(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】提示装置、提示方法および提示プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/14 20120101AFI20241029BHJP
G06Q 30/0235 20230101ALI20241029BHJP
【FI】
G06Q50/14
G06Q30/0235
(21)【出願番号】P 2021145451
(22)【出願日】2021-09-07
【審査請求日】2024-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 梨容子
(72)【発明者】
【氏名】松田 達樹
(72)【発明者】
【氏名】中島 侑里
(72)【発明者】
【氏名】滝口 すみれ
【審査官】石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-30838(JP,A)
【文献】稲毛 ゆか,新プロダクトX(44)オリエントコーポレーション「COCO COLOR CARD」交通系IC乗車券、ポストペイ電子マネーが合体した多機能クレジットカード,月刊消費者信用 2009-4,社団法人金融財政事情研究会,2009年04月01日,第27巻、第4号,p.74-79
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに指定されたエリアに対して、訪問スポットと該訪問スポットの周遊順とのプランを提示する提示部と、
前記ユーザが各訪問スポットにおいて所定の加算条件を満たした場合に、所定のポイントを加算する加算部と、
前記ユーザが周遊エリアの終着点に到着した際に、または前記ユーザの指示により、加算されたポイントの累計を所定の換金率で帰路の交通費に充当した場合の該交通費との差額を算出する算出部と、
を有することを特徴とする提示装置。
【請求項2】
前記提示部は、提示する前記プランに、前記加算条件と加算される前記所定のポイントとを含めることを特徴とする請求項1に記載の提示装置。
【請求項3】
前記提示部は、人流に応じて異なる前記プランを提示することを特徴とする請求項1に記載の提示装置。
【請求項4】
前記加算部は、前記ポイントを加算するたびに、加算されたポイントの累計を提示することを特徴とする請求項1に記載の提示装置。
【請求項5】
前記算出部が算出した前記交通費との差額が0より大きい場合に、さらにポイントの追加加算が可能な訪問スポットを提示する推薦部を、さらに有することを特徴とする請求項1に記載の提示装置。
【請求項6】
前記推薦部は、前記差額に応じて、前記ポイントの加算条件を変えて提示することを特徴とする請求項5に記載の提示装置。
【請求項7】
提示装置が実行する提示方法であって、
ユーザに指定されたエリアに対して、訪問スポットと該訪問スポットの周遊順とのプランを提示する提示工程と、
前記ユーザが各訪問スポットにおいて所定の加算条件を満たした場合に、所定のポイントを加算する加算工程と、
前記ユーザが周遊エリアの終着点に到着した際に、加算されたポイントの累計を所定の換金率で帰路の交通費に充当した場合の該交通費との差額を算出する算出工程と、
を含んだことを特徴とする提示方法。
【請求項8】
ユーザに指定されたエリアに対して、訪問スポットと該訪問スポットの周遊順とのプランを提示する提示ステップと、
前記ユーザが各訪問スポットにおいて所定の加算条件を満たした場合に、所定のポイントを加算する加算ステップと、
前記ユーザが周遊エリアの終着点に到着した際に、または前記ユーザの指示により、加算されたポイントの累計を所定の換金率で帰路の交通費に充当した場合の該交通費との差額を算出する算出ステップと、
をコンピュータに実行させるための提示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提示装置、提示方法および提示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、全国各地でご当地の魅力を発信し、観光客の誘致を試みている。また、鉄道による日帰り旅行は、手軽に非日常を味わうことができるため注目されている。なお、列車予約を行うサービスが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、鉄道と各地での観光とが相互に連携している場合は多くはない。ユーザは、鉄道での往復と各地での観光とを別々に計画しなければならないため、注目されている割には現実に各地での集客に結びついているとは言い難い。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、鉄道利用客と各地の観光客とを相互に連携して増加させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る提示装置は、ユーザに指定されたエリアに対して、訪問スポットと該訪問スポットの周遊順とのプランを提示する提示部と、前記ユーザが各訪問スポットにおいて所定の加算条件を満たした場合に、所定のポイントを加算する加算部と、前記ユーザが周遊エリアの終着点に到着した際に、または前記ユーザの指示により、加算されたポイントの累計を所定の換金率で帰路の交通費に充当した場合の該交通費との差額を算出する算出部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、鉄道利用客と各地の観光客とを相互に連携して増加させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態の提示装置の概要を説明するための図である。
【
図2】
図2は、提示装置の概略構成を例示する模式図である。
【
図3】
図3は、追加プランを説明するための図である。
【
図4】
図4は、推薦部の処理を説明するための図である。
【
図5】
図5は、提示処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、提示プログラムを実行するコンピュータを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
【0010】
[提示装置の概要]
図1は、本実施形態の提示装置の概要を説明するための図である。提示装置は、
図1(a)に示すように、例えば、ユーザのスマートフォンにインストールされた「旅のお供」アプリ内で、ユーザが指定したエリアの周遊プランを提示する。周遊プランでは、ユーザに訪問を薦める観光地や店舗等の訪問スポットの情報が、お薦めの訪問順に提示される。また、各スポットでは、「ドリンク1杯購入で〇ポイント」等の所定の加算条件が表示される。
【0011】
ユーザが、
図1(b)に示すように、訪問した各スポットで所定の加算条件を満たした場合に、このユーザの周遊プランの旅行に対してポイントが加算される。
【0012】
ここで加算されたポイントは、ユーザの帰路の交通費に充当可能である。提示装置は、
図1(c)に示すように、旅行中に、現在までに累積されたポイント数と、現在のポイント数を充当した場合の帰路の交通費とを表示する。また、提示装置は、累積されたポイントの情報をユーザの交通系ICカード等に転送する。これにより、累積されたポイントが所定の換金率で帰路の交通費に充当される。なお、ポイントの換金率は可変であってもよい。また、提示装置の処理対象のエリアは観光地に限定されず、ユーザが指定した街での街歩きに適用可能である。
【0013】
[提示装置の構成]
図2は、提示装置の概略構成を例示する模式図である。
図2に例示するように、提示装置10は、パソコン等の汎用コンピュータで実現され、入力部11、出力部12、通信制御部13、記憶部14、および制御部15を備える。
【0014】
入力部11は、キーボードやマウス等の入力デバイスを用いて実現され、操作者による入力操作に対応して、制御部15に対して処理開始などの各種指示情報を入力する。出力部12は、液晶ディスプレイなどの表示装置、プリンター等の印刷装置等によって実現される。
【0015】
通信制御部13は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、ネットワークを介したサーバ等の外部の装置と制御部15との通信を制御する。例えば、通信制御部13は、後述する提示処理を利用するユーザのユーザ端末20や、地図情報、観光地や店舗等のスポット情報、人流情報を収集し管理する管理装置等と制御部15との通信を制御する。
【0016】
記憶部14は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。本実施形態において、記憶部14には、例えば、後述する提示処理の結果等が記憶される。なお、記憶部14は、通信制御部13を介して制御部15と通信する構成でもよい。
【0017】
本実施形態では、記憶部14は、プラン14aと追加プラン14bとを記憶する。プラン14aは、エリアと当該エリアでの周遊プランとを対応付けた情報である。周遊プランとは、例えば、
図1(a)に例示したように、各エリア内で、ユーザに訪問を薦めるスポットの情報を、お薦めの訪問順に列挙したものである。スポットの情報には、「ドリンク1杯購入で〇ポイント」等の各スポットでのポイントの加算条件が含まれる。後述する提示部15bが、プラン14aを参照して、ユーザが指定したエリアの周遊プランを、ユーザ端末20に提示する。
【0018】
なお、プラン14aには、混雑度や密集度等の人流等に応じた周遊プランが設定されていてもよい。例えば、提示装置は、ダイナミックプライシング技術を適用して、周遊プランを提示する際の人流情報に応じて周遊プランを設定してもよい。この場合には、プラン14aは記憶部14に記憶されている場合に限定されない。例えば、提示部15bが、取得された人流情報に応じて、プラン14aを作成して提示してもよい。
【0019】
あるいは、プラン14aには、各エリアの人流情報の分類された大、中、小等のランクのそれぞれに応じた複数の周遊プランが設定されていてもよい。その場合には、提示部15bが、ユーザにプランを提示する際の人流情報に応じて、該当するランクの周遊プランを選択して提示してもよい。
【0020】
追加プラン14bは、各エリアの終着点の近傍のスポットと各スポットでのポイントの加算条件とを含む。各スポットでの加算条件には、
図1(c)に例示したように、「50円以上のお土産購入で50ポイント」等が設定されている。後述する推薦部15eが、追加プラン14bを参照して、ユーザ端末20に追加プランを提示する。
【0021】
なお、
図3は、追加プランを説明するための図である。
図3に例示するように、追加プラン14bの各スポットの加算条件には、「50円以上のお土産購入で50ポイント」「100円以上のお土産購入で100ポイント」等というように、金額の異なる複数の加算条件が含まれていてもよい。この場合には、後述する推薦部15eが、交通費との差額に応じて、複数の加算条件のうち適当な条件を選択してユーザに提示する。
【0022】
図2の説明に戻る。制御部15は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて実現され、メモリに記憶された処理プログラムを実行する。これにより、制御部15は、
図2に例示するように、取得部15a、提示部15b、加算部15c、算出部15dおよび推薦部15eとして機能する。なお、これらの機能部は、それぞれあるいは一部が異なるハードウェアに実装されてもよい。例えば、推薦部15eは、他の機能部とは別の装置に実装されてもよい。また、制御部15は、その他の機能部を備えてもよい。
【0023】
取得部15aは、ユーザの情報を取得する。例えば、取得部15aは、入力部11を介して、あるいは、ユーザのスマホ等のユーザ端末20から通信制御部13を介して、ユーザの自宅の最寄り駅、旅行先として指定するエリア、および交通系ICカード情報等を取得する。なお、取得部15aは、ユーザ端末20の所定のユーザ識別情報を用いてユーザを識別し、取得したユーザの情報を記憶部14に記憶してもよい。
【0024】
提示部15bは、ユーザに指定されたエリアに対して、訪問スポットと該訪問スポットの周遊順とのプランを提示する。具体的には、提示部15bは、プラン14aを参照して、取得部15aにより取得された旅行先として指定されたエリアの周遊プランを、通信制御部13を介してユーザ端末20に出力する。
【0025】
なお、提示部15bは、指定されたエリアの訪問スポットの一覧を表示して、ユーザが選択した訪問スポットを適当な順で周遊プランとして提示してもよい。
【0026】
また、提示部15bは、提示するプランに、加算条件と加算される所定のポイントとを含める。例えば、
図1(a)に示した例では、喫茶店での加算条件「ドリンク1杯購入で〇ポイント」が表示されている。
【0027】
提示部15bは、混雑度や密集度等の人流に応じて異なるプランを提示してもよい。人流情報は、例えば取得部15aが、交通系ICカードの情報や、ユーザ端末20の「旅のお供」アプリのGPS情報や携帯基地局等から取得する。そして、例えば、上記したように、提示装置10は、プラン14aとして、ダイナミックプライシング技術を適用して、周遊プランを提示する際の人流情報に応じた周遊プランを設定すればよい。この場合に、プラン14aは記憶部14に記憶されている場合に限定されず、提示部15bが、取得された人流情報に応じて、プラン14aを作成して提示してもよい。
【0028】
あるいは、提示装置10は、プラン14aとして、各エリアの人流情報を例えば混雑度が高い順に大、中、小等のランクに分類し、それぞれのランクに応じた複数の周遊プランを設定しておいてもよい。その場合には、提示部15bは、ユーザにプランを提示する際に取得された人流情報に応じて、該当するランクの周遊プランを選択してもよい。
【0029】
加算部15cは、ユーザが各訪問スポットにおいて所定の加算条件を満たした場合に、所定のポイントを加算する。例えば、ユーザが、訪問した各スポットに用意してあるQRコード(登録商標)をユーザ端末20の「旅のお供」アプリで読み込むことにより、所定のポイントが通信制御部13を介して加算部15cに通知される。加算部15cは、通知されたポイントを、ユーザ識別情報と対応づけられたポイントに加算して、記憶部14に記憶させる。
【0030】
なお、加算部15cは、通知されたポイントを加算するたびに、加算されたポイントの累計を提示する。
【0031】
算出部15dは、ユーザが周遊エリアの終着点に到着した際に、またはユーザの指示により、加算されたポイントの累計を所定の換金率で帰路の交通費に充当した場合の該交通費との差額を算出する。例えば、算出部15dは、終着点にユーザがチェックインしたことを検知した場合等に、終着点からユーザの最寄り駅までの帰路の交通費から、ポイントの累計を交通費に充当した場合の金額を差し引いた差額を算出する。あるいは、ユーザが帰路につく旨の指示入力を行った場合に、当該地点からユーザの最寄駅までの帰路の交通費の差額を算出する。そして、算出部15dは、
図1(c)に例示したように、ポイントの累計と、算出した帰路の交通費との差額とをユーザ端末20に提示する。
【0032】
なお、算出部15dが帰路の交通費との差額を算出するのは、終着点に到着した際やユーザの指示があった場合に限定されず、加算されたポイントの累計点を提示する任意の時点で、累計点を帰路の交通費に充当した場合の該交通費との差額を算出して提示してもよい。
【0033】
推薦部15eは、算出部15dが算出した帰路の交通費との差額が0より大きい場合に、さらにポイントの追加加算が可能な訪問スポットを提示する。
【0034】
ここで、
図4は、推薦部の処理を説明するための図である。算出部15dが算出した帰路の交通費との差額が、
図4(a)に示すように、0より大きく、支払いが生じる場合に、推薦部15eは、
図4(b)に示すように、追加プランを提示する。具体的には、推薦部15eは、追加プラン14bを参照して、各エリアの終着点の近傍のスポットと各スポットでのポイントの加算条件とを含む追加プランをユーザ端末20に提示する。これにより、ユーザは帰路の交通費が無料になるように、訪問スポットを追加することが容易に可能となり、地域のさらなる活性化にも有効である。
【0035】
推薦部15eは、交通費との差額に応じて、ポイントの加算条件を変えて提示してもよい。例えば、
図3に示したように、追加プラン14bの各スポットの加算条件に、金額の異なる複数の加算条件が含まれている場合には、推薦部15eが、交通費との差額に応じて、複数の加算条件のうち適当な条件を選択してユーザに提示する。例えば、推薦部15eは、交通費との差額が小さいほど、ポイントが加算され易い加算条件を提示する。
図3に示す例では、交通費との差額が50円未満の場合には500円以上の購入でポイントが加算され、50円以上100円未満の場合には、1000円以上の購入でポイントが加算されるという異なる加算条件が示されている。このように、帰路の交通費を無料にするためにちょうどよい訪問スポットを提示することにより、ユーザがより気軽に訪問スポットを追加することが可能となる。
【0036】
この場合に、加算部15cが、上記と同様に、ユーザが各訪問スポットにおいて所定の加算条件を満たした場合に、所定のポイントを加算する。また、ユーザが周遊プランの終了を指示した場合等に、加算されたポイントの累計をユーザ端末20の交通系ICカードに送信して、帰路の交通費への充当を実行する。
【0037】
なお、推薦部15eは、交通費との差額に応じて、換金率を変更してユーザに提示してもよい。例えば、交通費との差額が大きいほど、換金率が大きい追加プランを提示する。これにより、ユーザは交通費との差額が大きくてもお得にポイントを獲得できるため、気軽に訪問スポットを追加することが可能となる。
【0038】
あるいは、推薦部15eは、追加プラン提示の際に限らず、時間帯や施設に応じて換金率を変更してユーザに提示してもよい。例えば、14時~16時に換金率が大きいお得なプランを提示することにより、14時~16時に当該スポットを訪問するユーザが増加することが期待される。または、駅構内の施設等の所定の施設について換金率が大きいお得なプランを提示することにより、所定の施設を訪問するユーザが増加することが期待される。
【0039】
さらに、これらの換金率の変更条件は適宜組み合わせてもよい。例えば、交通費との差額が大きい場合に、その時間帯が早いほど、駅構内の施設の換金率が大きい追加プランを提示することにより、周遊の最後にユーザによる駅構内の施設の利用を促進する効果が期待される。
【0040】
[提示処理手順]
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る提示装置10による提示処理について説明する。
図5は、提示処理手順を示すフローチャートである。
図5のフローチャートは、例えば、提示処理の開始を指示する入力があったタイミングで開始される。
【0041】
まず、提示部15bが、ユーザに指定されたエリアに対して、訪問スポットと該訪問スポットの周遊順とのプランを提示する(ステップS1)。具体的には、提示部15bは、プラン14aを参照して、取得部15aにより取得された旅行先として指定されたエリアの周遊プランを、ユーザ端末20に出力する。
【0042】
ユーザが各訪問スポットにおいて所定の加算条件を満たした場合に、加算部15cが、所定のポイントを加算する(ステップS2)。例えば、ユーザが、訪問した各スポットに用意してあるQRコードをユーザ端末20の「旅のお供」アプリで読み込んだ場合に、加算部15cは、ユーザ端末20から通知されたポイントを、ユーザ識別情報と対応づけられたポイントに加算して、記憶部14に記憶させる。
【0043】
また、ユーザが周遊エリアの終着点に到着した際に、算出部15dが加算されたポイントの累計を所定の換金率で帰路の交通費に充当した場合の該交通費との差額を算出する(ステップS3)。例えば、算出部15dは、終着点にユーザがチェックインしたことを検知した場合等に、終着点からユーザの最寄り駅までの帰路の交通費から、ポイントの累計を交通費に充当した場合の金額を差し引いた差額を算出し、ユーザ端末20に提示する。
【0044】
また、ユーザが周遊プランの終了を指示した場合等に、加算されたポイントの累計をユーザ端末20の交通系ICカードに送信して、帰路の交通費への充当を実行する。これにより、一連の提示処理が終了する。
【0045】
[効果]
以上、説明したように、上記実施形態の提示装置10では、提示部15bが、ユーザに指定されたエリアに対して、訪問スポットと該訪問スポットの周遊順とのプランを提示する。加算部15cが、ユーザが各訪問スポットにおいて所定の加算条件を満たした場合に、所定のポイントを加算する。算出部15dが、ユーザが周遊エリアの終着点に到着した際に、加算されたポイントの累計を所定の換金率で帰路の交通費に充当した場合の該交通費との差額を算出する。
【0046】
これにより、ユーザが鉄道による旅行先との往復と旅行先での周遊とを気軽に楽しむことが可能となる。したがって、鉄道利用客と各地の観光客とを相互に連携して増加させることが可能となる。
【0047】
また、提示部15bは、提示するプランに、加算条件と加算される所定のポイントとを含める。これにより、ユーザが訪問スポットの優先順位を設定できる等、ユーザの利便性が向上する。
【0048】
また、提示部15bは、人流に応じて異なるプランを提示する。これにより、混雑を回避した周遊プランが提示される等、ユーザの利便性が向上する。
【0049】
また、加算部は、ポイントを加算するたびに、加算されたポイントの累計を提示する。これにより、訪問スポットの増減等の予定変更が容易に可能となる等、ユーザの利便性が向上する。
【0050】
また、算出部15dが算出した交通費との差額が0より大きい場合に、推薦部15eが、さらにポイントの追加加算が可能な訪問スポットを提示する。これにより、ユーザに追加の訪問スポットへの訪問を促進しやすくなる。
【0051】
また、推薦部15eは、交通費との差額に応じて、ポイントの加算条件を変えて提示する。例えば、推薦部15eは、交通費との差額が小さいほど、容易にポイントが加算されるような加算条件を提示する。これにより、ユーザの利便性が向上し、ユーザに追加の訪問スポットへの訪問をさらに促進しやすくなる。
【0052】
[システム構成等]
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPUおよび当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0053】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0054】
[プログラム]
上記実施形態において説明した提示装置が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態に係る提示装置10が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0055】
図6は、提示プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
【0056】
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011およびRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1031に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1041に接続される。ディスクドライブ1041には、例えば、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が挿入される。シリアルポートインタフェース1050には、例えば、マウス1051およびキーボード1052が接続される。ビデオアダプタ1060には、例えば、ディスプレイ1061が接続される。
【0057】
ここで、ハードディスクドライブ1031は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093およびプログラムデータ1094を記憶する。上記実施形態で説明した各情報は、例えばハードディスクドライブ1031やメモリ1010に記憶される。
【0058】
また、提示プログラムは、例えば、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュール1093として、ハードディスクドライブ1031に記憶される。具体的には、上記実施形態で説明した提示装置10が実行する各処理が記述されたプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1031に記憶される。
【0059】
また、提示プログラムによる情報処理に用いられるデータは、プログラムデータ1094として、例えば、ハードディスクドライブ1031に記憶される。そして、CPU1020が、ハードディスクドライブ1031に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して、上述した各手順を実行する。
【0060】
なお、提示プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1031に記憶される場合に限られず、例えば、着脱可能な記憶媒体に記憶されて、ディスクドライブ1041等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、提示プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0061】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述および図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
10 提示装置
11 入力部
12 出力部
13 通信制御部
14 記憶部
14a プラン
14b 追加プラン
15 制御部
15a 取得部
15b 提示部
15c 加算部
15d 算出部
15e 推薦部