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特許7578720電磁治療による免疫調整、脳解毒、及び認知保護のための装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】電磁治療による免疫調整、脳解毒、及び認知保護のための装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 2/02 20060101AFI20241029BHJP
   A61N 1/32 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
A61N2/02 A
A61N1/32
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022566363
(86)(22)【出願日】2020-05-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 US2020031192
(87)【国際公開番号】W WO2021221688
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2023-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】521273776
【氏名又は名称】ニューロイーエム セラピューティックス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アレンダッシュ,ゲリー ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】バラノフスキ,ロバート
【審査官】滝沢 和雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/173847(WO,A1)
【文献】REALE, Marcella, and AMERIO, Paolo,Extremely low frequency electromagnetic field and cytokines production.,Principles, Engineering Applications and Biophysical Effects,2013年02月,pp. 1-21,<https://www.researchgate.net/publication/287746701_Extremely_low_frequency_electromagnetic_field_and_cytokines_production>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N1/00-5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の血流中のサイトカインレベルを正常化する経頭蓋電磁治療(TEMT)又は末梢電磁治療(PEMT)の装置であって、
前記対象の近傍に位置決めされた状態で、経頭蓋電磁治療(TEMT)又は末梢電磁治療(PEMT)を提供するように構成された電磁エミッタのアレイと、
電磁場を生成する電磁波生成器と、
とを備え、
前記電磁エミッタを通して前記電磁場を前記対象に適用することにより、前記対象の前記血流中のサイトカインレベルを正常化するように構成された、装置。
【請求項2】
サイトカインレベルを、前記エミッタの下の血管、リンパ管、及び脳組織において正常化する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電磁エミッタのアレイは、前記対象の頭部表面に隣接して位置決めされる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記電磁エミッタのアレイは、前記対象の体表面に隣接して位置決めされる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
サイトカインレベルを正常化することは、免疫細胞の少なくとも1つからのサイトカイン放出を活性化又は抑制することを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
サイトカインレベルを正常化することは、初期サイトカインレベルが低い場合、サイトカインレベルを増大させることを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
サイトカインレベルを正常化することは、初期サイトカインレベルが高い場合、サイトカインレベルを低下させることを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
サイトカインレベルを正常化することは、循環している白血球細胞からの顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)サイトカイン及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)サイトカインの分泌を強化することを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記電磁エミッタは脳グリア細胞及び脳血管上に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記電磁場の前記電磁波は、
1メガヘルツ(MHz)~430ギガヘルツ(GHz)の周波数、
0.1~8ワット/キログラム(W/kg)平均比吸収率(SAR)の電力レベル、
1~300ヘルツ(Hz)のパルス繰り返し率、及び
1%~100%のデューティーサイクル
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記電磁エミッタを通して前記対象に電磁治療を適用することによって前記対象の前記血流中のサイトカインレベルを正常化することは、所定の間隔での周期的な治療を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記電磁エミッタを通して前記対象に電磁治療を適用することによって前記対象の前記血流中のサイトカインレベルを正常化することは、異常な血中サイトカインレベルを特徴とする免疫機能障害を治療する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記電磁エミッタを通して前記対象に電磁治療を適用することにより、前記脳からのアミロイドベータ(Aβ)及びタウアイソフォームの、他の脳毒素及び代謝物と一緒の排出/排除を強化することを更に含む請求項1に記載の装置。
【請求項14】
血管内皮成長因子(VEGF)サイトカインの血中レベルを増大させて、髄膜管の拡張を間接的に誘導することにより、髄膜管を通るリンパ流を増大させることを更に含む請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記電磁エミッタと通して前記対象に電磁治療を適用することにより、サイトカインレベルと同じ方向での血中のアルツハイマー病(AD)マーカーを調節することを更に含む、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
[0001] 体の免疫系の失調が生じる幾つかの人間の疾患/感染がある。この免疫機能障害又は失調は、疾患/感染過程及び症状又は疾患/感染への体の主な応答に対する主成分であることができる。更に、種々の疾患/感染と関連する免疫機能障害は、末梢組織に影響するのみならず(例えば関節リウマチ、COVID-19、喘息)、脳にも影響し得る(例えばアルツハイマー病、多発性硬化症、術後認知機能障害)。人間の脳の免疫失調に関して、脳の高密度脈管系を流れる血液は、多様なサイトカインを分泌する白血球細胞(WBC)-免疫系の「調節器」又は「効果器」-を含む。同様に、脳実質のミクログリア及び星状細胞は、脳機能に影響するサイトカインを分泌する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 人間の脳表面上の髄膜リンパ管及びこれらのリンパ管内のリンパ球は、免疫系と脳機能/機能障害との間の直接の繋がりを示す。これらの髄膜リンパ管は、凝集βアミロイド(Aβ)及びタウ等の脳有毒物質を脳から排出する。
【0003】
[0003] 免疫系の機能障害が関わる神経変性脳疾患として、アルツハイマー病(AD)は悲惨なことに600万もの米国人に影響を及ぼし、更に500万もの米国人が軽度脳機能障害(MCI)と呼ばれるADへの前兆を有している。世界で考えると、ADは数億人とは言わないまでも数千万もの人々に影響を及ぼしている。現在、ADの進行性認知低下を逆行させる方法、停止させる方法、又は遅らせる方法さえも存在していない。ADは米国での第6位の死因であり、米国政府に毎年二千億ドルの費用がかかっており、ADは、有効な治療又は予防が見つからない場合、2050年までに米国医療システムを危うくする潜在性を有する。ADを治療する薬剤又は生物製剤を見つけようとして数十億ドルを費やしているのにも拘わらず、この疾患を治療又は予防する150を超える薬剤又は生物製剤が関わる臨床試験はこれまで期待外れであった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] したがって、この疾患に対する「非薬理学的」手法が出現し、AD対象で臨床試験が行われてきており、又は現在、臨床試験中である。これらの神経調節手法は、磁気刺激(tMS)、経頭蓋直流刺激(tDCS)、及び脳深部刺激(DBS)を含む。これらの手法の3つ全ては、脳内のニューロンの活動を刺激する。しかしながら、医薬品及び生物製剤の場合と同様に、これらの手法のいずれもこれまで、AD対象の認知機能の改善又はAD過程への影響を示していない。2つの新たな神経調節手法(経頭蓋光変調及び経頭蓋超音波治療)は、ADに対する臨床試験が始まったばかりである。まとめてこれら5つの神経調節手法は、特に炎症性サイトカイン及び非炎症性サイトカインの両方の異常血中濃度によって定義されるADでの免疫機能障害に対処するようには見られていない。
【0005】
図面の簡単な説明
[0005] 添付図面は、本明細書に記載される原理の種々の例を示し、本明細書の一部である。図示の例は特許請求の範囲を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】[0006]本明細書に記載される原理の一例による電磁治療デバイスのブロック図である。
図2】[0007]本明細書に記載される原理の一例による、対象の血流中のサイトカインレベルを正常化する方法のフローチャートである。
図3】[0008]本明細書に記載される原理の別の例による、対象の血流中のサイトカインレベルを正常化する方法のフローチャートである。
図4】[0009]本明細書に記載される原理の一例による、対象の血流中のADマーカーを調節する方法のフローチャートである。
図5】[0010]本明細書に記載される原理の一例による、電磁治療を介して認知障害を治療する方法のフローチャートである。
図6A】[0011]本明細書に記載される原理の一例による、頭部への経頭蓋電磁治療(TEMT)を示す。
図6B】[0011]本明細書に記載される原理の一例による、頭部への経頭蓋電磁治療(TEMT)を示す。
図6C】[0011]本明細書に記載される原理の一例による、頭部への経頭蓋電磁治療(TEMT)を示す。
図7A】[0012]人間の脳内の動脈血管及び図6Aの例での頭部表面上に位置決めされた電磁場エミッタへのそれらの脳血管の近さを示す。
図7B】[0013]人間の脳表面上の動脈血管及び図6Aの例でのエミッタもいかに、それらの頭蓋外血管の近傍にあるかを示す。
図8A】[0014]個々のアルツハイマー患者に2ヶ月毎日TEMTを受けさせる前(ベースライン)及び後(60日目)の8つのサイトカインの血中レベルに対する、2ヶ月毎日のTEMTの効果を示す。
図8B】[0015]図8Aに示されるサイトカインのうちの2つ(IL-17a及びIL-18)の血中レベルでの2ヶ月毎日TEMTの効果を、2つのグループの各々の平均及びSEMが提示されることを除き、示す。
図9】[0016]アルツハイマー患者での1時間TEMTの前(ベースライン)及び後の4つのサイトカインの血中レベルでの単一の2時間TEMTセッションの効果を示す。
図10】[0017]深大脳リンパ節へのリンパの排出により脳毒素を除去するように見える人間の脳の髄膜リンパ管を示す。
図11A】[0018]人体の上半身内のリンパ系を示す。
図11B】[0019]特に電磁場エミッタが首及び腕の軸方向領域における主要な動脈、静脈、及びリンパ管の上に配置された末梢電磁治療(PEMT)を示す。
図12A】[0020]同じベースライン並びに図8A及び図8Bにグラフ化された8つのサイトカインについて解析されたAD対象からの60日目の血液試料を使用して、個々のAD対象からの血中t-タウレベルに対する60日間のTEMTの効果を示す。
図12B】[0021]図12Aにクークに示されるAD対象の2つのグループの各々の平均±SEMとしての血中タウレベルに対する60日間TEMTの効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0022] 提示された図は、この仮出願に記載される方法と一貫した例及び/又は実施態様を提供する。しかしながら、説明は図に示されている例及び/又は実施態様に限定されない。
【0008】
発明の詳細な説明
[0023] 免疫系はAD発病で重要な役割を果たしているというAD研究者間の一般的なコンセンサスがあるが、ADの進行が免疫系の過剰活性化(高血中サイトカインレベル)又は活性化不足(低血中サイトカインレベル)と関わるか否かに関しては意見の相違がある。AD研究者によっては、ADが少なくとも部分的に脳の炎症(神経炎症)によって生じ、脳の脈管での高サイトカインレベルを下げる薬剤の投与が治療に役立ち得ると信じている者もいれば、ADが「機能低下」免疫系と関わり、したがって、対象の低サイトカインレベルによってADに罹患しやすくなると信じている者もいる。この状況下では、機能低下免疫系を有するAD対象は、WBCによるサイトカイン分泌を活性化(増大)させる治療を必要とする。
【0009】
[0024] 過剰活性化事例又は活性化不足事例のいずれでも、免疫系の血中サイトカインレベルは異常である。したがって、本明細書は、ADの免疫(サイトカイン)機能障害並びに免疫(サイトカイン)失調が病因の中心である他の末梢疾患及び脳疾患のホストの免疫不均衡に対処するシステム及び方法を提示する。これらの状況で正常又は正常に近いレベルに戻るように血中サイトカインを調整/調節することができる方法は、疾患症状の有意な改善に繋がり得るとともに、恐らくは疾患の進行を阻むか又は逆行させることができる。
【0010】
[0025]経頭蓋電磁治療(TEMT)は、ADに対する有望な神経調節手法である。AD遺伝子組み換えマウスでの包括的な前臨床研究において、TEMTが脳及び脳のニューロンに届き、ADの根本原因であると見られる2つの毒性タンパク質-Aβ及びタウ-の小さなニューロン内凝集/オリゴマーを「脱凝集」させることが分かっている。TEMTによるこれらの作用は、ニューロンにおけるミトコンドリア機能を強化するその能力と組み合わせて、AD遺伝子組み換えマウスにおいてTEMTによって提供される一貫した認知恩益において役割を果たすように見える。
【0011】
[0026] これらの発見を人間のAD対象での臨床試験に繋げるために、MEMOREM(商標)デバイスが、人間の頭部表面上に分散した複数のエミッタを通して、脳内に電磁場を誘導することを通して、電磁幅を用いた全前脳治療を提供する。EM場を脳に提供するデバイスの一例として、MEMOREM(商標)デバイスは、相当な認知恩益をAD対象に提供し、脳内のAβ脱凝集と一貫した脳脊髄液(CSF)内のAβレベルの変更及び機能的磁気共鳴画像(fMRI)スキャンでの脳機能の強化のエビデンスを提供することを示してきた。したがって、電磁場治療を脳に提供するMEMOREM(商標)等のデバイスは、有意な治療恩益を提供することができる。本明細書は電磁場治療を適用して、様々な方法で人間の脳及び体に利する多様な方法を記載する。本明細書の内容は、「人間」の研究から到達したものであり(in vitro又は動物研究からではなく)、したがって、人間に対する直接適用性を有するはずである。
【0012】
[0027] したがって、本明細書は、1)血中の高サイトカインレベルの低下及び/又は血中の低サイトカインレベルの増大によって定義されるように、免疫調整を人体及び脳の両方に提供し、2)脳リンパ排出の強化を通して脳からの毒素の除去を増大させ、3)血中サイトカインを調整する能力と同じ方向にADの血液マーカーを調整し、4)人工呼吸器に繋がれていること及び/又は長期間高酸素であること生じる認知障害から保護又は治療し、5)麻酔を使用した手術後の術後認知機能障害又は認知障害/ブレインフォグから保護する方法を提示する。
【0013】
[0028] 本明細書は、正常な人間の健康を改善するために多様な状況に対処することができる2つの方法論を記載する。具体的には、第1の方法は、経頭蓋電磁治療又はTEMTを通して、電磁場を用いて人間の脳を治療するように提供される。第2の方法は、末梢電磁治療又はPEMTを通して体又は末梢に電磁場を提供する。複数の医療分野の各々へのこれらの2つのバイオエンジニアリング方法論の使用が本明細書に記載される。
【0014】
[0029] これらの分野は、免疫調整から、脳からの毒性タンパク質の除去、ADマーカーの変化と関連する血中サイトカイン変化、ウイルス/細菌感染及び麻酔を用いた手術から生じる免疫及び認知合併症の解決まで及ぶ。本明細書に記載される方法は、そのような免疫調整を提供し、脳からの毒性タンパク質の排除を強化し、血中免疫及びADマーカーの並行変化を誘導し、ウイルス/細菌感染及び麻酔を用いた手術から生じ得る免疫合併症及び認知合併症の両方を軽減する。したがって、本明細書のTEMT及びPEMT方法論は、人間に有益な効果を提供し、健康な状態に戻すことに繋がり得る。
【0015】
[0030] これより図を参照すると、図1は、本明細書に記載される原理の一例による電磁治療デバイス(100)のブロック図である。具体的には、図1は、電磁エミッタ(102)のアレイを含む電磁治療デバイス(100)を示す。電磁エミッタ(102)は、例えば経頭蓋電磁治療(TEMT)デバイス(100)内で対象の頭部表面に隣接して位置決めし得る。別の例では、電磁エミッタ(102)は、例えば末梢電磁治療(PEMT)において対象の体表面に隣接して位置決めされる。電磁エミッタ(102)は、周波数電磁場を患者の頭部及び/又は体に向けて投射する。電磁エミッタ(102)はアクティブ化されて、主に、血中サイトカインレベルが異常に高いか又は低い免疫系失調の疾患又は症状の治療のために、電磁場/治療を患者に適用するが、他の潜在的に有益な作用も誘導される。
【0016】
[0031] 一例において、電磁波は電磁波生成器(108)によって生成され、エミッタ(102)に送られ、次いで電磁場として組織に渡され得る。電磁治療デバイス(100)は、制御インターフェース(104)、コントローラ(106)、電磁波生成器(108)、及び治療を脳又は体の所望の部分に適用する1つ又は複数の電磁エミッタ(102)を含み得る。
【0017】
[0032] コントローラ(106)は、処方された治療に従って電磁波生成器(108)及び電磁エミッタ(102)を操作することにより、治療及びそのパラメータを管理する。制御インターフェース(104)は、患者又は介護者が治療を開始/停止し、治療ステータスを閲覧できるようにする。電磁治療デバイス(100)はポータブルであり得、それにより、患者が移動している間、治療を適用することができ、又は固定することができ、それにより、患者は、電磁治療デバイス(100)に相対して正しく位置決めされているとき、治療を受けることができる。電磁エミッタ(102)は、コントローラ(106)によって一度に1回アクティブ化されてもよく、又は幾つかの電磁エミッタ(102)が活性化されて、一緒になって、患者の所望の場所に制御可能なパターンを生成する電磁場(例えば無線周波数)場組合せを生成してもよい。
【0018】
[0033] より詳細に後述するように、電磁治療デバイス(100)は、1)血中サイトカインレベルを標準に向けて低下又は上昇させる免疫調整/免疫調節、2)脳からの排除を強化することによる脳からの有毒物質の除去、3)血中サイトカインレベルを調節する方法の能力と同じ方向での血中アルツハイマーマーカーを調節する能力、4)人工呼吸器に繋がれていること及び/又は長期にわたって正常よりも高酸素であることから生じ得る認知障害から保護又は治療する能力、及び5)麻酔を使用した手術後の術後認知機能障害/ブレインフォグ又は認知障害の低減又は除去を提供する。
【0019】
[0034] 図2は、本明細書に記載される原理の一例による、対象の血流中のサイトカインレベルを正常化する方法(200)のフローチャートである。方法(200)によれば、電磁エミッタ(図1、102)のアレイが対象の近傍に位置決めされる(ブロック201)。上述したように、そのような配置は、頭部表面に隣接し得、又は対象の体表面に隣接し得る。
【0020】
[0035] 次いで電磁波生成器(図1、108)は電磁場を生成する(ブロック202)。幾つかの例において、電磁場の波動は1メガヘルツ(MHz)~430GHz(ギガヘルツ)の周波数、0.1~8ワット/キログラム(W/kg)平均比吸収率(SAR)の電力レベル、及び1~300ヘルツのパルス繰り返し率を有する。
【0021】
[0036] 方法(200)は、電磁エミッタ(図1、102)を通して対象に電磁場に適用することによってサイトカインレベルを正常化すること(ブロック203)も含む。特定の例において、サイトカインレベルは、エミッタの下の血管中、リンパ管中、及び脳組織中で正常化される。幾つかの例において、治療セッションは、例えば数分~数時間の指定された持続時間を有し得る。この治療セッションは、1ヶ月又は数年等のより長い時間期間にわたって所定の間隔で、例えば1日に複数回、1週間に複数回等、繰り返し得る。他の例において、治療は数日、数週間、数ヶ月、又は数年にわたって連続し得る。
【0022】
[0037] 多数の疾患/症状は、免疫系の機能障害/不均衡を含む-特に種々のサイトカインの血中レベルの機能不全/不均衡として定義されるように。これらの疾患/症状の幾つかにおいて、免疫系は、正常よりも高い血中サイトカインレベルが存在する「過活動」である。この例において、サイトカインレベルを正常化すること(ブロック203)は、サイトカインレベルを低下させることを含む。過活動免疫系が明らかに疾患/症状に関わる疾患/症状には、アルツハイマー病、細菌又はウイルス感染(例えばCOVID-19、エボラ、SARS、特定のインフルエンザ)、関節リウマチ、多発性硬化症、パーキンソン病、動脈性高血圧症、自己免疫疾患、乾癬、鬱性認知障害、アレルギー、喘息、セリアック病、糸球体腎炎、肝炎、炎症性腸疾患、クローン病、骨関節炎、線維筋痛症、心血管疾患(例えばアテローム性動脈硬化)、がん、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎疾患、全身性エリテマトーデス、及びメタボリックシンドロームがある。
【0023】
[0038] 他の疾患/症状は、低血中サイトカインレベルが関わる低活動免疫系を有する。この例において、サイトカインレベルを正常化すること(ブロック203)は、サイトカインレベルを上げることを含む。これらの疾患/症状には、アルツハイマー病(過活動免疫系が関わるか、それとも低活動免疫系が関わるかは未解明)、AIDS、外傷性脳損傷(TBI)、及び慢性広汎性疼痛がある。
【0024】
[0039] アルツハイマー病(AD)に関して、疾患が、軽症認知障害(MCI)からADの種々のステージまでの疾患進行の少なくとも幾つかの原因であり得る無制御脳炎症(神経炎症)又は系統的炎症が関わる場合があり得る。しかしながら、逆もあり得る-即ち、脳及び/又は体の免疫系が過活動であり、その結果としてAD病因に抵抗できないことが、MCIからADへの転換に役割を果たし、その後、過活動免疫系に起因して進行性認知障害が続く。いずれの場合でも、本方法(200)は、血中サイトカインレベルを正常な血中レベルに向けて調整し、調整は、ADでの脳炎症を下げること又はこの疾患に抵抗するためにサイトカインレベルを上方調整することを含み得る。そのような方法(200)は、有益なことに、正常を超えてサイトカインレベルを上げることもでき、先に列記した免疫失調が関わる多数の疾患/症状に対する治療に役立つこともできる。
【0025】
[0040] 上記に鑑みて、本明細書は、「電磁場/治療」を脳(TEMT)又は体(PEMT)に提供する方法(200)を記載し、それにより、血中サイトカインレベルが低すぎる場合には増大させ、血中サイトカインレベルが高すぎる場合には下げることにより、脳又は体を循環する血液への免疫調整機能の治療に繋がる。
【0026】
[0041] まとめとして、種々のサイトカインの血中レベル不均衡に対処する第1の例において、方法(200)は、電磁波生成器(図1、108)及び頭部のケーブル接続された放射エミッタ(図1、102)を採用した電磁治療デバイス(図1、100)を使用して、電磁場を生成し、電磁場治療を患者の頭蓋にわたり及び脳内に放射することを含む。電磁治療デバイス(図1、100)は、完全に近いモビリティを可能にしながら家庭内電磁波治療を提供する。そのような電磁治療デバイス(図1、100)は、充電式電池よって給電されるカスタムプリント回路基板(コントローラ(図1、106))を含み得る。一例における電磁治療デバイス(図1、100)は、2層ヘッドキャップ内に組み込まれた8個の専用電磁エミッタ(図1、102)の配置を通して全前脳TEMTを提供する。この例において、これらの電磁エミッタ(図1、102)は順次アクティブ化し得、任意の所与の時間に1つのみの電磁エミッタ(図1、102)がアクティブ化される。電磁エミッタ(図1、102)は、アクティブ化されると、電磁場を脳に投射する。この例では、コンピュータシミュレーションにより、電磁場が頭蓋を容易に貫通し、次いでその下にある大脳皮質、そして最後に深部皮質下脳部位に届くことが示される。治療目的の場合、電磁場は、電磁エミッタ(図1、102)によって受けられる電磁波からなると定義され、電磁エミッタは次いで空気を通して電磁場を伝播させ、次いで治療を受けている患者の体内にある程度侵入させる。
【0027】
[0042] 上述した電磁デバイス(図1、100)は、ニューロン及び脳の細胞部を構成するグリア細胞のみならず、脳表面上の脳血管及び大脳皮質内又は下に配置された深部大脳血管にも電磁治療を提供する。即ち、電磁エミッタ(図1、102)の下の部位は、脳のニューロン、グリア細胞、及び大脳血管を含む。したがって、それらの大脳血管を循環する血液(特にリンパ球)の細胞成分は、頭部表面に位置決めされた電磁エミッタ(図1、102)から発せられた電磁場による影響を受けることができる。
【0028】
[0043] そのようなTEMTデバイスを通してTEMTを軽症/中等症のAD対象に投与された臨床研究において、血液試料をベースライン時、最初の1時間治療後、及び60日間の1日2回の1時間治療後に採取した。8つのサイトカイン(GCSF、GMCSF、PDGF、VEGF、IL-10、IL-15、IL-17A、及びIL-18)のパネルの血漿の解析により、TEMTの明らかな面系調整能力が明らかになった。特にベースラインサイトカインレベルが低かった(正常未満)場合、60日間のTEMTにより、普通は少なくとも正常レベルまでサイトカインレベルが上昇した。逆に、血中サイトカインレベルが高かった(正常超)場合、TEMTは、普通な正常レベル近く又は正常レベルへの低下を誘導した。これらの結果は、過活動免疫系を特徴とする疾患/症状を、ADの場合、再活性化された免疫系がAD発病を阻止又は予防することができるようにTEMTによって再活性化することができたため、意味深い含蓄を有する。同様であるが逆の状況が、過活動免疫系を特徴とする疾患/症状に考えることができる。
【0029】
[0044] 同じ臨床研究において、1時間のみのTEMT後のサイトカインレベルの解析により、治療が、60日間の治療後に見られるものと同じ方向への、既に生じている治療変化を明らかになった。ベースラインサイトカインレベル(正常よりも下又は上)は普遍的に、治療応答-この1回の治療後であっても、全対象及び全サイトカインで常に正常レベルに向かう-を予測した。TEMTによる制御性T細胞の活性化又は抑制は、TEMTに対するこの急速なサイトカイン応答への可能な1つの説明であり得る。電磁場のそのような意味深い免疫調整能力は、免疫機能障害が関わる疾患/症状のある個人又はない個人でも明らかであると仮定される。
【0030】
[0045] 種々のサイトカインの血中レベルの不均衡に対処するより具体的な例として、TEMT方法論をADにおける過活動免疫系に対して使用することができる。脳認知機能で役割を果たす2つのサイトカイン(GCSF及びGMCSF)が多くの場合、AD対象の血中でかなり低下する。これらのサイトカインの血中レベルを正常に又は正常よりも高いレベルに上げることにより、電磁場は、脳の認知部位への有益な変更を間接的に誘導し得る。したがって、血中サイトカインレベルを正常化すること(ブロック203)は、循環する白血球細胞からのGCSF及びGMSCFサイトカインの分泌を強化することを含み得る。これは、電磁エミッタ(図1、102)を介して電磁場を対象に適用することによって行うことができる。
【0031】
[0046] そうすることは、特定の脳成分に影響し得る。即ち正常よりも低いレベルから正常にサイトカインレベルを上げること(ブロック203)は、脳中のミクログリア(免疫)細胞数を上げ、脳内のシナプス(接続)を増大させ、海馬中のニューロン(神経形成)数を上げることを含み得る。したがって、血中の異常に低いGCSF及びGMCSFレベルを上げることにより、電磁場は、認知機能にとって有益な物理変化を脳に間接的に誘導する。TEMTは、幾人かのAD対象に存在する正常よりも高いGCSF及びGMCSFのベースラインレベルを下げたが、低下は典型的には、高齢の障害を有さない個人に典型的な正常又は正常に近いレベルへの低下であった。
【0032】
[0047] その結果、AD対象等の過活動免疫系を有する対象は、AD病因に立ち向かうために免疫系の再活性化又は若返りを通してTEMT投与から大きな恩恵を受ける立場にある。逆に、COVID-19の「サイトカインストーム」等の過活動免疫系を特徴とする多くの疾患/症状の1つを有する対象は、TEMT投与及びその結果としてのサイトカインレベルの低下を通してこの免疫過活動から解放されることができる。
【0033】
[0048] なお、TEMTによる免疫調整を示す8つのサイトカインの中で、この調整は普遍的に同じ方向への調整であった。例えば、正常よりも高いレベルのこれらの8つのサイトカインを有するAD対象は常に、TEMTに応答して、8つ全てのサイトカインのレベルが低下した-正常よりも低いサイトカインレベルを有する対象ではこの逆も同様であった。したがって、本方法(200)は、所与のサイトカインが炎症性であるか、それとも消炎性であるかを問わず、正常レベルに向かう一般化免疫調整を提供する。これは、任意の他の技術又は薬剤によっては示されない独自の免疫調整応答である。
【0034】
[0049] 種々のサイトカインの血中レベルの不均衡に対処する更に別の例において、方法(200)は、電磁波生成器(図1、108)及びケーブル接続された電磁エミッタ(図1、102)を採用した末梢電磁治療(PEMT)デバイスを使用して、電磁場を生成し、電磁場治療を電磁エミッタ(図1、102)の下の対象の体内に放射して、ユーザの体で実行し得る。特定の一例において、治療する疾患/症状に応じて1つ又は複数の電磁エミッタ(図1、102)があり得る。一例として、重症のCOVID-19乾癬を有する患者は、重症COVID-19感染に典型的なサイトカインストーム及び下肺野炎症を抑制するために、首、軸方向腕領域、及び下胸部に左右に位置決めされた複数の電磁エミッタ(図1、102)を必要とし得る。この例において、首及び軸方向エミッタは、それらの身体領域における主要な血管及びリンパ管に影響を及ぼして、患者のサイトカインストームの高血中サイトカインレベルを低下させ、一方、下肺野エミッタは同時に、COVID-19感染患者の肺炎症を生じさせる高い肺サイトカインレベルを低下させる。
【0035】
[0050] 全ての上記例及び種々のサイトカインの血中レベルの不均衡への対処を満たすためのTEMT又はPEMTのいずれかのより多くの用途において、放射される以下の範囲の電磁波パラメータを使用し得る:
a.1MHz~430GHzの電磁波周波数、
b.0.1~8W/kg平均比吸収率(SAR)の電力レベル、
c.パルス繰り返し率1~300Hz、
d.1%~100%(連続)のデューティーサイクル。
【0036】
[0051] したがって、本明細書は、電磁場を適用して、恐らくは免疫細胞(例えばリンパ球、通常のT(Tcon)細胞、マクロファージ、及び肥満細胞)からのサイトカイン放出を直接活性化又は抑制することによって対象のサイトカインレベルを変更する方法を記載する。そのような方法は、免疫細胞からのサイトカイン放出を調節するTreg細胞を活性化又は抑制し得る。
【0037】
[0052] 図3は、本明細書に記載される原理の別の例による、対象の血流中のサイトカインレベルを正常化又は強化する方法(300)のフローチャートである。上述したように、方法(300)は、電磁エミッタ(図1、102)のアレイを対象の近傍に位置決めすること(ブロック301)と、電磁場を生成すること(ブロック302)であって、それにより、電磁エミッタ(図1、102)から電磁場を放射させる、生成すること(ブロック302)とを含み得る。
【0038】
[0053] 方法は、血中VEGFレベルを上げること(ブロック303)を含むこともできる。血管内皮成長因子(VEGF)は、髄膜リンパ管の生成及び成人期維持(adulthood maintenance)を支援するサイトカインである。研究により、血中のVEGFレベルの増大が髄膜リンパ管のサイズ(直径)を直接強化し、それにより、これらの広がった血管を通るリンパ流が大きくなり得ることが分かっている。したがって、サイトカインVEGFの血中レベルの増大は、髄膜管の広がりを誘導することによって髄膜感を通るリンパの流れを「間接的」に増大させ得る。
【0039】
[0054] 低血中VEGFレベルを有するAD対象において、単一の1時間TEMTセッションは、血中VEGFレベルを大きく増大させる。同じAD対象での60日間のTEMT後、結集VEGFレベルの増大は更に大きい。これらの結果は、髄膜リンパ流を間接的に増大させる、TEMT誘導の血中のより高いVEGFレベルと一貫し、それにより、脳からの毒性タンパク質(例えばAβ及びタウ)の排除が強化される。
【0040】
[0055] したがって、血中VEGFレベルを増大させること(ブロック303)は、身体又は末梢電磁治療(PEMT)デバイスの使用によっても等しく同様に利用し得る。同じ又は異なる電磁エミッタ(図1、102)は体表面上に位置決めされて電磁波を生成することができ、それにより、首及び軸方向領域等の電磁エミッタ(図1、102)の下の対象の体内への続く電磁場治療の投射が生成されて、これらの身体領域における大きな脈管及びリンパ管に影響を及ぼすことができる。治療を必要とする疾患/症状に応じて1つ又は複数の電磁エミッタ(図1、102)があり得る。
【0041】
[0056] TEMTデバイス又はPEMTデバイスを介した循環血液細胞(例えばリンパ球、肥満細胞)からのVEGFの電磁波誘導分泌は、髄膜リンパ流を増大させ、結果としてこの経路による脳からの毒性タンパク質の除去を強化する。
【0042】
[0057] この例において、方法(300)はまた、脳からの毒性タンパク質の排除を強化することもできる。特に、方法(300)は、髄膜リンパ流の増大を通して脳からの他の脳毒素及び代謝物と共にβ-アミロイド(Aβ)及びタウアイソフォームの排除を増大させること(ブロック304)を含み得る。即ち、ADの根本原因である2つの毒性タンパク質、即ちβ-アミロイド(Aβ)及びタウは、この方法を通して脳からの排除が増大し得る。方法(300)によれば、これらのアイソフォームは持続的に脳から除去され、したがって、蓄積して自己凝集毒性「オリゴマー」又は不溶性堆積物にならない。実際に、これらの2つのタンパク質の排除の機能不全は、何故オリゴマー及び不溶性型がAD脳内で蓄積するかの主要な理由であるという仮説が立てられてきた。最近まで、Aβ及びタウを脳から排除する唯一のルートが脳脊髄液(CSF)を通し、次いで静脈血中に輸送されることを介してであると仮定されていた。しかしながら、脳が、脳表面の硬膜内に存在する「髄膜」リンパ管の広範なシステムを含むと特定されている。これらのリンパ管は脳液を頸部リンパ節中に排出し、警部リンパ節は次いでリンパを大きな静脈中に排出し、したがって種々の毒素を脳から排除する。したがって、これらの髄膜リンパ管及び静脈系へのそれらの一方向リンパ流は、脳からの毒性タンパク質排除の第2のルートを表す。したがって、髄膜リンパ管を通して脳からのAβ及びタウ排除を増大させる(ブロック304)方法(300)は、かなり望ましい。
【0043】
[0058] したがって、先に例示し説明されたように、頭部表面上の種々の電磁エミッタ(図1、102)から発せられた電磁場は、脳の髄膜リンパ管及びそれら内のリンパ球に直接影響し得る。脳表面エミッタからの電磁波は、脳から髄膜リンパ管への排出/流れを強化するように「間接的」に作用し得、脳からの毒素の排除強化に繋がる。これは、脳からのAβ及びタウの除去を促進する。
【0044】
[0059] 上記に鑑みて、Aβ及びタウアイソフォームの、他の脳毒素及び代謝物と一緒の排除を増大させること(ブロック304)は、頭部表面又は身体表面にそれぞれ位置決めされた電磁エミッタ(図1、102)により、TEMTを通して人間の頭部に又はPEMTを通して人体に電磁場を適用することによって行うことができる。
【0045】
[0060] そうすることで、髄膜リンパ流/排出の強化を介して脳からの毒素(例えばAβ、タウ)の除去を増大させる。
【0046】
[0061] Aβ及びタウアイソフォームを、他の脳毒素及び代謝物と共に排除する上記例及びTEMT又はPEMTのいずれかの他の適用において、放射される以下の範囲の電磁波パラメータが可能である:
a.1MHz~430GHzの電磁波周波数、
b.0.1~8W/kg平均比吸収率(SAR)の電力レベル、
c.パルス繰り返し率1~300Hz、
d.1%~100%(連続)のデューティーサイクル。
【0047】
[0062] 図4は、本明細書に記載される原理の一例による、対象の血流中のADマーカーを調節する方法(400)のフローチャートである。上述したように、この方法(400)において、電磁エミッタ(図1、102)のアレイが対象の近傍に位置決めされ(ブロック401)、電磁場が生成される(ブロック402)。これは図3に関連して上述したように行うことができる。
【0048】
[0063] 方法(400)によれば、血中のADマーカーは、電磁エミッタ(図1、102)を通して電磁波を適用することによって血中サイトカインと同じ方向に調節し得る(ブロック403)。特に、本明細書は、ADマーカー(例えばt-タウ、p-タウ、Aβ1-40、Aβ1-42、オリゴマーAβ)及びサイトカインの血中レベルを、同じ方向に変化するように調節する方法も記載する。例えば、血中サイトカインレベルの増大が上述した方法(300)によって誘導されて、血中でより高レベルの合計タウ(t-タウ)(その大半は無害モノマータウ形態である)を誘導する(直接又は間接的に)ことが治療にとって望ましいことがある。代替的には、血中t-タウの方法論誘導増大が血中の特定のサイトカインの増大を誘導することが等しく可能である。当然ながら、この方法論によって誘導されるADマーカー及びサイトカインの両変化は、互いから独立して生じ得る。したがって、サイトカイン及びADマーカーの両レベルを同じ方向に調整することができる方法論は、AD又は他の脳疾患/障害の予防又は治療にとって有価値であることができる。
【0049】
[0064] 上記に鑑みて、血中のADマーカーの調節は、頭部又は身体の表面のいずれかに位置決めされた電磁エミッタ(図1、102)をそれぞれ通してTEMTを人間の頭部に又はPEMTを人体に適用することによって実行し得る。血中のADマーカー(例えばt-タウ、Aβ1-42)の調節(ブロック403)は、血中サイトカインレベルの変化と同じ方向であり得る。
【0050】
[0065] 上記例及び血中のADマーカーを調節する(ブロック403)TEMT又はPEMT方法論のいずれかの他の適用において、適用することによって実行し得、放射される以下の範囲の電磁波パラメータが可能である:
a.1MHz~430GHzの電磁波周波数、
b.0.1~8W/kg平均比吸収率(SAR)の電力レベル、
c.パルス繰り返し率1~300Hz、
d.1%~100%(連続)のデューティーサイクル。
【0051】
[0066] 幾つかの例において、血中のADマーカーの誘導された変化は、サイトカインの血中レベルの変化を示す。別の例において、血中サイトカインレベルの誘導された変化は、ADマーカーの血中レベルの変化を示す。更に別の例において、血中ADマーカーの誘導された変化は、サイトカインの血中レベルの変化から独立して生じる。
【0052】
[0067] 図5は、本明細書に記載される原理の一例による、電磁治療を介してブレインフォグ/認知障害を治療する方法(500)のフローチャートである。上述したように、方法(500)は、電磁エミッタ(図1、102)のアレイを対象の近傍に位置決めすること(ブロック501)と、電磁場を生成すること(ブロック502)とを含む。この方法(500)によれば、認知障害は、電磁エミッタを通して電磁波を適用して電磁場(図1、102)を生成することにより、炎症及びフリーラジカルレベルの低下を通して低下する(ブロック503)。
【0053】
[0068] そのような認知障害/ブレインフォグは、任意の数の状況から生じ得る。例えば、方法(500)は、対象が人工呼吸器に繋がれており、及び/又は長期間高酸素であった(重症COVID-19ウイルス感染に伴う等)後又は人工心肺装置の使用あり若しくはなしでの全身麻酔の手術室での使用後に生じ得る認知障害/ブレインフォグを予防又は治療し得る。即ち、ウイルス及びバクテリア感染は、血中のサイトカイン数の急激で強力な増大を誘導し得、高熱並びに炎症、肺炎、及び線維症等の肺合併症を生じさせ得る。COVID-19に伴う等のこれらの状況では、入院及びそれに続くICUでのケアが必要であり得、ICUでのケアは通常、呼吸困難及び低血中酸素飽和度に起因して高酸素での人工呼吸が関わる。不都合なことに、人工呼吸は、肺過膨張の場合、血中の炎症性サイトカインの増大を引き起こし得る。高酸素(>50%)はまた、後にブレインフォグ/認知障害を誘導することも示されてきており、アルツハイマー病を助長する恐れがある-十中八九、酸素フリーラジカルの生成を通して。
【0054】
[0069] 上記に鑑みて、認知障害の誘導は方法(500)によって対応することができ、それにより、頭部又は身体の表面のいずれかにそれぞれ位置決めされた電磁エミッタ(図1、102)を通してTEMTを人間の頭部に又はPEMTを人体に適用することは、人工呼吸及び/又は酸素治療中又はそれに続けてのいずれかで採用されて、そのような治療に続き得る認知障害を最小化又はなくすことができる。
【0055】
[0070] 本方法(500)はまた、術後、全身麻酔後、及び/又は灌流後症候群において生じ得る認知機能障害/ブレインフォグ/偏頭痛も低下させるか、又はなくす。即ち、手術及び麻酔は両方とも、術後の種々の時点で認知に対して長期影響を有し得る-したがって、「術後認知機能障害」(POCD)という用語は、65歳以上の患者での麻酔を用いた手術後の合併症であり、記憶障害及び意思能力の低下の両方が関わる。不都合なことに、POCDを有する高齢の患者は、POCDを持たない高齢の患者と比較して、永久的な認知障害又はADに罹患する可能性が3倍高い。現在、POCDを治療する有効な治療は存在しない。更に、特に高齢者又は認知障害が既に存在する高齢者での全身麻酔はPOCDに繋がる恐れがあり、根底にある認知問題を悪化させ、ADに進行させる恐れがある。術中の心肺バイパスの使用も、ブレインフォグ、めまい、及び反復性偏頭痛を特徴とする灌流後症候群に繋がる恐れがある。手術、全身麻酔、及び灌流後症候群に続く過活動免疫系の臨床エビデンスがある。例えば、POCDの程度は血中サイトカインレベルと相関し、POCDへの炎症性サイトカインの関与が示唆される。更に、POCDにおけるミクログリア活性化に起因した「神経炎症」のエビデンスは増え続けている。
【0056】
[0071] 術後認知機能障害、多くの場合、対象が人工呼吸に繋がれており、及び/又は長期間高酸素であった後に生じる認知障害/ブレインフォグを低減又はなくすためにTEMT又はPEMTのいずれかの上記適用において、放射される以下の範囲の電磁波パラメータが可能である:
a.1MHz~430GHzの電磁波周波数、
b.0.1~8W/kg平均比吸収率(SAR)の電力レベル、
c.パルス繰り返し率1~300Hz、
d.1%~100%(連続)のデューティーサイクル。
【0057】
[0072] 一般的な手術、そこでの麻酔の使用、及び心肺バイパスの使用は全て、過活動免疫系(高血中サイトカインレベル)が関わるため、この方法はより具体的には、a)免疫細胞(例えばリンパ球、マクロファージ、脂肪細胞)からのサイトカイン放出の直接的な活性化若しくは抑制又はb)免疫細胞からのサイトカイン放出を調節するTreg細胞の活性化若しくは抑制を通した血中サイトカインレベル(例えばIL-17a、IL-18)のTEMT又はPEMT誘導レベル低下を含み得る。
【0058】
[0073] 過活動免疫系は多くの場合、手術、麻酔、又はバイパス手術後に見られるため、上記方法のいずれかを通した電磁治療の投与は、そのような処置によって誘導される認知障害を最小化又はなくすことができる。認知障害を低減する例のいずれかにおいて、治療方法は、入院中、ICUでの治療と同時若しくは直後、又は入院若しくは外来診療前、間、若しくは後、使用し得、全身麻酔後又は心肺バイパスの使用後、数日、数ヶ月、又は数年、使用し得る。
【0059】
[0074] 図6Aは、経頭蓋電磁治療(TEMT)を頭部に提供する方法の一例であるTEMTデバイス(610)を装着した対象を示す。電磁場は、腕に装着された制御ボックス/電池組合せへの有線接続を通して頭部のキャップにおけるエミッタによって生成される。8本のワイヤを含むケーブルがこの制御ボックス/電池を2層頭部キャップ内に配置された8個の電磁エミッタ(図1、102)の各々に接続する。TEMTデバイス(610)は、家庭内での略完全なモビリティを可能にし、装着者が、電磁治療を受けながら、大半の家庭での活動を実行できるようにする。幾つかの電力レベルに調整することができ、音を発しない。図6Bは、2層頭部キャップ間に包まれた8個の電磁エミッタ(102)のサイズ及び場所を示す。簡潔にするために、単一の電磁エミッタ(102)が参照番号と共に示されている。任意の所与の治療セッション中、これらの8個の電磁エミッタ(102)を順次アクティブ化することで、任意の所与の時間に1つのみの電磁エミッタ(102)がアクティブ化することができる。図6Cは、915MHz周波数及び4.0W/kg比吸収率(SAR)に設定された単一のアクティブ電磁エミッタ(102)によって生成された電場(図6Cの暗い領域)の有限差分時間ドメイン(FTDT)コンピュータシミュレーションを示す。この1つのアクティブ電磁エミッタ(102)から脳の側頭葉への電場の分布及び侵入深度を所与として、任意の所与の治療中、8個全ての電磁エミッタ(102)が集合的に、全前脳電磁場治療を提供することを理解することができる。毎秒約200の治療サイクル(エミッタアクティブ化)があり得るが、この「パルス繰り返し率」はより低くてもよく(例えば40Hz)又はより高くてもよい(例えば250Hz)。
【0060】
[0075] 図7Aは、人間の脳内(脳の表面下)の主要な動脈血管系及びTEMTデバイス(図6A、610)の電磁エミッタ(102)へのそれらの脳血管の近さを示す。これらの表面電磁エミッタ(102)と脳の表面との間の障壁は、髪、薄い皮膚の層及び接続組織、頭蓋、硬膜の薄い層、及びクモ膜腔/軟膜のみである。8個の電磁エミッタ(102)(915MHz及び4.0W/kgで)の1つから発せられた電磁場の分布及び侵入を所与として、8個の電磁エミッタ(102)の全体配置が電磁治療をこの例では全前脳の深部脈管に提供することが明らかなはずである。
【0061】
[0076] 図7Bは、人間の脳表面上の高密度動脈血管及びこれらの血管が人間の頭部上のTEMTデバイス(図6A、610)の8個の電磁エミッタ(102)の各々のどの程度近くにあるかを示す。図6Cに示されるように、8個の電磁エミッタ(102)の各々から発せられたコンピュータモデリングされた電磁場に鑑みて、人間の脳の深部及び表面の脈管の両方がロバストな電磁場を浴びることが当業者には明らかなはずである。
【0062】
[0077] 図8Aは、8つのサイトカインの血中レベルへの、TEMTデバイス(図6A、610)を用いて毎日2回アルツハイマー患者を治療したグラフ化された結果を示す。8つ全てのサイトカインで見ることができるように、ベースライン血中レベルが異常に低かった(正常レベルの水平点線よりも下)場合、TEMTにより、治療の60日目、血中レベルは増大した(実線)。逆に、ベースラインサイトカインレベルが異常に高かった場合、TEMTにより、60日間の治療後、血中レベルは低下した(破線)。
【0063】
[0078] 両状況において、TEMTにより、血漿サイトカインレベルは、高齢者の正常な個人の平均(点線水平線で示される)に向かって又は平均に増大又は低下した。そのような情報は、TEMT及び本明細書に記載される方法が、正常又は正常近くに戻ること、活動不足免疫系の治療の場合には、正常レベルよりも高くサイトカインレベルを増大させることにより、これら8つのサイトカインに「免疫調整」を提供することを明確に示している。
【0064】
[0079] 血中サイトカインへのTEMTの免疫調整役割は図8Bによって更に明確に示される。図8Bは、IL-17a及びIL-18について図8Aに示される個々の対象の平均及びSEMを示す。明らかなように、TEMTは、IL-17a及びIL-18の両方での最初低かったサイトカイングループ及び最初高かったサイトカイングループの両方を、高齢者個人でのこれら2つのサイトカインの正常レベルに向かって収束するように誘導した。
【0065】
[0080] 図9は、単一のみの1時間TEMTセッション後の4つのサイトカインの血中レベルへの、TEMTデバイス(図6A、610)を用いたアツルハイマー患者を治療したグラフ化された結果を示す。4つ全てのサイトカインで見ることができるように、ベースライン血中レベルが異常に低かった(正常レベルの水平点線よりも下)場合、1時間のTEMTにより、1日目、TEMTの直後、血中レベルは増大した(実線)。逆に、ベースラインサイトカインレベルが異常に高かった場合、1時間のTEMTにより、1日目、TEMTの直後、血中レベルは低下した(破線)。
【0066】
[0081] 毎日のTEMTの60日後での血中サイトカインの場合と同様に、単一のみのTEMTセッション後、同じAD対象から、4つ全てのグラフ化されたサイトカインで一貫したプロファイルが見られる(残りの4つのサイトカインも同様の結果を示した)。異常に低いベースライン血漿レベル(実線)を有するAD患者の場合、単一のTEMTセッションにより、サイトカインレベルは正常近く又は正常よりもわずかに高い値に増大した。これらのサイトカインの異常に高いベースラインレベルを示すAD患者の場合、単一のTEMTセッションにより、サイトカインレベルは、多くの場合には正常又は正常よりも低い値に低下した(破線)。したがって、1回のみのTEMTセッション後であっても既に、血中サイトカインレベルは、レベルの増大又はって以下のいずれかを通して正常レベルに向かう傾向を有したか、又は正常レベルに向かっていた。図9に示されるように、本明細書に記載される方法は、長期治療なしで免疫調整能力を提供するが、急な治療で相当な程度まで達成することができる。
【0067】
[0082] 図10は、硬膜内の脳表面上に大方配置された人間の脳の髄膜リンパ管を示す。これらのリンパ管は、脳からの有毒物質(例えばAβ、タウ)を除去/排除するための第2の経路(CSFに加えて)であると最近発見され、現在そう見なされている。これらの髄膜リンパ管中のリンパは首から深部頸部リンパ節中、そして最後に心臓に供給される大きな静脈中に一方向に流れる。髄膜リンパ管はAD治療の標的となっており、その理由は、それらのリンパ流の増大はより多くの有毒Aβ及びタウ可溶性凝集物を脳から除去するためである。これらのリンパ管内のリンパ流が大きいほど、恐らく、脳毒素の排除を強化する。
【0068】
[0083] サイトカインVEGFは、成人期、髄膜リンパ管の生成及び維持に必要な因子である。このサイトカインは、髄膜リンパ管を広げてリンパ流を増大させる能力を有する。AD対象でのTEMTデバイス(図6A、610)の使用によって示されるように、血中の免疫細胞(例えばリンパ球)によるVEGFの産生/放出は、低VEGFレベルを有するAD対象において大幅に強化される。したがって、これらの対象は、TEMTの結果として、髄膜リンパ流の増大及びその結果としてのAβ及びタウ凝集物の脳内排除の増大が予期される。実際に、可溶性Aβ及びt-タウのレベル増大が、60日間のTEMT後、AD患者の血漿中に見られる。
【0069】
[0084] 図11Aは、人体の上半身内のリンパ系を示す。頭部からのリンパ液が頸部リンパ節を通って排出され、腕及びすぐそばの胸部領域から戻るリンパ液が、腕の軸方向領域にある腋窩リンパ節を通して排出されることを理解することができる。脳からのリンパは脳の髄膜リンパ管を通って首の深部頸部リンパ節に、そして心臓に入る大きな静脈に排出される。腕及びすぐそばの胸部領域からのリンパは腕の軸方向領域の腋窩リンパ節を通って排出されてから、胸管に合流する。
【0070】
[0085] 図11Bは、上半身内の主要な動脈及び静脈を示す。図11Bは、特に首及び腕の軸方向領域の主要な動脈、静脈、及びリンパ管の上に配置された電磁エミッタ(102)用いる末梢電磁治療(PEMT)を提供する方法を示す。これらの主要な脈管内の血中WBC及びリンパ中WBCは、これらの体表面電磁エミッタ(102)からの電磁治療によって容易に影響を受けることができることを理解することができる。
【0071】
[0086] 図11A及び図11Bから、2つの上半身領域が主要な動脈、静脈、及びリンパ管を含み、首及び腕の軸方向領域であることが明らかである。したがって、WBC及びそれらのサイトカイン分泌に影響を及ぼしたい場合、電磁エミッタ(102)はこれらの2つの上半身部位に置くことができる。したがって、図11Bは、それらの2つの身体領域に配置されて示されるように位置決めされた左右電磁エミッタ(102)を用いる末梢(身体)電磁治療(PEMT)を提供する方法を示す。その結果、これらのエミッタの下の血中及びリンパ中のWBC(例えばリンパ球)が最も容易且つロバストに影響されることを理解することができる。
【0072】
[0087] 図12Aは、図8A及び図8Bでのように、AD対象からの同じベースライン及び60日目の血液試料での血漿中t-タウレベルを測定したグラフ化された結果を示す。
【0073】
[0088] 図12Aから、TEMTに対するこれらのAD対象のt-タウ応答が、図8A及び図8Bにおけるサイトカインで観測されたものと同じ全波プロファイルを有することが明らかである。これは、ベースラインにおいて低い血中t-タウレベルを有するAD対象にとって特に当てはまる。
【0074】
[0089] 容易に明らかであるように、血中サイトカインによって示される同じパターンのTEMT作用が、血中t-タウレベルへのTEMT作用でも存在した。1つの例外として、ベースラインでの低血中t-タウレベルは、TEMT後、t-タウレベルの増大につながる(図12A、実線)。可溶性t-タウは略全体的に単量体タウであるため、この増大は、血漿内の単量体t-タウの治療誘導増大を反映し得、これは血漿中のオリゴマータウの脱凝集と一貫する。ベースラインt-タウレベルがベースラインにおいて高かった場合、TEMT後、t-タウは小さく低下した(破線)。これは、可溶性(単量体)t-タウを高く維持するに当たって良好な効果であり得る。図12B図12Aと同じデータを示すが、個々の対象からのデータではなく、2つのグループの平均及びSEMが提示されている。これらのt-タウ結果は、サイトカイン及びt-タウにTEMTの並列効果があることを示唆する。
【0075】
[0090] 先の説明は、本発明を例示し説明するためだけに提示されている。網羅的である、即ち開示されたいずれの厳密な形態にも本発明を限定することは意図されない。上記教示に鑑みて、多くの変更及び変形が可能である。
【0076】
[0091] 本明細書に記載された例は、趣旨の原理及びその実際の適用を最良に説明するために選ばれ説明された。先の説明は、他の当業者が趣旨を種々の実施形態で、企図される特定の使用に適するように種々の変更を行って最良に利用できるようにすることを意図する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B