(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】ポリマー/親水性シリカ油ブレンド
(51)【国際特許分類】
A61K 8/81 20060101AFI20241029BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20241029BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20241029BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20241029BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20241029BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20241029BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/25
A61K8/37
A61K8/92
A61Q19/00
A61Q5/00
A61Q17/04
(21)【出願番号】P 2021562127
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 US2020028425
(87)【国際公開番号】W WO2020223026
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2023-04-07
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チー、リーチン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、リャン
(72)【発明者】
【氏名】パイ、ルー
(72)【発明者】
【氏名】リール、リンジー エム.
(72)【発明者】
【氏名】ムニエ、デヴィット エム.
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ユンシェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ファンウェン
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/231950(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/054493(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/044216(WO,A1)
【文献】特開2014-141448(JP,A)
【文献】米国特許第04605563(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0264312(US,A1)
【文献】特開2017-081835(JP,A)
【文献】特開2005-068023(JP,A)
【文献】特開2010-059403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/KOSMET(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリマー/親水性シリカブレンドであって、
(a)増粘ポリマー粉末であって、
(i)前記増粘ポリマー粉末の重量に基づいて
89.5から91.5重量%のC
4-8アルキル(メタ)アクリレートモノマーの構造単位
であって、前記C
4-8
アルキル(メタ)アクリレートモノマーが、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びイソブチル(メタ)アクリレートを含む、C
4-8
アルキル(メタ)アクリレートモノマーの構造単位と、
(ii)前記増粘ポリマー粉末の重量に基づいて
1から3重量%の(メタ)アクリル酸モノマーの構造単位と、
(iii)前記増粘ポリマー粉末の重量に基づいて
6.5から8.5重量%の、式(I)の特殊な会合性モノマーの構造単位と、を含
み、
【化1】
(I)
(式中、R
1は線状飽和C
12-14
アルキル基であり、nは平均20から28である)
前記増粘ポリマー粉末が、前記増粘ポリマー粉末の重量に基づいて1重量%未満の(メトキシ)ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレートの構造単位を含む、増粘ポリマー粉末と、
(b)親水性シリカ粉末と、
を含み、
ここで、前記ポリマー/親水性シリカブレンド中の親水性シリカ粉末の増粘ポリマー粉末に対する重量比は、
1:1.5から1.5:1である、ポリマー/親水性シリカブレンド
と、
(B)美容上許容される疎水性エステル油であって、前記美容上許容される長鎖疎水性エステル油は、脂肪族C
8-24
アルキルトリグリセリドを含む、美容上許容される疎水性エステル油と、
(C)美容上許容される界面活性剤と、
を含む、パーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記美容上許容される疎水性エステル油は、アーモンド油、アンディロバ油、アプリコットカーネル油、アルガン油、アボカド油、ババス油、ボラージ油、カノーラ油、ヒマシ油、コカバター、ココナッツ油、コーン油、綿実油、クランベ油、クプアクバター、イブニングプリムローズ、グレープシード油、ヘーゼルナッツ油、ハイブリッド紅花油、イリペバター、木ろう、ジャトロファ油、ホホバ油、コクムバター、亜麻仁油、マンゴーバター、メドウフォーム油、乳脂肪、オリーブ油、オンゴケア油、パームカーネル油、パーム油、ピーナッツ油、ポピーシード油、菜種油、米ぬか油、紅花油、ゴマ油、シアバター、大豆油、ヒマワリ油、スイートアーモンド油、獣脂、桐油、クルミ油、小麦胚芽油、ベロニア油およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項
1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
49から51重量%の前記C
4-8アルキル(メタ)アクリレートモノマーの構造単位は
イソブチル(メタ)アクリレートに由来し、
49から51重量%は
2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートに由来する、請求項
1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
研磨剤、吸収剤、フレグランス、顔料、
着色剤、エッセンシャルオイル
、収斂剤、防腐剤、固結防止剤、フォームビルダー、消泡剤、抗菌剤、抗酸化剤、バインダー
、増量剤、キレート剤
、化粧品殺生物剤、変性剤
、外用鎮痛薬、フィルムフォーマー、不透明化剤、pH調整剤、推進剤、還元剤
、美白剤、皮膚コンディショニング剤、皮膚平滑化剤
、ビタミン、シリコーン、脂肪アルコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される添加剤をさらに含む、請求項
1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記美容上許容される界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤のブレンドを含む、請求項
1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
肌または髪を処置する方法であって、
請求項
1に記載のパーソナルケア組成物を提供することと、
前記パーソナルケア組成物を肌および髪の少なくとも一方に塗布することと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケア用途に使用するポリマー/親水性シリカブレンドに関する。特に、本発明は、(a)増粘ポリマー粉末であって、(i)C4-8アルキル(メタ)アクリレートモノマーの構造単位、(ii)(メタ)アクリル酸モノマーの構造単位、および(iii)式(I)の特殊な会合性モノマーの構造単位と、を含む増粘ポリマー粉末と(式中、R1は線状飽和C10-20アルキル基であり、nは平均20から28である)、(b)親水性シリカ粉末と、を含む、ポリマー/親水性シリカブレンドに関し、前記ポリマー/親水性シリカブレンド中の親水性シリカ粉末の増粘ポリマー粉末に対する重量比は、1:9から9:1である。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア組成物は、各種の効果を組成物に提供する様々な添加剤を含有する。そのような添加剤のうちの1つの種類として、粘度を向上させ、良好な感覚および透明度等の良好な審美性を与えるオイル増粘剤がある。当該分野で既知のオイル増粘剤には、例えば、スチレン-エチレン/ブタジエン-スチレンコポリマー、ポリアミドポリマー、およびセルロース系ポリマーが含まれる。しかしながら、これらの増粘剤は、不十分な粘度向上、高い配合温度、および消費者製品配合物の粘度制御の一貫性の欠如等を含む、ある特定の欠点を伴う。
【0003】
Chenらによる国際特許出願WO2018/098038に開示されたオイルクレンザーポリマー増粘組成物についての一つの手法として、Chenらは、(a)少なくとも1つの美容上許容される疎水性エステル油と、(b)非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの界面活性剤と、(c)1つ以上のポリマーであって、(i)84~95重量%のC4-C8(メタ)アクリレートモノマー、(ii)3~6重量%の(メタ)アクリル酸モノマー、(iii)2~10重量%の親油的に改質された(メタ)アクリレートモノマーの重合構造単位を含む、1つ以上のポリマーと、を含む、パーソナルケア組成物を開示する。
【0004】
従来の油増粘剤と比較して、Chenらによる国際特許出願WO2018/098038に記載されているようなアクリル共重合体は、天然油においてより高い透明度を提供し、より低い配合温度で済み、一連の天然油とのより広い適合性およびより高い増粘効果を示す。しかし、Chenらに教示されている増粘剤は、処方された系に望ましくない糸引きが発生するために妨げられてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、パーソナルケア配合物を含む油で使用するための効果的な増粘系の必要性が残っており、この増粘系は、組み込まれるパーソナルケア配合物に望ましいレオロジーおよび美的特性を付与する。
【0006】
本発明は、(a)増粘ポリマー粉末であって、(i)前記増粘ポリマー粉末の重量に基づいて84から95重量%のC
4-8アルキル(メタ)アクリレートモノマーの構造単位、(ii)前記増粘ポリマー粉末の重量に基づいて0.1から6重量%の(メタ)アクリル酸モノマーの構造単位、および(iii)前記増粘ポリマー粉末の重量に基づいて1から10の式(I)の特殊な会合性モノマーの構造単位と、を含む増粘ポリマー粉末と、
【化1】
(I)
(式中、R
1は線状飽和C
10-20アルキル基であり、nは平均20から28である)、(b)親水性シリカ粉末と、を含む、ポリマー/親水性シリカブレンドを提供し、前記ポリマー/親水性シリカブレンド中の親水性シリカ粉末の増粘ポリマー粉末に対する重量比は、1:9から9:1である。
【0007】
本発明は、(a)本発明のポリマー/親水性シリカブレンドと、(b)美容上許容される疎水性エステル油であって、美容上許容される長鎖疎水性エステル油は、脂肪族C8-24アルキルトリグリセリドを含む、前記疎水性エステル油と、(c)美容上許容される界面活性剤と、を含むパーソナルケア組成物を提供する。
【0008】
本発明は、肌や髪の処置方法であって、本発明のパーソナルケア組成物を提供することと、パーソナルケア組成物を肌および髪の少なくとも一方に塗布することとを含む方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明者らは、驚くべきことに、特異なポリマー/親水性シリカブレンドが、本明細書に記載されるように、所望の非糸状の美的感触とともに増粘を提供することを見いだした。感覚修飾剤として本発明のポリマー油ブレンドから利益を得ることができるパーソナルケア組成物の例としては、フェイシャルケア、ボディケア、ハンドクリーム、日焼け止め、デオドラント、オイルクリーナ、ボディウォッシュ、シャンプーおよび化粧品組成物が挙げられる。
【0010】
特に指示がない限り、比率、百分率、部などは、重量によるものである。
【0011】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される用語「ポリマー」は、同じまたは異なる種類のモノマーを重合することによって調製された化合物を指す。一般的な用語「ポリマー」には、用語「ホモポリマー」、「コポリマー」、および「ターポリマー」が含まれる。
【0012】
ポリマー中のモノマー単位の百分率は、固形または整っているモノマー重量、すなわち、ポリマー乳剤中に存在する一切の水を排除した百分率である。
【0013】
本明細書および添付で使用される場合、「美容上許容される」という用語は、パーソナルケア組成物に典型的に使用される成分を指し、パーソナルケア組成物中に典型的に見られる量で存在する場合に毒性のある材料は、本発明の一部として企図されないことを強調することが意図される。
【0014】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「構造単位」という用語は、示されたモノマーの残部を指し、したがって、2-エチルヘキシルアクリレートの構造単位は、以下で示され、
【化2】
式中、点線は構成単位のポリマー骨格への結合点を表す。
【0015】
酸性水溶液クレンジング製剤に関して本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される用語「美的特徴」は、視覚的および触覚的感覚特性(例えば、滑らかさ、粘着性、潤滑性、質感、色、透明度、管状性、均一性)を指す。
【0016】
好ましくは、本発明のポリマー/親水性シリカブレンドは、(a)増粘ポリマー粉末であって、(i)前記増粘ポリマー粉末の重量に基づいて84から95重量%(好ましくは85から94重量%、より好ましくは87.5から93.5重量%、最も好ましくは89.5から91.5)のC
4-8アルキル(メタ)アクリレートモノマーの構造単位、(ii)前記増粘ポリマー粉末の重量に基づいて0.1から6重量%(好ましくは0.5から5重量%、より好ましくは0.75から4重量%、最も好ましくは1から3重量%)の(メタ)アクリル酸モノマーの構造単位、および(iii)前記増粘ポリマー粉末の重量に基づいて1から10(好ましくは3から10重量%、より好ましくは5から9重量%、最も好ましくは6.5から8.5重量%)の式(I)の特殊な会合性モノマーの構造単位と、を含む増粘ポリマー粉末と、
【化3】
(I)
(式中、R
1は線状飽和C
10-20アルキル基(好ましくは線状飽和C
12-18アルキル基、より好ましくは線状飽和C
12-14アルキル基)であり、nは平均20から28である)、(b)親水性シリカ粉末と、を含む。前記ポリマー/親水性シリカブレンド中の親水性シリカ粉末の増粘ポリマー粉末に対する重量比は、1:9から9:1(好ましくは1:4から4:1、より好ましくは1:3から3:1、さらにより好ましくは1:2から2:1、最も好ましくは1:1.5から1.5:1)である。
【0017】
好ましくは、本発明のポリマー/親水性シリカブレンドは、増粘ポリマー粉末を含む。好ましくは、本発明のポリマー/親水性シリカブレンドは、ポリマー/親水性シリカブレンドの重量に基づいて、10~90重量%(好ましくは20~80重量%、より好ましくは25~75重量%、さらにより好ましくは33~67重量%、最も好ましくは40~60重量%)の増粘ポリマー粉末を含む。最も好ましくは、本発明のポリマー/親水性シリカブレンドは、ポリマー/親水性シリカブレンドの重量に基づいて、10から90重量%(好ましくは20から80重量%、より好ましくは25から75重量%、さらにより好ましくは33から67重量%、最も好ましくは40から60重量%)の増粘ポリマー粉末を含む。前記増粘ポリマー粉末は、(i)前記増粘ポリマー粉末の重量に基づいて84から95重量%(好ましくは85から94重量%、より好ましくは87.5から93.5重量%、最も好ましくは89.5から91.5)のC
4-8アルキル(メタ)アクリレートモノマーの構造単位、(ii)前記増粘ポリマー粉末の重量に基づいて0.1から6重量%(好ましくは0.5から5重量%、より好ましくは0.75から4重量%、最も好ましくは1から3重量%)の(メタ)アクリル酸モノマーの構造単位、および(iii)前記増粘ポリマー粉末の重量に基づいて1から10(好ましくは3から10重量%、より好ましくは5から9重量%、最も好ましくは6.5から8.5重量%)の式(I)の特殊な会合性モノマーの構造単位であって、
【化4】
(I)
式中、R
1は線状飽和C
10-20アルキル基であり、nは平均2から60である。
【0018】
好ましくは、エマルジョン中の増粘ポリマーは、粉末形態に乾燥する前に、Brookhaven BI-90によって測定された、50nmから2μmの平均粒子サイズを有する。より好ましくはエマルジョン中の増粘ポリマーは、粉末形態に乾燥する前に、Brookhaven BI-90によって測定された、75nmから1.1μmの平均粒子サイズを有する。最も好ましくは、エマルジョン中の増粘ポリマーは、粉末形態に乾燥する前に、Brookhaven BI-90によって測定された、100から250nmの平均粒子サイズを有する。
【0019】
好ましくは、増粘ポリマー粉末は、増粘ポリマー粉末の重量に基づいて84から95重量%(好ましくは85から94重量%、より好ましくは87.5から93.5重量%、最も好ましくは89.5から91.5)のC4-8アルキル(メタ)アクリレートモノマーの構造単位を含む。好ましくは、前記C4-8アルキル(メタ)アクリレートモノマーは、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、およびこれらの混合物の少なくとも1つからなる群から選択される。より好ましくは、C4-8アルキル(メタ)アクリレートモノマーは、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレートおよびイソブチル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも1つを含む。最も好ましくは、C4-8アルキル(メタ)アクリレートモノマーは、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートおよびイソブチル(メタ)アクリレートを含む。
【0020】
好ましくは、増粘ポリマー粉末は、増粘ポリマー粉末の重量に基づいて79から95.74重量%(好ましくは80から94重量%、より好ましくは84.5から92重量%、最も好ましくは89.5から91.5)のC4-8アルキル(メタ)アクリレートモノマーの構造単位を含み、ここで、40から90重量%(好ましくは45から85重量%、より好ましくは45から55重量%、さらにより好ましくは48から52重量%、最も好ましくは49から51重量%)のC4-8アルキル(メタ)アクリレートモノマーの構造単位は、C4アルキル(メタ)アクリレートモノマーのものであり、10から60重量%(好ましくは15から55重量%、より好ましくは45から55重量%、さらにより好ましくは48から52重量%、最も好ましくは49から51重量%)のC4-8アルキル(メタ)アクリレートモノマーの構造単位は、C8アルキル(メタ)アクリレートモノマーのものである。より好ましくは、増粘ポリマー粉末は、増粘ポリマー粉末の重量に基づいて79から95.74重量%(好ましくは80から94重量%、より好ましくは84.5から92重量%、最も好ましくは89.5から91.5)のC4-8アルキル(メタ)アクリレートモノマーの構造単位を含み、ここで、40から90重量%(好ましくは45から85重量%、より好ましくは45から55重量%、さらにより好ましくは48から52重量%、最も好ましくは49から51重量%)のC4-8アルキル(メタ)アクリレートモノマーの構造単位は、イソブチルメタクリレートのものであり、10から60重量%(好ましくは15から55重量%、より好ましくは45から55重量%、さらにより好ましくは48から52重量%、最も好ましくは49から51重量%)のC4-8アルキル(メタ)アクリレートモノマーの構造単位は、2-エチルヘキシルメタクリレートのものである。
【0021】
好ましくは、増粘ポリマー粉末は、増粘ポリマー粉末の重量に基づいて0.1から6重量%(好ましくは0.5から5重量%、より好ましくは0.75から4重量%、最も好ましくは1から3重量%)の(メタ)アクリル酸モノマーの構造単位を含む。より好ましくは、増粘ポリマー粉末は、増粘ポリマー粉末の重量に基づいて0.1から6重量%(好ましくは0.5から5重量%、より好ましくは0.75から4重量%、最も好ましくは1から3重量%)のメタアクリル酸モノマーの構造単位を含む。
【0022】
好ましくは、増粘ポリマー粉末は、増粘ポリマー粉末の重量に基づいて1から10(好ましくは3から10重量%、より好ましくは5から9重量%、最も好ましくは6.5から8.5重量%)の式(I)の特殊な会合性モノマーの構造単位を含み、式中、R1は線状飽和C10-20アルキル基(好ましくは線状飽和C12-18アルキル基、より好ましくは線状飽和C12-14アルキル基)であり、nは平均2から60(好ましくは5から40、より好ましくは10から35、最も好ましくは20から28)である。
【0023】
好ましくは、増粘ポリマー粉末は、増粘ポリマーの重量に基づいて、1重量%未満の(メトキシ)ポリ(エチレングリコール)モノマーの構造単位を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、「(メトキシ)ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート」という用語は、メトキシポリ(エチレングリコール)メタクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレートおよびポリ(エチレングリコール)アクリレートを意味する。より好ましくは、増粘ポリマー粉末は、増粘ポリマーの重量に基づいて1重量%未満(好ましくは0.1重量%未満、より好ましくは0.001重量%未満、最も好ましくは検出限界未満)のメトキシポリ(エチレングリコール)メタクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレートおよびポリ(エチレングリコール)アクリレートの構造単位を含む。最も好ましくは、増粘ポリマー粉末は、増粘ポリマーの重量に基づいて1重量%未満(好ましくは0.1重量%未満、より好ましくは0.001重量%未満、最も好ましくは検出限界未満)のメトキシポリ(エチレングリコール)メタクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレートおよびポリ(エチレングリコール)アクリレートの構造単位の構造単位を集合的に含む。
【0024】
好ましくは、増粘ポリマー粉末は、噴霧乾燥、凍結乾燥、および凝固のうちの少なくとも1つを使用して提供される。より好ましくは、増粘ポリマー粉末は噴霧乾燥される。特定の噴霧乾燥プロセスにおいて、固結防止剤は、噴霧乾燥の前にアクリルポリマー懸濁液と混合されるか、または噴霧乾燥プロセス中に乾燥粉末として導入され得る。固結防止剤には、例えば、鉱物充填剤(例えば、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、タルク、水和アルミナ、ベントナイト、およびシリカ)、60℃を超えるガラス転移点または融点を有する固体ポリマー粒子(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、および高密度ポリエチレン)、および60℃を超えるガラス転移点を有する水溶性ポリマー(例えば、ポリビニルアルコールおよびメチルセルロース)が含まれる。固結防止剤は、乾燥したポリマー粒子が互いにまたは処理装置に付着するのを防ぐのに有用な流動助剤として使用される。固結防止剤は、収集されたポリマー粉末の重量に基づいて、最大20重量%で処理に含まれる場合がある。流動助剤としてシリカを使用して製造された増粘ポリマー粉末は、驚くべきことに、本明細書に記載および請求される本発明におけるシリカ粉末および増粘ポリマー粉末の物理的混合に関連する同じ優れた性能を示さないことに留意されたい。
【0025】
好ましくは、本発明のポリマー/親水性シリカブレンドは、親水性シリカ粉末を含む。より好ましくは、本発明のポリマー/親水性シリカブレンドは、ポリマー/親水性シリカブレンドの重量に基づいて、10~90重量%(好ましくは20~80重量%、より好ましくは25~75重量%、さらにより好ましくは33~67重量%、最も好ましくは40~60重量%)の親水性シリカ粉末を含む。最も好ましくは、本発明のポリマー/親水性シリカブレンドは、ポリマー/親水性シリカブレンドの重量に基づいて、10~90重量%(好ましくは20~80重量%、より好ましくは25~75重量%、さらにより好ましくは33~67重量%、最も好ましくは40~60重量%)の親水性シリカ粉末を含み、前記親水性シリカ粉末は、ヒュームド親水性シリカ粉末である。
【0026】
本発明のポリマー/親水性シリカブレンドを調製する際に、増粘ポリマー粉末およびシリカ粉末は、乾燥固体として混合される(すなわち、増粘ポリマーは、乾燥粉末状に分離されて、その後、シリカ粉末と組み合わされてポリマー油ブレンドを形成する)。
【0027】
好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物は、(a)本発明のポリマー/親水性シリカブレンドと、(b)美容上許容される疎水性エステル油であって、美容上許容される疎水性エステル油は、脂肪族C8-24アルキルトリグリセリド(好ましくは脂肪族C12-24アルキルトリグリセリド、より好ましくは脂肪族C>12-24アルキルトリグリセリド)を含む、前記疎水性エステル油と、(c)美容上許容される界面活性剤と、を含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物は、(a)パーソナルケア組成物の重量に基づいて1から10重量%(好ましくは2から8重量%、より好ましくは4から6重量%、最も好ましくは4.5から5.5)の本発明のポリマー/親水性シリカブレンドと、(b)パーソナルケア組成物の重量に基づいて40から75重量%(好ましくは45から70重量%、より好ましくは55から60重量%、最も好ましくは56から58重量%)の美容上許容される疎水性エステル油であって、美容上許容される疎水性エステル油は、脂肪族C8-24アルキルトリグリセリド(好ましくは脂肪族C12-24アルキルトリグリセリド、より好ましくは脂肪族C>12-24アルキルトリグリセリド)を含む、前記疎水性エステル油と、(c)パーソナルケア組成物の重量に基づいて15から59重量%(好ましくは20から53重量%、より好ましくは34から41重量%、最も好ましくは36から40重量%)の美容上許容される界面活性剤と、を含む。
【0028】
好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物は、美容上許容される疎水性エステル油を含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物は、美容上許容される疎水性エステル油を含み、美容上許容される疎水性エステル油は、脂肪族C8-24アルキルトリグリセリド(好ましくは脂肪族C12-24アルキルトリグリセリド、より好ましくは脂肪族C>12-24アルキルトリグリデリド)を含む。さらにより好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物の重量に基づいて40~75重量%(好ましくは45~70重量%、より好ましくは55~60重量%、最も好ましくは56~58重量%)の、美容上許容される疎水性エステル油を含み、美容上許容される疎水性エステル油は、脂肪族C8-24アルキルトリグリセリド(好ましくは脂肪族C12-24アルキルトリグリセリド、より好ましくは脂肪族C>12-24アルキルトリグリデリド)を含む。さらにより好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物の重量に基づいて40から75重量%(好ましくは45から70重量%、より好ましくは55から60重量%、最も好ましくは56から58重量%)の美容上許容される疎水性エステル油を含み、美容上許容される疎水性エステル油は、カプリル酸/カプリルトリグリセリド、飽和脂肪酸エステルおよびジエステル(例えば、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸オクタドデシル、ステアリン酸ステアロイルオクタドデシル、アジピン酸ジイソプロピルおよびセバシン酸ジオクチル)、動物油(例えば、ミンク油)、および植物油からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物の重量に基づいて、40から75重量%(好ましくは45から70重量%、より好ましくは55から60重量%、最も好ましくは56から58重量%)の美容上許容される疎水性エステル油を含み、美容上許容される疎水性エステル油は、アーモンド油、アンディロバ油、アプリコットカーネル油、アルガン油、アボカド油、ババス油、ボラージ油、カノーラ油、ヒマシ油、コカバター、ココナッツ油、コーン油、綿実油、クランベ油、クプアクバター、イブニングプリムローズ、グレープシード油、ヘーゼルナッツ油、ハイブリッド紅花油、イリペバター、木ろう、ジャトロファ油、ホホバ油、コクムバター、亜麻仁油、マンゴーバター、メドウフォーム油、乳脂肪、オリーブ油、オンゴケア油、パームカーネル油、パーム油、ピーナッツ油、ポピーシード油、菜種油、米ぬか油、紅花油、ゴマ油、シアバター、大豆油、ヒマワリ油、スイートアーモンド油、獣脂、桐油、クルミ油、小麦胚芽油、ベロニア油およびそれらの混合物(好ましくはコーン油、綿実油、大豆油、ヒマワリ油およびそれらの混合物、より好ましくはコーン油、ヒマワリ油およびそれらの混合物、最も好ましくはヒマワリ油)からなる群から選択される。
【0029】
好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物は、美容上許容される界面活性剤をさらに含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物は、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される美容上許容される界面活性剤をさらに含む。最も好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物は、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される美容上許容される界面活性剤をさらに含む。
【0030】
好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物は、美容上許容される界面活性剤を含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物の重量に基づいて、15~59重量%(好ましくは20~53重量%、より好ましくは34~41重量%、最も好ましくは36~40重量%)の、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される美容上許容される界面活性剤を含む。最も好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物の重量に基づいて、15~59重量%(好ましくは20~53重量%、より好ましくは34~41重量%、最も好ましくは36~40重量%)の、美容上許容される界面活性剤を含み、美容上許容される界面活性剤は陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、および双性イオン性界面活性剤の混合物である。
【0031】
好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物で使用される陰イオン性界面活性剤は、美容上許容される陰イオン性界面活性剤の群から選択される。好ましくは美容上許容される陰イオン性界面活性剤は、硫酸アルキル、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルカルボキシレート、アルキル置換アリールスルホネート、コハク酸アルキル、スルホコハク酸アルキル、アルキルサルコシネート、α-オレフィンスルホン酸塩、それらのナトリウム、マグネシウム、アンモニウム、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミン塩、それらの混合物からなる群から選択される。
【0032】
好ましいアルキルエーテル硫酸塩界面活性剤としては、カプリレス硫酸アンモニウム、C12-15パレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス-5硫酸アンモニウム、ミレス硫酸アンモニウム、ジエタノールアミンC12-13パレス-3硫酸塩、ジエタノールアミンラウレス硫酸塩、ジエタノールアミンミレス硫酸塩、ジエチルアミンラウレス硫酸塩、マグネシウムコセス硫酸塩、マグネシウムラウレス硫酸塩、マグネシウムラウレス-5硫酸塩、マグネシウムミレス硫酸塩、マグネシウムオレス硫酸塩、モノエタノールアミンラウレス硫酸塩、モノイソプロパノールアミンC12-15パレス硫酸塩、モノイソプロパノールアミンラウレス硫酸塩、コセス硫酸ナトリウム、C9-15パレス-3硫酸ナトリウム、C10-15パレス-3硫酸ナトリウム、C12-16パレス-2硫酸ナトリウム、C12-13パレス硫酸ナトリウム、C12-14パレス-3硫酸ナトリウム、C12-15パレス硫酸ナトリウム、C12-15パレス-3硫酸ナトリウム、C13-15パレス-3硫酸ナトリウム、ドセス硫酸ナトリウム、ラネス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス5硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、オレス硫酸ナトリウム、トリエタノールアミンラウレス硫酸塩、トリエタノールアミンラネス硫酸塩、およびトリイソプロパノールアミンラウレス硫酸塩が挙げられる。
【0033】
好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物で使用される非イオン性界面活性剤は、美容上許容される非イオン性界面活性剤の群から選択される。好ましくは、美容上許容される非イオン性界面活性剤としては、長鎖脂肪酸モノおよびジアルカノールアミド(例、ベヘノイルモノエタノールアミド、ココモノエタノールアミド、イソステアロイルモノエタノールアミド、ラウロイルモノエタノールアミド、ミリストイルモノエタノールアミド、オレオイルモノエタノールアミド、リシノレオイルモノエタノールアミド、ステアロイルモノエタノールアミド、ベヘノイルジエタノールアミド、カプロイルジエタノールアミド、ココイルジエタノールアミド、イソステアロイルジエタノールアミド、ラウロイルジエタノールアミド、リネロイルモノエタノールアミド、ミリストイルモノエタノールアミド、オレオイルモノエタノールアミド、パルミトイルジエタノールアミド、リシノレオイルモノエタノールアミドおよびステアロイルモノエタノールアミド)、C12-22脂肪アルコールエトキシレート(例、オレス-2、オレス-3、オレス-4、オレス-5、オレス-6、オレス-7、オレス-8、オレス-9、オレス-10、オレス-11、オレス-12、オレス-15、オレス-16、オレス-20、オレス-25、ラウレス-2、ラウレス-3、ラウレス-4、ラウレス-5、ラウレス-6、ラウレス-7、ラウレス-8、ラウレス-9、ラウレス-10、ラウレス-11、ラウレス-12、ラウレス-13、ラウレス-15、ラウレス-16、ラウレス-20、ラウレス-25、セテス-10、セテス-12、セテス-14、セテス-15、セテス 16、セテス-17、セテス-20、セテス-25、セトレス-10、セトレス-12、セトレス-14、セトレス-15、セトレス-16、セトレス-17、セトレス-20、セトレス-25、セテアレス-10、セテアレス-12、セテアレス-14、セテアレス-15、セテアレス-16、セテアレス-18、セテアレス-20、セテアレス-22、セテアレス-25、イソステアレス-10、イソステアレス-12、イソステアレス-15、イソステアレス-20、イソステアレス-22、イソステアレス-25、ステアレス-10、ステアレス-11、ステアレス-14、ステアレス-15、ステアレス-16、ステアレス-20およびステアレス-25)、アルキルポリグルコシド(例えば、デシルグルコシド、カルピリルグルコシド、セテアリルグルコシド、ココイルエチルグルコシド、ラウリルグルコシド、ミリスチルグルコシドおよびココグルコシド)、脂肪酸グリセリドまたは部分グリセリドのポリアルキレングリコールエーテル(例えば、PEG-30水素化ヒマシ油、PEG-35水素化ヒマシ油、PEG-40水素化ヒマシ油、PEG-45水素化ヒマシ油、PEG-50水素化ヒマシ油、PEG-55水素化ヒマシ油、PEG-60水素化ヒマシ油、PEG-65水素化ヒマシ油、PEG-80水素化ヒマシ油、PEG-100水素化ヒマシ油、PEG-200水素化ヒマシ油、PEG-35ヒマシ油、PEG-50ヒマシ油、PEG-55ヒマシ油、PEG-60ヒマシ油、PEG-80ヒマシ油およびPEG-100ヒマシ油)およびそれらの混合物が挙げられる。さらに好ましくは、美容上許容される非イオン性界面活性剤は、ラウレス-4を含む。最も好ましくは、美容上許容される非イオン性界面活性剤は、ラウレス-5である。
【0034】
好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物で使用される双性イオン性界面活性剤は、美容上許容される双性イオン性界面活性剤の群から選択される。好ましくは、美容上許容される双性イオン性界面活性剤は、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルアルカノールアミド、アルキルジアルカノールアミド、アルキルスルホベタイン、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネートおよびそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、美容上許容される双性イオン性界面活性剤は、C8-18アルキルアミンオキシド、C8-18アルキルベタイン、C8-18アルキルアミドプロピルベタイン、C8-18アルキルアルカノールアミド、C8-18アルキルジアルカノールアミド、C8-18アルキルスルホベタイン、C8-18グリシン酸アルキル、C8-18アルキルカルボキシグリシン酸およびそれらの混合物からなる群から選択される。好ましい美容上許容される双性イオン性界面活性剤には、ラウリルアミンオキシド、コカミドモノエタノールアミン、コカミドジエタノールアミン、コカミドプロピルベタイン、ココジメチルスルホプロピルベタインおよびそれらの混合物が挙げられる。最も好ましい美容上許容される双性イオン性界面活性剤には、コカミドジエタノールアミンが挙げられる。
【0035】
好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物は、任意選択で、研磨剤、吸収剤、フレグランス、顔料、着色剤/着色剤、エッセンシャルオイル、皮膚感覚物質(skin sensate)、収斂剤(例、クローブオイル、メントール、樟脳、ユーカリオイル、オイゲノール、乳酸メンチル、マンサク留出物)、防腐剤、固結防止剤、フォームビルダー、消泡剤、抗菌剤(例えば、ヨードプロピルブチルカルバメート)、抗酸化剤、バインダー、生物学的添加物、緩衝剤、増量剤、キレート剤、化学添加物、化粧品収斂剤、化粧品殺生物剤、変性剤、薬物収斂剤、局所鎮痛薬、フィルムフォーマー、不透明化剤、pH調整剤、推進剤、還元剤、封鎖剤、美白剤(例、ヒドロキノン、コウジ酸、アスコルビン酸、アスコルビルリン酸マグネシウム、アスコルビルグルコサミン)、皮膚コンディショニング剤(例、保水剤)、皮膚平滑化剤(例えば、パンテノール、アロエベラ、パントテン酸、アラントイン、ビサボロール、グリシルリジン酸二カリウム)、皮膚治療薬、ビタミン(例、ビタミンC)、シリコーンおよび脂肪アルコールからなる群から選択される少なくとも1つのパーソナルケア添加剤をさらに含み得る。
【0036】
好ましくは、本発明の肌または髪の処置方法は、本発明のパーソナルケア組成物を提供することと、パーソナルケア組成物を肌および髪の少なくとも一方に塗布することとを含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケア組成物を使用する方法は、肌および髪の少なくとも一方からパーソナルケア組成物をすすぎ水で洗い流すことをさらに含む。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【0038】
例S1:ポリマー1の合成
表1に記載されているモノマー含有量の構造単位を有する増粘ポリマーを、機械式オーバーヘッドスターラー、加熱マントル、熱電対、コンデンサー、およびモノマー、開始剤、窒素を添加するための入口を備えた3リットルの丸底フラスコで調製した。このフラスコに脱イオン水(900g)とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(7.46g、Stepan製のDS-4 Polystep A-16-22)を入れた。次に、フラスコの内容物を窒素流で攪拌するように設定し、87から89℃に加熱した。オーバーヘッド攪拌する別のプラスチックで裏打ちされた容器に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(17.68g)と脱イオン水(256.65g)を加え、混合した。次に、容器の内容物に、以下の構造を有する親油性変性モノマー(LIPO)を加えた。
【化5】
ここで、R
1は線状飽和C
12アルキル基であり、nは平均20から28(60.60g)であり、イソブチルメタクリレート(255.93g)、2-エチルヘキシルメタクリレート(255.93g)、およびメタクリル酸(11.31g)を混合し続けて、滑らかで安定したモノマーエマルジョンを形成する。脱イオン水(12.71g)に溶かした過硫酸アンモニウム(0.28g)の初期触媒充填物を調製し、取り置いた。脱イオン水(12.71g)に溶かした重炭酸アンモニウム(1.92g)の初期触媒充填物を調製し、取り置いた。22.38gのプレフォームシードを安定したモノマーエマルジョンから取り除き、小さなビーカーに入れた。脱イオン水のリンス(16.8g)を調製した。脱イオン水(49.22g)に溶かした過硫酸アンモニウム(0.28g)の共供給触媒充填物を調製し、取り置いた。
【0039】
フラスコがその温度になったとき、緩衝液および初期触媒充填物をフラスコの内容物に添加し、続いてプレフォームシードを添加し、すすいだ。わずかな発熱について反応を監視した。発熱後、温度制御は83~85℃に調整された。次にモノマーエマルジョンをフラスコの表面下に、15分間は5.25g/分の速度で、その後75分間は10.5g/分の速度に上げて添加した。モノマーエマルジョンをフラスコに添加しながら、同時に共供給触媒溶液を0.55g/分の速度で添加した。モノマーエマルジョンと共供給触媒の添加が完了すると、脱イオン水(16.8g)をリンスとして添加した。次いでフラスコの内容物を20分間、83~85℃に保持した。
【0040】
この保持中に、3.77gの0.15%硫酸鉄七水和物溶液の追跡促進剤を調製した。脱イオン水(36.40g)中に溶かしたイソアスコルビン酸(1.12g)の追跡活性剤溶液を調製した。脱イオン水(35.40g)中に溶かした70%tert-ブチルヒドロペルオキシド(2.14g)の追跡触媒溶液を調製した。
【0041】
80℃で、追跡促進剤溶液をフラスコにショットとして添加した。次に、フラスコ内容物を70℃に冷却しながら、0.7g/分の供給速度で60分かけて注射器により追跡活性化剤および追跡触媒溶液を別々に添加した。フラスコ内容物を10分間保持して、その後、室温まで冷却した。フラスコ内容物が室温に達すると、エマルジョン製品を100メッシュのバッグを通して濾過した。
【0042】
Mobile Minor噴霧乾燥機(GEA Process Engineering Inc.)に装備した2流体ノズルアトマイザを使用して、濾過したエマルジョン製品を噴霧乾燥した。噴霧乾燥は、不活性窒素雰囲気下で行った。窒素を周囲温度でアトマイザに供給し、1バールおよび6.0kg/時の流速に設定した。ポリマーエマルジョンを、蠕動ポンプ(Masterflex L/S)を使用して30mL/分でアトマイザに供給した。加熱した窒素を使用して水を蒸発させた。入口温度を140℃に設定し、エマルジョンの供給速度を微調整することによって出口温度を40~50℃に平衡化した。得られたポリマー粉末をサイクロンに取り付けられたガラスジャーに回収し、続いて室温で真空乾燥して残留水分を取り除いた。
【表1】
【0043】
比較例C1およびC2と例1:オイルクレンザー配合物
オイルクレンザー配合物は、最初に室温、750rpmで15分間オーバーヘッドミキサーを用いて混合し、続いて60°C、500rpmでさらに15分間混合することによって、表2に記載されている組成を有するように調製された。ポリマーとシリカがオイルに完全に混合された後にのみ、加熱が加えられた。
【0044】
糸引き性評価
比較例C1およびC2および実施例1のオイルクレンザー配合物の糸引き性は、周囲条件で直径6mmの平行板を備えたサーモハーケキャピラリーブレークアップ伸長レオメーター(CaBER)を使用して評価された。初期ガットは3mmに設定され、ストレッチプロファイルは50msの線形ストライクに設定された。フィラメントの直径は、赤外線レーザーマイクロメーターを使用する機器によって時間の関数として記録された。上部プレートが動き始めた瞬間に時間ゼロを設定した。すべてのサンプルは、表2で報告された平均で重複してテストされた。
【表2】