(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】触媒および触媒組成物の調製プロセス
(51)【国際特許分類】
C08F 4/02 20060101AFI20241029BHJP
C08F 4/6592 20060101ALI20241029BHJP
C08F 10/00 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
C08F4/02
C08F4/6592
C08F10/00 510
(21)【出願番号】P 2022544670
(86)(22)【出願日】2020-01-27
(86)【国際出願番号】 US2020015217
(87)【国際公開番号】W WO2021154204
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】514104885
【氏名又は名称】フォルモサ プラスティクス コーポレイション, ユーエスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン,マイケル ディー.
(72)【発明者】
【氏名】チュン,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ダオヨン
(72)【発明者】
【氏名】シー,ウェイ-チュン
(72)【発明者】
【氏名】スー,グアンシュエ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チー-ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン セカンド,チャールズ アール.
(72)【発明者】
【氏名】コーウェン,メリー ルー
【審査官】松元 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-111613(JP,A)
【文献】特表2018-520225(JP,A)
【文献】特表2018-520078(JP,A)
【文献】特表2004-537398(JP,A)
【文献】S VREYSEN et al.,“Influence of pH on the aluminum speciation in freeze-dried poly(hydroxo aluminum) intercalated bentonites”,Applied Clay Science,2006年08月,Vol. 33, No. 3-4,p.260-268,DOI: doi:10.1016/j.clay.2006.05.006
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 4/00 - 4/82
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離されたスメクタイトヘテロ付加物を含む支持体活性化剤であって、前記スメクタイトヘテロ付加物が、[1]コロイド状スメクタイト粘土
と、[2]少なくとも1つのカチオン性ポリメタレート(polymetallate)
であり、かつ電気運動音波振幅(ESA)効果から定量化される、ゼータ電位
を正(+)25mV(ミリボルト)
~負(-)25mVの範囲に有する前記スメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と、の液体担体中での接触生成物を含む、支持体活性化剤。
【請求項2】
前記スメクタイト粘土が、モンモリロナイト、ソーコナイト(sauconite)、ノントロナイト、ヘクトライト、バイデライト、サポナイト、ベントナイト、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の支持体活性化剤。
【請求項3】
前記カチオン性ポリメタレートが、ポリアルミニウムクロライド、アルミニウムクロルハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、もしくはポリアルミニウムオキシヒドロキシクロライド、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるカチオン性ポリアルミネート(polyaluminate)を含む、請求項1に記載の支持体活性化剤。
【請求項4】
前記カチオン性ポリメタレートが、ポリアルミニウムクロライド、アルミニウムクロルハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ポリアルミニウムオキシヒドロキシクロライド、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるカチオン性ポリアルミネートを含み、前記カチオン性ポリアルミネート中のアルミニウム(Al)のミリモル(mmol)とコロイド状スメクタイト粘土のグラム(g)との比が
、0.2mmol Al/g粘土
~2.5mmol Al/g粘土の範囲にある、請求項1に記載の支持体活性化剤。
【請求項5】
前記カチオン性ポリメタレートが、正(+)20mV(ミリボルト)超のゼータ電位を有する化学処理された第1の金属酸化物のコロイド懸濁液を提供するのに十分な量で、第2の金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属オキシハロゲン化物、またはそれらの組み合わせで前記化学処理される第1の金属酸化物を含む、請求項1に記載の支持体活性化剤。
【請求項6】
前記カチオン性ポリメタレートが、ポリアルミニウムクロライド、アルミニウムクロルハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ポリアルミニウムオキシヒドロキシクロライド、またはそれらの任意の組み合わせで化学処理される、ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、ヒュームドシリカアルミナ、ヒュームドマグネシア、ヒュームド酸化亜鉛、ヒュームドチタニア、ヒュームドジルコニア、ヒュームドセリア、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の支持体活性化剤。
【請求項7】
前記スメクタイトヘテロ付加物の前記スラリーが、前記スラリーの濃度
が1重量%
~10重量%の固体の範囲にあるとき(Eutech PCSTestr 35を使用して測定した場合)、2mS/cm~10μS/cmの範囲の導電性を特徴とし、前記単離されたスメクタイトヘテロ付加物が焼成される、請求項1に記載の支持体活性化剤。
【請求項8】
前
記スメクタイトヘテロ付加物が、
焼成されており、0.2cc/g
~3.0cc/gの範囲のBJH多孔性および3~30nmの細孔の合計累積孔体積(V
3-30nm)の55%未満である(窒素吸脱着等温線データのBJH解析により測定した場合)、直径3~10nmの細孔の合計累積孔体積(V
3-10nm)を示す、請求項1に記載の支持体活性化剤。
【請求項9】
前記コロイド状スメクタイト粘土および前記ヘテロ凝固試薬が、ゼータ電位
を正(+)20mV(ミリボルト)
~負(-)20mVの範囲に有する前記スメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量で接触する、請求項1に記載の支持体活性化剤。
【請求項10】
前記コロイド状スメクタイト粘土および前記ヘテロ凝固試薬が、ゼータ電位
を正(+)15mV(ミリボルト)
~負(-)15mVの範囲に有する前記スメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量で接触する、請求項1に記載の支持体活性化剤。
【請求項11】
前記スメクタイトヘテロ付加物が、限外濾過、遠心分離、または沈降タンクを使用せずに濾過によって前記スラリーから単離され、前記単離されたスメクタイトヘテロ付加物が、[1]任意選択で水で洗浄され、[2]乾燥および/または焼成される、請求項1に記載の支持体活性化剤。
【請求項12】
前記スメクタイトヘテロ付加物
のスラリーを提供することが、以下の濾過挙動:
(a)接触工程b)の後、0時間~2時間の時間内に、2.0重量%の前記スメクタイトヘテロ付加物の水性スラリーを濾過する場合、前記スメクタイトヘテロ付加物
のスラリー中の前記液体担体の重量に基づいて、真空濾過または重力濾過のいずれかを使用して10分間の濾過時間で得られた濾液の割合が、濾過前の前記スラリー中の前記液体担体
の50重量%
~100重量%の範囲内にあることと、
(b)前記
スメクタイトヘテロ付加物
のスラリーからの前記濾液が、蒸発した場合、粘土およびヘテロ凝固剤の初期合計重量の20%未満を構成する固体を得ることと、を特徴とする、請求項1に記載の支持体活性化剤。
【請求項13】
オレフィン重合のための触媒組成物であって、
a)少なくとも1つのメタロセン化合物と、
b)任意選択で、少なくとも1つの共触媒と、
c)焼成スメクタイトヘテロ付加物を含む少なくとも1つの支持活性剤であって、前記
焼成スメクタイトヘテロ付加物が、[1]コロイド状スメクタイト粘土と、[2]液体担体中
の少なくとも1つのカチオン性ポリメタレート
であり、か
つ電気運動音波振幅(ESA)効果から定量化される、ゼータ電位
を正(+)25mV(ミリボルト)
~負(-)25mVの範囲に有する前記
焼成スメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と、
の接触生成物を含む、少なくとも1つの支持活性剤と、を含む、触媒組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1つのメタロセン化合物が、以下の式:
(X
1)(X
2)(X
3)(X
4)M(式中、
a)Mが、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムから選択され、
b)X
1が、置換または非置換シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、ペンタジエニル、アリル、ボラタベンゼニル、1,2-アザボロリル、または1,2-ジアザ-3,5-ジボロリルから選択され、任意の置換基が、ハロゲン化物、C
1-C
20ヒドロカルビル、C
1-C
20ヘテロヒドロカルビル、C
1-C
20オルガノヘテリル、縮合C
4-C
12炭素環式部分、または窒素、酸素、硫黄、もしくはリンから独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する縮合C
4-C
11複素環式部分から独立して選択され、
c)X
2が、[1]置換または非置換シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、ペンタジエニル、またはアリルから選択され、任意の置換基が、ハロゲン化物、C
1-C
20ヒドロカルビル、C
1-C
20ヘテロヒドロカルビル、またはC
1-C
20オルガノヘテリルから独立して選択されるか、あるいは[2]ハロゲン化物、水素化物、C
1-C
20ヒドロカルビル、C
1-C
20ヘテロヒドロカルビル、C
1-C
20オルガノヘテリル、縮合C
4-C
12炭素環式部分、または窒素、酸素、硫黄、もしくはリンから独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する縮合C
4-C
11複素環式部分、から独立して選択され、
d)X
1およびX
2が、任意選択で、C、Si、N、P、またはBから独立して選択される2~4個の架橋原子を有する少なくとも1つのリンカー置換基によって架橋され、各架橋原子の各利用可能な非架橋価が、非置換(Hに結合)または置換され、任意の置換基が、ハロゲン化物、C
1-C
20ヒドロカルビル、C
1-C
20ヘテロヒドロカルビル、またはC
1-C
20オルガノヘテリルから独立して選択され、任意のヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、またはオルガノヘテリル置換基が、架橋原子と、またはX
1もしくはX
2と、飽和または不飽和環状構造を形成することができ、
e)[1]X
3およびX
4が、ハロゲン化物、水素化物、C
1-C
20ヒドロカルビル、C
1-C
20ヘテロヒドロカルビル、またはC
1-C
20オルガノヘテリルから独立して選択され、[2][GX
A
kX
B
4-k]
-(式中、Gが、BまたはAlであり、kが、1~4の数値であり、各出現におけるX
Aが、Hまたはハロゲン化物から独立して選択され、各出現におけるX
Bが、C
1-C
12ヒドロカルビル、C
1-C
12ヘテロヒドロカルビル、C
1-C
12オルガノヘテリルから独立して選択される)であり、[3]X
3およびX
4が、一緒にC
4-C
20ポリエンであるか、あるいは[4]X
3およびX
4がMと一緒に非置換または非置換、飽和または不飽和C
3-C
6メタラサイクル部分を形成し、前記メタラサイクル部分上の任意の置換基が、ハロゲン化物、C
1-C
20ヒドロカルビル、C
1-C
20ヘテロヒドロカルビル、またはC
1-C
20オルガノヘテリルから独立して選択される)を有する、請求項13に記載の触媒組成物。
【請求項15】
X
1およびX
2が、
a)>EX
5
2、-EX
5
2EX
5
2-、-EX
5
2EX
5EX
5
2-、もしくは>C=CX
5
2(式中、各出現におけるEが、CまたはSiから独立して選択される)、
b)-BX
5-、-NX
5-、もしくは-PX
5、または
c)[-SiX
5
2(1,2-C
6H
4)SiX
5
2-]、[-CX
5
2(1,2-C
6H
4)CX
5
2-]、[-SiX
5
2(1,2-C
6H
4)CX
5
2-]、
[-SiX
5
2(1,2-C
2H
2)SiX
5
2-]、[-CX
5
2(1,2-C
6H
4)CX
5
2-]、もしくは[-SiX
5
2(1,2-C
6H
4)CX
5
2-]
(式中、各出現におけるX
5が、H、ハロゲン化物、C
1-C
20ヒドロカルビル、C
1-C
20ヘテロヒドロカルビル、またはC
1-C
20オルガノヘテリルから独立して選択され、
ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、またはオルガノヘテリル置換基から選択される任意のX
5置換基が、架橋原子、別のX
5置換基、X
1、またはX
2と、飽和または不飽和環状構造を形成することができる)から選択されるリンカー置換基によって架橋される、請求項13に記載の触媒組成物。
【請求項16】
前記共触媒が、アルキル化剤、水素化剤、またはシリル化剤を含む、請求項13に記載の触媒組成物。
【請求項17】
前記共触媒が、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物、有機亜鉛化合物、有機マグネシウム化合物、有機リチウム化合物、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項13に記載の触媒組成物。
【請求項18】
重合条件下で少なくとも1つのオレフィンモノマーおよび触媒組成物を接触させて、ポリオレフィンを形成することを含む、オレフィンの重合プロセスであって、前記触媒組成物が、
a)少なくとも1つのメタロセン化合物と、
b)任意選択で、少なくとも1つの共触媒と、
c)焼成スメクタイトヘテロ付加物を含む少なくとも1つの支持活性剤であって、前記
焼成スメクタイトヘテロ付加物が、[1]コロイド状スメクタイト粘土と、[2]液体担体中
の少なくとも1つのカチオン性ポリメタレート
であり、か
つ電気運動音波振幅(ESA)効果から定量化される、ゼータ電位
を正25(+)mV(ミリボルト)
~負(-)25mVの範囲に有する前記
焼成スメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と、
の接触生成物を含む、少なくとも1つの支持活性剤と、を含む、
オレフィンの重合プロセス。
【請求項19】
前記少なくとも1つのオレフィンモノマーが、[a]エチレンもしくはプロピレン、または[b]プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、2-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1,3-ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,4-ペンタジエン、1,7-ヘキサジエン、ビニルシクロヘキサン、もしくはそれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1つのコモノマーと組み合わされたエチレン、から選択される、請求項18に記載のオレフィンの重合プロセス。
【請求項20】
前記
重合プロセスが、気相反応器、スラリーループ、直列の二重スラリーループ、直列の複数のスラリータンク、気相反応器と組み合わせたスラリーループ、バッチプロセスにおける連続撹拌反応器、またはこれらの組み合わせにおける重合を含む、請求項18に記載のオレフィンの重合プロセス。
【請求項21】
支持体活性化剤の製造方法であって、前記方法が、
a)コロイド状スメクタイト粘土を提供することと、
b)前記コロイド状スメクタイト粘土を、少なくとも1つのカチオン性ポリメタレート
であり、か
つ電気運動音波振幅(ESA)効果から定量化される、ゼータ電位
を正(+)25mV(ミリボルト)
~負(-)25mVの範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と液体担体中で接触させることと、
c)前記スメクタイトヘテロ付加物を前記スラリーから単離することと、を含む、方法。
【請求項22】
前記コロイド状スメクタイト粘土および前記ヘテロ凝固試薬が、ゼータ電位
を正(+)20mV(ミリボルト)
~負(-)20mVの範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量で接触する、請求項21に記載の支持体活性化剤の製造方法。
【請求項23】
前記コロイド状スメクタイト粘土および前記ヘテロ凝固試薬が、ゼータ電位
を正(+)15mV(ミリボルト)
~負(-)15mVの範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量で接触する、請求項21に記載の支持体活性化剤の製造方法。
【請求項24】
前記液体担体が、水、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の支持体活性化剤。
【請求項25】
前記液体担体が、界面活性剤を含む、請求項1に記載の支持体活性化剤。
【請求項26】
前記液体担体が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載の支持体活性化剤。
【請求項27】
前記アニオン性界面活性剤が、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩、ジアルキルスルホカルボン酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸エステル、脂肪酸アルカリ金属塩、ポリカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、またはアルキルナフタレンスルホン酸塩から選ばれるものであり、特に指定がない限り、各塩がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、またはヒドロカルビルアンモニウムから選ばれるカチオンを含む、請求項26に記載の支持体活性化剤。
【請求項28】
前記カチオン性界面活性剤が、一級アミン、二級アミン、または三級アミン、もしくは一級アンモニウム化合物、二級アンモニウム化合物、三級アンモニウム化合物、または四級アンモニウム化合物から選ばれる、請求項26に記載の支持体活性化剤。
【請求項29】
前記非イオン性界面活性剤が、エトキシレート、グリコールエーテル、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、またはそれらの組み合わせから選ばれる、請求項26に記載の支持体活性化剤。
【請求項30】
前記液体担体が、水、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項13に記載の触媒組成物。
【請求項31】
前記液体担体が、界面活性剤を含む、請求項13に記載の触媒組成物。
【請求項32】
前記液体担体が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤を含む、請求項13に記載の触媒組成物。
【請求項33】
前記アニオン性界面活性剤が、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩、ジアルキルスルホカルボン酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸エステル、脂肪酸アルカリ金属塩、ポリカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、またはアルキルナフタレンスルホン酸塩から選ばれるものであり、特に指定がない限り、各塩がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、またはヒドロカルビルアンモニウムから選ばれるカチオンを含む、請求項32に記載の触媒組成物。
【請求項34】
前記カチオン性界面活性剤が、一級アミン、二級アミン、または三級アミン、もしくは一級アンモニウム化合物、二級アンモニウム化合物、三級アンモニウム化合物、または四級アンモニウム化合物から選ばれる、請求項32に記載の触媒組成物。
【請求項35】
前記非イオン性界面活性剤が、エトキシレート、グリコールエーテル、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、またはそれらの組み合わせから選ばれる、請求項32に記載の触媒組成物。
【請求項36】
前記液体担体が、水、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項18に記載のオレフィンの重合プロセス。
【請求項37】
前記液体担体が、界面活性剤を含む、請求項18に記載のオレフィンの重合プロセス。
【請求項38】
前記液体担体が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤を含む、請求項18に記載のオレフィンの重合プロセス。
【請求項39】
前記アニオン性界面活性剤が、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩、ジアルキルスルホカルボン酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸エステル、脂肪酸アルカリ金属塩、多価カルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、またはアルキルナフタレンスルホン酸塩から選ばれるものであり、特に指定がない限り、各塩がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、またはヒドロカルビルアンモニウムから選ばれるカチオンを含む、請求項38に記載のオレフィンの重合プロセス。
【請求項40】
前記カチオン性界面活性剤が、、一級アミン、二級アミン、または三級アミン、もしくは一級アンモニウム化合物、二級アンモニウム化合物、三級アンモニウム化合物、または四級アンモニウム化合物から選ばれる、請求項38に記載のオレフィンの重合プロセス。
【請求項41】
前記非イオン性界面活性剤が、エトキシレート、グリコールエーテル、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、またはそれらの組み合わせから選ばれる、請求項38に記載のオレフィンの重合プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
なし
【0002】
本開示は、ポリエチレンを製造するための支持体活性化剤を含む触媒組成物ならびにそれらを調製および使用するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
メチルアルミノキサン(MAO)およびアリールボランなどの化合物は、オレフィンの重合のためのメタロセン触媒活性剤または共触媒として一般的に使用される。ポリオレフィン樹脂の工業規模の製造は、溶液相条件というよりむしろ気相またはスラリー反応器プラットフォームを使用することができるため、これらの重合系には不均質な触媒システムが使用される。これらの不均質重合触媒の調製および使用は、複雑かつ高価であり得る。例えば、シリカまたはアルミナなどの無機金属酸化物支持体を触媒で処理する場合、MAOおよびアリールボランなどの共触媒または活性化剤のさらなる使用が必要とされることが多く、これは時間がかかり、高価であり得る。MAOおよびアリールボラン自体の合成は、原子効率が悪く、複数の工程および不活性条件を必要とし、そのような活性化剤の使用コストを増加させる可能性がある。
【0004】
アルミノキサン、アリールボラン、および他の高価な活性化剤または共触媒の高コストを削減しようと試みるために、様々な支持体活性化剤が調査されている。例えば、McDaniel et al.の米国特許第6,107,230号および同第9,670,296号は、メタロセン重合活性を提供するための支持体および共触媒の両方として非晶質アルミナおよびシリカ-アルミナの誘導体の利用について取り組む。McDaniel et al.の米国特許第6,632,894号および同第7,041,753号もまた、メタロセンの支持体活性化剤としての役割を果たすことができるが、それ自体の製造にはコストがかかるゾルゲルマトリックス中の粘土鉱物の使用を記載している。他のアプローチは、例えば、Suga et al.の米国特許第5,973,084号、Nikano et al.の米国特許第6,531,552号、Murase et al.の米国特許第9,751,961号、およびMcCauleyの米国特許第5,202,295号の著作物に見られるなど、化学修飾された粘土鉱物の使用も見られる。これらのアプローチには、低い触媒回収収率、過剰な調製工程、修飾粘土鉱物の分離の困難性、または粘土を修飾および単離することができる狭い調製条件などのプロセス制限が含まれる。
【0005】
したがって、支持体活性化剤の調製の容易さおよび経済性を改善する必要性が残っている。この必要性は、高透明フィルム樹脂などのメタロセン系ポリオレフィンを製造するために、十分な活性を有する化学修飾された粘土支持体活性化剤が所望される場合に明らかである。アルミノキサンおよび他の高価な活性化剤の必要性を排除し、高収率で調製および回収するのに便利で、かつ経済的であり、かつ/またはメタロセン化合物などの重合触媒と比較的高い活性を示す粘土系支持体活性化剤を開発することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本開示の態様は、新しい支持体活性化剤およびその調製プロセス、支持体活性化剤を含む新しい触媒組成物、触媒組成物の製造方法、ならびにオレフィンの重合プロセスを提供する。一態様では、化学修飾された粘土支持体活性化剤は、オレフィンの重合に向けて容易にメタロセン化合物を活性化することができ、驚くほど容易にかつ低コストに調製でき、高収率で回収できる。特に、本開示のプロセスおよび支持体活性化剤は、例えば、活性化プロセス中の粘土粒子の消化および粘土の八面体アルミナ層の溶液への浸出から、化学修飾された粘土支持体活性化剤を単離することにおける以前の困難をほぼ回避することができ、これにより粘土粒子のサイズが減少するにつれて標準的な濾過が非常に困難になる。
【0007】
2八面体スメクタイト粘土などのコロイド状スメクタイト粘土を液体担体(「希釈剤」とも称される)中で少なくとも1つのカチオン性ポリメタレート(polymetallate)を含むヘテロ凝固試薬と接触させ、特定の範囲内でコロイド状スメクタイト粘土と比較した量でヘテロ凝固試薬を使用すると、単離されたスメクタイトヘテロ付加物を含む支持体活性化剤を合成することが予想外に発見されている。本明細書に記載のコロイド状スメクタイト粘土に対してヘテロ凝固試薬の量を制限することにより、ヘテロ凝固スメクタイトとも称されるスメクタイトヘテロ付加物を、従来の濾過プロセスによって得られたスラリーから容易に単離することができる。単離プロセスは、濾過に数日を要し得るか、または複数の洗浄および遠心分離工程が必要とされ得る、以前の化学修飾された粘土支持体活性化剤では多くの場合困難であった。さらに、本開示に従って単離されたスメクタイトヘテロ付加物支持体活性化剤は、洗浄工程をほとんどまたは全く行わず使用することができ、調製および使用の有用性、容易さ、および経済性をさらに高めることができる。
【0008】
このようにして調製されたスメクタイトヘテロ付加物は、アルキルアルミニウム化合物などの共触媒と併用することができ、特に従来のMAO-SiO2またはボラン誘導支持体活性化剤と比較した場合に、メタロセンオレフィン重合のための非常に活性な支持体活性化剤を提供する。このプロセスで使用されるヘテロ凝固剤は、非常に安価であり得、アルキルアルミニウム化合物などの共触媒とともに使用され得、アルミノキサンおよびボラン系活性剤と比較しても非常に安価であり得る。
【0009】
さらに、スメクタイトヘテロ付加物の単離は、従来の濾過を使用して、反応混合物の遠心分離または高希釈を必要とせず、得られた固体を広範囲に洗浄することなく行うことができる。このプロセスは、対応する未処理の粘土よりも優れた活性、およびより調製が困難な柱状粘土支持体と同等かまたはより優れた活性を示す固体粘土ヘテロ付加物を提供し、それによって必要性を満たす。
【0010】
さらに、柱状粘土とは異なり、本開示のヘテロ凝固粘土材料は、非晶質固体である。ヘテロ凝固粘土の調製は、三次元構造を提供するが、非柱状および非結晶性および非晶質の構造である。理論に拘束されることを意図するものではないが、出発スメクタイトの規則的な結晶構造は、カチオン性ポリメタレートと接触すると単純に拡張されるのではなく、粘土ヘテロ付加物の調製時に破壊され、非結晶性、非層状の非晶質材料を提供すると考えられる。
【0011】
したがって、一態様では、本開示は、単離されたスメクタイトヘテロ付加物を含む支持体活性化剤を提供し、スメクタイトヘテロ付加物は、[1]コロイド状スメクタイト粘土、および[2]少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含み、かつゼータ電位を約正25mV(+25ミリボルト)~約負25mV(-25ミリボルト)の範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と、の液体担体中での接触生成物を含む。
【0012】
本開示はまた、別の態様では、スメクタイトヘテロ付加物を含む支持体活性化剤の製造方法であって、方法は、
a)コロイド状スメクタイト粘土を提供することと、
b)コロイド状スメクタイト粘土を、少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含み、かつゼータ電位を約正25mV(ミリボルト)~約負25mVの範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と液体担体中で接触させることと、
c)スメクタイトヘテロ付加物をスラリーから単離することと、を含む。
【0013】
さらなる態様によれば、本開示は、オレフィン重合のための触媒組成物を提供し、触媒組成物は、
a)少なくとも1つのメタロセン化合物と、
b)任意選択で、少なくとも1つの共触媒と、
c)焼成スメクタイトヘテロ付加物を含む少なくとも1つの支持活性剤であって、スメクタイトヘテロ付加物は、[1]コロイド状スメクタイト粘土と、[2]液体担体中に少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含み、かつゼータ電位を約正25mV(ミリボルト)~約負25mVの範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と、の接触生成物を含む、少なくとも1つの支持活性剤と、を含む。
【0014】
本開示はまた、別の態様では、オレフィン重合触媒の製造方法を提供し、方法は、任意の順序で、
a)少なくとも1つのメタロセン化合物と、
b)任意選択で、少なくとも1つの共触媒と、
c)焼成スメクタイトヘテロ付加物を含む少なくとも1つの支持活性剤であって、スメクタイトヘテロ付加物は、[1]コロイド状スメクタイト粘土と、[2]液体担体中に少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含み、かつゼータ電位を約正25mV(ミリボルト)~約負25mVの範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と、の接触生成物を含む、少なくとも1つの支持活性剤と、を接触させることを含む。
【0015】
一態様では、例えば、任意の共触媒は、オレフィン重合触媒を製造するために使用される特定のメタロセン化合物に応じて、効率的なオレフィン重合を開始するために必要な場合があり、またはそれが必要でない場合もあるアルキル化剤であり得る。
【0016】
さらなる態様では、オレフィンの重合プロセスが提供され、プロセスは、重合条件下で少なくとも1つのオレフィンモノマーおよび触媒組成物を接触させてポリオレフィンを形成することを含み、触媒組成物は、
a)少なくとも1つのメタロセン化合物と、
b)任意選択で、少なくとも1つの共触媒と、
c)焼成スメクタイトヘテロ付加物を含む少なくとも1つの支持活性剤であって、スメクタイトヘテロ付加物は、[1]コロイド状スメクタイト粘土と、[2]液体担体中に少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含み、かつゼータ電位を約正25mV(+25ミリボルト)~約負25mV(-25ミリボルト)の範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と、の接触生成物を含む、少なくとも1つの支持活性剤と、を含む。
【0017】
支持体活性化剤および触媒組成物、組成物の製造方法、ならびに重合プロセスおよび関連する方法を含む組成物のこれらおよび他の態様、特徴および実施形態は、本明細書で提供される詳細な説明、図面、実施例、および特許請求の範囲により完全に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の態様の略図を提供し、本開示の焼成スメクタイトヘテロ付加物を含む支持体活性化剤を調製、洗浄、および単離する方法を例示し、このプロセスを、柱状粘土を調製、洗浄、および単離する方法と対比させる。
【
図2】アルミニウムクロルハイドレート(ACH)およびVolclay(登録商標)HPM-20モンモリロナイトを組み合わせた一連の焼成生成物の粉末XRD(X線回折)パターンを提供する。典型的に調製されたAl
13柱状粘土(比較例5)を表す6.4mmol Al/g粘土試料(上部)、および0mmol Al/g粘土試料(比較例3)における出発粘土自体を除き、すべての試料を実施例による本発明の方法に従って調製した(実施例18、20~21、および23を参照されたい)。
【
図3】0.62重量%のVolclay(登録商標)HPM-20ベントナイト水性分散液中に、2.5重量%(重量%)のアルミニウムクロロハイドレート(ACH、1.075g/mLの測定密度)の水溶液を容量添加した場合のゼータ電位滴定を示し、測定されたゼータ電位を、滴定容量(mL)に対してプロットする。滴定設定は、滴定点当たり0.5mLであり、続いて平衡化遅延は30秒であった。滴定容量は、添加したアルミニウムクロロハイドレート水溶液の累積容量を示す。また、表4も参照されたい。
【
図4】
図3プロットを、アルミニウム対粘土の質量比に対してゼータ電位へ変換したものを示す。特に、
図4は、0.62重量%のVolclay(登録商標)HPM-20ベントナイト水性分散液中に、2.5重量%のアルミニウムクロロハイドレート(ACH、1.075g/mLの測定密度)の水溶液を添加した場合のゼータ電位滴定を示し、測定されたゼータ電位を、Al含有量(mmol Al/g粘土)に対してプロットする。滴定量は、添加したACH水溶液のアルミニウムの累積mmolを示す。
【
図5】1重量%のVolclay(登録商標)HPM-20ベントナイト水性分散液中に、4.58重量%のUltraPAC(登録商標)290ポリアルミニウムクロライド(経験的にAl
2(OH)
2.5Cl
3.5)の水溶液を容量添加した場合のゼータ電位滴定を示し、測定されたゼータ電位を、滴定容量(mL)に対してプロットする。滴定設定は、滴定点当たり1mLであり、続いて平衡化遅延は30秒であった。滴定容量は、添加されたUltraPAC(登録商標)290ポリアルミニウムクロライド水溶液の累積容量を示す。また、表5も参照されたい。
【
図6】0.75重量%のVolclay(登録商標)HPM-20ベントナイト水性分散液中に、10重量%のNYACOL(登録商標)AL27コロイドアルミナの水性分散液を容量添加した場合のゼータ電位滴定(調整済み)を示し、測定されたゼータ電位を、滴定容量(mL)に対してプロットする。滴定設定は、0~27mLの滴定点当たり1mLおよびその後の滴定点当たり3mLであり、平衡化遅延は60秒であった。滴定容量は、添加したNYACOL(登録商標)AL27コロイドアルミナ水溶液の累積容量を示す。実施例11および表6を参照されたい。
【
図7】5重量%のAEROSIL(登録商標)200ヒュームドシリカ水性分散液中に、2.5重量%のアルミニウムクロロハイドレート(ACH)水溶液を容量添加した場合のゼータ電位滴定を示し、測定されたゼータ電位を、滴定容量(mL)に対してプロットする。滴定設定は、滴定点当たり1mLであり、平衡化遅延は60秒であった。滴定容量は、添加したACH水溶液の累積容量を示す。実施例37を参照されたい。
【
図8】
図7のプロットを、アルミニウム対粘土の質量比に対してゼータ電位へ変換したものを示す。具体的には、
図8は、5重量%のAEROSIL(登録商標)200ヒュームドシリカ水性分散液中に、2.5重量%のアルミニウムクロロハイドレート(ACH)水溶液を添加した場合のゼータ電位滴定を示し、測定されたゼータ電位を、Al含有量(mmol Al/g粘土)に対してプロットする。滴定量は、添加したACH水溶液のアルミニウムの累積mmolを示す。
【
図9】1重量%のVolclay(登録商標)HPM-20ベントナイト水性分散液中に、シリカ5重量%を含有する、アルミニウムクロロハイドレート(ACH)溶液処理したAEROSIL(登録商標)200ヒュームドシリカ水性分散液を容量添加した場合のゼータ電位滴定(調整済み)を提供する。滴定設定は、0~1.2mLの滴定点当たり0.2mL、およびその後の滴定点当たり0.5mLであり、平衡化遅延は30秒であった。滴定剤はコロイド種であるため、実施例11に記載の方法を使用してゼータ電位を調整し、
図9のプロットを得た。実施例38を参照されたい。
【
図10】実施例18のアルミニウムクロルハイドレート(ACH)ヘテロ凝固粘土の窒素吸着/脱着BJH(Barrett、Joyner、およびHalenda)孔体積分析の結果を示し、ヘテロ付加物についての累積孔体積(1グラム当たりの立方センチメートル、cc/g)に対する孔径(オングストローム、Å)のプロットを提供する。このヘテロ付加物スラリーの調製のためのレシピは、1.76mmol Al/g粘土を使用した。
【
図11】Volclay(登録商標)HPM-20ベントナイトの比較剪断された、次いで共沸された試料の窒素吸着/脱着BJH孔体積分析の結果を提供するが、比較例3による、さらなる処理は行わず、累積孔体積V
3-30nmの55%を超えるV
3-10nmについての値を示す。
【
図12】水中に懸濁され、蒸発され、かつ焼成されたVolclay(登録商標)HPM-20ベントナイトの未処理試料の窒素吸着/脱着BJH孔体積分析の結果を提供するが、比較例1による、さらなる処理は行わず、累積孔体積V
3-30nmの55%を超えるV
3-10nmについての値を示す。
【
図13】CDCl
3中の7-フェニル-2-メチル-インデンの
1H NMRスペクトルであり、汚染物質CH
2Cl
2および水のピークが同定され、ピーク積分値を示す。
【
図14】CDCl
3中のrac-ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドの
1H NMRスペクトルであり、ピーク積分値が示される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書で使用される用語および句をより明確に定義するために、以下の定義が提供される。参照により本明細書に組み込まれる任意の文書によって提供される定義または使用法が、本明細書に提供される定義または使用法と矛盾する限り、本明細書に提供される定義または使用法が支配する。
【0020】
A.用語の定義および説明
ポリメタレート。「ポリメタレート」という用語、および「ポリオキソメタレート」などの類似の用語は、本開示において、オキソ、ヒドロキシおよび/またはハロゲン化物リガンドなどの金属間の少なくとも1つの架橋リガンドとともに、2つ以上の金属原子(例えば、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、または他の金属)を含む水溶性ポリ原子カチオンを指すために同義的に使用される。特異的リガンドは、前駆体および他の因子、例えば、ポリメタレートを生成するプロセス、溶液pHなどに依存することができる。例えば、本開示のポリメタレートは、これらの組み合わせを含む、水和金属酸化物、水和金属オキシ酸化物などであり得る。2つ以上の金属を架橋するオキソリガンドなどの架橋リガンドは、これらの種において生じ得るが、ポリメタレートは、末端オキソ、ヒドロキシル、および/またはハロゲン化物リガンドも含むことができる。
【0021】
多くの既知のポリメタレート種はアニオン性であり、接尾辞「-ate」はアニオン性種を反映するために使用されることが多いが、本開示に従って使用されるポリメタレート(ポリオキソメタレート)種はカチオン性である。これらの材料は、化合物、種、または組成物と称され得るが、当業者であれば、例えば、溶液pH、濃度、水溶液中でポリメタレートが生成される出発前駆体などに応じて、水溶液中などの好適な担体中に複数の種を含有することができることを理解するであろう。明確さおよび便宜上、これらの複数の種は、組成物がカチオン性ポリオキソメタレート、ポリヒドロキシメタレート、ポリオキソヒドロキシメタレート、またはハロゲン化物などの他のリガンドを含む種、または化合物の混合物を含むか、またはそれらを主になるかどうかにかかわらず、「ポリメタレート」または「ポリオキソメタレート」と総称される。ポリメタレートの例としては、ポリアルミニウムオキシヒドロキシクロライド、アルミニウムクロルハイドレート、ポリアルミニウムクロライド、またはアルミニウムセスキクロロハイドレート組成物が挙げられるが、これらに限定されず、直鎖、環状、またはクラスター化合物が含まれ得る。これらの組成物は、ポリメタレートと総称されるが、「ポリメタレート」または「ポリオキソメタレート」という用語は、実質的に単一の種を含む組成物を記載するためにも使用される。
【0022】
単一の種類の金属を含むイソポリメタレート、および2つ以上の種類の金属(またはリンなどの電気陽性原子)を含むヘテロポリメタレートの両方が、ポリメタレートまたはポリオキソメタレートという一般用語に含まれる。例えば、アルミニウムクロルハイドレート(ACH)またはポリアルミニウムクロライド(PAC)によって提供されるなどのアルミニウムポリメタレートは、イソポリメタレートの例である。さらなる例では、本開示のポリメタレートは、ヘテロポリメタレートのコロイド懸濁液を提供するのに十分な量で、第2の金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属オキシハロゲン化物、またはそれらの組み合わせでその後処理される第1の金属酸化物から調製することができる。例えば、第1の金属酸化物は、ヒュームドシリカ、アルミナ、またはジルコニアを含むシリカ、アルミナ、ジルコニアなどを含むことができ、第2の金属酸化物、金属ハロゲン化物、または金属オキシハロゲン化物は、ZrOCl2、ZnO、NbOCl3、B(OH)3、AlCl3、またはそれらの組み合わせなどの金属酸化物、水酸化物、オキシハロゲン化物、またはハロゲン化物の水溶液または懸濁液から得ることができる。したがって、この調製において異なる金属が使用される場合、得られた種はヘテロポリメタレートとみなされる。イソポリメタレートおよびヘテロポリメタレートの両方は、単に「ポリメタレート」と称され得る。
【0023】
さらなる態様では、本開示によるポリメタレートは、メタロセン化合物などの遷移金属化合物に対して非アルキル化され得る。すなわち、対象のポリメタレートは、アルミノキサンまたは他の有機金属種に見られるような直接的な金属炭素結合が存在しないことが可能である。
【0024】
ポリメタレート種におけるサイズおよび数または金属イオンは、かなり変化し得るため、ポリメタレートは、オリゴマー種またはポリマー種の両方を包含するとみなすことができる。ポリメタレートを、ポリアルミニウムクロライドもしくはアルミニウムセスキクロロハイドレートなどの特定の材料「を含む」、「からなる」、「から本質的になる」、または「から選択される」と説明する場合、これらの材料が水または水性塩基などと接触したときに形成されるポリメタレート種が、それらが生成される前駆体に従って説明されることが理解されるべきである。したがって、便宜上、および米国特許法第112条に従って確定性および明確性のために、ポリメタレートは、ヘテロ凝固試薬を提供するためにカチオン性ポリメタレートが生成される前駆体材料または組成物に従って本明細書に記載され得る。
【0025】
一態様では、本開示によるポリメタレートは、少なくとも1つのアルミニウムポリメタレートであり得る。例としては、一般式AlnCl3n-m(OH)mを有すると通常みなされる、複数の水溶性アルミニウム種を包含する、アルミニウムクロルハイドレート(ACH)、別名アルミニウムクロロハイドレートが挙げられるが、これらに限定されない。これらのポリメタレート種は、アルミニウムオキシヒドロキシクロライド化合物または組成物と称される場合もある。本開示に従って使用することができる別のポリメタレートは、単一の種ではなく、直鎖状、環状、またはクラスター化合物を含むことができる複数のアルミニウム高分子種の集合体であるポリアルミニウムクロライド(PAC)であり、それらの例は、2~約30個のアルミニウム原子、オキソ、クロライド、およびヒドロキシル基を含有することができる。アルミニウムポリメタレートの他の例としては、アルミニウムセキクロロハイドレートなどの一般式[AlmOn(OH)xCly]●zH2Oを有する化合物、およびケギンイオンなどのクラスター型種、例えば、「Al13-mer」ポリカチオンと称されることもある[AlO4Al12(OH)24(H2O)12]7+●7[Cl]-が挙げられが、これらに限定されない。例えば、ポリアルミニウムクロライド(PAC)は、水性水酸化物とAlCl3を組み合わせることによって製造することができ、得られたアルミニウム種の混合物は、様々な塩基性を有する。アルミニウムクロルハイドレート(ACH)は、一般に最も塩基性が高いと考えられ、ポリアルミニウムクロライド(PAC)は塩基性が低いと考えられている。
【0026】
本開示による粘土ヘテロ付加物または粘土ヘテロ凝固物としては、[1]2八面体スメクタイト粘土などのコロイド状スメクタイト粘土と、[2]水性担体などの液体担体中に少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含み、使用量がゼータ電位を約+25mV~約-25mVの範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量であるヘテロ凝固試薬と、の接触生成物が挙げられる。単離されると、スメクタイトヘテロ付加物を加熱し、乾燥させ、焼成して、本明細書に記載の支持体活性化剤を形成することができる。焼成すると、最初にスメクタイトにインターカレートされたか、またはスメクタイトと関連付けられたポリメタレートの追加の反応が生じ得、例えば、水がインターカレートされたポリメタレートから駆動され得、追加のオキソ基が形成され得る。この態様では、「ポリオキソメタレート」という用語は、焼成生成物を照射するために特に有用であり得る。いずれにせよ、「ポリメタレート」および「ポリオキソメタレート」という用語は、コロイド状スメクタイトに接触するために使用される組成物を説明するために同義的に使用される。
【0027】
本開示のポリメタレートはまた、「ポリカチオン」と称されてもよく、ポリカチオンが単一の種類の金属を含むか、または2つ以上の種類の金属を含むかに応じて、ホモポリカチオンおよびヘテロポリカチオンの両方を含み得る。例えば、ヒドロタルサイトは、本開示によるヘテロポリカチオンである[Mg6Al2(OH)16]CO3●4H2Oである。
【0028】
例示としてのみ提供されるポリメタレートの他の例としては、ε-ケギンカチオン[ε-PMo12O36(OH)4{Ln(H2O)4}4]5+(式中、LnはLa、Ce、Nd、またはSmであり得る)が挙げられる。例えば、Angew.Chem.,Int.Ed.2002,41,2398を参照されたい。他の例として、一般式[Ln2V12O32(H2O)8{Cl}]Cl(式中、Lnは、Eu、Gd、Dy、Tb、HoまたはErであり得る)を有するランタニド含有カチオン性ヘテロポリオキソバナジウムクラスターが挙げられる。例えば、RSC Adv.2013,3,6299-6304を参照されたい。
【0029】
最後に、「少なくとも1つの」カチオン性ポリメタレートへの言及は、ヘテロ凝固試薬の調製に使用されるカチオン性ポリメタレートのうちの1つ以上の供給源を指すために使用される。すなわち、水溶液中でヘテロ凝固試薬を調製するのにカチオン性ポリメタレートの単一源が使用され、複数種が生じ得る場合であっても、これらの複数種は、単一または単一タイプのカチオン性ポリメタレートと総称され得る。したがって、複数または2つ以上のカチオン性ポリメタレートへの言及は、ヘテロ凝固試薬を調製するために使用されるカチオン性ポリメタレートのうちの1つ以上の前駆体組成物または供給源を指すことが意図される。
【0030】
ヘテロ凝固試薬。「ヘテロ凝固試薬」、「ヘテロ凝固剤」などの用語は、溶液中に存在する、または適切な比率でコロイド粘土分散液と組み合わせると、容易に濾過可能な固体(本明細書で定義される)を形成するコロイド懸濁液として、任意の正に荷電したオリゴマーまたは高分子金属酸化物を含有する種を含む組成物を説明するために本明細書で使用される。「ヘテロ凝固試薬」は、「ポリメタレート」または「ポリオキソメタレート」という用語と同義的に使用されて、粘土ヘテロ付加物を形成するように機能する、任意の正に荷電したオリゴマーまたは高分子金属酸化物を含有する種を指し得る。したがって、「ヘテロ凝固試薬」は、液体担体中に1つ以上のカチオン性ポリメタレート種を含む組成物が、コロイド状スメクタイト粘土と接触したときに、ゼータ電位を約+25mV~約-25mVの範囲に有するスラリーを提供するのに十分な量で使用される場合、容易に濾過可能な固体を形成することを強調する。「ヘテロ凝固」は、当該技術分野における用語であり、Lagalyによって、Ullmann’s Encyclopedia of Chemistry 2012に記載されている。本開示の文脈内では、「ヘテロ凝固」とは、別段の定めがない限り、負に荷電したコロイド粘土粒子をヘテロ凝固試薬の正に荷電した種と組み合わせて、容易に濾過可能な固体を形成するプロセスとして定義される。ヘテロ凝固はまた、当該技術分野および本明細書では、例えば、Cerbelaud et al.Advances in Physics:X,2017,vol.2,35-53によって記載されるように、ヘテロアグリゲーションと称されることがある。
【0031】
ヘテロ付加物またはヘテロ凝固物。粘土ヘテロ付加物または粘土ヘテロ凝固物、および「ヘテロ凝固粘土」または「スメクタイトヘテロ付加物」などの類似の用語は、ヘテロ凝固試薬とコロイド粘土との組み合わせから得られた接触生成物を指す。すなわち、ヘテロ凝固試薬中に正に荷電した種を有する負に荷電したコロイド粘土粒子が引き寄せられて形成される凝集体を「ヘテロ付加物」として称される。Wu Cheng et al.の米国特許第8,642,499号を参照され、これは参照により本明細書に組み込まれる。一態様では、これらの用語は、本明細書において定義される、ヘテロ凝固試薬およびコロイド粘土の「容易に濾過可能な」接触生成物を指す。これらの用語は、容易に濾過可能なヘテロ凝固剤と、例えば、柱状粘度合成レシピに従うときに形成される生成物など、容易に濾過可能ではない生成物を提供する比率で組み合わされるヘテロ凝固試薬およびコロイド粘土の接触生成物とを区別するために使用される。支柱粘土レシピの場合、接触生成物は容易に濾過できず、支柱粘土生成物を分離するために一般的に遠心分離が必要である。
【0032】
アルミニウム含有ヘテロ凝固試薬を使用したヘテロ凝固粘土の形成を説明する場合、および別段の定めがない限り、アルミノキシクロライド(ヘテロ凝固試薬とも称される)などのピラー試薬(pillaring reagent)と粘土との比は、mm(mmolまたはミリモル)Al/g粘土として表され、柱状またはヘテロ凝固剤中のAlのミリモル数対グラムの粘土を示す。Gu et al.,Clay and clay minerals,1990,38(5),493-500を参照され、これは参照により本明細書に組み込まれる。別段の定めがない限り、ピラーまたはアルミノキシクロライドヘテロ凝固試薬が可溶性溶液として存在する場合、ミリモルAlは、メーカーから提供されたAl重量%またはAl2O3含有量重量%に基づいて計算される。代替的に、別段の定めがない限り、溶液中に分散されるピラーまたはヘテロ凝固試薬の固体形態から開始する場合、Alのミリモルは、レシピで使用される重量および製造業者によって提供される実験式によって決定される。
【0033】
容易に濾過可能。「容易に濾過可能な(readily filterable)」、「容易に濾過された(readily filtered)」、「容易に濾過可能な(easily filterable)」「容易に濾過または分離された(easily filtered or separated)」などの用語は、液相を含有する混合物中の固体が、約2重量%未満の固体の遠心分離、超遠心分離、または希釈溶液、長い沈降時間、続いて固体から液体をデカンティングすること、および他のそのような技術を用いることなく、液相から濾過によって分離され得る本開示による組成物を説明するために本明細書で使用される。これらの用語は、一般に、本開示による特定の条件下でのコロイド状スメクタイト粘土およびヘテロ凝固試薬の接触生成物であり、遠心分離、高希釈および沈降または沈殿タンク、または限外濾過による単離を必要としない粘土ヘテロ付加物を説明するために本明細書で使用される。したがって、容易に濾過可能な粘土ヘテロ付加物は、重力または真空濾過条件下で、焼結ガラス、金属またはセラミックフリット、紙、天然または合成のマットファイバーなどの従来の濾過材料にヘテロ付加物を含むスラリーを通すことによって、合成の可溶性塩および副産物から数分以下、または約1時間未満の時間周期で、良好な収率で単離または分離することができる。
【0034】
本開示は、濾過性を評価することができるいくつかの特定の実験的および定量的方法を提供する。例えば、本開示の方法に従って調製したときに、スラリーが容易に濾過可能である、または容易に濾過されると考えることができることを示す、ヘテロ付加物スラリーの濾過性を定量する特定の方法が提供される。長い沈殿時間または限外濾過を必要とする、Lagaly in Ulmmann’s Encyclopedia of Chemistry 2012によって説明されるコロイドまたは懸濁液は、本開示の文脈において「濾過可能である」とは考えられない。本開示の容易に濾過可能な懸濁液またはスラリーは、濾過時に透明な濾液を得ることができ、一方で、濾過に実質的に長い時間を要する「容易に濾過できない」懸濁液は、コロイド粘土分散液を示す、肉眼で濁ったまたは不透明な濾液として観察可能な粒子状物質を含有することができる。本開示による支持体活性化剤が、ゼータ電位を、約+25mV(ミリボルト)の上(正)境界付近または約-25mVの下(負)境界付近で有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するように調製されるとき、ヘテロ付加物を濾過すると、濾液中にある程度の曇りが観察され得、これは、スメクタイトヘテロ付加物が0mVに近いかまたはそれに近いゼータ電位を有するスラリーを提供するコロイド状スメクタイト粘土およびヘテロ凝固試薬の比率を使用して調製されるために暗くなる。
【0035】
コロイド。「コロイド」、「コロイド粘土」、「コロイド溶液」、「コロイド懸濁液」、および類似の用語は、2007年1月15に公開されたGerhard Lagaly in Ullmannn’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、「コロイド」と題された章において、定義した通りに使用される。これらの用語は、同義的に使用される。
【0036】
触媒組成物および触媒システム。「触媒組成物」、「触媒混合物」、「触媒システム」などの用語は、本開示による活性触媒を最終的に形成するか、または形成するために使用される、列挙された成分の組み合わせを表すために使用される。これらの用語の使用は、任意の特定の接触工程、接触順序、成分間または成分中で任意の反応が生じ得るかどうか、または列挙された成分のいずれかもしくはすべての任意の接触から形成され得る任意の生成物に依存しない。これらの用語の使用はまた、これらの成分のいずれかを任意の順序で接触または組み合わせた後の、活性触媒部位の性質、または任意の共触媒、メタロセン化合物、または支持体活性化剤の運命にも依存しない。したがって、これらおよび類似の用語は、触媒組成物が不均一であるか均質であるか、または可溶性および不溶性の成分を含むかにかかわらず、触媒組成物の初期に列挙された成分または開始成分、およびこれらの初期に列挙された開始成分に接触することから生じ得る任意の生成物の組み合わせを包含する。「触媒」および「触媒システム」または「触媒組成物」という用語は、同義的に使用することができ、そのような使用は本開示の文脈から当業者には明白であろう。
【0037】
触媒活性。別段の定めがない限り、「活性」、「触媒活性」、「触媒組成物活性」などの用語は、本明細書に開示されるような乾燥または焼成粘土ヘテロ付加物を含む触媒組成物の重合活性を指し、典型的には、重合の1時間当たりに、メタロセン化合物などの任意の遷移金属触媒成分、有機アルミニウム化合物などの任意の共触媒、またはアルミノキサンなどの任意の共触媒が存在しない、触媒粘土支持体活性剤のみの重量当たりの重合ポリマーの重量として表される。言い換えれば、製造したポリマーの重量を、焼成粘土ヘテロ付加物の重量/時間で割ったものをg/g/時間(グラム/グラム/時間)の単位で表したものである。
【0038】
参照または比較触媒組成物の活性は、比較触媒組成物を含む触媒組成物の重合活性を指し、粘土ヘテロ付加物を調製するために使用される比較イオン交換もしくは柱状粘土の重量または粘土成分の重量自体に基づいている。「活性の増加」または「活性の改善」などの用語は、比較触媒組成物が、一般的には、柱状粘土などの異なる支持体活性化剤または活性化剤を利用するか、または触媒反応で使用される粘土成分がヘテロ凝固粘土ではないことを除いて、メタロセン化合物および共触媒などの同じ触媒成分を使用する比較触媒組成物の活性よりも大きい本開示による触媒組成物の活性を説明する。例えば、本開示による増加または改善された活性には、エチレンホモ重合条件の標準セットを使用して、1時間当たりの焼成ヘテロ凝固粘土1グラム当たり約300グラム以上のポリエチレンポリマー(g/g/時間)の焼成粘土ヘテロ付加物に基づく活性が含まれる。この態様では、エチレンホモ重合条件の標準セットには、以下が含まれる。船舶型インペラを備えた2Lのステンレス鋼反応器を、約500rpmに設定し、スラリー重合条件には、1Lの精製イソブタン希釈液、90℃重合温度、450psi総エチレン圧力、典型的には30または60分間のラン長、トリエチルアルミニウム(TEAL)共触媒を有する(1-Bu-3-MeCp)2ZrCl2を含むメタロセン触媒組成物を含み、任意選択で、TEALを含有する原液としてメタロセンを使用し、メタロセン対粘土比約7×10-5mmolのメタロセン/mg焼成粘土を提供する量を充填する。一般に、1つのアルキルアルミニウム共触媒を重合ランに使用し、通常、TEALまたはトリイソブチルアルミニウム(TIBAL)から選択した。
【0039】
接触生成物。「接触生成物」という用語は、本明細書では、特定の順序が、本開示の文脈によって、任意の様式において、および任意の長さにおいて記載されるか、または必要とされるか、または暗示される場合を除き、成分が任意の順序で一緒に組み合わされるか、または「接触」される組成物を説明するために使用される。「接触生成物」は反応生成物を含むことができるが、それぞれの成分が互いに反応する必要はなく、この用語は、列挙された成分を接触させたときに生じ得るか否かにかかわらず使用される。例えば、接触生成物を形成するために、列挙された成分は、ブレンドまたは混合によって接触させることができるか、または成分は、任意の順序で成分を添加するか、または液体担体に同時に添加することによって接触させることができる。さらに、任意の成分の接触は、用語が使用される文脈によって別途記載または要求または暗示されない限り、本明細書に記載の組成物の任意の他の成分の存在または不在下で生じ得る。列挙された成分または任意の追加の材料を組み合わせまたは接触させることは、任意の好適な方法によって実施することができる。したがって、「接触生成物」という用語は、混合物、ブレンド、溶液、スラリー、反応生成物など、またはこれらの組み合わせを含む。同様に、「接触すること」という用語は、何らかの方法でブレンド、混合、スラリー化、溶解、反応、処理、または他の方法で接触され得る材料を指すために本明細書で使用される。
【0040】
孔径(孔サイズ)。窒素吸着/脱着測定を使用して、BJH法を使用して孔サイズおよび孔体積分布を決定した。多孔質材料を分類するための国際純粋および応用化学連合(IUPAC)システム(Pure&Appl.Chem.,1994,66,1739-1758を参照されたい)およびKlobes et al.,National Institute of Standards and Technology Special Publication 960-17に基づき、孔サイズは以下のように定義されている。「ミクロ孔」および「微孔性」は、本明細書で使用される場合、直径が20Å未満である本開示のプロセスに従って製造された触媒または触媒支持体に存在する細孔を指す。「メソ孔」および「メソ細孔性」は、本明細書で使用される場合、20Å~500Å未満(すなわち2nm~<50nm)の範囲の直径を有する、本開示のプロセスに従って製造された触媒または触媒支持体中に存在する細孔を指す。「マクロ孔」および「マクロ多孔質」は、本明細書で使用される場合、500Å(50nm)以上の直径を有する、本開示のプロセスに従って製造された触媒または触媒支持体に存在する細孔を指す。
【0041】
ミクロ孔、メソ孔、およびマクロ孔の上記の定義のそれぞれは、任意の所与の試料の孔サイズの分布(孔径分布)におけるパーセンテージまたは値を合計するときに孔が2回カウントされないように、異なるおよび重複しないとみなされる。
【0042】
「d50」は、孔径測定によって測定した孔径中央値を意味する。したがって、「d50」は、孔サイズ分布に基づいて計算された孔径中央値に対応し、孔径の半分がより大きな直径を有する孔径である。本明細書で報告されるd50値は、E.P.Barrett,L.G.Joyner and P.P.Halenda(「BJH」)、“The Determination of Pore Volume and Area Distributions in Porous Substances.I.Computations from Nitrogen Isotherms,”」J.Am.Chem.Soc.,1951,73(1),pp 373-380によって記載される周知の計算方法を使用した窒素脱着に基づく。
【0043】
「孔径中央値」(MPD)は、例えば、体積、表面積に基づいて、または孔サイズ分布データに基づいて計算され得る。体積によって計算される孔径中央値は、全孔体積の半分が存在する孔径を意味する。表面積で計算した孔径中央値は、全孔表面積の半分を超える孔径が存在することを意味する。同様に、孔サイズ分布に基づいて計算される孔径中央値は、例えば、窒素吸着脱着等温体からの導出を通じて、本明細書の他の場所に記載の決定された孔サイズ分布に従って、孔の半分がより大きな直径を有する孔径を意味する。
【0044】
遷移金属触媒。「遷移金属触媒」は、本開示の支持体活性化剤と接触させたときに、その現在の形態で、または重合活性化リガンドを遷移金属触媒に移行または付与することができる共触媒と接触させたとき、活性オレフィン重合触媒として機能するか、またはそれに変換されることができる遷移金属化合物または組成物を指す。「触媒」という用語の使用は、任意の特定の機構を反映することを意図するものではなく、または「遷移金属触媒」自体が、それが活性化されるとき、またはそれが重合活性化可能なリガンドで付与されるときに、触媒重合のための活性部位を表すことを意図するものではない。遷移金属触媒は、重合触媒を調製するためのプロセスで使用される遷移金属化合物または化合物に従って説明され、本明細書で定義されるメタロセン化合物および関連化合物を含むことができる。
【0045】
共触媒。「共触媒」は、支持体活性化剤で他の方法でメタロセンが活性化されるときに重合を開始させることができるメタロセンにリガンドを付与することができる化学試薬、化合物、または組成物を指すために本明細書で使用される。言い換えれば、「共触媒」は、重合活性化可能なリガンドをメタロセン化合物に提供することができる化学試薬、化合物、または組成物を指すために本明細書で使用される。重合活性化可能なリガンドとしては、メチルまたはエチルなどのアルキル、アリールおよび置換アリール、フェニルまたはトリルなどの置換アリール、ベンジルまたはトリメチルシリルメチル(-CH2SiM3)などの置換アルキル、ヒドリド、シリルおよびトリメチルシリルなどのヒドロカルビル置換基が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、一態様では、共触媒は、アルキル化剤、ヒドリド化剤、シリル化剤などであり得る。共触媒が重合活性化可能なリガンドをメタロセン化合物に提供する機構には制限はない。例えば、共触媒は、メタセシス反応に関与して、メタロセン化合物上のハロゲン化物またはアルコキシドなどの交換可能なリガンドを、メチルまたは水素化物などの重合活性化/開始性リガンドと交換することができる。一態様では、共触媒は、例えば、メタロセン化合物が既に、重合活性化/開始リガンド、例えば、メチルまたは水素化物を含む場合、触媒組成物の任意の成分である。別の態様では、当業者に理解されるように、メタロセン化合物が重合活性化可能なリガンドを含む場合でも、重合反応器またはプロセスからの水分を除去するためなどの他の目的に共触媒を使用することができる。さらなる態様によれば、文脈が必要とするかまたは許容するように、「共触媒」という用語は、「活性化剤」を指してもよく、または本明細書で説明される「共触媒」と同義的に使用されてもよい。
【0046】
活性化剤。「活性化剤」は、本明細書で使用される場合、一般に、メタロセン成分をオレフィンを重合させることができる活性触媒システムに変換することができる物質を指し、そのような活性化が生じる機構とは独立していることが意図される。「活性化剤」は、例えば、メタロセン化合物が既にそのようなリガンドを含まない場合に、メタロセン成分と、活性化可能なリガンド(アルキルまたは水素化物など)をメタロセンに提供する成分との接触生成物を、オレフィンを重合させることができる触媒システムに変換することができる。この用語は、実際の活性化機構に関係なく使用される。例示的な活性化剤としては、支持体活性化剤、アルミノキサン、有機ホウ素化合物または有機ホウ酸塩化合物、電離イオン性化合物などの電離化合物などが挙げられ得るが、これらに限定されない。アルミノキサン、有機ホウ素化合物または有機ホウ酸塩化合物、および電離化合物は、支持体活性化剤が存在する触媒組成物において使用される場合、「活性化剤」または「共活性化剤」と称され得るが、触媒組成物は、1つ以上のアルミノキサン、有機ホウ素、有機ホウ酸塩、電離化合物、または他の共活性化剤によって補充される。
【0047】
支持体活性化剤。「支持体活性化剤」という用語は、本明細書で使用される場合、イオン交換粘土、プロトン酸処理粘土、または柱状粘土などの固体形態の活性化剤、および活性化剤としても機能する類似の不溶性支持体を指す。支持体活性化剤が、メタロセンと活性化可能なリガンド、または任意選択でメタロセンおよび活性化可能なリガンドを提供することができる共触媒と組み合わされる場合、オレフィンを重合することができる触媒システムを提供する。
【0048】
イオン交換粘土。「イオン交換粘土」という用語は、本明細書で使用される場合、当業者が、天然に存在するまたは合成粘土の交換可能なイオンが、別の選択されたイオンによって置き換えられた、または別の選択されたイオンと交換された粘土(「モノイオン性」または「モノカチオン性」粘土とも称される)として理解する。イオン交換は、複数の交換工程、例えば3つの交換工程を含む、通常は、カチオンの2N水溶液などの濃縮イオン溶液からの、選択されたカチオンの供給源による天然または合成粘土の処理によって生じ得る。その後、交換された粘土を脱イオン水で数回洗浄して、処理工程で生じた過剰なイオンを除去することができ、例えば、Sanchez,et al.,Colloids and Surfaces A:Physicochemical and Engineering Aspects,2013,423,1-10,and Kawamura et al.,Clay and Clay Minerals,2009,57(2),150-160に記載される。一般に、遠心分離は、イオン処理と洗浄との間で粘土を溶液から単離するために使用される。
【0049】
メタロセン化合物。「メタロセン」または「メタロセン化合物」という用語は、本明細書で使用される場合、特定の結合モードにかかわらず、例えば、シクロアルカジエニル型リガンドまたはアルカジエニル型リガンドがη5-、η3-、またはη1-結合モードで金属に結合しているかどうかにかかわらず、ならびにこれらの結合モードのうちの1つ以上がリガンドによってアクセス可能であるかどうかにかかわらず、そのヘテロ原子類似体を含む、少なくとも1つの置換または非置換シクロアルカジエニル型リガンドまたはアルカジエニル型リガンドを含む遷移金属またはランタニド金属化合物を記載する。本開示では、「メタロセン」という用語は、η3-アリルがシクロアルカジエニル型またはアルカジエニル型リガンドの一部ではない、少なくとも1つのπ結合アリル型リガンドを含む化合物を指すためにも使用され、本明細書に記載の触媒組成物の遷移金属化合物成分として使用することが可能である。したがって、「メタロセン」は、置換または非置換η3~η5-シクロアルカジエニル型およびη3~η5-アルカジエニル型リガンド、そのヘテロ原子類似体を含み、かつシクロペンタジエニルリガンド、インデニルリガンド、フルオレニルリガンド、η3-アリルリガンド、ペンタジエニルリガンド、ボラタベンゼニルリガンド、1,2-アザボロリルリガンド、1,2-ジアザ-3,5-ジボロリルリガンド、それらの置換類似体、およびそれらの部分飽和類似体を含むが、これらに限定されないη3-アリル型リガンドを有する化合物を含む。部分飽和類似体は、部分飽和η5-シクロアルカジエニル型リガンドを含む化合物が含まれ、これらの例としては、テトラヒドロインデニル、テトラヒドロフルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、部分飽和インデニル、部分飽和フルオレニル、それらの置換類似体などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの文脈では、メタロセンは、単に「触媒」と称され、ほぼ同様に、「共触媒」という用語は、本明細書では、例えば、有機アルミニウム化合物を指すために使用される。したがって、メタロセンリガンドは、本開示では、少なくとも1つの置換または少なくとも1つの非置換シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、テトラヒドロインデニル、テトラヒドロフルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、ペンタジエニル、アリル、ボラタベンゼニル、1,2-アザボロリル、または1,2-ジアザ-3,5-ジボロリルリガンドを含み、それらの置換類似体を含むとみなすことができる。例えば、任意の置換基は、ハロゲン化物、C1-C20ヒドロカルビル、C1-C20ヘテロヒドロカルビル、C1-C20オルガノヘテリル、縮合C4-C12炭素環式部分、または窒素、酸素、硫黄、もしくはリンから独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する縮合C4-C11複素環式部分から独立して選択され得る。
【0050】
有機アルミニウム化合物および有機ホウ素化合物。有機アルミニウム化合物および有機ホウ素化合物という用語は、本明細書で使用される場合、AlMe3およびBEt3などの中性化合物を含み、LiAlMe4、LiAlH4、NaBH4およびLiBEt4などのアニオン性複合体も含む。したがって、別段の定めがない限り、アルミニウムおよびホウ素の水素化物化合物は、化合物が中性であるかアニオン性であるかにかかわらず、それぞれ有機アルミニウム化合物および有機ホウ素化合物の定義に含まれる。
【0051】
柱状粘土。本開示では、「柱状粘土」は、基底間隔が実質的に9Å~13Åよりも大きい秩序層を有する粘土種として定義される。粉末粘土試料を、2°以上の2θ角度を走査可能なX線回折装置を使用して解析すると、そのような柱状秩序化を含む種は、通常、2°~9°の2θ値で実質的なピークを有することが観察される。これらは、典型的に、ピラー剤(pillaring agent)、例えば、ランタン、アルミニウム、または鉄の酸素含有カチオンなどの酸素含有無機カチオンの導入によって調製される。アルミニウム柱状粘土は、多くの場合、柱状剤を約5mmol Al/g粘土または6mmol Al/g粘土、最大約30mmol Al/g粘土の範囲の量で粘土と接触させることによって調製される。典型的な柱状粘土製剤は、本明細書にて開示された支持体活性化剤が、約2.0mmol Al/g粘土以下、約1.7mmol Al/g粘土以下、約1.5mmol Al/g粘土以下、約1.3mmol Al/g粘土以下、または約1.2mmol Al/g粘土以下、ただし約0.75mmol Al/g粘土超、または約1.0mmol Al/g粘土超を使用して調製され得る、本開示による支持体活性化剤の調製と対照的であり得る。したがって、一態様では、柱状粘度を形成するために使用されるピラー剤は、本開示のヘテロ凝固粘土を形成するために使用されるのと同じヘテロ凝固試薬から選択することができる。本明細書で説明されるように、本明細書に開示されるスメクタイトヘテロ付加物の調製中でさえ、いくつかの柱状粘土種が形成され得る。
【0052】
インターカレートされた。「インターカレートされた」または「インターカレーション」という用語は、粘土基板の層間への材料の挿入を示す当該技術分野の用語である。これらの用語は、別段の記載がない限り、当業者に理解される方法で、および米国特許第4,637,992号に記載されている方法で本明細書で使用される。
【0053】
基底間隔。「基底間隔」、「基底d001間隔」、または「d001間隔」という用語は、モンモリロナイトなどのスメクタイト粘土の関連で使用される場合、通常、粘土構造内の隣接層の類似した面間のオングストロームまたはナノメートルで表される距離を指す。したがって、例えば、モンモリロナイトを含むスメクタイト粘土の2:1ファミリーでは、基底距離は、修正または支柱形成の有無にかかわらず、四面体シートの上部から隣接する2:1層の次の四面体シートの上部までの距離であり、介在する八面体シートを含む。基底間隔値は、d001面のX線回折分析(XRD)を使用して測定する。例えば、ベントロナイトに見られる天然モンモリロナイトは、約12Å~約15Åの基底間隔の範囲を有する。(例えば、Fifth National Conference on Clays and Clay Minerals, National Academy of Sciences,National Research Council,Publication 566,1958:Proceedings of the Conference:「Heterogeneity In Montmorillonite」,J.L.McAtee,Jr.,pp.279-88 and Table 1 at p.282を参照されたい。)基底間隔を決定するためのXRD試験方法については、Pillared Clays and Pillared Layered Solids,R.A.Schoonheydt et al.,Pure Appl.Chem.,71(12),2367-2371,(1999)、および米国特許第5,202,295号(McCauley)at column 27,lines 22-43に記載される。
【0054】
ゼータ電位。「ゼータ電位」という用語は、本明細書で使用される場合、スターン層(コロイド粒子の表面電荷を中和するために形成されるしっかりと付着した対イオンの層)と拡散層(スターン層よりも粒子表面から遠くに存在する緩く付着したイオンの雲)との接合部と、バルク溶液またはスラリーとの間の電位の差を指す。この性質は、電圧の単位、例えばミリボルト(mV)で表される。ゼータ電位は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,616,872号に記載されるように、コロイド懸濁液全体に電位を印加した結果としての超音波の生成である「電気運動音波振幅効果」(ESA)を定量化することによって得ることができる。
【0055】
ヒドロカルビル基。「ヒドロカルビル基」という用語は、本明細書で使用される場合、親炭化水素化合物から一価の水素原子を除去することによって形成される一価、直鎖状、分岐状、または環状基として、当該技術分野で認識されているIUPAC定義に従って使用される。別段の定めのない限り、ヒドロカルビル基は、脂肪族または芳香族であり得、飽和または不飽和であり得、直鎖、環状、分枝、および/または縮合環構造を含み得るが、これらのいずれかが特に除外されない限りである。IUPAC Compendium of Chemical Terminology, 2nd Ed(1997)at 190を参照されたい。ヒドロカルビル基の例としては、アリール、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、シクロアルカジエニル、アルキニル、アラルキル、アラルケニル、およびアラルキニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
ヘテロヒドロカルビル基。「ヘテロヒドロカルビル」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子に置き換えられる親「ヘテロ炭化水素」分子の炭素原子から単一の水素原子を除去することによって形成される、一価、直鎖、分枝、または環状基を包含するように本開示で使用される。親ヘテロ炭化水素は、脂肪族または芳香族であり得る。「ヘテロヒドロカルビル」基の例としては、ハロゲン化物置換基、窒素置換基、リン置換基、ケイ素置換基、酸素置換基、および水素が除去されて炭素原子を形成し、遊離価を生成した硫黄置換ヒドロカルビル基が挙げられる。ヘテロヒドロカルビル基の例としては、-CH2OCH3、-CH2SPh、-CH2NHCH3、-CH2CH3NMe2、-CH2SiMe3、-CMe2SiMe3、-CH2(C6H4-4-OMe)、-CH2(C6H4-4-NHMe)、-CH2(C6H4-4-PPh2)、-CH2CH3PEt2、-CH2Cl、-CH2(2,6-C6H3Cl2)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
ヘテロヒドロカルビルは、ヘテロ脂肪族基(飽和および不飽和基を含む)およびヘテロ芳香族基の両方を包含する。したがって、ヘテロ原子置換ビニル基、ヘテロ原子置換アルケニル基、ヘテロ原子置換ジエニル基などはすべて、ヘテロヒドロカルビル基によって包含される。
【0058】
オルガノヘテリル基。「オルガノヘテリル」基という用語はまた、当該技術分野で認識されているIUPAC定義に従って、炭素を含有する一価の基として使用され、したがって、有機であるが、炭素以外の原子でその遊離価を有する。IUPAC Compendium of Chemical Terminology, 2nd Ed(1997)at 284を参照されたい。オルガノヘテリル基は、直鎖状、分枝状、または環状であり得、アルコキシ、アリールオキシ、オルガノチオ(またはオルガニルチオ)、オルガノゲルマニウム(またはオルガニルゲルマニウム)、アセトアミド、アセトニルアセタナト、アルキルアミド、ジアルキルアミド、アリールアミド、ジアリールアミド、トリメチルシリルなどの一般的な基を含む。-OMe、-OPh、-S(トリル)、-NHMe、-NMe2、-N(アリール)2、-SiMe3、-PPh2、-O3S(C6H4)Me、-OCF2CF3、-O2C(アルキル)、-O2C(アリール)、-N(アルキル)CO(アルキル)、-N(アリール)CO(アリール)、-N(アルキル)C(O)N(アルキル)2、ヘキサフルオロアセトニルアセタナートなどの基。
【0059】
オルガニル基。オルガニル基は、IUPACの定義に従って、例えばCH3CH2-、ClCH2C-、CH3C(=O)-、4-ピリジルメチルなどの炭素原子に1つの遊離価を有する、官能型にかかわらず、任意の有機置換基を指すために本開示で使用される。オルガニル基は、直鎖状、分枝状、または環状であってもよく、「オルガニル」という用語は、オルガニルチオ-(例えば、MeS-)およびオルガニルオキシのように、他の用語と併せて使用されてもよい。
【0060】
ヘテロシクリル基。IUPAC Compendiumは、オルガニル基を、ヘテロシクリル基およびオルガノヘテリル基などの他の基と比較する。これらの用語は、IUPAC Compendium of Chemical Terminology,2
nd Ed(1997)に以下のように記載されており、これは、欠失水素から価数を有する分子または基の一部に「-イル」接尾辞を関連付ける慣例を示す。したがって、ヘテロシクリル基は、複素環式化合物の任意の環原子から水素原子を除去することによって形成される一価の基として定義される。例えば、下記に示すピペリジン-1-イル基およびピペリジン-2-イル基の両方であって、窒素原子または炭素原子から引かれた線は、自由原子価を表し、メチル基ではない、ヘテロシクリル基である。
【表1】
【0061】
しかしながら、ピペリジン-1-イル基もオルガノヘテリル基とみなされ、ピペリジン-2-イル基もヘテロヒドロカルビル基とみなされる。したがって、「ヘテロシクリル」の価数は、任意の適切な環状原子上で生じ得るが、「オルガノヘテリル」の価数は、ヘテロ原子上で生じ、ヘテロヒドロカルビルの価数は、炭素原子上で生じる。
【0062】
ヒドロカルビレン基およびヒドロカルビリデン基。「ヒドロカルビレン」基はまた、IUPAC Compendium of Chemical Terminology,2nd Ed(1997)に記載されているように、炭化水素から2つの水素原子を除去することによって形成される二価の基であり、その自由原子価が二重結合に係合していない、その一般的かつ慣用的な意味に従って定義される。ヒドロカルビレン基の例として、例えば、1,2-フェニレン、1,3-フェニレン、1,3-プロパンジイル(-CH2CH2CH2-)、シクロペンチリデン(=CC4H8)、または架橋(-CH2-)で、二重結合を形成しないメチレンが挙げられる。自由原子価が二重結合に係合していないヒドロカルビレン基は、アルキリデン基などのヒドロカルビリデン基と区別される。
【0063】
「ヒドロカルビリデン」基は、同じ炭素原子から2つの水素原子を除去することによって炭化水素から形成される二価の基であり、その自由原子価は二重結合の一部である。アルキリデン基は、例示的なヒドロカルビリデンであり、2つの水素原子を同じ炭素原子から除去することによってアルカンから形成される二価の基として定義され、その自由原子価は二重結合の一部である。=CHMe、CHEt、=CMe2、=CHPh、またはメチレンカーボンが二重結合(=CH2)を形成するメチレンなどのアルキリデン基の例。
【0064】
ヘテロヒドロカルビレン基およびヘテロヒドロカルビリデン基。「ヘテロヒドロカルビレン」基という用語は、ヒドロカルビレン基に類似して、親ヘテロ炭化水素分子から2つの水素原子を除去することによって形成される二価の基を指して使用され、その自由原子価は二重結合に係合していない。水素原子は、自由原子価が二重結合に係合されないように、2つの炭素原子、2つのヘテロ原子、または1つの炭素および1つのヘテロ原子から除去することができる。「ヘテロヒドロカルビリデン」基の例としては、-CH2OCH2-、-CH2NPhCH2-、-SiMe2(1,2-C6H4)SiMe2-、-CMe2SiMe2-、-CH2NCMe3-、-CH2CH2PMe-、-CH2[1,2-C6H3(4-OMe)]CH2-、などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
ヒドロカルビリデンに類似して、「ヘテロヒドロカルビリデン」基は、同じ炭素原子から2つの水素原子を除去することによってヘテロ炭化水素から形成される二価の基であり、その自由原子価は二重結合の一部である。ヘテロヒドロカルビリデン基の例としては、=CHNMe2、=CHOPh、=CMeNMeCH2Ph、=CHSiMe3、=CHCH2Clなどの基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
ハロゲン化物およびハロゲン。「ハロゲン化物」および「ハロゲン」という用語は、文脈および化学が許容または指示するように、個々にまたは任意の組み合わせで、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素のイオンまたは原子を指すために本明細書で使用される。これらの用語は、これらの原子の電荷または結合様式にかかわらず同義的に使用され得る。
【0067】
ポリマー。「ポリマー」という用語は、オレフィンホモポリマー、コポリマー、ターポリマーなどを含むように本明細書で一般的に使用される。コポリマーは、オレフィンモノマーおよび1つのオレフィンコモノマーに由来し、一方、ターポリマーは、オレフィンモノマーおよび2つのオレフィンコモノマーに由来する。したがって、「ポリマー」は、本明細書に開示される任意のオレフィンモノマーおよびコモノマーに由来するコポリマー、ターポリマーなどを包含する。同様に、エチレンポリマーは、エチレンホモポリマー、エチレンコポリマー、エチレンターポリマーなどを含む。したがって、エチレンコポリマーなどのオレフィンコポリマーは、エチレンおよびプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、または1-オクテンなどのコモノマーに由来し得る。モノマーおよびコモノマーがそれぞれエチレンおよび1-ヘキセンであった場合、得られたポリマーは、エチレン/1-ヘキセンコポリマーとして分類される。同様に、「重合」という用語には、ホモ重合、共重合、三重合などが含まれる。例えば、共重合プロセスは、エチレンなどの1つのオレフィンモノマーと、1-ヘキセンなどの1つのオレフィンコモノマーとを接触させて、コポリマーを生成することを含む。本明細書では、高密度ポリエチレンの「HDPE」などのポリオレフィン型の周知の略語を使用することができる。
【0068】
文脈が許容または必要とする場合、「ポリマー」という用語は、修飾粘土中のピラーの調製および形成に使用される無機組成物を指すために本明細書で使用される。例えば、ピラーは、アルミニウム、ジルコニウム、および/またはチタンなどの金属の高分子カチオン性ヒドロキシ金属複合体、例えば、アルミニウムクロルハイドレート複合体(「塩水和物」または「塩素水和物」としても知られる)の使用に基づいて、スメクタイト粘土中に形成されることが知られている。複合体を含む無機コポリマーもまた知られている。例えば、米国特許第4,176,090号および米国特許第4,248,739号を参照されたい。さらに、別途明示的に記載されない限り、ポリマーという用語は、分子量によって限定されず、したがって、オリゴマーと称されることがある低分子量ポリマー、および高分子量ポリマーの両方を包含する。
【0069】
プロ触媒。「プロ触媒」という用語は、本明細書で使用される場合、ルイス酸またはブレンステッド酸にかかわらず、アルミノキサン、ボラン、ホウ酸塩または他の酸性活性化剤によって活性化されるとき、または本明細書に開示されるような支持体活性化剤によって活性化されるときに、オレフィンを重合、オリゴマー化または水素化することができる化合物を意味する。
【0070】
用語の追加説明。以下の用語の追加の説明は、本開示の完全に開示された態様および特許請求の範囲に提供される。
【0071】
別段の定めがない限り、または文脈上別段の必要がない限り、本明細書に開示されるヘテロ凝固剤として使用されるポリメタレートの化学式は、実験式である。したがって、(Al,Mg)2Si4O10(OH)2(H2O)8などの式は、オリゴマー種または高分子種を包含するとみなすことができる経験的なポリメタレート式であり、FeOx(OH)y(H2O)z]n+などの式は、可変下付き文字が整数である必要がないオリゴマーまたはポリマーを包含するとみなすこともできる。
【0072】
原子数、基底間隔、重量比、モル比、パーセンテージ、温度などの数値範囲を含むがこれらに限定されない、いくつかの種類の数値範囲が本明細書に開示される。任意のタイプの範囲を開示または主張する場合、出願人の意図は、そのような範囲が合理的に包含する可能性のある各番号を、書面による説明および文脈と一致して、範囲の終点、およびその中に包含されるサブ範囲の任意のサブ範囲および組み合わせを含むように個別に開示または主張することである。例えば、出願人が、C1~C12(またはC1~C12)アルキル基、または1~12個の炭素原子を有する代替言語など、ある特定の数の炭素原子を有する化学部分を開示または特許請求する場合、出願人の意図は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個の炭素原子を有するアルキル基、ならびにこれらの2つの数の間の任意の範囲(例えば、C1~C6アルキル基)から独立して選択することができ、また、これらの2つの数の間の範囲の任意の組み合わせ(例えば、C2~C4、およびC6~C8アルキル基)を含む部分を指す。出願人は、何らかの理由で、例えば、出願人が出願の時点で認識していない参照を考慮して、開示の完全な尺度未満を主張することを選択した場合、範囲または同様の方法で主張することができる、グループ内の任意のサブ範囲またはサブ範囲の組み合わせを含む、任意のそのような範囲またはグループの個々のメンバーを排除または除外する権利を留保する。
【0073】
別の態様では、特性、測定単位、条件、物理的状態、またはパーセンテージの特定のセットを表すような、本明細書または特許請求の範囲に記載される任意の範囲の数字は、参照によって、またはそうでなければ、そのように記載される範囲内の任意の数字のサブセットを含む、その範囲内に入る任意の数字を、本明細書に明示的に組み込むことを意図する。例えば、下限、RL、および上限RUを有する数値範囲が開示されるとき、その範囲内に収まる任意の数値Rが具体的に開示される。特に、範囲内の以下の番号Rが具体的に開示される:
R=RL+k(RU-RL)、
式中、kは、1%増分を有する1%~100%の範囲の変数であり、例えば、kは、1%、2%、3%、4%、5%....50%、51%、52%....95%、96%、97%、98%、99%または100%である。さらに、上記で計算したように、Rの任意の2つの値によって表される任意の数値範囲も具体的に開示される。
【0074】
本明細書に開示される任意の特定の化合物について、提示される任意の一般的または特定の構造は、特に断りのない限り、特定の置換基セットから生じ得るすべての立体異性体、位置異性体、および立体異性体も包含する。同様に、別段の定めがない限り、一般的または特異的構造はまた、当業者によって認識されるように、エナンチオマー、ジアステレオマー、および他の光学異性体(エナンチオマーまたはラセミ体のいずれの形態でも)、ならびに立体異性体の混合物を包含する。
【0075】
別段の記載がない限り、値または範囲は、本開示において、「約」という用語、例えば、「約」の記載値、「約」の記載値よりも大きいかもしくは小さいか、または「約」の1つの値から「約」が別の値までの範囲にあることを使用して表現され得る。そのような値または範囲が表現されるとき、開示される他の実施形態は、特定の列挙された値、特定の列挙された値間の範囲、および特定の列挙された値に近い他の値を含む。一態様では、「約」という用語の使用は、記載値の±15%、記載値の±10%、記載値の±5%、または記載値の±3%を意味する。例えば、「約」という用語が変数、特性または条件に対する修飾語として、またはそれと関連して使用される場合、本明細書に開示される数値、範囲、特性および条件は、記載された範囲から多少外れていたり、単一の記載値と異なっていたりする、温度、速度、時間、濃度、量、内容物、基底間隔などの特性、孔サイズ、孔体積、表面積などを含むサイズなどを使用する当業者による本開示の実践が、定義された特性を有する多孔質触媒担体粒子の調製および活性オレフィン重合触媒およびかかる触媒を用いるオレフィン重合プロセスの調製におけるそれらの使用など、本願に記載の所望の結果に到達できる十分柔軟であると伝えることを意図するものである。
【0076】
用語「a」、「an」、「the」など(例えば、「この」)は、別段の定めがない限り、少なくとも1つなどの複数の代替物を含むことが意図される。例えば、「支持体活性化剤」、「有機アルミニウム化合物」、または「メタロセン化合物」の開示は、それぞれ、触媒支持体活性化剤、有機アルミニウム化合物、またはメタロセン化合物の1つまたは2つ以上の混合物または組み合わせを包含することを意図する。
【0077】
「含む(comprising)」という用語および「含む(comprise)」、「含む(comprised of)」、「有する(having)」、「含む(including)」などのその変形形態は、移行句または明細書中に列挙されるように、包括的かつ開放的であり、さらなる、列挙されていない要素または方法工程を除外しない。移行句「~からなる(consisting of)」およびその変形形態は、特許請求の範囲において特定されていない任意の要素、工程、または成分を除外する。移行句「~から本質的になる(consists essentially of)」は、特許請求の範囲の範囲を、指定された成分または工程、ならびに特許請求された発明の基本的および新規の特徴に実質的に影響を与えない成分または工程に限定する。別段の指示がない限り、化合物または組成物を「本質的にからなる(consisting essentially of)」と説明することは、この語句が、組成物または用語が適用される方法を著しく改変しない材料を含む列挙された成分を説明することを意図しているため、「含む(comprising)」と解釈されるべきではない。例えば、前駆体または触媒成分は、特定の手順によって調製されたときに、材料の商業的に製造された試料中に一般的に存在する不純物を含むことができる材料から本質的になることができる。特許請求の範囲が、異なる特徴および/または特徴クラス(例えば、他の可能性の中でも、方法工程、供給原料特徴、および/または製品特徴)を含む場合、移行用語は、利用される特徴クラスのみを含み、本質的にそれからなり、かつそれからなり、特許請求の範囲内の異なる特徴とともに利用される異なる移行用語または句を有することが可能である。例えば、方法は、いくつかの列挙された工程(および他の列挙されていない工程)を含むことができるが、特定のまたは代替的に本質的に特定の工程からなる触媒システム調製物を利用するが、列挙された成分および他の列挙されていない成分を含む触媒システムを利用する。組成物およびプロセスが、様々な成分または工程を「含む」という点で説明されるとき、組成物およびプロセスは、様々な成分またはプロセス工程から「本質的になる」または「からなる」こともできる。
【0078】
特定の性質、特性または変数に関して別途定義されない限り、性質、特性または変数などの任意の基準に適用される「実質的な」および「実質的に」という用語は、達成される利益、または所望の条件または特性値が満たされることを当業者が理解するであろう十分な尺度で記載された基準を満たすことを意味する。例えば、「実質的に」という用語は、アルミノキサン、ホウ酸塩活性剤、プロトン酸処理粘土、または柱状粘土を実質的に含まないか、または実質的に存在しないメタロセン触媒または触媒システムを説明するときに使用することができる。言い換えれば、用語「実質的な」および「実質的に」は、その範囲が関連技術分野の当業者によって理解されるように主題を合理的に説明し、特許請求される主題を任意の従来技術と区別する役割を果たす。一態様では、「実質的に含まない」を使用して、列挙された成分のうち、組成物が実質的に含まないものが組成物に添加され、不純物量、例えば、他の成分の純度制限に由来する量、または副産物として生成される量のみが存在する組成物を記載することができる。さらなる態様では、組成物が特定の成分を「実質的に含まない」と言われる場合、組成物は、成分の20重量%未満、成分の15重量%未満、成分の10重量%未満、成分の5重量%未満、成分の3重量%未満、成分の2重量%未満、成分の1重量%未満、成分の0.5重量%未満、または成分の0.1重量%未満を有し得る。
【0079】
特許請求の範囲の要素に関して「任意に」、「任意の」などの用語は、主題要素が必要とされることを意味することを意図しているか、または代替的に、必要ではなく、両方の代替案が特許請求の範囲の範囲内であることが意図されており、特許請求の範囲がいずれかまたは両方の代替案を包含することができることが想定されている。
【0080】
周期表または周期表内の元素の族への言及は、国際純粋および応用化学連合(IUPAC)によって発行され、http://old.iupac.org/reports/periodic_table/(2010年2月19日版)でオンラインで公開されている元素の周期表を指す。族1~18としての元素の族の番号付けのためにIUPACシステムを使用して、元素の周期表に反映される周期表の「族(group)」または「族(groups)」を指す。任意の群が、例えば、「Hawley’s Condensed Chemical Dictionary」(2001)(「CAS」システム)に掲載されている元素の周期表に従ってローマ数字で識別される範囲で、混乱を避けるためにその群の1つ以上の元素をさらに識別し、数値的なIUPAC識別子への相互参照を提供する。
【0081】
本明細書では、様々な特許、刊行物、および文書が開示され、参照される。本開示で引用される各参照文献は、特に断りがない限り、特許、刊行物、または他の文書を問わず、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0082】
本開示に関連するいくつかの背景情報を提供し得る参照文献としては、例えば、米国特許第3,962,135号、同第4,367,163号、同第5,202,295号、同第5,360,775号、同第5,753,577号、同第5,973,084号、同第6,107,230号、同第6,531,552号、同第6,559,090号、同第6,632,894号、同第6,943,224号、同第7,041,753号、同第7,220,695号、同第9,751,961号、ならびに米国特許出願公開第2018/0142047号および同第2018/0142048号が挙げられ、これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示に関連するいくつかの背景情報を提供し得る追加の刊行物は、
Gu,B.;Doner,H. E.,Clay and Clay Minerals,1991,38(5),493-500、
Covarrubias et al.,Applied Catalysis A:General,347(2),15 September 2008,223-233、
Tayano et al.,Clay Science,2016,20,49-58、
Tayano et al.,Macromolecular Reaction Engineering,2017(11),201600017、
Journal of Molecular Catalysis A:Chemical,2016,420,228-236、
Clay Science,2016,20,49-58、
Finevich et al.,Russian Journal of General Chemistry 2007,77(12),2265-2271、
Bibi,Singh,and Silvester,Applied Geochemistry,2014,51,170-183、
Sharma et al.,Journal of Material Science,2018,53,10095-10110、
Okada et al.,Clay Science,2003,12,159-163、
Sucha et al.,Clay Minerals,1996,31,333-335、
Vlasova et al.,Science of Sintering,2003,35,155-166、
Kline and Fogler,Industrial&Engineering Chemistry Fundamentals,1981,20(2),155-161、
Ocelli,Clay and Clay Minerals,2000,48(2),304-308、
Kooli,Microporous and Mesoporous Materials;2013,167,228-236、
Pergher and Bertella,Materials,2017,10,712、および
Tsvetkov et al.,Clay and Clay Minerals,1990,38(4),380-390、
が挙げられ、これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0083】
B.概要
本開示の支持体活性化剤は、スメクタイトまたは2八面体スメクタイト粘土などの液体担体中の膨張型粘土のスラリーから開始し、本明細書で指定された条件下で作製された少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含むヘテロ凝固試薬とスラリー中の粘土を接触させることによって形成され得る。ヘテロ凝固粘土形態であって、濾過によって非常に便利に単離され、その後乾燥され、焼成されて、オレフィン重合に向けてメタロセン触媒を支持し活性化するのに有用な支持体活性化剤を提供することができる。良好な収率での粘土ヘテロ付加物の形成は、粘土ヘテロ付加物が形成されるスラリーのゼータ電位測定によって測定される、粘土と比較して使用されるヘテロ凝固試薬の比率または量を制御することによって達成することができる。したがって、粘土ヘテロ付加物は、[1]コロイド状スメクタイト粘土などのスメクタイト粘土と、[2]少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含み、かつゼータ電位を約正25mV(ミリボルト)~約負25mVの範囲に有する得られた粘土ヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と、の液体中での接触生成物を含む。
【0084】
得られたスラリーが約+25mVを超えるゼータ電位を有し、アルミニウムクロルハイドレート(ACH)などのカチオン性ポリメタレートとコロイド状スメクタイト粘土との間に生じるように、スメクタイト粘土が、直前に指定された粘土1グラム当たりよりも多くのモル数のカチオン性ポリメタレートを使用して液体担体中のヘテロ凝固試薬と接触させると、約2.3mmol Al/g粘土超、約2.5mmol Al/g粘土超、約2.7mmol Al/g粘土超、または約3.0mmol Al/g粘土超(粘土1グラム当たりのAlのミリモル)のレシピを使用すると、対応する多量の柱状粘土が形成され得る。所望のスメクタイトヘテロ付加物のスラリーは、粉末X線回折(XRD)によって観察されるように、いくつかの対応する柱状粘土を含むことができ、いくつかの柱状粘土の形成は、支持体活性化剤形成に二次的または付随的であるが、粘土ヘテロ付加物と比較して柱状粘土の濃度が高すぎる支持体活性化剤は、支持体活性化剤の分離の容易さが損なわれるように、スラリーの即時濾過性の損失をもたらす。得られたスラリーが約-25mV未満のゼータ電位を有するように、1グラムの粘土当たりより少ない数のカチオン性ポリメタレートを使用して、スメクタイト粘土を液体担体中のヘテロ凝固試薬と接触させると、カチオン性ポリメタレートアルミニウムクロルハイドレート(ACH)およびコロイド状スメクタイト粘土を使用する場合、約0.5mmol Al/g粘土未満、約0.6mmol Al/g粘土未満、または約0.8mmol Al/g粘土未満、またはある場合には約1.0mmol Al/g粘土未満(1グラムの粘土当たりのAlミリモル)の粘土が形成され、かなりの量のコロイド状スメクタイト粘土が残ることができる。
【0085】
また、メタロセン触媒を支持および活性化するために使用される柱状粘土支持体活性化剤および類似の粘土系活性化剤とは対照的に、本開示の粘土ヘテロ付加物支持体活性化剤は、濾過による単離後の後続の洗浄工程ではほとんどまたは全く使用されないことも予期せずに発見されている。すなわち、単離されたヘテロ付加物支持体活性化剤は、広範囲または時間のかかる精製、洗浄、または他の粘土系支持体で一般的に使用される他のそのような精製段階なしに、所望により、メタロセン、およびアルミニウムアルキルなどの共触媒とともに触媒形成において直接使用することができる。この利点は、オレフィン重合触媒を調製する場合、実質的な経済的利点および強化された使用しやすさを提供することができる。
【0086】
したがって、一態様では、本開示は、単離されたスメクタイトヘテロ付加物を含む支持体活性化剤を提供し、スメクタイトヘテロ付加物は、[1]コロイド状スメクタイト粘土と、[2]少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含み、かつゼータ電位を約正25mV(ミリボルト)~約負25mVの範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と、の液体中での接触生成物を含む。
【0087】
本開示はまた、別の態様では、スメクタイトヘテロ付加物を含む支持体活性化剤の製造方法であって、方法は、
a)コロイド状スメクタイト粘土を提供することと、
b)コロイド状スメクタイト粘土を、少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含み、かつゼータ電位を約正25mV(ミリボルト)~約負25mVの範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と液体担体中で接触させることと、を含む。
【0088】
この方法は、c)スメクタイトヘテロ付加物をスラリーから単離する工程をさらに含むことができる。
【0089】
さらなる態様によれば、本開示は、オレフィン重合のための触媒組成物を提供し、触媒組成物は、
a)メタロセン化合物などの少なくとも1つの遷移金属触媒と、
b)任意選択で、少なくとも1つの共触媒と、
c)焼成スメクタイトヘテロ付加物を含む少なくとも1つの支持活性剤であって、スメクタイトヘテロ付加物は、[1]コロイド状スメクタイト粘土と、[2]液体担体中に少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含み、かつゼータ電位を約正25mV(ミリボルト)~約負25mVの範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と、の接触生成物を含む、少なくとも1つの支持活性剤と、を含む。
【0090】
なおさらなる態様では、オレフィン重合触媒の製造方法であって、方法は、任意の順序で、
a)メタロセン化合物などの少なくとも1つの遷移金属触媒と、
b)任意選択で、少なくとも1つの共触媒と、
c)本開示に従って記載される、焼成スメクタイトヘテロ付加物を含む少なくとも1つの支持体活性化剤と、を接触させることを含む。
【0091】
本開示のさらに別の態様は、重合条件下で少なくとも1つのオレフィンモノマーおよび触媒組成物を接触させて、ポリオレフィンを形成することを含む、オレフィンの重合プロセスであって、触媒組成物は、
a)メタロセン化合物などの少なくとも1つの遷移金属触媒と、
b)任意選択で、少なくとも1つの共触媒と、
c)本開示本明細書で記載される、焼成スメクタイトヘテロ付加物を含む少なくとも1つの支持体活性化剤と、を含む。
【0092】
様々な態様および実施形態の詳細な情報が、本明細書に記載の支持体活性化剤および触媒組成物を作製および使用するために記載される、この書面による説明の実施例、データ、および開示の態様を参照する。以下のセクションは、触媒組成物を調製するために、および触媒組成物を使用してオレフィンを重合させるために使用される成分のいくつかの具体的な詳細を示している。
【0093】
C.コロイド状スメクタイト粘土
定義セクションに加えて、以下の開示は、スメクタイト粘土に関連する追加情報を提供する。
【0094】
膨張型粘土、例えば、スメクタイトまたは2:1の2八面体スメクタイト粘土、または膨張型粘土の組み合わせは、本明細書に記載の支持体活性化剤の調製に使用することができる。これらの膨張型粘土は、フィロケイ酸塩の粘土鉱物群の特定の部材を使用することができるため、フィロシリケイトまたはフィロシリケイト粘土として説明することができる。好適な出発粘土には、層状の、天然に存在する、または合成スメクタイトが含まれ得る。出発粘土には、2八面体スメクタイト粘土も含まれ得る。さらに、好適な出発粘土には、モンモリロナイト、ソーコナイト、ノントロナイト、ヘクトロナイト、バイデライト、サポナイト、ベントナイト、またはそれらの任意の組み合わせなどの粘土も含まれ得る。スメクタイトは、格子電荷を運ぶ2:1の層状粘土鉱物であり、水およびアルコールで溶媒和すると膨張することができる。したがって、好適な出発粘土として、例えば、モノイオン交換された、リチウム交換粘土、ナトリウム交換粘土、またはカリウム交換粘土などの2八面体スメクタイト、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0095】
水は、粘土構造自体に関連付けられているか、または水和シェルとしてカチオンに配位されているかのいずれかで、層状粘土構造単位に配位することもできる。脱水した場合、2:1層粘土は、粉末X線回折(XRD)において、約9Å(オングストローム)~約12Å(オングストローム)の繰り返し距離またはd001基底間隔、または代替的に、粉末X線回折(XRD)において、約10Å(オングストローム)~約12Å(オングストローム)の範囲を有する。
【0096】
それらの構造は、4面体ケイ酸塩の2つの外側シートと、シリカシートとの間に挟まれた八面体アルミナの内側シートとを含む「サンドイッチ」構造であるため、層状スメクタイト粘土は、2:1粘土とも称される。したがって、これらの構造は、「TOT」(4面体-8面体-8面体)構造とも称される。これらのサンドイッチ構造は、粘土粒子を生じさせるために次々と積み重ねられる。この構成は、これらの層の間に無機酸化物材料の「ピラー」を挿入することによって生成されたピラーまたはインターカレーションされた粘土と比較して、約9オングストロームおよび半オングストローム(Å)ごとに繰り返し構造を提供して、天然の粘土層の間により大きな空間を提供することができる。
【0097】
一態様では、支持体活性化剤を調製するために使用される粘土は、コロイド状スメクタイト粘土であり得る。したがって、スメクタイト粘土は、約10μm(ミクロン)未満、約5μm未満、約3μm未満、2μm未満、または1μm未満の平均粒径を有することができ、平均粒径は、約15nm超、約25nm超、約50nm超、または約75nm超である。すなわち、これらの列挙された数字の間の粘土粒子サイズの任意の範囲が開示される。コロイド懸濁液を与えることができない粘土を使用することができるが、これらはコロイド粘土よりも好ましくない。
【0098】
一態様では、支持体活性化剤を調製するために使用される粘土は、米国特許第6,531,552号に記載されている二価または三価のイオン交換スメクタイト、例えば、Mg交換モンモリロナイトまたはAlイオン交換モンモリロナイトを欠いている可能がある。別の態様では、支持体活性化剤を調製するために使用される粘土は、米国特許第6,531,552号および同第5,973,084号に記載されるように、雲母または合成ヘクトライトを欠いている可能がある。さらなる態様では、支持体活性化剤を調製するために使用される粘土は、三面体スメクタイトを欠いている可能もあれば、バーミキュライトを欠いている可能がある。
【0099】
一態様では、スメクタイト粘土はまた、以下の式:
(MAIV)8(MBVI)pO20(OH)4(式中、
a)MAIVが、4配位Si4+であり、Si4+が、Si4+ではない4配位カチオンによって任意選択で部分的に置換され(例えば、Si4+ではないカチオンは、Al3+、Fe3+、P5+、B3+、Ge4+、Be2+、Sn4+などから独立して選択することができる)、
b)MBVIが、6配位Al3+またはMg2+であり、Al3+またはMg2+が、Al3+またはMg2+ではない6配位カチオンによって任意選択で部分的に置換され(例えば、Al3+またはMg2+ではないカチオンは、Fe3+、Fe2+、Ni2+、Co2+、Li+、Zn2+、Mn2+、Ca2+、Be2+などから独立して選択することができる)、
c)pが、+3形式電荷を有するカチオンについて4であるか、またはpが、+2形式電荷を有するカチオンについて6であり、
d)MAIVでのSi4+ではないカチオンの部分置換によって生じる任意の電荷欠損、および/またはMBVIでのAl3+またはMg2+ではないカチオンの部分置換によって生じる任意の電荷欠損は、構造単位間にインターカレーションされたカチオンによってバランスがとられること(例えば、構造単位間にインターカレーションされたカチオンは、モノカチオン、ジカチオン、トリカチオン、他のマルチカチオン、またはそれらの任意の組み合わせから選択することができる)を特徴とする構造単位を含むことができる。
【0100】
開示セクションの実施例、データ、および態様は、スメクタイト粘土の様々な態様および実施形態の追加の詳細情報を提供する。
【0101】
D.ヘテロ凝固試薬に使用されるカチオン性ポリメタレート
「定義」セクションおよび本開示の態様に加えて、以下の追加情報は、カチオン性ポリメタレートをさらに説明する。
【0102】
定義セクションで説明するように、「ポリメタレート」という用語、および「ポリオキソメタレート」などの類似の用語は、オキソ、ヒドロキシおよび/またはハロゲン化物リガンドなどの金属間の少なくとも1つの架橋リガンドとともに、2つ以上の金属(例えば、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、または他の金属)を含むポリ原子カチオンを指す。例えば、ポリメタレートは、水和金属酸化物、水和金属オキシ酸化物などであり得、これらの種において2つ以上の金属を架橋することができるオキソリガンドなどの架橋リガンドを含むことができ、末端オキソ、ヒドロキシル、および/またはハロゲン化物リガンドも含むことができる。多くのポリメタレート種はアニオン性であり、接尾辞「-ate」はアニオン性種を反映するために使用されることが多いが、本開示に従って使用されるポリメタレート(ポリオキソメタレート)化合物はカチオン性である。
【0103】
本開示のヘテロ凝固試薬は、粘土のコロイド懸濁液と適切な比率で組み合わせると、容易に濾過され、容易に洗浄された凝固物を形成する正に荷電した種であり得る。正に荷電した種としては、可溶性ポリオキソメタレート、ポリヒドロキシルメタレート、およびポリオキソヒドロキシメタレートカチオン、ならびに部分的にハロゲン化物置換された関連するカチオン、例えば、直鎖、環状、またはクラスター化合物であるポリアルミニウムオキシヒドロキシクロライドまたはアルミニウムクロルハイドレートまたはポリアルミニウムクロライド種が挙げられる。これらの化合物はポリメタレートと総称される。後者のアルミニウム化合物は、約2~約30個のアルミニウム原子を含有することができる。
【0104】
有用なヘテロ凝固試薬には、水性溶媒中または混合水性溶媒および有機溶媒(例えば、アルコール)中に分散したときに正のゼータ電位を特徴とする任意のコロイド種も含まれる。例えば、ヘテロ凝固試薬の有用な分散液は、(>)+20mV(正20mV>)よりも大きいゼータ電位、+25mVよりも大きいゼータ電位、または+30mVよりも大きいゼータ電位を示すことができる。出発コロイド粘土は、プロトン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、またはカリウムイオンなどの一価のイオンまたは種を含んでもよいが、これらのイオンの少なくとも一部分、いくつか、ほとんど、実質的にすべて、またはすべては、容易に濾過可能な粘土ヘテロ付加物の形成中にヘテロ凝固試薬によって置き換えられる。以下で論じるように、プロトン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、またはカリウムイオンなどは、本開示のカチオン性ポリメタレートによって提供される濾過性を提供しない。この特徴は、実施例40および41などの塩酸処理支持体活性化剤を調製し、単離しようとする際に生じる長い濾過時間によって観察することができる。
【0105】
さらに、モンモリロナイトからAlイオンを浸出するために強力で濃縮された酸を使用する処理とは異なり、粘土ヘテロ付加物の形成は、粘土からAlイオンを浸出しない。ACHまたはPACなどのアルミニウム含有ヘテロ凝固試薬を使用する場合、支持体活性化剤のアルミニウム含有量は、対応する柱状粘土のアルミニウム含有量よりもはるかに少ないが、実際には出発粘土のアルミニウム含有量よりも増加する。
【0106】
一態様では、ヘテロ凝固試薬は、正のゼータ電位(例えば、ヒュームドアルミナ)を与えるボヘミアン(水酸化アルミニウム酸化物)のコロイド懸濁液、またはヒュームド金属酸化物などの金属酸化物を含むことができる。別の態様では、ヘテロ凝固試薬は、化学修飾または化学処理された金属酸化物、例えば、アルミニウムクロルハイドレートで処理されたヒュームドシリカを含むことができ、これにより、懸濁液中にあるとき、化学処理された金属酸化物は、以下に記載されるように、正のゼータ電位を与える。さらなる態様では、ヘテロ凝固試薬は、金属酸化物または金属酸化物水酸化物などを流動化ベッドで試薬で処理することによって生成され、試薬が懸濁液中に分散されるときに正のゼータ電位をもたらす。ヘテロ凝固剤は、フィロシリケイト粘土成分との併用前に+20mVを超える正の値を示すことができる。
【0107】
一態様では、カチオン性ポリメタレートは、正のゼータ電位、例えば、正20mV(ミリボルト)超のゼータ電位を有する化学処理された第1の金属酸化物のコロイド懸濁液を提供するのに十分な量で、第2の金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属オキシハロゲン化物、またはそれらの組み合わせで化学処理される第1の金属酸化物を含むことができる。すなわち、化学処理された第1の金属酸化物は、第1の金属酸化物と、[1]第2の金属酸化物、すなわち、別の異なる金属酸化物、[2]金属ハロゲン化物、[3]金属オキシハロゲン化物、または[4]それらの組み合わせとの接触生成物である。例えば、化学処理される第1の金属酸化物は、ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、ヒュームドシリカ-アルミナ、ヒュームドマグネシア、ヒュームド酸化亜鉛、ヒュームドチタニア、ヒュームドジルコニア、ヒュームドセリアなど、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。第2の金属酸化物、金属ハロゲン化物、または金属オキシハロゲン化物は、ZrOCl2、ZnO、NbOCl3、B(OH)3、AlCl3、またはそれらの組み合わせなどの金属酸化物、水酸化物、オキシハロゲン化物、またはハロゲン化物の水溶液または懸濁液から得ることができる。例えば、処理は、アルミニウムクロルハイドレートの溶液中でヒュームド酸化物を分散させることからなり得る。懸濁液中に負のゼータ電位を示すことができるヒュームドシリカの場合、アルミニウムクロルハイドレートで処理した後、化学処理されたヒュームドシリカの懸濁液は、約+20mVを超える正のゼータ電位を示す。
【0108】
別の態様では、カチオン性ポリメタレート組成物は、[1]ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、ヒュームドシリカアルミナ、ヒュームドマグネシア、ヒュームド酸化亜鉛、ヒュームドチタニア、ヒュームドジルコニア、ヒュームドセリア、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、またはそれらの組み合わせから選択することができ、[2]ポリアルミニウムクロライド、アルミニウムクロルハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ポリアルミニウムオキシヒドロキシクロライド、またはそれらの任意の組み合わせで化学処理される。例えば、カチオン性ポリメタレート組成物は、アルミニウムクロルハイドレート処理ヒュームドシリカ、アルミニウムクロルハイドレート処理ヒュームドアルミナ、アルミニウムクロルハイドレート処理ヒュームドシリカアルミナ、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、またはそれらから選択することができる。
【0109】
理論的に束縛されることは意図されていないが、処理された金属酸化物は、表面が約+20mVを超える正のゼータ電位を示すように、正に荷電されたシェルおよび負のコアのコアシェル構造、または混合された負および正の領域または原子の連続的な構造を形成し得ると考えられる。ヒュームドアルミナなどのいくつかのヒュームド金属酸化物は、化学処理の前に、既に正のゼータ電位を示す場合がある。それにもかかわらず、ゼータ電位を有しない、または約+20mV未満の正のゼータ電位を有するヒュームド金属酸化物は、アルミニウムクロロハイドレートなどの種で化学的に処理されてもよく、処理後、約+20mVを超えるゼータ電位を有するコロイド懸濁液を得ることができる。
【0110】
別の態様では、ヘテロ凝固試薬は、その組成のために正のゼータ電位を示す、発煙プロセス、または発煙プロセスの後に形成される金属酸化物の混合物を含むことができる。このタイプの発煙酸化物の例は、ヒュームドシリカアルミナである。
【0111】
別の実施形態では、ヘテロ凝固試薬は、参照により本明細書に組み込まれる、Lewis,et al.の米国特許第4,637,992号によって記載されるような任意のコロイド無機酸化物粒子、例えば、コロイドセリアまたはコロイドジルコニア、またはそれらに開示される任意の正に荷電したコロイド金属酸化物を含み得る。別の態様では、ヘテロ凝固試薬は、マグネタイトまたはフェリヒドライトを含み得る。例えば、カチオン性ポリメタレートは、ボヘミアン、ヒュームドシリカアルミナ、コロイドセリア、コロイドジルコニア、マグネタイト、フェリヒドライト、任意の正に荷電したコロイド金属酸化物、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、またはそれらから選択することができる。
【0112】
別の態様では、ヘテロ凝固試薬は、溶液中のカチオン性オリゴマーまたは高分子アルミニウム種、例えば、アルミニウムクロルハイドレート(ACH)としても知られるアルミニウムクロロハイドレート、ポリアルミニウムクロライド(PAC)、アルミニウムセスキクロロハイドレート、またはそれらの任意の組み合わせもしくは混合物を含むことができる。例えば、カチオン性ポリメタレートヘテロ凝固試薬は、以下の実験式:
Al2(OH)nClm(H2O)x、
(式中、n+m=6であり、xが、0~約4の数である)を有するアルミニウム種または種の任意の組み合わせを含むか、またはそれらから選択することができる。
【0113】
一態様では、カチオン性ポリメタレートは、式[AlO4(Al12(OH)24(H2O)20]7+を有するアルミニウム種を含むか、またはそれから選択することができ、これは、いわゆる「Al13-mer」ポリカチオンであり、Al13柱状粘土の前駆体と考えられる。
【0114】
他の金属酸化物を処理するためのヘテロ凝固試薬または化学処理試薬としてアルミニウムクロルハイドレートを使用する場合、市販のアルミニウムクロルハイドレート(ACH)溶液または固体粉末を利用することができる。アルミニウムクロルハイドレート溶液は、ポリマーカチオン性ヒドロキシアルミニウム複合体またはアルミニウムクロルヒドロキシドと称され、一般的な実験式0.5[Al2(OH)5Cl(H2O)2]を有するモノマー前駆体から形成されるポリマーを指す。アルミニウムクロルハイドレート溶液の調製は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第2,196,016号および同第4,176,090号に記載されており、上記の式を有する組成物を生成する量のアルミニウム金属を塩酸で処理することを含むことができる。
【0115】
代替的に、アルミニウムクロルハイドレート溶液は、アルミナ(Al2O3)、硝酸アルミニウム、アルミニウムクロルハイドレートまたは他のアルミニウム塩、および酸または塩基での処理などの様々なアルミニウム源を使用して得ることができる。そのような溶液中に存在することができる多数の種、例えば、トリデカメリック[AlO4(Al12(OH)24(H2O)20]7+(Al13-mer)ポリカチオンは、参照により本明細書に組み込まれるPerry and Shafran,Journal of Inorganic Biochemistry,2001,87,115-124に記載されている。この研究で開示される種は、個別にまたは組み合わせのいずれかで、かかる溶液中に存在する種を、スメクタイト粘土のヘテロ凝固のためのカチオン性ポリメタレートとして使用することができる。
【0116】
一態様では、本開示に従って使用されるアルミニウムクロルハイドレート水溶液は、約15重量%~約55重量%の範囲に、Al2O3の重量%として計算または表現されるアルミニウム含有量を有することができるが、より希釈した濃度を使用することができる。より希薄な溶液の使用は、当業者には理解されるであろうように、時間および温度などの他の反応条件の調整を伴うことができる。Al2O3の重量%で表される、アルミニウムクロルハイドレート水溶液などのアルミニウムポリメタレート水溶液中の代替アルミニウム濃度は、約0.1重量%~約55重量%Al2O3、約0.5重量%~約50重量%Al2O3、約1重量%~約45重量%Al2O3、約2重量%~約40重量%Al2O3、約3重量%~約37重量%Al2O3、約4重量%~約35重量%Al2O3、約5重量%~約30重量%Al2O3、または約8重量%~約25重量%Al2O3を含むことができ、各範囲は、その中に包含される重量%の十分の一(0.1)で表されるすべての個々の濃度を含み、その中に任意のサブ範囲を含む。例えば、約0.1重量%~約30重量%Al2O3の記載は、10.1重量%~約26.5重量%Al2O3の記載を含む。便宜的に、固体アルミニウムクロルハイドレートとしての固体ポリメタレートを使用し、ヘテロ凝固物を調製するときにコロイド粘土のスラリーに添加することができる。したがって、上記に開示される濃度は限定的ではなく、むしろ例示的である。
【0117】
一態様では、カチオン性ポリメタレートは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,059,568号に従って、アルミニウム、ジルコニウム、クロム、鉄、またはそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの追加の金属のカチオン性金属複合体と可溶性希土類塩を共重合(コオリゴマー化)することによって調製されるオリゴマーを含むことができるか、または選択することができ、少なくとも1つの希土類金属は、セリウム、ランタン、またはそれらの組み合わせであり得る。一態様では、ヘテロ凝固試薬は、米国特許第5,059,568号にMcCauleyによって記載されているような、ランタニドおよびAl13ケギンイオンの水溶液を含むことができる。しかしながら、マッコーリー型ポリメタレートを使用して調製された本開示の焼成粘土ヘテロ付加物は、13Å(オングストローム)を超える基底間隔を有する均一なインターカレーション構造を提供しない。理論に拘束されることを望むものではないが、この観察は、本開示に従って使用されるCe-Alヘテロ凝固試薬対コロイド粘土比のはるかに少ない量から生じ得ると考えられる。このより少ない量は、約+25mV(ミリボルト)~約-25mVの範囲のゼータ電位を有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量でスメクタイト粘土とヘテロ凝固試薬とを接触させる条件によって生じる。
【0118】
さらなる態様では、本開示の例示的なポリメタレートは、[1]ε-ケギンカチオン[ε-PMo12O36(OH)4{Ln(H2O)4}4]5+を含み得、Lnは、La、Ce、NdまたはSmであり得、[2]一般式[Ln2V12O32(H2O)8{Cl}]Clを有するランタニド含有カチオン性ヘテロポリオキソバナジウムクラスターであり、Lnは、Eu、Gd、Dy、Tb、HoまたはErであり得る。
【0119】
別の態様では、ヘテロ凝固剤は、層状二重水酸化物、例えば、Abend et al.、Colloid Polym.Sci.1998、276、730-731、または合成ヘマタイト、ヒドロタルサイト、または参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,616,412号に記載のものを含むがこれらに限定されない他の正電荷層状二重水酸化物であり得る。したがって、ヘテロ凝固試薬として使用されるカチオン性ポリメタレートは、層状二重水酸化物または混合金属層状水酸化物であり得る。例えば、混合金属層水酸化物は、正の層電荷を有するNi-Al、Mg-Al、またはZn-Cr-Al型から選択することができる。別の態様では、層状二重水酸化物または混合金属層状水酸化物は、硝酸水酸化アルミニウムマグネシウム、硫酸水酸化アルミニウムマグネシウム、塩化水酸化アルミニウムマグネシウム、Mgx(Mg,Fe)3(Si,Al)4O10(OH)2(H2O)4(xが、0~1、例えば、フェロサポナイトについて約0.33の数である)、(Al,Mg)2Si4O10(OH)2(H2O)8、合成ヘマタイト、亜鉛華(塩基性炭酸亜鉛)Zn5(OH)6(CO3)2、ヒドロタルサイト[Mg6Al2(OH)16]CO3●4H2O、タコナイト[Ni6Al2(OH)6]CO3●4H2O、ヒドロカルマイト[Ca2Al(OH)6]OH●6H2O、マグアルドレート[Mg10Al5(OH)31](SO4)2●mH2O、ピロアウライト[Mg6Fe2(OH)16]CO3●4.5H2O、エトリンガイト[Ca6Al2(OH)12](SO4)3●26H2O、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、またはそれらから選択することができる。
【0120】
なおさらなる態様では、ヘテロ凝固試薬は、Oades,Clay and Clay Minerals,1984,32(1),49-57によって記載されているように、またはCornell and Schwertmann in「The Iron Oxides:Structure,Properties,Reactions,Occurrences and Uses」,2003,Second Edition,Wiley VCHによって記載されているように、Feポリカチオンの水溶液を含むことができる。チオン性ポリメタレートは、実験式FeOx(OH)y(H2O)z]n+(式中、2×+yが、(<)3であり、zが、0~約4の数であり、nが、1~3の数である)を有する鉄ポリカチオンを含むかことができるか、またはそれから選択することができる。
【0121】
実施例40および実施例41に記載されるような、プロトン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、またはカリウムイオンなどのカチオンの使用は、本開示のカチオン性ポリメタレートによって提供されるような粘土ヘテロ付加物をもたらさず、例えば、これらの酸処理粘土は一般的に容易に濾過可能ではない。理論に拘束されることを望むものではないが、参照により本明細書に組み込まれる、Nakano et al.の米国特許第6,531,552号およびその参考文献に記載されるような水溶液中のHClまたはH2SO4由来のプロトンなどの一価のイオンは、希釈または濃縮酸を使用していても、安定した、容易に濾過可能なヘテロ凝固粘土付加物を形成することができないと考えられる。ベントロナイトまたはモンモリロナイトなどのスメクタイトのコロイド分散液は、永続的な負電荷を有し、したがって、低pHでも永続的な負のゼータ電位を示す。再び、理論的に束縛されるものではないが、低pH(<3)の高酸濃度では、スメクタイトのコロイド分散は負になることが少なくなり、約30mV(-30mV)の負のゼータ電位に近づく可能性さえある。(Duran et al.,Journal of Colloid and Interface Science,2000,229,p 107-117を参照され、これは参照により本明細書に組み込まれる)。しかしながら、コロイド粘土が中和またはほぼ中和された表面電荷に近づく前に、粘土構造自体が八面体アルミナ層のペプチド化によって破壊されると考えられる。(Tayano et al.、Macromolecular Reaction Engineering,2017,11,201600017 and Clay Science 2016,20,49-58を参照され、これらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる。)TOT構造からの八面体アルミナ層の浸出および強酸性溶液への粘土の溶解は、例えば、米国特許第3,962,135号、Bibi、Singh、およびSilvesterの“Dissolution kinetics of kaolinite,illite and montmorillonite under acid-sulfate conditions: a comparative study”,prepared for Clay Minerals,Chapter 4(https://ses.library.usyd.edu.au/bitstream/handle/2123/8647/Chapter%204_Dissolution%20of%20illite,%20kaolinite,%20montmorillonite.pdf?sequence=5で評価された原稿)、ならびにまた、https://pdfs.semanticscholar.org/6836/3c9c293dfd4255f9ad88678e1770c63384d3.pdf、ならびにDudkin et al.のChemistry for Sustainable Development,2004,12,327-330、およびOkada,et al., Clay Science,2003,12,159-165のように記載されており、これらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる。
【0122】
理論に拘束されることを望むものではないが、リチウム、ナトリウム、またはカリウムイオンなどの他の非プロトン性一価カチオンが、それぞれの塩によって、コロイド状スメクタイト粒子の凝固が起こり得る点に添加されることは、スメクタイト粒子間のコロンビック反発の遮蔽および低減に起因すると考えられることが観察されている。凝固が起こるモノカチオンの濃度は、臨界凝固濃度と称され、凝固を達成するために必要な一価のカチオンの濃度は、一般に、二価または三価のカチオンを使用する場合に必要な濃度よりも有意に高い。再び、理論に拘束されることを望むものではないが、一価のカチオン粘土生成物は、濾過することが困難であり、遠心分離、または高希釈および沈降タンクによる単離が必要であり得る。一価のイオン塩を洗浄および除去することなく、凝固粘土は、十分な実用的活性を有するメタロセン-支持体-活性化剤触媒をもたらさない。さらに、ナトリウム交換モンモリロナイトまたはアルミニウム交換モンモリロナイトのような単純なイオンインターカレーションが、焼成粘土ヘテロ付加物の粉末XRDにおいて明らかであり得る範囲で、これらの材料は、望ましくない副産物として生じるか、またはコロイド粘土とポリメタレートとの不完全な反応から生じると考えられる。
【0123】
別の態様では、コロイド状スメクタイト粘土は、Volclay(登録商標)HPM-20ベントロナイトなどのコロイド状モンモリロナイトを含むか、またはコロイド状モンモリロナイトから選択することができる。ヘテロ凝固試薬は、アルミニウムクロルハイドレート、ポリアルミニウムクロライド、またはアルミニウムセスキクロロハイドレートを含むか、またはアルミニウムセスキクロロハイドレートから選択することができる。
【0124】
一態様によれば、カチオン性ポリメタレートは、以下の式:
[M(II)1-xM(III)x(OH)2]Ax/n●mL (I)
[LiAl2(OH)6]A1/n●mL (II)
(式中、
M(II)が、少なくとも1つの二価金属イオンであり、
M(III)が、少なくとも1つの三価金属イオンであり、
Aが、少なくとも1つの無機アニオンであり、
Lが、有機溶媒または水であり、
nが、無機アニオンAの原子価であり、または複数のアニオンAの場合には、それらの平均原子価であり、
xが、0.1~~1の数であり、
mが、0~10の数である)に従って、式Iもしくは式IIの複合体、または式Iもしくは式IIの複合体の任意の組み合わせを含むか、またはそれらから選択することができる。
【0125】
この態様では、M(II)は、亜鉛、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、鉄、コバルト、ニッケル、カドミウム、マンガン、銅、またはマグネシウムであり得、独立して、M(III)は、鉄、クロム、マンガン、ビスマス、セリウム、またはアルミニウムであり得、Aは、例えば、炭酸水素水素塩(重炭酸塩)、硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、塩化物、臭化物、フッ化物、水酸化物、または炭酸塩であり得、nは、例えば、1~3の数であり得、Lは、例えば、メタノール、エタノール、またはイソプロパノール、または水であり得る。この態様に加えて、カチオン性ポリメタレートは、式Iの複合体から選択され、式中、M(II)が、マグネシウムであり、M(III)が、アルミニウムであり、Aが、炭酸塩であり得る。
【0126】
一態様では、カチオン性ポリメタレートは、ポリアルミニウムクロライド、アルミニウムクロルハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、またはポリアルミニウムオキシヒドロキシクロライド、またはそれらの組み合わせを含むことができる。さらなる態様では、カチオン性ポリメタレートは、例えば、2~30個のアルミニウム原子を含有する直鎖、環状、またはクラスターアルミニウム化合物を含むことができる。スメクタイトヘテロ付加物を調製するためのレシピにおける、ポリアルミニウムクロライド、アルミニウムクロルハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、またはポリアルミニウムオキシヒドロキシクロライド中のアルミニウム(Al)のミリモル(mmol)の、コロイド状スメクタイト粘土のグラム(g)に対する比は、例えば、約0.75mmol Al/g粘土~約2.0mmol Al/g粘土、約0.8mmol Al/g粘土~約1.9mmol Al/g粘土、約1.0mmol Al/g粘土~約1.8mmol Al/g粘土、約1.1mmol Al/g粘土~約1.8mmol Al/g粘土、または約1.1mmol Al/g粘土~約1.7mmol Al/g粘土の範囲にあり得る。代替的に、スメクタイトヘテロ付加物を調製するためのレシピにおける、コロイド状スメクタイト粘土の1グラム(g)当たり、ポリアルミニウムクロライド、アルミニウムクロルハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、またはポリアルミニウムオキシヒドロキシクロライド中のアルミニウム(Al)のミリモル(mmol)は、例えば、約0.75mmol Al/g粘土、約0.8mmol Al/g粘土、約0.9mmol Al/g粘土、約1.0mmol Al/g粘土、約1.1mmol Al/g粘土、約1.2mmol Al/g粘土、約1.3mmol Al/g粘土、約1.4mmol Al/g粘土、約1.5mmol Al/g粘土、約1.6mmol Al/g粘土、約1.7mmol Al/g粘土、約1.8mmol Al/g粘土、約1.9mmol Al/g粘土または約2.0mmol Al/g粘土、これらの比率またはその間の任意の範囲のサブ範囲の組み合わせも含めてであり得る。
【0127】
さらなる態様では、ポリアルミニウムクロライド、アルミニウムクロルハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、またはポリアルミニウムオキシヒドロキシクロライド中のアルミニウム(Al)のミリモル(mmol)の、コロイド状スメクタイト粘土の単離または焼成されたスメクタイトヘテロ付加物のグラム(g)に対する比が、アルミニウムのミリモルの、同じコロイド状スメクタイト粘土およびヘテロ凝固試薬を使用した柱状粘土の調製に使用されたコロイド状の粘土のグラムに対する比較比率の約90%以下、約80%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、または約35%以下であり得る。
【0128】
この態様では、柱状レシピにおけるアルミニウム摂取物対粘土の比率は、アルミニウムクロルハイドレート試薬中のAlのミリモル数とレシピ中の粘土のグラム数とを示す、mmol Al/g粘土で表される。具体的には、この比率は最終支柱粘土製品の比率ではなく、合成レシピで用いられた比率を反映している。一例として、Ocelli,Clay and Clay Minerals,2000,48(2),304-308に記載されているAl13型ケギンイオンを考慮すると、支柱粘土調製に使用されるAlの量は、最終的に支柱粘土固体中の層間にインターカレーションされるAlの量をはるかに超える。過剰なアルミニウム試薬の使用は、最終生成物中のピラー含有量を最大限に提供し、最終焼成材料の所望の多孔性および表面積を得るために使用される。Kooli in Microporous and Mesoporous Materials;2013,167,228-236は、一般に、ピラーリングを最適化するためにレシピに約6mmol Al/グラム粘土が必要であることを開示している。Al13ケギンイオン柱状粘度、Pergher and Bertella in Materials,2017,10,712の最近のスケールアップ研究および最適化では、所望の基底間隔と表面積で支柱を得るために、15mmol Al/g粘土および約1重量%の希釈分散液が必要であることが開示されている。
【0129】
E.粘土ヘテロ付加物(ヘテロ凝固粘土)の調製および性質
柱状粘土とは異なり、本開示のヘテロ凝固粘土は、非晶質固体である。したがって、ヘテロ凝固粘土の調製は、三次元構造を提供するが、非柱状および非結晶性および非晶質の構造である。理論に拘束されることを意図するものではないが、出発スメクタイトの規則的な結晶構造は、記載されているように、カチオン性ポリメタレートと接触すると単純に拡張されるのではなく、粘土ヘテロ付加物の調製時に破壊され、非結晶性、非規則的、非層状の非晶質材料を提供すると考えられる。非晶質三次元構造の形成に影響を及ぼし得る要因としては、反応時間、反応温度、出発粘土の純度および粘土粒径、乾燥方法などが挙げられ、これらは、本明細書に記載されるように、各ヘテロ凝固試薬および粘土系について容易に決定可能である。
【0130】
粘土ヘテロ付加物の調製において、ヘテロ凝固剤をコロイド粘土のスラリーに添加してもよく、コロイド粘土をヘテロ凝固剤のスラリーまたは溶液に添加してもよく、またはヘテロ凝固剤およびコロイド粘土を液体担体に同時にまたは重複した期間に添加してもよい。代替的に、ヘテロ凝固剤およびコロイド粘土は、水または含水ヒールを含む容器または反応器に、固体または懸濁液のいずれかとしてヘテロ凝固剤および粘土を添加するなど、ヘテロ付加物生成物のヒールに同時に添加され得る。
【0131】
一態様では、粘土ヘテロ付加物が調製される液体担体は、アルコールおよび/または少なくとも1つの界面活性剤などの追加の成分が添加され得る水または水系であり得る。好適な界面活性剤には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤が含まれ得る。液体担体または「希釈剤」の具体例および界面活性剤の具体例は、開示の態様セクションに提供される。
【0132】
記載されるように、レシピで使用される粘土に対するヘテロ凝固試薬の比率は、約正(+)25mV(ミリボルト)~約負(-)25mVの範囲のゼータ電位を有するスラリーなどの凝固生成混合物を与える比率として定義される。したがって、既知の粘土試料に添加されるヘテロ凝固試薬の量、すなわち、粘土に対するカチオン性ポリメタレート(ヘテロ凝固試薬)の比率は、粘土をヘテロ凝固試薬で滴定することによって決定される。例えば、ヘテロ凝固試薬がアルミニウムのカチオン性ポリメタレートを含む場合、粘土に対するヘテロ凝固試薬の比率は、カチオン性ポリメタレート中のアルミニウム(Al)のミリモル(mmol)対粘土のグラム(g)で報告することができる。粘土ヘテロ付加物の形成に使用されるカチオン性ポリメタレートの実際の量、すなわち、粘土に対するヘテロ凝固試薬の比は、カチオン性ポリメタレートの正電荷の程度、粘土のゼータ電位などの要因に依存し得る。ヘテロ凝固試薬および粘土は、約+25mV~約-25mVの範囲のゼータ電位を示すヘテロ凝固粘土の得られたスラリー(分散液)が組み合わされる。代替的に、ヘテロ凝固試薬と粘土とを、得られたヘテロ凝固粘土の分散液が、約+22mV~約-22mV、約+20mV~約-20mV、約+18mV~約-18mV、約+15mV~約-15mV、約+10mV~約-10mV、約+5mV~約-5mV、または約0mVの範囲のゼータ電位を示すような比率で組み合わせる。
【0133】
実施例に記載されるように、コロイド動的ゼータプローブアナライザー(商標)は、カチオン性ポリメタレート滴定剤によるコロイド粘土分散液の滴定中の進化するゼータ電位を動的に追跡することを含むゼータ電位測定に使用した。ゼータ電位滴定からの例示的な結果は、図面に例示され、実施例に記載され、データは、例えば、表4~表6に提示される。例えば、
図3は、アルミニウムクロルハイドレート(ACH)によるVolclay(登録商標)HPM-20モンモリロナイトの滴定中に形成された一連の分散液のゼータ電位をプロットし、添加されたACH水溶液の累積滴定容量(x)対分散液のゼータ電位(mV、(y))をプロットする。同様に、
図4は、同じ滴定のための分散液の累積mmol Al/g粘土対ゼータ電位(mV)をプロットする。ACHによるHPM-20粘土のこのゼータ電位滴定中に形成されたいくつかの固体生成物の試料を収集し、
図2は、ACHによるHPM-20粘土のこのゼータ電位滴定中に収集されたこの一連の焼成生成物の粉末XRDパターンを提供する。その結果、mmol Al/g粘土とゼータ電位との比較および相関ならびに得られた生成物の濾過性を調べたところ、この分析から、ゼータ電位が約25mV(ミリボルト)~約25mVの範囲のスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供する量または比率で、粘土と少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含むヘテロ凝固試薬とを液体担体内で接触させた場合、得られた生成物は容易に濾過可能であり、洗浄することなくまたは最小限の洗浄で支持体活性剤として使用することができ、支持体のメタロセン触媒に高い重合活性を付与することが予想外に判明した。
【0134】
カチオン性ポリメタレートを使用する合成反応または滴定において、粘土の質量当たりのポリメタレート中の金属原子のミリモル数の比率を計算することは、ポリメタレート間の比較に有用な指標を提供する。例えば、ヘテロ凝固試薬としてアルミニウムカチオン性ポリメタレートを使用するゼータ電位滴定において、
図4の滴定曲線に示すように、粘土質量当たりのアルミニウムのミリモル数の比は、異なるAl含有ヘテロ凝固試薬のより直接的な比較を可能にする。この値の導出は、ヘテロ凝固剤のアルミニウム重量パーセントを得ることによって実行され、これは典型的には、製造業者から直接、または酸化アルミニウム(例えば、Al
2O
3)当量パーセントとして提供される。後者の場合、アルミニウム重量パーセントは、実験式中のアルミニウムの重量割合に酸化アルミニウム重量パーセントを乗じることから導き出すことができる。このアルミニウム重量パーセントから、アルミニウムヘテロ凝固試薬のモル量を決定し、モルアルミニウム/粘土質量比を得ることができる。
【0135】
例えば、
図4は、所望のゼータ電位範囲内に収まる粘土のmmol Al/gで表されるVolclay(登録商標)HPM-20に対するアルミニウムクロロハイドレート(ACH)の比が1.76mmol Al/g粘土であることを示す。実際の比率は、アルミニウムクロルハイドレートのロット、調製方法、汚染もしくは経年、および/またはVolclay(登録商標)HPM-20の特定のバッチによってわずかに変化し得る。
図2は、GEO Specialty Chemicalsからの22重量%のアルミニウムクロルハイドレートを用いた、American Colloid CompanyのVolclay(登録商標)HPM-20のゼータ電位滴定を示す。したがって、mmol Al/g粘土は、混合物中のコロイド種のゼータ電位が+25mV未満かつ-25mV以上、例えば、約+10mV~-10mVになる点として決定することができ、以下に詳細に記載するように、フィルター紙を使用するなどの従来の濾過方法によって容易に単離されるヘテロ凝固固体を提供する。したがって、得られた粘土ヘテロ付加物の即応濾過は、真空補助、ベルトフィルターなどを用いて、または用いずに実施することができる。
【0136】
得られたヘテロ凝固粘土の分散液は、約ゼロを中心とする開示された範囲でゼータ電位を示し、容易に単離可能な(容易に濾過可能な)ヘテロ付加物を提供する。本明細書に開示され特許請求されるゼータ電位の範囲を限定するものではなく、理論的に拘束されることを望まないが、コロイド状スメクタイト(本明細書に記載の2八面体スメクタイトなど)と組み合わせたヘテロ凝固試薬の量がゼロに近いゼータ電位の粒子分散液を提供する場合、分散液中の粒子がほとんどまたは全く電気泳動移動性を有さないように、粘土ヘテロ付加物の優れた収率および濾過性を得ることができる。このゼロゼータ電位点は、コロイド性粘土に対するカチオン性ポリメタレートの公称標的比率とみなされ得る。電気泳動移動性の態様は、例えば、Gu,et al.,Clay and clay minerals,1990,38(5),493-500に記載されている。
【0137】
コロイド粘土に対するヘテロ凝固試薬(カチオン性ポリメタレート)の実験的に由来する比率は、コロイド粘土を水中に分散液を提供し、ゼータ電位測定容器に分散液を添加し、粘土分散液の初期ゼータ電位を測定することによって決定することができる。選択したヘテロ凝固剤の溶液を調製し、分散液に分割して添加し、各添加後に分散液のゼータ電位を測定する。容易に濾過可能な粘土ヘテロ付加物を調製するために使用されるカチオン性ポリメタレート対コロイド粘土の比率は、得られるゼータ電位滴定曲線からゼロまたは本質的にゼロゼータ電位を達成するために必要なヘテロ凝固試薬の比率を決定することによって計算される。
【0138】
さらなる態様では、ゼータ電位滴定曲線が明確に定義されていないか、またはゼロ電位(mV)でまたはゼロ電位に近い不連続であるとき、ゼロゼータ電位に最も近い点の外挿を使用して、ゼータ電位曲線が負のゼータ電位から正のゼータ電位に交差する交差点を推定し得、したがって、公称標的比を説明する。別の態様では、ゼータ電位滴定曲線がゼロ付近で不連続であり、ゼータ電位の境界またはその付近で不連続のままである場合(例えば、±20mVまたは±25mV)、不連続の直前および直後の滴定曲線上の点間の線形外挿を使用して、所望のゼータ電位を達成するのに有用なヘテロ凝固試薬対粘土比を推定し得る。ゼータプローブ(ゼータ電位)滴定および粘土に対するヘテロ凝固試薬の公称標的比の決定の例は、本開示の図および実施例のセクションに提供される。例えば、
図2~
図8、実施例8~実施例12および実施例38を参照されたい。
【0139】
粘土ヘテロ付加物を調製するために使用される、Volclay(登録商標)HPM-20コロイドモンモリロナイトのグラムに対するアルミニウムクロロハイドレートのアルミニウム(mmol Al)の比は、アルミニウムクロロハイドレートで柱状HPM-20粘土を調製するために使用される、mmol Al/g粘土の比よりも有意に低く、時には1桁未満であることができる。すなわち、同じカチオン性ポリメタレートおよびコロイド性粘土を使用するが、粘土ヘテロ付加物分散液について約+25mV~約-25mVのゼータ電位によって規定される範囲を超えるmmol Al/g粘土比を使用することにより、柱状粘土が形成される。したがって、本開示の粘土ヘテロ付加物を形成するためのコロイド粘土に対するカチオン性ポリポリメタレートの比率は、例えば、ランタノイド含有-Al柱状粘土を支持活性体として用いるW.R.Graceへの米国特許出願公開第2018/0142047号および同第2018/0142048号で用いられるものと異なっている。
【0140】
逆に、粘土ヘテロ付加物を作製しようとするために、レシピに粘土に対するヘテロ凝固試薬の比率が低すぎる場合、従来の濾過手段による、得られた接触生成物の即応濾過は不可能である。この特徴は、実施例19に例示されており、アルミニウムクロルハイドレート(ACH)およびHPM-20粘土を使用して粘土ヘテロ付加物を調製する0.30mmol Al/g粘土のレシピは、
図2のゼータ電位滴定に由来する場合、-44mVのゼータ電位を予測する。得られた接触生成物の濾過は困難であり、試料の単離および調製は、生成物を単離するための遠心分離を必要とした。これらのような生成物は、即時濾過性のためのゼータ電位範囲外であるにもかかわらず、便宜上、本明細書において「ヘテロ付加物」と称され得る。同様に、実施例26において、粉末ALOXICOLL(登録商標)51Pアルミニウムクロルハイドレート(Parchem Fine and Specialty Chemicals)を使用した0.30mmol Al/g粘土のレシピを使用することにより、加工および単離が困難な接触生成物ヘテロ付加物が得られ、生成物を単離するために遠心分離が必要であった。
【0141】
モンモリロナイトなどの出発粘土粒子は、「TOT」層のうちの1つへのイオンの等形置換、例えば、負電荷を付与する八面体アルミナ層中のAl3+に対するMg2+の置換により、永久的な負電荷を担持する。したがって、出発粘土は、負に荷電した粘土粒子が互いに反発し、極性水性環境で安定化されるにつれて、水中で分散または懸濁液を形成する。理論に拘束されることを望むものではないが、本明細書で開示されるカチオン性ポリメタレートなどのカチオンと負に荷電したコロイド粘土との接触は、対向する電荷のクーロン吸引および粘土表面の中和を通じて、コロイド粘土の凝固を最初に促進すると考えられる。この中和により、極性水性担体からの粘土ヘテロ付加物が、容易に濾過可能な大きな凝集粒子または凝固粒子として沈殿する。イオン交換、プロトン酸処理または柱状粘土を調製する場合など、追加のカチオン性ポリメタレートが凝固組成物に過剰に添加されるため、凝集した表面の一部またはすべてを正に荷電した種として「再荷電」し、それによって水などの極性担体に再懸濁させることができる。この再懸濁液は、濾過することが困難であり、濾過媒体を塞ぐ高電荷種の分散を提供する。本開示の粘土ヘテロ付加物は、これらの高い比率の下に形成され、それによって粘土ヘテロ付加物の再充填および再懸濁を回避すると考えられる。したがって、粘土ヘテロ付加物のほぼゼロゼータ電位表面は、容易に濾過可能な生成物を提供し、偶然にも、粘土の支柱形成を実質的に回避し、さらに、支柱形成粘土および出発粘土の均一にインターカレーションされた粘土構造を回避する。驚くべきことに、ピラーがなくても、これらの構造は、メタロセンのための非常に活発な支持体活性化剤としての役割を果たすことができる、熱的に安定した強力な構造を形成する。
【0142】
一態様では、
図1は、低い大きさ、ゼロ付近、またはゼロゼータ電位を有する中性または弱荷電分散液を調製する実用的かつ望ましい態様の概略を提供する。これらの特性を有する粘土ヘテロ付加物の濾過は急速に進行し、通常、所望の表面積、多孔性、および重合活性を有する支持体を生成するために、ほとんどの逐次的な濾過が必要である。対照的に、柱状粘土の調製から得られるタイプのような高荷電分散液は、容易に濾過可能ではなく、有用な支持体活性化剤を得るためには、比較的高価で煩雑な方法を使用して処理する必要がある。
【0143】
また、W.R.Graceに割り当てられた米国特許出願公開第2018/0142047号および同第2018/0142048号のJensen et al.によって記載されたものなどの他の材料とは対照的に、本開示の粘土付加物は、300℃以上で濾過および焼成した後に、粉末XRDスキャンにおいて10度未満の2θ(2θ)のd001ピークを示さない、または実質的に示さないことができる。この特徴は、アルミニウムクロルハイドレート(ACH)およびVolclay(登録商標)HPM-20モンモリロナイトを組み合わせた一連の焼成生成物の粉末XRD(X線回折)パターンを提示する
図2の実施例に示されており、各試料は、ヘテロ凝固粘土を調製するために使用されるカチオン性ポリメタレートの量によって異なる。これらの試料は、以下の例を除き、実施例18、20~21、23および25に従って調製した。6.4mmol Al/g粘土試料(上部)に由来するとマークされた試料は、Al
13柱状粘土の典型的な調製物を表す(実施例5を参照されたい)。出発粘土自体(底部)のXRDは、0mmol Al/g粘土試料に由来するとマークされる(実施例3を参照されたい)。
【0144】
これらの試料を調製するための
図2および実施例を再び参照すると、実施例12から実施例30は、いくつかの比較例を含む、この図で調べた0mmol Al/g粘土~6.4mmol Al/g粘土のACH粘土ヘテロ付加物を形成するための調製方法を提供する。
図2に示す約10度2θの下のXRDパターンが示すように、調製レシピにおいてカチオン性ポリメタレートの割合が増加するにつれて、2つの主なピーク変化がある。まず、出発粘土に対応する約9度2θ(2θ)のXRDピークが消失し、カチオン性ポリメタレートの割合が増加するにつれて、約9度(2θ)から約10度(2θ)のピークが徐々に増加する。9度(2θ)ピークの消失は、ほとんど非晶質であるヘテロ凝固粘土を形成するための反応の経過を示すように見え、後続の9~10度(2θ)ピークは、Al
3+イオンインターカレーションのような単純なイオンインターカレーションを表し、初期のイオン交換粘土よりも小さい基底間隔を特徴とする可能性が高い。さらに多くのポリメタレートがスラリーに添加されると、約4度(2θ)から約6度(2θ)でピークが成長し、tisピークは6.4mmol Al/g粘土で主生成物を表す。この4~6度(2θ)のピークは、添加されたポリメタレートの濃度が増加するにつれて形成されるケギンイオン相互作用ピラー構造に対応する可能性が高い。これらの実験の粘土濃度は高度に希釈されていない(すなわち、1重量%以上の粘土)ため、6.4mmol Al/g粘土生成物は単純な濾過では容易に単離することができず、代わりに複数の遠心分離工程およびデカント工程を使用して単離および洗浄する必要があった。加えて、比較試料としての出発粘土コロイド粘土も容易に濾過することができなかった。
【0145】
一態様では、アルミニウムクロルハイドレート(ACH)がヘテロ凝固試薬であり、Volclay(登録商標)HPM-20モンモリロナイトがコロイド粘土であるとき、ゼータ電位データおよびXRDデータは、±25mVのゼータ電位の範囲が、約1mmol Al/g粘土~1.8mmol Al/g粘土の範囲に対応することを示した。同様に、粘土ヘテロ付加物がより電荷を有する±15mVのゼータ電位の範囲は、約1.3mmol Al/g粘土~1.7mmol Al/g粘土の範囲に対応する。これらのデータはまた、粘土ヘテロ付加物がゼロ電荷に近い0(ゼロ)mVのゼータ電位が約1.5mmol Al/g粘土に対応することを示した。
図2は、1.52mmol Al/g粘土において、粉体XRDが、20~30度2θの範囲の開始コロイド粘土中に存在する鉱物性不純物に対して、ほとんどまたは事実上ピラーリングなし(4.8度(2θ)~5.2度(2θ)のXRDパターン)およびほとんどまたは事実上単純なイオン交換粘土なし(9度(2θ)~10度(2θ)のXRDパターン)であることを示す。
【0146】
理論に拘束されることを望むものではないと考えられるが、アルミニウムクロルハイドレートおよびコロイドスメクタイトを使用する場合、1.5mmol Al/g粘土レシピによって提供されるヘテロ付加物のほぼゼロ電荷は、実際にAl13柱状スメクタイトに組み込むことができるアルミニウムの量(比率)の約半分未満、およびピラーレシピで使用されるアルミニウムのはるかに小さい部分に相当する。例えば、Schoonheydt et al.,Clay and Clay Minerals 1994,42(5),518-525に記載されており、この量は実際に組み込まれている約3~4mmol Al/g粘土である。上述のように、約1.5mmol Al/g粘土の好ましい量とみなされ得る、0(ゼロ)mVヘテロ付加物のゼータ電位をもたらすヘテロ凝固試薬の量は、15mmol Al/g粘土の最適化されたピラーレシピに使用される量よりも少ない量である。本開示の粘土ヘテロ付加物は、規則的にインターカレーションされたピラー構造の不在または実質的な不在を特徴とし、さらに粘土ヘテロ付加物は、柱状粘土よりもメタロセン支持体活性化剤として同等かつより多くの活性を提供することが意外に発見された。
【0147】
本開示の粘土ヘテロ付加物は、Jensen et al.の米国特許出願公開第2018/0142047号および同第2018/0142048号に記載されたような規則的にインターカレートされたピラー構造であるわけではない。具体的には、本開示の粘土ヘテロ付加物は、粘土の拡張された分子層の間に挿入された多様なピラーを有する層状のコロイド粘土を含む微多孔性触媒成分ではないか、または実質的に規則的に複雑なイオンインターカレーション(「規則的にインターカレーションされていない」)ではない。したがって、本開示の粘土ヘテロ付加物は規則的に配列されておらず、米国特許出願公開第2018/0142047号および同第2018/0142048号のようなAl13ケギンイオンまたはランタノイド中心ポリAl13ピラーに由来するような、一貫したピラーおよび/または一貫したインターカレートされたアルミニウム酸化物または水酸化物の層によって付与される一貫した規則性の証拠はない。 しかしながら、特に、乗算洗浄および濾過されたいくつかの実施例では、いくつかのピラーリングを示す粉末XRDピークを検出することができる。例えば、1.76mmol Al/g粘土試料のXRDパターンは、+23mVのゼータ電位にほぼ対応するが、ピークの強度は、例えば、6.4mmol Al/g粘土を使用する柱型レシピの強度よりも実質的に低い。
【0148】
したがって、さらなる態様では、本開示の焼成粘土ヘテロ付加物は、0~12度2θの間のXRDピークの欠如によって証明されるように、順序付けられたドメインには存在しない。この観察は、ナトリウムイオン(例えば、出発モンモリロナイトナトリウム中)が、乾燥後に得られる二価、三価または多価のイオンと交換される単純な単原子イオン交換プロセスまたは複雑な多原子イオン交換プロセスとの1つの違いを強調しており、単純な単原子イオンのサイズまたはAl13ケギンイオンなどの多原子イオンのサイズ、またはXRDの関連するd001基底間隔によって証明される他の柱状種を反映している。
【0149】
一態様では、単離された粘土ヘテロ付加物は、例えば、濾過によって収集され、それらは洗浄されない。別の態様では、単離された粘土ヘテロ付加物は、例えば、水などの適切な洗浄液、例えば、いくつかの精製の利点を提供するのに十分であるだけで、最小限に洗浄される。理論に拘束されることを望むものではないが、例えば、参照により本明細書に組み込まれている、Schoonheydt et al.のClay and Clay Minerals 1994,42(5),518-525は、ピラー洗浄を容易にすることが観察されている。したがって、ピラー形成が生じる程度の洗浄は、単離された望ましい粘土ヘテロ付加物を犠牲にして、望ましくない副産物である柱状粘土を形成するように見える。
【0150】
本開示の別の態様では、Jensen et al.の米国特許出願公開第2018/0142047号および同第2018/0142048号に開示されるような規則的にインターカレートされたイオン交換粘土とさらに対照的に、洗浄水が負のAgNO3試験(塩化物試験)を示すまで、本開示の固体粘土ヘテロ付加物を広範囲に洗浄することは、粘土ヘテロ付加物に高い重合活性を付与するために必要ではない。対照的に、希釈溶液を使用せずに、約5重量%の固体を含有する即時ヘテロ付加物混合物を単回濾過することで、最終的な触媒混合物中の良好な重合活性が得られる。この特徴は、例えば、実施例22、24、29~31、33、および35~36で実証される。例えば、実施例22と実施例23との間のACH粘土ヘテロ付加物の調製における違いは、生成物の調製が、1つの濾過と2つの濾過を用いたかどうかであり、後者は、各濾過との間の単一の洗浄を含む。したがって、単一濾過を用いた粘土ヘテロ付加物の実施例22の調製において、スラリーを濾過して得られた濾液は、1988μS/cmの導電率を特徴とした。対照的に、2つの濾過を用いる粘土ヘテロ付加物の実施例23は、87μS/cmの導電率、およびほぼ23倍の差を特徴とした濾液間の洗浄を提供した。しかしながら、これらの支持体活性化剤を使用して調製した触媒の重合活性は、当業者が可変性ベンチスケール重合試験の範囲内であると認識するであろう、わずか10%しか変化しなかった。
【0151】
同様に、実施例24対実施例25の支持体活性化剤を使用した重合は、支持体活性化剤の経済的に有益な側面をさらに指し示し、粘土ヘテロ付加物の2つの濾過に対する単一の濾過は、再び本質的に同じ重合活性をもたらす。具体的には、単一の濾過支持体活性化剤から形成された触媒は、二重濾過支持体活性化剤から形成された触媒について観察された3547g/g/時間に対して3581g/g/時間の活性を示した。単一濾過生成物(実施例24)のスラリーの導電率は1500μS/cmであり、二重濾過生成物(実施例25)の最終スラリーの導電率は180μS/cmであった。したがって、粘土ヘテロ付加物の広範囲な洗浄は、良好な重合活性のために必要ではないことが予期せずに発見された(再度、米国特許出願公開第2018/0142047号、同第2018/0142048号との対比)。
【0152】
実施例28(追加の洗浄工程)および実施例29(単回濾過)に従って、1.52mmol Al/g粘土を使用して作製した試料は、それぞれ1404g/g/時間および1513g/g/時間の触媒活性を提供した。この比較では、1750μS/cmの導電率を有する実施例29の単一濾過ヘテロ付加物スラリーは、最初の濾過後に2回洗浄して濾過し、169μS/cmのスラリー導電率を有する実施例28試料よりも高い活性を実際に提供した。別の態様では、米国特許出願公開第2018/0142047号および同第2018/0142048号の支持活性剤とはさらに対照的に、本開示の粘土ヘテロ付加物スラリーは、単離および使用の前に、室温または高温で少なくとも10日間熟成させる必要はない。むしろ、本開示の粘土ヘテロ付加物スラリーを直ちに濾過し、次いで乾燥または焼成することができ、したがって、支持体活性化剤のはるかに効率的な合成を提供する。
【0153】
ヘテロ凝固剤の形成は、粘土が広範囲の温度にわたってヘテロ凝固剤とヘテロ付加物を形成するという点で、非常に温度感受性が高いことが見出されていない。例えば、粘土ヘテロ付加物の形成は、約20℃~約30℃の範囲に進行するが、粘土ヘテロ付加物を含有するスラリーのほぼ0℃~沸点の範囲の温度を使用することができる。
【0154】
ヘテロ凝固剤を含有する溶液のpHを調整して、ヘテロ凝固生成物の最小ゼータ電位を提供することができ、Goldberg,et al,Clay and Clay Minerals,1987,35,220-270によって記載されているように実験によって容易に決定することができる。この方法によって単離された得られたヘテロ付加物は、オレフィン重合のためにメタロセンとともに使用することもできる。さらに、ゼータ電位を調整するためのこの方法は、粘土に対するヘテロ凝固剤の比自体が、本明細書に開示される±25mV(または、代替的に、±22mV、±20mVなど)の範囲の間のゼータ電位をもたらさない場合に使用することができる。しかしながら、このpH調整方法は、粘土ヘテロ付加物の合成および単離にさらなる工程を必要とし、この方法は即濾過性または最適な最終重合活性を保証しないことが観察されている。理論に拘束されることを望むものではないが、そのような場合におけるpH調整は、プロトン化またはヒドロキシル化された粘土、ヘテロ凝固試薬、および/または粘土ヘテロ付加物をもたらす可能性があり、粘土ヘテロ付加物の特性および最終的な触媒活性に影響を及ぼす可能性があると考えられている。
【0155】
別の態様では、本開示は、ヘテロ凝固生成物の調製において形成される塩および少量の非凝固コロイド性材料の除去を提供する。例えば、少量のコロイド材料に加えて、塩化ナトリウムなどの可溶性副生成物は、水で洗浄した後、ヘテロ凝固生成物を単純に濾過することにより、ヘテロ凝固生成物から容易に除去される。洗浄は、単離されたヘテロ凝固生成物を水に再懸濁させることによって、機械的に撹拌または振とうしてスラリーを形成することによって達成され得、次いで再濾過され得る。この方法は、一般に、高速遠心分離、デカンテーション、ピラー剤粘土溶液のpH変化、または柱状粘度製品の分離のための大型希釈および沈降タンクを使用して、複数の洗浄および分離工程を必要とするピラープロセスと対照的である。そのような追加の工程は、柱状または化学処理された粘土鉱物付加物を、その出発成分、ナノまたはマイクロサイズの石英、および他の無機金属酸化物などの不純物から分離および洗浄するための時間とコストを追加する。逆に、粘土ヘテロ付加物の濾過は、焼結ガラスフリット、金属フリット、一般的なフィルター紙、フェルトまたは他の濾過媒体を通して一括して行われてもよく、または移動ベルトフィルターを使用して連続的に濾過されてもよい。濾過は速いので実用的であり、例えば、濾過は、わずか1分以下、約5分以下、約10分以下、約15分以下、約30分以下、約1時間以下、約2時間以下、約5時間以下、約8時間以下、または約24時間以下で完了することができる。
【0156】
粘土ヘテロ付加物の濾液またはスラリーの導電率は、市販のコンダクタンスメーターを使用して監視することができる。一態様では、スラリーの濃度が、約1重量%~約10重量%の固体、約2.5重量%~約10重量%の固体、または約5重量%~約10重量%の固体の範囲内にあるとき、粘土ヘテロ付加物スラリーは、約100μS/cm(0.1mS/cm)~約50,000μS/cm(50mS/cm)、約250μS/cm~約25,000μS/cm、または約500μS/cm~約15,000μS/cm、代替的に約1,000μS/cm(1mS/cm)~約10,000μS/cm(10mS/cm)の範囲内の導電率を特徴とすることができる。
【0157】
ヘテロ凝固固体は、必要に応じて、いくつかの実施例で実施されるように、共沸方法によって乾燥させてもよい。共沸乾燥は、ヘテロ凝固固体を単純に加熱することと比較して、乾燥中に孔体積および表面積を維持すると考えられている。例えば、濾過したスメクタイトヘテロ付加物は、ヘテロ凝固生成物中に存在する水の沸点を低下させる溶媒とともにスラリー中に再懸濁され得る。乾燥中に失われたこの水は、遊離水または化学的に結合した水として特徴付けられ得る。すなわち、乾燥中に失われる水は、ヘテロ付加物の孔または外面に位置する遊離水および乾燥および焼成プロセス中に脱水表面ヒドロキシルから生成される化学結合水に由来することができる。様々なアルコールは、これらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、1-ブタノール、1-ヘキサノール、イソペンタノール、エタノールなどを含む共沸剤として有用である。
【0158】
凍結乾燥、フラッシュ乾燥、流動床乾燥、またはそれらの任意の組み合わせを使用して、粘土ヘテロ付加物から水を除去することもできる。これらの方法は、単独で使用するか、または水の除去中に組み合わせて使用するかにかかわらず、乾燥プロセス中に孔体積および表面積を維持するのに役立ち得る。別の態様では、粘土ヘテロ付加物の懸濁液の噴霧乾燥を用いて、支持体活性化剤および支持触媒粒子形態を制御することができる。例えば、水性溶媒もしくは有機溶媒中、または水性溶媒と有機溶媒との組み合わせにおける粘土ヘテロ付加物の懸濁液は、噴霧乾燥され得る。ヘテロ凝固粘土の形態、サイズおよびサイズ分布を精製するために、乾式または湿式粉砕およびふるい分けが用いられ得る。これらの方法は、粘土ヘテロ付加物の所望の支持体活性化剤粒子形態、粒径および粒径分布を達成するために、個別にまたは組み合わせて用いることができる。粘土ヘテロ付加物の噴霧乾燥および/またはふるいを使用することができ、支持体活性化剤としてのヘテロ付加物の搬送または使用に問題がある微粒子またはより大きな粒子を除去するための当業者に既知の他の方法も同様に使用することができる。
【0159】
ヘテロ凝固固体は、流動床、例えば、約100℃~約900℃の範囲の温度で焼成または加熱することができる。例えば、ヘテロ凝固スメクタイト粘土は、約100℃~約900℃、約200℃~約800℃、約250℃~約600℃、または約300℃~約500℃の範囲の温度で流動床内で焼成または加熱することができる。焼成は、周囲雰囲気(空気)中で行うことができ、例えば、焼成は、乾燥空気中で、少なくとも110℃の範囲の温度、例えば、温度は、約200℃~約800℃の範囲、および約1分~約100時間の範囲の時間で実施することができる。例えば、スメクタイトヘテロ付加物は、以下の条件:a)約110℃~約600℃の範囲の温度および約1時間~約10時間の範囲の時間、b)約150℃~約500℃の範囲の温度および約1.5時間~約8時間の範囲の時間、またはc)約200℃~約450℃の範囲の温度および約2時間~約7時間の範囲の時間、のいずれか1つを使用して焼成することができる。
【0160】
粘土ヘテロ付加物はまた、約225℃~約700℃の温度で、約1時間~約10時間の範囲の時間、最も好ましくは、約250℃~約500℃の温度および約1時間~約10時間の範囲の時間で焼成してもよい。代替的に、空気中での焼成は、200℃~750℃、225℃~700℃、250℃~650℃、225℃~600℃、250℃~500℃、225℃~450℃、または200℃~400℃の範囲の温度で実施することができる。示されるように、任意の単一の温度または2つの温度の範囲から選択される焼成温度、例えば、110℃~800℃の範囲の少なくとも10℃(すなわち10℃)離れた温度を、最終的な触媒活性の開発に使用することができる。
【0161】
焼成などの熱処理は、周囲雰囲気中、または水の除去を容易にする他のそのような条件下で実施することができ、例えば、焼成は、一酸化炭素雰囲気中で実施することができる。かかる雰囲気の使用は、周囲空気焼成プロセスで使用される温度と比較して、より低い温度でより効率的に表面ヒドロキシルを除去し得、したがって、表面の脱水中により大きな孔体積および表面積を維持する。焼成後、ヘテロ凝固生成物は、粘土粒子および無機酸化物粒子の連続した非結晶性の組み合わせとして記載されてもよく、本明細書において、これらは活性化剤支持体または支持体活性化剤と称される。
【0162】
本開示の活性化剤支持体の全多孔性、孔体積分布、および表面積の決定は、当該技術分野で知られている任意の方法、例えば、窒素ガス吸着脱着測定値を使用する分析によって達成することができる。吸着等温線または脱着等温線は、一定温度で圧力がそれぞれ増加または減少するにつれて、分析対象物(粘土ヘテロ付加物)の表面上に吸着するか、または表面から脱着するガス(この場合、窒素)の体積をプロットする。等温データは、以下に記載されるように、総孔体積を決定し、孔サイズ分布を生成するためにBJH法を使用して分析することができ、等温データは、表面積を決定するためにBET法を使用して分析することができる。
【0163】
スメクタイト粘土のヘテロ凝固は、実質的な多孔性を有し、メタロセンまたはオレフィンを重合可能な他の有機遷移金属化合物と組み合わせたときに触媒活性化特性を示す活性化剤支持体を提供することができる。一態様では、焼成粘土ヘテロ付加物は、約0.2cc/g~約3.0cc/g、約0.3cc/g~約2.5cc/g、または約0.5cc/g~約1.8cc/gの範囲のBJH多孔性を示すことができる。焼成粘土ヘテロ付加物はまた、0.5cc/g以上のBJH多孔性を示すことができる。約0.2cc/gと低い多孔性を有する石灰化粘土ヘテロ付加物を使用することができ、例えば、約0.2cc/g~約0.5cc/gの範囲のBJH多孔性を示すヘテロ付加物が使用されるが、約0.2cc/g未満の多孔性を有する粘土ヘテロ付加物は、触媒システムを作製するために、ビス(1-ブチル-3-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド)などのメタロセンと組み合わせた場合に、より低い重合活性、例えば、<200g PE/g支持体活性剤/時間を示すことができる。本開示において、「g支持体活性化剤」という用語は、触媒を作製するために使用される焼成粘土ヘテロ付加物のグラムを指す。
【0164】
粘土および粘土ヘテロ付加物のBJH多孔性の比較を
図10、
図11および
図12に示す。焼成したが、それ以外の場合は非ゼオトロプであり、ヘテロ凝固剤で未処理であった出発モンモリロナイトのBJH孔体積分析を
図11(実施例1)に示す。剪断し、次いで共沸および焼成したが、それ以外の場合はヘテロ凝固剤で未処理の出発モンモリロナイトの孔体積分析を
図12(実施例3)に示す。最後に、実施例18のアルミニウムクロルハイドレート(ACH)ヘテロ凝固粘土(1.76mmol Al/g粘土)の孔体積分析を
図10に示す。したがって、ヘテロ凝固試薬が存在しない場合、ベントナイトなどの焼成スメクタイトは、約0cc/g~約0.2cc/gのBJH多孔性を有することができる。
【0165】
特定の孔径境界間の累積孔体積は、BJH法導出孔体積分布を使用して決定することができる。Xnm(ナノメートル)~Ynm(VX-Ynm)の孔径の累積孔体積(Xnmは孔径の下限であり、Yは孔径の上限である)は、孔径0nm~Ynmの累積孔径の合計孔径から、孔径0nm~Xnmの累積孔径の合計孔径を引くことによって決定される。孔径の上限または下限のいずれかについての総累積孔体積が利用できない状況では、この孔径は、累積孔径データが利用可能である2つの最も近い孔径点間の直線補間によって推定される。
【0166】
焼成粘土ヘテロ付加物の一態様では、3~10nm径(V
3-10nm、または「小さなメソ孔」)の間の細孔の合計または累積孔体積は、3~30nmの細孔の合計累積孔体積(V
3-30nm)の55%未満を含むことができる。さらなる態様では、V
3-10nmは、累積孔体積V
3-30nmの50%未満を含むことができ、または代替的に、V
3-10nmは、累積孔体積V
3-30nmの40%未満を含むことができる。この特徴は、実施例18のスメクタイトヘテロ付加物のBJH孔体積分析を示す
図10のデータによって例示され、V
3-10nmの値は約0.33(V
3-30nm)である。この孔体積分析は、未処理の非共沸粘土(実施例1、
図11)および共沸粘土(実施例3、
図12)の両方のBJH孔体積分析と対照的であり、これらの両方は、V
3-10nmが0.55(V
3-30nm)より大きいことを特徴とする。
【0167】
本開示の
図10の粘土ヘテロ付加物のこれらの孔体積特徴は、ムラーゼらの米国特許第9,751,961号の酸処理粘土の孔体積特徴と対照的であり、これは、2nm~10nm(V
2~10nm)の直径を有する孔体積の合計が、メソ孔体積の総体積、すなわち2nm~50nmのすべての孔体積の60%~100%を占めることを開示する。(米国特許第9,751,961号の
図1および表1を参照されたい)。具体的には、Murase et al.は、2nm~10nmのより小さいメソ孔が全メソ孔体積(2nm~50nm)の大部分を占め、総メソポア体積は、例えば、V
2-10nm+V
10-30nm+V
30-50nmによって計算することができることを明らかにしている。対照的に、本開示の粘土ヘテロ付加物は、V
10-30nm単独で超過するより小さなメソ孔V
3-10nmの体積を特徴とする。理論に拘束されることを望むものではないが、本開示における全多孔性のシェアに対するより大きなメソ孔の割合の増加は、粘土ヘテロ付加物表面上の電離部位へのメタロセン化合物の拡散およびアクセス性を促進すると考えられる。これは、特にメソ孔直径の最小端を超える回転半径を有するメタロセンの場合、電離部位を含む表面へのメタロセンの拡散を妨げる、またはそれを妨げる可能性がある、より小さいメソ孔と対照的であると考えられる。
【0168】
さらに、例えば、Uchino et al.の米国特許第6,677,411号によって示されるように、BJH法によって決定される孔サイズ分布は、孔径に対するdV(logD)をプロットすることによって示され得る。この関数の最高値を示す直径は、用語DMで表すことができ、最も頻繁に出現する孔径とみなされる。すなわち、DMは、30Å~500Å孔径の領域におけるDV(logD)の値が最も高い点に対応する直径である。最大値であるDMの順序値は、DVMという用語で表される。一態様では、この対数微分孔体積分布は、典型的には、約30Å~約40Å(オングストローム)の局所最大値を有する。この局所最大強度はまた、グローバル最大DVMであり得る。一態様では、DVMにおける強度は、200Å~500ÅのdV(logD)の最大値の強度の最大約200%であり得る。代替的に、DVMでの強度は、200Å~500ÅのdV(logD)の最大値の強度の最大約120%であり得る。代替的に、それでも、DVMにおける強度は、200Å~500ÅのdV(logD)の最大値の強度の最大約100%であり得る。別の態様では、200Å~500ÅのdV(logD)の最大値は、30Å~200ÅのdV(logD)のすべての値を超える。これは、例えば、Uchino et al.の米国特許第6,677,411号に記載の酸処理粘土とは対照的であり、これは参照により本明細書に組み込まれ、所望の実施形態の対数微分孔サイズ分布で観察される最大DVM値は、60Å~200Åの関連する直径DMを有する。
【0169】
同様に、Casty et al .の米国特許第7,220,695号によって説明される処理された粘土活性化剤は、最大DVM値を示す直径DMが60Å~200Å(オングストローム)に存在する、好ましい実施形態を定義する。対照的に、本開示の粘土ヘテロ付加物の最も頻繁に出現する孔径DMは、30Å~40Åの範囲内、または200Å~500Åの範囲内のいずれかに存在する。
【0170】
さらに、米国特許第6,677,411号における微分対数孔体積分布は、60Å~200Åの範囲と比較して、200Å~500Åの範囲において実質的に低い強度を示す。200Å~500Åの範囲におけるdV(logD)の最大値は、典型的には、60Å~200Åの範囲におけるdV(logD)の最大値の10%未満である。対照的に、本開示の粘土ヘテロ付加物は、200Å~500Åの範囲内のdV(logD)の最大値を提供することができ、これは典型的には、60Å~200Åの範囲内のdV(logD)の最大値の100%よりも大きい。理論に拘束されることを望むものではないが、支持体活性化剤の電離部位へのメタロセン拡散がより容易であるため、本開示の粘土ヘテロ付加物におけるより大きなメソ孔のより大きな割合の存在が望ましいと考えられる。
【0171】
F.スメクタイトヘテロ付加物の濾過性
本開示によるゼータ電位範囲内のスラリー形態で調製された粘土ヘテロ付加物は、同じスメクタイト粘土およびヘテロ凝固試薬を使用して調製された類似の柱状粘土と比較して、予想外に改善された分離の容易さを示した。具体的には、粘土ヘテロ付加物は、柱状の粘土とは異なり、濾過によって容易に単離され得る。この強化された濾過性は、例えば、粘土ヘテロ付加物のスラリーの沈降速度と、同じ粘土と同一量の粘土を含有するスラリーとを使用して調製された類似の柱状粘土の沈降速度とを比較することによって観察され、定量化された。
【0172】
それぞれ5重量%のHPM-20粘土水性分散液で調製した、柱状粘土とヘテロ凝固粘土とのスラリー沈降速度比較を表1に示す。各スラリーを、参照される実施例に記載されるように調製し、目盛り付きシリンダに添加し、沈降速度を、スラリーの上部に見えるコロイド粒子の曇りがない実質的に透明な層の観察体積によって経時的に測定した。この比較では、ヘテロ凝固粘土の沈降速度は有意に速く、例えば、体積ベースで5倍速かった。理論に拘束されることを望むものではないが、例えば約±10mVの範囲に、0mV前後の比較的狭い範囲でゼータ電位を有するヘテロ凝固粘土分散液の増大した粒径は、対照的に分散したままである傾向がある支柱状粘土粒子に対して、凝固を有利にすると考えられる。
【表2】
【0173】
したがって、ヘテロ凝固粘土スラリーの濾過性が「容易に濾過可能である」と評価され得る方法の1つは、柱状粘度スラリーの沈降速度と比較して、スラリーの沈降速度を調べることである。一態様では、粘土ヘテロ付加物などの組成物は、(本明細書で説明されるように)2.5重量%の水性ヘテロ付着物スラリーの沈降速度が、同じコロイド状スメクタイト粘土、同じヘテロ凝固試薬、および同じ液体担体を使用して調製された2.5重量%の水性支柱粘土スラリーの沈降速度の3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍以上である場合、容易にまたは容易に濾過可能であり、沈降速度は、沈降試験の開始から約12時間、約18時間、約24時間、約30時間、約36時間、約48時間、約72時間、約95時間、約96時間、または約100時間、またはそれ以上で比較される。
【0174】
表2に示すように、粘土スラリーの濾過率または濾過速度を定量化することによって、濾過性のさらなる実証が観察された。5gの粘土をそれぞれ使用した柱状粘土スラリーおよびヘテロ凝固粘土スラリーを合計質量250gまで調製して濾過した場合、ヘテロ凝固粘土スラリーは速やかに濾過され、濾液水は速やかに分離したが、一方、柱状粘土スラリーの濾過速度は80%超遅かった。再び、理論に拘束されることを望むものではないが、凝固したヘテロ凝固粘土の粒径が増大することで、ヘテロ凝固粘土粒子と水との容易な分離が可能になる一方で、柱状粘度の粒径が小さいことで、フィルター紙の閉塞が生じ、分離が遅くなり、閉塞したフィルター紙を交換する必要があるために、より長い濾過時間と連続的な濾過が必要となると考えられる。
【表3】
【0175】
したがって、一態様では、本開示は、ヘテロ付加物スラリーの濾過性を定量化する他の方法を提供し、スラリーが容易に濾過可能であり、容易に濾過され得ることを実証する。一態様では、粘土ヘテロ付加物などの組成物は、スラリーが以下の濾過挙動:
[a]2.0重量%の水性ヘテロ付加物スラリーを、接触工程b)(すなわち、ヘテロ付加物スラリーの初期形成後)の0時間~2時間後の時間内で濾過すると、スメクタイトヘテロ付加物のスラリー中の液体担体の重量に基づいて、真空濾過または重力濾過のいずれかを使用して10分間の濾過時間で得られた濾液の割合は、(1)濾過前、すなわち、初期スラリー水重量のスラリー中の液体担体の約50重量%~約100重量%、(2)スラリー中の液体担体の約60重量%~約100重量%、(3)スラリー中の液体担体の約70重量%~約100重量%、または(4)濾過前のスラリー中の液体担体の約80重量%~約100重量%の範囲内にあることと、
[b]ヘテロ付加物スラリーからの濾液が、蒸発すると、粘土およびヘテロ凝固剤の初期合計重量の20%未満、15%未満、または10%未満を含む固体を得ることと、を特徴とする場合、容易にまたは容易に濾過可能である。
【0176】
いくつかの柱状粘土スラリー組成物を含むいくつかの非ヘテロ付加物スラリーは、スラリーが数日間の初期沈降期間を許容した後により容易に濾過することができるため、初期形成後0~2時間で濾過を行う特徴が特定される。
【0177】
表2データを生成するために使用した実施例では、コロイド粘土とポリメタレートとの接触工程の数分後に、20ミクロンフィルターを使用してヘテロ付加物スラリーおよび柱状粘度スラリーを濾過した。ヘテロ付加物スラリーからの水は、基本的に、真空濾過を開始した後、10分のマークで濾過されていたが、柱状粘土スラリーからの水は、真空濾過を開始した後、10分で濾過されていなかった。上に列挙された2つの特徴の組み合わせを使用して「容易に濾過可能」を評価することにより、フィルター間隔(例えば、20μm)、または濾過が重力濾過または真空濾過によって行われたかどうかのいずれかを指定する必要はない。すなわち、指定された開口サイズを有するフィルターは、当業者によって容易に識別することができ、例えば、実施例で使用される20μmのフィルターは、粘土ヘテロ付加物がこれらの基準の両方を満たすことを可能にするが、いずれのフィルターサイズも、柱状粘土がこれらの基準の両方を満たすことを可能にしない。
【0178】
この「容易に濾過可能な」試験を適用する例として、支柱状の粘土濾過が上記基準の一部[a]の要件を満たすように、フィルター媒体間の開口部が大きすぎるフィルターを使用する場合、それは一部[b]に不合格となり、容易に濾過可能とはみなされない。そのような大きなフィルターサイズを使用する場合、粘土ヘテロ付加物はまた部分[b]に失敗するが、フィルターサイズを減少させる(例えば、約20μm)ことにより、粘土ヘテロ付加物は基準[a]および[b]の両方を満たすことができ、一方、ピラー状粘土は、フィルターサイズを減少させるときに部分[a]に失敗する。これは、フィルターが詰まり、液体担体がほとんどまたは全く濾過されないためである。
【0179】
同様に、重力濾過または真空濾過のいずれかを「容易に濾過可能な」試験で使用することができる。なぜなら、濾液の測定値が指定された時点で(濾過を開始した10分後)、適切なフィルターサイズは、粘土ヘテロ付加物が基準[a]および[b]の両方を満たすことを可能にする適切な当業者によって容易に識別され得るが、一方、柱状粘土は基準[a]および[b]の少なくとも1つに失敗するからである。
【0180】
別の態様では、濾過性を定量化する別の方法は以下の通りである。粘土ヘテロ付加物などの組成物は、スラリーが以下の濾過挙動:
[a]2.0重量%の水性ヘテロ付加物スラリーを、接触工程b)後0時間~2時間の時間内に濾過して第1の濾液を提供する場合、第2の濾液の、第1の濾液に対する重量比が、0.25未満、0.20未満、0.10未満、0.15未満、0.10未満、0.5未満または約0.0であり、第2の濾液が、コロイド状スメクタイト粘土、ヘテロ凝固試薬、および液体担体を使用して調製された柱状粘土の2.0重量%のスラリーの濾過から得られ、第1の濾液の重量および第2の濾液の重量が、5分、10分または15分の同一の濾過時間後に測定されることと、
[b]ヘテロ付加物スラリーからの濾液が、蒸発すると、粘土およびヘテロ凝固剤の初期合計重量の20%未満、15%未満、または10%未満を含む固体を得ることと、を特徴とする場合、容易に濾過可能または容易に濾過されたとみなすことができる。
【0181】
したがって、この試験は、ヘテロ付加物のスラリーから収集した濾液を柱状粘度と比較し、一方で、前回の試験は、ヘテロ付加物のスラリーから収集した濾液を初期スラリーの水性担体と比較する。
【0182】
G.メタロセン化合物
焼成粘土ヘテロ付加物は、オレフィン重合触媒組成物を調製するために、1つ以上の好適な重合触媒前駆体、例えば、メタロセン、他の有機金属化合物、および/または有機アルミニウム化合物など、または他の触媒成分の基材または触媒支持体活性剤として使用することができる。したがって、一態様では、粘土ヘテロ付加物が本明細書に開示されるように調製され、アルキルアルミニウム化合物などの有機主基金属、およびメタロセンなどの4族有機遷移金属化合物と組み合わされるとき、活性オレフィン重合触媒または触媒システムが提供される。
【0183】
本開示の支持体活性化剤は、メタロセン化合物(本明細書においてメタロセン触媒とも称される)および有機アルミニウム化合物などの共触媒とともに使用することができ、得られた組成物は、イオン交換、プロトン酸処理、または柱状粘土、またはアルミノキサンもしくはホウ酸塩活性剤の不在下または実質的に不在下において触媒重合活性を示す。以前は、メタロセンまたは単一部位または配位触媒システムで重合触媒活性を達成するために、アルミノキサンまたはホウ酸塩活性剤などの活性剤が必要であると考えられてきた。しかしながら、活性化可能なアルキルリガンドをメタロセンに付与するために所望される場合、ヘテロ付加物支持体活性化剤、メタロセン、およびアルミニウムアルキル化合物などの共触媒の組み合わせは、アルミノキサンまたはホウ酸塩活性化剤などの他の活性化剤を必要とする活性触媒を提供する。
【0184】
メタロセン化合物は、当該技術分野において十分に理解されており、当業者は、任意のメタロセンが、例えば、非架橋(非アンサ)メタロセン化合物または架橋(アンサ)メタロセン化合物、またはこれらの組み合わせの両方を含む、本開示に記載の支持体活性化剤とともに使用され得ることを認識するであろう。したがって、1つ、2つ、またはそれ以上のメタロセン化合物は、本開示の粘土ヘテロ付加物支持体活性化剤とともに使用することができる。
【0185】
一態様では、メタロセンは、3族~6族の遷移金属を含むメタロセン、またはランタニド金属または2つ以上のメタロセンの組み合わせを含むメタロセンであり得る。例えば、メタロセンは、4族遷移金属(チタン、ジルコニウム、またはハフニウム)を含むことができる。さらなる態様では、メタロセン化合物は、それぞれ独立して、式:
(X1)(X2)(X3)(X4)M(式中、
a)Mが、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムから選択され、
b)X1が、置換または非置換シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、ペンタジエニル、アリル、ボラタベンゼニル、1,2-アザボロリル、または1,2-ジアザ-3,5-ジボロリルから選択され、任意の置換基が、ハロゲン化物、C1-C20ヒドロカルビル、C1-C20ヘテロヒドロカルビル、C1-C20オルガノヘテリル、縮合C4-C12炭素環式部分、または窒素、酸素、硫黄、もしくはリンから独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する縮合C4-C11複素環式部分から独立して選択され、
c)X2が、[1]置換または非置換シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、ペンタジエニル、またはアリルから選択され、任意の置換基が、ハロゲン化物、C1-C20ヒドロカルビル、C1-C20ヘテロヒドロカルビル、またはC1-C20オルガノヘテリルから選択されるか、あるいは[2]ハロゲン化物、水素化物、C1-C20ヒドロカルビル、C1-C20ヘテロヒドロカルビル、C1-C20オルガノヘテリル、縮合C4-C12炭素環式部分、または窒素、酸素、硫黄、もしくはリンから独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する縮合C4-C11複素環式部分、から選択され、
d)X1およびX2が、任意選択で、C、Si、N、P、またはBから独立して選択される2~4個の架橋原子を有する少なくとも1つのリンカー置換基によって架橋され、各架橋原子の各利用可能な非架橋価が、非置換(Hに結合)または置換され、任意の置換基が、ハロゲン化物、C1-C20ヒドロカルビル、C1-C20ヘテロヒドロカルビル、またはC1-C20オルガノヘテリルから独立して選択され、任意のヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、またはオルガノヘテリル置換基が、架橋原子と、またはX1もしくはX2と、飽和または不飽和環状構造を形成することができ、
e)[1]X3およびX4が、ハロゲン化物、水素化物、C1-C20ヒドロカルビル、C1-C20ヘテロヒドロカルビル、またはC1-C20オルガノヘテリルから独立して選択され、[2][GXA
kXB
4-k]-(式中、Gが、BまたはAlであり、kが、1~4の数値であり、各出現におけるXAが、Hまたはハロゲン化物から独立して選択され、各出現におけるXBが、C1-C12ヒドロカルビル、C1-C12ヘテロヒドロカルビル、C1-C12オルガノヘテリルから独立して選択される)であり、[3]X3およびX4が、一緒にC4-C20ポリエンであるか、あるいは[4]X3およびX4がMと一緒に非置換または非置換、飽和または不飽和C3-C6メタラサイクル部分を形成し、メタラサイクル部分上の任意の置換基が、ハロゲン化物、C1-C20ヒドロカルビル、C1-C20ヘテロヒドロカルビル、またはC1-C20オルガノヘテリルから独立して選択される)を有する、化合物または化合物の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される。
【0186】
さらなる態様によれば、所望により、X1およびX2は、
a)>EX5
2、-EX5
2EX5
2-、-EX5
2EX5EX5
2-、もしくは>C=CX5
2(式中、各出現におけるEが、CまたはSiから独立して選択される)、
b)-BX5-、-NX5-、もしくは-PX5、または
c)[-SiX5
2(1,2-C6H4)SiX5
2-]、[-CX5
2(1,2-C6H4)CX5
2-]、[-SiX5
2(1,2-C6H4)CX5
2-]、[-SiX5
2(1,2-C2H2)SiX5
2-]、[-CX5
2(1,2-C6H4)CX5
2-]、もしくは[-SiX5
2(1,2-C6H4)CX5
2-]
(式中、各出現におけるX5が、H、ハロゲン化物、C1-C20ヒドロカルビル、C1-C20ヘテロヒドロカルビル、またはC1-C20オルガノヘテリルから独立して選択され、
ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、またはオルガノヘテリル置換基から選択される任意のX5置換基が、架橋原子、別のX5置換基、X1、またはX2と、飽和または不飽和環状構造を形成することができる)から選択されるリンカー置換基によって架橋される。
【0187】
X1およびX2を架橋することができる好適なリンカー置換基の例としては、C1-C20ヒドロカルビレン基、C1-C20ヒドロカルビレン基、C1-C20ヘテロヒドロカルビル基、C1-C20ヘテロヒドロカルビレン基、C1-C20ヘテロヒドロカルビレン基、またはC1-C20ヘテロヒドロカルビリデン基が挙げられる。例えば、X1およびX2は、式>EX5
2、-EX5
2EX5
2-、または-BX5-(式中、Eが独立して、CまたはSiであり、各出現におけるX5が、ハロゲン化物、C1-C20脂肪族基、C6-C20芳香族基、C1-C20ヘテロ脂肪族基、C4-C20ヘテロ芳香族基、またはC1-C20オルガノヘテリル基から独立して選択される)を有する少なくとも1つの置換基によって架橋される。
【0188】
本開示の態様セクションは、X1とX2との連結部分に関して、X5に関して、および特定のリンカー置換基またはX5置換基に関して、追加の説明および選択を列挙する。
【0189】
本開示の態様セクションはまた、X1およびX2上の特定の置換基を含む、X1およびX2についての追加の説明および選択を列挙する。
【0190】
本開示の態様セクションはまた、X3およびX4上の特定の置換基を含む、X3およびX4についての追加の説明および選択を列挙する。
【0191】
本開示の態様セクションは、本開示の支持体活性化剤と組み合わせて有用なメタロセン化合物のいくつかの具体例も提供する。
【0192】
メタロセン化合物は、当業者に理解され、当業者は、オレフィン重合触媒システムにおけるメタロセンの製造および使用方法を認識し、理解するであろう。メタロセンおよび有機遷移金属化合物を製造するための多くのメタロセンおよびプロセスは、米国特許第4,939,217号、同第5,210,352号、同第5,436,305号、同第5,401,817号、同第5,631,335号、同第5,571,880号、同第5,191,132号、同第5,480,848号、同第5,399,636号、同第5,565,592号、同第5,347,026号、同第5,594,078号、同第5,498,581号、同第5,496,781号、同第5,563,284号、同第5,554,795号、同第5,420,320号、同第5,451,649号、同第5,541,272号、同第5,705,478号、同第5,631,203号、同第5,654,454号、同第5,705,579号、同第5,668,230号、同第9,045,504号、および同第9,163,100号、ならびに同第2017/0342175号に開示されるように、当該技術分野で知られており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0193】
H.共触媒
一態様によれば、本開示は、オレフィン重合のための触媒組成物を提供し、触媒組成物は、a)少なくとも1つのメタロセン化合物と、
b)任意選択で、少なくとも1つの共触媒と、c)本明細書に記載の少なくとも1つの支持体活性化剤と、を含む。共触媒には、トリアルキルアルミニウムなどの化合物が含まれ、これは、メタロセンがそれ以外の場合、支持体活性化剤で活性化されるときに重合を開始することができるメタロセンにリガンドを付与すると考えられている。共触媒は、例えば、メタロセンが既に重合活性化/開始性リガンド(メチルまたは水素化物など)を含み得るシナリオにおいて、任意であるとみなされ得る。メタロセン化合物が重合活性化/開始性リガンドなどを含む場合であっても、重合反応器またはプロセスからの水分を除去するなどの他の目的のために共触媒を使用することができることが理解されるであろう。したがって、共触媒は、例えば、アルキル化剤、ヒドリジン化剤、またはシリル化剤を含むか、またはそれらから選択することができる。メタロセン化合物、支持体活性化剤、および共触媒は、任意の順序で接触させることができる。
【0194】
共触媒は、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物、有機亜鉛化合物、有機マグネシウム化合物、有機リチウム化合物、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるか、またはそれらから選択することができる。
【0195】
本開示の態様セクションは、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物、有機亜鉛化合物、有機マグネシウム化合物、および有機リチウム化合物の各々についての追加の説明および選択を列挙する。
【0196】
一態様では、例えば、共触媒は、式Al(XA)n(XB)m、Mx[AlXA
4]、Al(XC)n(XD)3-n、Mx[AlXC
4](すなわち、中性分子化合物またはアルミニウムのイオン化合物/塩であり得る)を独立して有することができる少なくとも1つの有機アルミニウム化合物を含むか、それからなるか、本質的になるか、またはそれから選択されることができ、これらの式の変数のそれぞれは、本開示の態様セクションで定義される。例えば、共触媒は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、エチル-(3-アルキルシクロペンタジイル)アルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、水素化ジイソブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)、塩化ジエチルアルミニウム、エチル-(3-アルキルシクロペンタジイル)アルミニウムなど、任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、本質的になるか、またはそれらから選択され得る。
【0197】
別の態様では、例えば、共触媒は、式B(XE)q(XF)3-qまたはMy[BXE
4](すなわち、中性分子化合物またはホウ素のイオン化合物/塩であり得る)を独立して有することができる少なくとも1つの有機ホウ素化合物を含むか、それからなるか、本質的になるか、またはそれから選択されることができ、これらの式の変数のそれぞれは、本開示の態様セクションで定義される。例えば、共触媒は、トリメチルボロン、トリエチルボロン、トリプロピルボロン、トリブチルボロン、トリヘキシルボロン、トリオクチルボロン、ジエチルボロンエトキシド、ジイソブチルボロンハイドライド、トリイソブチルボロン、ジエチルボロンクロリド、ジ-3-ピナニルボラン、ピナコルボラン、カテコールボラン、リチウムボロハイドライド、リチウムトリエチルボロハイドライドなど、それらのルイス塩基付加物、またはそれらの組み合わせもしくは混合物を含むか、それらからなるか、本質的になるか、またはそれらから選択することができる。別の態様では、共触媒は、ハロゲン化有機ホウ素化合物、例えば、フッ素化有機ホウ素化合物を含むことができ、またはそれであり得、これらの例として、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ素、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス-(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス[3,5-ビス(トリフルオロ-メチル)フェニル]ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)-フェニル]ボレート、および任意の組み合わせまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0198】
さらに別の態様では、例えば、共触媒は、式MC(XG)r(XH)2-rを独立して有することができる少なくとも1つの有機亜鉛または有機マグネシウム化合物を含むか、それからなるか、本質的になるか、またはそれから選択されることができ、式中、この式の各変数は、本開示の態様セクションにおいて定義される。例えば、共触媒は、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジシクロヘキシル亜鉛、ジフェニル亜鉛、ブチルエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、n-ブチル-sec-ブチルマグネシウム、ジシクロペンタジエニルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、塩化ブチルマグネシウムなど、任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、本質的になるか、またはそれらから選択することができる。
【0199】
さらに別の態様では、例えば、共触媒は、式Li(XJ)を独立して有することができる少なくとも1つの有機リチウム化合物を含むか、それからなるか、本質的になるか、またはそれから選択されることができ、式中、この式の各変数は、本開示の態様セクションにおいて定義される。例えば、共触媒は、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム(n-ブチルリチウムおよびt-ブチルリチウムを含む)、ヘキシルリチウム、イソブチルリチウムなど、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、本質的になるか、またはそれらから選択することができる。
【0200】
I.任意選択の共活性化剤
一態様では、所望される場合、焼成スメクタイトヘテロ付加物活性剤支持体に加えて他の活性剤を本開示の触媒組成物に使用することができる。これらは共活性化剤と称され、任意の共活性化剤の例としては、イオン交換粘土、プロチン酸処理粘土、柱状粘土、アルミノキサン、ホウ酸塩活性剤、アルミネート活性剤、電離イオン化合物、電子求引アニオンで処理された固体酸化物、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0201】
本開示の態様セクションは、これらの任意選択の共活性化剤の各々についての追加の説明および選択を列挙する。
【0202】
アルミノキサン。アルミノキサン(ポリ(ヒドロカルビルアルミニウムオキシド)または有機アルミノキサンとも称される)を使用して、例えば、反応物、中間体、および活性化工程の生成物に対して実質的に不活性である任意の溶媒、例えば、飽和炭化水素溶媒またはトルエンなどの溶媒中で他の触媒成分を接触させることができる。このようにして形成された触媒組成物は、所望の場合、単離されてもよく、または触媒組成物は、単離されることなく重合反応器に導入されてもよい。
【0203】
当業者に理解されるように、アルミノキサンはオリゴマーであり、アルミノキサン化合物は、直鎖構造、環状構造、またはケージ構造、またはそれらの混合物を含むことができる。例えば、式(R-Al-O)nを有する環状アルミノキサン化合物であり、式中、Rは、1個~約12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキルであり得、nは、3~約12の整数であり得る。(AlRO)n部分はまた、直鎖アルミノキサン中の繰り返し単位を構成し、例えば、式:R(R-Al-O)nAlR2を有し、式中、Rは、1個~約12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキルであり得、nは、1~約75の整数であり得る。例えば、R基は、直鎖状または分枝状のC1-C8アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、またはオクチルであり得、式中、nは、1~約50の整数を表すことができる。オルガノアルミノキサンの調製、保存、および使用方法に応じて、nの値は、アルミノキサンの単一試料内で可変であってもよく、そのようなオルガノアルミノキサン種の組み合わせまたは集団は、通常、任意の試料中に存在する。
【0204】
オルガノアルミノキサンは、当該技術分野で既知の様々な手順によって調製することができ、例えば、オルガノアルミノキサン調製物は、米国特許第3,242,099号および同第4,808,561号に開示されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。一態様では、アルミノキサンは、不活性有機溶媒中に存在する水を、AlR3などのアルミニウムアルキル化合物と反応させて、所望の有機アルミノキサン化合物を形成することによって調製され得る。代替的に、有機アルミノキサンは、不活性有機溶媒中で、AlR3などのアルミニウムアルキル化合物を、水和硫酸銅などの水和塩と反応させることによって調製してもよい。
【0205】
一実施形態では、アルミノキサン化合物は、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、n-プロピルアルミノキサン、イソプロピル-アルミノキサン、n-ブチルアルミノキサン、t-ブチルアルミノキサン、sec-ブチルアルミノキサン、イソ-ブチルアルミノキサン、1-ペンチルアルミノキサン、2-ペンチルアルミノキサン、3-ペンチル-アルミノキサン、イソ-ペンチルアルミノキサン、ネオペンチルアルミノキサン、またはこれらの組み合わせであり得る。一態様では、メチルアルミノキサン(MAO)、エチルアルミノキサン(EAO)、またはイソブチルアルミノキサン(IBAO)は、任意の共触媒として使用することができ、これらのアルミノキサンは、それぞれ、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、またはトリイソブチルアルミニウムから調製することができる。これらの化合物は、複雑な組成物であることができ、それぞれ、ポリ(メチルアルミニウムオキシド)、ポリ(エチルアルミニウムオキシド)、およびポリ(イソブチルアルミニウムオキシド)と称されることがある。別の態様では、アルミノキサンは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,794,096号に開示されるようなトリアルキルアルミニウムと併用することができる。
【0206】
任意選択のアルミノキサンを含む触媒組成物の調製において、組成物中のアルミノキサン中に存在するアルミニウムとメタロセン化合物とのモル比は、本開示の支持体活性化剤の不在下で使用される典型的なモル比よりも低くすることができる。本開示の支持体活性化剤が存在しない場合、アルミノキサン量は、例えば、約1:10mol Al/molメタロセン(mol Al/molメタロセン)~約100,000:1mol Al/molメタロセン、または約5:1mol Al/molメタロセン~約15,000:1mol Al/molメタロセンであり得る。開示された支持体活性剤と併用される場合、アルミノキサンの相対量を減少させることができる。例えば、重合ゾーンに添加される任意のアルミノキサンの量は、約0.01mg/L~約1000mg/L、約0.1mg/L~約100mg/L、または約1mg/L~約50mg/Lの範囲内の以前の典型的な量よりも少ないことができる。代替的に、アルミノキサンは、従来技術で一般的に使用される量で使用することができるが、そのような組み合わせのさらなる利点を得るために、本開示の支持体活性化剤の追加の使用とともに使用することができる。
【0207】
有機ホウ素化合物。本開示の触媒組成物は、必要に応じて、列挙された成分(支持体活性化剤、メタロセン、および任意の共触媒)に加えて、任意の有機ホウ素共活性化剤を含むこともできる。一態様では、有機ホウ素化合物は、中性ホウ素化合物、ホウ酸塩、またはこれらの組み合わせを含むか、または選択することができる。例えば、有機ホウ素化合物は、フルオロオルガノホウ素化合物、フルオロオルガノホウ酸塩化合物、またはそれらの組み合わせを含むか、またはそれらから選択することができ、当該技術分野において既知の任意のそのようなフッ素化化合物を利用することができる。
【0208】
したがって、フルオロガノホウ素化合物という用語は、形態BY3の中性化合物を指すために本明細書で使用され、フルオロガノホウ酸化合物という用語は、形態[カチオン]+[BY4]-のフルオロガノホウ素化合物のモノアニオン塩を指すために本明細書で使用され、Yは、フッ素化有機基を表す。便宜上、フルオロオルガノホウ素化合物およびフルオロオルガノホウ酸塩化合物は、典型的には、有機ホウ素化合物によって、または文脈上必要に応じていずれかの名称で総称される。
【0209】
一態様では、共活性化剤として使用することができるフルオロガノホウ素化合物の例としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ素など(これらの混合物を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。任意の共活性化剤として使用することができるフルオロガノボレート化合物の例としては、フッ素化アリールボレート、例えば、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス-(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス[3,5-ビス(トリフルオロ-メチル)フェニル]ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)-フェニル]ボレートなどが挙げられるが、これらに限定されず、これらの混合物を含む。
【0210】
本開示の態様セクションは、任意のフルオロオルガノホウ素およびフルオロオルガノホウ酸塩化合物共活性化剤の追加の説明および選択を列挙する。
【0211】
理論に拘束されることは意図されないが、これらのフルオロオルガノボレートおよびフルオロオルガノホウ素化合物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,919,983号に開示されるように、メタロセン化合物と組み合わせると、弱配位アニオンを形成すると考えられる。
【0212】
一般に、任意の量の有機ホウ素化合物を、任意の共活性化剤として利用することができる。例えば、一態様では、組成物中の有機ホウ素化合物とメタロセン化合物とのモル比は、メタロセン1モル当たり約0.1:1モルの有機ホウ素化合物または有機ホウ酸化合物(mol/mol)~約10:1mol/mol、または約0.5mol/mol~約10mol/mol(メタロセン1モル当たり有機ホウ素化合物または有機ホウ酸化合物のモル)、または代替的に、約0.8mol/mol~約5mol/mol(メタロセン1モル当たり有機ホウ素化合物または有機ホウ酸化合物のモル)の範囲にあり得る。しかしながら、粘土ヘテロ付加物支持体活性化剤の存在下で、量を下方に減少または調整することができることを理解されたい。
【0213】
電離化合物。さらなる態様では、本開示の触媒組成物の列挙された成分に加えて使用され得る任意の共活性化剤は、電離化合物を含むことができ、または電離化合物から選択することができる。電離化合物の例は、米国特許第5,576,259号および同第5,807,938号に開示されており、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0214】
本開示の態様セクションは、任意の電離化合物共活性化剤の追加の説明および選択を列挙する。
【0215】
電離化合物という用語は、当該技術分野の用語であり、触媒組成物の活性を増強するように機能することができる化合物、特にイオン性化合物を指す。一態様では、任意の有機ホウ素共活性化剤として本明細書に記載されるフルオロガノホウ酸塩化合物も、考慮され得、電離化合物共活性化剤として機能する。しかしながら、フルオロオルガノアルミネートなどの化合物は電離化合物によって包含されるため、電離化合物の範囲はフルオロオルガノボレート化合物よりも広い。
【0216】
理論に拘束されることを意図するものではないが、電離化合物は、メタロセン化合物と相互作用または反応し、メタロセンをカチオン性または初期カチオン性メタロセン化合物に変換することが可能であり、メタロセンを重合活性に活性化すると考えられる。再び、理論に拘束されることを意図するものではないが、電離化合物は、メタロセン、特に本明細書に開示されるメタロセン式(X1)(X2)(X3)(X4)Mの非シクロアルカジエニルリガンドまたは(X3)または(X4)などの非アルカジエニルリガンドからアニオン性リガンドを完全にまたは部分的に抽出することによって機能し、カチオン性または初期カチオン性メタロセンを形成し得ると考えられる。しかしながら、電離化合物は、それが機能する任意の機構に関係なく、活性化剤(共活性化剤)として機能することができる。例えば、電離化合物は、メタロセンをイオン化し、イオン対を形成するような方法でX3またはX4リガンドを抽出し、金属-X3または金属-X4結合を弱め、または単にX3またはX4リガンドに配位、または活性化が生じ得る任意の他の機構に配位し得る。さらに、電離化合物の活性化機能が、任意の電離化合物を含まない触媒組成物を含有する触媒組成物と比較して、触媒組成物全体の活性の向上に明らかであるため、電離化合物がメタロセンのみを活性化(共活性化)する必要はない。
【0217】
電離化合物の例としては、本開示の態様セクションに提示される化合物のリストが挙げられるが、これらに限定されない。
【0218】
任意の支持体活性化剤。さらなる態様では、本開示の触媒組成物の列挙された成分に加えて使用され得る任意の共活性化剤は、他の支持体活性化剤、場合によっては活性化剤支持体と呼ばれるものを含むことができ、または他の支持体活性化剤から選択することができる。これらは、本明細書に記載の触媒組成物に使用される場合、共活性化剤支持体と称される。任意の共活性化剤支持体の例は、米国特許第6,107,230号、同第6,653,416号、同第6,992,032号、同第6,984,603号、同第6,833,338号、および同第9,670,296号に開示されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0219】
例えば、任意の共活性化剤支持体は、少なくとも1つの電子求引アニオンで処理されるシリカ、アルミナ、シリカアルミナ、またはシリカコーティングされたアルミナを含み得るか、またはそれらから選択され得る。例えば、シリカコーティングされたアルミナは、この態様では、約1:1~約100:1、または約2:1~約20:1の範囲のアルミナ対シリカの重量比を有することができる。少なくとも1つの電子求引アニオンは、フッ化物、塩化物、臭化物、リン酸塩、トリフレート、重硫酸塩、硫酸塩など、またはこれらの組み合わせを含むか、またはこれらの組み合わせから選択され得る。
【0220】
一態様では、任意の共活性化剤支持体は、例えば、フッ化アルミナ、塩化アルミナ、臭化アルミナ、硫酸アルミナ、フッ化シリカアルミナ、塩化シリカアルミナ、臭化シリカアルミナ、硫酸シリカアルミナ、フッ化シリカジルコニア、塩化シリカジルコニア、臭化シリカジルコニア、硫酸シリカジルコニア、フッ化シリカチタニアなどから選択することができ、それらのいずれかまたは任意の組み合わせが、本明細書に開示される触媒組成物に用いられ得る。代替的に、または追加的に、共活性化剤支持体は、フッ素化シリカアルミナ、または硫酸化アルミナなどの電子引き抜きアニオンで処理された固体酸化物を含むか、またはそれらから選択され得る。
【0221】
共活性化剤支持体の例としては、本開示の態様セクションに列挙されるものが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0222】
J.触媒組成物の調製
触媒システムにおいて、式(X1)(X2)(X3)(X4)Mの4群メタロセンなどのメタロセンと焼成粘土ヘテロ付加物との相対濃度または比率は、焼成粘土ヘテロ付加物(mol M/gヘテロ付加物)1グラム当たりのM(金属)のモルとして表すことができる。一態様では、焼成粘土ヘテロ付加物1グラム当たりのMのモル比は、約0.025mol M/gヘテロ付加物~約0.000000005mol M/gヘテロ付加物の範囲にあり得ることが分かっている。別の態様では、焼成粘土ヘテロ付加物1グラム当たりのMのモルは、約0.0005mol M/gヘテロ付加物~約0.00000005mol M/gヘテロ付加物、または代替的に、約0.0001mol M/gヘテロ付加物~0.000001mol M/gヘテロ付加物の範囲に使用され得る。本明細書に開示されるすべての範囲と同様に、これらの列挙された範囲は、列挙された範囲内の終点、ならびに中間値およびサブ範囲を含む。これらの比率は触媒レシピを反映し、すなわち、これらの比率は、最終触媒中の比率が何であるかにかかわらず、触媒組成物を得るために組み合わされる成分の量に基づく。
【0223】
触媒システムにおいて、焼成粘土ヘテロ付加物に対する共触媒の相対濃度または比率は、焼成粘土ヘテロ付加物(mol共触媒/gヘテロ付加物)1グラム当たりの共触媒(例えば、有機アルミニウム化合物)のモルとして表すことができる。一態様では、有機アルミニウム化合物などの共触媒のモル数/グラムの焼成粘土ヘテロ付加物の比は、約0.5molの共触媒/gのヘテロ付加物~約0.000005molの共触媒/gのヘテロ付加物の範囲にあり得ることが見出されている。別の態様では、使用することができる焼成粘土ヘテロ付加物1グラム当たりの共触媒のモル比は、約0.1mol共触媒/gヘテロ付加物~約0.00001mol共触媒/gヘテロ付加物の範囲内、または代替的に、約0.01mol共触媒/gヘテロ付加物~約0.0001mol共触媒/gヘテロ付加物の範囲内である。
【0224】
触媒組成物は、メタロセンなどの遷移金属化合物、焼成粘土ヘテロ付加物、および有機アルミニウム化合物などの共触媒を好適な条件下で接触させることによって製造することができる。接触は、例えば、ブレンド、担体液中での接触、各成分を別々に、または任意の順序または組み合わせで反応器に供給することによって、任意の数の方法で生じ得る。例えば、成分または化合物の様々な組み合わせは、反応器において残りの化合物または成分とさらに接触させる前に互いに接触させることができる。代替的に、反応器に導入される前に、3つすべての成分または化合物を一緒に接触させることができる。共活性化剤、電離イオン化合物などの、本明細書に開示される触媒システムで使用され得る追加の任意の成分に関して、これらの任意の成分を使用して接触させる工程は、任意の方法で、任意の順序で生じ得る。
【0225】
一態様では、触媒組成物は、最初に、メタロセンなどの遷移金属化合物を、有機アルミニウム化合物などの共触媒と、約1分~約24時間、または代替的に約1分~約1時間の時間、約10℃~約200℃、代替的に約12℃~約100℃、代替的に約15℃~約80℃、または代替的に約20℃~約80℃の範囲の接触温度で接触させて、第1の混合物を形成することによって調製することができ、次いで、この第1の混合物を、焼成粘土ヘテロ付加物と接触させて、触媒組成物を形成することができる。
【0226】
別の態様では、メタロセン、有機アルミニウム化合物などの共触媒、および焼成粘土ヘテロ付加物は、反応器に導入される前に事前に接触させることができる。例えば、接触前工程は、約1分~約6ヶ月の期間にわたって生じ得る。一態様では、例えば、接触前工程は、活性触媒組成物を提供するために、約10℃~約200℃、または約20℃~約80℃の温度で約1分~約1週間の期間にわたって生じ得る。さらに、最終的な触媒成分の任意のサブセットは、それぞれが独自の接触前期間を有する1つ以上の接触前工程で事前接触させることもできる。
【0227】
触媒システム成分のうちのいずれかまたはすべてを事前接触させた後、触媒組成物は接触後成分を含むと言える。例えば、触媒組成物は、接触後のメタロセン、有機アルミニウム化合物などの接触後の共触媒、および接触後の焼成粘土ヘテロダクト成分を含むことができる。触媒技術の分野では、活性触媒部位の具体的かつ詳細な性質、ならびに活性触媒を作製するために使用される各成分の具体的な性質および運命が正確に知られていないことは珍しくない。理論に拘束されることを意図するものではないが、個々の成分の相対重量に基づく触媒組成物の重量の大部分は、接触後の焼成粘土ヘテロ付加物を含むものと考えることができる。活性部位および接触後の成分の性質は正確には知られていないため、触媒組成物は、その成分に従って単に記載されてもよく、または接触後の化合物または成分を含むと称され得る。
【0228】
触媒組成物の重合活性は、焼成スメクタイトヘテロ付加物を含む支持体活性化剤の重量当たりの重量ポリマーの重量、単位時間当たり、例えば、グラム重合体/グラム(焼成)支持体活性化剤/時間(g/g/時間)として表すことができる。すなわち、活性は、任意のメタロセンまたは共触媒成分の不在下で、支持体活性化剤単独に基づいて計算することができる。この測定は、メタロセン、共触媒、および他の条件が同じであるかまたは実質的に同じである、他の活性化剤とのものを含む様々な活性化剤支持体の比較を可能にする。実施例に開示される活性値は、別段の定めがない限り、イソブタンを希釈剤として使用し、約50℃~約150℃の重合温度で(例えば90℃の温度で)、エチレンとイソブタンとの合わせた圧力を、約300psi~約800psiの範囲、例えば、合わせたエチレンとイソブタンの合わせた合計について450psiを使用して、スラリー重合条件下で測定した。活性データは、生成されたポリマーの重量を、焼成粘土ヘテロ付加物の重量で1時間当たりに除したものとして報告される。
【0229】
触媒活性は、メタロセンおよび焼成粘土ヘテロ付加物、ならびに他の成分および条件の関数であり得る。上で説明した条件下では、焼成粘土ヘテロ付加物の重量に基づく活性は、焼成粘土ヘテロ付加物1グラム当たり1時間当たり約1,000グラム(g PE/gヘテロ付加物/時間、または単にg/g/時間)を超えることができる。別の態様では、焼成粘土ヘテロ付加物の重量に基づく活性は、約2000g/g/時間超、約4,000g/g/時間超、約6,000g/g/時間超、約8,000g/g/時間超、約10,000g/g/時間超、約15,000g/g/時間超、約25,000g/g/時間超、または約50,000g/g/時間超であり得る。これらの活性の各々の上限は、約70,000g/g/時間であり得、その結果、活性は、これらの開示された値よりも大きい範囲、および約75,000g/g/時間未満であり得る。
【0230】
例えば、一態様では、本明細書に記載の条件を使用して、活性化剤支持体は、約500g/g/時間、約750g/g/時間、約1,000g/g/時間、約1,250g/g/時間、約1,500g/g/時間、約1,750g/g/時間、約2,000g/g/時間、約2,500g/g/時間、約3,500g/g/時間、約5,000g/g/時間、約7,500g/g/時間、約10,000g/g/時間、約12,500g/g/時間、約15,000g/g/時間、約17,500g/g/時間、約20,000g/g/時間、約25,000g/g/時間、約30,000g/g/時間、約35,000g/時間、約40,000g/時間、約50,000g/g/時間、約60,000g/時間、約70,000g/時間、または約75,000g/時間の重合活性化活性を有し得、これらの値の間の任意の範囲を含む。重合活性のより高い値は、極めて高い部位密度を有する粘土支持体と会合することができ、これらの活性値は、メタロセンに依存することもできる。したがって、本明細書における教示を適用することによって、列挙された値のうちの2つの間の範囲内にある活性レベルを達成することができ、例えば、活性レベルは、500~75,000g/g/時間の範囲内、ならびに1,000~50,000g/g/時間の範囲内、2,000~40,000g/g/時間の範囲内、または2,500~20,000g/g/時間の範囲内で得ることができる。実施例およびデータテーブルの活性を、イソブタンを希釈剤として使用し、重合温度90℃、エチレンとイソブタンとの合わせた圧力450psiおよび(1-n-ブチル-3-メチルシクロペンタジエニル)2ZrCl2およびトリエチルアルミニウム触媒組成物を使用して、スラリーホモ重合条件下で測定した。
【0231】
一態様では、メタロセンを活性化し、触媒組成物を形成するために、メチルアルミノキサンなどのアルミノキサンは必要とされなかった。メチルアルミノキサン(MAO)は高価な活性剤化合物であり、ポリマー製造コストを大幅に増加させることができる。さらに、別の態様では、メタロセンを活性化し、触媒組成物を形成するために、ホウ酸塩化合物などの有機ホウ素化合物または電離化合物は必要とされなかった。さらに、コストを増加させる同様に多段階の調製を必要とするイオン交換、プロトン酸処理または柱状粘土もまた、メタロセンを活性化し、触媒組成物を形成するために必要としなかった。したがって、活性不均質触媒組成物は、任意のアルミノキサン化合物、ホウ素化合物またはホウ酸化合物、イオン交換された、プロトン酸処理された、または柱状粘土の不在下で、所望される場合、コモノマーを含むオレフィンモノマーを重合するために容易かつ安価に製造および使用することができる。MAOまたは他のアルミノキサン、ホウ素化合物またはホウ酸塩化合物、イオン交換粘土、プロチン酸処理粘土、または柱状粘土は、開示された触媒システムにおいて必要とされないが、これらの化合物は、本開示の他の態様に従って、減少した量または典型的な量で使用することができる。
【0232】
K.ポリオレフィンおよび重合プロセス
一態様では、本開示は、少なくとも1つのオレフィンモノマーと開示される触媒組成物とを接触させて、少なくとも1つのポリマー(ポリオレフィン)を生成するプロセスを記載する。「ポリマー」という用語は、本明細書では、ホモポリマー、2つのオレフィンモノマーのコポリマー、およびターポリマーなどの2つを超えるオレフィンモノマーのポリマーを含むように使用される。便宜上、2つ以上のオレフィンモノマーのポリマーは、単にコポリマーと称される。したがって、触媒組成物を使用して、少なくとも1つのモノマーを重合して、ホモポリマーまたはコポリマーを生成することができる。
【0233】
一態様では、ホモポリマーは、1分子当たり2~約20個、好ましくは1分子当たり2~約10個の炭素原子を有するモノマー残基からなる。オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、およびこれらの混合物を含むか、またはそれらから選択され得る。一態様では、エチレンのホモポリマー、プロピレンのホモポリマー、および他のオレフィンのホモポリマーは、本開示に包含される。別の態様では、エチレンおよび少なくとも1つのコモノマーのコポリマー、およびより一般的ではない2つの非エチレンコポリマーのコポリマーは、本開示に包含される。
【0234】
コポリマーが所望される場合、各モノマーは、1分子当たり約2~約20個の炭素原子を有し得る。エチレンのコモノマーとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、スチレン、ビニルシクロヘキサンおよび他のオレフィンなどの1分子当たり3~20個の炭素原子を有する脂肪族1-オレフィン、ならびに1,3-ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,4-ペンタジエン、1,7-ヘキサジエンなどの共役または非共役ジオレフィン、ならびに他のかかるジオレフィンおよびこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。さらなる態様では、エチレンは、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、または1-デセンを含むか、またはそれらから選択される少なくとも1つのコモノマーと共重合され得る。ある量のコモノマーを、コポリマー中のモノマーおよびコモノマーの総重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%のコモノマーを組み込むか、またはこの範囲を超えて組み込むことができるコポリマーを生成するのに十分な反応器ゾーンに導入することができ、あるいは、約0.01重量%~約5重量%のコモノマーを導入することができ、あるいは、依然として、約0.1重量%~約4重量%のコモノマーを導入することができ、あるいは代替的に、任意の量のコモノマーを、所望のコポリマーを提供する反応器ゾーンに導入することができる。
【0235】
典型的には、触媒組成物を使用して、エチレンもしくはプロピレンをホモポリマー化するか、またはコモノマーとエチレンを共重合するか、またはエチレンおよびプロピレンを共重合することができる。別の態様では、いくつかのコモノマーは、所望のポリマー特性を達成するために、同じまたは異なる反応器ゾーン内でモノマーと重合されてもよい。
【0236】
他の有用なコモノマーとしては、極性ビニル、共役および非共役ジエン、アセチレンおよびアルデヒドモノマーを挙げることができ、これらは例えば、少量のターポリマー組成物中に含まれ得る。例えば、コモノマーとして有用な非共役ジエンは、直鎖、炭化水素ジオレフィン、または6~15個の炭素原子を有するシクロアルケニル置換アルケンであり得る。好適な非抱合ジエンとしては、例えば、(a)1,4-ヘキサジエンおよび1,6-オクタジエンなどの直鎖非環状ジエン、(b)5-メチル-1,4-ヘキサジエン、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン、および3,7-ジメチル-1,7-オクタジエンなどの分枝鎖非環状ジエン、(c)1,4-シクロヘキサジエン、1,5-シクロ-オクタジエンおよび1,7-シクロドデカジエンなどの単環式脂環式ジエン、(d)テトラヒドロインデン、ノルボルナジエン、メチル-テトラヒドロインデン、ジシクロペンデン(DCPD)、ビクロ-(2.2.1)-ヘプタ-2,5-ジエン、アルケニル、アルキリデンなどの多環式脂環式縮合および架橋環式ジエン、5-メチレン-2-ノルボルネン(MNB)、5-プロペニル-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、5-(4-シクロペンテニル)-2-ノルボルネン、5-シクロヘキシリデン-2-ノルボルネン、および5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)などのシクロアルケニルおよびシクロアルキリデンノルボルネン、ならびに(e)ビニルシクロヘキセン、アリルシクロヘキセン、ビニルシクロオクテン、4-ビニルシクロヘキセン、アリルシクロデセンおよびビニルシクロドデセンなどのシクロアルケニル置換アルケンが挙げられる。特に有用な非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、およびテトラサイクロ-(.Δ.-11,12)-5,8-ドデセンが挙げられる。特に有用なジオレフィンとしては、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、1,4-ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)、ノルボルナジエン、および5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)が挙げられる。この説明全体を通して、「非共役ジエン」および「ジエン」という用語は、同義的に使用されることに留意されたい。
【0237】
触媒組成物は、オレフィンを重合させるために使用して、広範囲の密度、例えば、約0.66g/mL(同様に、g/cc)~約0.96g/mLの範囲に、多数の用途で使用されるオリゴマーおよび高分子材料を作製することができる。本明細書に開示される触媒組成物は、コポリマーの製造に特に有用である。例えば、コポリマー樹脂は、0.960g/cc以下、好ましくは0.952g/cc以下、より好ましくは0.940g/cc以下の密度を有し得る。本開示のある特定の態様によれば、0.91g/cc未満の密度を達成することが可能であり、0.860g/ccまで低い。密度を特定の密度未満と説明する場合、そのような密度の1つの下限は、約0.860g/ccであり得る。コポリマー樹脂は、少なくとも約65重量%(重量%)のエチレン単位、すなわち、コポリマー樹脂に実際に組み込まれたエチレンモノマーの重量%を含有することができる。別の態様では、本開示のコポリマー樹脂は、実際にコポリマー樹脂に組み込まれたα-オレフィンコモノマーの重量%を指して、少なくとも約0.5重量%、例えば、0.5重量%~35重量%のα-オレフィン(α-オレフィン)を含有することができる。
【0238】
本開示に従って調製された触媒組成物は、以下の調製:(a)コモンマーがポリマー骨格または鎖に沿ってランダムに分布する「ランダムコポリマー」を含む、エチレン/プロピレンコポリマー、(b)プロピレン単位に由来するポリマーの約60重量%を含む、プロピレンおよびエチレンのランダムコポリマー、「プロピレンランダムコポリマー」、ならびに(c)1つのポリマーが他のポリマー、典型的にはマトリックス相を含む1つのポリマーおよびエラストマー相を含む他のポリマーに分散している2つ以上のポリマーを意味する、「衝撃コポリマー」にも有用である。本明細書に記載の触媒組成物を使用して、3個を超える炭素を含有するモノマーを有するポリアルファオレフィンを調製し得る。かかるオリゴマーおよびポリマーは、例えば、潤滑剤として特に有用である。
【0239】
任意の数の重合方法またはプロセスは、本開示の触媒組成物とともに使用することができる。例えば、多反応器の組み合わせを含む、スラリー重合、気相重合、および溶液重合などを使用することができる。多反応器の組み合わせは、所望の重合配列に応じて、直列または並列の構成、またはこれらの組み合わせで構成することができる。反応器系および組み合わせの例として、例えば、直列の二重スラリーループ、直列の複数のスラリータンク、または気相と組み合わせたスラリーループ、またはエチレン、プロピレンおよびα-オレフィンの重合が別々にまたは一緒に実施され得るこれらのプロセスの複数の組み合わせが挙げられ得る。別の態様では、気相反応器は、流動床反応器または管状反応器を含み得、スラリー反応器は、垂直ループまたは水平ループまたは撹拌タンクを含み得、溶液反応器は、撹拌タンクまたはオートクレーブ反応器を含み得る。したがって、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンα-オレフィンコポリマーを含むエチレンおよびα-オレフィン含有ポリマーなどのポリオレフィン、ならびにより一般的にビニルシクロヘキサンなどの置換オレフィンを生成することができる当該技術分野で既知の任意の重合ゾーンを利用することができる。一態様では、例えば、撹拌反応器をバッチプロセスに利用することができ、次いで、反応は、ループ反応器内で、または連続撹拌反応器内で、または気相反応器内で連続的に実施することができる。
【0240】
列挙された成分を含む触媒組成物は、希釈剤または液体担体の存在下でオレフィンを重合させることができ、これらの2つの用語は、触媒成分が希釈剤または液体担体に可溶性でない場合でも、本明細書において同義的に使用される。スラリーおよび溶液重合に使用される好適な希釈剤は当該技術分野で既知であり、反応条件下で液体である炭化水素を含む。さらに、本開示で使用される「希釈剤」という用語は、希釈剤がプロピレンとのバルク重合などの重合に寄与する可能性があるため、必ずしも材料が不活性であることを意味しない。
【0241】
好適な炭化水素希釈剤には、シクロヘキサン、イソブタン、n-ブタン、プロパン、n-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、およびn-ヘキサン、ならびにISOPAR(商標)などの高沸騰溶媒が含まれ得るが、これらに限定されない。イソブタンは、スラリー重合において希釈剤として良好に機能する。かかるスラリー重合技術の例は、米国特許第4,424,341号、同第4,501,885号、同第4,613,484号、同第4,737,280号、および同第5,597,892号に見出すことができ、それらの開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。プロピレンまたは他のα-オレフィンを重合する場合、プロピレンまたはα-オレフィン自体は、バルク重合として当該技術分野で知られている溶媒を含むことができる。
【0242】
様々な態様および実施形態では、触媒システムとの使用に好適な重合反応器は、少なくとも1つの原料供給システム、触媒または触媒成分のための少なくとも1つの供給システム、少なくとも1つの反応器システム、少なくとも1つのポリマー回収システム、またはそれらの任意の好適な組み合わせを含むことができる。好適な反応器は、触媒貯蔵システム、押出システム、冷却システム、希釈剤リサイクルシステム、モノマーリサイクルシステム、およびコモノマーリサイクルシステムまたは制御システムのいずれかまたは組み合わせをさらに含むことができる。かかる反応器は、触媒、希釈剤、モノマー、コモノマー、不活性ガス、およびポリマーの連続的なテイクオフおよび直接のリサイクルを、所望に応じて含むことができる。一態様では、連続プロセスは、モノマー、コモノマー、触媒、所望される場合、共触媒、および希釈剤の重合反応器への連続的導入、ならびにポリマー粒子および希釈剤を含む懸濁液の本反応器からの連続的除去を含むことができる。
【0243】
一態様では、重合方法は、広範囲の温度範囲にわたって実施することができ、例えば、重合温度は、約50℃~約280℃の範囲にあり得、別の態様では、重合反応温度は、約70℃~約110℃の範囲にあり得る。重合反応圧力は、重合反応を終了させない任意の圧力であり得る。一態様では、重合圧力は、約大気圧~約30000psigであり得る。別の態様では、重合圧力は、約50psig~約800psigであり得る。
【0244】
重合反応は、不活性雰囲気、すなわち、実質的に分子酸素を含まない雰囲気中、および実質的に無水条件下、したがって、反応開始時に水の不在下で実施することができる。したがって、乾燥した不活性雰囲気、例えば、乾燥窒素または乾燥アルゴンは、典型的には、重合反応器で用いられる。
【0245】
一態様では、水素を重合プロセスで使用して、ポリマー分子量を制御することができる。別の態様では、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,447,204号に記載される重合ゾーンに一酸化炭素を添加することによって触媒を非活性化する方法を使用して、制御されていない、または暴走重合を軽減または停止させることができる。
【0246】
本開示の触媒システムの場合、本明細書に開示される重合は、ループ反応ゾーンもしくはバッチプロセス、または流動化ベッドもしくは撹拌ベッドを利用する気相ゾーンにおけるスラリー重合プロセスを使用して一般的に実施される。
【0247】
スラリーループ。一態様では、典型的な重合方法は、例えば参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,248,179号に開示されるスラリー重合プロセス(「粒子形態プロセス」としても知られる)である。スラリープロセスのための他の重合方法は、米国特許第3,248,179号に開示されているタイプのループ反応器、および直列、並列、またはこれらの組み合わせのいずれかで複数の撹拌反応器で利用されるものを使用することができる。
【0248】
重合反応器システムは、少なくとも1つのループスラリーリアクターを含み得、垂直ループもしくは水平ループ、または単一ループまたは一連のループから独立して選択され得る組み合わせを含み得る。複数のループ反応器は、垂直ループおよび水平ループの両方を含むことができる。スラリー重合は、担体または希釈剤として有機溶媒中で行うことができる。好適な溶媒の例としては、プロパン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、イソブタン、またはこれらの組み合わせが挙げられる。オレフィンモノマー、担体、触媒システム成分、および任意のコモノマーを、重合が起こるループ反応器に連続的に供給することができる。反応器流出物は、固体ポリマー粒子を分離するためにフラッシュ蒸発させることができる。
【0249】
気相。一態様では、本開示によるポリオレフィンポリマーの製造方法は、例えば、流動床反応器を使用した気相重合プロセスである。このタイプのリアクター、およびリアクターを操作するための手段は、例えば、米国特許第3,709,853号、同第4,003,712号、同第4,011,382号、同第4,302,566号、同第4,543,399号、同第4,882,400号、同第5,352,749号、同第5,541,270号、同第EP-A-0802202号、同第839,380号に記載されており、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。これらの特許は、気相重合プロセスを開示しており、重合媒体は、気体モノマーおよび希釈剤の連続的な流れによって機械的に撹拌または流動化される。
【0250】
気相重合システムは、重合条件下で触媒の存在下で流動床を通して連続的に循環される1つ以上のモノマーを含有する連続的リサイクル流を用いることができる。リサイクルストリームは、流動床から引き出され、リサイクルされて反応器に戻ることができる。同時に、ポリマー生成物を反応器から取り出し、新鮮なモノマーを添加して、重合モノマーを置き換えることができる。そのような気相反応器は、オレフィンの多段階気相重合のためのプロセスを含むことができ、オレフィンは、第1の重合ゾーンで形成された触媒含有ポリマーを第2の重合ゾーンに供給しながら、少なくとも2つの独立した気相重合ゾーンで気相中で重合される。
【0251】
開示された重合プロセスによって企図される他の気相プロセスとしては、一連のまたは多段階の重合プロセスが挙げられる。一態様では、本開示に従って使用することができる気相プロセスとしては、米国特許第5,627,242号、第5,665,818号、および第5,677,375号、ならびに欧州刊行物EP-A-0794200、EP-B1-0649992、EP-A-0802202、およびEP-B-634421に記載されているものが挙げられ、これらのすべては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0252】
本開示による気相重合の一態様では、エチレン分圧は、実用的な重合条件を提供するのに好適な範囲、例えば、10psi~250psi、例えば、65psi~150psi、75psi~140psi、または90psi~120psiの範囲に変化し得る。別の態様では、気相中のコモノマー対エチレンのモル比はまた、実用的な重合条件を提供するのに好適な範囲、例えば、0.0~0.70、0.0001~0.25、より好ましくは0.005~0.025、または0.025~0.05の範囲に変化し得る。一態様によれば、反応器圧力は、実用的な重合条件を提供するのに好適な範囲、例えば、100psi~500psi、200psi~500psi、または250psi~350psiなどの範囲に維持することができる。
【0253】
さらなる態様によれば、ポリマーを製造するために使用される流動化ガス床プロセスにおいて、1つ以上のモノマーを含有する気体流は、反応性条件下で触媒の存在下で流動化ベッドを通して連続的に循環させることができる。気体の流れは、流動床から引き抜いて反応器に戻すことができ、同時に、ポリマー生成物は、流動床から引き抜いて反応器から引き抜くことができ、新鮮なモノマーは、重合モノマーを置き換えるために添加することができる。例えば、米国特許第4,543,399号、同第4,588,790号、同第5,028,670号、同第5,317,036号、同第5,352,749号、同第5,405,922号、同第5,436,304号、同第5,543,471号、同第5,462,999号、同第5,616,661号、および同第5,668,228号を参照し、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0254】
別の態様では、帯電防止化合物は、完成した触媒と同時に重合ゾーンに供給され得る。代替的に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第7,919,569号、同第6,271,325号、同第6,281,306号、同第6,140,432号および同第6,117,955号に記載されるような帯電防止化合物を使用することができる。例えば、粘土ヘテロ付加物は、1つ以上の帯電防止化合物と接触させるか、または1つ以上の帯電防止化合物とともに含浸させることができる。帯電防止化合物は、任意の時点で添加されてもよく、例えば、それらは、接触後の最終的な触媒調製物までおよびそれを含むような焼成後の任意の時点で添加されてもよい。
【0255】
別の態様では、いわゆる「自己制限」組成物を粘土ヘテロ付加物に添加して、重合ゾーンにおけるチャンク、汚染、または制御不能もしくは暴走反応を阻害することができる。例えば、参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる米国特許第6,632,769号、同第6,346,584号、および同第6,713,573号は、閾値温度を超える触媒毒を放出することができる添加剤を開示する。典型的には、そのような組成物は、所望の温度を超える重合活性を制限または停止するために、焼成後の任意の時点で添加することができる。
【0256】
溶液。重合反応器はまた、好適な撹拌または他の手段によってモノマーが触媒組成物と接触する溶液重合反応器を含むことができる。溶液重合は、バッチ方式で、または連続して行うことができる。不活性有機希釈剤または過剰のモノマーを含む担体を用いることができ、重合ゾーンは、反応媒体中のポリマー溶液の形成をもたらす温度および圧力で維持される。重合中に撹拌を用いて、より良好な温度制御を得ることができ、重合ゾーン全体にわたって均一な重合混合物を維持することができ、重合の放熱を放散するための適切な手段が利用される。反応器はまた、所望のポリマーを分離するために高圧および低圧を用いる一連の少なくとも1つのセパレータを含むことができる。
【0257】
管状原子炉および高圧LDPE。さらに別の態様では、重合反応器は、管状反応器を含み得、管状反応器は、フリーラジカル開始によって、または代替的に、開示された触媒を用いることによって、ポリマーを作製し得る。チューブ状反応器は、新鮮なモノマー、反応開始剤、または触媒および共触媒が添加されるいくつかのゾーンを有することができる。例えば、モノマーは、不活性気体流中に含み、反応器の1つのゾーンに導入することができ、反応開始剤、触媒組成物および/または触媒成分は、気体流中に含み、反応器の別のゾーンに導入することができる。次いで、これらのガス流を重合のために混合することができ、熱および圧力を適切に調整して最適な重合反応条件を得ることができる。
【0258】
結合されたまたは複数の反応器。さらなる態様では、本開示の触媒およびプロセスは、考えられる反応器の種類または反応器の種類の組み合わせによって限定されない。例えば、開示される触媒およびプロセスは、重合を行うために結合または接続された反応器、または接続されていない複数の反応器を含むことができる複数の反応器システムにおいて使用することができる。ポリマーは、1セットの条件下で1つの反応器内で重合することができ、次いでポリマーは、異なる条件下で重合するために第2の反応器に移されることができる。
【0259】
この態様では、重合反応器システムは、2つ以上の反応器の組み合わせを含むことができる。複数の反応器におけるポリマーの製造は、第1の重合反応器から得られるポリマーを第2の反応器に移送するために、移送デバイスによって相互接続された少なくとも2つの別個の重合反応器におけるいくつかの段階を含み得、個々の反応器において重合条件が異なる。代替的に、複数の反応器での重合は、重合を継続するために、ポリマーを1つの反応器から後続の反応器に手動で移すことを含むことができる。かかる反応器は、複数のループ反応器、複数のガス反応器、ループ反応器およびガス反応器の組み合わせ、ガスもしくはループ反応器を有するオートクレーブ反応器または溶液反応器の組み合わせ、複数の溶液反応器、または複数のオートクレーブ反応器などを含むがこれらに限定されない任意の組み合わせを含むことができる。
【0260】
開示した触媒およびプロセスを使用して製造したポリマー。このプロセスで使用される触媒組成物は、反応器を実質的に汚染することなく、高品質のポリマー粒子を生成することができる。スラリー重合条件下でループ反応器ゾーンで触媒組成物を使用する場合、焼成ヘテロ凝固生成物の粒径は、重合中のポリマー粒子生成を良好に制御するために、約10ミクロン(μm)~約1000ミクロン、約25ミクロン~約500ミクロン、約50ミクロン~約200ミクロン、または約30ミクロン~約100ミクロンの範囲にあり得る。
【0261】
触媒組成物が気相反応器ゾーンで使用される場合、焼成ヘテロ凝固生成物の粒径は、ポリマー粒子および重合反応の良好な制御を提供するために、約1ミクロン~約1000ミクロン、約5~約500ミクロン、または約10ミクロン~約200ミクロン、または約15ミクロン~約60ミクロンの範囲にあり得る。
【0262】
他の重合反応器系における好適な粒径は、単一系または複数系かどうか、触媒の総生産性および最終ポリマー触媒複合粒子の最適粒径および粒径分布の関数であり得る。例えば、最適なサイズおよびサイズ分布は、重合反応器システムによって決定することができ、例えば、粒子が気相系内で容易に流動化可能であるが、流動化ガス内でそれらが捕捉されないほど十分に大きく、下流フィルターを詰まらせることができるかどうかなどである。同様に、重合系中の最適なサイズおよびサイズ分布は、触媒-ポリマー複合粒子が溶融され、ペレット中に押し出されるときに、それらが貯蔵サイロまたは押出設備内で運ばれるか、または取り扱われる容易さに対してバランスされ得る。
【0263】
本開示の触媒組成物を使用して製造されるポリマーは、例えば、家庭用容器および器具、フィルム製品、カーバンパー成分、ドラム、燃料タンク、パイプ、ジオメンブレン、およびライナーなどの様々な物品に形成することができる。一態様では、物理的、構造的、および流動特性の所望の組み合わせなどの所望の効果を提供するために、添加剤および改質剤をポリマーに添加することができる。本明細書に記載の方法および材料を使用することにより、本明細書に開示される遷移金属またはメタロセン触媒組成物を使用して製造されるポリマーに対して得られる所望のポリマー特性を維持しながら、より低いコストで物品を製造することができると考えられる。
【0264】
具体的な実施形態。本開示のより具体的な実施形態では、触媒組成物を製造するためのプロセスが提供され、本プロセスは、
(1)好適な2八面体フィロシリケイト粘土を、ヘテロ凝固剤と接触させて、容易に濾過され、10mS/cm未満、または5mS/cm未満、または1mS/cm~50μS/cm、または500μS/cm~50μS/cmの導電率まで洗浄される固体を形成することと、
(2)洗浄された粘土ヘテロ付加物を、約-10℃~約500℃の温度でまたはその範囲内の温度で脱水およびデヒドロキシル化して、8度未満の2θのd001ピークを示さず、または実質的に示さず、好ましくは10度未満の2θのd001ピークを示さない、または実質的に示さない、焼成されたヘテロ凝固粘土付加物組成物を生成することと。10度2θ未満の領域にピークがある場合、そのうちの主要なピークは4度2θ以上、あるいは300℃で焼成した後に粘土鉱物自体が示すであろうピークよりも強度が大きいピーク、例えば8度2θ~12度2θの範囲でなければならない、
(3)焼成ヘテロ凝固粘土付加組成物と、例えばビス(1-ブチル-3-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとを15℃~100℃の範囲の温度で混合して、混合物を生成することと、
(4)1分~1時間後、部分(3)中の混合物とトリアルキルアルミニウム、例えば、トリエチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウムとを組み合わせて、触媒組成物を製造することと、を含む(任意選択で、「から本質的になる」、または「からなる」)。
【0265】
直前に記載されているものに代わる具体的な実施形態は、直前の工程(1)~(4)におけるメタロセンおよびトリアルキルアルミニウムの添加順序を逆転させることである。
【実施例】
【0266】
前述の説明は、以下の実施例によってさらに例示される本開示の範囲を例示することを意図するものであり、限定するものではない。実施例は、本開示の範囲に制限を課すものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の趣旨または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、書面による説明に鑑みて、当業者に自らを示唆し得る様々な他の実施形態、態様、修正、およびそれらの等価物を追求することができることを理解されたい。したがって、以下の実施例は、当業者により詳細な開示および説明を提供するために示される。
【0267】
試薬および一般的手順
特に明記しない限り、本開示の粘土ヘテロ付加物を調製するために使用されるすべての試薬は、示される商業的供給源から入手し、「そのまま」使用した。
【0268】
American Colloid Company製のVolclay(登録商標)HPM-20ベントナイト水性分散液(モンモリロナイト)は、McCullough&Associatesから入手し、単にHPM-20またはHPM-20粘土とも称される。50%アルミニウムクロルハイドレート水溶液(「ACH」と略記)およびUltraPAC(登録商標)290(ポリアルミニウムクロライド、経験的にAl2(OH)2.5Cl3.5)をGEO Specialty Chemicalsから入手した。アルミニウムクロルハイドレート粉末(ALOXICOLL(登録商標)51P、経験的にAl2Cl(OH)5)およびアルミニウムセスキクロロハイドレート溶液(ALOXICOLL(登録商標)31L)を、Parchem Fine and Specialty Chemicalsから入手した。ヒュームドシリカ(AEROSIL(登録商標)200)およびヒュームドアルミニウムオキシド水性分散液(AERODISP(登録商標)W400)を、Evonik Industries AGから入手した。コロイドアルミナ(NYACOL(登録商標)AL27)の水性分散液をNano Technologies,Inc.から入手した。
【0269】
別段の記載がない限り、本明細書および実施例において、粘土分散液、粘土ヘテロ付加物、柱状粘土、および他の組成物は、タイマーを備えた二重速度のConair(商標)Waring(商標)Commerical Lab Blenderモデル7010Gを使用して調製することができる。ブレンダー速度は、以下のように、「低」速ブレンド対「高」速ブレンドと称され得る。モデル7010Gブレンダーは、Stacoエネルギー可変変圧器(モデル番号3PN1010B)に接続され、ブレンダー速度は変圧器の設定を変更することによって調整された。実施例および明細書では、「低速」ブレンドは、変圧器を0~50に設定することによって達成され、「高速」ブレンドは、変圧器を50~100に設定することによって達成された。
【0270】
導電率は、Eutech PCSTestr 35または放射線計分析導電率計を使用して測定し、測定は、機器の取扱説明書および各機器に付属している参考文献に従った。溶液またはスラリーpH測定は、Eutech PCSTestr 35またはBeckmann φ 265実験室pH計を使用して行った。
【0271】
本明細書においてMilli-Q(登録商標)水と称される脱イオン水は、最初にPrepak 1前処理パックを使用して水を前処理し、次いでMillipore Milli-Q(登録商標)Advantage A10水浄化システムを使用して水をさらに精製することによって得られた。この水は、典型的には、収集から2時間以内に使用した。
【0272】
ヘキサン、ヘプタン、トルエンおよびジクロロメタンを活性化分子ふるいで乾燥させ、使用前に窒素で脱気した。エチレンホモ重合のための溶媒として使用される器具グレードのイソブタンは、エアガスから購入し、活性炭、アルミナ、13×分子ふるいのカラムを通過することによって精製し、最後に、Diamond Tool and Die,Inc.からのOxyClear(商標)ガス浄化器モデル番号RGP-R1-500からの超高純度グレードのエチレンおよび水素をエアガスから入手した。UHP(超高純度)エチレンを、活性炭、アルミナ、13×分子ふるい、およびOxyClear(商標)ガス浄化器モデル番号RGP-R1-500のカラムを通過することによってさらに精製した。UHP水素を、OxyClear(商標)ガス浄化器モデル番号RGP-R1-500を通過することによって精製した。精製されたプロピレンは、商業用ポリプロピレン工場からスリップストリームとして入手した。
【0273】
有機金属化合物の取り扱いを伴うすべての調製は、Schlenk技術を使用して、またはグローブボックス内で、窒素(N2)雰囲気下で実施した。
【0274】
ゼータ電位測定
本明細書に開示されるコロイド懸濁液のゼータ電位は、懸濁液に電場を印加したときの電気音響効果を測定することから導出された。これらの測定を行うために使用した装置は、コロイド動的ゼータプローブアナライザー(商標)であった。例えば、ゼータ電位測定を使用して、0.5重量%~1重量%Volclay(登録商標)HPM-20/水分散液中の分散粘土濃度を以下のように決定した。測定する分散液の250g~300gの試料を、軸方向の底部撹拌機を含有する測定容器に移した。撹拌速度は、分散液の沈降または実質的な沈降を防止するのに十分な速さで設定したが、完全に下げたときに電気音響プローブを混合物中に完全に浸漬させるのに十分な遅さであった。典型的には、撹拌速度は、250rpm~350rpm、多くの場合、300rpmに設定された。
【0275】
使用したコロイド動的ゼータプローブアナライザー(商標)測定パラメータは以下の通りであった:1読み取り/分で5読み取り、2.6g/ccの粒子密度、4.5の誘電率。0.7重量%~1.0重量%の初期推定コロイド重量パーセンテージ(濃度推定値)を、典型的には、ゼータプローブアナライザー(商標)ソフトウェアに入力した。5重量% Volclay(登録商標)HPM-20/水分散液の測定は、-46mVのゼータ電位であった。以下の式において、最終分散粘土濃度を「濃度(conc)」と称する場合、最終分散粘土濃度は、以下の式に従って初期推定濃度から計算することができる。
濃度=濃度推定値*(測定されたゼータ電位/(-46))
【0276】
ゼータプローブアナライザー(商標)は、コロイド分散液または非コロイド溶液のいずれかで粘土分散液の滴定中に進化するゼータ電位を動的に追跡するためにも使用された。典型的には、カチオン性ポリメタレート滴定剤(または他のカチオン性滴定剤)を、0.5重量%~5.0重量%のVolclay(登録商標)HPM-20/水分散液に、滴定点当たり0.25mL~2.0mLで、30秒~120秒の平衡化遅延で、添加した。
【0277】
ゼータプローブソフトウェアは、コロイド滴定剤に含まれないコロイド粒子重量パーセンテージを使用してゼータ電位を計算する。したがって、滴定剤がコロイド種である場合には、以下の方法により測定された溶液の余分なコロイド含有量を反映するように測定されたゼータ電位を調整した。当初、滴定粘土および滴定カチオン種の重量は、以下の式(式中、*は乗法、Wは重量、Vは体積を示す)によって決定された。
W滴定剤=V滴定剤*密度滴定剤*固体%滴定剤
W粘土=V合計
*密度滴定剤
*粒子濃度測定
【0278】
5%のVolclay(登録商標)HPM-20水性分散液(滴定剤)の密度は、約1.03g/mLであることが決定された。滴定重量を、その粒子密度に応じて、滴定Volclay(登録商標)HPM-20(モンモリロナイト)の粒子密度と比較してスケーリングして、有効滴定重量(W有効)を得、この実施例では、以下のように計算した。
W有効=W滴定剤*粒子密度滴定剤/粒子密度滴定剤
【0279】
次いで、非コロイド滴定剤を使用した同等の滴定と比較したコロイド含有量の相対的な増加の推定値を提供するために、有効なコロイド粒子重量パーセンテージ(重量%有効)を計算した。次いで、この値の逆数に測定されたゼータ電位を乗じて、以下のように調整されたゼータ電位を決定した。
重量%有効=(W有効+W粘土)/Vt
A=重量%測定値/重量%有効
ZP調整値=ZP測定値*A
【0280】
Volclay(登録商標)HPM-20モンモリロナイトのアルミニウムクロルハイドレート(ACH)による滴定などのカチオン性ポリメタレートを用いた粘土分散液のゼータ電位滴定中に、滴定容量およびmmol Al/g粘土の関数として、滴定前および滴定中にゼータ電位を測定した。滴定中の様々な点(例えば、0mmol Al/g粘土、1.17mmol Al/g粘土、1.52mmol Al/g粘土など)で形成された固体材料の試料を採取し、各試料を乾燥させ、焼成し、粉末XRD(X線回折)により分析した。
【0281】
ゼータ電位滴定の一例として、
図3は、Volclay(登録商標)HPM-20モンモリロナイトをアルミニウムクロルハイドレート(ACH)で滴定することによって得られた一連の分散液のゼータ電位を、滴定容量対分散液のゼータ電位(mV)、
図4は同じ滴定のmmol Al/g粘土対分散液のゼータ電位(mV)をプロットする。
図2は、ACHによるHPM-20粘土のこのゼータ電位滴定の間に収集された一連の焼成生成物の粉末XRDパターンを提供する。
【0282】
粉末X線回折(XRD)研究
粘土および粘土ヘテロ付加物の粉末X線パターンは、Bruker D8 daVinci装置上の標準的なX線粉末回折技術を使用して、バックローディングホルダーを使用して、バックグラウンドシリコンチップをゼロにして、「θ-θ」スキャンタイプのBragg Brentanoジオメトリを使用して得た。使用した検出器は、リニアシリコンストリップ(LynxEYE)PSD検出器であった。被験試料は、放射線安全エンクロージャーに封入された2つの円ゴニオメータの試料ホルダーに配置した。X線源は、40kVおよび25mAの動作電流で維持された2.0kWのCu X線管であった。X線光学系は、標準的なBragg Brentano焦点合わせモードであり、X線はチューブのDSスリット(0.6mm)から発散して試料を打ち、次いで位置感受性X線検出器(Lynx-Eye、Bruker-AXS)で収束した。直径250mmの2つの円ゴニオメータは、独立したステッピングモーターおよび光学エンコーダでコンピュータ制御された。平坦な圧縮粉末試料を、0.8°(2θ)/分(35分にわたって2~30°2θ)で走査した。データ収集および評価のためのソフトウェアスイートはWindowsベースであった。データ収集は、BSMLファイルを採用することにより、コマンダープログラムを使用して自動化され、データは、プログラムDIFFRAC.EVAによって解析された。
【0283】
基底間隔を決定するために本明細書に開示される焼成粘土ヘテロ付加物に適用されるXRD試験方法は、例えば、McCauleyによって米国特許第5,202,295号(例えば、列27,22~43行)に記載されている。粘土に適用されるブラッグの式または法則は、nλ=2d・sinθ(式中、nは繰り返し数であり、λは1.5418であり、dはd001間隔であり、θは入射角である)である。
【0284】
孔体積および孔体積分布
粘土ヘテロ付加物の孔体積は、窒素脱着法によって識別可能なすべての孔のcc/g(cm3/g、1グラム当たり立方センチメートル)の累積容量として報告される。アルミナ粉末などの触媒支持体または担体粒子、ならびに本開示の粘土および粘土ヘテロ付加物について、孔径分布および孔体積は、S.Brunauer,P.Emmett,and E.Teller in the J.Am.Chem.Soc.,1939,60,309によって説明されるB.E.T.(またはBET)技術によって、窒素脱着等温(円筒状孔を仮定)を参照して計算し、窒素BET法を使用して表面積を決定するための手順を識別するASTM D 3037も参照されたい。
【0285】
細孔体積分布は、触媒性能を理解するのに有用であり得、細孔体積(総細孔体積)、様々なサイズ範囲における細孔の割合などの細孔体積分布の様々な属性、ならびにdV(logD)対細孔直径分布における局所的な最大値に対応する細孔直径を記述する「細孔モード」は、E.P.Barrett、L.G.Joyner、およびP.P.Halenda(「BJH」)、“The Determination of Pore Volume and Area Distributions in Porous Substances.I.Computations from Nitrogen Isotherms,”」J.Am.Chem.Soc.,1951,73(1),pp 373-380によって記述される方法に基づいて窒素吸着脱着等温体に由来した。
【0286】
表面積
S.Brunauer,P.Emmett,and E.Teller in the J.Am.Chem.Soc.,1939,60,309によって説明されるB.E.T.(またはBET)技術を使用して、窒素脱着等温(円筒状孔を仮定)窒素吸着脱着等温体を使用して、窒素吸着法によって表面積を決定し、窒素BET法を使用して表面積を決定するための手順を識別するASTM D 3037も参照されたい。孔体積(PV)(cc/g、1グラム当たりの立方センチメートル)または表面積(SA)(m2/g、1グラム当たりのメートル平方)などの重量に関わるすべての形態学的特性は、当該技術分野で周知の手順に従って「金属を含まない基準」に正規化された。しかしながら、別段の定めがない限り、本明細書で報告される形態学的特性は、金属含有量を補正することなく「測定された」ベースである。
【0287】
重合反応
エチレンのホモ重合を、1Lのイソブタン希釈剤を使用して、乾燥した2Lのステンレス鋼Parrオートクレーブリアクターで行った。表3Aは、(1-n-ブチル-3-メチルシクロペンタジエニル)2ZrCl2およびトリエチルアルミニウム(AlEt3)をメタロセンおよび共触媒として使用して、比較支持体および本発明のヘテロ凝固粘土支持体のための特性および重合データを報告する。表3Aに報告されている活性を計算するための反応器内の選択された圧力および温度は、エチレン質量流量制御器によって電子的に維持されるか、または代替的に、ジャケット付き温度制御器を使用して手動で維持される450総psiおよび90℃であった。表3Bは、比較支持体および本発明のヘテロ凝固粘土支持体の表面積および多孔性特性を報告する。
【0288】
本開示の支持体活性化剤を使用した重合データと、比較触媒システムを使用した重合データとを表3Aに提示する。重合ランをP1~P39と標識し、各重合ランで使用される支持体の具体的な実施例番号を列挙する。
【0289】
水素を使用する場合には、精製水素およびエチレンの予め混合されたガス供給タンクを使用して、原子炉への供給物中のエチレン対水素の比率を著しく変化させないように、供給タンク内の十分な圧力で所望の総圧力を維持した。水素の添加は、任意の所与の触媒で得られたポリマーの溶融指数に影響を及ぼし得る。
【0290】
重合ランを実施する前に、反応器を乾燥窒素流下で少なくとも115℃に予熱することにより、まず反応器内部から水分を除去し、これを少なくとも15分間維持した。撹拌は、例えば、600rpmの設定点を有するインペラおよびMagnadrive(商標)によって提供された。表3Aの重合ランのためのメタロセン触媒は、(1-n-ブチル-3-メチルシクロペンタジエニル)
2ZrCl
2であり、トリエチルアルミニウム(AlEt
3またはTEA)を共触媒またはアルキル化剤として使用し、1.8mmolのAlEt
3(ヘキサン中のTEAの3mLの0.6M溶液)が典型的には、この表の重合ランに使用された。接触後の触媒成分、すなわち、以前に接触させて組成物を形成したすべての列挙された触媒システム成分を含有する組成物を、不活性雰囲気グローブボックス内で調製し、触媒充填管または容器に移した。次いで、触媒充填容器の内容物を、1Lのイソブタンでフラッシュすることにより、反応器に充填した。次いで、反応器温度制御システムをオンにし、典型的には約7分かかった温度設定値よりも数度低い温度に到達させる。反応器を、エチレンの手動供給バルブを開くことによって作動圧力にし、重合運転を、例えば、30分または60分間、表3Aに報告されている時間継続した。
【表4】
【表5】
【0291】
代替的に、触媒充填管の内容物は、例えば、設定点温度より約10℃低い温度で、ランの設定点温度より数度低い温度でエチレンとともに反応容器に押し込まれ得る。この方法では、2つの充電管を使用した。走行圧力に達したとき、反応器圧力は質量流量コントローラによって制御された。エチレンの消費および温度を電子的に監視した。重合の過程において、運転の最初の数分間における触媒の初期充填を除いて、反応器温度を設定点温度±2℃に維持した。60分後または指定された実行時間後に、エチレン入口バルブを遮断し、イソブタンを通気することによって重合を停止した。反応器を周囲温度に戻した。次いで、反応で生成したポリマーを反応器から除去して乾燥させ、ポリマー重量を使用して特定の重合の活性を計算した。ポリマーメルトインデックス、具体的には、メルトインデックス(MI)および高負荷メルトインデックス(HLMI)は、ASTM手順D618-05およびD1238-04Cに従って、ポリマーをブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)で安定化した後に得た。ポリマー密度を、ASTM D1505-03に従って測定した。
【0292】
触媒およびポリマーの特徴付け
メタロセン化合物の1H NMRスペクトルを、20mgのメタロセン試料を10mmのNMRチューブに入れることによって室温で収集し、3.0mLのCDCl3を添加した。1H NMRスペクトルをBruker AVANCE(商標)400NMR(400.13MHz)上で得た。化学シフトは、TMSに対してppm(δ)で報告されるか、または残留溶媒プロトン共鳴の化学シフトに参照される。カップリング定数はヘルツ(Hz)で報告する。
【0293】
ポリプロピレン中のアイソタクチックペンタド含有量のNMR測定は、ポリマー試料400mgを10mmのNMRチューブに入れ、その中にテトラコロロエタン-d2および1.7gのo-ジクロロベンゼンを添加して得た。13C NMRスペクトルをBruker AVANCE(商標)400NMR(100.61MHz、90°パルス、パルス間の12秒の遅延)上で得た。各スペクトルについて約5000個のトランジェントを保存し、mmmmペンタッドピーク(21.09ppm)を参照として使用した。微細構造解析は、Busico,et al.Macromolecules,1994,27,4521-4524に記載されている。
【0294】
ポリプロピレン溶融流量(MFR)を、ASTM D-1238手順に従って、2.16kgの負荷下、230℃で決定した。
【0295】
DSC and TA Instrument,Inc.モデル:DSC Q1000を使用して、ASTM D-3417の手順に従い、ポリプロピレンの融点Tmを得た。
【0296】
Anton Paar Autosorb iQ装置を使用して、支持体活性化剤および他の材料の窒素吸着解離データを収集した。以下のように代表的な測定を実施した。50mg~150mgの焼成試料を、不活性雰囲気下で試料細胞内に秤量し、ストッパーで密封した。試料セルをAutosorb iQステーションに挿入し、真空下に配置した。その後、液体窒素を使用して試料を冷却した。窒素吸着脱着等温体は、77Kで、相対圧力P/P0=0.05~1(P0=大気圧)で記録した。
【0297】
実施例1.焼成粘土の調製の比較例
そのままの粉末の形態でVolclay(登録商標)HPM-20粘土の700mgの試料を、60mLの脱イオン水と組み合わせた。混合物を激しく撹拌し、55℃で20~30分間回転蒸発させた。次いで、得られた試料を300℃で6時間焼成し、620mgの灰色粉末を得た。
図12に窒素吸着/脱着BJH孔体積解析をプロットする。
【0298】
実施例2.共沸粘土の調製の比較例
Volclay(登録商標)HPM-20粘土粉末の5.16gの試料を丸底フラスコに入れ、40mL~60mLのn-ブチルアルコールと組み合わせた。この混合物を激しく撹拌し、次いで45℃で回転蒸発させて乾燥させた。この乾燥工程は、アルコールが目に見えて蒸発した直後に停止した。n-ブチルアルコールの臭気は、典型的には、このプロセス後の試料から顕著であった。湿式粘土5.39gの試料を得、この材料4.46gを次いで、300℃で6時間焼成し、3.3gの黒色粉末を得た。
【0299】
実施例3.剪断した後、共沸粘土の調製の比較例
Waring(登録商標)ブレンダー内の脱イオン水にHPM-20粘土を撹拌しながらゆっくりと添加して調製した5重量%HPM-20/水分散液の133gの試料を、最初に45℃~55℃で回転蒸発させて水分の大部分を除去し、その後50mLのn-ブタノールを添加した。45℃での回転蒸発を継続し、アルコールが目に見えて蒸発した直後に乾燥を停止した。次いで、この材料の3.2gの試料を300℃で6時間焼成して、2.6gの灰色粉末を得た。この材料のBJH孔体積解析を
図11に示す。
【0300】
実施例4.コロイド粘土分散液の調製
Waring(登録商標)ブレンダーに、570gの脱イオン水を充填し、撹拌しながら、30.0グラムのHPM-20を少量ずつ添加した。この混合物を高レート(毎分回転数、rpm)で撹拌して、HPM-20懸濁液の実質的に塊またはクランプのない分散液5重量%を得た。Volclay(登録商標)HPM-20粘土の4.8重量%分散液を、20gのHPM-20および394gの水を使用して調製し、高回転数でWaring(登録商標)ブレンダーを使用して撹拌して、クランプのない分散液を得たとき、分散液は、908μS/cmの導電率および9.39のpHを特徴とした。
【0301】
実施例5.アルミニウムクロルハイドレート溶液(6.4mmol Al/g粘土)を使用したアルミニウムクロルハイドレート(Al13ケギン-イオン)柱状粘土の調製の比較例
Waring(登録商標)ブレンダーに、実施例4に従って調製したコロイド粘土分散液100gを充填し、続いて、撹拌しながら、塩基性が83.47%と報告されている50%GEOアルミニウムクロルハイドレート溶液6.9gを充填した。アルミニウムクロルハイドレートを添加した後、混合物をさらに3分間、高レート(rpm)で撹拌した。混合物のpHをpH4.23として測定した。Fisherbrand(商標)P8フィルター紙を通して得られた混合物を濾過する試みは失敗した。したがって、混合物の2つのアリコートを50ミリリットルのプラスチック遠心チューブに移し、試料をBeckmann Coulter Allegra6遠心分離機で3600rpmで合計140分間遠心分離した。得られた透明な上清を各チューブからデカントし、脱イオン水で置き換えた。試料を振とうして固体を再懸濁し、再度遠心分離した。このプロセスを、1つの遠心分離された試料の上清が67μS/cmの導電率および6.0のpHを得るまで、複数回(典型的には4~8回)繰り返した。次いで、上清をデカントし、最小限の脱イオン水を使用して、固体を約70mLのn-ブタノールとともにエルレンマイヤーフラスコに移した。回転蒸発により、オフホワイト粉末2.11gを得た。この粉末の437mgの試料を磁器ボウルに充填し、300℃のオーブンに6時間入れて、0.301グラムの濃い灰色粉末を得た。
【0302】
実施例6.アルミニウムクロルハイドレート溶液(6.4mmol Al/g粘土)を使用したアルミニウムクロルハイドレート(Al13ケギン-イオン)柱状粘土の調製の再現性:
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。この添加が完了した後、得られた分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0303】
この5重量%のHPM-20水性分散液の150gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移し、9.35gのGEOアルミニウムクロロハイドレート50重量%の水性溶液をバイアルにピペットで取り、一度に分散液に添加した。混合物を高速で5分間ブレンドし、次いで4つの50mLの遠心チューブに分割し、3000rpm~3500rpmで30~60分間遠心分離した。上清のpHおよび導電率を測定した(Eutech PCSTestr 35)。上清をデカントし、残りの湿った固体を脱イオンMilli-Q(登録商標)水中に再懸濁した。遠心分離プロセス(遠心分離、上清pH/導電率測定、上清除去、および脱イオンのMilli-Q(登録商標)水中の再懸濁液)を、上清の導電率が100~300μS/cmに達するまで繰り返した。合計で6回の遠心分離を行い、その時点で上清を最終時間廃棄した。残りの湿った固体に、200mLの1-ブタノールを添加し、45℃で回転蒸発させた後、9.75gの湿った固体を得た。次いで、この湿った固体を乳棒およびモルタルで粉砕し、この固体4.28gを磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、1.65gの灰黒色粉末を得た。
【0304】
実施例7.アルミニウムクロルハイドレート(Al13ケギン-イオン)柱状粘土の粉末アルミニウムクロルハイドレート(6.4mg Al/g粘土)を使用した調製の比較例
撹拌しながら、HPM-20粘土の30g試料を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0305】
この5重量%のHPM-20水性分散液の100gの試料を、Waring(登録商標)ブレンダーに移し、3.42gのParchem ALOXICOLL(登録商標)51P粉末をバイアルに秤量し、35~40gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水で希釈し、次いで分散液に一度に添加した。混合物を高速で5分間ブレンドし、次いで4つの50mLの遠心チューブに分割し、3000~3500rpmで30~60分間遠心分離した。上清のpHおよび導電率を測定した(Eutech PCSTestr 35)。上清をデカントし、残りの湿った固体を脱イオンMilli-Q(登録商標)水中に再懸濁した。遠心分離プロセス(遠心分離、上清pH/導電率測定、上清除去、および脱イオンのMilli-Q(登録商標)水中の再懸濁液)を、上清の導電率が100~300μS/cmに達するまで繰り返し(最終上清pHの4.25、225μS/cmの導電率で、合計で6回の遠心分離を行った)、その時点で、上清を最終時間廃棄した。残りの湿った固体を、丸底フラスコ中の100~200mLの1-ブタノールと組み合わせ、45℃で回転蒸発させて、5.54gの湿った固体を得、次いで、乳棒およびモルタルで粉砕した。この固体の1.8gの部分を磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、1.2gの灰黒色粉末を得た。
【0306】
実施例8.1%Volclay(登録商標)HPM-20水性分散液のコロイド粘土含有量の重量測定
水中の5重量%HPM-20粘土分散液の60gの試料を、240gのMilli-Q(登録商標)脱イオン水と組み合わせて、300gの1重量%HPM-20の水性分散液を得た。30分~1時間放置したところ、かなりの量の沈降粘土がこの希釈分散液中で観察された。コロイド部分をデカントし、沈降部分を採取し、乾燥させ、秤量した。このプロセスは、希釈分散液の0.7%のコロイド含有量に対応する、収集された900mgのHPM-20粘土を提供した。この1%HPM-20分散液を280~290g使用した本実験の繰り返しにおいて、それぞれ630mgおよび910mgの固体粘土を単離し、希釈分散液について0.77および0.69重量%のコロイド含有量値を得た。
【0307】
実施例9.粘土ヘテロ付加物中のアルミニウムクロルハイドレート/Volclay(登録商標)HPM-20比のゼータ電位測定
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、数分間にわたって、570gのMilli-Q(登録商標)脱イオン水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間撹拌して、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。この5重量%HPM-20水性分散液の42gの部分を、258gのMilli-Q(登録商標)脱イオン水と組み合わせて、0.7重量%HPM-20の水性分散液を得た。次いで、この0.7重量%のコロイド分散液280gを、軸方向の底部撹拌機を含有するコロイド動的ゼータプローブアナライザー(商標)の測定容器に移した。撹拌速度は、250rpm~350rpmに設定した。
【0308】
本機器に付属のコロイド動的ゼータプローブアナライザー(商標)マニュアルに概説されている手順に従って、この希釈されたHPM-20水性分散液に対して、0.7重量%の初期コロイド含有量推定値を使用してゼータ電位測定を行い、粘土分散液の実際のコロイド含有量を決定した。5重量%HPM-20水性分散液の測定は、-46mV(負46ミリボルト)のゼータ電位測定をもたらす。最初のコロイド含有量の推定値は、このゼータ電位と一致するように調整した。この場合、分散液のHPM-20コロイド含有量は0.62%であると決定された。コロイド動的ゼータプローブ測定パラメータは、以下の通りであった:5読み取り、1読み取り/分、2.6g/ccの粒子密度、4.5の誘電率。
【0309】
アルミニウムクロロハイドレート(ACH)の2.5重量%の水溶液を、50重量%のアルミニウムクロロハイドレート溶液(GEO)の希釈によって得た。次いで、0.7重量%HPM-20水性分散液中の2.5重量%ACH溶液の体積滴定を行った。滴定設定は、滴定点当たり0.5mLであり、平衡化遅延は30秒、すなわち、0.5mLのACH水溶液を添加した後、ゼータ電位測定の前に平衡化を可能にするために30秒遅延を行った。
【0310】
図3および表4は、0.7重量%HPM-20水性分散液中に、2.5重量%のアルミニウムクロロハイドレート(ACH)水溶液を容量添加した場合のこのゼータ電位滴定の結果を報告し、測定されたゼータ電位を、滴定容量(mL)に対してプロットする。滴定容量は、添加したアルミニウムクロロハイドレート水溶液の累積容量を示す。ACH溶液の量およびACH溶液の1.075g/mLの測定密度、ならびに-20mV、中性、および+20mVゼータ電位を達成するために使用されるACHモルアルミニウム/粘土質量比に基づいて、表4に要約する。
【表6】
【0311】
実施例10.粘土ヘテロ付加物中のポリアルミニウムクロライドUltraPAC(登録商標)290/Volclay(登録商標)HPM-20比のゼータ電位測定
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gのMilli-Q(登録商標)脱イオン水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、高速で5~10分間ブレンドすることによって分散液を撹拌し、HPM-20粘土の5重量%水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0312】
この5重量%HPM-20水性分散液の60gの部分を、240gのMilli-Q(登録商標)脱イオン水と組み合わせて、1重量%HPM-20の水性分散液を得た。1重量%のコロイド分散液約280gを、軸方向の底部撹拌機を含有するコロイド動的ゼータプローブアナライザー(商標)の測定容器に移した。撹拌速度を上記のように設定した。
【0313】
この希釈されたHPM-20水性分散液に対して、1重量%の初期コロイド含有量推定値を使用してゼータ電位測定を行い、粘土分散液の実際のコロイド含有量を決定した。5重量%HPM-20水性分散液の測定は、-46mVのゼータ電位測定をもたらす。最初のコロイド含有量の推定値は、このゼータ電位と一致するように調整する。この場合、分散液のHPM-20コロイド含有量は0.67%であると推定された。コロイド動的ゼータプローブ測定パラメータは、以下の通りであった:5読み取り、1読み取り/分、2.6g/ccの粒子密度、4.5の誘電率。
【0314】
ポリアルミニウムクロライド(「PAC」と略記)UltraPAC(登録商標)290(17.1% Al2O3含有量)の4.58gの試料を、Milli-Q(登録商標)脱イオン化水を使用して100mLの容量フラスコに希釈した。次いで前述の1重量%のHPM-20粘土分散液中のこの4.58重量%UltraPAC(登録商標)290溶液の体積滴定を行った。滴定設定は、滴定点当たり1mLであり、平衡化遅延は30秒であった。
【0315】
図5および表5は、これらのゼータ電位測定の結果を報告し、滴定容量は、添加された4.58重量%UltraPAC(登録商標)290水溶液の累積容量を示し、測定されたゼータ電位を、滴定容量(mL)に対してプロットする。-20m、中性、および+20mVのゼータ電位を達成するために使用されるUltraPAC(登録商標)290分散液の量を表5に要約する。
【表7】
【0316】
実施例11.粘土ヘテロ付加物中のNYACOL(登録商標)AL27コロイドアルミナ/Volclay(登録商標)HPM-20比のゼータ電位測定
1重量%のHPM-20粘土分散液を、240gのMilli-Q(登録商標)水中の約60gの5重量%HPM-20水性分散液を添加することによって調製した。1重量%の分散液の285g~300gの部分をゼータプローブの測定容器に移し、最初のゼータ電位測定を行い、溶液の真の粒子重量%を推定した。
【0317】
この希釈されたHPM-20水性分散液上でゼータ電位測定を行い、粘土分散液の実際のコロイド含有量を決定した。5重量%HPM-20水性分散液の測定は、-44.2mVのゼータ電位測定をもたらす。最初のコロイド含有量の推定値は、このゼータ電位と一致するように調整する。この場合、分散液のHPM-20粘土コロイド含有量は0.92%であると決定された。コロイド動的ゼータプローブ測定パラメータは、以下の通りであった:5読み取り、1読み取り/分、2.6g/ccの粒子密度、4.5の誘電率。
【0318】
市販のNYACOL(登録商標)AL27コロイドアルミナ分散液の100g試料(20重量%のAl2O3)を、100gのMilli-Q(登録商標)脱イオン水と組み合わせて、NYACOL(登録商標)AL27の10重量%Al2O3分散液を得た。次いで前述の1重量%のHPM-20粘土分散液中のこの10重量%分散液の体積滴定を行った。(1重量%HPM-20%の濃度指定は、希釈時に粘土のすべてがコロイド状ではなかったため、約0.92重量%と決定されたゼータ電位推定値というよりむしろレシピに基づいている。)滴定設定は以下の通りであった。0mL~27mLの滴定点当たり1mLおよびその後の滴定点当たり3mLであり、平衡化遅延は60秒であった。
【0319】
図6および表6は、これらの測定の結果を報告しており、滴定容量は、添加されたNYACOL(登録商標)AL27アルミナ分散液の累積容量を示す。この実施例では、滴定剤もコロイド種である。ゼータ電位は、前述の方法を使用して調整し、
図6に日付を提供する。-20m、中性、および+20mVのゼータ電位を達成するために使用されるNYACOL(登録商標)AL27分散液の量を表6に要約する。
【表8】
【0320】
実施例12.アルミニウムクロルハイドレート粘土ヘテロ付加物(1.76mmol Al/g粘土)の調製
Waring(登録商標)ブレンダーに、475.22グラムの脱イオン水を充填した。撹拌しながら、アメリカンコロイド由来の25.09グラムのHPM-20粘土をゆっくりと添加した。粘土添加が完了した後、混合物を高温で5分間撹拌して、塊のない均質な懸濁液を得、その後、9.53グラムのアルミニウムクロルハイドレート50重量%水溶液(GEO)を撹拌しながら添加し、9分間撹拌し続けた。混合物を高密度ポリエチレンボトルに注いだ。Waring(登録商標)フラスコを42.5グラムの脱イオンMilli-Q(登録商標)水ですすぎ、すすぎ水をボトルに移した。ボトルを振とうして内容物を十分に混合し、スラリーの導電率を4.03mS/cmとして測定し、pHを5.89とした。
【0321】
第2のバッチのアルミニウムクロルハイドレート粘土ヘテロ付加物を、380.26グラムの脱イオンMilli-Q(登録商標)水、20.03グラムのHPM-20粘土、および7.70グラムのアルミニウムクロルハイドレート50重量%水溶液(GEO)を使用して、同じ方法で調製した。このバッチの導電率を3.64mS/cmと測定し、pHを5.58とした。第2のバッチの内容物を、30グラムの脱イオン水とともに、残留スラリーを第1のバッチを含むボトルに移した。ボトルを振とうして、目に見える塊のない灰色のスラリーを得た。合わせたバッチの最終導電率は3.84mS/cmであり、最終pHは5.87であった。
【0322】
実施例13.粉末アルミニウムセスキクロロハイドレート(ASCH、6.4mmol Al/g粘土)を使用したアルミニウムセスキクロロハイドレート粘土ヘテロ付加物の調製の比較例
この比較例では、実施例31および32の手順および生成物と比較して、生成物を単離するために複数の洗浄および遠心分離を使用する必要性を示す、粉末アルミニウムセスキクロロハイドレート(ASCH)を使用したアルミニウムセスキクロロハイドレート粘土ヘテロ付加物の合成。
【0323】
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0324】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。別のバイアルに、3.53gのALOXICOLL(登録商標)31P粉末および35~40mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を充填し、この混合物を一度に撹拌した分散液に注いだ。混合物を高速で5分間ブレンドし、次いで4つの50mLの遠心チューブに分割し、3000rpm~3500rpmで30~60分間遠心分離した。上清のpHおよび導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、pHは4.0であり、導電率は7300μS/cmであった。上清をデカントし、残りの湿った固体を脱イオンMilli-Q(登録商標)水中に再懸濁した。遠心分離プロセス(遠心分離、上清pH/導電率測定、上清除去、および脱イオンのMilli-Q(登録商標)水中の再懸濁液)を、上清の導電率が100~300μS/cmに達するまで繰り返した。この導電率を達成するには、最終上清pHが4.3であり、導電性が286μS/cmである状態で、合計で6回の遠心分離を行う必要があった。この時点で、上清を最終時間廃棄し、残りの湿った固体を、丸底フラスコ中の100~200mLの1-ブタノールと組み合わせ、45℃で回転蒸発させて、5.82gの湿った固体を得、次いで、乳棒およびモルタルで粉砕した。この固体の2.1gの試料を磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、1.1gの灰黒色粉末を得た。
【0325】
実施例14.325メッシュスクリーン(1.76mmol Al/g粘土)に保持された未洗浄のアルミニウムクロルハイドレート粘土ヘテロ付加物の噴霧乾燥、スクリーニング、および焼成
実施例12に従って調製したアルミニウムクロルハイドレート粘土ヘテロ付加物(1.76mmol Al/g粘土)混合物(スラリー)の一部を、Buchi B290実験室用噴霧乾燥機を使用して噴霧乾燥した。噴霧乾燥粘土ヘテロ付加物の一部を、325メッシュスクリーンを通してスクリーニングした。325メッシュスクリーン上に保持した2グラムの材料を300℃のオーブンに充填し、6時間空気中で加熱した。まだ高温である間、材料を真空チャンバに移し、真空下で室温まで放冷した。
【0326】
実施例15.325メッシュスクリーン(1.76mmol Al/g粘土)を通過する未洗浄のアルミニウムクロルハイドレート粘土ヘテロ付加物の噴霧乾燥、スクリーニング、および焼成
実施例12に従って調製したアルミニウムクロルハイドレート粘土ヘテロ付加物(1.76mmol Al/g粘土)混合物(スラリー)の一部を、Buchi B290実験室用噴霧乾燥機を使用して噴霧乾燥した。噴霧乾燥粘土ヘテロ付加物の一部を、325メッシュスクリーンを通してスクリーニングした。2グラムのスループスクリーニング材料を300℃のオーブンに充填し、6時間空気中で加熱した。まだ高温である間、材料を真空チャンバに移し、真空下で室温まで放冷した。
【0327】
実施例16.噴霧乾燥および焼成洗浄アルミニウムクロルハイドレート粘土ヘテロ付加物(1.76mmol Al/g粘土)
実施例12に従って調製したアルミニウムクロルハイドレート粘土ヘテロ付加物(1.76mmol Al/g粘土)スラリーの一部を、Buchner漏斗および真空を使用してFisherbrand(商標)P8フィルター紙を通して濾過した。次いで、158グラムのフィルターケーキをHDPEボトルに移し、振とうすることにより、約1.2リットルの脱イオン水中に再懸濁した。こうして得られたスラリーの導電率は、114μS/cmであり、pHは6.25であった。このスラリーを再びFisherbrand(商標)P8フィルター紙を通して濾過し、一晩真空下でフィルター上に放置して、109.03グラムの灰色固体を得た。この固体の97.07グラムの試料を、452gの脱イオン水とともにHDPEボトルに充填し、スラリー中に塊が見えないまで振とうした。このスラリーの導電率は112μS/cmであり、pHは6.33であった。このアルミニウムクロルハイドレート粘土ヘテロ付加物スラリーの一部を、Buchi B290実験室用噴霧乾燥機を使用して噴霧乾燥した。噴霧乾燥材料の1.77グラムの試料を、空気中で6時間、300℃のオーブンに充填して焼成する。熱いまま、材料を次いで真空チャンバに移し、真空下で室温まで放冷した。
【0328】
実施例17.単回濾過、共沸、および焼成アルミニウムクロルハイドレート粘土ヘテロ付加物(1.76mmol Al/g粘土)
実施例12に従って調製したアルミニウムクロルハイドレート粘土ヘテロ付加物(1.76mmol Al/g粘土)スラリーの543グラムの一部を、Fisherbrand(商標)ブランドP8フィルター紙を通して真空濾過した。次いで、得られたフィルターケーキを約1Lの脱イオン水中に再懸濁し、114μSの導電率および6.25のpHを有するスラリーを得た。次いで、このスラリーをFisherbrand(商標)ブランドP8紙を通して真空濾過し、フィルター紙上に保持した粘土ヘテロ付加物からのフィルターケーキ11.5グラムを、撹拌バーを備えたエルレンマイヤーフラスコに充填した。次いで、n-ブタノール200mLを添加し、混合物を、目に見える塊またはクランプのないスラリーが得られるまで撹拌した。撹拌バーを除去し、エルレンマイヤーを45℃の浴から回転蒸発させた。いくつかのフレークおよび塊を含有するオフホワイト粉末を、均一な粉末に非常に穏やかに研磨し、1.04グラムを、300℃で6時間空気中で焼成した磁器のるつぼに充填した。焼成材料を真空下で冷却し、0.867グラムを不活性雰囲気グローブボックスに移した。
【0329】
実施例18.実施例17に従ったアルミニウムクロルハイドレート粘土ヘテロ付加物(1.76mmol Al/g粘土)の単一濾過、共沸および焼成の再現性
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0330】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移し、1.91gのGEOアルミニウムクロロハイドレート50重量%の水性溶液をバイアルにピペットで取り、一度に分散液に添加した。混合物は急速に凝固し、撹拌を容易にするために70mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を添加した。次いで、混合物を高速で5分間ブレンドし、その後、Fisher P8定性グレードフィルター紙を通して真空濾過した(粗多孔性)。濾過に15~30分間を要した後、濾液pHおよび導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、pH6.1および導電率1516μS/cmを得た。濾液を廃棄し、残りの湿った固体を50~100mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水中に再懸濁した。
【0331】
濾過プロセス(脱イオンMilli-Q(登録商標)水中の湿った固体の懸濁液、真空濾過、および濾液pH/導電率測定)を再び繰り返した。残りの湿った固体を150~200mLの1-ブタノールに再懸濁し、45℃で回転蒸発させた。次いで、得られた固体を乳棒およびモルタルで粉砕し、5.18gの薄灰色粉末を得た。この固体の1.90gの部分を磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、0.9gの灰黒色粉末を得た。本試料の粉末XRD(X線回折)パターンを
図2に表示し、本試料のBJH孔体積分析を
図10にプロットする。
【0332】
実施例19.アルミニウムクロルハイドレート(ACH)イオン交換粘土(0.3mmol Al/g粘土)の調製の比較例
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0333】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。GEO ACH水性分散液(50重量%)の0.325gの試料をバイアルにピペットで取り、20mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水と組み合わせ、次いで、粘土分散液に一度にすべて注いだ。次いで、得られた混合物を高速で5分間ブレンドし、次いで、Fisher P8定性グレードのフィルター紙を通して真空濾過した(粗多孔性)。濾過は遅かった(<1滴/秒)。濾過を15~30分間続けた後、濾液pHおよび導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、pH7.3および導電率487μS/cmを得た。濾液を廃棄し、残りの湿った固体を脱イオン化したMilli-Q(登録商標)水50mL中に再懸濁し、30~60分間、3000rpm~3500rpmで1回遠心分離した。上清(測定された導電率180μS/cm)を除去した後、残りの湿った固体を50~100mLの1-ブタノール中に再懸濁し、45℃で回転蒸発させた。次いで、得られた固体を乳棒およびモルタルで粉砕し、1.7gの粉末固体を磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、0.8gの灰黒色粉末を得た。
【0334】
実施例20.アルミニウムクロルハイドレート(ACH)粘土ヘテロ付加物(1.17mmol Al/g粘土)の調製
撹拌しながら、30gのVolclay(登録商標)HPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0335】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。次いで、GEOアルミニウムクロロハイドレート50重量%水溶液1.27gをバイアルにピペットで取り、一度に分散液に添加した。混合物は急速に凝固し、撹拌を容易にするために70mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を添加した。次いで、混合物を高速で5分間ブレンドし、その後、Fisher P8定性グレードフィルター紙を通して真空濾過した(粗多孔性)。15~30分間濾過した後、濾液pHおよび導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、pH6.25、導電率1166μS/cmを得た。濾液を廃棄し、残りの湿った固体を50~100mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水中に再懸濁した。
【0336】
再懸濁スラリーの導電率が100~300μS/cmに達するまで、濾過プロセス(脱イオンMilli-Q(登録商標)水中の湿った固体の懸濁液、真空濾過、濾液pH/導電率測定)を繰り返した。この場合、1回の追加濾過を行い、pH6.2、導電率188μS/cmのスラリーを得た。残りの湿った固体を150~200mLの1-ブタノールに再懸濁し、45℃で回転蒸発させた。次いで、固体を乳棒およびモルタルで粉砕し、2.97gの薄灰色粉末を得た。この固体の1.7gの部分を磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、1.0gの灰黒色粉末を得た。この試料の粉末XRD(X線回折)パターンを
図2に示す。
【0337】
実施例21.アルミニウムクロルハイドレート(ACH)粘土ヘテロ付加物(1.52mmol Al/g粘土)の調製
撹拌しながら、30gのVolclay(登録商標)HPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0338】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。GEOアルミニウムクロロハイドレート50重量%水溶液の1.66g試料をバイアルにピペットで取り、一度に分散液に添加した。得られた混合物は急速に凝固し、撹拌を容易にするために80mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を添加した。次いで、この混合物を高速で5分間ブレンドし、その後、Fisher P8定性グレードのフィルター紙を通して真空濾過した(粗多孔性)。濾過に15~30分間を要した後、濾液pHおよび導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、pH6.2および導電率1518μS/cmを得た。濾液を廃棄し、残りの湿った固体を50~100mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水中に再懸濁した。
【0339】
再懸濁スラリーの導電率が100~300μS/cmに達するまで、この濾過プロセス(脱イオンMilli-Q(登録商標)水中の湿った固体の懸濁液、真空濾過、濾液pH/導電率測定)を繰り返した。この場合、1回の追加濾過を行い、pH6.1および導電率199μS/cmのスラリーを得た。残りの湿った固体を150~200mLの1-ブタノールに再懸濁し、45℃で回転蒸発させた。次いで、得られた固体を乳棒およびモルタルで粉砕し、3.19gの薄灰色粉末を得た。この固体の1.65gの試料を磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、0.9gの灰黒色粉末を得た。この試料の粉末XRDパターンを
図2に示す。
【0340】
実施例22.アルミニウムクロルハイドレート(ACH)粘土ヘテロ付加物(2.5mmol Al/g粘土)の調製および単回濾過の比較例
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0341】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。GEOアルミニウムクロロハイドレート50重量%水溶液の2.71g試料をバイアルにピペットで取り、一度に分散液に添加した。混合物は速やかに粘性になり、撹拌を容易にするために脱イオン化Milli-Q(登録商標)水100mLを添加した。次いで、この混合物を高速で5分間ブレンドし、次いで、Fisher P8定性グレードフィルター紙(粗多孔性)を通して真空濾過した。濾過に15~30分間を要した後、濾液pHおよび導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、pH4.72および導電率1988μS/cmを得た。湿った固体フィルターケーキの一部を50~100mLの1-ブタノール中に再懸濁し、45℃で回転蒸発させた。次いで、乾燥した固体を乳棒およびモルタルで粉砕し、0.66gの薄灰色粉末を得た。この固体の0.64gの部分を磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、0.5gの灰黒色粉末を得た。
【0342】
実施例23.実施例22(2.5mmol Al/g粘土)と比較した、アルミニウムクロルハイドレート(ACH)粘土ヘテロ付加物の調製および追加の洗浄/濾過の比較例
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0343】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。GEOアルミニウムクロロハイドレート50重量%水溶液の2.71g試料をバイアルにピペットで取り、一度に分散液に添加した。混合物は速やかに粘性になり、撹拌を容易にするために脱イオン化Milli-Q(登録商標)水100mLを添加した。次いで混合物を高速で5分間ブレンドし、次いで、Fisher P8定性グレードのフィルター紙を通して真空濾過した(粗多孔性)。15~30分間濾過した後、濾液pHおよび導電率を測定した(Eutech PCSTestr 35)。濾液を廃棄し、残りの湿った固体を50~100mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水中に再懸濁した。
【0344】
再懸濁スラリーの導電率が100~300μS/cmに達するまで、濾過プロセス(脱イオンMilli-Q(登録商標)水中の湿った固体の懸濁液、真空濾過、濾液pH/導電率測定)を繰り返した。この場合、1回の追加濾過を行い、pH4.67、導電率87μS/cmのスラリーを得た。残りの湿った固体を50~100mLの1-ブタノール中に再懸濁し、45℃で回転蒸発させた。次いで、乾燥した固体を乳棒およびモルタルで粉砕し、3.73gの薄灰色粉末を得た。この固体の1.37gの部分を磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、0.6g灰黒色粉末を得た。この試料の粉末XRDパターンを
図2に示す。
【0345】
実施例24.アルミニウムクロルハイドレート(ACH)粘土ヘテロ付加物(3.5mmol Al/g粘土)の調製および単回濾過の比較例
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0346】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。GEOアルミニウムクロロハイドレート50重量%水溶液3.80gの試料をバイアルにピペットで取り、分散液に一度に添加し、撹拌を容易にするために脱イオンMilli-Q(登録商標)水20mLを添加した。次いで、この混合物を高速で5分間ブレンドし、次いで、Fisher P8定性グレードフィルター紙(粗多孔性)を通して真空濾過した。濾過に15~30分間を要した後、濾液pHおよび導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、pH4.34および導電率1500μS/cmを得た。湿った固体の一部を50~100mLの1-ブタノール中に再懸濁し、45℃で回転蒸発させた。次いで、乾燥した固体を乳棒およびモルタルで粉砕し、0.74gの薄灰色粉末を得た。この固体の0.62gの部分を磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、0.5g灰黒色粉末を得た。
【0347】
実施例25.実施例24(3.5mmol Al/g粘土)と比較した、アルミニウムクロルハイドレート(ACH)粘土ヘテロ付加物の調製および追加の洗浄/濾過の比較例
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0348】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。GEOアルミニウムクロロハイドレート50重量%水溶液の3.80g試料をバイアルにピペットで取り、一度に分散液に添加した。混合物は速やかに粘性になり、撹拌を容易にするために脱イオン化Milli-Q(登録商標)水20mLを添加した。次いで混合物を高速で5分間ブレンドし、次いで、Fisher P8定性グレードのフィルター紙を通して真空濾過した(粗多孔性)。15~30分間濾過した後、濾液pHおよび導電率を測定した(Eutech PCSTestr 35)。濾液を廃棄し、残りの湿った固体を50~100mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水中に再懸濁した。
【0349】
再懸濁スラリーの導電率が100~300μS/cmに達するまで、濾過プロセス(脱イオンMilli-Q(登録商標)水中の湿った固体の懸濁液、真空濾過、濾液pH/導電率測定)を繰り返した。この場合、1回の追加濾過を行い、pH4.5、導電率180μS/cmのスラリーを得た。残りのスラリーを50~100mLの1-ブタノール中に再懸濁し、45℃で回転蒸発させた。次いで、乾燥した固体を乳棒およびモルタルで粉砕し、4.33gの薄灰色粉末を得た。この固体の1.36gの部分を磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、0.6g灰黒色粉末を得た。この試料の粉末XRDパターンを
図2に示す。
【0350】
実施例26.粉末ACH試薬(0.3mmol Al/g粘土)を使用したアルミニウムクロルハイドレート(ACH)粘土ヘテロ付加物の調製の比較例
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0351】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。別のバイアルに、0.160gのALOXICOLL(登録商標)51P粉末および20mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を充填した。この混合物を撹拌した分散液に一度に流し込み、撹拌を容易にするために40mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を添加した。次いで、混合物を高速で5分間ブレンドし、次いで、Fisherbrand(商標)P8定性グレードフィルター紙を通して真空濾過した(粗多孔性)。濾過は遅かった(<1滴/秒)。濾過に15~30分間を要した後、濾液pHおよび導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、pH6.5および導電率780μS/cmを得た。濾液を廃棄し、残りの湿った固体を脱イオン化したMilli-Q(登録商標)水50mL中に再懸濁し、30~60分間、3000rpm~3500rpmで1回遠心分離した。上清(導電率180μS/cm)を除去した後、残りの湿った固体を50~100mLの1-ブタノール中に再懸濁し、回転蒸発させた。次いで、得られた固体を乳棒およびモルタルで粉砕し、次いで磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、灰黒色粉末を得た。
【0352】
実施例27.粉末ACH試薬(0.6mmol Al/g粘土)を使用したアルミニウムクロルハイドレート(ACH)粘土ヘテロ付加物の調製の比較例
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0353】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。別のバイアルに、0.4gのALOXICOLL(登録商標)51P粉末および20mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を充填した。この混合物を撹拌した分散液に一度に注いだ。撹拌を容易にするために、40mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を添加した。次いで混合物を高速で5分間ブレンドし、次いで、Fisher P8定性グレードのフィルター紙を通して真空濾過した(粗多孔性)。濾過に15~30分間を要した後、濾液pHおよび導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、pH7.2および導電率180μS/cmを得た。濾液を廃棄し、残りの湿った固体を脱イオン化したMilli-Q(登録商標)水50mL中に再懸濁し、30~60分間、3000rpm~3500rpmで1回遠心分離した。上清(導電率180μS/cm)を除去した後、残りの湿った固体を50~100mLの1-ブタノール中に再懸濁し、45℃で回転蒸発させた。次いで、得られた固体を乳棒およびモルタルで粉砕して、灰色の粉末を2g得、次いで磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、灰黒色の粉末を得た。
【0354】
実施例28.実施例29(1.52mmol Al/g粘土)と比較した、粉末ACH試薬を使用したアルミニウムクロルハイドレート(ACH)粘土ヘテロ付加物の調製および追加の洗浄
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0355】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。別のバイアルに、0.812gのALOXICOLL(登録商標)51P粉末および20mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を充填した。この混合物を撹拌した分散液に一度に注いだ。撹拌を容易にするために、20~40mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を添加した。次いで混合物を高速で5分間ブレンドし、次いで、Fisher P8定性グレードのフィルター紙を通して真空濾過した(粗多孔性)。15~30分間濾過した後、濾液pHおよび導電率を測定した(Eutech PCSTestr 35)。残りの湿った固体を、50~100mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水に再懸濁した。
【0356】
上清の導電率が100~300μS/cmに達するまで、濾過プロセス(脱イオンMilli-Q(登録商標)水中の湿った固体の懸濁液、真空濾過、濾液pH/導電率測定)を繰り返した。この場合、2回の濾過を行い、pH6.3、導電率169μS/cmの濾液を得た。残りの湿った固体を150~200mLの1-ブタノールに再懸濁し、45℃で回転蒸発させた。次いで、固体を乳棒およびモルタルで粉砕し、3.44gの薄灰色粉末を得た。この固体の1.5gの部分を粘土のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、1.0gの灰黒色粉末を得た。
【0357】
実施例29.実施例28(1.52mmol Al/g粘土)と比較した、粉末ACH試薬を使用したアルミニウムクロルハイドレート(ACH)粘土ヘテロ付加物の調製および単回濾過
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0358】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。別のバイアルに、0.812gのALOXICOLL(登録商標)51P粉末および20mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を充填した。この混合物を撹拌した分散液に一度に流し込み、撹拌を容易にするために20~40mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を添加した。次いで、混合物を高速で5分間ブレンドし、次いで、Fisherbrand(商標)P8定性グレードフィルター紙を通して真空濾過した。濾過に15~30分間を要した後、濾液pHおよび導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、pH5.8および導電率1750μS/cmを得た。残りの湿った固体の一部を50~100mLの1-ブタノールに再懸濁し、45℃で回転蒸発させた。次いで、固体を乳棒およびモルタルで粉砕して、1gの灰色粉末を得、次いで磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、0.6gの灰黒色粉末を得た。
【0359】
実施例30.粉末ACH試薬(1.76mmol Al/g粘土)を使用したアルミニウムクロルハイドレート(ACH)粘土ヘテロ付加物の調製
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0360】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。別のバイアルに、0.940gのALOXICOLL(登録商標)51P粉末および20mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を充填した。この混合物を撹拌した分散液に一度に注いだ。撹拌を容易にするために、20~40mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を添加した。次いで、混合物を高速で5分間ブレンドし、次いで、Fisherbrand(商標)P8定性グレードフィルター紙を通して真空濾過し、100mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水で洗浄した。濾過に15~30分間を要した後、濾液pHおよび導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、pH6.1および導電率1799μS/cmを得た。残りの湿った固体の一部を50~100mLの1-ブタノールに再懸濁し、45℃で回転蒸発させた。次いで、固体を乳棒およびモルタルで粉砕して、1.07gの灰色粉末を得、次いで磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、0.9gの灰黒色粉末を得た。
【0361】
実施例31.アルミニウムセスキクロロハイドレート粘土ヘテロ付加物(1.52mmol Al/g粘土)の調製
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0362】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。ALOXICOLL(登録商標)31L溶液の1.30gの試料をバイアルに秤量し、撹拌を容易にするのに十分な脱イオンMilli-Q(登録商標)水とともに分散液に添加した。次いで、混合物を高速で5分間ブレンドし、導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、2600μS/cmの導電率を得た。次いで、混合物を、Fisherbrand(商標)P8定性グレードフィルター紙を通して真空濾過し、100mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水で短時間洗浄した。濾過に15~30分かけた後、残りの湿った固体の一部を50~100mLの水に再懸濁し、再び導電率を測定し、典型的な導電率は100μS/cm~500μS/cmの範囲にあった(この場合、導電率は70μS/cmであった)。次いで、懸濁液を100~200mLの1-ブタノールと組み合わせ、45℃で回転蒸発させた。次いで、固体を乳棒およびモルタルで粉砕して、6.2gの灰色粉末を得、次いで、この固体1.8gを磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、0.9gの灰黒色粉末を得た。
【0363】
実施例32.アルミニウムセスキクロロハイドレート粘土ヘテロ付加物(2.5mmol Al/g粘土)の調製の比較例
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0364】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。ALOXICOLL(登録商標)31L溶液の2.79gの試料をバイアルに秤量し、撹拌を容易にするのに十分な脱イオンMilli-Q(登録商標)水とともに分散液に添加した。次いで、混合物を高速で5分間ブレンドし、導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、2800μS/cmの導電率を得た。次いで、混合物を、Fisherbrand(商標)P8定性グレードフィルター紙を通して真空濾過し、100mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水で短時間洗浄した。濾過に15~30分かけた後、残りの湿った固体の一部を50~100mLまたは水に再懸濁し、導電率を再び測定し(320μS/cm)、典型的な導電率は100~500μS/cmの範囲にあった。次いで、この懸濁液を100~200mLの1-ブタノールと組み合わせ、45℃で回転蒸発させた。次いで、固体を乳棒およびモルタルで粉砕して、5.57gの灰色粉末を得、次いで、この固体1.7gを磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、1gの灰黒色粉末を得た。
【0365】
実施例33.ポリアルミニウムクロライド(PAC)-粘土ヘテロ付加物(0.5mmol Al/g粘土)の調製の比較例
実施例4の手順に従って調製した5.0重量%Volclay(登録商標)HPM-20懸濁液の177.28グラムの試料を、Waring(登録商標)ブレンダーに充填した。撹拌しながら、UltraPAC(登録商標)290溶液(GEO)1.32gをHPM-20粘土スラリーに添加し、その後、9分間高温で撹拌した。次いで、灰色のヘテロ付加物粘性質量を、2回に分けて210グラムの脱イオン水とともにHDPEポリボトルに移した。次いで、灰色のヘテロ付加物スラリーを約1分間手で振とうし、pH4.31および導電率1672μS/cmを得た。Fisherbrand(商標)P8粗フィルター紙を通してスラリーを濾過すると、28.03gの湿ったケーキが得られ、これをHDPEボトルに移し、308gの脱イオン水もそこに充填した。ボトルを振とうして、スラリー中に塊を生じさせず、pHは4.76、伝導率は200μS/cmであった。スラリーをFisherbrand(商標)P8フィルター紙を通して濾過して、22.30gの湿ったケーキを得、これを200mLのn-ブタノールとともに撹拌棒を備えたエルレンマイヤーに移し、クランプが見えなくなるまで撹拌した。撹拌バーを除去し、混合物を45℃の浴から回転蒸発させて、モルタルおよび乳棒を使用して微細粉末に軽く粉砕したオフホワイト粉末9.49gを得た。1.10グラムのオフホワイト粉末を磁器のるつぼ、次いで300℃のオーブンに充填し、6時間焼成して、0.8960グラムの濃い灰色粉末を得た。この粉末を真空下で周囲温度まで冷却した後、不活性雰囲気グローブボックスに移した。
【0366】
実施例34.ポリアルミニウムクロライド(PAC)-粘土ヘテロ付加物(1.01mmol Al/g粘土)の調製
実施例4で調製した5.0重量%HPM-20粘土懸濁液の201.23グラムの試料を、Waring(登録商標)ブレンダーに充填した。撹拌しながら、3.036gのUltraPAC(登録商標)290溶液(GEO)をHPM-20スラリーに添加した。得られた太い質量は、Waring(登録商標)ブレンダーによって撹拌することはできず、合計185gの2回の脱イオン水の粉砕を伴うHDPEボトルに移した。ボトルを手で振とうして、クランプまたは塊が見えないようにした。得られたスラリーは、pH3.8であり、導電率は26mS/cmであった。スラリーをFisherbrand(商標)粗フィルター紙8番を通して濾過し、透明濾液は5.2mS/cmの導電率をもたらした。次いで、フィルターケーキの61gの部分を元のポリマーボトルに移し、塊が見えなくなるまで、328gの脱イオン水中で振とうすることによって再懸濁した。得られた導電率は1116μS/cmであり、pHは3.93であった。次いで、このスラリーをFisherbrand(商標)P8フィルター紙を通して濾過した。透明濾液は1200μS/cmの導電率を有した。フィルターケーキの9.95gの試料をエルレンマイヤーフラスコに移した。残りのフィルターケーキを、振とうしながら、281gの脱イオン水中の新しいHDPEボトルに再懸濁し、pH4.11および導電率150μS/cmのスラリーを得た。一晩静置した後、スラリーをFisherbrand(商標)P8紙および18.25gのフィルターケーキを通して濾過し、100mLのn-ブタノールとともにエルレンマイヤーフラスコに移した。フラスコを振とうしてチャンクを分解し、次いで40℃の浴から回転蒸発させて、オフホワイト粉末9.08gを得た。オフホワイト粉末の2.384gの試料を磁器のるつぼに充填し、300℃のオーブンに6時間放置し、1.72gの灰色粉末を得、これを真空下に置いて周囲温度まで冷却し、次いで不活性雰囲気グローブボックスに配置した。
【0367】
実施例35.ポリアルミニウムクロライド(PAC)-粘土ヘテロ付加物(1.46mmol Al/g粘土)の調製の比較例
実施例4で調製した5.0重量%HPM-20粘土懸濁液の199.31gの試料を、Waring(登録商標)ブレンダーに充填した。撹拌しながら、GEO Specialty ChemicalsのUltraPAC(登録商標)290溶液4.36gをHPM-20粘土スラリーに添加した。フラスコをブレンダーから取り出し、ブレンダーを使用して粘性のある灰色の塊を撹拌することができるまで回転し、その後、9分間、強撹拌した。粘性質量を次いで、2部の合計85グラムの脱イオン水とともにHDPEポリマーボトルに注ぎ、合計275gの灰色ヘテロ付加物スラリーを得て、次いで、手で約1分間振とうし、3.73のスラリーpHおよび6.79mS/cmの導電率をもたらした。Fisherbrand(商標)P8粗フィルター紙を通してスラリーを濾過し、続いてフィルターケーキを約200mLの脱イオン水中に再懸濁させ、1mS/cmのスラリー伝導性を得た。このスラリーを濾過し、フィルターケーキの34gの部分を、200mLのn-ブタノールとともに、撹拌棒付き500mLのエルレンマイヤーに移した。混合物を一晩撹拌して固体の塊を分解した。次いで、除去した撹拌バーを除去し、混合物を45℃の浴から回転蒸発させて、モルタルおよび乳棒を使用して微細粉末に軽く粉砕したオフホワイト粉末10.78gを得た。オフホワイト粉末の1.07グラムの部分を磁器のるつぼに充填し、次いで300℃で6時間焼成して、0.8800グラムの濃い灰色粉末を得た。粉末を真空下で周囲温度まで冷却した後、不活性雰囲気グローブボックスに移した。
【0368】
実施例36.ナノアルミナ粘土ヘテロ付加物(0.49gアルミナ/g粘土、4.8mmol Al/g粘土)の調製
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0369】
5重量%のHPM-20粘土のコロイド懸濁液の80gの試料を、目盛り付き添加漏斗に添加した。9.7gのNYACOL(登録商標)AL-27分散液(20% Al2O3)を別個の添加漏斗に添加し、この懸濁液を80mLの体積レベルに希釈した。溶液を、低ブレンド速度で137gのMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーに同時に添加した。次いで、得られた混合物を高速で約5分間ブレンドし、その後、Fisher P8定性グレードのフィルター紙を通して真空濾過した。濾過に15~30分間を要した後、濾液pHおよび導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、pH9.1および導電率451μS/cmを得た。残りの湿った固体の一部を50~100mLの1-ブタノール中に再懸濁し、45℃で回転蒸発させた。次いで、得られた固体を乳棒およびモルタルで粉砕して、1.79gの薄灰色粉末を得、この粉末0.65gを磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、0.53gの灰色粉末を得た。
【0370】
実施例37.アルミニウムクロルハイドレートによるヒュームドシリカのゼータ電位滴定
この実施例およびその後の実施例は、ACHなどの「単独の」カチオン性ポリメタレートをヒュームドシリカと組み合わせて、ヘテロ凝固試薬として機能することができる新しいカチオン性コロイド性ポリメタレートシステムを生成することができ、その結果、コロイド性粘土に接触するときに、ヘテロ凝固粘土を形成することができることを実証する。
【0371】
AEROSIL(登録商標)200のヒュームドシリカの15gの試料を、ビーカー中の277gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水と組み合わせる。混合物を、ULTRA-TURRAX(登録商標)分散ツール使用して、5400rpmで10分間分散させ、さらに7000rpmでさらに5分間分散させて、5重量%(シリカによる)分散液を作製する。この分散液270g部分を、軸方向の底部撹拌機を含有するコロイド動的ゼータプローブアナライザー(商標)の測定容器に移す。撹拌速度は、分散液の実質的な沈降を防止するのに十分な速さで設定するが、完全に下げたときに電気音響プローブを混合物中に完全に浸漬させるのに十分な遅さである。典型的な撹拌速度は、250~350rpm、多くの場合300rpmに設定される。
【0372】
2.5重量%のアルミニウムクロルハイドレート溶液を、6.16gのACH水溶液(50重量%のアルミニウムクロルハイドレート、GEO Specialty Chemicals)を117gの水中に希釈することによって調製する。次いで、前述の5重量%AEROSIL(登録商標)200分散液中の2.5重量%ACH溶液の体積ゼータ電位滴定を行う。滴定設定は、滴定点当たり1mLであり、平衡化遅延は60秒である。得られたデータを
図7にACH-AEROSIL(登録商標)200について示す。
【0373】
図7からのゼータ電位対滴定容量データは、
図8にプロットされるAEROSIL(登録商標)200ヒュームドシリカ質量比データに対してゼータ電位に変換される。
図8から、約+30mVのゼータ電位に対応する0.04gのACH/g AEROSIL(登録商標)200を上回る比率で、かつヘテロ凝固試薬を調製するためのおよその単層の比率を下回る比率で任意の点を選択した。次いで、ヘテロ凝固試薬対粘土の比率を、実施例8から実施例11に記載されているように、通常の方法で、具体的には、このACH-ヒュームドシリカヘテロ凝固試薬による粘土のゼータ電位滴定によって決定した。
【0374】
実施例38.ACH-ヒュームドシリカによる粘土のゼータ電位滴定およびACH-SiO2/粘土比の測定
AEROSIL(登録商標)200のヒュームドシリカの15gの試料を、ビーカー中の277gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水と組み合わせた。この混合物を、ULTRA-TURRAX(登録商標)分散ツールを使用して、6000rpm~7000rpmで10分間分散させ、その後、7.86gのGEOアルミニウムクロロハイドレート(ACH)溶液を添加した。次いで、この混合物を7000rpmでさらに5分間分散させ、5重量%(シリカによる)ACH-AEROSIL(登録商標)200ヒュームドシリカ分散液を作製した。
【0375】
別途、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間撹拌し、5重量%のVolclay水性分散液のわずかに粘性のある混合物を得た。
【0376】
この5重量%HPM-20%水性分散液の60gの試料を、240gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水と組み合わせて、振とう後、1重量%HPM-20%の水性分散液を得た。コロイド分散液約280gを、軸方向の底部撹拌機を含有するコロイド動的ゼータプローブアナライザー(商標)の測定容器に移した。撹拌速度を上記のように設定した。ゼータプローブアナライザー(商標)マニュアルに従って、この希釈されたHPM-20/水分散液でゼータ電位測定を行い、粘土分散液の実際のコロイド含有量を決定した。5重量%HPM-20水性分散液の測定は、-43mVのゼータ電位測定をもたらす。最初のコロイド含有量の推定値は、このゼータ電位と一致するように調整する。この場合、分散液のHPM-20コロイド含有量は0.86%であると推定された。コロイド動的ゼータプローブ測定パラメータは、以下の通りであった:5読み取り、1読み取り/分、2.6g/ccの粒子密度、4.5の誘電率。
【0377】
次いで、粘土分散液中のACH-AEROSIL(登録商標)200ヒュームドシリカ分散液の体積滴定を行った。滴定設定は、0~1.2mLの滴定点当たり0.2mL、滴定点当たり0.5mL以降であり、平衡化遅延は30秒であったため、
図9に示すデータが得られた。この実施例では、滴定剤もコロイド種である。したがって、ゼータ電位を、前述の実施例11の方法を使用して調整し、
図9のプロットを得た。したがって、-20m、中性、および+20mVのゼータ電位を達成するために使用されるACH-AEROSIL(登録商標)200ヒュームドシリカ分散液中のAEROSIL(登録商標)200ヒュームドシリカの量が、表7に要約される。
【表9】
【0378】
実施例39.調製ACH-ヒュームドシリカ/粘土ヘテロ付加物(3.31mmol Al/g粘土)
AEROSIL(登録商標)200のヒュームドシリカ15gの試料を、ビーカー中の277gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水と組み合わせ、混合物をULTRA-TURRAX(登録商標)分散ツールを使用して、6000~7000rpmで10分間分散させた。次いで、GEOアルミニウムクロロハイドレート溶液7.86gの試料を添加し、続いて7000rpmでさらに5分間分散させた。
【0379】
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0380】
AEROSIL(登録商標)200分散液の57mLの試料を目盛り付き添加漏斗に充填し、HPM-20粘土分散液80gを別個の目盛り付きの追加漏斗に移した。Waring(登録商標)ブレンダー中の脱イオンMilli-Q(登録商標)水135gに、添加漏斗の内容物を撹拌しながら同時に滴下した。添加が完了したら、混合物を5~10分間高速でブレンドし、次いでFisherbrand(商標)P8定性グレードフィルター紙を通して真空濾過した。15~30分間濾過した後、濾液pHおよび導電率を測定した(Eutech PCSTestr 35)。残りの湿った固体を、50~100mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水に再懸濁した。
【0381】
濾液の導電率が100~300μS/cmに達するまで、濾過プロセス(脱イオンMilli-Q(登録商標)水中の湿った固体の懸濁液、真空濾過、濾液pH/導電率測定)を繰り返した。この場合、2つの追加の濾過を行った。残りの湿った固体を150~200mLの1-ブタノールに再懸濁し、45℃で回転蒸発させた。次いで、固体を乳棒およびモルタルで粉砕し、6.60gの薄灰色粉末を得た。この固体の3.1gの部分を磁器のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、1.45gの灰黒色粉末を得た。
【0382】
実施例40.HCl処理粘土(5.28mmol H+/g粘土)の調製
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0383】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の80gの試料を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。0.5MのHCl水溶液の42.2mLのアリコートを目盛り付きシリンダに測定し、次いで粘土分散液に一度にすべて添加した。次いで、混合物を高速で5分間ブレンドし、次いで、Fisher P8定性グレードフィルター紙を通して真空濾過した(粗多孔性)。濾過に2~3時間をかけた後、濾液を廃棄し、残りの湿った固体を80mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水中に再懸濁させた。得られた懸濁液のpHおよび導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、pH2.27および導電率1560μS/cmを得た。
【0384】
この懸濁液を2~3時間再び真空濾過した。再び濾液を廃棄し、残りの湿った固体を80mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水中に再懸濁した。得られた懸濁液のpHおよび導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、pH3.09および導電率217μS/cmを得た。残りの湿った固体を150~200mLの1-ブタノールに再懸濁し、45℃で回転蒸発させた。次いで、固体を乳棒およびモルタルで粉砕し、0.58gの薄灰色フレークを得た。この固体を粘土のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、0.45gの灰色粉末を得た。
【0385】
実施例41.HCl処理粘土(1.5mmol H+/g粘土)の調製
撹拌しながら、30gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、570gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0386】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の80gの試料を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。0.5MのHCl水溶液の12mLのアリコートを目盛り付きシリンダに測定し、次いで粘土分散液に一度にすべて添加し、撹拌を容易にするために脱イオンMilli-Q(登録商標)水30mLを添加した。次いで、この混合物を高速で5分間ブレンドし、次いで、Fisher P8定性グレードフィルター紙(粗多孔性)を通して真空濾過した。濾過に2~3時間をかけた後、濾液を廃棄し、残りの湿った固体を80mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水中に再懸濁させた。得られた懸濁液のpHおよび導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、pH2.56よび導電率4100μS/cmを得た。
【0387】
懸濁液を2~3時間再び真空濾過した。再び濾液を廃棄し、残りの湿った固体を80mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水中に再懸濁した。得られた懸濁液のpHおよび導電率を測定し(Eutech PCSTestr 35)、pH3.25および導電率213μS/cmを得た。残りの湿った固体を150~200mLの1-ブタノールに再懸濁し、45℃で回転蒸発させた。次いで、得られた固体を乳棒およびモルタルで粉砕し、1.73gの薄灰色フレークを得た。この固体を粘土のるつぼに移し、300℃で6時間焼成して、1.2gの灰色粉末を得た。
【0388】
実施例42.ヘテロ凝固粘土(1.52mmol Al/g粘土)のスラリー沈降試験
撹拌しながら、40gのHPM-20粘土を、1~2分間にわたって、760gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーにゆっくりと添加して、低速で撹拌して、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に含有しない灰色のコロイド分散液を得た。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土の5重量%の水性分散液のわずかな粘性混合物を得た。
【0389】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。次いで、GEOアルミニウムクロロハイドレート50重量%水溶液1.66gをバイアルにピペットで取り、一度に分散液に添加した。撹拌を容易にするために、さらに28mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を混合物に添加した。混合物を高速で5分間ブレンドし、続いてボトルに移した。ブレンダーをさらに70gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水で洗浄し、184gのスラリーを得た。
【0390】
スラリーを、250mLのKIMAX(登録商標)目盛り付きシリンダに、183mLのマークに達するまで添加し、スラリーを静止させずに放置した。経時的に、スラリーは沈降し、可視コロイド粒子を実質的に除去した層を形成した。この透明層の体積を定期的に記録し、95時間(時間)の沈降時間後、沈降体積と称される透明層の体積は15mLであった。
【0391】
実施例43.ACH柱状粘度(5.7mmol Al/g粘土)のスラリー沈降試験の比較例
HPM-20粘土の5重量%の水性分散液を、低速で撹拌しながら760gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を含有するWaring(登録商標)ブレンダーに1~2分間にわたって40gのHPM-20粘土をゆっくりと添加することによって調製し、目に見える塊またはクランプを含有しない、または実質的に見えない灰色のコロイド分散液を得る。添加が完了した後、分散液を高速で5~10分間ブレンドして、HPM-20粘土のわずかに粘性の5重量%の水性分散液を得た。
【0392】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。GEOアルミニウムクロロハイドレート50重量%水溶液の6.18g試料をバイアルにピペットで取り、一度に分散液に添加した。さらに13.8mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を混合物に加え、次いで高速で5分間ブレンドし、次いでボトルに移した。ブレンダーを、さらに30gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水で洗浄した。続いてMilli-Q(登録商標)脱イオン水の50g部分を混合物に添加して、194gのスラリーを得た。
【0393】
スラリーを、250mLのKIMAX(登録商標)目盛り付きシリンダに、183mLのマークに達するまで添加し、スラリーを静止させずに放置した。経時的に、スラリーは沈降し、可視コロイド粒子を実質的に除去した層を形成した。この透明層の体積を定期的に記録し、95時間(時間)の沈降時間後、沈降体積と称される透明層の体積は3mLであった。
【0394】
実施例44.ヘテロ凝固粘土(1.52mmol Al/g粘土)の濾液定量試験
HPM-20粘土の5重量%の水性分散液を、実施例42に記載されるように調製した。
【0395】
この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。次いで、GEOアルミニウムクロロハイドレート50重量%水溶液1.66gをバイアルにピペットで取り、一度に分散液に添加した。撹拌を容易にするために、さらに38mLの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を混合物に添加した。混合物を高速で5分間ブレンドし、続いてボトルに移した。続いて合計110gの脱イオンMilli-Q(登録商標)水を混合物に添加して、総質量250gのスラリーを得た。
【0396】
次いで、得られた混合物を、Welch 2034 DryFast(商標)ダイヤフラムポンプを使用して、550mLのBuchner漏斗内の11cmのFisher P8定性グレードフィルター紙を通して真空濾過した。10分間濾過した後、222gの濾液を得、24gの湿ったケーキが残った。得られた濾液を55℃で回転蒸発させ、固体残渣0.23gを得た。
【0397】
実施例45.ACH柱状粘度(5.7mmol Al/g粘土)の濾液定量試験の比較例
HPM-20粘土の5重量%の水性分散液を、実施例43に記載されるように調製した。この5重量%のHPM-20粘土水性分散液の100gの部分を、Waring(登録商標)ブレンダーに移した。GEOアルミニウムクロロハイドレート50重量%水溶液の6.18g試料をバイアルにピペットで取り、一度に分散液に添加した。さらに44gの脱イオン化Milli-Q(登録商標)水を混合物に加え、次いで高速で5分間ブレンドし、続いてボトルに移し、次いで100gのMilli-Q(登録商標)脱イオン化水を混合物に添加して、総質量250gのスラリーを得た。
【0398】
次いで、得られた混合物を、Welch 2034 DryFast(商標)ダイヤフラムポンプを使用して、550mLのBuchner漏斗内の11cmのFisher P8定性グレードフィルター紙を通して真空濾過した。20分間濾過した後、39gの濾液を得た。濾過されていない混合物を96時間沈降させ、その後、同じフィルター紙グレードを使用して真空濾過し、ポンプを適用し、これにより、40gの湿ったケーキが残っている追加の172gの濾液が得られた。得られた濾液を55℃で回転蒸発させ、固体残渣1.4gを得た。
【0399】
実施例46.7-フェニル-2-メチル-インデンの調製
窒素雰囲気下、トルエン(50mL)溶液中のフェニルボロン酸(3.05g、25.0mmol)、Pd
2(dba)
3(229mg、0.25mmo、dbaはジベンジリデンアセトンである)、およびK
3PO
4(15.9g、75.0mmol)の溶液に、P(t-Bu)
3(202mg、1.00mmol)および7-ブロモ-2-メチル-1H-インデン(5.23g、25.0mmol)を添加した。この反応混合物を110℃で約18時間激しく撹拌し、その後、混合物を周囲温度まで冷却し、溶液をシリカゲルに通し、ジクロロメタンで洗浄した。回転蒸発により濾液から揮発物を除去した後、得られた7-フェニル-2-メチル-1H-インデンの粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により精製し、無色の油(4.41g、86%)を得た。微量のジクロロメタンおよび水を含有するCDCl
3中の生成物のNMRスペクトルを
図13に示す。
【0400】
実施例47.アンサメタロセンリガンドジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェニルインデニル)の調製
N2雰囲気下で、n-BuLi(8.56mL、ヘキサン中で2.5M、21.4mmol)を乾燥トルエン60mLに添加し、次いで7-フェニル-2-メチル-1H-インデン(4.41g、21.4mmol)の溶液に撹拌しながら室温で添加した。室温で6時間撹拌した後、反応混合物を-35℃に冷却し、THF(5mL)中のジクロロジメチルシラン(1.29mL、10.7mmol)の溶液を添加した。この混合物を撹拌し、約18時間80℃に加熱した。得られた混合物を周囲温度に冷却し、溶液をシリカゲルに通し、ジクロロメタンで洗浄し、回転蒸発によって揮発物を濾液から取り出した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(200:1 v:vのヘキサン対Et2O比)によって精製し、黄色固体(2.65g、収率53%)を得た。
【0401】
実施例48.rac-ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドの合成
【化1】
先の実施例の黄色固体ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェニルインデニル)リガンドの一部(410mg、0.875mmol)をメチルtert-ブチルエーテル(2mL)中に溶解し、ジエチルエーテル(2mL)で希釈した。溶液を-35℃に冷却し、n-BuLiの一部(ヘキサン中、0.7mL、2.5M)を撹拌しながら滴下した。得られた赤色溶液を室温に温め、一晩撹拌し、再び-35℃に冷却した。次いで、冷たいリガンド溶液をヘキサン(10mL)中のZrCl
4(THF)
2(333mg、0.875mmol)のスラリーに添加し、これを-35℃に予め冷却した。得られたオレンジ色のスラリーを室温に温め、一晩撹拌した後、揮発性成分を真空下で除去し、残留固体をジクロロメタン(DCM)で抽出した。ジクロロメタン抽出物をシリンジフィルターに通した後、オレンジ色の結晶が形成されるまで溶液を濃縮した。ヘキサンを添加して、より多くの生成物を沈殿させた。結晶性固体を濾過により収集し、高真空下で乾燥させた(280mg、収率51%)。生成物をジクロロメタン(DCM)/ヘキサン(1/1、v:v)中で再結晶して、145mgの結晶を得、これをDCMからさらに1回再結晶して、実質的に異性体的に純粋なrac-ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド60mgを得た。微量のジクロロメタンを含有するCDCl
3中の再結晶化生成物の
1H NMRスペクトルを
図14に示す。
【0402】
実施例49.rac-ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、実施例17の焼成粘土ヘテロ付加物、およびトリアルキルアルミニウムによって触媒されたプロピレン重合
2mLのトルエン溶液中の実施例45の6.0μmolのrac-ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドに、1.3mLのトリ-n-オクチルアルミニウム(TnOA、1.2mmol)を添加した。得られた溶液を、実施例17に従って75mgの単一濾過、共沸、および焼成アルミニウムクロルハイドレート粘土ヘテロ付加物(1.76mmol Al/g粘土)と混合した。得られたスラリーを2分間振とうし、使用前に室温で数時間維持した。
【0403】
以下の手順に従って、プロピレン重合をベンチスケール2リットルの反応器内で行った。反応器を最初に窒素パージで少なくとも100℃まで予熱して残留水分および酸素を除去し、その後50℃まで冷却した。窒素下で、1リットル(L)の乾燥ヘプタンを反応器に導入した。反応器温度が約50℃のとき、2.0mLのトリ-n-オクチルアルミニウム(0.92M、ヘキサン中)、次いで上記で調製した触媒スラリーを反応器に添加した。反応器の圧力を、窒素を導入することにより、50℃で28.5psigに上昇させた。
【0404】
次いで、反応器温度を70℃に上げ、プロピレンを反応器に継続的に導入することにより、反応器の総圧力を90psigに上げて制御し、重合を1時間進行させた。この後、反応器を通気して圧力を0psigに減少させ、反応器温度を50℃に冷却した。反応器を開いて500mLのメタノールを反応器内容物に添加し、得られた混合物を5分間撹拌した後濾過してポリマー生成物を得た。得られたポリマーを80℃、6時間真空乾燥した。溶融流量(MFR)およびアイソタクティシティについてポリマーを評価し、触媒の活性も測定した。以下の表8は、本実施例のプロピレン重合結果をまとめたものである。
【表10】
【0405】
実施例50.rac-ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、実施例16の焼成粘土ヘテロ付加物、およびトリアルキルアルミニウムによって触媒されたプロピレン重合
実施例49の手順を、実施例16の噴霧乾燥および焼成された洗浄粘土ヘテロ付加物を使用して繰り返し、実施例49のように70℃ではなく80℃の温度で重合を行った。本実施例のプロピレン重合結果を表8にまとめる。
【0406】
実施例51.エチレンホモ重合触媒作用は、発明的かつ比較的支持体およびメタロセン触媒を含む。
前述の反応手順および条件を使用して、エチレンのホモ重合を、450psiおよび90℃で行った。結果が、表3Aに提供される。
【0407】
本明細書における本発明は、特定の態様または実施形態を参照して説明されてきたが、これらの態様および実施形態は、本発明の原理および用途の単なる例示であることを理解されたい。本開示によるこれらおよび他の説明は、以下に提示される様々な実施形態および態様をさらに含むことができる。
【0408】
追加の実施例
表9は、ヘテロ凝固粘土活性化剤支持体を調製するために選択されかつ使用され得る成分のいくつかの実際のかつ建設的な実施例、ならびに活性化剤支持体と併用されてオレフィン重合触媒を生成するために選択されかつ使用され得る追加の成分を示す。各成分リストに記載されている化合物または組成物のうちの任意の1つ以上は、任意の他の成分リストに設定されている任意の他の化合物または組成物とは独立して選択することができる。例えば、この表は、本明細書に開示されるように、成分1のうちの任意の1つ以上、成分2のうちの任意の1つ以上、任意選択で成分Aのうちの任意の1つ以上、および成分Bのうちの任意の1つ以上が、互いに独立して選択され得、かつ任意の順序で結合または接触され得、ヘテロ凝固粘土活性化剤支持体を得ることを開示する。本明細書に開示されるように、成分3(メタロセン)のうちの任意の1つ以上、任意選択で成分Cのうちの任意の1つ以上、および任意選択で成分Dのうちの任意の1つ以上を互いに独立して選択し、互いおよびヘテロ凝固粘土活性化剤支持体と任意の順序で結合または接触させて、オレフィン重合触媒を得ることができる。
【表11】
【表12】
【0409】
表9では、TEA(トリエチルアルミニウム)、TnOA(トリ-n-オクチルアルミニウム)、TiBA(トリイソブチルアルミニウム)、MAO(メチルアルミノキサン)、EAO(エチルアルミノキサン)などのような、当業者に理解されるであろう特定の略語が使用される。別段の定めがない限り、「ヒドロカルビル」または「Si含有ヒドロカルビル」基などの基は、例えば、メチル、n-プロピル、フェニル、トリメチルシリルメチル、ネオペンチルなどのように、1~約12個の炭素を有するとみなされ得る。表9では、各基または置換基は、置換基の任意の他の基から独立して選択される。したがって、各「R」置換基は、任意の他のR置換基から独立して選択され、各「Q」基は、任意の他のQ基から独立して選択されるなどである。
【0410】
また、表9に関して、共触媒成分は、任意の(任意の成分C)と称され、アルキル化剤、ヒドリド化剤などを含む。メタロセンは一般的にハロゲン化物置換されており、メチルまたは水素化物などの重合活性化/開始性リガンドを提供することができるため、重合触媒の形成において、記載のものなどの共触媒成分が典型的に使用される。
【0411】
本開示の態様
態様1.オレフィン重合のための触媒組成物であって、
a)少なくとも1つのメタロセン化合物と、
b)任意選択で、少なくとも1つの共触媒と、
c)焼成スメクタイトヘテロ付加物を含む少なくとも1つの支持活性剤であって、スメクタイトヘテロ付加物は、[1]コロイド状スメクタイト粘土と、[2]液体担体中に少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含み、かつゼータ電位を約正25mV(ミリボルト)~約負25mVの範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と、の接触生成物を含む、少なくとも1つの支持活性剤と、を含む、触媒組成物。
【0412】
態様2.重合条件下で少なくとも1つのオレフィンモノマーおよび触媒組成物を接触させて、ポリオレフィンを形成することを含む、オレフィンの重合プロセスであって、触媒組成物が、
a)少なくとも1つのメタロセン化合物と、
b)任意選択で、少なくとも1つの共触媒と、
c)焼成スメクタイトヘテロ付加物を含む少なくとも1つの支持活性剤であって、スメクタイトヘテロ付加物は、[1]コロイド状スメクタイト粘土と、[2]液体担体中に少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含み、かつゼータ電位を約正25mV(ミリボルト)~約負25mVの範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と、の接触生成物を含む、少なくとも1つの支持活性剤と、を含む、プロセス。
【0413】
態様3.オレフィン重合触媒の製造方法であって、方法が、任意の順序で、
a)少なくとも1つのメタロセン化合物と、
b)任意選択で、少なくとも1つの共触媒と、
c)焼成スメクタイトヘテロ付加物を含む少なくとも1つの支持活性剤であって、スメクタイトヘテロ付加物は、[1]コロイド状スメクタイト粘土と、[2]液体担体中に少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含み、かつゼータ電位を約正25mV(ミリボルト)~約負25mVの範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と、の接触生成物を含む、少なくとも1つの支持活性剤と、を接触させることを含む、方法。
【0414】
態様4.単離されたスメクタイトヘテロ付加物を含む支持体活性化剤であって、スメクタイトヘテロ付加物が、[1]コロイド状スメクタイト粘土、および[2]少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含み、かつゼータ電位を約正25mV(ミリボルト)~約負25mVの範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と、の液体担体中での接触生成物を含む、支持体活性化剤。
【0415】
態様5.支持体活性化剤の製造方法であって、方法が、
a)コロイド状スメクタイト粘土を提供することと、
b)コロイド状スメクタイト粘土を、少なくとも1つのカチオン性ポリメタレートを含み、かつゼータ電位を約正25mV(ミリボルト)~約負25mVの範囲に有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量のヘテロ凝固試薬と液体担体中で接触させることと、
c)スメクタイトヘテロ付加物をスラリーから単離することと、を含む、方法。
【0416】
態様6.液体担体が、
水;メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、もしくはn-ブタノールなどのアルコール;ジエチルエーテルもしくはジ-n-ブチルエーテルなどのエーテル;アセトンなどのケトン;酢酸メチルもしくは酢酸エチルなどのエステル;またはそれらの任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択され、
任意選択で、
硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩などのアニオン性界面活性剤、または他のアニオン性界面活性剤であって、これらの例として、ジアルキルスルホカルボン酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸エステル、脂肪酸アルカリ塩、ポリカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩が挙げられるが、これらに限定されないアニオン性界面活性剤であって、塩が、リチウム、ナトリウムもしくはカリウムなどのアルカリ金属、カルシウムもしくはマグネシウムなどのアルカリ土類金属、またはアンモニウムもしくはヒドロカルビルアンモニウムの塩から選択され得る、アニオン性界面活性剤、
一級、二級もしくは三級アミンもしくはアンモニウム化合物または四級アンモニウム化合物などのカチオン性界面活性剤であって、これらの例として、テトラブチルアンモニウムブロミド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクタデシルアンモニウムクロリド、トリメチルステアリルアンモニウムクロリド、またはセチルトリメチルアンモニウムブロミドが挙げられるが、これらに限定されない、カチオン性界面活性剤、
エトキシレート、グリコールエーテル、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、これらの組み合わせなどの非イオン性界面活性剤、または他の非イオン性界面活性剤であって、これらの例として、オクチルフェノールエトキシレート、ポリエチレングリコールtert-オクチルフェニルエーテル、エチレンジアミンテトラキス(エトキシレート-ブロック-プロポキシレート)テトロール、もしくはエチレンジアミンテトラキス(プロポキシレート-ブロック-エトキシレート)テトロールが挙げられるが、これらに限定されない、非イオン性界面活性剤、あるいは
同じ分子内にアニオン性界面活性剤部分およびカチオン性界面活性剤を含む両性界面活性剤、を含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、界面活性剤をさらに含む、態様1~5のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0417】
態様7.単離されたスメクタイトヘテロ付加物が、[1]水で洗浄されるか、[2]加熱、乾燥、および/もしくは焼成されるか、または[3]水で洗浄、加熱、乾燥、および/もしくは焼成される、態様4~5のいずれか一項に記載の支持体活性化剤または支持体活性化剤の製造方法。
【0418】
態様8.スメクタイトヘテロ付加物が、
a)濾過もしくは共沸プロセスによってスラリーから単離され、かつ/または
b)限外濾過、遠心分離、もしくは沈降タンクを使用せずに、スラリーから単離される、態様4~5のいずれか一項に記載の支持体活性化剤または支持体活性化剤の製造方法。
【0419】
態様9.スメクタイトヘテロ付加物が、スラリーから、限外濾過、遠心分離、または沈降タンクによって単離される、態様4~5のいずれか一項に記載の支持体活性化剤または支持体活性化剤の製造方法。
【0420】
態様10.単離されたスメクタイトヘテロ付加物が、空気中、不活性雰囲気中、または真空下で加熱することによってさらに乾燥または焼成される、態様4~5または7~9のいずれか一項に記載の支持体活性化剤または支持体活性化剤の製造方法。
【0421】
態様11.加熱が、少なくとも約100℃の温度まで行われる、態様10に記載の支持体活性化剤または支持体活性化剤の製造方法。
【0422】
態様12.スメクタイト粘土が、[1]天然もしくは合成の、かつ/または[2]2八面体スメクタイト粘土である、態様1~11のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0423】
態様13.
a)スメクタイト粘土が、コロイド性であり、かつ/または
b)スメクタイト粘土が、約10μm(ミクロン)未満、約5μm未満、約3μm未満、2μm未満、または1μm未満の平均粒径を有し、平均粒径が、約15nm超、約25nm超、約50nm超、または約75nm超である、態様1~12のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0424】
態様14.スメクタイト粘土が、モンモリロナイト、ソーコナイト、ノントロナイト、ヘクトライト、バイデライト、サポナイト、ベントナイト、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~13のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0425】
態様15.スメクタイト粘土が、以下の式:
(MAIV)8(MBVI)pO20(OH)4(式中、
a)MAIVが、4配位Si4+であり、Si4+が、Si4+ではない4配位カチオンによって任意選択で部分的に置換され、
b)MBVIが、6配位Al3+またはMg2+であり、Al3+またはMg2+が、Al3+またはMg2+ではない6配位カチオンによって任意選択で部分的に置換され、
c)pが、+3形式電荷を有するカチオンについて4であるか、またはpが、+2形式電荷を有するカチオンについて6であり、
d)MAIVでのSi4+ではないカチオンの部分置換によって生じる任意の電荷欠損、および/またはMBVIでのAl3+またはMg2+ではないカチオンの部分置換によって生じる任意の電荷欠損は、構造単位間にインターカレーションされたカチオンによってバランスがとられる)を特徴とする構造単位を含む、態様1~13などの前の態様のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0426】
態様16.
a)各出現において、Si4+ではないカチオンが、独立して、Al3+、Fe3+、P5+、B3+、Ge4+、Be2+、Sn4+などから選択され、
b)各出現において、Al3+またはMg2+でないカチオンが、独立して、Fe3+、Fe2+、Ni2+、Co2+、Li+、Zn2+、Mn2+、Ca2+、Be2+などから選択され、かつ/または
c)構造単位間にインターカレーションされたカチオンが、モノカチオン、ジカチオン、トリカチオン、他のマルチカチオン、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、態様15に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0427】
態様17.
a)各出現において、Si4+ではないカチオンが、独立して、Al3+またはFe3+から選択され、
b)各出現において、Al3+またはMg2+ではないカチオンは、独立して、Fe3+、Fe2+、Ni2+、またはCo2+から選択され、
c)構造単位間にインターカレーションされたカチオンが、モノカチオンから選択される、態様15に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0428】
態様18.スメクタイト粘土が、リチウム、ナトリウム、またはカリウムのうちの少なくとも1つとモノイオン交換される、態様1~17のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0429】
態様19.カチオン性ポリメタレートが、カチオン性オリゴマー種またはカチオン性ポリマーアルミニウム種を含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~18のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0430】
態様20.カチオン性ポリメタレートが、ポリアルミニウムクロライド、アルミニウムクロルハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、またはポリアルミニウムオキシヒドロキシクロライドを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~18のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0431】
態様21.ポリアルミニウムクロライド、アルミニウムクロルハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、またはポリアルミニウムオキシヒドロキシクロライド中のアルミニウム(Al)のミリモル(mmol)の、コロイド状スメクタイト粘土のグラム(g)に対する比が、約0.2mmol Al/g粘土~約2.5mmol Al/g粘土、約0.5mmol Al/g粘土~約2.2mmol Al/g粘土、約0.75mmol Al/g粘土~約2.0mmol Al/g粘土、または約1.0mmol Al/g粘土~約1.8mmol Al/g粘土の範囲にある、態様20に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0432】
態様22.ポリアルミニウムクロライド、アルミニウムクロルハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、またはポリアルミニウムオキシヒドロキシクロライド中のアルミニウム(Al)のミリモル(mmol)の、コロイド状スメクタイト粘土の単離または焼成されたスメクタイトヘテロ付加物のグラム(g)に対する比が、アルミニウムのミリモルの、同じコロイド状スメクタイト粘土およびヘテロ凝固試薬を使用した柱状粘土の調製に使用されたコロイド状の粘土のグラムに対する比較比率の約70%以下、約60%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、または約35%以下である、態様20に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0433】
態様23.カチオン性ポリメタレートが、2~30個のアルミニウム原子を含有する直鎖、環状、またはクラスターアルミニウム化合物を含む、態様1~18のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0434】
態様24.カチオン性ポリメタレートが、正20mV(ミリボルト)超のゼータ電位を有する化学処理された第1の金属酸化物のコロイド懸濁液を提供するのに十分な量で、第2の金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属オキシハロゲン化物、またはそれらの組み合わせで化学処理される第1の金属酸化物を含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~19のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0435】
態様25.第1の金属酸化物が、ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、ヒュームドシリカアルミナ、ヒュームドマグネシア、ヒュームド酸化亜鉛、ヒュームドチタニア、ヒュームドジルコニア、ヒュームドセリア、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様24に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0436】
態様26.
第1の金属酸化物が、SiO2またはAl2O3を含み、第2の金属酸化物、金属ハロゲン化物、または金属オキシハロゲン化物が、ZrOCl2、ZnO、NbOCl3、B(OH)3、AlCl3、またはそれらの組み合わせなどの金属酸化物、水酸化物、オキシハロゲン化物、またはハロゲン化物の水溶液または懸濁液から得られ、
第1の金属酸化物が、SiO2を含み、第2の金属酸化物、金属ハロゲン化物、または金属オキシハロゲン化物が、Al2O3、ZnO、AlCl3、またはそれらの組み合わせを含む、態様24に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0437】
態様27.カチオン性ポリメタレート組成物が、
ポリアルミニウムクロライド、アルミニウムクロルハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ポリアルミニウムオキシヒドロキシクロライド、またはそれらの任意の組み合わせで化学処理される、ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、ヒュームドシリカアルミナ、ヒュームドマグネシア、ヒュームド酸化亜鉛、ヒュームドチタニア、ヒュームドジルコニア、ヒュームドセリア、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~18のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0438】
態様28.
a)コロイド状スメクタイト粘土が、HPM-20 Volclayなどのコロイドモンモリロナイトを含み、
b)ヘテロ凝固試薬が、アルミニウムクロルハイドレート、ポリアルミニウムクロライド、またはアルミニウムセスキクロロハイドレートを含む、態様1~18のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0439】
態様29.カチオン性ポリメタレートが、ボヘミアン、ヒュームドシリカアルミナ、コロイドセリア、コロイドジルコニア、マグネタイト、フェリヒドライト、任意の正に荷電したコロイド金属酸化物、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~18のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0440】
態様30 カチオン性ポリメタレートが、アルミニウムクロルハイドレート処理ヒュームドシリカ、アルミニウムクロルハイドレート処理ヒュームドアルミナ、アルミニウムクロルハイドレート処理ヒュームドシリカアルミナ、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~18のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0441】
態様31.カチオン性ポリメタレートが、
Al2(OH)nClm(H2O)x
(式中、n+m=6であり、xが、0~約4の数である)を含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~18のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0442】
態様32.カチオン性ポリメタレートが、実験式0.5[Al2(OH)5Cl(H2O)2]または[AlO4(Al12(OH)24(H2O)20]7+(「Al13-mer」)ポリカチオンを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~18のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0443】
態様33.カチオン性ポリメタレートが、米国特許第5,059,568号に従って、アルミニウム、ジルコニウム、クロム、鉄、またはそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの追加の金属のカチオン性金属複合体と可溶性希土類塩を共重合させることによって調製されるオリゴマーを含むか、それからなるか、それから本質的になるか、またはそれから選択される、態様1~18のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0444】
態様34.少なくとも1つの希土類金属が、セリウム、ランタン、またはそれらの組み合わせから選択される、態様33に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0445】
態様35.カチオン性ポリメタレートが、以下の式:
[M(II)1-xM(III)x(OH)2]Ax/n●mL (I)
[LiAl2(OH)6]A1/n●mL (II)
(式中、
M(II)が、少なくとも1つの二価金属イオンであり、
M(III)が、少なくとも1つの三価金属イオンであり、
Aが、少なくとも1つの無機アニオンであり、
Lが、有機溶媒または水であり、
nが、無機アニオンAの原子価であり、または複数のアニオンAの場合には、それらの平均原子価であり、
xが、0.1~~1の数であり、
mが、0~10の数である)に従って、式Iもしくは式IIの複合体、または式Iもしくは式IIの複合体の任意の組み合わせを含むか、それからなるか、それから本質的になるか、またはそれから選択される、態様1~18のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0446】
態様36.
M(II)が、亜鉛、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、鉄、コバルト、ニッケル、カドミウム、マンガン、銅、またはマグネシウムを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択され、
M(III)が、鉄、クロム、マンガン、ビスマス、セリウム、またはアルミニウムを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択され、
【0447】
Aが、炭酸水素水素塩(重炭酸塩)、硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、塩化物、臭化物、フッ化物、水酸化物、または炭酸塩を含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択され、
【0448】
nが、1~3の数であり、
Lが、メタノール、エタノールもしくはイソプロパノール、または水を含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様35に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0449】
態様37.カチオン性ポリメタレートが、式Iの複合体から選択され、式中、M(II)が、マグネシウムであり、M(III)が、アルミニウムであり、Aが、炭酸塩である、態様35に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0450】
態様38.カチオン性ポリメタレートが、層状二重水酸化物または混合金属層状水酸化物を含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~18のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0451】
態様39.混合金属層状水酸化物が、正の層荷電を有するNi-Al、Mg-Al、またはZn-Cr-Al型から選択される、態様38に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0452】
態様40.層状二重水酸化物または混合金属層状水酸化物が、硝酸水酸化アルミニウムマグネシウム、硫酸水酸化アルミニウムマグネシウム、塩化水酸化アルミニウムマグネシウム、Mgx(Mg,Fe)3(Si,Al)4O10(OH)2(H2O)4(xが、0~1、例えば、フェロサポナイトについて約0.33の数である)、(Al,Mg)2Si4O10(OH)2(H2O)8、合成ヘマタイト、亜鉛華(塩基性炭酸亜鉛)Zn5(OH)6(CO3)2、ヒドロタルサイト[Mg6Al2(OH)16]CO3●4H2O、タコナイト[Ni6Al2(OH)6]CO3●4H2O、ヒドロカルマイト[Ca2Al(OH)6]OH●6H2O、マグアルドレート[Mg10Al5(OH)31](SO4)2●mH2O、ピロアウライト[Mg6Fe2(OH)16]CO3●4.5H2O、エトリンガイト[Ca6Al2(OH)12](SO4)3●26H2O、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様39に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0453】
態様41.カチオン性ポリメタレートが、実験式FeOx(OH)y(H2O)z]n+(式中、2x+yが、(<)3であり、zが、0~約4の数であり、nが、1~3の数である)を有する鉄ポリカチオンを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~18のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0454】
態様42.スメクタイトヘテロ付加物のスラリーが、スラリーの濃度が約1重量%以上もしくは約2.5重量%以上の固体である場合、またはスラリーの濃度が、約1重量%~約10重量%の固体、約2.5重量%~約10重量%の固体、もしくは約5重量%~約10重量%の固体である場合、約20,000μS/cm~約100μS/cm、約10,000μS/cm~約200μS/cm、または約1000μS/cm~約300μS/cmの範囲の導電率を特徴とする、態様1~41のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0455】
態様43.スラリーの濃度が約1重量%以上もしくは約2.5重量%以上の固体である場合、またはスラリーの濃度が、約1重量%~約10重量%の固体、約2.5重量%~約10重量%の固体、もしくは約5重量%~約10重量%の固体である場合、スメクタイトヘテロ付加物のスラリーが、10mS/cm未満、5mS/cm未満、もしくは1mS/cm未満の導電率を特徴とするか、またはスメクタイトヘテロ付加物のスラリーが、2mS/cm~10μS/cm、1mS/cm~50μS/cm、もしくは500μS/cm~100μS/cmの範囲の導電率を特徴とする、態様1~41のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0456】
態様44.スメクタイトヘテロ付加物が、以下の条件:
a)約110℃~約600℃の範囲の温度、および約1時間~約10時間の範囲の時間、
b)約150℃~約500℃の範囲の温度、および約1.5時間~約8時間の範囲の時間、または
c)約200℃~約450℃の範囲の温度、および約2時間~約7時間の範囲の時間、のいずれか1つを使用して焼成される、態様1~43のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0457】
態様45.スメクタイトヘテロ付加物が、200℃~750℃、225℃~700℃、250℃~650℃、225℃~600℃、250℃~500℃、225℃~450℃、または200℃~400℃の範囲の温度で空気中で焼成される、態様1~43のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0458】
態様46.スメクタイトヘテロ付加物が、空気もしくは一酸化炭素を含む雰囲気中、または窒素などの不活性雰囲気中で焼成される、態様1~45のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0459】
態様47.スメクタイトヘテロ付加物が、流動床中で空気または一酸化炭素中で焼成される、態様1~45のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0460】
態様48.スメクタイトヘテロ付加物が、100℃~900℃、200℃~800℃、250℃~600℃、または300℃~500℃の範囲の温度で、流動床中の一酸化炭素を含む空気の雰囲気中または雰囲気中で焼成される、態様1~43のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0461】
態様49.焼成スメクタイトヘテロ付加物が、250℃以上の温度で焼成される、態様1~43のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0462】
態様50.焼成スメクタイトヘテロ付加物が、300℃以上の温度で焼成される、態様1~43のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0463】
態様51.焼成スメクタイトヘテロ付加物が、350℃以上の温度で焼成される、態様1~43のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0464】
態様52.焼成スメクタイトヘテロ付加物が、0度2θ(2シータ)~13度2θの範囲の粉末X線回折(XRD)ピークを特徴とする順序付けられたドメインが存在しないか、または実質的に存在しない、態様1~51のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0465】
態様53.焼成スメクタイトヘテロ付加物が、以下の特徴:
a)粉末X線回折(XRD)において、約13Å(オングストローム)以上のd001の基底間隔を有する均一なインターカレーション構造の存在もしくは実質的な不存在、
b)粉末X線回折(XRD)において、約9Å(オングストローム)~約13Å(オングストローム)の範囲、もしくは代替的に、粉末X線回折(XRD)において、約10Å(オングストローム)~約13Å(オングストローム)の範囲のd001基底間隔を有する均一なインターカレーション構造の存在もしくは実質的な非存在、または
c)a)およびb)の組み合わせ、のいずれかを特徴とする、態様1~51のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0466】
態様54.焼成スメクタイトヘテロ付加物の試料が、約4度2θ(2シータ)~約5度2θの範囲の粉末X線回折(XRD)ピークを特徴とする非スメクタイトヘテロ付加物インターカレーション構造を特徴とし、非スメクタイトヘテロ付加物インターカレーション構造が、60重量%未満、50重量%未満、40重量%未満、30重量%未満、20重量%未満、10重量%未満、または5重量%未満の濃度で存在する、態様1~51のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0467】
態様55.焼成スメクタイトヘテロ付加物が、約0.2cc/g~約3.0cc/g、約0.3cc/g~約2.5cc/g、または約0.5cc/g~約1.8cc/gの範囲のBJH多孔性を示す、態様1~54のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0468】
態様56.焼成スメクタイトヘテロ付加物が、3~30nm(V3-30nm)の細孔の合計累積孔体積の55%未満、50%未満、45%未満、または40%未満である、直径3~10nm(V3-10nm)の細孔の合計累積孔体積を示す、態様1~55のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0469】
態様57.焼成スメクタイトヘテロ付加物が、30Å(オングストローム)~40Å(DVM(30-40))の範囲の局所最大値を有する対数微分孔体積分布(dV(logD)対孔径)を示す、態様1~56のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0470】
態様58.焼成スメクタイトヘテロ付加物が、30Å(オングストローム)~40Å(DVM(30-40))の範囲、または200Å(オングストローム)~500Å(DVM(200-500))の範囲の中で、最も高い値(DM、最も頻繁に出現する孔径を表す)を有する対数微分孔体積分布(dV(logD)対孔径)を特徴とする、態様1~57のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0471】
態様59.局所最大値DVM(30-40)が、全体的に最大である、態様58に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0472】
態様60.局所最大値DVM(30-40)が、200Å(オングストローム)~500Å(DVM(200-500))の局所最大値の210%未満、150%未満、120%未満、または100%未満である、態様58に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0473】
態様61.対数微分孔径分布(dV(logD)対孔径)が、30Å(オングストローム)~200ÅのdV(logD)のすべての値を超える、200Å(オングストローム)~500Å(DVM(200-500))の局所最大値を示す、態様58に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0474】
態様62.ヘテロ凝固試薬が、
a)Al2O3に基づいて計算された約1重量%~約60重量%、
b)Al2O3に基づいて計算された約5重量%~約50重量%、
b)Al2O3に基づいて計算された約10重量%~約45重量%、
c)Al2O3に基づいて計算された約15重量%~約35重量%、の範囲のアルミニウム濃度を含む、態様1~61のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0475】
態様63.[1]コロイド状スメクタイト粘土および[2]ヘテロ凝固試薬が、
a)約正(+)22mV(ミリボルト)~約負(-)22mV、
b)約正(+)20mV(ミリボルト)~約負(-)20mV、
c)約正(+)18mV(ミリボルト)~約負(-)18mV、
d)約正(+)15mV(ミリボルト)~約負(-)15mV、
e)約正(+)12mV(ミリボルト)~約負(-)12mV、
f)約正(+)10mV(ミリボルト)~約負(-)10mV、
g)約正(+)8mV(ミリボルト)~約負(-)8mV、または
h)約正(+)5mV(ミリボルト)~約負(-)5mV、の範囲のゼータ電位を有するスメクタイトヘテロ付加物のスラリーを提供するのに十分な量で接触する、態様1~62のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0476】
態様64.[1]コロイド状スメクタイト粘土および[2]ヘテロ凝固試薬が、25℃±5℃にて1時間未満、45分未満、30分未満、20分未満、15分未満、または10分未満の時間、接触される、態様1~63のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0477】
態様65.[1]コロイド状スメクタイト粘土および[2]ヘテロ凝固試薬を接触させた後、スメクタイトヘテロ付加物を、限外濾過、遠心分離、または沈降タンクを使用せずに濾過することによって、スラリーから単離される、態様1~64のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0478】
態様66.スメクタイトヘテロ付加物が、非晶質である、態様1~65のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0479】
態様67.触媒組成物または支持体活性化剤が、イオン交換粘土、プロトン酸処理粘土、柱状粘土、アルミノキサン、ホウ酸共活性化剤、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、態様1~66のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0480】
態様68.触媒組成物または支持体活性化剤が、イオン交換粘土、プロトン酸処理粘土、柱状粘土、アルミノキサン、ホウ酸共活性化剤、またはそれらの任意の組み合わせを実質的に含まない、態様1~66のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。
【0481】
態様69.スメクタイトヘテロ付加物が、続いて乾燥および/または焼成される、態様5~68のいずれか一項に記載の支持体活性化剤の製造方法。
【0482】
態様70.スメクタイトヘテロ付加物が、その後、加熱、共沸乾燥、凍結乾燥、フラッシュ乾燥、流動床乾燥、噴霧乾燥、またはそれらの任意の組み合わせによって乾燥される、態様5~69のいずれか一項に記載の支持体活性化剤の製造方法。
【0483】
態様71.スメクタイトヘテロ付加物を単離した後、スメクタイトヘテロ付加物が、湿式製粉または乾式製粉される、態様5~70のいずれか一項に記載の支持体活性化剤の製造方法。
【0484】
態様72.単離されたスメクタイトヘテロ付加物が一定の重量に乾燥されて、乾燥スメクタイトヘテロ付加物が得られる、態様5~71のいずれか一項に記載の支持体活性化剤の製造方法。
【0485】
態様73.スメクタイトヘテロ付加物が、約110℃~約900℃の範囲の温度で、約1時間~約12時間の範囲の期間焼成される、態様5~71のいずれか一項に記載の支持体活性化剤の製造方法。
【0486】
態様74.スメクタイトヘテロ付加物が、少なくとも約1,500gのポリマー/gの支持体活性化剤の触媒生産性、または約1,500gのポリマー/gの支持体活性化剤~約30,000gのポリマー/gの支持体活性化剤の範囲の触媒生産性を達成するのに十分な時間および温度で焼成される、態様5~71のいずれか一項に記載の支持体活性化剤の製造方法。
【0487】
態様75.[1]乾燥または焼成スメクタイトヘテロ付加物を、真空、続いて窒素またはアルゴンなどの不活性雰囲気に曝露し、任意選択で真空および不活性ガスサイクルを1回以上繰り返すことと、[2]空気または一酸化炭素の流動ガス中でスメクタイトヘテロ付加物を焼成し、流動ガスを窒素またはアルゴンなどの不活性ガスに変更することと、によって乾燥または焼成スメクタイトヘテロ付加物から捕捉された空気を除去する工程をさらに含む、態様5~71のいずれか一項に記載の支持体活性化剤の製造方法。
【0488】
態様76.スラリー中のスメクタイトヘテロ付加物固体の濃度が、少なくとも約5重量%である、態様5~75のいずれか一項に記載の支持体活性化剤の製造方法。
【0489】
態様77.スラリー中のスメクタイトヘテロ付加物固体の濃度が、最大約30重量%、最大約25重量%、最大約20重量%、最大約15重量%、最大約10重量%、最大約5重量%であるか、またはスラリー中のスメクタイトヘテロ付加物固体の濃度が、約2重量%~約30重量%、約3重量%~約20重量%、もしくは約5重量%~約15重量%の範囲にある、態様5~76のいずれか一項に記載の支持体活性化剤の製造方法。
【0490】
態様78.接触工程が、イオン交換粘土、プロトン酸処理粘土、アルミノキサン、ホウ酸共活性化剤、またはそれらの任意の組み合わせの実質的不存在下で実施される、態様5~77のいずれか一項に記載の支持体活性化剤の製造方法。
【0491】
態様79.接触工程が、約20℃~約100℃の温度範囲内で実施される、態様5~78のいずれか一項に記載の支持体活性化剤の製造方法。
【0492】
態様80.スメクタイトヘテロ付加物のスラリーが、以下の濾過挙動:
[a]水中の2.0重量%のヘテロ付加物濃度を有する、ヘテロ付加物スラリーを、接触工程b)の0時間~2時間後の時間内で濾過すると、スメクタイトヘテロ付加物のスラリー中の液体担体の重量に基づいて、真空濾過または重力濾過のいずれかを使用して10分間の濾過時間で得られた濾液の割合は、(1)濾過前のスラリー中の液体担体の約50重量%~約100重量%、(2)濾過前のスラリー中の液体担体の約60重量%~約100重量%、(3)濾過前のスラリー中の液体担体の約70重量%~約100重量%、または(4)濾過前のスラリー中の液体担体の約80重量%~約100重量%の範囲内にあることと、
[b]ヘテロ付加物スラリーからの濾液が、蒸発すると、粘土およびヘテロ凝固剤の初期合計重量の20%未満、15%未満、または10%未満を含む固体を得ることと、を特徴とする、態様4~79のいずれか一項に記載の支持体活性化剤または支持体活性化剤の製造方法。
【0493】
態様81.スメクタイトヘテロ付加物のスラリーが、以下の濾過挙動:
[a]水中で2.0重量%のヘテロ付加物濃度を有するヘテロ付加物スラリーを、接触工程b)後0時間~2時間の時間内に濾過して第1の濾液を提供する場合、第2の濾液の、第1の濾液に対する重量比が、0.25未満、0.20未満、0.10未満、0.15未満、0.10未満、0.5未満または約0.0であり、第2の濾液が、コロイド状亜鉛粘土、ヘテロ凝固試薬、および液体担体を使用して調製された柱状粘土の2.0重量%のスラリーの濾過から得られ、第1の濾液の重量および第2の濾液の重量が、5分、10分または15分の同一の濾過時間後に測定されることと、
[b]ヘテロ付加物スラリーからの濾液が、蒸発すると、粘土およびヘテロ凝固剤の初期合計重量の20%未満、15%未満、または10%未満を含む固体を得ることと、を特徴とする、態様4~79のいずれか一項に記載の支持体活性化剤または支持体活性化剤の製造方法。
【0494】
態様82.スメクタイトヘテロ付加物のスラリーが、コロイド状スメクタイト粘土、ヘテロ凝固試薬、および液体担体を使用して調製された水性柱状粘土スラリーの2.5重量%の沈降速度より3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍大きい水性ヘテロ付加物スラリーの2.5重量%組成物の沈降速度を特徴とし、沈降速度が、沈降試験開始から約12時間、約18時間、約24時間、約30時間、約36時間、約48時間、約72時間、約95時間、約96時間、または約100時間以上で比較される、態様4~79のいずれか一項に記載の支持体活性化剤または支持体活性化剤の製造方法。
【0495】
態様83.メタロセン化合物が、イオン交換粘土、プロトン酸処理粘土、柱状粘土、アルミノキサン、ホウ酸共活性化剤、またはそれらの任意の組み合わせによって活性化されるときに、オレフィン重合活性を有する少なくとも1つのメタロセン化合物から選択される、態様1~3および6~68のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0496】
態様84.メタロセン化合物が、非架橋(非アンサ)メタロセン化合物または架橋(アンサ)メタロセン化合物を含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~3、6~68、および83のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0497】
態様85.メタロセン化合物が、それぞれ独立して、式:
(X1)(X2)(X3)(X4)M(式中、
a)Mが、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムから選択され、
b)X1が、置換または非置換シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、ペンタジエニル、アリル、ボラタベンゼニル、1,2-アザボロリル、または1,2-ジアザ-3,5-ジボロリルから選択され、任意の置換基が、ハロゲン化物、C1-C20ヒドロカルビル、C1-C20ヘテロヒドロカルビル、C1-C20オルガノヘテリル、縮合C4-C12炭素環式部分、または窒素、酸素、硫黄、もしくはリンから独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する縮合C4-C11複素環式部分から独立して選択され、
c)X2が、[1]置換または非置換シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、ペンタジエニル、またはアリルから選択され、任意の置換基が、ハロゲン化物、C1-C20ヒドロカルビル、C1-C20ヘテロヒドロカルビル、またはC1-C20オルガノヘテリルから選択されるか、あるいは[2]ハロゲン化物、水素化物、C1-C20ヒドロカルビル、C1-C20ヘテロヒドロカルビル、C1-C20オルガノヘテリル、縮合C4-C12炭素環式部分、または窒素、酸素、硫黄、もしくはリンから独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する縮合C4-C11複素環式部分、から選択され、
d)X1およびX2が、任意選択で、C、Si、N、P、またはBから独立して選択される2~4個の架橋原子を有する少なくとも1つのリンカー置換基によって架橋され、各架橋原子の各利用可能な非架橋価が、非置換(Hに結合)または置換され、任意の置換基が、ハロゲン化物、C1-C20ヒドロカルビル、C1-C20ヘテロヒドロカルビル、またはC1-C20オルガノヘテリルから独立して選択され、任意のヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、またはオルガノヘテリル置換基が、架橋原子と、またはX1もしくはX2と、飽和または不飽和環状構造を形成することができ、
e)[1]X3およびX4が、ハロゲン化物、水素化物、C1-C20ヒドロカルビル、C1-C20ヘテロヒドロカルビル、またはC1-C20オルガノヘテリルから独立して選択され、[2][GXA
kXB
4-k]-(式中、Gが、BまたはAlであり、kが、1~4の数値であり、各出現におけるXAが、Hまたはハロゲン化物から独立して選択され、各出現におけるXBが、C1-C12ヒドロカルビル、C1-C12ヘテロヒドロカルビル、C1-C12オルガノヘテリルから独立して選択される)であり、[3]X3およびX4が、一緒にC4-C20ポリエンであるか、あるいは[4]X3およびX4がMと一緒に非置換または非置換、飽和または不飽和C3-C6メタラサイクル部分を形成し、メタラサイクル部分上の任意の置換基が、ハロゲン化物、C1-C20ヒドロカルビル、C1-C20ヘテロヒドロカルビル、またはC1-C20オルガノヘテリルから独立して選択される)を有する、化合物または化合物の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~3、6~68、および83のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0498】
態様86.X1およびX2が、
a)>EX5
2、-EX5
2EX5
2-、-EX5
2EX5EX5
2-、もしくは>C=CX5
2(式中、各出現におけるEが、CまたはSiから独立して選択される)、
b)-BX5-、-NX5-、もしくは-PX5、または
c)[-SiX5
2(1,2-C6H4)SiX5
2-]、[-CX5
2(1,2-C6H4)CX5
2-]、[-SiX5
2(1,2-C6H4)CX5
2-]、
[-SiX5
2(1,2-C2H2)SiX5
2-]、[-CX5
2(1,2-C6H4)CX5
2-]、もしくは[-SiX5
2(1,2-C6H4)CX5
2-]
(式中、各出現におけるX5が、H、ハロゲン化物、C1-C20ヒドロカルビル、C1-C20ヘテロヒドロカルビル、またはC1-C20オルガノヘテリルから独立して選択され、
ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、またはオルガノヘテリル置換基から選択される任意のX5置換基が、架橋原子、別のX5置換基、X1、またはX2と、飽和または不飽和環状構造を形成することができる)から選択されるリンカー置換基によって架橋される、態様85に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0499】
態様87.X1およびX2が、C1-C20ヒドロカルビレン基、C1-C20ヒドロカルビリデン基、C1-C20ヘテロヒドロカルビル基、C1-C20ヘテロヒドロカルビリデン基、C1-C20ヘテロヒドロカルビレン基、またはC1-C20ヘテロヒドロカルビレン基から選択されるリンカー置換基によって架橋される、態様85に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0500】
態様88.X1およびX2が、式>EX5
2、-EX5
2EX5
2-、または-BX5-(式中、Eが独立して、CまたはSiであり、各出現におけるX5が、ハロゲン化物、C1-C20脂肪族基、C6-C20芳香族基、C1-C20ヘテロ脂肪族基、C4-C20ヘテロ芳香族基、またはC1-C20オルガノヘテリル基から独立して選択される)を有する少なくとも1つの置換基によって架橋される、態様85に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0501】
態様89.各出現におけるX5が、ハロゲン化物、C1-C18もしくはC1-C12アルキル基、C2-C18もしくはC2-C12アルケニル基、C6-C18もしくはC6-C12芳香族基、C4-C18もしくはC4-C12ヘテロ芳香族基、C1-C18もしくはC1-C12ヘテロヒドロカルビル基、C1-C21もしくはC1-C15オルガノシリル基、C1-C18もしくはC1-C12ハロゲン化アルキル(ハロアルキル)基、C1-C18もしくはC1-C12有機リン基、またはC1-C18もしくはC1-C12有機窒素基から独立して選択される、態様86~88のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0502】
態様90.X1およびX2が、シリレン、メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジイソプロピルシリレン、ジブチルシリレン、メチルブチルシリレン、メチルt-ブチルシリレン、ジシクロヘキシルシリレン、メチルシクロヘキシルシリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジトリルシリレン、メチルナフチルシリレン、ジナフチルシリレン、シクロジメチレンシリレン、シクロトリメチレンシリレン、シクロテトラメチレンシリレン、シクロペンタメチレンシリレン、シクロヘキシメチレンシリレン、またはシクロヘプタメチレンから選択されるリンカー置換基によって架橋される、態様85に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0503】
態様91.X1が、置換もしくは非置換シクロペンタジエニル、インデニル、またはフルオレニルから選択され、任意の置換基が、独立して、ハロゲン化物、C1-C20脂肪族基、C6-C20芳香族基、C1-C20ヘテロ脂肪族基、C4-C20ヘテロ芳香族基、またはC1-C20オルガノヘテリル基から選択される、態様85~90のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0504】
態様92.X1が、置換もしくは非置換シクロペンタジエニル、インデニル、またはフルオレニルから選択され、任意の置換基が、独立して、ハロゲン化物、C1-C18もしくはC1-C12アルキル基、C2-C18もしくはC2-C12アルケニル基、C6-C18もしくはC6-C12芳香族基、C4-C18もしくはC4-C12ヘテロ芳香族基、C1-C21もしくはC1-C15オルガノシリル基、C1-C18もしくはC1-C12ハロゲン化アルキル(ハロアルキル)基、C1-C18もしくはC1-C12有機リン基、またはC1-C18もしくはC1-C12有機窒素基から独立して選択される、態様85~90のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0505】
態様93.X1、X2、またはX1およびX2の両方が、置換もしくは非置換シクロペンタジエニル、インデニル、またはフルオレニルから独立して選択され、任意の置換基が、
a)式-SiH3、-SiH2R、-SiHR2、-SiR3、-SiR2(OR)、-SiR(OR)2、もしくは-Si(OR)3を有するシリコン基、
b)式-PHR、-PR2、-P(O)R2、-P(OR)2、-P(O)(OR)2、
-P(NR2)2、もしくは-P(O)(NR2)2を有するリン基、
c)式-BH2、-BHR、-BR2、-BR(OR)、もしくは-B(OR)2を有するホウ素基、
d)式-GeH3、-GeH2R、-GeHR2、-GeR3、-GeR2(OR)、-GeR(OR)2、もしくは-Ge(OR)3を有するゲルマニウム基、または
e)それらの任意の組み合わせ
(式中、各出現におけるRが、C1-C20ヒドロカルビル基から独立して選択される)から独立して選択される、態様85~90のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0506】
態様94.X1、X2、またはX1およびX2が、ピロール、フラン、チオフェン、リン、イミダゾール、イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、オキサゾール、オキサゾリン、イソオキサゾール、イソオキサゾリン、チアゾール、チアゾリン、イソチオゾリン、またはそれらの部分的飽和類似体から選択される縮合炭素環式または複素環式部分で置換される、態様85~90のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0507】
態様95.X2が、[1]置換もしくは非置換シクロペンタジエニル、インデニル、またはフルオレニルであって、任意の置換基が、ハロゲン化物、C1-C20脂肪族基、C6-C20芳香族基、C1-C20ヘテロ脂肪族基、C4-C20ヘテロ芳香族基、もしくはC1-C20オルガノヘテリル基から独立して選択される、置換もしくは非置換シクロペンタジエニル、インデニル、またはフルオレニル、あるいは[2]ハロゲン化物、C1-C20脂肪族基、C6-C20芳香族基、C1-C20ヘテロ脂肪族基、C4-C20ヘテロ芳香族基、またはC1-C20オルガノヘテリル基、から選択される、態様85~92のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0508】
態様96.X2が、[1]置換もしくは非置換シクロペンタジエニル、インデニル、またはフルオレニルであって、任意の置換基が、ハロゲン化物、C1-C18もしくはC1-C12アルキル基、C2-C18もしくはC2-C12アルケニル基、C6-C18もしくはC6-C12芳香族基、C4-C18もしくはC4-C12ヘテロ芳香族基、C1-C21もしくはC1-C15オルガノシリル基、C1-C18もしくはC1-C12ハロゲン化アルキル(ハロアルキル)基、C1-C18もしくはC1-C12有機リン基、またはC1-C18もしくはC1-C12有機窒素基から独立して選択される、置換もしくは非置換シクロペンタジエニル、インデニル、またはフルオレニル、あるいは[2]ハロゲン化物、C1-C18もしくはC1-C12アルキル基、C2-C18もしくはC2-C12アルケニル基、C6-C18もしくはC6-C12芳香族基、C4-C18もしくはC4-C12ヘテロ芳香族基、C1-C21もしくはC1-C15オルガノシリル基、C1-C18もしくはC1-C12ハロゲン化アルキル(ハロアルキル)基、C1-C18もしくはC1-C12有機リン基、またはC1-C18もしくはC1-C12有機窒素基、から選択される、態様85~92のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0509】
態様97.X1、X2またはX1とX2との間の結鎖置換基のうちの少なくとも1つが、式-(CH2)nCH=CH2(式中、nが1~10である)を有するC3-C12オレフィン基で置換される、態様85~96のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0510】
態様98.[1]X3およびX4が、ハロゲン化物、水素化物、C1-C20脂肪族基、C6-C20芳香族基、C1-C20ヘテロ脂肪族基、C4-C20ヘテロ芳香族基、もしくはC1-C20オルガノヘテリル基から独立して選択され、[2]X3およびX4が、ともに、4~20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換1,3-ブタジエンであるか、または[3]X3およびX4が、Mとともに、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和C4-C5メタラサイクル部分を形成し、メタラサイクル部分上の任意の置換基が、ハロゲン化物、C1-C20脂肪族基、C6-C20芳香族基、C1-C20ヘテロ脂肪族基、C4-C20ヘテロ芳香族基、もしくはC1-C20オルガノヘテリル基から独立して選択される、態様85~97のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0511】
態様99.[1]X3およびX4が、ハロゲン化物、水素化物、C1-C18もしくはC1-C12アルキル基、C2-C18もしくはC2-C12アルケニル基、C6-C18もしくはC6-C12芳香族基、C4-C18もしくはC4-C12ヘテロ芳香族基、C1-C21もしくはC1-C15オルガノシリル基、C1-C18もしくはC1-C12ハロゲン化アルキル(ハロアルキル)基、C1-C18もしくはC1-C12有機リン基、またはC1-C18もしくはC1-C12有機窒素基から独立して選択されるか、[2]X3およびX4が、ともに、4~18個の炭素原子を有する置換もしくは非置換1,3-ブタジエンであるか、あるいは[3]X3およびX4が、Mとともに、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和C4-C5メタラサイクル部分を形成し、メタラサイクル部分上の任意の置換基が、ハロゲン化物、C1-C18もしくはC1-C12アルキル基、C2-C18もしくはC2-C12アルケニル基、C6-C18もしくはC6-C12芳香族基、C4-C18もしくはC4-C12ヘテロ芳香族基、C1-C21もしくはC1-C15オルガノシリル基、C1-C18もしくはC1-C12ハロゲン化アルキル(ハロアルキル)基、C1-C18もしくはC1-C12有機リン基、またはC1-C18もしくはC1-C12有機窒素基から独立して選択される、態様85~97のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0512】
態様100.X3およびX4が、[1]ハロゲン化物、水素化物、ホウ化水素、アルミニウム水素化物、または[2]置換もしくは非置換のC1-C18脂肪族基、C1-C12アルコキシド基、C6-C10アリールオキシド基、C1-C12アルキルスルフィド基、C6-C10アリールスルフィド基であって、任意の置換基が、ハロゲン化物、C1-C10アルキルもしくはC6-C10アリールから独立して選択される、置換もしくは非置換のC1-C18脂肪族基、C1-C12アルコキシド基、C6-C10アリールオキシド基、C1-C12アルキルスルフィド基、C6-C10アリールスルフィド基、あるいは[3]アミド基もしくはリン酸基であって、任意の置換基が、C1-C10アルキルもしくはC6-C10アリールから独立して選択される、アミド基もしくはリン酸基、から独立して選択される、態様85~97のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0513】
態様101.メタロセン化合物が、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス-(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-ブチル-3-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,3-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,4-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス-(1,2,3,4-テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス-(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2-ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3-ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(フェニルプロピルシクロペンタッドイエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)-ジルコニウムジクロリド、ビス(4-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(5-メチル-1-インデニル)ジルコニウム)ジルコニウムジクロリド、ビス(6-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(7-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(5-メトキシ-1-インデニル)-ジルコニウムジクロリド、ビス(2,3-ジメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(4,7-ジメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(4,7-ジメトキシ-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、(インデニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチルゲルミルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチルスタニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)-(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(トリエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(テトラエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(ペンタエチルシクロペンタジエニル)-ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)-ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(4-メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(メチルシクロペンタジエニル)-(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(メチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(メチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(メチルシクロペンタジエニル)(4-メトキシフルオレニル)-ジルコニウムジクロリド、(ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)-ジルコニウムジクロリド、(ジメチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(ジメチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(ジメチルシクロペンタジエニル)(4-メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(エチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(エチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(エチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(エチルシクロペンタジエニル)(4-メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(ジエチルシクロペンタジエニル)-(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(ジエチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(ジエチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(ジエチルシクロペンタジエニル)(4-メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~3、6~68、または83のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0514】
態様102.触媒組成物が、共触媒をさらに含む、態様1~3、6~68、または83~101のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0515】
態様103.接触工程が、メタロセン化合物および支持体活性化剤を、任意の順序で、共触媒と接触させることをさらに含む、態様1~3、6~68、または83~102のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0516】
態様104.共触媒が、アルキル化剤、ヒドリド化剤、またはシリル化剤を含む、態様1~3、6~68、または83~103のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0517】
態様105.共触媒が、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物、有機亜鉛化合物、有機マグネシウム化合物、有機リチウム化合物、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~3、6~68、または83~104のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0518】
態様106.共触媒が、有機アルミニウム化合物、または有機アルミニウム化合物の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択され、それぞれ独立して、式:
Al(XA)n(XB)mまたはMx[AlXA
4](式中、
a)n+m=3であって、nおよびmが、整数に限定されない、n+m=3であり、
b)XAが、[1]水素化物、C1-C20ヒドロカルビル、もしくはC1-C20ヘテロヒドロカルビル、[2]水素化物、C1-C20脂肪族基、C6-C20芳香族基、C1-C20ヘテロ脂肪族基、もしくはC4-C20ヘテロ芳香族基から独立して選択され、または[3]2つのXAが、ともに、C4-C5ヒドロカルビレン基を含み、残りのXAが、水素化物、C1-C20ヒドロカルビル、もしくはC1-C20ヘテロヒドロカルビルから独立して選択され、
c)XBが、[1]ハロゲン化物もしくはC1-C20オルガノヘテリル、または[2]ハロゲン化物、C1-C12アルコキシド基、もしくはC6-C10アリールオキシド基から独立して選択され、
d)Mxが、Li、Na、またはKから選択される)を有する、態様1~3、6~68、または83~104のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0519】
態様107.共触媒が、有機アルミニウム化合物、または有機アルミニウム化合物の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択され、それぞれ独立して、式:
Al(XC)n(XD)3-nまたはMx[AlXC
4](式中、
a)nが、1~3の数であり、これを含み、
b)XCが、水素化物またはC1-C20ヒドロカルビルから独立して選択され、
c)XDが、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、臭素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、硫酸ヒドロカルビル、亜硫酸ヒドロカルビル、スルファミン酸塩、硫化ヒドロカルビル、炭化水素酸塩、炭酸水素塩(炭酸水素塩)、カルバミン酸塩、亜硝酸塩、亜硝酸水素塩、炭酸水素塩、炭酸水素塩、リン酸ジヒドロカルビル、セレン酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、リン酸塩、セレン酸塩、セレン化物、硫化物、酸化物、スルファミン酸塩、アジ化物、アルコキシド、アミド、アミド、炭化水素アミド、ジヒドロカルビルアミド、ジヒドロカルビルアミド、RA[CON(R)]q(式中、各出現におけるRAが、独立して、Hまたは置換もしくは非置換C1-C20ヒドロカルビル基であり、qが、1~4の数であり、これを含む)、ならびにRB[CO2]r(式中、各出現におけるRBが、独立して、Hまたは置換もしくは非置換C1-C20ヒドロカルビル基であり、rが、1~3の数であり、これを含む)を独立して選択される形式的アニオン種であり、
d)Mxが、Li、Na、またはKから選択される)を有する、態様102または103のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0520】
態様108.共触媒が、[1]トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、エチル-(3-アルキルシクロペンタジイル)アルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)、ジエチルアルミニウムクロリドもしくはそれらの任意の組み合わせ、または[2]エチル-(3-アルキルシクロペンタジル)アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)、トリオクチルアルミニウム、もしくはそれらの任意の組み合わせもしくは混合物、または[3]任意の1つ以上の共触媒[1]および任意の1つ以上の共触媒[2]の混合物の任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~3、6~68、または83~104のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0521】
態様109.共触媒および共活性化剤が、有機ホウ素化合物、または有機ホウ素化合物の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択され、それぞれ独立して、式:
B(XE)q(XF)3-q、B(XE)3またはMy[BXE
4](式中、
a)qが、1~3の数であり、これを含み、
b)XEが、[1]水素化物、C1-C20ヒドロカルビル、もしくはC1-C20ヘテロヒドロカルビル、[2]水素化物、C1-C20脂肪族基、C6-C20芳香族基、C1-C20ヘテロ脂肪族基、もしくはC4-C20ヘテロ芳香族基、[3]フッ素化C1-C20ヒドロカルビル、もしくはフッ素化C1-C20ヘテロヒドロカルビル、または[4]フッ素化C1-C20脂肪族基、フッ素化C6-C20芳香族基、フッ素化C1-C20ヘテロ脂肪族基、もしくはフッ素化C4-C20ヘテロ芳香族基から独立して選択され、
c)XFが、[1]ハロゲン化物もしくはC1-C20オルガノヘテリル、または[2]ハロゲン化物、C1-C12アルコキシド基、もしくはC6-C10アリールオキシド基から独立して選択され、
d)Myが、Li、Na、またはKから選択される)を有する、態様1~3、6~68、または83~104のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0522】
態様110.共触媒または共活性化剤が、[1]トリメチルボロン、トリエチルボロン、トリプロピルボロン、トリブチルボロン、トリヘキシルボロン、トリオクチルボロン、ジエチルボロンエトキシド、ジイソブチルボロンハイドライド、トリイソブチルボロン、ジエチルボロンクロリド、ジ-3-ピナニルボラン、ピナコルボラン、カテコールボラン、リチウムボロハイドライド、リチウムトリエチルボロハイドライド、そのルイス塩基付加物、またはそれらの組み合わせもしくは混合物、あるいは[2]トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)-フェニル]ボレート、およびそれらの組み合わせもしくは混合物を含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~3、6~68、または83~104のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0523】
態様111.共触媒が、有機亜鉛もしくは有機マグネシウム化合物、または有機亜鉛および/もしくは有機マグネシウム化合物の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択され、それぞれ独立して、式:
MC(XG)r(XH)2-r(式中、
a)MCが、亜鉛またはマグネシウムであり、
a)rが、1~2の数であり、これを含み、
b)XGが、[1]水素化物、C1-C20ヒドロカルビル、もしくはC1-C20ヘテロヒドロカルビル、または[2]水素化物、C1-C20脂肪族基、C6-C20芳香族基、C1-C20ヘテロ脂肪族基、もしくはC4-C20ヘテロ芳香族基から独立して選択され、
c)XHが、[1]ハロゲン化物もしくはC1-C20オルガノヘテリル、または[2]ハロゲン化物、C1-C12アルコキシド基、もしくはC6-C10アリールオキシド基から独立して選択される)を含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~3、6~68、または83~104のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0524】
態様112.共触媒が、[1]ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジシクロヘキシル亜鉛、ジフェニル亜鉛、もしくはそれらの任意の組み合わせ、[2]ブチルエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、n-ブチル-sec-ブチルマグネシウム、ジシクロペンタジエニルマグネシウム、もしくはそれらの任意の組み合わせ、または[3]基[1]からの任意の有機亜鉛共触媒と、基[2]からの任意の有機マグネシウム共触媒との任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~3、6~68、または83~104のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0525】
態様113.共触媒が、式:
Li(XJ)(式中、
XJが、[1]水素化物、C1-C20ヒドロカルビル、もしくはC1-C20ヘテロヒドロカルビル、または[2]水素化物、C1-C20脂肪族基、C6-C20芳香族基、C1-C20ヘテロ脂肪族基、もしくはC4-C20ヘテロ芳香族基から独立して選択される)を有する有機リチウム化合物を含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~3、6~68、または83~104のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0526】
態様114.共触媒が、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム(n-ブチルリチウムおよびt-ブチルリチウムを含む)、ヘキシルリチウム、イソ-ブチルリチウム、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~3、6~68、または83~104のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法。
【0527】
態様115.触媒組成物が、イオン交換粘土、プロトン酸処理粘土、柱状粘土、アルミノキサン、ホウ酸塩共活性化剤、アルミネート共活性化剤、電離イオン化合物、電子求引アニオンで処理された固体酸化物、またはそれらの任意の組み合わせから選択される共活性化剤をさらに含む、態様1~3、6~68、または83~104のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0528】
態様116.触媒組成物が、イオン性電離化合物をさらに含む、態様1~3、6~68、または83~104のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0529】
態様117.イオン性電離化合物が、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(p-トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(t-ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラフェニルボレート、トロピリウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートトリエチルシリリウムテトラフェニルボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(sec-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、ジメチル(t-ブチル)アンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナプチル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリ(t-ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トロピリウムテトラキス(パーフルオロナプチル)ボレート、トリフェニルカルベニウム(パーフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリ(t-ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリ(t-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル))フェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、ならびにジ-(i-プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートおよびジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのジアルキルアンモニウム塩、トリ(o-トリル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(2,6-ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどの追加のトリ置換ホスホニウム塩、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様116に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0530】
態様118.触媒組成物が、電子求引アニオンで処理された固体酸化物を含む共活性化剤をさらに含む、態様1~3、6~68、または83~104のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0531】
態様119.
a)固体酸化物が、シリカ、アルミナ、シリカ-アルミナ、シリカコーティングされたアルミナ、シリカ-ジルコニア、シリカ-チタニア、リン酸アルミニウム、ヘテロポリタングステート、チタニア、ジルコニア、マグネシア、ボリア、酸化亜鉛、それらの混合酸化物、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択され、
b)電子求引アニオンが、フッ化物、塩化物、臭化物、リン酸塩、トリフラート、重硫酸塩、硫酸塩、フルオロリン酸塩、フルオロ硫酸塩、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様118に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0532】
態様120.共活性化剤が、フッ化アルミナ、塩化アルミナ、臭化アルミナ、硫酸アルミナ、フッ化シリカアルミナ、塩化シリカアルミナ、臭化シリカアルミナ、硫酸シリカアルミナ、フッ化シリカジルコニア、塩化シリカジルコニア、臭化シリカジルコニア、硫酸シリカジルコニア、フッ化シリカチタニア、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様118に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0533】
態様121.触媒組成物が、担体もしくは希釈剤をさらに含む、触媒組成物、または任意の順序での接触が、担体もしくは希釈剤中で生じる、態様1~3、6~68、または83~120のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0534】
態様122.担体もしくは希釈剤は、炭化水素、エーテル、またはそれらの組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択され、それらはそれぞれ1~20個の炭素原子を有する、態様121に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0535】
態様123.担体もしくは希釈剤が、シクロヘキサン、イソブタン、n-ブタン、プロパン、n-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n-ヘキサン、Isopar(商標)、少なくとも1つのオレフィン、またはそれらの任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様121に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0536】
態様124.担体もしくは希釈剤が、少なくとも1つのオレフィンを含むか、それからなるか、本質的になるか、またはそれから選択される、態様121に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0537】
態様125.触媒の活性が、1時間当たり焼成スメクタイトヘテロ付加物(g/g/時間)を含む1グラム当たり約300グラム以上のポリオレフィンの支持体活性化剤であって、[1]約7×10-5mmolのメタロセン化合物/mg焼成スメクタイトヘテロ付加物の焼成スメクタイトヘテロ付加物に対するメタロセン化合物の比と、[2]本明細書に記載の他の標準的な条件と、を含む重合条件下である、態様1~3、6~68、または83~124のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0538】
態様126.触媒組成物が、約0.5~約0.000005、約0.1~約0.00001、または約0.01~約0.0001の範囲に、焼成されたスメクタイトヘテロ付加物1グラム当たりの有機アルミニウム化合物のモルで表される相対濃度で、有機アルミニウム化合物および焼成スメクタイトヘテロ付加物を含む、態様1~3、6~68、または83~125のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0539】
態様127.プロセスが、少なくとも1つのスラリー重合、少なくとも1つの気相重合、少なくとも1つの溶液重合、またはそれらの任意の多反応器組み合わせを含む、態様1~3、6~68、または83~126のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、またはオレフィン重合触媒の製造方法。
【0540】
態様128.プロセスが、気相反応器、スラリーループ、直列の二重スラリーループ、直列の複数のスラリータンク、気相反応器と組み合わせたスラリーループ、バッチプロセスにおける連続撹拌反応器、またはこれらの組み合わせにおける重合を含む、態様1~3、6~68、または83~127のいずれか一項に記載のオレフィンの重合プロセス。
【0541】
態様129.ポリオレフィンが、オレフィンホモポリマーまたはオレフィンコポリマーを含むか、それらからなるか、それらから本質的になるか、またはそれらから選択される、態様1~3、6~68、または83~128のいずれか一項に記載のオレフィン重合プロセス。
【0542】
態様130.ポリオレフィンが、モノマー分子当たり2~約20個の炭素原子を有するオレフィンモノマー残基を含む、オレフィンホモポリマーを含むか、それからなるか、それから本質的になるか、またはそれから選択される、態様1~3、6~68、または83~129のいずれか一項に記載のオレフィン重合プロセス。
【0543】
態様131.オレフィンモノマーが、エチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、または1-デセンから選択される、態様130に記載のオレフィンの重合プロセス。
【0544】
態様132.ポリオレフィンが、エチレン-オレフィンコモノマーコポリマーを含むか、それからなるか、それから本質的になるか、またはそれから選択され、コポリマーが、モノマー分子当たり3~約20個の炭素原子を有するα-オレフィンコモノマー残基を含む、態様2、6~68、または83~129のいずれか一項に記載のオレフィンの重合プロセス。
【0545】
態様133.オレフィンコモノマーが、脂肪族C3-C20オレフィン、共役もしくは非共役C3-C20ジオレフィン、またはそれらの任意の混合物から選択される、態様132に記載のオレフィンの重合プロセス。
【0546】
態様134.オレフィンコモノマーが、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、2-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1,3-ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,4-ペンタジエン、1,7-ヘキサジエン、ビニルシクロヘキサン、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、態様132に記載のオレフィンの重合プロセス。
【0547】
態様135.
a)メタロセン化合物および共触媒を、[1]約1分~約24時間、または約1分~約1時間の時間で、かつ[2]約10℃~約200℃、または約15℃~約80℃の温度で、接触させて、第1の混合物を形成し、その後、
b)第1の混合物を、焼成スメクタイトヘテロ付加物を含む支持体活性化剤と接触させて、触媒組成物を形成する、態様3、6~68、または83~126のいずれか一項に記載のオレフィン重合触媒の製造方法。
【0548】
態様136.メタロセン化合物、共触媒、および焼成スメクタイトヘテロ付加物を含む支持体活性化剤が、[1]約1分~約6ヶ月、または約1分~約1週間の時間で、かつ[2]約10℃~約200℃、または約15℃~約80℃の温度で接触させて、オレフィン重合触媒を形成する、態様3、6~68、または83~126のいずれか一項に記載のオレフィン重合触媒の製造方法。
【0549】
態様137.態様3、6~68、または83~126、または135~136のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【0550】
態様138.重合条件下で少なくとも1つのオレフィンモノマーおよび触媒組成物を接触させてポリオレフィンを形成することを含む、オレフィンの重合プロセスであって、触媒組成物が態様137に従って調製される、オレフィンの重合プロセス。
【0551】
態様139.触媒組成物、プロセス、方法、および支持体活性化剤が、本明細書に開示される任意の触媒組成物、プロセス、方法、および支持体活性化剤である、態様1~138のいずれか一項に記載の触媒組成物、オレフィンの重合プロセス、オレフィン重合触媒の製造方法、支持体活性化剤、または支持体活性化剤の製造方法。