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特許7578674半導体ダイ転写のためのブリッジ装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】半導体ダイ転写のためのブリッジ装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20241029BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
H01L21/52 F
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022506636
(86)(22)【出願日】2020-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-03
(86)【国際出願番号】 US2020041832
(87)【国際公開番号】W WO2021025824
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】16/530,886
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515347212
【氏名又は名称】ロヒンニ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ハスカ
【審査官】豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-175095(JP,A)
【文献】特開2003-140749(JP,A)
【文献】特表2018-513554(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0174871(US,A1)
【文献】米国特許第04631812(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/447-21/449
H01L21/52
H01L21/58 -21/607
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ダイ(「ダイ」)を第1の基材から第2の基材に転写するための装置であって、
第1の方向に沿って延在する第1のレールと、
前記第1の方向に沿って延在する第2のレールと、
前記第1の方向に沿って移動可能であるように前記第1のレールおよび前記第2のレールに移動可能に取り付けられた第1のブリッジ構造であって、前記第1の方向に実質的に垂直である第2の方向に沿って延在するトラックを含む、第1のブリッジ構造と、
ニードルを含む転写機構アセンブリであって、前記第1のブリッジ構造の前記トラックに移動可能に取り付けられて、前記第2の方向に沿って移動する、転写機構アセンブリと、
前記第1の方向に沿って移動可能であるように前記第1のレールおよび前記第2のレールに移動可能に取り付けられた第2のブリッジ構造であって、前記第2の方向に沿って延在するトラックを含む、第2のブリッジ構造と、
前記第1の基材を固定するように構成されたダイ基材ホルダであって、前記第2のブリッジ構造の前記トラックに移動可能に取り付けられて、前記第2の方向に沿って移動する、ダイ基材ホルダと、
コントローラであって、
前記第1のブリッジ構造、前記第2のブリッジ構造、前記転写機構アセンブリ、および前記ダイ基材ホルダの移動を制御して、前記第1の基材上の前記ダイを、前記転写機構アセンブリの前記ニードルと、前記ダイが転写される前記第2の基材上の転写位置と位置合わせすることと、
前記ニードルを作動させて、前記ダイを第2の基材上の前記転写位置に押し込むことと、を行うように構成された、コントローラと、を備える、装置。
【請求項2】
前記第2の基材を支持するための可動ステージをさらに備え、前記可動ステージが、前記第1の方向または前記第2の方向のうちの少なくとも1つに沿って前記第2の基材を移動させるように構成されており、
前記可動ステージは、前記第1のレールと前記第2のレールとの間に配置されており、
前記コントローラは、前記可動ステージの移動を制御するように構成されている、請求項1に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記第2の基材上の前記転写位置に一致する位置合わせの点を決定するようにさらに構成されており、前記位置合わせの点が、(i)製品基材上に前記ダイを転写するための予測される時間、または(ii)前記製品基材上の前記ダイの予測される配置精度のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて決定されるものである、請求項2に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための装置。
【請求項4】
前記第2の基材上の前記転写位置に対する、前記ダイの前記第1の基材上の場所を感知するように位置決めされた光学センサをさらに備える、請求項1に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための装置。
【請求項5】
前記第1のレールおよび前記第2のレールに沿って前記第1のブリッジ構造を移動させるための第1のモータと、
前記第1のレールおよび前記第2のレールに沿って前記第2のブリッジ構造を移動させるための第2のモータと、
前記第1のブリッジ構造の前記トラックに沿って前記転写機構アセンブリを移動させるための第3のモータと、
前記第2のブリッジ構造の前記トラックに沿って前記ダイ基材ホルダを移動させるための第4のモータと、をさらに備え、
前記コントローラは、前記第1のモータに通信可能に連結されて、前記第1の方向に前記第1のブリッジ構造を移動させ、前記第2のモータに通信可能に連結されて、前記第1の方向に前記第2のブリッジ構造を移動させ、前記第3のモータに通信可能に連結されて、前記第2の方向に前記転写機構アセンブリを移動させ、および前記第4のモータに通信可能に連結されて、前記第2の方向に前記ダイ基材ホルダを移動させて、前記第1の基材上の前記ダイを、前記転写機構アセンブリの前記ニードルと、前記第2の基材上の前記転写位置と位置合わせする、請求項1に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための装置。
【請求項6】
前記転写機構アセンブリが前記第2のブリッジ構造の前記トラックに沿ってどこに位置するかの表示を、前記コントローラに提供するための第1のセンサをさらに備える、請求項1に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための装置。
【請求項7】
前記転写位置は、第1の転写位置であり、
前記装置は、
ニードルを含み、かつ前記第1のブリッジ構造の前記トラック上に移動可能に取り付けられている第2の転写機構アセンブリと、
第3の基材を固定するように構成された第2のダイ基材ホルダであって、前記第3の基材が、少なくとも第2のダイをその上に有し、前記第2のダイ基材ホルダが、前記第2のブリッジ構造の前記トラック上に移動可能に取り付けられている、第2のダイ基材ホルダと、を備え、
前記コントローラは、
前記第2の転写機構アセンブリの前記第2の方向への移動、および前記第2のダイ基材ホルダの前記第2の方向への移動を制御して、前記第3の基材上の第2のダイ、および前記第2の転写機構アセンブリの前記ニードルを、前記第2のダイが転写される前記第2の基材上の第2の転写位置と位置合わせすることと、前記第2の転写機構アセンブリの前記ニードルを作動させて、前記第2のダイを前記第2の基材上の前記第2の転写位置に押し込むことと、を行うようにさらに構成されている、請求項1に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための装置。
【請求項8】
前記第1のレールおよび前記第2のレールに移動可能に取り付けられ、かつ前記第1の方向に沿って移動するように構成された第3のブリッジ構造であって、前記第2の方向に延在するトラックを含む、第3のブリッジ構造と、
ニードルを有し、かつ前記第3のブリッジ構造の前記トラック上に移動可能に取り付けられて、前記第2の方向に沿って移動する、第2の転写機構アセンブリと、
前記第1のレールおよび前記第2のレールに移動可能に取り付けられ、かつ前記第1の方向に沿って移動するように構成された第4のブリッジ構造であって、前記第2の方向に延在するトラックを含む、第4のブリッジ構造と、
第3の基材を固定するように構成された第2のダイ基材ホルダであって、前記第3の基材が、少なくとも第2のダイをその上に有し、前記第2のダイ基材ホルダが、前記第4のブリッジ構造の前記トラック上に移動可能に取り付けられて、前記第2の方向に沿って移動する、第2のダイ基材ホルダと、を備え、
前記コントローラは、
前記第3のブリッジ構造、前記第4のブリッジ構造、前記第2の転写機構アセンブリ、および前記第2のダイ基材ホルダの移動を制御して、前記第2のダイ、および前記第2の転写機構アセンブリの前記ニードルを、前記第2のダイが転写される前記第2の基材上の第2の転写位置と位置合わせすることと、
前記第2の転写機構アセンブリの前記ニードルを作動させて、前記第2のダイを前記第2の基材上の前記第2の転写位置に押し込むことと、を行うようにさらに構成されている、請求項1に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための装置。
【請求項9】
ダイを第1の基材から第2の基材に転写するための方法であって、
平行レールのセットに沿って第1のブリッジを移動させることと、
前記平行レールのセットに沿って第2のブリッジを移動させることと、
前記第1のブリッジのトラックに沿って転写機構アセンブリを移動させることと、
前記第2のブリッジのトラックに沿ってダイ基材ホルダを移動させることであって、前記ダイ基材ホルダは、前記第1の基材を保持し、前記第1の基材が、前記ダイをその上に有する、移動させることと、
前記転写機構アセンブリのピンを、前記第2の基材上の転写位置にある前記第1の基材上の前記ダイと位置合わせすることと、
前記ピンを作動させて、前記ダイを前記第2の基材上の前記転写位置に押し込むことと、を含む、方法。
【請求項10】
前記ダイは、第1のダイであり、
前記方法は、
前記第1のブリッジの前記トラックに沿って第2の転写機構アセンブリを移動させることと、
第3の基材を固定する第2の基材ホルダを、前記第2のブリッジの前記トラックに沿って移動させることであって、前記第3の基材が、少なくとも第2のダイをその上に有する、移動させることと、
前記第2の転写機構アセンブリのピンを、前記第3の基材上の前記第2のダイおよび前記第2の基材上の第2の転写位置と位置合わせすることと、
前記第2の転写機構アセンブリの前記ピンを作動させて、前記第2のダイを前記第2の基材上の前記第2の転写位置に押し込むことと、をさらに含む、請求項9に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための方法。
【請求項11】
前記平行レールのセットに沿って第3のブリッジを移動させることと、
前記平行レールのセットに沿って第4のブリッジを移動させることと、
前記第3のブリッジのトラックに沿って第2の転写機構アセンブリを移動させることと、
前記第4のブリッジのトラックに沿って第2のダイ基材ホルダを移動させることであって、
前記第2の転写機構アセンブリのピンは、前記第2のダイ基材ホルダの第2のダイ、および前記第2の基材上の第2の転写位置と位置合わせされる、移動させることと、
前記第2の転写機構アセンブリの前記ピンを作動させて、前記第2のダイを前記第2の基材上の前記第2の転写位置に押し込むことと、をさらに含む、請求項9に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための方法。
【請求項12】
前記第2の基材上の前記転写位置が、1つ以上の位置合わせパラメータを最適化することに少なくとも部分的に基づいて、位置合わせ点に移動されるように、前記第2の基材が配置される可動ステージを移動させることをさらに含む、請求項9に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための方法。
【請求項13】
光学センサ信号に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の基材上の前記転写位置に対する前記第1の基材上の前記ダイの場所を決定することをさらに含み、
前記転写機構アセンブリの前記ピンを、前記第1の基材上の前記ダイと位置合わせすることは、前記場所に少なくとも部分的に基づいている、請求項9に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための方法。
【請求項14】
前記第1のブリッジの前記トラックに沿った前記転写機構アセンブリの位置を示すセンサ信号を受信することをさらに含み、
前記第1のブリッジの前記トラックに沿って前記転写機構アセンブリを移動させることは、前記センサ信号に少なくとも部分的に基づいている、請求項9に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための方法。
【請求項15】
半導体ダイ(「ダイ」)を第1の基材から第2の基材に転写するための装置であって、
製品基材を保持するように構成されたステージと、
転写機構アセンブリを保持する第1のブリッジと、
前記第1の基材を保持するように構成されたダイ基材ホルダを保持する第2のブリッジと、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを移動させて、前記転写機構アセンブリを、前記第1の基材上の前記ダイと、前記ダイが転写される前記第2の基材上の転写位置と位置合わせするように構成されたコントローラと、を備える、装置。
【請求項16】
前記転写機構アセンブリは、
ニードルと、
前記コントローラからの信号に応答して、前記ニードルを、前記製品基材上の前記転写位置に向かって、およびそこから離れるように移動させるニードルアクチュエータと、を含み、
前記ニードルアクチュエータは、前記ニードルを前記ダイに押し付けて、前記ダイを前記第2の基材上の前記転写位置に押し込むように構成されている、請求項15に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための装置。
【請求項17】
前記コントローラと通信しているセンサをさらに備え、前記センサが、前記第1のブリッジ上の前記転写機構アセンブリの位置を示すように構成されている、請求項15に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための装置。
【請求項18】
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジは、第1の方向に一対の平行レールに沿って移動するように構成されており、前記転写機構アセンブリが、前記第1のブリッジ上に配置されたトラックに沿って移動するように構成されており、前記ダイ基材ホルダが、前記第2のブリッジ上に配置されたトラックに沿って移動するように構成されている、請求項15に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための装置。
【請求項19】
第2の転写機構アセンブリを保持する第3のブリッジと、
第2のダイ基材ホルダを保持する第4のブリッジと、をさらに備え、
前記コントローラは、前記第3のブリッジおよび前記第4のブリッジを移動させて、前記第2の転写機構アセンブリを、第2のダイが転写される前記第2の基材上の第2の転写位置と位置合わせするようにさらに構成されている、請求項15に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための装置。
【請求項20】
前記第2の基材上の前記転写位置に対する前記ダイの位置を感知するように位置決めされた光学センサをさらに備える、請求項15に記載の、前記ダイを前記第1の基材から前記第2の基材に転写するための装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体デバイスは、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素などの半導体材料を利用する電気部品である。半導体デバイスは通常、単一の個別のデバイスまたは集積回路(IC)として製造される。単一の個別のデバイスの例には、発光ダイオード(LED)、ダイオード、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、ヒューズなどの電気的に作動可能な要素が含まれる。
【0002】
半導体デバイスの製造には、通常、無数の工程を伴う複雑な製造プロセスが含まれる。製造の最終製品は、「パッケージ化された」半導体デバイスである。「パッケージ化された」という修飾語は、最終製品に組み込まれる筐体および保護機能、ならびにパッケージ内のデバイスを最終的な回路に組み込むことを可能にするインターフェースを指す。
【0003】
半導体デバイスの従来の製造プロセスは、半導体ウェハの取り扱いから始まる。ウェハは、多数の「パッケージ化されていない」半導体デバイスにダイシングされる。「パッケージ化されていない」という修飾語は、保護機能のない密閉されていない半導体デバイスを指す。本明細書では、パッケージ化されていない半導体デバイスは、半導体デバイスダイ、または簡単にするために単に「ダイ」と称され得る。単一の半導体ウェハをダイシングして様々なサイズのダイを作製し、半導体ウェハから(半導体の出発サイズに応じて)100,000超、または1,000,000超のダイを形成することができ、各ダイは一定の品質を有する。次に、パッケージ化されていないダイは、以下で簡単に考察する従来の製造プロセスによって「パッケージ化」される。ウェハのハンドリングとパッケージ化との間の処理は、「ダイシング」と称される場合がある。
【0004】
場合によっては、ダイ準備には、「ピックアンドプレースプロセス」によるダイを分類することが含まれる場合があり、これにより、ダイシングされたダイが個々にピックアップされ、ビンに分類される。分類は、ダイの順方向電圧容量、ダイの平均電力、および/またはダイの波長に基づくことができる。
【0005】
典型的に、パッケージ化には、ダイをプラスチックまたはセラミックのパッケージ(例えば、金型または筐体)に取り付けることを伴う。パッケージ化には、ダイ接点をピン/ワイヤに接続して、最終的な回路とのインターフェース/相互接続することも含まれる。半導体デバイスのパッケージ化は、典型的に、ダイを密閉して環境(例えば、ほこり)から保護することによって完了する。
【0006】
次に、製品メーカは、パッケージ化された半導体デバイスを製品回路に配置する。パッケージ化により、デバイスは製造中の製品の回路アセンブリに「プラグイン」する準備ができている。追加的に、デバイスのパッケージ化は、デバイスを劣化または破壊する可能性のある要素からデバイスを保護するが、パッケージ化されたデバイスはパッケージ内に見出されるダイより本質的に大きくなる(例えば、場合によっては、厚さが約10倍、面積が約10倍で、結果として体積が100倍になる)。したがって、結果として得られる回路アセンブリは、半導体デバイスのパッケージより薄くすることはできない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
発明を実施するための形態は、添付の図を参照して記述される。図では、参照番号の左端の数字は、参照番号が最初に表示される図を識別する。異なる図で同じ参照番号を使用している場合は、類似または同一の項目を示す。さらに、図面は、個々の図内の個々のコンポーネントの相対的なサイズのおおよその描写を提供すると見なすことができる。しかしながら、図面は原寸に比例しておらず、個々の図内および異なる図間の両方の個々のコンポーネントの相対的なサイズは、示されているものとは異なる場合がある。具体的には、一部の図は、コンポーネントを特定のサイズまたは形状として示している場合があるが、他の図は、わかりやすくするために、同じコンポーネントをより大きなスケールで示し、または異なる形状で示す場合がある。
図1】ダイ転写システムの要素の一実施形態の概略図を例解する。
図2】本出願の一実施形態による、ダイ基材から製品基材へのダイの転写のための、ブリッジ装置を有する例示的な転写装置の概略図を例解する。
図3】本出願の一実施形態による、ダイ基材から製品基材へのダイの転写のための、第1のブリッジ上の複数の転写機構アセンブリおよび第2のブリッジ上の複数のダイ基材を有する例示的な転写装置の概略図を例解する。
図4】本出願の一実施形態による、ダイ基材から製品基材へのダイの転写のための、3つ以上のブリッジ装置を有する例示的な転写装置の概略図を例解する。
図5】本出願の一実施形態による、上に回路トレースを有する製品基材の一実施形態の平面図を例解する。
図6】本出願の一実施形態による、ダイ転写動作の方法を例解する。
図7】本出願の一実施形態による、ダイ転写動作の方法を例解する。
図8】本出願の一実施形態による、第1のブリッジによって保持されるダイ基材および第2のブリッジによって保持される転写機構アセンブリからのダイ転写プロセスの方法を例解する。
図9】本出願の一実施形態による、1つ以上のパラメータ基準および/または最適化に少なくとも部分的に基づいて、ダイ転写プロセスの場所を決定するための方法を例解する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、半導体デバイスのダイを回路に直接転写し、固定する機械、およびそれを達成するためのプロセス、ならびにダイが取り付けられた回路(出力製品として)を対象とする。一実施形態では、機械は、パッケージ化されていないダイを、「ウェハテープ」などの基材から回路基材などの製品基材に直接転写するように機能する。パッケージ化されていないダイの直接転写は、従来の手段によって製造された同様の製品と比較して、最終製品の厚さ、ならびに製品基材を製造するための時間および/またはコストを大幅に低減することができる。
【0009】
この説明の目的上、「基材」という用語は、それの上に、またはそれに対して、プロセスまたは動作が発生する任意の物質を指す。さらに、「製品」という用語は、完了の状態に関係なく、プロセスまたは動作からの所望の出力を指す。したがって、製品基材とは、任意の物質であって、所望の生産品のためにプロセスまたは処理がその上で、またはそれに対して生じる任意の物質を指す。本明細書では、「製品基材」という用語には、ウェハテープ(例えば、ダイを事前に分類し、将来使用するために分類されたダイシートを作製するため)、シートまたは他の非平面形状として形成された紙またはポリマー基材であって、ポリマーは、半透明または他のもので、シリコーン、アクリル、ポリエステル、ポリカーボネートなどを含むがこれらに限定されない任意の好適なポリマーから選択することができる、紙またはポリマー基材、回路基板(プリント回路基板(PCB)など)、並列に延在する一対の導電性ワイヤまたは「スレッド」が含まれる場合がある、ストリングまたはスレッド回路、および綿、ナイロン、レーヨン、皮革などの布材料が含まれ得るが、これらに限定されない。製品基材の材料の選択には、耐久性の材料、可撓性材料、剛性材料、および転写プロセスが成功し、製品基材の最終用途への適合性を維持する他の材料が含まれ得る。製品基材は、製品基材が製品を形成するための導電性回路として機能するように、導電性材料のみでまたは少なくとも部分的に導電性材料で形成され得る。製品基材の潜在的なタイプには、ガラス瓶、自動車用窓、またはガラス板などのものがさらに含まれ得る。
【0010】
一実施形態では、製品基材は、その上に配置された回路トレースを含み得る。図示のように、回路トレースは、転写されるダイ上の電気接点端子(図示せず)間の距離に適応するように、トレース間隔またはギャップだけ離間された一対の隣接するトレースラインを含むことができる。したがって、回路トレースの隣接するトレースライン間のトレース間隔またはギャップは、ダイの適切な接続およびその後の作動を確実にするために、転写されるダイのサイズに従ってサイズ決定することができる。例えば、回路トレースは、約10~200ミクロン、約100~175ミクロン、または約125~150ミクロンの範囲に及ぶトレース間隔またはギャップを有することができる。
【0011】
回路トレースは、スクリーン印刷、インクジェット印刷、レーザ印刷、手動印刷、または他の印刷手段を介して配置された導電性インクから形成することができる。さらに、回路トレースは、ダイの導電性の目的のために活性化可能であるが、追加の安定性を提供するために、予備硬化され、半乾燥、または乾燥することができる。湿式導電性インクを使用して回路トレースを形成することもできるか、または湿式インクと乾燥インクとの組み合わせを回路トレースに使用することもできる。代替的に、または追加的に、回路トレースは、ワイヤトレースとして事前に形成されるか、フォトエッチングされるか、または溶融材料から回路パターンに形成され、その後、製品基材に接着されるか、埋め込まれるか、または固定することができる。
【0012】
回路トレースの材料には、銀、銅、金、炭素、導電性ポリマーなどが含まれ得るが、これらに限定されない。一実施形態では、回路トレースは、銀コーティングされた銅粒子を含み得る。回路トレースの厚さは、使用される材料のタイプ、意図される機能、およびその機能を達成するための適切な強度または可撓性、エネルギー容量、LEDのサイズなどに応じて変化することができる。例えば、回路トレースの厚さは、約5ミクロン~20ミクロン、約7ミクロン~15ミクロン、または約10ミクロン~12ミクロンの範囲に及び得る。
【0013】
したがって、非限定的な一例では、製品基材は、銀系導電性インク材料を使用して、回路トレースを形成するためにその上に印刷された所望の回路パターンスクリーンを有する可撓性の半透明ポリエステルシートであってもよい。
【0014】
一実施形態では、機械は、「パッケージ化されていない」ダイ、例えば、ウェハテープから転写された、例えばLEDを受け入れるための製品基材を固定することができる。ダイを使用して製品の寸法を低減するために、ダイは、非常に小さく、かつ薄くてもよい。例えば、ダイは、約50ミクロンの厚さであってもよい。他の場合では、ダイは、30ミクロン未満の厚さでもよい。しかしながら、本明細書に開示されるように、システムおよび方法は、200ミクロンの厚さ以上など、50ミクロンを超えるダイ厚さに適用され得ることに留意されたい。ダイの比較的小さいサイズに起因して、機械は、ダイを搬送するウェハテープおよび転写機構の両方を、製品基材上の転写場所と正確に位置合わせして、正確な配置を確実にする、および/または製品材料の無駄を回避するように機能するコンポーネントを含む。一実施形態では、転写機構およびウェハテープ上のダイを位置合わせするコンポーネントは、ブリッジのセットを含み得、ウェハテープおよび転写機構は、これらのブリッジにそれぞれ固定され、ウェハテープ上の特定のダイが、製品基材上の特定の箇所に転写されるように、位置合わせの位置に個々に搬送される。
【0015】
一実施形態では、機械は、ダイを「パッケージ化」することなく、ウェハテープから製品基材に直接ダイを転写するための転写機構をさらに含む。転写機構は、ウェハテープを介して製品基材に向かってダイを押し下げるように、ウェハテープの垂直方向上方に配置され得る。ダイを押し下げるこのプロセスは、ウェハテープからダイを剥離させることができるが、これは、ダイの側から始まり、ついにはダイがウェハテープから分離して製品基材に取り付けられる。すなわち、ダイとウェハテープとの間の接着力を低減し、かつダイと製品基材との間の接着力を高めることによって、ダイが転写され得る。
【0016】
一実施形態では、転写機構は、ウェハテープに対して周期的に作動してウェハテープを上面から押すことができるピンまたはニードルなどの細長いロッドを含み得る。ニードルは、転写されるダイの幅よりも広くならないようにサイズ決定され得る。ただし、他の例では、ニードルの幅をより広くしてもよく、または他の寸法にしてもよい。ニードルの端部がウェハテープに接触すると、ウェハテープは、ダイとウェハテープとの間の領域で局所的なたわみを経験する可能性がある。たわみが高度に局所化され、迅速に実行される限り、ニードルからの圧力を受けないウェハテープの部分は、ダイの表面から離れて屈曲し始める可能性がある。したがって、この部分的な分離により、ダイがウェハテープとの十分な接触を失い、ウェハテープから解放され得る。さらに、一実施形態では、ウェハテープのたわみを最小限にすることにより、ダイの全表面積がウェハテープと接触した状態を維持しつつ、ダイの反対側の表面を、隣接するダイの対応する表面の拡張平面を越えて依然として延在させたままにして、隣接するダイが意図せずに転写されることを回避することができる。
【0017】
一実施形態では、転写装置は、ダイ基材を搬送するフレームおよび転写機構アセンブリを保持する1つ以上のブリッジ構造を含み得る。本明細書に記載の他の実施形態と同様に、ダイ基材は、ウェハテープであり得、ウェハテープが、それに取り付けられた半導体ダイを有する。転写機構アセンブリは、位置合わせされると、ダイ基材から製品基材上にダイを押し付けるピンを作動させるように構成されているピンアクチュエータを含み得る。場合によっては、製品基材は、製品基材を第1の方向に並進させるように構成されているステージ上に配置され得る。1つ以上のブリッジ構造はまた、移動し、したがって、ダイ基材および/または転写機構アセンブリを実質的に同じ第1の方向に移動させるように構成され得る。換言すれば、製品基材が座るステージは、転写装置内に移動可能に配置され得、手動および/またはコンピュータ制御モータを介してのいずれかで移動するように構成され得る。同様に、1つ以上のブリッジ構造は、転写装置のレールのセット上に移動可能に取り付けられ得、コンピュータ制御モータを介して移動するように構成され得る。
【0018】
ブリッジの各々は、ブリッジ構造が取り付けられているレールのセットに実質的に垂直に延在するレールまたはその上に配置されたトラックを有し得る。転写機構アセンブリおよびダイ基材を搬送するフレームは、ダイ基材を搬送するフレームおよび/または転写機構が、ブリッジ構造が移動可能である第1の方向に対して実質的に垂直である第2の方向に移動可能であるように、前述のレールまたはトラックを介して、同じブリッジに、または各々が異なるブリッジに取り付けられ得る。このようにして、ブリッジ構造は、ダイ基材を搬送するフレームおよび/または転写機構アセンブリの第2の方向への移動とは無関係に、第1の方向に移動され得る。
【0019】
1つ以上のブリッジ構造、ダイ基材を搬送するフレーム、転写機構アセンブリ、および/または製品基材は、転写機構アセンブリが、ダイ基材上に転写される次のダイ、および製品基材上の次の転写位置と位置合わせされように、コンピュータ制御モータを介して移動され得る。この時点で、転写機構アセンブリのピンを作動させて、転写される次のダイの裏側でダイ基材に圧力を加え、ダイを、ダイが製品基材上に配置される位置で製品基材と接触させ、製品基材に転写し得る。このプロセスは、製品基材上に転写されるダイの全てが、ダイ基材(例えば、ウェハテープ)から製品基材に転写されるまで繰り返され得る。
【0020】
一実施形態では、転写装置は、第1のブリッジおよび第2のブリッジ(「ブリッジ」)を有し得る。第1のブリッジおよび第2のブリッジの両方は、第1のレールおよび第2のレール(「レール」)に沿って、第1の方向(例えば、製品基材の長さまたは幅に沿って)に移動可能であり得、第1のレールおよび第2のレールは、製品基材を保持するように構成されたステージの両側にそれぞれ配置され得る。本明細書の目的のために、「レール」という用語が使用されているが、実質的に単一の方向(例えば、第1の方向に直交する成分を有する方向ではなく、第1の方向に沿って)でのブリッジの移動のための任意の好適なガイドが、一実施形態に従って企図されることを理解されたい。ブリッジは、レールに沿ってブリッジを移動させるために、それぞれその上に配置される1つ以上のモータを有し得る。代替的に、ブリッジは、ケーブル、チェーン、および/またはプーリなどによって、1つ以上のモータに機械的に結合されて、レールに沿った移動を可能し得る。
【0021】
第1のブリッジは、第1および第2のレールとそれぞれ係合する2つの脚部、および2つの脚部の間を接続するブリッジ部を含み得る。ブリッジ部分は、ステージ、および/またはステージ上に提供される製品基材にわたって架けられている。第1のブリッジのブリッジ部分は、その長さの一部分に沿って配置されたトラックまたはガイドを有し得る。このトラックは、第1のブリッジが移動可能に取り付けられ得る第1および第2のレールに実質的に垂直な方向にブリッジ部分に沿って延在し得る。転写機構アセンブリは、このトラックに沿って移動可能に配置され得る。転写機構アセンブリは、1つ以上のコンピュータ制御モータに機械的に結合されて、第1のブリッジのトラックに沿って転写機構アセンブリを移動させ得る。一実施形態では、転写機構アセンブリは、転写機構アセンブリが、ステージおよび/またはステージ上に配置された製品基材の全距離(例えば、幅)を横切って移動するように構成され得るように、トラック上に配置され得る。
【0022】
第1のブリッジと同様に、第2のブリッジはまた、第1および第2のレールとそれぞれ係合する2つの脚部、および2つの脚部の間を接続するブリッジ部を含み得る。ブリッジ部分は、ステージ、および/またはステージ上に提供される製品基材にわたって架けられている。第2のブリッジのブリッジ部分はまた、その長さの一部分に沿って配置されたトラックまたはガイドも有し得る。このトラックは、第2のブリッジが移動可能に取り付けられ得る第1および第2のレールに実質的に垂直な方向にブリッジ部分に沿って延在し得る。フレームまたはホルダに取り付けられたダイ基材は、第2のブリッジのこのトラックに沿って移動可能に配置され得る。ダイ基材は、1つ以上のコンピュータ制御モータに機械的に結合されて、ダイ基材フレームに取り付けられるように、第2のブリッジのトラックに沿ってダイ基材を移動させ得る。一実施形態では、ダイ基材フレームは、ダイ基材が、ステージおよび/またはステージ上に配置された製品基材の全距離(例えば、幅)を横切って移動するように構成され得るように、トラック上に配置され得る。
【0023】
2つのブリッジ、ならびにステージ、転写機構アセンブリ、およびダイ基材は、コントローラを介して移動されて、転写されるダイ基材上のダイを、転写機構アセンブリのピンと、ダイが配置される製品基材上の場所と位置合わせし得る。この位置合わせ後、転写機構アセンブリのピンを作動させて、製品基材(または適切な場合、製品基材上の回路トレース)と接触しているダイを押して製品基材上にダイを転写し得る。
【0024】
一実施形態によれば、転写装置は、2つのブリッジ構造の各々に、2つ以上の転写機構アセンブリおよび2つ以上のダイ基材を含み得る。これにより、製品基材に転写されるダイの並列処理(例えば、コンポーネントの小さな移動に続いてダイ転写)を可能にし得る。複数の転写機構アセンブリおよび複数の対応するダイ基材を有する転写装置は、異なる種類のダイを用いたアセンブリを可能にし得る。例えば、特定の色のマイクロサイズのLEDは、第1のダイ基材から転写され得、一方、異なる色のマイクロサイズのLEDは、別のダイ基材から転写され得る。別の例では、レンズまたは電気的に作動可能な素子(すなわち、コンデンサ、トランジスタ、コントローラなど)は、第1の基材から転写され得、一方、任意のサイズまたは色のLEDは、第2の基材から転写され得る。
【0025】
一実施形態では、転写装置は、2つ未満または3つ以上のブリッジ構造(例えば、1つ、3つ、4つ、5つなど)を含み得る。例えば、2つのブリッジ構造の2つのセットが、転写装置によって出力される製品基材のスループットを増加させるために並列動作するように構成され得る4つのブリッジ構造が実装され得る。上記のように、転写機構アセンブリおよびダイ基材ホルダの複数のセットを使用することはまた、1つの種類のレンズまたは他の電気的に作動可能な素子をブリッジ構造の1つのセットから転写し、別の種類のレンズまたは他の電気的に作動可能な素子をブリッジ構造の別のセットから転写することによって、多様性を可能にし得る。追加的に、任意の実施形態では、単一のブリッジ構造が、転写機構アセンブリおよびダイ基材ホルダの両方を実装し得るか、または少なくとも2つのブリッジ構造が実装されている場合、1つ以上の転写機構アセンブリおよび1つ以上のダイ基材ホルダが、ブリッジ構造が一緒に移動してダイを転写するように、それぞれ、転写装置の隣接するブリッジ構造上に分散され得る(すなわち、第1のブリッジ上の転写機構アセンブリが隣接するブリッジ上のダイ基材ホルダと連携する)ことを理解されたい。
【0026】
一実施形態では、1つ以上のセンサが、実装されて、転写装置が、転写に関与するコンポーネントの正確な転写場所および位置合わせを決定するのを支援し得る。さらに、ダイマップを使用して、所与のダイ基材上のどのダイが、ダイ品質または他のダイ係数に従って転写されるべきかを決定するように、装置を誘導し得る。センサおよびダイマップは、米国特許第9,633,883号で考察されているように、同様に実装され得る。
【0027】
本明細書に記載される転写装置を使用するダイ転写速度は、米国特許出願第15/978,094号で考察されているように、複数の転写機構と併せて、従来の機械で利用可能であるよりも著しく高い転写速度を可能にし得る。ダイ転写速度は、装置によって毎秒転写されるダイの数であり、速度は、例えば、毎秒約5~500ダイ、50~400ダイ、100~300ダイ、または150~250ダイの範囲に及び得る。
【0028】
直接転写システム100の一実施形態の簡略化された例が、図1に例解されている。転写システム100は、パーソナルコンピュータ(PC)102(または、サーバ、データ入力装置、ユーザインターフェース等)、データ記憶装置104、ウェハテープ機構106、製品基材機構108、および転写機構110を含み得る。ウェハテープ機構106、製品基材機構108、転写機構110のより詳細な説明についてはこれまで行ってきたため、これらの機構に関する具体的な詳細事項については、ここで繰り返さない。しかしながら、ウェハテープ機構106、製品基材機構108、転写機構110が、PC102とデータ記憶装置104との間の相互作用にどのように関連するかについての簡単な説明を以下に記載する。
【0029】
一実施形態では、PC102は、データ記憶装置104と通信して、転写機構110を使用して、ウェハテープ機構106内のウェハテープから製品基材機構108内の製品基材上にダイを直接転写する転写プロセスに有用である情報およびデータを受信し、ここで、ダイは、製品基材上に取り付けられ得る。PC102はまた、ウェハテープ機構106、製品基材機構108、および転写機構110の各々との間で中継されているデータの受信機、コンパイラ、オーガナイザ、およびコントローラとして機能し得る。PC102は、転写システム100のユーザからの指示された情報をさらに受信し得る。図1は、ウェハテープ機構106および製品基材機構108に隣接する方向移動能力の矢印を示し、これらの矢印は、移動性の一般的な方向を単に示すが、ウェハテープ機構106および背製品基材機構108の両方は、例えば、平面内での回転、ピッチ、ロール、およびヨーを含む他の方向にも移動するように構成可能であることに留意されたい。
【0030】
図2は、ダイ基材270から製品基材210へのダイ272の転写のための、ブリッジ装置230、260を有する例示的な転写装置200の概略図を例解する。転写装置200は、製品基材210を保持するように構成された可動ステージ202を含み得る。可動ステージ202は、1つ以上の方向(例えば、x方向、y方向、またはxおよびy方向の両方)に移動するように構成され得る。一実施形態では、可動ステージ202はまた、上下に(例えば、z方向に)移動するように構成され得る。例えば、可動ステージ202は、例えば、モータまたは他の機械的デバイスに結合することによって、方向222に移動するように構成され得る。
【0031】
製品基材210は、本明細書に記載されているように、任意の好適な材料(例えば、PCB、FR-4基板、紙、段ボール、ガラス、セラミック、プラスチック、テープなど)であり得る。製品基材210は、半導体ダイなどの以前に転写されたダイ212、および/またはその上および/またはその中に配置および/または形成された回路トレース214を有し得る。一実施形態では、ダイ212は、本明細書に記載される方法および装置に従って、製品基材210上に配置され得る。回路トレース214は、任意の好適なタイプおよび/または面積密度であり得る。これらの回路トレース214は、導電性であり得、ダイ212と製品基材210の1つ以上の他の要素との間などの電流を流すように構成され得る。
【0032】
製品基材210は、ツリー構造216またはクロス218などの任意の好適なタイプの位置合わせ特徴216、218をさらに含み得る。位置合わせ特徴216、218は、PC102などのコントローラに知られ得る特定の製品基材210の既知の座標を有し得る。位置合わせ特徴216、218は、それらの既知の座標と併せて、PC102によって、転写装置200の様々なコンポーネントの位置を決定するために使用され得る。したがって、位置合わせ構造216、218は、光学撮像などにより検出され、転写装置200のコンポーネントを位置合わせするおよび/または配向させるために使用されて、ダイ272を製品基材210上に転写し得る。製品基材210は、ダイが転写される位置および/または場所220をさらに有し得る。いくつかの場合、ダイが転写される位置220は、視覚的に識別可能であり得、光学検出によって識別され得る。ダイが転写される位置220のそのような視覚的な表示を使用して、転写装置200のコンポーネントを位置合わせして、ダイ272を製品基材210上に転写することもできる。PC102は、製品基材データファイルの形態で、ダイ転写位置220および/または位置合わせ特徴216、218など、製品基材210に関する情報を受信し得る。
【0033】
転写装置200は、第1のブリッジ構造230および第2のブリッジ構造260をさらに含み得る。第1のブリッジ構造230は、第1の脚部232、第2の脚部234、および第1の脚部232と第2の脚部234との間に配置されたブリッジ部分236を有し得る。第1のブリッジ構造230は、第1のレール290および第2のレール292に沿って移動するように構成され得る。脚部232、234は、レール290、292に移動可能に連結され得、第1のブリッジ構造230が第1のレール290および第2のレール292に沿って移動することを可能にする。
【0034】
第1のブリッジ構造230は、そのブリッジ部分236に沿って配置されたレールおよび/またはトラック238を有し得る。転写機構アセンブリ240は、本明細書で記載されるように、トラック238上に移動可能に取り付けられ得る。トラック238、したがって、転写機構アセンブリ240の位置の範囲は、製品基材210上の任意の好適な位置へのダイ272の転写を可能にするために、製品基材210の幅と同じか、またはそれよりも大きくてもよい。転写機構アセンブリ240は、本明細書に記載されるように、転写機構アセンブリ240から外向きに延在し、転写機構アセンブリ240に向かって内向きに格納されるように作動され得るピン276を有し得る。
【0035】
第1のブリッジ構造230は、第1のブリッジ構造230がレール290、292に沿って移動することを可能にし、転写機構アセンブリ240がトラック238に沿って移動することを可能にするための、1つ以上のモータ242、244、246、248をさらに含み得る。モータ242は、第2の脚部234のハウジング内などの第2の脚部234内に封入され得、モータ244は、第1の脚部234内に封入され得る。モータ242、244は、PC102などによってコンピュータ制御されて、レール290、292に対して脚部232、234に力を及ぼし、第1のブリッジ構造をレール290、292に沿って方向252に移動させ得る。方向252は、可動ステージ202が移動するように構成され得る方向222と同じ方向であってもよい。
【0036】
モータは、脚部232、234上に配置されるように描写されるが、モータ242、244と脚部232、234との任意の好適な結合を実装して、第1のブリッジ構造230をレール290、292に沿って移動させ得ることを理解されたい。例えば、第1のブリッジ構造230の脚部232、234ごとに、2つ以上のモータ242、244が存在し得る。加えて、一実施形態では、モータ242、244は、脚部232、234の外側に位置し、ワイヤ、ケーブル、プーリなどを介して、それぞれ脚部の各々に結合され得る。
【0037】
モータ246、248は、転写装置200と結合されて、転写機構アセンブリ240を移動させる。例えば、モータ246、248は、第1のブリッジ構造230のブリッジ部分236内および/またはその上に配置され得る。転写機構アセンブリ240は、ワイヤ、ケーブル、プーリなど(図示せず)によってモータ246、248に機械的に結合され得る。モータ246、248は、PC102によって制御されて、転写機構アセンブリ240をトラック238の長さに沿って移動させ得る。第1のブリッジ構造230は、例えば、線形センサなどの1つ以上のセンサ250をさらに含み得る。センサ250は、第1のブリッジ構造230のトラック238に沿った転写機構アセンブリ240の位置を示す信号を提供するように構成され得る。センサ250は、ホール効果センサ、磁気センサ、容量センサ、光学センサ、音波センサなどの任意の好適な種類であり得る。場合によっては、加速度計(例えば、微小電気機械システム(MEMS)ベースの加速度計)または任意の他の好適なセンサなどのセンサは、転写機構アセンブリ240の位置を示すために、転写機構アセンブリ240の中または上に配置され得る。他の場合では、モータ246、248の入力に入力される、および/またはモータ246、248の入力で測定される電流および電圧は、第1のブリッジ構造230のトラック238に沿った転写機構アセンブリ240の位置を決定するために使用され得る。いくつかの場合、より高い精度、正確さ、および/または冗長性の目的のために、前述の機構の組み合わせを使用して、第1のブリッジ構造230のトラック238に沿った転写機構アセンブリ240位置を決定し得る。
【0038】
PC102などのコントローラは、センサ250、カメラ298、および/または任意の他の好適な検出器から信号を受信し、第1のブリッジ構造230を意図された場所に位置決めし得ることを理解されたい。この位置決めは、製品基材210上に転写される次のダイ272に対応し得る。さらに、PC102は、第1のブリッジ構造230のトラック238に沿って転写機構アセンブリ240を位置決めするように構成され得る。具体的には、PC102は、1つ以上のモータ242、244、246、248を制御して、第1のブリッジ構造230および転写機構アセンブリ240を位置決めし得る。本明細書で考察されるように、この位置決めはまた、ダイが配置される製品基材210上の場所を示すデータファイル、ならびに/またはダイ基材270上のダイ場所および/もしくは既知の良好なダイを示すデータファイルなど、1つ以上のデータファイルに少なくとも部分的に基づき得る。
【0039】
一実施形態では、第2のブリッジ構造260は、第1のブリッジ構造230と実質的に類似し得る。第2のブリッジ構造260は、第1の脚部262、第2の脚部264、および第1の脚部262と第2の脚部264との間に配置されたブリッジ部分266を有し得る。第2のブリッジ構造260は、第1のレール290および第2のレール292に沿って移動するように構成され得る。脚部262、264は、レール290、292に移動可能に連結され得、第2のブリッジ構造260が第1のレール290および第2のレール292に沿って移動することを可能にし得る。第1のブリッジ構造230および第2のブリッジ構造260の両方が同じレール290、292に結合されているため、第1のブリッジ構造230の移動は、レール290、292に沿った第2のブリッジ構造260の位置によって制限され得、その逆も同様である。第2のブリッジ構造は、第1のブリッジ構造230の移動方向252と同じ方向282に沿って移動し得る。換言すれば、第1のブリッジ構造230および第2のブリッジ構造260の両方の移動は、同じ方向(例えば、x方向)に沿ってもよい。
【0040】
一実施形態では、第1のブリッジ構造230および第2のブリッジ構造260の移動は、可動ステージ202および/または製品基材210の全長に実質的に渡り得る。これは、第1のブリッジ構造230および第2のブリッジ構造260が互いに協働して、製品基材210の実質的に全面上にダイ272を配置することを可能にする。
【0041】
第2のブリッジ構造260は、そのブリッジ部分266に沿って配置されたトラック(この図では分かりにくい)を有し得る。ダイ基材フレーム268は、その上にパッケージ化されていないダイ272を有するダイ基材270を保持し、第2のブリッジ構造260のトラック上に移動可能に取り付けられ得る。トラック、したがって、ダイ基材270の位置の範囲は、製品基材210上の任意の好適な位置へのダイ272の転写を可能にするために、製品基材210の幅と同じか、またはそれより大きくてもよい。本明細書に記載されているように、ダイ基材270は、パッケージ基材210に転写されるパッケージ化されていないダイ272が保持されている、ウェハテープなどの任意の好適な基材であり得る。
【0042】
第2のブリッジ構造260は、第2のブリッジ構造260がレール290、292に沿って移動することを可能にする、および/またはダイ基材270が第2のブリッジ構造260のトラックに沿って移動することを可能にするための、1つ以上のモータ278、280、284、286をさらに含み得る。モータ278は、第1の脚部262内、例えば第1の脚部262のハウジング内に封入され得、モータ280は、第2の脚部264内に封入され得る。モータ278、280は、PC102を介してコンピュータ制御されて、例えば、レール290、292に対して脚部262、264に力を及ぼし、第2のブリッジ構造260をレール290、292に沿って方向282に移動させ得る。場合によっては、方向282は、可動ステージ202が移動するように構成され得る同じ方向222に沿ってもよく、および第1のブリッジ構造230が移動するように構成される方向252に沿ってもよい。
【0043】
モータ278、280は、第1のブリッジ構造230の場合のように、脚部262、264に配置された位置に描写されるが、モータ278、280の脚部262、264に対する任意の好適な構成が、第2のブリッジ構造260をレール290、292に沿って移動させるために使用され得ることを理解されたい。例えば、第2のブリッジ構造260の脚部262、264ごとに、2つ以上のモータ278、280が存在し得る。加えて、場合によっては、モータ278、280は、脚部262、264の外側に設けられ、ワイヤ、ケーブル、プーリなどによって脚部262、264に結合され得る。
【0044】
モータ284、286は、第2のブリッジ構造260のブリッジ部分266内および/またはその上に配置され得る。ダイ基材270は、ワイヤ、ケーブル、プーリなど(図示せず)によってモータ284、286に機械的に結合され得る。モータ278、280は、PC102を介して制御されて、第2のブリッジ構造260のトラックの長さに沿って、ダイ基材270が取り付けられているダイ基材フレーム268を介して、ダイ基材270を移動させ得る。第2のブリッジ構造260は、ここでは線形センサ274として描写される1つ以上のセンサ274をさらに含み得る。このセンサ274は、センサ250と実質的に類似し得、PC102に信号を提供するように構成され得、これらの信号は、ブリッジ部分266の長さに沿ったダイ基材フレーム268およびダイ基材270の場所を示す。
【0045】
レール290、292は、ここでは、中にスロット294、296を有するハウジングとして描写されているが、レール290、292は、任意の好適な種類であり得る。実際、任意の好適なガイド、レール、トラック、またはそれ以外のものは、第1のブリッジ構造230および/または第2のブリッジ構造260の移動のために使用され得る。転写装置200はまた、本明細書で考察されるように、カメラ298を含み得る。画像信号などの信号は、PC102によって処理され、場合によっては、センサ250、274からの信号と併せて使用されて、ブリッジ構造230、260、転写機構アセンブリ240、および/またはダイ基材270の移動を制御し得る。
【0046】
第1のブリッジ構造230および第2のブリッジ構造は、PC102のコントローラの下で、転写機構アセンブリ240およびダイ基材270とともに、移動して、ピン276およびダイ272が配置される製品基材上の場所220と位置合わせして転写されるダイ272をもたらし得る。PC102は、1つ以上のモータ242、244、278、280、246、248、284、286、または他の好適な電気機械装置を制御することによって、この位置合わせを実行し得る。
【0047】
コントローラの制御下で、かつ製品基材210に関する情報およびダイ基材270に関する情報に少なくとも部分的に基づき、ダイ272は、転写機構アセンブリ240のピン276と、およびダイ272が転写される製品基材上の場所と位置合わせされ得ることを理解されたい。これらの要素が2つの方向(例えば、x方向およびy方向)に位置合わせされるとき、ピン276は、コントローラ(例えば、PC102)の制御下で作動されて、ダイ272が転写される製品基材210上の場所に接触して、第3の方向(例えば、z方向)にダイ272を押し込み得る。転写の実際の発生は、ダイと、ダイが転写される基材との間の接着力が、ダイと、ダイが転写されている基材との間の保持の接着力よりも大きくなるときに実現され得る。
【0048】
製品基材210、したがって、ステージ202は、現在および次世代の製品の生産に適合するように、任意の好適なサイズであり得ることを理解されたい。例えば、ダイ272(例えば、LED、マイクロサイズLED、IC、電気的に作動可能な要素など)は、スマートウォッチPCBおよびスマートウォッチディスプレイに使用されるものなどの比較的小さい領域基材、または、例えば、3.3メートルx 2.9メートルのサイズであり得るGEN10.5およびそれを超えるガラスほどの大きさに取り付け得る。実際には、転写装置200は、その上で製造される製品に対して最適化されるようにサイズを拡大縮小し得る。
【0049】
ダイ272、ピン276、および製品基材220上の位置220が位置合わせされ得る場所の配列が存在し得ることを理解されたい。実際には、転写が行われる領域(x方向およびy方向)の選択を可能にし得る複数の可動要素(例えば、可動ステージ202、第1のブリッジ構造230、第2のブリッジ構造260、転写機構アセンブリ240、ダイ基材270など)が存在する。この転写点は、位置合わせ点と称され得、ステージ基準フレームおよび/またはブリッジ基準フレーム上の対応する座標が決定され得る初期基準フレームを参照し得る。したがって、この位置合わせ点は、製品基材210、ピン276、およびダイ272が位置合わせされる固定基準フレーム内の点であり得る。位置合わせ点が位置する場所に選択肢が存在し得るので、様々なアルゴリズムを使用して、特定のダイ転写プロセスの位置合わせ点を決定し得る。この位置合わせ点は、位置ずれレベルおよび/または転写時間など、最適化または閾値化され得る1つ以上のパラメータに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。
【0050】
図3は、ダイ基材370、371から製品基材310への、ダイ372の転写のための、第1のブリッジ330上の複数の転写機構アセンブリ332、334、および第2のブリッジ340上の複数のダイ基材342、344を有する例示的な転写装置300の概略図を例解する。複数の転写機構アセンブリ332、334の各々は、それぞれのピン376、377を含む。転写装置300は、図2の転写装置200と同様であり得る。転写装置300と、別の例示的な実施形態の転写装置に実装され得る転写装置400(図4)との間には、いくつかの特徴および/または変形が存在し得る。換言すれば、本明細書における開示は、転写装置200および転写装置300と関連して考察される特徴の任意の組み合わせを企図する。
【0051】
転写装置200と同様に、転写装置300は、可動ステージ302を含み得る。描写されるように、可動ステージ302は、第1の方向、および第1の方向に対して実質的に垂直な第2の方向(例えば、x方向およびy方向312)に移動可能であり得る。換言すれば、可動ステージ302は、2方向にモータおよび/または他の電気機械装置を介して制御され得る。代替的に、可動ステージ302は、図2の転写装置200の可動ステージ202のように1つの方向にのみ移動するように構成され得る。可動ステージ302の移動の自由度に関係なく、図2の製品基材210と実質的に類似し得る製品基材310は、可動ステージ302上で支持され得る。
【0052】
転写装置300は、第1のブリッジ構造330および第2のブリッジ構造340を有し得、これらの説明は、図2の第1のブリッジ構造230および第2のブリッジ構造260に実質的に類似し得、簡略にするために、ここでは繰り返されない。より簡略化された図面にするために、第1のブリッジ構造330および第2のブリッジ構造340を移動させるためのモータおよび特定の他の要素、ならびにそれらに取り付けられた要素は、図2にあるように描写されないが、存在することを理解されたい。
【0053】
第1のブリッジ構造330は、第1の転写機構アセンブリ332および第2の転写機構アセンブリ334を移動可能に保持し得る。同様に、第2のブリッジ構造340は、第1のダイ基材フレーム342および第2のダイ基材フレーム344を移動可能に保持し得る。第1のブリッジ構造330上の2つの転写機構アセンブリ332、334、および2つのダイ基材フレーム342、344を有することは、ダイが製品基材310上で転写される並列処理(例えば、コンポーネントの小さな移動、続いてダイ転写)が可能になり得る。一実施形態では、第1のブリッジ構造330上の複数の転写機構アセンブリ332、334、および第2のブリッジ構造340上の複数の対応するダイ基材フレーム342、344を有するこの構成は、異なる種類のダイを用いてダイ転写を可能にすることができる。例えば、特定の色のマイクロサイズのLEDは、第1のダイ基材から転写され得、一方、異なる色のマイクロサイズのLEDは、別のダイ基材から転写され得る。
【0054】
図4は、2つ以上のダイ基材フレーム442、452から製品基材410への、ダイの転写のための、3つ以上のブリッジ装置430、440、450、460を有する例示的な転写装置400の概略図を例解する。転写装置200と同様に、転写装置400は、製品基材410をその上に保持するように構成された可動ステージ402を含み得る。可動ステージは、描写されるように、単一の方向412に、または代替的に、2つの方向(例えば、x方向およびy方向)に移動するように構成され得る。
【0055】
転写装置400は、第1のブリッジ構造430および第2のブリッジ構造440、ならびに第3のブリッジ構造450および第4のブリッジ構造460を有し得、これらの説明は、図2の第1のブリッジ構造230および第2のブリッジ構造260と実質的に類似し得、簡略にするために、ここでは繰り返されない。より簡略化された図面のために、ブリッジ構造430、440、450、460を移動させるためのモータおよび特定の他の要素、ならびにそれらに取り付けられた要素は、図2にあるように描写されないが、存在することを理解されたい。
【0056】
第1のブリッジ構造430は、第1の転写機構アセンブリ432を移動可能に保持し得、第2のブリッジ構造440は、第1のダイ基材フレーム442を移動可能に保持し得る。同様に、第3のブリッジ構造450は、第2のダイ基材フレーム452を移動可能に保持し得、第4のブリッジ構造460は、第2の転写機構アセンブリ462を移動可能に保持し得る。第1の転写機構アセンブリ432および第2の転写機構アセンブリ462の各々は、それぞれのピン476を含む(第1の転写機構アセンブリ432のピンは、第4のブリッジ構造460によって見えない。複数の転写機構アセンブリ432、462は、ダイ基材470、471から製品基材410へのダイ472の転写のために関連付けられる。
【0057】
ブリッジ構造430、440、450、460は並列動作するように構成されて、転写装置400によって組み立てられた製品のスループットを増加させ得る。一実施形態では、この構成はまた、1つの種類のダイをブリッジ構造430、440の1つのセットから転写し、別の種類のダイをブリッジ構造450、460の別のセットから転写することによって、ダイの多様性を可能にし得る。さらに、実施形態は、3つ以上のブリッジ構造、ならびに転写装置のブリッジ構造のうちの1つ以上に移動可能に結合される2つ以上の転写機構アセンブリおよび/またはダイ基材を含み得ることを理解されたい。
【0058】
図5は、処理された製品基材500の一実施形態を例解する。製品基材502は、電力が印加されると負電源端子または正電源端子として機能し得る回路配線の第1の部分504Aを含み得る。回路配線の第2の部分504Bは、回路配線の第1の部分504Aに隣接して延在し得、電力がそれに印加されると、対応する正電源端子または負電源端子として機能し得る。
【0059】
ウェハテープに関して上で同様に説明したように、製品基材502をどこに搬送して転写動作を実行するかを決定するため、製品基材502は、読みとられるもしくは検出されるバーコード(図示せず)または他の識別子を有する。識別子は、回路配線データを装置に提供し得る。製品基材502は、基準点506をさらに含み得る。基準点506は、回路トレース504A、504Bの第1および第2の部分を位置特定するように感知するための視覚的なインジケータであり得る。基準点506が感知されると、基準点506に対する回路トレース504A、504Bの第1および第2の部分の形状および相対位置は、事前にプログラムされた情報に基づいて決定され得る。
【0060】
追加的に、ダイ508は、図5において第1および第2の部分の回路トレース504Aと504Bとの間にまたがっているように示されている。このようにして、ダイ508の電気接触端子(図示せず)を、転写動作中に、転写装置200、300、400などによって、製品基材502に結合し得る。したがって、電力を印加して、回路トレース504A、504Bの第1の部分と第2の部分との間に流し、それによってダイ508に電力を供給することができる。例えば、ダイは、ウェハテープから製品基材502上の回路配線に直接転写されたパッケージ化されていないLEDでもよい。その後、製品基材502は、製品基材502を完成させるために処理され得、回路または他の最終製品に使用され得る。さらに、回路の他のコンポーネントは、完全な回路を作製するために、転写の同じまたは他の機構によって追加され得、いくつかの静的またはプログラム可能または適応可能な方法で、1つ以上のグループとしてLEDを制御するための制御ロジックを含み得る。
【0061】
1つ以上のダイがウェハテープなどのダイ基材から製品基材に直接転写される直接転写プロセスを実施する方法600が、図6に例解されている。本明細書に記載の方法600のプロセスは、何らかの特定の順序でなくてもよく、したがって、所望の製品状態を達成するために、任意の満足のいく順序で実施され得る。方法600は、転写プロセスデータをPC102および/またはデータストアにロードする工程602を含み得る。転写プロセスデータには、ダイマップデータ、回路CADファイルデータ、および/またはニードルプロファイルデータなどのデータが含まれ得る。
【0062】
ウェハテープをウェハテープフレーム機構に装填する動作604も、方法600に含まれ得る。ウェハテープをダイ基材フレーム268、342、344、442、452などのウェハテープフレームに装填することは、ダイフレームを制御して、装填位置に移動させることを含み得る。他の実施形態では、ウェハテープをウェハテープフレームに装填することは、ウェハテープフレームを装填位置に移動させることを必要としない場合がある。ダイ基材270などのウェハテープは、装填位置でウェハテープフレーム機構に固定し得る。ウェハテープは、ダイ272などの半導体のダイが製品基材コンベア機構に向かって下向きになるように装填され得る。
【0063】
方法600は、製品基材を調製して、製品基材ステージに装填する工程606をさらに含み得る。製品基材を調製することは、PCまたはデータ記憶装置にロードされているCADファイルのパターンに従って回路配線を製品基材上にスクリーン印刷する工程を含み得る。さらに、転写プロセスを支援するために、基準点は、回路基材上に印刷され得る。ステージ202などの製品基材ステージは、装填位置に移動するように制御され得、そこで、製品基材210などの製品基材は、製品基材ステージに装填され得る。製品基材は、回路配線がウェハ上のダイの方を向くように装填され得る。一実施形態では、例えば、製品基材は、組立ラインの方式などによって、コンベア(図示せず)または他の自動機構によって、装填位置に送達および配置され得る。代替的に、製品基材は、作業者によって手動で装填され得る。
【0064】
製品基材が可動ステージ上に適切に装填され、ウェハテープがウェハテープフレームに適切に装填されると、ウェハテープから製品基材の回路トレースへのダイの直接転写を制御するためのプログラムは、PC102を介して実行されて、直接転写動作608を開始し得る。直接転写動作の詳細を以下に記載する。
【0065】
ダイをウェハテープ(または、図7を簡単に説明するために「ダイ基材」とも呼ばれる、ダイを保持する他の基材)から製品基材に直接転写させる直接転写動作の方法700が、図7に例解されている。本明細書に記載の方法700の動作は、何らかの特定の順序でなくてもよく、したがって、所望の製品状態を達成するために、任意の満足のいく順序で実施され得る。
【0066】
どのダイを製品基材上に配置すべきか、およびダイを製品基材上のどこに配置すべきかを決定するために、PC102は、製品基材の識別および転写されるダイを含むダイ基材の識別に関する入力を受信し得る(702)。この入力は、ユーザによって手動で入力され得るか、または、PC102は、製品基材位置合わせセンサおよびダイ検出器のそれぞれの制御下でセルマネージャに要求を送信し得る。要求は、バーコードまたはQRコードなどの識別マーカーに対して装填された基材をスキャンするようにセンサに指示し得、および/または要求は、バーコードまたはQRコードなどの識別マーカーに対して装填されたダイ基材をスキャンするように検出器に指示し得る。
【0067】
製品基材識別入力を使用して、PC102は、データストアまたは他のメモリに照会して、製品基材およびダイ基材のそれぞれの識別マーカーと照合し、関連付けられたデータファイルを検索し得る(704)。具体的には、PC102は、製品基材上の回路トレースのパターンを記述する製品基材と関連付けられた回路CADファイルを検索し得る。回路CADファイルは、回路トレースに転写されるダイの、数、相対位置、およびそれぞれの品質要件などのデータをさらに含み得る。同様に、PCは、ダイ基材上の特定のダイの相対位置のマップを提供する、ダイ基材に関連付けられたダイマップデータファイルを検索することができる。
【0068】
ダイの支持基材への転写を実施するプロセスにおいて、PC102は、転写機構および固定機構に対する製品基材およびダイ基材の初期配向を決定し得る(706)。プロセス706内で、PC102は、基材位置合わせセンサに、製品基材上の基準点を位置特定するように指示し得る。上で考察したように、基準点は、製品基材上の回路配線の相対位置および方向を決定するための基準マーカーとして使用され得る。さらに、PC102は、ダイ検出器に、ダイ基材上の1つ以上の基準点を位置特定して、ダイのアウトレイを決定するように指示し得る。
【0069】
製品基材およびダイ基材の初期配向が決定されると、PC102は、それぞれの製品基材およびダイ基材搬送機構に、製品基材およびダイ基材を、転写機構および固定機構との位置合わせ位置にそれぞれ配向させるように指示し得る(708)。
【0070】
位置合わせ工程708は、ダイが転写される回路トレースの部分の場所を決定すること(710)、およびその部分が転写固定位置に対して位置する場所を決定すること(712)を含み得る。転写固定位置は、転写機構と製品基材との間の位置合わせ点であると見なし得る。工程710および712において決定されたデータに基づき、PC102は、製品基材搬送機構に、ダイが転写される回路トレースの部分を転写固定位置と位置合わせするために、製品基材を搬送するように指示し得る(714)。
【0071】
位置合わせ工程708は、ダイ基材上のどのダイが転写されるか決定すること(716)、およびダイが転写固定位置に対してどこに位置するかを決定すること(718)をさらに含み得る。工程716および718で決定されたデータに基づいて、PC102は、ウェハテープ搬送機構に、転写されるダイを転写固定位置と位置合わせするために、ダイ基材を搬送するように指示し得る(720)。
【0072】
ダイ基材から転写されるダイ、およびダイが転写される回路トレースの部分が、転写機構と位置合わせされると、ニードルを作動させて(722)、ダイ基材から製品基材へのダイの転写を達成し得る。
【0073】
ダイが転写された後、PC102は、追加のダイを転写するかどうかを決定し得る(724)。別のダイを転写する場合、PCは工程708に戻り、その後の転写動作のために、それに応じて製品基材およびダイ基材を再度位置合わせし得る。別のダイが転写されない場合、転写プロセスは終了する(726)。
【0074】
図8は、本出願の実施形態による、第1のブリッジによって保持されるダイ基材、および第2のブリッジによって保持される転写機構アセンブリからのダイ転写プロセスの方法800を例解する。方法800は、PC102など、転写装置200、300、400の任意の好適なコントローラによって実施され得る。
【0075】
ブロック802において、ダイが転写される製品基材場所は、製品基材情報に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。一実施形態では、ダイ取り付けのための場所は、製品基材情報に対応するデータファイルで示され得る。例えば、製品基材上の座標は、ダイが製品基材上に転写される場所を示し得る。追加的に、または代替的に、ビデオカメラまたは他の画像センサなどからの画像データは、ダイが転写される可視および/または光学的表示(例えば、オレンジライン)を示し得る。
【0076】
ブロック804において、製品基材場所に転写されるダイは、ダイ基材情報に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。ダイ基材情報は、ダイが位置するダイ基材上のマップおよび/またはそうでなければ座標を提供するダイ基材情報データファイル内にあり得る。加えて、一実施形態では、ダイ基材情報は、ダイ基材上の既知の良好なダイ、または少なくとも良好と思われるダイの表示を含み得る。このようにして、既知の不良のダイまたは不良と思われるダイを製品基材上に転写することを回避することができる。場合によっては、転写される次のダイは、ラスター化された進行において進む際に、ダイ基材上の次の良好なダイとして選択され得る。
【0077】
ブロック806において、製品基材は、可動ステージを移動させることによって、位置決めされ得る。ダイが取り付けられる製品基材上の場所は、取り付けられるダイおよび転写機構アセンブリのピンが移動され得る特定の位置合わせ位置に移動され得る。場合によっては、製品基材は、単一の方向(例えば、x方向)にのみ移動し得、他の場合では、製品基材は、2つの方向(例えば、x方向およびy方向)に移動し得る。いくつかのさらなる場合では、可動ステージ上の製品基材は、全く移動しない場合がある。本明細書で考察されるように、ステージの移動は、転写装置のコントローラによって制御される1つ以上のモータまたは他の電気機械部品によるものであり得る。一実施形態では、ステージの位置決め、およびそれによって、ダイ転写が実行される位置合わせ場所の決定は、特定の基準を満たすための、1つ以上のパラメータを最適化すること、および/または1つ以上のパラメータを必要とすることによって少なくとも部分的に基づき得る。例えば、位置合わせ点は、予想される転写精度および/または予想される転写時間を最適化する方法で選択され得る。
【0078】
ブロック808において、第1のブリッジを移動させて、製品基材に対して第1の方向にダイを保持するダイ基材を位置決めし得る。この移動は、一対のレールに沿って第1のブリッジを移動させるように構成された1つ以上のモータまたは他の電気機械装置を制御することによって実行され得る。ブロック810において、ダイ基材は、第2の方向に、第1のブリッジのブリッジ部分に沿って移動して、ダイを、ダイが転写される製品基材場所と位置合わせし得る。この移動は、ダイ基材フレームまたはホルダを第1のブリッジのトラックに沿って移動させるように構成された1つ以上のモータまたは他の電気機械装置を制御することによって実行され得る。
【0079】
ブロック812において、第2のブリッジを移動させて、製品基材に対して第1の方向に転写機構アセンブリを位置決めし得る。一実施形態では、これは、1つ以上のモータまたは他の電気機械部品を制御して、第2のブリッジを、指定された位置に移動させることを含み得、これは、ダイが取り付けられる製品基材上の場所にダイを転写機構アセンブリと位置合わせすることに対応する。ブロック814において、転写機構アセンブリは、第2のブリッジのブリッジ部分に沿って移動されて、転写機構アセンブリのピンを、ダイ、およびダイが取り付けられる製品基材場所と位置合わせし得る。この移動は、ダイ基材フレームまたはホルダを第1のブリッジのトラックに沿って移動させるように構成された1つ以上のモータまたは他の電気機械装置を制御することによって実行され得る。ブロック816において、ピンは、ダイ基材からダイが取り付けられる製品基材場所上にダイを転写するように作動され得る。このピンは、製品基材上に転写するための位置にダイを押し込み得る。
【0080】
図9は、本出願の実施形態による、1つ以上のパラメータ基準および/または最適化に少なくとも部分的に基づいて、ダイ転写プロセスの場所を決定する方法900を例解する。方法900は、PC102など、転写装置200、300、400の任意の好適なコントローラによって実施され得る。
【0081】
ブロック902において、基準を最適化および/または満たすための1つ以上のパラメータが識別され得る。例えば、パラメータおよび基準は、予想される位置合わせ精度および/または予想される転写時間を含み得る。いくつかの転写状況では、1つのパラメータが最適化され得るが、他の転写状況では、複数のパラメータが最適化され得る。例えば、組み合わされたメトリックのパラメータ(例えば、関数f(transfer_time(秒単位),misalignment(ミクロン単位))=2*transfer_time+misalignment)を最小化し得る。さらに他の転写状況において、1つ以上のパラメータが、基準が満たされるかどうかを決定するために、閾値(例えば、転写時間<0.7秒、および位置ずれ<15ミクロン)と比較され得る。さらに他の転写状況では、1つのパラメータは、そのパラメータの許容可能な値を満たすように、閾値と比較され得る一方で、1つ以上の他のパラメータは、最適化され得る(例えば、転写時間を300ミリ秒を超えさせることなく、位置ずれを最小限に抑える)。
【0082】
ブロック904において、1つ以上の関数が、1つ以上のパラメータをモデル化するために識別され得る。これらの関数は、任意の好適な種類であり得る。例えば、1つ以上の関数は、測定データを使用することによって経験的に開発され得る。経験的に開発された関数の1つの例は、どの程度、転写機構アセンブリが移動するか、ならびに/またはダイ基材フレームがx方向およびy方向に初期位置からダイ転写位置に移動するかの関数として、ダイの位置ずれをモデル化する関数であり得る。別の例は、転写アセンブリ機構および/またはダイ基材フレームによって移動する距離の関数としてダイ転写を実行するのにかかる時間に関する経験的データの適合モデルであり得る。ブロック906において、転写機構アセンブリの現在の場所、ダイ基材の現在の場所、製品基材の現在の場所、およびダイが転写される製品基材場所を識別し得る。
【0083】
ブロック908において、位置合わせ点は、1つ以上の関数、転写機構アセンブリの現在の場所、ダイ基材の現在の場所、製品基材の現在の場所、およびダイが転写される製品基材場所に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。位置合わせ点は、ステージ基準フレームおよび/またはブリッジ基準フレーム上の対応する座標が決定され得る初期基準フレームを参照され得る。したがって、この位置合わせ点は、製品基材、転写アセンブリ機構のピン、および転写されるダイが位置合わせされる固定基準フレーム内の点であり得る。一実施形態では、位置合わせ点は、ブロック904の動作によって識別される関数に従って、予想される位置ずれおよび/または転写時間を最小限に抑えるように、転写機構アセンブリおよび/またはダイ基材フレームの移動を最適化することによって、決定され得る。
【0084】
結論
いくつかの実施形態は、構造的特徴および/または方法論的行為に固有の言語で記載されてきたが、特許請求の範囲は、記載された特定の特徴または行為に必ずしも限定されないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴および行為は、特許請求された主題を実装する例示的な形態として開示されている。さらに、本明細書における「may(可能性がある)」という用語の使用は、1つ以上の様々な実施形態で使用される特定の特徴の可能性を示すために使用されるが、必ずしも全ての実施形態で使用されるとは限らない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9