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▶ リアクション エンジンズ リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28D 7/04 20060101AFI20241029BHJP
   F28D 1/047 20060101ALI20241029BHJP
   F28F 1/00 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
F28D7/04
F28D1/047 Z
F28F1/00 E
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021551909
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2020055355
(87)【国際公開番号】W WO2020178199
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-01-31
(31)【優先権主張番号】1902802.6
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】521391324
【氏名又は名称】リアクション エンジンズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】バービル,トーマス,チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ニコル,ハミッシュ,アレクサンダー
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-221581(JP,A)
【文献】特開昭58-214786(JP,A)
【文献】特表2016-535227(JP,A)
【文献】米国特許第04962809(US,A)
【文献】特開平02-251091(JP,A)
【文献】特開2009-243792(JP,A)
【文献】実開平06-084167(JP,U)
【文献】特開2014-059136(JP,A)
【文献】特開平05-196377(JP,A)
【文献】特開2016-186368(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0129018(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 1/00 - 13/00
F28F 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器であって、
第1の流体を流すための第1の導管モジュールと、
第2の流体を流すための第2の導管モジュールであって、前記第2の導管モジュールは、前記第1の導管モジュールから流体的にかつ熱的に隔離されている、第2の導管モジュールと、
前記第1の流体および前記第2の流体と熱交換する第3の流体を流すための第1の流体流路であって、前記第1の流体流路は、前記熱交換器の実質的に半径方向に延在する、第1の流体流路と、
を備える、熱交換器であり、
前記第1の導管モジュールの少なくとも一部および前記第2の導管モジュールの少なくとも一部は、前記熱交換器の長手方向軸を中心として次第に広がるまたは窄まるそれぞれの経路にそれぞれ配置され、
前記第1の導管モジュールおよび前記第2の導管モジュールが互いに入れ子状になり、
前記第1の導管モジュールは、前記熱交換器の長手方向軸を中心として次第に広がるかまたは窄まるそれぞれの経路でそれぞれ巻回され、前記熱交換器の長手方向に沿って列をなして互いにそれぞれ離間された複数の第1の管を備え、前記第2の導管モジュールは、前記熱交換器の長手方向軸を中心として次第に広がるかまたは窄まるそれぞれの経路でそれぞれ巻回され、前記熱交換器の長手方向に沿って列をなして互いにそれぞれ離間された複数の第2の管を備える、熱交換器。
【請求項2】
前記第1の導管モジュールの少なくとも一部は第1の螺旋経路をたどり、前記第2の導管モジュールの少なくとも一部は第2の螺旋経路をたどる、請求項1に記載の熱交換
【請求項3】
前記第1の螺旋経路および/または前記第2の螺旋経路は、複数の直線部および/または1つ以上の曲線部を含む、請求項2に記載の熱交換
【請求項4】
前記第1の螺旋経路および/または前記第2の螺旋経路は、円形または楕円形または多角形である、請求項3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記第1の導管モジュールは内径および外径を有し、前記第2の導管モジュールは内径および外径を有し、前記第1の導管モジュールの前記内径は前記第2の導管モジュールの前記内径と異なり、および/または前記第1の導管モジュールの前記外径は前記第2の導管モジュールの前記外径と異なる、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記第1の導管モジュールは第1の材料を含み、前記第2の導管モジュールは前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記第1の導管モジュールは入口および出口を備え、前記第2の導管モジュールは入口および出口を備え、前記第1の導管モジュールの前記入口は、前記熱交換器の半径方向に前記第1の導管モジュールの前記出口から離間され、前記第2の導管モジュールの前記入口は、前記熱交換器の半径方向に前記第2の導管モジュールの前記出口から離間される、請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記第1の導管モジュールは入口および出口を備え、前記第2の導管モジュールは入口および出口を備え、前記第1の導管モジュールの前記入口は、前記熱交換器の半径方向に前記第2の導管モジュールの前記入口から離間され、および/または前記第1の導管モジュールの前記出口は、前記熱交換器の半径方向に前記第2の導管モジュールの前記出口から離間される、請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記熱交換器は、前記第3の流体と熱交換する第4の流体を流すための第3の導管モジュールをさらに備え、前記第3の導管モジュールは、前記第1の導管モジュールおよび前記第2の導管モジュールから流体的に隔離され、前記第3の導管モジュールの少なくとも一部は、前記熱交換器の長手方向軸を中心として次第に広がるまたは窄まる経路に配置され、前記第1の導管モジュールおよび前記第2の導管モジュールと入れ子状になる、請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記熱交換器は、複数の第1の導管モジュールおよび複数の第2の導管モジュールを備え、前記複数の第1の導管モジュールの各々の少なくとも一部および前記複数の第2の導管モジュールの各々の少なくとも一部は、交互に互いに入れ子状になる、請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記複数の第1の導管モジュールおよび前記複数の第2の導管モジュールは、それらのそれぞれの入口および出口が互いに対して角度を成して離間されるように配向される、請求項10に記載の熱交換器。
【請求項12】
前記熱交換器は、前記第1の導管モジュールの各々の前記入口と流体連通する第1の入口マニホールドと、前記複数の第1の導管モジュールの各々の前記出口と流体連通する第1の出口マニホールドと、前記複数の第2の導管モジュールの各々の前記入口と流体連通する第2の入口マニホールドと、前記複数の第2の導管モジュールの各々の前記出口と流体連通する第2の出口マニホールドとをさらに備える、請求項10または請求項11の記載の熱交換器。
【請求項13】
前記第1の入口マニホールド、前記第1の出口マニホールド、前記第2の入口マニホールドおよび前記第2の出口マニホールドの各々は、環状形状である、請求項12に記載の熱交換器。
【請求項14】
前記熱交換器は、前記第1の導管モジュールおよび/または前記第2の導管モジュール内に配置された1つ以上の弁をさらに備え、前記1つ以上の弁は、前記第1の導管モジュール内の前記第1の流体の流れおよび/または前記第2の導管モジュール内の前記第2の流体の流れを選択的に逆転させる、停止させる、または変更するように構成される、請求項1乃至13のうちのいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項15】
前記第1の流体は水、油または冷媒のうちの1つであり、前記第2の流体は水、油または冷媒のうちの別の1つであり、前記第3の流体は空気である、請求項1乃至14のうちのいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項16】
前記第1の導管モジュールは前記第1の流体を収容し、前記第2の導管モジュールは前記第2の流体を収容し、前記第1の流体流路は前記第3の流体を収容する、請求項1乃至15のうちのいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項17】
請求項1乃至16のうちのいずれか一項に記載の熱交換器を備える輸送機関であって、前記輸送機関は、航空機、飛行機および自動車から成る群から選択される、輸送機関
【請求項18】
請求項16に記載の熱交換器を動作させる方法であって、
前記第1の流体を前記第1の導管モジュールを通って流れさせ、前記第2の流体を前記第2の導管モジュールを通って流れさせ、前記第3の流体を前記第1の流体流路を通って流れさせることによって、前記第1の流体を加熱または冷却し、前記第2の流体を加熱または冷却すること
を含む、方法。
【請求項19】
前記第3の流体を前記第1の流体流路を通って流れさせるための手段を提供することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の流体は水、油または冷媒のうちの1つであり、前記第2の流体は水、油または冷媒のうちの別の1つであり、前記第3の流体は空気であり、前記方法は、前記第1の導管モジュール、前記第2の導管モジュール、および前記第1の流体流路のうちの1つ以上における流れの方向を逆転させるまたは変更することをさらに含む、請求項18または請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の流体は水、油または冷媒のうちの1つであり、前記第2の流体は水、油または冷媒のうちの別の1つであり、前記第3の流体は空気であり、前記方法は、前記第1の導管モジュールおよび前記第2の導管モジュールのうちの一方における流れを停止させる一方で、前記第1の導管モジュールおよび前記第2の導管モジュールのうちの他方における流れを維持し、その後、前記第1の導管モジュールおよび前記第2の導管モジュールのうちの前記一方における流れを開始させることをさらに含む、請求項18乃至20のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記方法は、前記熱交換器を1つ以上の動作モードで動作させることをさらに含み、前記動作モードのうちの少なくとも1つにおいて、前記第1の導管モジュール、前記第2の導管モジュール、および前記第1の流体流路のうちの1つ以上における流れが逆転または変更され得、および/または前記第1の導管モジュールおよび前記第2の導管モジュールのうちの一方における流れが停止され得る、請求項20または21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、航空宇宙用途、自動車用途、産業用途または他の用途において使用され得るタイプの熱交換器に関する。本開示はさらに、そのような熱交換器を備える車両、およびそのような熱交換器の動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GB2519147(英国特許第2519147号明細書)は、少なくとも1つの第1の導管部を通過する流路内の第2の流体と熱交換する第1の流体を流すのに適した少なくとも1つの第1の導管部を備える熱交換器を記載している。第1の位置における少なくとも1つの第1の導管部は支持体上に取り付けられ、第2の位置における少なくとも1つの導管部は、熱変化に応答して支持体に対して移動可能である。第1の導管部は、入口ヘッダと出口ヘッダとの間に延在する複数の管を備え得、中間ヘッダが入口ヘッダと出口ヘッダとの間の流路内に設けられる。入口ヘッダは支持体に固定され得、出口ヘッダは熱変化に応じて移動可能であり得る。支持体は、大きい半径方向内向きの荷重を受容することができ、円筒状有穴ドラム構造内の少なくとも1つの円形リングと、縦通材と、X字形ブレーシングとを含む。第1の導管部は、互いの内側で螺旋状になる螺旋部を備え得る。熱交換器は、航空機または軌道打ち上げ機用の車両用エンジンに使用され得る。
【0003】
CN205679090(中国特許第205679090号明細書)には、異なるパイプ径を有し、ケーシングと、複数の熱交換管と、第1の管板および第2の管板とを備えるマルチストリーム熱交換器であって、各々の熱交換管の端部が第1の管および第2の管に限定される、マルチストリーム熱交換器が記載されている。プレート間および第1の管板と第2の管板と間の熱交換管は、ハウジングの軸方向に沿って螺旋状に巻かれて、内側部分と外側部分との間に介在する多層螺旋管を形成し、熱交換管は少なくとも2つの異なる外径を有し、管は隣接して配置されることを特徴とする。使用時に、圧力が低く圧力降下が小さい流体は、より大きい直径の熱交換管を通って流れ、圧力が高く圧力降下が大きい流体は、より小さい直径の管内で交換され得、その結果、シェルをより良好に分配することができる。プロセスの流量は、各管の伝熱要件を満たすための流量であり、伝熱管内の管の数の不均一な分布によって引き起こされる熱交換は十分ではなく、そのため、各々の熱交換管内の流体およびシェル内の流体は十分に熱交換される。
【0004】
GB2241319(英国特許第2241319号明細書)には、略円周方向に延在する熱交換器管によって相互接続された平行な供給管および受入管の同心環状アレイを備える熱交換器が記載されている。各々の熱交換器管は、1つの供給管を、角度を成して離間された対応する受入管と相互接続する。動作時に、第1の流体が熱交換器管の表面を流れ、第2の流体が熱交換器管を通って流れる。熱交換器管は、熱交換器管を通って流れる流体が、熱交換器管の表面を流れる流体の成分と反対の成分を有するように配置される。1つの航空宇宙用途では、第1の流体流は空気流であり、第2の流体流は液体水素流であり、熱交換器は空気取入口内に位置しており、空気は続いてエンジン圧縮機に分流される。
【0005】
GB2230594(英国特許第2230594号明細書)には、空気と低温水素とを相互熱交換関係にするのに適した熱交換器が記載されている。熱交換器は、ヘッダ管の2つの同心環状アレイを備え、半径方向外側アレイ内の全てのヘッダ管は第1のマニホールドと流体連通し、半径方向内側アレイ内のヘッダ管の半分は第2のマニホールドと流体連通し、残りは第3のマニホールドと流体連通している。熱交換パイプは、種々のヘッダ管を相互接続し、空気は、それらのパイプの表面を流れる。種々の弁およびパイプが設けられ、熱交換器が確実に2つの動作モードで機能することができるように動作可能であり、第1のモードでは、低温水素が全ての熱交換パイプを通って単一方向に流れ、第2のモードでは、低温水素が熱交換パイプ内を交互に反対方向に流れる。
【0006】
本開示は、先行技術に関連する問題を少なくともある程度軽減すること、および/または、先行技術に関連する困難に少なくともある程度対処することを目的とする。
【発明の概要】
【0007】
本開示の第1の態様によれば、
第1の流体を流すための第1の導管モジュールと、
第2の流体を流すための第2の導管モジュールであって、第1の導管モジュールから流体的に隔離されている第2の導管モジュールと、
第1の流体および第2の流体と熱交換する第3の流体を流すための第1の流体流路であって、熱交換器の実質的に半径方向に延在する第1の流体流路とを備える熱交換器であって、
第1の導管モジュールの少なくとも一部および第2の導管モジュールの少なくとも一部はそれぞれ、熱交換器の長手方向軸を中心として次第に広がるまたは窄まるそれぞれの経路に配置され、
第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールが互いに入れ子状になる、熱交換器が提供される。
【0008】
第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールは、流体が第1の導管モジュールから第2の導管モジュールへと流入することができず、流体が第2の導管モジュールから第1の導管モジュールへと流入することができないように構成され得、その結果、第2の導管モジュールが第1の導管モジュールから流体的に隔離される。第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールは、第1の流体が第2の導管モジュールへと流入することができず、第2の流体が第1の導管モジュールへと流入することができないように構成され得、その結果、第2の導管モジュールが第1の導管モジュールから流体的に隔離される。この流体隔離により、異なる流体をそれぞれの導管内に供給することが可能になる。
【0009】
熱交換器は、熱交換器の中心からその外周まで延びる、または熱交換器の外周からその中心まで延びる半径方向を有し得る。熱交換器の半径方向は、熱交換器の長手方向に垂直な平面内に位置し得る。
【0010】
熱交換器は、熱交換器の長手方向に垂直な半径方向を有し得る。
【0011】
第1の流体流路は、熱交換器の半径方向と実質的に一致するまたは平行である方向に延在し得る。第1の流体流路は、熱交換器の半径方向に対して半径方向外側または半径方向内側に延在し得る。随意に、熱交換器の動作中に、第1の流体流路が第3の流体を含む場合、他の方向に延在する第1の流体流路内の流路が存在し得る。
【0012】
熱交換器は、熱交換器の長手方向に垂直な平面において実質的に円形または正方形の形状であり得る。
【0013】
このような熱交換器は、有利には、単一の熱交換器設備内で複数の流体を冷却および/または加熱することができるようにし得る。単一の熱交換器設備は、有利には、それ以外の場合であれば複数の流体を冷却および/または加熱するために必要となる複数の個別ユニットよりも設置が容易であり、全体の体積が小さくなる。本開示の第1の態様の熱交換器は、サイズおよび質量が低減され、空間および重量を節約する利益をもたらす熱交換器となり得る。さらに、このような熱交換器は、熱交換器内の各々の流体の有効性および温度を調整するための高い自由度を提供し得る。さらに、このような熱交換器では、第3の流体の圧力降下は、第3の流体の流れを複数の個々の熱交換器を通って案内しなければならない場合よりも小さくなり得る。加えて、このような熱交換器は、導管モジュール内の流体の凝結および/または凍結を低減または完全に回避し得る。さらに、このような熱交換器では、各々の導管モジュールの形状および位置は、(熱交換器の設計段階において)非常に高度な最適化を提供すると同時に、熱交換器の高い有効性を維持するように構成され得る。したがって、熱交換器は、広範囲の用途にわたって熱交換器を最適化するために高い自由度を提供する。
【0014】
熱交換器には、各々が他の導管モジュールの少なくとも1つから流体的に隔離された追加の導管モジュールが設けられ得る。
【0015】
随意に、第1の導管モジュールの少なくとも一部は第1の螺旋経路をたどり、第2の導管モジュールの少なくとも一部は第2の螺旋経路をたどる。
【0016】
随意に、第1の螺旋経路および/または第2の螺旋経路は、複数の直線部および/または1つ以上の曲線部を含む。
【0017】
随意に、第1の螺旋経路および/または第2の螺旋経路は、円形または楕円形または多角形である。
【0018】
随意に、第1の螺旋経路および第2の螺旋経路はそれぞれ、円形螺旋または正方形螺旋を含む。
【0019】
随意に、第1の螺旋経路および/または第2の螺旋経路は、円形、楕円形、正方形、三角形、五角形、六角形、もしくは任意の他の多角形または好適な2D形状であり得る。
【0020】
随意に、第1の導管モジュールは長さを有し、第2の導管モジュールは長さを有する。第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールはそれぞれ、それぞれの経路において熱交換器の長手方向軸の周りで螺旋状になるまたは巻回するように配置され得る。
【0021】
随意に、第1の導管モジュールの長さおよび第2の導管モジュールの長さはそれぞれ、熱交換器の長手方向軸または熱交換器の半径方向中心に次第に近づくようにまたはそこから離れるように配置され得る。
【0022】
随意に、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールが互いに入れ子状になるように、第1の螺旋経路および/または第2の螺旋経路は、第1の螺旋経路および第2の螺旋経路の一方が第1の螺旋経路および第2の螺旋経路の他方の内側に嵌合し得るように寸法決めおよび/または成形され得る。
【0023】
随意に、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールが互いに入れ子状になるように、第1の螺旋経路および第2の螺旋経路のうちの一方の少なくとも一部は、第1の螺旋経路および第2の螺旋経路のうちの他方の少なくとも一部の内側に嵌合するように配置され得る。
【0024】
随意に、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールが互いに入れ子状になるように、第1の螺旋経路および第2の螺旋経路は、同一平面内にあるように配置され得、前記平面は熱交換器の長手方向軸に垂直である。
【0025】
随意に、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールが互いに入れ子状になるように、第1の螺旋経路および第2の螺旋経路は、互いに隣接して配置され得る。
【0026】
随意に、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールが互いに入れ子状になるように、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールは、互いに隣接して配置され得る。
【0027】
随意に、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールが互いに入れ子状になるように、第1の導管モジュールの少なくとも一部は、第2の導管モジュールの少なくとも一部に隣接して配置され得る。
【0028】
随意に、第1の導管モジュールは内径および外径を有し、第2の導管モジュールは内径および外径を有し、第1の導管モジュールの内径は第2の導管モジュールの内径と異なり、および/または第1の導管モジュールの外径は第2の導管モジュールの外径と異なる。第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールの各々の内径および外径は、その管状部分に関係し得る。内径および外径は、その管状部分に沿って実質的に一定であり得、または変化(例えば、テーパ形状)し得る。
【0029】
随意に、第1の導管モジュールは、第2の導管モジュールの壁厚とは異なる壁厚を有する。
【0030】
有利には、このような熱交換器は、各々の導管モジュールに収容される流体に基づいて、導管モジュール各々におけるエネルギー伝達を最適化し得る。特に、(熱交換器の設計段階において)導管モジュールの各々の管径および/または壁厚を調整することによって、伝熱面積、ひいては伝達されるエネルギーを導管モジュール各々に対して調整することができる。導管モジュールの各々の管径の調整は、導管モジュールの各々の内径、外径、または壁厚のうちの1つ以上の調整を含み得、壁厚は、導管モジュールの各々の外径と内径との間の差として定義される。有利には、導管モジュールの各々の壁厚の調整は、熱交換器に関する安全性に関する考察(熱交換器の設計段階における)を最適化し得る。例えば、第1の流体が水であり、第2の流体が燃料である場合、水漏れは燃料漏れほど深刻ではないので、第1の導管モジュールの壁厚は第2の導管モジュールの壁厚よりも薄くすることができる。さらに、考慮すべき別の要素は、異物損傷FODであり得る。FODの影響をより受けやすい導管モジュールは、別の導管モジュールよりも厚い壁厚を有するように構成され得る。
【0031】
随意に、第1の導管モジュールは第1の材料を含み、第2の導管モジュールは第1の材料とは異なる第2の材料を含む。
【0032】
有利には、このような熱交換器は、各々の導管モジュールに収容される流体に基づいて、導管モジュール各々におけるエネルギー伝達を最適化し得る。特に、導管モジュール各々の材料を調整することによって、伝熱特性、ひいては伝達されるエネルギーを導管モジュール各々に対して調整することができる。
【0033】
随意に、第1の材料および/または第2の材料は、鋼および/またはニッケル合金もしくはアルミニウム合金などの合金材料を含み得る。
【0034】
随意に、第1の導管モジュールは入口および出口を備え、第2の導管モジュールは入口および出口を備え、第1の導管モジュールの入口は、熱交換器の半径方向に第1の導管モジュールの出口から離間され、第2の導管モジュールの入口は、熱交換器の半径方向に第2の導管モジュールの出口から離間される。
【0035】
随意に、第1の導管モジュールの入口は、第1の導管モジュールの出口よりも熱交換器の半径方向中心の近くに離間され、第2の導管モジュールの入口は、第2の導管モジュールの出口よりも熱交換器の半径方向中心の近くに離間される。
【0036】
随意に、第1の導管モジュールの出口は、第1の導管モジュールの入口よりも熱交換器の半径方向中心の近くに離間され、第2の導管モジュールの出口は、第2の導管モジュールの入口よりも熱交換器の半径方向中心の近くに離間される。
【0037】
随意に、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールのうちの一方の出口は、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールのうちの同じ一方の入口よりも熱交換器の半径方向中心の近くに離間され、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールのうちの他方の入口は、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールのうちの同じ他方の出口よりも熱交換器の半径方向中心の近くに離間される。
【0038】
随意に、第1の導管モジュールは入口および出口を備え、第2の導管モジュールは入口および出口を備え、第1の導管モジュールの入口は、熱交換器の半径方向に第2の導管モジュールの入口から離間され、第1の導管モジュールの出口は、熱交換器の半径方向に第2の導管モジュールの出口から離間される。
【0039】
随意に、第1の導管モジュールの入口は、熱交換器の半径方向に沿って第2の導管モジュールの入口と同じ半径方向距離に配置され、第1の導管モジュールの出口は、熱交換器の半径方向に第2の導管モジュールの出口から離間される。
【0040】
随意に、第1の導管モジュールの出口は、熱交換器の半径方向に沿って第2の導管モジュールの出口と同じ半径方向距離に配置され、第1の導管モジュールの入口は、熱交換器の半径方向に第2の導管モジュールの入口から離間される。
【0041】
随意に、第1の導管モジュールの入口は、熱交換器の半径方向に第2の導管モジュールの入口から離間され、第1の導管モジュールの出口は、熱交換器の半径方向に第2の導管モジュールの出口から離間される。
【0042】
随意に、第1の導管モジュールは、第2の導管モジュールよりも長い長さを有し得る。
【0043】
随意に、第2の導管モジュールは、第1の導管モジュールよりも長い長さを有し得る。
【0044】
有利には、このような熱交換器は、第1の流体および第2の流体の入口温度および出口温度を最適化(熱交換器の設計段階において)し得る。特に、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールの各々のそれぞれの入口および/または出口を熱交換器の半径方向に沿って異なる位置に位置決めすることにより、第1の流体および第2の流体がそれぞれ第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュール内に含まれるときの第1の流体および第2の流体の入口温度および出口温度を調整して、熱交換器の有効性を最適化することができる。さらに、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールの各々のそれぞれの入口および/または出口を熱交換器の半径方向に沿って異なる位置に位置決めすることにより、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールの長さを調整して、熱交換器の有効性を最適化することができる。
【0045】
随意に、第2の導管モジュールは、第1の導管モジュールから実質的に熱的に隔離されるように配置される。
【0046】
随意に、第2の導管モジュールは、第2の導管モジュールが第1の導管モジュールに触れないように、第1の導管モジュールから離間して配置される。すなわち、第2の導管モジュールおよび第1の導管モジュールは、互いに直接接触しないように配置され得る。このことにより、第3の流体が第1の導管モジュールと第2の導管モジュールとの間および/またはその周囲に流入することができるようになる。
【0047】
随意に、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールは、第3の流体が第1の導管モジュールと第2の導管モジュールとの間および/またはその周囲に流入することができるように配置される。
【0048】
随意に、第1の流体流路の少なくとも一部が第1の導管モジュールと第2の導管モジュールとの間に延在し、そのことにより第3の流体が第1の導管モジュールと第2の導管モジュールとの間に流れることができる。
【0049】
有利には、第2の導管モジュールが第1の導管モジュールから離間されることで、第1の流体および第2の流体が互いに独立して第3の流体による熱伝達を受けることができるようになる。すなわち、第1の流体と第2の流体は、第3の流体によって別々に冷却され得る。さらに、第1の導管モジュールからの第2の導管モジュールの空間的分離は、高い冷却効率と合わせて第3の流体の小さい圧力降下を可能にし得る。
【0050】
随意に、熱交換器は、第3の流体と熱交換する第4の流体を流すための第3の導管モジュールをさらに備え、第3の導管モジュールは、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールから流体的に隔離され、第3の導管モジュールの少なくとも一部は、熱交換器の長手方向軸を中心として次第に広がるまたは窄まる経路に配置され、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールと入れ子状になる。
【0051】
随意に、第4の流体は、水、油、または冷媒のうちの1つである。
【0052】
随意に、第3の導管モジュールは、流体が第3の導管モジュールから第1の導管モジュールまたは第2の導管モジュールへと流入することができず、流体が第1の導管モジュールまたは第2の導管モジュールから第3の導管モジュールへと流入することができないように構成され得、その結果、第3の導管モジュールが第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールから流体的に隔離される。
【0053】
随意に、第3の導管モジュールは、第4の流体が第1の導管モジュールまたは第2の導管モジュールへと流入することができないように構成され得、その結果、第3の導管モジュールは、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールから流体的に隔離される。
【0054】
第4の流体は、第1の流体および/または第2の流体と異なる流体であり得る。
【0055】
随意に、第3の導管モジュールの少なくとも一部は、第3の螺旋経路をたどり得る。第3の螺旋経路は、複数の直線部および/または1つ以上の曲線部を含み得る。第3の螺旋経路は、円形または楕円形または多角形であり得る。
【0056】
随意に、第3の螺旋経路は、円形螺旋または正方形螺旋を含む。
【0057】
随意に、第3の螺旋経路は、円形、楕円形、正方形、三角形、五角形、六角形、または任意の他の多角形もしくは好適な2D形状であり得る。
【0058】
随意に、第3の導管モジュールは長さを有する。第3の導管モジュールの長さは、次第に広がるまたは窄まる経路で熱交換器の長手方向軸を中心として螺旋状になるまたは巻回するように構成され得る。
【0059】
随意に、第3の導管モジュールの長さは、熱交換器の長手方向軸または熱交換器の半径方向中心に次第に近づくようにまたはそこから離れるように構成され得る。
【0060】
随意に、第3の導管モジュールが第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールと入れ子状になるように、第3の螺旋経路は、第3の螺旋経路が第1の螺旋経路および第2の螺旋経路のうちの一方の内側に嵌合し、または第1の螺旋経路および第2の螺旋経路のうちの一方が第3の螺旋経路の内側に嵌合し得るように寸法決めおよび/または成形され得る。
【0061】
随意に、第3の導管モジュールが第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールと入れ子状になるように、第3の螺旋経路の少なくとも一部は、第1の螺旋経路および第2の螺旋経路のうちの一方の少なくとも一部の内側に嵌合するように配置され得、または第1の螺旋経路および第2の螺旋経路のうちの一方の少なくとも一部は、第3の螺旋経路の少なくとも一部の内側に嵌合するように配置され得る。
【0062】
随意に、第3の導管モジュールが第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールと入れ子状になるように、第3の螺旋経路は、第1の螺旋経路および第2の螺旋経路と同一平面内にあるように配置され得、前記平面は、熱交換器の長手方向軸に垂直である。
【0063】
随意に、第3の導管モジュールが第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールと入れ子状になるように、第3の螺旋経路は、第1の螺旋経路および/または第2の螺旋経路に隣接して配置され得る。
【0064】
随意に、第3の導管モジュールが第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールと入れ子状になるように、第3の導管モジュールは、第1の導管モジュールおよび/または第2の導管モジュールに隣接して配置され得る。
【0065】
随意に、第3の導管モジュールが第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールと入れ子状になるように、第3の導管モジュールの少なくとも一部は、第1の導管モジュールの少なくとも一部または第2の導管モジュールの少なくとも一部に隣接して配置され得る。
【0066】
随意に、第3の導管モジュールは内径および外径を有し、第3の導管モジュールの内径は第1の導管モジュールの内径と異なり、および/または第3の導管モジュールの内径は第2の導管モジュールの内径と異なり、および/または第3の導管モジュールの外径は第1の導管モジュールの外径と異なり、および/または第3の導管モジュールの外径は第2の導管モジュールの外径と異なる。
【0067】
第3の導管モジュールの内径および外径は、その管状部分に関係し得る。
【0068】
第3の導管モジュールの内径および外径は、その管状部分に沿って実質的に一定であり得、または変化(例えば、テーパ形状)し得る。
【0069】
第3の導管モジュールは、第1の材料および第2の材料のうちの一方または両方の材料とは異なる第3の材料を含み得る。
【0070】
第3の導管モジュールは、入口および出口を備え得、第3の導管モジュールの入口は、熱交換器の半径方向に第3の導管モジュールの出口から離間される。
【0071】
第3の導管モジュールの入口は、熱交換器の半径方向に第1の導管モジュールの入口および/または第2の導管モジュールの入口から離間され得、第3の導管モジュールの出口は、熱交換器の半径方向に第1の導管モジュールの出口および/または第2の導管モジュールの出口から離間され得る。
【0072】
有利には、このような熱交換器は、単一の熱交換器設備内で複数の流体を冷却および/または加熱することができるようにし得る。別個の導管モジュール内に供給される2つ、3つ、またはそれ以上の流体が存在する場合もある。単一の熱交換器設備は、有利には、それ以外の場合であれば複数の流体を冷却および/または加熱するために必要となる複数の個別ユニットよりも設置が容易であり、全体の体積が小さくなる。したがって、このような熱交換器のサイズおよび質量が低減され、空間および重量を節約する利点をもたらす。
【0073】
随意に、第3の導管モジュールは、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールから熱的に隔離される。
【0074】
随意に、第3の導管モジュールは、第3の導管モジュールが第1の導管モジュールまたは第2の導管モジュールに触れないように、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールから離間して配置される。すなわち、第3の導管モジュール、第2の導管モジュールおよび第1の導管モジュールは、互いに直接接触しないように配置され得る。このことにより、第3の流体が第1の導管モジュールと第2の導管モジュールと第3の導管モジュールとの間および/またはその周囲に流入することができるようになる。
【0075】
随意に、第1の導管モジュール、第2の導管モジュールおよび第3の導管モジュールは、第3の流体が第1の導管モジュールと第2の導管モジュールと第3の導管モジュールとの間および/またはその周囲に流入することができるように配置される。
【0076】
有利には、第3の導管モジュールが第2の導管モジュールおよび第1の導管モジュールから離間されることで、第4の流体、第1の流体および第2の流体が互いに独立して第3の流体による熱伝達を受けることができるようになる。すなわち、第4の流体、第1の流体および第2の流体は、第3の流体によって別々に冷却され得る。さらに、第2の導管モジュールおよび第1の導管モジュールからの第3の導管モジュールの空間的分離は、高い冷却効率と合わせて第3の流体の小さい圧力降下を可能にし得る。
【0077】
随意に、熱交換器は、第3の流体と熱交換する1つ以上の追加の流体を流すための1つ以上の追加の導管モジュールをさらに備え、1つ以上の追加の導管モジュールは、第1の導管モジュール、第2の導管モジュールおよび第3の導管モジュールから流体的に隔離され、追加の導管モジュールの各々の少なくとも一部は、熱交換器の長手方向軸を中心として次第に広がるまたは窄まるそれぞれの経路に配置される。例えば、熱交換器は、第1の導管モジュール、第2の導管モジュール、および第3の導管モジュールに加えて、n個の追加の導管モジュールをさらに備え得、そのことにより熱交換器はn+3個の流体と第3の流体との熱交換を行うように構成される。ここで、nは1以上の整数である。
【0078】
随意に、1つ以上の追加の導管モジュールは、第1の導管モジュール、第2の導管モジュールおよび第3の導管モジュールから熱的に隔離される。
【0079】
随意に、1つ以上の追加の導管モジュールは、1つ以上の追加の導管モジュールが第1の導管モジュール、第2の導管モジュールまたは第3の導管モジュールに触れないように、第1の導管モジュール、第2の導管モジュールおよび第3の導管モジュールから離間して配置される。すなわち、1つ以上の追加の導管モジュール、第3の導管モジュール、第2の導管モジュールおよび第1の導管モジュールは、互いに直接接触しないように配置され得る。このことにより、第3の流体が第1の導管モジュールと第2の導管モジュールと第3の導管モジュールと1つ以上の追加の導管モジュールとの間および/またはその周囲に流入することができるようになる。
【0080】
随意に、第1の導管モジュール、第2の導管モジュール、第3の導管モジュールおよび1つ以上の追加の導管モジュールは、第3の流体が第1の導管モジュールと第2の導管モジュールと第3の導管モジュールと1つ以上の追加の導管モジュールとの間および/またはその周囲に流入することができるように配置される。
【0081】
有利には、1つ以上の追加の導管モジュールが第3の導管モジュール、第2の導管モジュールおよび第1の導管モジュールから離間されることで、1つ以上の追加の流体、第4の流体、第1の流体および第2の流体が互いに独立して第3の流体による熱伝達を受けることができるようになる。すなわち、1つ以上の追加の流体、第4の流体、第1の流体および第2の流体は、第3の流体によって別々に冷却され得る。さらに、第3の導管モジュール、第2の導管モジュールおよび第1の導管モジュールからの1つ以上の追加の導管モジュールの空間的分離は、高い冷却効率と合わせて第3の流体の小さい圧力降下を可能にし得る。
【0082】
次第に広がるまたは窄まる経路は、典型的には、各々の導管モジュールのそれぞれの経路の長さに沿っている。このようにして、それぞれの導管モジュールの経路は、それぞれの導管モジュールの部分の末端部分よりも開始部分において熱交換器の長手方向軸からより近くまたはより遠くに離間される。
【0083】
随意に、第1の導管モジュールは、それぞれが熱交換器の長手方向軸を中心として次第に広がるまたは窄まるそれぞれの経路で巻回され、それぞれが熱交換器の長手方向に沿って列をなして互いに離間された複数の第1の管を備え、第2の導管モジュールは、それぞれが熱交換器の長手方向軸を中心として次第に広がるまたは窄まるそれぞれの経路で巻回され、それぞれが熱交換器の長手方向に沿って列をなして互いに離間された複数の第2の管を備える。
【0084】
随意に、複数の第1の管は、その第1の端部で第1の導管モジュールの入口ヘッダに接続され、複数の第1の管は、その第2の端部で第1の導管モジュールの出口ヘッダに接続される。
【0085】
随意に、複数の第2の管は、その第1の端部で第2の導管モジュールの入口ヘッダに接続され、複数の第2の管は、その第2の端部で第2の導管モジュールの出口ヘッダに接続される。
【0086】
随意に、第1の導管モジュールの入口ヘッダ、第1の導管モジュールの出口ヘッダ、第2の導管モジュールの入口ヘッダ、および第2の導管モジュールの出口ヘッダはそれぞれ、実質的に熱交換器の長手方向に延在する。
【0087】
随意に、複数の第1の管は、真空ろう付け、浸漬ろう付けおよび接着剤、または任意の他の好適な接合方法のうちの1つ以上によって、第1の導管モジュールの入口ヘッダおよび第1の導管モジュールの出口ヘッダに接続される。
【0088】
随意に、複数の第2の管は、真空ろう付け、浸漬ろう付けおよび接着剤、または任意の他の好適な接合方法のうちの1つ以上によって、第2の導管モジュールの入口ヘッダおよび第2の導管モジュールの出口ヘッダに接続される。
【0089】
随意に、第1の導管モジュールの入口ヘッダは、複数の第1の管の各々の入口端部と流体連通し得る。
【0090】
随意に、第1の導管モジュールの出口ヘッダは、複数の第1の管の各々の出口端部と流体連通し得る。
【0091】
随意に、第2の導管モジュールの入口ヘッダは、複数の第2の管の各々の入口端部と流体連通し得る。
【0092】
随意に、第2の導管モジュールの出口ヘッダは、複数の第2の管の各々の出口端部と流体連通し得る。
【0093】
随意に、複数の第1の管および複数の第2の管はそれぞれ、熱交換器の長手方向に沿って離間された約10~1000列、例えば、約70~100列で配置される。随意に、複数の第1の管および複数の第2の管は、約1~40の列をなして配置され、すなわち各列に約1~40本の管を有し、例えば、各列に4本の管を有する。
【0094】
随意に、第3の導管モジュールは、それぞれが熱交換器の長手方向軸を中心として次第に広がるまたは窄まるそれぞれの経路で巻回され、それぞれが熱交換器の長手方向に沿って列をなして互いに離間された複数の第3の管を備え得る。
【0095】
随意に、複数の第3の管は、その第1の端部で第3の導管モジュールの入口ヘッダに接続され、複数の第3の管は、その第2の端部で第3の導管モジュールの出口ヘッダに接続される。
【0096】
随意に、第3の導管モジュールの入口ヘッダおよび第3の導管モジュールの出口ヘッダはそれぞれ、実質的に熱交換器の長手方向に延在する。
【0097】
随意に、複数の第3の管は、真空ろう付け、浸漬ろう付けおよび接着剤、または任意の他の好適な接合方法のうちの1つ以上によって、第3の導管モジュールの入口ヘッダおよび第3の導管モジュールの出口ヘッダに接続される。
【0098】
随意に、第3の導管モジュールの入口ヘッダは、複数の第3の管のそれぞれの入口端部と流体連通し得る。
【0099】
随意に、第3の導管モジュールの出口ヘッダは、複数の第3の管のそれぞれの出口端部と流体連通し得る。
【0100】
随意に、複数の第3の管はそれぞれ、熱交換器の長手方向に沿って離間された約10~1000列、例えば、約70~100列に配置される。随意に、複数の第3の管は、約1~40の列をなして配置され、すなわち各列に約1~40本の管を有し、例えば、各列に4本の管を有する。
【0101】
随意に、熱交換器は、複数の第1の導管モジュールおよび複数の第2の導管モジュールを備え、複数の第1の導管モジュールの各々の少なくとも一部および複数の第2の導管モジュールの各々の少なくとも一部は、交互に互いに入れ子状になる。
【0102】
このような熱交換器は、有利には、単一の熱交換器設備内で複数の流体を冷却および/または加熱することができるようにし得る。単一の熱交換器設備は、有利には、それ以外の場合であれば複数の流体を冷却および/または加熱するために必要となる複数の個別ユニットよりも設置が容易であり、全体の体積が小さくなる。したがって、本開示の第1の態様の熱交換器は、サイズおよび質量が低減され、空間および重量を節約する利益をもたらす熱交換器となる。
【0103】
随意に、複数の第2の導管モジュールは、複数の第1の導管モジュールから実質的に熱的に隔離されるように配置される。
【0104】
随意に、複数の第1の導管モジュールの各々は、互いに離間するように配置され、複数の第2の導管モジュールの各々は、互いに離間するように配置される。すなわち、複数の第1の導管モジュールの各々は、互いに触れ合わないように配置され得、複数の第2の導管モジュールの各々は、互いに触れ合わないように配置され得る。すなわち、複数の第1の導管モジュールの各々は、互いに直接接触しないように配置され得、複数の第2の導管モジュールの各々は、互いに直接接触しないように配置され得る。このことにより、第3の流体が複数の第1の導管モジュールと複数の第2の導管モジュールとの間および/またはその周囲に流入することができるようになる。
【0105】
随意に、複数の第1の導管モジュールおよび複数の第2の導管モジュールは、第3の流体が複数の第1の導管モジュールと複数の第2の導管モジュールとの間および/またはその周囲に流入することができるように配置される。
【0106】
随意に、複数の第1の導管モジュールおよび複数の第2の導管モジュールは、それぞれの入口および出口が互いに対して角度を成して離間されるように配向される。
【0107】
随意に、一例として、6つの第1の導管モジュールおよび3つまたは4つの第2の導管モジュールが存在し得る。第1の流体は水であり得、第2の流体は油であり得る。
【0108】
有利には、このような熱交換器は、第3の流体のための第1の流体流路における流れの均一性を向上させることができる。特に、より多くの導管モジュールがそれぞれの入口および出口に対する角度/周方向位置に配置され得、この位置では、第3の流体のための第1の流体流路においてより大きな駆動圧力差が得られる。有利には、このことにより、結果として流れ案内が必要でないので、複雑さおよび質量が低減された熱交換器が得られる。
【0109】
随意に、熱交換器は、複数の第3の導管モジュールをさらに備え、複数の第3の導管モジュールの各々の少なくとも一部は、複数の第1の導管モジュールの各々の少なくとも一部および複数の第2の導管モジュールの各々の少なくとも一部と入れ子状になる。
【0110】
随意に、複数の第1の導管モジュールおよび複数の第2の導管モジュールおよび複数の第3の導管モジュールは、それぞれの入口および出口が互いに対して角度を成して離間されるように配向される。
【0111】
随意に、熱交換器の半径方向に見たときに、複数の第1の導管モジュールのうちの1つの少なくとも一部は、複数の第1の導管モジュールの別の1つの少なくとも一部に隣接して配置された複数の第2の導管モジュールのうちの1つの少なくとも一部に隣接して配置される。
【0112】
随意に、熱交換器の半径方向に見たときに、複数の第2の導管モジュールのうちの1つの少なくとも一部は、複数の第2の導管モジュールの別の1つの少なくとも一部に隣接して配置された複数の第1の導管モジュールのうちの1つの少なくとも一部に隣接して配置される。
【0113】
随意に、熱交換器の半径方向に見たときに、複数の第3の導管モジュールのうちの1つの少なくとも一部は、複数の第1の導管モジュールのうちの1つ以上の第2の導管モジュールのうちの1つの少なくとも一部に隣接して配置され、この部分は、複数の第1の導管モジュールの別の1つ以上の第2の導管モジュールの別の1つ以上の第3の導管モジュールの別の1つの少なくとも一部に隣接して配置される。
【0114】
随意に、熱交換器を設計するときに、複数の第1の導管モジュールの数、および/または複数の第2の導管モジュールの数、および/または複数の第3の導管モジュールの数は、第1の導管モジュール、第2の導管モジュール、第3の導管モジュール、および/または第1の流体流路に収容される流体に応じて選択され得る。
【0115】
随意に、熱交換器は、第1の導管モジュールの各々の入口と流体連通する第1の入口マニホールドと、複数の第1の導管モジュールの各々の出口と流体連通する第1の出口マニホールドと、複数の第2の導管モジュールの各々の入口と流体連通する第2の入口マニホールドと、複数の第2の導管モジュールの各々の出口と流体連通する第2の出口マニホールドとをさらに備える。
【0116】
このような熱交換器では、第1の導管モジュールの各々が第2の導管モジュールの各々から流体的に隔離される。
【0117】
随意に、第1の入口マニホールド、第1の出口マニホールド、第2の入口マニホールドおよび第2の出口マニホールドの各々は、環状形状である。
【0118】
随意に、第1の入口マニホールド、第1の出口マニホールド、第2の入口マニホールドおよび第2の出口マニホールドの各々は、リングマニホールドであり得る。
【0119】
随意に、熱交換器は、第3の導管モジュールの各々の入口と流体連通する第3の入口マニホールドと、複数の第3の導管モジュールの各々の出口と流体連通する第3の出口マニホールドとをさらに備える。
【0120】
随意に、第3の入口マニホールドおよび第3の出口マニホールドの各々は、環状形状である。
【0121】
随意に、第3の入口マニホールドおよび第3の出口マニホールドの各々は、リングマニホールドであり得る。
【0122】
随意に、熱交換器は、第1の導管モジュールおよび/または第2の導管モジュール内に配置された1つ以上の弁をさらに備え、1つ以上の弁は、第1の導管モジュール内の第1の流体の流れおよび/または第2の導管モジュール内の第2の流体の流れを選択的に逆転させる、停止させる、または変更するように構成される。
【0123】
随意に、熱交換器は、第3の導管モジュール内に配置された1つ以上の弁をさらに備え、1つ以上の弁は、第3の導管モジュール内の第1の流体の流れを選択的に逆転させる、停止させる、または変更するように構成される。
【0124】
有利には、このような熱交換器は、いくつかの別個のモードで動作するように構成され得、各モードにおいて、第1の流体、第2の流体、および第3の流体のうちの1つ以上の流体の流れが逆転ならびに/もしくは変更され得、および/または第1の流体ならびに第2の流体のうちの一方の流体の流れがさらに停止され得る。このことは、第1の導管モジュール、第2の導管モジュール、および/または第1の流体流路内の熱伝達を変更するか、さらには逆転させ得る。有利には、このようなモードを使用すれば、このような熱交換器は、第1の流体、第2の流体、および第3の流体の温度および特性に応じて、同じモードまたは異なるモードにおいて、ある所望の流体の冷却および/または加熱の両方を行うことができる。例えば、このような熱交換器は、同じ小型熱交換器内で別個の流体を別々に加熱および冷却することができる。さらに、このようなモードを使用すれば、このような熱交換器は、有利には、導管モジュール上および/または導管モジュール内の着霜の制御および/または低減および/または排除を行うことができる。有利には、このような熱交換器はさらに、導管モジュール内の流体の凝結および/または凍結を低減または完全に回避し得る。
【0125】
随意に、第1の流体は水、油または冷媒のうちの1つであり、第2の流体は水、油または冷媒のうちの別の1つであり、第3の流体は空気である。
【0126】
有利には、このような熱交換器は、例えば、水を使用して流入空気を加熱し、冷媒を使用して空気を冷却するように、暖房、換気および空調システムにおいて使用され得る。
【0127】
随意に、第1の導管モジュールは第1の流体を収容し、第2の導管モジュールは第3の流体を収容し、第1の流体流路は第3の流体を収容する。
【0128】
随意に、熱交換器の動作/使用中および/または動作/使用後に、複数の第1の導管モジュールのうちの1つ以上は第1の流体を含み得、複数の第2の導管モジュールのうちの1つ以上は第2の流体を含み得、第1の流体流路は第3の流体を含み得、および/または複数の第3の導管モジュールのうちの1つ以上は第4の流体を含み得る。
【0129】
本開示の第2の態様によれば、随意の特徴の有無にかかわらず本開示の第1の態様による熱交換器を備える、航空機、飛行機、または自動車などの車両が提供される。
【0130】
本開示の第3の態様によれば、随意の特徴の有無にかかわらず本開示の第1の態様による熱交換器の動作方法であって、
第1の流体を第1の導管モジュールを通って流れさせ、第2の流体を第2の導管モジュールを通って流れさせ、第3の流体を第1の流体流路を通って流れさせることによって、第1の流体を加熱もしくは冷却し、第2の流体を加熱もしくは冷却することを含む動作方法が提供される。
【0131】
このような方法は、有利には、単一の熱交換器設備内で複数の流体を冷却および/または加熱することができるようにし得る。単一の熱交換器設備は、有利には、それ以外の場合であれば複数の流体を冷却および/または加熱するために必要となる複数の個別ユニットよりも設置が容易であり、全体の体積が小さくなる。したがって、本開示の第3の態様による方法は、サイズおよび質量が低減され、空間および重量の節約利益をもたらす熱交換器を提供する。
【0132】
さらに、このような方法は、熱交換器内の各々の流体の有効性および温度を調整するための高い自由度を提供し得る。
【0133】
さらに、このような方法では、第3の流体の圧力降下は、第3の流体の流れを複数の個々の熱交換器を通って案内しなければならない場合よりも小さくなり得る。
【0134】
加えて、このような方法は、導管モジュール内の流体の凝結および/または凍結を低減または完全に回避し得る。
【0135】
さらに、このような方法は、各導管モジュールの形状および位置を調整することができるようにし、有利には、(熱交換器の設計段階において)非常に高度な最適化を提供すると同時に、熱交換器の高い有効性を維持する。したがって、熱交換器は、広範囲の用途にわたって熱交換器を最適化するために高い自由度を提供する。
【0136】
随意に、該方法は、第3の流体を第1の流体流路を通って流れさせるための手段を提供することを含む。
【0137】
随意に、第3の流体を第1の流体流路を通って流れさせるための手段は、ファン、ポンプ、または他の好適な手段を備える。
【0138】
随意に、該方法は、第1の導管モジュール、第2の導管モジュール、および第1の流体流路のうちの1つ以上における流れの方向を逆転させるまたは変更することをさらに含む。
【0139】
随意に、該方法は、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールのうちの一方における流れを停止させる一方で、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールのうちの他方における流れを維持し、その後、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールのうちの前記一方における流れを開始させることをさらに含む。
【0140】
随意に、該方法は、熱交換器を1つ以上の動作モードで動作させることをさらに含み、動作モードのうちの少なくとも1つにおいて、第1の導管モジュール、第2の導管モジュール、および第1の流体流路のうちの1つ以上における流れが逆転または変更され得、および/または第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールのうちの一方における流れが停止され得る。
【0141】
有利には、このような方法は、いくつかの別個のモードで動作するように構成される熱交換器を提供することができ、各モードにおいて、第1の流体、第2の流体、および第3の流体のうちの1つ以上の流体の流れが逆転ならびに/もしくは変更され得、および/または第1の流体ならびに第2の流体のうちの一方の流体の流れがさらに停止され得る。このことは、第1の導管モジュール、第2の導管モジュール、および/または第1の流体流路内の熱伝達を変更するか、さらには逆転させ得る。有利には、このような熱交換器のモードを使用すれば、このような方法は、第1の流体、第2の流体、および第3の流体の温度および特性に応じて、同じモードまたは異なるモードにおいて、ある所望の流体の冷却および/または加熱の両方を行うことができる。例えば、このような方法は、同じ小型熱交換器内で別個の流体を別々に加熱および冷却することができるようにし得る。さらに、このような方法を使用すれば、熱交換器は、有利には、導管モジュール上および/または導管モジュール内の着霜の制御および/または低減および/または排除を行うことができる。有利には、このような方法はさらに、導管モジュール内の流体の凝結および/または凍結を低減または完全に回避し得る。
【0142】
本開示は、様々な方法で実施され得るが、本開示の実施形態について、例として添付図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0143】
図1A】先行技術の図1Bの熱交換器について、熱交換器を通過する距離に対してプロットされた流体温度のグラフである。
図1B】先行技術の直列配置された熱交換器を示す図である。
図2A】先行技術の図2Bの熱交換器について、熱交換器を通過する距離に対してプロットされた流体温度のグラフである。
図2B】先行技術の並列配置された熱交換器を示す図である。
図3】先行技術の熱交換器装置を示す図である。
図4】先行技術の図3の熱交換器装置の螺旋導管の簡略平面図である。
図5】先行技術の図3の熱交換器装置の一部の詳細等角図である。
図6】先行技術の図4の螺旋導管の等角図である。
図7A図7Bの熱交換器について、熱交換器を通過する距離に対してプロットされた流体温度のグラフである。
図7B】熱交換器の概略平面図である。
図8】複数の第1の導管および複数の第2の導管の概略平面図である。
図9A】正方形の螺旋経路の概略平面図である。
図9B】円形の螺旋経路の概略平面図である。
図9C】多角形の螺旋経路の概略平面図である。
図10A図10Bの熱交換器について、熱交換器を通過する距離に対してプロットされた流体温度のグラフである。
図10B】熱交換器の概略平面図である。
図11A図11Bの熱交換器について、熱交換器を通過する距離に対してプロットされた流体温度のグラフである。
図11B】熱交換器の概略平面図である。
図12A図12Bの熱交換器について、熱交換器を通過する距離に対してプロットされた流体温度のグラフである。
図12B】熱交換器の概略平面図である。
図13A図13Bの熱交換器について、熱交換器を通過する距離に対してプロットされた流体温度のグラフである。
図13B】熱交換器の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0144】
自動車用途では、一例として、共通の空気ダクト内で複数の流体を冷却する必要がある。従来、これは、図1Bおよび図2Bにそれぞれ示されるように、直列配置または並列配置の熱交換器を使用して行われる。図1Bに示される例示的な配置は、第1の熱交換器モジュール1および第2の熱交換器モジュール2の表面を流れる空気流3を使用して、第1の熱交換器モジュール1内の水および第2の熱交換器モジュール2内の油を冷却するために使用される。第1および第2の熱交換器モジュール1、2は、空気流3がまず第2の熱交換器モジュール2を通って流れ、次いで第1の熱交換器モジュール1を通って流れるように、直列に配置される。図1Bに示される例示的な配置では、図1Aに示されるように、冷却空気によってアプローチ温度に近い温度を達成することができず、性能が制限される。
【0145】
また図2Bに示される例示的な配置も同様に、第1の熱交換器モジュール1および第2の熱交換器モジュール2の表面を流れる空気流3を使用して、第1の熱交換器モジュール1内の水および第2の熱交換器モジュール2内の油を冷却するために使用される。第1および第2の熱交換器モジュール1、2は、空気流3が第1および第2の熱交換器モジュール1、2の両方に同時にぶつかるように並列に配置される。図2Bに示される例示的な配置では、熱交換器装置の前面面積を2倍にする必要があり、性能が制限される。図2Aは、図3Bの熱交換器配置において第1の熱交換器モジュール1内の水および第2の熱交換器モジュール2内の油に対する空気流3の冷却効果を示す。
【0146】
図3は、英国特許第2519147号明細書に記載されている熱交換器装置4の平面図である。熱交換器装置4は、複数の螺旋導管モジュール5a、5b、5cなどを備え、その各々が入口6a、6b、6cなど、および出口7a、7b、7cなどを有する。入口6aおよび出口7aを有する螺旋導管モジュール5aのうちの1つの簡略化した平面図が図4に示されている。螺旋導管モジュール5a、5b、5cなどは、互いに入れ子状になり、それらのそれぞれの入口6a、6b、6cなど、およびそれらのそれぞれの出口7a、7b、7cなどが互いに対して角度を成して離間されるように配向される。入口6a、6b、6cなどの各々は互いに流体連通し、出口7a、7b、7cなどの各々は互いに流体連通し、螺旋導管モジュール5a、5b、5cなどの各々は互いに流体連通する。すなわち、螺旋導管モジュール5a、5b、5cなどの全ては、同じ流体を収容するように構成される。
【0147】
図6は、図4に示される螺旋導管モジュール5aの等角図である。螺旋導管モジュール5aは、複数の管8を含む。複数の管8は、図5に示されるように、熱交換器の長手方向に沿って列をなして互いから離間される。
【0148】
図7Bは、本開示の熱交換器9の概略平面図である。熱交換器9は、第1の流体を流すための第1の導管モジュール10aと、第2の流体を流すための第2の導管モジュール11aとを備える。第2の導管モジュール11aは、第1の導管モジュール10aから流体的に隔離される。用途に応じて、第1の流体は第2の流体と異なり得る。第1の流体、第2の流体および第3の流体は、用途に応じて、熱交換器の設計段階において選択され得る。
【0149】
第1の流体および第2の流体と熱交換する第3の流体を流すための第1の流体流路12は、熱交換器9の実質的に半径方向r13に延在する。図7Bに示される例では、第1の流体流路12は、半径方向外向きに流れるように示されている。しかしながら、第1の流体流路12は、半径方向内向きに、すなわち図7Bに示されている方向とは反対方向に流れるように構成され得ることも想定される。図7Bに示される例では、熱交換器9の長手方向14に垂直な平面において、熱交換器9は実質的に円形である。しかしながら、熱交換器9は、例えば正方形などの任意の他の形状であり得ることが想定される。熱交換器9は長手方向軸14を有しており、この長手方向軸14は、図7Bでは紙面に向かって示されている。長手方向軸14は、半径方向r13対して実質的に垂直である。
【0150】
第1の導管モジュール10aの少なくとも一部および第2の導管モジュール11aの少なくとも一部はそれぞれ、熱交換器9の長手方向軸14を中心として次第に広がるまたは窄まるそれぞれの経路に配置される。すなわち、第1の導管モジュール10aおよび第2の導管モジュール11aの各々は、長さを有する。第1の導管モジュール10aおよび第2の導管モジュール11aのそれぞれの長さは、第1の導管モジュール10aおよび第2の導管モジュール11aが次第に広がるまたは窄まる経路で長手方向軸14を中心として螺旋状になる/巻回するように構成される。すなわち、第1の導管モジュール10aおよび第2の導管モジュール11aはそれぞれ、熱交換器9の長手方向軸14または半径方向中心(図7Bにおいて長手方向軸14の位置を示す「X」の位置にマークされている)に次第に近づくまたは離れるように配置される。図7Bに示される例では、第1の導管モジュール10aの少なくとも一部は、第1の導管モジュール10aの長さに沿って第1の螺旋経路をたどり、第2の導管モジュール11aの少なくとも一部は、第2の導管モジュール11aの長さに沿って第2の螺旋経路をたどる。第1の螺旋経路は、1つの湾曲部を含み、円形螺旋経路であり、さらに第2の螺旋経路も、1つの湾曲部を含み、円形螺旋経路である。しかしながら、第1の螺旋経路および第2の螺旋経路は、任意の他の形状を含み得ることが想定される。例えば、第1の螺旋経路および第2の螺旋経路はそれぞれ、複数の直線部および/または1つ以上の曲線部を備え得る。図8は、第1の導管モジュール19aおよび第2の導管モジュール19bを備えるこのような構成例を示し、第1の導管モジュール19aの少なくとも一部および第2の導管モジュール20aの少なくとも一部は、それぞれ第1の螺旋経路および第2の螺旋経路をたどる。第1の螺旋経路および第2の螺旋経路はそれぞれ、複数の直線部を備える。
【0151】
さらなる例として、第1の螺旋経路および/または第2の螺旋経路は、円形、楕円形、正方形、三角形、五角形、六角形、または任意の他の多角形もしくは好適な2D形状であり得る。図9Aは、例示的な正方形螺旋経路を示す。図9Bは、例示的な円形螺旋経路を示す。図9Cは、例示的な六角形螺旋経路を示す。
【0152】
図7Bに戻ると、第1の導管モジュール10aおよび第2の導管モジュール11aは、互いに入れ子状になる。第1の導管モジュール10aおよび第2の導管モジュール11a、それに応じて第1の螺旋経路および第2の螺旋経路は、同一平面内にあり、前記平面は熱交換器9の長手方向軸14に垂直である。第1の導管モジュール10aおよび第2の導管モジュール11aそれぞれがたどる第1の螺旋経路および第2の螺旋経路は、互いに隣接して配置される。したがって、熱交換器9の半径方向r13に見たときに、第1の導管モジュール10aの少なくとも一部は、第2の導管モジュール10bの少なくとも一部に隣接して配置される。図8は、第1の螺旋経路および第2の螺旋経路が複数の直線部含み、第1の導管部19aおよび第2の導管部20aが互いに入れ子状になる別の例を示す。
【0153】
このような熱交換器は、有利には、単一の熱交換器設備において複数の流体を冷却および/または加熱することができるようにする。単一の熱交換器設備は、有利には、それ以外の場合であれば複数の流体を冷却および/または加熱するために必要となる複数の個別ユニットよりも設置が容易であり、全体体積が小さくなる。したがって、このような熱交換器のサイズおよび質量が低減され、空間および重量を節約する利点をもたらす。さらに、このような熱交換器は、熱交換器内の各々の流体の有効性および温度を調整するための高い自由度を提供する。さらに、このような熱交換器では、第3の流体の圧力降下は、第3の流体の流れを複数の個々の熱交換器を通って案内しなければならない場合よりも小さくなり得る。加えて、このような熱交換器は、導管モジュール内の流体の凝結および/または凍結を低減または完全に回避し得る。さらに、このような熱交換器は、熱交換器の設計段階において各導管モジュールの形状および位置を調整することができるようにし、有利には、熱交換器の設計段階において非常に高度な最適化を提供すると同時に、熱交換器の高い有効性を維持する。したがって、熱交換器は、広範囲の用途にわたって熱交換器の設計を最適化するために高い自由度を提供する。
【0154】
再び図7Bを参照すると、第1の導管モジュール10aは入口15aおよび出口16aを備え、第2の導管モジュール11aは入口17aおよび出口18aを備える。入口15aは、熱交換器9の半径方向r13に出口16aから離間される。入口15aは、出口16aよりも熱交換器9の半径方向中心の近くに配置される。しかしながら、入口15aおよび出口16aの半径方向位置は、出口16aが入口15aよりも熱交換器9の半径方向中心の近くに配置されるように逆にされ得ることが想定される。同様に、入口17aは、熱交換器9の半径方向r13に出口18aから離間される。入口17aは、出口18aよりも熱交換器9の半径方向中心の近くに配置される。しかしながら、入口17aおよび出口18aの半径方向位置は、出口18aが入口17aよりも熱交換器9の半径方向中心の近くに配置されるように逆にされ得ることが想定される。
【0155】
図7Aは、図7Bの熱交換器を通過する距離に対してプロットされた流体温度のグラフである。3つの曲線のそれぞれの矢印は、熱交換器のその距離を通過する第1の流体、第2の流体および第3の流体の流れの方向を表す。曲線は、図7Bの熱交換器を使用して達成され得る第1の流体、第2の流体、および第3の流体の温度プロファイル、特に、第1の流体、第2の流体、および第3の流体のそれぞれの入口温度および出口温度を示す(各曲線について、入口温度は、矢印の方向に対して後方の曲線の一端に示され、出口温度は、矢印が指し示す方向の前方の曲線の他端に示されている)。
【0156】
図8に示される例では、第1の螺旋経路および第2の螺旋経路はそれぞれ複数の直線部を含み、第1の導管モジュール19aは入口21aおよび出口22aを有し、第2の導管モジュール20aは入口23aおよび出口24aを有する。入口21aは、出口22aよりも熱交換器の半径方向中心(図8の長手方向軸14の位置を示す「X」の位置にマークされている)から遠くに配置される。同様に、入口23aは、出口24aよりも熱交換器の半径方向中心から遠くに配置される。しかしながら、入口21aおよび出口22aの半径方向位置は逆にされ得ることが想定される。また、入口23aおよび出口24aの半径方向位置が逆にされ得ることも想定される。
【0157】
図7Bに戻ると、一例では、第1の導管モジュール10aの入口15aおよび第2の導管モジュール11aの入口17aは、熱交換器9の半径方向r13に沿って同じ半径方向距離に配置され、第1の導管モジュール10aの出口16aおよび第2の導管モジュール11aの出口18aは、熱交換器9の半径方向r13に沿って同じ半径方向距離に配置される。しかしながら、それぞれの導管モジュールの入口および出口の他の位置も想定可能である。特に、第1の導管モジュール10aの入口15aは、熱交換器9の半径方向r13において第2の導管モジュール11aの入口17aから離間され得、および/または第1の導管モジュール10aの出口16aは、熱交換器9の半径方向r13において第2の導管モジュール11aの出口18aから離間され得る。
【0158】
例えば、別の例示的な熱交換器の概略平面図である図10Bに示されるように、第1の導管モジュール10aの入口15aは、熱交換器9の半径方向r13に第2の導管モジュール11aの入口17aから離間される。第1の導管モジュール10aの入口15aは、第2の導管モジュール11aの入口17aよりも熱交換器の半径方向中心(図10Bの長手方向軸14の位置を示す「X」の位置にマークされている)の近くに配置される。第1の導管モジュール10aの出口16aおよび第2の導管モジュール11aの出口18aは、熱交換器9の半径方向r13に沿って同じ半径方向距離に配置される。このような構成では、第2の導管モジュール11aの長さは、第1の導管モジュール10aの長さよりも長い。すなわち、第2の螺旋経路は第1の螺旋経路よりも長く、第2の導管モジュール11aの長さの一部のみが第1の導管モジュール10aと入れ子状になる。図10Bに示される例では、第1の流体流路12は、半径方向外向きに流れるように示されている。しかしながら、第1の流体流路12は、半径方向内向きに、すなわち図10Bに示されている方向とは反対方向に流れるように構成され得ることも想定される。
【0159】
図10Aは、図10Bの熱交換器を通過する距離に対してプロットされた流体温度のグラフである。3つの曲線のそれぞれの矢印は、熱交換器のその距離を通過する第1の流体、第2の流体および第3の流体の流れの方向を表す。曲線は、図10Bの熱交換器を使用して達成され得る第1の流体、第2の流体、および第3の流体の温度プロファイル、特に、第1の流体、第2の流体、および第3の流体のそれぞれの入口温度および出口温度を示す(各曲線について、入口温度は、矢印の方向に対して後方の曲線の一端に示され、出口温度は、矢印が指し示す方向の前方の曲線の他端に示されている)。
【0160】
別の例が図11Bに示されており、第1の導管モジュール10aの入口15aおよび第2の導管モジュール11bの入口17aは、熱交換器9の半径方向r13に沿って同じ半径方向距離に配置される。第1の導管モジュール10aの出口16aは、熱交換器9の半径方向r13に第2の導管モジュール11aの出口18aから離間される。第1の導管モジュール10aの出口16aは、第2の導管モジュール11aの出口18aよりも熱交換器の半径方向中心(図11Bの長手方向軸14の位置を示す「X」の位置にマークされている)の近くに配置される。このような構成では、第1の導管モジュール10aの長さは、第2の導管モジュール11aの長さよりも長い。すなわち、第1の螺旋経路は第2の螺旋経路よりも長く、第1の導管モジュール10aの長さの一部のみが第2の導管モジュール11aと入れ子状になる。第1の導管モジュール10aの入口15aが熱交換器9の半径方向r13において第2の導管モジュール11aの入口17aから離間され得、さらに第1の導管モジュール10aの出口17aが熱交換器9の半径方向r13において第2の導管モジュール11aの出口19aから離間され得ることも想定される。図11Bに示される例では、第1の流体流路12は、半径方向外向きに流れるように示されている。しかしながら、第1の流体流路12は、半径方向内向きに、すなわち図11Bに示されている方向とは反対方向に流れるように構成され得ることも想定される。
【0161】
有利には、このような熱交換器は、第1の流体および第2の流体の入口温度および出口温度を最適化する。特に、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールの各々のそれぞれの入口および/または出口を熱交換器の半径方向に沿って異なる位置に位置決めすることにより、熱交換器の設計段階において、第1の流体および第2の流体がそれぞれ第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュール内に含まれるときの第1の流体および第2の流体の入口温度および出口温度を調整して、熱交換器の有効性を最適化することができる。さらに、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールの各々のそれぞれの入口および/または出口を熱交換器の半径方向に沿って異なる位置に位置決めすることにより、熱交換器の設計段階において、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールの長さを調整して、熱交換器の有効性を最適化することができる。
【0162】
図11Aは、図11Bの熱交換器を通過する距離に対してプロットされた流体温度のグラフである。3つの曲線のそれぞれの矢印は、熱交換器のその距離を通過する第1の流体、第2の流体および第3の流体の流れの方向を表す。曲線は、図11Bの熱交換器を使用して達成され得る第1の流体、第2の流体、および第3の流体の温度プロファイル、特に、第1の流体、第2の流体、および第3の流体のそれぞれの入口温度および出口温度を示す(各曲線について、入口温度は、矢印の方向に対して後方の曲線の一端に示され、出口温度は、矢印が指し示す方向の前方の曲線の他端に示されている)。
【0163】
図13Bに示される例では、熱交換器9は、第3の流体と熱交換する第4の流体を流すための第3の導管モジュール25aをさらに備える。第3の導管モジュール25aは、第1の導管モジュール10aおよび第2の導管モジュール11aから流体的に隔離される。図13Bに示される例では、第1の流体流路12は、半径方向外向きに流れるように示されている。しかしながら、第1の流体流路12は、半径方向内向きに、すなわち図13Bに示されている方向とは反対方向に流れるように構成され得ることも想定される。
【0164】
図13Aは、図13Bの熱交換器を通過する距離に対してプロットされた流体温度のグラフである。4つの曲線のそれぞれの矢印は、熱交換器のその距離を通過する第1の流体、第2の流体および第3の流体、および第4の流体の流れの方向を表す。曲線は、図13Bの熱交換器を使用して達成され得る第1の流体、第2の流体、第3の流体および第4の流体の温度プロファイル、特に、第1の流体、第2の流体、第3の流体および第4の流体のそれぞれの入口温度および出口温度を示す(各曲線について、入口温度は、矢印の方向に対して後方の曲線の一端に示され、出口温度は、矢印が指し示す方向の前方の曲線の他端に示されている)。
【0165】
第3の導管モジュール25aの少なくとも一部は、熱交換器9の長手方向軸14を中心として次第に広がるまたは窄まる経路に配置される。すなわち、第3の導管モジュール25aは長さを有する。第3の導管モジュール25aの長さは、第3の導管モジュール25aが次第に広がるまたは窄まる経路で長手方向軸14を中心として螺旋状になる/巻回するように構成される。すなわち、第3の導管モジュール25aは、熱交換器9の長手方向軸14または半径方向中心(図13Bにおいて長手方向軸14の位置を示す「X」の位置にマークされている)に次第に近づくまたは離れるように配置される。図13Bに示されるように、第3の導管モジュール25aの少なくとも一部は、第3の導管モジュール25aの長さに沿って第3の螺旋経路をたどる。第3の導管モジュール25aは、1つの湾曲部を含み、かつ円形螺旋経路である第3の螺旋経路をたどる。しかしながら、第3の螺旋経路は、任意の好適な形状を含み得ることが想定される。第3の導管モジュール25aの少なくとも一部は、第1の導管モジュール10aおよび第2の導管モジュール11aと入れ子状になる。
【0166】
有利には、このような熱交換器は、単一の熱交換器設備内で複数の流体、特に3つ以上の流体を冷却および/または加熱することができるようにする。単一の熱交換器設備は、有利には、それ以外の場合であれば複数の流体を冷却および/または加熱するために必要となる複数の個別ユニットよりも設置が容易であり、全体体積が小さくなる。したがって、このような熱交換器のサイズおよび質量が低減され、空間および重量を節約する利点をもたらす。
【0167】
ここで図5を参照すると、第1の導管モジュール10aは、複数の第1の管8を備え、第1の管8の各々は、次第に広がるまたは窄まる前記それぞれの経路で熱交換器9の長手方向軸14を中心として前記それぞれの経路の長さに沿って巻回される。すなわち、複数の第1の管8はそれぞれ、熱交換器9の長手方向軸14に対して次第に近づくまたは離れるように配置されたそれぞれの経路で熱交換器9の長手方向軸14を中心として巻回される。複数の第1の管8はそれぞれ、長手方向に沿って、すなわち、熱交換器9の長手方向軸14に対して実質的に平行な方向に沿って、列をなして互いに離間される。
【0168】
図5に示される例では、複数の第1の管8は、熱交換器の長手方向に沿って複数の列をなして配置される。明確にするために、図5では、1列の管8のみが設置されて示されており、3本の管8が列をなして示されている。しかしながら、各列に任意の数の管8が存在し得ることが想定される。複数の第1の管8の各々は、ろう付けプロセスによって入口ヘッダ100に接続される。しかしながら、例えば、真空ろう付け、浸漬ろう付け、および接着剤のうちの1つ以上の使用による、任意の好適な接合方法が使用され得ることが想定される。複数の第1の管8の一端の入口ヘッダ100は、複数の第1の管の各々の入口端と流体連通しており、入口端は、第1の導管セクション10aの入口15aと流体連通している。複数の第1の管7の他端(図示せず)のヘッダ(図示せず)は、複数の第1の管8の各々の出口端と流体連通しており、出口端は、第1の導管セクション10aの出口16aと流体連通している。
【0169】
同様に、第2の導管モジュール11aは、熱交換器9の長手方向に沿って列をなして互いに離間される複数の第2の管を備える。複数の第2の管も同様に、複数の第1の管に関して上述したレイアウトで、図5に示されているように配置される。同様に、第3の導管モジュール25aは、熱交換器9の長手方向に沿って列をなして互いに離間される複数の第3の管を備える。複数の第3の管も同様に、複数の第1の管に関して上述したレイアウトで、図5に示されているように配置される。
【0170】
図7B図10B図11B図12Bおよび図13Bに示されるように、熱交換器9は、複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dと、複数の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dと、を備える。複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dの各々の少なくとも一部および複数の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dの各々の少なくとも一部は、交互に互いに入れ子状になる。例示的な交互の入れ子状配置は、図7B図10B図11B図12B、および図13Bに示されている。
【0171】
このような熱交換器は、有利には、単一の熱交換器設備において複数の流体を冷却および/または加熱することができるようにする。単一の熱交換器設備は、有利には、それ以外の場合であれば複数の流体を冷却および/または加熱するために必要となる複数の個別ユニットよりも設置が容易であり、全体体積が小さくなる。したがって、このような熱交換器のサイズおよび質量が低減され、空間および重量を節約する利点をもたらす。
【0172】
一例として、例えば、図7B図10B図11B図12Bに示されるように、4本の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dと、4本の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dとが存在し得る。例えば、第1の流体が水であり、第2の流体が油である場合、6本の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dと、3本または4本の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dと、が存在し得る。これは、本発明者らが、油からよりも水からほぼ2倍多くの熱を排出することができることに注目したためであり、したがって、第1の導管モジュールおよび第2の導管モジュールの数は、熱交換器9の有効性を最適化するように選択され得る。しかしながら、熱交換器9は、1本よりも多い任意の数の第1の導管モジュールおよび1本よりも多い任意の数第2の導管モジュールを備え得ることが想定される。上述の例で説明されているように、第1の導管モジュールの数および第2の導管モジュールの数は、熱交換器9の有効性を最適化するために、第1の流体、第2の流体および第3の流体が何であるかに応じて選択され得る。
【0173】
有利には、このような熱交換器は、第3の流体のための第1の流体流路における流れの均一性を向上させる。特に、より多くの導管モジュールがそれぞれの入口および出口に対する角度/周方向位置に配置され得、この位置では、第3の流体のための第1の流体流路においてより大きな駆動圧力差が得られる。有利には、このことにより、結果として流れ案内が必要でなくなるので、複雑さおよび質量が低減された熱交換器が提供される。
【0174】
第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dはそれぞれ、入口15a、15b、15c、15dおよび出口16a、16b、16c、16dを有する。第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dはそれぞれ、入口17a、17b、17c、17dおよび出口18a、18b、18c、18dを有する。
【0175】
同様に、図8に示される例では、第1の導管モジュール19a、19bはそれぞれ、入口21a、21bおよび出口22a、22bを有し、第2の導管モジュール20a、20bはそれぞれ、入口23a、23bおよび出口24a、24bを有する。
【0176】
図13Bに示される例示的な熱交換器は、複数の第3の導管モジュール25a、25bを備える。複数の第3の導管モジュール25a、25bの各々の少なくとも一部は、複数の第1の導管10a、10b、10c、10dのうちの1つ以上および/または複数の第2の導管11a、11b、11c、11dのうちの1つ以上の少なくとも一部と交互に入れ子状になる。
【0177】
第3の導管モジュール25a、25bはそれぞれ、入口26a、26bおよび出口271および27bを有する。
【0178】
図7B図10B図11B図12Bおよび図13Bに示されるように、複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dおよび/または複数の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dおよび/または、存在する場合には複数の第3の導管モジュール25a、25bは、それぞれの入口および出口が互いに対して角度を成して離間されるように配向される。
【0179】
熱交換器9は、第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dの各々の入口15a、15b、15c、15dと流体連通する第1の入口マニホールド(図示せず)を備える。熱交換器9は、第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dの各々の入口17a、17b、17c、17dと流体連通する第2の入口マニホールド(図示せず)を備える。熱交換器9は、第3の導管モジュール15a、25bの各々の入口26a、26bと流体連通する第3の入口マニホールド(図示せず)を備える。熱交換器9は、第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dの各々の出口16a、15b、16c、16dと流体連通する第1の出口マニホールド(図示せず)を備える。熱交換器9は、第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dの各々の出口18a、18b、18c、18dと流体連通する第2の出口マニホールド(図示せず)を備える。熱交換器9は、第3の導管モジュール25a、25bの各々の出口27a、27bと流体連通する第3の出口マニホールド(図示せず)を備える。
【0180】
第1の入口マニホールド、第2の入口マニホールド、第3の入口マニホールド、第1の出口マニホールド、第2の出口マニホールド、および第3の出口マニホールドは、リングマニホールドである。第1の入口マニホールドおよび第1の出口マニホールドは、第2の入口マニホールド、第2の出口マニホールド、第3の入口マニホールド、および第3の出口マニホールドから流体的に隔離され、第2の入口マニホールドおよび第2の出口マニホールドは、第3の入口マニホールドおよび第3の出口マニホールドから流体的に隔離され、その結果、複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dは、複数の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dおよび複数の第3の導管モジュール25a、25bから流体的に隔離され、複数の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dは、複数の第3の導管モジュール25a、25bから流体的に隔離される。
【0181】
複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dのそれぞれ、複数の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dのそれぞれ、および複数の第3の導管モジュール25a、25bのそれぞれは、内径および外径を含む。具体的には、複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dのそれぞれ、複数の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dのそれぞれ、および複数の第3の導管モジュール25a、25bのそれぞれの複数の管8のそれぞれは、内径および外径を含む。第1の導管モジュール10a、10b、10c、10d、第2の導管モジュール11a、11b、11c、11d、および第3の導管モジュール25a、25bのそれぞれの複数の管の内径および/または外径および/または壁厚は、熱交換器の設計段階で、導管モジュールのそれぞれにおける伝熱面積を最適化するように選択され得る。
【0182】
有利には、このような熱交換器は、各々の導管モジュールに収容される流体に基づいて、導管モジュール各々におけるエネルギー伝達を最適化する。特に、導管モジュールの各々の管径および/または壁厚を調整することによって、伝熱面積、ひいては伝達されるエネルギーを導管モジュール各々に対して調整することができる。有利には、さらに導管モジュールの各々の壁厚の調整は、熱交換器に関する安全性に関する考察(熱交換器の設計段階における)を最適化し得る。例えば、第1の流体が水であり、第2の流体が燃料である場合、水漏れは燃料漏れほど深刻ではないので、第1の導管モジュールの壁厚は第2の導管モジュールの壁厚よりも薄くすることができる。さらに、考慮すべき別の要素は、異物損傷FODであり得る。FODの影響をより受けやすい導管モジュールは、別の導管モジュールよりも厚い壁厚を有するように構成され得る。
【0183】
加えて、熱交換器の設計段階において、導管モジュールの材料は、伝熱特性、ひいては導管モジュールの各々に対して伝達されるエネルギーを最適化することによって、熱交換器の有効性を最適化するように選択され得る。一例として、導管モジュールのうちの1つ以上は、鋼および/またはニッケル合金もしくはアルミニウム合金などの合金材料から製造され得る。しかしながら、任意の好適な材料(単数または複数)が使用され得ることが想定される。
【0184】
熱交換器は、1つ以上の弁(図示せず)を備え得る。1つ以上の弁は、複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dのうちの1つ以上、および/または複数の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dのうちの1つ以上、および/または複数の第3の導管モジュール25a、25bのうちの1つ以上内に配置され得る。1つ以上の弁は、複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dのうちの1つ以上における第1の流体の流れ、および/または複数の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dのうちの1つ以上における第2の流体の流れ、および/または複数の第3の導管モジュール25a、25bのうちの1つ以上における第4の流体の流れを選択的に逆転させる、停止させる、または変更する(例えば、質量流量または流れの別の特性を変更する)ように構成され得る。
【0185】
有利には、このような熱交換器は、いくつかの別個のモードで動作するように構成され得、各モードにおいて、第1の流体、第2の流体、および第3の流体のうちの1つ以上の流体の流れが逆転ならびに/もしくは変更され得、および/または第1の流体ならびに第2の流体のうちの一方の流体の流れがさらに停止され得る。このことは、第1の導管モジュール、第2の導管モジュール、および/または第1の流体流路内の熱伝達を変更するか、さらには逆転させ得る。有利には、このようなモードを使用すれば、このような熱交換器は、第1の流体、第2の流体、および第3の流体の温度および特性に応じて、同じモードまたは異なるモード内で、ある所望の流体の冷却および/または加熱の両方を行うことができる。例えば、このような熱交換器は、同じ小型熱交換器内で別個の流体を別々に加熱および冷却することができる。さらに、このようなモードを使用すれば、このような熱交換器は、有利には、導管モジュール上および/または導管モジュール内の着霜の制御および/または低減および/または排除を行うことができる。有利には、このような熱交換器はさらに、導管モジュール内の流体の凝結および/または凍結を低減または完全に回避し得る。
【0186】
図7B図10Bおよび図11Bの例示的な構成では、第1の流体は水であり、第2の流体は油であり、第3の流体は空気である。
【0187】
図12Bの例示的な構成では、第1の流体は水であり、第2の流体は冷媒であり、第3の流体は空気である。有利には、このような熱交換器は、例えば、水を使用して流入空気を加熱し、冷媒を使用して空気を冷却するように、暖房、換気および空調システムにおいて使用され得る。図12Bに示される例では、第1の流体流路12は、半径方向外向きに流れるように示されている。しかしながら、第1の流体流路12は、半径方向内向きに、すなわち図12Bに示されている方向とは反対方向に流れるように構成され得ることも想定される。
【0188】
図12Aは、図12Bの熱交換器を通過する距離に対してプロットされた流体温度のグラフである。3つの曲線のそれぞれの矢印は、熱交換器のその距離を通過する第1の流体、第2の流体および第3の流体の流れの方向を表す。曲線は、図12Bの熱交換器を使用して達成され得る第1の流体、第2の流体、および第3の流体の温度プロファイル、特に、第1の流体、第2の流体、および第3の流体のそれぞれの入口温度および出口温度を示す(各曲線について、入口温度は、矢印の方向に対して後方の曲線の一端に示され、出口温度は、矢印が指し示す方向の前方の曲線の他端に示されている)。
【0189】
別の例として、図13Bの構成では、第1の流体は水であり、第2の流体は油であり、第3の流体は空気であり、第4の流体は別の流体である。
【0190】
熱交換器9は、航空機、飛行機または自動車などの車両内で使用され得る。
【0191】
次に、熱交換器9の動作について、図7Bに示される例示的な実施形態を参照しながら説明する。熱交換器9の動作方法の間、第1の流体および/または第2の流体は、第1の流体を第1の導管モジュール10aを通って流れさせ、第2の流体を第2の導管モジュール11aを通って流れさせ、第3の流体を第1の流体流路12を通って流れさせることによって、加熱および/または冷却され得る。該方法は、第3の流体を第1の流体流路12を通って流れさせるための手段を提供することを含む。このような手段は、例えば、ファン、ポンプ、または他の好適な手段を含み得る。図7Bに示される例では、第3の流体は、半径方向外向きに移動するように構成される。しかしながら、第1の流体流路12内の第3の流体の流れの方向は、第3の流体が半径方向内向きに移動する/流れるように構成されるように逆転され得ることが想定される。
【0192】
このような方法は、有利には、単一の熱交換器設備において複数の流体を冷却および/または加熱することができるようにする。単一の熱交換器設備は、有利には、それ以外の場合であれば複数の流体を冷却および/または加熱するために必要となる複数の個別ユニットよりも設置が容易であり、全体体積が小さくなる。したがって、このような方法は、熱交換器のサイズおよび質量を低減し、空間および重量を節約する利点をもたらす。さらに、このような方法は、熱交換器内の各々の流体の有効性および温度を調整するための高い自由度を提供し得る。さらに、このような方法では、第3の流体の圧力降下は、第3の流体の流れを複数の個々の熱交換器を通って案内しなければならない場合よりも小さくなり得る。加えて、このような方法は、導管モジュール内の流体の凝結および/または凍結を低減または完全に回避し得る。さらに、このような方法は、各導管モジュールの形状および位置を調整することができるようにし、有利には、(熱交換器の設計段階において)非常に高度な最適化を提供すると同時に、熱交換器の高い有効性を維持する。
【0193】
図7Bに示される例を再び参照すると、第1の流体(この例では水)は、複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dを通って流され、熱交換器9の外側から熱交換器9の内側(すなわち、半径方向中心)に向かって流される。しかしながら、複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10d内の第1の流体の流れの方向が逆転され得、そのことにより第1の流体が熱交換器9の内側(すなわち、半径方向中心)から熱交換器9の外側に向かって流れるように構成されることが想定される。同様に、図7Bに示される例では、第2の流体(この例では油)は、複数の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dを通って流され、熱交換器9の外側から熱交換器9の内側(すなわち、半径方向中心)に向かって流される。しかしながら、複数の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11d内の第2の流体の流れの方向が逆転され得、そのことにより第2の流体が熱交換器9の内側(すなわち、半径方向中心)から熱交換器9の外側に向かって流れるように構成されることが想定される。
【0194】
熱交換器の動作方法において、第1の流体流路12、ひいては第3の流体は、複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10d、複数の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11d、および存在する場合には複数の第3の導管モジュール25a、25bの表面および周囲を流れるように構成される。
【0195】
該方法は、一例として、複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dのうちの1つ以上、および/または複数の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dのうちの1つ以上における流れの方向を逆転させるまたは変更することをさらに含み得る。このような方法は、複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dのうちの1つ以上における流れを停止させること、以上の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dのうちの1つ以上における流れを停止させること、続いて、複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10d以上の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dのうちの前記1つ以上における流れを開始させることを含み得る。
【0196】
したがって、熱交換器の動作方法は、熱交換器を1つ以上の動作モードで動作させることを含み得る。動作モードの少なくとも1つのモードでは、複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dのうちの1つ以上における流れ、ならびに/もしくは複数の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dのうちの1つ以上における流れ、ならびに/もしくは第1の流体流路12における流れが逆転または変更され得、および/または複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dのうちの1つ以上における流れ、以上の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dのうちの1つ以上における流れが停止され得る。
【0197】
有利には、このような方法は、いくつかの別個のモードで動作するように構成される熱交換器を提供し得、各モードにおいて、第1の流体、第2の流体、および第3の流体のうちの1つ以上の流体の流れが逆転ならびに/もしくは変更され得、および/または第1の流体ならびに第2の流体のうちの一方の流体の流れがさらに停止され得る。このことは、第1の導管モジュール、第2の導管モジュール、および/または第1の流体流路内の熱伝達を変更するか、さらには逆転させ得る。有利には、このような熱交換器のモードを使用すれば、このような方法は、第1の流体、第2の流体、および第3の流体の温度および特性に応じて、同じモードまたは異なるモード内で、ある所望の流体の冷却および/または加熱の両方を行うことができる。例えば、このような方法は、同じ小型熱交換器内で別個の流体を別々に加熱および冷却することができるようにし得る。さらに、このような方法を使用すれば、熱交換器は、有利には、導管モジュール上および/または導管モジュール内の着霜の制御および/または低減および/または排除を行うことができる。有利には、このような方法はさらに、導管モジュール内の流体の凝結および/または凍結を低減または完全に回避し得る。
【0198】
一例として、第1のモードでは、熱交換器は、第1の流体を使用して第3の流体を冷却するように構成され、第2のモードでは、熱交換器は、第2の流体を使用して第3の流体を加熱するように構成される。これは、第1のモードで第2の流体の流れを停止させ、第2のモードで第1の流体の流れを停止させることによって達成され得る。
【0199】
別の例として、図11Bに示される熱交換器を参照すると、第2の流体(図11Bの例では油である)を連続的に冷却する必要がない場合、1つのモード例では、複数の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dのうちの1つ以上における第2の流体の流れが低減または停止される。複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dのうちの1つ以上における第1の流体(図11Bの例では水である)の流れが低減または停止されることで、変わらずに活性流体間での同じ効果的な熱伝達が実現される。
【0200】
さらに別の例として、図12Bに示される熱交換器を参照すると、熱交換器の動作方法は、第1の流体(図12Bの例では水である)が、流入する第3の流体(図12Bの例では空気である)を加熱するために使用され、第2の流体(図12Bの例では冷媒である)が、第3の流体を冷却するために使用されるように、複数の第1の導管モジュール10a、10b、10c、10dおよび複数の第2の導管モジュール11a、11b、11c、11dへの流体の流れを制御することによって、暖房、換気、および空調システムに適用され得る。
【0201】
第1の流体、第2の流体および第3の流体、さらには存在する場合には第4の流体の制御は、1つ以上の弁を使用して達成される。
【0202】
添付の請求項によって定義される本発明の範囲から逸脱せずに、記載されている実施形態(単数または複数)に対して様々な変更を行うことができる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B