(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】サイプブレード及びタイヤ成型用金型並びにタイヤ製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 33/38 20060101AFI20241029BHJP
B29C 33/02 20060101ALI20241029BHJP
B29C 35/02 20060101ALI20241029BHJP
B29L 30/00 20060101ALN20241029BHJP
【FI】
B29C33/38
B29C33/02
B29C35/02
B29L30:00
(21)【出願番号】P 2021019106
(22)【出願日】2021-02-09
【審査請求日】2023-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】石原 泰之
【審査官】宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-102925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/38
B29C 33/02
B29C 35/02
B29L 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤを成型するタイヤ成型用金型に設けられ、タイヤにサイプを成型するサイプブレードであって、
圧延材を素材とする一定肉厚で個別に形成された複数の部材を重ね合わせて形成され、重ねた状態の前記複数の部材の全てを半径方向外側から覆うように被せられ、前記複数の部材を位置決めするキャップブレードを備えたことを特徴とするサイプブレード。
【請求項2】
前記複数の部材は、周縁部の一部を重ね合わせてなることを特徴とする請求項1に記載のサイプブレード。
【請求項3】
前記重ね合わせにより、厚みの厚い箇所と薄い箇所を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサイプブレード。
【請求項4】
タイヤにおける主溝に誘導する位置にサイプの薄い箇所が来るように配置されたことを特徴とする請求項3に記載のサイプブレード。
【請求項5】
前記請求項1乃至請求項4いずれかに記載のサイプブレードを備えたタイヤ成型用金型。
【請求項6】
圧延材を素材とする一定肉厚で個別に形成された複数の部材を重ね合わせて形成され、
重ねた状態の前記複数の部材の全てを半径方向外側から覆うように被せられ、前記複数の
部材を位置決めするキャップブレードを備えたサイプブレードを、タイヤにおける主溝を成型するタイヤ成型用金型に設け、タイヤを成型するタイヤ製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤにおいてサイプを形成するサイプブレード及びタイヤ成型用金型並びにタイヤ製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スタッドレスタイヤでは、タイヤのトレッド部にタイヤ円周方向に延長する周方向溝及びタイヤ幅方向に延長する幅方向溝とを複数形成し、周方向溝と幅方向溝とで区画されたトレッドブロックに、周方向溝や幅方向溝よりも溝幅の細いサイプを形成することで、雪上や氷上での性能を確保するようにしている。その一方で、トレッドブロックにサイプを形成するとブロック剛性が低下することが知られており、サイプの奥行き方向の形状を3次元的に変化させるなどしてブロック剛性の低下を防ぐべくサイプの形状が設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サイプは、例えば、特許文献1に示すように、一枚の金属板をプレスなどにより所望の形状に成形したサイプブレードにより成型されるため、前述のように、サイプの形状が3次元的に変化するようにサイプブレードを形成すると、型抜けの際にサイプブレードを破損させたり、耐久性を低下させたりする虞がある。このため、サイプの形状の設定において制約を生じさせている。
そこで、本発明では、サイプブレードの破損や耐久性の低下を防止しつつサイプの形状の自由度を維持可能なサイプブレード及びタイヤ成型用金型並びにタイヤ製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するためのサイプブレードの構成として、タイヤを成型するタイヤ成型用金型に設けられ、タイヤにサイプを成型するサイプブレードであって、圧延材を素材とする一定肉厚で個別に形成された複数の部材を重ね合わせて形成され、重ねた状態の前記複数の部材の全てを半径方向外側から覆うように被せられ、前記複数の部材を位置決めするキャップブレードを備えた構成とした。
本構成によれば、サイプブレードの破損や耐久性の低下を防止しつつサイプの形状の自由度を維持することができる。
また、サイプブレードの他の構成として、複数の部材が周縁部の一部を重ね合わせてなるようにしたり、重ね合わせにより、厚みの厚い箇所と薄い箇所を有するようにしたり、タイヤにおける主溝に誘導する位置にサイプの薄い箇所が来るように構成したりしても良い。
また、上記課題を解決するためのタイヤ成型用金型の構成として、前記請求項1乃至請求項4いずれかに記載のサイプブレードを備えることにより、サイプブレードの破損や耐久性の低下を防止しつつサイプの形状の自由度を維持することができる。
また、タイヤ製造方法において、圧延材を素材とする一定肉厚で個別に形成され、重ねた状態の複数の部材の全てを半径方向外側から覆うように被せられ、複数の部材を位置決めするキャップブレードを備えたサイプブレードをタイヤにおける主溝を成型するタイヤ成型用金型に設け、タイヤを成型することにより、サイプブレードの破損や耐久性の低下を防止しつつサイプの形状の自由度を維持してタイヤを製造することができる。
【0006】
なお、上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、特徴群を構成する個々の構成もまた発明となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】サイプブレードの他の実施形態を示す図である。
【
図4】サイプブレードの他の実施形態を示す図である。
【
図5】サイプブレードの他の実施形態を示す図である。
【
図6】サイプブレードの他の実施形態を示す図である。
【
図7】サイプブレードの他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、タイヤを成型するタイヤ成型用金型の要部斜視図である。
図1に示すように、タイヤ成型用金型1は、タイヤ円周方向に沿って延長する周方向溝やタイヤ幅方向に沿って延長する幅方向溝等の成型物を成型する周方向溝成型部10や図外の幅方向溝成型部、及びサイプを成型するサイプブレード4を備える。ここでいう周方向溝及び幅方向溝とは、タイヤの摩耗限界を示すスリップサインが設定される溝深さを有する主溝を意味する。タイヤ成型用金型1は、例えば、サイプブレード4を、周方向溝成型部10及び幅方向溝成型部等の成型物を成型するベース金型2と別工程であらかじめ作製しておき、ベース金型2の製造時に鋳包みなどにより製造される。
【0010】
図2は、サイプブレード4の分解図及び組立図である。
図2は、本実施形態に係るタイヤ製造方法に適用されるサイプブレード4の一実施形態を示している。
図2(a)~(c)に示すように、サイプブレード4は、2枚の板ブレード30;50及びキャップブレード70の複数の部品で構成され、それらを組み合わせることで
図2(d)に示すように平面視において概略一方長尺の矩形状に形成される。
なお、以下の説明では、
図2で示すように、サイプ幅方向、高さ方向、板厚方向等として方向を定義する。
【0011】
板ブレード30;50は、厚みが一定の圧延材を素材として形成され、それぞれプレスなどによる打ち抜き加工等の機械加工によりそれぞれ異なる形状に形成される。本実施形態では、板ブレード30の厚みt1及び板ブレード50の厚みt2は、同じものとして説明するが、異なる厚みであっても良い。
【0012】
図2(b),(c)に示すように、板ブレード30;50には、図中一点鎖線を境界として、高さ方向においてベース金型2の製造時に、ベース金型2に埋没される埋没域と、ベース金型2から露出してタイヤにサイプを形成する露出域とが設定される。各板ブレード30;50の埋没域には、板厚方向に貫通する貫通孔32;52が複数設けられる。貫通孔32;52は、例えば前述したように、ベース金型2の製造時に鋳包みしたときにベース金型2の一部が侵入することでベース金型2からサイプブレード4を脱落不能に一体させる。
【0013】
板ブレード30は、サイプブレード4の平面視における概略形状を構成する一方長尺の矩形状に形成される。板ブレード30は、
図1に示すように、サイプブレード4としてベース金型2に設けられたときに、各短辺部31B;31Bが周方向溝成型部10;10に含まれるように幅寸法が設定される。
【0014】
板ブレード30には、サイプ幅方向の中央部において、埋没域側の長辺部31Aから露出域側に向けて矩形状に窪む矩形切欠部34と、矩形切欠部から高さ方向に離間して板厚方向に矩形状に貫通する矩形窓部35と、矩形切欠部34を挟む両側において、埋没域側の長辺部31Aから露出域側に向けて高さ方向に延長した後に互いに対向するように延長して終端するL字状に切り欠かれたL字状切欠部36;37とが形成される。
【0015】
板ブレード50は、板ブレード30の幅寸法よりも短く、高さ寸法が同じに設定された一方長尺の概略矩形状に形成される。
板ブレード50には、サイプ幅方向の中央部を挟んで埋没域側の長辺部51Aから露出域に向けて直線状に延長する矩形状に窪む2本の直線状切欠部54;55と、露出域において直線状切欠部54;55の間に板厚方向に矩形状に貫通する矩形窓部56と、長辺部51Aの延長方向に沿って所定距離離間して設けられ、露出域側の長辺部51Aから埋没域側に向けて矩形状に窪む複数の矩形切欠部57;58;59とが形成される。板ブレード50は、前述の板ブレード30の埋没域側を同一方向にして重ねられる。
【0016】
キャップブレード70は、延長方向と直交する断面視において一方が先細りとなる涙滴形状に形成される。キャップブレード70は、先細りとなる先端側に、延長方向に沿って延長する溝72を備える。即ち、キャップブレード70の厚みt3は、板ブレード30の厚みt1に板ブレード50の厚みt2を加算した厚み以上の厚さを有する。溝72には、板ブレード30の露出側の長辺部31Aを収容する溝73と、板ブレード50の露出側の長辺部51Aを収容する複数の溝74が形成され、板ブレード30及び板ブレード50を重ねた状態において長辺部31A;51Aを収容可能に形成される。つまり、板ブレード30;50は、重ねた状態でキャップブレード70の溝72に挿入されることで互いの位置が位置決めされる。
【0017】
図2(d)に示すように、板ブレード30;50は、前述のように位置決めされて重ね合わされることにより、板ブレード30に設けられた矩形切欠部34、矩形窓部35及びL字状切欠部36;37が板ブレード50により閉鎖され、板ブレード50に設けられた直線状切欠部54;55、矩形窓部56及び矩形切欠部57;58;59が板ブレード30により閉鎖される。
【0018】
具体的には、
図2(d)のグレーで示すように、板ブレード30に設けられた矩形窓部35の周縁部の全部、矩形切欠部34及びL字状切欠部36;37の周縁部の一部に板ブレード50が重なりつつ、矩形切欠部34、矩形窓部35及びL字状切欠部36;37が板ブレード50により閉鎖される。
また、板ブレード50に設けられた矩形窓部56の周縁部の全部、直線状切欠部54;55及び矩形切欠部57;58;59の一部に板ブレード30が重なりつつ、直線状切欠部54;55、矩形窓部56及び矩形切欠部57;58;59が板ブレード30により閉鎖される。このように、サイプブレード4を前述のように組み合わせて形成することにより、サイプ幅方向、高さ方向に厚さの異なる部分を形成することができる。
【0019】
前述のように、板ブレード30及び板ブレード50を重ね、キャップブレード70に取り付けることで一つの部品として一体化したサイプブレード4を、ベース金型2を製造するときに、例えば、サイプ幅方向をタイヤ幅方向に沿わせてサイプブレード4に設定された埋没域をベース金型2となる鋳型に埋設し、鋳包みすることでタイヤ成型用金型1として製造される。このようにタイヤ成型用金型1を製造することにより、サイプブレード4を構成する板ブレード30;50及びキャップブレード70は、ベース金型2と一体化される。
【0020】
このように製造されたタイヤ成型用金型1を用いてタイヤを製造することにより、踏面及び周方向溝に開口するサイプを形成することができる。また、形成されたサイプは、板ブレード30及び50によりタイヤ円周方向及びタイヤ半径方向において溝幅を変化させることができる。また、サイプの溝底には、板ブレード30;50により形成された溝幅よりも広い溝がキャップブレード70により成型されるため、サイプ内に進入した水を周方向溝に排出することができる。
【0021】
なお、サイプブレード4における板ブレード30及び50の形状は、前述の平板状に限定されず、高さ方向に波打つように波状としたり、サイプ幅方向に波状としたりしても良く、また、厚さ方向に形状が変化する3Dサイプとしても良い。
【0022】
図3,
図4は、サイプブレード4の他の実施形態を示す図である。
図1に示す実施形態では、サイプブレード4を2つの板ブレード30;50及びキャップブレード70で構成したが、これに限定されない。例えば、
図3,4に示すように、2枚の板ブレード30;50でサイプブレード4を形成しても良い。
図3に示すように、板ブレード30;50は、前述の実施形態で示したように、圧延材を素材として形成される。板ブレード30;50は、外形形状が同一に設定された一方長尺の矩形形状に形成される。
【0023】
本実施形態に係る板ブレード30は、露出域に板厚方向に貫通する複数の貫通孔40を備える。複数の貫通孔40は、例えば、角丸三角形状の同一形状で形成される。貫通孔40は、それぞれ頂部の一つを高さ方向上向きに向けて、千鳥状に高さ方向に3列配置される。
板ブレード50は、露出域に板厚方向に貫通する複数の貫通孔60を備える。複数の貫通孔60は、例えば、角丸三角形状の同一形状で形成される。貫通孔60は、板ブレード50を板ブレード30に重ねたときに、板ブレード30において貫通孔40が形成されていない非開口部42に位置するように、それぞれ頂部の一つを高さ方向下向きに向けて、千鳥状に高さ方向に3列配置される。
【0024】
このようにサイプブレード4を形成し、
図4に示すようにベース金型2に一体化してタイヤ成型用金型1を形成することにより、サイプブレード4の破損や耐久性の低下を防止しつつサイプの形状の自由度を維持することができる。
【0025】
図5は、サイプブレード4の他の実施形態を示す図である。前述の実施形態では、
図3に示すように、板ブレード30;50に形成する貫通孔40;60を角丸三角形状としたが、これに限定されない。例えば、
図5に示すように、貫通孔40;60を六角形状に形成するようにしても良い。このとき、
図5に示すように、板ブレード30に形成された複数の貫通孔40と、板ブレード50に形成された複数の貫通孔60とが重ならないようにすると良い。
【0026】
図3や
図5に示すようにサイプブレード4を形成する場合、貫通孔40;60同士が重ならない、換言すれば、板ブレード30に形成された貫通孔40が板ブレード50の非開口部62により閉鎖され、板ブレード50に形成された貫通孔60が板ブレード30の非開口部42により閉塞されるように、板ブレード30;50を形成されれば、貫通孔40;60の形状及び配置形態は適宜変更しても良い。これにより、サイプの形状の自由度を維持しつつサイプブレード4の破損や耐久性の低下を防止することができる。
【0027】
図6は、サイプブレード4の他の実施形態を示す図である。前述の各実施形態では、サイプブレード4の形成において板ブレード30;50を2枚用いるものとして説明したが、これに限定されない。例えば、
図6に示すように、2枚以上の多数の板ブレードを用いて一つのサイプブレード4を形成することもできる。
【0028】
図6に示すサイプブレード4は、前述の板ブレードに相当する圧延材を素材として形成されるセンターブレード30、8枚のサイドブレード50、2枚のエンドブレード80、2枚のエッジブレード90及びキャップブレード70とで形成される。
【0029】
センターブレード30は、露出域においてサイプ幅方向に対称の略逆三角形状に形成される。サイドブレード50は、センターブレード30の斜辺に沿って延長し、
図6(b)の矢印で示すように、センターブレード30の表面側に一枚目を重ね、センターブレード30に重ねられたサイドブレード50の裏面側と、交互に4枚重ねられる。最後に重ねられたサイドブレード50の表面側にエンドブレード80を重ね、エンドブレード80の裏面側にエッジブレード90を重ねることで、
図6(c)に示すように矩形状に形成される。
【0030】
キャップブレード70には、重ね合わされたセンターブレード30、複数のサイドブレード50、複数のエンドブレード80の露出域側の端部が挿入される溝72が形成されており、この溝72にセンターブレード30、複数のサイドブレード50、複数のエンドブレード80の露出域側の端部を挿入することで、センターブレード30、複数のサイドブレード50、複数のエンドブレード80の位置が関係が維持される。
【0031】
キャップブレード70にセンターブレード30、複数のサイドブレード50、複数のエンドブレード80を挿入した状態を維持するとともにエンドブレード80に対するエッジブレード90の重なりを維持して、ベース金型2となる鋳型に各ブレード30;50;80;90の埋没域を挿入することで、
図7に示すように、タイヤ成型用金型1を形成することができる。
【0032】
以上いくつかの実施形態を用いて説明したように、複数の部品を組み合わせてサイプブレード4を形成することにより、サイプブレードの破損や耐久性の低下を防止しつつサイプの形状の自由度を維持可能なサイプブレードを構成することができる。また、サイプブレード4を構成する板ブレード同士の一部を重ねたり、板ブレードに形成した貫通孔や切欠部を他の板ブレードで閉鎖するように重ね合わせたりして、サイプブレードに部分的に厚い箇所、薄い箇所を設定することで、サイプの溝幅を自由に変化させることができる。また、複数の板ブレードの重なり部分に加えて、溝底側に前述のキャップブレードをサイプブレードに設けることで、サイプに外部から直接的に視認しづらい隠れ溝を形成することができ、サイプにおける排水性を確保することもできる。また、複数の部品の組み合わせにおいてサイプブレードに強度が不足する箇所、例えば、前述の貫通孔や切欠部に板ブレード同士を重ね合わせることで、サイプブレードの破損を防ぎ、耐久性を向上させることができる。
【0033】
以上説明したように、タイヤを成型するタイヤ成型用金型に設けられ、タイヤにサイプを成型するサイプブレードにおいて、圧延材を素材とする一定肉厚で個別に形成された複数の部材を重ね合わせて形成することにより、サイプブレードの破損や耐久性の低下を防止しつつサイプの形状の自由度を維持することができる。
また、サイプブレードの構成にあたり、複数の部材が周縁部の一部を重ね合わせてなるようにしたり、重ね合わせにより、厚みの厚い箇所と薄い箇所を有するようにしたりすることで、サイプ内に隠れ溝を形成することができる。また、さらに、タイヤにおける主溝に誘導する位置にサイプの薄い箇所が来るように構成することにより、サイプに必要とされる排水性能を自在に制御することができる。
したりしても良い。
また、タイヤ製造方法において、前述のように、圧延材を素材とする一定肉厚で個別に形成された複数の部材を重ね合わせて形成したサイプブレードを、タイヤにおける主溝を成型するタイヤ成型用金型に設け、タイヤを成型することにより、サイプブレードの破損や耐久性の低下を防止しつつサイプの形状の自由度を維持してタイヤを製造することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 タイヤ成型用金型、2 ベース金型、4 サイプブレード、
30;50 板ブレード、70 キャップブレード。