に配置されると共に前記荷物が保管される保管部と、前記開口と前記保管部との間で前記荷物を自動にて移動させる移動装置とを備え
、
前記化粧板の外壁面は、空いている前記保管部の残数に応じた内容を表示可能であることを特徴とする荷物保管装置。
【請求項6】
収納可能な前記荷物の大きさの異なる複数種類の前記保管部を有し、前記残数に応じた内容は前記保管部の種類毎に表示されることを特徴とする請求項5に記載の荷物保管装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物保管装置及び受付システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
駅、空港、店舗及び宿泊施設等に設置されるロッカーとしては、荷物を保管する保管部ごとに施錠可能な開閉扉が設けられ、ユーザがいずれかの開閉扉を開閉することで、荷物の保管部への出し入れを行わせるものが広く用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロッカーは、上述のように駅、空港、店舗及び宿泊施設等の人目に付く場所に設置されている。このため、ロッカーの前面を情報表示面として用いることが考えられる。しかしながら、特許文献1に開示されたようなロッカーにおいては、前面の全体に開閉扉が設置されている。このため、従来のロッカーでは、前面に情報を表示するための広い領域を確保することが困難である。また、従来のロッカーでは、広い領域に情報を表示した場合には、複数の扉を跨いで情報を表示することになり、扉同士の境界や扉とフレームとの境界にて情報が欠損することとなる。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、荷物を保管可能な荷物保管装置において、表面に正確な情報表示が可能な広い領域を確保可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0007】
第1の発明は、荷物保管装置であって、建物の内壁と離間して配置されると共にユーザによって荷物の搬入出するための開口が一部に設けられた化粧板と、上記化粧板と上記内壁との間に配置されると共に上記荷物が保管される保管部と、上記開口と上記保管部との間で上記荷物を自動にて移動させる移動装置とを備えるという構成を採用する。
【0008】
このような本発明によれば、移動装置によって開口から保管部に荷物が移動されることから、保管部ごとに開閉扉を設置する必要がない。このため、広い表面を有する化粧板を備えることができる。つまり、本発明によれば、建物の内壁との間に保管部や移動装置を備える化粧板の外壁面に、境界部のないあるいは少ない領域を広く確保することが可能となる。このような外壁面に対して大きな情報を表示した場合には、境界部がないあるいは少ないため、情報の一部が欠損することを抑制して正確な情報表示を行うことが可能となる。したがって、本発明によれば、荷物を保管可能な荷物保管装置において、表面に正確な情報表示が可能な広い領域を確保することが可能となる。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記開口を開閉可能とすると共に上記開口よりも上記内壁側に配置された扉体と、上記扉体を移動させる扉駆動部とを備えるという構成を採用する。
【0010】
このような本発明によれば、ユーザが扉体を移動させることなく、扉駆動部によって扉体を移動させることができ、開口を必要に応じて自動的に開閉することが可能となる。
【0011】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記荷物が搭載可能とされると共に、上記保管部で保管可能かつ上記移動装置によって移動可能とされた搭載部を備え、上記化粧板と上記内壁との間であって上記開口に隣接された位置に上記搭載部が配置可能とされているという構成を採用する。
【0012】
本発明によれば、搭載部に搭載された状態で移動装置によって荷物の移動が可能となる。このため、移動装置が搭載部に接触して荷物を自動にて移動させることが可能となり、荷物に直接接触することなく荷物を自動にて移動させることが可能となる。したがって、荷物の形状等を考慮することなく荷物の移動を行うことが可能となる。
【0013】
第4の発明は、受付システムであって、受付対応を受けるユーザが位置する受付対応スペースが前方に設けられた受付部と、上記受付部と別体とされると共に上記受付部から離間して設置された請求項1~3いずれか一項に荷物保管装置とを備え、上記荷物保管装置は、上記受付対応スペースに上記化粧板の外壁面を向けて設置されているという構成を採用する。
【0014】
本発明によれば、受付部の前方にユーザが位置する受付対応スペースが設けられており、この受付対応スペースに向けて荷物保管装置の外壁面が向けられている。このため、受付部にて受付対応をこれから受けるユーザあるいは受けたユーザに対して、外壁面に表示された情報をより確実に提供することが可能となる。
【0015】
第5の発明は、上記第1~第3いずれかの発明において、上記化粧板に設置された操作部を備えるという構成を採用する。
【0016】
本発明によれば、化粧板の一部に操作部が設置される。このため、操作部を操作するユーザが化粧板に表示された情報を確認しやすくなる。したがって、本発明によれば、ユーザに対してより確実に情報を提供することが可能となる。
【0017】
第6の発明は、上記第1~第3いずれかまたは第5の発明において、上記化粧板に設置されたディスプレイを備えるという構成を採用する。
【0018】
このような本発明によれば、化粧板の一部にディスプレイが設置されている。ディスプレイによれば、表示する情報を容易に変更することができ、動画や複数種類の静止画を情報として容易に表示することができる。本発明においては、保管部ごとに開閉扉を設ける必要がなく、正確に情報表示が行える広い領域を確保できるため、このような領域にディスプレイを設置することで、動画や複数種類の静止画を情報として容易に表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、移動装置によって開口から保管部に荷物が移動されることから、保管部ごとに開閉扉を設置する必要がなく、荷物を保管可能な荷物保管装置において、表面に正確な情報表示が可能な広い領域を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態における受付システムの概略構成を模式的に示す平面図である。
【
図2】本発明の一実施形態における受付システムが備える荷物保管装置の斜め前方から見たが概略構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態における受付システムが備える荷物保管装置の斜め後方から見たが概略構成図である。
【
図4】本発明の一実施形態における受付システムが備える荷物保管装置の天井壁部を省略した平面図である。
【
図7】本発明の一実施形態における受付システムの変形例の概略構成を模式的に示す平面図である。
【
図8】本発明の一実施形態における受付システムの変形例の概略構成を模式的に示す平面図である。
【
図9】本発明の一実施形態における受付システムの変形例の概略構成を模式的に示す平面図である。
【
図10】本発明の一実施形態における受付システムの変形例の概略構成を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明に係る荷物保管装置及び受付システムの一実施形態について説明する。
【0022】
図1は、本実施形態の受付システムSの概略構成を模式的に示す平面図である。本実施形態の受付システムSは、ホテル等の宿泊施設、イベント会場、空港、駅等に対して設けられている。
図1に示すように、本実施形態の受付システムSは、建物Bの内部に設置されており、受付カウンタ100(受付部)と、荷物保管装置1とを備えている。
【0023】
受付カウンタ100は、受付システムSが設けられた宿泊施設やイベント会場等を訪れたユーザに対して受付対応を行うカウンタである。この受付カウンタ100を間に挟んで一方側(後方側)が受付業務を行う従業員の立ち位置であり、受付カウンタ100を間に挟んで他方側(前方側)が受付対応を受けるユーザの立ち位置である。つまり、受付カウンタ100の前方には、受付対応を受けるユーザが位置する受付対応スペースSaが設けられている。
【0024】
なお、本実施形態においては、宿泊施設やイベント会場の従業員がユーザの受付対応を行う例について示すため、受付カウンタ100が設けられた構成について説明する。ただし、受付端末や受付ロボット等が受付対応を行う場合には、カウンタが設置されない場合もある。このような場合には、受付端末や受付ロボット等が設置された位置が受付部となる。
【0025】
また、受付カウンタ100(受付部)で行う受付対応としては、宿泊施設やイベント会場で行うチェックイン対応が考えられる。なお、本実施形態における受付対応は、チェックイン対応に限られるものではなく、ユーザの要望を受け付けて情報を提供する場合や荷物を一時的に預かる場合等の受付対応や、ユーザの要望を受け付けて商品やサービスを提供する場合の受付対応も含まれる。
【0026】
荷物保管装置1は、ユーザが受付カウンタ100で受付対応を受けた後、あるいは受付対応を受ける前において、ユーザが荷物を預け入れるための装置である。本実施形態においては、
図1に示すように、荷物保管装置1は、建物Bの内壁B1を間に挟んで受付カウンタ100に隣接して配置されている。本実施形態においては、荷物保管装置1の後側と左側と右側とに建物Bの内壁B1が対向配置されている。つまり、荷物保管装置1は、3つの内壁B1に囲まれた空間に前面側を露出させた状態で収容されるようにして、配置されている。
【0027】
図2及び
図3は、荷物保管装置1の概略構成を示す斜視図である。
図2は、荷物保管装置1を前方から見た斜視図である。
図3は、荷物保管装置1を後方から見た斜視図である。荷物保管装置1は、
図2及び
図3に示すように、基台2と、保管棚3と、保管箱4(搭載部)と、移動装置5と、外殻体6と、搬入出部7とを備えている。なお、
図2や
図3等に示す保管棚3等のサイズは説明の便宜上の一例であり、設置条件に応じて適宜に変更して設定することが可能である。
【0028】
本実施形態において、荷物保管装置1は、平面視が略長方形状とされている。以下の説明においては、平面視における荷物保管装置1の長軸に沿った方向(長手方向)を幅方向と称し、平面視における荷物保管装置1の短軸に沿った方向(短手方向)を奥行方向と称する。また、
図2及び
図3に示すように、荷物保管装置1を利用しようとするユーザから見て幅方向における右手側を右側と称し、荷物保管装置1を利用しようとするユーザから見て幅方向における左手側を左側と称する。また、荷物保管装置1から見て奥行方向におけるユーザ側を前側と称し、荷物保管装置1から見て奥行方向におけるユーザと反対側を後側と称する。
【0029】
基台2は、保管棚3、移動装置5及び搬入出部7を下方から支持する平板状の台部であり、床面Xに対して設置されている。また、基台2は、保管箱4も間接的に支持する。なお、本実施形態において外殻体6は、床面Xに対して立設されているが、基台2で支持されるようにしても良い。平面視において、幅方向を長手方向とし、奥行方向を短手方向とする矩形状とされている。
【0030】
保管棚3は、奥行方向にて移動装置5を間に挟むようにして2台設置されている。これらの保管棚3は、棒材が格子状に接続された構造を有しており、棒材によって囲まれた空間に、各々が保管箱4を載置可能とされた保管部3aを有している。つまり、各々の保管部3aには、保管箱4を出し入れ可能とされている。保管箱4に荷物Nが収納されている場合には、保管箱4が保管部3aに保管されることで、荷物Nが保管部3aに保管される。
【0031】
図4は、本実施形態の荷物保管装置1の後述する天井壁部6eを省略した平面図である。
図4に示すように、各々の保管棚3は、幅方向に直線状に配列された複数の保管部3aを有している。本実施形態においては、各々の保管部3aの幅方向の寸法は一致されている。
【0032】
図5は、
図4のA-A断面図である。
図5に示すように、上下方向には、3つの保管部3aが配列されている。本実施形態では、上下に配列された3つの保管部3aのうち、中間位置及び最も上方に位置する保管部3aの高さ寸法が同一とされ、最も下方に位置する保管部3aの高さ寸法が他の2つの保管部3aよりも小さくされている。なお、以下の説明において、最も下方に位置する保管部3aを小型保管部3cと称し、その他の保管部3aを大型保管部3bと称する。
【0033】
また、
図4に示すように、移動装置5の前側に配置された保管棚3には、1つの保管部3aの幅寸法分の保管部3aが設けられていない部位が設けられている。この保管部3aが設けられていない部位は、搬入出部7にて搬入出される荷物Nを搬入出部7と移動装置5との間で受け渡すための受渡通路3dとされている。
【0034】
図6は、
図4のB-B断面図である。この図に示すように、移動装置5の前側に配置された保管棚3にて、受渡通路3dは、幅方向の中央部に設けられている。本実施形態においては、この受渡通路3dは、上下方向にて保管棚3を貫通するように設けられている。つまり、受渡通路3dの上下には保管部3aが設けられていない。しかしながら、受渡通路3dの上方に保管部3aを設けることも可能である。
【0035】
図4及び
図5に示すように、受渡通路3dの下部には、搬入出部7が配置されている。このような搬入出部7は、
図4に示すように、平面視における保管部3aの配列方向にて、保管部3aと保管部3aとの間に配置されている。つまり、本実施形態において、荷物保管装置1は、水平に配列された複数の保管部3aを備えている。さらに平面視にて保管部3aの配列方向(すなわち幅方向)にて、搬入出部7は保管部3aに隣接して配置されている。
【0036】
保管箱4は、各々の保管部3aに対して収容されており、搬入出部7にて荷物Nが出し入れされる箱体である。保管箱4は、前壁が上方に向けて移動可能とされた箱体であり、内部に荷物Nを収納可能とされている。前壁の上端には、前方に向けて突出する前壁突起部が設けられている。前壁突起部は、搬入出部7の後述する扉体7bに設けられた挿入部に挿入される部位である。前壁突起部が挿入部に挿入された状態で扉体が上昇されることによって、前壁が持ち上げられ、保管箱4が前方に向けて開放される。
【0037】
保管箱4は、大型保管部3bに収容される大型保管箱4aと、小型保管部3cに収容される小型保管箱4bとの2種類がある。大型保管箱4aの高さ寸法は、小型保管箱4bの高さ寸法よりも高い。大型保管箱4aは、保管棚3の大型保管部3bに出し入れ可能に収容可能な寸法とされている。また、小型保管箱4bは、保管棚3の小型保管部3cに出し入れ可能に収容可能な寸法とされている。
【0038】
移動装置5は、奥行方向に離間して配置された保管棚3同士の間に設けられた移動通路Tに配置されている。例えば、移動装置5は、移動通路Tに沿って走行可能な台車5aと、台車5aに立設された一対のマスト5bと、マスト5bに沿って昇降される昇降台5cとを備えている。また、移動装置5は、昇降台5cには保管箱4を受渡先と昇降台5cとの間で移載する不図示の移載装置を備えている。なお、移動装置5の構成は、特に限定されない。例えば、移載装置を幅方向に移動させるリニアガイドと、このリニアガイドを上下方向に移動可能なリニアガイドとを備える構成を採用することも可能である。
【0039】
このような移動装置5は、台車5aによって幅方向に移動し、昇降台5cを昇降させることによって、移載装置を任意の保管部3aあるいは搬入出部7に対峙させ、移載装置によって保管箱4を保管部3aあるいは搬入出部7と昇降台5cとの間で移動させる。また、移動装置5は、台車5aによって幅方向に移動し、昇降台5cを昇降させることによって、昇降台5cに移載された保管箱4を保管部3aあるいは搬入出部7に対峙させ、移載装置によって保管部3aあるいは搬入出部7に受け渡す。
【0040】
例えば、移動装置5は、台車5aを移動通路Tに沿って移動させるための水平移動用サーボモータを備えている。また、移動装置5は、昇降台5cを昇降させるための垂直移動用サーボモータを備えている。この垂直移動用サーボモータの動力は、例えばボールねじ構造によって垂直移動用サーボモータから昇降台5cに伝達される。また、昇降台5cに搭載される移載装置は、保管箱4に係止させるための爪部を備え、この爪部を水平方向に出し入れするためのステッピングモータを備えている。爪部を保管箱4に係止させた状態でステッピングモータにて水平移動させることで、保管箱4を昇降台5cと外部との間で水平移動させることができる。これらの水平移動用サーボモータ、垂直移動用サーボモータ及びステッピングモータが不図示の制御装置によって制御されることで、荷物Nを移動装置5によって自動的に移動することが可能となる。
【0041】
外殻体6は、保管棚3や移動装置5を囲む壁部であり、
図2及び
図3に示すように、前壁部6a(化粧板)を備えている。前壁部6aは、保管棚3の前方に立設された壁部である。この前壁部6aの外壁面6a1は、搬入出部7を介して荷物Nの出し入れを行うユーザが対峙する面となっており、本実施形態においては模様や文字等が描かれた意匠面とされている。
【0042】
また、前壁部6aの幅方向の中央部の下部には、開口7a1が設けられている。この開口7a1が設けられた前壁部6aの一部分は、搬入出部7の外壁部7aとして機能する部位となっている。本実施形態においては、搬入出部7の外壁部7aが外殻体6の前壁部6aと一体化されている。
【0043】
本実施形態においては、前壁部6aは、
図1に示すように、建物Bの内壁B1と離間して配置されており、ユーザによって荷物Nの搬入出をするための開口7a1が一部に設けられた化粧板として用いられている。この前壁部6aと建物Bの内壁B1との間に保管部3aや移動装置5が配置されている。
【0044】
図1に示すように、前壁部6aの外壁面6a1(すなわち前面)には、例えば、荷物保管装置1の製品表示J1、荷物保管装置1の特徴を示すシルエットJ2、及び保管可能な荷物Nのサイズを示すサイズ表示J3等が描かれている。これらの製品表示J1、シルエットJ2及びサイズ表示J3は、ユーザに対して提供される情報である。本実施形態において、このような外壁面6a1は、外部の者への情報の視認性を高めるために、高さ寸法が1200mm以上、幅寸法が500mm以上であることが好ましい。また、荷物Nの収容効率や荷物保管装置1の施工作業性を考慮すると、前壁部6aの高さ寸法は2500mm以上、幅寸法が1500mm以上であることが好ましい。このような場合には、外壁面6a1も、高さ寸法は2500mm以上、幅寸法が1500mm以上となり、広い情報表示領域を確保することができる。
【0045】
例えば、製品表示J1は、荷物保管装置1の名称等をユーザに対して提供する情報であり、製品名を示す文字列や図形が含まれている。このような製品表示J1は、例えば、遠方からも視認が容易となるように、外壁面6a1の上部に表示されている。
【0046】
例えば、シルエットJ2は、荷物保管装置1の機能を示すものであり、本実施形態においては荷物Nを持つ人物像とされている。このようなシルエットJ2は、例えば、ユーザが荷物保管装置1の機能をイメージしやすいように、実際の人間の寸法と同程度のシルエットとされ、シルエットの足裏が床面Xに近接するようにして描かれている。
【0047】
例えば、サイズ表示J3は、大型保管箱4aに収容可能な荷物Nの最大サイズを示す外形
図Z1と、小型保管箱4bに収容可能な荷物Nの最大サイズを示す外形
図Z2とが重なるように描かれている。
【0048】
また、前壁部6aの外壁面6a1には、ディスプレイ8が設けられている。ディスプレイ8は、不図示の制御装置の指令に基づいて、様々な情報を表示する。例えば、荷物保管装置1が宿泊施設に設置される場合であれば、ディスプレイ8には観光案内情報が表示され、荷物保管装置1がイベント会場に設置される場合であれば、ディスプレイ8には会場内の案内情報が表示される。このようなディスプレイ8は、外部の者からの視認性を高めるために、画面サイズが20インチ以上であることが好ましい。さらに、遠方からの視認性や表示広告のアピール度等を考慮するのであれば、外面サイズが40インチ以上であることが望まれる。
【0049】
また、本実施形態においては、前壁部6aの外壁面6a1には、空いている大型保管箱4a(すなわち大型保管部3b)の残数を表示する大型保管箱残数表示部9と、空いていている小型保管箱4b(すなわち小型保管部3c)の残数を表示する小型保管箱残数表示部10が設置されている。これらの大型保管箱残数表示部9及び小型保管箱残数表示部10は、例えば、遠方から荷物保管装置1の空き情報をユーザに視認可能となるように、前壁部6aの外壁面6a1の上部に配置されている。
【0050】
また、本実施形態においては、前壁部6aの外壁面6a1には、点検作業者が外殻体6の内部に出入りするための点検扉11が設けられている。この点検扉11の設置位置には、保管部3aが設けられておらず、点検扉11を開放することによって、外殻体6の内部に出入りすることが可能となる。なお、例えば、右側壁部6cや左側壁部6dに対向して内壁B1等が設置されていない場合には、右側壁部6cや左側壁部6dに点検扉11を設けるようにしても良い。
【0051】
本実施形態においては、荷物保管装置1は、
図1に示すように、上述の前壁部6aの外壁面6a1が受付対応スペースSaに向くように配置されている。なお、ここで、前壁部6aの外壁面6a1が受付対応スペースSaに向くとは、外壁面6a1の法線が受付対応スペースSaを通過する状態であることは当然に含むが、これに限定されるものではない。受付対応スペースSaから前壁部6aの外壁面6a1の全体あるいは一部が視認可能な状態も、前壁部6aの外壁面6a1が受付対応スペースSaに向いていることを意味する。このように、本実施形態の受付システムSにおいては、受付対応スペースSaに位置する人から受付対応スペースSaから前壁部6aの外壁面6a1の全体あるいは一部が視認可能な状態は、少なくとも、前壁部6aの外壁面6a1が受付対応スペースSaに向いているものとする。
【0052】
また、
図2~
図6に示すように、荷物保管装置1は、後壁部6bと、右側壁部6cと、左側壁部6dと、天井壁部6eとを備えていても良い。後壁部6bは、保管棚3の後方に立設された壁部である。右側壁部6cは、保管棚3の右側に立設された壁部である。左側壁部6dは、保管棚3の左側に立設された壁部である。天井壁部6eは、保管棚3の上方に水平に配置された壁部であり、前壁部6a、後壁部6b、右側壁部6c、及び左側壁部6dによって下方から支持されている。なお、本実施形態においては、荷物保管装置1に後側、左側及び右側に隣接して建物Bの内壁B1が配置されている。このため、
図1に示すように、荷物保管装置1は、後壁部6b、右側壁部6c、左側壁部6dを備えていない。また、本実施形態においては、天井壁部6eも備えていない。
【0053】
搬入出部7は、本実施形態の荷物保管装置1を利用するユーザが荷物Nの出し入れを行う箇所であり、ユーザによって搬入出が行われる荷物が配置される。搬入出部7は、外壁部7aと、扉体7bと、扉駆動部7cと、載置台7dと、重量測定部7eと、ユーザインタフェース部7fとを備えている。
【0054】
外壁部7aは、上述のように前壁部6aと一体的に設けられた壁部であり、載置台7dと外部とを隔離する壁部である。この外壁部7aには、奥行方向に貫通する開口7a1が設けられている。開口7a1は、荷物Nを通過させるための開口であり、大型保管箱4aの前壁が開放された場合の開口面積と略同一の開口面積とされている。
【0055】
扉体7bは、開口7a1を開閉するための扉であり、扉駆動部7cによって昇降可能とされている。この扉体7bは、下降されることで開口7a1を閉鎖し、上昇されることで開口7a1を開放する。
【0056】
なお、扉体7bには、大型保管箱4aの前壁突起部の高さに合わせた位置と、小型保管箱4bの前壁突起部の高さに合わせた位置とに、溝部を有する挿入部7b1を有している。大型保管箱4aの前壁突起部は大型保管箱4aが載置台7dに載置されることで上方の挿入部7b1に挿入される。このような状態で、扉体7bを昇降することによって、扉体7bに合わせて大型保管箱4aの前壁が昇降される。また小型保管箱4bの前壁突起部は小型保管箱4bが載置台7dに載置されることで下方の挿入部7b1に挿入される。このような状態で、扉体7bを昇降することによって、扉体7bに合わせて小型保管箱4bの前壁が昇降される。
【0057】
扉駆動部7cは、外殻体6の内部に配置されて扉体7bと接続されている。扉駆動部7cは、本実施形態の荷物保管装置1の全体を制御する不図示の制御部と接続されている。このような扉駆動部7cは、制御部の制御の下に、扉体7bを昇降する。
【0058】
載置台7dは、外殻体6の内側にて、保管棚3の受渡通路3dの下部に配置されている。この載置台7dは、保管箱4が載置される台である。重量測定部7eは、載置台7dの下方に配置された重量センサであり、載置台7dに載置された保管箱4に収納された荷物Nの重量を測定する。ユーザインタフェース部7fは、
図1に示すように外壁部7aに設けられており、外側面に露出されている。このユーザインタフェース部7fは、ユーザが情報入力したりユーザに対して情報を表示したりするタッチパネル7f1(操作部)、荷物Nに関する情報を印刷した荷物保管票を作成する印刷部、保管費用の清算を行う清算部等を備えている。タッチパネル7f1は、ユーザからの入力を受け付ける操作部として機能とすると共に、ユーザに対して提供する各種情報を表示する。
【0059】
以上のような本実施形態の荷物保管装置1において、荷物Nをユーザが預ける場合には、例えばユーザがユーザインタフェース部7fを操作することによって、荷物Nの大きさを選択する。荷物Nの大きさが選択されると、制御部は、選択された荷物Nが収納可能な保管箱4の空き状態を判定し、空いている保管箱4を移動装置5に搬入出部7の載置台7dまで移動させる。
【0060】
保管箱4が載置台7dまで移動されると制御部は、扉駆動部7cに扉体7bを上昇させる。このとき、保管箱4が大型保管箱4aである場合には、制御部は、扉体7bを最も上昇させて開口7a1を全開放させる。一方で、保管箱4が小型保管箱4bである場合には、制御部は、扉体7bを半分程度上昇させて開口7a1を半開放させる。このようにして、扉体7bが上昇されると、扉体7bと共に保管箱4の前壁が上昇され、保管箱4が前方に向けて開放される。
【0061】
保管箱4が前方に向けて開放された状態で、ユーザは荷物Nを保管箱4の内部に入れる。その後、制御部は、荷物Nが保管箱4に収納されたことをユーザのユーザインタフェース部7fの操作等によって検知すると、扉駆動部7cに扉体7bを下降させ、扉体7b及び前壁を閉じさせる。
【0062】
また、本実施形態の荷物保管装置1において、荷物Nをユーザが取り出す場合には、例えば荷物保管票に印刷された情報をユーザインタフェース部7fに入力する。制御部は、入力された情報に基づいて、取り出し対象の荷物Nを特定し、特定した荷物Nが収納された保管箱4を移動装置5に搬入出部7の載置台7dまで移動させる。
【0063】
保管箱4が載置台7dまで移動されると制御部は、扉駆動部7cに扉体7bを上昇させる。このとき、保管箱4が大型保管箱4aである場合には、制御部は、扉体7bを最も上昇させて開口7a1を全開放させる。一方で、保管箱4が小型保管箱4bである場合には、制御部は、扉体7bを半分程度上昇させて開口7a1を半開放させる。このようにして、扉体7bが上昇されると、扉体7bと共に保管箱4の前壁が上昇され、保管箱4が前方に向けて開放される。
【0064】
保管箱4が前方に向けて開放された状態で、ユーザは荷物Nを保管箱4の内部から取り出す。その後、制御部は、荷物Nが保管箱4から取り出されたことをユーザのユーザインタフェース部7fの操作等によって検知すると、扉駆動部7cに扉体7bを下降させ、扉体7b及び前壁を閉じさせる。そして、制御部は、移動装置5に保管箱4を、この保管箱4が予め収容されていた保管部3aに戻させる。
【0065】
以上のような本実施形態における荷物保管装置1は、建物Bの内壁B1と離間して配置されると共にユーザによって荷物Nの搬入出するための開口7a1が一部に設けられた前壁部6aと、前壁部6aと内壁B1との間に配置されると共に荷物Nが保管される保管部3aと、開口7a1と保管部3aとの間で荷物Nを自動にて移動させる移動装置5とを備えている。
【0066】
このような本実施形態における荷物保管装置1によれば、移動装置5によって開口7a1から保管部3aに荷物Nが移動されることから、保管部3aごとに開閉扉を設置する必要がない。このため、広い表面を有する前壁部6aを備えることができる。つまり、本実施形態における荷物保管装置1によれば、建物Bの内壁B1との間に保管部3aや移動装置5を備える前壁部6aの外壁面6a1に、境界部のないあるいは少ない領域を広く確保することが可能となる。このような外壁面6a1に対して大きな情報を表示した場合には、境界部がないあるいは少ないため、情報の一部が欠損することを抑制して正確な情報表示を行うことが可能となる。したがって、本実施形態における荷物保管装置1によれば、荷物Nを保管可能な荷物保管装置1において、表面に正確な情報表示が可能な広い領域を確保することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態における荷物保管装置1においては、前壁部6aに設置されたディスプレイ8を備えている。このような本実施形態における荷物保管装置1によれば、前壁部6aの一部にディスプレイ8が設置されている。ディスプレイ8によれば、表示する情報を容易に変更することができ、動画や複数種類の静止画を情報として容易に表示することができる。本実施形態における荷物保管装置1においては、保管部3aごとに開閉扉を設ける必要がなく、正確に情報表示が行える広い領域を確保できるため、このような領域にディスプレイ8を設置することで、動画や複数種類の静止画を情報として容易に表示することが可能となる。
【0068】
また、本実施形態における荷物保管装置1においては、前壁部6aに設置されたタッチパネル7f1を備えている。このような本実施形態における荷物保管装置1によれば、前壁部6aの一部にタッチパネル7f1が設置される。このため、タッチパネル7f1を操作するユーザが前壁部6aに表示された情報を確認しやすくなる。したがって、本実施形態における荷物保管装置1によれば、ユーザに対してより確実に情報を提供することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態における荷物保管装置1においては、荷物Nが搭載可能とされると共に、保管部3aで保管可能かつ移動装置5によって移動可能とされた保管箱4を備え、前壁部6aと内壁B1との間であって開口7a1に隣接された位置に保管箱4が配置可能とされている。このような本実施形態における荷物保管装置1によれば、保管箱4に搭載された状態で移動装置5によって荷物Nの移動が可能となる。このため、移動装置5が保管箱4に接触して荷物Nを自動にて移動させることが可能となり、荷物Nに直接接触することなく荷物Nを自動にて移動させることが可能となる。したがって、荷物Nの形状等を考慮することなく荷物Nの移動を行うことが可能となる。
【0070】
また、本実施形態の受付システムSは、受付対応を受けるユーザが位置する受付対応スペースSaが前方に設けられた受付カウンタ100と、受付対応スペースSaに外壁面6a1を向けて設置された荷物保管装置1とを備えている。このような本実施形態の受付システムSによれば、受付カウンタ100の前方にユーザが位置する受付対応スペースSaが設けられており、この受付対応スペースSaに向けて荷物保管装置1の外壁面6a1が向けられている。このため、受付カウンタ100にて受付対応をこれから受けるユーザあるいは受けたユーザに対して、外壁面6a1に表示された情報をより確実に提供することが可能となる。
【0071】
また、本実施形態の荷物保管装置1においては、開口7a1を開閉可能とすると共に開口7a1よりも内壁B1側に配置された扉体7bと、扉体7bを移動させる扉駆動部7cとを備えている。このような本実施形態の荷物保管装置1によれば、ユーザが扉体7bを移動させることなく、扉駆動部7cによって扉体7bを移動させることができ、開口7a1を必要に応じて自動的に開閉することが可能となる。なお、本実施形態においては、扉体7bを上下方向に移動させることによって開口7a1を開閉しているが、左右方向に扉体7bを移動可能である場合には、左右方向に扉体7bを移動させて開口7a1を開閉するようにしても良い。
【0072】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0073】
例えば、上記実施形態においては、荷物保管装置1が建物Bの内壁B1を間に挟んで受付カウンタ100に隣接して配置された構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。受付対応スペースSaから前壁部6aの外壁面6a1の全体あるいは一部が視認可能な状態であれば良い。
【0074】
例えば、
図7に示すように、他の部屋を間に挟んで、受付カウンタ100と荷物保管装置1とが配置される構成を採用することも可能である。また、
図8に示すように、受付カウンタ100に向くユーザの側方に荷物保管装置1を配置する構成を採用することも可能である。また、
図9に示すように、受付カウンタ100に向くユーザの側方に他の部屋が設けられ、この部屋の後方に荷物保管装置1が配置された構成を採用することも可能である。また、
図10に示すように、受付カウンタ100の後方に荷物保管装置1が配置された構成を採用することも可能である。このような荷物保管装置1は、建物Bの出入口やエレベータ出入口と受付カウンタ100との間の人の動線を考慮し、このような動線に沿って移動する人から視認されやすいように前壁部6aの外壁面6a1を向けて配置されることが好ましい。
【0075】
また、上記実施形態においては、荷物Nを保管箱4に収納した状態で移動装置5によって搬送する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、パレット等に荷物Nを搭載して搬送する構成や、荷物Nを直接的に搬送する構成を採用することも可能である。
【0076】
また、上記実施形態においては、大型保管箱残数表示部9及び小型保管箱残数表示部10によって、保管箱4の残数を数字にて表示する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、空いている保管箱4の残りの程度を色で示すランプを設置し、このランプを用いて保管箱4の残りの程度を示すようにしても良い。
【符号の説明】
【0077】
1……荷物保管装置、3……保管棚、3a……保管部、4……保管箱(搭載部)、5……移動装置、6a……前壁部(化粧板)、6a1……外壁面、7a……扉体、7a1……開口、7c……扉駆動部、7f1……タッチパネル(操作部)、8……ディスプレイ、9……大型保管箱残数表示部、10……小型保管箱残数表示部、B……建物、B1……内壁、N……荷物、S……受付システム、Sa……受付対応スペース、X……床面、100……受付カウンタ