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  • 特許-雪崩滑り検出システム及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】雪崩滑り検出システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B61L 23/00 20060101AFI20241029BHJP
   G01V 1/00 20240101ALI20241029BHJP
   G01W 1/00 20060101ALI20241029BHJP
   G01D 21/00 20060101ALI20241029BHJP
   E01F 7/04 20060101ALI20241029BHJP
   G08B 21/10 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
B61L23/00 Z
G01V1/00 Z
G01W1/00 Z
G01D21/00 Q
E01F7/04
G08B21/10
G01D21/00 D
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022137301
(22)【出願日】2022-08-30
(62)【分割の表示】P 2021112641の分割
【原出願日】2021-07-07
(65)【公開番号】P2023003419
(43)【公開日】2023-01-11
【審査請求日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】16/924694
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505220284
【氏名又は名称】ビーエヌエスエフ レイルウェイ カンパニー
【住所又は居所原語表記】2500 Lou Menk Drive, AOB 3, Fort Worth, TX 76131, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ビアード、 ミッチェル
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-175674(JP,A)
【文献】特開2014-020068(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0159915(US,A1)
【文献】米国特許第05186438(US,A)
【文献】特開2005-259533(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0658212(KR,B1)
【文献】米国特許第04300121(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L 1/00 - 99/00
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
B60M 1/00 - 7/00
G01V 1/00
G01W 1/00
G01D 21/00
E01F 7/04
G08B 21/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雪崩検出システムであって、
雪崩を検出するように構成された複数の衝撃検出タワーであって、各衝撃検出タワーが、
上部構成要素と下部構成要素とを備えるベースであって、前記上部構成要素がヒンジによって前記下部構成要素と結合されるベースと、
前記ベースの前記下部構成要素と結合される基礎部材と、
前記ベースの前記上部構成要素と結合されるマストを有する支柱部材であって、前記マストが、前記上部構成要素を前記下部構成要素に結合する前記ヒンジの動作を制御するように適合された条件的作用部によって直立姿勢に保持される支柱部材と、
前記支柱部材に動作可能に結合されるセンサと、
前記センサからデータを受信して前記支柱部材の動きの大きさを判定するように構成されたゲートウェイと、
を備え、
前記雪崩検出システムは、前記支柱部材の動きの大きさに基づいて雪崩を検出するように動作可能な、
システム。
【請求項2】
前記支柱部材上に配置され、前記衝撃検出タワーが倒れ始めたことに反応して作動し前記支柱部材が所定角度を超えて傾斜することを防止する反応スタンドをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記センサは、前記支柱部材の傾斜を検出するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、前記衝撃検出タワーの動きの大きさが所定の閾値を超える場合、警告を発するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ゲートウェイと動作可能に結合されるヒューマンマシンインタフェース(HMI)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記条件的作用部は、所定の条件が満たされた場合に前記支柱部材が倒れるように作動する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記条件的作用部は、所定の条件が満たされた場合に前記支柱部材が不可逆的に倒れるように作動する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記雪崩検出システムは、鉄道線路に近接するように配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
衝撃検出タワーであって、
ベースの上部構成要素に結合されるマストを有する支柱部材であって、前記上部構成要素がヒンジによって前記ベースの下部構成要素と結合され、前記マストが、前記上部構成要素を前記下部構成要素に結合する前記ヒンジの動作を制御するように適合された条件的作用部によって直立姿勢に保持される支柱部材と、
前記支柱部材に動作可能に結合され、前記衝撃検出タワーの状態に関連するデータを収集するように構成されたセンサと、
を備え、
前記センサは、前記収集されたデータに基づいて、前記衝撃検出タワーに近接する雪崩の存在を示すことができる、
衝撃検出タワー。
【請求項10】
前記ベースの下部構成要素は、基礎部材に結合される、請求項9に記載の衝撃検出タワー。
【請求項11】
前記センサは、前記支柱部材の傾斜を決定するように構成される、請求項9に記載の衝撃検出タワー。
【請求項12】
前記条件的作用部は、シャーピンで構成される、請求項9に記載の衝撃検出タワー。
【請求項13】
前記センサは、ゲートウェイにデータを送信するように構成される、請求項9に記載の衝撃検出タワー。
【請求項14】
前記支柱部材上に配置され、前記衝撃検出タワーが倒れ始めたことに反応して作動し前記支柱部材が所定角度を超えて傾斜することを防止する反応スタンドをさらに備える、請求項9に記載の衝撃検出タワー。
【請求項15】
前記反応スタンドは、前記支柱部材が45度を超えて傾斜することを防止するように構成される、請求項14に記載の衝撃検出タワー。
【請求項16】
前記条件的作用部は、所定の作用部強度を超える力が前記支柱部材の垂直軸に実質的に垂直に加えられる場合、直立姿勢から前記支柱部材を解放するように構成される、請求項9に記載の衝撃検出タワー。
【請求項17】
前記条件的作用部は、所定の条件が満たされた場合に前記支柱部材が倒れるように作動する、請求項9に記載の衝撃検出タワー。
【請求項18】
前記条件的作用部は、所定の条件が満たされた場合に前記支柱部材が不可逆的に倒れるように作動する、請求項17に記載の衝撃検出タワー。
【請求項19】
鉄道システムにおける雪崩干渉を検出する方法であって、
鉄道線路に近接するように配置された支柱部材に結合されたセンサから、前記支柱部材の動きに関連するデータを受信するステップであって、前記支柱部材はベースの上部構成要素と結合されるマストを備え、前記上部構成要素がヒンジによって前記ベースの下部構成要素と結合され、前記マストは、前記上部構成要素を前記下部構成要素に結合する前記ヒンジの動作を制御するように適合された条件的作用部によって直立姿勢に保持される、ステップと、
前記支柱部材の動きが所定の閾値を超える場合、ゲートウェイを介して雪崩を検出するステップと、
前記受信したデータの少なくとも一部を使用して警報を生成するステップと、
を備える方法。
【請求項20】
前記条件的作用部は、シャーピンで構成される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記条件的作用部は、所定の条件が満たされた場合に前記支柱部材が倒れるように作動する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記条件的作用部は、所定の条件が満たされた場合に前記支柱部材が不可逆的に倒れるように作動する、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に鉄道資産の管理及びメンテナンスにおける損傷の検出に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道輸送システムは、大陸全体を横断し、世界中の乗客と商品の輸送と配達を可能にする。鉄道インフラの典型的な構成要素は、鉄道線路である。無数の地域と地形の上に敷設された鉄道線路は、最悪の要素に耐え、鉄道システム全体における機関車の移動を容易にするように設計されている。線路が危険な状態に絶えずさらされているため、鉄道会社は線路の完全性を保持するために注意を注ぐ必要がある。もし、線路の一部が危険にさらされ、損傷や障害物に早く対処できない場合、その結果は惨事につながる可能性がある。
【0003】
山脈に敷設された線路は、特に危険にさらされている。降雪量が多く、標高の急激な変化のため、山脈にまたがる鉄道線路は、雪崩の影響を受ける危険が最も高い。雪崩は予測することができず、突発的であり、鉄道インフラに破壊的な打撃を与える可能性がある。雪崩は、鉄道線路を雪や岩くずの中に埋もれさせ、機関車の進路を妨げる可能性がある。このような障害物は、列車の安全な移動に影響を及ぼし、列車の脱線や機関車の損傷につながる可能性がある。しかし、雪崩がいつ発生するかを予測することは、非常に困難で不確かな科学である可能性があり、適時かつ適切な方法で対応することは、さらに困難になる可能性がある。鉄道会社は、世界で最も不安定な環境の1つに敷設された数千マイルの鉄道線路に沿った任意の地点における潜在的な雪崩に常に警戒する必要がある。そのため、雪崩が発生したことを単に検出すること自体が課題となっている。
【0004】
一部の従来の雪崩検出方法は、雪崩が発生するか又は発生したかを判断するために、積雪の動きに焦点を合わせている。例えば、ジャベリン(javelin)のようなセンサとプローブを積雪内に挿入して雪崩を示す可能性のある変化を検出することができる。ただし、有用ではあるものの、誤警報の可能性が高いため、積雪モニタは鉄道インフラの雪崩障害を監視するのに実用的ではない。例えば、野生動物の動きが積雪の移動やセンサの起動を引き起こす可能性があり、また、雪崩が列車の運行に危険をもたらさない場合もある。線路上の最小限の積雪は、機関車の妨げにならない。そのため、従来の積雪監視技術に依存すると、誤警報が発生し、不要な列車の遅延や鉄道網のボトルネックが発生する可能性がある。誤警報は、不要な列車の遅延を引き起こすだけでなく、列車乗務員の現状満足、すなわち、時間の経過に伴い、雪崩の多い地域における継続的な誤警報によって鉄道職員が所与の雪崩警報の有効性を疑うこと、を招くようになり、列車の運行に不要なリスクが加わる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、雪崩検出システムとしての技術的利点を達成する。一実施形態では、本開示は、様々なレベルの冗長性を実装することによって、誤警報の事例を低減するだけでなく、雪崩が発生したかを判定するためのセンサとロジックを組み合わせた機械的条件的作用部を実装する雪崩検出システムを備える。他の実施形態では、本開示は、費用効率が高く実用的な雪崩検出システムを提供し、鉄道システムが鉄道線路の雪崩障害を警告する速度を高める。
【0006】
本開示の目的は、鉄道線路上の列車の移動を妨げる可能性のある雪崩の発生を検出することができる雪崩検出システムを提供することにある。本開示の他の目的は、特定の力による衝撃にのみ反応し、例えば雪崩ほどの力を加えることができない野生動物、風、及び
他の気象状態による誤警報を効果的に低減することができる衝撃検出タワーを提供することにある。本開示の他の目的は、誤警報の可能性を軽減すると共に、効果的かつ費用効率の高い鉄道システムにおける雪崩干渉を検出する方法を提供することにある。
【0007】
例示的な一実施形態において、雪崩検出システムは、第1衝撃検出タワーであって、前記タワーは、基礎部材、前記基礎部材と動作可能に結合された支柱部材であって、前記支柱部材は、前記支柱部材に加えられた衝撃力に敏感な条件的作用部によって直立姿勢に保持される支柱部材、及び前記支柱部材に動作可能に結合されるセンサ、を備えるタワーと、前記支柱部材が移動したか否か、及びその移動の大きさを判定するために前記センサからデータを受信するように構成されたゲートウェイと、を含む。第2衝撃検出タワーをさらに備える。前記支柱部材は、前記基礎部材と結合されるベースであって、下部構成要素とヒンジ結合された上部構成要素であって、前記条件的作用部が、前記上部構成要素と前記下部構成要素とが結合されるヒンジの動作を制御する上部構成要素、及び前記ベースの前記上部構成要素と結合されるマスト、を備えるベースをさらに含む。前記センサは、前記支柱部材の傾斜を検出するように構成される。前記システムは、前記支柱部材の動きの大きさが所定の閾値を超える場合、警報を通知するように構成される。前記ゲートウェイと動作可能に結合されるヒューマンマシンインタフェース(HMI)をさらに備える。前記第1衝撃検出タワーは、鉄道線路に近接するように配置される。
【0008】
他の例示的な実施形態では、衝撃検出タワーは、基礎部材と、前記基礎部材と係合する支柱部材と、センサと、を含み、前記支柱部材が、前記支柱部材に加えられる衝撃力に敏感な条件的作用部によって直立姿勢に保持される。前記支柱部材は、ベースと動作可能に結合されるマストを含み、前記ベースは、前記支柱部材と前記基礎部材とを結合するように構成される。前記ベースは、前記マストと結合される上部構成要素と、基礎部材と結合される下部構成要素とを含み、前記条件的作用部は、前記上部構成要素と前記下部構成要素とを結合するヒンジの動作を制御する。前記センサは、前記支柱部材の傾斜を決定するように構成し得る。前記条件的作用部は、シャーピン、又は他の適切な装置であり得る。前記センサは、ゲートウェイにデータを送信するように構成し得る。反応スタンドをさらに備える。前記反応スタンドは、前記支柱部材が45度を超えて傾斜することを防止するように構成し得る。前記条件的作用部は、所定の作用部強度を超える力が前記支柱部材の垂直軸に実質的に垂直に加えられる場合、直立姿勢から前記支柱部材を解放するように構成し得る。
【0009】
他の例示的な実施形態では、鉄道システムにおける雪崩干渉を検出する方法は、衝撃検出タワーを鉄道線路に近接するように設置するステップであって、前記衝撃検出タワーが、基礎部材、前記基礎部材と係合する支柱部材、及びセンサ、を含むステップと、前記センサからデータを受信して前記支柱部材が移動したか否か、及びその移動の大きさを判定するように構成されたゲートウェイを提供するステップと、を含み得る。前記支柱部材は、基礎部材と係合するベースを含むことができ、前記ベースは、下部構成要素とヒンジ結合された上部構成要素であって、前記条件的作用部は、前記上部構成要素と前記下部構成要素とを結合するヒンジの動作を制御する上部構成要素と、前記ベースの前記上部構成要素と結合されるマストと、をさらに含むことができる。前記センサは、支柱部材の傾斜を検出するように構成し得る。前記ゲートウェイは、前記支柱部材の傾斜が所定の閾値を超える場合、警報を通知するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示による、雪崩検出システムの例示的な実施形態を示す。
図2A】本開示による、衝撃検出タワーの例示的な実施形態を示す。
図2B】本開示による、衝撃検出タワーの例示的な実施形態を示す。
図3】本開示による、衝撃検出タワーの他の例示的な実施形態を示す。
図4】本開示による、衝撃検出タワーの他の例示的な実施形態を示す。
図5】本開示による、衝撃検出タワーの他の例示的な実施形態を示す。
図6A】本開示による、衝撃検出システムの他の例示的な実施形態を示す。
図6B】本開示による、衝撃検出システムの他の例示的な実施形態を示す。
図6C】本開示による、衝撃検出システムの他の例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に記載される本開示の好ましいバージョン、並びにその様々な特徴及び有利な詳細は、添付図面に含まれる非限定的な例を参照して、以下の説明に詳述されるようにより完全に説明される。周知の構成要素に関する説明は、本明細書に記載されている主要な特徴を不要に曖昧にしないために省略されている。以下の説明で使用される例は、本開示を実施及び実施する方法の理解を容易にすることを目的とする。従って、これらの例は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0012】
例示的な一実施形態では、本開示は、雪崩検出システムを備える。システムは、データを収集するように構成されるセンサが装着された、少なくとも1つの衝撃検出タワーを含むことができ、データとは、例えば、衝撃検出タワーの状態、現在の気象条件、他の衝撃検出タワーの状態、又はタワーに加えられる衝撃、又は雪崩を予測又は検出するのに有用な任意の他の情報をいう。好ましくは、図1に見られるように、衝撃検出タワー102は、鉄道線路100に沿って平行に配置され得る。一実施形態では、タワー102は、互いに50フィート以下、好ましくは25フィート離隔して配置することができる。タワー102のセンサは、データをゲートウェイ(図1に示さず)にデータを通信するように構成され得る。他の実施形態では、センサは、ゲートウェイと動作可能に通信し得る。一実施形態では、前記ゲートウェイは、衝撃検出タワー102のセンサからのデータを処理して、警報を通知する必要があるか否かを決定するように構成してもよい。他の実施形態では、警報は、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)を介して列車乗務員に通知及び伝達され得る。
【0013】
センサ及びゲートウェイは、インターネット、イントラネット、システムバス、又は有線又は無線の他の適切なネットワークなどのネットワークを介して相互に通信可能に結合され得る。通信は、VPNトンネルを介して、又は他の適切な通信手段によって送信され、暗号化又は復号化することができる。ネットワークは、WAN、LAN、PAN、又は他の適切なネットワークであり得る。さらに、センサとゲートウェイとは、メッシュネットワークを形成してもよい。センサとゲートウェイとの間にネットワーク通信は、PGP、ブローフィッシュ(Blowfish)、AES、3DES、HTTPS、又は他の適切な暗号化(encryption)を介して暗号化され得る。ネットワーク通信は、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)、ANSI-X12、イーサネット、WiFi、ブルートゥース(登録商標)、PCI-Express、USB、Z-WAVE、ZigBee、又は他の適切な通信プロトコルを介して行うことができる。さらに、障害物検知又は制御データを備えたデータベースは、システム構成要素と動作可能に結合され得る。
【0014】
図2A及び図2Bは、本開示の例示的な実施形態を示している。好ましくは、衝撃検出タワー102は、基礎部材104及び支柱部材106を含むことができる。基礎部材104は、支柱部材106に結合し、支柱部材106を直立姿勢で安定化するのに適した任意の構成要素として実装することができる。例えば、一実施形態では、基礎部材104は、支柱部材106を受け入れるように構成されたスラブとして実装し得る。他の例示的な実施形態では、基礎部材104は、実質的に地面に埋め込まれるか、又はスラブ内に固定され、支柱部材106を受け入れるように構成された支持体として実装し得る。
【0015】
他の例示的な実施形態では、支柱部材106は、ベース108及びマスト114を備えることができる。好ましくは、ベース108は、基礎部材104に結合し、マスト114を支持するように構成し得る。例えば、ベース108は、上部構成要素110及び下部構成要素112を備えることができ、上部構成要素110は、マスト114に結合されてもよく、下部構成要素112は、基礎部材104に結合されてもよい。ベース108は、マスト114の基礎部材104への結合を容易にできる任意の適切な形状や構成であり得る。マスト114はまた、マストの安定性を高めるためにガセット128を含むことができる。
【0016】
条件的作用部は、上部構成要素110及び下部構成要素112と結合されたヒンジ116の作動を制御することができる。受信機機構122は、条件的作用部を受信するように構成された領域を備える、雄端部及び雌端部を含むことができる。一実施形態では、下部構成要素112は、上部構成要素110の開口部を介して供給されることができ、それを通す部材穴を有する雄部材を含むことができる。雄部材の穴は、条件的作用部を受け取るように構成し得る。他の例示的な実施形態では、上部構成要素110は、条件的部材を雄部材及び1つ以上のガード穴を介して受容できるように、下部構成要素112の雄部材と整列できるガード穴を有する1つ以上のガードを含むことができる。一実施形態では、基礎部材104は、ベース108を基礎部材104に解放可能に固定することができる取付プレート130を含むことができる。基礎部材104は、ナット及びボルト、又は他の適切な構成要素を介して取付プレート130に解放可能に固定され得る。
【0017】
図3に示すように、支柱部材106は、基礎部材104に直接結合することができる。一実施形態では、基礎部材104は、支柱部材106の端部118を受け入れるように構成されたオリフィス120を備えたスラブを含むことができる。支柱部材の端部118は、好ましくは、雄の対応物であることができ、基礎部材のオリフィス120は、好ましくは、雄雌連結機構の雌の対応物であることができる。当業者には、基礎部材のオリフィス120内での支柱部材の端部118の結合を容易にするために利用可能な様々なデザイン及び構成があり得ることを理解できよう。一実施形態では、支柱部材の端部118は、ねじ山を備えることができ、基礎部材のオリフィス120は、支柱部材の端部118のねじ山を受け入れるように構成された対応するねじ山を備えることができる。他の実施形態では、基礎部材のオリフィス120は、支柱部材の端部118を固く受け入れるように構成することができ、端部118は、オリフィス120への挿入を容易にするために、傾斜及び波形にすることができ、これにより、支柱部材106は、基礎部材104内の所定の位置に「スナップ」することができる。支柱部材106の基礎部材104への結合を容易にするために、任意の他の適切な雄雌型取付機構を利用してもよい。
【0018】
一実施形態では、衝撃検出タワー102は、好ましくは支柱部材106が十分な力で衝撃を受けたときに倒れるように構成することができる。例えば、支柱部材106は、十分な力が基礎部材104から支柱部材106を分離できるように基礎部材104に解放可能に結合し得る。このような力は、履歴データ、モデリング、又は他の適切な方法によって事前に決定することができる。あるいは、支柱部材106は、基礎部材104と結合されたままで支柱部材106が倒れることができるように基礎部材104と動作可能に係合し得る。例示的な一実施形態では、支柱部材106及び基礎部材104は、支柱部材106がヒンジの軸の周りで移動可能であり、支柱部材106が基礎部材104に取り付けられたまま倒れることを可能にするようにヒンジ係合することができる。他の実施形態では、支柱部材106は、上部構成要素110及び下部構成要素112を有するベース108を備えることができ、ヒンジ116は、構成部110と構成部112との間に配置することができる。例えば、図2Bに示すように、このような方式において、支柱部材106は、ベース108の下部構成要素112を介して基礎部材104に結合を保つことができるが、十分な力で衝撃が加わると倒れる。
【0019】
例示的な一実施形態では、衝撃検出タワー102の支柱部材106は、条件的作用部で制御することによって、十分な力で衝撃を受けたときのみ倒れるように構成することができる。前記条件的作用部は、支柱部材106を直立姿勢に保持するために使用され、その結果、条件(即ち、所定の力の衝撃)が満たされたとき、条件的作用部は、支柱部材106が倒れるように機能することができる。一実施形態では、図2に示すように、条件的作用部は、好ましくはヒンジ116の動作を制御できるシャーピンであってもよい。シャーピンは、所定の力がタワー102に加えられるまでは、ヒンジ116の動作を防ぐように設計され得る。シャーピンの引張強度は、選択することができ、所定の力がタワーに加えられるとシャーピンが破損して、ヒンジが動作するようにする。様々なタイプの条件的作用部が、この機能を達成するために使用され、ここには、摩擦装置、ばね装置、又は他の適切な装置が含まれ得る。一実施形態では、条件的作用部は、タワー102に十分な力が加えられたときのみ分離するように構成された磁石であり得る。他の実施形態では、条件的作用部は、ドアラッチのように機能することができ、十分な力が加えられたときにのみ解放する。支柱部材106の条件付き直立姿勢を達成するために、任意の適切な構成要素を利用することができる。一実施形態では、条件的作用部は、所定の作用部強度を超える力が支柱部材の垂直軸に実質的に垂直に加えられたときに、前記支柱部材を直立姿勢から解放するように構成される。例示的な一実施形態では、支柱部材は、ヒンジが最初の衝撃の側と反対になるように配置することができ、鉄道線路の反対側を向くか、又は鉄道線路と雪崩の危険の間に配置され、雪崩の衝撃でヒンジが作動して、タワーが倒れるようにすることができる。
【0020】
基礎部材104と支柱部材106との間の結合機構はまた、条件的作用部として機能するように構成することができる。例えば、図3と関連して、支柱部材の端部118及び基礎部材のオリフィス120は、十分な力が支柱部材106に加えられたときに分離するように構成することができる。一実施形態では、支柱部材の端部118及び基礎部材のオリフィス120のねじ山は、支柱部材106が特定の力で衝撃を受けたときに道を譲るように設計することができる。他の実施形態では、傾斜及び波形の端部118は、同様の力の衝撃を受けた時にオリフィス120から解放することができる。当技術分野の当業者であれば、任意の適切な雄雌型の取付機構を条件的作用部として機能し、所定の力を加えると支柱部材106を基礎104から分離できるように構成できることを理解できよう。他の実施形態では、ヒンジ式に係合した支柱部材106及び基礎部材104(又は上部構成要素110とベース108の下部構成要素112を接続するヒンジ116)は、設計的に摩擦が増加するなどの十分な力が加えられた時だけ動作するように構成することができ、それ自体が条件的作用部として作動し得る。他の実施形態では、支柱部材106自体が条件的作用部として機能することができる。例えば、当技術分野の当業者であれば、支柱部材106が、特定のレベルの力が加わると破壊するように設計された材料で作ることができ、破壊すると、支柱部材106はもはや直立姿勢にないことを理解するであろう。このような方法において、例えば、支柱部材106の材料、基礎部材104の材料、及び/又は支柱部材106を基礎部材104に結合するために使用される取り付け機構の材料(例えば、ナットとボルト、リベット、ねじ山、又は、他の適切な取り付け機構)は、条件的作用部になり得る。
【0021】
図4は、本開示の他の実施形態を示しており、反応スタンド124は、衝撃検出タワー102の支柱部材106の上に配置され得る。一実施形態では、スタンド124は、支柱部材106が倒れ始めたとき、又は力がタワー102に加えられたときに延びるように構成し得る。他の実施形態では、スタンドは、支柱部材106の転倒に比例して延びるように構成し得る。スタンド124は、ばね搭載式、プーリ式のシステムに接続、又は他の方法では適切な構成要素又はメカニズムによって支柱部材106による衝撃又は動きに反応するように機械化又は作動することによって、タワー102への衝撃に反応するようにで
きる。
【0022】
図5は、衝撃検出タワー102がセンサ126を備える本開示の他の例示的な実施形態を示す。一実施形態では、センサは、支柱部材の上部近くに配置される。当技術分野の当業者であれば、センサ126は、温度、風速、高度、振動周波数、無線周波数、動作表示、及び鉄道オペレータに潜在的に有用な他の任意のデータと共に様々なデータを収集するように構成し得ることが理解できよう。当技術分野の当業者であれば、センサ126は、データ収集を容易にするために、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、GPS、近接センサ、周辺光センサ、マイクロホン、スピーカ(例えば、センサの位置を特定するのに役立つ音を発する)、気圧計、温度計、及び空気湿度センサを含むが、これらに限定されないいくつかの構成要素を装備できることも理解されよう。好ましい実施形態では、センサ126は、衝撃検出タワー102の傾斜を検出するように動作可能な加速度計を備えることができる。他の実施形態では、センサ126は、タワー102の振動を検出するように構成し得る。他の実施形態では、センサ126は、支柱部材106の角方向及び/又は横方向の速度、及び加速度を検出するように構成し得る。センサ126は、無数の気象条件に耐える、又は防水又は気密になるように構成することができる。他の実施形態では、センサ126は、リアルタイム(500ミリ秒未満の遅延時間)で収集したデータをゲートウェイに出力するように構成し得る。当技術分野の当業者であれば、センサ126は、無線周波数、イーサネット、又は他の任意の適切な通信方法を含む多数の通信方法によってデータを出力できることを理解できよう。
【0023】
一実施形態では、ゲートウェイは、センサ126からデータを受信し、このデータに基づいて警報を通知する必要があるかを決定するように構成される。例えば、ゲートウェイは、メモリにアクセスできるプロセッサを備えることができる。他の実施形態では、ゲートウェイは、メモリを有する1つ以上のサーバを介して実装し得る。サーバは、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらのハードウェアとソフトウェアの適切な組み合せで実装することができ、メモリにアクセスできる1つ以上のプロセッサを備えた1つ以上のサーバで動作する1つ以上のソフトウェアシステムを有することができる。サーバには、電子記憶装置、1つ以上のプロセッサ、及び/又は他の構成要素を含むことができる。サーバには、ネットワーク及び/又は他のコンピューティングプラットフォームとの情報交換を可能にする通信回線又はポートを含むことができる。サーバはまた、サーバに帰属する機能を提供するために、共に動作する複数のハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェア構成要素を含むことができる。例えば、サーバは、サーバとして共に動作するコンピューティングプラットフォームのクラウドによって実装し得る。さらに、サーバにメモリを含むこともできる。
【0024】
メモリは、情報を電子的に格納する非一時的記憶媒体を含むことができる電子記憶装置を備えることができる。電子記憶装置の電子記憶媒体は、サーバと一体に(即ち、実質的に取り外し不可能に)提供できるシステム及び/又は例えばポート(例えば、USBポート、ファイアワイヤポートなど)又はドライブ(例えば、ディスクドライブなど)を介して取り外し可能に接続される取り外し可能な記憶装置を含むことができる。電子記憶装置は、1つ以上の光学的に読み取り可能な記憶媒体(例:光ディスクなど)、磁気的に読み取り可能な記憶媒体(例:磁気テープ、磁気ハードドライブ、フロッピードライブなど)、電荷ベースの記憶媒体(例:EEPROM、RAMなど)、固体記憶媒体(例:フラッシュドライブなど)及び/又は他の電子的に読み取り可能な記憶媒体を含むことができる。電子記憶装置は、1つ以上の仮想ストレージ資源(例:クラウドストレージ、仮想私設ネットワーク、及び/又は他の仮想ストレージ資源)を含んでもよい。電子記憶装置は、機械可読命令、ソフトウェアアルゴリズム、プロセッサによって決定された情報、サーバから受信した情報、コンピューティングプラットフォームから受信した情報及び/又はサーバが本明細書に記載されるように機能することを可能にするその他の情報を格納するこ
とができる。電子記憶装置には、ネットワーク接続を介してアクセスすることもできる。
【0025】
プロセッサは、サーバにおいて情報処理機能を提供するように構成し得る。従って、プロセッサは、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路情報を処理するように設計されたアナログ回路、ステートマシン、及び/又はFPGAsやASICなどの情報を電子的に処理するための他のメカニズムのうちの1つ以上を含むことができる。プロセッサは、単一のエンティティであるか、又は複数の処理ユニットを含み得る。これらの処理ユニットは、同じ装置内に物理的に配置することができ、又はプロセッサは、協調して動作する複数の装置の処理機能又はソフトウェア機能を表すことができる。
【0026】
プロセッサは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェア、ハードウェア、及び/又はファームウェアのいくつかの組み合わせ、及び/又はプロセッサの処理機能を構成するための他の機構によって、機械可読命令又は学習モジュールを実行するように構成し得る。本明細書で使用される場合、用語「機械可読命令」という用語は、機械可読命令構成要素に起因する機能を実行する任意の構成要素又は構成要素の集合を指すことができる。これは、プロセッサ可読命令を実行する物理的プロセッサ、プロセッサ可読命令、回路、ハードウェア、記憶媒体のうちの1つ以上、又は他の任意の構成要素を含むことができる。
【0027】
サーバは、1つ以上の機能モジュールを有する機械可読命令で構成し得る。機械可読命令は、メモリアクセスできる1つ以上のプロセッサを有する1つ以上のサーバで実現し得る。機械可読命令は、単一ネットワーク化されたノード、又は複数のネットワーク化されたノードの分散アーキテクチャを含むことができるマシンクラスタであり得る。以下により詳細に説明するように、機械可読命令には、様々な機能を実装するための制御ロジックを含むことができる。機械可読命令は、ゲートウェイ及びゲートウェイがセンサ126から受信するデータに関連する特定の機能、及び既存の鉄道管理システム又はプログラムとインタフェースするゲートウェイに関連する機能を含むことができる。
【0028】
例示的な一実施形態では、ゲートウェイは、センサ126からデータを受信し、そのロジック内のデータを利用して、警報を通知する必要があるか否かを決定するように構成され得る。例えば、センサ126は、ゲートウェイが警報を通知するべきか否かの決定を助けるために、以下の複数のセンサ関連状態を通信することができる(及び/又は、ゲートウェイが解明することができる);接続の状態(例えば、接続されている(CONNECTED)又は接続されていない(NOT CONNECTED)、センサからの送信が受信されなかったことを認識するゲートウェイによって決定された接続されていない(NOT CONNECTED)状態);バッテリの状態(例えば、危機(CRITICAL)、低い(LOW)、中間(MEDIUM)、高い(HIGH)、又はパーセンテージで伝達される);及び、傾斜の状態(即ち、タワーの設定時に決定されたセンサの初期較正に対する支柱部材の傾斜の角度の測定)。例示的な実施形態では、1つ以上のセンサが接続されていない場合(NOT CONNECTED)、ゲートウェイは、例えば、雪崩警報を通知することができる。あるいは、1つ以上のセンサが、例えば、較正に対して20度を超える傾斜状態を伝達する場合、ゲートウェイは、雪崩検出警報を通知することができる。他の実施形態では、1つ以上のセンサが低い(LOW)又は危機(CRITICAL)のバッテリ状態を通信する場合、ゲートウェイは、雪崩検出警報を通知する。他の実施形態では、ゲートウェイは、センサによってゲートウェイに通信された状態に基づいて、異なるタイプの警報を通知するように構成し得る。
【0029】
ゲートウェイ(及びゲートウェイによって通知及び解明された情報及び警報)は、さまざまな方法で鉄道管理に統合され得る。一実施形態では、ゲートウェイは、鉄道ディスパ
ッチ(dispatch)システム又は鉄道管理に使用される他の任意のシステムと動作可能に通信し得る。例えば、鉄道作業者は、ゲートウェイから直接情報を受信して、鉄道制御システムに中継することができ、制御システム又は個々の機関車のエンジニアに警告することができる。他の実施形態では、ゲートウェイは、個々の機関車のエンジニアに警報を自動的に通知する。ゲートウェイは、当技術分野で知られている任意の通信手段を介して、接続されているシステムに警報を通知することができる。好ましくは、ゲートウェイは、ゲートからの警報及びセンサ126の状態を表示することができるHMIに動作可能に接続され得る。HMIは、タッチスクリーン、スクリーン、及びキーボード、又は人がゲートウェイ及び/又は接続されたシステムとインタフェース可能にする他の任意の適切な構成要素を備えることができる。例示的な実施形態では、鉄道作業者は、雪崩検出システム全体、ならびに個々の衝撃検出タワーを監視するためにHMIを活用することができる。さらに、HMIを使用して包括的な鉄道管理システムとの接続と通信を容易にすることができる。あるいは、ゲートウェイは、HMIなしで鉄道管理システムに直接接続して通信することができる。一実施形態では、ゲートウェイ及び/又はHMIは、センサによって送信された過去の状態を保管し、必要に応じてアクセスできるようにロギング機能を実行するように構成することができる。
【0030】
他の例示的な実施形態では、ゲートウェイは、衝撃検出タワー102から最大2000メートル離れて配置することができ、センサ126は、電波を介してゲートウェイにデータを送信することができる。一実施形態では、センサ126は、900MHzの周波数で送信することができ、ゲートウェイが受信することができる。ゲートウェイは、好ましくは線路の近くの孤立した構造物の中に収容することができるが、雪崩による損傷の危険のある地域からは離れている。他の実施形態では、センサ126は、センサがゲートウェイ及び/又はHMIと動作可能に通信するようにゲートウェイ及び/又は接続されたHMIからデータ及び/又は命令を受信するようにさらに構成することができる。例えば、非限定的実施形態として、鉄道作業者は、HMIを介して、衝撃検出タワー又は雪崩検出システムと関連する他の何らかの機能を再較正、リセット、または実行するようにセンサに命令することができる。
【0031】
図6A、6B、6Cは、本開示の例示的な実施形態を示す。図6Aは、雪崩被害の危険がある地域に配置された鉄道200を示す。本開示に従って設計された複数の衝撃検出タワー202は、線路200と潜在的な雪崩との間で、線路200と平行に配置することができる(明らかな仰角を考慮することにより、当業者は、雪崩がどの方向から来るかを認識できる)。図6Bは、雪崩204の発生を示しており、ここで、スラリーは様々な衝撃検出タワー202に衝突し、線路200を妨害する。一実施形態では、タワー202のいくつかは、特定の所定の角度を超えて傾斜し、この傾斜状態は、図6Cに示されるゲートウェイ206に伝達される。ゲートウェイ206は、この状態を受信し、自体のロジックを介して警報を通知する必要があると決定する。ゲートウェイ206は、この警報を鉄道ディスパッチ又は制御システムに信号で伝えて、機関車のエンジニアに警告し、障害物を取り除き、線路の損傷を修正するためのプロトコルを開始する。あるいは、ゲートウェイ206と動作可能に接続されているHMIは、適切な措置を取ることのできる列車乗務員に雪崩警報を表示する。
【0032】
本開示に記載されている衝撃検出タワーは、衝撃を検出する際の有効性を最大化するように、適切に配置することができる。ゲートウェイのロジックは、センサから通信された任意の組み合せのイベント又はデータが発生する場合に警報を通知するように構成することができ、ゲートウェイは、異なる発生に対して、異なる警報を通知するようにさらに構成できることも理解され得る。例示的な実施形態では、2つ以上の隣接するタワーが、特定の閾値以上の傾斜状態を通信する場合、ゲートウェイは、雪崩検出警報を通知する。一実施形態では、この閾値は、20度である。他の実施形態では、2つ以上のタワーがゲー
トウェイとの通信を停止した場合、ゲートウェイは、警報を通知することができる。他の方法では、2つ以上のゲートウェイが低いバッテリ状態を送信する場合、ゲートウェイは警報を通知することができる。センサ及びゲートウェイは、タワーからの振動読出値、又はタワーが転倒する速度などの他のデータを介して衝撃を検出するように構成できることも理解されよう。
【0033】
本開示は、少なくとも以下の利点を達成する。
【0034】
鉄道線路上の列車の移動を妨げる可能性のある雪崩の発生を検出できる雪崩検出システムを提供すること、
雪崩検出における誤警報のインスタンスを低減すること、
費用効果が高く実用的な雪崩検出システムを提供すること、
及び
鉄道システムが雪崩障害を警告する速度を速くする。
【0035】
当技術分野の当業者であれば、これらの利点(及び要約に示される利点)、及びこのシステムの目的は、本発明のシステムで組み立てられたコンピュータハードウェア及び他の構造的な構成要素及びメカニズムの特定の組み合せなしでは不可能であることを容易に理解するであろう。また、当技術分野の当業者に知られている様々なプログラミングツールが、前述の資料に記載された機能及び操作の制御を実施するために利用可能であることがさらに理解されるであろう。さらに、プログラミングツールの特定の選択は、本明細書及び添付された特許請求の範囲に記載された概念を実現するために選択された実施計画に課せられた特定の目標及び制約によって統制されてもよい。特に、市販(COTS)製品の統合は、本明細書に記載されている新しい型にはまらない方法で使用されてもよい。
【0036】
本特許文書の説明は、特定の要素、ステップ、又は機能が特許請求の範囲に含まれなければならない必須又は重要な要素であり得ることを意味するものとして解釈されるべきではない。また、「のための手段(means for)」又は「のためのステップ(step for)」という正確な言葉が、機能を識別する分詞句に続いて特定の許請求又は請求の要素のいずれにも明示的に使用されていない限り、米国特許法112条(f)が適用されることを意図していない。請請求項内における「メカニズム」、「モジュール」、「デバイス」、「ユニット」、「構成要素」、「要素」、「構成部品」、「装置」、「機械」、「システム」、「プロセッサ」、「処理装置」、又は「コントローラ」等(ただしこれらに限定されない)の用語の使用は、関連技術分野における当業者に周知の構造を意味することと理解されかつ意味し得ることが意図され、請求項自体の特徴により、さらに変更又は改善されたものとして、米国特許法112条(f)を適用することを意図し得ない。
【0037】
本開示は、その精神又は本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化してもよい。例えば、本明細書に記載の新しい構造のそれぞれは、それらの基本構成又は相互の構造的関係を保持しながら、又は本明細書に記載の同じ又は類似の機能を実行しながら、特定の局所的変動又は要件に適合するように変更してもよい。従って、本実施形態は、全ての点において例示的であり、限定的でないと見なされるべきである。従って、本発明の範囲は、上述した説明でなく添付の特許請求の範囲によって確立され得る。従って請求の範囲の意味及び同等性の範囲内にある全ての変更は、ここに含まれることが意図される。さらに、特許請求の範囲の個々の要素は、周知的、日常的、従来的なものではない。代わりに、特許請求項は、明細書に記載されている型にはまらない発明の概念に関する。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C