(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】端末、無線通信方法、基地局及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/19 20180101AFI20241029BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20241029BHJP
H04W 74/0836 20240101ALI20241029BHJP
【FI】
H04W76/19
H04W16/28
H04W74/0836
(21)【出願番号】P 2022524776
(86)(22)【出願日】2020-05-20
(86)【国際出願番号】 JP2020020010
(87)【国際公開番号】W WO2021234878
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(74)【代理人】
【識別番号】100224867
【氏名又は名称】日下 航
(72)【発明者】
【氏名】松村 祐輝
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジン
(72)【発明者】
【氏名】コウ ギョウリン
【審査官】倉本 敦史
(56)【参考文献】
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,Maintenance of Rel-16 Beam Management,3GPP TSG RAN WG1 #101 R1-2004266,2020年05月15日,pp.1-7
【文献】Ericsson,Beam Failure Recovery in Scell and contention-based BFR on SpCell,3GPP TSG-RAN WG2 #101Bis Tdoc R2-1805414,2018年04月05日,pp.1-6
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,Remaining issues on beam management,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #94 R1-1809237,2018年08月10日,pp.1-9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衝突型ランダムアクセス(CBRA)手順に基づくビーム障害回復(BFR)において、ランダムアクセスプリアンブルを送信する送信部と、
特別セルにおける前記CBRA手順に基づく前記BFRに関する能力情報を送信した場合
であってTransmission Configuration Indication(TCI)状態のアクティベーションを受信する前の場合に、前記CBRA手順における
下りメッセー
ジの下り制御チャネル(PDCCH)受信の最後のシンボルから所定シンボル後以
降、前記ランダムアクセスプリアンブルに関連付けられた擬似コロケーション(QCL)パラメータを用いて
下り制御チャネル(PDCCH
)を受信する
受信部と、を有する端末。
【請求項2】
衝突型ランダムアクセス(CBRA)手順に基づくビーム障害回復(BFR)において、ランダムアクセスプリアンブルを送信するステップと、
特別セルにおける前記CBRA手順に基づく前記BFRに関する能力情報を送信した場合
であってTransmission Configuration Indication(TCI)状態のアクティベーションを受信する前の場合に、前記CBRA手順における
下りメッセー
ジの下り制御チャネル(PDCCH)受信の最後のシンボルから所定シンボル後以
降、前記ランダムアクセスプリアンブルに関連付けられた擬似コロケーション(QCL)パラメータを用いて
下り制御チャネル(PDCCH
)を受信す
るステップと、を有する端末の無線通信方法。
【請求項3】
衝突型ランダムアクセス(CBRA)手順に基づくビーム障害回復(BFR)において、ランダムアクセスプリアンブルを受信する受信部と、
特別セルにおける前記CBRA手順に基づく前記BFRに関する能力情報を受信した場合
であってTransmission Configuration Indication(TCI)状態のアクティベーションを送信する前の場合に、前記CBRA手順における
下りメッセー
ジの下り制御チャネル(PDCCH)送信の最後のシンボルから所定シンボル後以
降、前記ランダムアクセスプリアンブルに関連付けられた擬似コロケーション(QCL)パラメータを用いて
下り制御チャネル(PDCCH
)を送信する
送信部と、を有する基地局。
【請求項4】
端末と基地局を有するシステムであって、
前記端末は、
衝突型ランダムアクセス(CBRA)手順に基づくビーム障害回復(BFR)において、ランダムアクセスプリアンブルを送信する送信部と、
特別セルにおける前記CBRA手順に基づく前記BFRに関する能力情報を送信した場合
であってTransmission Configuration Indication(TCI)状態のアクティベーションを受信する前の場合に、前記CBRA手順における
下りメッセー
ジの下り制御チャネル(PDCCH)受信の最後のシンボルから所定シンボル後以
降、前記ランダムアクセスプリアンブルに関連付けられた擬似コロケーション(QCL)パラメータを用いて
下り制御チャネル(PDCCH
)を受信する
受信部と、を有し、
前記基地局は、
前記ランダムアクセスプリアンブルに関連付けられた前記QCLパラメータを用いて前記PDCCHを送信する送信部を有するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、次世代移動通信システムにおける端末、無線通信方法、基地局及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)ネットワークにおいて、更なる高速データレート、低遅延などを目的としてLong Term Evolution(LTE)が仕様化された(非特許文献1)。また、LTE(Third Generation Partnership Project(3GPP) Release(Rel.)8、9)の更なる大容量、高度化などを目的として、LTE-Advanced(3GPP Rel.10-14)が仕様化された。
【0003】
LTEの後継システム(例えば、5th generation mobile communication system(5G)、5G+(plus)、6th generation mobile communication system(6G)、New Radio(NR)、3GPP Rel.15以降などともいう)も検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】3GPP TS 36.300 V8.12.0 “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2 (Release 8)”、2010年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
NRでは、ユーザ端末(user terminal、User Equipment(UE))がビーム障害(Beam Failure:BF)を検出して他のビームに切り替えるための手順(ビーム障害回復(Beam Failure Recovery:BFR)手順、BFRなどと呼ばれてもよい)を実施することが検討されている。
【0006】
しかしながら、現状のRel.16 NRの仕様では、BFR完了後に障害があるビームが継続して利用されてしまうケースが考えられる。この場合、適切な通信を行うことができず、スループットの低下又は通信品質が劣化するおそれがある。
【0007】
そこで、本開示は、BFRに関連して適切にビームを更新できる端末、無線通信方法、基地局及びシステムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る端末は、衝突型ランダムアクセス(CBRA)手順に基づくビーム障害回復(BFR)において、ランダムアクセスプリアンブルを送信する送信部と、特別セルにおける前記CBRA手順に基づく前記BFRに関する能力情報を送信した場合であってTransmission Configuration Indication(TCI)状態のアクティベーションを受信する前の場合に、前記CBRA手順における下りメッセージの下り制御チャネル(PDCCH)受信の最後のシンボルから所定シンボル後以降、前記ランダムアクセスプリアンブルに関連付けられた擬似コロケーション(QCL)パラメータを用いて下り制御チャネル(PDCCH)を受信する受信部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、BFRに関連して適切にビームを更新できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、Rel.15 NRにおけるビーム回復手順の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、4ステップRACHのフローを示す図である。
【
図3】
図3は、2ステップRACHのフローを示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態におけるCBRA BFR後のPUCCHのための空間関係の更新の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第2の実施形態におけるCBRA BFR後のPDCCHのためのQCL想定の更新の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、一実施形態に係る基地局の構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、一実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、一実施形態に係る基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(ビーム障害回復)
NRでは、ビームフォーミングを利用して通信を行うことが検討されている。例えば、UE及び基地局(例えば、gNodeB(gNB))は、信号の送信に用いられるビーム(送信ビーム、Txビームなどともいう)、信号の受信に用いられるビーム(受信ビーム、Rxビームなどともいう)を用いてもよい。
【0012】
ビームフォーミングを用いる場合、障害物による妨害の影響を受けやすくなるため、無線リンク品質が悪化することが想定される。無線リンク品質の悪化によって、無線リンク障害(Radio Link Failure:RLF)が頻繁に発生するおそれがある。RLFが発生するとセルの再接続が必要となるため、頻繁なRLFの発生は、システムスループットの劣化を招く。
【0013】
NRにおいては、RLFの発生を抑制するために、特定のビームの品質が悪化する場合、他のビームへの切り替え(ビーム回復(Beam Recovery:BR)、ビーム障害回復(Beam Failure Recovery:BFR)、L1/L2(Layer 1/Layer 2)ビームリカバリなどと呼ばれてもよい)手順を実施することが検討されている。なお、BFR手順(BFR procedure)は単にBFRと呼ばれてもよい。
【0014】
なお、本開示におけるビーム障害(Beam Failure:BF)は、リンク障害(link failure)、無線リンク障害(RLF)と呼ばれてもよい。
【0015】
図1は、Rel.15 NRにおけるビーム回復手順の一例を示す図である。ビームの数などは一例であって、これに限られない。
図1の初期状態(ステップS101)において、UEは、2つのビームを用いて送信される参照信号(Reference Signal:RS)リソースに基づく測定を実施する。
【0016】
当該RSは、同期信号ブロック(Synchronization Signal Block:SSB)及びチャネル状態測定用RS(Channel State Information RS:CSI-RS)の少なくとも1つであってもよい。なお、SSBは、SS/PBCH(Physical Broadcast Channel)ブロックなどと呼ばれてもよい。
【0017】
RSは、プライマリ同期信号(Primary SS:PSS)、セカンダリ同期信号(Secondary SS:SSS)、モビリティ参照信号(Mobility RS:MRS)、SSBに含まれる信号、SSB、CSI-RS、復調用参照信号(DeModulation Reference Signal:DMRS)、ビーム固有信号などの少なくとも1つ、又はこれらを拡張、変更などして構成される信号であってもよい。ステップS101において測定されるRSは、ビーム障害検出のためのRS(Beam Failure Detection RS:BFD-RS)などと呼ばれてもよい。
【0018】
ステップS102において、基地局からの電波が妨害されたことによって、UEはBFD-RSを検出できない(又はRSの受信品質が劣化する)。このような妨害は、例えばUE及び基地局間の障害物、フェージング、干渉などの影響によって発生し得る。
【0019】
UEは、所定の条件が満たされると、ビーム障害を検出する。UEは、例えば、設定されたBFD-RS(BFD-RSリソース設定)の全てについて、ブロック誤り率(Block Error Rate:BLER)が閾値未満である場合、ビーム障害の発生を検出してもよい。ビーム障害の発生が検出されると、UEの下位レイヤ(物理(PHY)レイヤ)は、上位レイヤ(MACレイヤ)に対してビーム障害インスタンスを通知(指示)してもよい。
【0020】
なお、判断の基準(クライテリア)は、BLERに限られず、物理レイヤにおける参照信号受信電力(Layer 1 Reference Signal Received Power:L1-RSRP)であってもよい。また、RS測定の代わりに又はRS測定に加えて、下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)などに基づいてビーム障害検出が実施されてもよい。BFD-RSは、UEによってモニタされるPDCCHのDMRSと擬似コロケーション(Quasi-Co-Location:QCL)であると期待されてもよい。
【0021】
ここで、QCLとは、チャネルの統計的性質を示す指標である。例えば、ある信号/チャネルと他の信号/チャネルがQCLの関係である場合、これらの異なる複数の信号/チャネル間において、ドップラーシフト(Doppler shift)、ドップラースプレッド(Doppler spread)、平均遅延(average delay)、遅延スプレッド(delay spread)、空間パラメータ(Spatial parameter)(例えば、空間受信フィルタ/パラメータ(Spatial Rx Filter/Parameter)、空間送信フィルタ/パラメータ(Spatial Tx (transmission) Filter/Parameter))の少なくとも1つが同一である(これらの少なくとも1つに関してQCLである)と仮定できることを意味してもよい。
【0022】
なお、空間受信パラメータは、UEの受信ビーム(例えば、受信アナログビーム)に対応してもよく、空間的QCLに基づいてビームが特定されてもよい。本開示におけるQCL(又はQCLの少なくとも1つの要素)は、spatial QCL(sQCL)で読み替えられてもよい。
【0023】
BFD-RSに関する情報(例えば、RSのインデックス、リソース、数、ポート数、プリコーディングなど)、ビーム障害検出(BFD)に関する情報(例えば、上述の閾値)などは、上位レイヤシグナリングなどを用いてUEに設定(通知)されてもよい。BFD-RSに関する情報は、BFR用リソースに関する情報などと呼ばれてもよい。
【0024】
本開示において、上位レイヤシグナリングは、例えば、Radio Resource Control(RRC)シグナリング、Medium Access Control(MAC)シグナリング、ブロードキャスト情報などのいずれか、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0025】
MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC Control Element(CE))、MAC Protocol Data Unit(PDU)などを用いてもよい。ブロードキャスト情報は、例えば、マスタ情報ブロック(Master Information Block:MIB)、システム情報ブロック(System Information Block:SIB)、最低限のシステム情報(Remaining Minimum System Information:RMSI)、その他のシステム情報(Other System Information:OSI)などであってもよい。
【0026】
UEのMACレイヤは、UEのPHYレイヤからビーム障害インスタンス通知を受信した場合に、所定のタイマ(ビーム障害検出タイマと呼ばれてもよい)を開始してもよい。UEのMACレイヤは、当該タイマが満了するまでにビーム障害インスタンス通知を一定回数(例えば、RRCで設定されるbeamFailureInstanceMaxCount)以上受信したら、BFRをトリガ(例えば、後述のランダムアクセス手順のいずれかを開始)してもよい。
【0027】
基地局は、UEからの通知がない(例えば、通知がない時間が所定時間を超える)場合、又はUEから所定の信号(ステップS104におけるビーム回復要求)を受信した場合に、当該UEがビーム障害を検出したと判断してもよい。
【0028】
ステップS103において、UEはビーム回復のため、新たに通信に用いるための新候補ビーム(new candidate beam)のサーチを開始する。UEは、所定のRSを測定することによって、当該RSに対応する新候補ビームを選択してもよい。ステップS103において測定されるRSは、新候補ビーム識別のためのRS(New Candidate Beam Identification RS:NCBI-RS)、CBI-RS、Candidate Beam RS(CB-RS)などと呼ばれてもよい。NCBI-RSは、BFD-RSと同じであってもよいし、異なってもよい。なお、新候補ビームは、新規候補ビーム、候補ビーム又は新規ビームと呼ばれてもよい。
【0029】
UEは、所定の条件を満たすRSに対応するビームを、新候補ビームとして決定してもよい。UEは、例えば、設定されたNCBI-RSのうち、L1-RSRPが閾値を超えるRSに基づいて、新候補ビームを決定してもよい。なお、判断の基準(クライテリア)は、L1-RSRPに限られない。L1-RSRP、L1-RSRQ、L1-SINR(信号対雑音干渉電力比)のいずれか少なくとも1つを用いて決定しても良い。SSBに関するL1-RSRPは、SS-RSRPと呼ばれてもよい。CSI-RSに関するL1-RSRPは、CSI-RSRPと呼ばれてもよい。同様に、SSBに関するL1-RSRQは、SS-RSRQと呼ばれてもよい。CSI-RSに関するL1-RSRQは、CSI-RSRQと呼ばれてもよい。また、同様に、SSBに関するL1-SINRは、SS-SINRと呼ばれてもよい。CSI-RSに関するL1-SINRは、CSI-SINRと呼ばれてもよい。
【0030】
NCBI-RSに関する情報(例えば、RSのリソース、数、ポート数、プリコーディングなど)、新候補ビーム識別(NCBI)に関する情報(例えば、上述の閾値)などは、上位レイヤシグナリングなどを用いてUEに設定(通知)されてもよい。NCBI-RSに関する情報は、BFD-RSに関する情報に基づいて取得されてもよい。NCBI-RSに関する情報は、NCBI用リソースに関する情報などと呼ばれてもよい。
【0031】
なお、BFD-RS、NCBI-RSなどは、無線リンクモニタリング参照信号(RLM-RS:Radio Link Monitoring RS)で読み替えられてもよい。
【0032】
ステップS104において、新候補ビームを特定したUEは、ビーム回復要求(Beam Failure Recovery reQuest:BFRQ)を送信する。ビーム回復要求は、ビーム回復要求信号、ビーム障害回復要求信号などと呼ばれてもよい。
【0033】
BFRQは、例えば、ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)を用いて送信されてもよい。BFRQは、ステップS103において特定された新候補ビームの情報を含んでもよい。BFRQのためのリソースが、当該新候補ビームに関連付けられてもよい。ビームの情報は、ビームインデックス(Beam Index:BI)、所定の参照信号のポートインデックス、リソースインデックス(例えば、CSI-RSリソース指標(CSI-RS Resource Indicator:CRI)、SSBリソース指標(SSBRI))などを用いて通知されてもよい。
【0034】
Rel.15 NRでは、衝突型ランダムアクセス(Contention based Random Access(CFRA))手順に基づくBFRであるCB-BFR(Contention-Based BFR)及び非衝突型ランダムアクセス手順(Contention-Free Random Access(CBRA))に基づくBFRであるCF-BFR(Contention-Free BFR)がサポートされている。CB-BFR及びCF-BFRでは、UEは、PRACHリソースを用いてプリアンブル(RAプリアンブル、ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)、RACHプリアンブルなどともいう)をBFRQとして送信してもよい。
【0035】
なお、CF-BFRは、CFRA BFRと呼ばれてもよい。CB-BFRは、CBRA BFRと呼ばれてもよい。
【0036】
ステップS105において、BFRQを検出した基地局は、UEからのBFRQに対する応答信号(BFRレスポンス、gNBレスポンスなどと呼ばれてもよい)を送信する。当該応答信号には、1つ又は複数のビームについての再構成情報(例えば、DL-RSリソースの構成情報)が含まれてもよい。
【0037】
当該応答信号は、例えばPDCCHのUE共通サーチスペースにおいて送信されてもよい。当該応答信号は、UEの識別子(例えば、セル-無線ネットワーク一時識別子(Cell Radio Network Temporary Identifier(C-RNTI)))によってスクランブルされた巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check(CRC))を有するPDCCH(DCI)を用いて通知されてもよい。UEは、ビーム再構成情報に基づいて、使用する送信ビーム及び受信ビームの少なくとも一方を判断してもよい。
【0038】
UEは、当該応答信号を、BFR用の制御リソースセット(COntrol REsource SET:CORESET)及びBFR用のサーチスペースセットの少なくとも一方に基づいてモニタしてもよい。例えば、UEは、個別に設定されたCORESET内のBFRサーチスペースにおいて、C-RNTIでスクランブルされたCRCを有するDCIを検出してもよい。
【0039】
CB-BFRに関しては、UEが自身に関するC-RNTIに対応するPDCCHを受信した場合に、衝突解決(contention resolution)が成功したと判断されてもよい。
【0040】
ステップS105の処理に関して、BFRQに対する基地局(例えば、gNB)からの応答(レスポンス)をUEがモニタするための期間が設定されてもよい。当該期間は、例えばgNB応答ウィンドウ、gNBウィンドウ、ビーム回復要求応答ウィンドウ、BFRQレスポンスウィンドウなどと呼ばれてもよい。UEは、当該ウィンドウ期間内において検出されるgNB応答がない場合、BFRQの再送を行ってもよい。
【0041】
ステップS106において、UEは、基地局に対してビーム再構成が完了した旨を示すメッセージを送信してもよい。当該メッセージは、例えば、PUCCHによって送信されてもよいし、PUSCHによって送信されてもよい。
【0042】
ステップS106において、UEは、PDCCHに用いられる送信設定指示状態(Transmission Configuration Indication state(TCI状態))の設定を示すRRCシグナリングを受信してもよいし、当該設定のアクティベーションを示すMAC CEを受信してもよい。
【0043】
ビーム回復成功(BR success)は、例えばステップS106まで到達した場合を表してもよい。一方で、ビーム回復失敗(BR failure)は、例えばBFRQ送信が所定の回数に達した、又はビーム障害回復タイマ(Beam-failure-recovery-Timer)が満了したことに該当してもよい。
【0044】
なお、これらのステップの番号は説明のための番号に過ぎず、複数のステップがまとめられてもよいし、順番が入れ替わってもよい。また、BFRを実施するか否かは、上位レイヤシグナリングを用いてUEに設定されてもよい。
【0045】
(CBRA)
NRにおいて、上述のCB-BFRでも用いられる衝突型ランダムアクセス(CBRA)としては、Rel.15で規定される4ステップCBRA手順と、Rel.16で規定される2ステップCBRA手順と、がある。前者は4ステップRACH、後者は2ステップRACHなどと呼ばれてもよい。
【0046】
図2は、4ステップRACHのフローを示す図である。4ステップRACHでは、まずUEがメッセージ1(ランダムアクセスプリアンブル)を送信する。基地局は、メッセージ1に応じたレスポンス(ランダムアクセスレスポンス(Random Access Response(RAR)))を含むメッセージ2をUEに返信する。
【0047】
なお、RARをスケジュールするDCIフォーマットは、ランダムアクセス用のRNTI(RA-RNTI)によってスクランブルされるCRCを有する。
【0048】
UEは、RARによって示されるULグラントに基づいて、競合解決(contention resolution)のためのUE識別子(Identifier(ID))を、メッセージ3を用いて送信する。当該UE IDは、例えば、Short(or SAE)-Temporary Mobile Subscriber Identity(S-TMSI)であってもよい。
【0049】
UEがアイドル状態(RRC_IDLE状態)である場合(アイドルUEである場合)、メッセージ3は、Common Control Channel Service Data Unit(CCCH SDU)を包む。CCCHは、RRCコネクションが存在しない場合に使用される論理チャネルである。CCCH SDUは、UE IDを含むRRCメッセージ(例えば、RRC接続リクエスト)を伝送してもよい。
【0050】
UEが接続UE(conntected UE、RRC_CONNECTED状態のUE)である場合、メッセージ3は、C-RNTI(を通知するためのMAC CE)を含んでもよい。
【0051】
基地局は、メッセージ3によって通知されるUE IDが他のUEと衝突していなければ、競合解決IDを含むメッセージ4をUEに返信する。
【0052】
図3は、2ステップRACHのフローを示す図である。2ステップRACHでは、まずUEがメッセージAを送信する。メッセージAは、時分割多重(Time Division Multiplexing(TDM))されるプリアンブルとPUSCHから構成され、4ステップRACHのメッセージ1+3に相当する。当該PUSCHでは、上記UE IDが送信されてもよい。
【0053】
基地局は、メッセージAを受信後、メッセージBを端末に返信する。メッセージBは、PDSCH(と当該PDSCHをスケジュールするPDCCH)から構成され、4ステップRACHのメッセージ2+4に相当する。メッセージBでは、RARと競合解決IDをまとめた内容が通知されてもよい。
【0054】
なお、UEに対してメッセージ4又はメッセージBをスケジュールするDCIフォーマットは、当該UEがアイドルUEである場合、テンポラリC-RNTI(TC-RNTI)によってスクランブルされるCRCを有し、当該UEが接続UEである場合、C-RNTIによってスクランブルされるCRCを有してもよい。
【0055】
メッセージ4又はメッセージBを受信したアイドルUEは、当該受信したメッセージの復号に成功し、かつ当該メッセージ内の競合解決IDがメッセージ3又はメッセージAにおいて送信されたCCCH SDUのものとマッチする場合、CBRAが成功した(競合解決した)とみなしてもよい。また、当該UEは、当該受信したメッセージに対するHARQ-ACKを送信してもよい。当該HARQ-ACKを受信した基地局は、当該UEのC-RNTIに、上記TC-RNTIの値をセットしてもよい。
【0056】
メッセージ4又はメッセージBを受信した接続UEは、当該受信したメッセージをスケジュールしたDCI(PDCCH)が上記C-RNTIを示し、かつ新たな送信のためのULグラントを含む場合、CBRAが成功した(競合解決した)とみなしてもよい。
【0057】
なお、
図1のBFRフローにおいて、ステップS104のBFRQ送信は、CBRA BFRの場合は、メッセージ1又はメッセージAの送信に該当する。また、ステップS105のBFRレスポンス受信は、CBRA BFRの場合は、メッセージ4又はメッセージBの受信(及びこれらをスケジュールするDCIの受信)に該当する。
【0058】
(BFR後のPDCCHのQCL想定、PUCCH空間関係)
これまで検討されているRel.16 NRの仕様(TS 38.213 V16.0.0 §6 Link recovery procedures)では、BFR後のPDCCHのためのQCL(ビーム)の更新について、以下の記載がある:
・リカバリ用サーチスペースID(recoverySearchSpaceId)によって提供されるサーチスペースセットにおけるPDCCHモニタリング及び対応するPDSCH受信について、UEがTCI状態のアクティベーション又はPDCCH用のTCI状態のリストのパラメータ(tci-StatesPDCCH-ToAddList、tci-StatesPDCCH-ToReleaseListなど)を上位レイヤによって受信するまでは、当該UEは、インデックスqnewに関連付けられるのと同じアンテナポートの疑似コロケーションパラメータを想定してもよい(For PDCCH monitoring in a search space set provided by recoverySearchSpaceId and for corresponding PDSCH reception, the UE assumes the same antenna port quasi-collocation parameters as the ones associated with index qnew until the UE receives by higher layers an activation for a TCI state or any of the parameters tci-StatesPDCCH-ToAddList and/or tci-StatesPDCCH-ToReleaseList)、
・プライマリセル(PCell)又はプライマリセカンダリセル(PSCell))については、リカバリ用サーチスペースID(recoverySearchSpaceId)によって提供されるサーチスペースセットにおいてUEがC-RNTI又はModulation Coding Scheme C-RNTI(MCS-C-RNTI)でCRCがスクランブルされたDCIフォーマットを検出した最初のPDCCH受信の最後のシンボルから28シンボル後において、UEは、インデックス0のCORESETにおけるPDCCHモニタのために、インデックスqnewに関連付けられるのと同じアンテナポートの疑似コロケーションパラメータを想定してもよい(For the PCell or the PSCell, after 28 symbols from a last symbol of a first PDCCH reception in a search space set provided by recoverySearchSpaceId where a UE detects a DCI format with CRC scrambled by C-RNTI or MCS-C-RNTI, the UE assumes same antenna port quasi-collocation parameters as the ones associated with index qnew for PDCCH monitoring in a CORESET with index 0)。
【0059】
また、上記Rel.16 NRの仕様では、BFR後のPUCCHのための空間関係(ビーム)の更新について、以下の記載がある:
・PCell又はPSCellについては、リカバリ用サーチスペースID(recoverySearchSpaceId)によって提供されるサーチスペースセットにおいてUEがC-RNTI又はMCS-C-RNTIでCRCがスクランブルされたDCIフォーマットを検出した最初のPDCCH受信の最後のシンボルから28シンボル後、PUCCH空間関係情報(PUCCH-SpatialRelationInfo)のためのアクティベーションコマンドを当該UEが受信するかPUCCHリソースのためのPUCCH空間関係情報(PUCCH-SpatialRelationInfo)を提供されるまでの間、当該UEは、PRACHを送信したセルと同じセルにおいてPUCCHを送信する場合に以下の送信条件を利用してもよい(For the PCell or the PSCell, after 28 symbols from a last symbol of a first PDCCH reception in a search space set provided by recoverySearchSpaceId for which the UE detects a DCI format with CRC scrambled by C-RNTI or MCS-C-RNTI and until the UE receives an activation command for PUCCH-SpatialRelationInfo or is provided PUCCH-SpatialRelationInfo for PUCCH resource(s), the UE transmits a PUCCH on a same cell as the PRACH transmission using):
・最後のPRACH送信と同じ空間フィルタを利用する(a same spatial filter as for the last PRACH transmission)、
・PUCCHの送信電力の決定に利用される数式(TS 38.213のSubclause 7.2.1)において、qu=0、qd=qnew、l=0を利用して送信電力が決定される(a power determined as described in Clause 7.2.1 with qu=0、qd=qnew、l=0)。
【0060】
なお、qnewは、BFR手順においてUEが選択し、対応するPRACHでネットワークに報告する新候補ビーム(例えば、SSB/CSI-RS)のインデックス(又は、BFR手順で発見された新ビームのインデックス)であってもよい。
【0061】
通常の場合、quは、PUCCH用P0セット(p0-Set)内のPUCCH用P0(P0-PUCCH)を示すPUCCH用P0 ID(p0-PUCCH-Id)であってもよい。lは、電力制御調整状態(power control adjustment state)のインデックス、PUCCH電力制御調整状態のインデックス、クローズドループインデックスなどと呼ばれてもよい。qdは、パスロス参照RSのインデックス(例えば、PUCCH-PathlossReferenceRSによって設定される)であってもよい。
【0062】
上述のような規定があることによって、PDCCH/PUCCHについて、BFRのためのRA手順が完了後に明示的なビームを設定/アクティベートされるまでの間に、不明確なビームに基づく送受信処理を行うことを回避でき、通信品質の劣化を抑制できる。
【0063】
しかしながら、上述の規定は、CFRA BFRを想定している。このため、CBRA BFR完了後には、PDCCH/PUCCHのビームが更新されず、障害があるビームが継続して利用され、適切な通信を行うことができず、スループットの低下又は通信品質が劣化するおそれがある。
【0064】
そこで、本発明者らは、BFRに関連して適切にビームを更新するための方法を着想した。
【0065】
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各実施形態に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
【0066】
本開示において、「A/B」、「A及びBの少なくとも一方」、は互いに読み替えられてもよい。
【0067】
本開示において、インデックス、ID、インディケーター、リソースIDなどは、互いに読み替えられてもよい。
【0068】
(無線通信方法)
<第1の実施形態>
第1の実施形態では、UEは、CBRA BFRの完了後、PUCCHの空間関係の想定を更新する。
【0069】
第1の実施形態では、BFR後のPUCCHのための空間関係の更新は、以下のように行われてもよい:
・PCell又はPSCellについては、成功した競合解決のXシンボル後以降であって、PUCCH空間関係情報のためのアクティベーションコマンドを当該UEが受信するかPUCCHリソースのためのPUCCH空間関係情報を提供されるまでの間、当該UEは、PRACHを送信したセルと同じセルにおいてPUCCHを送信する場合に以下の送信条件を利用してもよい(For the PCell or the PSCell, after X symbols of successful contention resolution (or successful completion of contention based random access procedure for beam failure recovery), and until the UE receives an activation command for PUCCH-SpatialRelationInfo or is provided PUCCH-SpatialRelationInfo for PUCCH resource(s), the UE transmits a PUCCH on a same cell as the PRACH transmission using):
・最後のPRACH送信と同じ空間フィルタを利用する(a same spatial filter as for the last PRACH transmission)、
・PUCCHの送信電力の決定に利用される数式(TS 38.213のSubclause 7.2.1)において、qu=0、qd= qnewCBRA(又はqnew)、l=0などを利用して送信電力が決定される(a power determined as described in Clause 7.2.1 with qu=0, qd= qnewCBRA (or qnew), l=0, and …)。
【0070】
なお、qnewCBRA(又はqnew)は、CBRA BFR手順においてUEが選択し、対応するPRACHでネットワークに報告する新候補ビーム(例えば、SSB/CSI-RS)のインデックス(又は、BFR手順で発見された新ビームのインデックス)であってもよい。言い換えると、qnewCBRA(又はqnew)は、上位レイヤ(例えば、MACレイヤ)で提供されるSS/PBCHブロックのインデックスに該当してもよい。
【0071】
また、上記Xは、予め仕様によって定められてもよい(例えば、X=28)し、上位レイヤシグナリングなどによって設定されてもよいし、UE能力(例えば、BFRに関するUE能力)に基づいて決定されてもよい。
【0072】
なお、上記「成功した競合解決のXシンボル後以降」は、「BFRのためのCBRA手順が成功裏に完了してからXシンボル後以降(after X symbols of successful completion of contention based random access procedure for beam failure recovery)」と互いに読み替えられてもよい。
【0073】
なお、本開示の「成功した競合解決のXシンボル後以降」は、「C-RNTIによってCRCがスクランブルされ、かつ新たな送信のためのULグラントを含むDCIフォーマットをUEが検出した最初の(メッセージ4又はメッセージBの)PDCCH受信の最後のシンボルからXシンボル後以降(after X symbols from a last symbol of a first PDCCH reception (of Msg. 4 or MsgB) where the UE detects a DCI format with CRC scrambled by C-RNTI and contains a UL grant for a new transmission)」と互いに読み替えられてもよい。
【0074】
本開示の「成功した競合解決のXシンボル後以降」は、「TC-RNTIによってCRCがスクランブルされたDCIフォーマットをUEが検出した最初の(メッセージ4又はメッセージBの)PDCCH受信の最後のシンボルからXシンボル後以降(after X symbols from a last symbol of a first PDCCH reception (of Msg. 4 or MsgB) where the UE detects a DCI format with CRC scrambled by TC-RNTI)」と互いに読み替えられてもよい。ここで、当該TC-RNTIは、他のRNTI(例えば、メッセージB用RNTI(MsgB-RNTI))によって読み替えられてもよい。
【0075】
本開示の「成功した競合解決のXシンボル後以降」は、「CBRAのメッセージ3又はメッセージAがBFR MAC CEを含む場合に、成功した競合解決のXシンボル後以降(if BFR MAC CE is contained in Msg3 or MsgA of contention based random access procedure, after X symbols of successful contention resolution)」と互いに読み替えられてもよい。なお、これらの読み替えは、第2の実施形態に適用されてもよいし、複数の読み替えが同時に行われてもよいことは明らかである。
【0076】
つまり、UEは、CBRAのメッセージ3又はメッセージAがBFR MAC CEを含む場合には、当該CBRAの完了後にPUCCHの空間関係の想定を更新してもよい。この場合、基地局は、メッセージ3又はメッセージAがBFR MAC CEを含むか否かに基づいて、これらのメッセージがCBRA BFR用かそれ以外のCBRA用かを識別できる。これにより、基地局とUEの両方でCBRA BFR完了を認識したうえでPUCCH送受信を制御できる。
【0077】
なお、本開示におけるBFR MAC CEは、ビーム障害が検出されたセル(例えば、PCell、PSCell、SCellなど)を識別する情報を含むMAC CEであってもよい。当該MAC CEは、新候補ビーム(候補RS)の情報(例えば、SSBインデックス、CSI-RSインデックス)を含んでもよい。
【0078】
また、本開示における「PUCCH空間関係情報のためのアクティベーションコマンドを当該UEが受信するかPUCCHリソースのためのPUCCH空間関係情報を提供されるまで(until the UE receives an activation command for PUCCH-SpatialRelationInfo or is provided PUCCH-SpatialRelationInfo for PUCCH resource(s))」は、「PUCCHリソースのためのPUCCH空間関係情報を提供される場合にPUCCH空間関係情報のためのアクティベーションコマンドを当該UEが受信するまで(until the UE receives an activation command for PUCCH-SpatialRelationInfo and if PUCCH-SpatialRelationInfo is provided for PUCCH resource(s))」と互いに読み替えられてもよい。
【0079】
なお、TC-RNTIでCRCスクランブルされた、メッセージ4又はメッセージBのスケジュールのためのDCI(PDCCH)をUEが受信する場合、当該UEは、CBRA BFRを実施するアイドルUEであると想定されてもよいし、メッセージ3又はメッセージAにおいてC-RNTIと異なる値(例えばランダム値、新たなTC-RNTIなど)を送信した接続UEであると想定されてもよい。後者について、基地局は、当該接続UEを、C-RNTIを割り当てられていないアイドルUEとしてみなし、メッセージ4又はメッセージBの生成/送信を、上記ランダム値に基づいて制御してもよい。
【0080】
図4は、第1の実施形態におけるCBRA BFR後のPUCCHのための空間関係の更新の一例を示す図である。本例において、UEは、CBRA BFRの完了後の第1のタイミングから第2のタイミングまでの間、PUCCHの新ビームがPRACH(の新ビーム)と同じである(PUCCHの送信に上述の送信条件を利用する)と想定する。
【0081】
図4の当該第1のタイミングは、C-RNTIによってCRCがスクランブルされ、かつ新たな送信のためのULグラントを含むDCIフォーマットをUEが検出した最初のメッセージ4のPDCCH受信の最後のシンボルからXシンボル後であってもよい。
【0082】
図4の当該第2のタイミングは、CBRA BFRを行ったセルについてPUCCH空間関係情報のためのアクティベーションコマンドを受信したタイミングであってもよい。
【0083】
以上説明した第1の実施形態によれば、UEは、CBRA BFRによって回復されたビームを、その後のPUCCHの送信のために適切に利用できる。
【0084】
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、UEは、CBRA BFRの完了後、PDCCHのQCL想定を更新する。
【0085】
第2の実施形態では、BFR後のPDCCHのためのQCL想定の更新は、以下のように行われてもよい:
・PCell又はPSCellについては、成功した競合解決のXシンボル後以降、UEがC-RNTI又はMCS-C-RNTIによってCRCがスクランブルされたDCIフォーマットを検出する場合、当該UEがTCI状態のアクティベーション又はPDCCH用のTCI状態のリストのパラメータ(tci-StatesPDCCH-ToAddList、tci-StatesPDCCH-ToReleaseListなど)を上位レイヤによって受信するまでは、当該UEは、インデックスqnewに関連付けられるのと同じアンテナポートの疑似コロケーションパラメータを、あるCORESETにおけるPDCCHのモニタリング(及び対応するPDSCH受信)のために想定してもよい(For the PCell or the PSCell, after X symbols of successful contention resolution, when a UE detects a DCI format with CRC scrambled by C-RNTI or MCS-C-RNTI, the UE assumes the same antenna port quasi-collocation parameters as the ones associated with index qnew for PDCCH monitoring in a CORESET (and for corresponding PDSCH reception) until the UE receives by higher layers an activation for a TCI state or any of the parameters tci-StatesPDCCH-ToAddList and/or tci-StatesPDCCH-ToReleaseList)、
・PCell又はPSCellについては、成功した競合解決のXシンボル後以降、UEがC-RNTI又はMCS-C-RNTIによってCRCがスクランブルされたDCIフォーマットを検出する場合、当該UEは、インデックスqnewに関連付けられるのと同じアンテナポートの疑似コロケーションパラメータを、controlResourceSetZeroのCORESET(又はインデックスが0のCORESET)におけるPDCCHのモニタリング(及び対応するPDSCH受信)のために想定してもよい(For the PCell or the PSCell, after X symbols of successful contention resolution, when a UE detects a DCI format with CRC scrambled by C-RNTI or MCS-C-RNTI, the UE assumes the same antenna port quasi-collocation parameters as the ones associated with index qnew for PDCCH monitoring in controlResourceSetZero (or in a CORESET with index 0) (and for corresponding PDSCH reception))。
【0086】
ここで、上記の「あるCORESET」は、任意のCORESET、全てのCORESET、特定のCORESET、CORESET#0以外のCORESETの少なくとも1つであってもよい。なお、CORESET#0は、上位レイヤパラメータcontrolResourceSetZeroによって設定されるCORESETであってもよいし、インデックスが0のCORESETを意味してもよい。
【0087】
なお、上記の更新における「UEがC-RNTI又はMCS-C-RNTIによってCRCがスクランブルされたDCIフォーマットを検出する場合、」という条件は、なくてもよい。
【0088】
また、上記Xは、予め仕様によって定められてもよい(例えば、X=28)し、上位レイヤシグナリングなどによって設定されてもよいし、UE能力(例えば、BFRに関するUE能力)に基づいて決定されてもよい。第1の実施形態のXと第2の実施形態のXとは、異なる値であってもよいし、同じ値であってもよい。
【0089】
上述のように、「成功した競合解決のXシンボル後以降」が「CBRAのメッセージ3又はメッセージAがBFR MAC CEを含む場合に、成功した競合解決のXシンボル後以降」で読み替えられる場合、UEは、CBRAのメッセージ3又はメッセージAがBFR MAC CEを含む場合には、当該CBRAの完了後にPDCCHのQCL想定を更新してもよい。この場合、基地局は、メッセージ3又はメッセージAがBFR MAC CEを含むか否かに基づいて、これらのメッセージがCBRA BFR用かそれ以外のCBRA用かを識別できる。これにより、基地局とUEの両方でCBRA BFR完了を認識したうえでPDCCH送受信を制御できる。
【0090】
図5は、第2の実施形態におけるCBRA BFR後のPDCCHのためのQCL想定の更新の一例を示す図である。本例において、UEは、CBRA BFRの完了後の第1のタイミングから第2のタイミングまでの間、CORESET#0以外のCORESETのためのPDCCHの新ビームがPRACH(の新ビーム)と同じである(当該PDCCHに上述のq
newのQCL想定を適用する)と想定する。
【0091】
図5の当該第1のタイミングは、C-RNTIによってCRCがスクランブルされ、かつ新たな送信のためのULグラントを含むDCIフォーマットをUEが検出した最初のメッセージ4のPDCCH受信の最後のシンボルからXシンボル後であってもよい。
【0092】
図5の当該第2のタイミングは、CBRA BFRを行ったセルについてPDCCHのためのTCI状態のアクティベーションコマンドを受信したタイミングであってもよい。
【0093】
また、本例において、UEは、CBRA BFRの完了後の第1のタイミング以降、CORESET#0のためのPDCCHの新ビームがPRACH(の新ビーム)と同じである(当該PDCCHに上述のqnewのQCL想定を適用する)と想定する。本例では、第2のタイミングでUEが受信したのはCORESET#0でないCORESETについてのTCI状態のアクティベーションコマンドであり、当該UEは、第2のタイミング以降も引き続きCORESET#0のためのPDCCHを上述のqnewのQCL想定に基づいて受信してもよい。
【0094】
以上説明した第2の実施形態によれば、UEは、CBRA BFRによって回復されたビームを、その後のPDCCHの受信のために適切に利用できる。
【0095】
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態の内容は、Rel.16 NRにおいて、これまでの物理レイヤのBFR関連の記載と同様にTS 38.213 §6 Link recovery proceduresに導入されてもよいし、別の章(例えば、TS 38.213 §8 Random access procedure)に記載されてもよい。後者の場合、CBRA BFRは当該別の章に記載されると§6に明記されてもよい。
【0096】
なお、上記各実施形態は、RRCで特定のパラメータが設定されたUEに適用されてもよい。当該特定のパラメータは、例えば、Rel.16のBFRを有効にするパラメータであってもよいし、Rel.16のためのQCL又はCBRA BFRのふるまいを設定するためのパラメータ(例えば、”QCL_CBRA-BFR_r16”)であってもよい。
【0097】
なお、上記各実施形態は、特定の能力情報(capability information)を、ネットワークに報告したUEに適用されてもよい。当該能力情報は、例えば、特別セル(Special Cell(SpCell))におけるCBRA BFRのQCL想定に関する能力であってもよい。当該能力情報を報告したUEは、SpCellについてCBRA BFRを実施する場合に、上記少なくとも1つのQCL想定/空間関係の想定を適用してもよい。
【0098】
なお、本開示のPCell/PSCellは、SpCellと互いに読み替えられてもよい。また、当該SpCellは、PCell/PSCell以外のセルを意味してもよい。
【0099】
(無線通信システム)
以下、本開示の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本開示の上記各実施形態に係る無線通信方法のいずれか又はこれらの組み合わせを用いて通信が行われる。
【0100】
図6は、一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1は、Third Generation Partnership Project(3GPP)によって仕様化されるLong Term Evolution(LTE)、5th generation mobile communication system New Radio(5G NR)などを用いて通信を実現するシステムであってもよい。
【0101】
また、無線通信システム1は、複数のRadio Access Technology(RAT)間のデュアルコネクティビティ(マルチRATデュアルコネクティビティ(Multi-RAT Dual Connectivity(MR-DC)))をサポートしてもよい。MR-DCは、LTE(Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA))とNRとのデュアルコネクティビティ(E-UTRA-NR Dual Connectivity(EN-DC))、NRとLTEとのデュアルコネクティビティ(NR-E-UTRA Dual Connectivity(NE-DC))などを含んでもよい。
【0102】
EN-DCでは、LTE(E-UTRA)の基地局(eNB)がマスタノード(Master Node(MN))であり、NRの基地局(gNB)がセカンダリノード(Secondary Node(SN))である。NE-DCでは、NRの基地局(gNB)がMNであり、LTE(E-UTRA)の基地局(eNB)がSNである。
【0103】
無線通信システム1は、同一のRAT内の複数の基地局間のデュアルコネクティビティ(例えば、MN及びSNの双方がNRの基地局(gNB)であるデュアルコネクティビティ(NR-NR Dual Connectivity(NN-DC)))をサポートしてもよい。
【0104】
無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する基地局12(12a-12c)と、を備えてもよい。ユーザ端末20は、少なくとも1つのセル内に位置してもよい。各セル及びユーザ端末20の配置、数などは、図に示す態様に限定されない。以下、基地局11及び12を区別しない場合は、基地局10と総称する。
【0105】
ユーザ端末20は、複数の基地局10のうち、少なくとも1つに接続してもよい。ユーザ端末20は、複数のコンポーネントキャリア(Component Carrier(CC))を用いたキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation(CA))及びデュアルコネクティビティ(DC)の少なくとも一方を利用してもよい。
【0106】
各CCは、第1の周波数帯(Frequency Range 1(FR1))及び第2の周波数帯(Frequency Range 2(FR2))の少なくとも1つに含まれてもよい。マクロセルC1はFR1に含まれてもよいし、スモールセルC2はFR2に含まれてもよい。例えば、FR1は、6GHz以下の周波数帯(サブ6GHz(sub-6GHz))であってもよいし、FR2は、24GHzよりも高い周波数帯(above-24GHz)であってもよい。なお、FR1及びFR2の周波数帯、定義などはこれらに限られず、例えばFR1がFR2よりも高い周波数帯に該当してもよい。
【0107】
また、ユーザ端末20は、各CCにおいて、時分割複信(Time Division Duplex(TDD))及び周波数分割複信(Frequency Division Duplex(FDD))の少なくとも1つを用いて通信を行ってもよい。
【0108】
複数の基地局10は、有線(例えば、Common Public Radio Interface(CPRI)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線(例えば、NR通信)によって接続されてもよい。例えば、基地局11及び12間においてNR通信がバックホールとして利用される場合、上位局に該当する基地局11はIntegrated Access Backhaul(IAB)ドナー、中継局(リレー)に該当する基地局12はIABノードと呼ばれてもよい。
【0109】
基地局10は、他の基地局10を介して、又は直接コアネットワーク30に接続されてもよい。コアネットワーク30は、例えば、Evolved Packet Core(EPC)、5G Core Network(5GCN)、Next Generation Core(NGC)などの少なくとも1つを含んでもよい。
【0110】
ユーザ端末20は、LTE、LTE-A、5Gなどの通信方式の少なくとも1つに対応した端末であってもよい。
【0111】
無線通信システム1においては、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM))ベースの無線アクセス方式が利用されてもよい。例えば、下りリンク(Downlink(DL))及び上りリンク(Uplink(UL))の少なくとも一方において、Cyclic Prefix OFDM(CP-OFDM)、Discrete Fourier Transform Spread OFDM(DFT-s-OFDM)、Orthogonal Frequency Division Multiple Access(OFDMA)、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)などが利用されてもよい。
【0112】
無線アクセス方式は、波形(waveform)と呼ばれてもよい。なお、無線通信システム1においては、UL及びDLの無線アクセス方式には、他の無線アクセス方式(例えば、他のシングルキャリア伝送方式、他のマルチキャリア伝送方式)が用いられてもよい。
【0113】
無線通信システム1では、下りリンクチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel(PDSCH))、ブロードキャストチャネル(Physical Broadcast Channel(PBCH))、下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel(PDCCH))などが用いられてもよい。
【0114】
また、無線通信システム1では、上りリンクチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel(PUSCH))、上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel(PUCCH))、ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel(PRACH))などが用いられてもよい。
【0115】
PDSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報、System Information Block(SIB)などが伝送される。PUSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報などが伝送されてもよい。また、PBCHによって、Master Information Block(MIB)が伝送されてもよい。
【0116】
PDCCHによって、下位レイヤ制御情報が伝送されてもよい。下位レイヤ制御情報は、例えば、PDSCH及びPUSCHの少なくとも一方のスケジューリング情報を含む下り制御情報(Downlink Control Information(DCI))を含んでもよい。
【0117】
なお、PDSCHをスケジューリングするDCIは、DLアサインメント、DL DCIなどと呼ばれてもよいし、PUSCHをスケジューリングするDCIは、ULグラント、UL DCIなどと呼ばれてもよい。なお、PDSCHはDLデータで読み替えられてもよいし、PUSCHはULデータで読み替えられてもよい。
【0118】
PDCCHの検出には、制御リソースセット(COntrol REsource SET(CORESET))及びサーチスペース(search space)が利用されてもよい。CORESETは、DCIをサーチするリソースに対応する。サーチスペースは、PDCCH候補(PDCCH candidates)のサーチ領域及びサーチ方法に対応する。1つのCORESETは、1つ又は複数のサーチスペースに関連付けられてもよい。UEは、サーチスペース設定に基づいて、あるサーチスペースに関連するCORESETをモニタしてもよい。
【0119】
1つのサーチスペースは、1つ又は複数のアグリゲーションレベル(aggregation Level)に該当するPDCCH候補に対応してもよい。1つ又は複数のサーチスペースは、サーチスペースセットと呼ばれてもよい。なお、本開示の「サーチスペース」、「サーチスペースセット」、「サーチスペース設定」、「サーチスペースセット設定」、「CORESET」、「CORESET設定」などは、互いに読み替えられてもよい。
【0120】
PUCCHによって、チャネル状態情報(Channel State Information(CSI))、送達確認情報(例えば、Hybrid Automatic Repeat reQuest ACKnowledgement(HARQ-ACK)、ACK/NACKなどと呼ばれてもよい)及びスケジューリングリクエスト(Scheduling Request(SR))の少なくとも1つを含む上り制御情報(Uplink Control Information(UCI))が伝送されてもよい。PRACHによって、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送されてもよい。
【0121】
なお、本開示において下りリンク、上りリンクなどは「リンク」を付けずに表現されてもよい。また、各種チャネルの先頭に「物理(Physical)」を付けずに表現されてもよい。
【0122】
無線通信システム1では、同期信号(Synchronization Signal(SS))、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal(DL-RS))などが伝送されてもよい。無線通信システム1では、DL-RSとして、セル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal(CRS))、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information Reference Signal(CSI-RS))、復調用参照信号(DeModulation Reference Signal(DMRS))、位置決定参照信号(Positioning Reference Signal(PRS))、位相トラッキング参照信号(Phase Tracking Reference Signal(PTRS))などが伝送されてもよい。
【0123】
同期信号は、例えば、プライマリ同期信号(Primary Synchronization Signal(PSS))及びセカンダリ同期信号(Secondary Synchronization Signal(SSS))の少なくとも1つであってもよい。SS(PSS、SSS)及びPBCH(及びPBCH用のDMRS)を含む信号ブロックは、SS/PBCHブロック、SS Block(SSB)などと呼ばれてもよい。なお、SS、SSBなども、参照信号と呼ばれてもよい。
【0124】
また、無線通信システム1では、上りリンク参照信号(Uplink Reference Signal(UL-RS))として、測定用参照信号(Sounding Reference Signal(SRS))、復調用参照信号(DMRS)などが伝送されてもよい。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。
【0125】
(基地局)
図7は、一実施形態に係る基地局の構成の一例を示す図である。基地局10は、制御部110、送受信部120、送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース(transmission line interface)140を備えている。なお、制御部110、送受信部120及び送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース140は、それぞれ1つ以上が備えられてもよい。
【0126】
なお、本例では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。以下で説明する各部の処理の一部は、省略されてもよい。
【0127】
制御部110は、基地局10全体の制御を実施する。制御部110は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路などから構成することができる。
【0128】
制御部110は、信号の生成、スケジューリング(例えば、リソース割り当て、マッピング)などを制御してもよい。制御部110は、送受信部120、送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース140を用いた送受信、測定などを制御してもよい。制御部110は、信号として送信するデータ、制御情報、系列(sequence)などを生成し、送受信部120に転送してもよい。制御部110は、通信チャネルの呼処理(設定、解放など)、基地局10の状態管理、無線リソースの管理などを行ってもよい。
【0129】
送受信部120は、ベースバンド(baseband)部121、Radio Frequency(RF)部122、測定部123を含んでもよい。ベースバンド部121は、送信処理部1211及び受信処理部1212を含んでもよい。送受信部120は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、RF回路、ベースバンド回路、フィルタ、位相シフタ(phase shifter)、測定回路、送受信回路などから構成することができる。
【0130】
送受信部120は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。当該送信部は、送信処理部1211、RF部122から構成されてもよい。当該受信部は、受信処理部1212、RF部122、測定部123から構成されてもよい。
【0131】
送受信アンテナ130は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアンテナ、例えばアレイアンテナなどから構成することができる。
【0132】
送受信部120は、上述の下りリンクチャネル、同期信号、下りリンク参照信号などを送信してもよい。送受信部120は、上述の上りリンクチャネル、上りリンク参照信号などを受信してもよい。
【0133】
送受信部120は、デジタルビームフォーミング(例えば、プリコーディング)、アナログビームフォーミング(例えば、位相回転)などを用いて、送信ビーム及び受信ビームの少なくとも一方を形成してもよい。
【0134】
送受信部120(送信処理部1211)は、例えば制御部110から取得したデータ、制御情報などに対して、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤの処理、Radio Link Control(RLC)レイヤの処理(例えば、RLC再送制御)、Medium Access Control(MAC)レイヤの処理(例えば、HARQ再送制御)などを行い、送信するビット列を生成してもよい。
【0135】
送受信部120(送信処理部1211)は、送信するビット列に対して、チャネル符号化(誤り訂正符号化を含んでもよい)、変調、マッピング、フィルタ処理、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform(DFT))処理(必要に応じて)、逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform(IFFT))処理、プリコーディング、デジタル-アナログ変換などの送信処理を行い、ベースバンド信号を出力してもよい。
【0136】
送受信部120(RF部122)は、ベースバンド信号に対して、無線周波数帯への変調、フィルタ処理、増幅などを行い、無線周波数帯の信号を、送受信アンテナ130を介して送信してもよい。
【0137】
一方、送受信部120(RF部122)は、送受信アンテナ130によって受信された無線周波数帯の信号に対して、増幅、フィルタ処理、ベースバンド信号への復調などを行ってもよい。
【0138】
送受信部120(受信処理部1212)は、取得されたベースバンド信号に対して、アナログ-デジタル変換、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform(FFT))処理、逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform(IDFT))処理(必要に応じて)、フィルタ処理、デマッピング、復調、復号(誤り訂正復号を含んでもよい)、MACレイヤ処理、RLCレイヤの処理及びPDCPレイヤの処理などの受信処理を適用し、ユーザデータなどを取得してもよい。
【0139】
送受信部120(測定部123)は、受信した信号に関する測定を実施してもよい。例えば、測定部123は、受信した信号に基づいて、Radio Resource Management(RRM)測定、Channel State Information(CSI)測定などを行ってもよい。測定部123は、受信電力(例えば、Reference Signal Received Power(RSRP))、受信品質(例えば、Reference Signal Received Quality(RSRQ)、Signal to Interference plus Noise Ratio(SINR)、Signal to Noise Ratio(SNR))、信号強度(例えば、Received Signal Strength Indicator(RSSI))、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部110に出力されてもよい。
【0140】
伝送路インターフェース140は、コアネットワーク30に含まれる装置、他の基地局10などとの間で信号を送受信(バックホールシグナリング)し、ユーザ端末20のためのユーザデータ(ユーザプレーンデータ)、制御プレーンデータなどを取得、伝送などしてもよい。
【0141】
なお、本開示における基地局10の送信部及び受信部は、送受信部120、送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース140の少なくとも1つによって構成されてもよい。
【0142】
なお、送受信部120は、ビーム障害が検出された場合にユーザ端末20から送信されるランダムアクセスプリアンブル(メッセージ1又はメッセージA)を、あるセル(例えば、SpCell)において受信してもよい。
【0143】
制御部110は、前記ランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセス手順(例えば、CBRA)において競合解決が成功したタイミングから所定の期間(例えば、Xシンボル)後以降であって、上りリンク制御チャネルの空間関係情報に関する特定の情報を前記ユーザ端末20が受信するまでの間、前記ユーザ端末20が、前記セルにおいて最後に送信したランダムアクセスプリアンブルと同じ空間フィルタを上りリンク制御チャネル(PUCCH)に適用すると想定してもよい。
【0144】
ここで、上りリンク制御チャネルの空間関係情報に関する特定の情報は、例えば、PUCCH空間関係情報のためのアクティベーションコマンド、PUCCHリソースのためのPUCCH空間関係情報の上位レイヤパラメータ(PUCCH-SpatialRelationInfo)などの、少なくとも1つであってもよい。
【0145】
制御部110は、前記ランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセス手順(例えば、CBRA)において競合解決が成功したタイミングから所定の期間(例えば、Xシンボル)後以降であって、下りリンク制御チャネルのTransmission Configuration Indication state(TCI状態)に関する特定の情報を前記端末が受信するまでの間、前記ユーザ端末20が、前記ランダムアクセスプリアンブルに対応する参照信号のインデックス(qnew)に関連付けられるのと同じアンテナポートの疑似コロケーションパラメータを、ある制御リソースセット(CORESET)における下りリンク制御チャネル(PDCCH)のモニタリングのために利用すると想定してもよい。
【0146】
ここで、下りリンク制御チャネルのTCI状態に関する特定の情報は、例えば、TCI状態のアクティベーション又はPDCCH用のTCI状態のリストの上位レイヤパラメータ(リストにTCI状態を追加する用のtci-StatesPDCCH-ToAddList、リストからTCI状態を削除する用のtci-StatesPDCCH-ToReleaseList)などの、少なくとも1つであってもよい。
【0147】
(ユーザ端末)
図8は、一実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、制御部210、送受信部220及び送受信アンテナ230を備えている。なお、制御部210、送受信部220及び送受信アンテナ230は、それぞれ1つ以上が備えられてもよい。
【0148】
なお、本例では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。以下で説明する各部の処理の一部は、省略されてもよい。
【0149】
制御部210は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部210は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路などから構成することができる。
【0150】
制御部210は、信号の生成、マッピングなどを制御してもよい。制御部210は、送受信部220及び送受信アンテナ230を用いた送受信、測定などを制御してもよい。制御部210は、信号として送信するデータ、制御情報、系列などを生成し、送受信部220に転送してもよい。
【0151】
送受信部220は、ベースバンド部221、RF部222、測定部223を含んでもよい。ベースバンド部221は、送信処理部2211、受信処理部2212を含んでもよい。送受信部220は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、RF回路、ベースバンド回路、フィルタ、位相シフタ、測定回路、送受信回路などから構成することができる。
【0152】
送受信部220は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。当該送信部は、送信処理部2211、RF部222から構成されてもよい。当該受信部は、受信処理部2212、RF部222、測定部223から構成されてもよい。
【0153】
送受信アンテナ230は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアンテナ、例えばアレイアンテナなどから構成することができる。
【0154】
送受信部220は、上述の下りリンクチャネル、同期信号、下りリンク参照信号などを受信してもよい。送受信部220は、上述の上りリンクチャネル、上りリンク参照信号などを送信してもよい。
【0155】
送受信部220は、デジタルビームフォーミング(例えば、プリコーディング)、アナログビームフォーミング(例えば、位相回転)などを用いて、送信ビーム及び受信ビームの少なくとも一方を形成してもよい。
【0156】
送受信部220(送信処理部2211)は、例えば制御部210から取得したデータ、制御情報などに対して、PDCPレイヤの処理、RLCレイヤの処理(例えば、RLC再送制御)、MACレイヤの処理(例えば、HARQ再送制御)などを行い、送信するビット列を生成してもよい。
【0157】
送受信部220(送信処理部2211)は、送信するビット列に対して、チャネル符号化(誤り訂正符号化を含んでもよい)、変調、マッピング、フィルタ処理、DFT処理(必要に応じて)、IFFT処理、プリコーディング、デジタル-アナログ変換などの送信処理を行い、ベースバンド信号を出力してもよい。
【0158】
なお、DFT処理を適用するか否かは、トランスフォームプリコーディングの設定に基づいてもよい。送受信部220(送信処理部2211)は、あるチャネル(例えば、PUSCH)について、トランスフォームプリコーディングが有効(enabled)である場合、当該チャネルをDFT-s-OFDM波形を用いて送信するために上記送信処理としてDFT処理を行ってもよいし、そうでない場合、上記送信処理としてDFT処理を行わなくてもよい。
【0159】
送受信部220(RF部222)は、ベースバンド信号に対して、無線周波数帯への変調、フィルタ処理、増幅などを行い、無線周波数帯の信号を、送受信アンテナ230を介して送信してもよい。
【0160】
一方、送受信部220(RF部222)は、送受信アンテナ230によって受信された無線周波数帯の信号に対して、増幅、フィルタ処理、ベースバンド信号への復調などを行ってもよい。
【0161】
送受信部220(受信処理部2212)は、取得されたベースバンド信号に対して、アナログ-デジタル変換、FFT処理、IDFT処理(必要に応じて)、フィルタ処理、デマッピング、復調、復号(誤り訂正復号を含んでもよい)、MACレイヤ処理、RLCレイヤの処理及びPDCPレイヤの処理などの受信処理を適用し、ユーザデータなどを取得してもよい。
【0162】
送受信部220(測定部223)は、受信した信号に関する測定を実施してもよい。例えば、測定部223は、受信した信号に基づいて、RRM測定、CSI測定などを行ってもよい。測定部223は、受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ、SINR、SNR)、信号強度(例えば、RSSI)、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部210に出力されてもよい。
【0163】
なお、本開示におけるユーザ端末20の送信部及び受信部は、送受信部220、送受信アンテナ230及び伝送路インターフェース240の少なくとも1つによって構成されてもよい。
【0164】
なお、送受信部220は、ビーム障害が検出された場合に、ランダムアクセスプリアンブル(メッセージ1又はメッセージA)を、あるセル(例えば、SpCell)において送信してもよい。
【0165】
制御部210は、前記ランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセス手順(例えば、CBRA)において競合解決が成功したタイミングから所定の期間(例えば、Xシンボル)後以降であって、上りリンク制御チャネルの空間関係情報に関する特定の情報を受信するまでの間、前記セルにおいて最後に送信したランダムアクセスプリアンブルと同じ空間フィルタを上りリンク制御チャネル(PUCCH)に適用してもよい。
【0166】
ここで、上りリンク制御チャネルの空間関係情報に関する特定の情報は、例えば、PUCCH空間関係情報のためのアクティベーションコマンド、PUCCHリソースのためのPUCCH空間関係情報の上位レイヤパラメータ(PUCCH-SpatialRelationInfo)などの、少なくとも1つであってもよい。
【0167】
制御部210は、セル-無線ネットワーク一時識別子(Cell Radio Network Temporary Identifier(C-RNTI))によってスクランブルされた巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check(CRC))を有し、新たな送信のための上りリンクグラント(ULグラント)を含む下りリンク制御情報フォーマット(DCIフォーマット)を検出した最初の(メッセージ4又はメッセージBの)下りリンク制御チャネル受信の最後のシンボルが、前記タイミングであると想定してもよい。
【0168】
制御部210は、前記ランダムアクセス手順においてビーム障害回復用Medium Access Control Control Element(MAC CE)(BFR MAC CE)が送信される(例えば、メッセージ3又はメッセージAに含まれて送信される)場合に、前記タイミングから前記所定の期間後以降であって、前記特定の情報を受信するまでの間、前記セルにおいて最後に送信したランダムアクセスプリアンブルと同じ空間フィルタを上りリンク制御チャネルに適用してもよい。
【0169】
制御部210は、前記ランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセス手順(例えば、CBRA)において競合解決が成功したタイミングから所定の期間(例えば、Xシンボル)後以降であって、下りリンク制御チャネルのTransmission Configuration Indication state(TCI状態)に関する特定の情報を前記端末が受信するまでの間、前記ランダムアクセスプリアンブル(PRACH)に対応する参照信号のインデックス(qnew)に関連付けられるのと同じアンテナポートの疑似コロケーションパラメータを、ある制御リソースセット(CORESET)における下りリンク制御チャネル(PDCCH)のモニタリングのために想定してもよい。
【0170】
ここで、下りリンク制御チャネルのTCI状態に関する特定の情報は、例えば、TCI状態のアクティベーション又はPDCCH用のTCI状態のリストの上位レイヤパラメータ(リストにTCI状態を追加する用のtci-StatesPDCCH-ToAddList、リストからTCI状態を削除する用のtci-StatesPDCCH-ToReleaseList)などの、少なくとも1つであってもよい。
【0171】
制御部210は、セル-無線ネットワーク一時識別子(Cell Radio Network Temporary Identifier(C-RNTI))によってスクランブルされた巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check(CRC))を有し、新たな送信のための上りリンクグラントを含む下りリンク制御情報フォーマットを検出した最初の(メッセージ4又はメッセージBの)下りリンク制御チャネル受信の最後のシンボルが、前記タイミングであると想定してもよい。
【0172】
制御部210は、前記ランダムアクセス手順においてBFR MAC CEが送信される場合に、前記タイミングから前記所定の期間後以降であって、前記特定の情報を受信するまでの間、前記ランダムアクセスプリアンブルに対応する参照信号のインデックスに関連付けられるのと同じアンテナポートの疑似コロケーションパラメータを、前記ある制御リソースセットにおける下りリンク制御チャネルのモニタリングのために想定してもよい。
【0173】
なお、前記ある制御リソースセットは、制御リソースセット#0以外の制御リソースセットであってもよいし、制御リソースセット#0であってもよい。
【0174】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0175】
ここで、機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、みなし、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)、送信機(transmitter)などと呼称されてもよい。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0176】
例えば、本開示の一実施形態における基地局、ユーザ端末などは、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図9は、一実施形態に係る基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0177】
なお、本開示において、装置、回路、デバイス、部(section)、ユニットなどの文言は、互いに読み替えることができる。基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0178】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、2以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0179】
基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004を介する通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0180】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(Central Processing Unit(CPU))によって構成されてもよい。例えば、上述の制御部110(210)、送受信部120(220)などの少なくとも一部は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0181】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、制御部110(210)は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0182】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically EPROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0183】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(Compact Disc ROM(CD-ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0184】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex(FDD))及び時分割複信(Time Division Duplex(TDD))の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信部120(220)、送受信アンテナ130(230)などは、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部120(220)は、送信部120a(220a)と受信部120b(220b)とで、物理的に又は論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0185】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、Light Emitting Diode(LED)ランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0186】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0187】
また、基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor(DSP))、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアを用いて各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0188】
(変形例)
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル、シンボル及び信号(シグナル又はシグナリング)は、互いに読み替えられてもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号(reference signal)は、RSと略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier(CC))は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
【0189】
無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)によって構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0190】
ここで、ニューメロロジーは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SubCarrier Spacing(SCS))、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(Transmission Time Interval(TTI))、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0191】
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM)シンボル、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)シンボルなど)によって構成されてもよい。また、スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0192】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0193】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。なお、本開示におけるフレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット、シンボルなどの時間単位は、互いに読み替えられてもよい。
【0194】
例えば、1サブフレームはTTIと呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0195】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0196】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0197】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0198】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(3GPP Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0199】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0200】
リソースブロック(Resource Block(RB))は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
【0201】
また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックによって構成されてもよい。
【0202】
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(Physical RB(PRB))、サブキャリアグループ(Sub-Carrier Group(SCG))、リソースエレメントグループ(Resource Element Group(REG))、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0203】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(Resource Element(RE))によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0204】
帯域幅部分(Bandwidth Part(BWP))(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0205】
BWPには、UL BWP(UL用のBWP)と、DL BWP(DL用のBWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
【0206】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0207】
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix(CP))長などの構成は、様々に変更することができる。
【0208】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。
【0209】
本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本開示において明示的に開示したものと異なってもよい。様々なチャネル(PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0210】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0211】
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ及び下位レイヤから上位レイヤの少なくとも一方へ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0212】
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0213】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、本開示における情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(Downlink Control Information(DCI))、上り制御情報(Uplink Control Information(UCI)))、上位レイヤシグナリング(例えば、Radio Resource Control(RRC)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(Master Information Block(MIB))、システム情報ブロック(System Information Block(SIB))など)、Medium Access Control(MAC)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0214】
なお、物理レイヤシグナリングは、Layer 1/Layer 2(L1/L2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC Control Element(CE))を用いて通知されてもよい。
【0215】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0216】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0217】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0218】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line(DSL))など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0219】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用され得る。「ネットワーク」は、ネットワークに含まれる装置(例えば、基地局)のことを意味してもよい。
【0220】
本開示において、「プリコーディング」、「プリコーダ」、「ウェイト(プリコーディングウェイト)」、「擬似コロケーション(Quasi-Co-Location(QCL))」、「Transmission Configuration Indication state(TCI状態)」、「空間関係(spatial relation)」、「空間ドメインフィルタ(spatial domain filter)」、「送信電力」、「位相回転」、「アンテナポート」、「アンテナポートグル-プ」、「レイヤ」、「レイヤ数」、「ランク」、「リソース」、「リソースセット」、「リソースグループ」、「ビーム」、「ビーム幅」、「ビーム角度」、「アンテナ」、「アンテナ素子」、「パネル」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0221】
本開示においては、「基地局(Base Station(BS))」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNB(eNodeB)」、「gNB(gNodeB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(Transmission Point(TP))」、「受信ポイント(Reception Point(RP))」、「送受信ポイント(Transmission/Reception Point(TRP))」、「パネル」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0222】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head(RRH)))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0223】
本開示においては、「移動局(Mobile Station(MS))」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment(UE))」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0224】
移動局は、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0225】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、無線通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
【0226】
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」、「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0227】
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を基地局10が有する構成としてもよい。
【0228】
本開示において、基地局によって行われるとした動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)を含むネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、Mobility Management Entity(MME)、Serving-Gateway(S-GW)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
【0229】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0230】
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、LTE-Beyond(LTE-B)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、6th generation mobile communication system(6G)、xth generation mobile communication system(xG)(xG(xは、例えば整数、小数))、Future Radio Access(FRA)、New-Radio Access Technology(RAT)、New Radio(NR)、New radio access(NX)、Future generation radio access(FX)、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム、これらに基づいて拡張された次世代システムなどに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE又はLTE-Aと、5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0231】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0232】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0233】
本開示において使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0234】
また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0235】
また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0236】
また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0237】
本開示に記載の「最大送信電力」は送信電力の最大値を意味してもよいし、公称最大送信電力(the nominal UE maximum transmit power)を意味してもよいし、定格最大送信電力(the rated UE maximum transmit power)を意味してもよい。
【0238】
本開示において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。
【0239】
本開示において、2つの要素が接続される場合、1つ以上の電線、ケーブル、プリント電気接続などを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域、光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0240】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0241】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0242】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0243】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。