(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】磁石体
(51)【国際特許分類】
H01F 7/02 20060101AFI20241029BHJP
A47G 29/00 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
H01F7/02 F
A47G29/00 J
(21)【出願番号】P 2021005361
(22)【出願日】2021-01-15
【審査請求日】2023-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121429
【氏名又は名称】宇野 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【氏名又は名称】小島 清路
(72)【発明者】
【氏名】松田 翔平
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-279220(JP,A)
【文献】特開2018-114008(JP,A)
【文献】実開平05-045780(JP,U)
【文献】特開2013-094382(JP,A)
【文献】登録実用新案第3004191(JP,U)
【文献】特開2019-003979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 7/02
A47G 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方側に開放する開口部を有する磁石収容部の内部に、前記開口部側を磁性体との磁着側としてヨーク内に収められた状態の磁石が収容された磁石体本体と、
前記開口部とは反対側の外面の一部を除いて前記磁石体本体の全体を覆う袋状の粘弾性カバーと、を備え、
前記磁石体本体は、
外側に弾性変形して、前記ヨーク内に収められた状態の磁石を前記開口部から前記磁石収容部の内部へと受け入れ可能であるとともに、先端に備えた係止爪が受け入れた前記ヨークに係止し、前記磁石収容部内に収めた状態を保持する弾性片と、
前記磁石収容部の開口部と対向する底壁の外面に、当該底壁の範囲に収まる大きさで一体に設けられ、被支持物を直接支持しまたは当該被支持物を支持する支持部材を介して間接的に支持する支持部と、が設けられ、
前記粘弾性カバーは、
袋口を前記磁石収容部の底壁側として、前記支持部を除いて前記磁石体本体を覆って
おり、
前記磁石体本体の底壁の周縁部全周に、前記粘弾性カバーの袋口の周縁が係止する段部が形成され、
前記磁石体本体の底壁の外面と前記粘弾性カバーの袋口の周縁の外面とが面一に形成されていることを特徴とする磁石体。
【請求項2】
一方側に開放する開口部を有する磁石収容部の内部に、前記開口部側を磁性体との磁着側として磁石が収容された磁石体本体と、
前記開口部とは反対側の外面の一部を除いて前記磁石体本体の全体を覆う袋状の粘弾性カバーと、を備え、
前記磁石体本体は、前記磁石収容部を構成する、底壁と、当該底壁から立設する周壁と、前記底壁と対向して開放する前記開口部と、を備え、
前記粘弾性カバーは、袋口を前記磁石収容部の底壁側として、前記開口部及び前記周壁の全体と、前記底壁の前記外面の一部を除く部分と、を覆
い、前記磁石収容部の開口部と対面する部分のみが、他の部分に比べて薄肉に形成されて
おり、
前記磁石体本体の底壁の周縁部全周に、前記粘弾性カバーの袋口の周縁が係止する段部が形成され、
前記磁石体本体の底壁の外面と前記粘弾性カバーの袋口の周縁の外面とが面一に形成されていることを特徴とする磁石体。
【請求項3】
前記粘弾性カバーは、自身の収縮力により前記磁石体本体に取着されており、弾性変形させることで当該磁石体本体に着脱自在であることを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の磁石体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル等の被支持物を支持するなどのために壁面等の磁性体に取着される磁石体に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内でケーブルを壁面等に沿って配線するとき、ケーブルは所定間隔毎に支持具で壁面等の被支持面に支持されており、被支持面が磁性体で形成されているときは、支持具として磁石体を用いることがある。その場合、支持具は、磁石体の磁気吸引力により簡単に被支持面に取り付けることができる。なお、ケーブルは、磁石体の被支持面とは反対側に設けられた支持部に挿通されるなどして磁石体に支持されている。
【0003】
ところで、磁石体の磁気吸引力は、被支持面である吸着面に対し垂直方向への引き離しに抗して垂直方向に作用する吸引力の他、吸着面に沿う横滑りに抗して作用する摩擦抵抗力が生じるが、通常、摩擦抵抗力は垂直方向の吸引力と比較して相当小さいために、磁石体は横滑り防止として利用できないこともあった。
【0004】
これに対して、特許文献1では、摩擦抵抗力を増強して横滑りを防止する磁石体が提案されている。特許文献1に記載の磁石体は、
図7に示すように、磁石71がヨーク72で覆われており、壁面等の磁性体60との間に、生ゴムシート体、粘着性の高いゴム体、両面接着テープ、接着剤層等の摩擦抵抗力の大きい部材73が介在している。これにより、磁性体60の平面に沿う摺動抵抗が増大し摩擦力が大きくなって磁石体70が外力により横滑りするのが抑えられる。また、
図7においては、磁性体60に面するヨーク72の先端も摩擦抵抗力の大きい部材73で覆われているので、吸着面が傷付くのを防止することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の磁石体70は、磁石体70に貼着した摩擦抵抗力の大きい部材73である両面接着テープ等の端縁部が磁性体60と直接接する部分に位置するため、磁石体70が繰り返し振動を受けたり、支持するケーブルが引張られたりすることによる横ずれ方向に作用する外力を繰り返し受けたりすると、両面接着テープ等の横滑りを抑える部材が磁性体60と接する端縁側から剥がれてしまうおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明は、磁性体との接触面に沿って横滑りするのを抑える部材を備えたものであって、前記横滑りを抑える部材が容易に離脱しない磁石体の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1-3の磁石体は、一方側に開放する開口部を有する磁石収容部の内部に、前記開口部側を磁性体との磁着側として磁石が収容された磁石体本体と、
前記開口部と反対側の外面の一部を除いて前記磁石体本体の全体を覆う袋状の粘弾性カバーと、を備えている。
加えて、前記磁石体本体の底壁の周縁部全周に、前記粘弾性カバーの袋口の周縁が係止する段部が形成され、
前記磁石体本体の底壁の外面と前記粘弾性カバーの袋口の周縁の外面とが面一に形成されている。
【0009】
更に、請求項1の磁石体は、磁石体本体に、被支持物を直接支持しまたは当該被支持物を支持する支持部材を介して間接的に支持する支持部が設けられ、粘弾性カバーは、前記支持部を除いて前記磁石体本体を覆っている。
【0010】
また、請求項4の磁石体は、特に、粘弾性カバーが、自身の収縮力により前記磁石体本体に取着されており、弾性変形させることで当該磁石体本体に着脱自在である。
これにより、仮に、磁石収容部内の磁石に接着によって蓋を被せて磁石を保護したときには、接着剤そのものが薬剤に侵されて剥がれてしまうおそれがあったが、請求項3の磁石体は、粘弾性カバーが、接着ではなく自身の収縮力により磁石体本体に取着されているので、薬剤が付着して剥がれてしまうおそれがない。
また、粘弾性カバーが汚れたりしても、弾性変形させることでこれを簡単に取り外して交換することもできる。
【0011】
更に、請求項2、3の磁石体は、磁石収容部が、底壁と、当該底壁から立設する周壁と、前記底壁と対向して開放する前記開口部と、を備え、
前記粘弾性カバーは、その袋口を前記底壁側として、前記開口部及び前記周壁の全体と、前記底壁の前記外面の一部を除く部分と、を覆っており、
前記粘弾性カバーの内面のうち前記底壁及び前記周壁の少なくとも一方を覆う箇所は、前記磁石体本体の外面に密着している。
これにより、薬剤が磁石体本体内に侵入するのが防止され、磁石が薬剤と接触するのが防止されるので、磁石を薬剤から保護することができる。
【0012】
加えて、請求項1の磁石体は、磁石が、ヨーク内に収められた状態で、前記磁石収容部に収容されている。
これにより、磁石が強力な磁力を有するものであっても、ヨークによって磁石体本体の裏面側に磁力が漏洩するのが抑えられるので、精密機器の周辺でも磁石体を使用することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、粘弾性カバーが、磁石収容部の開口部とは反対側の外面の一部を除いて磁石体本体の全体を覆っている。このため、磁性体との間に粘弾性カバーが介在するので、磁性体との間には大きな摩擦力、摺動抵抗が生じ、磁石体が横滑りするのを防止できる。また、磁石体と接する面は粘弾性カバーで覆われているので、磁性体が磁石体本体の先端によって傷付くのを防止できる。
【0014】
そして、特に、磁石体は、粘弾性カバーが袋状に形成され、開口部とは反対側の外面の一部を除いて磁石体本体の全体を覆っているので、磁石体を磁性体に取着したとき、粘弾性カバーの端縁部は磁性体とは接触していない。このため、磁石体が磁性体の表面上を横ずれする方向に作用する力を繰り返し受けても、粘弾性カバーがその端縁から剥がれてしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】
図1の磁石体を
図3とは別の方向から見た分解斜視図である。
【
図6】(a)は
図1の磁石体を使用してケーブルを壁面に沿って支持する状態を示す側面図、(b)は別の磁石体を使用してケーブルを壁面に沿って支持する状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の磁石体を図に基づいて説明する。
磁石体1は、磁石収容部20の内部に磁石30が収容された磁石体本体10と、一部を除いて磁石体本体10の全体を覆う袋状の粘弾性カバー50と、を備えて成る。以下、各構成部材について詳細に説明する。
【0017】
磁石収容部20は、合成樹脂等で形成され、
図2乃至
図5に示すように、円板状の底壁21と、底壁21の周縁から立設する周壁22と、周壁22に囲まれた、底壁21と対向して一方側に開放する開口部23と、を備えている。底壁21の周縁部21aには全周に段部21bが形成されており、段部21bには、袋状の粘弾性カバー50の袋口51の周縁が係止する。底壁21の周縁部21aは、請求項の底壁の外面の一部を除く部分に相当する。周壁22は、4箇所に高さ方向に切欠された縦溝22aが形成され、隣合う2つの縦溝22aの間に矩形円弧板状の弾性片22bが形成されている。周壁22の弾性片22bは対向して一対設けられており、各弾性片22bの内面先端側には鈎状の係止爪22cが設けられている。
【0018】
磁石30は、ヨーク31内に収められ接着により固定された状態で、ヨーク31と一体に磁石収容部20内に収容されている。ヨーク31は、一般的に純鉄や低炭素鋼等が使用されており、磁石30から出る磁束を通し易く、磁束が大気中に漏洩するのを防止して吸着力を増大させる。ヨーク31は、有底短筒状に形成され、円板状の底壁32と、底壁32の周縁から立設する周壁33と、周壁33に囲まれた、底壁32と対向して一方側に開放する開口部34と、が形成されている。ヨーク31の周壁33の開口部34側端部の対向する2箇所には矩形状の切欠凹部33aが対向して形成されている。ヨーク31は、底壁32を挿入先端側として磁石収容部20の開口部23から強制的に押し込むことにより、磁石収容部20の各弾性片22bが外方に弾性的に撓み、底部まで挿入された後、弾性片22bの係止爪22cがヨーク31の各切欠凹部33aの底部端面33b上に係止し、これによりヨーク31は磁石収容部20内に抜け止め状態に収容され保持される。ヨーク31は、磁石30の一部を除いてその外面を覆っており、磁力が磁石体本体10の磁性体60とは反対の裏面側から外部に漏洩するのを防止している。
【0019】
磁石収容部20の底壁21の外面にはコ字状帯板からなる支持部40が一体に設けられている。支持部40と底壁21との間には、被支持物であるケーブル61を挿通可能な挿通空間41が形成されている。支持部40は、
図6(a)に示すように、ケーブル61を支持する支持部材である環状のベルト62が挿通空間41に挿通されて、間接的にケーブル61を支持する。
【0020】
粘弾性カバー50は、短円筒の袋状に形成されており、材質としてはゴムの他、熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマー等の各種粘弾性を有する素材が用いられる。粘弾性カバー50は、袋口51の周縁は全周に至って一定長さ内部側に突出するフランジ52が形成されており、フランジ52は、磁石収容部20の底壁21の段部21bに係止する。粘弾性カバー50は、袋口51が磁石収容部20の底壁21側に位置し、請求項の磁石収容部の開口部とは反対側の外面の一部である、底壁21における段部21b以外の部分と、支持部40と、を除いて、磁石収容部20の開口部23の全体及び周壁22の外面全体と、底壁21の周縁部21aの段部21bと、を外側から一体に覆っている。
【0021】
そして、粘弾性カバー50の内面のうち、磁石収容部20の底壁21の段部21bを覆う部分及び周壁22を覆う部分の少なくとも一方は、磁石体本体10の外面に密着している。粘弾性カバー50における磁石収容部20の開口部23と対面する底部側部分53は、他の部分に比べて薄肉に形成されており、磁性体60に作用する磁力をあまり低下させず、しかも、磁石30及び磁石収容部20によって磁性体60の表面が傷付けられることのない厚さに形成されている。
【0022】
粘弾性カバー50は、弾性変形可能であり、袋口51を外方に拡開しつつ外側から覆うようにして内部に磁石体本体10を収容した後、自身の収縮力により袋口51が縮径して周縁のフランジ52が磁石収容部20の底壁21の段部21bに係止して抜け外れ防止状態に取着されている。粘弾性カバー50は、一旦磁石体本体10に被せられた後は、弾性変形させることで、袋口51を拡開して磁石収容部20の段部21bへのフランジ52の係止を解除して、磁石体本体10から取り外すことができる。
【0023】
このように構成された磁石体1は、建物の磁性体60からなる天井面、壁面、床面等に複数を所定間隔毎に磁力により取着し、支持部40に通したベルト62内にケーブル61を挿通して支持部40に間接的に支持させることにより、これらの壁面に沿ってケーブル61を配線することができる。また、磁石体1は、建物の壁面に限らず、家庭ベッド、介護ベッド、収容棚、机等の家具などに沿って利用することもでき、同様にして、家具等における磁性体60からなる面に磁石体1を所定間隔毎に取着して、これらの家具の側面、底面、裏面等に沿ってケーブル61を配線することもできる。
【0024】
次に、本実施形態の磁石体1の作用を説明する。
磁石体1は、粘弾性カバー50が、磁石収容部20の開口部23とは反対側の外面の一部である、底壁21における段部21b以外の部分及び支持部40を除き、磁石体本体10の全体を覆っており、磁性体60との間には粘弾性カバー50が介在するので、粘弾性カバー50と磁性体60との間に大きな摺動摩擦力が生じ、磁石体1は横ずれしにくく横滑りしない。また、磁性体60との間に粘弾性カバー50が介在することにより、磁性体60が磁石体本体10の磁性体60側先端部に擦られて傷付くのが防止される。
【0025】
そして、特に、従来の磁石体においては、生ゴムシート体等からなる摩擦抵抗力の大きい部材は、その端縁部が磁性体60と直接接触する位置にあるので、磁石体が磁性体60の表面上を横ずれする方向に作用する力を繰り返し受けると、その端縁側からめくれて剥がれてしまうことがあった。これに対して、本実施形態の磁石体1は、粘弾性カバー50が袋状に形成され、開口部23と反対側の外面の一部を除いて磁石体本体10の全体を覆っており、粘弾性カバー50の端縁部は磁性体60とは接触しない位置に設けられているので、磁石体1が磁性体60の表面上を横ずれする方向に作用する力を繰り返し受けても、粘弾性カバー50が端縁から剥がれて磁石体本体10から離脱してしまうことはない。
【0026】
また、磁石体1は、粘弾性カバー50が、弾性変形可能で、自身の収縮力により磁石体本体10に取着されており、弾性変形させることで磁石体本体10に着脱自在となっている。このため、従来のように磁石収容部内の磁石に接着によって蓋を被せて磁石を保護したときには、磁石を接着している接着剤そのものが薬剤に侵されて蓋が剥がれてしまうおそれがあったが、本実施形態の磁石体1は、粘弾性カバー50が、接着剤による接着ではなく、自身の収縮力により磁石体本体10に取着されていることにより、薬剤が付着して粘弾性カバー50が剥がれてしまうおそれがない。そして、粘弾性カバー50が汚れたりしたときには、弾性変形させることでこれを簡単に取り外して交換することもできる。
【0027】
更に、粘弾性カバー50は、その袋口51を磁石収容部20の底壁21側として、開口部23及び周壁22の全体と、底壁21の周縁部21aと、を覆っているとともに、粘弾性カバー50の内面のうち底壁21及び周壁22の少なくとも一方を覆う箇所は、磁石体本体10の外面に密着しているので、薬剤が磁石体本体10内に侵入するのが防止され、磁石30は薬剤と接触するのが防止され、薬剤から保護される。
【0028】
加えて、磁石体1は、磁石30がヨーク31内に収められた状態で磁石収容部20に収容されているので、磁石30が強力な磁力を有するものであっても、ヨーク31によって磁石体本体10の裏面側に磁力が漏洩するのが抑えられる。このため、精密機器の周辺でも磁石体1を設置し使用することができる。
【0029】
ところで、上記実施形態の粘弾性カバー50は、フランジ52を磁石収容部20の底壁21の段部21bに係止させて取着しているが、本発明を実施する場合には、これに限られるものではなく、磁石収容部20の外面における磁性体60と接触しない部分に係止して磁石体本体10からの抜け外れを防止できれば如何なる形態のものであってもよい。また、粘弾性カバー50は、1つの部材で形成されているが、2以上の部材を組み合わせて形成してもよい。この場合、粘弾性カバー50は、袋口51の磁石収容部20に係止する部分の部材と磁性体60と接触する部分の部材とを異ならせてもよい。
【0030】
なお、上記実施形態の磁石収容部20の段部21bの上面は、水平面に形成されているが、内部側程深くなるように逆テーパ状に傾斜する鈎状のものに形成することにより、粘弾性カバー50の抜け外れをより防止することができる。
【0031】
また、上記実施形態の支持部40は、コ字板状に形成されているが、これに限られるものではなく、例えば、
図6(b)に示すように、円弧板状、円弧棒状等に形成し、内部にケーブル61を挿通できるものとしてもよい。この場合、支持部40はケーブル61を直接支持する。
【0032】
更に、支持部40は、磁石収容部20に一体に設けられているが、別体として設けてもよい。その場合、支持部40は、磁石収容部20から着脱可能なものとしてもよい。
【0033】
加えて、磁石体1は、支持部40を設けないものとしてもよい。この場合は、例えば、磁石収容部20の底壁21の外面に文字、記号等を表示し、磁性を有するホワイトボード等に吸着保持させたり、掲示文書を挟んで磁性を有する掲示板に紙押さえとして貼り付けたりするキャップマグネット、マグネットホルダなどとして利用することもできる。
【0034】
また、上記実施形態の磁石体本体10は、円筒状に形成されているが、矩形筒状等に形成したものであってもよい。
【0035】
更に、ヨーク31は、周辺に精密機器等が存在しない場所に取着されるのであれば、設けないものとしてもよい。
【0036】
加えて、粘弾性カバー50は、磁石体本体10の外面に密着した状態で取り付けられていないものであってもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 磁石体 31 ヨーク
10 磁石体本体 40 支持部
20 磁石収容部 50 粘弾性カバー
21 底壁 51 袋口
21a 周縁部 52 フランジ
21b 段部 53 底部側部分
22 周壁 60 磁性体
23 開口部 61 ケーブル(被支持物)
30 磁石 62 ベルト(支持部材)