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特許75786752つのチャネルホッピングプロトコルを用いるヘテロジニアスネットワーク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】2つのチャネルホッピングプロトコルを用いるヘテロジニアスネットワーク
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/0446 20230101AFI20241029BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20241029BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20241029BHJP
   H04W 74/0808 20240101ALI20241029BHJP
   H04W 88/16 20090101ALI20241029BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W4/38
H04W16/32
H04W74/0808
H04W88/16
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022507599
(86)(22)【出願日】2020-07-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 US2020044056
(87)【国際公開番号】W WO2021025921
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】16/535,382
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513113895
【氏名又は名称】ランディス・ギア イノベーションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LANDIS+GYR INNOVATIONS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】ヘット,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ハンリー,ジェイムズ パトリック
【審査官】永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-514971(JP,A)
【文献】特表2019-519971(JP,A)
【文献】特開2014-241550(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0277206(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0324443(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/00- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間スロットチャネルホッピング(TSCH)プロトコルを用いて第1のネットワークと通信し、チャネルホッピングCSMAプロトコルを用いて第2のネットワークと通信するように構成された単一の送受信装置を備えたゲートウェイ装置であって、
上記ゲートウェイ装置において、上記チャネルホッピングCSMAプロトコルのための滞在区間の継続時間が、上記TSCHプロトコルのための時間スロットの長さに対して、1より大きい整数倍になるように、上記滞在区間の継続時間は上記時間スロットの長さに対して調整され、
上記ゲートウェイ装置が上記第1のネットワークから上記第2のネットワークに切り換えるように構成されている場合、上記チャネルホッピングCSMAプロトコルのための滞在区間の開始は、上記TSCHプロトコルのための時間スロットの時点に対して整列するように調整され、
上記ゲートウェイ装置は、
上記TSCHプロトコルの第1の時間スロットの第1の部分中に、上記TSCHプロトコルのためのホッピングパターンに基づく第1のチャネルを用いて上記第1のネットワークにおいてリッスンし、
上記第1の時間スロットの第1の部分中に上記第1のネットワークから受信されたメッセージが存在しないと決定し、
上記第1の時間スロットの第1の部分中に上記第1のネットワークから受信されたメッセージが存在しないと決定たことに応答して、
上記チャネルホッピングCSMAプロトコルのためのホッピングシーケンスに基づいて上記第2のネットワークの現在の滞在区間の第2のチャネルを決定し、
上記第2のチャネルに切り換えて、上記第1の時間スロットの第2の部分中に上記第2のネットワークにおいてリッスンし、
上記第1の時間スロットの第2の部分中に上記第2のネットワークからメッセージが受信されていると決定し、
上記第1の時間スロットの第2の部分中に上記第2のネットワークからメッセージが受信されていると決定したことに応答して、上記第1の時間スロットが経過した後まで上記第2のネットワークから上記メッセージを受信することを継続し、
上記TSCHプロトコルの第1の時間スロットの後かつ上記第2のネットワークからの上記メッセージの受信を完了する前における第2の時間スロットの開始部において、上記第1のネットワークに切り換える条件が満たされていると決定し、
上記第1のネットワークに再び切り換える条件が満たされていると決定したことに応答して、
上記第1のネットワークの上記TSCHプロトコルのためのホッピングパターンに基づいて上記第1のネットワークの第3のチャネルを決定し、
上記第2のネットワークから上記メッセージを受信することを停止し、
上記第3のチャネルに切り換えて、上記第2の時間スロットの第1の部分中に上記第1のネットワークにおいてリッスンするように構成された
ゲートウェイ装置。
【請求項2】
上記第1のネットワークに再び切り換えるための条件は、上記ゲートウェイ装置が上記第2のネットワークと連続的に通信する時間スロットの個数がしきい値個数に到達したことを含む、
請求項1記載のゲートウェイ装置。
【請求項3】
上記第1のネットワークに再び切り換えるための条件は、現在の時間スロットにおいて、上記第1のネットワークにおいて優先メッセージが受信されるべきであることを含む、
請求項1記載のゲートウェイ装置。
【請求項4】
上記第2のネットワークにおいてリッスンする場合、上記チャネルホッピングCSMAプロトコルのためのホッピングシーケンスに基づいて、上記現在の滞在区間の第2のチャネルから、次の滞在区間の開始部における異なるチャネルに切り換え、上記第2のネットワークにおいてリッスンすることを継続するようにさらに構成された、
請求項1記載のゲートウェイ装置。
【請求項5】
上記第1の時間スロットの第1の部分は、上記第1のネットワークにおいて到来するメッセージをリッスンするための受信側待機時間期間を含む、
請求項1記載のゲートウェイ装置。
【請求項6】
上記ゲートウェイ装置は、エネルギー消費量を測定してエネルギー消費量情報を上記第1のネットワーク又は上記第2のネットワークを介して中央システムに送信する計量装置をさらに含む、
請求項1記載のゲートウェイ装置。
【請求項7】
時間スロットチャネルホッピング(TSCH)プロトコルを用いて通信する第1の複数のノードを備える第1のネットワークと、
チャネルホッピングCSMAプロトコルを用いて通信する第2の複数のノードを備える第2のネットワークとを備えるシステムであって、
上記第1の複数のノードのうちの1つがゲートウェイ装置を備え、上記第2の複数のノードのうちの1つが上記ゲートウェイ装置を備え、
上記ゲートウェイ装置は、上記TSCHプロトコルを用いて上記第1のネットワークと通信し、上記チャネルホッピングCSMAプロトコルを用いて上記第2のネットワークと通信するように構成された単一の送受信装置を備え、
上記ゲートウェイ装置において、上記チャネルホッピングCSMAプロトコルのための滞在区間の継続時間が、上記TSCHプロトコルのための時間スロットの長さに対して、1より大きい整数倍になるように、上記滞在区間の継続時間は上記時間スロットの長さに対して調整され、
上記ゲートウェイ装置が上記第1のネットワークから上記第2のネットワークに切り換えるように構成されている場合、上記チャネルホッピングCSMAプロトコルのための滞在区間の開始は、上記TSCHプロトコルのための時間スロットの時点に対して整列するように調整され、
上記ゲートウェイ装置は、
上記TSCHプロトコルの第1の時間スロットの第1の部分中に、上記TSCHプロトコルのためのホッピングパターンに基づく第1のチャネルを用いて上記第1のネットワークにおいてリッスンし、
上記第1の時間スロットの第1の部分中に上記第1のネットワークから受信されたメッセージが存在しないと決定し、
上記第1の時間スロットの第1の部分中に上記第1のネットワークから受信されたメッセージが存在しないと決定たことに応答して、
上記チャネルホッピングCSMAプロトコルのためのホッピングシーケンスに基づいて上記第2のネットワークの現在の滞在区間の第2のチャネルを決定し、
上記第2のチャネルに切り換えて、上記第1の時間スロットの第2の部分中に上記第2のネットワークにおいてリッスンし、
上記第1の時間スロットの第2の部分中に上記第2のネットワークからメッセージが受信されていると決定し、
上記第1の時間スロットの第2の部分中に上記第2のネットワークからメッセージが受信されていると決定したことに応答して、上記第1の時間スロットの残りの時間中に上記第2のネットワークから上記メッセージを受信することを継続し、
上記TSCHプロトコルの第1の時間スロットの後かつ上記第2のネットワークからの上記メッセージの受信を完了する前における第2の時間スロットの時間中に、上記第1のネットワークに再び切り換える条件が満たされていると決定し、
上記第1のネットワークに再び切り換える条件が満たされていると決定したことに応答して、
上記第1のネットワークの上記TSCHプロトコルのためのホッピングパターンに基づいて上記第1のネットワークの第3のチャネルを決定し、
上記第2のネットワークから上記メッセージを受信することを中断し、
上記第3のチャネルに切り換えて、通信のために上記第1のネットワークにおいてリッスンするように構成された、
システム。
【請求項8】
上記ゲートウェイ装置は、上記第2のネットワークにおいてリッスンする場合、上記現在の滞在区間の第2のチャネルから、次の滞在区間の開始部における異なるチャネルに切り換え、上記第2のネットワークにおいてリッスンすることを継続するように構成された、
請求項記載のシステム。
【請求項9】
上記第1のネットワークに再び切り換えるための条件は、上記ゲートウェイ装置が上記第2のネットワークと連続的に通信する時間スロットの個数がしきい値個数に到達したことを含む、
請求項記載のシステム。
【請求項10】
上記第1のネットワークに再び切り換えるための条件は、現在の時間スロットにおいて、上記第1のネットワークにおいて優先メッセージが受信されるべきであることを含む、
請求項記載のシステム。
【請求項11】
上記第1の時間スロットの第1の部分は、上記第1のネットワークにおいて到来するメッセージをリッスンするための受信側待機時間期間を含む、
請求項記載のシステム。
【請求項12】
上記ゲートウェイ装置は、エネルギー消費量を測定してエネルギー消費量情報を上記第1のネットワーク又は上記第2のネットワークを介して中央システムに送信する計量装置をさらに備える、
請求項記載のシステム。
【請求項13】
ゲートウェイ装置が所定の動作を実行する方法であって、上記動作は、
時間スロットチャネルホッピング(TSCH)プロトコルの第1の時間スロットの第1の部分中に、第1のネットワークのためのホッピングパターンに基づく第1のチャネルを用いて、通信のために上記TSCHプロトコルを使用するように構成された第1のネットワークにおいてリッスンすることと、
上記第1の時間スロットの第1の部分中に上記第1のネットワークから受信されたメッセージが存在しないと決定することと
上記第1の時間スロットの第1の部分中に上記第1のネットワークから受信されたメッセージが存在しないと決定たことに応答して、
通信のためにチャネルホッピングCSMAプロトコルを使用するように構成された第2のネットワークのためのホッピングシーケンスに基づいて、上記第2のネットワークの現在の滞在区間の第2のチャネルを決定することと、
上記第2のチャネルに切り換えて、上記第1の時間スロットの第2の部分中に上記第2のネットワークにおいてリッスンすることと、
上記第1の時間スロットの第2の部分中に上記第2のネットワークからメッセージが受信されていると決定することと、
上記第1の時間スロットの第2の部分中に上記第2のネットワークからメッセージが受信されていると決定したことに応答して、上記第1の時間スロットの残りの時間中に上記第2のネットワークから上記メッセージを受信することを継続することと、
上記TSCHプロトコルの第1の時間スロットの後かつ上記第2のネットワークからの上記メッセージの受信を完了する前における第2の時間スロットの時間中に、上記第1のネットワークに再び切り換える条件が満たされていると決定することと、
上記第1のネットワークに再び切り換える条件が満たされていると決定したことに応答して、
上記第1のネットワークの上記TSCHプロトコルのためのホッピングパターンに基づいて上記第1のネットワークの第3のチャネルを決定することと、
上記第2のネットワークから上記メッセージを受信することを中断することと、
上記第3のチャネルに切り換えて、通信のために上記第1のネットワークにおいてリッスンすることとを含み、
上記ゲートウェイ装置において、上記チャネルホッピングCSMAプロトコルのための滞在区間の継続時間が、上記TSCHプロトコルのための時間スロットの長さに対して、1より大きい整数倍になるように、上記滞在区間の継続時間は上記時間スロットの長さに対して調整され、
上記ゲートウェイ装置が上記第1のネットワークから上記第2のネットワークに切り換えるように構成されている場合、上記チャネルホッピングCSMAプロトコルのための滞在区間の開始は、上記TSCHプロトコルのための時間スロットの時点に対して整列するように調整される、
方法。
【請求項14】
上記第1のネットワークに再び切り換えるための条件は、上記ゲートウェイ装置が上記第2のネットワークと連続的に通信する時間スロットの個数がしきい値個数に到達したことを含む、
請求項13記載の方法。
【請求項15】
上記第1のネットワークに再び切り換えるための条件は、現在の時間スロットにおいて、上記第1のネットワークにおいて優先メッセージが受信されるべきであることを含む、
請求項13記載の方法。
【請求項16】
上記動作は、上記第2のネットワークにおいてリッスンする場合、上記現在の滞在区間の第2のチャネルから、次の滞在区間の開始部における異なるチャネルに切り換え、上記第2のネットワークにおいてリッスンすることを継続することをさらに含む、
請求項13記載の方法。
【請求項17】
上記動作は、エネルギー消費量を測定することと、エネルギー消費量情報を上記第1のネットワーク又は上記第2のネットワークを介して中央システムに送信することとをさらに含む、
請求項13記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してネットワーキングに関し、より詳しくは、ヘテロジニアスデータネットワークにおける通信を容易にすることに関する。
【背景技術】
【0002】
一部のデータネットワークは、様々な理由に起因して、異なるネットワークプロトコルを実装する異なるネットワークを含むことがある。例えば、公益事業会社及び他のリソースプロバイダは、リソース分配ネットワーク(電気分配ネットワーク)として配備された様々なセンサ又はメーターによって収集、測定、又はさもなければ取得されたデータを通信するためのユーティリティデータネットワークを使用してもよい。異なるリソースのために異なるユーティリティデータネットワークが配備されてもよく、例えば、あるユーティリティデータネットワークは電力分配ネットワークのために配備されてもよく、もう1つのユーティリティデータネットワークはガス分配ネットワークのために配備されてもよい。さらに、あるリソース分配ネットワークは、互いに異なる複数のユーティリティデータネットワークに関連付けられてもよい。例えば、同じ電力分配ネットワークのために異なるユーティリティデータネットワークが配備されてもよく、この場合、異なるデータネットワークは異なるタイプのネットワークプロトコルを使用してもよい。異なるデータネットワークは、異なる配備段階又は異なる地理的領域に起因してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ヘテロジニアスデータネットワークにおける複数のノードが互いに通信するために、ヘテロジニアスデータネットワークは、別個のネットワークからの別個のメッセージを処理する複数の無線送受信機を有する装置を含む必要がある。同じ装置において複数の無線送受信機を用いることは、装置の設計及び製造上の複雑性を増大させる。さらに、そのような実装は、同じ装置におけるこれら複数の無線装置からの干渉に弱い。従って、単一の無線送受信機を備えた装置を用いてヘテロジニアスデータネットワークにおける通信を容易にするためのシステム及び方法が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
異なるデータネットワークを含むヘテロジニアスネットワークにおける通信を容易にするためのシステム及び方法が開示される。例えば、ゲートウェイ装置は、時間スロットチャネルホッピング(TSCH)プロトコルを用いて第1のネットワークと通信し、チャネルホッピングCSMAプロトコルを用いて第2のネットワークと通信するように構成された単一の送受信装置を含む。ゲートウェイ装置は、TSCHプロトコルの第1の時間スロットの第1の部分中に、TSCHプロトコルのためのホッピングパターンに基づく第1のチャネルを用いて第1のネットワークにおいてリッスンし、第1の時間スロットの第1の部分中に第1のネットワークから受信されたメッセージが存在しないと決定するように構成される。第1の時間スロットの第1の部分中に第1のネットワークから受信されたメッセージが存在しないと決定したことに応答して、ゲートウェイ装置は、チャネルホッピングCSMAプロトコルのためのホッピングシーケンスに基づいて第2のネットワークの現在の滞在区間の第2のチャネルを決定することを含む動作を実行するように構成される。本動作は、第2のチャネルに切り換えて、第1の時間スロットの第2の部分中に第2のネットワークにおいてリッスンし、第1の時間スロットの第2の部分中に第2のネットワークからメッセージが受信されていると決定することをさらに含む。本動作は、第1の時間スロットの第2の部分中に第2のネットワークからメッセージが受信されていると決定したことに応答して、第1の時間スロットが経過した後まで第2のネットワークからメッセージを受信することを継続することをさらに含む。本動作は、TSCHプロトコルの第1の時間スロットの後かつ第2のネットワークからのメッセージの受信を完了する前における第2の時間スロットの開始部において、第1のネットワークに切り換える条件が満たされていると決定することをさらに含む。第1のネットワークに再び切り換える条件が満たされていると決定したことに応答して、本動作は、第1のネットワークのTSCHプロトコルのためのホッピングパターンに基づいて第1のネットワークの第3のチャネルを決定し、第2のネットワークからメッセージを受信することを停止し、第3のチャネルに切り換えて、第2の時間スロットの第1の部分中に第1のネットワークにおいてリッスンすることを含む。
【0005】
もう1つの実施例では、システムは、時間スロットチャネルホッピング(TSCH)プロトコルを用いて通信する第1のノードの集合を含む第1のネットワークを含む。第1のノードの集合は、ゲートウェイ装置を備える。本システムは、チャネルホッピングCSMAプロトコルを用いて通信する第2のノードの集合を含む第2のネットワークも含む。第2のノードの集合もまた、ゲートウェイ装置を備える。ゲートウェイ装置は、TSCHプロトコルを用いて第1のネットワークと通信し、チャネルホッピングCSMAプロトコルを用いて第2のネットワークと通信するように構成された単一の送受信装置を含む。ゲートウェイ装置は、TSCHプロトコルの第1の時間スロットの第1の部分中に、TSCHプロトコルのためのホッピングパターンに基づく第1のチャネルを用いて第1のネットワークにおいてリッスンするように構成される。ゲートウェイ装置は、第1の時間スロットの第1の部分中に第1のネットワークから受信されたメッセージが存在しないと決定し、第1の時間スロットの第1の部分中に第1のネットワークから受信されたメッセージが存在しないと決定たことに応答して、さらなる動作を実行するようにさらに構成される。本動作は、チャネルホッピングCSMAプロトコルのためのホッピングシーケンスに基づいて第2のネットワークの現在の滞在区間の第2のチャネルを決定することと、第2のチャネルに切り換えて、第1の時間スロットの第2の部分中に第2のネットワークにおいてリッスンすることとを含む。本動作は、第1の時間スロットの第2の部分中に第2のネットワークからメッセージが受信されていると決定することと、第1の時間スロットの第2の部分中に第2のネットワークからメッセージが受信されていると決定したことに応答して、第1の時間スロットの残りの時間中に第2のネットワークからメッセージを受信することを継続することとを含む。本動作は、TSCHプロトコルの第1の時間スロットの後かつ第2のネットワークからのメッセージの受信を完了する前における第2の時間スロットの時間中に、第1のネットワークに再び切り換える条件が満たされていると決定することとをさらに含む。第1のネットワークに再び切り換える条件が満たされていると決定したことに応答して、本動作は、第1のネットワークのTSCHプロトコルのためのホッピングパターンに基づいて第1のネットワークの第3のチャネルを決定することと、第2のネットワークからのメッセージの受信を中断することと、第3のチャネルに切り換えて、通信のために第1のネットワークにおいてリッスンすることとをさらに含む。
【0006】
追加の実施例では、ゲートウェイ装置が動作を実行する方法は、時間スロットチャネルホッピング(TSCH)プロトコルの第1の時間スロットの第1の部分中に、第1のネットワークのためのホッピングパターンに基づく第1のチャネルを用いて、第1のネットワークにおいてリッスンすることと、第1のネットワークは、通信のためにTSCHプロトコルを使用するように構成される。本方法は、第1の時間スロットの第1の部分中に第1のネットワークから受信されたメッセージが存在しないと決定することをさらに含む。第1の時間スロットの第1の部分中に第1のネットワークから受信されたメッセージが存在しないと決定たことに応答して、本方法はさらなる動作を含む。これらの動作は、第2のネットワークのためのホッピングシーケンスに基づいて第2のネットワークの現在の滞在区間の第2のチャネルを決定することを含む。第2のネットワークは、通信のためにチャネルホッピングCSMAプロトコルを使用するように構成される。これらの動作は、第1の時間スロットの第2の部分中に第2のネットワークからメッセージが受信されていると決定することも含む。第1の時間スロットの第2の部分中に第2のネットワークからメッセージが受信されていると決定したことに応答して、本動作は、第1の時間スロットの残りの時間中に第2のネットワークからメッセージを受信することを継続することを含む。本動作は、TSCHプロトコルの第1の時間スロットの後かつ第2のネットワークからのメッセージの受信を完了する前における第2の時間スロットの時間中に、第1のネットワークに再び切り換える条件が満たされていると決定することも含む。記第1のネットワークに再び切り換える条件が満たされていると決定したことに応答して、本動作は、第1のネットワークのTSCHプロトコルのためのホッピングパターンに基づいて第1のネットワークの第3のチャネルを決定することと、第2のネットワークからメッセージを受信することを中断することと、第3のチャネルに切り換えて、通信のために第1のネットワークにおいてリッスンすることとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】単一の送受信機を備えたゲートウェイ装置がヘテロジニアスデータネットワークにおけるノードと通信する、ヘテロジニアスデータネットワークの例を示す図である。
図2】ヘテロジニアスデータネットワークにおけるノードと通信するように構成されたゲートウェイ装置の例を示す図である。
図3】ヘテロジニアスデータネットワークにおけるノードと通信するように構成された単一の無線送受信装置のための例示的なプロトコルスタックの図である。
図4】時間スロットチャネルホッピング(TSCH)ネットワークにおける時間スロットの例を示す図である。
図5】チャネルホッピングCSMAネットワークにおける滞在区間のシーケンスと比較して、TSCHネットワークにおける時間スロットのシーケンスの例を示す図である。
図6】TSCHネットワーク及びチャネルホッピングCSMAネットワークを含むヘテロジニアスデータネットワークにおけるノードと通信する処理を示すフローチャートの例である。
図7】TSCHネットワーク及びチャネルホッピングCSMAネットワークを含むヘテロジニアスデータネットワークにおけるノードと通信する処理を示すフローチャートのもう1つの例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
これらの例示的な態様及び特徴は、本発明を限定又は定義するためではなく、本願において開示した発明の概念についての理解を支援する実施例を提供するために言及される。本発明の他の態様、利点、及び特徴は、本願全体に目を通すことにより明らかになるであろう。
【0009】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明が添付の図面を参照して読まれるとき、さらに理解される。
【0010】
複数の異なるデータネットワークを含むヘテロジニアスデータネットワークにおける通信を容易にするためのシステム及び方法が提供される。データネットワークの各々は複数のノードを含み、1つのネットワークにおけるノードは、他のネットワークにおけるノードとは異なるプロトコルを用いて互いに通信する。一実施例では、データネットワークは、電力分配ネットワーク又はガス分配ネットワークのような、同じ又は異なるリソース分配ネットワークに関連付けられてもよく、これにより、1つ又は複数のリソース分配ネットワークにおいて得られた測定データを伝送する。
【0011】
例えば、データネットワークのうちの1つにおけるノードは、IEEE802.15.4eによって定義されるような時間スロットチャネルホッピング(time slotted channel hopping:TSCH)プロトコルを用いて通信するように構成されてもよい。TSCHプロトコルは、ネットワークにおけるノード間の通信のために、一連の時間スロット及び複数のチャネル周波数を使用する。TSCHプロトコルにおいて、時間スロットは、通信のためにネットワークにおいてリッスンするために使用されるRX待機期間を含む。ノードが時間スロットのRX待機期間内で通信を受ける場合、通信は時間スロットの残りの部分において継続する。通信をリッスンするTSCHネットワークにおけるノードが、時間スロットのRX待機期間内で通信を受けない場合、ノードは、その時間スロット中に受ける通信が存在しないと決定し、時間スロットの残りの部分を未使用のままにしてもよい。このように、TSCH時間スロットは、2つの部分すなわち、RX待機期間を含む第1の部分と、RX待機期間に続く部分を含む第2の部分とを含む。TSCHプロトコルは、チャネルホッピングにも関連する。各時間スロットの開始部において、ノードは、以前の時間スロットのためのチャネルとは異なるチャネルに切り換える。各時間スロットのためのチャネルは、Lをホッピングパターンの長さとして、L個の時間スロットごとに繰り返すホッピングパターンによって決定される。
【0012】
他のネットワークにおけるノードは、IEEE802.15.4e-2012によって定義されるような搬送波感知多重アクセス(carrier-sense multiple access:CSMA)チャネルホッピングプロトコルを用いて互いに通信するように構成されてもよい。チャネルホッピングCSMAプロトコルは、ネットワークにおける各ノードに滞在区間(dwell interval)を関連付ける。滞在区間中に、ノードは、ネットワークにおける通信をリッスン又は送信するために、1つのチャネルにとどまる。次の滞在区間が終了しているとき、かつ、ノードがリッスンモードにある場合、ノードは、通信をリッスンするために異なるチャネルに切り換える。各滞在区間のためのチャネルは、チャネルホッピングCSMAプロトコルによって定義されたホッピングシーケンスに基づいて決定される。異なるノードのための滞在区間は同期されない可能性がある。いくつかの実施例では、ネットワークにおける親ノードは、その子ノードに、滞在区間のスケジュールをブロードキャストしてもよい。もう1つの実施例では、ネットワークのルートノードは滞在区間スケジュールをブロードキャストしてもよく、ブロードキャストチャネルに同期されたノードは、スケジュールを受信し、それらの滞在区間をブロードキャストされたスケジュールに同期することができる。
【0013】
第3のデータネットワークは、TSCHプロトコル及びCSMAチャネルホッピングプロトコルと同じ又は異なるもう1つの通信プロトコルを実装してもよい。簡単のために、下記の説明は、2つのヘテロジニアスネットワーク内の通信に焦点を置くが、同じ原理は、2つより多くのネットワークを有するヘテロジニアスネットワークにもあてはまる。より多くのヘテロジニアスネットワークをサポートすることは、各ネットワークの性能を低下させるかもしれないことに注意すべきである。さらに、TSCHに基づく追加のネットワークを追加することは、CSMAに基づく追加のネットワークを追加する場合よりも良好な性能を達成しうる。その理由は、TSCHに基づく第2のネットワークをTSCHに基づく第1のネットワークに同期させ、第1のTSCHネットワークがアクティブでない時間スロットの部分を使用することができるからである。
【0014】
例示的なシステムにおいて、第1のネットワークと呼ばれる、TSCHプロトコルを用いて通信するように構成されたネットワークと通信するように、また、第2のネットワークと呼ばれる、チャネルホッピングCSMAプロトコルを用いて通信するように構成されたもう1つのネットワークと通信するように構成された単一の送受信装置を含むゲートウェイ装置が提供される、このように、ゲートウェイ装置は、第1のネットワークにおけるノードとみなすことができ、また、第2のネットワークにおけるノードとしてもみなすことができる。TSCH時間スロットが未使用の部分を有する可能性があるので、ゲートウェイ装置は、TSCH時間スロットの第1の部分中に第1のネットワークからの通信をリッスンし、TSCH時間スロットの未使用の部分中に第2のネットワークからの通信をリッスンすることで、第1のネットワーク及び第2のネットワークの両方と通信することができる。このことは、ゲートウェイ装置が単一の無線送受信機を用いて第1のネットワーク及び第2のネットワークの両方と通信することを可能にする。
【0015】
一実施例では、ゲートウェイ装置は、TSCH時間スロットに関連付けられたチャネルに切り換えて時間スロットの第1の部分中に第1のネットワークにおいてリッスンすることで、第1のネットワークにおいて動作するように構成される。ゲートウェイ装置は、第1のネットワークのためホッピングパターンに基づいて時間スロットのチャネルを決定する。ゲートウェイ装置が時間スロットの第1の部分中に第1のネットワークからメッセージを受信した場合、ゲートウェイ装置は、時間スロットの第2の部分及びさらに次の時間スロットにおいて第1のネットワークからメッセージを受信し続ける。ゲートウェイ装置が、時間スロットの第1の部分中に第1のネットワークから受信されるメッセージが存在しないと決定した場合、ゲートウェイ装置は、第2のネットワークにおける他のノードと通信するために、時間スロットの第2の部分中に第2のネットワークに切り換える。ゲートウェイ装置は、第2のネットワークのためのホッピングシーケンスに基づいて、第2のネットワークの現在の滞在区間のチャネルを決定する。ゲートウェイ装置は、そのチャネルに切り換えて、TSCHネットワークの時間スロットの第2の部分中に第2のネットワークにおいてリッスンする。メッセージが時間スロットの第2の部分中に第2のネットワークから受信された場合、ゲートウェイ装置は、現在の時間スロットが終了して新たな時間スロットが開始したとしても、第2のネットワークからメッセージを受信し続けてもよい。
【0016】
しかしながら、いくつかのシナリオでは、第1のネットワーク及び第2のネットワークのいずれかにおけるメッセージの受信は中断されてもよい。例えば、ヘテロジニアスネットワークは、所定のネットワークの性能又は品質を保証するように、例えば、このネットワークに関連付けられたサービス品質(QoS)要件に従って構成されてもよい。そのような場合、あるネットワークには、他のネットワークによりも高い優先度が割り当てられてもよく、高優先度のネットワークの性能を保証するために1つ又は複数のルールが識別されてもよい。例えば、ルールのうちの1つは、ゲートウェイ装置が低優先度のネットワークと連続的に通信する時間スロットの個数が、しきい値個数より増大してはならないことを含んでもよい。もう1つのルールは、重要なメッセージが高優先度ネットワーク、例えばスケジューリングされたGTSにおいて受信又は送信されるべきである場合、ゲートウェイが高優先度ネットワークに切り換えるべきであることを含んでもよい。さらにもう1つのルールは、ネットワークの優先度をパケットごと又はメッセージごとに指定してもよい。例えば、優先度は、2つのネットワークにおけるパケット又はメッセージに割り当ててもよい。あるネットワークにおいて受信されたパケット又はメッセージが、パケット又はメッセージの低レイテンシ要件を示すQoS値のような、より高い優先度を当該パケット又はメッセージが有するという徴候を有する場合、ゲートウェイ装置は、他のネットワークを占有し、高優先度のパケット又はメッセージを即時に送信する。これらのルールに基づいて、ゲートウェイ装置が低優先度のネットワークから高優先度のネットワークに切り換えるため又は高優先度のネットワークにおいて完全なメッセージを受信又は送信するために、1つ又は複数の条件が確立されてもよい。
【0017】
例えば、第1のネットワークが第2のネットワークより高い優先度を有し、ゲートウェイ装置が第2のネットワークにおいてメッセージを受信している場合、新たな時間スロットの開始部において、かつ、第2のネットワークからのメッセージの受信が完了する前であっても、ゲートウェイ装置は、第1のネットワークに切り換えるための条件が満たされたと決定してもよい。その場合、ゲートウェイ装置は、第2のネットワークからメッセージを受信することを停止し、第1のネットワークのためのホッピングパターンに基づいて第1のネットワークの現在のチャネルを決定し、そのチャネルに切り換えて通信のために第1のネットワークにおいてリッスンすることができる。同様に、ヘテロジニアスネットワークが、第1のネットワークより高い優先度を第2のネットワークに割り当てるように構成される場合、ゲートウェイ装置は、第1のネットワークではメッセージの受信を中断し、1つ又は複数の条件が満たされる場合、後続の時間スロットにおける通信のために第2のネットワークに切り換えてもよい。
【0018】
これらの例示的な実施例は、読者を本願で説明する一般的な主題に案内するために提示され、開示された概念の範囲を制限することは意図していない。下記のセクションは、同様の数字が構成同様の要素を示す図面を参照して、様々な追加の態様及び実施例について説明する。
【0019】
本願において説明した特徴は、任意の特定のハードウェアアーキテクチャ又は構成に限定されない。計算装置は、1つ又は複数の入力を条件とした結果を提供する構成要素からなる任意の適切な装置を含んでもよい。適切な計算装置は、多目的のマイクロプロセッサに基づくコンピュータシステムを含み、当該コンピュータシステムは、計算システムを、汎用計算装置から、本願の主題の1つ又は複数の態様を実装する専用計算装置にプログラミング又は構成する、格納されたソフトウェアにアクセスする。計算装置のプログラミング又は構成に使用されるソフトウェアにおいて、本願に含まれる開示内容を実装するために、任意の適切なプログラミング、スクリプティング、他のタイプの言語、又は言語の組み合わせが使用されてもよい。
【0020】
ここで図面を参照すると、図1は、2つのデータネットワーク、すなわち、第1のネットワーク110及び第2のネットワーク120を含む、例示的なヘテロジニアスネットワーク100を示すネットワーク図である。第1のネットワーク110は、複数のノード112A~112F(これらは、本願では、個別に又は集合的に、ノード112と呼ばれることがある)を含む。ノード112は、配備されたノードの各場所からデータを収集するための測定ノード、ノードにより利用可能なデータを処理するための処理ノード、ネットワーク110においてあるノードから受信されたデータを他のノードに転送するためのルータノード、又は、これらの機能の組み合わせを実行するように構成されたノードを含んでもよい。ノード112はさらに、メッセージ又はデータを処理又はさらなる送信のためにノード112間で交換することができるように、互いに通信するように構成される。第2のネットワーク120(及びそこに含まれるノード122A~122E)は、第1のネットワーク110と同様の方法で構成されてもよい。
【0021】
一実施例では、2つネットワークの各々は、AMI(Advanced Metering Infrastructure)メッシュネットワークとして実装され、電力、水、天然ガスのようなリソースを、住居、構造物、又は他の地理的エリアのような構内に分配するためのリソース分配ネットワークに関連付けられてもよい。各ネットワークにおけるノードは、リソース分配ネットワークの様々な場所に展開されてもよく、これにより、リソースの消費量情報、分配ネットワークの動作状態、などのような、それらの場所において得られた測定データを伝送することができる。例えば、第1のネットワーク110のノード112(又は第2のネットワーク120のノード122)は、電力メーター、ガスメーター、水道メーター、蒸気メーターなどのようなメーターを含み、リソース分配ネットワークの様々な動作特性を測定し、ネットワーク110(又はネットワーク120)を介して収集されたデータを、例えば、第1のネットワーク110のルートノード114(又は、第2のネットワーク120のルートノード124)に送信するように実装されてもよい。
【0022】
ルートノード114(又はルートノード124)は、第1のネットワーク110におけるノード112(又は第2のネットワーク120におけるノード122)と通信することで、ノード112(又はノード122)を管理し、ノード112(又はノード122)からデータを収集し、データをヘッドエンドシステム118(又はヘッドエンドシステム128)に転送するといった動作を実行するように構成されてもよい。ルートノード114(又はルートノード124)はまた、それ自体でデータを測定及び処理するノードとして機能するように構成されてもよい。ルートノード114(又はルートノード124)は、第1のネットワーク110のヘッドエンドシステム118(又は第2のネットワーク120のヘッドエンドシステム128)と通信できる、パーソナルエリアネットワーク(PAN)コーディネータ、ゲートウェイ、又は他の任意の装置であってもよい。ヘッドエンドシステム118(又はヘッドエンドシステム128)は、ルートノード114(又はルートノード124)からデータストリーム又はメッセージを受信する中央処理システムとして機能してもよい。ヘッドエンドシステム118(ヘッドエンドシステム128)は、収集されたデータを処理してもよく、又は、収集されたデータを様々なアプリケーションのために処理させてもよい。図1は、2つのネットワークが別個のヘッドエンドシステムを有することを示しているが、両方のネットワークで単一のヘッドエンドシステムを利用してもよい。さらに、第1及び第2のネットワークにおけるルートノードは、インターネット、イントラネット、又は他の任意のデータ通信ネットワークのような他のネットワーク140を介して各ヘッドエンドシステムと通信してもよい。
【0023】
このように、第1のネットワーク110及び第2のネットワーク120は、ネットワークにおけるノード及びヘッドエンドシステムの間の通信チャネルを提供することができる。通信チャネルは、ノード及びヘッドエンドシステムの間で信号を伝送できる任意の適切な手段を含んでもよい。適切な通信媒体の例は、イーサネット(登録商標)ケーブル、無線データ通信、電力線搬送通信(「PLC」)で使用される電力ケーブルなどを含む(ただしこれらに制限されない)。電力線搬送通信は、公益事業会社から地理的エリアにおける建物へ電力を提供するために使用されるケーブルを介して信号を伝送することを含んでもよい。第1及び第2のネットワークは、メッシュネットワーク(上述したような)、リングネットワーク、スターネットワーク、バスネットワークなどのような(ただしこれらに制限されない)、任意の適切なネットワークトポロジーを用いて構成されてもよい。
【0024】
いくつかの構成において、第1のネットワーク110及び第2のネットワーク120は、同じリソース分配ネットワーク又は異なるリソース分配ネットワークに関連付けられてもよい。例えば、第1のネットワーク110は電力分配ネットワークに関連付けられてもよく、第2のネットワーク120はガス分配ネットワークに関連付けられてもよい。もう1つの実施例では、第1のネットワーク110及び第2のネットワーク120は、両方とも同じリソース分配ネットワークに関連付けられるが、ネットワークの異なる段階に配備されるか、異なる地理的場所に配備される。その結果、第1のネットワーク110及び第2のネットワーク120は、通信のために異なるネットワークプロトコルを使用するように構成されてもよい。例えば、ネットワーク110におけるノードは、TSCHプロトコルを用いて互いに通信するように構成されてもよく、その一方、ネットワーク120におけるノードは、チャネルホッピングCSMAプロトコルを用いて互いに通信するように構成される。
【0025】
2つの異なるネットワークにおける通信を可能にするために、ゲートウェイ装置102が含まれて、2つのネットワーク110及び120の両方のプロトコルをサポートするように構成されてもよい。このように、ゲートウェイ装置は、第1のネットワーク110におけるノードとみなすことができ、また、第2のネットワーク120におけるノードとしてもみなすことができる。このように、ゲートウェイ装置102は、第1のネットワーク110におけるノード及び第2のネットワーク120におけるノードと通信することができる。このことは、第1のネットワーク110から受信されたメッセージを第2のネットワーク120に、及びその逆に送信することで、2つのネットワーク間の通信を容易にすることができる。図1は1つのゲートウェイ装置102を示しているが、ヘテロジニアスネットワーク100は、ゲートウェイ装置102と同様に構成されて機能する複数のゲートウェイ装置を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0026】
いくつかの実施例では、ゲートウェイ装置102は、ヘテロジニアスネットワーク100における第1のネットワーク110及び第2のネットワーク120との通信を容易にする1つよりも多くのMACインターフェースを実装する単一の無線送受信機を備えて構成される。図2は、ネットワークインターフェース208及び210を介する2つのMACインターフェースを実装する単一の送受信装置220を備えたゲートウェイ装置102の例を示すブロック図である。
【0027】
ゲートウェイ装置102はプロセッサ202を含んでもよい。プロセッサ202の非限定的な例は、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit:「ASIC」)、状態機械、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array:「FPGA」)、又は他の適切な処理装置を含んでもよい。プロセッサ202は、1つの処理装置を含む、任意個数の処理装置を含んでもよい。プロセッサ202は、メモリ装置204のような非一時的コンピュータ可読媒体に通信可能に接続されてもよい。プロセッサ202は、コンピュータ実行可能なプログラム命令を実行してもよく、及び/又は、メモリ装置204に格納された情報にアクセスしてもよい。
【0028】
メモリ装置204は、プロセッサ202によって実行されたとき、本願で説明した動作をプロセッサ202に実行させる命令を格納してもよい。メモリ装置204は、プロセッサにコンピュータ可読命令を提供することができる電子的、光学的、磁気的、又は他の記憶装置(ただしこれらに制限されない)のようなコンピュータ可読媒体であってもよい。そのような光学的、磁気的、又は他の記憶装置の非限定的な例は、1つ又は複数の読み出し専用(read-only:「ROM」)装置、1つ又は複数のランダムアクセスメモリ(random-access memory:「RAM」)装置、1つ又は複数の磁気ディスク、1つ又は複数の磁気テープ、又は他の磁気記憶装置、1つ又は複数のメモリチップ、ASIC、1つ又は複数の構成されたプロセッサ、1つ又は複数の光記憶装置、又はコンピュータプロセッサが命令を読み取ることができる他の任意の媒体を含む。命令は、任意の適切なコンピュータプログラミング言語で書かれたコードからコンパイラ及び/又はインタプリタによって生成されたプロセッサ固有の命令を含んでもよい。適切なコンピュータプログラミング言語の非限定的な例は、C、C++、C#、Visual Basic、Java、Python、Perl、JavaScript、ActionScriptなどを含む。
【0029】
ゲートウェイ装置102はバス206を含んでもよい。バス206は、ゲートウェイ装置102の1つ又は複数の構成要素を通信可能に接続することができる。図2において、プロセッサ202、メモリ装置204、及びバス206は、互いに通信する別個の構成要素として示すが、他の実装もまた可能である。例えば、プロセッサ202、メモリ装置204、及びバス206は、プログラミングコードを格納及び実行するためにゲートウェイ装置104aに配置されうる各プリント回路基板又は他の適切な装置の各構成要素であってもよい。
【0030】
ゲートウェイ装置102は、バス206を介してプロセッサ202及びメモリ装置204に通信可能に接続された送受信装置220を含んでもよい。送受信装置220の非限定的な例は、無線で信号を送受信するためのRF送受信機及び他の送受信機を含む。送受信装置220は、アンテナ208、210を介して第1のネットワーク110及び第2のネットワーク120とそれぞれ通信する少なくとも2つのMACインターフェースを実装することができる。複数のアンテナ208及び210を例示の目的で示しているが、他の態様は、単一のアンテナを用いて第1のネットワーク110及び第2のネットワーク120と通信できる送受信装置220を含む。
【0031】
ゲートウェイ装置102は、同じ又は異なるネットワークプロトコルを介して単一の送受信装置220を用いて第1のネットワーク110及び第2のネットワーク120と通信することができる。上で説明したように、ゲートウェイ装置102は、アンテナ208を介してTSCHプロトコル(例えば、IEEE802.15.4eによって管理されるネットワークプロトコル)を用いて第1のネットワーク110と通信することができる一方、アンテナ210を介してチャネルホッピングCSMAプロトコル(例えば、IEEE802.15.4e-2012によって管理されるWi-SUNプロトコル)を用いるように構成された第2のネットワークと通信することができる。いくつかの態様では、第1のネットワーク110及び第2のネットワーク120が異なる周波数を用いる場合であっても、ゲートウェイ装置102は、第1のネットワーク110及び第2のネットワーク120の両方と通信しうる。例えば、ゲートウェイ装置102は、第1の周波数帯において第1のデータネットワーク110と信号を送受信するように構成されてもよく、その一方、第2の周波数帯において第2のネットワーク120と信号を送受信するように構成されていてもよい。
【0032】
上で説明したように、ゲートウェイ装置102は、単一の送受信装置220(例えば単一の無線装置)を用いて2つのMACプロトコルを実装することができる。図3は、本願において説明した単一の無線送受信装置220のための、2つのプロトコルスタック300A及び300Bを含むプロトコルスタックの例を示す。2つのプロトコルスタック300A及び300Bは、共用される物理インターフェース(PHY)310を除いて独立であってもよい。PHY310は、送受信装置220のような、物理伝送媒体の仕様を定義してもよい。ゲートウェイ装置102のためのプロトコルスタック300A及び300Bの次の層は、MAC層320A及びMAC層320Bをそれぞれ含む。MAC層320Aは、例えば、TSCHネットワークのためのアドレス指定及びチャネルアクセスプロトコルを定義し、送受信装置220が第1のネットワーク110と通信することを可能にする。同様に、MAC層320Bは、チャネルホッピングCSMAネットワークのためのアドレス指定及びチャネルアクセスプロトコルを定義することができ、送受信装置220が第2のネットワーク120と通信することを可能にする。MAC層320A及びMAC層320Bのためのトラフィックは、それらの各IP層330A及び330Bを介してルーティングされてもよい。第1のネットワーク110のためのデータ及び第2のネットワーク120のためのデータは、UDP340A及び340Bのような別個のトランスポート層を介して通信されてもよい。
【0033】
上述のように、第1のネットワーク110はAMIメッシュネットワークであってもよく、それは、TSCH通信プロトコルに従って、ネットワークの内部及び外部で無線情報を通信してもよい。TSCHプロトコルにおいて、ネットワーク内のノードは、現在のTSCH時間スロットにおいて同期される。単一の送受信機220を用いて第1のネットワーク110及び第2のネットワーク120の両方と通信するために、ゲートウェイ装置102は、TSCH時間スロット中に第1のネットワーク110及び第2のネットワーク120の間で切り換え、2つのネットワークにおける通信をリッスンしてもよい。したがって、ゲートウェイ装置102は、単一の送受信装置220を介して第1のネットワーク110(TSCHプロトコルを動作させる)及び第2のネットワーク120(非TSCHプロトコルを用いて動作する)の両方をサポートすることができる。
【0034】
TSCHプロトコルにおける各時間スロットは、ミリ秒又は他の適切な時間単位で定義されうる長さ「T」の継続時間を有する。TSCHプロトコルは、ネットワークにおける装置間の通信のために複数のチャネル周波数を使用する。ホッピングパターンは、TSCHネットワークにおけるノードのための各時間スロット中に通信するために使用されるチャネルを定義する。ホッピングパターンは、ホッピングパターンにおける各時間スロットについてチャネル周波数又はチャネルを定義する。例えば、ホッピングパターンは、チャネル4が時間スロット1に関連付けられ、かつ、チャネル6が時間スロット2に関連付けられるように決定されてもよい。したがって、ノードは、ホッピングパターンに基づいて、時間スロット1中にチャネル4に切り換え、時間スロット2中にチャネル6に切り換えるべきであると決定することができる。ホッピングパターンは、ホッピングパターン長Lを有してもよく、ホッピングパターンはL個の時間スロットごとに繰り返す。
【0035】
図4は、時間スロット400のための典型的なTSCH時間スロット構造を示す。この実施例では、図示した時間期間は例示であり、他の実装では他の値が使用されてもよい(例えば、25ミリ秒の継続時間を有する時間スロット400を示しているが、時間スロットの他の継続時間も可能である)。TSCH時間スロット構造において、第1のネットワーク110におけるノードは、第1のネットワーク110のための時間スロット400の第1の部分408中に、TSCHホッピングパターンによって決定されたチャネルにおいてリッスンする。図4に示すように、RF整定期間402の後で、ノードは、時間期間(受信側待機時間404として示す)にわたってチャネルにおいて受信信号をリッスンすることができる。典型的には、受信側待機時間404の継続時間は、期待される送信継続時間に依存する。送信継続時間は、IEEE802.15.4eのTSCH仕様書によって定義される。受信側待機時間404の満了前にノードがメッセージを受信した場合、ノードは、メッセージの残りを受信し、受信されたメッセージを処理することに進んでもよい。しかしながら、受信側待機時間404の満了前にノードがメッセージを受信しない場合、ノードは、現在の時間スロット中に第1のネットワーク110におけるもう1つのノードからの通信を受けないと決定してもよい。典型的な時間スロット構造において、時間スロット400の残りはアイドル又は未使用であってもよい。
【0036】
所定の態様では、TSCHプロトコルを用いて第1のネットワーク110において通信するゲートウェイ装置102は、TSCH時間スロットの未使用時間部分中に第2のネットワーク120(例えばWi-SUNネットワーク)において通信してもよい。このように、図4に示すように、時間スロット400の第2の部分において、ゲートウェイ装置102は、第1のネットワーク110のチャネル又は第2のネットワーク120のチャネルにおいて通信してもよい。ゲートウェイ装置102が、時間スロット400の第1の部分408中に第1のネットワーク110におけるノードからメッセージの開始部分を受信した場合、ゲートウェイ装置102は、時間スロット400の第2の部分410中に第1のネットワーク110においてメッセージを(例えば、時間スロット400の継続時間にわたって)受信し続けてもよい。ゲートウェイ装置102が、時間スロット400の第1の部分408の満了前に第1のネットワーク110からメッセージを受信しない場合、ゲートウェイ装置102は、第2のネットワーク120によって指定されたホッピングシーケンスによって決定されるチャネルを用いて、第2のネットワーク120におけるノードからの通信をリッスンしてもよい。時間スロット400の第2の部分中に第2のネットワーク120からの通信を受けた場合、ゲートウェイ装置102は、時間スロット400の残りの継続時間にわたって第2のネットワーク120からメッセージを受信してもよい。
【0037】
図5は、ゲートウェイ装置102において第2のネットワーク120に実装されたチャネルホッピングCSMAプロトコルにおける滞在区間のシーケンスと比較して、第1のネットワーク110に実装されたTSCH時間スロットのシーケンスのタイミング図の例を示す。タイミング図500Aは、ゲートウェイ装置102における7つのTSCH時間スロットのシーケンスを示す。TSCHプロトコルにおいて、異なるネットワークノードにおけるTSCH時間スロットは同期され、したがって、第1のネットワークにおける他のノードもまた、TSCH時間スロットの同じシーケンスを有することに注意する。7つの時間スロットの各々は、2つの部分を含む。上で説明したように、時間スロットの第1の部分において、ゲートウェイ装置102は、第1のネットワークにおける通信のために第1のネットワーク110においてリッスンするように構成されてもよい。時間スロットの第2の部分は、時間スロットの第1の部分中に第1のネットワーク110からメッセージが受信されるか否かに依存して、第1のネットワーク110においてメッセージを受信するか、又は、第2のネットワーク120において通信するために利用されてもよい。
【0038】
図5に示すタイミング図500Bは、ゲートウェイ装置102において第2のネットワーク120のチャネルホッピングCSMAプロトコルにおいて使用される滞在区間のシーケンスの例を示す。第2のネットワーク120における他のノードでの滞在区間は、ゲートウェイ装置102の滞在区間に同期されない可能性があることに注意する。タイミング図500Cは、ゲートウェイ装置102における第2のネットワーク120の滞在区間のシーケンスのもう1つの例を示す。後述するように、タイミング図500Cに示す滞在区間は、タイミング図500Aに示す時間スロットに対して調整又は整列される一方、タイミング図500Bに示す滞在区間は調整されない。本願で使用されるように、滞在区間の継続時間及び遷移が時間スロットの継続時間及び遷移とは独立した決定される場合、第2のネットワークの滞在区間は、ゲートウェイ装置102における第1のネットワークのための時間スロットに対して「調整」又は「整列」していない。一方、それらは、ゲートウェイ装置102があるネットワークから他のネットワークに切り換えた後のチャネル切り換えの回数が低減又はさらに最小化されるように、第2のネットワークの滞在区間の継続時間及び遷移が、第1のネットワークのための時間スロットの継続時間及び遷移に基づいて決定される場合、「調整」又は「整列」している。タイミング図500B及び500Cの各々において、ゲートウェイ装置102は、ゲートウェイ装置102が第2のネットワーク120においてリッスンしているとき、第2のネットワーク120のためのホッピングシーケンスに基づいて、次の滞在区間の開始部における現在のチャネルとは異なるチャネルに切り換える。
【0039】
図5に示す実施例において、ゲートウェイ装置102は、最初の3つの時間スロットにわたって第1のネットワーク110においてリッスン及び通信する。例えば、ゲートウェイ装置102は、最初の3つの時間スロットの各々において第1のネットワークからメッセージを受信するかもしれない。ゲートウェイ装置102は、時間スロット1の第1の部分中にメッセージを受信する可能性があり、時間スロット2又はさらに時間スロット3の間にメッセージを受信し続ける可能性がある。第4の時間スロットにおいて、ゲートウェイ装置102は、この時間スロットの第1の部分中に第1のネットワーク110からメッセージを受信しなかった。このように、ゲートウェイ装置102は、時間スロット4の残りの部分にわたって第1のネットワーク110から受信されたメッセージが存在しないと決定してもよい。したがって、ゲートウェイ装置102は、図5において下向きの点線矢印によって示すように、時間スロット4の第2の部分の開始部において、すなわち時間T1において、第2のネットワーク120に切り換えてもよい。
【0040】
第2のネットワーク120の滞在区間が、ゲートウェイ装置102における第1のネットワーク110のTSCH時間スロットに対して調整されていない場合、すなわち、ゲートウェイ装置102における第2のネットワーク120のための滞在区間の継続時間が、第1のネットワーク110のための時間スロットの長さとは独立に決定される場合、滞在区間は、タイミング図500Bに示すようにスケジューリングされてもよい。タイミング図500Bによれば、時間T1、すなわち、ゲートウェイ装置102が第1のネットワーク110から第2のネットワーク120に切り換える時点は、滞在区間1の終了部の近くにある。その結果、ゲートウェイ装置102が時間T1において第2のネットワーク120に切り換えた後、ゲートウェイ装置102は、新たな滞在区間が開始するとき、ゲートウェイ装置102における第2のネットワーク120のホッピングシーケンスに基づいて、時間T2においてもう1つのチャネル切り換えを実行する必要がある。
【0041】
第2のネットワーク120のためのゲートウェイ装置102における滞在区間の継続時間が、第1のネットワーク110のための時間スロットの長さに対して調整される場合、ゲートウェイ装置102によって実行されるチャネル切り換えの回数を低減することができる。例えば、タイミング図500Cに示す滞在区間の継続時間は、滞在区間の継続時間が時間スロットの長さの倍数に設定されるように、タイミング図500Aに示す時間スロットの長さに対して調整される。これにより、ゲートウェイ装置102は、隣接した滞在区間の間のチャネル切り換えの時間を、ゲートウェイ装置102が第1のネットワーク110から第2のネットワーク120に切り換える時間T1に対して整列させるように、例えば、時間T1に、又は、時間T1の前にスケジューリングすることができる。その結果、ゲートウェイ装置102によるチャネル切り換えの回数は、調整されていない第2のネットワーク120のそれと比較して低減されうる。チャネルを切り換えると、ゲートウェイ装置102が短い時間期間、例えば約1ミリ秒にわたって利用不能になる可能性があるので、チャネル切り換えの回数を低減することは、ゲートウェイ装置102の使用不能時間期間を短縮し、それによってヘテロジニアスネットワーク100の性能を改善することができる。
【0042】
タイミング図500Cに示す調整された滞在区間は例示であることが理解されるべきであり、限定として解釈されるべきではない。第2のネットワーク120のための滞在区間の継続時間を第1のネットワーク110のための時間スロットの長さに対して調整する様々な他の方法を利用可能である。
【0043】
第2のネットワーク120に切り換えた後に、ゲートウェイ装置102は、通信のために第2のネットワーク120の現在のチャネルにおいてリッスンする。時間スロット4の第2の部分中に、ゲートウェイ装置102が第2のネットワーク120におけるノードからメッセージを受信した場合、ゲートウェイ装置102は、第2のネットワーク120にとどまって、メッセージが完全に受信されるまで現在の時間スロット4を越えてメッセージを受信し続けてもよい。図5に示す時間スロット7のような次の時間スロットの開始部において、ゲートウェイ装置102は、図5における上向きの点線矢印で示すようにされて、第1のネットワーク110に再び切り換えて、上述したように、通信のために時間スロット7に関連付けられたチャネルにおいてリッスンしてもよい。
【0044】
いくつかの構成において、ヘテロジニアスネットワーク100におけるネットワークのうちの1つが優先される。例えば、第1のネットワーク110は、第1のネットワーク110の性能を保証する、例えばQoS要件を満たすように、第2のネットワーク120よりも優先されてもよい。このように、ゲートウェイ装置102は、第2のネットワーク120より第1のネットワーク110における通信に、より高い優先度を与える。ゲートウェイ装置102は、第2のネットワーク120における通信の状態にかかわらず、第2のネットワーク120から再び第1のネットワーク110に切り換えるための1つ又は複数の条件を有して構成されてもよい。例えば、1つの条件は、ゲートウェイ装置102が第2のネットワークにおいて連続的に通信する時間スロットの個数がしきい値個数Nに到達した場合に、ゲートウェイ装置102が第1のネットワーク110に切り換えることを指定してもよい。この条件下では、ゲートウェイ装置102は、メッセージ全体が受信されていなくても、第2のネットワーク120において受信されているメッセージを廃棄する可能性があり、第2のネットワーク120に切り換えた後でN個の時間スロットが通過した場合には、再び第1のネットワーク110に切り換えてもよい。
【0045】
もう1つの条件は、優先メッセージが、現在の時間スロットにおいて第1のネットワーク110で受信されるべきであることを含んでもよい。優先されたネットワーク、この実施例では第1のネットワーク110の性能を保証するために、ルートノード114又はヘッドエンドシステム118からの制御又は構成メッセージのような、所定のメッセージが高い信頼性で送受信される必要がある。これらのメッセージは、高い優先度が割り当てられ、優先メッセージとしてラベル付けされてもよい。優先メッセージが第1のネットワーク110において送信されている場合、ゲートウェイ装置102は、優先メッセージを受信できるように、第1のネットワーク110において動作する必要がある。いくつかの構成において、優先メッセージは、保証された時間スロット(guaranteed time slot:GTSのような、優先メッセージのために指定された時間スロットにおいて送信される。ノードに割り当てられたGTSは、CSMA/CAのような機構を用いることなく、その時間スロット内の任意の時間にノードがメッセージを送信することを可能にする。GTSは、スケジュールに従って、又は、GTSのスケジュールを通知するメッセージに従って、ノードに割り当てられる。いずれの場合も、ゲートウェイ装置102は、優先メッセージが送信される1つ又は複数の時間スロットを推定することができる。時間スロットの開始部において、優先メッセージが現在の時間スロットにおいて送信される可能性があるとゲートウェイ装置102が決定した場合、それは、第2のネットワーク120における通信状態にかかわらず、第1のネットワーク110に切り換える。第2のネットワーク120におけるメッセージが完全には受信されていない場合、ゲートウェイ装置102は、第2のネットワーク120にメッセージを廃棄する。
【0046】
上述の実施例では、第1のネットワーク110が第2のネットワーク120よりも優先される。同様に、第2のネットワーク120が第1のネットワーク110よりも優先されてもよい。その場合、ゲートウェイ装置102は、1つ又は複数の条件が満たされる場合、例えば、ゲートウェイ装置102が第1のネットワーク110において連続的に通信する時間スロットの個数がしきい値個数を満たした場合、又は、第2のネットワーク120において、優先されたパケットを送信するために指定された滞在区間のための時間に到達した場合、第1のネットワーク110から第2のネットワーク120に切り換えるように構成されてもよい。いったん条件が満たされると、ゲートウェイ装置102は、第1のネットワーク110における通信状態にかかわらず、第2のネットワーク120に切り換える。すなわち、第1のネットワーク110におけるメッセージの受信又は送信が完了していない場合、メッセージは廃棄され、ゲートウェイ装置102は、優先された第2のネットワーク120に切り換わる。このように、優先されたネットワークの品質又は性能は、他のネットワークの品質を犠牲にすることで、所定のレベルに維持することができる。
【0047】
上述したゲートウェイ装置102を優先されたネットワークへの切り換えるための条件は、優先されたネットワークの性能要件に基づいて識別されたルールから導出されてもよい。これらの条件は、単なる例示であり、限定として解釈されるべきでない。様々な他の条件が、様々な他のルールに基づいて確立されてもよく、ゲートウェイ装置102を優先されたネットワークに強制的に切り換えて優先されたネットワークの品質を保証するようにゲートウェイ装置102において構成されもよい。例えば、ルールは、QoS要件に基づいて確立されてもよい。例えば、パケットは、指定された様々なQoSレベルを有してもよい。パケットは、できるだけ早く送信されるパケットを必要とする、低レイテンシを必要とするQoSレベルを有してもよい。パケットが第1のネットワークのためのパケットである場合、ゲートウェイ装置102は、第1のネットワークにおいて低レイテンシパケットを送信するために、第2のネットワークにおけるCSMA送信又は受信を停止してもよい。同様に、パケットが第2のネットワークのためのパケットである場合、ゲートウェイ装置102は、第2のネットワークにおいてパケットを送信するために、第1のネットワークにおける通信を停止してもよい。もう1つの実施例では、低廃棄確率を示すQoSレベルを有する第1のネットワーク(又は第2のネットワーク)のためのパケットについて、ゲートウェイ装置102は、数回のリトライの後に、パケットの配送を保証するために、パケットの送信に成功するまで第2のネットワークの時間(又は第1のネットワークの時間)をスキップすると決定してもよい。
【0048】
図6は、ヘテロジニアスデータネットワーク100においてノードと通信するゲートウェイ装置102の処理600を示すフローチャートであり、ここで、ゲートウェイ装置102は、第1のネットワーク、すなわちTSCHネットワーク110を、第2のネットワーク、すなわちチャネルホッピングCSMAネットワーク120よりも優先する。ブロック602において、処理600は、時間スロットの開始部において、TSCHプロトコルの時間スロットのチャネルに切り換えて第1のネットワーク110において動作することを含む。時間スロットのチャネルは、TSCHプロトコルのためのホッピングパターンに基づいて決定されてもよい。ゲートウェイ装置102は、第1のネットワーク110における通信のために時間スロットの第1の部分においてリッスンすることで、第1のネットワーク110において動作する。
【0049】
ブロック604において、処理600は、時間スロットの第1の部分中にメッセージが受信されているか否かを決定することを含む。そうであれば、処理600はブロック606に進み、ここで、ゲートウェイ装置102は、第1のネットワーク110におけるメッセージの受信を完了する。現在の時間スロット中にメッセージ全体を受信できない場合、ゲートウェイ装置102は、1つ又は複数の後続の時間スロットにおいてメッセージを受信し続けてもよい。メッセージの受信が完了した後、ゲートウェイ装置102は、前述したように、ブロック602において、次の時間スロットに進んでもよい。
【0050】
ブロック604において、時間スロットの第1の部分において受信されたメッセージが存在しないとゲートウェイ装置102が決定した場合、処理600はブロック608に進み、ここで、ゲートウェイ装置102は、第2のネットワーク120の現在のチャネルを決定し、そのチャネルに切り換えて第2のネットワーク120において動作する。第2のネットワーク120において動作している間、ゲートウェイ装置102は、ブロック610において、メッセージ又はメッセージの一部が現在の時間スロットを越えて第2のネットワーク120から受信されるべきであるか否かを決定する。例えば、ゲートウェイ装置102が、時間スロットの第2の部分中に第2のネットワーク120からメッセージを受信するが、メッセージ全体の受信を完了しない場合、メッセージの残りの部分は、現在の時間スロットを越えて受信されることになる。一方、メッセージが受信されていないか、又は、ゲートウェイ装置102が時間スロットの第2の部分中に完全なメッセージを受信した場合、時間スロットを越えてメッセージが受信されることはない。時間スロットを越えてメッセージが受信されることがない場合、ゲートウェイ装置102は、第1のネットワーク110に切り換え、ブロック602において次の時間スロットに進む。
【0051】
ブロック610において、時間スロットを越えて第2のネットワーク120からメッセージが受信されるべきであるとゲートウェイ装置102が決定した場合、処理600はブロック612に進み、ここで、ゲートウェイ装置102は、1つ又は複数の後続の時間スロットにおいて第2のネットワーク120でメッセージを受信し続ける。ブロック614において、処理600は、ゲートウェイ装置102が第1のネットワーク110に切り換えるべきか否かを決定することを含む。この決定は、例えば、新たな時間スロットの開始部において、ただし、第2のネットワーク120におけるメッセージが完全に受信される前に行われてもよい。
【0052】
第1のネットワーク110が第2のネットワーク120よりも優先されるので、第1のネットワーク110の性能又は品質を保証するために、第2のネットワーク120におけるメッセージが完全には受信されていなくても、ゲートウェイ装置102は第1のネットワーク110に切り換える必要が生じることがある。例えば、ゲートウェイ装置102は、ゲートウェイ装置102が第2のネットワーク120において連続的に動作する時間スロットの個数がしきい値個数に到達したか否か、又は、時間スロットが第1のネットワーク110からの優先メッセージのために指定されるか否かといった、1つ又は複数の条件が満たされたか否かを決定することで、第1のネットワーク110に切り換えるべきであると決定してもよい。条件のうちの1つを満たす場合、処理600はブロック616に進み、ここで、ゲートウェイ装置102は、第2のネットワーク120におけるメッセージを廃棄し、ブロック602において第1のネットワーク110に切り換える。ゲートウェイ装置102が、ブロック614において第1のネットワーク110に切り換える必要はないと決定した場合、処理600はブロック618に進み、ここで、ゲートウェイ装置102は、ブロック602において第1のネットワーク110に切り換える前に、第2のネットワーク120において完全なメッセージを受信することができる。
【0053】
図6は、ヘテロジニアスデータネットワーク100においてノードと通信する処理700を示すフローチャートであり、ここで、ゲートウェイ装置102は、チャネルホッピングCSMAネットワークのような第2のネットワーク120を、TSCHネットワークのような第1のネットワーク110よりも優先する。ブロック702において、処理700は、時間スロットの開始部において、TSCHプロトコルの時間スロットのチャネルに切り換えて第1のネットワーク110において動作することを含む。時間スロットのチャネルは、TSCHプロトコルのためのホッピングパターンに基づいて決定されてもよい。ゲートウェイ装置102は、第1のネットワーク110における通信のために時間スロットの第1の部分においてリッスンすることで、第1のネットワーク110において動作する。
【0054】
ブロック704において、処理700は、時間スロットの第1の部分中にメッセージが受信されているか否かを決定することを含む。そうであれば、処理700はブロック706に進み、ここで、ゲートウェイ装置102は、時間スロットの第2の部分中に第1のネットワーク110においてメッセージを受信し続ける。現在の時間スロット中にメッセージ全体を受信できない場合、ゲートウェイ装置102は、1つ又は複数の後続の時間スロットにおいてメッセージを受信し続けてもよい。ブロック712において、処理700は、ゲートウェイ装置102が第2のネットワーク120に切り換えるべきか否かを決定することを含む。
【0055】
第2のネットワーク120が第1のネットワーク110よりも優先されるので、第2のネットワーク120の性能又は品質を保証するために、第1のネットワーク110におけるメッセージが完全には受信されていなくても、ゲートウェイ装置102は第2のネットワーク120に切り換える必要が生じることがある。例えば、ゲートウェイ装置102は、ゲートウェイ装置102が第1のネットワーク110において連続的に動作する時間スロットの個数がしきい値個数に到達したか否か、又は、第2のネットワーク120から優先メッセージが受信されるか否かといった、1つ又は複数の条件が満たされたか否かを決定することで、第2のネットワーク120に切り換えるべきであると決定してもよい。条件のうちの1つを満たす場合、処理700はブロック716に進み、ここで、ゲートウェイ装置102は、第1のネットワーク110におけるメッセージを廃棄し、第2のネットワーク120に切り換え、さらにブロック718に進み、ここで、ゲートウェイ装置102は、第2のネットワーク120において完全なメッセージを受信する。ゲートウェイ装置102が、ブロック712において第2のネットワーク120に切り換える必要はないと決定した場合、処理700はブロック714に進み、ここで、ゲートウェイ装置102は、第2のネットワーク120において完全なメッセージを受信し、次いで、ブロック702において第1のネットワーク110におけるもう1つの時間スロットを開始することができる。
【0056】
ブロック704において、時間スロットの第1の部分中に受信されたメッセージが存在しないとゲートウェイ装置102が決定した場合、処理700はブロック708に進む。ブロック708において、ゲートウェイ装置102は、第2のネットワーク120の現在のチャネルを決定し、第2のネットワーク120に切り換える。第2のネットワーク120の現在のチャネルは、第2のネットワーク120のホッピングシーケンスに基づいて決定されてもよい。ブロック704において、処理700は、時間スロットの第2の部分中に第2のネットワーク120からメッセージが受信されているか否かを決定することを含む。メッセージが受信されていない場合、処理700はブロック702に進み、ここで、ゲートウェイ装置102は、上述したように第1のネットワーク110に切り換える。ゲートウェイ装置102が時間スロットの第2の部分中にメッセージを受信した場合、処理700はブロック718に進み、ここで、ゲートウェイ装置102は、メッセージ全体が受信されているまで第2のネットワーク120からメッセージを受信し続ける。ゲートウェイ装置102は、ブロック702において、次の時間スロットの開始部で第1のネットワーク110に切り換えてもよい。
【0057】
本願の主題をその特定の態様に関して詳述したが、当業者は、上述したことを理解することにより、そのような態様の変更、変形、及び等価物を容易に作成しうることが認識されるであろう。従って、本開示が限定ではなく例示の目的で提示され、当業者に容易に明らかになるように、本願の主題に係るそのような変更、変形、及び/又は追加を含むことを除外しないことは理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7