(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
F24C 15/00 20060101AFI20241029BHJP
F24C 3/02 20210101ALI20241029BHJP
【FI】
F24C15/00 L
F24C3/02 Q
(21)【出願番号】P 2020198881
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勘佐 美代子
(72)【発明者】
【氏名】中尾 春香
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】意匠登録第1316267(JP,S)
【文献】特開2011-175886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 15/00
F24C 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トッププレートと、
前記トッププレート上の調理物を加熱する加熱部及びグリル庫内の調理物を加熱するグリル部を有する機器本体と、
前記トッププレート又は前記機器本体に設けられた操作部と、
前記操作部の操作に応じて信号を出力するように構成され、平面視において、前記グリル庫の左右方向の中央に対して重ならない位置で、前記トッププレートの下面に沿うように配置された制御基板と、
前記制御基板を下から覆う基板ケースと、
を備
え、
前記基板ケースは、
前記トッププレートの下面に対向する底板と、
前記底板の外周縁から前記トッププレートの下面に向かって突出して前記制御基板を囲む側板と、
を有し、
前記機器本体は、前記トッププレートの下面に対向しかつ前記機器本体の前壁を補強する前壁補強板を有し、
前記基板ケースは、前記前壁補強板と前記トッププレートとの間に配置され、
前記底板と前記前壁補強板との間には隙間が設けられており、
前記前壁補強板及び前記基板ケースの少なくとも一方は、前記隙間への空気の流れを妨げる抵抗板を有する、加熱調理器。
【請求項2】
トッププレートと、
前記トッププレート上の調理物を加熱する加熱部及びグリル庫内の調理物を加熱するグリル部を有する機器本体と、
前記トッププレート又は前記機器本体に設けられた操作部と、
前記操作部の操作に応じて信号を出力するように構成され、平面視において、前記グリル庫の左右方向の中央に対して重ならない位置で、前記トッププレートの下面に沿うように配置された制御基板と、
前記制御基板を下から覆う基板ケースと、
を備え、
前記操作部は、前記トッププレートの上面と下面とを貫通する開口部に取り付けられて前記トッププレートの一部をなす操作パネルに設けられており、
前記制御基板は、前記操作パネルの下面に対向した状態で取り付けられており、
前記基板ケースは、前記開口部を下から覆うように取り付けられている、加熱調理器。
【請求項3】
前記制御基板は、平面視において、前記グリル庫に対して重ならない位置に配置されている、
請求項1
又は請求項2記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記底板と前記制御基板との間には断熱部がある、
請求項
1~3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記断熱部が空気層により構成されている、
請求項4記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記基板ケースには、水抜き穴が形成されている、
請求項
2記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記操作パネルは、前記トッププレートの前端縁に沿って配置されており、
前記基板ケースは、
前記トッププレートの下面に対向する底板と、
前記底板の外周縁から前記トッププレートの下面に向かって突出して前記制御基板を囲む側板と、
を有し、
前記水抜き穴は、前記側板のうちの前方を向く部分の下端に形成されている、
請求項
6記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の加熱調理器が記載されている。特許文献1記載の加熱調理器では、表示窓を有する天板と、本体ケースと、天板の表示窓を通して表示を行うための液晶表示装置と、を備える。液晶表示装置は、本体ケース内に配置されている。液晶表示装置は、ケーシング内に、液晶表示盤と、液晶表示盤を制御する制御基板と、が収納されて構成されている。
【0003】
天板の表示窓は、左右方向の中央部に形成されており、液晶表示装置の液晶表示盤及び制御基板は、表示窓の位置に応じて、天板の左右方向の中央部に位置するように配置されている。
【0004】
加熱調理器では、液晶表示装置を冷却するために、本体ケースの内部の前端に沿って、横冷却通路が設けられており、この横冷却通路内に液晶表示装置が配置されている。横冷却通路には、送風ファンが設けられており、送風ファンによって冷却風を送ることで、液晶表示盤及び制御基板を冷却することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1記載の加熱調理器では、グリル庫のすぐ上に制御基板が配置されている。特に、グリル庫の左右方向の中央部は発熱しやすく、高温になりやすいため、制御基板の一部が、平面視でグリル庫の左右方向の中央に対して重なっていると、グリル庫からの熱によって制御基板が損傷を受ける可能性が高まる。このため、特許文献1記載の加熱調理器では、横冷却路及び送風ファンによって、制御基板及び液晶表示装置を冷却することで、制御基板及び液晶表示装置を熱から保護している。
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の加熱調理器では、冷却ファン及び横冷却路が、本体ケースの内部のスペースを占める割合が比較的大きく、加熱調理器の小型化を実現するには邪魔になるという問題がある。また、送風ファンの駆動電力が必要であり、省電力化を図ることについても阻害する。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、筐体内の省スペース化と省電力化を図りつつ、制御基板を熱から保護することができる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る一態様の加熱調理器は、トッププレートと、前記トッププレート上の調理物を加熱する加熱部及びグリル庫内の調理物を加熱するグリル部を有する機器本体と、前記トッププレート又は前記機器本体に設けられた操作部と、前記操作部の操作に応じて信号を出力するように構成され、平面視において、前記グリル庫の左右方向の中央に対して重ならない位置で、前記トッププレートの下面に沿うように配置された制御基板と、前記制御基板を下から覆う基板ケースと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る上記態様の加熱調理器は、筐体内の省スペース化と省電力化を図りつつ、制御基板を熱から保護することができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る加熱調理器の斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の加熱調理器の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の加熱調理器の操作パネル、制御基板及び基板ケースの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、同上の加熱調理器における操作パネル、制御基板及び基板ケース周辺の断面図である。
【
図5】
図5は、同上の加熱調理器において、プレート本体を省略した平面図である。
【
図6】
図6(A)は、基板ケースの上側から見た斜視図である。
図6(B)は、基板ケースの下側から見た斜視図である。
【
図7】
図7は、同上の加熱調理器において、基板ケースをプレート本体に取り付けた状態の斜視図である。
【
図8】
図8は、同上の加熱調理器における操作パネル、制御基板及び基板ケース周辺の断面図斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
(1)全体
以下、本実施形態に係る加熱調理器1について、詳細に説明する。
【0013】
加熱調理器1は、例えば、ガス、電気等の熱源を利用して加熱調理を行う調理器具である。加熱調理器1としては、例えば、ガスこんろ、電磁調理器(IH(Induction Heating)調理器)、電気こんろ等が挙げられる。本実施形態に係る加熱調理器1は、
図1に示すように、グリル付きのガスこんろである。
【0014】
ガスこんろは、ガスを燃料とするこんろである。本実施形態に係るガスこんろは、設置面(例えば、テーブル、こんろ台等)に載せて使用されるテーブルこんろであるが、キッチンカウンタのワークトップに形成された開口に、機器本体が落とし込まれるビルトインこんろであってもよい。
【0015】
以下では、説明の便宜上、ガスこんろの使用態様に基づいて、方向を定義する。すなわち、ガスこんろに対しユーザが正対して調理する使用態様を想定し、
図1に示すように、「左右方向」を定義する。また、ガスこんろからユーザに向かい、かつ水平面に沿う方向を「前方向」とし、その反対方向を「後方向」とし、前方向及び後方向に平行な2方向を「前後方向」として定義する。また、設置面に直交する方向を「上下方向」として定義する。ただし、これらの方向の定義は、本発明に係る加熱調理器1の使用態様を限定する趣旨ではない。
【0016】
加熱調理器1は、
図1に示すように、機器本体2と、トッププレート3と、複数の操作部4と、制御基板5(
図3)と、基板ケース6(
図3)と、を備える。トッププレート3には、複数の五徳7と、排気口カバー8と、が取外し可能に取り付けられている。
【0017】
(2)機器本体
機器本体2は、ガスこんろの主体を構成する部分であり、トッププレート3を支持する。機器本体2は、筐体21と、複数の機器と、を備える。本実施形態に係る機器本体2は、複数の機器として、グリル部23と、複数(ここでは二つ)の加熱部24と、を備える。
【0018】
(2.1)筐体
筐体21は、機器本体2において、機器が収まる箱である。筐体21は、
図2に示すように、底壁211、左壁212、右壁213、前壁214及び後壁217で構成された直方体状に形成されており、上面に開口面を有している。前壁214は、右壁213及び左壁212をつなぐ前面フレーム215と、前面フレーム215に取り付けられた化粧パネル216と、を備える。底壁211、左壁212、右壁213、後壁217及び前面フレーム215は、金属板によって構成されている。
【0019】
前面フレーム215は、上下方向に沿いかつ主面が前方を向く板状に形成されている。前面フレーム215は、グリル部23に対応する箇所が開口しており、グリル庫231が通される。前面フレーム215の前面は、グリル庫231の開口面と略同一平面上に位置する。
【0020】
筐体21は、前壁214を補強するための前壁補強板22を有する。前壁補強板22は、
図2に示すように、その主面が、トッププレート3の下面に対向するように配置されており、かつ左右方向に延びている。前壁補強板22は、右側の端部が右壁213の上端に接続され、かつ左側の端部が左壁212の上端に接続されており、これにより、右壁213と左壁212とをつないでいる。そのうえ、前壁補強板22は、前面フレーム215に対して固定されている。これによって、前壁補強板22は、左壁212及び右壁213に対する前壁214の強度を補うことができる。
【0021】
前壁補強板22を構成する材料としては、例えば、金属、合成樹脂、カーボン、木、パルプ等が挙げられるが、剛性が高いほうが好ましい。剛性及びコストの観点から、前壁補強板22は、金属製であることが好ましい。本実施形態では、鋼板により構成されている。
【0022】
前壁補強板22は、下方向に窪む複数(ここでは二つ)の窪み部221を有する。窪み部221は、トッププレート3の下面に取り付けられた制御基板5に対応する位置に形成されており、前壁補強板22が制御基板5に干渉するのを防ぐ。窪み部221は、長手方向の中央部225(グリル部23に対応する部分)と、右壁213又は左壁212に対する接続部224との間に形成されており、言い換えると、中央部225に対して、その両側に形成されている。
【0023】
各窪み部221は、
図2に示すように、一対の起立部222と、奥面部223と、で構成されている。一対の起立部222は、奥面部223の長手方向の両端から起立している。一対の起立部222のうち、前壁補強板22の長手方向の内側の起立部222aは、奥面部223の長手方向の内側の端から、前壁補強板22の長手方向の中央部225に向かうに従って上方向にいくように、奥面部223及び中央部225に対して傾斜している。一対の起立部222のうち、長手方向の外側の起立部222bは、奥面部223の長手方向の外側の端部から起立しており、その上端が接続部224に接続されている。奥面部223は、トッププレート3の下面に対して略平行に延びており、トッププレート3の下面に対向している。
【0024】
前壁補強板22は、一対の接続部224、一対の窪み部221及び中央部225が、曲げ加工を施すことにより一体に形成されている。ただし、本発明では、各部を、溶接やねじ止め等によって接合してもよい。
【0025】
(2.2)加熱部
加熱部24は、トッププレート3上の調理物を加熱する。ここでいう「トッププレート3上の調理物」とは、鍋やフライパン等の調理器具に収容された食品、水(湯を含む)等を意味する。加熱部24は、加熱部24自体が発熱せずに、調理器具を発熱させた結果、調理物を加熱するIHヒータであってもよいが、本実施形態では、五徳7に載った調理器具を加熱して調理物を加熱するバーナ241により構成されている。バーナ241は、ガスを含む気体の供給を受け、予混合燃焼を行うブンゼンバーナである。
【0026】
バーナ241は、筐体21内において、左右方向に離れて配置されている。各バーナ241は、
図2に示すように、筐体21の内部に取り付けられたバーナ台242の上に設置されている。バーナ241に対する点消火及び火力調節は、筐体21の前壁214の貫通穴に通された操作器243(例えば、操作ダイヤル、操作摘まみ、操作レバー等)によって操作される。
【0027】
(2.3)グリル部
グリル部23は、グリル庫231内の調理物を加熱し、グリル調理を行うことができる。ここでいう「グリル庫231内の調理物を加熱する」とは、グリル庫231内のグリル皿又は焼き網236に載せた調理物を加熱することのほか、容器に収納された調理物を、容器ごとグリル庫231に入れて加熱することを含む。グリル部23としては、例えば、グリル調理のみを行うことができる機器、グリル調理に加えてオーブン機能を有する機器、グリル調理に加えてレンジ機能を有する機器、グリル調理に加えてオーブン・レンジ・炊飯機能を有する機器等であってもよい。本実施形態に係るグリル部23は、
図2に示すように、グリル庫231と、グリル扉233と、グリルバーナ(不図示)と、を備える。
【0028】
(2.3.1)グリル庫
グリル庫231は、グリル調理を行うための箱である。グリル庫231は、略直方体状に形成されており、前面に開口面を有している。グリル庫231は、例えば、金属板からなる各種プレス加工品を組み立てることで構成されているが、一体に形成されてもよい。グリル庫231は、筐体21内に配置されており、筐体21に対して固定されている。筐体21とグリル庫231との固定は、例えば、ねじ止め、嵌め込み、ピン止め、カシメ、溶接等によって実現される。グリル庫231の開口面は、筐体21の前壁214の開口から露出しており、前方に向いている。
【0029】
グリル庫231は、一対の加熱部24の間に配置されている。より詳細には、グリル庫231は、グリル庫231の左右方向の中央(平面視における前後方向に平行なセンターライン)が、筐体21の左右方向の中央(平面視における前後方向に平行なセンターライン)と一致した位置に配置されている。言い換えると、グリル庫231は、機器本体2の左右方向の中央に位置している。また、グリル庫231の後端は、排気路232を介して、トッププレート3上の排気口312に通じている。
【0030】
本明細書でいう「グリル庫231の左右方向の中央」とは、平面視における、グリル庫231の左右方向の側板の外面間の中央のセンターライン(仮想直線)を意味する。したがって、グリル庫231の天板又は底板の一部が、平面視で側板の外面から突き出ていても、「グリル庫231の左右方向の中央」の位置には影響しない。また、本明細書において、「平面視」とは、上下方向に沿って見たときの態様を意味する。
【0031】
(2.3.2)グリルバーナ
グリルバーナは、グリル庫231内を加熱するバーナである。グリルバーナは、グリル庫231の左右方向の内側面、及び天板の内面(下面)の中央部に設けられている。グリルバーナによって、グリル庫231内に収容された調理物を加熱することができる。
【0032】
グリルバーナがグリル庫231内を加熱することで、グリル庫231全体の温度が上昇するが、温度分布として、平面視において、グリルバーナの炎が集まるグリル庫231の左右方向の中央部の温度が他の部分に比べて上昇しやすい。
【0033】
なお、本発明では、グリルバーナは、左右方向の内側面及び天板の内面に加えて、底面にも設けられてよい。
【0034】
(2.3.3)グリル扉
グリル扉233は、グリル庫231の開口面を開閉可能に閉じる扉である。グリル扉233は、鉛直面に沿った略矩形板状に形成された扉体234と、扉体234とグリル庫231とをつなぐ支持機構235と、を備える。支持機構235は、扉体234を、グリル庫231の開口面を閉じた位置である閉じ位置と、開口面を開いた位置である開き位置と、の間で移動可能に支持する。支持機構235に対し、グリル皿や焼き網236を載せることができ、また、当該グリル皿や焼き網236に調理物を載せることができる。
【0035】
(3)トッププレート
トッププレート3は、加熱調理器1の最上部の板である。トッププレート3は、略矩形板状に形成されている。トッププレート3には、各バーナ241の上端部が通される複数の孔(不図示)が形成されており、トッププレート3は、機器本体2の筐体21の上端に載るようにして、筐体21に取り付けられる。トッププレート3は、
図2に示すように、プレート本体31と、複数の操作パネル32と、を備える。
【0036】
(3.1)プレート本体
プレート本体31は、トッププレート3の主体を構成する部分である。プレート本体31には、上下方向に貫通(上面と下面とを貫通)する一対の開口部311が形成されている。開口部311は、操作パネル32が嵌め込まれる開口である。開口部311の形状としては、例えば、矩形状、長円形状、円形状、スリット状等が挙げられるが、本実施形態では、矩形状であり、特に、左右方向に長手方向を有する長方形状に形成されている。各開口部311は、プレート本体31の前側の縁(前端縁)に沿って形成されており、プレート本体31の前端部に形成されている。また、一対の開口部311は、左右方向に離れており、各開口部311は、左右方向の端部に形成されている。
【0037】
また、プレート本体31には、排気口312が形成されている。排気口312は、プレート本体31の後端縁に沿って形成されており、グリル庫231内の排気を出す。排気口312には、排気口カバー8が取外し可能に取り付けられている。
【0038】
プレート本体31の材質としては、例えば、ガラス、金属板等が挙げられる。金属板としては、例えば、アルミニウム、ホーロー、フッ素コーティングされた鋼板等が挙げられる。本実施形態に係るプレート本体31は、金属板によって構成されている。
【0039】
(3.2)操作パネル
操作パネル32は、開口部311に取り付けられてトッププレート3の一部をなすパネルであり、上面に複数の操作部4が設けられている。操作パネル32の外形は、開口部311の開口周縁と略同形でかつ略同じサイズに形成されている。操作パネル32の上面は、操作パネル32が開口部311に嵌め込まれると、プレート本体31の開口部311の周囲の面と面一となる。
【0040】
ここで、操作パネル32が開口部311に嵌め込まれると、操作パネル32の外周面と開口部311の内周面とが対向するが、メンテナンスの際に操作パネル32を開口部311から取り外すことを考慮して、操作パネル32の外周面と開口部311の内周面との間には、所定の隙間が形成されている。ここでいう「所定の隙間」とは、外観上、目立たない程度であるが、開口部311から操作パネル32を取り外すことができる程度の隙間を意味し、例えば、0.5mm以上3mm以下である。
【0041】
操作パネル32には、
図3に示すように、操作部4のほかに、液晶表示窓41が形成されている。ユーザは、液晶表示窓41を通して、後述の制御基板5に実装された液晶表示器の表示を見ることができる。
【0042】
複数の操作パネル32は、
図2に示すように、プレート本体31の前端部において左右方向の両端部の各々に設けられており、複数の加熱部24に対して一対一で対応している。ただし、本発明では、一の操作パネル32において、全ての加熱部24及びグリル部23の操作部4が集約されていてもよい。
【0043】
(4)操作部
操作部4は、機器の動作を設定するために、ユーザが操作することで、制御基板5を介して各機器に指示を与える部分である。操作部4を操作することで、例えば、タイマー設定、調理モード設定、オートメニュー設定等を実行することができる。調理モードとしては、例えば、解凍モード、パン発酵モード、低温調理モード、燻製モード等が挙げられる。オートメニュー設定としては、例えば、トースト、鶏もも焼き、ホイル焼き、焼き魚、炊飯等が挙げられる。
【0044】
操作部4は、
図3に示すように、プレート本体31の上面に設けられており、すなわち、トッププレート3に設けられている。本実施形態に係る操作部4は、メンブレンスイッチによって構成されており、制御基板5に電気的に接続されている。
【0045】
操作部4としては、メンブレンスイッチに限らず、例えば、静電容量スイッチ、トグルスイッチ、ロッカスイッチ、押ボタンスイッチ、ロータリスイッチ、タクタイルスイッチ、スライドスイッチ等であってもよい。操作部4を構成するスイッチは、制御基板5に実装されてもよいし、制御基板5に実装されていなくてもよい。
【0046】
(5)制御基板
制御基板5は、加熱部24及びグリル部23の少なくとも一方を制御するように構成されている。制御基板5は、操作部4の操作に応じて信号を出力し、これによって、加熱部24及びグリル部23の少なくとも一方の動作を制御することができる。
【0047】
制御基板5は、
図4に示すように、操作パネル32の下面に対向した状態で、操作パネル32に対して固定されている。このため、制御基板5は、トッププレート3の下面に沿うように配置されている。また、制御基板5は、平面視において、操作パネル32の範囲内に収まっており、操作パネル32よりも小さい。
【0048】
制御基板5の操作パネル32に対する取付けとしては、特に制限はなく、例えば、ねじ止め、嵌め込み、スナップフィット、溶着、ピン止め、接着、リベット等が挙げられる。また、制御基板5は、後述の基板ケース6に対して取り付けられてもよい。
【0049】
したがって、制御基板5は、
図5に示すように、平面視において、グリル庫231の左右方向の中央(平面視における前後方向に平行なセンターラインC1)に対して重ならない位置に配置される。特に、本実施形態に係る加熱調理器1では、制御基板5は、平面視において、グリル庫231に対して重ならない位置に配置されている。
【0050】
このため、本実施形態に係る加熱調理器1では、グリル庫231で高温となりやすいグリル庫231の左右方向の中央から離れた位置に、制御基板5を配置することができ、従来の加熱調理器1に比べて、制御基板5が熱損傷しにくい。そのうえ、本実施形態に係る加熱調理器1では、制御基板5を後述の基板ケース6で覆っており、より効果的に、熱から保護することができる。
【0051】
(6)基板ケース
基板ケース6は、
図3に示すように、制御基板5を下から覆う。基板ケース6は、底板61と、複数の側板62と、を有しており、上面に開口面を有する箱状に形成されている。基板ケース6の材料としては、例えば、耐熱性樹脂、木、パルプ、金属、ガラス、FRP(Fiber Reinforced Plastics)等が挙げられるが、コスト及び製造性の観点から耐熱性樹脂が好ましい。本実施形態では、耐熱性樹脂によって構成されている。
【0052】
底板61は、
図4に示すように、トッププレート3の下面に対して対向している。底板61は、平板状に形成されており、トッププレート3の下面に略平行となるように配置されている。底板61は、制御基板5と、前壁補強板22の奥面部223との間に位置している。
【0053】
底板61と制御基板5との間には、断熱部63がある。断熱部63によれば、底板61が高温になっても、底板61からの熱が制御基板5に伝導するのを抑制することができる。断熱部63は、本実施形態では、空気層であるが、例えば、木、グラスウール、ロックウール、羊毛、セルロースファイバー等であってもよい。
【0054】
底板61と奥面部223との間には、一定以上の隙間(空気層)がある。このため、グリル庫231からの熱が前壁補強板22に伝導し、奥面部223が高温になっても、奥面部223からの熱が基板ケース6に伝導するのを抑制することができる。ここでは、奥面部223と底板61との間に一定以上の隙間を設けることで、奥面部223からの熱が底板61に伝導するのを抑制したが、奥面部223と底板61との間に、例えば、木、グラスウール、ロックウール、羊毛、セルロースファイバー等の断熱材を配置してもよい。
【0055】
底板61は、
図6(A)(B)に示すように、平面視略矩形状に形成されている。底板61には、制御基板5に接続された電気配線を通すための貫通穴611が形成されている。底板61は、
図4に示すように、基板ケース6がトッププレート3に取り付けられると、前側の端部に近づくほど下方に位置するように、水平面に対して傾斜する。
【0056】
側板62は、底板61の外周縁からトッププレート3の下面に向かって突出した部分であり、平面視で制御基板5を囲んでいる。基板ケース6は、複数の側板62として、
図6(A)(B)に示すように、外面が平面視で後ろを向く後板622と、外面が平面視で左右方向のいずれかを向く一対の横板623と、外面が平面視で前を向く前板621と、を備える。
【0057】
前板621は、底板61の前端から、前方向にいくに従って上方向にいくように底板61に対して傾斜している。前板621の下端には、複数の水抜き穴624が形成されている。水抜き穴624は、煮こぼれ等の水分が操作パネル32の外周面と開口部311の内周面との間の隙間から流入し、基板ケース6で受けた際に、当該水を基板ケース6の外に排出することができる。なお、水抜き穴624から出た水は、前壁補強板22又は筐体21内に落下する。
【0058】
水抜き穴624は、前板621の内面と外面とを貫通している。水抜き穴624は、本実施形態では、前板621の下縁に沿って複数(ここでは四つ)形成されているが、スリット状に形成された一の水抜き穴であってもよい。また、水抜き穴624は、前板621の下端と底板61とに跨って形成されてもよいし、底板61に形成されてもよい。ただし、水抜き穴624が前板621に形成されていると、底板61に形成されている場合に比べて、前壁補強板22の奥面部223の熱が、水抜き穴624を通して基板に伝導するのを抑制することができる。
【0059】
横板623は、底板61の左右方向のいずれかの端から、底板61の長手方向の外側にいくに従って上方向にいくように底板61に対して傾斜している。横板623は、前壁補強板22の起立部222に沿っており、組み立てられた状態では、起立部222との間に一定以上の隙間を形成する。横板623には、操作パネル32に取り付けられる複数の取付け部625が形成されている。
【0060】
後板622は、底板61の後端から底板61よりも上側に立ち上がっている。後板622は、底板61に対して略垂直である。
【0061】
前板621、一対の横板623及び後板622の上端は、隣り合う端部同士が連続しており、平面視略矩形枠状に形成されている。また、前板621、一対の横板623及び後板622の上端は、トッププレート3の下面に当たっている。前板621、一対の横板623及び後板622の上端でなす基板ケース6の開口面は、
図7に示すように、プレート本体31の開口部311よりも大きく、平面視において、当該開口部311に重なっている。したがって、基板ケース6は、プレート本体31の開口部311を下から覆うように取り付けられている。
【0062】
このように、基板ケース6は、プレート本体31の開口部311を下から覆うように取り付けられているため、煮こぼれ等の水分が操作パネル32の外周面と開口部311の内周面との間の隙間から流入した場合でも、基板ケース6は、当該水分を受けることができる。このとき、制御基板5は、平面視において操作パネル32の範囲内に収まっているため、流入する水分に接触しにくい。底板61で受けられた水分は、底板61の勾配に沿って移動し、上述のように、水抜き穴624から基板ケース6の外に排出される。なお、底板61と制御基板5との間には空気層があるため、底板61上に一時的に水分が溜まっても、水分が制御基板5に接触しにくい。
【0063】
ところで、
図8に示すように、基板ケース6の底板61と、前壁補強板22との間には、上述の通り隙間が設けられている。この隙間に対して、高温の空気が流入すると、前壁補強板22からの熱と相まって当該隙間にある空気がより高温になりやすい。当該隙間の空気が高温になると、底板61が温度上昇し、制御基板5に対して熱が伝導しやすくなる。
【0064】
そこで、本実施形態では、基板ケース6と前壁補強板22との少なくとも一方に、抵抗板65が形成されている。抵抗板65は、底板61と前壁補強板22との間の隙間への空気の流れを妨げ、底板61が温度上昇するのを防ぐことができる。
【0065】
本実施形態に係る加熱調理器1では、抵抗板65として、基板ケース6が有する遮熱板64と、前壁補強板22が有する起立板226と、を備える。遮熱板64の先端が前壁補強板22に近接し、起立板226の先端が基板ケース6に近接することで、基板ケース6の底板61と前壁補強板22との間の空気の移動を妨げることができる。
【0066】
遮熱板64は、
図6(B)に示すうように、底板61と一方の横板623とから、前壁補強板22に向かって突出している。遮熱板64は、第一遮熱板641と、第二遮熱板642と、第三遮熱板643と、を有する。第一遮熱板641は、底板61の後端から下方向に沿って突出している。第二遮熱板642は、一方の横板623の後端から下方向に沿って突出している。第三遮熱板643は、底板61の長手方向のうち第二遮熱板642がある側とは反対側の端部において下方向に沿って突出している。また、起立板226は、
図8に示すように、前壁補強板22の前端から上方向に突出している。
【0067】
なお、本実施形態に係る基板ケース6では、遮熱板64の先端は、前壁補強板22に近接していたが、接触していてもよい。また、基板ケース6の底板61と前壁補強板22との間の隙間と、隙間に隣接する空間とを、遮熱板64と起立板226とで区画したが、高温の空気が流入しやすいグリル庫231の中央が位置する側の空間と、隙間とのみを遮熱板64又は起立板226で区画してもよい。また、当該隙間の前端及び後端の各々において、遮熱板64と起立板226とを重ねて、ラビリンス構造としてもよい。
【0068】
このように、本実施形態に係る加熱調理器1では、制御基板5をグリル庫231の高温部から外れた位置に配置しつつ、制御基板5を基板ケース6によって覆うことができるため、制御基板5が熱損傷を受けるのを抑制することができる。特に、テーブルガスこんろでは、ドロップインこんろとは異なり、前壁214の上部とトッププレート3との間に通気口を形成しにくい上に、筐体21内のスペースが狭くて冷却ファンを装置しにくいため、本実施形態の構造を好適に適用することができる。もちろん、ドロップインこんろにおいても、筐体21内の省スペース化と省電力化を図りつつ、制御基板5を熱から保護することができるため、有用である。
【0069】
(6.1)試験
ここで、基板ケース6に抵抗板65としての遮熱板64を設け、前壁補強板22に抵抗板65としての起立板226を設けた場合に、所期の効果が得られるかを確認するために、温度試験を実施した。実施例1として、筐体21内のグリル庫231のグリルバーナを30分燃焼させ、グリル庫231がある空間S1の温度が88.7℃に上昇したときの、底板61と前壁補強板22との間の隙間S2の温度と、基板ケース6内S3の温度と、を計測した。
【0070】
実施例2として、遮熱板64を有さない基板ケース6を用いて、筐体21内のグリル庫231のグリルバーナを30分燃焼させ、グリル庫231がある空間S1の温度が88.7℃に上昇したときの、底板61と前壁補強板22との間の隙間S2の温度と、基板ケース6内S3の温度と、を計測した。
【0071】
試験結果を示す。実施例1では、底板61と前壁補強板22との間の隙間S2の温度が53.3℃であり、基板ケース6内S3の温度が47.9℃であった。これに対し、実施例2では、底板61と前壁補強板22との間の隙間S2の温度が88.7℃であり、基板ケース6内S3の温度が、78.7℃であった。
【0072】
これらからわかるように、抵抗板を設けた場合には、基板ケース6内の温度上昇を抑制することができ、制御基板5の熱損傷をより抑える効果があることがわかった。
【0073】
<変形例>
上記実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0074】
上記実施形態では、操作部4は、トッププレート3の操作パネル32に設けられていたが、本発明では、制御基板5がトッププレート3の下面に沿って配置されていれば、操作部4は、機器本体2に設けられてもよい。機器本体2に操作部4が設けられる場合として、例えば、前壁214に引出し可能に設けられた操作パネル32に設けられてもよい。
【0075】
上記実施形態に係る加熱調理器1では、抵抗板として、基板ケース6の遮熱板64と、前壁補強板22の起立板226とを備えたが、本発明では、抵抗板は、前壁補強板22の起立板226のみで構成されてもよいし、基板ケース6の遮熱板64のみで構成されてもよい。
【0076】
上記実施形態では、基板ケース6は箱状に形成されたが、例えば、有底円筒状、半球状、逆四角錐状等に形成されてもよい。
【0077】
本明細書にて、「略平行」、又は「略直交」のように「略」を伴った表現が、用いられる場合がある。例えば、「略平行」とは、実質的に「平行」であることを意味し、厳密に「平行」な状態だけでなく、数度程度の誤差を含む意味である。他の「略」を伴った表現についても同様である。
【0078】
また、本明細書において「端部」及び「端」などのように、「…部」の有無で区別した表現が用いられている。例えば、「端」は物体の末の部分を意味するが、「端部」は「端」を含む一定の範囲を持つ域を意味する。端を含む一定の範囲内にある点であれば、いずれも、「端部」であるとする。他の「…部」を伴った表現についても同様である。
【0079】
<まとめ>
以上説明したように、第1の態様に係る加熱調理器1は、トッププレート3と、機器本体2と、操作部4と、制御基板5と、基板ケース6と、を備える。機器本体2は、トッププレート3上の調理物を加熱する加熱部24及びグリル庫231内の調理物を加熱するグリル部23を有する。操作部4は、トッププレート3又は機器本体2に設けられる。制御基板5は、操作部4の操作に応じて信号を出力するように構成され、平面視において、グリル庫231の左右方向の中央に対して重ならない位置で、トッププレート3の下面に沿うように配置される。基板ケース6は、制御基板5を下から覆う。
【0080】
この態様によれば、制御基板5をグリル庫231の高温部から外れた位置に配置しつつ、制御基板5を基板ケース6によって覆うことができるため、制御基板5が熱損傷を受けるのを抑制することができる。制御基板5をグリル庫231の高温部から外れた位置に配置することで、従来の加熱調理器1で必要であった制御基板5を冷却するためのファン及び送風路が不要となり、その結果、筐体21内の省スペース化と省電力化を図りつつ、制御基板5を熱から保護することができる。
【0081】
第2の態様に係る加熱調理器1では、第1の態様において、制御基板5は、平面視において、グリル庫231に対して重ならない位置に配置されている。
【0082】
この態様によれば、制御基板5がグリル庫231から熱をより受けにくくすることができ、より一層、制御基板5が熱損傷を受けるのを抑制することができる。
【0083】
第3の態様に係る加熱調理器1では、第1又は第2の態様において、基板ケース6は、トッププレート3の下面に対向する底板61と、底板61の外周縁からトッププレート3の下面に向かって突出して制御基板5を囲む側板62と、を有している。
【0084】
この態様によれば、基板ケース6によって、制御基板5の下方と側方とを覆うことができ、より一層、制御基板5が熱損傷を受けるのを抑制することができる。
【0085】
第4の態様に係る加熱調理器1では、第3の態様において、底板61と制御基板5との間には断熱部63がある。
【0086】
この態様によれば、基板ケース6の底板61が高温になっても、底板61からの熱が制御基板5に伝導するのを抑制することができる。
【0087】
第5の態様に係る加熱調理器1では、第4の態様において、断熱部63が空気層により構成されている。
【0088】
この態様によれば、底板61からの熱が制御基板5に伝導するのを効果的に抑制することができる。また、基板ケース6の底板61に水分が溜まっても、当該水分が制御基板5に接触するのを防ぐことができる。
【0089】
第6の態様に係る加熱調理器1では、第3~5のいずれか1つの態様において、機器本体2は、トッププレート3の下面に対向しかつ機器本体2の前壁214を補強する前壁補強板22を有する。基板ケース6は、前壁補強板22とトッププレート3との間に配置される。底板61と前壁補強板22との間には隙間が設けられる。前壁補強板22及び基板ケース6の少なくとも一方は、隙間への空気の流れを妨げる抵抗板を有する。
【0090】
この態様によれば、前壁補強板22と底板61との間に高温の空気が流入するのを防ぐことができる。また、壁補強板と底板61との間の空気移動が妨げられるため、前壁補強板22から底板61に伝導する熱に対する断熱効果を高めることができる。この結果、基板ケース6の底板61が高温になるのを抑制することができ、制御基板5が熱損傷を受けるのをより効果的に抑制することができる。
【0091】
第7の態様に係る加熱調理器1では、第1~6のいずれか1つの態様において、操作部4は、トッププレート3の上面と下面とを貫通する開口部311に取り付けられてトッププレート3の一部をなす操作パネル32に設けられる。制御基板5は、操作パネル32の下面に対向した状態で取り付けられる。基板ケース6は、開口部311を下から覆うように取り付けられる。
【0092】
この態様によれば、開口部311の内周面と操作パネル32の外周面との間の隙間から流入した煮こぼれ等の水分を基板ケース6で受けることができる。
【0093】
第8の態様に係る加熱調理器1では、第7の態様において、基板ケース6には、水抜き穴624が形成されている。
【0094】
この態様によれば、基板ケース6で受けた水分を、水抜き穴624から排出することができる。なお、従来の加熱調理器1では、冷却用のファンが設けられているため、水抜き穴624を設けると、水抜き穴624から空気が流出してバーナ241等の燃焼性能に悪影響を与える可能性があるが、本実施形態の加熱調理器1は、制御基板5を冷却する冷却ファンを備えないため、水抜き穴624を設けても加熱部24の燃焼性能に影響を与えない。
【0095】
第9の態様に係る加熱調理器1では、第8の態様において、操作パネル32は、トッププレート3の前端縁に沿って配置されている。基板ケース6は、トッププレート3の下面に対向する底板61と、底板61の外周縁からトッププレート3の下面に向かって突出して制御基板5を囲む側板62と、を有する。水抜き穴624は、側板62のうちの前方を向く部分の下端に形成される。
【0096】
この態様によれば、水抜き穴624が前方を向いていることで、水抜き穴624から高温の空気が入り込み、制御基板5が高温になるのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0097】
1 加熱調理器
2 機器本体
214 前壁
22 前壁補強板
23 グリル部
231 グリル庫
24 加熱部
3 トッププレート
31 プレート本体
311 開口部
32 操作パネル
4 操作部
5 制御基板
6 基板ケース
61 底板
624 水抜き穴
63 断熱部
64 遮熱板
65 抵抗板