(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】モビリティ用貨物パッケージングシステムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
B65D 88/14 20060101AFI20241029BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20241029BHJP
B65D 88/74 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
B65D88/14
B64C39/02
B65D88/74
(21)【出願番号】P 2021117386
(22)【出願日】2021-07-15
【審査請求日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】10-2020-0175422
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】キム、キョユン
(72)【発明者】
【氏名】キム、チョンヒョン
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0047707(US,A1)
【文献】特開2013-169964(JP,A)
【文献】特開2006-225023(JP,A)
【文献】特開2017-083063(JP,A)
【文献】国際公開第2020/197416(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 7/16
B65D 81/00-81/17
B65D 88/14
B65D 88/74
B64C 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間に貨物が収容され、モビリティに装着されるハウジングと、
ハウジングの内側面の複数の箇所に設けられ、膨張の際に、ハウジングの内部に収容された貨物を複数の方向から加圧して緩衝する複数のエアクッションと、
ハウジングのエアクッションに気体を注入し、注入される気体の流量または圧力を制御するエア充填部と、
エア充填部によって制御され、エアクッションに注入された気体を吐出する流出口と
、
各エアクッションに注入される気体を、熱交換を介して加熱又は冷却するための熱交換器と、を含
み、
熱交換器は、エア充填部の下流に設けられる、モビリティ用
無人運転貨物パッケージングシステム。
【請求項2】
モビリティは、エアクッションに注入される気体との熱交換を介して気体を加熱または冷却する熱交換器をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のモビリティ用
無人運転貨物パッケージングシステム。
【請求項3】
ハウジングの内部またはエアクッションには温度センサーが設けられ、熱交換器は、温度センサーを用いて計測された温度値に応じて加熱または冷却の程度が制御されることを特徴とする、請求項2に記載のモビリティ用
無人運転貨物パッケージングシステム。
【請求項4】
エア充填部とエアクッションとの間には、供給される気体を冷却するための冷却器が設けられ、エアクッションには、貨物と接する部分に発熱体が設けられたことを特徴とする、請求項2に記載のモビリティ用
無人運転貨物パッケージングシステム。
【請求項5】
ハウジングは、モビリティの室内空間に搭載され、エア充填部は、モビリティの下部でハウジングが位置する地点の下方に設けられたことを特徴とする、請求項1に記載のモビリティ用
無人運転貨物パッケージングシステム。
【請求項6】
モビリティは、エアクッションに注入される気体を貯蔵し且つエア充填部に気体を供給する気体貯蔵タンクをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のモビリティ用
無人運転貨物パッケージングシステム。
【請求項7】
複数のエアクッションのうちの一部のエアクッションがエア充填部に連結されて気体の供給を受け、複数のエアクッションは、互いに連結されることにより内部の圧力が同一になることを特徴とする、請求項1に記載のモビリティ用
無人運転貨物パッケージングシステム。
【請求項8】
複数のエアクッションは、互いに連結されていない独立クッションであり、それぞれのエアクッションが独立してエア充填部から気体の伝送を受けることを特徴とする、請求項1に記載のモビリティ用
無人運転貨物パッケージングシステム。
【請求項9】
複数のエアクッションの内部には圧力センサーが設置され、エア充填部は、エアクッションの内部の圧力に応じて、エアクッションに供給する気体を制御することにより、貨物の状態を正すことを特徴とする、請求項1に記載のモビリティ用
無人運転貨物パッケージングシステム。
【請求項10】
請求項1のモビリティ用
無人運転貨物パッケージングシステムを制御する方法であって、
ハウジングの内部空間に貨物を積載するステップと、
エア充填部を介してエアクッションに気体を注入してハウジングの内部に貨物を固定するステップと、
貨物の運送が終了した場合、流出口を介してエアクッション内の気体を吐出して貨物の固定を解除するステップとを含む、モビリティ用
無人運転貨物パッケージングシステムの制御方法。
【請求項11】
モビリティに含まれている熱交換器を介して気体を加熱または冷却するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載のモビリティ用
無人運転貨物パッケージングシステムの制御方法。
【請求項12】
複数のエアクッションの内部に設置された圧力センサーがエアクッションの内部の圧力変化を検知するステップと、
エア充填部が、エアクッションの内部の圧力に応じて、エアクッションに供給する気体を制御するステップとをさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載のモビリティ用
無人運転貨物パッケージングシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物などを運送するモビリティの貨物パッケージングシステムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、都心では、ホバーボード、電動キックボードなどの個人型移動手段から、電気を動力源として用いて移動する公共交通まで移動手段の種類と動力源が多様化している。これらのモビリティは、都市のラッシュアワーなどの交通渋滞を解消し、内燃機関を使用しないため、NOx、SOx、COなどの汚染物質が発生しないという点で、環境に優しい。
【0003】
最近では、バッテリー技術の発達に伴い、地上を超えて上空まで運行が可能なエアモビリティに対する研究開発が盛んに進められている。エアモビリティは、高出力のバッテリーを用いて垂直離着陸が可能であって別の滑走路が必要ないため、混雑した都心に適用されるのに適し、近い将来に商用化されるものと予想される。
【0004】
また、これらのモビリティは、自律走行技術が発達するにつれて無人で運転され、これにより人件費が節減できる。これらの技術は、人を運送する場合だけでなく、貨物を運送する場合にも適用できる。
【0005】
本技術は、様々なモビリティにおいて貨物をパッケージングして目的地まで運送するためのシステムおよびその制御方法に関する。
【0006】
前述の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解増進のためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け止められてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、無人で運転される様々なモビリティが貨物を安全かつ迅速に運送することができるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明に係るモビリティ用貨物パッケージングシステムは、内部空間に貨物が収容され、モビリティに装着されるハウジングと、ハウジングの内側面の複数の箇所に設けられ、膨張の際に、ハウジングの内部に収容された貨物を複数の方向から加圧して緩衝する複数のエアクッションと、ハウジングのエアクッションに気体を注入し、注入される気体の流量または圧力を制御するエア充填部と、エア充填部によって制御され、エアクッションに注入された気体を吐出する流出口とを含む。
【0010】
モビリティは、エアクッションに注入される気体との熱交換を介して気体を加熱または冷却する熱交換器をさらに含むことができる。
【0011】
ハウジングの内部またはエアクッションには温度センサーが設けられ、熱交換器は、温度センサーを用いて計測された温度値に応じて加熱または冷却の程度が制御できる。
【0012】
エア充填部とエアクッションとの間には、供給される気体を冷却するための冷却器が設けられ、エアクッションには、貨物と接する部分に発熱体が設けられ得る。
【0013】
ハウジングは、モビリティの室内空間に搭載され、エア充填部は、モビリティの下部でハウジングが位置する地点の下方に設けられ得る。
【0014】
モビリティは、エアクッションに注入される気体を貯蔵し且つエア充填部に気体を供給する気体貯蔵タンクをさらに含むことができる。
【0015】
複数のエアクッションのうちの一部のエアクッションがエア充填部に連結されて気体の供給を受け、複数のエアクッションは、互いに連結されることにより内部の圧力が同一になることができる。
【0016】
複数のエアクッションは、互いに連結されていない独立クッションであり、それぞれのエアクッションが独立してエア充填部から気体の伝送を受けることができる。
【0017】
複数のエアクッションの内部には圧力センサーが設置でき、エア充填部は、エアクッションの内部の圧力に応じて、エアクッションに供給する気体を制御することができる。
【0018】
請求項1のモビリティ用貨物パッケージングシステムを制御する方法であって、ハウジングの内部空間に貨物を積載するステップと、エア充填部を介してエアクッションに気体を注入してハウジングの内部に貨物を固定するステップと、貨物の運送が終了した場合、流出口を介してエアクッション内の気体を吐出して貨物の固定を解除するステップとを含むことができる。
【0019】
モビリティに含まれている熱交換器を介して気体を加熱または冷却するステップをさらに含むことができる。
【0020】
複数のエアクッションの内部に設置された圧力センサーがエアクッションの内部の圧力変化を検知するステップと、エア充填部が、エアクッションの内部の圧力に応じてエアクッションに供給する気体を制御するステップとをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のモビリティ用貨物パッケージングシステムおよび制御方法によれば、モビリティが無人で運転される場合でも安定的に貨物を積載することができ、さらにモビリティが目的地まで運行している状態で貨物が傾いた或いは状態が不安定な場合でもこれを正すことができ、運送される貨物の保温、保冷が必要な場合でも運送が可能であって、貨物の大きさや貨物の特性に関係なく運送が可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係るエアモビリティに適用されたモビリティ用貨物パッケージングシステムを示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る複数のエアクッションが互いに連結されたモビリティ用貨物パッケージングシステムを示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る複数のエアクッションが互いに独立したモビリティ用貨物パッケージングシステムを示す図である。
【
図4】本発明に係るモビリティ用貨物パッケージングシステムの制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係るモビリティ用貨物パッケージングシステムについて詳細に説明する。
【0024】
図1は本発明の一実施形態に係るエアモビリティに適用されたモビリティ用貨物パッケージングシステムを示す図、
図2は本発明の一実施形態に係る複数のエアクッションが互いに連結されたモビリティ用貨物パッケージングシステムを示す図、
図3は本発明の一実施形態に係る複数のエアクッションが互いに独立したモビリティ用貨物パッケージングシステムを示す図、
図4は本発明に係るモビリティ用貨物パッケージングシステムの制御方法を示すフローチャートである。
【0025】
図1を参照して、本発明の一実施形態に係るエアモビリティAに適用されたパッケージングシステムを考察すると、モビリティ用貨物パッケージングシステムは、内部空間に貨物Bが収容され、モビリティAに装着されるハウジング20と、ハウジングの内側面の複数の箇所に設けられ、膨張の際に、ハウジングの内部に収容された貨物を複数の方向から加圧して緩衝する複数のエアクッション10と、ハウジングのエアクッション10に気体を注入し、注入される気体の流量または圧力を制御するエア充填部30と、エア充填部30によって制御され、エアクッション10に注入された気体を吐き出す流出口(図示せず)とを含む。
【0026】
具体的に、モビリティAは、移動手段を意味し、モビリティAを介してヒトまたは貨物が運送できる。都心のモビリティは、地上で運行するが、最近、バッテリー技術の発達などにより地上を越えて上空でも運行することができるエアモビリティに対する研究開発が盛んに行われている。
【0027】
特に、モビリティは、人件費の節減などのために自律走行技術と合体して無人で運行しようとする傾向が強い。よって、このようなモビリティを用いると、貨物などの運送がさらに速くなることができる。但し、モビリティが自ら貨物を積載しなければならないため貨物が壊れやすい場合、貨物の状態を不安定に積載する場合には、運送が完了したときに貨物の状態を保証することができない。従って、無人で貨物が目的値まで安定的に運送されるようにするために、モビリティの内部に貨物を収容するハウジング20と、ハウジングを包んで固定するエアクッション10と、エアクッションに気体を注入するエア充填部30と、エアクッションに充填された気体を吐き出して貨物の固定を解除する流出口とを設ける場合、無人で貨物パッケージングシステムが運営されても多様な貨物を安定的に運送することができる。特に、空気などの流体と強い素材からなるエアクッション10を使用する場合には、適当な圧力で貨物を全ての方向から加圧してより安定的な運送が可能である。貨物が目的値に到着した場合には、エアクッションの流出口を介して気体を吐き出して固定を解除し、貨物を下ろすことにより、運送が完了する。
【0028】
さらに、モビリティAは、エアクッション10に注入される気体との熱交換を介して気体を加熱または冷却する熱交換器40をさらに含むことができる。
【0029】
具体的に、モビリティのハウジングに収容される貨物は、保温或いは保冷が必要なものであり得る。一般に、貨物の保温保冷が必要な場合には、貨物を包装するときに保温、保冷剤を一緒に包装するが、エアクッションに注入される気体を熱交換器40を介して加熱または冷却すると、運送される貨物の温度を調節することができる。これは、特に食材料、飲食などの貨物を運送するときに適切に使用できる。これにより、エアクッションは、密閉が可能な素材よりも気体の一部を徐々に吐き出すことができるメンブレイン素材を適用することが好ましい。例えば、エアクッションは、ポリエステルなどの素材からなってもよい。
【0030】
さらにハウジングの内部またはエアクッションには、温度センサー(図示せず)が設けられ得る。熱交換器40は、温度センサーを用いて計測された温度値に応じて加熱または冷却の程度が制御できる。
【0031】
具体的には、運送される貨物ごとに維持されなければならない温度があり、温度を一定に維持するために、エアクッションの内部には、気体の温度を測定する温度センサーが設けられ得る。温度があまり高いか或いは低い場合には、エアクッションの流出口を介して、充填された気体の一部を外部に吐き出し、冷却または加熱された気体をエアクッションの内部に注入して気体の温度を調節することができる。
【0032】
エア充填部30とエアクッション10との間には、供給される気体を冷却するための冷却器(図示せず)が設けられ、エアクッションには、貨物と接する部分に発熱体(図示せず)が設けられ得る。
【0033】
上記と同様に貨物の温度を調節するための構成であるが、注入される気体を冷却だけすることができ、加熱は、エアクッションに設置された発熱体が行うという点で違いがある。冷却器は、熱交換器の位置で気体を冷却するように構成することが好ましい。上述した構成を利用すれば、エアクッションの内部に充填された気体を吐出しなくても発熱体を用いてエアクッション内の気体の温度を調節することができる。つまり、温度が高く維持されなければならない貨物の場合には、注入される気体を冷却する冷却器、エアクッションに注入された気体を加熱する発熱体を持つようにすることが適切である。
【0034】
ハウジング20は、モビリティAの室内空間に搭載され、エア充填部30は、モビリティの下部でハウジング20が位置する地点の下方に設けられることができる。モビリティAは、エアクッション10に注入される気体を貯蔵し、エア充填部30に気体を供給する気体貯蔵タンク50をさらに含むことができる。
【0035】
エアクッションに充填される気体は様々であり得る。運送される貨物が常温で運搬されても問題にならなければ、モビリティの外部の空気を使用することが好ましい。但し、運送される貨物が最大限空気中の反応性の大きい酸素との接触を避けなければならない場合には、ヘリウムなどの不活性ガスを使用することが好ましい。気体貯蔵タンクは不活性ガスを貯蔵することができ、場合によっては外部の空気を貯蔵することができる。つまり、気体貯蔵タンクは、状況に応じて、貯蔵する気体を異ならせて、ハウジングの内部に様々な貨物を収容することができるようにする。
【0036】
一方、複数のエアクッションのうちの一部のエアクッションがエア充填部に連結されて気体の供給を受け、複数のエアクッションは、互いに連結されることにより内部の圧力が同一になることができる。
【0037】
図2は本発明の一実施形態に係る複数のエアクッションが互いに連結されたモビリティ用貨物パッケージングシステムを示す図である。
図2を参照すると、複数のエアクッションのうちの一部だけエア充填部30に連結され、エア充填部から気体の供給を受けることができる。この場合、エア充填部は、単一に構成されても、すべてのエアクッション10が連結されており、すべてのエアクッションが同じ圧力を持つようにすることができ、エア充填部が単一であるため、コストが削減され、システムがシンプルになることができる。貨物のいずれか一方が急激に傾いて接するエアクッションの圧力が瞬間的に高くなっても、すべてのエアクッションが連結されているので、高くなった圧力は短い時間内に低くなり、他のエアクッションと平衡を成す。
【0038】
複数のエアクッション10は、互いに連結されていない独立クッションであり、それぞれのエアクッションが独立してエア充填部30から気体の伝送を受けることができる。
【0039】
図3は本発明の一実施形態に係る複数のエアクッションが互いに独立したモビリティ用貨物パッケージングシステムである。
図3を参照すると、複数のエアクッションは、個別に複数のエア充填部に連結できる。このような構成は、独立してエアクッションの圧力を調節することができるので、エアクッションの圧力を異ならせて、状況に応じてそれぞれのエアクッションを調節することにより、貨物をより安定的に運送することができる。
【0040】
さらに、複数のエアクッションの内部には圧力センサー11が設置でき、エア充填部30は、エアクッションの内部の圧力に応じて、エアクッション10に供給する気体を制御することができる。
【0041】
図2および
図3に示すように、圧力センサーは、エアクッションの内部に設置できる。圧力センサーは、高く或いは低くなったエアクッションの圧力を検知してエアクッションを制御するエア充填部に伝送し、エア充填部は、貨物の傾きなどの状態異常を判断してエアクッションに気体をさらに供給して圧力を高くするか、或いは流出口を介してエアクッションの圧力を下げて貨物の状態異常を回復させることができる。エアモビリティの場合、上空で乱気流などに起因する気体揺れにより貨物が急激に傾く状況が発生するおそれがある。この場合、圧力センサーは、瞬間的に高くなった圧力を検知し、エア充填部は、受信された情報に基づいて、傾いた側のエアクッションを制御することにより、貨物の位置を原状回復することができる。
【0042】
連結されている複数のエアクッションでも、独立した複数のエアクッションでも、貨物を安定的に運営するために圧力センサーを有することが好ましい。
【0043】
以下、本発明に係るモビリティ用貨物パッケージングシステムの制御方法について説明する。
【0044】
図4は本発明のモビリティ用貨物パッケージングシステムの制御方法を示すフローチャートである。
図4を参照すると、請求項1のモビリティ用貨物パッケージングシステムを制御する方法であって、ハウジングの内部空間に貨物を積載するステップ(S100)と、エア充填部を介してエアクッションに気体を注入してハウジングの内部に貨物を固定するステップ(S300)と、貨物の運送が終了した場合、流出口を介して、エアクッションに注入された気体を吐出して貨物の固定を解除するステップ(S500)とを含むことができる。
【0045】
具体的には、貨物を運送する無人モビリティは、利用者が直接ハウジングに貨物を積載するか、或いはモビリティが自ら貨物をモビリティ内部のハウジングに積載する。例えば、モビリティの利用者は、定められた場所に貨物をよく包装して積置すると、モビリティは、これを収容するステップを経ることができる。ハウジングの内部に積載された貨物の大きさは様々であり、様々な貨物を収容するために設けられたエアクッションに気体を注入して貨物を安定的に固定することができる。つまり、流体は、流動的な特性を持つため、貨物の大きさや形状に関係なく、貨物を安定的に包んで固定することができる。
【0046】
一方、モビリティに含まれている熱交換器を介して気体を加熱または冷却するステップ(S200)をさらに含むことができる。
【0047】
常温または温度に関係なく、運送が可能な貨物であれば、エアクッションに注入される気体の温度は、考慮すべき事項ではないが、運送される貨物が温度条件に敏感なものであれば、適正の温度を維持する必要がある。したがって、貨物の温度情報などに応じて保温または保冷が必要な貨物であるかを認知し、熱交換器などを用いて、注入される気体の温度を調節することにより、貨物を安定的に運送することができ、温度条件に敏感な貨物も運送することができるので、運送可能な貨物の種類が多様になることができる。
【0048】
複数のエアクッションの内部に設置された圧力センサーがエアクッションの内部の圧力変化を検知するステップ(S600)と、エア充填部が、エアクッションの内部の圧力に応じて、エアクッションに供給する気体を制御するステップ(S400)とをさらに含むことができる。
【0049】
具体的には、モビリティが予想していない衝突や乱気流などにより大きな衝撃が加わる場合に貨物が傾くことができ、これにより、瞬間的にエアクッションの内部の圧力が増加することができる。したがって、圧力センサーは、高くなった圧力を検知し、これをエア充填部に圧力情報を送信し、エア充填部は、受信された圧力情報に基づいて貨物の傾きなどの状態異常を認識して、エアクッションに供給する気体の流量や圧力を制御して貨物の状態異常を回復させることができる。
【0050】
本発明は特定の実施形態について図示および説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想から逸脱することなく、本発明に様々な改良および変化を加え得るのは、当該分野における通常の知識を有する者にとって自明なことである。
【符号の説明】
【0051】
A モビリティ
B 貨物
10 エアクッション
11 圧力センサー
20 ハウジング
30 エア充填部
40 熱交換器
50 気体貯蔵タンク