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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】ホームドア装置及び交換方法
(51)【国際特許分類】
   B61B 1/02 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
B61B1/02
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021030993
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131831
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2024-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】新山 智章
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-081369(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0301235(US,A1)
【文献】特開昭56-064077(JP,A)
【文献】特開2000-352273(JP,A)
【文献】特開2020-093788(JP,A)
【文献】特開2018-199490(JP,A)
【文献】実開昭61-140090(JP,U)
【文献】特開平02-132286(JP,A)
【文献】中国実用新案第206938744(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61B 1/02
E01F 1/00
E01F 13/00-15/14
E06B 3/54- 3/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラットホーム上に設置される戸袋と、前記戸袋から開閉方向に進退可能に設けられる扉と、を備えるホームドア装置であって、
前記扉は、
前記開閉方向に延びる一対の扉フレームと、
板形状であり、前記一対の扉フレームに上下の端部が保持される板状部材と、を備え、
前記板状部材は、
板形状であるとともに光を透過する透過部材と、
前記透過部材の上下の端部を保持する弾性部材と、
前記弾性部材を保持するとともに前記扉フレームと接触する接触部材と、を備え、
前記扉フレームは、前記接触部材の前記扉の厚さ方向の移動を規制するとともに前記接触部材を前記開閉方向にスライド可能に保持するレール部を備え
前記扉は、前記プラットホーム側と軌道側とを区画する扉であり、
前記弾性部材は、前記透過部材の厚さ方向において、前記透過部材を挟むように前記透過部材と前記接触部材との間に配置され、
前記プラットホーム側に位置する前記弾性部材の厚みは、前記軌道側に位置する前記弾性部材の厚みよりも薄い
ホームドア装置。
【請求項2】
前記透過部材は、前記開閉方向及び前記厚さ方向と直交する上下方向において前記接触部材に挿入され、
前記軌道側に位置する前記弾性部材には、前記上下方向において前記透過部材を前記接触部材から取り外す方向へ延出する返しが設けられ、
前記プラットホーム側に位置する前記弾性部材には、前記返しが設けられていない
請求項に記載のホームドア装置。
【請求項3】
プラットホーム上に設置される戸袋と、前記戸袋から開閉方向に進退可能に設けられる扉と、を備えるホームドア装置であって、
前記扉は、
前記開閉方向に延びる一対の扉フレームと、
板形状であり、前記一対の扉フレームに上下の端部が保持される板状部材と、を備え、
前記板状部材は、
板形状であるとともに光を透過する透過部材と、
前記透過部材の上下の端部を保持する弾性部材と、
前記弾性部材を保持するとともに前記扉フレームと接触する接触部材と、を備え、
前記扉フレームは、前記接触部材の前記扉の厚さ方向の移動を規制するとともに前記接触部材を前記開閉方向にスライド可能に保持するレール部を備え
前記扉は、前記プラットホーム側と軌道側とを区画するための扉であり、
前記接触部材は、前記透過部材の厚さ方向において、前記透過部材を挟むように前記透過部材を保持し、
前記プラットホーム側に位置する前記接触部材と前記透過部材との隙間は、前記軌道側に位置する前記接触部材と前記透過部材との隙間よりも狭い
ホームドア装置。
【請求項4】
プラットホーム上に設置される戸袋と、前記戸袋から開閉方向に進退可能に設けられる扉と、を備えるホームドア装置であって、
前記扉は、
前記開閉方向に延びる一対の扉フレームと、
板形状であり、前記一対の扉フレームに上下の端部が保持される板状部材と、を備え、
前記板状部材は、
板形状であるとともに光を透過する透過部材と、
前記透過部材の上下の端部を保持する弾性部材と、
前記弾性部材を保持するとともに前記扉フレームと接触する接触部材と、を備え、
前記扉フレームは、前記接触部材の前記扉の厚さ方向の移動を規制するとともに前記接触部材を前記開閉方向にスライド可能に保持するレール部を備え
前記扉は、前記プラットホーム側と軌道側とを区画するための扉であり、
前記透過部材の厚さ方向において、前記レール部の中心が前記透過部材の厚さ方向の中心よりも前記軌道寄りに位置している
ホームドア装置。
【請求項5】
プラットホーム上に設置される戸袋と、前記戸袋から開閉方向に進退可能に設けられる扉と、を備えるホームドア装置であって、
前記扉は、
前記開閉方向に延びる一対の扉フレームと、
板形状であり、前記一対の扉フレームに上下の端部が保持される板状部材と、を備え、
前記板状部材は、
板形状であるとともに光を透過する透過部材と、
前記透過部材の上下の端部を保持する弾性部材と、
前記弾性部材を保持するとともに前記扉フレームと接触する接触部材と、を備え、
前記扉フレームは、前記接触部材の前記扉の厚さ方向の移動を規制するとともに前記接触部材を前記開閉方向にスライド可能に保持するレール部を備え
前記弾性部材には、前記開閉方向及び前記厚さ方向と直交する上下方向において、前記接触部材との位置決めを行う位置決め部が設けられている
ホームドア装置。
【請求項6】
プラットホーム上に設置される戸袋と、前記戸袋から開閉方向に進退可能に設けられる扉と、を備えるホームドア装置であって、
前記扉は、
前記開閉方向に延びる一対の扉フレームと、
板形状であり、前記一対の扉フレームに上下の端部が保持される板状部材と、を備え、
前記板状部材は、
板形状であるとともに光を透過する透過部材と、
前記透過部材の上下の端部を保持する弾性部材と、
前記弾性部材を保持するとともに前記扉フレームと接触する接触部材と、を備え、
前記扉フレームは、前記接触部材の前記扉の厚さ方向の移動を規制するとともに前記接触部材を前記開閉方向にスライド可能に保持するレール部を備え
前記透過部材の前記開閉方向と平行な両端部は、一対の前記扉フレームに挿入され、
前記透過部材の前記開閉方向と平行な両端部には、同じ形状の前記接触部材及び弾性部材が取り付けられる
ホームドア装置。
【請求項7】
プラットホーム上に設置される戸袋と、前記戸袋から開閉方向に進退可能に設けられる扉と、を備えるホームドア装置であって、
前記扉は、
前記開閉方向に延びる一対の扉フレームと、
板形状であり、前記一対の扉フレームに上下の端部が保持される板状部材と、を備え、
前記板状部材は、
板形状であるとともに光を透過する透過部材と、
前記透過部材の上下の端部を保持する弾性部材と、
前記弾性部材を保持するとともに前記扉フレームと接触する接触部材と、を備え、
前記扉フレームは、前記接触部材の前記扉の厚さ方向の移動を規制するとともに前記接触部材を前記開閉方向にスライド可能に保持するレール部を備え
前記扉は、前記開閉方向へ移動可能に前記戸袋に支持される第1扉と、前記第1扉と相対的に前記開閉方向へ移動可能に前記第1扉に支持される第2扉とを備え、
前記第1扉及び前記第2扉は、同じ形状の前記接触部材及び前記弾性部材によって取り付けられる
ホームドア装置。
【請求項8】
前記一対の扉フレームに接続され、前記透過部材の前記開閉方向の移動を規制する縦フレームを備える
請求項1~のいずれか一項に記載のホームドア装置。
【請求項9】
前記縦フレームは、前記透過部材の前記開閉方向と直交する左右の端部が嵌る凹部を有し、
前記板状部材は、前記透過部材の前記左右の端部を保持する弾性部材を備える
請求項に記載のホームドア装置。
【請求項10】
前記扉フレーム及び前記接触部材は、鉄、アルミニウム、及びステンレスのいずれかで構成されている
請求項1~のいずれか一項に記載のホームドア装置。
【請求項11】
プラットホーム上に設置される戸袋から開閉方向に進退可能に設けられ、前記プラットホーム側と軌道側とを区画する扉は、
前記開閉方向に延びる一対の扉フレームと、
板形状であり、前記一対の扉フレームに上下の端部が保持される板状部材と、
前記一対の扉フレームに接続され、前記板状部材の前記開閉方向の移動を規制するとともに前記板状部材の前記開閉方向と直交する端部が嵌る凹部を有する縦フレームと、を備え、
前記板状部材は、
板形状であるとともに光を透過する透過部材と、
前記透過部材の上下の端部を保持する弾性部材と、
前記弾性部材を保持するとともに前記扉フレームと接触する接触部材と、を備え、
前記扉フレームは、前記接触部材の前記扉の厚さ方向の移動を規制するとともに前記接触部材を前記開閉方向にスライド可能に保持するレール部を備え、
前記弾性部材は、前記透過部材の厚さ方向において、前記透過部材を挟むように前記透過部材と前記接触部材との間に配置され、
前記プラットホーム側に位置する前記弾性部材の厚みは、前記軌道側に位置する前記弾性部材の厚みよりも薄く、
前記縦フレームを前記扉フレームから取り外し、前記板状部材の前記開閉方向の移動の規制を解除する解除ステップと、
前記板状部材を前記扉フレームの前記レール部から引き出す引き出しステップと、
前記板状部材から前記接触部材及び前記弾性部材を取り外す取り外しステップと、
前記透過部材の各端部に前記弾性部材をそれぞれ取り付ける取付ステップと、
前記弾性部材が取り付けられた前記透過部材を前記接触部材に保持させる保持ステップと、
前記透過部材を保持した前記接触部材を前記扉フレームの前記レール部に前記開閉方向に挿入する挿入ステップと、
前記透過部材の前記開閉方向と直交する端部に前記縦フレームを嵌めるとともに、前記縦フレームを前記扉フレームに接続する接続ステップと、を含む
交換方法。
【請求項12】
前記透過部材は、前記開閉方向及び前記厚さ方向と直交する上下方向において前記接触部材に挿入され、
前記軌道側に位置する前記弾性部材には、前記上下方向において前記透過部材を前記接触部材から取り外す方向へ延出する返しが設けられ、
前記プラットホーム側に位置する前記弾性部材には、前記返しが設けられていない
請求項11に記載の交換方法
【請求項13】
プラットホーム上に設置される戸袋から開閉方向に進退可能に設けられ、前記プラットホーム側と軌道側とを区画する扉は、
前記開閉方向に延びる一対の扉フレームと、
板形状であり、前記一対の扉フレームに上下の端部が保持される板状部材と、
前記一対の扉フレームに接続され、前記板状部材の前記開閉方向の移動を規制するとともに前記板状部材の前記開閉方向と直交する端部が嵌る凹部を有する縦フレームと、を備え、
前記板状部材は、
板形状であるとともに光を透過する透過部材と、
前記透過部材の上下の端部を保持する弾性部材と、
前記弾性部材を保持するとともに前記扉フレームと接触する接触部材と、を備え、
前記扉フレームは、前記接触部材の前記扉の厚さ方向の移動を規制するとともに前記接触部材を前記開閉方向にスライド可能に保持するレール部を備え、
前記接触部材は、前記透過部材の厚さ方向において、前記透過部材を挟むように前記透過部材を保持し、
前記プラットホーム側に位置する前記接触部材と前記透過部材との隙間は、前記軌道側に位置する前記接触部材と前記透過部材との隙間よりも狭く、
前記縦フレームを前記扉フレームから取り外し、前記板状部材の前記開閉方向の移動の規制を解除する解除ステップと、
前記板状部材を前記扉フレームの前記レール部から引き出す引き出しステップと、
前記板状部材から前記接触部材及び前記弾性部材を取り外す取り外しステップと、
前記透過部材の各端部に前記弾性部材をそれぞれ取り付ける取付ステップと、
前記弾性部材が取り付けられた前記透過部材を前記接触部材に保持させる保持ステップと、
前記透過部材を保持した前記接触部材を前記扉フレームの前記レール部に前記開閉方向に挿入する挿入ステップと、
前記透過部材の前記開閉方向と直交する端部に前記縦フレームを嵌めるとともに、前記縦フレームを前記扉フレームに接続する接続ステップと、を含む
交換方法。
【請求項14】
プラットホーム上に設置される戸袋から開閉方向に進退可能に設けられ、前記プラットホーム側と軌道側とを区画する扉は、
前記開閉方向に延びる一対の扉フレームと、
板形状であり、前記一対の扉フレームに上下の端部が保持される板状部材と、
前記一対の扉フレームに接続され、前記板状部材の前記開閉方向の移動を規制するとともに前記板状部材の前記開閉方向と直交する端部が嵌る凹部を有する縦フレームと、を備え、
前記板状部材は、
板形状であるとともに光を透過する透過部材と、
前記透過部材の上下の端部を保持する弾性部材と、
前記弾性部材を保持するとともに前記扉フレームと接触する接触部材と、を備え、
前記扉フレームは、前記接触部材の前記扉の厚さ方向の移動を規制するとともに前記接触部材を前記開閉方向にスライド可能に保持するレール部を備え、
前記透過部材の厚さ方向において、前記レール部の中心が前記透過部材の厚さ方向の中心よりも前記軌道寄りに位置し、
前記縦フレームを前記扉フレームから取り外し、前記板状部材の前記開閉方向の移動の規制を解除する解除ステップと、
前記板状部材を前記扉フレームの前記レール部から引き出す引き出しステップと、
前記板状部材から前記接触部材及び前記弾性部材を取り外す取り外しステップと、
前記透過部材の各端部に前記弾性部材をそれぞれ取り付ける取付ステップと、
前記弾性部材が取り付けられた前記透過部材を前記接触部材に保持させる保持ステップと、
前記透過部材を保持した前記接触部材を前記扉フレームの前記レール部に前記開閉方向に挿入する挿入ステップと、
前記透過部材の前記開閉方向と直交する端部に前記縦フレームを嵌めるとともに、前記縦フレームを前記扉フレームに接続する接続ステップと、を含む
交換方法。
【請求項15】
プラットホーム上に設置される戸袋から開閉方向に進退可能に設けられる扉は、
前記開閉方向に延びる一対の扉フレームと、
板形状であり、前記一対の扉フレームに上下の端部が保持される板状部材と、
前記一対の扉フレームに接続され、前記板状部材の前記開閉方向の移動を規制するとともに前記板状部材の前記開閉方向と直交する端部が嵌る凹部を有する縦フレームと、を備え、
前記板状部材は、
板形状であるとともに光を透過する透過部材と、
前記透過部材の上下の端部を保持する弾性部材と、
前記弾性部材を保持するとともに前記扉フレームと接触する接触部材と、を備え、
前記扉フレームは、前記接触部材の前記扉の厚さ方向の移動を規制するとともに前記接触部材を前記開閉方向にスライド可能に保持するレール部を備え、
前記弾性部材には、前記開閉方向及び前記厚さ方向と直交する上下方向において、前記接触部材との位置決めを行う位置決め部が設けられ、
前記縦フレームを前記扉フレームから取り外し、前記板状部材の前記開閉方向の移動の規制を解除する解除ステップと、
前記板状部材を前記扉フレームの前記レール部から引き出す引き出しステップと、
前記板状部材から前記接触部材及び前記弾性部材を取り外す取り外しステップと、
前記透過部材の各端部に前記弾性部材をそれぞれ取り付ける取付ステップと、
前記弾性部材が取り付けられた前記透過部材を前記接触部材に保持させる保持ステップと、
前記透過部材を保持した前記接触部材を前記扉フレームの前記レール部に前記開閉方向に挿入する挿入ステップと、
前記透過部材の前記開閉方向と直交する端部に前記縦フレームを嵌めるとともに、前記縦フレームを前記扉フレームに接続する接続ステップと、を含む
交換方法。
【請求項16】
プラットホーム上に設置される戸袋から開閉方向に進退可能に設けられる扉は、
前記開閉方向に延びる一対の扉フレームと、
板形状であり、前記一対の扉フレームに上下の端部が保持される板状部材と、
前記一対の扉フレームに接続され、前記板状部材の前記開閉方向の移動を規制するとともに前記板状部材の前記開閉方向と直交する端部が嵌る凹部を有する縦フレームと、を備え、
前記板状部材は、
板形状であるとともに光を透過する透過部材と、
前記透過部材の上下の端部を保持する弾性部材と、
前記弾性部材を保持するとともに前記扉フレームと接触する接触部材と、を備え、
前記扉フレームは、前記接触部材の前記扉の厚さ方向の移動を規制するとともに前記接触部材を前記開閉方向にスライド可能に保持するレール部を備え、
前記透過部材の前記開閉方向と平行な両端部は、一対の前記扉フレームに挿入され、
前記透過部材の前記開閉方向と平行な両端部には、同じ形状の前記接触部材及び弾性部材が取り付けられ、
前記縦フレームを前記扉フレームから取り外し、前記板状部材の前記開閉方向の移動の規制を解除する解除ステップと、
前記板状部材を前記扉フレームの前記レール部から引き出す引き出しステップと、
前記板状部材から前記接触部材及び前記弾性部材を取り外す取り外しステップと、
前記透過部材の各端部に前記弾性部材をそれぞれ取り付ける取付ステップと、
前記弾性部材が取り付けられた前記透過部材を前記接触部材に保持させる保持ステップと、
前記透過部材を保持した前記接触部材を前記扉フレームの前記レール部に前記開閉方向に挿入する挿入ステップと、
前記透過部材の前記開閉方向と直交する端部に前記縦フレームを嵌めるとともに、前記縦フレームを前記扉フレームに接続する接続ステップと、を含む
交換方法。
【請求項17】
プラットホーム上に設置される戸袋から開閉方向に進退可能に設けられる扉は、
前記開閉方向に延びる一対の扉フレームと、
板形状であり、前記一対の扉フレームに上下の端部が保持される板状部材と、
前記一対の扉フレームに接続され、前記板状部材の前記開閉方向の移動を規制するとともに前記板状部材の前記開閉方向と直交する端部が嵌る凹部を有する縦フレームと、を備え、
前記板状部材は、
板形状であるとともに光を透過する透過部材と、
前記透過部材の上下の端部を保持する弾性部材と、
前記弾性部材を保持するとともに前記扉フレームと接触する接触部材と、を備え、
前記扉フレームは、前記接触部材の前記扉の厚さ方向の移動を規制するとともに前記接触部材を前記開閉方向にスライド可能に保持するレール部を備え、
前記扉は、前記開閉方向へ移動可能に前記戸袋に支持される第1扉と、前記第1扉と相対的に前記開閉方向へ移動可能に前記第1扉に支持される第2扉とを備え、
前記第1扉及び前記第2扉は、同じ形状の前記接触部材及び前記弾性部材によって取り付けられ、
前記縦フレームを前記扉フレームから取り外し、前記板状部材の前記開閉方向の移動の規制を解除する解除ステップと、
前記板状部材を前記扉フレームの前記レール部から引き出す引き出しステップと、
前記板状部材から前記接触部材及び前記弾性部材を取り外す取り外しステップと、
前記透過部材の各端部に前記弾性部材をそれぞれ取り付ける取付ステップと、
前記弾性部材が取り付けられた前記透過部材を前記接触部材に保持させる保持ステップと、
前記透過部材を保持した前記接触部材を前記扉フレームの前記レール部に前記開閉方向に挿入する挿入ステップと、
前記透過部材の前記開閉方向と直交する端部に前記縦フレームを嵌めるとともに、前記縦フレームを前記扉フレームに接続する接続ステップと、を含む
交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホームドア装置及び交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のホームドア装置は、戸袋と、戸袋に進退自在に取り付けられた扉体とを備えている。このようなホームドア装置の扉体は、ドアフレームによって形成される空間を塞ぐようにガラス等の光を透過する板状の透過部材がドアフレームに固着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-199490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなホームドア装置では、ガラスが破損した等で透過部材の交換が必要となったときにドアフレームごと交換する必要がある。このため、透過部材のみ交換可能であるホームドア装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するホームドア装置は、プラットホーム上に設置される戸袋と、前記戸袋から開閉方向に進退可能に設けられる扉と、を備えるホームドア装置であって、前記扉は、前記開閉方向に延びる一対の扉フレームと、板形状であり、前記一対の扉フレームに上下の端部が保持される板状部材と、を備え、前記板状部材は、板形状であるとともに光を透過する透過部材と、前記透過部材の上下の端部を保持する弾性部材と、前記弾性部材を保持するとともに前記扉フレームと接触する接触部材と、を備え、前記扉フレームは、前記接触部材の前記扉の厚さ方向の移動を規制するとともに前記接触部材を前記開閉方向にスライド可能に保持するレール部を備える。
【0006】
上記構成によれば、透過部材を交換する際には、板状部材を開閉方向に扉フレームからスライドさせることで板状部材を扉フレームから取り外すことができるため、透過部材のみを交換することができる。
【0007】
上記ホームドア装置について、前記扉は、前記プラットホーム側と軌道側とを区画する扉であり、前記弾性部材は、前記透過部材の厚さ方向において、前記透過部材を挟むように前記透過部材と前記接触部材との間に配置され、前記プラットホーム側に位置する前記弾性部材の厚みは、前記軌道側に位置する前記弾性部材の厚みよりも薄いことが好ましい。
【0008】
上記ホームドア装置について、前記透過部材は、前記開閉方向及び前記厚さ方向と直交する上下方向において前記接触部材に挿入され、前記軌道側に位置する前記弾性部材には、前記上下方向において前記透過部材を前記接触部材から取り外す方向へ延出する返しが設けられ、前記プラットホーム側に位置する前記弾性部材には、前記返しが設けられていないことが好ましい。
【0009】
上記ホームドア装置について、前記扉は、前記プラットホーム側と軌道側とを区画するための扉であり、前記接触部材は、前記透過部材の厚さ方向において、前記透過部材を挟むように前記透過部材を保持し、前記プラットホーム側に位置する前記接触部材と前記透過部材との隙間は、前記軌道側に位置する前記接触部材と前記透過部材との隙間よりも狭いことが好ましい。
【0010】
上記ホームドア装置について、前記扉は、前記プラットホーム側と軌道側とを区画するための扉であり、前記透過部材の厚さ方向において、前記レール部の中心が前記透過部材の厚さ方向の中心よりも前記軌道寄りに位置していることが好ましい。
【0011】
上記ホームドア装置について、前記弾性部材には、前記開閉方向及び前記厚さ方向と直交する上下方向において、前記接触部材との位置決めを行う位置決め部が設けられていることが好ましい。
【0012】
上記ホームドア装置について、前記一対の扉フレームに接続され、前記透過部材の前記開閉方向の移動を規制する縦フレームを備えることが好ましい。
上記ホームドア装置について、前記縦フレームは、前記透過部材の前記開閉方向と直交する左右の端部が嵌る凹部を有し、前記板状部材は、前記透過部材の前記左右の端部を保持する弾性部材を備えることが好ましい。
【0013】
上記ホームドア装置について、前記扉フレーム及び前記接触部材は、鉄、アルミニウム、及びステンレスのいずれかで構成されていることが好ましい。
上記ホームドア装置について、前記透過部材の前記開閉方向と平行な両端部は、一対の前記扉フレームに挿入され、前記透過部材の前記開閉方向と平行な両端部には、同じ形状の前記接触部材及び弾性部材が取り付けられることが好ましい。
【0014】
上記ホームドア装置について、前記扉は、前記開閉方向へ移動可能に前記戸袋に支持される第1扉と、前記第1扉と相対的に前記開閉方向へ移動可能に前記第1扉に支持される第2扉とを備え、前記第1扉及び前記第2扉は、同じ形状の前記接触部材及び前記弾性部材によって取り付けられることが好ましい。
【0015】
上記課題を解決する交換方法は、プラットホーム上に設置される戸袋から開閉方向に進退可能に設けられる扉は、前記開閉方向に延びる一対の扉フレームと、板形状であり、前記一対の扉フレームに上下の端部が保持される板状部材と、前記一対の扉フレームに接続され、前記板状部材の前記開閉方向の移動を規制するとともに前記板状部材の前記開閉方向と直交する端部が嵌る凹部を有する縦フレームと、を備え、前記板状部材は、板形状であるとともに光を透過する透過部材と、前記透過部材の上下の端部を保持する弾性部材と、前記弾性部材を保持するとともに前記扉フレームと接触する接触部材と、を備え、前記扉フレームは、前記接触部材の前記扉の厚さ方向の移動を規制するとともに前記接触部材を前記開閉方向にスライド可能に保持するレール部を備え、前記縦フレームを前記扉フレームから取り外し、前記板状部材の前記開閉方向の移動の規制を解除する解除ステップと、前記板状部材を前記扉フレームの前記レール部から引き出す引き出しステップと、前記板状部材から前記接触部材及び前記弾性部材を取り外す取り外しステップと、前記透過部材の各端部に前記弾性部材をそれぞれ取り付ける取付ステップと、前記弾性部材が取り付けられた前記透過部材を前記接触部材に保持させる保持ステップと、前記透過部材を保持した前記接触部材を前記扉フレームの前記レール部に前記開閉方向に挿入する挿入ステップと、前記透過部材の前記開閉方向と直交する端部に前記縦フレームを嵌めるとともに、前記縦フレームを前記扉フレームに接続する接続ステップと、を含む。
【0016】
上記方法によれば、透過部材を交換する際には、板状部材を開閉方向に扉フレームから引き出すことで板状部材を扉フレームから取り外すことができ、板状部材を開閉方向に扉フレームに挿入することで板状部材を扉フレームに取り付けることができる。このため、透過部材のみを交換することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、透過部材のみ交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ホームドア装置の一実施形態の構成を示す正面図。
図2】同実施形態のホームドア装置の第2扉から縦フレームを外した状態を示す正面図。
図3】同実施形態のホームドア装置の第2扉から板状部材を外す途中の状態を示す正面図。
図4】同実施形態のホームドア装置の第1扉及び第2扉の構成を示す断面図。
図5】同実施形態のホームドア装置の第1扉の上部の取付構造を示す断面拡大図。
図6】同実施形態のホームドア装置の第2扉の上部の取付構造を示す断面拡大図。
図7】同実施形態のホームドア装置の第1扉の戸尻及び戸先の取付構造を示す断面拡大図。
図8】同実施形態のホームドア装置の第2扉の戸尻及び戸先の取付構造を示す断面拡大図。
図9】同実施形態のホームドア装置の透過部材に対する弾性部材の取り付けを示す正面図。
図10】同実施形態のホームドア装置の透過部材に弾性部材が取り付けられた状態を示す正面図。
図11】同実施形態のホームドア装置の透過部材に対する弾性部材の取り付けを示す側面拡大図。
図12】同実施形態のホームドア装置の透過部材に対する接触部材の取り付けを示す側面拡大図。
図13】同実施形態のホームドア装置の扉フレームに対する板状部材の取り付けを示す正面図。
図14】同実施形態のホームドア装置の扉フレームに対する縦フレームの取り付けを示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図1図14を参照して、ホームドア装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、ホームドア装置5は、戸袋10と、第1扉20と、第2扉30とを備えている。戸袋10は、プラットホーム3に固定される。第1扉20及び第2扉30は、二重引戸であって、戸袋10から開閉方向に進退可能に設けられる。第1扉20は、開閉方向に移動可能に戸袋10に支持されている。第2扉30は、開閉方向に移動可能に第1扉20に支持されている。戸袋10の両側面からそれぞれ第1扉20及び第2扉30が進退可能に設けられるが、右側の扉のみ図示し、左側の扉は省略している。なお、戸袋10の左右のいずれか一方のみから第1扉20及び第2扉30が進退可能に設けられてもよい。
【0020】
図2及び図3に示すように、第1扉20は、開閉方向に延びる一対の扉フレーム22と、板状部材20Aを備えている。板状部材20Aは、板形状である。板状部材20Aの上下の端部は、一対の扉フレーム22に保持されている。第2扉30は、開閉方向に延びる一対の扉フレーム32と、板状部材30Aを備えている。板状部材30Aは、板形状である。板状部材30Aの上下の端部は、一対の扉フレーム32に保持されている。
【0021】
第2扉30は、一対の扉フレーム32に接続され、板状部材30Aの開閉方向の移動を規制する縦フレーム37を備える。板状部材30Aは、扉フレーム32に対して着脱可能である。板状部材30Aは、上下方向に延びる縦フレーム37を扉フレーム32から取り外して、扉フレーム32から引き出すことで取り外すことができる。第1扉20も第2扉30と同様に、板状部材20Aを扉フレーム22に対して着脱可能である。第1扉20は、一対の扉フレーム22に接続され、板状部材20Aの開閉方向の移動を規制する縦フレーム29を備える。板状部材20Aは、上下方向に延びる縦フレーム29を扉フレーム22から取り外して、扉フレーム22から引き出すことで取り外すことができる。
【0022】
図4に示すように、第1扉20及び第2扉30は、プラットホーム3側と軌道2側とを区画する扉である。第1扉20は、戸袋10に設けられる第1上レール11に第1上突条部25がスライド可能に嵌合し、戸袋10に設けられる第1下レール12に第1下突条部26がスライド可能に嵌合している。第1扉20は、第1上レール11及び第1下レール12によってスライド可能に保持されている。このため、第1扉20は、戸袋10から開閉方向に移動することができる。
【0023】
第2扉30は、第1扉20に設けられる第2上レール35に第2上突条部27がスライド可能に嵌合し、第1扉20に設けられる第2下レール36に第2下突条部28がスライド可能に嵌合している。第2扉30は、第2上レール35及び第2下レール36によってスライド可能に保持されている。このため、第2扉30は、第1扉20から開閉方向に移動することができる。
【0024】
図5に示すように、板状部材20Aは、透過部材21と、接触部材23と、弾性部材24とを備えている。透過部材21は、板形状であるとともに光を透過するガラスや樹脂等の透明部材であってもよいし、不透明部材であってもよい。扉フレーム22及び接触部材23は、鉄、アルミニウム、及びステンレスのいずれかで構成されている。扉フレーム22には、開閉方向に延びるレール部22Aが設けられている。透過部材21の厚さ方向において、レール部22Aの中心P1は、透過部材21の中心P2よりも軌道2寄りに位置している。これにより、扉フレーム22のプラットホーム3側の部分の厚みT5を確保することができる。
【0025】
接触部材23は、被嵌合部23Aと、保持部23Bとを有する。被嵌合部23Aは、開閉方向に延びる突条部である。被嵌合部23Aは、開閉方向にスライド可能にレール部22Aに嵌る。保持部23Bは、透過部材21の上端部21A及び下端部21Bを保持する。接触部材23は、透過部材21の端部をずれないように押さえる部材であって、押縁と呼ばれる部材である。弾性部材24は、透過部材21と保持部23Bとの間に配置される。
【0026】
保持部23Bは、断面U字状である。プラットホーム3側に位置する保持部23Bの第1部23B1と透過部材21との隙間W1は、軌道2側に位置する保持部23Bの第2部23B2と透過部材21との隙間W2よりも狭い(W1<W2)。
【0027】
弾性部材24は、断面U字状である。弾性部材24は、透過部材21の厚さ方向において、透過部材21を挟むように透過部材21と保持部23Bとの間に配置される。プラットホーム3側に位置する弾性部材24の第1部24Aの厚みT1は、軌道2側に位置する弾性部材24の第2部24Bの厚みT2よりも薄い(T1<T2)。
【0028】
軌道2側に位置する弾性部材24の第2部24Bには、返し24Cが設けられている。プラットホーム3側に位置する弾性部材24の第1部24Aには、返しが設けられていない。透過部材21は、接触部材23に対して開閉方向及び厚さ方向と直交する上下方向において上方向へ挿入される。返し24Cは、透過部材21を接触部材23から取り外す方向である下方向へ延出する。返し24Cは、複数設けられ、斜め下へ延びている。返し24Cは接触部材23に挿入されると接触して下方へ曲げられる。接触部材23から透過部材21を抜こうとすると、接触部材23と返し24Cとの摩擦抵抗が大きくなり返し24Cが抜け止めとして機能する。
【0029】
弾性部材24の上部には、位置決め部24Dが設けられている。位置決め部24Dは、板状部材20Aの開閉方向及び厚さ方向と直交する上下方向において弾性部材24と保持部23Bとの位置決めを行う。位置決め部24Dは、上方へ突出する複数の凸部である。透過部材21を接触部材23に挿入したときに、位置決め部24Dの先端が接触部材23の保持部23Bに当接することで位置決めが行われる。なお、透過部材21の上下方向の長さが扉フレーム22に対して若干の誤差がある場合は、位置決め部24Dが曲がることで許容することができる。
【0030】
図4に示すように、板状部材20Aの開閉方向と平行な上端部21A及び下端部21Bは、上下一対の扉フレーム22に挿入される。板状部材20Aの開閉方向と平行な上端部21A及び下端部21Bには、同じ形状の接触部材23及び弾性部材24が取り付けられる。
【0031】
図6に示すように、板状部材30Aは、透過部材31と、接触部材33と、弾性部材34とを備えている。透過部材31は、板形状であるとともに光を透過するガラスや樹脂等の透明部材であってもよいし、不透明部材であってもよい。扉フレーム32及び接触部材33は、鉄、アルミニウム、及びステンレスのいずれかで構成されている。扉フレーム32には、開閉方向に延びるレール部32Aが設けられている。透過部材31の厚さ方向において、レール部32Aの中心P3は、透過部材31の中心P4よりも軌道2寄りに位置している。これにより、扉フレーム32のプラットホーム3側の部分の厚みT6を確保することができる。
【0032】
接触部材33は、被嵌合部33Aと、保持部33Bとを有する。被嵌合部33Aは、開閉方向に延びる突条部である。被嵌合部33Aは、開閉方向にスライド可能にレール部32Aに嵌る。保持部33Bは、透過部材31の上端部31A及び下端部31Bを保持する。接触部材33は、透過部材31の端部をずれないように押さえる部材であって、押縁と呼ばれる部材である。弾性部材34は、透過部材31と保持部33Bとの間に配置される。
【0033】
保持部33Bは、断面U字状である。プラットホーム3側に位置する保持部33Bの第1部33B1と透過部材31との隙間W3は、軌道2側に位置する保持部33Bの第2部33B2と透過部材31との隙間W4よりも狭い(W3<W4)。
【0034】
弾性部材34は、断面U字状である。弾性部材34は、透過部材31の厚さ方向において、透過部材31を挟むように透過部材31と保持部33Bとの間に配置される。プラットホーム3側に位置する弾性部材34の第1部34Aの厚みT3は、軌道2側に位置する弾性部材34の第2部34Bの厚みT4よりも薄い(T3<T4)。
【0035】
軌道2側に位置する弾性部材34の第2部34Bには、返し34Cが設けられている。プラットホーム3側に位置する弾性部材34の第1部34Aには、返しが設けられていない。透過部材31は、接触部材33に対して上方向へ挿入される。返し34Cは、透過部材31が接触部材33に挿入される方向と反対方向である下方向へ延出する。返し34Cは、複数設けられ、斜め下へ延びている。返し34Cは接触部材33に挿入されると接触して下方へ曲げられる。接触部材33から透過部材31を抜こうとすると、接触部材33と返し34Cとの摩擦抵抗が大きくなり返し34Cが抜け止めとして機能する。
【0036】
弾性部材34の上部には、位置決め部34Dが設けられている。位置決め部34Dは、板状部材30Aの開閉方向及び厚さ方向と直交する上下方向において弾性部材34と保持部33Bとの位置決めを行う。位置決め部34Dは、上方へ突出する複数の凸部である。透過部材31を接触部材33に挿入したときに、位置決め部34Dの先端が接触部材33の保持部33Bに当接することで位置決めが行われる。なお、透過部材31の上下方向の長さが扉フレーム32に対して若干の誤差がある場合は、位置決め部34Dが曲がることで許容することができる。
【0037】
図4に示すように、透過部材31の開閉方向と平行な上端部31A及び下端部31Bは、上下一対の扉フレーム32に挿入される。透過部材31の開閉方向と平行な上端部31A及び下端部31Bには、同じ形状の接触部材33及び弾性部材34が取り付けられる。第1扉20の接触部材23と第2扉30の接触部材33とは同じ形状である。第1扉20の弾性部材24と第2扉30の弾性部材34とは同じ形状である。よって、第1扉20及び第2扉30は、同じ形状の接触部材及び弾性部材によって取り付けられる。
【0038】
図7に示すように、第1扉20の戸先及び戸尻には、縦フレーム29と、弾性部材24とがそれぞれ設けられている。縦フレーム29は、透過部材21の上下方向に延びている。縦フレーム29は、透過部材21の開閉方向と直交する端部が嵌る凹部29Aを有している。弾性部材24は、透過部材21と凹部29Aとの間に配置される。弾性部材24は、透過部材21と接触部材23との間に配置された弾性部材24と同じ形状の部材である。縦フレーム29に対して透過部材21は、開閉方向に挿入される。縦フレーム29と弾性部材24との間には、接触部材23は設けられていない。縦フレーム29は、扉フレーム22に螺子止めされる。なお、縦フレーム29は、螺子ではなく、係合構造によって扉フレーム22に接続してもよい。
【0039】
図8に示すように、第2扉30の戸先及び戸尻には、縦フレーム37と、弾性部材34とがそれぞれ設けられている。縦フレーム37は、透過部材31の上下方向に延びている。縦フレーム37は、透過部材31の開閉方向と直交する端部が嵌る凹部37Aを有している。弾性部材34は、透過部材31と凹部37Aとの間に配置される。弾性部材34は、透過部材31と接触部材33との間に配置された弾性部材34と同じ形状の部材である。縦フレーム37に対して透過部材31は、開閉方向に挿入される。縦フレーム37と弾性部材34との間には、接触部材33は設けられていない。戸先の縦フレーム37には、戸先部材38が設けられている。戸先部材38の先端には、緩衝部材39が取り付けられている。戸先部材及び緩衝部材39は、対向する扉や支障物との接触による衝撃を緩和する部分である。縦フレーム37は、扉フレーム32に螺子止めされる。なお、縦フレーム37は、螺子ではなく、係合構造によって扉フレーム32に接続してもよい。
【0040】
次に、図9図14を参照して、上記のように構成されたホームドア装置5の第2扉30の透過部材31の交換方法について説明する。ここでは、第2扉30の透過部材31を別の透過部材31に交換するときの作業を説明する。なお、第1扉20も同じ作業で透過部材21を交換することができる。
【0041】
まず、図2に示すように、作業者は、解除ステップを行う。作業者は、縦フレーム37を一対の扉フレーム32から取り外し、板状部材30Aの開閉方向の移動の規制を解除する。縦フレーム37は、螺子を緩めて外すことで扉フレーム32から取り外すことができる。
【0042】
図3に示すように、作業者は、引き出しステップを行う。作業者は、板状部材30Aを一対の扉フレーム32のレール部32Aから引き出す。接触部材33が扉フレーム32のレール部32Aに対してスライド可能であるため、板状部材30Aを開閉方向に容易に引き出すことができる。
【0043】
作業者は、取り外しステップを行う。作業者は、板状部材30Aから接触部材33及び弾性部材34を取り外す。透過部材31に保持された接触部材33を上方向に取り外す。さらに透過部材31に保持された弾性部材34を上方向に取り外す。
【0044】
図9に示すように、作業者は、新たに取り付ける透過部材31を持ってきて取付ステップを行う。作業者は、取り外しステップにて取り外した弾性部材34を透過部材31の各端部にそれぞれ取り付ける。弾性部材34は、既設の透過部材31に取り付けられていたものを流用してもよいし、新たなもの用いてもよい。弾性部材34は、透過部材31を挟むように嵌められる。透過部材31の上端部31Aに取り付けられる弾性部材34は、透過部材31の上方から嵌められる。透過部材31の下端部31Bに取り付けられる弾性部材34は、透過部材31の下方から嵌められる。透過部材31の戸尻端部31Cに取り付けられる弾性部材34は、透過部材31の左方から嵌められる。透過部材31の戸先端部31Dに取り付けられる弾性部材34は、透過部材31の右方から嵌められる。
【0045】
図10に示すように、透過部材31の上端部31A及び下端部31Bに取り付けられる弾性部材34の長さは、透過部材31の両角まである。透過部材31の戸尻端部31C及び戸先端部31Dに取り付けられる弾性部材34の長さは、透過部材31の上端部31A及び下端部31Bに取り付けられる弾性部材34を避けた長さになっている。
【0046】
図11に示すように、弾性部材34は、透過部材31に嵌められる。透過部材31は、弾性部材34の第1部34Aと第2部34Bとによって挟まれる。透過部材31の上端部31A及び下端部31Bは、弾性部材34の内側底面と接触する。
【0047】
続いて、図12に示すように、作業者は、保持ステップを行う。作業者は、弾性部材34が取り付けられた透過部材31を取り外しステップにて取り外した接触部材33の保持部33Bに保持させる。接触部材33は、既設の透過部材31に取り付けられていたものを流用してもよいし、新たなもの用いてもよい。弾性部材34が取り付けられた透過部材31は、接触部材33の保持部33Bに挿入される。このとき、弾性部材34の返し34Cは保持部33Bの第2部33B2と接触して曲げられながら挿入される。そして、弾性部材34の位置決め部34Dが保持部33Bの内側底面に接触したところで挿入を止める。透過部材31は、保持部33Bの第1部33B1と第2部33B2とによって挟まれる。接触部材33は、弾性部材34に対して抜け難くなっている。
【0048】
続いて、図13に示すように、作業者は、挿入ステップを行う。作業者は透過部材31を保持した接触部材33の被嵌合部33Aを扉フレーム32のレール部32Aに開閉方向に挿入する。扉フレーム32及び接触部材33が鉄、アルミニウム、及びステンレスのいずれかで構成されている。このため、剛性の高い材料同士でのスライドとなり、扉フレーム32に対して接触部材33の移動が容易である。透過部材31の戸尻端部31Cは、開閉方向に戸尻まで移動されると、戸尻の縦フレーム37の凹部37Aに挿入される。透過部材31の戸尻端部31Cは、戸尻の縦フレーム37に保持される。
【0049】
続いて、図14に示すように、作業者は、嵌合ステップを行う。作業者は透過部材31の戸先端部31Dに戸先の縦フレーム37を嵌める。透過部材31の戸先端部31Dは、戸先の縦フレーム37の凹部37Aに挿入される。透過部材31の戸先端部31Dは、戸先の縦フレーム37に保持される。戸先の縦フレーム37は、上下の扉フレーム32に螺子止めされる。よって、新たな透過部材31を第2扉30に取り付けることができる。なお、逆の手順を行うことで、透過部材31を取り外すことができる。
【0050】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)透過部材21,31を交換する際には、板状部材20A,30Aを開閉方向に扉フレーム22,32からスライドさせることで板状部材20A,30Aを扉フレーム22,32から取り外すことができる。このため、透過部材21,31のみを交換することができる。
【0051】
(2)弾性部材24,34のプラットホーム3側の第1部24A,34Aの厚みT1,T3が弾性部材24,34の軌道2側の第2部24B,34Bの厚みT2,T4よりも薄い。このため、弾性部材24,34によって形成されるプラットホーム3側の透過部材21,31の面からの高さを抑制することができ、第1扉20及び第2扉30が開くときに指が巻き込まれることを抑制することができる。
【0052】
(3)弾性部材24,34に設けられる返し24C,34Cによって透過部材21,31を接触部材23,33から取り外す方向へ抜け難くなっている。また、保持部23B,33Bの軌道2側の第2部23B2,33B2にのみ返し24C,34Cが設けられている。このため、軌道2側のみ返し24C,34Cによる保持部23B,33Bの厚みT2,T4が増加し、弾性部材24,34によって形成されるプラットホーム3側の透過部材21,31の面からの高さを抑制することができ、第1扉20及び第2扉30が開くときに指を巻き込むことを抑制することができる。
【0053】
(4)プラットホーム3側に位置する保持部23Bの第1部23B1と透過部材21,31との隙間W1,W3が軌道2側に位置する保持部23Bの第2部23B2と透過部材21,31との隙間W2,W4よりも狭い。このため、接触部材23,33によって形成されるプラットホーム3側の透過部材21,31の面からの高さを抑制することができ、第1扉20及び第2扉30が開くときに指が巻き込まれることを抑制することができる。
【0054】
(5)レール部22A,32Aの中心P1,P3が透過部材21,31の中心P2,P4よりも軌道2寄りに位置している。このため、扉フレーム22,32のプラットホーム3側の部分の厚みT5,T6を確保することができるので、扉フレーム22,32の強度を高めることができるとともに、製造が容易である。
【0055】
(6)弾性部材24,34を接触部材23,33の保持部23B,33Bへ挿入したときに、上下方向において位置決め部24D,34Dによって保持部23B,33Bにおける弾性部材24,34の位置が決まり、接触部材23,33に対する透過部材21,31の位置決めが容易である。
【0056】
(7)透過部材21,31の開閉方向の移動を規制する縦フレーム29,37が一対の扉フレーム22,32に接続される。このため、縦フレーム29,37を扉フレーム22,32から外すことで透過部材21,31を開閉方向に移動させることができる。
【0057】
(8)透過部材21,31が弾性部材24,34を介して縦フレーム29,37の凹部29A,37Aに嵌るため、透過部材21,31を縦フレーム29,37に取付が容易である。よって、透過部材21,31のみ交換可能である。
【0058】
(9)扉フレーム22,32及び接触部材23,33が鉄、アルミニウム、及びステンレスのいずれかの材料で構成されている。このため、剛性の高い材料同士でのスライドとなり、扉フレーム22,32に対して接触部材23,33の着脱が容易である。
【0059】
(10)上下及び左右の端部で同じ形状の接触部材23,33及び弾性部材24,34を透過部材21,31に取り付けられるため、接触部材23,33及び弾性部材24,34を多種類用意せずに済む。
【0060】
(11)第1扉20と第2扉30とで同じ形状の接触部材23,33及び弾性部材24,34を透過部材21,31に取り付けられるため、接触部材23,33及び弾性部材24,34を多種類用意せずに済む。
【0061】
(他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0062】
・上記実施形態では、第1扉20と第2扉30とで同じ形状の接触部材23,33及び弾性部材24,34を透過部材21,31に取り付けられた。しかしながら、第1扉20と第2扉30とで異なる形状の接触部材及び弾性部材を透過部材21,31に取り付けてもよい。
【0063】
・上記実施形態では、上下及び左右の端部で同じ形状の接触部材23,33及び弾性部材24,34が透過部材21,31に取り付けた。しかしながら、上下及び左右の端部で異なる形状の接触部材及び弾性部材を透過部材21,31に取り付けてもよい。
【0064】
・上記実施形態では、扉フレーム22,32及び接触部材23,33を鉄、アルミニウム、及びステンレスのいずれかの材料で構成した。しかしながら、扉フレーム22,32及び接触部材23,33を鉄、アルミニウム、及びステンレス以外の樹脂や木材等の他の材料で構成してもよい。
【0065】
・上記実施形態では、縦フレーム29,37に凹部29A,37Aを設けた。しかしながら、縦フレーム29,37の凹部29A,37Aを省略してもよい。
・上記実施形態では、縦フレーム29,37によって板状部材20A,30Aの開閉方向の移動を規制した。しかしながら、縦フレーム29,37の構成を省略してもよい。また、板状部材20A,30Aを扉フレーム22,32に開閉方向にスライドさせることで板状部材20A,30Aが扉フレーム22,32に係合する係合構造を設けてもよい。
【0066】
・上記実施形態では、弾性部材24,34に位置決め部24D,34Dを設けた。しかしながら、弾性部材24,34に位置決め部24D,34Dを省略してもよい。
・上記実施形態では、弾性部材24,34に返し24C,34Cを設けた。しかしながら、弾性部材24,34の返し24C,34Cを省略してもよい。
【0067】
・上記実施形態では、レール部22A,32Aの中心P1,P3が透過部材21,31の中心P2,P4よりも軌道2寄りに位置している。しかしながら、レール部22A,32Aの中心P1,P3と透過部材21,31の中心P2,P4とが同じ位置でもよい。
【0068】
・上記実施形態では、プラットホーム3側に位置する保持部23Bの第1部23B1と透過部材21,31との隙間W1,W3が軌道2側に位置する保持部23Bの第2部23B2と透過部材21,31との隙間W2,W4よりも狭い。しかしながら、プラットホーム3側に位置する保持部23Bの第1部23B1と透過部材21,31との隙間W1,W3と、軌道2側に位置する保持部23Bの第2部23B2と透過部材21,31との隙間W2,W4とが同じでもよい。
【0069】
・上記実施形態では、弾性部材24,34のプラットホーム3側の第1部24A,34Aの厚みT1,T3が弾性部材24,34の軌道2側の第2部24B,34Bの厚みT2,T4よりも薄い。しかしながら、弾性部材24,34のプラットホーム3側の第1部24A,34Aの厚みT1,T3と、弾性部材24,34の軌道2側の第2部24B,34Bの厚みT2,T4とが同じでもよい。
【0070】
・上記実施形態では、二重引戸としたが、三重引戸であってもよいし、1枚の引戸であってもよい。
・上記実施形態では、戸袋10をプラットホーム3に固定したが、戸袋がプラットホーム上を移動可能なように設置してもよい。
【0071】
・上記実施形態において、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成することができるように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0072】
2 軌道
3 プラットホーム
5 ホームドア装置
10 戸袋
11 第1上レール
12 第1下レール
20 第1扉
20A 板状部材
21 透過部材
21A 上端部
21B 下端部
21C 戸尻端部
21D 戸先端部
22 扉フレーム
22A レール部
23 接触部材
23A 被嵌合部
23B 保持部
23B1 第1部
23B2 第2部
24 弾性部材
24A 第1部
24B 第2部
24C 返し
24D 位置決め部
25 第1上突条部
26 第1下突条部
27 第2上突条部
28 第2下突条部
29 縦フレーム
29A 凹部
30 第2扉
30A 板状部材
31 透過部材
32 扉フレーム
32A レール部
33 接触部材
33A 被嵌合部
33B 保持部
33B1 第1部
33B2 第2部
34 弾性部材
34A 第1部
34B 第2部
34C 返し
34D 位置決め部
35 第2上レール
36 第2下レール
37 縦フレーム
37A 凹部
38 戸先部材
39 緩衝部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図14