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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】内燃機関の油路配置構造
(51)【国際特許分類】
   F02F 7/00 20060101AFI20241029BHJP
   F02F 1/20 20060101ALI20241029BHJP
   F02D 35/00 20060101ALI20241029BHJP
   F01P 3/02 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
F02F7/00 N
F02F1/20
F02D35/00 368A
F01P3/02 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022128124
(22)【出願日】2022-08-10
(65)【公開番号】P2024025032
(43)【公開日】2024-02-26
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169111
【弁理士】
【氏名又は名称】神澤 淳子
(74)【代理人】
【識別番号】100098176
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 訓
(72)【発明者】
【氏名】永田 渉
(72)【発明者】
【氏名】片岡 大
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 崇生
【審査官】稲本 遥
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-101473(JP,A)
【文献】特開2015-227636(JP,A)
【文献】特開2007-032278(JP,A)
【文献】特開平06-193502(JP,A)
【文献】特開平01-315648(JP,A)
【文献】特開2005-320972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02F 1/00- 1/42
7/00
F02D 31/00-39/10
F01P 1/00-11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランク軸(41)が回転自在に支持されるクランクケース(40)と、
前記クランクケース(40)に接続され、シリンダ部(42a)を形成するシリンダブロック(42)と、
前記シリンダブロック(42)に接続され、吸気ポート(45)および排気ポート(46)が形成されるシリンダヘッド(43)と、
前記シリンダブロック(42)に設けられ、ノッキングを検知するノックセンサ(80)とを備えた内燃機関(4)において、
前記シリンダブロック(42)には前記クランクケース(40)側からオイルが供給されるシリンダブロック内供給油路(91,91a,91b)が設けられ、
前記シリンダブロック(42)は、前記ノックセンサ(80)の少なくとも一部を前記シリンダブロック内供給油路(91b)に面して取付ける支持部(81)を備え
前記シリンダブロック内供給油路(91b)は、前記支持部(81)に開放面(91b)を有することを特徴とする内燃機関の油路配置構造。
【請求項2】
前記開放面(91b)は、前記シリンダブロック内供給油路(91)の半環状部(91b)に従い半環状であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の油路配置構造。
【請求項3】
前記開放面(91b)は、前記ノックセンサ(80)によって塞がれることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の油路配置構造。
【請求項4】
前記支持部(81)における前記シリンダブロック内供給油路(91b)へオイルが供給されるオイル入口(91c)は、前記支持部(81)における前記シリンダブロック内供給油路(91b)からオイルが排出されるオイル出口(91d)よりも下方に位置することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の油路配置構造。
【請求項5】
前記オイル出口(91d)は、前記シリンダブロック(42)と前記シリンダヘッド(43)との合わせ面(42b,43b)に形成された合わせ面供給油路(91D)に接続し、前記オイル出口(91d)から排出されたオイルは、前記合わせ面供給油路(91D)を通過することを特徴とする請求項に記載の内燃機関の油路配置構造。
【請求項6】
前記支持部(81)における前記シリンダブロック内供給油路(91b)と前記ノックセンサ(80)と間には、前記シリンダブロック(42)よりも熱伝導率の低いガスケット(84)が介装されたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の油路配置構造。
【請求項7】
前記開放面(91b)は、前記ガスケット(84)を介して前記ノックセンサ(80)によって塞がれることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の油路配置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の油路配置構造に関し、特にノックセンサの冷却に寄与する油路配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より気候変動の緩和または影響軽減を目的とした取り組みが継続され、その実現に向けて有害物質の排出量低減に関する研究が行われている。
内燃機関においても点火タイミングの制御による燃焼室での燃焼適正化によって、NOx、SOx等の削減により有害物質の排出量低減が図られているが、水冷式内燃機関においてノックセンサを配置する場合、冷却水通路を貫通してノックセンサを配置してノックセンサの冷却に寄与するものが、例えば、下記特許文献1に示されている。
しかし、空冷フィンを設けた空冷式内燃機関にノックセンサを配置する場合、ノックセンサの冷却は内燃機関表面からの空冷によるので、冷却性向上のためには、熱源となる燃焼室から遠い位置にノックセンサを配置することが考えられる。しかし、燃焼室から遠くなると燃焼室に於けるノッキングを高精度に検知することができなくなる。
そこで、ノックセンサを燃焼室により近く配置することを可能とし燃焼室のノッキングの高精度な検知を可能とするような、ノックセンサの冷却を行うことが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第406226号公報(図2図6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、有害物質の排出量低減においては、内燃機関の燃焼最適化のためには、高精度なノッキングの検知による点火タイミングの制御により燃焼室での燃焼適正化を可能とすることが課題である。
本発明は上記課題の解決のために、ノックセンサを燃焼室に近づけて配置しノッキングの検知機能を高めながら、ノックセンサを冷却することができることを目的とするものである。そして、延いては有害物質の排出量低減により、気候変動の緩和または影響軽減に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の内燃機関の油路配置構造は、
クランク軸が回転自在に支持されるクランクケースと、
前記クランクケースに接続され、シリンダ部を形成するシリンダブロックと、
前記シリンダブロックに接続され、吸気ポートおよび排気ポートが形成されるシリンダヘッドと、
前記シリンダブロックに設けられ、ノッキングを検知するノックセンサとを備えた内燃機関において、
前記シリンダブロックには前記クランクケース側からオイルが供給されるシリンダブロック内供給油路が設けられ、
前記シリンダブロックは、前記ノックセンサの少なくとも一部を前記シリンダブロック内記供給油路に面して取付ける支持部を備え
前記シリンダブロック内供給油路は、前記支持部に開放面を有することを特徴とする内燃機関の油路配置構造である。
【0006】
上記構成によれば、
ノックセンサを、シリンダブロックに設けられたシリンダブロック内供給油路の支持部における開放面に面して支持部に取付けるので、オイルが燃焼室周辺とカムシャフト周囲を冷却する前に、オイルでノックセンサが冷却され、昇温することを抑えることができる。その結果、ノックセンサを燃焼室に近づけて配置しノッキングの検知機能を高めながらノックセンサを冷却することができる。
そして、高精度なノッキングの検知による点火タイミングの制御により燃焼室での燃焼適正化を可能とし、延いては有害物質の排出量低減により、気候変動の緩和または影響軽減に寄与する。
本発明の好適な実施形態によれば、
前記開放面は、前記シリンダブロック内供給油路の半環状部従い半環状である。
また、前記開放面は、前記ノックセンサによって塞がれる
【0007】
本発明の好適な実施形態によれば、
前記支持部における前記シリンダブロック内供給油路へオイルが供給されるオイル入口は、前記支持部における前記シリンダブロック内供給油路からオイルが排出されるオイル出口よりも下方に位置する。
そのように、オイル出口がオイル入口よりも高い位置に位置するので、支持部におけるシリンダブロック内供給油路内のオイルの気泡を排出しやすい構造とすることができ、そのため支持部におけるシリンダブロック内供給油路内にオイルの気泡が滞留することが防がれるので、ノックセンサを効果的に冷却することができる。
【0008】
本発明の好適な実施形態によれば、
前記オイル出口は、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの合わせ面に形成された合わせ面供給油路に接続し、前記オイル出口から排出されたオイルは、前記合わせ面供給油路を通過するので、燃焼室とノックセンサとの間にオイルが通過することになり、ノックセンサへ熱が伝わりにくい構造とすることができ、そのため、ノックセンサの冷却性が向上する。
【0009】
本発明の好適な実施形態によれば、
前記支持部における前記シリンダブロック内供給油路と前記ノックセンサと間には、前記シリンダブロックよりも熱伝導率の低いガスケットが介装されており、ノックセンサがシリンダブロックに対して、熱伝導率の低いガスケットにより断熱されるので、ノックセンサが昇温しにくい構造とすることができる、そのため、内燃機関外部からの風によりノックセンサが冷却されやすい構造となり、ノックセンサの冷却性が向上する。
また、前記開放面は、前記ガスケットを介して前記ノックセンサによって塞がれる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の内燃機関の油路配置構造によれば、
ノックセンサを、シリンダブロックに設けられたシリンダブロック内供給油路の支持部における開放面に面して支持部に取付けるので、オイルが燃焼室周辺とカムシャフト周囲を冷却する前に、オイルでノックセンサが冷却され、昇温することを抑えることができる。その結果、ノックセンサを燃焼室に近づけて配置しノッキングの検知機能を高めながらノックセンサを冷却することができる。
そして、高精度なノッキングの検知による点火タイミングの制御により燃焼室での燃焼適正化を可能とし、延いては有害物質の排出量低減により、気候変動の緩和または影響軽減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る内燃機関の油路配置構造を備えたパワーユニットを搭載した自動二輪車の右側面概要図である。
図2】パワーユニットの内燃機関のクランクケースからヘッドカバーまでの右側面図である。
図3図2に示される内燃機関のシリンダブロックを取り出して示す右側面図である。
図4図3からノックセンサを除いた状態を示すシリンダブロックの右側面図である。
図5図3図4中V-V矢視による、ノックセンサの取付け状態の模式的断面図である。
図6図2図3図4中VI-VI矢視によるシリンダブロックの前面図である。
図7図3図4中VII-VII矢視による、シリンダブロックの後面図である。
図8図6中VIII-VIII矢視による、内燃機関の、第1油路とシリンダヘッド合わせ面供給油路との接続部を通る右側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1から図8に基づき、本発明の一実施形態に係る内燃機関の油路配置構造につき説明する。
なお、本明細書の説明および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係る内燃機関を備えたパワーユニットを搭載した車両の向きに従うものとする。本実施形態において車両は具体的にはスクータ型自動二輪車(以下、単に「自動二輪車」という)である。
また、図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
【0013】
図1に、本実施形態に係る内燃機関の油路配置構造を備えたパワーユニット3を搭載した自動二輪車1の右側面概要を示す。
自動二輪車1は、車体前部1Fと車体後部1Rとが、低いフロア部1Cを介して連結されており、車体の骨格をなす車体フレーム2は、概ねダウンチューブ21とメインパイプ22とからなる。
すなわち車体前部1Fのヘッドパイプ20からダウンチューブ21が下方へ延出し、ダウンチューブ21は下端で水平に屈曲してフロア部1Cの下方を後方へ延び、その後端において左右一対のメインパイプ22が連結され、メインパイプ22は連結部から斜め後方に立ち上がる立上り部22aを経て所定高さで略水平に屈曲して後方に延びている。
【0014】
メインパイプ22により図示しない燃料タンクや収納ボックスが支持され、その上方に乗車シート11が配置されている。
一方車体前部1Fにおいては、ヘッドパイプ20に軸支されて上方にハンドル12が設けられ、下方にフロントフォーク13が延びてその下端に前輪14が軸支されている。
【0015】
メインパイプ22の立上り部22aにはブラケット23が突設され、ブラケット23にリンク部材24を介してパワーユニット側ブラケット33が取り付き、スイング式パワーユニット(以下、単に「パワーユニット」という。)3が、後輪15と共に上下揺動可能に連結支持される。
すなわち、本実施形態の自動二輪車1は、パワーユニット3の上部リンク支持構造を採っている。
【0016】
パワーユニット3には、そのユニットケース30の前部に強制空冷式の単気筒4ストロークサイクルの内燃機関4が設けられ、ユニットケース30の前部は内燃機関4のクランクケース40を構成している。内燃機関4はそのクランクケース40に車幅方向に軸線を配したクランク軸41を回転自在に支持する。
また、内燃機関4は、クランクケース40に接続されシリンダ部42aを形成するシリンダブロック42と、シリンダブロック42に接続され、吸気ポート45および排気ポート46が形成されるシリンダヘッド43と、シリンダヘッド43を覆うヘッドカバー44を備え、シリンダブロック42、シリンダヘッド43、ヘッドカバー44を略水平に近い状態にまで大きく前傾させて取付けた姿勢でパワーユニット3に設けられる。
【0017】
パワーユニット3のユニットケース30は、内燃機関4から左後方にかけて延在してベルト式無段変速機を内蔵する伝動ケース部31を構成し、その後部に設けられた減速機構32に後輪15が軸支されている。図1に示されるように、ユニットケース30の後端とメインパイプ22の後部間にリヤクッション16が介装されている。
【0018】
パワーユニット3の上部には、内燃機関4のシリンダヘッド43の上部の吸気ポート45の入口から延出した吸気管51に接続されたスロットルボディ52、およびスロットルボディ52に連結されるエアクリーナ53が配設されている。
シリンダヘッド43の下部の排気ポート46の出口に接続した排気管55は後方へ屈曲し車両右側に沿って後方に延びて、後輪15の右側のマフラ56に接続している。マフラ56は、マフラステー56aを介してユニットケース30に取付けられている。
【0019】
車体前部1Fは、フロントカバー17aとリヤカバー17bにより前後が覆われ、ハンドル12の中央部はハンドルカバー17cによって覆われる。
フロア部1Cは、ステッププレート17dが張設され、このステッププレート17dの左右側縁に沿って各々下方にロアサイドカバー17eが延設されている。
【0020】
車体後部1Rは、ステッププレート17dの後部の上方に連結してボディカバー17fがメインパイプ22の前方から左右側方に亘って覆うように被せられ、ボディカバー17fの上端開口を乗車シート11が開閉自在に覆うようになっている。側面視でボディカバー17fの後方斜め上方に先細に延出した後部からリヤフェンダ18が斜め下方に延びて後輪15を上方から覆っている。
【0021】
図2は、パワーユニット3の内燃機関4のクランクケース40からヘッドカバー44までの右側面図である。
本実施形態の内燃機関4は、強制空冷型であり、クランクケース40の右側はファンカバー70で覆われ、ファンカバー70には、クランク軸41の軸心周りの冷却空気取入窓71が開口し、冷却空気取入窓71の内部には図示しない回転ファンがクランク軸41に同心に設けられている。
シリンダブロック42とシリンダヘッド43は、2点鎖線で示すシュラウド72で覆われ、シュラウド72はファンカバー70と連通している。クランク軸41とともに回転する回転ファンによって冷却空気取入窓71から取り入れられた冷却用の外気は、ファンカバー70経由シュラウド72内に強制的に送り込まれ、シリンダブロック42とシリンダヘッド43を冷却した後、排出される。
【0022】
また、本実施形態の内燃機関4は、SOHC型式のバルブシステムを採用しており、シリンダヘッド43に設けられる動弁機構60のカムシャフト61の従動スプロケット61aとクランク軸41の駆動スプロケット41aとの間に、クランク軸41の回転によってカムシャフト61を回転させる伝動部材としてのカムチェーン62が架設されており、そのためのカムチェーン室63が、クランクケース40,シリンダブロック42,シリンダヘッド43内の側部に、本実施形態では左部に連通して設けられている(図6図7参照)。
【0023】
クランク軸41は、シリンダブロック42に設けられ略前後方向に配向されたシリンダ部42a(図6参照)内を摺動する図示されないピストンの前後動により、図2において時計方向へ回転駆動されるようになっている。
シリンダヘッド43の前端部において、ヘッドカバー44との間には、カムシャフト61がクランク軸41と平行に回動自在に支承されている。
【0024】
シリンダヘッド43とシリンダ部42aの図示されない前後動するピストンの前方との間には燃焼室65が形成されるが、シリンダ部42aに相対する部分のシリンダヘッド43は、燃焼室天井面65aを構成する(図6参照)。
シリンダヘッド43には燃焼室65内の吸気、排気を制御するための図示されない吸気弁および排気弁が設けられていて、吸気弁および排気弁はそれぞれ、動弁機構60のカムシャフト61に設けられたカム面により、カムシャフト61の回転に伴ってそれぞれリフト量および開閉のタイミングが制御されるようになっている。
【0025】
すなわち、カムチェーン62により動弁機構60がクランク軸41と連動し、ピストンの上下動により、図2の図示において時計方向で回転駆動されるクランク軸41の回転トルクが、掛け回されたカムチェーン62を介して、カムシャフト61に伝達され、内燃機関4の燃焼行程に対して、吸気弁および排気弁が所定のタイミングで、燃焼室天井面65aに開口する吸気ポート45の吸気弁口66と、排気ポート46の排気弁口67(図6参照)とを開閉するようになっている。
【0026】
そのように所定のタイミングで吸気弁、排気弁が適正に開閉されるためには、カムチェーン62の張力が常に適正に保たれる必要がある。
しかし、運転者の急な加減速によるクランク軸41の回転速度の急激な変化や、路面からの走行抵抗の変化により、カムチェーン62に振動が発生することがある。
【0027】
本実施形態では、図2に示される右側面視で、駆動スプロケット41aの時計方向の回転により、カムチェーン62は、駆動スプロケット41aと従動スプロケッ61aに噛み合って走行するが、駆動スプロケット41aから従動スプロケット61aへ送出される側の上側カムチェーン62aは弛緩側となり、駆動スプロケット41aにより牽引される側の下側カムチェーン62bは緊張側となる。
【0028】
上述のカムチェーン62の振動を防止して一定の張力を与えるために、内燃機関4には、カムチェーン62の張力を保つため、カムチェーン62の弛緩側、すなわち上側カムチェーン62aを所定圧力で押圧するカムチェーンテンショナ機構35が設けられ、カムチェーン62を押圧し摺動案内するテンショナスリッパ36と、テンショナスリッパ36を押圧するねじ式テンショナ37を、シリンダブロック42に備えている。
【0029】
一方、クランクケース40の下部にはオイルパン47(図8参照)が設けられている。
また、クランクケース40内には、クランク軸41の動力により駆動される図示しないオイルポンプが設けられており、クランク軸41によりオイルポンプが駆動されると、オイルパン47内に貯留されたエンジンオイル(以下、特許請求の範囲においても、単に「オイル」という)が、図示しないストレーナを経て吸入されて、オイルポンプから複数の油路を通じて、内燃機関4の各所に送られるようになっている。
なお、図2中符号57は、排気ガスのO2センサである。
また、符号33は、上述のパワーユニット3の上部リンク支持構造のためのパワーユニット側ブラケットである。
【0030】
前述の動弁機構60へは、カムシャフト61の軸受け、カム等の潤滑のために、カムシャフト61周囲にオイルが供給される。
また、本実施形態では、内燃機関4におけるノッキングを感知して、その感知信号を出力するノックセンサ80を備える。
すなわち、内燃機関4の燃焼室65内で発生したノッキングによる振動がノックセンサ80により捉えられることで、図示されないコントロールユニットにおいて点火時期の制御調整がなされ、点火時期が遅くなるように制御調整されてノッキング発生の回避が図られる。
【0031】
そのような制御のためには、ノッキング発生の回避が図られるための、ノックセンサ80による正確な検知信号の出力が要求され、好適なノックセンサ80の取付け位置の選択が重要である。
まず、燃焼室65に発生するノッキングを検知するためには、できるだけ燃焼室65に近い位置がよい。しかし、シリンダヘッド43の燃焼室天井面65a周辺は過熱と位置的な制約があり、そこで例えば、シリンダブロック42のシリンダヘッド43に近い燃焼室65を囲む位置となる壁面に取り付けることが考えられる。
【0032】
また、ノックセンサ80自体は燃焼室65からの熱で昇温することを避ける必要があり、できるだけ冷却されることが求められる。
本実施形態の空冷フィン73を設けた空冷式内燃機関にノックセンサ80を配置する場合、ノックセンサ80は内燃機関4の表面で空冷されることになり、燃焼室65から遠い位置にノックセンサ80を配置することが好ましいが、燃焼室65から遠くなるとノッキングを高精度で検知することが困難になる。
そこで、本実施形態は、後述のように、ノックセンサ80に対する油冷構造を備え、燃焼室65により近い位置に設けることを可能としている。
【0033】
また、本実施形態のように、シリンダブロック42、シリンダヘッド43が略水平に近い状態にまで大きく前傾させて取付けられた内燃機関4では、ノックセンサ80の取付け場所として、通常下側に位置するシリンダブロック42の排気側が選択されると、ノックセンサ80が地面と接触することも考えられ、そのためのガード等が必要となる。
ノックセンサ80の取付け場所として、通常上側に位置するシリンダブロック42の吸気側が選択されると、吸気系の吸気管51、スロットルボディ52、エアクリーナ53等の取付け配置の自由度、組立て性に制約が生じる恐れがある。
【0034】
また、ノックセンサ80の取付け場所として、シリンダブロック42の、カムチェーン室63が設けられた側の側面を選択すると、カムチェーン62等からの振動の影響が考慮される。
そこで本実施形態では、図1図2に示されるように、シリンダブロック42の、カムチェーン室63が設けられた側と反対側の側面、すなわち右側面にノックセンサ80が取付けられている。
ノックセンサ80からは、図示されないコントロールユニットに接続するハーネス87が延出している(図2参照)。
【0035】
図3は、図2に示される内燃機関4のシリンダブロック42を取り出して示す右側面図である。
図3に示されるように、シリンダブロック42の、右側面視でシリンダ軸線Xに略重なる位置の右側壁42dにノックセンサ80が取付けられている。
図4は、図3からノックセンサ80を除いた状態を示すシリンダブロック42の右側面図である。
図3図4において、黒小矢印はオイルの流れを模式的に表す。
図4に示されるように、シリンダブロック42の右側壁42dには、ノックセンサ80を取付けるために空冷フィン73を設けない平坦面をなす支持部81が形成されており、その中央には右側壁42dを貫通しないセンサ取付け穴82が穿たれ、その奥には雌ねじ82aが形成れている。
【0036】
図5は、図3図4中V-V矢視による、ノックセンサ80の取付け状態の模式的断面図である。
ノックセンサ80は中央に取付け用の中空孔80aを備え、中空孔80aに挿通された取付ボルト83の先端側の雄ねじ83aが、支持部81のセンサ取付け穴82の雌ねじ82aに螺合されることで、ノックセンサ80がシリンダブロック42に締結固定される。
【0037】
図3図4に示されるように、シリンダブロック42のクランクケース40に対する合わせ面42cには、クランクケース40内の図示しないオイルポンプからオイルが供給されるクランクケース合わせ面供給油路91Cが設けられる(図7参照)。
クランクケース合わせ面供給油路91Cは、右側壁42dの略中央でシリンダヘッド43側に向けて略シリンダ軸線X方向に設けられたシリンダブロック内供給油路91に接続する。
【0038】
シリンダブロック内供給油路91は略シリンダ軸線X方向の直線部(本発明における「シリンダブロック内供給油路」)91aに加え、支持部81においてセンサ取付け穴82の後方(クランクケース40側)を巡る半環状部(本発明における「シリンダブロック内供給油路」)91bを備え、半環状部91bの下部のオイル入口91cで直線部91aが半環状部91bに接続する。
オイル入口91cの反対側となる上方において、半環状部91bはオイル出口91dで、シリンダブロック42とシリンダヘッド43との合わせ面42b、43bに設けられたシリンダヘッド合わせ面供給油路(本発明における「合わせ面供給油路」)91Dに接続する。
【0039】
そのように半環状部91bからオイルを排出するオイル出口91dが、半環状部91bにオイルが供給されるオイル入口91cよりも高い位置に位置するので、支持部81におけるシリンダブロック内供給油路91の半環状部91b内でオイルの気泡を排出しやすい構造とすることができ、そのため半環状部91b内にオイルの気泡が滞留することがを防がれるので、ノックセンサ80を効果的に冷却することができる。
【0040】
支持部81におけるシリンダブロック内供給油路91の半環状部91bは、大半が溝状で支持部81の表面に開放されているが、これに接するように、支持部81のセンサ取付け穴82に螺入された取付ボルト83でノックセンサ80が支持され、開放面は塞がれる。
支持部81におけるシリンダブロック内供給油路91の半環状部91bとノックセンサ80と間には、シリンダブロック42の材質よりも熱伝導率の低い例えば紙やベークライト等のガスケット84と例えばステンレス鋼等のワッシャ85が介装され、溝状の半環状部91bの開放面を閉じて油路に形成される。
【0041】
その結果、ノックセンサ80が、支持部81においてシリンダブロック内供給油路91の半環状部91bに面して取付けられて、半環状部91bの開放面を塞ぐガスケット84やワッシャ85を介して半環状部91b内のオイルとも接することになるから、ノックセンサ80の冷却に寄与する。
また、ガスケット84やワッシャ85によって、シリンダブロック42の右側壁42dである支持部81の金属面からノックセンサ80への熱伝達が抑制され、内燃機関4外部の風による冷却も加えて、ノックセンサ80が昇温しにくい構造となる。
また、オイルが半環状部91bを通過した後、後述のように燃焼室65周辺とカムシャフト61周囲を冷却する前に、オイルによってノックセンサ80が冷却され、昇温することを抑えることができるので、ノックセンサ80を燃焼室65に近づけて配置し検知の精度を上げながら、ノックセンサ80を冷却することができる。
【0042】
また、ノックセンサ80と取付ボルト83の頭部との間には熱伝導率の低いワッシャ86が介装されて、ノックセンサ80と取付ボルト83との直接接触が防がれており、これにより取付ボルト83を介してシリンダブロック42の熱がノックセンサ80に伝達するのを抑制している。
また、シリンダブロック42の右側壁42dの空冷フィン73は、支持部81には設けず、空冷フィン73がノックセンサ80に接することによりシリンダブロック42の熱が伝達することがないように構成されている。
【0043】
シリンダブロック内供給油路91の半環状部91bはオイル出口91dで、シリンダブロック42とシリンダヘッド43との合わせ面42b、43bの右側部に設けられたシリンダヘッド合わせ面供給油路91Dに接続する。
図6は、図2図3図4中VI-VI矢視によるシリンダブロック42の前面図である。図6中の黒小矢印はオイルの流れを模式的に示す。
図6に示されるように、シリンダヘッド合わせ面供給油路91Dは、合わせ面42b、43bのシリンダ部42aの右上方に位置する接続部92に至る。
【0044】
そのように、シリンダブロック内供給油路91の半環状部91bのオイル出口91dから排出されたオイルは、シリンダブロック42とシリンダヘッド43との合わせ面に形成されたシリンダヘッド合わせ面供給油路91Dを通過するので、燃焼室65とノックセンサ80との間にオイルが通過することとなり、燃焼室65周囲を冷却しつつノックセンサ80へは燃焼室65の熱が伝わりにくい構造となって、ノックセンサ80の冷却性が向上している。
【0045】
接続部92では、シリンダヘッド43内をカムシャフト61周囲に向かうシリンダヘッド43内の第油路91A(図8参照)に接続する。
なお、オイル出口91dから排出されたオイルは、そのように接続部92において、シリンダヘッド43の上部のカムシャフト61周囲へオイルを供給する第1油路91Aに接続しているので、オイル中の気泡は第1油路91A側から排出される。
【0046】
また、そのように接続部92がシリンダ部42aの右上方に位置するのは、接続部92で接続する第1油路91Aによる給油先が、カムシャフト61等へのオイル滴下のため上部に位置するためである。
【0047】
本実施形態では、シリンダヘッド合わせ面供給油路91Dは、シリンダブロック42側のシリンダヘッド43に対する合わせ面42bに形成されたものを、図3図4図6に示したが、シリンダヘッド43側の合わせ面43bに設けたものであってもよく、両合わせ面42b、43bに共に位置を一致させて設け孔状の油路を形成するものであってもよい。
【0048】
図6に示されるように、シリンダブロック42のシリンダヘッド43に対する合わせ面42bには、ほぼ中央にシリンダ部42aが開口し、その周囲のシリンダ軸線X回りの同心円Y上に、シリンダ軸線Xと平行な4つの貫通孔48が形成されている。
合わせ面42bに接続するシリンダヘッド43にも同位置にシリンダ軸線Xと平行に4つの貫通孔48が穿たれていて、シリンダヘッド43の前方から挿入されるスタッドボルト49の先端が、シリンダヘッド43とシリンダブロック42の貫通孔48を通り、クランクケース40に螺入され、シリンダヘッド43とシリンダブロック42をクランクケース40に締結固定する。
【0049】
シリンダ部42aの左側には、前述のカムチェーン室63が開口し、カムチェーン室63上辺に対向して、シリンダブロック42の上部にカムチェーンテンショナ機構35のねじ式テンショナ37が取付けられている。
図6において、シリンダ部42aの中には、シリンダブロック42に取付けられたシリンダヘッド43の燃焼室天井面65aに開口する吸気ポート45の吸気弁口66の位置、排気ポート46の排気弁口67の位置が想像線(2点鎖線)で示される。
【0050】
図6に示されるように、シリンダブロック42の合わせ面42bに開口するシリンダブロック内供給油路91は、その半環状部91bのオイル出口91dを、シリンダ部42aの右側方に開口させる。オイル出口91dは合わせ面42bのシリンダヘッド合わせ面供給油路91Dに接続し、シリンダヘッド合わせ面供給油路91Dは合わせ面42bにおいて上方に延設されて、シリンダ部42aの右上方のスタッドボルト49用の貫通孔48より外側の合わせ面42bに設けられた接続部92に接続する。
そのように、オイル出口91dから排出されたオイルは、シリンダブロック42とシリンダヘッド43との合わせ面42b、43bに形成されたシリンダヘッド合わせ面供給油路91Dを通過するので、燃焼室65とノックセンサ80との間にオイルが通過することとなり、燃焼室65周囲を冷却しつつノックセンサ80へは熱が伝わりにくい構造となっており、ノックセンサ80の冷却性が向上している。
【0051】
図7は、図3図4中VII-VII矢視による、シリンダブロック42の後面図である。図7中の黒小矢印はオイルの流れを模式的に示す。
図7に示されるように、シリンダブロック内供給油路91の直線部91aの後端、すなわち上流端91eは、シリンダブロック42のクランクケース40との合わせ面42cの右側部に設けられたクランクケース合わせ面供給油路91Cに接続する。
【0052】
クランクケース合わせ面供給油路91Cは、その下端において、クランクケース40内に設けられた図示しないオイルポンプからの油路90(図8参照)と接続する給油部93を備え、オイルポンプからのオイルの供給を受ける。
クランクケース40の下部のオイルパン47からオイルポンプによってオイルを供給する油路90が下部に位置するため給油部93は下部に位置し、シリンダブロック内供給油路91との間をクランク合わせ面供給油路91Cが接続している。
なお、クランクケース合わせ面供給油路91Cは、シリンダブロック42側に設けられた溝状のものを示したが、クランクケース40側に設けた溝状のものでもよく、その双方が合わせ形成されるものでもよい。
【0053】
図8は、図6中VIII-VIII矢視による、内燃機関4の、第1油路91Aとシリンダヘッド合わせ面供給油路91Dとの接続部92を通る右側面断面図である。図8中の黒小矢印はオイルの流れを模式的に示す。
クランクケース合わせ面供給油路91Cには、クランクケース40内の図示しないオイルポンプからの油路90から、オイルパン47のオイルが供給される。
クランクケース合わせ面供給油路91Cのオイルは、シリンダブロック内供給油路91の直線部91aにその上流端91eから流入し、半環状部91bでノックセンサ80を冷却した後、シリンダヘッド合わせ面供給油路91Dを経由して、接続部92で第1油路91Aに接続する(図6参照)。
油路91Aはシリンダヘッド43前方へ、動弁機構60のカムシャフト61に向けて配設されていることが示されている。
【0054】
本実施形態の内燃機関の油路配置構造は、上記のように構成されているので、以下のような特徴を有している。
すなわち、クランクケース40にクランク軸41が回転自在に支持され、クランクケース40にシリンダブロック42、シリンダヘッド43,ヘッドカバー44が重なり接続し、シリンダブロック42には、ノッキングを検知するノックセンサ80が備えられた内燃機関4において、
シリンダブロック42にはクランクケース40側からオイルが供給されるシリンダブロック内供給油路91(91a,91b)が設けられ、
シリンダブロック42は、ノックセンサ80をシリンダブロック内供給油路91の半環状部91bに面して取付ける支持部81を備えている。
【0055】
そのように、ノックセンサ80を、シリンダブロック42に設けられたシリンダブロック内供給油路91の半環状部91bに面して支持部81に取付けるので、オイルが燃焼室65周辺とカムシャフト61周囲を冷却する前に、オイルによってノックセンサ80が冷却され、昇温することを抑えることができる。その結果、ノックセンサ80を燃焼室65に近づけて配置しノッキングの検知機能を高めながら、ノックセンサ80を冷却することができる。
そして、高精度なノッキングの検知による点火タイミングの制御により燃焼室65での燃焼適正化を可能とし、延いては有害物質の排出量低減により、気候変動の緩和または影響軽減に寄与する。
【0056】
支持部81におけるシリンダブロック内供給油路91、すなわち半環状部91bへオイルが供給されるオイル入口91cは、支持部81における半環状部91bからオイルが排出されるオイル出口91dよりも下方に位置しており、オイル出口91dがオイル入口91cよりも高い位置に位置するので、支持部81における半環状部91b内のオイルの気泡を排出しやすい構造とすることができ、そのため支持部81における半環状部91b内にオイルの気泡が滞留することが防がれるので、ノックセンサ80を効果的に冷却することができる。
【0057】
また、オイル出口91dは、シリンダブロック42とシリンダヘッド43との合わせ面42b,43bに形成されたシリンダヘッド合わせ面供給油路91Dに接続し、オイル出口91dから排出されたオイルは、シリンダヘッド合わせ面供給油路91Dを通過するので、燃焼室65とノックセンサ80との間にオイルが通過することになり、燃焼室65周囲を冷却しつつノックセンサ80へは熱が伝わりにくい構造となっており、そのため、ノックセンサ80の冷却性が向上している。
【0058】
支持部81におけるシリンダブロック内供給油路91の半環状部91bとノックセンサ80と間には、シリンダブロック42よりも熱伝導率の低いガスケット84が介装されている。
そのため、ノックセンサ80がシリンダブロック42に対して、熱伝導率の低いガスケット84により断熱されるので、ノックセンサ80が昇温しにくい構造となり、内燃機関4外部からの風によりノックセンサ80が冷却されやすく、ノックセンサ80の冷却性が向上している。
【0059】
以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明の態様はそれに限定されることなく、特許請求の範囲の各請求項の記載の要旨に含まれる多様な態様であって良い。例えば、搭載する車両は実施形態に示されるようなスクータ型自動二輪車に限定されず、内燃機関は実施形態のスイン式パワーユニットに設けられたものに限定されず、車体フレーム上に固定された内燃機関であってもよく、左右前後については説明の便宜上図示のものに従って説明したが、たとえば、左右反転した配置でもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…自動二輪車、2…車体フレーム、3…パワーユニット(スイング式パワーユニット)、4…内燃機関、30…ユニットケース、31…伝動ケース部、32…減速機構、35…カムチェーンテンショナ機構、36…テンショナスリッパ、37…ねじ式テンショナ、40…クランクケース、41…クランク軸、41a…駆動スプロケット、42…シリンダブロック、42a…シリンダ部、42b…合わせ面、42c…合わせ面、42d…右側壁、43…シリンダヘッド、43b…合わせ面、45…吸気ポート、46…排気ポート、47…オイルパン、48…貫通孔、49…スタッドボルト、60…動弁機構、61…カムシャフト、61a…従動スプロケット、62…カムチェーン、63…カムチェーン室、65…燃焼室、65a…燃焼室天井面、66…吸気弁口、67…排気弁口、73…空冷フィン、80…ノックセンサ、80a…中空孔、81…支持部、82…センサ取付け穴、82a…雌ねじ、83…取付ボルト、83a…雄ねじ、84…ガスケット、85…ワッシャ、86…ワッシャ、87…ハーネス、90…油路、91…シリンダブロック内供給油路、91a…直線部(本発明における「シリンダブロック内供給油路」)、91b…半環状部(本発明における「シリンダブロック内供給油路」)、91c…オイル入口、91d…オイル出口、91e…上流端、91A…第1油路、91C…クランクケース合わせ面供給油路、91D…シリンダヘッド合わせ面供給油路(本発明における「合わせ面供給油路」)、92…接続部、93…給油部、X…シリンダ軸線、Y…同心円
図1
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