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特許7578606有効なリサイクルを保証するべく食品包装を追跡するための方法、及びその装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】有効なリサイクルを保証するべく食品包装を追跡するための方法、及びその装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0833 20230101AFI20241029BHJP
【FI】
G06Q10/0833
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021557751
(86)(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2020057167
(87)【国際公開番号】W WO2020200744
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】19166290.7
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】サラ・エギディ
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエル・ボレッリ
(72)【発明者】
【氏名】リカルド・トロヴァート バッタグリオーラ
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0124643(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0069588(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0017276(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0154568(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0129781(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0372273(US,A1)
【文献】国際公開第2013/184217(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効なリサイクルを保証するべく食品包装(102)を追跡するための方法(500)であって、前記方法は、システム(100、200、300、400)によって実行され、前記システムは、ユーザデバイス(104)と、包装回収デバイス(PCD)(106)と、前記ユーザデバイス(104)及び前記包装回収デバイス(PCD)(106)に通信可能に接続するサーバ(110)と、を備え、
前記方法(500)が、
前記食品包装(102)と前記ユーザデバイス(104)との間の第1の通信セッションを確立すること(502)と、
前記サーバ(110)が、前記ユーザデバイス(104)に関連付けられたユーザ識別を受信すること(504)と、
前記サーバ(110)が、前記食品包装(102)内に提供された包装識別デバイス(108)から包装識別を受信すること(506)と、
前記食品包装(102)と前記包装回収デバイス(PCD)(106)との間の第2の通信セッションを確立すること(508)と、
前記サーバ(110)が、前記包装回収デバイス(PCD)(106)からPCD識別を受信すること(510)と、
前記サーバ(110)が、前記包装識別を用いることによって前記食品包装(102)に関連付けられた包装材料を決定すること(512)と、
前記サーバ(110)が、前記PCD識別を用いることによって前記包装回収デバイス(PCD)(106)に関連付けられたリサイクル材料を決定すること(514)と、
前記包装材料及び前記リサイクル材料が一致する場合には、前記サーバ(110)から、前記包装回収デバイス(106)へ受け入れ信号を伝達すること(518)、或いは、
前記包装材料及び前記リサイクル材料が異なる場合には、前記サーバ(110)から、前記包装回収デバイス(106)へ拒否信号を伝達すること(520)、
前記受け入れ信号又は前記拒否信号に応じて前記包装回収デバイス(PCD)(106)上に提供されたユーザインターフェース(114)を介して情報を提供すること(522)、
包装廃棄が前記包装回収デバイス(PCD)(106)によって検出された場合には(524)、前記サーバ(110)が、リサイクル確認を、前記ユーザ識別に関連付けられたユーザアカウントに記録すること(526)と、
を含む、方法(500)。
【請求項2】
前記包装識別及び前記ユーザ識別を受信したことに応じて、前記包装識別に関連する製品情報を前記ユーザデバイス(104)へ伝達すること(518)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ識別が前記食品包装(102)によって前記ユーザデバイス(104)から読み取られ、食品包装メモリ(202)内に記憶され、前記食品包装メモリ(202)から前記包装回収デバイス(104)へ伝達される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記包装識別が前記第1の通信セッションの間に前記食品包装(102)から前記ユーザデバイス(104)へ伝達され、前記ユーザ識別及び前記包装識別が前記ユーザデバイス(104)からサーバ(110)へ伝達され、
前記包装識別が前記第2の通信セッションの間に前記食品包装(102)から前記包装回収デバイス(104)へ伝達され、前記包装識別及び前記PCD識別が前記包装回収デバイスから前記サーバ(110)へ伝達される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
トラックなどの、輸送手段(304)に関連付けられた輸送手段識別を前記輸送手段から受信すること(528)と、
前記包装回収デバイス(106)内に廃棄された包装の前記包装識別を前記輸送手段識別に関連付けること(530)と、
をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記包装識別が、購入プロセスの部分として、前記食品包装(102)内に提供された前記包装識別デバイス(108)から読み取られ、前記ユーザ識別に関連付けられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
食品包装(102)が、前記食品包装(102)の包装材料に対応するリサイクル材料に関連付けられた包装回収デバイス(10)に入れられることを容易にするため、前記包装回収デバイス(106)において遂行される方法(600)であって、
前記包装回収デバイス(106)は、PCD制御ユニット(112)と、メモリ(302)とを備え、
前記方法が、
前記包装回収デバイス(106)が前記PCD制御ユニット(112)を用いて前記食品包装(102)の包装識別デバイス(108)を読み取ることによって包装識別を受信すること(602)と、
前記包装回収デバイス(106)が前記包装識別及びPCD識別をサーバ(110)へ伝達すること(604)と、
前記包装回収デバイス(106)が前記サーバ(110)から、前記包装材料及び前記リサイクル材料が一致する場合には、受け入れ信号を、又は前記包装材料及び前記リサイクル材料が異なる場合には、拒否信号を受信すること(606)と、
前記受け入れ信号が受信された場合には(510)、
前記食品包装(102)が前記包装回収デバイス(106)内に廃棄されたかどうかを前記包装回収デバイス(106)が検出すること(612)と、
前記食品包装(102)が前記包装回収デバイス(104)内に廃棄された場合には(614)、
包装廃棄信号を前記包装回収デバイス(104)前記サーバ(110)へ伝達すること(616)と、
前記包装回収デバイス(106)が前記包装識別を前記包装回収デバイス(104)の前記メモリ(302)内に記憶すること(618)と、
前記包装回収デバイス(106)が前記PCD識別及び前記包装識別を輸送手段(304)へ伝達すること(620)と、
を含む、方法。
【請求項8】
システム(100、200、300)であって、前記システムは、有効なリサイクルを保証するべく食品包装(102)を追跡するように構成されたサーバ(110)を備え、前記サーバ(110)が、メモリ(800)と、制御ユニット(802)と、トランシーバ(806)とを備え、
前記トランシーバ(806)が、
前記食品包装(102)とユーザデバイス(104)との間の第1の第1の通信セッションの間に、前記ユーザデバイス(104)に関連付けられたユーザ識別を受信し、前記食品包装(102)内に提供された包装識別デバイス(108)から包装識別を受信することと、
前記食品包装(102)と包装回収デバイス(106)との間の第2の通信セッションの間に、前記包装回収デバイス(106)からPCD識別を受信することと、
包装廃棄が検出されたことを確認する包装廃棄信号を受信することと、
包装材料及びリサイクル材料が一致する場合、及び前記包装廃棄が検出された場合には、リサイクル確認を、前記ユーザ識別に関連付けられたユーザアカウントへ伝達することと、
を行うように構成されており、
前記制御ユニット(702)が、
前記包装識別を用いることによって前記食品包装(102)に関連付けられた包装材料を決定するための包装材料決定機能(808)を実行することと、
前記PCD識別を用いることによって前記包装回収デバイス(106)に関連付けられた前記リサイクル材料を決定するためのリサイクル材料決定機能(810)を実行することと、
前記包装材料及び前記リサイクル材料が一致するか否かを決定するための包装材料対リサイクル材料比較機能(812)を実行することと、
を行うように構成され、
前記食品包装(102)が、前記食品包装(102)の包装材料に対応するリサイクル材料に関連付けられた包装回収デバイス(106)に入れられることを容易にするように構成された包装回収デバイス(106)であって、前記包装回収デバイス(106)が、メモリ(302)と、PCD制御ユニット(112)と、トランシーバ(904)とを備え、
前記トランシーバ(904)が、
前記食品包装(102)内の包装識別デバイス(108)を読み取ることによって包装識別を受信することと、
前記包装識別及びPCD識別をサーバ(110)へ伝達することと、
前記サーバ(110)から、前記包装材料及び前記リサイクル材料が一致する場合には、受け入れ信号を、又は前記包装材料及び前記リサイクル材料が異なる場合には、拒否信号を受信することと、
包装廃棄が検出されたことを確認する包装廃棄信号を伝達することと、
を行うように構成されており、
前記PCD制御ユニット(112)が、
前記食品包装(102)の包装識別デバイス(108)を読み取るための包装識別読み取り器機能(906)を実行することと、
前記食品包装(102)が前記包装回収デバイス(106)内に廃棄されたかどうかを検出するための包装廃棄検出機能(908)を実行することと、
を行うように構成され、
前記包装回収デバイス(106)は、ユーザインターフェースを備え、ユーザが視覚フィードバックを提供されるように、前記ユーザインターフェースによって、前記受け入れ信号又は前記拒否信号が反映され、
ユーザに関連付けられた食品包装(102)が、前記食品包装(102)の包装材料に対応するリサイクル材料に関連付けられた包装回収デバイス(106)に入れられたことを保証するように構成されたユーザデバイス(104)であって、前記ユーザデバイス(104)が、メモリ(1000)と、制御ユニット(1002)と、トランシーバ(1006)とを備え、
前記トランシーバ(1006)が、
前記食品包装(102)に関連付けられた包装識別及び前記ユーザデバイス(104)に関連付けられたユーザ識別をサーバ(110)へ伝達することと、
前記食品包装(102)がリサイクルされると、前記サーバ(110)からリサイクル確認を受信することと、
を行うように構成されており、
前記制御ユニット(1002)が、
前記食品包装(102)の包装識別デバイス(108)を読み取るための包装識別読み取り器機能(1008)を実行することと、
リサイクル確認を受信するためのリサイクル確認取り扱い機能(1010)を実行することと、
を行うように構成されている、
システム(100、200、300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して包装追跡可能性の技術分野に関する。より詳細には、それは、食品包装を追跡するための方法、食品包装が、食品包装の包装材料に対応するリサイクル材料に関連付けられた包装回収デバイスに入れられることを容易にするための方法、ユーザに関連付けられた食品包装が、食品包装の包装材料に対応するリサイクル材料に関連付けられた包装回収デバイスに入れられたことを保証するための方法、包装を追跡するように構成されたサーバ、包装回収デバイス、ユーザデバイス、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食品製品がどのように生産され、処理されるのかに対して世界中の消費者の関心が高まっている。この関心はまた、食品製品がどのように包装されるのか、例えば、再生可能である包装が用いられているのかどうか、及び食品製品がどのように輸送されるのかをも含む。最後に、顧客によっては最も重要なことであるが、これは、包装が、それらが空になってからどのように対処されるのかを含む。この関心は、消費者が、彼らが健康を維持することができることを保証するために、彼ら及び彼らの家族が何を食べ、飲んでいるのかにますます関心を寄せるようになっているという根底の潮流に由来する。同様にこの関心を刺激するもう1つの潮流は、多くの消費者が、環境的に持続可能である食品製品を買い、消費したいと欲していることである。
【0003】
消費者の関心は食品生産者の関心によって反映される。したがって、おいしく、健康的である食品製品を生産することができることに加えて、食品生産者はまた、消費者に、彼らが、食品製品がそれらの約束を果たしていることを保証され得ることを確かめるための透明性を提供したいと欲している。完全な透明性を提供するには、食品製品を農場から商品棚まで追跡することができることが必要とされる。
【0004】
食品製品を追跡することができることを確実にするために、例えば、RFIDタグを用いることによって、個々の包装に固有の識別コードを提供することが知られている。RFID技術、及び個々の識別を提供するための多くの他の技術に伴う欠点は、これらが、包装に、及びこれにより、食品製品にも余分なコストを加えることである。したがって、包装の個々の追跡を達成するための技術はかなり以前からあるものの、大きな商業的躍進は依然として訪れていない。近年、包装上に印刷されたRFIDタグなどの、コストのハードルを克服し得る新技術が提示されているが、現時点では、個々の識別タグを有する食品包装は、依然として、生産された食品包装の総量のごく一部を示すにすぎない。
【0005】
個々の識別タグの付いた食品包装を大規模に有しない主要な理由としてしばしば提示される、コストに加えて、包装が包装レベルまで追跡されない別の理由は、食品製品が農場から商品棚まで運ばれることをもたらすことに、会社の複雑なネットワーク、及び異なる種類の機器が関わることである。これは、食品製品を追跡することができるには、これらを取り扱うことに関わる全ての会社が投資し、追跡能力を提供する機器を維持しなければならないことを意味する。
【0006】
したがって、包装された食品製品を追跡するために用いることができる技術が存在するにもかかわらず、技術自体を、よりコスト効率が良くなるよう適応させる必要があるが、さらに、追跡が可能になることをもたらすためにこれらがどのように用いられるのかを適応させる必要もある。これは、特に、空になった包装がリサイクルされることになる時など、食品製品のライフサイクルの後期の段階に対して当てはまる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術の以上において識別された制約のうちの1つ以上を少なくとも部分的に克服することを目的とする。特に、コスト及び技術的複雑さの点で有効なリサイクルを可能にするための方法を提供することを目的とする。
【0008】
要約して言えば、製品ライフサイクルの第1の段階において、例えば、食品包装に入れて提供された食品製品がユーザによって購入された際に、包装識別がユーザ識別に関連付けられることが提案される。両者を関連付けるための別のオプションは、これを、ユーザが、例えば、ユーザ識別に関連付けられた自分の携帯電話を用いることによって製品情報をサーバから受信するために包装識別を読み取るのと同時に行うことである。
【0009】
ライフサイクルの第2の段階において、包装識別は包装回収デバイスによって読み取られてもよく、ユーザ識別はリサイクルイベントに関連付けられてもよい。包装識別がユーザ識別及びリサイクルイベントの両方にリンクされるため、リサイクルイベントはユーザ識別に関連付けられ、その結果、リサイクル確認が、ユーザ識別にリンクされたユーザに送信され得ることがもたらされる。どの包装がリサイクルされ、どれがリサイクルされていないのかのより深い理解を達成することに加えて、本提案のアプローチは、リサイクルレベルを高めるリサイクル報酬システムを可能にし、これにより、環境影響を低減する。
【0010】
食品製品を包装することから、食品包装をリサイクルすることまでの全てのステップ全体にわたって食品製品及び包装を継続的に追跡するという考え方に基づく技術とは異なり、本明細書において提案されるアプローチは、よりコスト効率が良く、多くの態様では、より単純なプロセスを提案する。食品包装は、すなわち、第1の段階において、例えば、ユーザが、食品包装内に保持された食品製品を買っている時に、ユーザ識別にリンクされてもよく、その後、食品包装が包装回収デバイスに入れられている時になって初めて、包装識別は再び読み取られてもよい。ユーザ識別にリンクされたユーザデバイス、及び包装回収デバイスの両方に通信可能に接続されたサーバを用いることによって、ユーザ識別は、両方が包装識別にリンクされることを利用することによって、リサイクルイベントにリンクされてもよい。
【0011】
さらなる利点は、第1の段階において包装をユーザ識別にリンクすることによって、目下の解決策では得ることが可能でない、ユーザによって買われた包装が何個リサイクルされたかの記録をつけることが可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の態様によれば、有効なリサイクルを保証するべく食品包装を追跡するための方法が提供される。本方法は、食品包装とユーザデバイスとの間の第1 の通信セッションを確立することと、ユーザデバイスに関連付けられたユーザ識別を受信することと、食品包装内に提供された包装識別デバイスから包装識別を受信することと、食品包装と包装回収デバイス( p a c k a g e c o l l e c t i n g d e v i c e 、P C D ) との間の第2の通信セッションを確立することと、包装回収デバイスからP C D 識別を受信することと、包装識別を用いることによって食品包装に関連付けられた包装材料を決定することと、PCD識別を用いることによって包装回収デバイスに関連付けられたリサイクル材料を決定することと、包装廃棄が包装回収デバイスによって検出された場合には、リサイクル確認を、ユーザ識別に関連付けられたユーザアカウントに記録することと、を含んでもよい。
【0013】
本方法は、包装材料及びリサイクル材料が一致する場合には、包装回収デバイスへ受け入れ信号を伝達し、又は包装材料及びリサイクル材料が異なる場合には、包装回収デバイスへ拒否信号を伝達することをさらに含んでもよい。
【0014】
本方法は、受け入れ信号又は拒否信号に応じて包装回収デバイス上に提供されたユーザインターフェースを介して情報を提供することをさらに含んでもよい。
【0015】
本方法は、包装識別及びユーザ識別を受信したことに応じて、包装識別に関連する製品情報をユーザデバイスへ伝達することをさらに含んでもよい。
【0016】
ユーザ識別は食品包装によってユーザデバイスから読み取られ、食品包装メモリ内に記憶され、食品包装メモリから包装回収デバイスへ伝達されてもよい。
【0017】
包装識別は第1の通信セッションの間にユーザデバイスから食品包装へ伝達され、ユーザ識別及び包装識別はユーザデバイスからサーバへ伝達され、包装識別は第2の通信セッションの間に食品包装から包装回収デバイスへ伝達され、包装識別及びPCD識別は包装回収デバイスからサーバへ伝達されてもよい。
【0018】
本方法は、トラックなどの、輸送手段に関連付けられた輸送手段識別を輸送手段から受信することと、包装回収デバイス内に廃棄された包装の包装識別を輸送手段識別に関連付けることと、をさらに含んでもよい。
【0019】
包装識別は、購入プロセスの部分として、食品包装内に提供された包装識別デバイスから読み取られ、ユーザ識別に関連付けられてもよい。
【0020】
第2の態様によれば、食品包装が、食品包装の包装材料に対応するリサイクル材料に関連付けられた包装回収デバイスに入れられることを容易にするための方法が提供される。本方法は、PCD制御ユニットを用いて食品包装の包装識別デバイスを読み取ることによって包装識別を受信することと、包装識別及びPCD識別をサーバへ伝達することと、サーバから、包装材料及びリサイクル材料が一致する場合には、受け入れ信号を、又は包装材料及びリサイクル材料が異なる場合には、拒否信号を受信することと、受け入れ信号が受信された場合には、食品包装が包装回収デバイス内に廃棄されたかどうかを検出することと、食品包装が包装回収デバイス内に廃棄された場合には、包装廃棄信号を包装回収デバイスからサーバへ伝達することと、を含んでもよい。
【0021】
本方法は、包装識別を包装回収デバイスのメモリ内に記憶することと、PCD識別及び食品包装識別を輸送手段へ伝達することと、をさらに含んでもよい。
【0022】
第3の態様によれば、ユーザに関連付けられた食品包装が、食品包装の包装材料に対応するリサイクル材料に関連付けられた包装回収デバイスに入れられたことを保証するための方法が提供される。本方法は、ユーザに関連付けられたユーザデバイスを用いて食品包装の包装識別デバイスを読み取ることによって包装識別を受信することと、包装識別及びユーザ識別をユーザデバイスからサーバへ伝達することと、ユーザデバイスによってサーバからリサイクル確認を受信することと、を含んでもよい。
【0023】
第4の態様によれば、有効なリサイクルを保証するべく食品包装を追跡するように構成されたサーバが提供される。サーバは、メモリと、制御ユニットと、トランシーバとを備え、トランシーバは、食品包装とユーザデバイスとの間の第1の第1の通信セッションの間に、ユーザデバイスに関連付けられたユーザ識別を受信し、食品包装内に提供された包装識別デバイスから包装識別を受信することと、食品包装と包装回収デバイスとの間の第2の通信セッションの間に、包装回収デバイスからPCD識別を受信することと、包装廃棄が検出されたことを確認する包装廃棄信号を受信することと、包装材料及びリサイクル材料が一致する場合、及び包装廃棄が検出された場合には、リサイクル確認を、ユーザ識別に関連付けられたユーザアカウントへ伝達することと、を行うように構成され、制御ユニットは、包装識別を用いることによって食品包装に関連付けられた包装材料を決定するための包装材料決定機能を実行することと、PCD識別を用いることによって包装回収デバイスに関連付けられたリサイクル材料を決定するためのリサイクル材料決定機能を実行することと、包装材料及びリサイクル材料が一致するか否かを決定するための包装材料対リサイクル材料比較機能を実行することと、を行うように構成されている。
【0024】
第5の態様によれば、食品包装が、食品包装の包装材料に対応するリサイクル材料に関連付けられた包装回収デバイスに入れられることを容易にするように構成された包装回収デバイスが提供される。包装回収デバイスは、メモリと、PCD制御ユニットと、トランシーバとを備え、トランシーバは、食品包装内の包装識別デバイスを読み取ることによって包装識別を受信することと、包装識別及びPCD識別をサーバへ伝達することと、サーバから、包装材料及びリサイクル材料が一致する場合には、受け入れ信号を、又は包装材料及びリサイクル材料が異なる場合には、拒否信号を受信することと、包装廃棄が検出されたことを確認する包装廃棄信号を伝達することと、を行うように構成されており、PCD制御ユニットは、食品包装の包装識別デバイスを読み取るための包装識別読み取り器機能を実行することと、食品包装が包装回収デバイス内に廃棄されたかどうかを検出するための包装廃棄検出機能を実行することと、を行うように構成されている。
【0025】
第6の態様によれば、ユーザに関連付けられた食品包装が、食品包装の包装材料に対応するリサイクル材料に関連付けられた包装回収デバイスに入れられたことを保証するように構成されたユーザデバイスが提供される。ユーザデバイスは、メモリと、制御ユニットと、トランシーバとを備え、トランシーバは、食品包装に関連付けられた包装識別及びユーザデバイスに関連付けられたユーザ識別をサーバへ伝達することと、食品包装がリサイクルされた時点でサーバからリサイクル確認を受信することと、を行うように構成されており、制御ユニットは、食品包装の包装識別デバイスを読み取るための包装識別読み取り器機能を実行することと、リサイクル確認を受信するためのリサイクル確認取り扱い機能を実行することと、を行うように構成されている。
【0026】
第7の態様によれば、第4の態様に係るサーバと、第5の態様に係る少なくとも1つの包装回収デバイスと、第6の態様に係る少なくとも1つのユーザデバイスとを備えるシステムが提供される。
【0027】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様、及び利点が以下の詳細な説明及び図面から明白になるであろう。
【0028】
次に、添付の概略図を参照して本発明の実施形態を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、ユーザ識別をリサイクルの目的のために包装識別に関連付けるためのシステムを示す。
図2図2は、図1に示されるシステムの代替例である、別のシステムを示す。
図3図3は、図1及び図2に示されるシステムの代替例である、さらに別のシステムを示す。
図4図4は、図1図2、及び図3に示されるシステムの代替例である、さらなるシステムを示す。
図5図5は、サーバにおいて遂行され得る包装を追跡するための方法を示すフローチャートである。
図6図6は、包装回収デバイスにおいて遂行され得る方法を示すフローチャートである。
図7図7は、ユーザデバイスにおいて遂行され得る方法を示すフローチャートである。
図8図8はサーバをさらに詳細に示す。
図9図9は包装回収デバイスをさらに詳細に示す。
図10図10はユーザデバイスをさらに詳細に示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1を参照すると、有効なリサイクルを保証するべく食品包装102を追跡するためのシステム100が示されている。より具体的には、システム100は、携帯電話などの、ユーザデバイス104、及びゴミ箱などの、包装回収デバイス106を備えることができる。ユーザデバイス104及び包装回収デバイス106は両方とも包装102に通信可能に接続され、これにより、包装102内又は上に提供された包装識別デバイス108から包装識別が取得されてもよい。
【0031】
包装識別は第1の通信セッションCom Iの間にユーザデバイス104によって取得されてもよい。これは、ユーザデバイス104によって発せられた電磁放射が、パッシブ型RFIDタグであってもよく、包装識別デバイス108を活性化し、これにより、包装識別が、包装識別が記憶された包装識別デバイス108からユーザデバイス104へ伝送されることによって、達成されてもよい。パッシブ型RFID技術が一例として提供されているが、アクティブ型RFIDタグ、近距離無線通信(near field communication、NFC)技術、或いはRFID及びNFCの組み合わせなどの、他の技術を同様に用いることもできる。
【0032】
ユーザデバイス104によって包装識別デバイス108を読み取ることは、包装102を、ユーザデバイス104にリンクされたユーザに、リサイクル報酬システムなどの、リサイクルの目的のためにリンクすることを唯一の目的として行われてもよいが、それはまた、他のプロセスの部分を形成してもよい。例えば、包装内に保持された食品製品の、又は包装自体の追加の情報を受信することに関心がある場合には、ユーザは包装識別デバイスを読み取り、包装識別を追加の情報の要求と共に、製品情報などの、追加の情報を保持するサーバ110へ転送してもよい。要求に応じて、サーバ100は、包装内に保持された食品製品に関連する追加の情報をユーザデバイス104へ伝達してもよい。これに関連して、ユーザが包装102を自分のリサイクル報酬アカウントにリンクしたいかどうかの質問がユーザに提示されてもよい。肯定的返答である場合には、ユーザ識別もまた、ユーザデバイス104からサーバ110へ提供され、これにより、ユーザ識別と包装識別との間のリンクがサーバ110において作成される。ユーザ識別への包装識別のリンクはまた、自動的に、すなわち、何の質問もユーザに提示せずに行われてもよい。
【0033】
別のオプションは、ユーザデバイス104が、ユーザに属するクレジットカードであることである。購入プロセスの部分として、包装102の包装識別は会計係によって読み取られてもよく、支払いプロセスの部分として、ユーザは、包装102を自分のリサイクル報酬アカウントにリンクしたいかどうか尋ねられてもよく、これは、包装識別をユーザ識別にリンクすることによって可能になる。上述のように、これもまた、質問をユーザに提示することなく自動的に行われてもよい。
【0034】
さらなる例は、ユーザデバイス104が、いわゆるスマートフリッジ、すなわち、例えば、特定の食品製品が期限に近づいた時にユーザに告知するため、又は食料品の買い物リストを自動的に作成するために、冷蔵庫内に保持された食品製品を識別することができる冷蔵庫であることである。これらのスマートフリッジの特徴に加えて、スマートフリッジは、ユーザをリサイクルの目的のために包装にリンクするために、包装識別及びユーザ識別をサーバ110へ伝達してもよい。別の例は、組み込み読み取り器を有する自動車であり、これにより、例えば、食料品店から車で帰宅する際に、包装識別が読み取られ、自動車を介してユーザ識別にリンクされてもよい。
【0035】
上述のことから理解することができるように、ユーザ識別に直接又は間接的にリンクされた任意のデバイスがユーザデバイス104として用いられ、また、デバイスの組み合わせも用いられてもよい。
【0036】
食品製品が消費され、食品包装102が空になり、包装回収デバイス106へ持って来られると、第2の通信セッションCom IIが包装102と包装回収デバイス106との間で確立されてもよい。包装識別デバイス108が、以上において例として提供されているように、パッシブ型RFIDタグとして具体化されている場合には、第2の通信セッションは、PCD制御ユニット112が包装識別デバイス108を活性化し、これにより、包装識別が包装102から包装回収デバイス(PCD)106へ伝送されることによって確立されてもよい。
【0037】
包装識別を包装識別デバイス108から読み取った後に、包装回収デバイス106は、包装識別、及び包装回収デバイス106内のPCD識別デバイス内に保持された、PCD識別をサーバ110へ伝達することができる。サーバ110において、包装材料、すなわち、包装が作製された材料、例えば、カートンが、リサイクル材料、すなわち、包装回収デバイスが回収することになっている材料、例えば、カートンと比較されてもよい。材料が一致する場合には、受け入れ信号がサーバ110から包装回収デバイス106へ伝送され、さもなければ、拒否信号が伝送され得る。受け入れ信号及び拒否信号は、包装回収デバイス106上に設けられたユーザインターフェース114、例えば、異なる色のLEDへ伝送され、これにより、包装が、正しい包装回収デバイス内、すなわち、包装材料に対応するリサイクル材料を有する包装回収デバイス106に入れられたかどうかをユーザに明らかにすることができる。上述の例は包装回収デバイス106のための1つのリサイクル材料に向けられているが、全く同一の包装回収デバイスが複数のリサイクル材料にリンクされてもよいことに留意されたい。例えば、包装回収デバイス106は、カートン及びプラスチックの両方を回収するように設定されていてもよく、リサイクルプロセスの後期の段階において、カートン及びプラスチック品は異なるゴミ箱内へ分割されてもよい。
【0038】
リサイクル材料及び包装材料が一致し、例えば、包装回収デバイス106内の光検出器と組み合わせられたスリット、又は他のセンサ機構を有することによって、包装が包装回収デバイス106内に廃棄されたことが検出された場合には、包装廃棄信号が包装回収デバイス106からサーバ110へ伝達されてもよい。包装廃棄信号に応じて、サーバ110はリサイクル確認をユーザデバイス104へ伝送してもよい。上述されたように、リサイクル確認がリサイクル報酬システムにリンクされている場合には、これは、ユーザのユーザアカウントにリンクされた報酬が発行されることも暗示してもよい。
【0039】
包装材料及びリサイクル材料がサーバ内で比較されることが示されているが、この比較はまた、情報が包装回収デバイス106に提供される場合には、包装回収デバイス内で、より具体的には、PCD制御ユニット112によって行われてもよい。また、包装回収デバイス106とサーバ110との間で通信を確立することができない状況に対処することができるために、サーバ110内で利用可能な情報の部分をPCD制御ユニット112内に記憶させることも可能である。
【0040】
このアプローチの利点は、包装102をリサイクルのために廃棄する際にユーザデバイス104を包装回収デバイス106に持って来ることが必要とされないことである。さらに、包装102を、ユーザデバイス104、及び第1の通信セッションのための時間及び場所、並びに包装回収デバイス、及び第2の通信セッションのための時間及び場所の両方に関連付けることができることによって、リサイクルの可能性を改善するために用いることができるデータが収集されてもよい。
【0041】
さらに、たとえ図示されていなくとも、包装102を包装回収デバイス106へ持って来たユーザがユーザデバイス104を携行している場合には、ユーザ識別も包装回収デバイス106によって読み取られてもよい。そうすることによって、どのユーザが包装識別を第1の通信セッションの間に記録しており、どのユーザが包装を包装回収デバイス106へ持って来ているのか検出されてもよい。
【0042】
包装識別及びその関連データの記録をつけるために、分散型台帳が用いられてもよい。分散型台帳に加えて、ブロックチェーン技術の他の要素が同様に用いられてもよい。
【0043】
図2は、有効なリサイクルを保証するべく食品包装102を追跡するための別のシステム200を例として示す。図2に示されるシステム200は、図1に示されるシステム100と多くの面で同様であるが、図1に示されるシステム100とは異なり、食品包装102は、ユーザ識別を保持するための、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)などの、メモリ202を設けられている。これの利点は、ユーザデバイス104が第1の通信セッションの間にサーバ110に通信可能に接続されなくてもよいことである。図2に例として示される、第1の通信セッションがシステム200において確立されると、ユーザ識別がユーザデバイス104から包装102へ伝達され、メモリ202内に記憶されてもよい。第2の通信セッションの間に、図1に示されるシステム100と一致して、包装識別が包装102から包装回収デバイス104へ伝達されてもよいが、また、メモリ202内に記憶されたユーザ識別も伝送されてもよい。言い換えれば、包装102は、包装102がリサイクルされることになるまでユーザ識別を保持することができる。図1に示されるシステム100と一致して、システム200においても、ユーザは、包装102を包装回収デバイス106内に廃棄する際に、ユーザデバイス104を携行している必要がない。必須のことではないが、包装識別は、任意選択的に、第1の通信セッションの間に包装102からユーザデバイス104へ伝達されてもよい。
【0044】
サーバ110との通信は、例えば、追加の機器という点で、余分のコストを加えるため、図2に示されるシステム200によって具体化された本提案のアプローチは、包装回収デバイス106も含むようにさらに拡張されてもよい。より具体的には、図3に示される、システム300を設計することが可能であり、これにより、包装回収デバイス106とサーバ110との間の通信を省略することができる。図2に示される、システム200に加えて、システム300の包装回収デバイス106は、すなわち、ユーザ識別及び包装識別を記憶するためのメモリ302を設けられている。包装102が包装回収デバイス106内に正しく入れられたか否かをユーザに合図するために提供された、ユーザインターフェース114を有する場合には、内部データベースが用いられてもよい。
【0045】
図3に示される例では、包装回収デバイス106が空になると、包装回収デバイス106と、複数の包装回収デバイスからの包装が回収され得るトラック又はコンテナなどの、輸送手段304との間で第3の通信セッションCom IIIが確立されてもよい。第3の通信セッションの間に、包装102のメモリ202及び包装回収デバイス106のメモリ302の両方に記憶された、ユーザ識別、メモリ302内に記憶された、包装識別、並びにPCD識別が包装回収デバイス106から輸送手段304へ伝達されてもよい。任意選択的に、加えて、包装廃棄信号及び受け入れ若しくは拒否信号が伝達されてもよい。包装廃棄信号、受け入れ若しくは拒否信号、及びユーザ識別は包装識別にリンクされてもよい。輸送手段304から、輸送手段制御ユニット306を用いることによって、包装回収デバイス106から受信されたデータが輸送手段識別と共にサーバ110へ伝達されてもよい。
【0046】
上述されたように、図2及び図3に示された例によって提案されるように、データを集約することは、サーバ110に通信可能に接続される構成要素がより少なくてすむため、よりコスト効率の良いシステムを提供することができる。しかし、たとえ、ユーザデバイス104及び包装回収デバイス106をサーバ110に通信可能に接続させることに関わるコストが、それほど遠くない将来において新技術の導入によって低減されることがあっても、データの集約は依然として目的を果たす。図2及び図3に示されように、データを包装102内及び包装回収デバイス106内に記憶することによって、冗長性が、すなわち、増大した安定性と共にもたらされる。それゆえ、包装及び包装回収デバイス内のデータ記憶能力を有することによって、たとえ、例えば、包装回収デバイス106とサーバ110との間の通信がダウンしても、システムは実行し続けることになる。
【0047】
図4は、図3に示されるシステム300の拡張であるシステム400を例として示す。図3に示されるシステム300に加えて、システム400は、輸送手段304が第4の通信セッションCom IVを確立することができるリサイクル工場402をさらに備える。第4の通信セッションの間に、包装回収デバイス106から輸送手段304へ伝送されたデータ、及び輸送手段IDが輸送手段304からリサイクル工場402へ伝送されてもよい。リサイクル工場402からサーバ110へ、輸送手段304からリサイクル工場402へ伝送されたデータ、及び工場識別が伝送されてもよい。
【0048】
さらに、リサイクル工場402におけるリサイクルプロセスの間に集められた、リサイクル情報がリサイクル工場402からサーバ110へ伝送されてもよい。これの利点は、サーバ110からユーザデバイス104へ伝送されるリサイクル確認が、包装102が包装回収デバイス106に入れられたか否かを指示する2値のステートメント以上のものになり得ることである。例えば、包装102がどの程度までリサイクル可能であったかが記述されてもよい。
【0049】
包装回収デバイス106が、異なるリサイクル材料を受け付けることを意図されている場合、例えば、包装回収デバイスが、プラスチック及びカートンの両方を受け付けることを意図されている場合には、図4に示されるシステム400が有効であることが判明し得る。このシステム400を用いることで、包装回収デバイス106内に処分された異なる材料の物品は、すなわち、リサイクル工場402まで一緒に取り扱われてもよい。リサイクル工場402において、物品は、異なる材料の物品が別個に取り扱われるよう、材料に基づいて選別されてもよい。このプロセスの部分として、包装識別が読み取られてもよく、これにより、包装識別は、材料、及び/又は品質評価、すなわち、包装102がどの程度までリサイクルされ得るのかの評価にリンクされてもよい。
【0050】
複数の異なる材料を全く同一の包装回収デバイス106内で取り扱うことは、包装回収デバイスが家庭内に設置されている場合に適切であることが判明し得る。多くの異なる材料を同じゴミ箱内に有することができることによって、より少数の包装回収デバイスが必要とされ得、これは空間を節約することになる。
【0051】
また、包装回収デバイス106が、店内に設置された使用済み包装を回収するための自動販売機である場合にも、包装回収デバイスが複数の異なる材料を取り扱うことができる場合には、店が収容及び維持するために必要な機器が少なくてすむため、有利である。
【0052】
包装102は、一次包装、すなわち、食品製品を直接保持する包装、例えば、Tetra Pak(商標)によって市販されているTetra Brik(商標)であってもよく、また、第2の包装、例えば、ボール紙トレー、又は一次包装を保持するための任意の他の機構であってもよく、この面からも、異なる材料を取り扱うように構成された包装回収デバイス106を有することが有利になる。多数の異なる材料を受け付けるように設定された包装回収デバイス106を有することは、すなわち、一次包装及び二次包装の両方が同じ包装回収デバイス内に廃棄されてもよいことをもたらす。
【0053】
図5は、サーバ110によって遂行される有効なリサイクルを保証するべく食品包装102を追跡するための方法500を全体的に示すフローチャートである。第1のステップ502において、食品包装102とユーザデバイス104との間の第1の通信セッションを確立することができる。通信を確立した後に、第2のステップ504において、ユーザデバイス104に関連付けられたユーザ識別を受信することができる。さらに、第3のステップ506において、包装識別を受信することができる。
【0054】
後の時点において、第4のステップ508において、第2の通信セッションを確立することができる包装102と包装回収デバイス106。通信を確立した後に、第5のステップ510において、PCD識別を受信することができる。
【0055】
PCD識別は、図1に示されるように、包装回収デバイスからサーバ110へ直接伝送されるか、或いはPCD識別は、例えば、図3に示されるように、輸送手段304を介して、又は図4に示されるように、輸送手段304及びリサイクル工場402を介して、サーバ110へ間接的に伝送されてもよい。同様の仕方で、ユーザ識別は、図1に示されるように、サーバへ直接伝送されるか、又はユーザ識別は、例えば、図2に示されるように、包装回収デバイス106を介して、サーバ110へ間接的に伝送されてもよい。
【0056】
第6のステップ512において、包装材料を決定してもよい。これは、包装識別を、包装識別及びそれらの関連包装材料が提供されたデータベースと比較することによって達成されてもよい。第7のステップ514において、例えば、PCD識別をPCD識別及び関連リサイクル材料のデータベースと比較することによって、リサイクル材料、すなわち、リサイクル材料が受け付けることを意図された材料を決定してもよい。
【0057】
第8のステップ516において、包装材料及びリサイクル材料を比較することができ、両者が一致する場合には、第9のステップ518において受け入れ信号を伝達することができ、又は両者が異なる場合には、第10のステップ520において拒否信号を伝達することができる。受け入れ又は拒否信号は包装回収デバイス106へ伝送されてもよく、これにより、第11のステップ522において、ユーザインターフェース、例えば、包装回収デバイス上に設けられたLEDを介して情報をユーザに提供してもよい。
【0058】
第12のステップ524において、包装廃棄が検出された場合には、第13のステップ526において、リサイクル確認を記録することができる。任意選択的に、第14のステップ528において、輸送手段識別、すなわち、包装回収デバイス内の包装を回収する輸送手段の識別を受信し、第15のステップ530において、包装回収デバイス内の包装に関連付けることができる。第14及び第15のステップ528、530は、リサイクル確認が記録された後に遂行され、また、例えば、ユーザデバイスを介してユーザに提供されてもよいが、図3及び図4に示されるように、リサイクル確認はまた、第14及び第15のステップ528、530の後に記録されてもよい。
【0059】
特定の順序で提示されているが、異なるステップは同様に他の順序で遂行されてもよい。
【0060】
図6は、包装回収デバイス106において遂行される、食品包装が、食品包装の包装材料に対応するリサイクル材料に関連付けられた包装回収デバイスに入れられることを容易にするための方法600を示すフローチャートである。
【0061】
第1のステップ602において、PCD制御ユニット112を用いて食品包装106の包装識別デバイス108を読み取ることによって包装識別を受信することができる。
【0062】
次に、第2のステップ604において、包装識別及びPCD識別をサーバ110へ伝達することができる。
【0063】
その後、第3のステップ606において、包装材料及びリサイクル材料が一致する場合には、受け入れ信号を、又は包装材料及びリサイクル材料が異なる場合には、拒否信号をサーバ110から受信することができる。
【0064】
任意選択的に、第4のステップ608において、受け入れ又は拒否信号は包装回収デバイスのユーザインターフェースによって反映されてもよく、これにより、ユーザは視覚フィードバックを提供される。
【0065】
第5のステップ610において、受け入れ信号が受信されたかどうかを決定することができる。肯定である場合には、第6のステップ612において、食品包装が包装回収デバイス104内に廃棄されたか否かを検出することができる。第7のステップ614において、肯定である場合には、第8のステップ616において、包装廃棄信号を伝達してもよい。
【0066】
任意選択的に、第8のステップ618において、包装識別を包装回収デバイス106内に記憶することができ、第9のステップ620において、図3及び図4に示されるように、PCD識別及び包装識別を輸送手段304へ伝達することができる。
【0067】
図7は、ユーザデバイス104によって遂行される、ユーザに関連付けられた食品包装が、食品包装102の包装材料に対応するリサイクル材料に関連付けられた包装回収デバイス106に入れられたことを保証するための方法700を示すフローチャートである。
【0068】
第1のステップ702において、ユーザに関連付けられたユーザデバイス104を用いて食品包装102の包装識別デバイス108を読み取ることによって包装識別を受信することができる。
【0069】
第2のステップ704において、包装識別及びユーザ識別をユーザデバイスからサーバ110へ伝達することができる。
【0070】
第3のステップ706において、サーバからのリサイクル確認がユーザデバイスによって受信されてもよい。
【0071】
図8はサーバ110を例としてさらに詳細に示す。サーバ110は、メモリ800、次にプロセッサ804を含んでもよく、制御ユニット802、及びトランシーバ806を備えてもよい。メモリ800は、包装識別を用いることによって食品包装に関連付けられた包装材料を決定するための包装材料決定機能808、PCD識別を用いることによって包装回収デバイス106に関連付けられたリサイクル材料を決定するためのリサイクル材料決定機能810、並びに包装材料及びリサイクル材料が一致するか否かを決定するための包装材料対リサイクル材料比較機能812を含んでもよい。
【0072】
図9は包装回収デバイス106を例としてさらに詳細に示す。包装回収デバイス106はメモリ302及びPCD制御ユニット112を備えてもよい。PCD制御ユニット112はプロセッサ902を含み得、それは、データを伝送及び受信するためのトランシーバ904をさらに提供されてもよい。
【0073】
メモリ302は、食品包装102の包装識別を読み取るための包装識別読み取り器機能906を含んでもよい。さらに、メモリ302は、食品包装102が包装回収デバイス内に廃棄されたかどうかを検出するための包装廃棄検出機能908を含んでもよい。
【0074】
任意選択的に、メモリ302は、包装回収デバイス106のユーザインターフェース114を制御するためのユーザインターフェース制御機能910、及び輸送手段304の輸送手段識別を読み取るための輸送手段識別読み取り器機能912を含んでもよい。
【0075】
図10はユーザデバイス104を例としてさらに詳細に示す。ユーザデバイス104は、携帯電話などの、モバイルデバイス、スマートフリッジ、自動車、又は包装識別を読み取る能力を有し、ユーザ識別を提供された任意の他の装置であってもよい。
【0076】
ユーザデバイス104は、メモリ1000、プロセッサ1004を含んでもよく、制御ユニット1002、及びトランシーバ1006を備えてもよい。
【0077】
メモリ1000は、食品包装102の包装識別デバイス108を読み取るための包装識別読み取り器機能1008、及びリサイクル確認を受信するためのリサイクル確認取り扱い機能1010を含んでもよい。
【0078】
以上の説明から、したがって、本発明の様々な実施形態が説明され、示されたが、本発明はこれらに限定されず、添付の請求項において規定される主題の範囲内で他に具体化されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10