(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】車両用の梯子アッセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60R 3/02 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
B60R3/02
(21)【出願番号】P 2022500149
(86)(22)【出願日】2020-07-03
(86)【国際出願番号】 EP2020068891
(87)【国際公開番号】W WO2021004967
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-06-19
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513208973
【氏名又は名称】ジャガー・ランド・ローバー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JAGUAR LAND ROVER LIMITED
【住所又は居所原語表記】Abbey Road,Whitley,Coventry,Warwickshire CV3 4LF GB
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ムダシル・パラック
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-214579(JP,A)
【文献】米国特許第06378654(US,B1)
【文献】実開平07-011447(JP,U)
【文献】実開昭61-029952(JP,U)
【文献】特開2004-150018(JP,A)
【文献】特開平07-032890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の梯子アッセンブリであって、
サポートフレームと、
第1部分、及び前記第1部分に結合され、前記第1部分から引込み可能に伸長可能な第2部分を備える梯子と、
前記梯子の前記第1部分を前記フレームに結合するリンク手段と、
前記梯子の前記第2部分を前記第1部分に解放可能にラッチするように配置された解放可能なラッチ手段と
を備え、
前記梯子アッセンブリが、
前記梯子が前記フレームに隣接して収納され、前記梯子の前記第2部分が引っ込められ、前記解放可能なラッチ手段によって前記第2部分が前記第1部分にラッチされている収納状態と、
前記解放可能なラッチ手段によって前記第2部分が前記第1部分から解放されるように、前記梯子が前記フレームから展開さ
れる展開状態と、
前記梯子が前記フレームから展開され、前記第2部分が前記第1部分から伸長されている伸長状態と
の間で移動可能であ
り、
前記リンク手段が、前記梯子の前記第1部分を前記サポートフレームに結合して、前記リンク手段、前記第1部分及び前記サポートフレームを備える四節リンク機構を形成するようにそれぞれ配置された2つのリンクアームを備え、
前記解放可能なラッチ手段がフック及びラグを備え、前記2つのリンクアームが前記フックを備え、前記梯子の前記第2部分が前記ラグを備える、
梯子アッセンブリ。
【請求項2】
前記梯子の前記第1部分と前記第2部分とを結合するピボットジョイントであって、それによって、前記第1部分からの前記第2部分の前記伸長を提供するために、前記第2部分が前記第1部分から枢動可能である、ピボットジョイントを備える、
請求項1に記載の梯子アッセンブリ。
【請求項3】
前記第2部分が前記第1部分にスライド可能に取り付けられ、前記第2部分が、前記第1部分からの前記第2部分の前記伸長を提供するために、前記第1部分からスライド可能である、
請求項1に記載の梯子アッセンブリ。
【請求項4】
前記収納状態にあるときに前記梯子の前記第2部分を前記フレームに解放可能にロックするように配置されたロック手段を備え、前記ロック手段が、前記収納状態から前記展開状態への前記アッセンブリの移動のために前記ロック手段を解放するように配置された解放機構を備える、
請求項1から
3までのいずれか1項に記載の梯子アッセンブリ。
【請求項5】
車両に取り付けるための請求項1から
4までのいずれか1項に記載の梯子アッセンブリであって、前記フレームと少なくとも1つのシュラウドとを備えるハウジングを備え、前記シュラウドが、
前記フレームの一部をカバーし、
前記梯子アッセンブリと前記車両の間にシールを提供し、
前記収納状態のときに前記梯子を空気力学的に隠す
ように配置されている、
梯子アッセンブリ。
【請求項6】
前記梯子アッセンブリを前記伸長状態に解放可能に保持するように配置されたインターロックを備え、前記インターロックが、前記伸長状態が保持されるロック構成に向けて前記インターロックを付勢するように構成された付勢手段を備え、前記付勢手段に打ち勝ち、前記梯子アッセンブリを前記伸長状態から前記展開状態に移動させることができるロック解除構成に向かって前記インターロックを移動させるために、力が必要とされる、
請求項1から
5までのいずれか1項に記載の梯子アッセンブリ。
【請求項7】
前記第1部分及び前記第2部分はフック開口部をそれぞれ備え、前記第2部分は前記ラグを提供するように配置された内面を備え、前記フックは、前記開口部を通過して前記第2部分の前記内面をフックして、前記梯子アッセンブリを前記収納状態でラッチするように配置されている、
請求項
1から6までのいずれか1項に記載の梯子アッセンブリ。
【請求項8】
前記梯子アッセンブリを車両に固定するために適した固定手段を備え、前記梯子アッセンブリが前記収納状態にあるときに、前記固定手段の少なくとも一部が前記梯子の横木によって隠される、
請求項1から
7までのいずれか1項に記載の梯子アッセンブリ。
【請求項9】
前記展開状態で前記梯子アッセンブリの展開を停止するように配置された展開制限手段を備える、
請求項1から
8までのいずれか1項に記載の梯子アッセンブリ。
【請求項10】
前記フックは、それぞれのリンクアームの梯子端に設けられており、前記リンクアームの回転によって前記梯子が前記展開状態から収納されるとき、前記第2部分が前記第1部分に対して折り畳まれたときに、それぞれのラグをフックするように配置されている、
請求項1から9までのいずれか1項に記載の梯子アッセンブリ。
【請求項11】
車両用の梯子アッセンブリであって、
サポートフレームと、
梯子と
を備え、
前記梯子は、
第1部分と、
前記第1部分に結合され、前記第1部分から引込み可能に伸長可能であり、ラグを備える、第2部分と、
前記梯子の前記第1部分を前記サポートフレームに結合するように配置されたリンクアームと
を備え、
前記リンクアーム、前記第1部分及び前記サポートフレームは、四節リンク機構をともに備え、
前記リンクアームの少なくとも1つはフックを備え、
前記梯子アッセンブリが、
前記梯子が前記サポートフレームに隣接して収納され、前記梯子の前記第2部分が引っ込められ、前記フックが前記ラグと相互作用して前記第1部分からの前記第2部分の展開を防ぐように前記リンクアームが位置されている収納状態と、
前記梯子が前記サポートフレームから展開され、前記梯子の前記第2部分が引っ込められて、前記フックが前記ラグから係合解除されて前記第2部分を前記第1部分からラッチ解除するように前記リンクアームが位置されている展開状態と、
前記梯子が前記サポートフレームから展開され、前記第2部分が前記第1部分から伸長されている伸長状態と
の間で移動可能である、
梯子アッセンブリ。
【請求項12】
前記収納状態と前記展開状態との間の前記梯子アッセンブリの移動は、前記フックが前記ラグに対して回転し、それによって前記第2部分を前記第1部分からラッチ解除するように前記リンクアームを回転させる、
請求項11に記載の梯子アッセンブリ。
【請求項13】
前記第2部分は、フック開口部を定義する中空部分を備え、前記フックは前記梯子アッセンブリが前記収納状態にあるときに前記フック開口部を通して延びる、
請求項11又は12に記載の梯子アッセンブリ。
【請求項14】
前記フックは、前記梯子アッセンブリが前記展開状態にあるときに前記開口部から完全に引き抜かれる、
請求項13に記載の梯子アッセンブリ。
【請求項15】
前記ラグは、前記フック開口部に隣接する前記中空部分の内面によって少なくとも部分的に定義されている、
請求項13又は14に記載の梯子アッセンブリ。
【請求項16】
前記第1部分は、前記梯子アッセンブリが前記収納状態にあるときに、前記リンクアームの少なくとも一部が内部に配置されるチャネルを備える、
請求項1から15までのいずれか1項に記載の梯子アッセンブリ。
【請求項17】
前記チャネルは、更なるフック開口部を備え、前記フックは前記梯子アッセンブリが前記収納状態にあるときに前記更なるフック開口部を通して延びる、
請求項16に記載の梯子アッセンブリ。
【請求項18】
請求項1から
17までのいずれか1項に記載の梯子アッセンブリを備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用の梯子アッセンブリに関する。本発明の態様は、車両用の梯子アッセンブリ及び梯子アッセンブリを備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばルーフラック等の車両の面にアクセスするために、梯子を使用することができる。梯子を車両に取り付けることが知られている。折りたたみ式の梯子をその目的に使用して、使用しない時に梯子を収納できるようにすることができる。例えば、互いに枢動可能に取り付けられている第1部分及び第2部分を有する梯子は、折り畳んで収納し、梯子として使用するために展開することができる。しかしながら、そのような梯子は、展開された部分と、車体又は車両が停止している面との間の接触に依存する可能性がある。本発明の目的は、先行技術の不利な点に対処することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の態様及び実施形態は、添付の特許請求の範囲で請求されているように、梯子アッセンブリ及び車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、サポートフレームと、第1部分、及び第1部分に結合され、第1部分から引込み可能に伸長可能な第2部分を備える梯子と、梯子の第1部分をフレームに結合するリンク手段と、梯子の第2部分を第1部分に解放可能にラッチするように配置された解放可能なラッチ手段と、を備え、梯子アッセンブリが、
梯子がフレームに隣接して収納され、梯子の第2部分が引っ込められ、解放可能なラッチ手段によって第2部分が第1部分にラッチされている収納状態と、
梯子がフレームから展開され、解放可能なラッチ手段によって第2部分が第1部分から解放されている展開状態と、
梯子がフレームから展開され、第2部分が第1部分から伸長されている伸長状態と
の間で移動可能である、梯子アッセンブリが提供される。
【0005】
本発明は、収納状態にある間に梯子を伸ばすことができない2段階の展開及び伸長を有利に提供する。展開状態では、梯子がフレームから離れるように展開されたとき、梯子は、フレームから間隔をあけて配置され、従って、使用中は梯子が取り付けられている車両の車体から間隔をあけて配置される。有利なことに、これにより、梯子が伸長される前にホスト車両に取り付けるとき、梯子をその取り付け位置から離して展開することができる。これにより、梯子が車体に接触することを防ぎ、梯子のユーザーが梯子の横木の間に足を伸ばすことができる。
【0006】
梯子アッセンブリは、梯子の第1部分と第2部分とを結合するピボットジョイントであって、それによって、第1部分からの第2部分の前記伸長を提供するために、第2部分が第1部分から枢動可能である、ピボットジョイントを備えていてよい。
【0007】
リンク手段が、梯子の第1部分をフレームに結合して、リンク手段、第1部分及びフレームを備える四節リンク機構を形成するようにそれぞれ配置された2つのリンクアームを備えていてよい。
【0008】
一実施形態では、梯子アッセンブリは、収納状態にあるときに梯子の第2部分をフレームに解放可能にロックするように配置されたロック手段を備え、ロック手段が、収納状態から展開状態へのアッセンブリの移動のためにロック手段を解放するように配置された解放機構を備える。
【0009】
梯子アッセンブリは、フレームと少なくとも1つのシュラウドとを備えるハウジングをさらに備えていてよく、シュラウドが、フレームの一部をカバーし、梯子アッセンブリと車両の間にシールを提供し、収納状態のときに梯子を空気力学的に隠すように配置されている。
【0010】
空気力学的に隠すということは、車両が通常の方法で移動しているとき、例えば前方又は後方に移動しているときに、梯子が取り付けられている車両の側面に沿って流れる空気の直接の経路内にないように、梯子がシュラウド内に位置することと理解されるであろう。
【0011】
一実施形態では、梯子アッセンブリは、梯子アッセンブリを伸長状態に解放可能に保持するように配置されたインターロックを備え、インターロックが、伸長状態が保持されるロック構成に向けてインターロックを付勢するように構成された付勢手段を備え、付勢手段に打ち勝ち、梯子アッセンブリを伸長状態から展開状態に移動させることができるロック解除構成に向かってインターロックを移動させるために、力が必要とされる。
【0012】
ラッチ手段がフック及びラグを備えていてよく、リンクアームがフックを備え、梯子の第2部分がラグを備える。一実施形態では、梯子の第1部分及び梯子の第2部分はフック開口部をそれぞれ備え、第2部分はラグを提供するように配置された内面を備え、フックは、開口部を通過して第2部分の内面をフックして、梯子アッセンブリを収納状態でラッチするように配置されている。
【0013】
梯子アッセンブリは、梯子アッセンブリを車両に固定するために適した固定手段を備えていてよく、梯子アッセンブリが収納状態にあるときに、固定手段の少なくとも一部が梯子の横木によって隠される。
【0014】
梯子アッセンブリは、展開状態で梯子アッセンブリの展開を停止するように配置された展開制限手段を備えていてよい。
【0015】
本発明の別の態様では、前述のように規定された梯子アッセンブリを備える車両が提供される。
【0016】
本出願の範囲内で、先の段落、特許請求の範囲及び/又は以下の説明並びに図面に記載されている様々な態様、実施形態、実施例及び代替案、特にそれらの個々の特徴事項は、独立して又は任意の組み合わせで取り得ることが明示的に意図されている。すなわち、すべての実施形態及び/又は任意の実施形態の特徴事項は、そのような特徴事項が非互換でない限り、任意の方法及び/又は組み合わせで組み合わせることができる。出願人は、最初に提出した請求項を変更する権利、又はそれに応じて新しい請求項を提出する権利を留保する。これには、当初その方法で請求されていなくても、他の請求項に従属するように、及び/又は他の請求項の任意の特徴事項を組み込むように、最初に提出した任意の請求項を補正する権利が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
次に、本発明の1つ又は複数の実施形態を、例としてのみ、添付の図面を参照して説明する。
【0018】
【
図1a】
図1aから1cは、本発明の実施形態による車両及び梯子アッセンブリの概略図を示す。
【
図1b】
図1aから1cは、本発明の実施形態による車両及び梯子アッセンブリの概略図を示す。
【
図1c】
図1aから1cは、本発明の実施形態による車両及び梯子アッセンブリの概略図を示す。
【
図2】
図2は、収納状態での本発明の一実施形態による梯子アッセンブリの斜視図を示す。
【
図3】
図3は、展開状態での本発明の実施形態による梯子アッセンブリの斜視図を示す。
【
図4】
図4は、展開状態での本発明の実施形態による梯子アッセンブリの正射影図を示す。
【
図5a】
図5aから5cは、収納状態と展開状態との間並びに収納状態及び展開状態を含む段階における、本発明の実施形態による梯子アッセンブリの概略図を示す。
【
図5b】
図5aから5cは、収納状態と展開状態との間並びに収納状態及び展開状態を含む段階における、本発明の実施形態による梯子アッセンブリの概略図を示す。
【
図5c】
図5aから5cは、収納状態と展開状態との間並びに収納状態及び展開状態を含む段階における、本発明の実施形態による梯子アッセンブリの概略図を示す。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態による梯子装置の一部の半透明斜視図を示す。
【
図7】
図7は、伸長状態での本発明の実施形態による梯子アッセンブリの斜視図を示す。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態による梯子装置の一部の斜視図を示す。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態による車両及び梯子アッセンブリの概略図を示す。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態による梯子装置の一部の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細な説明
本発明の一実施形態による車両12用の梯子アッセンブリ10は、添付の図を参照して本明細書で説明される。
図1a、1b及び1cに示されるように、梯子アッセンブリ10は、車両12への取り付けに適している。本実施形態では、車両12は自動車である。特に、車両はスポーツユーティリティビークル(SUV)である。梯子10は、例えばステーションワゴン、エステート、シューティングブレーク又はユーティリティ等の他のボディスタイルを有する車両12に取り付けられてよいことが理解されよう。更に、梯子は、列車、ボート等の他のタイプの車両、又は建物等の他の物体に取り付けられてよいこと理解されよう。
図1a及び1bに示される例では、梯子アッセンブリ10は、車両12の側面14に取り付けられている。他の例では、梯子アッセンブリ10は、車両12の後部又は他の面に取り付けられることができる。
【0020】
図1aは、収納状態の梯子アッセンブリ10を示している。
図1bは、第1部分22及び第2部分24を備える梯子20が梯子アッセンブリ10のハウジング26から離れるように展開される展開状態の梯子アッセンブリを示している。
図1cは、第2部分24が第1部分22から伸長された伸長状態の梯子アッセンブリを示している。収納状態から伸長状態に到達するために、梯子アッセンブリ10は、展開状態を経て変遷する。
【0021】
伸長状態では、梯子アッセンブリ10は、例えば屋根28等の車両12の面へのアクセスを提供する。有利には、リンクアーム30,32によって提供される、ハウジング26から離れる展開により、ユーザー(図示せず)が、それらの足を、車両12の側面14に接触することなく、(
図1a及び1bでは見えない)梯子20の横木の間及びそれらの上に配置することができる。リンクアーム30,32は、まとめてリンク手段と呼ばれることがある。
【0022】
図1a、1b及び1cに示されるように、ハウジングは、以下に説明されるように、フレーム固定具を使用して、車両の側面14及び屋根28に取り付けられている。他の取り付け配置も本発明の範囲内である。
【0023】
図2は、車両から分離された本発明の実施形態による梯子アッセンブリ10を示している。梯子アッセンブリ10は、収納状態で示されている。梯子アッセンブリのハウジング26は、梯子アッセンブリに構造的支持を提供するとともに、
図1a及び1bに示されるような例で使用される場合にホスト車両への結合を提供するフレーム34を備える。フレーム34の実施形態は、一般に、L字形で反転されており、フレーム34の直立部分36は車両の側面上の第1固定点と結合しており、フレーム34の横部分38は車両の屋根上の第2固定点と結合している。本発明の実施形態では、フレームは、水平接続部材40によって接続された2つの直立部分36及び2つの横部分38を備える。
【0024】
直立、横方向及び水平という用語は、梯子アッセンブリが車両に結合されているときの、互いに対するフレームの部分及びそれらの標準的な使用中の向きを定義するために使用されることを理解されたい。これらの用語は、幾何学的に制限することを意図したものではない。つまり、直立という用語は実質的に直立していると解釈されるべきであり、横方向という用語は実質的に横方向として解釈されるべきであり、水平という用語は実質的に水平であると解釈されるべきである。
【0025】
本発明の実施形態では、梯子アッセンブリ10のハウジング26は、第1及び第2シュラウド42,44を備え、それぞれは、梯子アッセンブリを結合することができるホスト車両のA面と嵌合するように成形されたプロファイルエッジ46を備える。プロファイルは、車両に入射する気流が梯子アッセンブリの上を通過するように、梯子アッセンブリ10の空気力学的シールを車両12に有利に提供する。これは、
図1aに概略的に示され、プロファイルエッジ46は、車両12との隙間のないシールを提供する。更に、シュラウド42,44は、収納構成にあるときに梯子20が中に存在するエンクロージャを提供する。再び
図1aに戻ると、これは、車両が移動するときに空気がシュラウドの上を通過し、従って隠された梯子の上を通過するように、収納時にシュラウド42が梯子を隠すという点で有利である。
図1b及び1cにそれぞれ示されているように、梯子20が展開及び伸長されたとき、梯子はシュラウドを超えて伸長される。
【0026】
本発明の実施形態では、シュラウド42,44は、解放可能な固定具を使用してフレーム34に取り付けられて、ハウジング26を形成する。いくつかの実施形態では、シュラウド42,44及びフレーム34は、一体型ハウジング構成要素である。
【0027】
図3は、展開された構成における前述の実施形態の梯子アッセンブリ10を示している。
図1b及び1cの説明で紹介したように、第1及び第2リンクアーム30,32は、梯子20の第1部分22をフレーム34の直立部分36に結合している。第1及び第2リンクアーム30,32のそれぞれは、リンクアームがフレーム34及び梯子20の第1部分22に対して回転できるように、ピボットジョイントを介してフレーム及び梯子に結合されている。フレーム及び梯子に対するリンクアームの回転が、実質的に平行関係を維持しながら、フレーム34から又はフレーム34に向かって梯子20を移動させるように、フレーム34、第1部分22及びリンクアーム30,32が一緒に四節リンク機構を形成していることが理解されよう。これにより、フレーム34に隣接して梯子を収納し、フレームが結合されている車両及びフレーム34から離れるように梯子を展開することができる。
【0028】
前述の説明は第1及び第2リンクアーム30,32に言及しているが、フレームが2つの直立部分36又はそれ以外を備える場合、梯子装置は、第1及び第2リンクアーム30,32のそれぞれを2つ以上備えていてよく、従って2つの四節リンク機構を備えていてよいことが理解されよう。そのような配置は、展開位置及び伸長位置の両方に、及びその中で、梯子20に安定性を提供するために有利であり得る。前述及び以下の説明で1つの第1及び第2リンクアーム30,32を参照する場合、読者は、2つ以上の第1及び第2リンクアーム30,32が存在する実施形態にその説明を適用できることを理解すべきである。
【0029】
図4は、
図3に示されるような展開構成における梯子アッセンブリ10の側面図を提供する。本発明の実施形態では、第1及び第2リンクアーム30,32はそれぞれフック46を備える。フック46は、リンクアームの梯子端に設けられており、リンクアームの回転によって梯子が展開位置から収納されるとき、第2部分が第1部分に対して折り畳まれるときに、梯子の第2部分のラグ48をフックするように配置されている。フック46及びラグ48は、まとめてラッチ手段と呼ばれ、梯子が収納されるときに、梯子20の第2部分を折り畳まれた位置に有利に保持する。
【0030】
図4はまた、上記のようにフレーム固定要素90,92を示している。フレーム34を介して車両の側面に梯子アッセンブリを接続するために、サイドレール固定具90が設けられている。サイドレール固定具は、白で本体に配置されたボルトで構成されていてよい。ルーフレール固定具92は、車両のルーフレールに梯子アッセンブリを接続するために使用される。ルーフレール固定具は、ルーフレールのチャネルに係合する逆Tセクションを備えていてもよい。梯子は、サイドレール固定具90を固定する前に、最初にルーフレール固定具92を配置することによって、車両に取り付けられる。
【0031】
図5a、5b及び5cは、フレーム34、リンクアーム30,32、並びに第1及び第2部分22,24の断面とともに、ラッチ手段の動作を概略的に示している。
図5aは、収納状態の梯子アッセンブリを示している。図示されているように、リンクアーム30,32のフック46は、ラグ48をラッチし、第2梯子部分が第1梯子部分から展開することを禁止する。
図5bは、収納状態と展開状態との間の梯子アッセンブリを示している。図示されているように、フック46は、リンクアーム32,34の回転によってラグ48から離れるように移動される。
図5cは、展開状態の梯子アッセンブリ(実線)と、展開状態と部分的に伸長された状態との間の梯子の第2部分(破線)とを示す。図示されるように、ラグ48は、各リンクアーム30,32のフック46からラッチ解除される。破線によって示されるように、これは、梯子の第2部分が梯子の第1部分から展開することを可能にする。
【0032】
図5aから5cは更に、展開位置を超えてリンクアームの回転を制限するために設けられた展開制限手段50を示している。本発明の一実施形態では、展開制限手段は、第1及び第2アバットメント表面52,54を備える。第1アバットメント表面52は、リンクアーム30,32が枢動可能に取り付けられる取付プレート56の平坦な縁によって設けられる。取付プレート56は、フレーム34に取り付けられているか、又はその一部である。第2アバットメント表面54は、リンクアーム30,32のフレーム端部に設けられている。
【0033】
図5aに示されるように、収納状態では、第1及び第2アバットメント表面52,54は接触していない。
図5cに示されるように、リンクアーム30が回転して梯子を展開すると、第1及び第2アバットメント表面52,54が一緒になって更なる回転を防止する。
【0034】
本発明の実施形態では、ラッチ手段のラグは、梯子の中空部分の内面によって設けられる。
図6aは、説明を簡単にするために構成要素を透明にして示した梯子アッセンブリの概略図を示している。他の構成要素の後ろ又は内側に示されている構成要素は、破線で表されている。
【0035】
梯子の第1部分22は、リンクアーム30が配置されて移動することができるチャネル60を形成するU字形の断面を備える。上記のように、リンクアームは、62で第1部分22に枢動可能に結合され、これは、ラッチ手段のフック46が通過することができるフック開口部64を更に備える。フック開口部66はまた、中空断面を備える第2部分24に設けられる。
図6に示される収納状態では、ラッチ手段のフック46は、第1及び第2梯子部分22,24のフック開口部64,66を通過し、中空セクションの内面68に接触する。フックによって接触又はフックされる領域は、ラグと呼ばれることが理解されよう。
【0036】
U字形及び中空部分の第1及び第2梯子部分は、リンク及びラッチ手段が梯子の寸法内で動作することを可能にし、包装スペースを保つことができる点で有利である。更に、そのような断面形状は、アルミニウム、ガラス繊維等から作られるとき、強くて軽量である。
【0037】
図7は、伸長状態での本発明の実施形態による梯子アッセンブリ10を示している。伸長状態では、梯子20の第2部分24は、梯子22の第1部分から伸長される。図示される実施形態では、伸長は、各梯子部分の端部を一緒に枢動可能に接続するピボットジョイント70の周りの第1部分22に対する第2部分24の回転によって提供される。梯子20の回転、従って伸長は、接触する梯子部分の接続された端部72によって制限される。
図3に戻ると、梯子を引っ込めたり伸長されたりしないときに、端部が接触していないことが示されている。
【0038】
本発明の実施形態では、ピボットジョイントは、
図8に示されるように、ばね荷重式インターロック74を備え、これは、インターロックに打ち勝つために力が加えられるまで、梯子を伸長状態に保持する。インターロックは、カラー78によって保持されるとともに、カラー78に向かって付勢されるボールベアリング76と、ディテント80とを備える。ボールベアリング76は第2梯子部分74に配置され、ディテント80は第1梯子部分22に配置され、それぞれは、梯子が伸長されたときにボールベアリングがディテントに係合するような位置に配置される。矢印82の方向に加えられて、第2梯子部分を枢動させて引き戻す力は、付勢に打ち勝たなければならない。
【0039】
他の伸長手段は、本発明の範囲内にある。例えば、一実施形態では、第2部分24は、第1セクション22にスライド可能に接続され、その結果、梯子アッセンブリが展開状態にあり、解放可能なラッチ手段が第2部分24を解放すると、第2部分24が第1部分22からスライドされて伸長されてよい。これは
図9に概略的に示されている。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態では、ロック手段が提供される。例示的な実施形態では、ロック手段は、
図10に示すように、バー82及びキャッチ84を備える。バーは梯子の第2部分24上又はその一部として設けられ、キャッチはフレーム34に結合される。収納状態(
図10には示されていない)では、キャッチ84がバー82に係合して保持する。レバー86(
図2参照)と、レバー86をキャッチ84に接続するボーデンケーブル(図示せず)とを備える解放機構は、レバーの動きがボーデンケーブルによって伝達されて、キャッチを動かすように配置されている。キャッチ84を動かすレバー86の動きは、梯子アッセンブリ10が展開されることができるように、バー82をキャッチから解放する。
【0041】
ロック手段は、解放機構のレバー86を解放可能にロックするように配置されたキーロック88(
図2参照)を更に備える。これにより、ユーザーは、梯子装置10を収納状態でロックすることができる。
図3及び4を参照すると、収納状態では、梯子アッセンブリ10を車両に解放可能に結合するために使用可能なフレーム固定具90へのアクセスを梯子が妨げることが理解されよう。従って、ロック手段は、有利には、ユーザーが収納状態の梯子をロックすることを可能にし、その結果、固定具の解放のためのアクセスを防止することを可能にする。
【0042】
前述の実施形態では、梯子は、特定の実施形態では踏板をそれぞれ備える横木によって一緒に結合された2つの長手方向セクションを備えるという点で、従来のスタイルの梯子であることを理解されたい。前述の実施形態の梯子は、第1部分及び第2部分を備え、それぞれが長手方向セクション及び横木を有する。
図2に示されるとともに上で論じられた実施形態では、第1及び第2セクションの横木は、収納状態でフレーム固定具90を覆う。図に示されているように、梯子の第1及び第2セクションに横木が配置されているため、収納状態では横木が互いに隣接している。これは、梯子が収納状態にあるときに、両方の横木のセットの間の空間を掃除するためにアクセスすることを可能にするという点で有利である。他の配置も有用である場合があり、本発明の範囲内である。
【0043】
本出願の範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な変更及び修正を行うことができることが理解されよう。