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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】規制部材、及び、仕切りユニット
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/16 20060101AFI20241029BHJP
   E01F 15/14 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
E04H17/16 102Z
E01F15/14
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021036670
(22)【出願日】2021-03-08
(65)【公開番号】P2022136863
(43)【公開日】2022-09-21
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 信二
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】実公平06-045566(JP,Y2)
【文献】特開2018-096067(JP,A)
【文献】特開2011-163095(JP,A)
【文献】特開2000-213207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 17/00 - 17/26
E01F 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱と、前記支柱に固定される支持部材と、空間を仕切る仕切り体と、を有する仕切りユニットに用いられる規制部材であって、
前記仕切り体は、前記支持部材に載置され、上部の外側面が、当該外側面と対向する部位により前記支柱側に引き寄せられることにより保持されており、
前記支柱に対して前記仕切り体とは反対側に配置される規制部と、
前記規制部と繋がり前記仕切り体に固定されることで、前記規制部と共に、前記仕切り体が前記支柱から離れる方向へ移動することを規制する固定部と、
を備えていることを特徴とする規制部材。
【請求項2】
請求項に記載の規制部材であって、
前記規制部は、前記仕切り体と前記支柱とが隣り合う方向と交差する前記支柱の幅方向における一方側にて前記固定部と繋がっており、
前記支柱の幅方向における他方側には、前記仕切り体側に向かって延出された延出部を有していることを特徴とする規制部材。
【請求項3】
請求項に記載の規制部材であって、
前記規制部は、前記仕切り体と前記支柱とが隣り合う方向と交差する前記支柱の幅方向における両側にて前記固定部と繋がっていることを特徴とする規制部材。
【請求項4】
請求項1乃至請求項のいずれかに記載の規制部材であって、
前記規制部は、前記支柱と対向し、前記固定部は、前記仕切り体と対向しており、
前記規制部の前記支柱と対向する規制部対向面から、前記固定部の前記仕切り体と対向する固定部対向面までの長さは、前記支柱に当接された前記規制部対向面と前記仕切り体との間隔より短いことを特徴とする規制部材。
【請求項5】
請求項1乃至請求項のいずれかに記載の規制部材と、
前記支柱と、
前記仕切り体と、
前記支持部材と、
を有し、
前記仕切り体は、中空の部材でなる横材を有しており、
前記規制部材は、前記横材にターンナットにより固定されることを特徴とする仕切りユニット。
【請求項6】
請求項に記載の仕切りユニットであって、
前記仕切り体は、当該仕切りユニットが設置される設置地側の前記空間と、当該設置地よりも低い低地側の前記空間とを仕切り、
前記仕切り体は、前記支柱の、前記低地側に位置していることを特徴とする仕切りユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規制部材、及び、仕切りユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、支持部材を介して支柱に支持される仕切り体を備えた仕切りユニットとしてのフェンスは知られている(例えば、特許文献1参照)。このフェンスは、上胴縁及び下胴縁を備えた仕切り体(被支持体)としてのフェンス本体、地面に立設されフェンス本体の一方の面側に配置される支柱、支柱に固定されてフェンス本体を支持する支持部材、及び、支柱の上端部と上胴縁とを連結する連結部材を有している。
支持部材は、支柱の鉛直な側面にビス止めされてフェンス本体が載置され、載置されたフェンス本体の下胴縁と係合する。連結部材は、当該連結部材の外側壁部が、支持部材上に載置されたフェンス本体が有する上胴縁の外側面と対向するように配置され、外側壁部と繋がる掛け渡し部が上胴縁と支柱の上に架け渡され、フェンス本体を支柱側に引き寄せた状態で掛け渡し部が支柱にビス止めされる。このとき、支柱の側面に貫通孔などを設ける加工を施すと支柱の強度が低下する虞があるため、連結部材は、支柱の小口に設けられたビス孔に、支柱の長手方向に沿って進入するビスが螺合されて固定されている。
このように支柱側面への加工をできるだけ避けるため、フェンス本体は支柱に直接固定されておらず、フェンス本体の下端が支持部材に係合され、上端が、連結部材の外側壁部と支柱とに挟持されて保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-96067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の仕切りユニットのフェンス本体に、支柱側から大きな外力が作用すると、フェンス本体の上下方向における中央の部位が、支柱から離れる方向に移動し、中央側が支柱とは反対側に膨らんで弧を描くようにたわみ変形が生じる場合がある。このような場合に、上記従来の仕切りユニットは、フェンス本体が直接支柱に固定されていないので、上胴縁は下側が支柱から離れるように回転しつつ下方に移動し、下胴縁は、上側が支柱から離れるように回転しつつ上方に移動する。このとき作用する外力が大きく、フェンス本体に大きな変形が生じた場合には、フェンス本体が支柱から外れる虞がある。このため、従来このようなフェンスは高所に設置されていなかった。しかしながら、従来の仕切りユニットを高所であっても設置できるように汎用性を高めることが求められていた。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、支柱の強度を維持しつつ外力が作用した際の仕切り体を外れ防止する仕切り体の規制部材、及び、この規制部材を備えた仕切りユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために本発明の規制部材は、支柱に固定される支持部材に載置され、上部の外側面が、当該外側面と対向する部位により前記支柱側に引き寄せられることにより保持されて空間を仕切る仕切り体の、前記支柱から離れる方向への移動を規制する規制部と、前記規制部と繋がり前記仕切り体に固定される固定部と、を備えていることを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書および添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、支柱の強度を維持しつつ外力が作用した際の仕切り体を外れ防止する仕切り体の規制部材、及び、この規制部材を備えた仕切りユニットを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るフェンス及び設置地を示す図である。
図2】本実施形態に係るフェンスを示す正面図である。
図3】本実施形態に係るフェンスを示す縦断面図である。
図4図3におけるA部の拡大図である。
図5】本実施形態に係るフェンスを示す横断面図である。
図6】仕切り体の取り付け方法を示す図である。
図7】仕切り体に外力が作用した状態を説明する図である。
図8】本実施形態に係る規制部材の取り付け方法を説明する図である。
図9図9(a)は、規制部材の第1変形例を示す斜視図であり、図9(b)は、規制部材の第2変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る仕切りユニットの一実施形態としてフェンスを例に挙げ図面を参照して説明する。本実施形態のフェンス1は、図1に示すように、設置される設置地S1と、この設置地S1と隣接し当該設置地S1の地面よりも例えば1m以上地面が低い位置(以下、低地という)S2との境界にて空間を仕切り、例えば落下防止用の柵として設けられている。
【0010】
図2図3に示すように、本実施形態の仕切りユニットとしてのフェンス1は、例えば、空間を仕切る仕切り体2と、地面に立設され仕切り体2の一方の面側に配置される支柱3と、支柱3に固定されて仕切り体2を支持する支持部材4と、支柱3の上端部と仕切り体2とを連結する連結部材5と、仕切り体2の支柱3から離れる方向への移動を規制する規制部材6と、を有している。図2においては、仕切り体2を水平方向に連ねて設置した状態を示しているが、以下の説明においては、1枚の仕切り体2が3本の支柱3に支持されている例について説明する。
【0011】
以下の説明においては、フェンス1が設置されている状態で、上下となる方向を上下方向、仕切り体2がなす面に沿い左右となる方向を幅方向、仕切り体2がなす面と直交する方向を見込み方向として示す。フェンス1の各部位であっても、また、フェンス1を構成する各部材については単体の状態であっても、フェンス1が設置されている状態にて上下方向、幅方向、見込み方向にて方向を特定して説明する。また、フェンス1において、仕切り体2に対して支柱3が取り付けられている側を内側、反対側となる低地S2側を外側として示す。
【0012】
本実施形態の仕切り体2は、上下方向に間隔を空けて配置された横材としての上胴縁20及び下胴縁21と、上胴縁20及び下胴縁21の長手方向の端部を上下に繋ぐ縦材22とが枠組みされた内側に設けられ、上胴縁20と下胴縁21の間に上下方向に並べて配置された複数の横桟23と、を有している。尚、図3においては、仕切り体2の上胴縁20及び下胴縁21を除く部位を簡略化して示している。
【0013】
上胴縁20は、押出成形材であり、断面形状がほぼ矩形状をなす中空の上胴縁本体20aと、上胴縁本体20aの下面から垂設されて仕切り体2が取り付けられる上固定部20bと、を有している。ほぼ矩形状の上胴縁本体20aを形成する内側壁部は、鉛直な平面をなしており、支柱3の外面3dに当接される上支柱当接面20cとなる。
【0014】
下胴縁21は、押出成形材であり、断面形状がほぼ矩形状をなす中空の下胴縁本体21aと、下胴縁本体21aの上面から立設されて仕切り体2が取り付けられる下固定部21bと、を有している。ほぼ矩形状の下胴縁本体21aを形成する内側壁部は、鉛直な平面をなしており、支柱3の外面3dに当接される下支柱当接面21cとなる。
【0015】
下胴縁本体21aの下面21dには、見込み方向における中央に位置させて、下方に向かって開放され上方に窪む溝部21eが、仕切り体2の幅方向に沿って設けられている。
図4に示すように、溝部21eには、開放されている側の端、すなわち、下端にそれぞれ見込み方向における中央側に向かって突出する突起21fが設けられている。突起21fには、下側が見込み方向における中央に向かって高くなる傾斜部21gが設けられている。
【0016】
突起21fが設けられている溝部21eの下端と、溝部21eにおいて平坦な底をなす上面部21hとを繋ぐ溝側面部は、下側にて鉛直な面を形成する下壁部21iと、下壁部21iの上端と上面部21hとを繋ぎ、上方に向かって、下支柱当接面21cとの間隔が広くなる傾斜部でなる傾斜壁部21jと、を有している。このため、下胴縁21は、下支柱当接面21cと突起21fの先端との間隔L1、及び、下支柱当接面21cと傾斜壁部21jの上端との間隔L2が、下支柱当接面21cと下壁部21iとの間隔L3より広く形成されている。
【0017】
支柱3は、断面が矩形状をなす中空部材であり、下端側が地中に打ち込まれて立設される。本実施形態の場合には、左右方向に間隔を空けて立設されている3本の支柱3に仕切り体2が支持されている。
【0018】
支柱3は、図5に示すように、仕切り体2が取り付けられる側の壁部(以下、仕切り体側壁部という)3aと、仕切り体側壁部3aと間隔を空けて対向する壁部(以下、支柱対向壁部という)3bと、仕切り体側壁部3aと支柱対向壁部3bとの端部同士を繋ぐ支柱側壁部3cと、を有している。
【0019】
支柱3には、仕切り体側壁部3aの外面3dに、上胴縁20の上支柱当接面20cと、下胴縁21の下支柱当接面21cとが当接され、この外面3dに固定される支持部材4により仕切り体2が支持される。また、仕切り体側壁部3aの内面3eには、上下方向に沿って、連結部材5を固定するためのビスが螺合されるビス螺合部3fが設けられている。
【0020】
支柱3の内部には、ステンレス製の補強材30が設けられている。補強材30は、仕切り体側壁部3a及び支柱対向壁部3bと一方の支柱側壁部3cと各々近接して対向する部位が繋がって断面がコ字状をなしている。
【0021】
支持部材4は、支柱3の幅とほぼ同じ幅を有するステンレス製の部材であり、図4に示すように、支柱3の鉛直な外面3dにビス止めされる固定板部4aと、固定板部4aの上縁から外側に向かって延出されて水平面をなして仕切り体2が載置される載置部4bと、載置部4bの外側の端から上方に延出された上方延出部4cと、上方延出部4cの上端から内側に向かって延出され、下胴縁21と係合する係合部4dと、を有している。また、支持部材4には、上方延出部4cから載置部4b及び固定板部4aにわたる補強リブ4eが形成されている。
【0022】
固定板部4aには、支柱3にビス止めされたときに支柱3と対向する対向面4fに、内側に突出させて支柱3に設けられた孔に挿入され、支持部材4の位置決め及び回り止めとして機能するダボ4gが設けられている。
【0023】
支持部材4の、対向面4fと上方延出部4cの内側の面との間隔L4は、下胴縁21の下支柱当接面21cと突起21fの先端との間隔L1より広く、対向面4fと係合部4dの先端との間隔L5は、下支柱当接面21cと突起21fの先端との間隔L1より狭く形成されている。また、対向面4fと係合部4dの先端との間隔L5は、下支柱当接面21cと傾斜壁部21jの上端との間隔L2より狭く、かつ、下支柱当接面21cと下壁部21iとの間隔L3より広く形成されている。また、係合部4dの先端は、上側が面取りされた面取り部4hを有している。
【0024】
連結部材5は、支柱3の幅とほぼ同じ幅を有し、図3に示すように、上胴縁本体20aの外側面20dと対向する外側壁部5aと、外側壁部5aを繋がって上胴縁本体20aと支柱3との上に架け渡される掛け渡し部5bとを有し、L字状をなす部材である。また、連結部材5には、上方延出部4cから掛け渡し部5bにわたる補強リブ5cが形成されている。
【0025】
連結部材5は、外側壁部5aが上胴縁20の外側面20dと対向するように、上胴縁本体20a及び支柱3上に被せるように配置され、連結部材5により仕切り体2を支柱3側に引き寄せた状態で掛け渡し部5bが支柱3のビス螺合部3fにビス止めされることにより仕切り体2の上部が外側壁部5aと支柱3との間に挟持される。ここで、上胴縁本体20aの外側面20dが、仕切り体2の上部の外側面に相当し、連結部材5の外側壁部5aが、当該外側面を支柱側に引き寄せる、外側面と対向する部位に相当する。
【0026】
仕切り体2を支柱3に取り付ける方法は、図6に示すように、仕切り体2をほぼ鉛直に立てた状態を維持しつつ、下胴縁21の下支柱当接面21cを、支柱3において支持部材4が固定されている外面3dの、支持部材4より上側に当接させる。
【0027】
その後、仕切り体2を降下させて、下胴縁21において溝部21eより支柱3側に位置する下面21dを支持部材4の載置部4bに載置する。このとき、下胴縁21の下端が、支持部材4の係合部4dを通過する際に、下胴縁21に設けられている突起21fと係合部4dとが接触する。より具体的には、突起21fの下側の傾斜部21gと係合部4dの先端の面取り部4hとが接触する。そして、突起21fの位置が下がることにより、係合部4dが突起21fにより支柱3から離れる方向に押圧され、支柱3と係合部4dの先端との間隔が開く方向に支持部材4が撓み変形することにより、突起21fが係合部4dの位置を通過する。突起21fが係合部4dの位置を通過したときには、係合部4dの先端は、下壁部21iまたは傾斜壁部21jと、見込み方向において間隔を空けて対向している。
【0028】
さらに、仕切り体2を降下させると、係合部4dは傾斜壁部21jと接触し、係合部4dの先端が傾斜壁部21jを摺動しつつ仕切り体2が降下して下面21dが載置部4bに載置される。このとき、係合部4dにより傾斜壁部21jが支柱3側に押圧されつつ係合された状態となる。この状態では、仕切り体2は支柱3に押圧されて移動不能となる。
【0029】
仕切り体2の下面21dを載置部4bに載置した後に、仕切り体2の左右方向の位置を調整する場合には、仕切り体2を持ち上げて係合部4dとの係合を解除し、係合部4dが下壁部21iまたは傾斜壁部21jと、見込み方向において間隔を空けて対向する位置に仕切り体2を移動した後に、左右方向に移動させて位置決めし、再び下面21dを載置部4b上に載置する。
【0030】
次に、位置決めされた仕切り体2の上胴縁20に連結部材5を被せるように配置するとともに、上胴縁20を支柱3側に引き寄せた状態で、連結部材5の掛け渡し部5bを支柱3のビス螺合部3fにビス止めして仕切り体2を支柱3に固定することにより仕切り体2が支柱3に保持される。
【0031】
仕切り体2は、支持部材4の載置部4b上に載置され連結部材5により保持された状態でフェンスとして使用可能である。しかしながら、強風等により支柱3側から仕切り体2に大きな外力が作用すると、図7に示すように、仕切り体2の上下方向における中央が外側に膨らむように変形する虞がある。
【0032】
このとき、仕切り体2の上胴縁20は、仕切り体2のたわみに伴って図7において時計回りに回転しつつ下方に移動し、下胴縁21は、仕切り体2のたわみに伴って図7において反時計回りに回転しつつ上方に移動する。そして、より大きな外力が作用した場合には、上胴縁20が外側壁部5aと支柱3との間から抜け、下胴縁21の傾斜壁部21jの係合部4dとの係合が外れて、仕切り体2が支柱3から落下する虞がある。
【0033】
このため、本実施形態のような隣接する空間の地面が、フェンス1を設置する設置する空間側の地面に対して、例えば1m以上高い高所にある場合には、支持部材4と連結部材5とにより仕切り体2が保持されているだけの状態のフェンスは用いられない。
【0034】
本実施形態のフェンス1は、支持部材4と連結部材5とにより仕切り体2が保持されているフェンスであっても高所に設置できるように、上胴縁20及び下胴縁21に固定される規制部材6(図3図4)が設けられている。
【0035】
規制部材6は、図8に示すように、支柱3の内側の面3gと対向する規制部6aと、規制部6aの左右方向の端部からそれぞれ外側に向かって延出された延出部6bと、延出部6bの先端から各々互いに遠ざかる方向に延出された固定部6cと、を有している。規制部材6は、規制部6aが支柱3の内側の面3gに当接された状態で、固定部6cが、支柱3に保持された仕切り体2の上胴縁20または下胴縁21と対向する位置に配置され、上胴縁20または下胴縁21に装着されたターンナット7によりビス8にて支柱3に固定される。
【0036】
規制部材6の取り付けは、まず、仕切り体2が支柱3に保持された状態で、上胴縁20及び下胴縁21において支柱3が当接している部位の、左右方向における両側に設けられている貫通孔20e、21kにターンナット7を装着する。
【0037】
次に、規制部材6の規制部6aを内側から支柱3に当接させ、2つの固定部6cにそれぞれ設けられている貫通孔6dを上胴縁20または下胴縁21装着されたターンナット7に合わせて配置する。次に、ビス8を固定部6cの内側から貫通孔6dに挿通させてターンナット7に螺合させることにより規制部材6が上胴縁20または下胴縁21に固定される。
【0038】
規制部材6は、規制部6aの支柱3と対向する規制部対向面6eから固定部6cの上胴縁20または下胴縁21と対向する固定部対向面6fまでの長さL6が、支柱3の内側の面3gから上胴縁20の上支柱当接面20cまたは下胴縁21の下支柱当接面21cまでの長さ、すなわち、支柱3に当接された規制部対向面6eと仕切り体2との間隔L7(図5)よりも僅かに短く形成されている。このため、規制部材6を上胴縁20または下胴縁21にビス8により固定すると、仕切り体2が支柱3側に押圧される。
【0039】
また、2つの延出部6bの間隔は、支柱3の左右方向の幅とほぼ等しい、或いは、僅かに広く形成されている。このため、本実施形態の規制部材6が取り付けられると、仕切り体2の、支柱3に対する幅方向への移動も規制される。
【0040】
本実施形態のフェンス1によれば、支柱3に固定された支持部材4に載置されて、上胴縁20の外側面が、連結部材5の対向する外側壁部5aにより支柱3側に引き寄せられて保持されている仕切り体2は、規制部材6により規制されて支柱3から離れ難くなる。このため、仕切り体2に支柱3から離れる方向に外力が作用しても、仕切り体2の上下方向における中央側が支柱3とは反対方向に膨らむような変形が生じ難い。これにより、仕切り体2の上部が、外側面20dと対向する外側壁部5aと支柱3との間から抜けることを防止することができる。
【0041】
このとき、規制部材6は、支柱3には固定されておらず、仕切り体2に固定されているので、規制部材6を備える構成としても支柱3の強度を低下させる虞はない。このため、支柱3の強度を低下させることなく、外力が作用しても仕切り体2が外れ難くなるので、設置現場が高所であってもフェンス1を設置することが可能となり、汎用性が向上する。
【0042】
また、支柱3に固定されている規制部材6の規制部6aが、支柱3に対して仕切り体2の反対側に配置されているので、仕切り体2の、支柱3から離れる方向への移動をより確実に規制することが可能である。
【0043】
また、規制部材6は支柱3の幅方向における一方側だけでなく、他方側でも仕切り体2に固定されている。このため、仕切り体2の支柱3から離れる方向への移動を更に確実に規制することが可能である。
【0044】
また、規制部6aの支柱3と対向する規制部対向面6eから、固定部6cの支柱3との対向する固定部対向面6fまでの長さL6が、規制部対向面6eと仕切り体2と間隔L7より短いので、規制部材6が固定されると仕切り体2は支柱3に押圧される。このため、仕切り体2の支柱3から離れる方向への移動をより強固に規制することが可能である。
【0045】
上記実施形態においては、規制部材6が支柱3を挟んで両側に固定部6cを有して、2カ所において上胴縁20及び下胴縁21に固定されている例について説明したが、これに限るものではない。例えば、図9(a)に示すように、延出部6bが規制部6aの支柱3の幅方向における一方側の端部のみに設けられている形態であっても構わない。このような形態であっても、仕切り体2と規制部6aとにより支柱3を挟んでいるので、規制部6aにより仕切り体2の支柱3から離れる方向への移動がより確実に規制される。このため、支柱3の強度を低下させることなく、仕切り体2の外れを防止することが可能である。
【0046】
また、図9(b)に示すように、規制部6aの一方の端から延出されている延出部6bに固定部が設けられておらず、また、延出部6bが短い形態であっても構わない。この場合には、規制部6aは支柱3の幅方向における一方側で固定部6cにより仕切り体2に繋がっているだけでなく、支柱3の幅方向における他方側に仕切り体2側に向かって延出された延出部6bが設けられているので、仕切り体2の、支柱3に対する幅方向の移動も規制することが可能である。
【0047】
また、本実施形態のフェンス1によれば、支柱3の強度を低下させることなく、外力が作用しても仕切り体2の外れを防止することが可能である。このため、仕切り体2が外れ難いので、設置現場が高所であっても設置可能な、汎用性が高いフェンス1を提供することが可能である。
【0048】
また、規制部材6は、仕切り体2が備える、中空の上胴縁20及び下胴縁21にターンナット7により固定されるので、仕切り体2を軽量化することが可能であり、軽量化した上胴縁20及び下胴縁21にターンナット7により確実に固定することが可能である。
【0049】
また、規制部材6が、ターンナット7により固定されるので、既に設置されているフェンスであっても、上胴縁20及び下胴縁21に穿孔して規制部材6を固定することが可能である。このため、既存の仕切り体2が支柱3から外れることも防止することが可能である。
【0050】
上記実施形態においては、規制部材6を、ターンナット7を用いて固定する例について説明したが、胴縁など仕切り体において規制部材を固定する箇所がビス止め可能であれば、ターンナットを用いなくとも構わない。
【0051】
上記実施形態においては、仕切りユニットとして、仕切り体2を有するフェンス1を例に挙げて説明したが、仕切りユニットはフェンスに限らず、例えば、バルコニーに設けられるパネル材、目隠し材などを備え、支持部材を介して支柱に支持される仕切り体を有していれば構わない。
【0052】
また、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
本実施形態には、少なくとも以下の発明が含まれる。
【0053】
支柱に固定される支持部材に載置され、上部の外側面が、当該外側面と対向する部位により前記支柱側に引き寄せられることにより保持されて空間を仕切る仕切り体の、前記支柱から離れる方向への移動を規制する規制部と、前記規制部と繋がり前記仕切り体に固定される固定部と、を備えていることを特徴とする規制部材である。
【0054】
このような規制部材によれば、支柱に固定された支持部材に載置されて、上部の外側面が、当該外側面と対向する部位により支柱側に引き寄せられて保持されている仕切り体は、規制部により規制されているので支柱から離れ難い。このため、仕切り体に支柱から離れる方向に外力が作用しても、仕切り体の上下方向における中央側が支柱とは反対方向に膨らむような変形が生じ難い。このため、上部の外側面が、当該外側面と対向する部位により支柱側に引き寄せられて仕切り体が保持されていても、外側面と対向する部位と支柱との間から仕切り体が抜けること防止することができる。
【0055】
このとき、規制部材は、支柱には固定されておらず、仕切り体に固定されているので、支柱の強度を低下させる虞はない。このため、支柱の強度を低下させることなく、外力が作用しても仕切り体が外れ難くなる。これにより、設置現場が高所であっても設置することが可能となり、仕切り体を備えるユニットの汎用性が向上する。
【0056】
かかる規制部材であって、前記規制部は、前記支柱に対して前記仕切り体とは反対側に配置されていることを特徴とする。
【0057】
このような規制部材によれば、支柱に固定されている規制部材の規制部が支柱の反対側に配置されて、仕切り体と規制部とにより支柱を挟んでいるので、仕切り体の支柱から離れる方向への移動をより確実に規制することが可能である。
【0058】
かかる規制部材であって、
前記規制部は、前記仕切り体と前記支柱とが隣り合う方向と交差する前記支柱の幅方向における一方側にて前記固定部と繋がっており、前記支柱の幅方向における他方側には、前記仕切り体側に向かって延出された延出部を有していることを特徴とする。
【0059】
このような規制部材によれば、規制部は支柱の幅方向における一方側で固定部により仕切り体に繋がっているだけでなく、支柱の幅方向における他方側に仕切り体側に向かって延出された延出部が設けられているので、仕切り体の、支柱に対する幅方向の移動も規制することが可能である。
【0060】
かかる規制部材であって、前記規制部は、前記仕切り体と前記支柱とが隣り合う方向と交差する前記支柱の幅方向における両側にて前記固定部と繋がっていることを特徴とする。
【0061】
このような規制部材によれば、規制部材は支柱の幅方向における一方側だけでなく、他方側でも仕切り体に固定されている。このため、仕切り体の支柱から離れる方向への移動を更に確実に規制することが可能である。
【0062】
かかる規制部材であって、前記規制部は、前記支柱と対向し、前記固定部は、前記仕切り体と対向しており、前記規制部の前記支柱と対向する規制部対向面から、前記固定部の前記仕切り体と対向する固定部対向面までの長さは、前記支柱に当接された前記規制部対向面と前記仕切り体との間隔より短いことを特徴とする。
【0063】
このような規制部材によれば、規制部の支柱と対向する規制部対向面から、固定部の支柱との対向する固定部対向面までの長さが、規制部対向面と仕切り体と間隔より短いので、規制部材が固定されると仕切り体は支柱側に押圧される。このため、仕切り体の支柱から離れる方向への移動をより強固に規制することが可能である。
【0064】
また、上記規制部材と、前記支柱と、前記仕切り体と、前記支持部材と、を有し、前記仕切り体は、中空の部材でなる横材を有しており、前記規制部材は、前記横材にターンナットにより固定されることを特徴とする仕切りユニットである。
【0065】
このような仕切りユニットによれば、支柱の強度を低下させることなく、外力が作用しても仕切り体が外れ難い仕切りユニットを提供することが可能である。また、仕切り体が外れ難いので、設置現場が高所であっても設置可能な、汎用性が高い仕切りユニットを提供することが可能である。
【0066】
また、規制部材は、仕切り体が備える、中空の横材にターンナットにより固定されるので、仕切り体を軽量化することが可能であり、軽量化した横材にターンナットにより確実に固定することが可能である。
また、規制部材が、ターンナットにより固定されるので、既に設置されている仕切り体であっても、横材に穿孔して規制部材を固定することが可能である。このため、既存の仕切り体が支柱から外れることを防止することが可能である。
【0067】
かかる仕切りユニットであって、前記仕切り体は、当該仕切りユニットが設置される設置地側の前記空間と、当該設置地よりも低い低地側の前記空間とを仕切り、前記仕切り体は、前記支柱の、前記低地側に位置していることを特徴とする。
このような仕切りユニットによれば、直接支柱に固定されていない仕切り体を、低地と隣接して当該低地よりも高い設置地に設置し、落下防止の柵として使用することが可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 フェンス、2 仕切り体、3 支柱、4 支持部材、5a 外側壁部、
6 規制部材、6a 規制部、6b 延出部、6c 固定部、6e 規制部対向面、
6f 固定部対向面、7 ターンナット、20 上胴縁、20d 外側面、
21 下胴縁
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