(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】ネットワークシステムおよびサーバ
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
H04L12/28 500D
(21)【出願番号】P 2020204700
(22)【出願日】2020-12-10
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】風巻 貴
(72)【発明者】
【氏名】森内 大輔
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/179606(WO,A1)
【文献】特開2015-060382(JP,A)
【文献】特開2015-184563(JP,A)
【文献】特開2014-070739(JP,A)
【文献】特開2018-175706(JP,A)
【文献】特開2015-072113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物が起床したことを検知するためのセンサと、
第1の家電と、
第2の家電と、
前記センサとデータ通信可能な第1のサーバと、
前記第1の家電と前記第2の家電と前記第1のサーバと通信可能な第2のサーバと、を備えるネットワークシステムであって、
前記第2のサーバは、前記第1のサーバを介して前記人物が起床した旨の情報を取得すると当該情報を前記第2の家電に音声出力させて、前記第2の家電に入力されたメッセージを前記第1のサーバを介さずに前記第1の家電に音声出力させる、ネットワークシステム。
【請求項2】
前記第2の家電は、人を検知した際または操作を受け付けた際に前記情報を出力し、前記メッセージの入力を促すための音声を出力する、請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記第2のサーバは、前記起床から所定の時間が経過すると、前記メッセージの入力を促すための音声を出力させない、請求項2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記第1の家電は、人物を検知した際または操作を受け付けた際に前記第
2の家電に入力されたメッセージを音声出力し、
前記第2のサーバは、前記第1の家電が前記メッセージを出力した旨の情報を前記第2の家電に出力させる、請求項1から3のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記第2のサーバは、前記第1の家電に入力されたメッセージを前記第1のサーバを介さずに前記第2の家電に音声出力させるステップと、前記第2の家電に入力されたメッセージを前記第1のサーバを介さずに前記第1の家電に音声出力させるステップと、を繰り返す、請求項1から4のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記第2のサーバは、前記第1のサーバを介して前記人物が就寝した旨の情報を検知すると当該情報を前記第2の家電に音声出力させて、前記第2の家電と前記第1の家電による前記メッセージの受け付けを終了する、請求項1から5のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
第1のサーバと第1の家電と第2の家電と通信するための通信インターフェイスと、
前記通信インターフェイスを利用することによって、前記第1のサーバを介して人物が起床した旨の情報を取得すると当該情報を前記第2の家電に音声出力させて、前記第2の家電に入力されたメッセージを前記第1のサーバを介さずに前記第1の家電に音声出力させるためのプロセッサと、を備えるサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークや電気機器を利用してユーザ同士のコミュニケーションを行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを介して電気機器から各種の情報を取得する技術が知られている。たとえば、国際公開第2017/163308号パンフレット(特許文献1)には、複数の制御対象機器が接続された第1のネットワーク及び少なくとも1つの外部端末が接続された第2のネットワークに接続された制御装置であって、前記複数の制御対象機器の各々は、前記制御装置によって制御される第1の制御対象又は前記少なくとも一つの外部端末によって制御される第2の制御対象となっており、前記第1のネットワークから、前記第1のネットワーク用の第1のフォーマットで構成されている第1のデータを受信する第1の通信部と、前記第1のデータを、前記第2のネットワーク用の第2のフォーマットで構成されている第2のデータに変換する変換部と、前記第2のネットワークに前記第2のデータを送信する第2の通信部と、前記複数の制御対象機器の少なくとも一つの運転状態を管理する運転管理部と、を備え、前記第1のデータの送信元が前記第1の制御対象である場合には、前記運転管理部は、前記第1のデータに基づいて、当該送信元の運転状態を管理し、前記第1のデータの送信元が前記第2の制御対象である場合には、前記変換部は、前記第1のデータを前記第2のデータに変換し、前記第2の通信部は、当該変換後の第2のデータを、前記送信元を前記第2の制御対象として制御している外部端末に送信することを特徴とする制御装置が提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/163308号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ネットワークや電気機器を利用してユーザ同士のコミュニケーションを行うための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明のある態様に従うと、人物が起床したことを検知するためのセンサと、第1の家電と、第2の家電と、センサとデータ通信可能な第1のサーバと、第1の家電と第2の家電と第1のサーバと通信可能な第2のサーバと、を備えるネットワークシステムが提供される。第2のサーバは、第1のサーバを介して人物が起床した旨の情報を取得すると当該情報を第2の家電に音声出力させて、第2の家電に入力されたメッセージを第1のサーバを介さずに第1の家電に音声出力させる。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、この発明によれば、ネットワークや電気機器を利用してユーザ同士のコミュニケーションを行うための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施の形態にかかるネットワークシステムの全体構成を示すイメージ図である。
【
図2】第1の実施の形態にかかる通信端末の画面を示すイメージ図である。
【
図3】第1の実施の形態にかかるサーバの構成を表わすブロック図である。
【
図4】第1の実施の形態にかかる施設情報データを示すイメージ図である。
【
図5】第1の実施の形態にかかる第1の対応関係データを示すイメージ図である。
【
図6】第1の実施の形態にかかる第1のサーバの情報処理を示すフローチャートである。
【
図7】第1の実施の形態にかかる機器情報データを示すイメージ図である。
【
図8】第1の実施の形態にかかる第2の対応関係データを示すイメージ図である。
【
図9】第1の実施の形態にかかる第2のサーバの情報処理を示すフローチャートである。
【
図10】第1の実施の形態にかかるセンサ機器の構成を表わすブロック図である。
【
図11】第1の実施の形態にかかる電気機器の構成を表わすブロック図である。
【
図12】第1の実施の形態にかかる通信端末の構成を表わすブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<ネットワークシステム1の全体構成>
【0009】
まず、
図1を参照して本実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成について説明する。本実施の形態にかかるネットワークシステム1は、主に、第1のサーバ100Aと、第2のサーバ100Bと、センサ機器200Aと、電気機器200B,200Cと、通信端末300と、を含む。
【0010】
第1のサーバ100Aは、各種の施設で利用される。複数の施設の各々に第1のサーバ100Aが準備されることが好ましい。第1のサーバ100Aの各々は、施設の内部に載置されてもよいし、施設の外部に配置されてもよい。第1のサーバ100Aは、施設内の各部屋に配置されるリクライニングベッドや、インターホンや、部屋の温度計や、部屋にいる患者や客などの生体情報を取得するための各種のセンサや、ライトや、シャワーや、トイレ設備や、床暖房などの各種のセンサ機器200Aに接続される。なお、本実施の形態においては、高齢者の介護施設で利用される第1のサーバ100Aについて説明する。
【0011】
そして特に、本実施の形態においては、センサ機器200Aは、部屋にいる施設の対象者が起床したことや、対象者が就寝したことを検知するために必要なデータを測定するものである。なお、センサ機器200Aが、対象者が起床したと判断したり、対象者が就寝したと判断してもよいし、センサ機器200Aが測定した動きや圧力などの測定データに基づいて第1のサーバ100Aが、対象者が起床したと判断したり、対象者が就寝したと判断してもよい。以下では、説明のために、センサ機器200Aが圧力センサとコンピュータとを有するリクライニングベッドであって、当該コンピュータによって、所定値以上の圧力を検知した場合に対象者が寝転んでいる場合に就寝中と判断し、所定値以上の圧力を検知しない場合に対象者が起きていると判断するものとする。
【0012】
第2のサーバ100Bは、たとえばクラウド上の複数のデータベースや演算装置や通信装置などから構成される。第2のサーバ100Bは、インターネットやキャリア網などの各種のネットワークを介して、エアコンや冷蔵庫などの複数の電気機器200B,200Cに接続される。本実施の形態においては、第2のサーバ100Bは、第1のサーバ100Aにも接続される。
【0013】
なお、電気機器200B,200Cは、エアコン、冷蔵庫、空気清浄機、電子レンジ、洗濯機、空気清浄器、加湿器、除湿器、自動調理鍋、炊飯器、照明、掃除機などの家電、テレビ、パーソナルコンピュータ、ハードディスクレコーダ、プロジェクタ、音楽プレーヤー、ゲーム機、スピーカなどのAV(オーディオ・ビジュアル)機器、太陽光発電システム、蓄電池システム、給湯システム、床暖房などのHEMS設備、組み込み照明、インターホン、電気錠、給湯器、温水洗浄便座コントローラなどの住宅設備、などであってもよい。
【0014】
なお、電気機器200Bと電気機器200Cとは、同じ種類の機器であってもよいし、別の種類の機器であってもよい。また、センサ機器200Aも、起床や就寝に関するデータを取得できるのであれば、電気機器200B,200Cのいずれかと同じ種類の機器であってもよい。
【0015】
通信端末300は、第1のサーバ100Aに接続可能であって、パーソナルコンピュータやスマートフォンやタブレットやゲーム機やスピーカやウェアラブル端末などによって実現される。
<ネットワークシステム1の動作概要>
【0016】
次に、
図1を参照して本実施の形態にかかるネットワークシステム1の動作概要について説明する。本実施の形態にかかるネットワークシステム1に関しては、まず、第1のサーバ100Aが、定期的に、センサ機器200Aから各種の情報を取得している。もしくは、センサ機器200Aが第1のサーバ100Aに情報をプッシュ送信する。また、第2のサーバ100Bが、インターネットなどを介して、電気機器200Bや電気機器200Cから各種の情報を取得している。そして、
図2に示すように、第1のサーバ100Aが、施設内のセンサ機器200Aの各種の情報を取得して、通信端末300に表示させる。また、第1のサーバ100Aは、第2のサーバ100Bから電気機器200Bの各種の情報を取得して、
図2に示すように、電気機器200Bの情報も、通信端末300に表示させる。なお、第1のサーバ100Aは、センサ機器200Aの情報と電気機器200Bの情報と施設の利用者等の情報とを組み合わせた画面を通信端末300に表示させることが好ましい。これによって、通信端末300は、施設の第1のサーバ100Aが直接的に取得できるセンサ機器200Aの情報と、第1のサーバ100Aが直接的に取得できない第2のサーバ100Bからの電気機器200Bの情報とを共に提示することができる。
【0017】
特に本実施の形態においては、センサ機器200Aの測定データに基づいて施設の利用者などの対象者が起床したことが検知されると、施設から離れた位置にいる対象者の家族の家の電気機器200Cがその旨を音声出力したり、当該家族が話したメッセージを対象者の部屋の電気機器200Bが音声出力したりするものである。以下、このような機能を実現するためのネットワークシステム1の具体的な構成について詳述する。
<第1のサーバ100Aの構成>
【0018】
まず、本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成する第1のサーバ100Aの構成の一態様について説明する。
図3を参照して、第1のサーバ100Aは、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120と、操作部140と、通信インターフェイス160とを含む。
【0019】
CPU110は、メモリ120に記憶されているプログラムを実行することによって、第1のサーバ100Aの各部を制御する。たとえば、CPU110は、メモリ120に格納されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、後述する各種の処理を実行する。
【0020】
メモリ120は、各種のRAM(Random Access Memory)、各種のROM(Read‐Only Memory)などによって実現され、第1のサーバ100Aに内包されているものであってもよいし、第1のサーバ100Aの各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、第1のサーバ100Aからアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ120は、CPU110によって実行されるプログラムや、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、その他の本実施の形態にかかるサービスに利用されるデータベースなどを記憶する。
【0021】
たとえば、メモリ120は、
図4に示すような、施設情報データを記憶する。施設情報データは、施設IDと、センサ情報と、本体情報と、入居者情報と、個人情報と、施設の自社システムの情報と、他のセンサの情報と、他のシステムの情報などを格納する。
【0022】
施設IDは、施設・業者を特定するための識別情報であって、第2のサーバ100Bにアクセスするときに使用する。
【0023】
センサ情報は、履歴として保管されるデータであって、定期的、もしくは任意のタイミングで、センサ機器200Aから直接的に取得した情報や、第2のサーバ100Bから取得した各種センサの情報である。
【0024】
本体情報は、履歴として保管されるデータであって、定期的に第2のサーバ100Bから取得される、電気機器200Bの運転状態や操作内容の情報である。
【0025】
入居者個人情報は、通信端末300の画面に表示するための情報である。なお、この情報は、第2のサーバ100Bには提供しない。
【0026】
自社システムの情報は、第1のサーバ100Aが管理する自社製のコールシステムを動作させるための情報を含む。
【0027】
他のセンサの情報は、第1のサーバ100Aが管理する他社製の各種センサの読み取り情報を含む。たとえば、ベッドに関する情報や、人の動きの情報や、ドア開閉の情報や、照明の情報や、照度の情報などを含む。
【0028】
他のシステムの情報は、インターネットを介して第1のサーバ100Aに接続される他社のシステムから取得される情報を含む。たとえば、天気の情報や、所在地の情報や、時期の情報や、外気温の情報などを含む。
【0029】
また、メモリ120は、
図5に示すような第1の対応関係データ121を記憶する。第1の対応関係データ121は、施設に入居している対象者毎に、対象者の識別情報と、対象者の名前、部屋の識別情報、対象者の部屋に置かれているセンサ機器200Aの通信アドレスと、対象者の部屋に置かれている電気機器200Bの識別情報と、対象者の家族の識別情報と、対象者の家族の家に置かれている電気機器200Cの識別情報との対応関係を格納する。
【0030】
図3に戻って、操作部140は、サービスの管理者などの命令を受け付けて、当該命令をCPU110に入力する。
【0031】
通信インターフェイス160は、CPU110からのデータを、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して、センサ機器200Aや電気機器200Bや通信端末300やサーバなどの他の装置に送信する。逆に、通信インターフェイス160は、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して他の装置からのデータを受信して、CPU110に受け渡す。
<第1のサーバ100Aの情報処理>
【0032】
次に、
図6を参照して、第1のサーバ100Aにおける情報処理について説明する。本実施の形態にかかる第1のサーバ100AのCPU110は、メモリ120のプログラムに従って、以下の処理を実行する。
【0033】
まず、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、センサ機器200Aからデータを受信する(ステップS102)。
【0034】
CPU110は、当該データに基づいて、センサ機器200Aからの対象者が起床した旨の情報や起床した時刻を取得した場合(ステップS104にてYESである場合)、第1の対応関係データ121を参照してセンサ機器200Aに対応する対象者やその家族の電気機器200Cを特定する(ステップS106)。
【0035】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して、対象者が起床した旨の情報や、電気機器200Cを特定するための情報などを第2のサーバ100Bに送信する(ステップS108)。
【0036】
CPU110は、受信したデータに基づいて、センサ機器200Aからの対象者が就寝した旨の情報や就寝した時刻を取得した場合(ステップS110にてYESである場合)、第1の対応関係データ121を参照してセンサ機器200Aに対応する対象者やその家族の電気機器200Cを特定する(ステップS112)。
【0037】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して、対象者が就寝した旨の情報や、電気機器200Cを特定するための情報などを第2のサーバ100Bに送信する(ステップS114)。
【0038】
CPU110は、その他のデータを受信した場合(ステップS110にてNOである場合)、その他の処理を実行する(ステップS120)。
<第2のサーバ100Bの構成>
【0039】
次に、本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成する第2のサーバ100Bの構成の一態様について説明する。ただし、第2のサーバ100Bの基本的な構成は、
図3に示す第1のサーバ100Aと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。以下では、第1のサーバ100Aと異なる蓄積データや情報処理について説明する。
【0040】
第2のサーバ100Bのメモリ120は、
図7に示すような、機器情報データを記憶する。機器情報データは、施設IDのリストと、施設IDと機器IDとの対応関係と、センサ情報と、本体情報などを格納する。
【0041】
なお、施設IDのリストは、第1のサーバ100Aがアクセスしてくるときに第1のサーバ100Aのユーザとしての施設を識別するための情報のリストを含む。
【0042】
施設IDと機器IDとの対応関係は、各施設に紐づけられる電気機器200Bを特定するための情報を含む。第2のサーバ100Bは、この対応関係に基づいて、施設毎の対象の電気機器200Bを特定する。
【0043】
センサ情報は、キャッシュデータとして、定期的もしくは第1のサーバ100Aのシステムの指示によって、複数の電気機器200Bから取得した各センサの測定値を一時的に記憶するものである。より詳細には、センサ情報は、第2のサーバ100Bが、定期的に、または任意のタイミングで、取得した電気機器200Bのセンサの値を、第1のサーバ100Aに定期的または任意のタイミングで提供するものである。
【0044】
本体情報は、キャッシュデータとして、定期的もしくは第1のサーバ100Aのシステムの指示によって、複数の電気機器200Bから取得した運転状態や操作命令などを一時的に記憶するものである。
【0045】
また、メモリ120は、
図8に示すような第2の対応関係データ122を記憶する。第1の対応関係データ121は、対象者の部屋に置かれている電気機器200Bの識別情報と、その通信アドレスと、対象者の家族の家に置かれている電気機器200Cの識別情報と、その通信アドレスとの対応関係を格納する。
<第2のサーバ100Bの情報処理>
【0046】
次に、
図9を参照して、第2のサーバ100Bにおける情報処理について説明する。本実施の形態にかかる第2のサーバ100BのCPU110は、メモリ120のプログラムに従って、以下の処理を実行する。
【0047】
まず、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、データを受信する(ステップS152)。
【0048】
CPU110は、当該データに基づいて、第1のサーバ100Aから対象者が起床した旨の情報を取得した場合(ステップS154にてYESである場合)、メモリ156のメッセージやり取りフラグをONする(ステップS156)。
【0049】
CPU110は、メッセージの入力を促すべき期間の期限として、対象者が起床した時刻から所定時間後、たとえば1時間後など、の時刻を計算して、電気機器200Cの識別情報に対応付けてメモリ120に記憶する(ステップS158)。
【0050】
CPU110は、第2の対応関係データ122を参照して、第1のサーバ100Aから取得した対象者の家族の電気機器200Cの識別情報に基づいて電気機器200Cの通信アドレスを特定する(ステップS160)。
【0051】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して、対象者の家族の電気機器200Cに、対象者が起床したことを示す情報や、対象者に対するメッセージの入力を促す音声を出力する旨の指示と、メッセージの入力を促すべき期間の期限と、を送信する(ステップS162)。
【0052】
一方、CPU110は、受信したデータに基づいて、対象者が就寝した旨の情報を取得した場合(ステップS164にてYESである場合)、メッセージやり取りフラグをOFFする(ステップS166)。
【0053】
CPU110は、第2の対応関係データ122を参照して対象者の家族の電気機器200Cの識別情報に基づいて電気機器200Cの通信アドレスを特定する(ステップS168)。
【0054】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して、対象者の家族の電気機器200Cに、対象者が就寝したことを示す情報や、メッセージのやり取りを終了する音声を出力する旨の指示などを送信する(ステップS170)。
【0055】
また、CPU110は、受信したデータに基づいて、対象者の家族の電気機器200Cからメッセージの音声データを取得した場合(ステップS172にてYESである場合)、第2の対応関係データ122を参照して対応する対象者の電気機器200Bの通信アドレスを特定する(ステップS174)。CPU110は、通信インターフェイス160を介して、対応する対象者の電気機器200Bにメッセージの音声データを送信する(ステップS176)。
【0056】
CPU110は、受信したデータに基づいて、対象者の電気機器200Bからメッセージの音声データを取得した場合(ステップS182にてYESである場合)、第2の対応関係データ122を参照して対象者の家族の電気機器200Cの通信アドレスを特定する(ステップS184)。CPU110は、通信インターフェイス160を介して、対象者の家族の電気機器200Cにメッセージの音声データを送信する(ステップS186)。
【0057】
CPU110は、その他のデータを受信した場合(ステップS182にてNOである場合)、その他の処理を実行する(ステップS190)。
<センサ機器200Aの構成>
【0058】
次に、
図10を参照して、施設に配置されるセンサ機器200Aの構成の一態様について説明する。
【0059】
本実施の形態にかかるセンサ機器200Aは、主たる構成要素として、CPU210と、メモリ220と、操作部240と、通信インターフェイス260と、センサ295とを含む。
【0060】
CPU210は、メモリ220あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、センサ機器200Aの各部を制御する。
【0061】
メモリ220は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、CPU210によって実行されるプログラムや、CPU210によるプログラムの実行により生成されたデータ、操作部240を介して入力されたデータ、リモコンから受信したデータ、ルータやインターネットを介して第1のサーバ100Aから受信したデータなど各種サービスを利用するために必要な情報などを記憶する。
【0062】
操作部240は、ボタン、タッチパネルなどによって実現され、ユーザからの命令を受け付けて、当該命令をCPU210に入力する。
【0063】
通信インターフェイス260は、無線通信を行うためのアンテナや、有線通信を行うためのコネクタなどによって実現される。CPU210は、通信インターフェイス260を利用することによって、ルータやインターネットなどを介して、第1のサーバ100Aや他の電気機器200Bや通信端末300と各種のデータをやり取りする。たとえば、CPU210は、通信インターフェイス260を介して、動作内容や環境情報を第1のサーバ100Aに提供したり、操作命令を第1のサーバ100Aから受信したりする。
【0064】
センサ295は、対象者が起床したことや、対象者が就寝したことを検知するためのデータ、たとえば圧力値や温度や姿勢や加速度や動きなどを測定してCPU210に入力する。これによって、センサ機器200AのCPU210または第1のサーバ100AのCPU110が、センサ機器200Aの部屋の対象者が起床したと判断したり、対象者が就寝したと判断したりすることができる。
<電気機器200B,200Cの構成>
【0065】
次に、
図11を参照して、施設に配置される電気機器200Bや電気機器200Cの構成の一態様について説明する。なお、電気機器200Bや電気機器200Cの主な構成は同じであるため、以下では両者を含める電気機器200に関して説明するものとする。
【0066】
本実施の形態にかかる電気機器200は、主たる構成要素として、CPU210と、メモリ220と、ディスプレイ230、操作部240と、通信インターフェイス260と、スピーカ270と、マイク280と、機器駆動部290と、人感センサ291とを含む。
【0067】
CPU210は、メモリ220あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、電気機器200の各部を制御する。
【0068】
メモリ220は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、CPU210によって実行されるプログラムや、CPU210によるプログラムの実行により生成されたデータ、操作部240を介して入力されたデータ、リモコンから受信したデータ、ルータやインターネットを介して第1のサーバ100Aや第2のサーバ100Bから受信したデータ、電気機器200B,200Cに対応する管理サーバのアドレスなど各種サービスを利用するために必要な情報などを記憶する。
【0069】
ディスプレイ230は、CPU210からの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。なお、ディスプレイ230は、単にLEDライトなどであってもよい。
【0070】
操作部240は、ボタン、タッチパネルなどによって実現され、ユーザからの命令を受け付けて、当該命令をCPU210に入力する。なお、ディスプレイ230と操作部240とは、タッチパネル250を構成してもよい。
【0071】
通信インターフェイス260は、無線通信を行うためのアンテナや、有線通信を行うためのコネクタなどによって実現される。CPU210は、通信インターフェイス260を利用することによって、ルータやインターネットなどを介して、第1のサーバ100Aや第2のサーバ100Bや他の電気機器200B,200Cや通信端末300と各種のデータをやり取りする。たとえば、CPU210は、通信インターフェイス260を介して、動作内容や環境情報を第1のサーバ100Aや第2のサーバ100Bに提供したり、操作命令を第1のサーバ100Aや第2のサーバ100Bから受信したりする。
【0072】
スピーカ270は、CPU210からの音声データに基づいて音声メッセージなどを出力する。マイク280は、ユーザの声などを取得して音声データをCPU210に入力する。
【0073】
機器駆動部290は、CPU210からの信号に基づいて、電気機器200B,200Cの各部(モータやヒータやセンサやアンテナなど)を制御する。機器駆動部290は、たとえば、冷蔵庫に関しては圧縮機やファンやダンパであったり、エアコンに関しては圧縮機やファンであったり、ベッドに関してはリクライニング用のモータやヒータであったり、電子レンジに関しては加熱調理のためのアンテナや回転テーブルであったり、テレビに関しては受信アンテナやチューナであったり、する。なお、インターホンやナースコールのように特に機器駆動部290を必要としない電気機器もある。
【0074】
人感センサ291は、周囲の人を検知して、検知結果をCPU210に入力する。
【0075】
そして、本実施の形態においては、CPU210は、通信インターフェイス260を介して第2のサーバ100Bから、対象者が起床したことを示す情報や、対象者に対するメッセージの入力を促す音声を出力する旨の指示や、メッセージの入力を促すべき期間の期限などを受信する。そして、人感センサ291で人を検知した場合や、各種の操作を受け付けた際に、CPU210は、スピーカ270から、対象者が起床したことを示すメッセージを出力させて、対象者に対するメッセージを入力するように促すメッセージも出力する。たとえば、「お母さんが起きたみたいだよ。お母さんにメッセージをどうぞ。」という音声を出力する。なお、本実施の形態においては、CPU210は、メッセージの催促の期限が過ぎてから起床の情報を出力する際には、当該起床の情報のみを出力して、メッセージの入力を促すメッセージを出力させない。
【0076】
CPU210は、マイク280を介して家族からメッセージを受け付けると、通信インターフェイス260を介して当該音声を第2のサーバ100Bに送信する。対象者の電気機器200Bは、第2のサーバ100Bからのデータに基づいて、対象者を検知したり操作を受けたりしたときに、当該メッセージを音声出力し、音声出力した旨を第2のサーバ100Bに通知する。第2のサーバ100Bは、当該通知を受けて、メッセージが相手側の電気機器200Bで出力されたことを家族の電気機器200Cに送信する。電気機器200CのCPU210は、第2のサーバ100Bからの情報に基づいて、対象者の電気機器200Bにおいて、メッセージが出力されたことをディスプレイ230またはスピーカ270から出力する。
【0077】
その後、対象者の電気機器200BのCPU210は、第2のサーバ100Bからメッセージを受信すると、当該メッセージをスピーカ270から出力させ、新たなメッセージをマイク280を介して受け付けて、第2のサーバ100Bに新たなメッセージの音声データまたはテキストデータを送信する。そして、家族の電気機器200CのCPU210は、第2のサーバ100Bからメッセージを受信すると、当該メッセージをスピーカ270から出力させ、新たなメッセージをマイク280を介して受け付けて、第2のサーバ100Bに新たなメッセージの音声データまたはテキストデータを送信する。このように、第2のサーバ100Bは、対象者からのメッセージの伝達と、家族からのメッセージの伝達とを、交互に実行する。
【0078】
そして、CPU210は、通信インターフェイス260を介して、第2のサーバ100Bから、相手が就寝したことを示す情報や、メッセージのやり取りを終了する音声を出力する旨の指示を受信すると、それらの情報をスピーカ270から出力して、メッセージの受け付けやメッセージの伝達を終了する。
<通信端末300の構成>
【0079】
次に、
図12を参照して、ネットワークシステム1を構成する通信端末300の構成の一態様について説明する。本実施の形態にかかる通信端末300は、主たる構成要素として、CPU310と、メモリ320と、ディスプレイ330と、操作部340と、通信インターフェイス360と、スピーカ370と、マイク380などを含む。
【0080】
CPU310は、メモリ320に記憶されているプログラムを実行することによって、通信端末300の各部を制御する。
【0081】
メモリ320は、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリ320は、各種サービスのためのアプリケーションプログラムや、CPU310によるプログラムの実行により生成されたデータ、第1のサーバ100Aから受信したデータ、操作部340を介して入力されたデータ、通信端末300のユーザを特定するための情報などを記憶する。
【0082】
ディスプレイ330は、CPU310からのデータに基づいて、画像やテキストを表示する。操作部340は、ポインティングデバイスやスイッチなどから構成され、ユーザからの各種の命令をCPU310に入力する。なお、通信端末300は、ディスプレイ330と操作部340とを含むタッチパネル350を有してもよい。
【0083】
通信インターフェイス360は、インターネットやキャリア網やルータなどを介して、第1のサーバ100Aや電気機器200などの他の装置との間でデータを送受信する。たとえば、CPU310は、プログラムに従って、通信インターフェイス360を介して第1のサーバ100Aと、ユーザに関する各種の情報をやりとりする。CPU310は、当該各種の情報を、他のアプリケーションプログラムに提供することによって各種のサービスを受けることができる。
【0084】
スピーカ370は、CPU310からの音声データに基づいて音声メッセージなどを出力する。マイク380は、ユーザの声などを取得して音声データをCPU310に入力する。
【0085】
本実施の形態においては、CPU310は、メモリ320のプログラムに従って、施設の管理者や対象者の指示に基づいて、通信インターフェイス360を介して第1のサーバ100Aとの間でデータをやり取りする。たとえば、CPU310は、通信インターフェイス360を利用することによって、第1のサーバ100Aを介して、センサ機器200Aに関する情報や電気機器200Bに関する情報を取得して、ディスプレイ330に閲覧画面を表示したり、操作画面を表示したりする。また、CPU310は、操作部340を介して施設の管理者からセンサ機器200Aや電気機器200Bに対する操作命令を受け付けて、通信インターフェイス360を介して当該操作命令を第1のサーバ100Aに送信する。
<第2の実施の形態>
【0086】
上記の実施の形態においては、家族からのメッセージが対象者の電気機器200Bに出力された後、対象者からのメッセージが家族の電気機器200Cに伝えられるステップと、家族からのメッセージが対象者に伝えられるステップとが交互に実行されるものであったが、このような形態には限られない。対象者の起床後から就寝までの間、対象者からも、家族からも、任意のタイミングでメッセージを受け付けたり伝達したりできてもよい。
<第3の実施の形態>
【0087】
上記の実施の形態においては、メッセージが音声入力され、当該メッセージが音声出力されるものであったが、メッセージは電気機器200B,200Cにテキスト入力されてもよいし、電気機器200B,200Cがディスプレイ230にメッセージを出力する構成であってもよい。
<第4の実施の形態>
【0088】
上記の実施の形態のネットワークシステム1の各装置の役割の一部または全部を他の装置が実行してもよい。たとえば、第1のサーバ100Aや第2のサーバ100Bやセンサ機器200Aや電気機器200B,200Cや通信端末300の各々の役割の一部または全部を別の装置が担ったり、それらの装置の1つ1つの役割の一部または全部を複数の装置で分担したりしてもよい。具体的には、たとえば、第1のサーバ100Aや第2のサーバ100Bの各々は、1つの装置で実現されてもよいし、クラウド上の複数の装置によって実現されてもよい。あるいは、センサ機器200Aや電気機器200B,200Cや通信端末300が、第1のサーバ100Aや第2のサーバ100Bの処理の一部の役割を担ったりしてもよい。
<まとめ>
【0089】
上記の実施の形態においては、人物が起床したことを検知するためのセンサと、第1の家電と、第2の家電と、センサとデータ通信可能な第1のサーバと、第1の家電と第2の家電と第1のサーバと通信可能な第2のサーバと、を備えるネットワークシステムが提供される。第2のサーバは、第1のサーバを介して人物が起床した旨の情報を取得すると当該情報を第2の家電に音声出力させて、第2の家電に入力されたメッセージを第1のサーバを介さずに第1の家電に音声出力させる。
【0090】
好ましくは、第2の家電は、人を検知した際または操作を受け付けた際に情報を出力し、メッセージの入力を促すための音声を出力する。
【0091】
好ましくは、第2のサーバは、起床から所定の時間が経過すると、メッセージの入力を促すための音声を出力させない。
【0092】
好ましくは、第1の家電は、人物を検知した際または操作を受け付けた際に第1の家電に入力されたメッセージを音声出力する。第2のサーバは、第1の家電がメッセージを出力した旨の情報を第2の家電に出力させる。
【0093】
好ましくは、第2のサーバは、第1の家電に入力されたメッセージを第1のサーバを介さずに第2の家電に音声出力させるステップと、第2の家電に入力されたメッセージを第1のサーバを介さずに第1の家電に音声出力させるステップと、を繰り返す。
【0094】
好ましくは、第2のサーバは、第1のサーバを介して人物が就寝した旨の情報を検知すると当該情報を第2の家電に音声出力させて、第2の家電と第1の家電によるメッセージの受け付けを終了する。
【0095】
上記の実施の形態においては、第1のサーバと第1の家電と第2の家電と通信するための通信インターフェイスと、通信インターフェイスを利用することによって、第1のサーバを介して人物が起床した旨の情報を取得すると当該情報を第2の家電に音声出力させて、第2の家電に入力されたメッセージを第1のサーバを介さずに第1の家電に音声出力させるためのプロセッサと、を備えるサーバが提供される。
【0096】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0097】
1 :ネットワークシステム
100A :第1のサーバ
100B :第2のサーバ
110 :CPU
120 :メモリ
121 :第1の対応関係データ
122 :第2の対応関係データ
140 :操作部
156 :メモリ
160 :通信インターフェイス
200 :電気機器
200A :センサ機器
200B :電気機器
200C :電気機器
210 :CPU
220 :メモリ
230 :ディスプレイ
240 :操作部
250 :タッチパネル
260 :通信インターフェイス
270 :スピーカ
280 :マイク
290 :機器駆動部
291 :人感センサ
295 :センサ
300 :通信端末
310 :CPU
320 :メモリ
330 :ディスプレイ
340 :操作部
350 :タッチパネル
360 :通信インターフェイス
370 :スピーカ
380 :マイク